IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ パロ アルト リサーチ センター インコーポレイテッドの特許一覧

<>
  • 特開-カソード防食システム及び方法 図1
  • 特開-カソード防食システム及び方法 図2
  • 特開-カソード防食システム及び方法 図3
  • 特開-カソード防食システム及び方法 図4
  • 特開-カソード防食システム及び方法 図5
  • 特開-カソード防食システム及び方法 図6
  • 特開-カソード防食システム及び方法 図7
  • 特開-カソード防食システム及び方法 図8A
  • 特開-カソード防食システム及び方法 図8B
  • 特開-カソード防食システム及び方法 図8C
  • 特開-カソード防食システム及び方法 図8D
  • 特開-カソード防食システム及び方法 図8E
  • 特開-カソード防食システム及び方法 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023089938
(43)【公開日】2023-06-28
(54)【発明の名称】カソード防食システム及び方法
(51)【国際特許分類】
   C23F 13/22 20060101AFI20230621BHJP
   C23F 13/02 20060101ALI20230621BHJP
【FI】
C23F13/22
C23F13/02 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】24
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022185357
(22)【出願日】2022-11-21
(31)【優先権主張番号】17/552,805
(32)【優先日】2021-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】504407000
【氏名又は名称】パロ アルト リサーチ センター インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】ジェイコブ、シャムーン
【テーマコード(参考)】
4K060
【Fターム(参考)】
4K060AA03
4K060BA02
4K060CA06
4K060CA15
4K060EA08
4K060EB01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】被防食構造体を腐食から保護するように構成されたカソード防食システムを含むシステムを提供する。
【解決手段】システムは、アノードを有し、被防食構造体を腐食から保護するように構成されたカソード防食システムを含む。本システムは、カソード防食システムに動作的に結合された監視回路を含む。監視回路は、電気-光トランスデューサを含む。電気-光トランスデューサは、被防食構造体とカソード防食システムのアノードとの間、被防食構造体と参照電極との間、又は参照電極とアノードとの間を流れる電流に応じて光信号を生成するように構成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アノードを備え、被防食構造体を腐食から保護するように構成されたカソード防食システムと、
前記カソード防食システムに動作可能に結合された監視回路であって、電気-光トランスデューサを含む、前記監視回路と、
前記被防食構造体と前記カソード防食システムの前記アノードとの間、前記被防食構造体と参照電極との間、又は前記参照電極と前記アノードとの間を流れる電流に応じて光信号を生成するように構成された前記電気-光トランスデューサと、
を備える、システム。
【請求項2】
前記アノードが、前記電流のために電子を供給するように構成された犠牲アノードである、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記アノードが不活性アノードであり、前記カソード防食システムが、前記電流のために電子を供給する電源を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記電気-光トランスデューサが、前記アノードと前記被防食構造体との間で直列になっている、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記監視回路が、電圧変換器を含む結合回路を更に含み、前記電圧変換器が、
前記電流に応じて生成される電圧を昇圧させ、
昇圧させた前記電圧で前記電気-光トランスデューサを駆動する
ように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記監視システムに電力を供給するように構成された電力サブシステムを更に備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記電力サブシステムが、
太陽電池回路と、
熱電回路と、
圧電回路と、
ガルバニック腐食から環境発電するように構成されたヒステリシス回路と、
のうちの1つ以上を備える環境発電デバイスを含む、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記電力サブシステムが、前記環境発電デバイスからエネルギーを受け取り、貯蔵するために結合されたエネルギー貯蔵デバイスを含み、前記エネルギー貯蔵デバイスが、バッテリーとコンデンサとの一方又は両方を備える、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記電力サブシステムが、光ファイバによって伝送される光エネルギーを電気エネルギーに変換するように構成された光ファイバ給電装置を備える、請求項6に記載のシステム。
【請求項10】
前記電気-光トランスデューサが、発光ダイオード、レーザダイオード、及びスーパールミネッセントデバイスのうちの少なくとも1つを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記電気-光トランスデューサが、エンコーダを含む、又は前記エンコーダに結合されており、前記エンコーダが、予め定められた符号化方式に従って前記光信号を符号化するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記符号化方式が、振幅変調符号化、周波数変調符号化、パルス幅変調符号化、及びデジタル符号化のうちの1つを含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
光ファイバリンクを介して前記電気-光トランスデューサに光学的に結合されたデータ取得回路を更に備えるシステムであって、前記データ取得回路が、前記光信号を使用して、前記被防食構造体における腐食の有無及び程度を測定するように構成されたアナライザを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記電気-光トランスデューサが、トリガ刺激に応じて前記光信号を生成するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
前記電気-光トランスデューサが、遠隔供給源と前記電気-光トランスデューサとの間の光ファイバリンクを介して前記遠隔供給源から受け取ったトリガ刺激に応じて前記光信号を生成するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項16】
アノードを含むカソード防食システムを使用して、被防食構造体を腐食から保護することと、
電気-光トランスデューサを含む監視回路を使用して、前記被防食構造体における腐食について監視することと、
前記電気-光トランスデューサによって、前記被防食構造体と前記アノードとの間、前記被防食構造体と参照電極との間、又は前記参照電極と前記アノードとの間を流れる電流に応じて、光信号を生成することと、
前記光信号を光ファイバリンクを介して遠隔データ取得システムに通信することと、
を含む、方法。
【請求項17】
前記アノードが犠牲アノードである、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記アノードが不活性アノードである、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
環境発電デバイスを使用して、前記監視回路のための電力を生成することを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
光ファイバ給電装置を使用して、前記監視回路のための電力を生成することを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項21】
予め定められた符号化方式に従って、前記光信号を符号化して、符号化された光信号を発生させることを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項22】
前記符号化された光信号を使用して、前記遠隔データ取得システムによって、前記被防食構造体における腐食の有無及び程度を測定することを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記光信号がトリガ刺激に応じて生成される、請求項16に記載の方法。
【請求項24】
前記電気-光トランスデューサが、遠隔供給源と前記電気-光トランスデューサとの間の前記光ファイバリンクを介して前記遠隔供給源から受け取ったトリガ刺激に応じて前記光信号を生成する、請求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、カソード防食システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
金属構造は、酸素と、水又は土壌などの一般的な電解質とが存在するときに自発的に酸化する。酸化によって金属は酸化物の形態(例えば、錆び)になり、それが崩壊して構造の破壊が引き起こされ得る。このプロセスは腐食と呼ばれ、橋、タンク、パイプライン、防潮堤、及び他の土木構造体に影響を与える。腐食のコストは2013年には米国のGDPの2.7%、すなわち4500億ドルと推定された。カソード防食(CP)システムは、より電気的に活性な金属(犠牲アノード)又はDC電源(印加電流)から電流の形態でエネルギーの入力を提供することによって腐食を防止する。CPシステムがどの程度機能しているかを監視するのは難しい場合がある。これは、構造/アノードが土壌に埋まっているか、水中にあるか、又はコンクリートに覆われているので、検査が困難であるためである。
【発明の概要】
【0003】
いくつかの実施形態は、アノードを有し、被防食構造体を腐食から保護するように構成されたカソード防食システムを含むシステムに関する。本システムは、カソード防食システムに動作可能に結合された監視回路を含む。監視回路は、電気-光トランスデューサを含む。電気-光トランスデューサは、被防食構造体とカソード防食システムのアノードとの間、被防食構造体と参照電極との間、又は参照電極とアノードとの間を流れる電流に応じて光信号を生成するように構成されている。
【0004】
いくつかの実施形態は、アノードを含むカソード防食システムを使用して、被防食構造体を腐食から保護する方法に関する。本方法は、電気-光トランスデューサを含む監視回路を使用して、被防食構造体における腐食についての監視をすることを含む。本方法はまた、電気-光トランスデューサによって、被防食構造体とアノードとの間、被防食構造体と参照電極との間、又は参照電極とアノードとの間を流れる電流に応じて、光信号を生成することを含む。本方法は、光信号を光ファイバリンクを介して遠隔データ取得システムに通信することを更に含む。
【0005】
上記の概要は、開示される各実施形態又は本開示の全ての実施を説明することを意図したものではない。図面及び以下の詳細な説明は、例示的な実施形態をより具体的に例示する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】様々な実施形態による、被防食構造体を腐食から保護するように構成されたCPシステムを含むシステムであって、CPシステムが電気-光トランスデューサを含む、システムを示す図である。
図2】様々な実施形態による、被防食構造体を腐食から保護するように構成されたCPシステムの代表的な電気-光トランスデューサを示す図である。
図3】様々な実施形態による、被防食構造体を腐食から保護するように構成されたCPシステムを含むシステムであって、CPシステムが電気-光トランスデューサを含む、システムを示す図である。
図4】様々な実施形態による、被防食構造体を腐食から保護するように構成されたCPシステムを含むシステムであって、CPシステムが電気-光トランスデューサを含む、システムを示す図である。
図5】様々な実施形態による、被防食構造体を腐食から保護するように構成されたCPシステムを含むシステムであって、CPシステムが、光信号を遠隔データ取得システム/アナライザに通信するように構成された電気-光トランスデューサを含む、システムを示す図である。
図6】様々な実施形態による、CPシステムを含むプロセスフロー図である。
図7】様々な実施形態による、電気-光トランスデューサの回路を示す図である。
図8A】様々な実施形態による、電気-光トランスデューサによって生成された光信号を符号化するための様々な符号化方式を示す図である。
図8B】様々な実施形態による、電気-光トランスデューサによって生成された光信号を符号化するための様々な符号化方式を示す図である。
図8C】様々な実施形態による、電気-光トランスデューサによって生成された光信号を符号化するための様々な符号化方式を示す図である。
図8D】様々な実施形態による、電気-光トランスデューサによって生成された光信号を符号化するための様々な符号化方式を示す図である。
図8E】様々な実施形態による、電気-光トランスデューサによって生成された光信号を符号化するための様々な符号化方式を示す図である。
図9】いくつかの実施形態による、犠牲アノードベースのCPシステムの実験的なデモンストレーションであって、CPシステムが電気-光トランスデューサを含む、実証を示す図である。 図面は、必ずしも縮尺どおりではない。図面に使用される同様の番号は、同様の構成要素を指す。しかしながら、所与の図面における構成要素を指す番号の使用は、同じ番号でラベル付けされた別の図面における構成要素を限定することを意図していないことが理解されるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0007】
開路電位、表面電位、コンクリート抵抗率、分極抵抗、ノイズ解析、及びガルバニック電流に基づいて腐食を監視するための多種多様な電気化学センサが存在する。これらのアプローチは、耐久性、電磁干渉(EMI)に対する感度、及び土木構造体の寿命に関連する非常に長い(>25年)タイムスケールでの安定性の問題によって妨げられている。
【0008】
本開示の実施形態は、CPシステムの状態を監視するためのシステム及び方法に関する。本開示の実施形態は、CP回路によって検出された腐食信号が光ファイバによって伝送される光信号に変換されるという点で従来の電気化学センサとは異なり、これは、過酷な環境において長い時間スケールにわたって安定し、EMIに影響されない検出及び伝送方法である。例えば、商用オフザシェルフ(COTS)の電気通信グレードのレーザダイオードは、10^6時間(>100年)の寿命を有する。
【0009】
堅牢でEMIに対する耐性があり、アレイに容易に多重化できるので、ファイバブラッググレーティング(FBG)に基づく光ファイバセンサによる腐食検出が実証されてきている。しかしながら、FBGはひずみ及び温度にのみ敏感であるため、腐食に関連するプロセスと組み合わせることは困難である。本開示の実施形態は、FBGが受動要素であるという点でFBGベースのファイバセンサとは異なり、FBGセンサに対しては、光パルスが外部から注入され、特定のスペクトル成分が反射されて戻ってくる。様々な実施形態によれば、FBGはなく、CPシステムからの電流の少なくとも一部を使用して光信号を直接生成し得る。いくつかの実装形態では、外部から光パルスを注入して、電力を供給し(例えば、光ファイバ給電又はPOF)、及び/又は測定の開始をトリガしてもよい。ファラデー効果に基づく光ファイバ電流センサは、腐食に伴う小さな電流を測定するには感度が十分でないことに留意されたい。
【0010】
内蔵電流モニタを有する犠牲アノードは市販されており、遠隔監視カソード防食(RMCP)システムの一部を形成し得る。これらの従来のシステムは、有線接続又は無線接続を介して基地局と通信する。このようなシステムは、太陽光発電、風力発電、又は(印加電流のための)整流器からの電力を介して電力を供給される。場合によっては、RMCPノードにGSM又は衛星送信機が搭載され、ノードの状態についての情報が無線で送信される。
【0011】
本開示の実施形態は、腐食信号が光信号に変換され、光ファイバを介して伝送されるという点で、これらのシステムとは異なる。商用のRCMPシステムと比較して、光ファイバ伝送は、パイプライン、タンク、橋脚、防波堤などの埋設/水没構造体に適合した、長距離(10~100km)で低損失で信号を伝送する方法を提供する。無線GSM又は衛星信号は、吸収に起因して、地下又は水中で長距離を伝播し得ない。ファイバ接続はまた、トリガ信号の送信、及び他のセンサを含む既存のファイバインフラストラクチャとの多重化のために、センサへの電力供給(例えば、POF構成体を用いた)を提供する。
【0012】
本開示の実施形態は、CPシステムによって少なくとも部分的に電力供給される光トランスデューサを使用してカソード防食システムに流れる電流を測定するためのシステム及び方法に関する。カソード防食システムは、被防食構造体(例えば、鋼)を電気化学回路におけるカソードにすることによって、電子がアノードから鋼に流れるようにして、腐食が遅くなり、又は止まる。これにはエネルギーの入力が必要である。エネルギーは、より活性な「犠牲」アノードからの自発的な電子流(図1を参照)又はDC電源「印加電流」によって電力供給される不活性アノードからの電子流(図3を参照)のいずれかによって供給される。カソードとアノードとの間の水、土、又はコンクリートなどの電解質によって回路が完成する。
【0013】
本開示の独自の態様は、電流が流れたときに光を生成する図に示されているCP回路と直列に光源(例えば、レーザダイオード又はLED)を配置することである。光源によって発生させた光信号は、光ファイバリンクを介して遠隔データ取得システム/アナライザに通信し得る。光信号の1つ以上の特性を分析して、その被防食構造体(例えば、鋼構造体)での腐食の有無及び程度を決定し得る。
【0014】
図1は、様々な実施形態による、システム100を示す。システム100は、被防食構造体104を腐食から保護するように構成されたアノード102を含むCPシステム101を含む。アノード102及び被防食構造体104は、水(例えば、塩水)、土壌又はコンクリートなどの電解質105と空気などの酸化剤とを含む環境に配置され、又はそれらに囲まれる。被防食構造体104は、腐食の対象となる鋼又は他の金属で作られた任意の構造又は構成要素(例えば、本明細書で開示されている例を参照)など、多くの形態をとり得る。図1に示す実施形態では、アノード102は、Zn、Al、Mg又はこれらの金属の合金などの適切な材料で作られた犠牲アノードである。アノード102の犠牲材料は、被防食構造体104の金属の代わりに腐食する。
【0015】
システム100はまた、CPシステム101に動作可能に結合された監視回路110を含む。監視回路110は、電気-光トランスデューサ112を含む。例として、図2を参照すると、電気-光トランスデューサ112は、例えば、LED、レーザダイオード、又はスーパールミネッセントデバイスを含み得る。図1及び図2(及び他の図)に示すように、電気-光トランスデューサ112は電気接続106、108を介して、アノード102及び被防食構造体104と直列になっている。
【0016】
電気-光トランスデューサ112は、被防食構造体104とCPシステム101の犠牲アノード102との間を流れる電流に応じて光信号114を生成するように構成されている。以下に説明するように、光信号114は光ファイバリンクを介してデータ取得システム/アナライザに通信される。データ取得システム/アナライザは、通常、システム100から離れた監視ステーションに配置される。
【0017】
図1に最もよく示されているように、及びシステム100の動作中に、アノード102と周囲の環境との間の化学反応によって、犠牲アノード102と被防食構造体104との間に防食電流が流れ、被防食構造体104がカソードとして機能するようになる。より具体的には、図1に示す電気化学電池構成体における酸化は、被防食構造体104に流れる電子を解放する犠牲アノード102(電子供与体)に集中し、これが電気化学回路におけるカソード(電子受容体)となる。被防食構造体104に電子が蓄積すると電気化学ポテンシャルが低下するので、被防食構造体104の腐食が遅くなり、又は止まる。犠牲アノード102は、例えば、ワイヤ、ロッド、チューブ、プレート、スティックなど、様々な形状及びサイズを有し得る。
【0018】
図1に示すような犠牲アノードCPシステムの場合、駆動電圧は以下の表1に示すガルバニック直列によって設定され、0.25~1.55Vを供給する。
【0019】
【表1】
図3は、様々な実施形態による、システム200を示す。システム200は、被防食構造体104を腐食から保護するように構成された不活性アノード202を含む印加電流CPシステム(ICCPシステム)201を含む。前述のように、不活性アノード202及び被防食構造体104は、電解質105内に配置され、又は電解質105に囲まれている。図3に示す実施形態では、不活性アノード202は、黒鉛、鋳鉄、チタン合金、シリコン鉄又は白金-ニオブ被覆金属で作り得る。不活性アノード202は、例えば、ワイヤ、ロッド、チューブ、プレート、スティックなど、様々な形状及びサイズを有し得る。
【0020】
ICCPシステム201は、不活性アノード202及び被防食デバイス104に電気的に接続されたDC電源115を含む。不活性アノード202は、DC電源115によって供給されるDC電流によって駆動される。整流器と呼び得るDC電源115は、被防食構造体104の防食されるべき表面と不活性アノード202との間に高い電位差を生じるように構成されている。直流電源115は電流を生成するために使用され、この電流は、被防食構造体104にカソード防食を提供する。カソード防食に大きな電流が必要なとき、印加電流システムは、犠牲CPシステムに関連するより良い結果をもたらすことに留意されたい。
【0021】
印加電流の場合、電圧は、DC電源115によって設定され、24V以上にしてもよい。回路に流れる電流は、電解質105の抵抗率によって決定される。防食されていると見なされる構造のNACE仕様は、-850mVvs.硫酸銅電極の電位である。電位の負の値が大きすぎると(例えば、<-1Vvs.Ag/AgCl)、被防食構造体が過剰に防食され、コーティングが劣化し、水素脆化によって構造が弱くなる可能性がある。鋼構造体を防食するために必要な一般的な印加電流は約22mA/mである。
【0022】
システム200はまた、CPシステム201に動作可能に結合された監視回路110を含む。監視回路110は、電気接続106、108を介してDC電源115、アノード202、及び被防食構造体104と直列に結合された電気-光トランスデューサ112を含む。電気-光トランスデューサ112は、例えば、LED、レーザダイオード、又はスーパールミネッセントデバイスを含み得る。前述のように、電気-光トランスデューサ112は、被防食構造体104とCPシステム201の犠牲アノード202との間を流れる電流に応じて光信号114を生成するように構成されている。光信号114は、光ファイバリンクを介してデータ収集システム/アナライザに通信される。データ取得システムは、通常、システム200から離れた監視ステーションに配置される。
【0023】
図4及び図5は、様々な実施形態による、システム300を示す。いくつかの実装形態では、システム300は、アノード102が前述のように犠牲アノードであるように、犠牲CPシステムとして構成され得る。他の実装形態では、システム300は、前述のように、アノード202が不活性アノードであるように、印加電流CPシステムとして構成し得る。システム300は、電気-光トランスデューサ112及び結合回路302を含む監視回路110を含む。
【0024】
図に示すように、結合回路302は、電気接続106、108を介して、アノード102/202及び被防食構造体104に電気的に結合されている。結合回路302はまた、電気-光トランスデューサ112に電気的に結合される。結合回路302は、被防食構造体104とアノード102/202との間を流れる電流に応じて生成する電圧を昇圧するように構成された電圧変換器を含み得る。結合回路302の電圧変換器は、昇圧された電圧で電気-光トランスデューサ112を駆動するように構成し得る。
【0025】
いくつかの実施形態によれば、システム300は、電力サブシステム304を含み得る。電力サブシステム304は、監視システム110に電力を供給するように構成され得る。例えば、電力サブシステム304は、環境発電デバイスを含め得る。様々な実施形態によれば、環境発電デバイスは、太陽電池回路、熱電回路、圧電回路、及びガルバニック腐食から環境発電するように構成されたヒステリシス回路のうちの1つ以上を含み得る。電力サブシステム304は、環境発電デバイスからエネルギーを受け取り、貯蔵するために結合されたエネルギー貯蔵デバイスを含み得る。エネルギー貯蔵デバイスは、バッテリーとコンデンサ(例えば、スーパーキャパシタ)との一方又は両方を含み得る。
【0026】
環境発電デバイス回路は、コンデンサなどのエネルギー貯蔵要素とDC-DC変換器とを組み合わせて、環境発電デバイスからの低電圧信号を昇圧し得る。貯蔵されたエネルギーは、光信号114の形態でデータを取得して送信するための短いバースト電力を生成するために使用し得る。市販の環境発電/パワーマネジメントICは、0.020Vという低入力電圧で動作し、3.3V以上の出力電圧を発生させ得る(それに対応して平均電流を減少させる)。
【0027】
更に図5に示すように、システム300は、電気-光トランスデューサ112の光源に光学的に結合された光ファイバ502を含む。光ファイバ502は、電気-光トランスデューサ112によって発生させた光信号114を、データ取得システム/アナライザ506に通信するように構成されている。光ファイバ502は、シングルモード光ファイバ又はマルチモード光ファイバであり得る。前述のように、光ファイバ502は、光信号114を、遠隔データ取得システム/アナライザ506までかなりの距離にわたって(例えば、増幅なしで約100kmまで)通信し得る。データ収集システム/アナライザ506は、光信号114を、対応する電気信号に変換するように構成された光-電気トランスデューサ504に結合又は組み込み得る。
【0028】
いくつかの実施形態では、電力サブシステム304は、光ファイバ502によって伝送される光エネルギーを電気エネルギーに変換するように構成された光ファイバ給電装置を含み得る。光エネルギーから変換された電気エネルギーは、監視回路110に電力を供給するために使用される。前述のように、電気-光トランスデューサ112によって生成された光信号114は、光ファイバリンク502を介して遠隔データ取得システムに通信される。この同じ光ファイバリンク502を光ファイバ給電装置の光リンクとして使用し得る。
【0029】
電気-光トランスデューサ112の半導体光源は、電流を光に変換する。適切な半導体光源は、順方向電圧1V、閾値電流10mA、約3%の電気/光変換効率で1550nmで動作する市販のテレコムレーザダイオードである。研究中の低い閾値850nmVCSELは、<2Vの駆動電圧で<1の閾値を有する。この駆動電圧及び電流は、カソード防食システム(~1V、10sのmA)によって供給される電力と広く互換性がある。レーザダイオードの消費電力は、約20mWである(例えば、これを、遠隔地で>1000mWを必要とする無線GSM送信機と比較する)。
【0030】
いくつかの実施形態によれば、本開示のCPシステムは、電気-光トランスデューサ112としてレーザダイオードを動作させるのに十分な電力を提供し得る。本開示のいくつかの実施形態は、CPシステムの状態を検知するために光源を駆動するためにCPシステムから電気エネルギーの一部を収集することを目的としている。例えば、発光によって、アノードからカソードに流れる電流を読み取ってもよい。これにより、回路が完全であることの定性的な検証と、環境がどの程度腐食しているかの定量的な尺度(例えば、より腐食が進むとより多くの電流が流れ、より多くの発光につながる)との両方が提供される。
【0031】
図6は、様々な実施形態による、本開示のCPシステムを含むプロセスフロー図である。図6に示すプロセスフロー600には、アノードと、被防食構造体と、存在する場合は参照電極との間の電流フロー602が含まれる。最も一般的なケースでは、結合回路は、任意の対のアノード/構造、アノード/参照電極、又は構造/参照電極との間にある場合がある。例えば、図5の修正版を参照して、アノード102/202がプレースホルダ電極1としてラベルされ、被防食構造体104がプレースホルダ電極2としてラベルされていると仮定する。この例示的な例では、各プレースホルダの値は、アノード、構造、及び参照電極のいずれかである。この例示的な例では、電気-光トランスデューサは、被防食構造体とカソード防食システムのアノードとの間、被防食構造体と参照電極との間、又は参照電極とアノードとの間を流れる電流に応じて光信号を生成するように構成されている。
【0032】
プロセスフロー600には、通常、CPシステムの結合回路によって実装される環境発電及び電力管理602も含まれる。プロセスフロー600は更に、アノードと被防食構造体との間の電流の流れを示す電気信号を符号化606することを含む。符号化された電気信号は電気-光トランスデューサ608に通信され、トランスデューサは符号化された電気信号を対応する光信号に変換する。光信号は、光ファイバリンク610を介してデータ取得及び制御ファシリティ612に送信される。
【0033】
データ取得及び制御ファシリティ612は、通常、アナライザ(例えば、図5のブロック506を参照)を含み、光信号を分析して、被防食構造体において発生する腐食の有無及び程度を決定するように構成されている。データ取得及び制御ファシリティ612はまた、光ファイバリンク610を介して、環境発電及び電力管理ファシリティ604に制御信号を通信し得る。このような構成では、環境発電及び電力管理ファシリティ604は、光-電気トランスデューサを含む。いくつかの実施形態では、光エネルギーを光ファイバリンク610を介して伝送し、光ファイバ給電構成体を介して環境発電及び電力管理ファシリティ604に電力を供給し得る。
【0034】
図7は、様々な実施形態による、電気-光トランスデューサの回路を示す。電気-光トランスデューサ112は、アノードとCPシステムの被防食構造体との間を流れる電流Icorrに比例する電流源702を含む。電気-光トランスデューサ112は、電圧制御されたスイッチ706と直列であるコンデンサ704、電流制限抵抗器708、及び発光体710を含む。電流Icorrは、腐食電流Icorrに比例する充電速度でコンデンサ704を充電する。コンデンサ704がレベルVswitchまで充電されると、スイッチ706は閉じ、コンデンサ704は電流制限抵抗器708を通して電荷(Q=Vswitch C)を放電し、発光体710に光パルスを生成させる。電気-光トランスデューサ112の回路は、様々な形式によって、発光体710によって生成された光信号を符号化するように実装し得、その例を以下で説明する。
【0035】
いくつかの実装形態では、電圧制御されたスイッチ706は、電圧制御されたスイッチ706を太陽電池に結合することによって閉じ得る。いくつかの実装形態では、光パルス(例えば、トリガ刺激)は、電圧制御されたスイッチ706を閉じてコンデンサ704を放電する光ファイバリンクを介して、電気-光トランスデューサ112に送り得る。したがって、データは、トリガされたときにのみ電気-光トランスデューサ112から読み出される。したがって、CPシステム全体の消費電力は極めて低い。
【0036】
図8は、様々な実施形態による、電気-光トランスデューサ112によって生成された光信号を符号化するための様々な符号化方式を示す。図8は、前述のように、アノードとCPシステムの被防食構造体との間を流れる電流Icorrの検出に基づいて、異なる形態の符号化光信号を発生させる4つの異なる符号化方式を示す(図7及び8Aを参照)。図8Bは、振幅変調(AM)などの直接アナログ符号化を示す。この符号化方式では、図8Bに示す光信号は腐食電流Icorrに比例する。
【0037】
図8Cは周波数変調(FM)符号化を示しており、図8Cに示す光信号は一連のパルスからなり、パルス繰り返し率は腐食電流Icorrに比例する。図8Dはパルス幅変調(PWM)符号化を示しており、図8Dに示す光信号は、パルスの幅が腐食電流Icorrに比例する一連のパルスからなる。図8Eはデジタル符号化を示しており、図8Eに示す光信号は、一連のデジタルワードからなる。デジタルワードに符号化された値は、腐食電流Icorrに比例する。例えば、4ビットのワード0000は0mAの腐食電流に等しい可能性があり、4ビットのワード1111は16mAの腐食電流に等しい可能性がある。
【0038】
例1
図9は、犠牲アノードベースのPCシステムモニタの実験的な実証を示す。スチールウール903、905のサンプルを含む2つのビーカ902、904が準備された(カソード面積~1m2)。一方のビーカ902では、スチールウール903は、DC-DCブースト変換器910を介して犠牲アノード906(Mg合金)に配線され、塩橋908によって分離されて、鋼反応生成物から任意のMg反応生成物を分離した。t=0の時点で、3%NaCl溶液(海水に相当)が両方のビーカ902、904に注がれ、LED912が点灯した。24時間後、LED912はまだ点灯しており、防食されていない鋼905は明らかに腐食していたが、防食された鋼903は腐食していなかった。
【0039】
結論として、Mg犠牲アノード906は両方ともスチールウール903を防食し、LED912を発光させ、スチールウール903が防食されていること(又は代替的に、ビーカに電解質が充満しており回路が完成していたこと)を肯定的に示している。これは、短い経路長(低抵抗)の海水(高導電性)中のMg(高駆動電圧)が非常に大きな電流を供給し、スチールウール903も過防食してしまうので、やや非現実的な実証であった。実際の監視システムでは、その環境により適した犠牲アノード(例えば、高抵抗性土壌中のMg、海水中のZn)を使用して、読み出し信号と同じファイバを介して(例えば、光ファイバ給電構成体を介して)供給できる、より小さな電流を生成するので、電源管理又は外部電源の有用性がある。
【0040】
例2
使用例として、犠牲アノードシステムでは、鋼とアノードとの両方が埋められていて、アクセスが困難であり、検査が困難又は不可能である。この場合、アノード設置時にアノードを鋼に接続する電気経路にレーザダイオード及びシングルモードファイバを設置し得る。レーザダイオードをシングルモード光ファイバに結合することにより、アノード設置時にファイバを地上に展開し、何キロも離れたテストステーションに接続することが可能になる。通常の寿命の間、アノードは、レーザダイオードを発光させる電子を供給する。犠牲アノードが消費されると、電流の流れが停止し、レーザダイオードの発光が停止し、アノードを交換する必要があることを示す。両方のタイプのカソード防食システム(犠牲アノード及び印加電流)は、多くのアノードのアレイに頻繁に展開され、1550nmレーザダイオードは、シングルモードファイバ及び波長分割多重を介して容易に多重化し得、構造全体を効果的にカバーし、どのセクションが最も急速に腐食しているかを特定することを可能にする。これにより、制限された検査時間を有効に活用することが可能になる。
【0041】
例3
犠牲アノードに対する一般的な応用形態の1つは給湯器である。給湯器内部の高温は腐食環境となるので、通常は犠牲アノードが設置され、給湯器タンクが腐食して最終的に破断が起きるのを防止する。本開示の犠牲CPシステムは、給湯器に実装し得る。
【0042】
例4
アノードの状態を検出する以外に、本開示の様々な実施形態を実装する別の方法は、電解質の変化を検出することである。例えば、一部の変圧器は地下の保管庫に埋められ、1つ以上の犠牲アノードを介して腐食から保護されている。この構成では、CP回路を完成させる電解質は、空気又は乾燥した土壌であり、導電性が低いので、腐食速度が低い。ハリケーンなどの異常気象によって保管庫が海水で満たされると、電解質の伝導性が高まり、より多くの電流が回路に流れ、光源が点灯する。これは、表面の表示灯を通じて、保管庫内に海水があることが技術者に伝えられることで検出できる。この検出システムは、外部電力に依存しないので、電力がない異常気象の後に関連する可能性がある。これと同じ方法論を、井戸又は帯水層への塩水の侵入を検出するために適用し得、そこでは伝導率の急激な増加が警報を引き起こす可能性がある。現在、塩水の侵入は、地下水サンプル又は空中調査を使用して断続的に測定されている。本開示の実施形態は、塩水侵入を継続的に監視する効果的なアプローチを提供し得る。
【0043】
本明細書において、本開示の一部をなす添付の図面のセットを参照するが、少なくとも当業者は、本明細書に記載される実施形態の様々な適応及び修正が、本開示の範囲内であるか、又はその範囲から逸脱しないことを理解するであろう。例えば、本明細書で説明される実施形態の態様は、様々な方法で互いに組み合わせられ得る。したがって、添付の特許請求の範囲内で、特許請求された発明は、本明細書で明示的に説明されるもの以外を実施され得ることを理解されたい。
【0044】
本明細書で引用される全ての参照及び刊行物は、本開示に直接矛盾し得る範囲を除いて、その全体が参照により本開示に明確に組み込まれる。そうでない旨が指示されない限り、本明細書及び特許請求の範囲で使用される特徴サイズ、量、及び物理的特性を表す全ての数は、「正確に」又は「約」という用語によって修正されるものとして理解され得る。したがって、反対に指示されない限り、前述の明細書及び添付の特許請求の範囲で記載される数値パラメータは、本明細書に開示される教示を利用する当業者が取得しようとする所望の特性に応じて変化し得る近似値、又は例えば、実験誤差の典型的な範囲内の近似値である。
【0045】
端点による数値範囲の記載は、その範囲内に包含される全ての数(例えば、1~5は、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、及び5を含む)及びその範囲内の任意の範囲を含む。本明細書において、数を修飾する用語「最大で」又は「以下」(例えば、「最大で50」)は、その数(例えば、50)を含み、数を修飾する用語「以上」(例えば、「5以上」)は、その数(例えば、5)を含む。
【0046】
用語「結合された」又は「接続された」は、直接的(互いに直接接触している)又は間接的(2つの要素の間に1つ以上の要素を有し、2つの要素を取り付ける)のいずれかで互いに取り付けられている要素を指す。いずれの用語も、「動作可能に(operatively)」及び「動作可能に(operably)」によって修正され得、それは、結合又は接続が、少なくともいくつかの機能を実行するために構成要素が相互作用することを可能にするように構成されていることを説明するために互換的に使用され得る(例えば、無線チップは、無線通信のための無線周波数電気信号を提供するために、アンテナ要素に動作可能に(operably)結合され得る)。
【0047】
「頂部」、「底部」、「側部」、及び「端部」などの配向に関する用語は、構成要素の相対的位置を記載するために使用されるものであり、企図される実施形態の配向を制限することを意味するものではない。例えば、「頂部」及び「底部」を有するものとして説明される実施形態はまた、内容がそうでない旨を明確に指示しない限り、様々な方向で回転されるその実施形態を包含する。
【0048】
「一実施形態」、「実施形態」、「特定の実施形態」、又は「いくつかの実施形態」などに対する参照は、本実施形態に関連して説明される、特定の特徴、構成、組成、又は特性が、本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、全体を通した様々な場所でのそのような語句の出現は、必ずしも本開示の同じ実施形態を指すものではない。更に、特定の特徴、構成、組成、又は特性は、1つ以上の実施形態で任意の好適な方法で組み合わせられ得る。
【0049】
「好ましい」及び「好ましくは」という語は、特定の状況下で特定の利益をもたらし得る本開示の実施形態を指す。しかしながら、同じ又は他の状況下で、他の実施形態が好ましい場合もある。更に、1つ以上の好ましい実施形態の記載は、他の実施形態が有用ではなく、本開示の範囲から他の実施形態を除外することを意図するものではないことを示唆するものではない。
【0050】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される際、単数形「a」、「an」、及び「the」は、内容がそうでない旨を明確に指示しない限り、複数の指示対象を有する実施形態を包含する。本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される際、「又は」という用語は、一般的に、内容がそうでない旨を明確に指示しない限り、「及び/又は」を含む意味で採用される。
【0051】
本明細書で使用される際、「有する(have)」、「有する(having)」、「含む(include)」、「含む(including)」、「備える(comprise)」、「備える(comprising)」などは、オープンエンドの意味で使用され、一般的に、「~を含むが、~に限定されない」ことを意味する。「~で本質的に構成されている」、「~で構成されている」などは、「備える(comprising)」などに包含されることが理解されるであろう。「及び/又は」という用語は、列挙された要素のうちの1つ若しくは全て、又は列挙された要素のうちの少なくとも2つの組み合わせを意味する。
【0052】
リストで用いられる「少なくとも1つの」、「~の少なくとも1つを備える」、及び「~の1つ以上」という語句は、リスト内の項目のうちのいずれか1つ、及びリスト内の2つ以上の項目の任意の組み合わせを指す。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図8C
図8D
図8E
図9