(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023089942
(43)【公開日】2023-06-28
(54)【発明の名称】センサ及び測定装置
(51)【国際特許分類】
G01D 11/24 20060101AFI20230621BHJP
【FI】
G01D11/24 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022188927
(22)【出願日】2022-11-28
(31)【優先権主張番号】P 2021204401
(32)【優先日】2021-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000227180
【氏名又は名称】日置電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】弁理士法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中沢 宏紀
(72)【発明者】
【氏名】丸山 貴史
(72)【発明者】
【氏名】池田 健太
(72)【発明者】
【氏名】柄澤 悠樹
(72)【発明者】
【氏名】夏 沛宇
(57)【要約】
【課題】内部温度の上昇に起因する温度ドリフトを抑制可能とする。
【解決手段】センサは、筐体と、前記筐体の内面に設けられた第一の熱伝導性材料と、前記筐体の内部に設けられた電子部品と前記第一の熱伝導性材料を接続する第二の熱伝導性材料と、を備え、前記第一の熱伝導性材料は、前記筐体よりも熱伝導率が高く、前記筐体の内面側から見て前記第二の熱伝導性材料よりも面積が広い。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体の内面に設けられた第一の熱伝導性材料と、
前記筐体の内部に設けられた電子部品と前記第一の熱伝導性材料を接続する第二の熱伝導性材料と、を備え、
前記第一の熱伝導性材料は、前記筐体よりも熱伝導率が高く、前記筐体の内面側から見て前記第二の熱伝導性材料よりも面積が広い、
センサ。
【請求項2】
請求項1に記載のセンサであって、
前記筐体の内部には、検出結果を示す信号を生成する生成部が設けられている、
センサ。
【請求項3】
請求項1に記載のセンサであって、
前記筐体は、絶縁体で形成され、
前記第一の熱伝導性材料は、導電性を有する、
センサ。
【請求項4】
請求項3に記載のセンサであって、
前記第一の熱伝導性材料は、金属で形成される、
センサ。
【請求項5】
請求項3に記載のセンサであって、
前記第一の熱伝導性材料は、前記内面に形成されたメッキで構成される、
センサ。
【請求項6】
請求項1に記載のセンサであって、
前記第二の熱伝導性材料は、熱伝導シートで構成される、
センサ。
【請求項7】
請求項1に記載のセンサであって、
前記第二の熱伝導性材料には、板金が挟み込まれている、
センサ。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のセンサと、
前記センサの出力信号に基づいて測定対象に関する測定値を測定する測定部と、
を備えている測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサ及び測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ハウジングを備えたICソケットが開示されている。ハウジングは、少なくとも一部が熱伝導性の良い材料で形成されている。このICソケットは、半導体装置を収容するものであり、半導体装置のリードに接するコンタクトを備える。
【0003】
半導体装置に大電流が流れた際にコンタクトで発生した熱は、絶縁板を介してハウジングに流れ、ハウジングから放出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このICソケットを装置に採用した場合、半導体装置に流れる電流によって発生した熱は、ICソケットのハウジングから装置の筐体内部に放出される。
【0006】
この装置の筐体の内部には、測定に関わる部品等が収容されており、測定に関わる部品等が筐体内に放出された熱の影響を受けると、温度上昇の影響で部品等の温度ドリフトが大きくなり得る。
【0007】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、内部温度の上昇に起因する出力信号の温度ドリフトを抑制可能なセンサ及び測定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のある態様のセンサは、筐体と、前記筐体の内面に設けられた第一の熱伝導性材料と、前記筐体の内部に設けられた電子部品と前記第一の熱伝導性材料を接続する第二の熱伝導性材料と、を備える。前記第一の熱伝導性材料は、前記筐体より熱伝導率が高く、前記筐体の内面側から見て前記第二の熱伝導性材料よりも面積が広い。
【発明の効果】
【0009】
この態様において、筐体内部の電子部品で生じた熱は、第二の熱伝導性材料を介して、筐体の内面に設けられた第一の熱伝導性材料に伝達される。そして、第一の熱伝導性材料に伝達された熱は、筐体を介して、筐体の外部へ放出される。
【0010】
このため、電子部品で生じた熱が筐体の内部空間に放出され、その放出された熱が筐体内部の空気を介して筐体から外部へ放出される場合と比較して、電子部品で生じた熱の放熱効率が高まる。
【0011】
これにより、筐体の内部に設けられた測定に関わる部品等が受ける熱の影響を小さくすることができる。
【0012】
したがって、筐体の内部温度の上昇に起因する出力信号の温度ドリフトの抑制が可能となる。
【0013】
また、第一の熱伝導性材料と第二の熱伝導性材料を接続して用いることで、筐体の内面に設けた第一の熱伝導性材料を電子部品の実装面積に縛られず筐体の内面側から見て面積を広くできる。そして、電子部品からの熱を、筐体よりも熱伝導率の高い第一の熱伝導性材料によって筐体の広い範囲に直接伝達させることができるので、筐体の広い範囲に熱を拡散し、放熱効果を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、第一実施形態に係るセンサを示すブロック図である。
【
図2】
図2は、第一実施形態に係るセンサを示す断面図である。
【
図3】
図3は、第一実施形態に係るセンサの基板を示す平面図である。
【
図4】
図4は、第二実施形態に係るセンサを示す断面図である。
【
図5】
図5は、比較例としてのセンサを示す断面図である。
【
図6】
図6は、第三実施形態に係る測定装置を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付図面を参照しながら本発明の各実施形態について説明する。
【0016】
<第一実施形態>
まず、
図1から
図3を参照して、第一実施形態に係るセンサ10について説明する。
図1は、第一実施形態に係るセンサ10を示すブロック図である。
【0017】
図1に示すように、センサ10は、測定対象に生ずる物理量を検出量として検出する装置である。第一実施形態のセンサ10は、一例として、測定対象である測定導体12に流れる測定電流Iを検出する電流センサを構成する。
【0018】
なお、第一実施形態では、センサ10が電流センサを構成する場合について説明するが、第一実施形態は、これに限定されるものではない。第一実施形態に係るセンサ10は、測定対象に生ずる電圧又は温度などの物理量を検出量として検出するセンサであってもよい。また、これらのセンサを内蔵した電圧計、電力計、又は温度計など、測定対象に関する測定値を測定する測定装置を構成してもよい。
【0019】
(ブロック説明)
センサ10は、測定導体12が挿入される円形リング状の磁気コア14を備えている。磁気コア14には、帰還巻線16が巻かれており、磁気コア14の一部には、フラックスゲート素子18が設けられている。
【0020】
なお、第一実施形態では、磁気コア14の一部にフラックスゲート素子18を設けた場合について説明するが、第一実施形態は、これに限定されるものではない。例えば、磁気コア14の一部にホール素子又は検出巻線を設けてもよい。
【0021】
フラックスゲート素子18には、励磁回路20及び検波回路22が接続されており、励磁回路20は、励磁周波数fの二倍の周波数2fの信号を検波回路22に送る。検波回路22から出力される信号は、アンプ回路24を介して、帰還巻線16の一端に伝送される。
【0022】
アンプ回路24は、オペアンプ26、パワートランジスタ、又はICなどの発熱する電子部品で構成される。この電子部品としては、後述するシャント抵抗器30が含まれる。
【0023】
帰還巻線16の他端は、生成部28を構成するシャント抵抗器30の一端に接続されており、シャント抵抗器30の他端は、GNDライン32に接続されている。また、シャント抵抗器30の一端は、出力端子34に接続されており、シャント抵抗器30の一端及び他端の間に生ずる電圧を、検出結果を示す出力信号として出力端子34から出力する。
【0024】
なお、第一実施形態では、シャント抵抗器30の一端を出力端子34に接続する場合について説明するが、第一実施形態は、これに限定されるものではない。
【0025】
例えば、シャント抵抗器30の一端を、A/D変換器又は出力アンプなどの追加回路36を介して、出力端子38に接続してもよい。この場合、A/D変換器及び/又は出力アンプの追加回路36は、生成部28に含むものとする。
【0026】
(動作説明)
磁気コア14を挿通する測定導体12に測定電流Iが流れると、この測定導体12に流れる測定電流Iによって磁気コア14の内部に磁束Φが発生する。すると、磁気コア14の内部で発生した磁束Φを打ち消すために、二次側の帰還巻線16に二次電流I2が流れる。帰還巻線16に二次電流I2が流れることにより、磁気コア14の内部に磁束Φ’が発生する。
【0027】
ここで、DC電流から低周波領域までは、磁束Φをキャンセルできない。このため、キャンセルできなかった残留磁束(Φ-Φ’)は、磁気回路を構成する磁気コア14内に残る。
【0028】
この残留磁束(Φ-Φ’)は、フラックスゲート素子18で検出される。フラックスゲート素子18は、励磁回路20及び検波回路22と共に残留磁束(Φ-Φ’)を相殺するための出力を形成し、この出力を、アンプ回路24を介して二次帰還電流として帰還巻線16に印加する。
【0029】
二次帰還電流が入力された帰還巻線16からは、二次電流I2が出力され、二次電流I2は、生成部28を構成するシャント抵抗器30に流れる。この二次電流I2は、シャント抵抗器30において、測定電流Iに比例した電圧に変換され、変換された電圧は、出力端子34から出力信号として出力される。
【0030】
このように、センサ10は、測定導体12に流れる測定電流Iの大きさを示す検出量を、検出結果を示す出力信号として出力端子34から出力する。
【0031】
(装置の構成)
図2は、第一実施形態に係るセンサ10を示す断面図である。
【0032】
図2に示すように、センサ10は、筐体を構成する絶縁筐体40を有する。絶縁筐体40は、導電性を有しない絶縁体である合成樹脂で形成される。絶縁筐体40は、カバー42とカバー44とを備える。カバー42、44は、容器状に形成されている。
【0033】
カバー42、44は、開口部が対向した状態において、複数個所がねじ止めされることによって固定される。これにより、両カバー42、44によって内部に収容空間46を有する絶縁筐体40が形成される。
【0034】
カバー44の内面44Aには、円筒状の支柱48が複数個所に形成されている。各支柱48には、基板50が支持されている。基板50は、当該基板50を挿通する図示しないねじが支柱48にねじ込まれることによってカバー44に固定されている。
【0035】
基板50の表面50Aには、
図1に示した、オペアンプ26と、生成部28を構成するシャント抵抗器30を含む電子部品が搭載されている。
【0036】
ここで、電子部品には、オペアンプ26及びシャント抵抗器30の他に、パワートランジスタ、又はICなどが含まれる。
【0037】
この基板50は、カバー42及びカバー44で構成される絶縁筐体40の内部に収容される。これにより、絶縁筐体40の内部には、検出結果を示す信号である出力信号を生成する生成部28が設けられる。
【0038】
基板50は、オペアンプ26及びシャント抵抗器30を搭載した表面50Aがカバー42側に配置されている。また、基板50は、例えば電子回路を形成する為の配線パターンが形成された裏面50Bがカバー44側に配置されている。カバー44の内面44Aと基板50の裏面50Bとの間には、基板50を支持する支柱48によって間隙が確保されている。
【0039】
カバー42の内面42Aには、第一の熱伝導性材料である熱伝導性材料62が設けられている。また、カバー44の内面44Aには、熱伝導性材料64が設けられている。これにより、カバー42とカバー44とで絶縁筐体40を形成した状態において、絶縁筐体40の内面には、熱伝導性材料62及び熱伝導性材料64を含む熱伝導性材料66が設けられる。
【0040】
また、熱伝導性材料62と熱伝導性材料64とは、絶縁筐体40よりも熱伝導率が高い。
【0041】
絶縁筐体40の内面に設けられた熱伝導性材料66は、導電性を有する。これにより、外部から収容空間46内への電磁波の侵入を抑制する。
【0042】
カバー42とカバー44とで絶縁筐体40を形成した状態において、カバー42の内面42Aに設けられた熱伝導性材料62と、カバー44の内面44Aに設けられた熱伝導性材料64との間には、間隙が形成されるように構成されている。
【0043】
具体的に説明すると第一実施形態において、カバー42の周壁70は、熱伝導性材料62を備えず、カバー44の周壁72は、熱伝導性材料64を備えない。
【0044】
これにより、熱伝導性材料62と熱伝導性材料64とは、互いに接続されないように構成されている。すなわち、両熱伝導性材料62、64が基板50を包囲するループを形成しないように構成されている。
【0045】
この構成によって、ワンターンコイルの形成を防止できる。これにより、熱伝導性材料62と熱伝導性材料64とが構成する導電層において、測定導体12からの磁束による誘起電流の発生が抑制される。したがって、両熱伝導性材料62、64が構成する導電層に誘起電流が流れる場合と比較して、測定精度を向上することができる。
【0046】
また、絶縁筐体40の内面に設けられた熱伝導性材料66は、金属で形成されており、熱伝導性材料66が金属以外の材質で形成される場合と比較して、外部から収容空間46内への電磁波の侵入抑制効果が高められている。
【0047】
そして、絶縁筐体40の内面に設けられた熱伝導性材料66は、メッキで構成されている。すなわち、カバー42、44の内面42A、44Aにメッキ処理を施すことによって、絶縁筐体40の内面に熱伝導性材料66が設けられている。
【0048】
また、メッキ処理で熱伝導性材料66を形成することで、凹凸の有無に関わらず、絶縁筐体40の内面に均一な熱伝導性材料66が形成される。さらに、絶縁筐体40の内面にメッキ処理を施すことによって、絶縁筐体40の広い範囲に熱伝導性材料66が形成される。
【0049】
このメッキ処理で形成される熱伝導性材料66は、薄肉に形成され、熱伝導性材料66は、導電性薄膜と言い換えることができる。
【0050】
熱伝導性材料66を構成するメッキは、例えば、銅、アルミニウム、錫、又はこれらを組み合わせた合金で形成された層、あるいは、銅、アルミニウム、錫、又はこれらを組み合わせた合金を層として重ねたもので構成される。
【0051】
図3は、第一実施形態に係るセンサ10の基板50を示す平面図である。
【0052】
図3に示すように、絶縁筐体40に収容される基板50は、長方形状に形成されており、基板50には、円形穴80が形成されている。円形穴80の外周部には、前述した磁気コア14が配置されるように構成されている。
【0053】
また、図示は省略するが、カバー42には、磁気コア14が配置される円形リング状の膨出部が形成されている。この円形リング状の膨出部の内側には、測定対象となる測定導体12を挿入可能な第一挿入穴が形成されている。この第一挿入穴に対応するカバー44の部位には、第二挿入穴が形成されている。
【0054】
これにより、測定対象となる測定導体12(
図1参照)を絶縁筐体40に形成された各挿入穴へ挿入することで、測定導体12を、絶縁筐体40の内部に設けられた磁気コア14に挿入できるよう構成されている。
【0055】
図2及び
図3に示すように、基板50は、プリント配線基板を構成する。基板50の表面50Aには、プリントパターン52が形成されており、プリントパターン52には、電子部品がはんだ付けされるランド等が形成されている。
【0056】
これにより、電子部品のリードをランドにはんだ付けすることで、基板50の表面50Aのプリントパターン52及びプリントパターン52に電気的に接続された配線パターンによって電子回路が形成される。
【0057】
はんだ付けされる電子部品としては、前述したアンプ回路24を構成するオペアンプ26、パワートランジスタ、又はICなどが挙げられる。また、他の電子部品としては、前述したシャント抵抗器30が挙げられる。
【0058】
オペアンプ26のリードがはんだ付けされるランドと、シャント抵抗器30のリードがはんだ付けられるランドとを結ぶ配線パターンは、他の電子部品を接続する配線パターンよりも細く形成されている。これにより、オペアンプ26とシャント抵抗器30とを電気的に接続する配線パターンは、他の配線パターンと比較して、熱抵抗が大きく、オペアンプ26から配線パターンを介してシャント抵抗器30に伝達される熱が抑制される。
【0059】
そして、基板50の配線パターンが構成するGNDライン32(
図1参照)は、熱伝導性材料66に電気的に接続される。
【0060】
図3に示すように、オペアンプ26は、円形穴80の近傍に配置されている。また、シャント抵抗器30は、オペアンプ26から斜め方向に離れた位置に配置されている。これによりオペアンプ26からシャント抵抗器30までの離間距離は、オペアンプ26とシャント抵抗器30とが近接して横並びに配置された場合と比較して、大きくなるように構成されている。
【0061】
図2に示したように、オペアンプ26は、合成樹脂でモールディングされたフラットパッケージタイプであり、オペアンプ26の表面26Aは平坦である。また、シャント抵抗器30はプラットパッケージタイプであり、シャント抵抗器30の表面30Aは平坦である。
【0062】
オペアンプ26は、第二の熱伝導性材料である熱伝導性材料90を介して、絶縁筐体40を構成するカバー42の内面42Aに設けられた熱伝導性材料62に接続されている。これにより、絶縁筐体40の内部に設けられたオペアンプ26と絶縁筐体40の内面に設けられた熱伝導性材料66とは、熱伝導性材料90で接続される。
【0063】
なお、熱伝導性材料90は、一例として、TIM(Thermal Interface Material)で構成される。
【0064】
また、シャント抵抗器30は、熱伝導性材料92を介して、絶縁筐体40を構成するカバー42の内面42Aに設けられた熱伝導性材料62に接続されている。
【0065】
熱伝導性材料90、92は、熱伝導シートで形成されており、熱伝導性材料90、92は、ゴム状のシート体である。また、熱伝導性材料90、92は、弾性、熱伝導性、電気絶縁性、及び難燃性を有するシリコーンゴムで形成される。
【0066】
熱伝導性材料90、92としては、一例として、サーコンが挙げられる。サーコンは、熱伝導率kが1W/m℃以上5W/m℃以下である。
【0067】
熱伝導性材料90は、オペアンプ26の表面26Aと略同形状に形成されている。この熱伝導性材料90は、絶縁筐体40の内面側から見て、熱伝導性材料62よりも面積が狭い。
【0068】
熱伝導性材料90は、一面90Aがオペアンプ26の表面26Aに面接触した状態で密着するとともに、他面90Bがカバー42に設けられた熱伝導性材料62に面接触した状態で密着する。
【0069】
また、熱伝導性材料92は、シャント抵抗器30の表面30Aと略同形状に形成されている。熱伝導性材料92は、一面92Aがシャント抵抗器30の表面30Aに面接触した状態で密着するとともに、他面92Bがカバー42に設けられた熱伝導性材料62に面接触した状態で密着する。
【0070】
熱伝導性材料90、92は、カバー42をカバー44にねじ止めした状態で、圧縮されており、圧縮率は、熱伝導性材料90、92の仕様に応じて定められる。これにより、熱伝導性材料90、92は、一面90A、92Aがオペアンプ26の表面26A又はシャント抵抗器30の表面30Aに所定圧で押し付けられるとともに、他面90B、92Bが熱伝導性材料62に所定圧で押し付けられる。
【0071】
なお、第一実施形態では、熱伝導性材料90をオペアンプ26の表面26Aと略同形状とし、熱伝導性材料90がオペアンプ26上に配置される場合について説明するが、第一実施形態は、これに限定されるものではない。
【0072】
例えば、熱伝導性材料90をオペアンプ26の表面26Aよりも大きく形成し、オペアンプ26の表面26Aの外周部に延出した熱伝導性材料90の部分をオペアンプ26から延出したリードに接触させてもよい。この場合、オペアンプ26のリードに伝達された熱を、熱伝導性材料90を介して逃がすことができる。
【0073】
また、熱伝導性材料92をシャント抵抗器30の表面30Aと略同形状とし、熱伝導性材料92がシャント抵抗器30上に配置される場合について説明するが、第一実施形態は、これに限定されるものではない。
【0074】
例えば、熱伝導性材料92をシャント抵抗器30の表面30Aよりも大きく形成し、シャント抵抗器30の表面30Aの外周部に延出した熱伝導性材料92の部分をシャント抵抗器30から延出したリードに接触させてもよい。この場合、シャント抵抗器30のリードに伝達された熱を、熱伝導性材料92を介して逃がすことができる。
【0075】
(作用及び効果)
次に、第一実施形態による作用効果について説明する。
【0076】
第一実施形態におけるセンサ10は、絶縁筐体40と、絶縁筐体40の内面に設けられた熱伝導性材料62と、絶縁筐体40の内部に設けられたオペアンプ26と熱伝導性材料66を接続する熱伝導性材料90と、を備える。熱伝導性材料62は、絶縁筐体40よりも熱伝導率が高く、絶縁筐体40の内面側から見て熱伝導性材料90よりも面積が広い。
【0077】
この構成によれば、絶縁筐体40の内部のオペアンプ26とシャント抵抗器30で発生した熱は、一例として、熱伝導率kが1W/m℃以上5W/m℃以下の熱伝導性材料90、92を介して、絶縁筐体40の内面に設けられた熱伝導性材料62に伝達される。そして、熱伝導性材料62に伝達された熱は、絶縁筐体40を介して、絶縁筐体40の外部へ放出される。
【0078】
このため、オペアンプ26で生じた熱が絶縁筐体40の内部の収容空間46に放出された後、熱伝導率kが0.03W/m℃の空気を介して、絶縁筐体40に伝達され、絶縁筐体から外部へ放出される場合と比較して、オペアンプ26で生じた熱の放熱効率が高まる。
【0079】
これにより、絶縁筐体40の内部に設けられた測定に関わる電子部品等が受ける熱の影響を小さくすることができる。
【0080】
したがって、絶縁筐体40の内部温度の上昇に起因する出力信号の温度ドリフトの抑制が可能となる。
【0081】
また、熱伝導性材料62と熱伝導性材料90を接続して用いることで、絶縁筐体40の内面42Aに設けた熱伝導性材料62をオペアンプ26の実装面積に縛られず絶縁筐体40の内面42A側から見て面積を広くできる。そして、オペアンプ26からの熱を、絶縁筐体40よりも熱伝導率の高い熱伝導性材料62によって絶縁筐体40の広い範囲に直接伝達させることができるので、絶縁筐体40の広い範囲に熱を拡散し、放熱効果を高めることができる。
【0082】
(比較例)
図5は、比較例としてのセンサ200を示す断面図である。
図5では、第一実施形態及び後述する第二実施形態と同一又は同等部分については、同符号が付されている。
【0083】
図5に示すように、比較例に係るセンサ200は、オペアンプ26及びシャント抵抗器30が板金104で覆われている。オペアンプ26は、比較例熱伝導性材料202を介して、板金104に接続されている。
【0084】
オペアンプ26で発生した熱は、比較例熱伝導性材料202を介して、板金104に伝達され、板金104から絶縁筐体40内部の収容空間46に放出される。
【0085】
このセンサ200では、オペアンプ26で生じた熱が、絶縁筐体40の内部の収容空間46に放出された後、収容空間46の空気を介して、絶縁筐体40に伝達され、絶縁筐体40から外部へ放出されることとなる。
【0086】
ここで、前述したように、空気の熱伝導率は、熱伝導性材料90(
図2参照)の熱伝導率よりも低い。このため、このセンサ200は、放熱効率が悪く、オペアンプ26で生じた熱がシャント抵抗器30に影響を与え得る。
【0087】
しかし、第一実施の形態のセンサ10にあっては、前述したようにオペアンプ26で生じた熱を効率良く絶縁筐体40の外部に放出することができる。
【0088】
したがって、絶縁筐体40の内部温度の上昇に起因する出力信号の温度ドリフトの抑制が可能となる。
【0089】
なお、以上の第一実施形態において、絶縁筐体40は導電性を有する筐体であってもよい。
【0090】
そして、第一実施形態のセンサ10は、測定導体12に流れる測定電流Iを検出する電流センサを構成する。このセンサ10は、絶縁性を確保するために絶縁筐体40が非導電性の絶縁体である合成樹脂によって形成されている。
【0091】
このような絶縁筐体40は、放熱性が悪く、絶縁筐体40の内部に熱が放出されると、その熱が絶縁筐体40の内部に籠りがちである。これにより、温度ドリフトの影響が大きくなったり、使用温度範囲が規定値より狭くなったり、測定最大電流が規定値より小さくなったりする。
【0092】
具体的に説明すると、オペアンプ26から放出され絶縁筐体40の内部に籠った熱がシャント抵抗器30又は出力に追加的に設けられる追加回路36の電子部品の温度を上昇させると、出力値にオフセットが生じたり、感度ドリフトが生じたりし得る。これにより、検出再現性及び検出確度が悪化し得る。
【0093】
また、絶縁筐体40の内部温度の上昇により、規格により定められた使用可能温度又検出可能な最大電流が制限され得る。
【0094】
これに対して、第一実施形態に係るセンサ10では、絶縁性を有する絶縁筐体40を用いても、放熱性の向上が可能となる。このため、外部との絶縁性を確保しつつ、前述した温度ドリフトの影響を小さくしたり、使用温度範囲を広げたり、測定最大電流を大きくしたりすることができる。
【0095】
また、検出再現性及び検出確度の向上、規格により定められた使用可能温度及び検出可能な最大電流を大きくすることが可能となる。
【0096】
また、第一実施形態において、絶縁筐体40の内部には、検出結果を示す信号を生成する生成部28が設けられている。
【0097】
この構成によれば、オペアンプ26で発生した熱が絶縁筐体40の内部に放出され、生成部28に伝達され得る場合と比較して、オペアンプ26からの熱が生成部28で生成される検出結果を示す信号に与える影響を抑制することが可能となる。
【0098】
ここで、第一実施形態において、生成部28はシャント抵抗器30を備えており、シャント抵抗器30は、温度変化に伴って抵抗値が変動し得る。シャント抵抗器30の抵抗値が変動すると、出力電圧が変動し、検出結果に影響が生じ得る。
【0099】
そこで、第一実施形態では、オペアンプ26で発生した熱を、絶縁筐体40の外部へ放出することで、生成部28を構成するシャント抵抗器30の温度変化を抑制し、検出結果の変動を抑制することが可能となる。
【0100】
また、第一実施形態において、絶縁筐体40は、絶縁体で形成され、熱伝導性材料62は、導電性を有する。
【0101】
この構成によれば、軽量化のために合成樹脂の絶縁体で形成された絶縁筐体40において、外部からの電磁波の侵入を、導電性を有した熱伝導性材料62によって抑制することができる。これにより、外部からの電磁波が検出結果に与える影響を抑制することができる。
【0102】
ここで、第一実施形態のセンサ10は、磁気コア14に生じた磁束Φによって測定電流Iを検出する電流センサを構成する。このような構成において、外部からの電磁波の侵入を抑制することで、電磁波が磁気コア14に与える影響を抑制し、検出結果への影響抑制効果を高めることが可能となる。
【0103】
そして、第一実施形態では、導電性を有する熱伝導性材料62は、基板50の配線パターンが構成するGNDライン32に電気的に接続されている。このため、同相電圧による影響を示すコモンモードノイズを低減することができる。
【0104】
また、第一実施形態において、熱伝導性材料62は、金属で形成される。
【0105】
この構成によれば、熱伝導性材料66が金属以外の材料で形成される場合と比較して、外部から絶縁筐体40の内部への電磁波の侵入防止効果を高めることができる。
【0106】
また、第一実施形態において、熱伝導性材料62は、絶縁筐体40の内面に形成されたメッキで構成される。
【0107】
この構成によれば、絶縁筐体40の内面にメッキ処理を施すことで、絶縁筐体40の広い範囲に熱伝導性材料62を密着して形成することができる。これにより、熱伝導性材料66に伝達された熱を広範囲に拡散することができるので、絶縁筐体40への熱の伝達を促進することができる。
【0108】
また、メッキ処理で熱伝導性材料62を形成することができるので、絶縁筐体40に凹凸があっても、熱伝導性材料62を絶縁筐体40の内面に沿って均一に形成することができる。これにより、絶縁筐体40の内面に板金を設ける場合と比較して、熱伝導性材料62の形成を容易に行うことができる。
【0109】
このメッキ処理で形成される熱伝導性材料62は、薄肉に形成される。このため、熱伝導性材料62が板金で構成される場合と比較して、絶縁筐体40の軽量化を図ることができる。
【0110】
また、第一実施形態において、熱伝導性材料90は、熱伝導シートで構成される。
【0111】
この構成によれば、熱伝導性材料がグリース等で構成される場合と比較して、グリース等が基板50に付着した際に生じ得る不具合の未然に抑制することが可能となる。
【0112】
なお、第一実施形態にあっては、生成部28を構成するシャント抵抗器30が熱伝導性材料92を介して、絶縁筐体40の内面に設けられた熱伝導性材料62に接続されている。このため、シャント抵抗器30で発生した熱を、熱伝導性材料92及び熱伝導性材料62を介して、絶縁筐体40から外部へ放出することができる。
【0113】
この構成により、検出値の温度ドリフトの抑制効果を高めることが可能となる。
【0114】
<第二実施形態>
図4は、第二実施形態に係るセンサ100を示す図である。第二実施形態に係るセンサ100は、第一実施形態のセンサ10と比較して、一部が異なる。第一実施形態と同一又は同等部分については、同符号を付して説明を割愛し、異なる部分についてのみ説明する。
【0115】
図4は、第二実施形態に係るセンサ100を示す断面図である。
【0116】
図4に示すように、センサ100の基板50におけるオペアンプ26と熱伝導性材料62との間に設けられた第二の熱伝導性材料である熱伝導性材料102には、板金104が挟み込まれている。
【0117】
具体的に説明すると、オペアンプ26と熱伝導性材料62との間に設けられた熱伝導性材料102は、オペアンプ26側に配置された部品側熱伝導性材料106と、熱伝導性材料62側に配置された共有熱伝導性材料108とを含んで構成される。部品側熱伝導性材料106と共有熱伝導性材料108との間には、板金104が配置されている。これにより、熱伝導性材料102は、板金104が挟み込まれている。
【0118】
共有熱伝導性材料108は、板金104の上面に沿って設けられている。共有熱伝導性材料108は、オペアンプ26の上部からシャント抵抗器30の上部にわたって設けられている。
【0119】
部品側熱伝導性材料106及び共有熱伝導性材料108は、第一実施形態の熱伝導性材料90と比較して、厚み寸法が異なり、材質は、熱伝導性材料90と同じである。
【0120】
各熱伝導性材料106、108は、第一実施形態と同様に、圧縮された状態でオペアンプ26と熱伝導性材料62との間に配置されている。これにより、部品側熱伝導性材料106は、オペアンプ26の表面26Aに面接触した状態で密着するとともに、板金104に面接触した状態で密着する。また、共有熱伝導性材料108は、板金104に面接触した状態で密着するとともに、熱伝導性材料62に面接触した状態で密着する。
【0121】
板金104は、金属製の板材で構成されている。板金104は、一端部がオペアンプ26よりも外側に延出するととともに、他端部がシャント抵抗器30よりも外側に延出する長さを有する。
【0122】
板金104の一端部には、基板50側に延出する一端側延出部104Aと、一端側延出部104Aから延出して基板50に沿って延在する一端側延在部104Bとが形成されている。一端側延在部104Bは、基板50のプリントパターン52に接しており、一端側延在部104Bは、一例として、プリントパターン52のGNDライン32(
図1参照)にはんだ付けされる。
【0123】
板金104の他端部には、基板50側に延出する他端側延出部104Cと、他端側延出部104Cから延出して基板50に沿って延在する他端側延在部104Dとが形成されている。他端側延在部104Dは、基板50に接した状態で固定されている。
【0124】
板金104は、オペアンプ26及びシャント抵抗器30を覆う。板金104は、電磁波を遮断するシールドを構成する。これにより、基板50に形成された電子回路への電磁波の侵入を抑制する。
【0125】
シャント抵抗器30の上部には、抵抗側熱伝導性材料110が配置されており、抵抗側熱伝導性材料110は、前述した板金104の一部を支持する。抵抗側熱伝導性材料110に支持された板金104と熱伝導性材料62との間には、前述した共有熱伝導性材料108が配置されている。
【0126】
抵抗側熱伝導性材料110は、第一実施形態の熱伝導性材料92と比較して、厚み寸法が異なり、材質は、熱伝導性材料92と同じである。
【0127】
抵抗側熱伝導性材料110は、第一実施形態と同様に、圧縮された状態でシャント抵抗器30と熱伝導性材料62との間に配置されている。これにより、抵抗側熱伝導性材料110は、シャント抵抗器30の表面30Aに面接触した状態で密着するとともに、板金104に面接触した状態で密着する。
【0128】
(作用及び効果)
次に、第二実施形態による作用効果について説明する。
【0129】
第二実施形態におけるセンサ100において、第一実施形態と同一又は同等部分に関しては、第一実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0130】
また、第二実施形態におけるセンサ100において、熱伝導性材料102には、板金104が挟み込まれている。
【0131】
この構成によれば、板金104が熱伝導性材料102によって挟み込まれていない場合と比較して、オペアンプ26から熱伝導性材料62への熱の移動を促進することができる。これにより、絶縁筐体40の外部への放熱効果を高めることができる。
【0132】
また、熱伝導性材料102に板金104を挟み込むことによって、板金104の厚みの分だけ熱伝導性材料102の一面から他面までの厚み寸法を大きくすることができる。
【0133】
このため、オペアンプ26から熱伝導性材料62までの隙間が大きい場合であっても、熱伝導性材料102とオペアンプ26との密着性、及び熱伝導性材料102と熱伝導性材料62との密着性を確保しつつ、放熱効果を得ることができる。
【0134】
そして、第二実施形態にあっては、部品側熱伝導性材料106と共有熱伝導性材料108との間に配置された板金104は、オペアンプ26の表面26Aよりも大きい。
【0135】
このため、オペアンプ26から部品側熱伝導性材料106を介して板金104に伝達された熱を、オペアンプ26の表面26Aよりも大きい板金104全体に拡散した後、共有熱伝導性材料108を介して、熱伝導性材料62の広範囲に伝達することができる。これにより、絶縁筐体40の内面に熱伝導性材料62が設けられた絶縁筐体40の広範囲から放熱することができる。
【0136】
したがって、板金104がオペアンプ26の表面26Aと同じ大きさに形成された場合と比較して、放熱効果を高めることができる。
【0137】
なお、以上の第二実施形態において、絶縁筐体40は導電性を有する筐体であってもよい。
【0138】
<第三実施形態>
まず、
図6を参照して、第一実施形態に係る測定装置300について説明する。
図6は、第三実施形態に係る測定装置300を示すブロック図である。
【0139】
図6に示すように、測定装置300は、測定装置本体301とセンサ302とを備える。センサ302は、第一実施形態のセンサ10又は第二実施形態のセンサ100で構成される。センサ10は、第一実施形態で説明した構成を備え、センサ100は、第二実施形態で説明した構成を備える。
【0140】
測定装置本体301は、操作部304、測定部305、処理部306、表示部307、及び記憶部308を備えている。センサ302は、ケーブル303を経由して測定装置本体301の測定部305に接続される。
【0141】
記憶部308は、動作プログラムや測定結果のデータ等を記憶する。処理部306は、記憶部308に記憶された動作プログラムに従って動作して、測定部305及び表示部307を制御する。
【0142】
測定部305は、処理部306からの制御に従って動作し、センサ302から取得した磁気の検出量(測定電流の電流値を特定可能な出力信号)に基づいて、測定対象である測定導体12(
図1参照)に流れる測定電流Iの電流値を測定する測定処理を実行する。
【0143】
操作部304は、測定装置300による測定条件の設定や測定開始及び終了などを指示する為の操作スイッチを備え、操作部304は、スイッチ操作に応じた操作信号を処理部306に出力する。表示部307は、処理部306からの信号を受けて測定結果などを表示する。
【0144】
処理部306は、測定装置本体301を総括的に制御する。具体的に説明すると、処理部306は、測定部305を制御して上記の測定処理を実行させる。また、処理部306は、測定部305による測定結果を表示部307に表示させるとともに、測定結果を特定可能な測定結果データを生成して記憶部308に記憶させる。
【0145】
(作用及び効果)
次に、第三実施形態による作用効果について説明する。
【0146】
第三実施形態における測定装置300は、センサ302と、センサ302の出力信号に基づいて測定対象である測定導体12に関する測定値を測定する測定部305と、を備えている。
【0147】
この構成において、測定装置300のセンサ302は、第一実施形態のセンサ10又第二実施形態のセンサ100のように構成されている。このため、この測定装置300は、第一実施形態又は第二実施形態と同様の効果を奏する。
【0148】
そして、測定装置300は、センサ302から取得した検出量に基づいて測定を行う。このため、測定装置300は、センサ302の内部温度の上昇に起因する出力信号の温度ドリフトを抑制した測定を行うことができる。
【0149】
なお、第三実施形態では、測定値を表示部307に表示する測定装置300を示したが、第三実施形態は、この構造に限定されるものではない。例えば、測定装置300は、測定値を有線又は無線で外部に出力する装置であってもよい。
【0150】
また、第三実施形態では、センサ302が測定装置本体301の外部に設けられた測定装置300を示したが、第三実施形態は、この構成に限定されるものではない。例えば、測定装置300は、センサ302を内蔵する装置であってもよい。
【0151】
また、第三実施形態では、センサ302と測定部305との通信をケーブル303で行う測定装置300を示したが、第三実施形態は、この構成に限定されるものではない。例えば、測定装置300は、ケーブル303の代わりに、無線の通信手段を用いてセンサ302と測定部305との間で通信する装置であってもよい。
【0152】
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
【符号の説明】
【0153】
10、100、200、302 センサ
26 オペアンプ
28 生成部
30 シャント抵抗器
40 絶縁筐体
42 カバー
42A 内面
62、64、66、90、92、102 熱伝導性材料
104 板金
106 部品側熱伝導性材料
108 共有熱伝導性材料
110 抵抗側熱伝導性材料
300 測定装置
305 測定部