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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023089961
(43)【公開日】2023-06-28
(54)【発明の名称】多流路プレートおよびシェル熱交換器
(51)【国際特許分類】
   F28F 3/08 20060101AFI20230621BHJP
   F28D 9/00 20060101ALI20230621BHJP
【FI】
F28F3/08 311
F28D9/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022198479
(22)【出願日】2022-12-13
(31)【優先権主張番号】PA202170625
(32)【優先日】2021-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DK
(71)【出願人】
【識別番号】505462622
【氏名又は名称】ダンフォス アクチ-セルスカブ
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】ヘリェ・ニールセン
(72)【発明者】
【氏名】イェス・ピーダスン
(72)【発明者】
【氏名】イヴァン・クヌスン
【テーマコード(参考)】
3L103
【Fターム(参考)】
3L103AA16
3L103DD15
3L103DD55
3L103DD57
(57)【要約】      (修正有)
【課題】良好な圧力分布を有するプレートおよびシェル熱交換器を提供する。
【解決手段】シェル内に位置決めされたプレート対50、60の積層を備えるプレートおよびシェル熱交換器に関し、プレート対の積層は、第1のタイプの複数のプレート対50および第2のタイプの複数のプレート対60を備える。各プレート対は、互いに接続され、かつ間に空洞11を形成し、かつ注入口開口部および放出口開口部を備える2つの伝熱プレート10を備える。第1の内部流路12aは、第1の注入口開口部13a、第1のタイプのプレート対の空洞、および第1の放出口開口部を通って形成される。第2の内部流路12bは、第2の注入口開口部、第2のタイプのプレート対の空洞、および第2の放出口開口部を通って形成される。第3の外部流路22は、シェル内部に、第1のタイプのプレート対と第2のタイプのプレート対の間に画定される。
【選択図】図5B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シェル(20)内に位置決めされたプレート対(50、60)の積層を備えるプレートおよびシェル熱交換器(100)であって、前記プレート対(50、60)の前記積層は、第1のタイプの複数のプレート対(50)および第2のタイプの複数のプレート対(60)を備え、
-前記第1のタイプの各前記プレート対(50)は、互いに接続され、かつ間に空洞(11)を形成し、かつ第1の注入口開口部(13a)および第1の放出口開口部(13’a)を備える2つの伝熱プレート(10)を備え、
-前記第2のタイプの各前記プレート対(60)は、互いに接続され、かつ間に空洞(11)を形成し、かつ第2の注入口開口部(13b)および第2の放出口開口部(13’b)を備える2つの伝熱プレート(10)を備え、
前記第1のタイプの前記プレート対(50)の前記第1の注入口開口部(13a)および前記第1の放出口開口部(13’a)は、前記第1の注入口開口部(13a)、前記第1のタイプの前記プレート対(50)の前記空洞(11)、および前記第1の放出口(13’a)を通る第1の内部流路(12a)を形成するように互いに接続され、
前記第2のタイプの前記プレート対(60)の前記第2の注入口開口部(13b)および前記第2の放出口開口部(13’b)は、前記第2の注入口開口部(13b)、前記第2のタイプの前記プレート対(60)の前記空洞(11)、および前記第2の放出口(13’b)を通る第2の内部流路(12b)を形成するように互いに接続され、
第3の外部流路(22)は、前記シェル内部に、前記第1のタイプの前記プレート対(50)と前記第2のタイプの前記プレート対(60)の間に画定されるプレートおよびシェル熱交換器(100)。
【請求項2】
前記第1の内部流路(12a)の中を流れる第1の流体だけではなく、前記第2の内部流路(12b)の中を流れる第2の流体も、前記第3の外部流路(22)の中を流れる第3の流体と熱を交換する、請求項1に記載のプレートおよびシェル熱交換器(100)。
【請求項3】
前記第1のタイプの各前記プレート対(50)は、第2の注入口開口部(13b)および第2の放出口開口部(13’b)をさらに具備し、前記第1のタイプの所与のプレート対(50)の前記第2の注入口開口部(13b)および前記第2の放出口開口部(13’b)は、前記第1の注入口開口部(13a)、前記第1の放出口開口部(13’a)、および前記第1のタイプの前記所与のプレート対(50)により画定される前記空洞(11)から密封される、請求項1に記載のプレートおよびシェル熱交換器(100)。
【請求項4】
前記第2のタイプの各前記プレート対(60)は、第1の注入口開口部(13a)および第1の放出口開口部(13’a)をさらに具備し、前記第2のタイプの所与のプレート対(60)の前記第1の注入口開口部(13a)および前記第1の放出口開口部(13’a)は、前記第2の注入口開口部(13b)、前記第2の放出口開口部(13’b)、および前記第2のタイプの前記所与のプレート対(60)により画定される前記空洞(11)から密封される、請求項1に記載のプレートおよびシェル熱交換器(100)。
【請求項5】
前記第1の注入口開口部(13a)および前記第1の放出口開口部(13’a)は、前記プレート対(50、60)の前記伝熱プレート(10)の一方の中に形成され、前記第2の注入口開口部(13b)および前記第2の放出口開口部(13’b)は、前記プレート対(50、60)の前記伝熱プレート(10)の他方の中に形成される、請求項3または4に記載のプレートおよびシェル熱交換器(100)。
【請求項6】
前記第1のタイプの前記プレート対(50)および前記第2のタイプの前記プレート対(60)は同一であり、前記プレート対(50、60)の中心軸を中心に互いに対してある角度で回転させられる、請求項1~4のいずれか一項に記載のプレートおよびシェル熱交換器(100)。
【請求項7】
前記第1のタイプの前記プレート対(50)および前記第2のタイプの前記プレート対(60)は、前記プレート対(50、60)の前記積層の形で交互に配列される、請求項1~4のいずれか一項に記載のプレートおよびシェル熱交換器(100)。
【請求項8】
前記第1のタイプの前記プレート対(50)を形成する前記伝熱プレート(10)および/または前記第2のタイプの前記プレート対(60)を形成する前記伝熱プレート(10)は同一であり、前記プレート対(50、60)の前記中心軸を中心に180°回転させられる、請求項1~4のいずれか一項に記載のプレートおよびシェル熱交換器(100)。
【請求項9】
前記プレート対(50、60)は円形、楕円形、五角形、六角形の外形を有する、請求項1~4のいずれか一項に記載のプレートおよびシェル熱交換器(100)。
【請求項10】
前記第1のタイプの前記プレート対(50)の前記第1の注入口開口部(13a)および前記第1の放出口開口部(13’a)は、接続要素(45)により接続され、前記第2のタイプの前記プレート対(60)の前記第2の注入口開口部(13b)および前記第2の放出口開口部(13’b)は、接続要素(45)により接続される、請求項1~4のいずれか一項に記載のプレートおよびシェル熱交換器(100)。
【請求項11】
前記第1のタイプの前記プレート対(50)および前記第2のタイプの前記プレート対(60)は、前記注入口開口部(13a、13b)および前記放出口開口部(13’a、13’b)の外側リムで互いに密封して接続される、請求項1~4のいずれか一項に記載のプレートおよびシェル熱交換器(100)。
【請求項12】
前記プレートおよびシェル熱交換器(100)は、電解槽(200)の陰極に供給される流体、前記電解槽(200)の陽極に供給される流体だけではなく、共通の加熱流体または冷却流体も前記プレートおよびシェル熱交換器(100)を通過するように前記電解槽(200)に接続される、請求項1~4のいずれか一項に記載のプレートおよびシェル熱交換器(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレートおよびシェル熱交換器、ならびにプレートおよびシェル熱交換器用伝熱プレートに関する。
【背景技術】
【0002】
プレートおよびシェル熱交換器は、シェルまたはケーシング内部に位置決めされた複数の積層構造プレートを備える。プレートは、第1の流体用第1の流体流路が、少なくとも部分的にプレートの接続された対の内部に提供されるように対で接続される。接続されたプレートの対は、熱交換器の第1の放出口開口部に第1の注入口開口部を流体で接続するように設計され、それにより、第1の流体流路を形成する。第2の流体用第2の流体流路は、プレートの接続された対の外側に提供され、プレートにより第1の流体流路から分離される。第2の流体流路は、第2の放出口開口部に第2の注入口開口部を流体で接続する。熱交換器は、第1の流体流路の中を流れる流体と第2の流体流路の中を流れる流体の間に位置を占める。
【0003】
第2の流体は、第2の注入口開口部を通り熱交換器のシェルに入り、複雑な第2の流体流路に沿ってシェル内部を流れ、第2の放出口開口部を通り外に出る。第2の流体は、熱交換器のシェルに入るとき、たとえばパイプを通り分岐流の中に入り熱交換器内部のさまざまな構成要素を通り過ぎる管状または円筒状の流れから複雑な変化を受ける。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
熱交換器の内部配置に応じて、第1の流体の流れおよび第2の流体の流れは、いくつかの区域で妨害されることがあり、および/または非一様に誘導されることがあり、その結果、熱交換器内部の2つの流体間の伝熱速度は低下する。さらに、開口部の領域内の圧力およびプレートの中央流れ部位内の圧力などの圧力は、かなり大きくなることがあり、その結果、プレート全面にわたり良好な圧力分布を作ることが目標である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、シェル内に位置決めされたプレート対の積層を備えるプレートおよびシェル熱交換器を提供し、プレート対の積層は、第1のタイプの複数のプレート対および第2のタイプの複数のプレート対を備え、
-第1のタイプの各プレート対は、互いに接続されており、かつ間に空洞を形成し、かつ第1の注入口開口部および第1の放出口開口部を備える2つの伝熱プレートを備え、
-第2のタイプの各プレート対は、互いに接続されており、かつ間に空洞を形成し、かつ第2の注入口開口部および第2の放出口開口部を備える2つの伝熱プレートを備え、
第1のタイプのプレート対の第1の注入口開口部および第1の放出口開口部は、第1の注入口開口部、第1のタイプのプレート対の空洞、および第1の放出口を通る第1の内部流路を形成するように互いに接続され、
第2のタイプのプレート対の第2の注入口開口部および第2の放出口開口部は、第2の注入口開口部、第2のタイプのプレート対の空洞、および第2の放出口を通る第2の内部流路を形成するように互いに接続され、
第3の放出口流路は、シェル内部に、第1のタイプのプレート対と第2のタイプのプレート対の間に画定される。
【0006】
その結果、本発明は、プレートおよびシェル熱交換器を、すなわち、シェル内部に配列されたプレートの積層を備える種類の熱交換器を提供する。本発明による熱交換器では、プレートの積層を形成するプレートは、プレート対の形をとり、各プレート対は、伝熱プレートの間に空洞が形成されるような手法で互いに接続されている2つの伝熱プレートを備える。
【0007】
プレート対の積層は、第1のタイプの複数のプレート対および第2のタイプの複数のプレート対を備える。第1のタイプの各プレート対は、第1の注入口開口部および第1の放出口開口部を備える。同様に、第2のタイプの各プレート対は、第2の注入口開口部および第2の放出口開口部を備える。
【0008】
第1のタイプのプレート対の第1の注入口開口部および第1の放出口開口部は、第1の注入口開口部、第1のタイプのプレート対の空洞、および第1の放出口を通る第1の内部流路を形成するように互いに接続される。それに応じて、複数の平行な第1の内部流路は、第1のタイプのプレート対の空洞を通って形成される。対応する第1の注入口および第1の放出口は互いに接続されるので、これらの平行な第1の流路は、同じ流体供給源に接続でき、それにより、同じ種類の流体は、熱交換動作中に第1の内部流路のすべてを通って流れる。以下では、この流体を第1の流体と呼ぶ。
【0009】
同様に、第2のタイプのプレート対の第2の注入口開口部および第2の放出口開口部は、第2の注入口開口部、第2のタイプのプレート対の空洞、および第2の放出口を通る第2の内部流路を形成するように互いに接続される。それにより、上記で記述する第1の内部流路と同様に、複数の平行な第2の内部流路が形成される。それに応じて、上記に示す注釈はこの場合、同様に適用できる。平行な第2の内部流路を通って流れる流体を以下では第2の流体と呼ぶ。
【0010】
その結果、2つの別個の流体、すなわち、第1の流体および第2の流体は、互いに独立に、それぞれ第1の内部流路および第2の内部流路に供給される。
【0011】
その上、第3の外部流路は、シェル内部に、第1のタイプのプレート対と第2のタイプのプレート対の間に画定される。以下では、第3の外部流路を流れる流体を第3の流体と呼ぶ。
【0012】
その結果、熱交換器の動作中、熱交換は、一方では第3の流体と、他方では第1の流体および第2の流体の各々との間で行われる。換言すれば、第3の流体は、第1の流体だけではなく第2の流体とも熱を交換する。これにより、第1の流体の適切な温度だけではなく第2の流体の適切な温度も、より簡単で効率的な手法で確実にしながら、かつ3種類の流体の間で混合を防止しながら、小型設計の熱交換器が提供される。
【0013】
それに応じて、第1の内部流路を流れる第1の流体だけではなく第2の内部流路を流れる第2の流体も、第3の外部流路を流れる第3の流体と熱を交換してよい。
【0014】
第1のタイプの各プレート対は、第2の注入口開口部および第2の放出口開口部をさらに具備してよく、第1のタイプの所与のプレート対の第2の注入口開口部および第2の放出口開口部は、第1の注入口開口部、第1の放出口開口部、および第1のタイプの所与のプレート対により画定される空洞から密封されてよい。
【0015】
この実施形態によれば、第1の内部流路および第2の内部流路は、互いに効率的に分離され、それにより、第1の流体および第2の流体の混合を防止する。しかしながら、第2の注入口開口部および第2の放出口開口部は、第1のタイプのプレート対の中に形成されるので、第1のタイプのプレート対および第2のタイプのプレート対は、実際には同一に、または類似の手法で設計されてよく、唯一の違いは、第1のタイプのプレート対では空洞は、第1の注入口開口部および第1の放出口開口部に接続されるのに対し、第2のタイプのプレート対では空洞は、第2の注入口開口部および第2の放出口開口部に接続されることである。これにより、熱交換器の製造費用は低減する。
【0016】
同様に、第2のタイプの各プレート対は、第1の注入口開口部および第1の放出口開口部をさらに具備してよく、第2のタイプの所与のプレート対の第1の注入口開口部および第1の放出口開口部は、第2の注入口開口部、第2の放出口開口部、および第2のタイプの所与のプレート対により画定される空洞から密封されてよい。この場合、第1のタイプのプレート対を参照して上記に示す注釈は、同様に適用可能である。
【0017】
第1の注入口開口部および第1の放出口開口部は、プレート対の伝熱プレートの一方の中に形成されてよく、第2の注入口開口部および第2の放出口開口部は、プレート対の伝熱プレートの他方の中に形成されてよい。
【0018】
この実施形態によれば、第1の注入口/放出口開口部および第2の注入口/放出口開口部は、互いに接触するようになることはないことが効率的に確実になり、それにより、さらにまた注入口開口部および放出口開口部で、またはその近くで、第1の流体および第2の流体の混合を効率的に防止する。
【0019】
第1のタイプのプレート対および第2のタイプのプレート対は同一であってよく、プレート対の中心軸を中心に互いに対してある角度で回転してよい。この実施形態によれば、第1のタイプのプレート対および第2のタイプのプレート対のためにそれぞれ同一の設計が適用され、プレート対の配向は、所与のプレート対が第1のタイプのプレート対とみなされるか第2のタイプのプレート対とみなされるかを決定する。プレート対の中心軸は、プレート対の対称軸であってよい。
【0020】
第1のタイプのプレート対および第2のタイプのプレート対は、プレート対の積層の形で交互に配列されてよい。この実施形態では、プレート対は、第1のタイプの各プレート対が第2のタイプの2つのプレート対の間に、または第2のタイプのプレート対と端部プレートの間に配列され、かつ第2のタイプの各プレート対が第1のタイプの2つのプレート対の間に、または第1のタイプのプレート対と端部プレートの間に配列されるような手法で、プレート対の積層の形で配列される。それにより、第1の内部流路および第2の内部流路もまた、熱交換器の中に交互に配列される。これにより、第1の流体および第2の流体の各々に、同等の適切な熱交換が同時に提供される。
【0021】
第1のタイプのプレート対を形成する伝熱プレートおよび/または第2のタイプのプレート対を形成する伝熱プレートは同一であってよく、プレート対の中心軸を中心に180°回転させられてよい。
【0022】
この実施形態によれば、第1のタイプのプレート対および/または第2のタイプのプレート対を形成するために同一の伝熱プレートを適用する。伝熱プレートは、第1の側、および反対側にある第2の側を画定するとみなされてよい。プレート対を形成するために伝熱プレートを接続するとき、伝熱プレートは、伝熱プレートの第1の側が互いに対向し、かつ伝熱プレートの第2の側がプレート対の外側表面を形成するような手法で、互いに対して配向される。それに応じて、伝熱プレートの第1の側は、伝熱プレートの間に形成された空洞に対向し、第2の側は、近接するプレート対に対向する。
【0023】
プレート対は円形、楕円形、五角形、または六角形の外形を有してよい。これにより、プレート対の積層は、プレート対の積層を収容するシェルの形状に整合する形状を画定できるようになる。
【0024】
第1のタイプのプレート対の第1の注入口開口部および第1の放出口開口部は、接続要素により接続されてよく、第2のタイプのプレート対の第2の注入口開口部および第2の放出口開口部は、接続要素により接続されてよい。これにより、対応する流路は効率的に分離され続け、さまざまな流体を故意ではなく混合することは防止される。
【0025】
第1のタイプのプレート対および第2のタイプのプレート対は、注入口開口部および放出口開口部の外側リムで互いに密封して接続されてよい。これにより、注入口開口部および放出口開口部の近くの区域で第1の流体および第2の流体を故意ではなく混合することは、効率的に防止される。
【0026】
プレートおよびシェル熱交換器は、電解槽の陰極に供給される流体、電解槽の陽極に供給される流体だけではなく、共通の加熱流体または冷却流体もプレートおよびシェル熱交換器を通過するように電解槽に接続されてよい。
【0027】
この実施形態によれば、電解槽の陰極に供給される流体だけではなく、電解槽の陽極に供給される流体も、第3の外部流路を流れる加熱流体または冷却流体により同時に加熱または冷却される。それにより、電解槽に供給される流体の両方は、適切な温度を有することが確実になり、これは、容易で効率的な手法で確実になる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1図1A図1Bは、従来技術のプレートおよびシェルタイプの熱交換器を例示する。
図2A】従来技術の伝熱プレート、ならびにプレートおよびシェルタイプの熱交換器の、接続されたプレートの接続された対の縁部図を例示する。
図2B】従来技術の伝熱プレート、ならびにプレートおよびシェルタイプの熱交換器の、接続されたプレートの接続された対の縁部図を例示する。
図3】伝熱プレートの2つの側での流れ分布を示す、従来技術のプレートおよびシェルタイプの熱交換器を例示する。
図4】本発明の実施形態による伝熱プレートを例示する。
図5A】伝熱プレート、および本発明の実施形態によるプレートおよびシェルタイプの熱交換器の、接続されたプレートの接続された対の縁部図を例示し、注入口開口部および放出口開口部の組を示し、第1の注入口開口部および第1の放出口開口部は開いており、第2の注入口開口部および第2の放出口開口部は閉じている。
図5B】伝熱プレート、および本発明の実施形態によるプレートおよびシェルタイプの熱交換器の、接続されたプレートの接続された対の縁部図を例示し、注入口開口部および放出口開口部の組を示し、第1の注入口開口部および第1の放出口開口部は開いており、第2の注入口開口部および第2の放出口開口部は閉じている。
図6A図5Aおよび図5Bの伝熱プレートに類似するが、第2の注入口開口部および第2の放出口開口部は開いており、第1の注入口開口部および第1の放出口開口部は閉じている伝熱プレートを例示する。
図6B図5Aおよび図5Bの伝熱プレートに類似するが、第2の注入口開口部および第2の放出口開口部は開いており、第1の注入口開口部および第1の放出口開口部は閉じている伝熱プレートを例示する。
図7】第1の種類の伝熱プレート対および第2の種類の伝熱プレート対が、重なり合わない部位を伴って形成された、本発明の実施形態を例示する。
図8】開口部に対して位置決めされた接続要素を示す、重なり合わない部位の側面図である。
図9】互いの最上部の上に位置決めされ、重なり合わない部位を伴って形成されている第1の種類の伝熱プレート対および第2の種類の伝熱プレート対の上面図である。
図10】第1の種類の伝熱プレートおよび第2の種類の伝熱プレートが接続要素により接続された、第2の種類の伝熱プレートの縁部を越えて到達する第1の種類の伝熱プレートの重なり合わない部位の側面図である。
図11】重なり合わない部位を伴って形成された、第1の種類の伝熱プレート対および第2の種類の伝熱プレート対の代替実施形態を例示する。
図12】電解槽に関連して使用される、本発明の実施形態によるプレートおよびシェル熱交換器を例示する。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明の基本概念の例示だけによって、本発明の実施形態を示す詳細な記述および特有の例を示す。
【0030】
図1A図1B図2A図2B、および図3は、従来技術から公知のような熱交換器の実施形態を例示する。
【0031】
図1Aは、プレートおよびシェル熱交換器100の分解図を示す。熱交換器100は、シェル20、およびシェル20内部の複数の密封された伝熱プレート10対を備える。
【0032】
シェル20は、中空の円筒形状からできてよく、プレート10は、シェル20の中に収まることができるように対応する形状およびサイズからできてよい。他の形状のシェル20およびプレート10もまた可能であり、しかしながら、シェル20内部にプレート10を実質的に近くに位置決めできるようになる形状が好ましい。
【0033】
対になったプレート10は、交差する可能性があるパターン30により互いに接触する熱伝達部位32の中にある。これにより、対応する矢印により示す、第1の流体の流れのための内部流体流路12を提供するために、流体で接続された第1の空洞11が形成される。第1の流体の流れは、第1の注入口開口部23を通って熱交換器100に入り、第1の放出口開口部23’を通って熱交換器100を出る。第1の空洞11は、図1Bでより明確にし、以下でより詳細に記述するように、互いに接続された2つの近接するプレート10により取り囲まれる。図1Bは、組み立てた状態の断面図で熱交換器100を示す。
【0034】
対になったプレート10は、たとえば、対になったプレート10のプレートリムまたは外側縁部14a、さらに多くの場合接続された交差パターン30で溶接もしくはろう付けにより接続されてよい。2つずつで、これにより、第1の注入口開口部23から第1の放出口開口部23’までの密封された内部流体流路12用に第1の空洞11が形成される。
【0035】
プレート10は、近接するプレート10を互いに、第1の注入口開口部23および第1の放出口開口部23’に流体で接続するためのプレート開口部13、13’を備える。2つの接続された対の2つの近接するプレート10は、たとえばプレート開口部13、13’の開口部リムまたは開口部縁部14bに沿って溶接またはろう付けにより一緒に接続され、密封されてよい。
【0036】
外部流体流路22は、プレート10の接続された対の第1の空洞11に対して外側に突出する接続されたパターン30によりプレート10の外側表面に、したがってプレート10の反対側に形成される。その結果、外部流体流路22は、プレート10の密封された対の外側に、かつシェル20の内側に形成され、第2の注入口開口部24および第2の放出口開口部24’に接続される。第2の流体の流れは、それに対応して第2の注入口開口部24を通って熱交換器100に入り、第2の放出口開口部24’を通って熱交換器100を出る。
【0037】
シェル20は、プレート10が配列され、かつ第2の流体用外部流体流路22が提供される第2の空洞21を形成する。第2の流体の流れは、それに対応して第2の注入口開口部24を通って熱交換器100に入り、第2の放出口開口部24’を通って熱交換器100を出る。
【0038】
内部流路12および外部流体流路22は、それぞれプレート対がプレートリム14aで接続されることにより、およびプレート対が開口部13、13’のプレート対の開口部リム14bで接続されることにより、互いに分離され、互いから密封される。熱交換は、互いに分離されて流れる2つの流体間でプレート10を介して行われる。
【0039】
内部流路12用の流体は、シェル20内部の第2の空洞21内部から、したがって外部流路22から密封されるが、各空洞11は、開口部13、13’により積層内の接続されたプレート10対の他方の空洞11と、それによりさらにまた第1の注入口23および第1の放出口23’と流体で接触している。
【0040】
外部流路22用の流体は、第2の空洞21に、それによりプレート10のリム14aを越えて第2の注入口24および第2の放出口24’に流体で接触しているが、各対の中の2つのプレート10はそれらのリム14aで接続され、かつ対は開口部13、13’の(外側)リム14bで隣接する対に接続されるので、空洞11から密封される。
【0041】
図2Aは、従来技術のプレートおよびシェル熱交換器100の伝熱プレート10の詳細図を示す。プレート10の平板は多くの場合、金属から作られる。
【0042】
伝熱部位32にあるパターン30は、波形であり、一連の平行な隆起部および溝を有するように見える。パターン30は、平坦な平板予備成形品の中に波形形状を押し当てることにより形成されてよい。プレート10はこの場合、あらゆる第2のプレートが、平行に伸展するのではなく、互いに交差する隣接するプレートの波形パターン30を用いて回転させられる、または形成されるように接続される。この場合、交差点は、伝熱部位32内でプレート10の接点を形成する。
【0043】
図2Bは、複数の接続された伝熱プレート10の詳細な断面図を示す。2つの近接するプレート10は、それらの外側の外周で、またはそれらの外側縁部のリム14aで接続される。その結果、接続されたプレート10の密封された対は、第1の流体が、プレート10の接続された対により境界を定められた内部流体流路12を通って流れるようにするために提供される。
【0044】
外部流体流路22は、接続されたプレート10の2つの近接する対の間で誘導され、プレート10により内部流体流路12から分離される。外部流体流路22は、近くに位置決めされたプレート10の間に平坦で狭い水路を備える。効率的熱交換のために、図2Bに示すように、接続されたプレート10の対の間の、垂直方向の第2の流体流速は極めて重要である。この流れ成分は、近似でシェル20に対する第2の流体の流れの半径方向または接線方向の成分に対応する。
【0045】
図3は、伝熱部位32に沿って熱交換器100を通る内部流体流路12および外部流体流路22の一部の概略図である。一方のプレート10の矢印は、接続されたプレート10の対の内部での内部流体流路12を示す。内部流体流路12は、2つのプレート開口部13の一方を通って、接続されたプレート10の対に入り、2つのプレート開口部13’の他方を通って、接続されたプレート10の対を出る。
【0046】
第2のプレートは、熱交換器100の横断面内の外部流体流路22の一部を示す。今回示されているのは接続されたプレート10の対の内部ではなく、プレート10の接続された2つのそのような対の間にある空間である。第2の流体流路22は、第2の空洞21を満たす。第2の空洞21は、シェル20の内部、図3Bに一方が示されている接続されたプレート10の対の外部、および多くの場合、シェル20内部に包含された別の構造により境界を定められる。外部流路22は、第2の注入口開口部24を通ってシェル20に入り、第2の放出口開口部24’を通ってシェル20を出る。第2の注入口開口部24および第2の放出口開口部24’は、シェル表面の反対側に位置決めされてよい。
【0047】
第1の流体用内部流体流路12は、プレート10の一方の側に形成され、第2の流体用外部流体流路22は、反対側に形成されるので、したがって第1の空洞11内部の第1の流体と第1の空洞11外部の第2の流体の間の熱交換は、プレート10の全面にわたり容易になる。本文脈では、「内部」流体流路12および「外部」流体流路22は、プレート10の接続された対により形成された第1の空洞11を指し、その結果、例示する特有の実施形態に関係がある。より一般的な言い方では、互いから密封された2つの流路が存在し、一方は第1の流体用であり、他方は第2の流体用である。
【0048】
熱交換器100の高効率を確実にするために、流体は、好ましくはプレート10の幅全体にわたり効率的に分配されるべきである。
【0049】
図4は、本発明の実施形態10による伝熱プレート10の上面図を例示する。
【0050】
プレート10は、それぞれ第1の注入口プレート開口部13a、第2の注入口プレート開口部13b、第1の放出口プレート開口部13’a、および第2の放出口プレート開口部13’bを含むという点で、図2Aの従来技術のプレート10と異なる。
【0051】
例示では、対応する第1の注入口プレート開口部13a、第2の注入口プレート開口部13b、第1の放出口プレート開口部13’a、および第2の放出口プレート開口部13’bは、図2Aのプレート開口部13,13’と同じ位置に位置決めされているが、任意の適切な位置に位置決めでき、サイズが異なっていても任意の適切なサイズを有することができる。
【0052】
プレート10は事実上、円形であるとして例示されているが、楕円形、正方形、長方形、五角形、六角形などのような任意の適切な形を有することができる。
【0053】
対応する第1の注入口プレート開口部13a、第2の注入口プレート開口部13b、第1の放出口プレート開口部13’a、および第2の放出口プレート開口部13’bは、対になって密封35されるように適合され、その結果、一方の内部流体流路12では、第2の注入口開口部13bおよび第2の放出口開口部13’bは、対応する内部流路12から密封35され、別の内部流体流路12では、第1の注入口開口部13aおよび第1の放出口開口部13’aは、対応する内部流路12から密封35される。
【0054】
第1の注入口開口部13aおよび第1の放出口開口部13’aは、他の第1の注入口開口部13aおよび第1の放出口開口部13’aと接触しており、第2の注入口開口部13bおよび第2の放出口開口部13’bは、他の第2の注入口開口部13bおよび第2の放出口開口部13’bと接触している。第1の注入口開口部13aおよび第1の放出口開口部13’aは、第2の注入口開口部13bおよび第2の放出口開口部13’bから密封される。
【0055】
これにより第1の内部流路12aおよび第2の内部流路12bが形成され、第1の内部流路12aは、第1の注入口開口部13aおよび第1の放出口開口部13’aに流体で接続され、第2の内部流路12bは、第2の注入口開口部13bおよび第2の放出口開口部13’bに流体で接続されている。
【0056】
密封35は、任意の適切な種類であってよい。一実施形態では、密封要素35,たとえばゴムガスケットは、密封すべきプレート開口部13a、13b,13’a、13’bの周囲に位置決めされる、または金属密封35が含まれてよく、多くの場合、プレート10に、たとえば開口部リム14bに別の手法で溶接、ろう付け、または固定されてよい。一実施形態では、開口部リム14bは、対の隣接するプレート10のフランジに接続されるフランジ35を形成し、その結果、密封35を形成する。
【0057】
図5Aは、第1の対タイプ50の伝熱プレート10を例示し、この場合、第2の注入口開口部13bおよび第2の放出口開口部13’bは、対応する第1の内部流路12aから密封35され、第1の流体は、第1の注入口開口部13aに入って、第2の注入口開口部13bおよび第2の放出口開口部13’bを介して流れる第2の流体と混合されることなく、第1の放出口開口部13’aを介して出る。
【0058】
これはまた、図5Bに例示され、第1の空洞11、第1の内部流路12a、および第2の内部流路12bを形成するいくつかの接続されたプレート10を示し、第1の注入口開口部13aを示す。(白抜きの矢印により表されている)第1の注入口開口部13a内の第1の流体は、第1の内部流路12aだけに入るが第2の内部流路12bには入らないのが見える。
【0059】
図6Aおよび図6Bは、図5Aおよび図5Bに類似し、違いは、第1の注入口開口部13aおよび第1の放出口開口部13’aは、第2の内部流路12bから密封35されていることであり、第2の注入口開口部13bに入る第2の流体は、第1の注入口開口部13aおよび第1の放出口開口部13’aを介して流れる第1の流体と混合されることなく、第2の放出口開口部13’bを介して出ることができるようになる。これにより、第2の対タイプ60の熱交換プレート10が提供される。
【0060】
図5Bと同様に、図6Bは、第2の注入口開口部13bを示すことを除き、内部空洞11、第1の内部流路12a、および第2の内部流路12bを形成するいくつかの接続されたプレート10を示す。(白抜きの矢印により表されている)第2の注入口開口部13b内の第2の流体は、第2の内部流路12bだけに入るが第1の内部流路12aには入らないのが見える。
【0061】
図5Bだけではなく図6Bにも黒く塗りつぶした矢印により表されている)第3の流体は、プレート10の2つの接続された対の間の空間内に形成された外部流路22に入り、外部流路22の一部を形成する、シェル20の内部空洞により分配される。通常は、プレート10は、シェル20の内部表面に、少なくとも第1の注入口開口部23に近い区域の中に伸展せず、その結果、第3の流体を分配するためのチャンバを形成する。
【0062】
第3の流体はこの場合、第1の流体および第2の流体のために共有され、それぞれ第1の内部流路12aおよび第2の内部流路12bの中を流れる。第3の流体は、第1の流体および第2の流体を加熱または冷却するための加熱流体または冷却流体とすることができ、さらにまた第1の内部流路12aおよび第2の内部流路12b内の流体用共通熱交換流体と呼ばれる。
【0063】
図5Bおよび図6Bの例示では、対応する第1の対タイプ50および第2の対タイプ60の第1の内部流路12aおよび第2の内部流路12bは、互いに連続して位置決めされて見えており、その結果、第1の空洞11の1つ置きに第1の内部流路12aが形成され、1つ置きに第2の内部流路12bが形成される。他の実施形態では、第1の対タイプ50および第2の対タイプ60の「束」は、互いに連続して位置決めされてよく、たとえば2つ、または3つ、または4つ以上の第1の対タイプ50および、それに対応して2つ、または3つ、または4つ以上の第2の対タイプ60、多くの場合、次いで2つ、または3つ、または4つ以上の第1の対タイプ50のプレートなどが位置決めされてよい。
【0064】
いくつかの実施形態では、第1の対タイプ50の数は、第2の対タイプ60の数と異なってよい。これは、たとえば互いに異なる対タイプ50、60の束とすることができる。
【0065】
第1の対タイプ50および第2の対タイプ60は同一とすることができ、一方は他方に対して回転されられる、および/または他方と異なって配向される。
【0066】
提示する実施形態には、プレート10の形状を維持でき伝熱効率を最適化できるという有利な点がある。
【0067】
図7は、第1の対タイプ50および第2の対タイプ60の代替実施形態を示す。第1の対タイプ50は、1つの第1の注入口開口部13aおよび1つの第1の放出口開口部13’aを伴って形成され、第2の対タイプ60は、1つの第2の注入口開口部13bおよび1つの第2の放出口開口部13’bを伴って形成される。第1の対タイプ50および第2の対タイプ60は同一とすることができ、一方は単に回転させられる、および/または異なって配向される。
【0068】
例示する実施形態では第1の対タイプ50および第2の対タイプ60の開口部13a、13’a、13b、13’bはそれぞれ、伝熱プレート10の主要部分または伝熱部位32の主要部分から外に到達する重なり合わない部位の内部に位置決めされる。
【0069】
図8は、第1の対タイプ50または第2の対タイプ60の中に接続された2つのそのような重なり合わない部位40の側面図である。接続要素45は、プレート開口部13a、13’a、13b、13’bと接触した状態で位置決めされる。
【0070】
図9は、互いの最上部の上に位置決めされた第1の対タイプ50および第2の対タイプ60を例示し、その結果、対応するプレート開口部13a、13’a、13b、13’bを伴うこれらの対タイプの重なり合わない部位40は、対の他方により覆われない。
【0071】
図10は、他方の対タイプ60、50の外側に到達する一方の対タイプ50、60の重なり合わない部位40を伴って積層された第1の対タイプ50および第2の対タイプ60の断面の側面図である。対応するプレート開口部13a、13’a、13b、13’bは、重なり合わない部位40の間に位置決めされた接続要素45により接続される。
【0072】
この実施形態により、第1の対タイプ50の中の第1の流体は、第2の対タイプ60の中の、それに応じて第2の対タイプ60のための第2の流体と混合されることなく、次の第1の対タイプ50に効率的に分配可能になる。
【0073】
図7および図9の実施形態は、図9に例示するように組み合わせたとき、形状全体が標準的シェル20の中に収まる、たとえば、組み合わせた円形形状(または楕円形、正方形、五角形、六角形など)を有するように形成できる。
【0074】
図11は、重なり合わない部位40が、他の点では標準的形状の伝熱プレート10に対する「耳状のもの」または拡張部のように位置決めされる代替実施形態を示す。この場合も、第1の対タイプ50および第2の対タイプ60は同一とすることができ、一方は他方に対して単に回転させられて、たとえば、第1の対タイプ50および第2の対タイプ60の重なり合わない部位40に対して鏡に映した配向で位置決めされて、接続要素45の位置決めができるようにする。
【0075】
有利な点のある本発明による熱交換器100を使用できる一例の実施形態は、電気を使用して、たとえば水から水素および酸素を作り出すために電気化学反応を駆動する機器など、電解槽200の形をとる。
【0076】
そのような電解槽200はたとえば、典型的には絶えず変化する再生可能エネルギー生成が負荷を超える期間中に電気変換、エネルギー蓄積、および余剰電力を使用する再変換経路に関係がある「Power-to-X」内部で使用される。
【0077】
電解槽200から作り出された水素は、水素燃料電池で使用するのに理想的である。電解槽内で行われる反応は、陽極および陰極内で生じる反応が逆であることを除き、燃料電池内で行われる反応に非常に類似する。燃料電池では、陽極は水素ガスが消費される場所であり、電解槽200では、水素ガスは陰極で作り出される。電気分解反応のために必要な電気エネルギーが、風または太陽エネルギーシステムなど、再生可能エネルギー供給源から得られるとき、非常に持続性のあるシステムを形成できる。
【0078】
直流電気分解(せいぜい80%~85%の効率)を使用して水素を作り出すことができ、水素は、次にたとえばメタン化、すなわちCOと共に水素をメタン(CH)に変換することを介してメタノールに、または他の物質に変換できる。
【0079】
それにより、たとえば風力タービンによりこの手法で生成した水素などのエネルギーは、後で使用するために貯蔵できる。
【0080】
電解槽200は、さまざまな異なる方法で構成でき、一般に2つの主要な設計に、すなわち単極および双極に分けられる。単極設計は、典型的には液体電解質(アルカリ性の液体)を使用し、双極設計は、固体ポリマー電解質(プロトン交換膜)を使用する。
【0081】
アルカリ水電気分解は、水酸化カリウム(KOH)または水酸化ナトリウム(NaOH)の液体アルカリ電解質溶液内で動作する2つの電極を有する。これらの電極は、生産物ガスを分離して一方の電極から他方の電極に水酸化イオン(OH)を移送する隔膜により分離される。
【0082】
他の燃料および燃料電池は、リン酸型燃料電池、溶融炭素塩型燃料電池、固体酸化物燃料電池、およびこれらの下位範疇すべても同様に含む。そのような燃料電池は、電解槽として使用するためにも同様に適合できる。
【0083】
工場施設内で動作している流体溶液が、効率を最適化する所与の温度の範囲内にある場合が有利である。工場施設が小型で拡張性のある場合もまた有利である。
【0084】
そのような電解槽200または燃料電池で本発明を使用する原理を図12に例示し、本発明による熱交換器100を備え付ける、電解槽または燃料電池などの工場施設200を示す。一般に以下の例では、工場施設200は、水素を作り出すためのアルカリ性電解槽などの電解槽200を指すが、用語「電解槽」200は同様に燃料、またはそのような燃料を使用する燃料電池を作り出すための電解槽を指す。
【0085】
実施形態は、隔膜などの組立体から形成された電気分解機器202を備える電解槽200を示す。調整要素203は、電解槽200の動作の制御手段および調整手段を形成するためなど、電子機器などを用いて接続されてよい。
【0086】
図12の右側は、本発明の実施形態を示し、電解槽200を側面から見ており、一方の端部に接続された熱交換器100を例示している。電気分解機器202の中を循環している流体溶液は、流体溶液の温度を調整するために熱交換器100を通過する。熱交換器100の第1の内部流路12aはこの場合、電解槽200用の流体の一方を運び、第2の内部流路12bは、電解槽200用の流体の他方を運ぶ。この場合、外部流体流路22は、加熱媒体または冷却媒体を運ぶ。
【0087】
その結果、電気分解機器202の中を循環している流体溶液は、流体溶液の温度を調整するために熱交換器100を通過する。
【0088】
図12の左側部分は、前から見た電解槽200を示し、電気分解機器202は、円形に見えるが、当然ながら扁円形、楕円形、正方形、多角形などのような他の形状を有することができる。熱交換器100、および多くの場合、伝熱プレート10は、対応する形状を有することをでき、その結果、この形状は、単一ユニットとして見える電気分解機器202および熱交換器100、ならびに熱交換器100の機能性を作ることに関連づけることができる。
【0089】
所望の動作温度を提供するために熱交換器100を接続してよい。
【0090】
例示する実施形態では、棒310により一緒に保持されたフランジ300の間に熱交換器100および電気分解機器202を詰め込むことにより、熱交換器100を電気分解機器202に接続する。あるいは、熱交換器100および電気分解機器202は、ねじ、ろう付けなどにより一緒に接続できる。
【符号の説明】
【0091】
10 伝熱プレート
11 第1の空洞
12 内部流体流路
12a 第1の内部流路
12b 第2の内部流路
13、13’ プレート開口部
13a 第1の注入口開口部
13b 第2の注入口開口部
13’a 第1の放出口開口部
13’b 第2の放出口開口部
14a プレートリム/外側縁部
14b 開口部リム/開口部縁部
20 シェル
21 第2の空洞
22 外部流体流路
23 第1の注入口開口部
23’ 第1の放出口開口部
24 第2の注入口開口部
24’ 第2の放出口開口部
30 パターン
32 伝熱部位
35 密封
40 重なり合わない部位
45 接続要素
50 第1の対タイプ
60 第2の対タイプ
100 プレートおよびシェル熱交換器
200 電解槽
202 電気分解機器
203 調整要素
300 フランジ
310 棒
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【外国語明細書】