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特開2023-89969蓄電装置用のハウジング部材および蓄電装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023089969
(43)【公開日】2023-06-28
(54)【発明の名称】蓄電装置用のハウジング部材および蓄電装置
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/176 20210101AFI20230621BHJP
   H01M 50/15 20210101ALI20230621BHJP
   H01M 50/533 20210101ALI20230621BHJP
   H01M 50/55 20210101ALI20230621BHJP
   H01M 50/557 20210101ALI20230621BHJP
   H01M 50/586 20210101ALI20230621BHJP
   H01M 50/588 20210101ALI20230621BHJP
   H01M 50/593 20210101ALI20230621BHJP
   H01M 50/184 20210101ALI20230621BHJP
   H01M 50/188 20210101ALI20230621BHJP
   H01M 50/566 20210101ALI20230621BHJP
   H01M 50/545 20210101ALI20230621BHJP
   H01M 50/159 20210101ALI20230621BHJP
   H01M 50/191 20210101ALI20230621BHJP
   H01M 50/534 20210101ALI20230621BHJP
   H01M 50/562 20210101ALI20230621BHJP
   H01M 50/131 20210101ALI20230621BHJP
   H01M 50/198 20210101ALI20230621BHJP
   H01M 50/166 20210101ALI20230621BHJP
   H01G 11/78 20130101ALI20230621BHJP
【FI】
H01M50/176
H01M50/15
H01M50/533
H01M50/55 101
H01M50/557
H01M50/586
H01M50/588
H01M50/593
H01M50/184 A
H01M50/188
H01M50/566
H01M50/545
H01M50/159
H01M50/191
H01M50/534
H01M50/562
H01M50/131
H01M50/198
H01M50/166
H01G11/78
【審査請求】未請求
【請求項の数】22
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022200014
(22)【出願日】2022-12-15
(31)【優先権主張番号】10 2021 133 391.1
(32)【優先日】2021-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】504299782
【氏名又は名称】ショット アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】SCHOTT AG
【住所又は居所原語表記】Hattenbergstr. 10, 55122 Mainz, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ヘルムート ハートル
【テーマコード(参考)】
5E078
5H011
5H043
【Fターム(参考)】
5E078AA10
5E078AA13
5E078AB02
5E078HA12
5E078HA14
5H011AA01
5H011AA03
5H011CC06
5H011DD03
5H011EE04
5H011FF04
5H011GG02
5H011GG07
5H011GG08
5H011HH09
5H011KK01
5H043AA01
5H043AA05
5H043AA11
5H043AA13
5H043BA19
5H043CA04
5H043DA01
5H043DA09
5H043DA11
5H043DA13
5H043DA14
5H043EA13
5H043EA14
5H043EA15
5H043EA16
5H043EA17
5H043EA19
5H043EA22
5H043GA22
5H043GA23
5H043GA26
5H043HA11D
5H043HA11E
5H043HA12D
5H043HA12E
5H043HA13D
5H043HA13E
5H043JA01D
5H043JA01E
5H043JA02D
5H043JA02E
5H043JA12D
5H043JA12E
5H043JA14D
5H043JA14E
5H043KA01D
5H043KA01E
5H043KA05D
5H043KA05E
5H043KA06D
5H043KA06E
5H043KA08D
5H043KA08E
5H043KA09D
5H043KA09E
5H043KA10D
5H043KA10E
5H043LA03D
5H043LA03E
5H043LA21D
5H043LA21E
(57)【要約】      (修正有)
【課題】コンパクトな構造を維持して、耐圧性および曲げ剛性を有するハウジング部材を提供する。
【解決手段】蓄電装置、特にバッテリまたはコンデンサ用のハウジング部材10であって、基体12と、接続ピン102を備えた少なくとも1つの第1の接続端子アセンブリ100とを備え、接続ピンは、基体の貫通開口を通して貫通案内されていて、固定材料を介して電気絶縁されて貫通開口内に固定されており、接続ピンは、貫通開口の少なくとも一方の側で貫通開口を越えて突出している。さらに、貫通開口の少なくとも一方の側に接続パッド110が設けられており、接続パッドは、貫通開口または盲孔として形成された開口を有し、接続ピンの突出している部分は、開口に係合していて、開口の領域で少なくとも1つの接続パッドに電気接続されており、少なくとも1つの接続パッドは、絶縁材料によって電気絶縁されて基体に取り付けられている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓄電装置、特にバッテリまたはコンデンサ用のハウジング部材(10)であって、基体(12)と、接続ピン(102)を有する少なくとも1つの第1の接続端子アセンブリ(100)とを備え、前記接続ピン(102)は、前記基体(12)の貫通開口(20)を通して貫通案内されていて、固定材料(106)を介して電気絶縁されて前記貫通開口(20)内に固定されており、前記接続ピン(102)は、前記貫通開口(20)の少なくとも一方の側で前記貫通開口(20)を越えて突出している、ハウジング部材(10)において、
前記貫通開口(20)の少なくとも一方の側に接続パッド(110,116)が設けられており、前記接続パッド(110,116)は、貫通開口または盲孔として形成された開口(120)を有し、前記接続ピン(102)の突出している部分は、前記開口(120)に係合していて、前記開口(120)の領域で少なくとも1つの前記接続パッド(110,116)に電気接続されており、前記少なくとも1つの接続パッド(110,116)は、絶縁材料(112,114)によって電気絶縁されて前記基体(12)に取り付けられていることを特徴とする、ハウジング部材(10)。
【請求項2】
前記接続ピン(102)は、前記貫通開口(20)の両側で前記貫通開口(20)を越えて突出しており、前記貫通開口(20)の両側に、それぞれ1つの開口(120)を有する接続パッド(110,116)が配置されており、前記接続ピン(102)のそれぞれ突出している部分は、各々の前記開口(120)に係合していて、前記開口(120)の領域で各々の前記接続パッド(110,116)に電気接続されていることを特徴とする、請求項1記載のハウジング部材(10)。
【請求項3】
前記少なくとも1つの接続パッド(110,116)は、絶縁材料(112,114)として全面にわたって接着剤または注型材料を使用して前記基体(12)に電気絶縁されて取り付けられていることを特徴とする、請求項1または2記載のハウジング部材(10)。
【請求項4】
前記絶縁材料(112,114)は、前記固定材料(106)を完全に覆っていることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載のハウジング部材(10)。
【請求項5】
前記少なくとも1つの接続パッド(110,116)は、前記接続ピン(102)が前記少なくとも1つの接続パッド(110,116)の前記開口(120)を越えて突出しないように配置かつ構成されていることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項記載のハウジング部材(10)。
【請求項6】
前記少なくとも1つの接続パッド(110,116)の前記開口(120)の形状は、前記接続ピン(102)の横断面形状に相当しており、前記開口(120)のサイズは、好ましくは、前記接続ピン(102)の適合サイズよりも0.02mm~0.1mm大きく選択されていることを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項記載のハウジング部材(10)。
【請求項7】
前記接続ピン(102)と前記少なくとも1つの接続パッド(110,116)とを結合するために、伝導性の接着結合、溶接結合またはろう接結合が使用され、このような結合は、貫通開口として形成された開口(120)の場合には、好ましくは、前記少なくとも1つの接続パッド(110,116)の前記開口(120)の輪郭に沿って行われ、または盲孔として形成された開口(120)の場合には、好ましくは、全面にわたって行われることを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項記載のハウジング部材(10)。
【請求項8】
前記少なくとも1つの接続パッド(110,116)は、円または楕円のような丸みを帯びた形状から選択された形状またはそれぞれ場合により丸み付けられた角隅を有する長方形、正方形、三角形または六角形のような多角形の形状から選択された形状を有することを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項記載のハウジング部材(10)。
【請求項9】
前記基体(12)は、前記基体(12)における少なくとも1つの結合領域で前記少なくとも1つの接続パッド(110,116)に結合され、かつ/または前記少なくとも1つの接続パッド(110,116)は、前記基体(12)に向いた側にマイクロ構造化部を有することを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項記載のハウジング部材(10)。
【請求項10】
前記基体(12)および/または前記少なくとも1つの接続パッド(110,116)は、少なくとも1つのアンダカット(119)を備えた凹部(118)または構造部を有し、前記アンダカット(119)に前記絶縁材料(112,114)が、前記基体(12)を前記少なくとも1つの接続パッド(110,116)に結合するように係合していることを特徴とする、請求項1から9までのいずれか1項記載のハウジング部材(10)。
【請求項11】
前記接続パッド(110,116)は、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金、特に真鍮および青銅、銀、金、白金および銀合金、特に銀ニッケルまたは銀スズ酸化物から選択された材料から成っていることを特徴とする、請求項1から10までのいずれか1項記載のハウジング部材(10)。
【請求項12】
前記ハウジング部材(10)は、少なくとも1つの第2の接続端子アセンブリ(200)をさらに備え、前記第2の接続端子アセンブリ(200)では、接続領域(210)が、前記基体(12)における隆起部(202)によって形成されている、または前記基体(12)に導電接続されている別の接続パッドによって形成されていることを特徴とする、請求項1から11までのいずれか1項記載のハウジング部材(10)。
【請求項13】
前記隆起部(202)は、前記基体(12)の変形加工、特に押込み加工によって得られていることを特徴とする、請求項12記載のハウジング部材(10)。
【請求項14】
前記少なくとも1つの第1の接続端子アセンブリ(100)の全高と、前記少なくとも1つの第2の接続端子アセンブリ(200)の全高とは、同一に選択されていることを特徴とする、請求項1から13までのいずれか1項記載のハウジング部材(10)。
【請求項15】
前記接続端子アセンブリ(100,200)の全高は、前記基体(12)の表面を起点として、前記基体(12)の壁厚の10%~80%の範囲で選択されていることを特徴とする、請求項14記載のハウジング部材(10)。
【請求項16】
前記基体(12)の材料は、金属、特に鉄、鉄合金、鉄ニッケル合金、鉄ニッケルコバルト合金、KOVAR、鋼、特殊鋼、アルミニウム、アルミニウム合金、AlSiC、マグネシウム、マグネシウム合金、チタンまたはチタン合金から選択されていることを特徴とする、請求項1から15までのいずれか1項記載のハウジング部材(10)。
【請求項17】
前記固定材料(106)は、ガラス、ガラスセラミックスまたはセラミックスから選択されていることを特徴とする、請求項1から16までのいずれか1項記載のハウジング部材(10)。
【請求項18】
前記接続ピン(102)の材料は、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄、鉄合金、鉄ニッケル合金、鉄ニッケルコバルト合金、KOVAR、チタン、チタン合金、鋼、ステンレス鋼、特殊鋼、AlSiC、マグネシウム、マグネシウム合金から選択されていることを特徴とする、請求項1から17までのいずれか1項記載のハウジング部材(10)。
【請求項19】
前記基体(12)の第1の熱膨張係数が、前記固定材料(106)の第2の熱膨張係数よりも大きいことを特徴とする、請求項1から18までのいずれか1項記載のハウジング部材(10)。
【請求項20】
前記ハウジング部材(10)は、ハウジングのカバーとして形成されていて、好ましくは、別のハウジング部材に結合するための環状の結合フランジ(14)を有することを特徴とする、請求項1から19までのいずれか1項記載のハウジング部材(10)。
【請求項21】
前記少なくとも1つの第1の接続端子アセンブリ(100)は、前記基体(12)と一緒に前記貫通開口(20)の領域に、前記第1の接続端子アセンブリ(100)を有しない前記基体(12)の曲げ強さの少なくとも2倍の高さである曲げ強さを有することを特徴とする、請求項1から20までのいずれか1項記載のハウジング部材(10)。
【請求項22】
ハウジングと、少なくとも1つの蓄電セルとを備える蓄電装置、特にバッテリまたはコンデンサにおいて、前記ハウジングは、請求項1から21までのいずれか1項記載のハウジング部材(10)を備えることを特徴とする、蓄電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄電装置、特にバッテリまたはコンデンサ用のハウジング部材であって、基体と、接続ピンを備えた少なくとも1つの第1の接続端子アセンブリとを備え、接続ピンは、基体の貫通開口を通して貫通案内されていて、固定材料を介して電気絶縁されて貫通開口内に固定されており、接続ピンは、貫通開口の少なくとも一方の側で貫通開口を越えて突出している、ハウジング部材に関する。本発明の別の態様は、このようなハウジング部材を備えたハウジングを備える蓄電装置に関する。
【0002】
バッテリまたはコンデンサのような蓄電装置は、通常、ハウジングと少なくとも1つの蓄電セルとを備えている。ハウジングは、蓄電セルを取り囲んでいて、蓄電装置の電気的な接触接続のための接続端子を提供する。
【0003】
本発明の意味でのバッテリとは、放電後に処分しかつ/またはリサイクルすることができる使い捨て電池と蓄電池との両方を意味している。蓄電池、好ましくは、リチウムイオン電池は、例えば携帯型の電子機器、携帯電話、電動工具および特に電気自動車のような、様々な用途のために設けられている。バッテリは、例えば鉛電池、ニッケルカドミウム電池またはニッケル水素電池のような従来のエネルギ源と置き換えることができる。バッテリの使用はセンサでも可能であり、またはモノのインターネットでも可能である。
【0004】
本発明の意味での蓄電装置というのは、コンデンサ、特に電気二重層コンデンサをも意味している。
【0005】
スーパーキャップとも呼ばれる電気二重層コンデンサは、一般的に知られているように、特に高い出力密度を備えた電子化学的なエネルギ貯蔵器である。電気二重層コンデンサは、セラミックコンデンサ、フィルムコンデンサおよび電解コンデンサとは異なり、従来の意味での誘電体を有していない。電気二重層コンデンサでは、特に二重層キャパシタンスにおける電荷分離による電気エネルギの静的な貯蔵の貯蔵原理と、疑似キャパシタンスにおける酸化還元反応を用いた電荷交換による電気エネルギの電子化学的な貯蔵とが実現されている。
【0006】
電気二重層コンデンサは、特にハイブリッドコンデンサ、特にリチウムイオンコンデンサを含んでいる。このようなコンデンサの電解質は、通常、伝導性の塩(通常ではリチウム塩)が溶解されている溶媒を含んでいる。電気二重層コンデンサは、好ましくは、高い回数の充放電サイクルが必要な用途に使用される。電気二重層コンデンサは、特に自動車分野で有利に使用可能であり、特にブレーキエネルギの回生の分野で有利に使用可能である。他の用途ももちろん同様に可能であり、本発明に含まれるものである。
【0007】
蓄電装置としてのリチウムイオン電池は、何年も前から知られている。これに関しては、例えば「Handbook of Batteries(David Linden著、第2版、McCrawhill、1995年、第36章および第39章)」に記載されている。
【0008】
リチウムイオン電池の様々な態様は、多数の特許に記載されている。
【0009】
例を挙げると、米国特許第961672号明細書、米国特許第5952126号明細書、米国特許第5900183号明細書、米国特許第5874185号明細書、米国特許第5849434号明細書、米国特許第5853914号明細書および米国特許第5773959号明細書である。
【0010】
特に車載環境での用途のためのリチウムイオン電池は、通常、互いに並列にかつ/または直列に接続される多数の個々のバッテリセルを有している。互いに並列にもしくは直列に接続されたバッテリセルは、いわゆるバッテリパックにまとめられ、複数のバッテリパックが、リチウムイオン電池とも呼ばれる電池モジュールにまとめられる。各々の個々のバッテリセルは、バッテリセルのハウジングから突出する電極を有している。同じことは、電気二重層コンデンサのハウジングに対しても言える。
【0011】
特に車載環境でのリチウムイオン電池の用途のためには、耐食性、事故時の耐久性または耐振動性のような多数の問題を解決する必要がある。その他の問題としては、長時間にわたるシール性、特に気密性がある。
【0012】
さらに、高い蓄電密度のためには、蓄電装置の構造全体における、ハウジングのような受動部分の割合を減じることが望まれている。相応に、僅かな材料厚を有するハウジングが好ましい。可能な限り僅かな構造高および僅かな材料厚に合わせて設計された蓄電装置用のハウジングの例としては、例えば独国特許出願公開第102014016601号明細書および国際公開第2020/104571号が公知である。
【0013】
しかしながら、蓄電装置用の公知のハウジングには、ハウジングの材料厚が僅かな場合に高い内圧で変形が発生してしまうという欠点がある。特に、通常、電気的な貫通案内部および接続端子が配置されているカバーの領域では、このような形状変化は望ましくない。
【0014】
したがって、本発明の課題は、特にコンパクトな構造を維持して、特に耐圧性および曲げ剛性を有するハウジング部材、特にカバー部材を提供することである。
【0015】
発明の開示
蓄電装置、特にバッテリまたはコンデンサ用のハウジング部材が提案される。ハウジング部材は、基体と、接続ピンを備えた少なくとも1つの第1の接続端子アセンブリとを備え、接続ピンは、基体の貫通開口を通して貫通案内されていて、固定材料を介して電気絶縁されて貫通開口内に固定されており、接続ピンは、貫通開口の少なくとも一方の側で貫通開口を越えて突出している。さらに、貫通開口の少なくとも一方の側に接続パッドが設けられており、接続パッドは、貫通開口または盲孔として形成された開口を有し、接続ピンの突出している部分は、開口に係合していて、開口の領域で少なくとも1つの接続パッドに電気接続されており、少なくとも1つの接続パッドは、絶縁材料によって電気絶縁されて基体に取り付けられていることが特定されている。
【0016】
ハウジング部材は、別のハウジング部材と組み合わせられて、蓄電装置用のハウジングを形成するように構成されており、ハウジング部材は、蓄電装置の接続端子を有している。蓄電装置に応じて、1つまたは複数の接続端子が設けられていてもよい。例えば蓄電装置は、例えばプラス端子およびマイナス端子として働くことができる2つの第1の接続端子を備えていてもよい。ハウジング部材が単にただ1つの第1の接続端子アセンブリだけを備えている場合には、好ましくは、ハウジング部材自体の基体または別のハウジング部材が別の接続端子であり、例えばマイナス端子もしくはアース端子である。少なくとも1つの第1の接続端子アセンブリに加えて、ハウジング部材は、この第1の接続端子アセンブリとは異なる1つまたは複数の別の接続端子アセンブリを有していてもよい。
【0017】
少なくとも1つの接続端子アセンブリは、接続ピンを有しており、この接続ピンは、基体の貫通開口を通して貫通案内されていて、この貫通開口に固定材料によって電気絶縁されて保持される。基体、接続ピンおよび固定材料は、金属-固定材料貫通案内部を形成しており、このような貫通案内部では固定材料が、それぞれ接続ピンおよび貫通開口の内壁をシールしている。このような構成では、固定材料が貫通開口を越えて突出しておらず、実質的に貫通開口と面一に形成されている、またはそれどころか貫通開口の長さよりも幾分短く選択されていると有利である。
【0018】
固定材料と接続ピンとの間および固定材料と貫通開口の壁との間の結合部は、好ましくは気密である。気密であるとは特に、1barの圧力差がある場合にヘリウム漏れ率が、好ましくは<1*10-7mbar ls-1、特に好ましくは<1*10-8mbar ls-1、最も好ましくは<1*10-9mbar ls-1であることを意味している。
【0019】
第1の接続端子アセンブリでは、少なくとも1つの接続パッドは、電気導体を第1の接続端子アセンブリに接続することができる接続領域である。これによってハウジング部材の、完成したハウジングの外部に位置している側に配置された接続パッドは、ハウジングを含む電気的なエネルギ貯蔵器を電気的に接触接続させることができる接続領域である。完成したハウジングの内部に位置している側に配置された接続パッドは、蓄電セル、例えばバッテリセルまたはコンデンサセルのような内部に位置しているコンポーネントを接続することができる接続領域である。
【0020】
少なくとも1つの接続パッドを接続ピンに電気接続できるようにするために、少なくとも1つの接続パッドと接続ピンとは、互いに密に隣接して配置される。そのために、接続ピンの、基体における貫通開口を越えて突出している部分は、接続パッドにおける開口が貫通開口としてまたは盲孔として形成されているかに関係なく、接続パッドにおける開口に係合している。相応に、盲孔として形成されている場合には、開口は接続ピンの方向に向いており、この変化形態では、接続ピンは接続パッドによって覆われる。これによって、接続ピンの材料を第1の接続端子アセンブリによって完全に覆い、ひいては、特に環境からのまたはハウジングの内部に存在する媒体からの影響に対して遮蔽することが有利に達成される。
【0021】
この配置形態は、さらに、製造時における少なくとも1つの接続パッドの正確な位置決めを容易にする。それというのは、接続ピンは、位置決め補助部材のように接続パッドの正確な位置決めを保証するからである。
【0022】
少なくとも1つの接続パッドと接続ピンとの間の良好な結合を可能にするために、接続ピンは、少なくとも0.1mm~2mm、特に好ましくは0.2mm~1mm、貫通開口ひいては基体を越えて突出していることが好適である。
【0023】
少なくとも1つの第1の接続端子アセンブリは、正確に1つの接続パッドを有していてもよい。第1の接続端子アセンブリの有利な実施形態では、接続パッドは、ハウジング部材の、完成したハウジングの外部に位置している側に配置されている。第1の接続端子アセンブリの代替的な有利な実施形態では、接続パッドは、ハウジング部材の、完成したハウジングの内部に位置している側に配置されている。
【0024】
第1の接続端子アセンブリの特に有利な実施形態では、ハウジング部材の、完成したハウジングの外部に位置している側と内部に位置している側とに、それぞれ1つの接続パッドが配置されていることが特定されている。すなわち、第1の接続端子アセンブリは、貫通開口の両側ひいてはハウジング部材の両側に、それぞれ1つの接続パッドを有していてもよい。このような構成では、好ましくは、接続ピンは、貫通開口の両側で貫通開口を越えて突出しており、貫通開口の両側に、それぞれ1つの開口を有する接続パッドが配置されており、接続ピンのそれぞれ突出している部分は、各々の開口に係合していて、開口の領域で各々の接続パッドに電気接続されている。
【0025】
少なくとも1つの接続パッドは、接続ピンに電気接続される。この接続は、同時に機械的な結合部をも形成することができ、これによって、少なくとも1つの接続パッドは、単に絶縁材料を介して基体に固定されているのみならず、接続ピンにも固定されている。絶縁材料は、好ましくは電気絶縁性の接着剤または電気絶縁性の注型材料である。
【0026】
接着剤を絶縁材料として使用する場合には、特にエポキシ樹脂が適している。接着剤は、さらに、接着テープの形態、特に両面接着テープの形態で形成することもできる。注型材料としては、特に熱可塑性プラスチックまたは熱硬化性プラスチックが適している。
【0027】
外部に位置している接続パッドのための絶縁材料と、内部に位置している接続パッドのための絶縁材料とは、互いに異なっていてもよいし、同じであってもよい。このことは、接続パッドの位置に関連した異なる要求への適合を可能にする。
【0028】
適宜な接着剤、特に適宜なエポキシ樹脂または適宜な注型材料を選択する場合には、特定の選択基準が関与する。
【0029】
ハウジング部材もしくは蓄電装置の組立て時に、例えば接続ピンと接続パッドとの結合部および/または接続パッドと接続舌片のような接続部との結合部の形成時には、ろう接または溶接のような方法を使用することができるので、少なくとも短時間ろう接または溶接のために必要な温度に耐えることができるようにするために、接着剤は耐熱性であることが有利である。接着剤を気化または変質させることなしに、すなわち、最初の接着力を激しく変化させることなしに、接着剤は、少なくとも短時間、150℃を上回る温度、好ましくは最低でも220℃の温度に加熱できることが好ましい。「短時間」という概念は、ここでは最短でも1分~5分の時間を意味している。
【0030】
代替的に、蓄電装置の使用時における、通常の運転および起こり得る事故/故障に関して、接着剤は、持続的に最低80℃まで、好ましくは最低100℃まで熱的に安定していることと有利であり得る。好ましくは、接着剤は、持続的に-40℃~+120℃の範囲、有利には-40℃~+150℃の範囲で熱的に安定している。
【0031】
本発明の変化形態によれば、好ましくは、接着剤は、耐熱性に関して両方の特性を兼ね備えており、例えば持続的に-40℃~+150℃で熱的に安定していて、短時間、150℃を上回る温度負荷に耐える。
【0032】
持続的なかつ/または短時間の温度安定性のほかに、接着剤は、さらに、特に液体、エアロゾルおよび/またはガスによる外的影響に対しても良好な耐性を有していることが望ましい。完成したハウジングにおいて接続パッドが位置しているハウジング部材の側に関連して、耐湿性、耐環境性または耐気候性と、化学的な耐性、例えばバッテリ電解液に対する耐性とを区別することができる。
【0033】
ハウジング部材の、完成したハウジングの外部に位置している側に配置された接続パッドを取り付けるためには、接着剤は、温度・湿度テストに合格していることが有利である。そのために、例えば、本発明による接続端子アセンブリを備えたハウジング部材と、接着された接続パッドとから成るユニットは、気候室内で1000時間、85℃の温度と85%の相対湿度とにさらされる。このユニットは、次いで、初期の接着力がなおどの程度残っているのかを検査するために、機械的な負荷、特に重負荷と曲げ負荷とにさらされる。このテストは、接着剤がテスト後に初期の接着力の少なくとも80%をなお有している場合に合格と見なされる。
【0034】
ハウジング部材の、完成したハウジングの内部に位置している側に配置された接続パッドを取り付けるために、接着剤は、十分な電解質耐性、伝導性の塩に対する耐性などを有していることが有利である。耐性を測定するために、接着剤は、例えばテストすべき媒体内に60℃で20日間浸漬され、次いで、媒体は、接着剤から溶出した成分に関して分析され得る。溶出は、各々の媒体に対する耐性のための尺度である。さらに、接着剤および/または媒体における目に見える変化、例えば色の変化は、耐性に関する情報を与えることができる。
【0035】
ハウジング部材の、内部に位置している側では、外部に位置している側とは異なる条件が存在しているので、接続パッドを取り付けるために、内側と外側とに対してそれぞれ異なる接着剤、特にエポキシ樹脂を使用することができる。
【0036】
しかしながら、ハウジング部材の、外部に位置している側における使用およびハウジング部材の、内部に位置している側における使用のための両方に適した1つの接着剤が好適である。
【0037】
上に述べた選択基準は、相応に電気絶縁性の注型材料に対しても適用される。
【0038】
好ましくは、少なくとも1つの接続パッドは、絶縁材料として全面にわたって接着剤または注型材料を使用して基体に電気絶縁されて取り付けられている。
【0039】
代替的に、接続パッドは、単に部分的に、つまり、その面の一部で、絶縁材料として接着剤または注型材料を使用して基体に電気絶縁されて取り付けられていてもよい。このように構成されていても、十分に確実な取付けを実現することができる。このとき、接続パッドと基体との間の外縁部に接着剤もしくは注型材料があると、上に述べた部材の間におけるアクセス可能な間隙が残らなくなるので、有利である。
【0040】
少なくとも1つの第1の接続端子アセンブリは、既に1つの接続パッドの配置時にハウジング部材を補強し、これによって、ハウジング部材は、特に圧力負荷時に僅かしか変形を被らない。好ましくは、絶縁材料および1つもしくは複数の接続パッドは、少なくとも1つの第1の接続端子アセンブリが、基体と一緒に貫通開口の領域に、第1の接続端子アセンブリを有しない基体の曲げ剛性の少なくとも2倍の高さである曲げ剛性を有するように構成かつ配置されている。
【0041】
さらに、接続パッドを片側、特に両側に配置することによって、接続ピンの金属-固定材料貫通案内部が保護される。特に両側に配置されていると、接続ピンは、衝撃またはこれに類したもののような周囲からの影響に対して機械的に保護される。外部からの機械的な作用は、絶縁材料および接続パッドによって受け止められて、ハウジングに伝達される。
【0042】
好ましくは、1つまたは複数の接続パッドを結合するために使用される絶縁材料は、絶縁材料が固定材料を完全に覆うように配置かつ構成されている。絶縁材料によって固定材料を覆うことによって、固定材料は、機械的な影響のみならず、湿気または他の物質による影響に対しても有利に保護される。
【0043】
好ましくは、少なくとも1つの接続パッドは、接続ピンが少なくとも1つの接続パッドの開口を越えて突出しないように配置かつ構成されている。このように構成されていると、特に貫通開口としての開口の形成時に、接続パッドによって提供された結合面が、突出する部分によって邪魔されず、例えば大きな接続舌片または電気導体をも接続パッドに良好に接続できることが達成される。
【0044】
好ましくは、少なくとも1つの接続パッドの開口の形状は、接続ピンの横断面形状に相当しており、開口のサイズは、好ましくは、接続ピンの適合サイズよりも0.02mm~0.1mm大きく選択されている。このように構成されていると、少なくとも1つの接続パッドと接続ピンとの間の間隙を可能な限り小さくし、接続パッドと接続ピンとの間の確実な電気接続部を容易に形成できることが達成される。しかも、同時に製造誤差を補償することができるので、接続ピンは常に確実にかつ接続パッドを損傷または変形させることなしに、接続パッドの開口に係合することができる。基体における配置後に接続パッドおよび/または接続ピンを変形させることによって、残っている間隙をさらに減じる、またはそれどころか完全に閉鎖することができる。これによって、電気接続部を直接形成することができるかまたは少なくとも改善することができる。
【0045】
好ましくは、接続ピンと少なくとも1つの接続パッドとの間の結合は、伝導性の接着結合または溶接結合として実施されている。ろう接もまた、導電結合のために考えることができる。貫通開口として形成された開口の場合には、結合部は、好ましくは少なくとも1つの接続パッドの開口の輪郭に沿って延びている。盲孔として形成された開口の場合には、結合部は好ましくは全面にわたって形成される。
【0046】
溶接結合部を形成するためには、例えばレーザ溶接、抵抗溶接、超音波溶接または摩擦溶接を使用することができる。
【0047】
少なくとも1つの接続パッドは、好ましくは接続ピンの横断面に対して、著しく増大された接続面を提供する。金属-固定材料貫通案内部の形成は、好ましくは、少なくとも1つの接続パッドの配置および結合とは別個に行うことができる。このようにすると、接続パッドの形状およびサイズの適合によって、電気的な接触接続部を提供する接続面を、要求に応じて容易にハウジング部材に適合させることができ、しかも、その際に金属-固定材料貫通案内部を変更または適合させる必要はない。また、外側に位置している接続パッドの形状を内側に位置している接続パッドの形状とは無関係に選択することができるので、電気的な接触接続部のためにそれぞれ最適な形状および配置を選択することができる。
【0048】
このとき、好ましくは、少なくとも1つの接続パッドは、円または楕円のような丸みを帯びた形状から選択された形状またはそれぞれ場合により丸み付けられた角隅を有する長方形、正方形、三角形または六角形のような多角形の形状から選択された形状を有している。基本的に、少なくとも1つの接続パッドの形状は、要求に相応して適合させて選択することができる。
【0049】
第1の接続端子アセンブリの接続パッドの寸法、つまり、第1の接続端子アセンブリの接続パッドの幅および長さは、好ましくは、接続舌片のような接続部の突合せ溶接またはろう接のための大きな面積が提供されるように選択されている。代替的に、接続部は固定のためにリベット結合またはプレス結合されていてもよい。これらの寸法は、通常の接続ピンだけによって提供される接続面よりも著しく大きくてもよい。このように構成されていると、好ましくは、電気接続部を形成する接続領域の形状およびサイズを、接続ピンの本来の電気的な貫通案内部をハウジング部材によって適合させるかまたは変更する必要なしに、各々の顧客に合わせて適合させることができる。特に角張った形状をも容易に形成することができる。
【0050】
滑らかな表面では、絶縁材料の固着が困難な場合がある。少なくとも1つの接続パッドおよび/または基体における絶縁材料の固着を改善するために、好ましくは、接続パッドおよび/または基体の、絶縁材料に隣接する各々の表面に、構造部が配置されており、これらの構造部によって、各々の表面が粗面化され、かつ/または絶縁材料をフック状に引っ掛けることができるアンダカットが形成されている。
【0051】
好ましくは、基体は、少なくとも、基体を少なくとも1つの接続パッドに結合する結合領域にマイクロ構造化部を有していて、かつ/または少なくとも1つの接続パッドは、基体に向いた側にマイクロ構造化部を有している。このマイクロ構造化部によって絶縁材料の固着が改善され、ひいては、少なくとも1つの接続パッドと基体との間の結合部の強度が高められる。
【0052】
マイクロ構造化部は、特に、独国特許出願公開第102017123278号明細書に基づいて公知のマイクロ構造化部に似た構成を有していて、そのように形成することができる多数の溝および/または凹部であってもよい。マイクロ構造化部の深さは、絶縁材料の固着を改善するために、好ましくは、金属製のろう接材料の流れを制御するための同明細書に記載されたマイクロ構造化部よりも幾分大きく選択される。
【0053】
好ましくは、マイクロ構造化部の凹部は、基体および/または接続パッドの表面におけるレーザによって構造化された領域である。これらのレーザによって構造化された領域は、レーザによって除去された領域であり、かつ/またはレーザ光線によって熱で局所的に変形加工された、かつ/またはレーザによって誘導された圧力作用によって局所的に変形加工された領域であってもよい。もちろん、これらの組合せも可能である。
【0054】
代替的にまたは追加的に、例えばマイクロ構造化されたポンチによるエンボス加工のような、マイクロ構造化部を形成するための別の方法、および/または研削および/または傷付けなどのような材料を削り取る方法を使用することができる。
【0055】
有利には、マイクロ構造化部は溝の形を有しており、かつ/またはマイクロ構造化部は、円形および/または楕円形の直径を有する凹部を備えているかまたはこのような凹部から成っている。同様に、特に丸み付けられた角隅を有する方形の直径も可能である。特に好ましくは、凹部はクレータ状および/またはポット状である。これらの形状は、特に好ましくはレーザアブレーションによって形成することができる。
【0056】
好ましくは、マイクロ構造化部の凹部は、最低でも1μm、特に好ましくは最低でも10μm、特に有利には最低でも100μmの深さを有している。200μmの深さに至るまで、凹部はマイクロ構造化部と呼ばれる。この深さは、マイクロ構造化部の外側における基体の表面の平面から、マイクロ構造化部の最深点に至るまでが、つまり例えばクレータ状の凹部ではマイクロ構造化部の外側の基体の表面の平面から、クレータ底の最深点に至るまでが、測定される。
【0057】
好ましくは、基体および/または少なくとも1つの接続パッドは、少なくとも1つのアンダカットを備えた凹部または構造部を有しており、アンダカットに絶縁材料が、基体を少なくとも1つの接続パッドに結合するために係合している。
【0058】
例えば、そのために、斜めに延びる溝を基体および/または接続パッドの表面に加工することができる。また、少なくとも1つの接続パッドの縁部を、環状の溝がアンダカットとして形成されるように内側に向かって折り曲げることも考えられる。
【0059】
少なくとも1つの接続パッドのための材料は、好ましくは良好な導電性を有する金属である。少なくとも1つの接続パッドの材料は、アルミニウム、アルミニウム合金、銅および銅合金、特に真鍮および青銅から成っている、または好ましくはこれらの材料から選択された材料を含んでいる。その他に、いわゆる接点材料を少なくとも1つの接続パッドのための材料として選択することも考えられる。接点材料は、酸化に対する良好な耐性の点で優れていて、火花および電弧による損耗に対しても耐性がある。適宜な接点材料は、特に銀、金、および白金を含んでいる。接点材料として適宜な合金は、特に銀ニッケルおよび銀スズ酸化物を含んでいる。
【0060】
第1の接続端子アセンブリは、様々な形態で容易に得ることができる。まず、電気的な貫通案内部が基体によって形成される。そのために、例えば基体、固定材料のためのブランクおよび接続ピンを準備し、熱処理ステップで金属-固定材料貫通案内部を得ることができる。接続ピンの相応の寸法設定および配置によって、接続ピンは、その片側または両側で基体における貫通開口を越えて突出していて、次いで、片側または両側で1つもしくは複数の接続パッドに結合することができる。
【0061】
1つの変化形態では、接続パッドは、既に絶縁材料、特に接着剤によって被覆された金属薄板材料からの打抜きによって得られる。次いで、接続パッドは、接続ピンの突出している部分の上方に位置決めされ、基体に押し付けられる。
【0062】
しかしながら、もちろん、このような形態の代わりに、接続パッドを、被覆されていない金属薄板から打ち抜き、接着剤を接続パッドの配置直前に初めて接続パッドおよび/または基体に塗布することも可能である。
【0063】
注型材料を絶縁材料として使用するためには、ハウジング部材と接続パッドとを1つの射出形成型に挿入することができる。次いで、絶縁材料が型内に射出される。
【0064】
好ましくは、ハウジング部材は、さらに少なくとも1つの第2の接続端子アセンブリを含んでおり、この第2の接続端子アセンブリでは接続領域が、基体における隆起部によって形成されている、または基体に導電接続されている別の接続パッドによって形成されている。このように構成されていると、電気的な貫通案内部を設けなくても、基体によってハウジング部材における接続領域を提供すること、特にアース端子としてまたはマイナス端子として形成された接続領域を提供することが可能になる。
【0065】
隆起部として形成された代替態様では、好ましくは第2の接続端子アセンブリの形成のために、別の構成要素が不要になる。これによって特に材料が節約され、重量が低減される。好ましくは、隆起部は基体の変形加工、特に押込み加工によって得られる。
【0066】
少なくとも1つの第2の接続端子アセンブリは、特にアース接続のための接続箇所を提供することができ、この接続箇所は、好適な変化形態では、更なる部材なしに十分であり、しかも、第1の接続端子アセンブリと同じ構造高さを提供する。したがって、第2の接続端子アセンブリへの電気接続部は、第1の接続端子アセンブリへの電気接続部と同じように構成することができる。さらに、隆起部および場合により相応の凹部によって反対側に壁が得られ、この壁はビードとして働き、追加的な材料なしにハウジング部材の機械的な剛性を高める。
【0067】
押込み加工時に、基体の、隆起部として形成すべき部分は、基体の残りの部分に対して垂直に移動させられ、これらの部分の間の移行領域においてしか基体の壁厚は変化しない。これによって、特に表面品質は変化しないままである。しかしながら、もちろん、例えば深絞りのような別の変形加工法も使用することができる。
【0068】
別の接続パッドが、第2の接続端子アセンブリを形成するために使用される場合には、この接続パッドは、好ましくは溶接、ろう接または伝導性の接着剤による接着によって基体に結合される。好ましくは別の接続パッドは、第1の接続端子アセンブリの接続パッドのうちの1つと類似にまたは同一に形成されている。さらに、外側にだけ別の接続パッドを配置するのではなく、ハウジング部材の反対に位置している内側にも別の接続パッドを配置することが考えられる。
【0069】
好ましくは、少なくとも1つの第1の接続端子アセンブリの全高と、少なくとも1つの第2の接続端子アセンブリの全高とは、同一に選択されている。このように構成されていると、電気的な接触接続のために設けられた領域はすべて、基体の表面との関係で等しい高さに位置することになり、これによって、すべての接続部を機械的に等しい形態で形成することができる。高さのみならず、好ましくは他の幾何学的なパラメータ、特に第2の接続端子アセンブリの形状およびサイズが、第1の接続端子アセンブリに適合させられ、好ましくは同一に選択される。
【0070】
好ましくは、接続端子アセンブリ、つまり少なくとも1つの第1の接続端子アセンブリ、および場合により設けられている少なくとも1つの第2の接続端子アセンブリの全高は、基体の表面を起点として、基体の壁厚の10%~80%の範囲で選択されている。このように構成されていると、特に第2の接続端子アセンブリを変形加工法としての押込み加工による隆起部として形成することができる。
【0071】
基体の材料は、必要に応じて選択され、好ましくは、別のハウジング部材と良好に接合することができる材料が選択される。好ましくは、基体の材料は、金属から、特に鉄、鉄合金、鉄ニッケル合金、鉄ニッケルコバルト合金、KOVAR、鋼、特殊鋼、アルミニウム、アルミニウム合金、AlSiC、マグネシウム、マグネシウム合金、チタンまたはチタン合金から選択されている。
【0072】
アルミニウム、マグネシウムおよびチタンならびにこれらの合金のような軽金属が、その重量が僅かなことに基づいて特に好適である。
【0073】
接続ピンの材料は、好ましくは良好な導電性を有する金属から選択される。相応に接続ピンの材料は、好ましくは銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄、鉄合金、鉄ニッケル合金、鉄ニッケルコバルト合金、KOVAR、チタン、チタン合金、鋼、ステンレス鋼、特殊鋼、AlSiC、マグネシウムまたはマグネシウム合金から選択されている。
【0074】
基体の貫通開口内で接続ピンを保持しかつ絶縁するための固定材料は、好ましくはガラス、ガラスセラミックスまたはセラミックスから選択されている。固定材料は、好ましくは基体および接続ピンの材料に関係して、金属-固定材料貫通案内部が形成されるように選択される。
【0075】
金属部分間、つまり、基体と少なくとも1つの第1の接続端子アセンブリの接続ピンと固定材料との間の特に良好なシールを得るために、貫通案内部は圧縮封止の形態で形成することができる。このとき、基体の熱膨張係数は、固定材料の熱膨張係数よりも大きく選択されるので、固定材料を貫通開口内に封止する熱処理後に、基体は、固定材料よりも強く収縮する。これによって、固定材料には基体によって持続的に圧力が加えられる。この圧力によって固定材料には予荷重が加えられ、これにより、特に耐性のあるシールが得られる。
【0076】
相応に好ましくは、基体の熱膨張係数は固定材料の熱膨張係数よりも大きい。特に好ましくは、圧縮封止時に基体の熱膨張係数は、固定材料の熱膨張係数よりも少なくとも5%、好ましくは少なくとも10%、特に好ましくは少なくとも20%、最も好ましくは少なくとも50%大きく選択される。
【0077】
圧縮封止としての実施の代わりに、基体と固定材料と接続ピンとの熱膨張係数が互いに適合されている、適合された貫通案内部を使用することができる。適合されているというのは、ここでは、膨張係数が実質的に最高で2*10-61/Kしか、特に最高で1*10-61/Kしか異なっておらず、特に実質的に等しく、かつ/または好ましくは3~7*10-61/K、好ましくは4.5~5.5*10-61/Kの範囲にあり、または9*10-61/K~11*10-61/Kの範囲にあることを意味している。したがって全体として膨張係数は、3~11*10-61/Kの範囲にあってもよい。本出願の枠内で熱膨張係数に関して述べる限り、ここでは20~300℃の範囲における直線的な熱膨張係数αを意味している。
【0078】
ハウジング部材と別のハウジング構成部材との接合を簡単にするために、ハウジング部材は、好ましくは環状の結合フランジを有している。
【0079】
ハウジング部材は、さらに好ましくは少なくとも1つの機能要素を備えていて、この機能要素は、安全弁または充填開口から選択されている。このような安全弁は、例えばハウジング部材の目標破損箇所または弱化された区分として提供され、目標破損箇所または弱化された区分は、所定の圧力発生時に所望のように破損し、ハウジング部材によって形成されたハウジングの内部から過圧を逃がすことができるように構成かつ配置されている。
【0080】
ハウジング部材は、好ましくはハウジングのカバーとして形成されている。カバーとハウジング本体との接合によって、蓄電装置用のハウジングを形成することができる。蓄電装置は、1つまたは複数の蓄電セル、例えばバッテリセルまたはコンデンサセルを含んでいてもよい。
【0081】
相応に本発明の更なる課題は、ここに記載したハウジングもしくはハウジング部材と少なくとも1つの蓄電セルとを含む、蓄電装置、特にバッテリまたはコンデンサを提供することである。
【0082】
次に図面を参照しながら本発明について詳説するが、本発明は図示の形態に制限されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0083】
図1】カバーとして形成されたハウジング部材を下から見た図である。
図2図1でマーキングした切断線に沿ってハウジング部材を断面した図である。
図3】カバー部材の第1の接続端子アセンブリを拡大して示す図である。
図4】第1の接続端子アセンブリのための第2の例を示す図である。
図5】第1の接続端子アセンブリのための第3の例を示す図である。
図6】第1の接続端子アセンブリのための第4の例を示す図である。
図7】第1の接続端子アセンブリのための第5の例を示す図である。
図8図4の第1の変化形態を示す図である。
図9図4の第2の変化形態を示す図である。
図10図4の第3の変化形態を示す図である。
【0084】
図1には、カバーとして構成されたハウジング部材10の1つの実施例が下から見た図で示してある。この実施例ではハウジング部材10は、第1の接続端子アセンブリ100と第2の接続端子アセンブリ200とを備えた基体12を有している。ハウジング部材10が、1つまたは複数の蓄電セル、例えばバッテリセルまたはコンデンサセルに接続される場合、第1の接続端子アセンブリ100は例えばプラス端子として、第2の接続端子アセンブリ200は例えばマイナス端子として働くことができる。
【0085】
ハウジング部材10は、接続端子アセンブリ100,200に加えて、さらに別の機能要素を有していてもよい。図1に示した例ではそのために、安全弁18の形態の安全装置と充填開口16とが設けられている。安全弁18は、例えばハウジング部材10における目標破損箇所として形成されていてもよく、安全弁は、それが確定された圧力時に開放するように構成されている。充填開口16を通して、ハウジングのすべての部分が組み立てられた後で、内部に、液状またはガス状の媒体、例えば電解質を充填することができる。充填後に充填開口16は、通常のように閉鎖される。
【0086】
別のハウジング部材との結合のために、図1に示した例では環状の結合フランジ14が設けられている。この結合フランジ14は、例えば溶接フランジとして形成されていてもよい。
【0087】
図2には、図1のハウジング部材が、図1にA-Aでマーキングされた切断線に沿った面から見た断面図で示してある。この断面図では、第1の接続端子アセンブリ100の構造と第2の接続端子アセンブリ200の構造とをそれぞれ良好に認識することができる。
【0088】
図3に拡大して示した第1の接続端子アセンブリ100は、接続ピン102を含んでおり、この接続ピン102は、基体12の貫通開口20に挿入されていて、固定材料106によって保持される。固定材料106はまた、接続ピン102を基体12に対して電気絶縁している。接続ピン102は、図示の例では上側および下側で基体12もしくは貫通開口20を越えて突出している。
【0089】
基体12の上側には、接続パッド110が配置されており、この接続パッド110は、絶縁材料112、例えば接着剤によって基体12に取り付けられている。接続パッド110は、接続ピン102が係合する開口120を有している。そのために開口120は、接続ピン102の横断面と実質的に同じ形状を有しており、開口120は、好ましくは幾分大きく形成されているので、接続ピン102は、場合により発生する製造誤差がある場合でもこの開口120内に係合することができる。接続ピン102は、接続パッド110に接触しているかまたは接続ピン102と接続パッド110との間に僅かな間隙が存在しており、これによって接続ピン102と接続パッド110との間の溶接結合部130によって、電気接続部を形成することができる。このような溶接結合部130は、好ましくは開口120の輪郭に沿って形成される。接続パッド110は、ハウジングの組立て後には外側に位置しているので、接続パッド110は、電気的な接触接続のための接続領域として働くことができる。
【0090】
図2および図3に示した例では、基体12の下側に内側の接続パッド116が配置されており、この内側の接続パッド116は、内側の絶縁材料114を介して基体12の下側に取り付けられている。内側の接続パッド116も、接続ピン102が係合する開口120を有している。また接続ピン102は、開口120の輪郭に沿って内側の接続パッド116に、例えば溶接結合部130によって電気接続されている。内側の接続パッド116は、ハウジングの組立て後にハウジングの内部に位置しているので、内側の接続パッド116は、ハウジングの内部に収容された蓄電セルのための接続領域として働くことができる。例えば蓄電セルの接続舌片は、接続パッドに接続することができ、特にこれらの接続舌片は溶接することができる。
【0091】
絶縁材料112,114の寸法は、図1図3に示した例では接続パッド110,116の寸法に合わせられているので、絶縁材料112,114は完全に覆われている。代替的に、例えば沿面距離を増大させるために、絶縁材料112,114の寸法を増大させることが可能であり、これによって絶縁材料112,114の一部が接続パッド110,116を越えて突出しており、このことは、図8および図9に例として概略的に示してある。
【0092】
図2には、同様に第2の接続端子アセンブリ200が示してある。この第2の接続端子アセンブリ200は、ハウジング部材10の外側に、接続領域210を提供する隆起部202を有している。反対側の内側に第2の接続端子アセンブリ200は、対応する凹部204を有している。このとき、形成された凹部の壁206は、ビードのようにハウジング部材10の剛性に寄与する。隆起部202は、好ましくは、第2の接続端子アセンブリ200の高さが第1の接続端子アセンブリ100の全高に、つまり、絶縁材料112の厚さおよび接続パッド110の厚さに相当するように構成されている。さらに、接続領域210の寸法、つまり長さおよび幅は、好ましくは、これらの寸法が接続パッド110の寸法に相当するように選択される。好ましくは、第1の接続端子アセンブリ100および第2の接続端子アセンブリ200は、基体12に対して同じ高さおよび同じ寸法を有しているので、電気的な接触接続が容易になる。
【0093】
第2の接続端子アセンブリ200は、好ましくは基体12の材料の変形加工によって得られる。好ましくは、変形加工は、隆起部202の領域を鉛直方向で移動させる押込み加工によって行われる。この際に移行領域でしか基体12の材料厚が変化しないので、隆起部202の領域では、材料厚は、第2の接続端子アセンブリ200の外側における基体12の材料厚に等しい。
【0094】
図4には、第1の接続端子アセンブリ100の第2実施例が示してある。図1図3に関連して既に記載したように、第1の接続端子アセンブリ100は、接続ピン102を固定材料106を介して基体12の貫通開口20内で保持する電気的な貫通案内部を含んでいる。固定材料106は、さらに、接続ピン102および貫通開口20の壁をシールするので、貫通案内部はシールされている。好ましくは、貫通案内部は気密に構成されている。
【0095】
図1図3に示した第1実施例とは異なり、接続パッド110は、盲孔として形成された開口120を有しており、この開口120内には、接続ピン102の、貫通開口20を越えて突出する部分が係合している。接続ピン102と接続パッド110との間の電気接続のために、盲孔の領域には伝導性の接着剤140が塗布されている。接続パッド110と基体12との間の残りの領域には、接続パッド110を基体12に固定するために、電気絶縁性の接着剤が絶縁材料112として使用される。
【0096】
図4の図示で分かるように、接続ピン102の領域と接続パッド110の表面の領域とには接合箇所は存在しないので、連続した平らな接続面が提供される。接続ピン102および固定材料106は、接続パッド110によって完全に覆われており、盲孔として形成された開口120の領域に接続パッド110は、減じられた壁厚を有する薄く形成された領域140を有している。
【0097】
図5図6および図7には、第1の接続端子アセンブリ100の3つの別の実施例が示してある。基体12と、接続ピン102と固定材料106とによって形成された電気的な貫通案内部とは、先行する実施形態に関連して記載したように構成されている。接続ピン102の、基体12における貫通開口20を越えて突出している部分は、図1図3の第1実施形態に関連して記載したように、溶接結合部130によって接続パッド110に電気接続されている。
【0098】
しかしながら、図5図6および図7の第1の接続端子アセンブリ100では、接続パッド110と基体12との結合形態が異なっていて、注型材料、例えば熱可塑性プラスチックまたは熱硬化性プラスチックが絶縁材料112として使用される。絶縁材料112を基体12および接続パッド110と良好に結合できるようにするために、それぞれアンダカット119が設けられている。
【0099】
図5に示した第3実施例では、基体12に、開口20を取り囲む環状の凹部118が配置されており、この凹部118は、環状の突出している隆起部の形のアンダカット119を凹部118内に有している。接続パッド110には、縁部の折り返しによって、環状のアンダカット119であるカラー117が形成されている。
【0100】
図6に示した第4実施例では、基体12と同様に、開口20を取り囲む環状の凹部118が配置されており、この凹部118は、環状の突出している隆起部の形のアンダカット119を凹部118内に有している。接続パッド110には、傾斜溝の形の複数の凹部が配置されていて、これらの凹部は、その構成によって同様にアンダカット119を形成している。
【0101】
図7に示した第5実施例では、基体12と接続パッド110とにそれぞれ、傾斜溝の形の凹部118が形成されていて、これらの凹部118はそれぞれ、絶縁材料112のための保持部としてのアンダカット119を提供している。
【0102】
図5図7に示した溝および凹部の代わりにまたはこのような溝および凹部に加えて、接続パッド110および基体12の、絶縁材料112に向けられた表面に、マイクロ構造化部が設けられていてもよい。このように構成されていると、絶縁材料112に保持部を提供する多くの凹部および/または溝が配置される。
【0103】
図8図10には、接続パッド110の縁部における沿面距離を増大させるための手段が示してある。これらの手段は、ここでは第1の接続端子アセンブリ100の第2の例のための一例として示してある(図4参照)。もちろん、これらの手段は、盲孔として形成された開口120を備えた接続パッド実施形態に制限されるものではなく、第1の接続端子アセンブリの別の例とも、特に図1図3に相当する実施形態とも組み合わせることができる。
【0104】
図8に示した、沿面距離を延長するための第1の変化形態では、絶縁材料112の外寸は、接続パッド110の外寸よりも大きく選択されているので、絶縁材料112の一部は接続パッド110を越えて突出している。
【0105】
絶縁材料112の突出している部分の代わりにまたはこのような部分に加えて、接続パッド110の側部を取り囲む別の絶縁要素150が、接続パッド110の縁部領域に設けられていてもよい。図9に示した、沿面距離を延長するための第2の変化形態では、別の絶縁要素150は、接続パッド110の近傍で側部において、突出している絶縁材料112に例えば接着によって取り付けられている。
【0106】
図10に示した、沿面距離を延長するための第3の変化形態では、絶縁材料112は接続パッド110によって完全に覆われている。沿面距離を延長するために、基体12と接続パッド110との間の接合部152を覆う絶縁性の沿面距離延長部151が設けられている。沿面距離延長部151を提供するために、例えば基体12における接続パッド110の取付け後に、追加的な作業ステップで絶縁材料から成る「接着剤ビード」を、接続パッド110を取り囲んで配置することができる。代替的に、絶縁材料が少なくとも部分的に接続パッド110の下に肉厚に形成され、かつ/または縁部領域で接続パッド110の下に追加的に例えば接着剤ビードが形成されてもよい。このようになっていると、基体12における接続パッド110の取付け時に、材料が縁部で押し出され、これによって接合部152に沿面距離延長部を形成する。
【0107】
請求項は、ここに記載した実施例に制限されるものではない。特に、ここに記載した実施例の個々の特徴が互いに組み合わせられた多数の変化形態が可能である。
【符号の説明】
【0108】
10 ハウジング部材
12 基体
14 結合フランジ
16 充填開口
18 安全弁
20 貫通開口
A 切断線
100 第1の接続端子アセンブリ
102 接続ピン
104 貫通開口
106 固定材料
110 接続パッド
112 絶縁材料
114 内側の絶縁材料
116 内側の接続パッド
117 カラー
118 凹部
119 アンダカット
120 開口
122 肉薄の領域
130 溶接結合部
140 伝導性の接着剤
150 別の絶縁要素
151 沿面距離延長部
152 接合部
200 第2の接続端子アセンブリ
202 隆起部
204 押込み加工部
206 壁 押込み加工部
210 接続領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【外国語明細書】