(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023089971
(43)【公開日】2023-06-28
(54)【発明の名称】一本のケーブルによって結合された電極を用いた12誘導心電図
(51)【国際特許分類】
A61B 5/271 20210101AFI20230621BHJP
A61B 5/282 20210101ALI20230621BHJP
A61B 5/256 20210101ALI20230621BHJP
【FI】
A61B5/271
A61B5/282
A61B5/256 200
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022200281
(22)【出願日】2022-12-15
(31)【優先権主張番号】17/553,414
(32)【優先日】2021-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】512318556
【氏名又は名称】アライヴコア・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】インディラ・ネギ
(72)【発明者】
【氏名】デイヴィッド・イー・アルバート
(72)【発明者】
【氏名】ブルース・サッチウェル
(72)【発明者】
【氏名】キム・ノーマン・バーネット
(72)【発明者】
【氏名】ジョエル・キュー・シュエ
【テーマコード(参考)】
4C127
【Fターム(参考)】
4C127AA02
4C127LL04
4C127LL15
4C127LL19
(57)【要約】
【課題】本発明は、一本のケーブルによって結合された電極を用いた12誘導心電図を提供する。
【解決手段】本発明の実施形態は、中に配置された複数の信号ケーブルを含むハウジングケーブルと、ハウジングケーブルに沿って配置された一組の電極と、を含むECG監視デバイスを提供する。ECG監視デバイスがユーザに接続されているとき、ユーザのいかなる筋肉活動をも要求することなく、一組の電極のそれぞれがユーザの特定の場所に接触することができる。ECG監視デバイスは、ハウジングケーブルに沿って配置され、複数の信号ケーブルのそれぞれの信号ケーブルを介して4つ以上の電極のそれぞれに動作可能に結合された計算デバイスをさらに含むことができる。計算デバイスは、メモリと、メモリに動作可能に結合された処理デバイスと、を含むことができ、処理デバイスは、4つ以上の電極を用いて、ユーザの心電図(ECG)をとるものである。
【選択図】
図3A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングケーブルであって、前記ハウジングケーブルの内部に位置決めされている複数の信号ケーブルを備えている前記ハウジングケーブルと、
前記ハウジングケーブルに沿って位置決めされている4つ以上の電極であって、4つ以上の前記電極がユーザに接続されている場合に、前記ユーザに筋肉活動させないで前記ユーザの特定の場所に接触する4つ以上の前記電極と、
前記ハウジングケーブルに沿って位置決めされていると共に、複数の前記信号ケーブルそれぞれを介して4つ以上の前記電極それぞれに動作可能に結合されている計算デバイスと、
を備えている装置において、
前記計算デバイスが、
メモリと、
前記メモリに動作可能に結合された処理デバイスであって、4つ以上の前記電極を用いて、前記ユーザの心電図(ECG)をとるための前記処理デバイスと、
を備えている、装置。
【請求項2】
前記ユーザのECGをとるために、前記処理デバイスが、前記ハウジングケーブルが前記ユーザに接続されている場合に、4つ以上の前記電極それぞれによって生成された信号を測定し、且つ、4つ以上の前記電極それぞれによって生成された前記信号に基づいて、前記ECGの一組の誘導リードを含むECGデータを計算する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記計算デバイスが、前記ECGデータを計算デバイスに伝送するためのトランシーバを備えている、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
4つ以上の前記電極それぞれが接触する前記特定の場所が、前記ユーザの右腕、胸、左腕、及び左脚それぞれに対応している、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
4つ以上の前記電極それぞれが、ドライ電極である、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
4つ以上の前記電極それぞれが、前記電極を前記ユーザの対応する場所それぞれに接続させるための結合機構を備えている、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
4つ以上の前記電極それぞれが、前記電極を前記ユーザの対応する場所それぞれに接続させるための接着材料を備えている、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
ハウジングケーブルであって、前記ハウジングケーブルの内部に位置決めされている複数の信号ケーブルを備えている前記ハウジングケーブルと、
前記ハウジングケーブルに沿って位置決めされている4つ以上の電極であって、4つ以上の前記電極がユーザに接続されている場合に、前記ユーザに筋肉活動させないで前記ユーザの特定の場所との導電接触を維持する4つ以上の前記電極と、
前記ハウジングケーブルに沿って位置決めされていると共に、複数の前記信号ケーブルそれぞれを介して4つ以上の前記電極それぞれに動作可能に結合されている計算デバイスと、
を備えている装置において、
前記計算デバイスが、
メモリと、
前記メモリに動作可能に結合されている処理デバイスであって、4つ以上の前記電極を用いて、4つ以上の前記電極によって形成された誘導リードに対応する一組のECG波形を含む前記ユーザの心電図(ECG)をとるための前記処理デバイスと、
を備えている、装置。
【請求項9】
前記ハウジングケーブルが、弾性材料から成る、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
複数の前記信号ケーブルが、1つ又は複数のフレキシブルプリント回路を備えている、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
4つ以上の前記電極それぞれが、前記電極を前記ユーザの対応する場所それぞれに接続させるための結合機構を備えている、請求項8に記載の装置。
【請求項12】
前記結合機構それぞれが、クランプ、吸着カップ、バンド、又はカフ型締め具である、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
4つ以上の前記電極それぞれが接触する前記特定の場所が、前記ユーザの右腕、胸、左腕、及び左脚それぞれに対応している、請求項8に記載の装置。
【請求項14】
4つ以上の前記電極が、ドライ電極である、請求項8に記載の装置。
【請求項15】
装置を具備するシステムであって、
前記装置が、
ハウジングケーブルであって、前記ハウジングケーブルの内部に位置決めされている複数の信号ケーブルを備えている前記ハウジングケーブルと、
前記ハウジングケーブルに沿って位置決めされている4つ以上の電極であって、前記ハウジングケーブルがユーザに接続されている場合に、前記ユーザの特定の場所にそれぞれ接触する4つ以上の前記電極と、
前記ハウジングケーブルに沿って位置決めされていると共に、信号ケーブルそれぞれを介して4つ以上の前記電極それぞれに動作可能に結合されている第1の計算デバイスであって、
メモリと、
前記メモリに動作可能に結合されている処理デバイスであって、4つ以上の前記電極それぞれによって生成された信号を測定し、4つ以上の前記電極それぞれによって生成された前記信号に基づいて、前記処理デバイスによって測定された誘導リードに対応する前記ユーザの第1のECGデータを決定し、前記第1のECGデータを伝送するための前記処理デバイスと、
を具備する前記第1の計算デバイスと、
前記第1のECGデータを受け取り、前記第1のECGデータに基づいて、前記処理デバイスによって測定されなかった誘導リードに対応する前記ユーザの第2のECGデータを合成するための第2の計算デバイスと、
を備えている、システム。
【請求項16】
前記第2の計算デバイスが、前記第1のECGデータ及び前記第2のECGデータに基づいて、1つ又は複数の解釈を決定する、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記システムが、4つ以上の前記電極それぞれが前記ユーザの前記特定の場所それぞれに接触しているように前記装置を自身に接続するための指示を前記ユーザに提供するためのモバイル計算デバイスを備えている、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
4つ以上の前記電極それぞれが接触する前記特定の場所が、前記ユーザの右腕、胸、左腕、及び左脚それぞれに対応している、請求項15に記載のシステム。
【請求項19】
4つ以上の前記電極が、ドライ電極である、請求項15に記載のシステム。
【請求項20】
4つ以上の前記電極が、電極と前記ユーザの場所それぞれとの接触を維持するための接着材料を備えている、請求項15に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本願は、2021年12月16日に出願された「TWELVE-LEAD ELECTROCARDIOGRAM DEVICE USING ELECTRODES COUPLED BY A SINGLE CABLE」という名称の米国特許出願第17/553,414号に基づく優先権を主張するものであり、その開示を参照により本明細書に組み込む。
【0002】
本発明は、医療デバイス、システム、及び方法に関し、詳細には、心電図(ECG)モニタリングを提供するためのスモールフォームファクタデバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
循環器疾患は世界中で主な死因である。2008年において、世界全体の死亡の30%が心血管疾患に起因し得る。2030年までに、2300万を超える人々が毎年心血管疾患で死ぬであろうことも見積もられている。心血管疾患は先進諸国及び第三世界諸国の人口全体で同様にまん延しており、社会経済状況にかかわらず人々に影響を与えている。
【0004】
不整脈は、心臓の電気的活動が不規則である、又は通常より速い(頻脈)又は遅い(徐脈)心臓の状態である。多くの不整脈は命にかかわらないが、いくつかは心停止及び突然の心臓死さえ引き起こすことがある。実際、心不整脈は、病院に行くときの最もよくある死因の1つである。心房細動(A-fib)は最もよくある心不整脈である。A-fibにおいて、心臓の心室を通る電気伝導は不規則で乱れている。A-fibは、症状を引き起こさないかもしれないが、しばしば動悸、呼吸困難、失神、胸痛又はうっ血性心不全に関連し、脳卒中のリスクも増大させる。A-fibは通常、対象の心電図(ECG)をとることによって診断される。A-fibを治療するため、患者は、心拍を遅くする又は心臓のリズムを修正する薬を飲むことができる。患者は、脳卒中を防ぐ抗凝固薬を飲むこともでき、又はA-fibを治療する心臓アブレーションを含む外科的介入を受けることさえできる。別の一例において、心筋梗塞(MI)及び虚血を含む、様々なリズム及び形態の状態を解釈することによって、ECGは急性冠症候群(ACS)についての決定サポートを提供することができる。
【0005】
しばしば、A-fib(又は他のタイプの不整脈)の患者は、病気を管理するため長時間監視される。例えば、ホルターモニタ又は他の携行式心電図デバイスを患者に提供して心臓血管系の電気的活動を例えば、少なくとも24時間継続的に監視することができる。このようなモニタリングは、とりわけ急性冠症候群(ACS)のような状態を検出する際に決定的になり得る。
【0006】
アメリカ心臓協会及び欧州心臓病学会は、症状があるとき、ACSの可能性がある患者のために可能な限り早く12誘導ECGを獲得すべきであると薦めている。入院前ECGは、治療までの時間を大きく減らすことが分かってきており、より良好な生存率を示している。最初のECGまでの時間は非常に重要であるので、これは幾つかの規制機関によって監視される品質及び性能測定基準である。2015年の国の健康統計によれば、700万を超える人々が胸痛又は関連するACSの症状の主な病気で合衆国(米国)の救急科(ED)を訪問した。米国において、ED訪問は毎年3.2%の割合で増加しており、米国外でED訪問は、毎年3%から7%で増加している。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の新規な特徴は特に添付の請求項に規定されている。本発明の原理が利用されている例示的な実施形態を規定する次の詳細な説明、及び添付の図面を参照することによって、本発明の特徴及び利点のより良好な理解が得られるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の幾つかの実施形態による、心電図(ECG)波形を示す図である。
【
図2】本発明の幾つかの実施形態による、6軸系上に表された12誘導セットを備えた単一の双極心臓モデルを示す図である。
【
図3A】本発明の幾つかの実施形態による、ECG監視デバイスを示す図である。
【
図3B】本発明の幾つかの実施形態による、
図3AのECG監視デバイスの計算デバイスのハードウェアブロック図である。
【
図3C】本発明の幾つかの実施形態による、
図3AのECG監視デバイスのハウジングケーブルの内部図を示す図である。
【
図3D】本発明の幾つかの実施形態による、ハウジングケーブルの内部図とともにECG監視デバイスを示す図である。
【
図4A】本発明の幾つかの実施形態による、ECG監視デバイスを示すシステムブロック図である。
【
図4B】本発明の幾つかの実施形態による、ECG監視デバイスを示すシステムブロック図である。
【
図5A】本発明の幾つかの実施形態による、動作中の
図3AのECG監視デバイスを示す。
【
図5B】本発明の幾つかの実施形態による、動作中の
図3AのECG監視デバイスを示す。
【
図5C】本発明の幾つかの実施形態による、動作中の
図3AのECG監視デバイスを示す。
【
図5D】本発明の幾つかの実施形態による、動作中の
図3AのECG監視デバイスを示す。
【
図5E】本発明の幾つかの実施形態による、ECG監視デバイスの前面図を示す図である。
【
図5F】本発明の幾つかの実施形態による、ECG監視デバイスの前面図を示す図である。
【
図6A】本発明の幾つかの実施形態による、動作中のECG監視デバイスを示す。
【
図6B】本発明の幾つかの実施形態による、動作中のECG監視デバイスを示す。
【
図6C】本発明の幾つかの実施形態による、動作中のECG監視デバイスを示す。
【
図6D】本発明の幾つかの実施形態による、動作中のECG監視デバイスを示す。
【
図7A】本発明の幾つかの実施形態による、変換誘導のECGパターンと測定誘導のECGパターンの比較を示す。
【
図7B】本発明の幾つかの実施形態による、変換誘導のECGパターンと測定誘導のECGパターンのR波に関する比較を示す。
【
図8】本発明の幾つかの実施形態による、本明細書に記載の動作の1つ又は複数を実行することができる一例の計算デバイスのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明はその適用において、次の説明に規定された、構造、実験、例示的なデータ、及び/又は構成要素の配置の詳細に限定されないことが理解されるべきである。本発明の実施形態は、他の実施形態の、又は様々な方法で実践又は実行される可能性がある。また、本明細書で使用される用語は説明を目的としており、限定すると見なされるべきではないことが理解されるべきである。
【0010】
本発明の実施形態の次の詳細な説明において、多数の具体的な詳細が、本発明のより完全な理解を提供するために規定されている。しかしながら、本発明内の概念はこれらの具体的な詳細なしで実践することができるということは当業者に明らかであろう。他の例において、不必要に説明を複雑にするのを避けるため、よく知られている特徴は詳細に説明していない。
【0011】
心電図(ECG)は、人の心臓の電気的活動を表す幾つかのECG波形を提供する。ECG監視デバイスは、患者の心臓のこれらのECG波形を記録する(本明細書では「ECGをとる」ともいう)ための一組の電極を含むことができる。一組の電極は複数の場所で患者の皮膚上に置くことができ、一組の電極における各電極対間で記録された電気信号(ECG波形)を誘導と呼ぶことができる。様々な数の誘導を用いてECGをとることができ、異なる数及び組み合わせの電極を用いて様々な誘導を形成することができる。ECGをとるために用いられる誘導の例の数は、1、2、6、及び12誘導である。
【0012】
ECG監視デバイスによって記録されたECG波形(それぞれ1つがECGの1誘導に対応している)は、その人の心臓の電気的活動に対応するデータを含むことができる。典型的な心拍は電位の幾つかの変化を含むことができ、これらは、当該技術において知られているように、とりわけ、P波、QRS群、T波、及びU波を含む、波及び群に分類することができる。異なる言い方をすると、各ECG波は、当該技術において知られているように、とりわけ、P波、QRS群、T波、及びU波を含むことができる。これらの波の形状及び持続時間は、その人の心房の大きさ(例えば、心房拡大を示す)などその人の心臓の様々な特性に関係していることがあり、ある人に特有の心拍特性の第1の源であり得る。心不整脈の検出及び特性評価のような、心臓の事象又は状況を検出するのに有用な様々な指標について(通常は信号の標準的フィルタリング及び「クリーニング」の後)ECG波形を分析することができる。このような指標は、例えば、ECG波形振幅及び形態(例えば、QRS群振幅及び形態)、R波-ST部分及びT波振幅分析、ならびに心拍数変動(HRV)を含むことができる。
【0013】
上記のとおり、ECG波形は、複数の誘導を測定することから生成され(各誘導は異なる電極対によって形成されている)、それぞれの異なる電極対/誘導から得られるECG波形は異なる/独特であり得る(例えば、異なる形態/振幅を有することができる)。これは、様々な誘導が同じ電気的事象を分析することができるが、それぞれ1つが異なる角度からそうすることができるからである。
図1Aは、3誘導ECGがとられたとき3誘導(I、II、及びIII)のそれぞれによって検出されたECG波の
図105、ならびにQRS群を示す誘導リードIIIによって測定されたECG波形の分解
図110を示す。図示のように、誘導リードI~IIIからとられたECG波形の振幅及び形態はすべて異なり、誘導リードIIIによって測定されたECG波形が最大振幅を有し、誘導リードIによって測定されたECG波形が最小振幅を有する。
【0014】
患者の上に電極を置くために用いることができる電極配置について、異なる「標準」構成がある。例えば、右腕に置く電極をRAと呼ぶことができる。左腕に置く電極はLAと呼ぶことができる。RA及びLA電極は、左及び右腕の、好ましくは幾つかの実施形態において手首の近くの同じ場所に置くことができる。脚電極は右脚についてRL及び左脚についてLLと呼ぶことができる。RL及びLL電極は、左及び右脚の、好ましくは幾つかの実施形態において足首の近くの同じ場所に置くことができる。誘導リードIは通常は左腕(LA)と右腕(RA)との間の電圧、例えばI=LA-RAである。誘導リードIIは通常は左脚(LL)と右腕(RA)との間の電圧、例えばII=LL-RAである。誘導リードIIIは通常は左脚(LL)と左腕(LA)との間の電圧、例えばIII=LL-LAである。増高四肢誘導も、RA、RL、LL、及びLAから決定することができる。増高ベクトル右(aVR)誘導はRA-(LA+LL)/2又は-(I+II)/2に等しい。増高ベクトル左(aVL)誘導はLA-(RA+LL)/2又はI-II/2に等しい。増高ベクトル足(aVF)誘導はLL-(RA+LA)/2又はII-I/2に等しい。
【0015】
図2は、I、II、III、aVR、aVL、aVF、V1、V2、V3、V4、V5、及びV6誘導を含む12誘導セットを備えた単一の双極心臓モデル115を示しており、すべて6軸系上に表されている。心臓モデル115は、サイクル時間で大きさ及び方向を変えるのみである全方向の均一心臓領域を想定する。
図2に示すように、2つの直交する平面、前頭面及び水平面がある。各平面の内側に、平面全体をカバーする幾つかの誘導がある。前頭面において、2つの独立誘導リードI及びII、及び4つの他の導出誘導リードIII、aVR、aVL、及びaVFがあり、それぞれ30度離れている。前頭面が2つの独立誘導を有する理由は、これらが遠距離場誘導であるということであり、これらのそれぞれはより広い観点をカバーするが、広角カメラレンズのように、詳細はあまり提供しない。水平面において、すべて四肢誘導より心臓に近く、近接場誘導と呼ぶことができる、通常6つの独立誘導がある。同じようにカメラに例えると、近接場誘導は、カバーする視野は少ないが、虚血及び梗塞のような局所的活動により正確に向かうズームレンズのように振る舞うことができる。2つの直交する平面は、ウィルソン中心電極(WCT)と呼ばれる、誘導リードI&IIによって形成される合成基準点を用いることによって関連させる。これはRA+LA+RL/3と定義されるが、RAの電圧をゼロと見なすことができるように、誘導リードI及びIIの両方がRAを参照して記録されるとすると、WCT(VW)は、RAを誘導リードI&IIの両方について基準として用いて(したがって、これがゼロ電位を有すると仮定する)次のように計算することができる。
誘導リードI+誘導リードII/3
【0016】
一組の2つ以上の誘導を変形して、完全な、12誘導ECGを生成することができるということが留意されるべきである。このような変形は、機械学習モデル(例えば、ニューラルネットワーク、ディープラーニング技術など)を用いて実行することができる。機械学習モデルは、個人の集団に対応する12誘導ECGデータを用いて訓練することができる。データは、機械学習モデルに入力される前に、用途に適した方法でデータをフィルタするように前処理することができる。例えば、1つ又は複数の機械学習モデルを訓練するために用いられる前に、身長、性別、体重、国籍などによってデータを分類し、結果のもの又はモデルが個人の特定のタイプに微調整されるようにすることができる。さらなる一実施形態において、ユーザ自身のECGデータに基づいて機械学習モデルをさらに訓練し、このモデルを微調整及び個人化して、いかなる残存する合成エラーをもさらに減少させることができる。
【0017】
本明細書で論ずるように、入院前ECGは治療までの時間を大きく減らすことが分かってきており、より良好な生存率を示しているため、症状があるとき、ACSの可能性がある患者のために可能な限り早く12誘導ECGを獲得すべきである。加えて、ホルターモニタのような現在の携行式ECGデバイスは通常大きく、対象が医療関係者の支援なしに取り扱うことが難しい。例えば、ホルターモニタを用いることには、患者が自分の胸の上に大きなデバイスを装着し、複数の電極誘導を自分の胸の上の正確な場所に正確に置くことが要求される。これらの要件により、入浴及びシャワーのような自然の動きを含む、対象の活動が妨げられる。ECGがこのようなデバイスによってとられると、ECGは対象の主治医に送られ、主治医は次いでECG波形を分析して診断及び他の勧告を提供する。現在、このプロセスはしばしば病院管理者及び健康管理組織を通して実行されなければならず、多くの患者が適切な方法でフィードバックを受け取っていない。
【0018】
ECSを記録するために既存の移動通信デバイス(例えば、スマートフォン)を用いることができるように、これらを適合させることができるデバイスを含む、幾つかの手持ちECG測定デバイスが知られている。しかしながら、このようなデバイスは、外部(例えば、プラグイン)電極の使用が要求されるか、又は適切に保持して体に適用することが難しい電極をハウジングに含むかのいずれかである。多くのECGモニタはまた(例えば、大きさ及び他の制約のため)四肢誘導を獲得することに限定されている。しかしながら、年をとるにつれて、QRS及びT波ベクトルは次第に前頭面から水平面に移動する可能性があり、したがって水平面誘導からデータを獲得する重要性が増す。
【0019】
本明細書で論ずるように、心筋梗塞(MI)及び虚血を含む、ACSを患っている可能性のある患者は、診断までの時間及び治療までの時間を減らすために可能な限り早く12誘導ECGをとるべきである。本発明の実施形態によるECG監視デバイスは、患者自身の家からACSについて医師に決定サポートを提供することができ、医師が、特にACSを疑えば、患者の健康を管理するために必要な頻度で12誘導ECGテストを命じ、報告書を見るのに便利な方法を提供する。加えて、本発明の実施形態によるECG監視デバイスは、患者が診療所を訪問する不便及び混乱を被るのを防止することができるとともに、医師の診療所でECG技術者を利用するコスト及び時間を節約することができる。
【0020】
図3Aは、本発明の幾つかの実施形態によるECG監視デバイス300を示す。ECG監視デバイス300は、計算デバイス305、ハウジングケーブル320、及び一組の電極310A~310Dを含むことができる。電極310のそれぞれならびに計算デバイス305は、ハウジングケーブル320上に搭載及びこれに動作可能に結合することができる。加えて、ハウジングケーブル320は一組の信号ケーブル325(
図3C及び
図3Dに示す)を含むことができ、これらのそれぞれは、
図3C及び
図3Dに関してさらに詳細に論ずるように、それぞれの電極310を計算デバイス305に結合することができる。
図3Aの例において、電極310Aは右腕(RA)電極とすることができ、電極310BはV2電極とすることができ、電極310Cは左腕(LA)電極とすることができ、そして電極310Dは左脚(LL)電極とすることができる。電極310A及び電極310Cはそれぞれ、指から肩のそばの胸郭上部領域までのユーザのそれぞれの腕のどこにでも配置することができる。LL電極の位置は、つま先から鼠蹊部の近くの胴体の左下四分の一までのどこでもよい。
図3Aに示すように、計算デバイス305及び電極310A~310Dは円形上に実装されるが、計算デバイス305及び電極310A~310Dは、任意の適切な形状で、そして任意の適切な材料を用いて、実装又は実現することができる。電極310のそれぞれはドライ又はウエット電極とすることができる。ドライ電極は、クランプ、吸着カップ、バンド(例えば、リストバンド、レッグバンド)、カフ型締め具(cuff brace)、又はユーザに結合するための任意の他の適切な結合機構に、結合又は統合することができる。
【0021】
計算デバイス305は、本明細書に記載の機能を実行するハードウェアを含むことができる。
図3Bは、処理デバイス306(例えば、プロセッサ、中央処理ユニット(CPU))、メモリ307(例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ストレージデバイス(例えば、ハードディスクドライブ(HDD))、ソリッドステートドライブ(SSD)など)、及び他のハードウェアデバイス(例えば、アナログデジタル変換器(ADC)など)のようなハードウェアを含むことができる計算デバイス305のハードウェアブロック図を示す。ストレージデバイスは、データを格納することができる永続ストレージを含むことができる。永続ストレージはローカルストレージユニット又はリモートストレージユニットとすることができる。永続ストレージは、磁気ストレージユニット、光ストレージユニット、ソリッドステートストレージユニット、電子ストレージユニット(メインメモリ)、又は同様のストレージユニットとすることができる。永続ストレージはモノリシック/単一デバイス又は一組の分散型デバイスとすることもできる。幾つかの実施形態において、処理デバイス306は、電極310を利用して、ECG監視デバイス300が結合されているユーザのECGをとり、次いで電極310のそれぞれによって測定されたアナログ信号の基本信号処理を実行することができる。計算デバイス305は、処理デバイス306による処理のため、一組の電極によって測定されたアナログ信号をデジタル信号に正確に変換するために十分高いサンプリング周波数を有するADC(図示せず)(例えば、500Hz以上で動作する24bitのADC)を含むことができる。幾つかの実施形態において、ADCは処理デバイス306の構成要素とすることができる。計算デバイス305は、一組の誘導について電位差を計算することによって、ECGデータを生成することができる。例えば、処理デバイス306は、LA-RA、RA-V2、RA+LA-Vを計算すること、ならびにWCTを決定してWCT-V2及びWCT-V4を計算することができる。幾つかの実施形態において、処理デバイス306は、組み込み誘導オフ検出を提供する専用のECG波形処理及び分析チップを含むことができる。
【0022】
電極310の配置により、各電極310が適切な場所に接触するように(例えば、
図5Aに示す、そしてこれに関してさらに詳細に論ずるように)ユーザがECG監視デバイス300を自身に接続することが可能になる。ユーザに接続されると、ハウジングケーブル320に沿った電極の配置により、ECG監視デバイス300がECGをとる間、ユーザがリラックスした仰向けの位置に横たわることが可能になり得る。これは、筋肉活動(例えば、任意の種類の運動又は任意の筋肉の使用)が、心臓によって生み出された電位より大きい活動電位を生成することができるため、重要である。したがって、ユーザが動き回っていれば(例えば、体の部分との接触を維持するために幾つかの電極に力を加えながら)、このような動きの筋肉活動は、ECGを受けている心臓からの電位をかき消すことになる電位を生成することがある。ユーザをリラックスした位置に横たえることにより、各電極310によって測定された信号を妨げ得るいかなる偶然の電位(例えば、筋肉ノイズ(EMG)又はモーションアーティファクト)も排除される。
【0023】
計算デバイス305はトランシーバ308をさらに含むことができ、これは幾つかの実施形態において、計算デバイス405(これは例えば、クラウドサービスを表すことができる)又はモバイル計算デバイス450(これは
図4A及び
図4Bに示すようにECG監視デバイス300から遠隔であり得る)に直接又はネットワークを介してのいずれかでECGデータを伝送するための任意の適切なプロトコルを実装することができる。例えば、トランシーバ308は、計算デバイス405に直接又はモバイル計算デバイス450を介してのいずれかで信号処理データを伝送するために、ネットワーク420(
図4A及び
図4Bに示す)と接続するように構成されたネットワークインターフェイスデバイス(図示せず)を含む(又はこれに結合する)ことができる。ネットワーク420はセルラーデータネットワーク(例えば、GSM、GSMプラスEDGE、CDMA、クアッドバンド、又は他のセルラープロトコルを用いた)又はWiFi(例えば、802.11プロトコル)ネットワークとすることができる。幾つかの実施形態において、トランシーバ308はECGデータをモバイル計算デバイス450に伝送することができ、これが次には
図4Bに示すようにECGデータを計算デバイス405に伝送することができる。例えば、トランシーバ308は、Bluetooth(商標)を介してモバイル計算デバイス450(例えば、ユーザのラップトップ又はスマートフォン)にECGデータを伝送するためのBluetoothチップを含むことができる。
【0024】
図3Cは、ハウジングケーブル320の内部図を描いており、電極310を計算デバイス305に結合する一組の信号ケーブル325A~325Dを示す。信号ケーブル325のそれぞれは、例えば、ユニバーサルシリアルバス(USB)のような任意の適切なデータ転送プロトコルを用いて、電極310と計算デバイス305との間のデータの転送を促進することができる任意の適切なケーブルとすることができる。例えば、一組の信号ケーブル325のそれぞれはUSBケーブルを含むことができ、電極310のそれぞれはUSBソケット(図示せず)を含むことができる一方、計算デバイス305は一組の信号ケーブル325のそれぞれについて複数のUSBソケット(図示せず)を含むことができる。幾つかの実施形態において、ハウジングケーブル320は除去可能でないことがあり、電極310及び計算デバイス305に永続的に統合することができるということが留意されるべきである。他の実施形態において、ハウジングケーブルは電極310及び計算デバイス305に除去可能に結合することができる。
【0025】
図3Dは、ハウジングケーブル320の内部図及びハウジングケーブル320におけるそれぞれの信号ケーブル325を介した各電極310と計算デバイス305との間の内部接続とともにECG監視デバイス300を示す。
図3Dに見られるように、信号ケーブル325Aは電極310Aを計算デバイス305に接続し、信号ケーブル325Bは電極310Bを計算デバイス305に接続し、信号ケーブル325Cは電極310Cを計算デバイス305に接続し、そして信号ケーブル325Dは電極310Dを計算デバイス305に接続する。各電極310はハウジングケーブル320の外部に統合され、ハウジングケーブル320を通る特定の信号ケーブル325を介して計算デバイス305に接続されているため、特定の電極310を通過しているとして示された信号ケーブル325は実際にはその電極を通過しないことが留意されるべきである。加えて、他の実施形態において、電極310を互いに結合する1つ又は複数の信号ケーブル325が存在し得る。
【0026】
図4Aは、ハウジングケーブル320なしでのECG監視デバイス300のシステムブロック図を示す。電極310のそれぞれを個々にそれぞれの信号ケーブル325を介して計算デバイス305に結合することができる。本明細書で論ずるように、計算デバイス305内の処理デバイス306は、電極310から受け取られたアナログ信号の基本信号処理を実行し、測定される各誘導についての波形を含むECGデータを生成する(測定されている各誘導について電位差を計算することによって)ことができる。本明細書で論ずるように、幾つかの実施形態において処理デバイス306は次いでトランシーバ308を介してECGデータを、計算デバイス405(これは例えば、クラウドサービスを表すことができる)へ伝送することができる。計算デバイス405は誘導合成ソフトウェアモジュール410及びECG波形解釈ソフトウェアモジュール415を含むことができる。計算デバイス405は、本明細書でさらに詳細に論ずるように、ECG監視デバイス300の電極310によって測定されなかった誘導に対応するECG波形を合成する(受け取られたECGデータに基づいて)ように誘導合成ソフトウェア410を実行することができる。処理デバイス305は、本明細書でさらに詳細に論ずるように、測定及び合成されたECG波形に基づいて診断解釈を生成するようにECG波形解釈ソフトウェア415を実行することができる。計算デバイス405は、誘導合成ソフトウェア410及びECG波形解釈ソフトウェア415を実行した後、結果を計算デバイス(例えば、医師又は医療従事者の計算デバイス、又はユーザのモバイルデバイス/ラップトップ)に伝送することができる。
【0027】
図5A~
図5Dは動作中のECG監視デバイス300を示す。見られるように、任意の適切な結合機構を介して電極310のそれぞれならびに計算デバイス305をユーザに結合することができる。ECGをとるため、ユーザは、図示のような結合機構を用いてECG監視デバイス300を自身に接続して、
図5A~
図5Dに示すような適切な位置に各電極310(ならびに計算デバイス305)を貼り付けることができる。ECG監視デバイス300は、ECGがとられている間、ユーザがリラックスした位置に横たわることが可能になるような方法でユーザに接続することができる。これは、筋肉活動(例えば、任意の種類の運動又は任意の筋肉の使用)が、心臓によって生み出された電位より大きい活動電位を生成することができるため、重要である。したがって、ユーザは、動き回っていれば(例えば、体の部分との接触を維持するために幾つかの電極に力を加えながら)、ECGを受けている心臓からの電位をかき消すことになる電位を生成することになる。ユーザをリラックスした位置に横たえることにより、各電極310によって測定された信号を妨げ得るいかなる偶然の電位(例えば、筋肉ノイズ(EMG)又はモーションアーティファクト)が排除され、ユーザをリラックスした位置におくことが可能になる。ユーザは、ECG監視デバイス300が接続されると、そのいかなる構成要素に対しても力を保持又は行使(又は筋肉活動が要求されるであろうことは何も)しなくてもよい。
【0028】
EMG及びモーションアーティファクトを除去することにより、よりきれいな信号及びより高い診断品質が可能になる。ユーザは、電極がそれぞれRA、V2、LA、及びLL位置と接触するように電極を配置することができる。幾つかの例において、モバイル計算デバイス405が、ユーザの体の上に電極を置く適切な場所についてユーザに警告する。別の一例において、胸及び腕の場所は、ECG監視デバイス300を患者に処方する健康管理専門家によってマークして示される。幾つかの実施形態において、ECG監視デバイス300の電極310の1つ又は複数がドライ電極を含むことができ、これは、より容易に所定の位置に留まり、より長い使用寿命を有するため、家庭使用がより容易である。ドライ電極は、導電接触のレベルが低いため、与える信号品質が低い傾向がある。他の実施形態において、例えば、ECG監視デバイス300が健康管理専門家によって操作されている、又はユーザがウエット電極を用いるように訓練されたとき、電極310の1つ又は複数をウエット電極とすることができる。ウエット電極はより良好な導電接触を提供し、より高品質の信号を生み出すことができる。ハウジングケーブル320の長さは様々な大きさのユーザを収容することができる。ハウジングケーブル320は、特定の高さ(例えば、6フィート2インチ)のユーザに対応する(例えば、電極310間でゆるみなしで合う)長さを有することができ、ハウジングケーブル320が対応する高さより背が小さいユーザは、ECG監視デバイス300が結合されたら、電極間に単に追加のゆるみを有することができる。
【0029】
幾つかの実施形態において、ハウジングケーブル320は弾性特性を有することができ、より小さな特定の高さ(例えば、4フィート7インチ)のユーザに対応する長さを有することができる。信号ケーブル325は、電極310によって生成されるアナログ信号を計算デバイス305に送ることができる導電チャネルを提供する、例えば、熱可塑性ポリウレタン材料又は任意の他の適切な材料を含むオーバーモールド(図示せず)を備えたフレキシブルプリント回路(図示せず)を用いてそれぞれ実装することができる。幾つかの実施形態において、電極310のすべてを、ハウジングケーブル320の長さに合わせた単一のフレキシブルプリント回路を用いて実装することができる。これらの実施形態において、ハウジングケーブル320が対応する高さに個人が近くなるほど、ハウジングケーブル320に印加される張力は少なくなることになる。
【0030】
図5Aの例において、電極310A、310C、及び310Dは、バンドによってユーザに接続されるドライ電極とすることができる一方、電極310B(胸部電極)は、吸着カップを介してユーザに結合されているドライ電極である。計算デバイス305もバンドを介してユーザに結合することができる。
図5Bの例において、電極310はそれぞれ、電極の接着特性を介してユーザに結合するウエットな粘着性を有する導電性電極を含むことができる一方、計算デバイス305はバンド(又は他の適切な結合機構)を介してユーザに結合する。構成にかかわらずウエット及びドライ電極の任意の組み合わせを用いることができるということが留意されるべきである。
図5C及び
図5Dは、
図5E及び
図5Fに示すような単一ユニット505に計算デバイス305及び電極310が一緒に統合されていることを除き、それぞれ
図5A及び
図5Bと同様の構成を利用する本発明の実施形態を示す。
【0031】
図5E及び
図5Fは、
図5C及び
図5Dに示すECG監視デバイスに対応することができるECG監視デバイス600を示しており、これは、ハウジングケーブル320、計算デバイス505、及び1つ又は複数の電極310を含むことができる。計算デバイス505は計算デバイス305及び電極310Aの機能性を一緒に単一ユニットで提供することができる。計算デバイス505は単一のハウジング510を含むことができ、これに電極510A及び510Bを搭載することができる。電極510A及び510Bはハウジング510の頂面に搭載することができる。計算デバイス505は、ハウジング510の底面に搭載することができる電極515をさらに含むことができる。ハウジング510は、
図3Bに関して本明細書に記載したようなハードウェアを含むことができる。幾つかの実施形態において、電極510A及び510BはRA電極に対応することができ、電極515はV2電極とすることができる。幾つかの実施形態において、ECG監視デバイス600は、ハウジングケーブル320、計算デバイス505、及び計算デバイス505と同様であり得るが、
図3Bに関して記載したハードウェアがない別の二面電極ハウジング520を含むことができる。ユーザは、
図6Aに示すようにECG監視デバイス600に接触することができる。
【0032】
図6A~
図6Dは動作中のECG監視デバイス600のさらなる例を示す。例えば、
図6Aは、ECG監視デバイス600が、計算デバイス505、及び計算デバイス505と同様であり得るが、しかし
図3Bに関して記載したハードウェアがない別の二面電極ハウジング520で構成されている一実施形態を示す。計算デバイス505及び二面電極ハウジング520の両方はハウジングの頂部及び底部に1つ又は複数の電極を含むことができる。ハウジング510の下側に配置された電極515(図示せず)はV2位置と接触することができ、ハウジング510の頂部に配置された電極510A及び510Bはユーザの右の手又は指(RA位置)と接触することができる。ハウジング520は、ハウジング520の下側の電極(図示せず)が左鼠径部(LL位置)と接触し、ハウジング520の頂部側の電極(図示せず)が左の手又は指(LA位置)と接触するように配置することができる。ハウジング510及び520のそれぞれがハウジングケーブル320内でハウジングケーブル320及び信号ケーブル325によって接続される。
図3及び
図5A~
図5Dに関して記載した本発明の実施形態と異なり、これらの実施形態には、計算デバイス505、ハウジング510、及び体の間の接触を維持するためのユーザによる筋肉活動が要求されることが留意されるべきである。この実施形態はこれによってECG監視デバイス600が4チャネルECGをとることを可能にする。
図6Bの例において、ECG監視デバイス600は、ユーザによって図示のように配置される計算デバイス505ならびに4チャネルECGをとるためにバンドを介してユーザに結合されたLA及びLL電極を含む。
【0033】
図4に戻ってこれを参照すると、そして本明細書で論じたように、計算デバイス405は、ECG監視デバイス300によって測定された一組の誘導から完全な12誘導セットを合成するために、誘導合成ソフトウェア410を実行することができる。誘導合成ソフトウェア410は、測定/導出I、II、III、aVR、aVL、aVF、及びV2誘導の1つ又は複数に基づいて、V1、V3、V4、V5、及びV6誘導を合成するように機能することができる誘導変換MLモデルを含むことができる。幾つかの実施形態において、誘導変換MLモデルは、誘導変換に「全サイズ共通」のアプローチを提供する単一の双極グローバルモデルを含むことができる。変換モデルを数学的に、
Vpred = f(W,Vx)
として表すことができ、ここでVpredは予測されるV誘導であり、f()は入力された誘導リードVx(この場合I、II、及びV2)、及び係数(W)を備えた変換関数である。Vpredと実際のサンプリングされたV誘導信号(Vreal)との間の誤差(Min err = E|(Vreal-Vpred)|^2)を最小化することになる適切な係数Wを見出さなければならない。
【0034】
このような適切な係数Wを見つけることは、教師あり学習タスク又は曲線当てはめ問題のような任意の適切な方法を用いて解決することができる問題である。幾つかの実施形態において、誘導合成ソフトウェア410は線形最適化及び最小二乗方法(LS)を利用することができる。
Vpred = f(W,Vx) -- > Vpred = Vx W
Vxの多くの対のサンプルを積み重ねて行列X及びY(Y=X.Wとして与えられる)を形成することによって、線形最適化及びLS法を用いてWを求めることができる。より具体的には、処理デバイス206は、LS法を用いて、Y=X.Wについて行列X及びYを準備して変換係数を得ることができる。
X′ = X^t
次いで、Xの共分散を
CovX = X′X
として与えることができ、Wを次いで次のように計算することができる。
Xinv = inv(CovX)
W = CovX_inv*X′*Y、(ここでCovXはフルランク行列であると想定する)。
【0035】
誘導変換MLモデルの訓練のため、平均的な鼓動の例えば、100,000のECGを含む訓練データを用いることができる。最終変換モデルは、3×5の形状を有する行列Wである。誘導リードV1、V3、V4、V5、及びV6は、入力誘導リードI、II、V2を用いて予測される。
【0036】
幾つかの実施形態において、計算デバイス405は、誘導変換MLモデルの品質を数量化し、異なる誘導変換MLモデル(例えば、より個々に合わせられたモデル、又は複数双極モデル)が用いられるべきであるかどうかを決定することができる。ほとんどの統計的類似度方法は、普及しているR二乗方法のように、すべての点の振幅により近く関係しているため、誘導変換MLモデルの品質を数量化するための技術は複雑であることがある。しかしながら、解釈に用いられる全体的なECG形態パターンは振幅のみに基づいていない。例えば、心筋梗塞検出のためにはQ波が重要であるが、その振幅は一般にR波よりはるかに小さい。変換の品質を測定する1つの方法は、ECG解釈に用いられる重要なECG特徴を比較することである。この目的のために任意の適切なアルゴリズム(GEのEK12/12SLアルゴリズムなど)を用いることができる。以下の[表1]に示すデータは、R二乗(R2)アルゴリズム(直接以下に示す)を用いて得られたが、任意の適切な12誘導測定アルゴリズムを用いることができる。
【0037】
【0038】
【0039】
見られるように、R-V1は他のV誘導より高い。理論的に、V1は右の心室活動を表す一方、入力誘導は左の心室電界をより反映するため、V1は誘導リードI、II、V2から予測するのが最も難しい。V3及びV4信号は通常、心臓に近接しているため、他の誘導より高い振幅を有する。
図7Aは、誘導変換MLモデルが単一の双極グローバルモデルであるときの誘導変換の結果を、測定された/元の誘導(左の列)対変換/予測された誘導(右の列)の例で示す。
図7Aに見られるように、変換された誘導のECGパターンは、測定された/元の誘導についてのECGパターンに正確に従っている。
【0040】
しかしながら、計算デバイス405は、単一の双極グローバルモデルによって提供された性能が十分ではないことを判定することもできる。例えば、
図7Bは、測定された/元の誘導(左の列)での「低速R波増高」と呼ばれるパターンを示しており、これはあり得る以前の前壁梗塞のための規準である一方、変換/予測された誘導(右の列)はV3~V6からの「通常」R波増高を有する。ECGサンプルの多数のR波増高の世界的傾向で訓練されてこれに従うMLモデルにとって、このような問題を避けることは難しいことがある。しかしながら、このような状況において、計算デバイス405は、より高レベルの個別化又は複数の双極を備えた異なる誘導変換MLモデルを選択することによってこの問題を軽減することができる。
【0041】
単極心原性モデルが、心房及び心室減極及び再分極化の両方を含むが、比較的単純である、心臓信号増高のすべての段階をカバーすることができる。しかしながら、複数双極モデルが一般に単一双極モデルより良好な精度を提供するため、このようなモデルは幾つかの状況において単純化され過ぎることがある。したがって、幾つかの実施形態において、計算デバイス405は複数双極変換モデルに基づく誘導変換MLモデルを利用することができる。以下の表は、複数双極モデルが用いられるときのR二乗統計を示す。見られるように、QRS及びST-T部分の両方が改善された精度[表1]での単一双極モデルと比較して)を示す一方、P波の結果は改善されていない。結果として、計算デバイス405によって用いられる誘導変換MLモデルは減極と再分極を別個に考慮することができる。
【0042】
【0043】
基本最適化方程式(Vpred=f(W,Vx))を参照すると、Wを見つけるために線形関数f()及び非線形関数f()の両方を用いることができるということは明らかである。幾つかの実施形態において、計算デバイス405は、非線形モデルの使用のために要求される増加した計算の負担が際立って優れた性能によって正当化される状況で非線形誘導変換モデルを利用することができる。
【0044】
ECG監視デバイス300によって測定された一組の誘導から完全な12誘導セットを合成するために幾つかのディープラーニング法を用いることもできる。例えば、誘導変換MLモデルは、教師付き分類のために人工ニューラルネットワーク(ANN)を利用することができ、このモデルの結果は、入力サンプルがデータの特定のクラスにある確率を表す、又は幾つかの固有の特性を示す。別の一例において、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)に基づくデータ駆動型アプローチが用いられる。畳み込み動作を用いることによって、誘導変換MLモデルは、一時的に閉じられた入力サンプルの間の相関を考慮に入れて単一の出力データポイントを推論することができる。より具体的には、総称時tでの単一出力サンプル(各前胸部誘導)はt-τからt+τまですべての入力サンプル(すべての四肢誘導)によって影響されている。ネットワークの受容野を表す、τの値は、モデル体系に大いに依存しており、その深度、すなわち、連続した層の数とともに通常増加する。未知データに関して汎化し、過適合問題を避ける能力は、すべてのデータ駆動型アプローチについて一番重要である。複雑なモデルは、小さなデータセットとともに、訓練セットに関して素晴らしい性能につながり得るが、未知データに関しては良好に能力を発揮しないことがある。層間及び層内の正規化(例えば、バッチ正規化及び層正規化)、及びデータ拡張技術のような、任意の適切な規則化方法を用いてモデルを最適化することができる。最終的に、モデルの有効性及び効率を改善するために、残差接続、すなわち、勾配に基づく最適化アルゴリズムのバックプロパゲーション中に勾配が層を流れることが可能になる恒等写像の使用を利用することができる。
【0045】
計算デバイス405は、解釈MLモデルを用いてECG波形の合成された完全な12誘導セットに基づいて解釈を行うために、ECG波形解釈ソフトウェア415を実行することができる。ECG波形解釈ソフトウェア415は、とりわけ、心筋虚血(前壁、側壁、虚血)、心筋梗塞(前壁、側壁mi)、左及び右脚ブロック及び右室肥大を示す解釈を(計算デバイス405によって測定/生成された完全な12誘導セットに基づいて)決定するように機能することができる解釈MLモデルを含むことができる。解釈MLモデルは、変換された12誘導を用いて形態学ベースの異常時にうまく性能を発揮するように訓練することができる。より具体的には、解釈MLモデルは、変換された誘導信号で訓練されるディープニューラルネットワーク(DNN)モデルを含むことができ、そのため、新たなECG特徴パターンを、これらが元のものと同一でなくても、識別することができるようになり、したがって解釈MLモデルが異なる異常の中で区別することが可能になる。解釈MLモデルは、6つの残差ブロック及び3つの完全に接続された層を備えた畳み込みDNNとすることができる。ML解釈モデルは、汎化を改善するドロップアウト及びバッチ正規化層を有することもできる。
【0046】
解釈MLモデルは、12誘導ECGデータベース(図示せず)を用いて訓練することができ、これは、それぞれ例えば、10秒のデータを備えた、多数の12誘導ECGのためのECGデータを有する。12誘導ECGデータベースは、様々なタイプのECG異常があるECGデータを含み得る。訓練データにおいて、形態学ベースのECGは、虚血、梗塞、左脚ブロック(LBBB)、右脚ブロック(RBBB)、左室肥大(LVH)、及びその他、の6つのカテゴリに群がることができる。これらのECGのうち、多数のものを訓練に用いることができる一方、残りのものは試験に用いられる。実験データは、変換された誘導セット上で解釈MLモデルを訓練することにより、解釈性能が最適化されることを示した。したがって、幾つかの実施形態において解釈MLモデルは、その解釈性能を最適化するように変換誘導セット上でさらに訓練することができる。より具体的には、解釈MLモデルはまず、初めにサンプリングされた12誘導データで訓練及び試験され、解釈性能が記録される。解釈MLモデルは次いで、変換12誘導データで再初期化及び再訓練/再試験され、解釈性能が記録される。
【0047】
図8は、コンピュータシステム800という例の形態の機械の図表示を示し、この中に、本明細書で論じた方法論の任意の1つ又は複数をこの機械に実行させるための命令がある。代替の実施形態において、この機械は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、イントラネット、エクストラネット、又はインターネットで他の機械に接続する(例えば、ネットワークで)ことができる。さらに、単一の機械のみが示されているが、「機械」という用語は、本明細書で論ずる方法論の任意の1つ又は複数を実行する一組(又は複数組)の命令を個々に又は共同で実行する機械の任意の集合を含むようにもとられるべきである。
【0048】
例示的なコンピュータシステム800は、処理デバイス802、メインメモリ804(例えば、リードオンリーメモリ(ROM)、フラッシュメモリ、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM))、スタティックメモリ806(例えば、フラッシュメモリ、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)など)、及びデータストレージデバイス818を含み、これらはバス830を介して互いに通信する。本明細書に記載の様々なバスにわたって提供される信号のいずれも、他の信号と時間多重化して1つ又は複数の共通のバスにわたって提供することができる。加えて、回路部品又はブロック間の相互接続はバスとして又は単一信号線として示すことができる。バスのそれぞれは、代替的に1つ又は複数の単一信号線とすることができ、単一信号線のそれぞれは、代替的にバスとすることができる。
【0049】
計算デバイス800は、ネットワーク820と通信することができるネットワークインターフェイスデバイス908をさらに含むことができる。処理デバイス802は、マイクロプロセッサ、中央処理ユニットなどのような1つ又は複数の汎用の処理デバイスを表す。より具体的には、処理デバイスは、複合命令セットコンピューティング(CISC)マイクロプロセッサ、縮小命令セットコンピュータ(RISC)マイクロプロセッサ、超長命令語(VLIW)マイクロプロセッサ、又は他の命令セットを実装するプロセッサ、又は命令セットの組み合わせを実装するプロセッサとすることができる。処理デバイス802はまた、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、ネットワークプロセッサなどのような1つ又は複数の専用目的処理デバイスとすることができる。処理デバイス802は、本明細書で論ずる動作及びステップを実行するために、誘導合成及び解釈生成命令825を実行するように構成されている。
【0050】
データストレージデバイス815は機械可読記憶媒体828を含むことができ、これに、本明細書に記載の機能の方法論の任意の1つ又は複数を具現化している1又は複数組の誘導合成及び解釈生成命令825(例えば、ソフトウェア)が格納されている。誘導合成及び解釈生成命令825は、コンピュータシステム800によるその実行中、完全に又は少なくとも部分的に、メインメモリ804内又は処理デバイス802内にあることもでき、メインメモリ804及び処理デバイス802も機械可読記憶媒体を構成している。誘導合成及び解釈生成命令825はネットワークインターフェイスデバイス808を介してネットワーク820にわたってさらに送信又は受信することができる。
【0051】
本明細書で用いられる用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的としており、本発明を限定するように意図されていない。例えば、本明細書で用いられるとき、単数形の「a」、「an」及び「the」は、文脈が明らかに他のことを示さない限り、複数形も含むように意図されている。本明細書で用いられるとき、「comprises」及び/又は「comprising」という用語は、述べられた特徴、ステップ、動作、要素、及び/又は構成要素の存在を指定するが、1つ又は複数の他の特徴、ステップ、動作、要素、構成要素、及び/又はこれらの群の存在又は追加を妨げないことがさらに理解されるであろう。本明細書で用いられるとき、「及び/又は」という用語は、関連する列挙された項目の1つ又は複数のありとあらゆる組み合わせを含み、「/」として省略されていることがある。
【0052】
「下」、「下方」、「下部」、「上」、「上部」などのような、空間的相対的用語は、図に示すような1つの要素又は特徴の別の要素又は特徴に対する関係を説明するための説明を容易にするために本明細書で用いることができる。空間的相対的用語は、図に描写かれた配向に加えて、使用又は動作中のデバイスの異なる配向を包含するように意図されていることが理解されるであろう。例えば、図内のデバイスを逆にすれば、他の要素又は特徴の「下」又は「下方」として説明された要素でも、その他の要素又は特徴の「上」に配向されることになる。このように、例示的な用語「下」は上及び下の両方の配向を包含することができる。デバイスは他の方法で配向する(90度又は他の配向で回転させる)ことができ、本明細書で用いられる空間的相対的説明はこれに応じて解釈される。同様に、「上方へ」、「下方へ」、「垂直に」、「水平に」などの用語は、別途具体的に示されない限り、説明という目的のみで本明細書に用いられる。
【0053】
「第1」及び「第2」という用語は様々な特徴/要素を説明するために本明細書で用いることができるが、これらの特徴/要素は、文脈が他のことを示さない限り、これらの用語によって限定されるべきではない。これらの用語は、1つの特徴/要素を別の特徴/要素から区別するために用いることができる。したがって、本発明の教示から逸脱することなく、以下で論ずる第1の特徴/要素が第2の特徴/要素と呼ばれることがあり、同様に、以下で論ずる第2の特徴/要素が第1の特徴/要素と呼ばれることがある。
【0054】
本明細書及び請求項で用いられるとき、例で用いられるときを含み、そして別途明確に指定されない限り、すべての数は、「約」又は「およそ」という言葉によって、この用語が明確に現れていなくても、前置きされているかのように読むことができる。「約」又は「およそ」という句は、大きさ及び/又は位置を説明するときに用いて、記載された値及び/又は位置が値及び/又は位置の合理的な予想される範囲内にあることを示すことができる。例えば、数的値が、述べられた値(又は値の範囲)の+/-0.1%、述べられた値(又は値の範囲)の+/-1%、述べられた値(又は値の範囲)の+/-2%、述べられた値(又は値の範囲)の+/-5%、述べられた値(又は値の範囲)の+/-10%などである値を有することができる。本明細書に規定されたいかなる数的範囲も、その中に包括されたすべての副範囲を含むように意図されている。
【0055】
本発明の好ましい実施形態を本明細書で図示及び説明してきたが、このような実施形態は単に例として提供されていることが当業者には自明であるであろう。多くの変形、変更、及び置換が今や、本発明から逸脱することなく当業者に浮かぶであろう。本発明を実践する際に、本明細書に記載の本発明の実施形態に対する様々な代替例を使用することができるということが理解されるべきである。次の請求項が本発明の範囲を定義すること、そしてこれらの請求項の範囲内の方法及び構造及びその均等物がこれらによってカバーされることが意図されている。
【符号の説明】
【0056】
115 単一の双極心臓モデル
206 処理デバイス
300 ECG監視デバイス
305 計算デバイス
306 処理デバイス
308 トランシーバ
310 電極
320 ハウジングケーブル
325 信号ケーブル
405 計算デバイス
410 誘導合成ソフトウェアモジュール
415 ECG波形解釈ソフトウェアモジュール
420 ネットワーク
450 モバイル計算デバイス
505 計算デバイス
510 ハウジング
510A 電極
510B 電極
515 電極
520 二面電極ハウジング
600 ECG監視デバイス
800 コンピュータシステム
802 処理デバイス
804 メインメモリ
806 スタティックメモリ
808 ネットワークインターフェイスデバイス
815 信号生成デバイス
818 データストレージデバイス
820 ネットワーク
825 誘導合成及び解釈生成命令
828 機械可読記憶媒体
830 バス
【外国語明細書】