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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023089990
(43)【公開日】2023-06-29
(54)【発明の名称】圧力計及び流体圧システム
(51)【国際特許分類】
   G01L 19/14 20060101AFI20230622BHJP
   G01L 19/16 20060101ALI20230622BHJP
【FI】
G01L19/14
G01L19/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021204698
(22)【出願日】2021-12-17
(71)【出願人】
【識別番号】000102511
【氏名又は名称】SMC株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100077665
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 剛宏
(74)【代理人】
【識別番号】100116676
【弁理士】
【氏名又は名称】宮寺 利幸
(74)【代理人】
【識別番号】100191134
【弁理士】
【氏名又は名称】千馬 隆之
(74)【代理人】
【識別番号】100136548
【弁理士】
【氏名又は名称】仲宗根 康晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136641
【弁理士】
【氏名又は名称】坂井 志郎
(74)【代理人】
【識別番号】100180448
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 亨祐
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 崇弘
【テーマコード(参考)】
2F055
【Fターム(参考)】
2F055AA40
2F055BB20
2F055CC60
2F055DD20
2F055EE40
2F055FF05
2F055GG03
2F055GG25
(57)【要約】      (修正有)
【課題】流体圧機器に圧力計を取り付ける際にユーザの使用方法にあわせて表示面の向きを変更することができるようにする。
【解決手段】流体圧システムは、流体圧機器と、流体圧機器に取り付けられる圧力計14とを備える。圧力計14は、計測部28、ケース32、表示部30、アダプタ24を有する。アダプタ24は、取付孔88を含む。ケース32は、取付孔88に嵌合可能な取付凸部69を備える。表示部30は、取付凸部69の軸線と交差する方向を向く表示面37を有する。取付凸部69及び取付孔88は、取付凸部69の軸線を中心とする周方向における取付凸部69とアダプタ24との相対位置を変更可能な嵌合構造を有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体の圧力を計測する計測部を収容するケースと、前記ケースに設けられて前記計測部によって計測された圧力を表示する表示部と、流体圧機器に取り付けられるアダプタと、を備えた圧力計であって、
前記アダプタは、取付孔を含み、
前記ケースは、前記取付孔に嵌合可能な取付凸部を備え、
前記表示部は、前記取付凸部の軸線と交差する方向を向く表示面を有し、
前記取付凸部及び前記取付孔は、当該取付凸部の前記軸線を中心とする周方向における前記取付凸部と前記アダプタとの相対位置を変更可能な嵌合構造を有する、圧力計。
【請求項2】
請求項1記載の圧力計であって、
前記アダプタは、前記取付孔を囲む取付内面を有し、
前記取付凸部は、多角形状の取付外面を有し、
前記取付内面は、前記取付凸部が前記取付孔に嵌合された嵌合状態で、前記アダプタに対する前記取付凸部の前記軸線を中心とした回転を規制する、圧力計。
【請求項3】
請求項2記載の圧力計であって、
前記取付内面は、多角形状に形成されている、圧力計。
【請求項4】
請求項3記載の圧力計であって、
前記取付凸部は、当該取付凸部の前記軸線を中心とした45°の回転対称形状を有する、圧力計。
【請求項5】
請求項4記載の圧力計であって、
前記取付外面は、八角形状に形成され、
前記取付内面は、前記嵌合状態で、前記取付外面の複数の平面に向かい合う複数の平面を有する、圧力計。
【請求項6】
請求項1記載の圧力計であって、
前記アダプタは、前記取付孔を囲む円形状の取付内面を有し、
前記取付凸部は、円形状の取付外面を有し、
前記取付内面は、前記取付凸部が前記取付孔に嵌合された嵌合状態で、前記取付外面を向いている、圧力計。
【請求項7】
請求項6記載の圧力計であって、
前記取付凸部は、前記嵌合状態で前記取付凸部の前記軸線を中心に前記アダプタに対して回転可能である、圧力計。
【請求項8】
請求項2~7のいずれか1項に記載の圧力計であって、
前記圧力計は、前記取付凸部が前記取付孔から抜け出ることを阻止するための線状の抜け止め部材を備え、
前記取付外面は、前記取付凸部の前記軸線の周方向に延在した環状溝を有し、
前記アダプタは、前記嵌合状態で前記環状溝に連通する挿入孔を有し、
前記抜け止め部材は、前記挿入孔及び前記環状溝に跨るように挿入される、圧力計。
【請求項9】
請求項5記載の圧力計であって、
前記圧力計は、前記取付凸部が前記取付孔から抜け出ることを阻止するための線状の抜け止め部材を備え、
前記取付外面は、前記取付凸部の前記軸線の周方向に延在した環状溝を有し、
前記アダプタは、
当該アダプタの外面から前記取付内面まで直線状に延在した第1孔と、
前記第1孔の延長線上に位置して前記取付内面から直線状に延出した第2孔と、を有し、
前記第2孔は、前記取付内面のうち前記第2孔の延在方向と傾斜する方向に延在した平面に開口し、
前記抜け止め部材は、前記第1孔、前記環状溝及び前記第2孔に跨るように挿入される、圧力計。
【請求項10】
流体圧機器と、
前記流体圧機器に取り付けられる圧力計と、を備えた流体圧システムであって、
前記圧力計は、請求項1~9のいずれか1項に記載の圧力計である、流体圧システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧力計及び流体圧システムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、流体圧機器に取り付けられる圧力計が開示されている。この圧力計は、流体の圧力を計測する計測部を収容するケースと、ケースに設けられた表示部とを備える。ケースは、ねじ部材によって流体圧機器に固定される。表示部は、ねじ部材の軸線方向を向いた表示面を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10-206262号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したような圧力計では、流体圧機器に圧力計を取り付ける際に表示面の向きを変更することができない。従って、ユーザの使用方法によっては圧力計の表示面が視認し難い方向を向くことがある。
【0005】
本発明は、上述した課題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、流体の圧力を計測する計測部を収容するケースと、前記ケースに設けられて前記計測部によって計測された圧力を表示する表示部と、流体圧機器に取り付けられるアダプタと、を備えた圧力計であって、前記アダプタは、取付孔を含み、前記ケースは、前記取付孔に嵌合可能な取付凸部を備え、前記表示部は、前記取付凸部の軸線と交差する方向を向く表示面を有し、前記取付凸部及び前記取付孔は、当該取付凸部の前記軸線を中心とする周方向における前記取付凸部と前記アダプタとの相対位置を変更可能な嵌合構造を有する、圧力計である。
【0007】
本発明の他の態様は、流体圧機器と、前記流体圧機器に取り付けられる圧力計と、を備えた流体圧システムであって、前記圧力計は、上述した圧力計である、流体圧システムである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、表示面が取付凸部の軸線と交差する方向を向いている。また、取付凸部及び取付孔は、取付凸部の軸線を中心とする周方向における取付凸部とアダプタとの相対位置を変更可能な嵌合構造を有する。そのため、表示面の向きを簡単に変更することができる。よって、ユーザの使用方法に合わせて表示面を視認し易い方向に向けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本発明の一実施形態に係る流体圧システムの斜視図である。
図2図2は、図1の圧力計の分解斜視図である。
図3図3は、図2の圧力計の縦断面図である。
図4図4は、図3のIV-IV線に沿った縦断面図である。
図5図5は、図2の圧力計本体の正面図である。
図6図6は、図2の圧力計本体の底面図である。
図7図7は、図2のアダプタの横断面図である。
図8図8は、図3のVIII-VIII線に沿った横断面図である。
図9図9Aは、図1の圧力計の表示面の向きを変更した第1の例に係る流体圧システムの斜視図である。図9Bは、図1の圧力計の表示面の向きを変更した第2の例に係る流体圧システムの斜視図である。
図10図10は、変形例に係る圧力計の分解斜視図である。
図11図11は、図10の圧力計本体の正面図である。
図12図12は、図10の圧力計本体の底面図である。
図13図13は、図10の圧力計の横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1に示すように、本発明の一実施形態に係る流体圧システム10は、流体圧機器12と、流体圧機器12に取り付けられる圧力計14とを備える。流体圧機器12は、例えば、流体の圧力を調整するためのレギュレータ(圧力レギュレータ)である。レギュレータは、弁本体16とハンドル18とを備える。
【0011】
弁本体16は、直方体形状に形成されている。弁本体16には、回転操作可能なハンドル18が取り付けられている。弁本体16は、流体が流通する複数のポート20を有する。複数のポート20は、入力ポート及び出力ポートを含む。弁本体16のうちハンドル18の軸線方向と直交する方向を向いた外面には、圧力計14が取り付けられる。ハンドル18は、流体圧機器12から導出される流体の設定圧力を調整する。圧力計14が取り付けられる流体圧機器12は、レギュレータに限定されない。
【0012】
図2に示すように、圧力計14は、圧力計本体22、アダプタ24及び抜け止め部材26を備える。圧力計本体22は、計測部28、表示部30及びケース32を有する。計測部28は、流体の圧力を計測する。表示部30は、計測部28によって計測された圧力を表示する。
【0013】
図2及び図3において、表示部30は、表示本体34とカバー36とを含む。表示本体34は、正方形状の板状部である。表示本体34の一方の面には、表示面37が設けられている。表示面37には、図示しない目盛りが付されている。また、表示面37の中央部には、回転可能に指針38が取り付けられている。表示本体34の他方の面には、計測部28が取り付けられている。
【0014】
図2に示すように、表示本体34は、2つの挿通孔40を有する。2つの挿通孔40は、表示本体34の対角の角部にそれぞれ位置する。各挿通孔40には、表示本体34をケース32に取り付けるためのボルト41が挿通する。
【0015】
カバー36は、表示本体34の一方の面に取り付けられている。カバー36は、表示本体34における表示面37の外周部分を覆う枠状部42と、表示面37を覆う透明部44とを含む。
【0016】
図2図4に示すように、ケース32は、樹脂材料による一体成形品である。ケース32は、中空のケース本体46、流体導入部48及び複数の補強リブ52を有する。ケース本体46は、四角筒状の周壁部54と端壁部56(図3参照)とを含む。周壁部54は、一方向に延在している。
【0017】
以下の説明では、周壁部54の延在方向を矢印X方向といい、周壁部54の幅方向を矢印Y方向といい、周壁部54の高さ方向を矢印Z方向ということがある。矢印Z方向は、板状のアダプタ24の厚さ方向に沿っている。
【0018】
周壁部54の外面の横断面形状は、略正方形である(図4参照)。図2及び図3において、周壁部54の一端部(矢印X1方向の端部)は、表示部30が取り付けられる取付面58を有する。取付面58は、矢印X1方向を向いた平面である。取付面58の外形形状は、正方形である。換言すれば、取付面58の外形形状は、表示本体34の外形形状と同じである。また、取付面58の外形の大きさは、表示本体34の外形の大きさと同じである。取付面58には、計測部28を周壁部54の内部空間Sに挿入するための孔60が形成されている。
【0019】
図4において、周壁部54の内面の4つの隅部の各々は、周壁部54の内方に向かって膨出した膨出部62を含む。各膨出部62には、表示部30をケース本体46に固定するためのボルト41が螺合するナット64がインサート成形されている。
【0020】
図2に示すように、表示部30は、表示本体34の2つの挿通孔40に挿通された2つのボルト41を2つのナット64に螺合させることによりケース32に取り付けられる。表示部30は、指針38の回転軸線を中心とする周方向における表示部30と周壁部54との相対位置が変更されるようにケース32に取付可能である。換言すれば、表示部30は、表示本体34の上端面35の向きが変更されるようにケース32に取付可能である。
【0021】
具体的に、表示部30は、表示本体34の上端面35が矢印Z2方向に向くようにケース32に取り付けることができる。また、表示部30は、表示本体34の上端面35が矢印Y1方向を向くようにケース32に取り付けることができる。さらに、表示部30は、表示本体34の上端面35が矢印Z1方向を向くようにケース32に取り付けることができる。また、表示部30は、表示本体34の上端面35が矢印Y2方向を向くようにケース32に取り付けることができる。これにより、表示部30をケース32に取り付ける際に、ユーザの使用方法に合わせて、表示本体34の上端面35の向きを変更することができる。
【0022】
図3において、端壁部56は、周壁部54の他端部(矢印X2方向)に位置する。端壁部56は、周壁部54の内部空間Sを矢印X2方向から覆う。
【0023】
図3及び図4に示すように、流体導入部48には、流体圧機器12の流体を計測部28に導くための導入流路66が形成されている。流体導入部48は、取付凸部69、第1導入管部70、第2導入管部72及び接続管部74を含む。取付凸部69は、周壁部54のうち指針38の回転軸線と直交する方向(矢印Z1方向)に位置する支持壁部68から周壁部54の外側(矢印Z1方向)に向かって突出している。
【0024】
第1導入管部70は、取付凸部69の突出端面から矢印Z1方向に向かって延出している。第1導入管部70の延出端部は、圧力計14を流体圧機器12に取り付けた状態で、弁本体16の内部に挿入される。
【0025】
第2導入管部72は、支持壁部68から第1導入管部70の延出方向とは反対方向(矢印Z2方向)に延出している。第2導入管部72は、周壁部54の内部空間Sに延びている。第2導入管部72の内孔は、第1導入管部70の内孔に連通している。第2導入管部72は、端壁部56の内面に繋がっている(図3参照)。
【0026】
接続管部74は、端壁部56の内面から計測部28に向かって矢印X1方向に突出している。接続管部74には、第2導入管部72の延出端部が繋がっている。接続管部74の内孔は、第2導入管部72の内孔に連通している。接続管部74の突出端部には、計測部28が気密に接続されている。
【0027】
図3に示すように、表示部30の表示面37は、取付凸部69の軸線Axと交差する方向を向く。換言すれば、表示部30の表示面37は、取付凸部69の軸線Axと直交する方向を向く。取付凸部69には、導入流路66が設けられている(図3及び図4参照)。
【0028】
図6に示すように、取付凸部69は、多角形状の取付外面76を有する。換言すれば、取付凸部69は、八角形状の取付外面76を有する。具体的に、取付外面76は、矢印Z1方向から見て、正八角形状に形成されている。すなわち、取付外面76は、8つの平面77を有する。取付凸部69は、取付凸部69の軸線Axを中心とした45°の回転対称形状を有する。取付外面76の矢印Z方向の中間部分には、取付凸部69の軸線Axを中心とする周方向に延在した環状溝78が形成されている(図3図5参照)。
【0029】
複数の補強リブ52は、取付凸部69の突出端面から第1導入管部70の延出端部に向かって延びている。本実施形態において、ケース32は、8つの補強リブ52を有する。これら補強リブ52は、取付外面76の複数の角部にそれぞれ繋がっている。複数の補強リブ52は、取付凸部69の軸線Axを中心とする周方向に等間隔に配置されている。補強リブ52の形状、大きさ、数等は、適宜設定可能である。
【0030】
図2に示すように、アダプタ24は、四角板状のアダプタ本体79と突起部81とを備える。具体的に、アダプタ本体79は、正方形状に形成されている。アダプタ本体79は、第1側面80a、第2側面80b、第3側面80c及び第4側面80dを有する。第1側面80aと第2側面80bとは、互いに同じ方向に延在している。第3側面80cと第4側面80dとは、第1側面80a及び第2側面80bの延在方向と直交する方向に延在している。
【0031】
アダプタ本体79は、4つの挿通孔84を有する。4つの挿通孔84は、アダプタ本体79の4つの角部にそれぞれ位置する。アダプタ本体79は、厚さ方向から見て、アダプタ本体79の中心線を中心とした90°の回転対称形状を有する。4つの挿通孔84のうち対角に位置する2つの挿通孔84には、アダプタ24を流体圧機器12に取り付けるためのボルト86が挿通する。
【0032】
突起部81は、アダプタ本体79の片方の面から厚さ方向に突出している。突起部81は、円環状に延在している。
【0033】
図7及び図8において、アダプタ本体79の中央部には、取付凸部69が嵌合可能な取付孔88が形成されている。アダプタ本体79は、取付孔88を囲む取付内面90を含む。取付内面90は、多角形状に形成されている。取付内面90は、取付凸部69を取付孔88に嵌合した嵌合状態で、取付凸部69の軸線Axを中心とした回転が規制されるように取付外面76に近接又は接触する(図8参照)。取付内面90は、2つの第1平面92と、2つの第2平面94と、4つの連結面96とを有する。
【0034】
各第1平面92は、アダプタ24の第1側面80a及び第2側面80bの延在方向に沿って延在している。2つの第1平面92は、互いに向かい合うように位置する。各第1平面92の延在方向に沿った長さは、取付外面76の各平面77の幅よりも長い。2つの第1平面92の延在方向に沿った長さは、互いに同じである。
【0035】
各第2平面94は、アダプタ24の第3側面80c及び第4側面80dの延在方向に沿って延在している。換言すれば、各第2平面94は、各第1平面92の延在方向と直交する方向に延在している。2つの第2平面94は、互いに向かい合うように位置している。各第2平面94の延在方向に沿った長さは、各第1平面92の延在方向に沿った長さよりも短い。2つの第2平面94の延在方向に沿った長さは、互いに同じである。
【0036】
4つの連結面96は、第1平面92の端部と第2平面94の端部とを互いに連結する。各連結面96は、第1連結平面98と、第2連結平面100とを有する。第1連結平面98は、第1平面92の端部から取付孔88に向かって延出している。第1連結平面98は、第2平面94の延在方向に沿って延在している。
【0037】
第2連結平面100は、第1連結平面98の延出端部から第2平面94の端部まで延在している。第2連結平面100は、第1平面92の延在方向と第2平面94の延在方向とに交差する方向に延在している。第2連結平面100の延在方向に沿った長さは、第2平面94の延在方向に沿った長さよりも短い。第2連結平面100の延在方向に沿った長さは、取付外面76の各平面77の幅よりも短い(図8参照)。
【0038】
図8において、取付凸部69を取付孔88に嵌合した嵌合状態で、取付凸部69の八つの平面77は、2つの第1平面92と、2つの第2平面94と、4つの第2連結平面100とに向いている。換言すれば、嵌合状態で、4つの第1連結平面98は、取付外面76から離間している。
【0039】
以下の説明では、4つの第2連結平面100のうち第2平面94から第1側面80aに向かって延びている2つの第2連結平面100を「第2連結平面100a」ということがある。また、4つの第2連結平面100のうち第2平面94から第2側面80bに向かって延びている2つの第2連結平面100を「第2連結平面100b」ということがある。
【0040】
アダプタ24には、抜け止め部材26が挿入される挿入孔102が形成されている。挿入孔102は、2つの第1孔104と、2つの第2孔106と、連通孔108とを含む。2つの第1孔104は、第1側面80aから2つの第2連結平面100aまで第3側面80c及び第4側面80dの延在方向に沿って直線状に延在している。2つの第1孔104は、互いに平行に延在している。各第1孔104は、第1側面80aに開口している。各第1孔104は、第2連結平面100aに開口した第1開口部110を有する。
【0041】
2つの第2孔106は、第2側面80bから2つの第2連結平面100bまで第3側面80c及び第4側面80dの延在方向に沿って直線状に延在している。2つの第2孔106は、互いに平行に延在している。各第2孔106の横断面形状は、各第1孔104の横断面形状と同じである。各第2孔106は、第2側面80bに開口している。各第2孔106は、第2連結平面100bに開口した第2開口部112を有する。各第2連結平面100bは、第2孔106の延在方向に対して傾斜している。そのため、第2開口部112の開口面積は、第2孔106の途中部位の横断面積よりも広い。
【0042】
一方の第2孔106は、一方の第1孔104の延長線上に延びている。他方の第2孔106は、他方の第1孔104の延長線上に延びている。第1開口部110は、第2開口部112を向いている。連通孔108は、2つの第1孔104の端部同士を互いに繋ぐ。連通孔108は、第1側面80aに開口している。
【0043】
図2及び図8において、抜け止め部材26は、線状に延在している。具体的に、抜け止め部材26は、U字状に形成されたクリップである。抜け止め部材26は、金属棒をU字状に折り曲げることにより形成される。抜け止め部材26は、挿入孔102に挿入されることにより、取付凸部69が取付孔88から抜け出ることを阻止する。
【0044】
抜け止め部材26は、2つの係止部114と、連結部116とを含む。2つの係止部114は、互いに平行に延在している。連結部116は、2つの係止部114の端部同士を互いに繋ぐ。各係止部114は、第1孔104、環状溝78及び第2孔106に跨るように位置する。連結部116は、連通孔108に位置する。
【0045】
次に、圧力計14の流体圧機器12への取付手順について説明する。まず、ユーザは、アダプタ24を2つのボルト86によって流体圧機器12に取り付ける。この場合、第1側面80aが重力方向を向くようにアダプタ24を流体圧機器12に取り付けると、抜け止め部材26が落下する可能性がある。本実施形態において、4つの挿通孔84は、アダプタ本体79の各角部に設けられているため、ユーザは、第1側面80aが重力方向を向かないようにアダプタ24を流体圧機器12に取り付けることができる。
【0046】
その後、取付凸部69を取付孔88に嵌合する。具体的に、取付凸部69及び取付孔88は、取付凸部69の軸線Axを中心とする周方向における取付凸部69とアダプタ24との相対位置を変更可能な嵌合構造を有する。具体的には、取付凸部69を取付孔88に嵌合した状態の表示面37の向きを取付凸部69の軸線Axを中心とする周方向に45°間隔で変えることができる。
【0047】
つまり、例えば、図1に示すように、弁本体16からのハンドル18の突出方向に表示面37を向けた状態で取付凸部69を取付孔88に嵌合することができる。また、例えば、図9Aに示すように、弁本体16からのハンドル18の突出方向に対して取付凸部69の軸線Axを中心とする周方向に45°傾いた方向に表示面37を向けた状態で取付凸部69を取付孔88に嵌合することができる。さらに、例えば、図9Bに示すように、弁本体16からのハンドル18の突出方向に対して取付凸部69の軸線Axを中心とする周方向に90°傾いた方向に表示面37を向けた状態で取付凸部69を取付孔88に嵌合することができる。すなわち、ユーザの使用方法に合わせて、表示面37の向きを簡単に変更することができる。
【0048】
取付凸部69を取付孔88に嵌合した後、抜け止め部材26をアダプタ24の挿入孔102に挿入する。具体的に、図8に示すように、抜け止め部材26の2つの係止部114を2つの第1孔104から環状溝78に通す。そして、各係止部114の先端部を第2開口部112に挿入する。この場合、第2開口部112の開口面積が第2孔106の横断面積よりも広いため、各係止部114は、第2開口部112にスムーズに挿入される。抜け止め部材26の挿入孔102への挿入が完了すると、圧力計14の流体圧機器12への取り付けが完了する。
【0049】
本実施形態に係る圧力計14は、以下の効果を奏する。
【0050】
本実施形態によれば、表示面37が取付凸部69の軸線Axと交差する方向を向いている。また、取付凸部69及び取付孔88は、取付凸部69の軸線Axを中心とする周方向における取付凸部69とアダプタ24との相対位置を変更可能な嵌合構造を有する。そのため、表示面37の向きを簡単に変更することができる。よって、ユーザの使用方法に合わせて表示面37を視認し易い方向に向けることができる。
【0051】
アダプタ24は、取付孔88を囲む取付内面90を有する。取付凸部69は、多角形状の取付外面76を有する。取付内面90は、取付凸部69が取付孔88に嵌合された嵌合状態で、アダプタ24に対する取付凸部69の軸線Axを中心とした回転を規制する。
【0052】
このような構成によれば、ユーザが意図せずに圧力計14に触れた場合に、表示面37の向きが変わることを抑えることができる。
【0053】
取付内面90は、多角形状に形成されている。
【0054】
このような構成によれば、簡単な構成により、嵌合状態で取付凸部69がアダプタ24に対して回転することを規制することができる。
【0055】
取付凸部69は、取付凸部69の軸線Axを中心とした45°の回転対称形状を有する。
【0056】
このような構成によれば、表示面37の向きを取付凸部69の軸線Axを中心とする周方向に45°間隔で変えることができる。
【0057】
取付外面76は、八角形状に形成されている。取付内面90は、嵌合状態で、取付外面76の複数の平面77に向かい合う複数の平面を有する。
【0058】
このような構成によれば、簡単な構成により、表示面37の向きを取付凸部69の軸線Axを中心とする周方向に45°間隔で変えることができる。
【0059】
圧力計14は、取付凸部69が取付孔88から抜け出ることを阻止するための線状の抜け止め部材26を備える。取付外面76は、取付凸部69の軸線Axを中心とする周方向に延在した環状溝78を有する。アダプタ24は、嵌合状態で環状溝78に連通する挿入孔102を有する。抜け止め部材26は、挿入孔102及び環状溝78に跨るように挿入される。
【0060】
このような構成によれば、簡単な構成で、取付凸部69が取付孔88から抜け出ることを阻止することができる。
【0061】
アダプタ24は、第1孔104と第2孔106とを有する。第1孔104は、アダプタ24の第1側面80aから取付内面90まで直線状に延在している。第2孔106は、第1孔104の延長線上に位置して取付内面90から直線状に延出している。第2孔106は、取付内面90のうち第2孔106の延在方向と傾斜する方向に延在した第2連結平面100bに開口している。抜け止め部材26は、第1孔104、環状溝78及び第2孔106に跨るように挿入される。
【0062】
このような構成によれば、第2孔106のうち第2連結平面100bに開口する第2開口部112の開口面積を第2孔106の横断面積よりも広くすることができる。これにより、抜け止め部材26を第1孔104から環状溝78に通した後で、当該抜け止め部材26の先端部を第2開口部112に円滑に挿入させることができる。また、第2開口部112の縁部を面取り加工しなくても第2開口部112の開口面積を広くすることができるため、アダプタ24の製造コストを抑えることができる。
【0063】
流体圧システム10は、上述した圧力計14に代えて図10に示す変形例に係る圧力計120を備えてもよい。変形例において、上述した実施形態と同一の参照符号は、同一の構成を示す。また、変形例において、上述した実施形態と同一の構成についての説明は省略する。
【0064】
図10に示すように、圧力計120は、圧力計本体122、アダプタ124及び抜け止め部材26を備える。圧力計本体122は、計測部28、表示部30及びケース126を有する。図10図12に示すように、ケース126の流体導入部127は、取付凸部128を有する。取付凸部128は、円形状(真円形状)の取付外面130を含む。取付外面130には、環状溝78が形成されている。
【0065】
図10及び図13に示すように、アダプタ124のアダプタ本体125には、取付凸部128が嵌合可能な取付孔132が形成されている。アダプタ124は、取付孔132を囲む取付内面134を含む。取付内面134は、円形状(真円形状)に形成されている。取付内面134は、取付凸部128を取付孔132に嵌合した嵌合状態で、取付外面130を向く。取付内面134は、嵌合状態で、取付凸部128の軸線Axを中心に回転可能なように取付外面130に近接又は接触する。
【0066】
本変形例において、アダプタ124は、取付孔132を囲む円形状の取付内面134を有する。取付凸部128は、円形状の取付外面130を有する。取付凸部128が取付孔132に嵌合された嵌合状態で、取付外面130と取付内面134とは互いに向かい合う。
【0067】
このような構成によれば、表示面37の向きを取付凸部128の軸線Axを中心とする周方向に連続して変えることができる。従って、ユーザの使用方法に合わせて表示面37をより一層視認し易い方向に向けることができる。
【0068】
取付凸部128は、嵌合状態で取付凸部128の軸線Axを中心にアダプタ124に対して回転可能である。
【0069】
このような構成によれば、取付凸部128を取付孔132に嵌合した嵌合状態で表示面37の向きを調整することができる。
【0070】
なお、本発明は、上述した実施形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を取り得る。
【0071】
本実施形態は、以下の内容を開示している。
【0072】
上記実施形態は、流体の圧力を計測する計測部(28)を収容するケース(32、126)と、前記ケースに設けられて前記計測部によって計測された圧力を表示する表示部(30)と、流体圧機器(12)に取り付けられるアダプタ(24、124)と、を備えた圧力計(14、120)であって、前記アダプタは、取付孔(88、132)を含み、前記ケースは、前記取付孔に嵌合可能な取付凸部(69、128)を備え、前記表示部は、前記取付凸部の軸線(Ax)と交差する方向を向く表示面(37)を有し、前記取付凸部及び前記取付孔は、当該取付凸部の前記軸線を中心とする周方向における前記取付凸部と前記アダプタとの相対位置を変更可能な嵌合構造を有する、圧力計を開示している。
【0073】
上記の圧力計において、前記アダプタは、前記取付孔を囲む取付内面(90)を有し、前記取付凸部は、多角形状の取付外面(76)を有し、前記取付内面は、前記取付凸部が前記取付孔に嵌合された嵌合状態で、前記アダプタに対する前記取付凸部の前記軸線を中心とした回転を規制してもよい。
【0074】
上記の圧力計において、前記取付内面は、多角形状に形成されてもよい。
【0075】
上記の圧力計において、前記取付凸部は、当該取付凸部の前記軸線を中心とした45°の回転対称形状を有してもよい。
【0076】
上記の圧力計において、前記取付外面は、八角形状に形成され、前記取付内面は、前記嵌合状態で、前記取付外面の複数の平面(77)に向かい合う複数の平面を有してもよい。
【0077】
上記の圧力計において、前記アダプタは、前記取付孔を囲む円形状の取付内面(134)を有し、前記取付凸部は、円形状の取付外面(130)を有し、前記取付内面は、前記取付凸部が前記取付孔に嵌合された嵌合状態で、前記取付外面を向いてもよい。
【0078】
上記の圧力計において、前記取付凸部は、前記嵌合状態で前記取付凸部の前記軸線を中心に前記アダプタに対して回転可能であってもよい。
【0079】
上記の圧力計において、前記圧力計は、前記取付凸部が前記取付孔から抜け出ることを阻止するための線状の抜け止め部材(26)を備え、前記取付外面は、前記取付凸部の前記軸線の周方向に延在した環状溝(78)を有し、前記アダプタは、前記嵌合状態で前記環状溝に連通する挿入孔(102)を有し、前記抜け止め部材は、前記挿入孔及び前記環状溝に跨るように挿入されてもよい。
【0080】
上記の圧力計において、前記圧力計は、前記取付凸部が前記取付孔から抜け出ることを阻止するための線状の抜け止め部材を備え、前記取付外面は、前記取付凸部の前記軸線の周方向に延在した環状溝を有し、前記アダプタは、当該アダプタの外面(80a)から前記取付内面まで直線状に延在した第1孔(104)と、前記第1孔の延長線上に位置して前記取付内面から直線状に延出した第2孔(106)と、を有し、前記第2孔は、前記取付内面のうち前記第2孔の延在方向と傾斜する方向に延在した平面(100b)に開口し、前記抜け止め部材は、前記第1孔、前記環状溝及び前記第2孔に跨るように挿入されてもよい。
【0081】
上記実施形態は、流体圧機器と、前記流体圧機器に取り付けられる圧力計と、を備えた流体圧システム(10)であって、前記圧力計は、上述した圧力計である、流体圧システムを開示している。
【符号の説明】
【0082】
10…流体圧システム 12…流体圧機器
14、120…圧力計 24、124…アダプタ
26…抜け止め部材 28…計測計
30…表示部 32…ケース
37…表示面 69、128…取付凸部
76、130…取付外面 77…平面
78…環状溝 88、132…取付孔
90、134…取付内面 102…挿入孔
104…第1孔 106…第2孔
Ax…軸線
図1
図2
図3
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図5
図6
図7
図8
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図10
図11
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