(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023009010
(43)【公開日】2023-01-19
(54)【発明の名称】容器処理設備および容器処理設備を監視するための方法
(51)【国際特許分類】
G01N 1/22 20060101AFI20230112BHJP
B65B 55/24 20060101ALI20230112BHJP
B65B 55/04 20060101ALN20230112BHJP
【FI】
G01N1/22 A
B65B55/24
B65B55/04 N
【審査請求】有
【請求項の数】29
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022107735
(22)【出願日】2022-07-04
(31)【優先権主張番号】10 2021 117 428.7
(32)【優先日】2021-07-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】508120916
【氏名又は名称】クロネス アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100115794
【弁理士】
【氏名又は名称】今下 勝博
(74)【代理人】
【識別番号】100119677
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 賢治
(74)【代理人】
【識別番号】100160495
【弁理士】
【氏名又は名称】畑 雅明
(74)【代理人】
【識別番号】100173716
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 真理
(72)【発明者】
【氏名】リエシュル、トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ゼルナー、ユルゲン
【テーマコード(参考)】
2G052
【Fターム(参考)】
2G052AA03
2G052AB16
2G052AC13
2G052AD02
2G052BA14
2G052CA02
2G052CA11
2G052DA13
2G052DA23
2G052EA03
2G052FC06
2G052FC11
(57)【要約】
【課題】容器処理設備および容器処理設備を監視するための方法。
【解決手段】本発明は、特に、容器を処理するための容器処理設備(10)に関する。試料採取室(22)内には、少なくとも1つの容器処理装置(12,14,16,18)および/または少なくとも1つの容器コンベヤ(20)が配置されている。試料採取弁(24)は、試料採取室(22)の内部に接続されているガス入口(30)と試料を採取するためのガス出口(32)とを有する。有利には、容器処理設備(10)は、試料採取室(22)の改善された監視を可能にすることができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器を処理するための容器処理設備(10)であって、
内部に少なくとも1つの容器処理装置(12,14,16,18)および/または少なくとも1つの容器コンベヤ(20)が配置されている試料採取室(22)と、
前記試料採取室(22)の内部に接続されているガス入口(30)とガス試料を採取するためのガス出口(32)とを有する試料採取弁(24)と、
を有する、容器処理設備(10)。
【請求項2】
前記試料採取室(22)は、外壁(26)を有し、前記試料採取弁(24)は、前記外壁(26)内にまたは前記外壁(26)上に配置されており、
前記試料採取弁(24)は、好ましくは前記外壁(26)における貫通孔(28)を閉鎖し、かつ/または前記試料採取弁(24)は、前記試料採取室(22)の外に配置されている、
請求項1に記載の容器処理設備(10)。
【請求項3】
クリーニング流体源(72)、好ましくは滅菌流体源または過熱蒸気源をさらに有し、
前記クリーニング流体源(72)は、好ましくはクリーニング弁(74)を介して、前記試料採取弁(24)の別のガス入口(34)に接続されているまたは接続可能である、
請求項1または2に記載の容器処理設備(10)。
【請求項4】
前記試料採取弁(24)は、
第1の弁位置で前記試料採取弁(24)の前記ガス入口(30)を前記試料採取弁(24)の前記ガス出口(32)に接続し、
第2の弁位置で前記試料採取弁(24)の前記別のガス入口(34)を前記試料採取弁(24)の前記ガス出口(32)に接続し、かつ前記試料採取弁(24)の前記ガス入口(30)を遮断する、
請求項3に記載の容器処理設備(10)。
【請求項5】
好ましくは持ち運び可能な試料容器(38)をさらに有し、
該試料容器(38)は、前記試料採取弁(24)の前記ガス出口(32)に接続されたまたは接続可能なガス入口(46)と、液体(F)を充填するための液体室(44)とを有する、
請求項1から4までのいずれか1項に記載の容器処理設備(10)。
【請求項6】
前記試料容器(38)は、クリーニング弁(58)を有し、
該クリーニング弁(58)は、
第1の弁位置で前記試料容器(38)の前記ガス入口(46)を、好ましくは前記液体室(44)を迂回して、前記試料容器(38)のクリーニング出口(62)に接続し、
第2の弁位置で前記試料容器(38)の前記ガス入口(46)から前記試料容器(38)の前記クリーニング出口(62)への接続を遮断する、
請求項1から5までのいずれか1項に記載の容器処理設備(10)。
【請求項7】
前記試料容器(38)は、充填弁(48)を有し、
該充填弁(48)は、
第1の弁位置で前記試料容器(38)の前記ガス入口(46)を、前記液体室(44)内に進入している充填管(52)に接続し、
第2の弁位置で前記試料容器(38)の前記ガス入口(46)から前記充填管(52)への接続を遮断する、
請求項1から6までのいずれか1項に記載の容器処理設備(10)。
【請求項8】
前記試料容器(38)は、安全弁(64)を有し、
該安全弁(64)は、好ましくは前記液体室(44)の上方における気相部のガス圧が、所定のガス圧値を上回った場合および/または下回った場合に、ガスの流出および/または流入のために自動的に開放するように構成されている、
請求項1から7までのいずれか1項に記載の容器処理設備(10)。
【請求項9】
前記試料容器(38)は、
ガスフィルタ(54)、好ましくは滅菌エアフィルタ、および/または弁を介して、前記液体室(44)に接続されているガス出口(56)を有する、
請求項1から8までのいずれか1項に記載の容器処理設備(10)。
【請求項10】
真空源(80)、好ましくは真空ポンプをさらに有し、
該真空源(80)は、ガスを吸い込むために前記試料容器(38)の前記ガス出口(56)に接続されているまたは接続可能である、
請求項9に記載の容器処理設備(10)。
【請求項11】
前記少なくとも1つの容器処理装置(12,14,16,18)は、
前記容器のためのプリフォームを加熱するための加熱装置、
前記容器を製造するための容器製造装置、好ましくは容器ブロー成形機、
前記容器のためのプリフォームを滅菌するための滅菌装置、
前記容器に充填するための充填装置、好ましくは充填機カルーセル、および/または
前記容器に栓をするためのキャッパー装置、好ましくはキャッパーカルーセル、
を有する、
請求項1から10までのいずれか1項に記載の容器処理設備(10)。
【請求項12】
前記試料採取室(22)は、クリーンルーム、滅菌室、または無菌室であり、
前記試料採取室(22)に正圧が加えられており、かつ/または
前記試料採取室(22)は、密閉されている、
請求項1から11までのいずれか1項に記載の容器処理設備(10)。
【請求項13】
好ましくは請求項1から12までのいずれか1項に記載の容器処理設備(10)を監視するための方法であって、当該方法は、
内部に少なくとも1つの容器処理装置(12,14,16,18)および/または少なくとも1つの容器コンベヤ(20)が配置されている試料採取室(22)から、試料採取弁(24)を用いて、ガス試料を採取するステップを有し、
前記試料採取弁(24)は、前記試料採取室(22)の内部に接続されているガス入口(30)と、前記ガス試料を採取するためのガス出口(32)とを有する、方法。
【請求項14】
前記ガス試料を採取するステップの前に、クリーニング流体、好ましくは過熱蒸気を用いて、前記試料採取弁(24)をクリーニングする、好ましくは滅菌するステップをさらに有する、
請求項13に記載の方法。
【請求項15】
好ましくは真空源(80)による吸い込みを用いて、好ましくは持ち運び可能な試料容器(38)の液体(F)、好ましくは滅菌水の液中に、採取された前記ガス試料を導くステップと、
採取された前記ガスが前記液中に導かれた前記液体(F)を、細菌および/または汚染物質に関して検査するステップと、をさらに有する、
請求項13または14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器処理設備および容器処理設備を監視するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
容器処理設備の充填装置では、容器に充填製品、例えば飲料を充填することができる。このとき、多くの飲料に対しては、飲料を無菌状態下で充填することが必要である。例えば無菌充填のための滅菌プロセスは、既に製造された容器を、滅菌のために設けられたクリーンルーム内で滅菌することから始めることができる。例えばまた、既にプリフォームからの容器の製造をクリーンルーム内で行うことも可能である。
【0003】
欧州特許第0794903号明細書には、飲料を滅菌包装するためのシステムおよび方法が記載されている。このシステムおよび方法では、飲料容器は、成形されたプリフォームからブロー成形によって形成され、次いで容器に滅菌飲料が充填され、最後に充填された容器には、滅菌されたクロージャキャップによって栓がされる。
【0004】
細菌等に関してクリーンルーム環境を検査するために、クリーンルームはアクセスフラップを有していてよい。クリーンルーム内における滅菌性を検査するために、製造を中断し、アクセスフラップを開放することができる。開放されたアクセスフラップを通して、空中浮遊菌捕集の形態で空気試料を採取し、次いで分析することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、容器処理設備を監視するための改善された技術を提供するという課題に基づく。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題は、独立請求項に記載の特徴によって解決される。有利な発展形態は、従属請求項および明細書に記載されている。
【0008】
1つの態様は、容器を処理するための(例えば、好ましくは飲料または液状食品である液状媒体用の容器を製造し、該容器をクリーニングし、該容器を検査し、該容器に充填し、該容器に栓をし、該容器にラベル貼りし、該容器に印刷し、かつ/または該容器を包装するための)容器処理設備に関する。容器処理設備は、内部に少なくとも1つの容器処理装置および/または少なくとも1つの容器コンベヤが配置されている試料採取室を有する。容器処理設備は、試料採取室の内部に(例えば直に隣接して)接続されているガス入口とガス試料(例えば空気試料)を採取するためのガス出口とを有する(例えば手動操作可能な)(少なくとも)1つの試料採取弁を有する。
【0009】
有利には、試料採取弁は、試料取出室内における環境を例えばアクセスフラップの開放によって変化させるまたは損なうことなしに、試料採取室からの試料採取を可能にすることができる。例えば、試料採取室は試料の採取時にも引き続き無菌状態を保つことができる。したがって、試料採取は、試料採取室の周囲に存在する周辺条件による影響を受けることなく実施することができる。好ましくは、試料採取弁を通しての試料採取は、容器処理設備の運転継続中に行うことができる。したがって、試料採取のために設備運転を中断することを阻止することができる。さらに試料採取弁は、迅速かつ確実な試料採取を可能にすることができる。
【0010】
1つの実施例では、試料採取室は、外壁を有する。試料採取弁は、外壁内にまたは外壁上に配置されており、試料採取弁は、好ましくは外壁における貫通孔を(例えば試料採取室の外から)閉鎖する。このように構成されていると、試料採取弁を容易に組み立てかつ配置することができる。試料採取弁は、好ましくは、試料採取室から試料を採取するためのディスペンスバルブとして形成されかつ配置されていてもよい。
【0011】
好ましくは、試料採取弁は、外壁の、貫通孔を取り囲むフランジ部に、単にフランジ接続されていてもよい。
【0012】
1つの別の実施例では、試料採取弁は、試料採取室の外に配置されている。有利には、この配置形態は、試料採取弁が、試料採取室内において、例えば試料採取弁の耐用寿命の短縮をもたらすおそれがある条件にさらされないようにすることができる。
【0013】
1つの別の実施例では、容器処理設備は、クリーニング流体源、好ましくは滅菌流体源または過熱蒸気源を有し、クリーニング流体源は、好ましくは(例えば手動操作可能な)クリーニング弁を介して、試料採取弁の別のガス入口に接続されているまたは接続可能である。このように構成されていると、有利には、試料採取弁のクリーニングを試料採取の前に実施することができ、これによって試料は、試料採取弁における細菌などによって汚染されることがなくなる。
【0014】
1つの別の実施例では、試料採取弁は、第1の弁位置で試料採取弁のガス入口を試料採取弁のガス出口に接続する。好ましくは、別のガス入口は、遮断されているか、または開放されていてもよい。
【0015】
1つの別の実施例では、試料採取弁は、第2の弁位置で試料採取弁の別のガス入口を試料採取弁のガス出口に接続し、かつ/または試料採取弁のガス入口を遮断する。
【0016】
1つの別の実施例では、容器処理設備は、好ましくは持ち運び可能な試料容器をさらに有し、この試料容器は、試料採取弁のガス入口に(例えば好ましくは迅速連結可能な(例えば工具なしに連結可能な)流体管路を用いて)接続されたまたは接続可能なガス入口と、液体を充填するための液体室とを有する。有利には、試料容器は、採取された試料が移送可能になること、つまり試料容器内における液体への分離によって移送可能になることを可能にする。すべての粒子または微生物を、液体内に移すことができる。次いで液体の性質または組成を、実験室で例えば微生物学的に検査することができる。
【0017】
もちろん、ここに開示された試料容器もまた、容器処理設備とは無関係に独立して開示される。
【0018】
1つの実施形態では、試料容器はクリーニング弁を有する。好ましくは、クリーニング弁は、第1の弁位置で試料容器のガス入口を、好ましくは液体室を迂回して、試料容器のクリーニング出口に接続し、かつ/または第2の弁位置で試料容器のガス入口から試料容器のクリーニング出口への接続を遮断することができる。有利にはこれによって、試料採取弁に接続された状態における試料容器をも、好ましくは試料採取弁のクリーニングと同じステップでクリーニング流体源からのクリーニング流体によって、少なくとも部分的にクリーニングすることができるということが可能になり得る。好ましくは、クリーニング流体は、まず試料採取弁を通り、次いで試料容器の1つの区分を通って流れることができる。
【0019】
1つの別の実施形態では、試料容器は充填弁を有する。好ましくは、充填弁は、第1の弁位置で試料容器のガス入口を、液体室内に進入している充填管(例えば浸漬管)に接続し、かつ/または第2の弁位置で試料容器のガス入口から充填管への接続を遮断することができる。有利には、充填弁によって、実質的に採取された試料だけが液体室内に達することを保証することができる。充填管は、有利には、採取されたガス試料を、液体表面への上昇の際に液体中にて洗浄するために役立つことができる。
【0020】
好ましくは、試料容器は、ガス入口の下流に流体室を有してもよい。流体室の、充填管に通じる第1の出口は、充填弁の弁部材によって開放および遮断されることができる。流体室の、クリーニング出口に通じる第2の出口は、クリーニング弁の弁部材によって開放および遮断されることができる。
【0021】
1つの別の実施形態では、試料容器は、安全弁を有する。好ましくは、安全弁は、好ましくは液体室の上方における気相部のガス圧が、所定のガス圧値を上回った場合および/または下回った場合に、ガスの流出および/または流入のために自動的に開放するように構成されていてもよい。このように構成されていると、好ましくは、(例えばフィルタが閉塞した場合または充填弁が試料採取中に閉止した場合のような)不適切な使用の場合における、試料容器の外側または内側への破裂を阻止することができる。
【0022】
1つの別の実施形態では、試料容器は、ガスフィルタ、好ましくは滅菌エアフィルタ、および/または弁を介して、液体室に接続されているガス出口を有する。有利には、弁(例えば逆止弁)またはガスフィルタによって、試料採取前、試料採取中、および/または試料採取後に、さらなる空気が試料容器内に侵入しないことおよび液体を汚染しないことを保証することができる。
【0023】
1つの別の実施形態では、容器処置設備は、真空源を、好ましくは真空ポンプをさらに有する。好ましくは、真空源は、ガスを吸い込むために試料容器のガス出口に接続されているまたは接続可能であってもよい。真空ポンプを用いて、試料採取室からの試料採取をサポートすることまたは可能にすることができる。真空源を試料容器の下流に配置することによって、さらに真空源による試料の汚染を阻止することができる。
【0024】
1つの変形形態では、少なくとも1つの容器処理装置は、容器のためのプリフォームを加熱するための加熱装置、容器を製造するための容器製造装置、好ましくは容器ブロー成形機(例えばストレッチブロー成形機)、例えば容器のためのプリフォームを滅菌するための滅菌装置、容器を充填するための充填装置、好ましくは充填機カルーセル、および/または容器に栓をするためのキャッパー装置、好ましくはキャッパーカルーセルを有する。
【0025】
1つの別の変形形態では、試料採取室は、クリーンルーム、滅菌室、または無菌室である。
【0026】
好ましくは、クリーンルームは、実質的に粒子(例えばあらゆる種類および大きさの粒子)をまったくまたは僅かしか含んでいないことが可能である。好ましくは、滅菌室は、実質的に微生物を含んでいないことが可能である。粒子の数が微生物の数に正比例していることがあり得るため、クリーンルームは、滅菌室であってもよく、逆に、滅菌室は、クリーンルームであってもよい。
【0027】
1つの別の変形形態では、試料採取室に正圧が加えられている。例えば試料採取室の内部は、運転中、試料採取室の上流、下流、および/または外における圧力よりも高い圧力を有していてもよい。このように構成されていると、好ましくは、上流、下流、および/または外で循環する雑菌および/または細菌が試料採取室内に侵入することができない。
【0028】
1つの別の変形形態では、試料採取室は、密閉されている。
【0029】
1つの別の態様は、好ましくは上に開示したような(例えば、好ましくは飲料または液状食品である液状媒体用の容器を製造し、該容器をクリーニングし、該容器を検査し、該容器に充填し、該容器に栓をし、該容器にラベル貼りし、該容器に印刷し、かつ/または該容器を包装するための)容器処理設備を監視するための方法に関する。この方法は、内部に少なくとも1つの容器処理装置および/または少なくとも1つの容器コンベヤ(例えば搬送用スターホイールおよび/またはリニアコンベヤ)が配置されている試料採取室から、試料採取弁を用いて、ガス試料(例えば空気試料)を採取するステップを有し、試料採取弁は、試料採取室の内部に(例えば直に隣接して)接続されているガス入口と、ガス試料を採取するためのガス出口とを有する。この方法は、既に容器処理設備に対して記載したのと同じ利点を得ることができる。
【0030】
1つの実施例では、方法は、ガス試料を採取するステップの前に、クリーニング流体、好ましくは過熱蒸気を用いて、試料採取弁をクリーニングする、好ましくは滅菌するステップをさらに有する。
【0031】
好ましくは、クリーニング流体を、好ましくは試料採取弁が閉止位置にある場合に、直接試料採取弁のクリーニング入口または別のガス入口内に導くことができる。
【0032】
好ましくは、クリーニング流体は、試料採取弁および試料採取弁の下流を通って試料容器の1つの区分(例えば充填弁を有している区分)に誘導されて、この区分、および試料採取弁と試料容器との間の接続管路をクリーニングすることができる。
【0033】
1つの別の実施例では、方法は、好ましくは真空源による吸い込みを用いて、好ましくは持ち運び可能な試料容器の液体、好ましくは滅菌水の液中に、採取されたガス試料を導くステップを有する。好ましくは、方法はさらに、採取されたガスがその液中に導かれた液体を、細菌および/または汚染物質に関して、好ましくは実験室で検査するステップを有してもよい。
【0034】
好ましくは、方法は、採取されたガス試料を液体内に導く前に、例えばオートクレーブで試料容器を滅菌するステップを有してもよい。
【0035】
好ましくは、方法は、例えば容器処理設備のブロー成形機(例えばストレッチブロー成形機)を用いて、プリフォームから容器を製造する、好ましくはブロー成形するステップを有してもよい。
【0036】
好ましくは、方法は、例えば容器処理設備の充填装置(例えば充填機カルーセル)を用いて、容器に、飲料または液状もしくはペースト状の食品を充填するステップを有してもよい。
【0037】
好ましくは、方法は、例えば容器処理設備のキャッパー装置(例えばキャッパーカルーセル)を用いて、容器に栓をするステップを有してもよい。
【0038】
本発明の、上に記載した実施形態および特徴は、互いに任意に組み合わせることが可能である。
【0039】
本発明のさらなる詳細および利点について、添付の図面を参照しながら以下に記載する。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【
図1】本開示の1つの実施例に係る容器処理設備を概略的に示す図である。
【
図4】試料採取弁と試料容器との接続を概略的に示す図である。
【
図5】
図4の接続を、クリーニングモードで示す図である。
【
図6】
図4の接続を、試料採取モードで示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
図面に示した実施形態は、少なくとも部分的に合致しているので、類似または同一の部分には等しい符号が付されており、また、類似または同一の部分についての説明については、繰返しを避けるために、他の実施形態または図面の説明が参照される。
【0042】
(例示的な実施形態の詳細な説明)
図1には、容器を処理するための容器処理設備10が示してある。容器処理設備10は、例えば容器を製造し、容器をクリーニングし、容器を検査し、容器に充填し、容器に栓をし、容器にラベル貼りし、容器に印刷し、容器をグループ分けし、かつ/または容器を包装することができる。容器は、例えばボトル、缶、キャニスター、カートン、フラコンなどとして構成されてもよい。容器は、好ましくは、液状媒体またはペースト状媒体を収容するために使用される。好ましくは、容器は飲料または食品を収容するために使用される。
【0043】
容器処理設備10は、少なくとも1つの容器処理装置12,14,16,18および/または少なくとも1つの容器コンベヤ20を有する。容器処理設備10は、試料採取室22および少なくとも1つの試料採取弁24をさらに有する。
【0044】
加熱装置として構成された容器処理装置12は、プリフォーム(容器ブランクまたはパリソン)を、所望の温度に加熱することができる。
【0045】
容器製造装置として構成された容器処理装置14は、プリフォームから容器を製造することができる。例えば容器製造装置は、プリフォームから容器をブロー成形するための容器ブロー成形機、好ましくはストレッチブロー成形機として構成されていてもよい。好ましくは、容器製造装置は、容器製造機カルーセルとして構成されている。容器製造装置は、複数の容器を同時に製造するための複数の製造ステーション、例えばブロー成形ステーションを有してもよい。これらの製造ステーションは、例えば、容器製造カルーセルとして構成された容器製造装置の周囲に配置されていてもよい。容器製造装置は、容器の流れ方向に関して、加熱装置の下流に配置されていてもよい。
【0046】
充填装置として構成された容器処理装置16は、容器に、好ましくは液状媒体またはペースト状媒体を充填することができる。充填装置は、好ましくは充填機カルーセルとして構成されている。充填装置は、複数の容器を同時に充填するために複数の充填弁を有してもよい。例えば充填弁は、充填機カルーセルとして構成された充填装置の周囲に配置されていてよい。充填装置は、容器の流れ方向に関して、容器製造装置の下流に配置されていてもよい。
【0047】
キャッパー装置として構成された容器処理装置18は、例えば蓋、コルク、王冠キャップ、またはスクリューキャップによって容器に栓をすることができる。キャッパー装置は、好ましくはキャッパーカルーセルとして構成されていてもよい。キャッパー装置は、複数の容器に同時に栓をするために、複数のキャッピングステーションを有してもよい。例えば、キャッピングステーションは、キャッパーカルーセルとして構成されたキャッパー装置の周囲に配置されていてよい。キャッパー装置は、容器の流れ方向に関して、充填装置の下流に配置されていてもよい。
【0048】
少なくとも1つの容器コンベヤ20は、容器を、容器処理設備を通って搬送することができる。少なくとも1つの容器コンベヤ20は、容器処理装置12,14,16および/または18を互いに接続することができる。少なくとも1つの容器コンベヤ20は、例えば少なくとも1つの搬送用スターホイールおよび/または少なくとも1つのリニアコンベヤを有してもよい。
【0049】
図1に示した実施例では、容器処理装置14,16,18および複数の容器コンベヤ20が試料採取室22内に配置されている。代替的なかつ/または追加的な容器処理装置が試料採取室22内に配置されていることが可能である。例えば、加熱装置として構成された容器処理装置12が、試料採取室22内に追加的に配置されていてもよい。また例えば、容器を製造する前にプリフォームを滅菌するための滅菌装置が容器処理装置12と容器処理装置14との間に配置されていることが可能である。
【0050】
好ましくは、試料採取室22は、クリーンルームもしくはアイソレータ、滅菌室、または無菌室である。試料採取室22には、正圧が加えられていてもよい。好ましくは、試料採取室22は、密閉されている。
【0051】
少なくとも1つの試料採取弁24は、試料採取室22の外壁26内にまたは外壁26上に配置されていてもよい。例えば試料採取弁24は、容器製造装置として構成された容器処理装置14の領域における外壁26上に配置されていてもよい。代替的にまたは追加的に、1つまたは複数の試料採取弁24が、充填装置として構成された容器処理装置16の領域における外壁26上に配置されていてもよい。代替的にまたは追加的に、試料採取弁24は、キャッパー装置として構成された容器処理装置18の領域における外壁上に配置されていてもよい。
【0052】
少なくとも1つの試料採取弁24は、試料採取室22を汚染させることなく、試料(ガス試料、空気試料)を試料採取室22から採取するために形成されていてもよい。正常に使用した場合、ガスは、外部から試料採取弁24を通って試料採取室22内に侵入することができない。試料採取は、例えば容器処理設備10の運転継続中に実施することができる。
【0053】
【0054】
試料採取弁24は、好ましくは試料採取室22の外部からアクセス可能である。試料採取弁24は、試料採取室22の外壁26内にまたは外壁26上に配置されていてもよい。例えば外壁26は、貫通孔28を有してもよい。貫通孔28内にまたは貫通孔28の箇所に、試料採取弁24は、配置されていてもよい。試料採取弁24は、貫通孔28を塞ぐことまたは覆うことができる。試料採取弁24は、好ましくは手動で操作される。
【0055】
試料採取弁24は、ガス入口30とガス出口32とを有する。試料採取弁24は、別のガス入口34と可動の弁部材36とを有してもよい。
【0056】
ガス入口30は、試料採取室22の内部に隣接していてよい。ガス出口32からは、試料採取弁24が開放している場合に、ガスを排出させること、例えばガスを試料採取室22から排出させることができる。
【0057】
別のガス入口34は、例えばクリーニング流体源(
図2には図示せず)を接続するために使用することができる。クリーニング流体源は、試料採取弁24をクリーニングするために、かつ場合によってはガス出口32の下流のコンポーネントをクリーニングするために、クリーニング流体を試料採取弁24に供給することができる。
【0058】
試料採取弁24の第1の弁位置すなわち開放位置で、ガス入口30とガス出口32とは、互いに接続されてもよい。弁部材36は、ガス入口30を開放する。ガスは、試料採取室22の内部からガス入口30を通ってガス出口32に流れることができる。図示の実施例では別のガス入口34とガス出口32とは同様に第1の弁位置で互いに接続される。他の実施例では、別のガス入口34は、第1の弁位置で(例えば試料採取弁の弁部材によって)遮断されることが可能である。
【0059】
試料採取弁24の第2の弁位置すなわち閉止位置では、ガス入口30は、遮断され、別のガス入口34とガス出口32とは、互いに接続されてもよい。弁部材36は、ガス入口30を遮断する。別のガス入口34からの流体(例えばクリーニング流体)が、弁部材36の周りを流れてガス出口32に流れることができる。
【0060】
例えば、試料採取弁24は、流体室を有してもよく、この流体室は、ガス入口30を有し、弁部材36は、このガス入口30内で可動である。流体室には、端部にガス出口32が配置されている第1の通路が接続されていてもよい。流体室には、端部に別のガス入口34が配置されている第2の通路が接続されていてもよい。第1の通路と第2の通路とは、互いに相対的に、例えばV字形に流体室に向かって延びていてもよい。第1の通路と第2の通路とは、好ましくは流体室の互いに向かい合っている側に配置されていてもよい。
【0061】
【0062】
試料容器38は、試料採取室22からガス試料を採取するために試料採取弁24に接続されていてもよい。
【0063】
例えば試料容器38は、容器本体40と弁装置42とを有してもよい。試料容器38は、好ましくは持ち運び可能であり、例えば容器本体40または弁装置42に配置された持ち運び用のグリップを備える。
【0064】
容器本体40は、液体室44を有する。液体室44には、例えば滅菌水である液体が充填されていてもよい。液体室44は、例えば≦10L、≦5L、≦3L、または≦2Lの容積を有してもよい。容器本体40は、液体室44における所望の液体充填レベルを示すことができるマーキングを有してもよい。容器本体40は、好ましくは透明である。
【0065】
弁装置42は、容器本体40の上に配置されていてもよい。弁装置42は、容器本体40の開口に、例えば容器本体40の容器頸部に配置されていてもよい。弁装置42と容器本体40とは、例えば容器本体40の、好ましくは容器本体40の容器頸部の弁装置42内へのねじ込みによって、互いに着脱自在に結合されていてもよい。
【0066】
例えば弁装置42は、ガス入口46と、可動の弁部材50を備えた充填弁48と、充填管52と、ガスフィルタ54と、ガス出口56とを有してもよい。
【0067】
ガスは、ガス入口46を通って、弁装置42内に流入することができる。
【0068】
充填弁48は、好ましくは手動で操作される。充填弁48は、ガス入口46と充填管52との間の接続を開放することまたは切り離すことができる。
【0069】
第1の弁位置すなわち開放位置で、充填弁48は、ガス入口46と充填管52とを互いに接続することができる。例えば弁部材50は、弁部材50が位置する充填管52の入口または流体室の出口を、充填管52を通って充填管52に流れるように開放することができる。
【0070】
第2の弁位置すなわち閉止位置で、充填弁48は、ガス入口46と充填管52とを互いに切り離すことができる。例えば弁部材50は、弁部材50が位置する充填管52の入口または流体室の出口を、充填管52に対して遮断することができる。
【0071】
充填管52は、容器本体40の液体室44内に進入していてもよい。試料採取運転中に、充填管52の出口は、液体室44内における液体の液面の下方に位置してもよい。好ましくは、充填管52の出口は、容器本体40の、液体室44における所望の液体充填レベルを示すマーキングの下方に配置されていてもよい。
【0072】
ガス出口56は、容器本体40に接続されていてもよい。接続部には、ガスフィルタ54が、好ましくは滅菌エアフィルタが配置されていてもよい。例えばガスは、容器本体40から、容器本体40の容器頸部における、充填管52を取り囲む環状室を介して、ガス出口56に流れることができる。ガスフィルタ54の代わりにまたはガスフィルタ54に加えて、例えば、ガス出口56を第1の弁位置すなわち開放位置で開放しかつ第2の弁位置すなわち閉止位置で遮断する弁が設けられていてもよい。
【0073】
好ましくは、充填弁48には、ガス入口46と充填管52との間の接続を切り離すために、つまりは閉止位置に向かって予荷重が加えられている。
【0074】
好ましくは、ガス入口46からガス出口56への流路は、上記の順番で、下記のコンポーネント、すなわちガス入口46-充填弁48-充填管52-液体室44-ガスフィルタ54および/または弁-ガス出口56を有してもよい。
【0075】
追加的に弁装置42は、可動の弁部材60を備えたクリーニング弁58と、クリーニング出口すなわち別のガス出口62とを有してもよい。
【0076】
クリーニング弁58は、好ましくは手動で操作される。クリーニング弁58は、充填弁48の弁部材50が位置する流体室と、別のガス出口62との間の接続を開放することまたは切り離すことができる。
【0077】
第1の弁位置すなわち開放位置で、クリーニング弁58は、充填弁48の弁部材50が位置する流体室と、別のガス出口62とを互いに接続することができる。例えば弁部材60は、弁部材60が位置する流体室の入口を、または充填弁48の弁部材50が位置する弁室の(別の)出口を、別のガス出口62に向かって流れていくようにガス出口62に対して開放することができる。
【0078】
第2の弁位置すなわち閉止位置では、クリーニング弁58は、弁部材50が位置する流体室と、別のガス出口62とを互いに切り離すことができる。例えば弁部材60は、弁部材60が位置する流体室の入口を、または充填弁48の弁部材50が位置する弁室の(別の)出口を、ガス出口62に対して遮断することができる。
【0079】
好ましくは、クリーニング弁58には、充填弁48の弁部材50が位置する流体室と、別のガス出口62との間の接続を切り離すために、つまりは閉止位置に向かって予荷重が加えられている。
【0080】
好ましくは、ガス入口46からガス出口62への流路は、上記の順番で、下記のコンポーネント、すなわちガス入口46-充填弁48-クリーニング弁58-ガス出口62を有してもよい。
【0081】
追加的に弁装置42は、可動の弁部材66を備えた安全弁64と、安全出口すなわち別のガス出口68とを有してもよい。
【0082】
安全弁64は、好ましくは、安全弁64の上流における圧力が所定の圧力を上回った場合に、ガスを試料容器38の周囲に排出するために自動的に開放するように構成されている。安全弁64は、容器本体40と別のガス出口68との間の接続を開放するまたは切り離すことができる(=正圧安全弁)。代替的に、安全弁64の上流におけるガス圧が所定のガス圧値を下回った場合に、例えば、液体室44における負圧が、試料容器38に接続された真空ポンプによって過度に小さくなり、例えば容器本体40が内側に破裂するおそれがある場合に、安全弁64を開放することが可能である(=負圧安全弁)。別の択一的な形態では、弁装置42は、正圧安全弁と負圧安全弁とを備えた安全弁装置を有していてよい。
【0083】
第1の弁位置すなわち開放位置で、安全弁64は、容器本体40の液体室44と別のガス出口68とを互いに接続することができる。例えば弁部材66は、弁部材66が位置する流体室の入口を、別のガス出口68に向かって流れていくように開放することができる。
【0084】
第2の弁位置すなわち閉止位置で、安全弁64は、容器本体40の液体室44と別のガス出口68とを互いに切り離すことができる。例えば弁部材66は、弁部材66が位置する流体室の入口、または弁部材66が位置する弁室の出口を、別のガス出口68に対して遮断することができる。
【0085】
好ましくは、安全弁64には、容器本体40と別のガス出口68との間の接続を切り離すために、つまりは閉止位置に向かって予荷重が加えられている。
【0086】
好ましくは、ガス入口46からガス出口68への流路は、上記の順番で、下記のコンポーネント、すなわちガス入口46-充填弁48-充填管52-安全弁64-ガス出口68を有してもよい。
【0087】
図4には、どのように試料容器38を試料採取弁24に接続することができるかが示してある。
【0088】
接続管路70が、試料採取弁24のガス出口32を試料容器38のガス入口46に接続することができる。接続管路70は、フレキシブルまたは可撓性であってもよい。接続管路70は、工具なしにかつ/または迅速流体継手を用いて、試料採取弁24のガス出口32にかつ/または試料容器38のガス入口46に接続されていてもよい。
【0089】
クリーニング流体源72(
図4に単に概略的に図示)が、試料採取弁24のガス入口34に接続されていることが可能である。クリーニング流体源72は、クリーニングのための、特に滅菌のためのクリーニング流体を提供することができる。例えば、クリーニング流体源72は、過熱蒸気源であってもよい。例えば、クリーニング流体源72に、容器処理設備10の滅菌器からクリーニング流体を供給することが可能である。
【0090】
追加的に(別の)クリーニング弁74(
図4に単に概略的に図示)が、クリーニング流体源72とガス入口34との間の接続部に配置されていてもよい。このクリーニング弁74は、閉止位置でクリーニング流体源72とガス入口34との間の接続を切り離すまたは遮断することができる。クリーニング弁74は、開放位置でクリーニング流体源72とガス入口34との間の接続を開放することができる。好ましくは、クリーニング弁74は手動で操作可能である。好ましくは、クリーニング弁74は、過熱蒸気弁として形成されていてもよい。
【0091】
接続管路76が、クリーニング弁74をガス入口34に接続することができる。接続管路76は、例えばフレキシブルまたは可撓性であってよい。接続管路76は、工具なしにかつ/または迅速流体継手を用いて、試料採取弁24のガス入口34および/またはクリーニング弁74に接続されていてもよい。
【0092】
接続管路78が、クリーニング流体源72をクリーニング弁74に接続することができる。接続管路78は、例えばフレキシブルまたは可撓性であってよい。接続管路78は、工具なしにかつ/または迅速流体継手を用いて、クリーニング弁74および/またはクリーニング流体源72に接続されていてもよい。
【0093】
真空源80(
図4に単に概略的に図示)が、試料容器38のガス出口56に接続されることが可能である。真空源80は、ガスまたは空気をガス出口56から、ひいては容器本体40から吸い込むことができる。例えば、真空源80は真空ポンプとして形成されていてもよい。
【0094】
接続管路82が、試料容器38のガス出口56を真空源80に接続することができる。接続管路82は、例えばフレキシブルまたは可撓性であってよい。接続管路82は、工具なしにかつ/または迅速流体継手を用いて、試料容器38のガス出口56および/または真空源80に接続されていてもよい。
【0095】
次に
図1~
図6を参照しながら、例示的な、容器処理設備10を監視するための方法について説明する。
【0096】
まず、試料容器38をクリーニングすること、好ましくは滅菌することができる。容器処理設備10に対する衛生面での要求が極めて高い場合には、例えば、試料採取室22がクリーンルーム、滅菌室、または無菌室として構成されている場合には、例えば追加的なクリーニングを実施することができる。
【0097】
例えば試料容器38は、オートクレーブ内で滅菌することができる。クリーニングの際に、好ましくは、弁48,58は、開放位置にある。ガス入口46、ガス出口56、およびガス出口62は、好ましくは開放する。試料容器38には、既に液体、好ましくは滅菌水が充填されていてもよい。クリーニングの後で弁48,58は、閉止することができる。
【0098】
試料容器38は、追加的なクリーニングの後で試料採取弁24に接続することができる。好ましくは、接続管路70は、試料容器38のガス入口46および/または試料採取弁24のガス出口32に接続することができる。試料採取弁24は、好ましくは閉止位置にある。
【0099】
追加的に真空源80を試料容器38に接続することができる。好ましくは、接続管路82は、試料容器38のガス出口56および/または真空源80に接続することができる。
【0100】
図4には、このようにして得られた基本位置が示してある。弁24,48,58,64は、閉止している。液体室44には、液体F、好ましくは滅菌水が充填されている。
【0101】
図5には、追加的なクリーニングステップが示してある。追加的なクリーニングステップは、例えば、容器処理設備10に対する衛生面での要求が極めて高い場合に、例えば試料採取室22がクリーンルーム、滅菌室、または無菌室として構成されている場合に実施することができる。
【0102】
まず、試料容器38のクリーニング弁58を開放することができる。同時にまたはそれに続いて、容器処理設備10の(別の)クリーニング弁74を開放することができる。
【0103】
クリーニング流体源72からのクリーニング流体、好ましくは過熱蒸気は、試料採取弁24を通って流れることができる。試料採取弁24は、引き続き閉止してもよい。クリーニング流体は、ガス入口34からガス出口32に流れることができる。クリーニング流体は、好ましくは閉止している弁部材36の周りをフラッシングすることができる。クリーニング流体は、試料採取弁24をクリーニングする、好ましくは滅菌することができる。好ましくは、クリーニング流体はガス入口34、弁部材36、およびガス出口32をクリーニングする、好ましくは滅菌することができる。
【0104】
クリーニング流体は、接続管路70を通って流れてクリーニングする、好ましくは滅菌することができる。
【0105】
クリーニング流体は、試料容器38のガス入口46を通って流入し、弁部材50および弁部材60の周りをフラッシングし、ガス出口62から流出することができる。クリーニング流体は、ガス入口46、弁部材50、弁部材50の流体室、弁部材60、および弁部材60の流体室をクリーニングすること、好ましくは滅菌することができる。
【0106】
次いでクリーニング弁74を閉止することができ、例えば同時にまたは次いでクリーニング弁58を閉止することができる。
【0107】
図6には、試料採取ステップが示してある。ガス試料は、試料採取室22から試料採取弁24を用いて採取される。
【0108】
試料容器38の充填弁48は、開放することができる。同様に試料採取弁24も開放することができる。真空源80(設けられているならば)は、試料容器38のガス出口56からガスを吸い込むことができる。これによって最終的に真空源80は、試料採取室22から試料容器38内へのガスの流入をサポートすることができる。
【0109】
試料採取室22からのガスは、試料採取弁24を通って流れることができ、ガス出口32のところで試料採取弁24から離れることができる。採取されたガスは、接続管路70を通って流れることができる。採取されたガスは、試料容器38のガス入口46に流入することができる。ガスは、開放した充填弁48を通って充填管52内に流入することができる。ガスは、充填管52から液体室44内に流入することができる。ガスは、液体室44内における液体Fを通って流れることができる。ガス中に含まれた細菌および/または汚染物質を、このとき少なくとも部分的に液体F内に移す、または液体Fによってガスから洗い落とすことができる。ガスは、ガス出口56を通って試料容器から流出し、真空源80(設けられているならば)に向かう。
【0110】
所定の時間の経過後に、弁24,48を再び閉止することができ、真空源80(設けられているならば)をスイッチオフすることができる。試料容器38は、接続管路70および接続管路82(設けられているならば)から切り離すことができる。ガスフィルタ54または相応に配置された弁は、ガスがガス出口を通って液体室44に流れることができないという理由によって、液体Fの不要な汚染を阻止することができる。試料容器38は、液体中における細菌および/または汚染物質に関して検査するために実験室に持ち込むことができる。検査結果は、ガス試料中の、ひいては試料採取室22の内部における細菌および/または汚染物質について結論を出すことができる。
【0111】
試料容器38の使用なしに容器処理設備10を監視することが可能である。例えば接続管路が試料採取弁24から分析器(図示せず)に延びていてもよい。分析器は、連続的にまたは設定可能な時間間隔を置いて、細菌および/または汚染物質に関して、試料採取弁24から試料を検査することができる。分析器は、試料を分析するための如何なる適切な技術をも使用することができる。
【0112】
本発明は、上に記載した好適な実施例に制限されるものではない。むしろ、多数のバリエーションおよび変形形態が可能であり、これらのバリエーションおよび変形形態も同様に本発明の思想を利用しているので、本発明の保護範囲に含まれる。特に本発明は、参照される請求項とは無関係に独立して、従属請求項の対象および特徴に対する保護も主張する。特に、独立請求項1の個々の特徴は、それぞれ互いに無関係に独立して開示されている。さらに、従属請求項の特徴は、独立請求項1のすべての特徴とは無関係に独立して、例えば独立請求項1の試料採取室および/または試料採取弁の存在および/または構成に関する特徴とは無関係に独立して開示されている。
【符号の説明】
【0113】
10 容器処理設備
12 容器処理装置
14 容器処理装置
16 容器処理装置
18 容器処理装置
20 容器コンベヤ
22 試料採取室
24 試料採取弁
26 外壁
28 貫通孔
30 ガス入口
32 ガス出口
34 ガス入口
36 弁部材
38 試料容器
40 容器本体
42 弁装置
44 液体室
46 ガス入口
48 充填弁
50 弁部材
52 充填管
54 ガスフィルタ
56 ガス出口
58 クリーニング弁
60 弁部材
62 ガス出口
64 安全弁
66 弁部材
68 ガス出口
70 接続管路
72 クリーニング流体源
74 (別の)クリーニング弁
76 接続管路
78 接続管路
80 真空源
82 接続管路
F 液体
【手続補正書】
【提出日】2022-11-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器を処理するための容器処理設備(10)であって、
内部に少なくとも1つの容器処理装置(12,14,16,18)および/または少なくとも1つの容器コンベヤ(20)が配置されている試料採取室(22)と、
前記試料採取室(22)の内部に接続されているガス入口(30)とガス試料を採取するためのガス出口(32)とを有する試料採取弁(24)と、
を有する、容器処理設備(10)。
【請求項2】
前記試料採取室(22)は、外壁(26)を有し、前記試料採取弁(24)は、前記外壁(26)内にまたは前記外壁(26)上に配置されており、
前記試料採取弁(24)は、前記外壁(26)における貫通孔(28)を閉鎖し、かつ/または前記試料採取弁(24)は、前記試料採取室(22)の外に配置されている、
請求項1に記載の容器処理設備(10)。
【請求項3】
クリーニング流体源(72)をさらに有し、
前記クリーニング流体源(72)は、前記試料採取弁(24)の別のガス入口(34)に接続されているまたは接続可能である、
請求項1または2に記載の容器処理設備(10)。
【請求項4】
前記クリーニング流体源(72)は、滅菌流体源または過熱蒸気源である、
請求項3に記載の容器処理設備(10)。
【請求項5】
前記クリーニング流体源(72)と、前記別のガス入口(34)との間に挟まれているクリーニング弁(74)をさらに有する、
請求項3に記載の容器処理設備(10)。
【請求項6】
前記試料採取弁(24)は、
第1の弁位置で前記試料採取弁(24)の前記ガス入口(30)を前記試料採取弁(24)の前記ガス出口(32)に接続し、
第2の弁位置で前記試料採取弁(24)の前記別のガス入口(34)を前記試料採取弁(24)の前記ガス出口(32)に接続し、かつ前記試料採取弁(24)の前記ガス入口(30)を遮断する、
請求項3に記載の容器処理設備(10)。
【請求項7】
試料容器(38)をさらに有し、
該試料容器(38)は、前記試料採取弁(24)の前記ガス出口(32)に接続されたまたは接続可能なガス入口(46)と、液体(F)を充填するための液体室(44)とを有する、
請求項1または2に記載の容器処理設備(10)。
【請求項8】
前記試料容器(38)は、持ち運び可能である、
請求項7に記載の容器処理設備(10)。
【請求項9】
前記試料容器(38)は、クリーニング弁(58)を有し、
該クリーニング弁(58)は、
第1の弁位置で前記試料容器(38)の前記ガス入口(46)を前記試料容器(38)のクリーニング出口(62)に接続し、
第2の弁位置で前記試料容器(38)の前記ガス入口(46)から前記試料容器(38)の前記クリーニング出口(62)への接続を遮断する、
請求項7に記載の容器処理設備(10)。
【請求項10】
前記第1の弁位置で、前記ガス入口(46)は、前記液体室(44)を迂回して、前記クリーニング出口(62)に接続される、
請求項9に記載の容器処理設備(10)。
【請求項11】
前記試料容器(38)は、充填弁(48)を有し、
該充填弁(48)は、
第1の弁位置で前記試料容器(38)の前記ガス入口(46)を、前記液体室(44)内に進入している充填管(52)に接続し、
第2の弁位置で前記試料容器(38)の前記ガス入口(46)から前記充填管(52)への接続を遮断する、
請求項7に記載の容器処理設備(10)。
【請求項12】
前記試料容器(38)は、安全弁(64)を有し、
該安全弁(64)は、ガス圧が、所定のガス圧値を上回った場合および/または下回った場合に、ガスの流出および/または流入のために自動的に開放するように構成されている、
請求項7に記載の容器処理設備(10)。
【請求項13】
前記ガス圧は、前記液体室(44)の上方における気相部のガス圧である、
請求項12に記載の容器処理設備(10)。
【請求項14】
前記試料容器(38)は、
ガスフィルタ(54)および/または弁を介して、前記液体室(44)に接続されているガス出口(56)を有する、
請求項7に記載の容器処理設備(10)。
【請求項15】
前記ガスフィルタ(54)は、滅菌エアフィルタである、
請求項14に記載の容器処理設備(10)。
【請求項16】
真空源(80)をさらに有し、
該真空源(80)は、ガスを吸い込むために前記試料容器(38)の前記ガス出口(56)に接続されているまたは接続可能である、
請求項14に記載の容器処理設備(10)。
【請求項17】
前記真空源(80)は、真空ポンプである、
請求項16に記載の容器処理設備(10)。
【請求項18】
前記少なくとも1つの容器処理装置(12,14,16,18)は、
前記容器のためのプリフォームを加熱するための加熱装置、
前記容器を製造するための容器製造装置、
前記容器のためのプリフォームを滅菌するための滅菌装置、
前記容器に充填するための充填装置、および/または
前記容器に栓をするためのキャッパー装置、
を有する、
請求項1または2に記載の容器処理設備(10)。
【請求項19】
前記容器製造装置は、容器ブロー成形機であり、
前記充填装置は、充填機カルーセルであり、かつ/または
前記キャッパー装置は、キャッパーカルーセルである、
請求項18に記載の容器処理設備(10)。
【請求項20】
前記試料採取室(22)は、クリーンルーム、滅菌室、または無菌室であり、
前記試料採取室(22)に正圧が加えられており、かつ/または
前記試料採取室(22)は、密閉されている、
請求項1または2に記載の容器処理設備(10)。
【請求項21】
容器処理設備(10)を監視するための方法であって、当該方法は、
内部に少なくとも1つの容器処理装置(12,14,16,18)および/または少なくとも1つの容器コンベヤ(20)が配置されている試料採取室(22)から、試料採取弁(24)を用いて、ガス試料を採取するステップを有し、
前記試料採取弁(24)は、前記試料採取室(22)の内部に接続されているガス入口(30)と、前記ガス試料を採取するためのガス出口(32)とを有する、方法。
【請求項22】
前記容器処理設備(10)は、請求項1の記載に従って構成される、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記ガス試料を採取するステップの前に、クリーニング流体を用いて、前記試料採取弁(24)をクリーニングするステップをさらに有する、
請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記クリーニング流体は、過熱蒸気である、
請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記試料採取弁(24)をクリーニングするステップは、前記試料採取弁(24)を滅菌するステップである、
請求項23に記載の方法。
【請求項26】
試料容器(38)の液体(F)の液中に、採取された前記ガス試料を導くステップと、
採取された前記ガス試料が前記液中に導かれた前記液体(F)を、細菌および/または汚染物質に関して検査するステップと、をさらに有する、
請求項21または22に記載の方法。
【請求項27】
前記ガス試料は、真空源(80)による吸い込みを用いて前記液中に導かれる、
請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記試料容器(38)は、持ち運び可能である、
請求項26に記載の方法。
【請求項29】
前記液体(F)は、滅菌水である、
請求項26に記載の方法。
【外国語明細書】