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特開2023-9011精密な位置決めが可能である位置決め装置と連動した、無人輸送車両を用いたアセンブリ部品供給装置の自動的な交換
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023009011
(43)【公開日】2023-01-19
(54)【発明の名称】精密な位置決めが可能である位置決め装置と連動した、無人輸送車両を用いたアセンブリ部品供給装置の自動的な交換
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/02 20060101AFI20230112BHJP
   H05K 13/00 20060101ALI20230112BHJP
   B65G 1/00 20060101ALI20230112BHJP
【FI】
H05K13/02 Z
H05K13/00 Z
B65G1/00 501C
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022107784
(22)【出願日】2022-07-04
(31)【優先権主張番号】10 2021 117 281.0
(32)【優先日】2021-07-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】514076766
【氏名又は名称】エーエスエム・アセンブリー・システムズ・ゲーエムベーハー・ウント・コ・カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ヨハネス・ユスティンガー
(72)【発明者】
【氏名】ヴィンツェント・プファイファー
【テーマコード(参考)】
3F022
5E353
【Fターム(参考)】
3F022AA08
3F022CC03
3F022HH05
3F022LL07
3F022MM05
3F022MM11
3F022NN12
3F022PP06
3F022QQ11
3F022QQ17
5E353CC25
5E353EE32
5E353HH25
5E353NN18
5E353QQ21
5E353QQ23
(57)【要約】
【課題】所定の供給された面内で、プリント基板への電子アセンブリ部品の高い実装成果を可能にする装置及び方法を提供する。
【解決手段】記載されているのは、実装機械においてアセンブリ部品供給装置を交換するための装置である。記載された装置は、(a)シャーシと荷重支持手段とを有する無人輸送車両であって、シャーシが、荷重支持手段を、実装機械に対して、第1の空間精度で位置決めするように構成されている、無人輸送車両と、(b)荷重支持手段に取り付けられた位置決め装置と、(c)少なくとも1つのアセンブリ部品供給装置を一時的に受容するための受容装置であって、位置決め装置が、受容装置を実装機械に対して、第2の空間精度で位置決めするように構成されており、第2の空間精度は、第1の空間精度よりも大きい、受容装置と、を有している。さらに、実装機械で当該装置を用いてアセンブリ部品供給装置を交換するための方法が記載されている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
実装機械(380)においてアセンブリ部品供給装置(190)を交換するための装置(100)であって、
シャーシ(112)と荷重支持手段(114)とを有する無人輸送車両(110)であって、前記シャーシ(112)が、前記荷重支持手段(114)を、前記実装機械(380)に対して、第1の空間精度で位置決めするように構成されている、無人輸送車両(110)と、
前記荷重支持手段(114)に取り付けられた位置決め装置(130)と、
少なくとも1つの前記アセンブリ部品供給装置(190)を一時的に受容するための受容装置(140)であって、前記位置決め装置(130)が、前記受容装置(140)を前記実装機械(380)に対して、第2の空間精度で位置決めするように構成されており、前記第2の空間精度は、前記第1の空間精度よりも大きい、受容装置(140)と、を有している、装置(100)。
【請求項2】
前記実装機械上の目標位置に対する前記受容装置の現在の位置を検出するための位置センサ(142)をさらに有している、請求項1に記載の装置(100)。
【請求項3】
前記実装機械(380)におけるアセンブリ部品供給装置(190)の所定の位置に割り当てられた識別マークを検出し評価するように構成された識別センサ(144)をさらに有している、請求項1又は2に記載の装置(100)。
【請求項4】
前記無人輸送車両(110)が、前記位置決め装置(330)と組み合わされて、前記受容装置(140)を3つの並進自由度に沿って位置決めするように構成されている、請求項1から3のいずれか一項に記載の装置(100)。
【請求項5】
前記無人輸送車両(110)が、前記位置決め装置(330)と組み合わされて、前記受容装置(140)を少なくとも1つの回転自由度に沿って位置決めするように構成されている、請求項1から4のいずれか一項に記載の装置(100)。
【請求項6】
前記位置決め装置がヘキサポッド(330)を有している、請求項1から5のいずれか一項に記載の装置(100)。
【請求項7】
前記無人輸送車両(110)の制御のための第1の制御ユニット(116)と、
前記位置決め装置(130)の制御のための第2の制御ユニット(146)と、
をさらに有している、請求項1から6のいずれか一項に記載の装置(100)。
【請求項8】
前記受容装置(140)上に取り付けられた、又は、構成された操作装置(150)をさらに有しており、
前記操作装置は、(i)第1のアセンブリ部品供給装置(190、391)を、前記実装機械(380)の受容スロット(388)から前記受容装置(140、340)に輸送するように、及び、(ii)第2のアセンブリ部品供給装置(190、392)を、前記受容装置(140、340)から前記実装機械(380)の前記受容スロット(388)に輸送するように、構成されている、請求項1から7のいずれか一項に記載の装置(100)。
【請求項9】
前記操作装置が、グリップユニットを有している、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記操作装置(150)が、押込/引張装置(152、352)と、前記第1のアセンブリ部品供給装置(190、391)又は前記第2のアセンブリ部品供給装置(190、392)を、前記押込/引張装置(152、352)に解除可能に固定するように構成された連結機構(154)と、を有している、請求項8に記載の装置(100)。
【請求項11】
第1に前記無人輸送車両(110)に配設されたエネルギー貯蔵装置(118)をさらに有しており、前記エネルギー貯蔵装置(118)は、第2に前記位置決め装置(130)の作動に関しても設けられている、請求項1から10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
前記位置決め装置(130)を前記荷重支持手段(114)に解除可能に取り付けるためのインターフェース(260)をさらに有している、請求項1から11のいずれか一項に記載の装置(200)。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか一項に記載の装置(300)を用いて、実装機械(380)上でアセンブリ部品供給装置(391)を交換するための方法であって、
作業ステーションの第2のアセンブリ部品供給装置(392)を取り上げるステップと、
前記第2のアセンブリ部品供給装置(392)を受容装置(340)内に配置するステップと、
無人輸送車両(310)を前記作業ステーションから、第1のアセンブリ部品供給装置(391)が存在する空間領域内の前記実装機械(380)へ、第1の空間精度で移動させるステップと、
前記受容装置(340)を前記空間領域内の所定の位置に、第2の精度で位置決めするステップと、
前記第1のアセンブリ部品供給装置(391)を、前記実装機械(380)の受容スロット(388)から前記受容装置(340)に移すステップと、
前記第2のアセンブリ部品供給装置(392)を、前記受容装置(340)から前記実装機械(380)の前記受容スロット(388)に移すステップと、を有している、方法。
【請求項14】
前記無人輸送車両(310)を前記空間領域から前記作業ステーションに移動させるステップと、
前記第1のアセンブリ部品供給装置(391)を、前記受容装置(340)から前記作業ステーションに引き渡すステップと、
をさらに有している、請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子アセンブリ製造の技術分野全般に関するものであり、アセンブリ部品担体には、電子アセンブリ部品が実装される。本発明は特に、実装機械への電子アセンブリ部品の供給に関するものであり、当該実装機械は、連続的な動作で多数の電子アセンブリ部品を処理しなければならない。特に、本発明は、第1のアセンブリ部品供給装置を第2のアセンブリ部品供給装置と、実装機械において直接、自動的に交換するための装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
プリント基板への電子アセンブリ部品、特に表面実装型デバイス(SMD)のアセンブリ部品の実装は、一般的に、いわゆる「ピック&プレース」の原則に従う実装機械を用いて行われる。この際、アセンブリ部品供給装置を用いて供給されたアセンブリ部品は、実装機械の実装ヘッドによって受容され、実装されるべきアセンブリ部品担体、例えばプリント基板、が存在する実装領域まで輸送され、次に、アセンブリ部品担体上の所定のアセンブリ部品取り付け位置に配置される。
【0003】
高い実装成果を保証するために、すなわち所定の時間的間隔内で多数のアセンブリ部品が処理されることを保証するために、アセンブリ部品は、好ましくは例えばいわゆるプラスチックブリスターを有するベルトで、又は、凹所を有する安定したペーパーストリップにおいても組み立てられ、適したアセンブリ部品供給装置を用いて、実装プロセスに供給される。このようなベルトを用いて、実装機械を長い時間にわたって停止させずに動作させることが可能である。
【0004】
可能な限り中断しない実装機械の動作を保証するために、アセンブリ部品ベルトが「消耗する」(少し)前に、当該ベルトの端部に、新しいアセンブリ部品ベルトを、いわゆる重ね継ぎを用いて取り付けることが知られている。しかしながら、このような重ね継ぎは、典型的には、操作員によって該当する実装機械で実施されるので、作業の負担が大きく、誤りも生じやすい。
【0005】
さらに、新しいアセンブリ部品ベルトを(古い)アセンブリ部品ベルトに重ね継ぎする代わりに、アセンブリ部品供給装置全体を、場合によっては第1のアセンブリ部品ベルトの残留部分と共に、事前構成された第2のアセンブリ部品供給装置と交換することが知られており、この事前構成は、第2のアセンブリ部品ベルトが、この第2のアセンブリ部品供給装置に既に挿入されていることにある。とは言え、このような挿入されたアセンブリ部品ベルトを含めたアセンブリ部品供給装置の交換は、依然として著しい、操作員によって手動で実施されるべき操作の負担を必要とする。
【0006】
この操作の負担を軽減するために、さらに、製造ラインの実装機械にレールを取り付けることが知られており、当該レールに沿って、事前構成された第2のアセンブリ部品供給装置を、製造ラインの端部から実装機械まで輸送し、実装機械において自動的に、第1のアセンブリ部品供給装置を事前構成された第2のアセンブリ部品供給装置と交換し、交換された第1のアセンブリ部品供給装置を、製造ラインの端部まで戻るように輸送するために、ロボットが変位可能である。しかしながら、このアプローチの欠点は、ロボットが、投入された場合に例えば操作員と衝突する危険を生じさせずに使用され得るためには、製造ラインの側に比較的多くの場所を必要とすることにある。これによって、製造ラインのために必要な場所が増大し、工場の所定の面には、比較的少ない実装機械又は製造ラインが設置され得る。これは特に、(a)2つの側から、すなわち製造ラインの左側と右側とからアセンブリ部品が供給される、比較的大きな実装機械を有する製造ラインと、(b)別の製造ラインの横に平行に設置され、従って、それぞれ隣接する製造ラインに対して増大した間隔を必要とする製造ラインと、に当てはまる。場所又は面の需要が増大することによって、工場内で供給され得る実装成果が減少することが明らかである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、所定の「供給された面」内で、高い実装成果を可能にすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本課題は、独立請求項の対象によって解決される。本発明の有利な実施形態は、従属請求項に記載されている。
【0009】
本発明の第1の態様によると、実装機械においてアセンブリ部品供給装置を交換するための装置が記載されている。記載された装置は、(a)シャーシ及び荷重支持手段を有する無人輸送車両であって、シャーシが、荷重支持手段を床面上の作業領域内で、実装機械に対して、第1の空間精度で位置決めするように構成されている、無人輸送車両と、(b)荷重支持手段に取り付けられた位置決め装置と、(c)少なくとも1つのアセンブリ部品供給装置を一時的に受容するための受容装置であって、位置決め装置が、受容装置を実装機械に対して、第2の空間精度で位置決めするように構成されており、第2の空間精度は第1の空間精度よりも大きい、受容装置と、を有している。
【0010】
アセンブリ部品供給装置の交換のための記載された装置は、以下において短く交換装置とも呼ばれ、2つの位置決めシステム、つまり大まかに位置決め可能な無人輸送車両(FTF)と、精密又は正確に位置決め可能な位置決め装置と、の組み合わせによって、第1のアセンブリ部品供給装置の第2のアセンブリ部品供給装置との自動的な交換が、上述の実装機械を用いて行われる実装プロセスへの対応するアセンブリ部品の供給が必要である、実装機械の正確な位置において実施され得る、という認識に基づいている。
【0011】
交換の際、第1のアセンブリ部品供給装置は、実装機械の受容スロットから取り出され、受容装置に輸送され得る。さらに、第2のアセンブリ部品供給装置は、受容装置から、実装機械の受容スロットに輸送され得る。
【0012】
記載された位置決め装置の比較的高い位置決め精度ゆえに、従来の、市販の無人輸送車両が使用可能であり、当該無人輸送車両は例えば、単に±10mmの位置決め精度を有している。結果として、例えば±0.5mm、±0.25mm、±0.10mm、又は、さらに小さい値であり得る、位置決め装置の比較的高い位置決め精度によって、アセンブリ部品供給装置の交換のために十分な空間精度が得られる。
【0013】
記載された位置決め装置に関しても、従来の位置決めシステムを用いることができる。このような位置決めシステムは、スピンドルドライブ等の任意の適した駆動コンポーネントを有することが可能である。
【0014】
受容装置は、第1のアセンブリ部品供給装置の第2のアセンブリ部品供給装置との交換を実現するために必要な全ての操作を「現場で」、すなわち実装機械において実施する操作システムを含むことが可能である。当該操作に含まれるのは特に、(a)先ほどまで動作していた第1のアセンブリ部品供給装置を、実装機械の該当する受容スロットから取り出す操作と、(b)(第2のアセンブリ部品供給装置に加えて)第1のアセンブリ部品供給装置を一時的に受容する操作と、(c)まもなく動作を行うことになっている第2のアセンブリ部品供給装置を、該当する受容スロットに正確な位置で挿入する操作と、である。
【0015】
第1及び/又は第2のアセンブリ部品供給装置は、各実装プロセスのために必要である部材アセンブリを含むように、事前構成されていてよい。アセンブリ部品は、特に知られているように、いわゆるアセンブリ部品ベルトにパッキングされていてよい。該当するアセンブリ部品供給装置へのアセンブリ部品ベルトの挿入は、アセンブリ部品供給装置の実際の交換に先行して、既に手動で行われ得る。これによって、このようなアセンブリ部品ベルトを「現場において」手動で取り付けるという(骨の折れる)作業は、もはや不要となり、交換のために必要な時間的間隔を削減し得る。
【0016】
典型的には、第1のアセンブリ部品供給装置は、複数の第1のアセンブリ部品を含んでいるか、又は、含んでいたものであり、第2のアセンブリ部品供給装置は、複数の第2のアセンブリ部品を含んでいる。各実装課題又は製造されるべき電子アセンブリ部品の種類に応じて、第1のアセンブリ部品と第2のアセンブリ部品とは、同じ又は異なる種類であってよい。
【0017】
無人輸送車両の使用によって、記載された交換装置は、比較的長い距離を比較的速く移動することができる。このような距離は、例えば、操作員がアセンブリ部品供給装置を上述したように事前構成する作業ステーションから、交換されるべきアセンブリ部品供給装置の位置又は受容スロットまで延在し得る。この際、当該位置は、工場の生産現場内で、電子アセンブリ部品のための製造ライン、場合によっては異なる製造ラインの異なる実装機械上に存在する複数の位置の内の1つであってよい。記載された位置決め装置を用いることによって、無人輸送車両が、(その比較的低い位置決め精度で)実装機械の該当する位置に移動した後で、受容装置の適切で精密な位置決めが迅速に実現し得る。これによって、アセンブリ部品供給装置の迅速な交換又は取り替えが実現し得るので、このような交換は、実装成果をネガティブに損なうことはないか、又は、わずかに損なうのみである。
【0018】
荷重支持手段は、位置決め装置の第1のコンポーネントが取り付け可能であるように構成された、あらゆる任意の機械構造であってよい。当該機械構造は、例えば、FTFの(ハウジングの)(上側)表面に取り付けられた、又は、構成されたプラットフォームであってよい。
【0019】
本発明に係る装置は、それ自体知られた、市販されているコンポーネントから成る装置の構築を可能にする構造を有している。これによって、記載された装置は、容易で、効果的で、比較的安価でもある方法で実現され得る。さらに、アセンブリ部品供給装置を交換するための記載された装置は、該当する実装機械が典型的には複数の別の実装機械と共に設置されている工場床面上でのFTFの高い可動性に基づいて、アセンブリ部品供給装置を、該当する実装機械の全ての関係する側で交換することができる。
【0020】
本発明の実施例によると、当該装置は、実装機械における目標位置に対する受容装置の現在位置を検出するための位置センサをさらに有している。この際、目標位置は、特に実装機械の、第1の(交換されるべき)アセンブリ部品供給装置が存在している位置である。目標位置は、適切な(個別の)マーキングによってマークを付けられている、又は、明確にされていてよく、自明のことながら、該当する受容スロットと空間的に固く連結されている。複数の受容スロットに関して、共通のマーキングが設けられていてもよい。
【0021】
記載された位置センサは、無人輸送車両が、実装機械上の該当する最終位置に移動した場合に初めて用いられ得る。位置決め装置は、位置センサの位置信号を考慮して、位置決め装置を制御し、極めて正確に、受容装置が正確に、アセンブリ部品供給装置の誤りのない交換が保証され得る位置に存在するように作動する。
【0022】
位置センサは、例えば下流に接続された画像評価ユニットを備えた従来のカメラを有することが可能であり、当該カメラは、位置決め装置に関する制御ユニットと伝達可能に連結されている。
【0023】
本発明のさらなる実施例によると、本発明は、実装機械におけるアセンブリ部品供給装置の所定の位置に割り当てられた識別マークを検出し評価するように構成された識別センサをさらに有している。この際、所定の位置は、典型的には該当するアセンブリ部品供給装置の受容スロットである。
【0024】
記載された識別センサの使用によって、該当するアセンブリ部品供給装置の交換前に、当該装置又はより正確には受容装置が、正しい位置に移動しており、従って、誤ったアセンブリ部品供給装置の交換が確実に防止され得ることが確実化され得る。このような方法で、望ましくない間違った実装を効果的に回避することができる。
【0025】
本発明のさらなる実施例によると、無人輸送車両は、位置決め装置と組み合わせて、受容装置を3つの並進自由度に沿って位置決めするように構成されている。
【0026】
これら3つの並進自由度は、基本的に、「無人輸送車両」及び「位置決め装置」という2つのコンポーネントに区分され得る。ただし、結果として受容装置が必要な精度で位置決めされ得ることが確実化されなければならない。特に、より正確な位置決め装置が、水平なx方向に沿って並進自由度を有し、当該x方向は、実装機械上に隣り合って配置された一列の複数のアセンブリ部品供給装置に対して平行に延在していることが必要であってよい。実装機械の具体的な構造に依存して、この水平なx方向は、輸送方向に対して平行に延在することが可能であり、輸送方向に沿って、実装されるべきアセンブリ部品担体は、実装機械の実装領域に運び込まれ、少なくとも部分的な実装の後、当該実装領域から再び運び出される。
【0027】
好ましくは、位置決め装置はさらに、受容装置を垂直なz方向に沿っても高い精度で位置決めするように構成されている。これによって、例えば無人輸送車両が移動する床面の起伏が、高い精度で補償され得る。
【0028】
さらに好ましくは、位置決め装置はさらに、受容装置を水平なy方向に沿っても位置決めするように構成されているので、当該方向に沿っても、高い位置決め精度が得られる。これは、(第1の)アセンブリ部品供給装置の交換のエラーに関する堅牢性をさらに高めることができる。
【0029】
無人輸送車両の並進自由度に関して、大抵の実施形態の場合、無人輸送車両がただ、x方向とy方向とによって形成される平面内を移動できれば十分である。これは典型的には、無人輸送車両が、アセンブリ部品供給装置の(i)アセンブリ部品供給装置の事前構成のための作業ステーションと(ii)該当する実装機械における該当する位置との間における輸送を行うために、いずれにしても移動しなければならない床の平面である。
【0030】
本発明のさらなる実施例によると、無人輸送車両は、位置決め装置と組み合わされて、受容装置を、少なくとも1つの回転自由度に沿って位置決めするように構成されている。
【0031】
当該回転自由度は、垂直なz方向に対して平行な回転軸に関する限り、容易に、無人輸送車両によって供給され得る。無人輸送車両はつまり、一般的に、いずれにしても水平なx/y平面内を自由に移動するように構成されている。
【0032】
しかしながら、好ましくは、位置決め装置は、z軸(垂直なz方向に対して平行な)の周りの当該回転自由度を有している。これによって、垂直なz軸に関する回転も、特に高い精度で実現され得る。
【0033】
さらに好ましくは、位置決め装置はさらに、x方向に対して平行なx軸に関する回転自由度、及び/又は、y方向に対して平行なy軸に関する回転自由度を有している。これによって、有利には、該当するアセンブリ部品供給装置の、実装機械の縦長の受容スロットへの比較的長い押し込み経路、及び、当該受容スロットからの比較的長い引き抜き経路においても、第1のアセンブリ部品供給装置の第2のアセンブリ部品供給装置との、滑らかかつ円滑で、従って確実な交換が得られる。
【0034】
位置決め装置の広範囲にわたる回転自由度及び/又は並進自由度は、特に、(第2の)アセンブリ部品供給装置が、プロファイルレールに沿って、又は、プロファイルレール上を、実装機械上のその最終位置に押し込まれなければならない場合に有利であり得る。このような、例えば(横断面において押し込み方向に対して垂直である)いわゆるオメガプロファイルであってよいプロファイルレールは、知られているように、該当するアセンブリ部品供給装置の高い位置安定性を保証する。これは、比較的長く継続する実装プロセスの間にも有効である。この際、自明のことながら、好ましくは該当するアセンブリ部品供給装置の下面に、プロファイルレールのプロファイル断面を補完するものが構成されている、又は、存在することが必要である。
【0035】
本発明のさらなる実施例によると、位置決め装置はヘキサポッドを有している。これは、容易に、それ自体知られた位置決め機構を用いて、6つ全ての空間自由度(3つの並進自由度及び3つの回転自由度)が、位置決め装置によって高い精度で実現され得るという利点を有している。
【0036】
この関連において、「ヘキサポッド」とは、個別ではあるが互いに調整して設定可能である、長さが可変の6つの脚を有する、いわゆるパラレルキネマティック機の特別な形状であると理解される。ヘキサポッドは、比較的単純な構造に基づいており、有利なことに、6つ全ての空間自由度に沿った高速の位置決めを可能にする高い動力を有している。
【0037】
本発明のさらなる実施例によると、当該装置は、(i)無人輸送車両の制御のための第1の制御ユニットと、(ii)位置決め装置の制御のための第2の制御ユニットと、をさらに有している。
【0038】
「無人輸送車両」及び「位置決め装置」という両方のコンポーネントの制御を記載したように分離することは、本出願書類に記載された交換装置が、必要なハードウェアに関してだけではなく制御に関しても、ハードウェア及び制御ソフトウェアを比較的大きく改造せずに、既知の無人輸送車両を用いて実現され得るという利点を有している。この際、この既知の無人輸送車両は、無人輸送車両群全体を伴う輸送システムの一部であってよい。つまり、床面上での無人輸送車両の必要な2次元の移動に関して、固有の制御を構想することは不要である。両方のコンポーネントを調整して動作させるために、上位の制御ユニットと伝達できるように連結されていてよい両方の制御ユニットは、ハードウェア内で分離された制御ユニットによって、又は、共通の1つのプロセッサにおける仮想化によって実現されていてよい。
【0039】
記載されたハードウェアによって、及び/又は、仮想化によって行われる、輸送車両及び位置決め装置の制御の分離を通じて、本出願書類に記載された交換装置は、既知の無人輸送車両において、比較的単純な機械的及び制御技術的修正が行われ、当該修正は、無人輸送車両の2次元の移動の既知の機能に、位置決め装置を通じて精密な位置決め機能を付加することによって容易に実現され得る。
【0040】
第1の制御ユニット及び/又は第2の制御ユニットは、上述したセンサである「位置センサ」及び「識別センサ」の内の少なくとも1つと連結されていてよい。これによって、少なくとも実装機械に近い領域において、制御され、従って高精度の位置決めが、無人輸送車両及び/若しくは位置決め装置によって実現し、並びに/又は、該当するアセンブリ部品供給装置の正しい交換の検証が行われ得る。
【0041】
本発明のさらなる実施例によると、当該装置は、受容装置上に取り付けられた、又は、構成された操作装置をさらに有している。当該操作装置は、(i)第1のアセンブリ部品供給装置を、実装機械の受容スロットから受容装置に輸送するように、及び、(ii)第2のアセンブリ部品供給装置を、受容装置から実装機械の受容スロットに輸送するように、構成されている。
【0042】
操作装置は、受容装置に関連して移動可能であるコンポーネントを有する任意の機械構造であってよく、アセンブリ部品供給装置の記載された輸送のために必要な操作を実施し得るように動かされ得る。
【0043】
操作装置の動きは、第3の制御ユニットによって制御され得る。これは、第2の制御ユニットと共に、共通のハードウェア内で、例えば仮想化するソフトウェアを用いて実現し得る。
【0044】
本発明のさらなる実施例によると、操作装置はグリップユニットを有している。グリップユニットは、例えば可動のロボットアームであってよく、当該ロボットアームは、アセンブリ部品供給装置の記載された輸送に関して必要な全ての操作を実施し得る。
【0045】
本発明のさらなる実施例によると、操作装置は、押込/引張装置と、第1のアセンブリ部品供給装置又は第2のアセンブリ部品供給装置を、押込/引張装置に解除可能に固定するように構成された連結機構と、を有している。これによって、特に容易に、第1又は第2のアセンブリ部品供給装置の、受容装置と実装機械の受容スロットとの間における上述の輸送が実現し得る。特に、押込/引張装置の単に1次元の、例えば上述した水平なy方向に沿った移動のみが必要である。従って、他の方向に沿った移動は不要である。なぜなら、位置決め装置による、並進及び/又は回転における受容装置の適切な精密な位置付けに際して、例えば第2のアセンブリ部品供給装置は、実装機械の受容スロットに関して、水平なx方向に沿って、かつ、垂直なz方向に沿って最適な位置にもたらされ得るからである。
【0046】
連結機構は、例えば押込/引張装置上の第1のコンポーネントと、該当するアセンブリ部品供給装置上の第2のコンポーネントと、を有する機械構造であってよい。アセンブリ部品供給装置を押込/引張装置に解除可能に固定することは、連結機構が、両方のコンポーネントが互いに対して相互作用を有していない第1の動作状態から、両方のコンポーネントが互いに機械的に係合している第2の動作状態に移行することによって実現し得る。代替的に、又は、組み合わせて、連結機構は磁性コンポーネントを有することも可能であり、好ましくは第1のコンポーネントは電磁石を有しており、当該電磁石は、適切な用途において、強磁性の第2のコンポーネントを磁気によって引き付ける。
【0047】
機械的に特に容易に実現されるべき実施形態では、押込/引張装置は、受容装置の可動壁として実現している。
【0048】
本発明のさらなる実施例によると、当該装置は、(電気的)エネルギー貯蔵装置をさらに有しており、当該エネルギー貯蔵装置は、第1に無人輸送車両に配設されており、第2に位置決め装置の作動に関しても設けられている。
【0049】
分かりやすく表現すると、この同様に特に有利な実施形態では、いずれにせよ既知の各無人輸送車両内に含まれているエネルギー貯蔵装置が、位置決め装置による精密な位置決めの機能のために、及び/又は、上述の操作装置の動作のために、付加的に用いられる。これによって、有利なことに、第2の(電気的)エネルギー貯蔵装置は不要になる。
【0050】
本発明のさらなる実施例によると、当該装置は、位置決め装置を(受容装置と共に)荷重支持手段に解除可能に取り付けるためのインターフェースをさらに有している。
【0051】
記載された、解除可能な取り付け可能性によって、本出願書類に記載された交換装置は、モジュール構造を用いて実現し得る。これは、無人輸送車両に、様々な種類の位置決め装置及び/又は受容装置を取り付けることができることを意味している。これによって、製造ラインの1つの実装機械及び/又は異なる実装機械に関して、空間的に異なるように構成されたアセンブリ部品供給装置を使用する場合に、1つかつ同一の型の無人輸送車両に異なるモジュールを取り付けることが可能であり、当該モジュールはそれぞれ、それぞれ交換されるべきアセンブリ部品供給装置に適応した、少なくとも1つの位置決め装置と受容装置とを有している。この際、様々なアセンブリ部品供給装置は、例えばその幅によって異なっている。
【0052】
本発明のさらなる態様によると、実装機械上で上述した装置を用いてアセンブリ部品供給装置を交換するための方法が記載されている。当該方法は、(a)作業ステーションの第2のアセンブリ部品供給装置を(第2のアセンブリ部品供給装置を特に手動で事前構成するために)取り上げるステップと、(b)第2のアセンブリ部品供給装置を受容装置内に配置するステップと、(c)無人輸送車両を作業ステーションから、第1のアセンブリ部品供給装置が存在する空間領域内の実装機械へ、第1の空間精度で移動させるステップと、(d)受容装置を空間領域内部の所定の位置に、第2の精度で位置決めするステップと、(e)第1のアセンブリ部品供給装置を、実装機械の受容スロットから受容装置に移すステップと、(f)第2のアセンブリ部品供給装置を、受容装置から実装機械の受容スロットに移すステップと、を有している。
【0053】
記載された方法は、本発明に係る、大まかに位置決め可能である無人輸送車両と、精密又は正確に位置決め可能である位置決め装置と、という2つの位置決めシステムの組み合わせによって、第2のアセンブリ部品供給装置は、高い空間精度で正確に、第1のアセンブリ部品供給装置の第2のアセンブリ部品供給装置との問題の無い交換が行われ得る位置にもたらされ得るという認識に基づいている。この際、「問題の無い交換」とは、特に両方のアセンブリ部品供給装置の移動が高い精度で、従って、看過し得る程度の、又は、少なくとも非常に小さい機械抵抗を伴って行われる交換であると理解され得る。これは一般的に、「傾斜」及び/又は「揺れ」の無い移動を意味している。
【0054】
本発明の実施例によると、当該方法は、(g)無人輸送車両を空間領域から作業ステーションに移動させるステップと、(h)第1のアセンブリ部品供給装置を、受容装置から作業ステーションに引き渡すステップと、をさらに有している。これによって、第1のアセンブリ部品供給装置は、実装動作を妨害することなく、実装機械又は他の実装機械における後続の使用のために、事前構成され得る。この事前構成は、上述したように、新しいアセンブリ部品ベルトが第1のアセンブリ部品供給装置に挿入されることにある。この際、新しいアセンブリ部品ベルトには、第1のアセンブリ部品供給装置の古い、少なくとも部分的に使い古されたアセンブリ部品ベルトに対して同じ電子アセンブリ部品又は別の電子アセンブリ部品が供給されていてよい。
【0055】
本発明の実施形態は、本発明の異なる対象に関連して記載されていることが指摘される。特に、本発明のいくつかの実施形態は装置クレームで記載されており、別の実施形態は方法クレームで記載されている。しかしながら、当業者には、本出願書類を読めば即座に、別に明確な記載がない限り、本発明の対象の型に属する特徴の組み合わせに加えて、本発明の対象とは異なる型に属する特徴の任意の組み合わせも可能であることが明らかになるであろう。
【0056】
本発明のさらなる利点及び特徴は、現在のところ好ましい実施形態の以下の例示的な説明から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0057】
図1】本発明の第1の実施例に係る交換装置を示す図である。
図2】本発明の第2の実施例に係る交換装置を示す図である。
図3a図1に示された交換装置を用いた、第1のアセンブリ部品供給装置の、第2のアセンブリ部品供給装置との交換を概略的に示す図である。
図3b図1に示された交換装置を用いた、第1のアセンブリ部品供給装置の、第2のアセンブリ部品供給装置との交換を概略的に示す図である。
図3c図1に示された交換装置を用いた、第1のアセンブリ部品供給装置の、第2のアセンブリ部品供給装置との交換を概略的に示す図である。
図3d図1に示された交換装置を用いた、第1のアセンブリ部品供給装置の、第2のアセンブリ部品供給装置との交換を概略的に示す図である。
図3e図1に示された交換装置を用いた、第1のアセンブリ部品供給装置の、第2のアセンブリ部品供給装置との交換を概略的に示す図である。
図3f図1に示された交換装置を用いた、第1のアセンブリ部品供給装置の、第2のアセンブリ部品供給装置との交換を概略的に示す図である。
図3g図1に示された交換装置を用いた、第1のアセンブリ部品供給装置の、第2のアセンブリ部品供給装置との交換を概略的に示す図である。
図3h図1に示された交換装置を用いた、第1のアセンブリ部品供給装置の、第2のアセンブリ部品供給装置との交換を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0058】
以下の詳細な説明において、別の実施形態に係る対応する特徴又はコンポーネントと同じであるか、又は、少なくとも機能的に同じである異なる実施形態の特徴又はコンポーネントには、同じ参照符号、又は、最後の2つの数字が対応する同じか又は少なくとも機能的に同じである特徴又はコンポーネントの参照符号と同じである参照符号が用いられることが指摘される。不要な繰り返しを避けるために、既に記載された実施形態に基づいて言及された特徴又はコンポーネントには、以下において詳細には言及しない。
【0059】
さらに、以下に記載される実施形態は、発明の可能な実施変型例からの、単なる限定的な選択に過ぎないことが指摘される。特に、各実施形態の特徴を適切に互いに組み合わせることが可能であり、従って、当業者にとっては、ここで詳細に示される実施変型例によって、多数の異なる実施形態が明確に開示されたものと見なされる。
【0060】
図1は、本発明の第1の実施例に係る交換装置100を示している。交換装置100は、市販されている無人輸送車両110を有しており、無人輸送車両110は、シャーシ112及び荷重支持手段114を含んでいる。図1には、当該シャーシが、車輪112と共に概略的に示されており、車輪112は、無人輸送車両110が動く床面上を転動する。荷重支持手段114は、ここで使用される無人輸送車両110の場合、単にハウジングの上側表面である。当該上側表面は、以下に記載する交換装置100のさらなるコンポーネントを支持するために十分な機械的安定性を有している。
【0061】
交換装置100はさらに、第1の制御ユニット116を有しており、第1の制御ユニット116は、(ワイヤレスに)(図示されていない)中央制御装置に接続されており、無人輸送車両110を、任意の所定の位置へ床面上を移動するように制御する。さらに、無人輸送車両は、図1に概略的に示された電気エネルギー貯蔵装置118を有している。エネルギー貯蔵装置118は、特に再充電可能な蓄電池である。
【0062】
荷重支持手段114には、位置決め装置130が取り付けられており、位置決め装置130は、本図に示された実施例によると、いわゆるヘキサポッドである。ヘキサポッド130は、2つのプレートを含んでおり、これらのプレートは、長さが可変な6本の脚と接続されている。足の長さは個別に、しかしながら互いに調整して、上側のプレートが下側のプレートに対して移動するように変更され得る。この移動は、高い精度で実施可能であり、6つ全ての自由度(3つの並進自由度及び3つの回転自由度)に沿って行われ得る。
【0063】
交換装置100はさらに、図1において概略的に示された受容装置140を有しており、受容装置140は、ヘキサポッド130の上側プレートに固く取り付けられている。ヘキサポッド130を用いて高い精度で移動又は位置決めされ得る受容装置140には、位置センサ142が取り付けられている。位置センサ142は、基準マーカーを(光学的に)検出することが可能であり、基準マーカーは、(i)図1には示されていない実装機械のハウジングに取り付けられており、(ii)実装機械に取り付けられたアセンブリ部品供給装置190のための受容区画に、空間的に固く配設されている。図示されていない下流に接続された画像評価ユニットを用いた適切な画像評価によって、基準マーカーに対する受容装置140の正確な相対位置が検出され得る。受容装置140と当該基準マーカーとの間の対応する空間的相対位置は、第2の制御ユニット146に伝達可能であり、第2の制御ユニット146は、ヘキサポッド130を、受容装置140が正確に所定の空間位置及び/又は方向付けに移動するように作動する。この所定の空間位置/方向付けは、以下において図3a~図3hを用いて記載するように、実装機械に解除可能に取り付けられたアセンブリ部品供給装置の確実かつ円滑な交換が実施され得るということを特徴としている。
【0064】
このような第1のアセンブリ部品供給装置の第2のアセンブリ部品供給装置との交換は、上述した受容装置140の正確な空間的位置決めの後に、操作装置150を用いて行われる。本図に示された実施例によると、操作装置150は、押込/引張装置152及び連結機構154を有している。押込/引張装置152は、受容装置140の底板に沿ってスライド可能である。2つの連結コンポーネントから成る連結機構154は、押込/引張装置152と各アセンブリ部品供給装置190との間に存在している。両方の連結コンポーネントの内の一方は、押込/引張装置152に配設されており、両方の連結コンポーネントの内の他方は、アセンブリ部品供給装置190に配設されている。連結機構154の第1の動作状態において、両方のコンポーネントは互いに接続されている。これは例えば、活性化された磁力及び/又は機械的係合を用いて行われ得る。第2の動作状態において、両方の連結要素は互いに連結から解除されている。
【0065】
受容装置140には、さらに識別センサ144が取り付けられている。識別センサ144は、図1に示されていない識別マークを検出するために用いられ、当該識別マークは、アセンブリ部品供給装置に関する受容スロットの間近において、該当する実装機械に取り付けられており、当該受容スロットに論理的に割り当てられている。当該識別マークの検出によって、アセンブリ部品供給装置の交換前に、実際に正しいアセンブリ部品供給装置が交換されることが検証され得る。
【0066】
図1に示されたアセンブリ部品供給装置190は、カセットを用いて、その内部にアセンブリ部品ベルト194を受容することができるように構成されていることが指摘される。これは、アセンブリ部品供給装置190を取り替える、又は、交換する際に、アセンブリ部品ベルト194に含まれる、実装機械における実装プロセスに供給される電子アセンブリ部品も自動的に取り替えられることを意味している。アセンブリ部品供給装置190の図1で認識可能である別の部材は、当該アセンブリ部品供給装置の既知の標準的な部材であり、従って、ここではこれ以上言及しない。
【0067】
図2は、本発明の第2の実施例に係る交換装置200を示している。交換装置200において、無人輸送車両110は、交換装置100の無人輸送車両と同じものである。しかしながら、交換装置100とは異なり、ここでは、同じくヘキサポッドとして構成された位置決め装置130は、荷重支持手段114上に直接取り付けられてはいない。むしろ、再び無人輸送車両110のハウジングの表面である荷重支持手段114上に、単純なフレーム構造を用いて実現された機械インターフェース260が設けられている。図2では、当該フレーム構造260は、U字形構造として示されており、「U」の下側の辺は、解除可能に荷重支持手段114に取り付けられている。
【0068】
図2において上側に示された「U」の辺には、ヘキサポッド130の不動プレートが固定されている。ヘキサポッド130の可動プレートは、受容装置240に接続されており、受容装置240は、図2の横断面図において、長手方向上側のコンポーネントと長手方向下側コンポーネントとで示されており、これらのコンポーネントは、図示されていない方法で、機械的に互いに固く接続されている。両方の長手方向コンポーネントの間には、受容装置140の実際の受容空間が構成されている。
【0069】
交換装置200においても、押込/引張装置252と連結機構254とが設けられている。押込/引張装置252は、図2では、その左側の最終位置にあり、図示されていない駆動部によって適切に作動した場合(アセンブリ部品供給装置190と共に)、右に向かって、図示されていない実装機械の受容スロット内に押し込まれ得る。
【0070】
上述した、荷重支持手段114からのフレーム構造260の解除可能性によって、有利には、(i)フレーム構造260を、他の当該フレーム構造に取り付けられた別のコンポーネントと共に、(ii)別のフレーム構造と、やはり当該フレーム構造に取り付けられた対応するコンポーネントと共に、交換することが可能になる。これは、1つかつ同一の無人輸送車両110に、「位置決め装置」、「受容装置」及び/又は「操作装置」という様々なコンポーネントが装備され得るということを意味している。
【0071】
図3a~図3hは、第1のアセンブリ部品供給装置の、図1に示した交換装置100を用いた、第2のアセンブリ部品供給装置との交換を概略的に示している。
【0072】
図3aは、本図では参照符号300が付されている交換装置が、どのようにして、単に無人輸送車両310を用いるのみで、実装機械の横の、アセンブリ部品供給装置の交換が行われるべき位置へ接近するかを示している。実装機械、又は、より正確には、実装機械の下側フレーム構造には、参照符号380が付されている。
【0073】
図3a~図3hにおいて、下側フレーム構造380の上側には、アセンブリ部品担体のための輸送システム382が示されており、当該アセンブリ部品担体は、実装機械の実装領域に導入され、電子部品が実装される。図3aには、アセンブリ部品供給装置に参照符号391が付されており、当該アセンブリ部品供給装置を用いて、図示されていないアセンブリ部品が、やはり図示されていない、ピックアップ位置においてピックアップするための実装ヘッドに引き渡される。以下において、アセンブリ部品供給装置391は、第1の部品供給装置と表される。実装されるべきアセンブリ部品担体は、図3a~図3hには示されていない。
【0074】
既に交換装置100に関する上述の詳細な記載において言及したように、さらなるアセンブリ部品供給装置は、ヘキサポッドとして構成された位置決め装置330の可動コンポーネントに取り付けられた受容装置340上に存在している。ヘキサポッド330の動かないコンポーネントは、無人輸送車両310の参照符号を付していない荷重支持手段に取り付けられている。
【0075】
上述したように、無人輸送車両310による大まかな位置決めの後、位置決め装置330が作動し、受容装置340は、正確に、第1のアセンブリ部品供給装置391の第2のアセンブリ部品供給装置392との円滑な交換が実現し得る位置にもたらされる。このために、位置決め装置330又はその図示されていない駆動部を適切な方法で作動可能にするために、受容装置340には、位置センサ342が取り付けられており、位置センサ342は、実装機械380に設けられた基準マーカー384を検出する。位置センサ342の下流に接続された評価ユニットは、受容装置340と基準マーカー384との間の正確な相対位置を検出する。この基準マーカー384は、空間的に正確に、第1のアセンブリ部品供給装置391が存在している受容スロットの場所に割り当てられている。
【0076】
図3a~図3hにおいて、上述の押込/引張装置には、参照符号352が付されている。図1に示されている連結機構154は、これらの図面では、見やすくするために示されていない。
【0077】
本図に示された実施例によると、受容装置340の前面には、機械的調整要素348が設けられている。受容装置340の、第1のアセンブリ部品供給装置391が存在している受容スロットに関する正確な位置決めに際して、機械的調整要素348は、図3aには示されていない補完的な調整要素に係合している。このような係合無しには、受容装置340は、第1のアセンブリ部品供給装置391の第2のアセンブリ部品供給装置392との円滑な交換のために必要な正しい位置には存在しない。
【0078】
図3bは、位置決め装置330による精密な位置決めの後の状態を示している。受容装置340は、第1のアセンブリ部品供給装置391の第2のアセンブリ部品供給装置392との円滑な交換に必要な位置に存在している。本図で参照符号が付されていない受容装置340の機械的調整要素348は、実装機械380上の補完的な調整要素と正しい機械的係合状態にある。
【0079】
図3cは、さらなる(図示されていない)連結機構を用いて、第1のアセンブリ部品供給装置391を把持するように、押込/引張装置352が前方に向かって動かされた状態を示している。
【0080】
図3dは、押込/引張装置352が再び後方に向かって変位し、この際、第1のアセンブリ部品供給装置391が、受容スロットから引き抜かれた状態を示している。この状態では、第1のアセンブリ部品供給装置391は、第2のアセンブリ部品供給装置392の横に位置している。図3dの視点では、両方のアセンブリ部品供給装置391、392の内の1つのみが認識される。
【0081】
図3d’は、実装機械380の対応する上面図である。本図に示された実施例によると、実装機械380は、それぞれ隣り合って配置された複数のアセンブリ部品供給装置のための2つの受容領域386を有している。両方の受容領域386の間には、上述のアセンブリ部品担体のための輸送システムが存在しており、当該輸送システムは、輸送システム382の輸送方向を明示すべき参照符号Tが付された矢印で概略的に示されている。図3d’において参照符号388が付された受容スロットからまさに取り出された第1のアセンブリ部品供給装置391は、輸送方向Tに沿って、第2のアセンブリ部品供給装置392の真横に位置している。
【0082】
図3e及び図3e’は、輸送方向Tに沿って再位置決め又は変位した後の受容装置340を示している。再位置決めによって、第2のアセンブリ部品供給装置392は、受容スロット388と位置合わせされている。
【0083】
図3fは、押込/引張装置352が再び左に移動した状態を示している。この際、押込/引張装置352は、第2のアセンブリ部品供給装置392を受容スロットに押し込んでいる。
【0084】
図3gは、押込/引張装置352が再び右に向かって移動した状態を示している。このように右に移動する前に、押込/引張装置352と第2のアセンブリ部品供給装置392との間の連結が解除されている。これによって、第2のアセンブリ部品供給装置392は、受容スロットに留まっている。
【0085】
図3hは、実装機械380から離れる交換装置300全体の動きを示している。このために、第1のアセンブリ部品供給装置391を図示されていない作業ステーションにもたらす無人輸送車両310が用いられる。当該作業ステーションでは、操作員によって、新しいアセンブリ部品ベルトが第1のアセンブリ部品供給装置391に挿入可能であり、第1のアセンブリ部品供給装置391は、後続の、別の受容スロット内に存在するさらなるアセンブリ部品供給装置との交換のために(又は、場合によっては受容スロット388内にある第1のアセンブリ部品供給装置391とも共に)、実装機械380において直接事前構成されている。
【0086】
「有する」という概念は、他の要素を排除するものではなく、「1つ」は複数を排除するものではないことを指摘しておく。また、異なる実施例に関連して記載された要素を組み合わせることも可能である。請求項の参照符号は、請求項の保護範囲を限定するものであると解釈されるべきではないことも指摘していた方がよいであろう。
【符号の説明】
【0087】
100 交換装置
110 無人輸送車両
112 シャーシ
114 荷重支持手段
116 第1の制御ユニット
118 エネルギー貯蔵装置
130 位置決め装置/ヘキサポッド
140 受容装置
142 位置センサ
144 識別センサ
146 第2の制御ユニット
150 操作装置
152 押込/引張装置
154 連結機構
190 アセンブリ部品供給装置
194 アセンブリ部品ベルト
200 交換装置
240 受容装置
252 押込/引張装置
254 連結機構
260 インターフェース/フレーム構造
300 交換装置
310 無人輸送車両
330 位置決め装置/ヘキサポッド
340 受容装置
342 位置センサ
348 機械的調整要素
352 押込/引張装置
380 実装機械(シャーシ)
382 アセンブリ部品担体/プリント基板のための輸送システム
384 基準マーカー
386 アセンブリ部品供給装置のための受容領域
388 受容スロット
391 第1のアセンブリ部品供給装置
392 第2のアセンブリ部品供給装置
T 輸送システムの輸送方向
図1
図2
図3a
図3b
図3c
図3d
図3e
図3f
図3g
図3h
【外国語明細書】