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  • 特開-乗り場ドア安全柵 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023090129
(43)【公開日】2023-06-29
(54)【発明の名称】乗り場ドア安全柵
(51)【国際特許分類】
   B66B 5/00 20060101AFI20230622BHJP
   B66B 13/30 20060101ALI20230622BHJP
【FI】
B66B5/00 D
B66B13/30 Q
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021204920
(22)【出願日】2021-12-17
(71)【出願人】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000925
【氏名又は名称】弁理士法人信友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 美香子
(72)【発明者】
【氏名】高原 悠
【テーマコード(参考)】
3F304
3F307
【Fターム(参考)】
3F304BA02
3F304BA22
3F307BA02
3F307CB02
3F307DA23
(57)【要約】
【課題】乗り場側から設置作業を行うことができ、建屋に容易に固定することができる乗り場ドア安全柵を提供する。
【解決手段】乗り場ドア安全柵1は、乗り場ドア101A,101Bの開口部に配置される2つの支柱部材2A,2Bと、2つの支柱部材2A,2Bを接続する接続部材3(補強接続部材4でもよい)と、を備える。そして、2つの支柱部材2A,2Bは、乗り場ドア101A,101Bが移動可能に係合するシル溝102aに挿入される溝挿入突起222を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗り場ドアの開口部に配置される2つの支柱部材と、
前記2つの支柱部材を接続する接続部材と、を備え、
前記2つの支柱部材は、前記乗り場ドアが移動可能に係合するシル溝に挿入される溝挿入突起を有する
乗り場ドア安全柵。
【請求項2】
前記接続部材は、前記シル溝に挿入される接続側溝挿入突起を有する
請求項1に記載の乗り場ドア安全柵。
【請求項3】
前記接続部材は、前記2つの支柱部材に着脱可能に形成されている
請求項2に記載の乗り場ドア安全柵。
【請求項4】
前記2つの支柱部材の上部を接続する補強接続部材を備える
請求項2に記載の乗り場ドア安全柵。
【請求項5】
前記補強接続部材は、前記2つの支柱部材の一方に回転可能に支持されており、
前記2つの支柱部材の他方には、前記補強接続部材が係合する係合突部を有する
請求項4に記載の乗り場ドア安全柵。
【請求項6】
前記2つの支柱部材のうちの少なくとも一方は、安全帯フック取付用のフック用孔を有する
請求項1に記載の乗り場ドア安全柵。
【請求項7】
前記2つの支柱部材の少なくとも一方に取り付けられ、前記乗り場ドアの乗り場側を向く面に対向する倒れ防止片を備える
請求項1~6のいずれか1項に記載の乗り場ドア安全柵。
【請求項8】
前記倒れ防止片は、前記支柱部材に回転可能に支持されており、
前記支柱部材は、前記倒れ防止片を前記乗り場ドアに当接する位置に保持する保持部を有する
請求項7に記載の乗り場ドア安全柵。
【請求項9】
前記倒れ防止片は、前記乗り場ドアと当接する面にクッション材を有する
請求項7に記載の乗り場ドア安全柵。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乗り場ドア安全柵に関する。
【背景技術】
【0002】
エレベーターの保守点検作業を行う場合に、建屋の乗り場に設けられた乗り場ドアを開いて作業を行うことがある。このように乗り場ドアを開いて作業を行う際は、作業者や作業者以外の者が乗り場ドアの開口に注意する必要がある。特許文献1には、エレベーターの乗場戸の開放装置が記載されている。
【0003】
特許文献1に記載された乗場戸の開放装置は、特許文献1に記載された乗場戸の開放装置は、乗場戸を開いた後に、乗場戸の裏面に収納しているレバーを保持金具から外して、水平に倒すことで乗場戸の開放部にレバーを架け渡す。これにより、エレベーターの点検時に、乗場戸を容易、且つ確実に開放状態に保持し、乗場戸の開放部を閉鎖して一般客の進入を未然に排除する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平5-116876号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載された乗場戸の開放装置は、レバーが乗場戸の裏面に収納されているため、建屋の乗り場側から乗場戸の裏面側からレバーを操作する必要があった。そのため、乗場戸の開放装置を設置する作業が煩雑になるという問題があった。また、建屋に容易に固定することが可能な乗り場ドア安全柵が望まれていた。
【0006】
本発明の目的は、上記の問題点を考慮し、乗り場側から設置作業を行うことができ、建屋に容易に固定することができる乗り場ドア安全柵を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決し、本発明の目的を達成するため、乗り場ドア安全柵は、乗り場ドアの開口部に配置される2つの支柱部材と、2つの支柱部材を接続する接続部材とを備える。2つの支柱部材は、乗り場ドアが移動可能に係合するシル溝に挿入される溝挿入突起を有する。
【発明の効果】
【0008】
上記構成の乗り場ドア安全柵によれば、乗り場側から設置作業を行うことができ、建屋に容易に固定することができる。
なお、上述した以外の課題、構成および効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態に係る乗り場ドア安全柵を乗り場ドアに設置して昇降路側から見た図である。
図2】本発明の一実施形態に係る乗り場ドア安全柵を乗り場ドアに設置して上方から見た図である。
図3図2に示すA-A線に沿う断面図である。
図4】本発明の一実施形態に係る乗り場ドア安全柵の補強接続部材及び倒れ防止片を格納位置に配置した状態の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
1.一実施形態
以下、本発明の一実施形態に係る乗り場ドア安全柵について説明する。なお、各図において共通の部材には、同一の符号を付している。
【0011】
[乗り場ドア安全柵の構成]
まず、一実施形態に係る乗り場ドア安全柵の構成について、図1図4を参照して説明する。
図1は、乗り場ドア安全柵を乗り場ドアに設置して昇降路側から見た図である。図2は、乗り場ドア安全柵を乗り場ドアに設置して上方から見た図である。図3は、図2に示すA-A線に沿う断面図である。図4は、乗り場ドア安全柵の補強接続部材及び倒れ防止片を格納位置に配置した状態の側面図である。
【0012】
図1に示すように、乗り場ドア安全柵1は、乗り場ドア101A,101Bの開口部に配置される2つの支柱部材2A,2Bと、2つの支柱部材2A,2Bに着脱可能に接続される接続部材3と、2つの支柱部材2A,2Bに接続される補強接続部材4とを備える。
【0013】
図2及び図3に示すように、支柱部材2A,2Bは、同じ構成である。支柱部材2A,2Bは、支柱本体21と、支柱本体21の下部が固定される支柱ベース22と、支柱本体21と支柱ベース22に接続される補強23とを有する。
【0014】
支柱本体21は、水平方向に平行な断面が四角形の角筒状に形成されている。支柱本体21は、上下方向に延びている。支柱本体21の長さは、乗り場ドア101A、101Bの上下方向の長さよりも短い。支柱本体21の長さは、例えば、乗り場ドア101A、101Bの上下方向の長さの2/3程度が好ましい。
【0015】
支柱本体21の昇降路100側を向く第1面21aには、複数のフック用孔211が設けられている。複数のフック用孔211は、上下方向に適当な間隔を空けて並んでいる。フック用孔211には、作業員が装着する安全帯のフック部が取り付け可能である。作業員は、安全帯のフック部をフック用孔211に取り付けて、昇降路100内で作業する。このとき、作業員は、昇降路100内における上下方向の位置に応じて、安全帯のフック部を取り付けるフック用孔211を変えることができる。
【0016】
支柱部材2Bには、補強接続部材4が取り付けられている。補強接続部材4は、長方形の板体からなる。補強接続部材4の長手方向の長さは、2つの支柱部材2A,2B間の距離よりも長い。補強接続部材4の長手方向の一端部は、支柱本体21の第1面21aにおける上部に回転可能に支持されている。補強接続部材4の長手方向の他端部には、係合凹部41が形成されている。
【0017】
補強接続部材4は、格納位置(図4参照)と、格納位置から略90度回転した接続位置(図1参照)とに配置可能である。格納位置に配置された補強接続部材4は、長手方向が上下方向と略平行な姿勢となり、支柱本体21の側方に突出しない。なお、格納位置に配置された補強接続部材4を保持する保持部を支柱本体21に設けてもよい。
【0018】
接続位置に配置された補強接続部材4は、長手方向が上下方向に略直交する姿勢となる。これにより、補強接続部材4の他端部は、支柱部材2Aの上部に位置する。そして、補強接続部材4の係合凹部41が、支柱部材2Aの支柱本体21に設けられた係合ピン212に係合する。その結果、補強接続部材4は、2つの支柱部材2A,2Bに接続される。
【0019】
支柱本体21の第1面に直交する第2面21bは、乗り場ドア101A(または乗り場ドア101B)の側面に対向する。第2面21bには、クッション材213(不図示)が取り付けられている。このクッション材213は、乗り場ドア101A(または乗り場ドア101B)の側面に接触する。これにより、乗り場ドア101A(または乗り場ドア101B)の体裁面の一部である側面が傷つかないようにすることができる。
【0020】
支柱本体21の第1面21aと反対側の面である第3面21cには、複数の倒れ防止片5が取り付けられている。複数の倒れ防止片5は、長方形の板体からなる。福栖の倒れ5片の長手方向の一端部は、支柱本体21に回転可能に支持されている。倒れ防止片5は、格納位置(図4参照)と、格納位置から略90度回転した突出位置(図1参照)とに配置可能である。
【0021】
支柱本体21には、格納位置と突出位置において倒れ防止片5を保持する保持部が設けられている。格納位置に配置された倒れ防止片5は、長手方向が上下方向と略平行な姿勢となり、支柱本体21の側方に突出しない。一方、突出位置に配置された倒れ防止片5は、長手方向が上下方向に略直交する姿勢となり、支柱本体21の側方に突出する。
【0022】
倒れ防止片5における支柱本体21の側方に突出する部分は、乗り場ドア101A(または乗り場ドア101B)の乗り場側を向く面に対向する。これにより、乗り場ドア安全柵1が昇降路100側に倒れること防止することができる。
【0023】
また、倒れ防止片5の乗り場ドア101A(または乗り場ドア101B)に対向する面には、クッション材51が取り付けられている。これにより、乗り場ドア101A(または乗り場ドア101B)の体裁面の一部である乗り場側表面が傷つかないようにすることができる。なお、クッション材51は、乗り場ドア101A(または乗り場ドア101B)の乗り場側を向く面に当接してもよく、また、当接せずに対向していてもよい。
【0024】
支柱本体21の第2面21bと反対側の面である第4面21dには、接続部材3が係合される係合溝214が形成されている(図2参照)。係合溝214は、支柱本体21の下端から上方向に延びている。
【0025】
図2及び図3に示すように、支柱ベース22は、建屋の床に載置されるベース本体221と、ベース本体221から突出する溝挿入突起222とを有する。ベース本体221は、長方形の板状に形成されている。ベース本体221の短辺の長さは、支柱本体21の一辺の長さと略等しい。ベース本体221の上面には、支柱本体21の下部が固定されている。
【0026】
支柱本体21の下部は、ベース本体221の長手方向の一端部に配置されている。ベース本体221の長手方向の一端部は、乗り場側シル102上に載置される。乗り場側シル102は、乗り場ドア101A,101Bが移動可能に係合するシル溝102aを有している。ベース本体221の長手方向の一端部よりも他端側は、建屋における乗り場の床に載置される。
【0027】
溝挿入突起222は、ベース本体221の下面から略垂直に突出している。溝挿入突起222は、板状に形成されている。溝挿入突起222は、乗り場ドア101A,101Bの開口方向に略直交する平面を有する。溝挿入突起222の幅は、ベース本体221の短辺と同じ長さに設定されている。溝挿入突起222は、乗り場側シル102のシル溝102aに挿入される。
【0028】
溝挿入突起222の厚みは、シル溝102aの幅よりも僅かに小さい。また、溝挿入突起222の幅は、ベース本体221の幅(短辺)と略等しい。溝挿入突起222をシル溝102aに挿入すると、建屋に対する支柱部材2A,2Bの位置決めを容易に行うことができる。また、支柱部材2A,2Bを建屋に容易に固定することができる。
【0029】
補強23は、略長方形の板状に形成されている。補強23の長手方向の一端は、ベース本体221の上面に固定されている。補強23の長手方向の他端は、支柱本体21の第3面21cに固定されている。補強23長手方向は、ベース本体221の長手方向及び支柱本体21の延在方向(上下方向)に対して傾斜している。
【0030】
接続部材3は、2つの支柱部材2A,2Bの下部に接続されている。図1に示すように、接続部材3は、平面形状が略T字状の板体からなり、2つの係合突起31と、接続側溝挿入突起32を有する。
【0031】
2つの係合突起31は、接続部材3の両側端面から突出している。2つの係合突起31は、2つの支柱部材2A,2Bにおける支柱本体21の係合溝214に係合される。支柱本体21の係合溝214の幅は、係合突起31の厚みよりも僅かに大きい。また、2つの係合突起31は、係合溝214に係合した状態でベース本体221の上面に当接する。
【0032】
接続側溝挿入突起32は、2つの係合突起31よりも下方の部分である。接続側溝挿入突起32は、2つの支柱部材2A,2B間において、シル溝102aに挿入される。また、接続側溝挿入突起32がシル溝102aに挿入された状態において、接続側溝挿入突起32の両側端は、2つの支柱部材2A,2Bにおけるベース本体221及び溝挿入突起222に当接する。したがって、2つの支柱部材2A,2Bが互いに接近する方向への移動は、接続側溝挿入突起32によって制限される。
【0033】
[乗り場ドア安全柵の組立作業]
次に、乗り場ドア安全柵の組立作業について説明する。
【0034】
乗り場ドア安全柵1は、例えば、保守点検作業を行うエレベーターの設置場所において組み立てられる。エレベーターの設置場所には、2つの支柱部材2A,2Bと、接続部材3と、補強接続部材4が、別々に搬入される。なお、予め支柱部材2Bに補強接続部材4を取り付けて搬入してもよい。
【0035】
乗り場ドア安全柵1を組み立てるには、まず、支柱部材2Bの支柱本体21に補強接続部材4を回転可能に取り付ける。このとき、補強接続部材4は、格納位置に配置して保持部により保持する。
【0036】
次に、乗り場ドア101A,101Bを開いて、乗り場ドア101A,101B間に2つの支柱部材2A,2Bを配置する。このとき、2つの支柱部材2A,2B間の距離は、接続部材3の横方向の長さよりも少し長くする。そして、2つの支柱部材2A,2Bの溝挿入突起222を乗り場側シル102のシル溝102aに挿入する。これにより、2つの支柱部材2A,2Bは、乗り場ドア101A,101Bの開口方向への移動が制限され、2つの支柱部材2A,2Bを建屋に容易に固定することができる。
【0037】
次に、2つの支柱部材2A,2B間に接続部材3を配置する。そして、接続部材3の一方の係合突起31を支柱部材2Aの係合溝214に挿入すると共に、接続部材3の接続側溝挿入突起32を乗り場側シル102のシル溝102aに挿入する。これにより、接続部材3の一方の係合突起31は、支柱部材2Aにおけるベース本体221の上面に当接する。
【0038】
次に、支柱部材2Bを支柱部材2A側に移動させる。これにより、接続部材3の他方の係合突起31が、支柱部材2Bの係合溝214に挿入されると共に、支柱部材2Bにおけるベース本体221の上面に当接する。そして、接続側溝挿入突起32の端面が、2つの支柱部材2A,2Bにおけるベース本体221の側面及び溝挿入突起222の側面に当接する。これにより、2つの支柱部材2A,2Bは、互いに接近する方向の移動が制限される。
【0039】
次に、補強接続部材4を回転させて、補強接続部材4の係合凹部41を、支柱部材2Aの係合ピン212に係合させる。これにより、補強接続部材4が2つの支柱部材2A,2Bに接続され、乗り場ドア安全柵1の組み立てが完了する。補強接続部材4が2つの支柱部材2A,2Bに接続されることにより、乗り場ドア安全柵1の剛性を高めることができる。また、補強接続部材4が2つの支柱部材2A,2Bに接続されることにより、2つの支柱部材2A,2Bは、互いに接近する方向及び離反する方向の移動が制限される。
【0040】
乗り場ドア安全柵1の組立後、乗り場ドア101A,101Bを閉じる方向に移動させる。これにより、乗り場ドア101A,101Bが支柱部材2A,2Bに接触し、乗り場ドア101A,101Bと乗り場ドア安全柵1との間の隙間が無くなる。その結果、乗り場ドア101A,101Bと乗り場ドア安全柵1との間を作業員や工具が通り抜けられないようになり、安全性を高めることができる。
【0041】
2.まとめ
以上説明したように、上述した一実施形態に係る乗り場ドア安全柵1は、乗り場ドア101A,101Bの開口部に配置される2つの支柱部材2A,2Bと、2つの支柱部材2A,2Bを接続する接続部材3(補強接続部材4でもよい)と、を備える。そして、2つの支柱部材2A,2Bは、乗り場ドア101A,101Bが移動可能に係合するシル溝102aに挿入される溝挿入突起222を有する。
これにより、乗り場側から乗り場ドア安全柵1の設置作業を行うことができる。また、乗り場ドア安全柵1を建屋に容易に固定することができる。
【0042】
また、上述した一実施形態に係る接続部材3は、シル溝102aに挿入される接続側溝挿入突起32を有する。
これにより、乗り場ドア安全柵1の建屋に対する固定をより強固にすることができる。また、2つの支柱部材2A,2Bを接続する接続部材3が、建屋に固定される固定部を兼ねるため、部品点数の削減を図ることができる。
【0043】
また、上述した一実施形態に係る接続部材3は、2つの支柱部材2A,2Bに着脱可能に形成されている。
これにより、2つの支柱部材2A,2Bと接続部材を別々に梱包して、エレベーターの設置場所まで搬送することができる。その結果、乗り場ドア安全柵1を搬送するために必要なスペースを削減することができる。
【0044】
また、上述した一実施形態に係る乗り場ドア安全柵1は、2つの支柱部材2A,2Bの上部を接続する補強接続部材4を備える。
これにより、乗り場ドア安全柵1の剛性を高めることができる。
【0045】
また、上述した一実施形態に係る補強接続部材4は、支柱部材2Bに回転可能に支持されている。そして、支柱部材2Aには、補強接続部材4の係合凹部41が係合する係合ピン212(係合突部)を有する。
これにより、2つの支柱部材2A,2Bに補強接続部材4を容易に接続することができる。また、補強接続部材4を回転させることで、2つの支柱部材2A,2Bの接続と接続解消を容易に行うことができる。
【0046】
また、上述した一実施形態に係る2つの支柱部材の2A,2B(少なくとも一方でよい)は、安全帯フック取付用のフック用孔211を有する。
これにより、作業員は、安全帯フックをフック用孔211に引っ掛けながら昇降路100内を昇降することができる。その結果、作業員は、安全に作業を行うことができる。
【0047】
また、上述した一実施形態に係る乗り場ドア安全柵1は、2つの支柱部材2A,2B(少なくとも一方でよい)に取り付けられ、乗り場ドア101A,101Bの乗り場側を向く面に対向する倒れ防止片5を備える。
これにより、乗り場ドア安全柵1が昇降路100側に倒れること防止することができる。
【0048】
また、上述した一実施形態に係る倒れ防止片5は、支柱部材2A(または支柱部材2B)に回転可能に支持されている。そして、支柱部材2A(または支柱部材2B)は、倒れ防止片5を乗り場ドア101A(または乗り場ドア101B)に当接する位置に保持する保持部を有する。
これにより、乗り場ドア安全柵1を設置するときに、倒れ防止片5を乗り場ドア101A,101Bに当接する位置に配置し、乗り場ドア安全柵1を搬送する際は、倒れ防止片5を邪魔にならない位置(格納位置)に配置することができる。
【0049】
また、上述した一実施形態に係る倒れ防止片5は、乗り場ドア101A(または乗り場ドア101B)と当接する面にクッション材51を有する。
これにより、乗り場ドア101A(または乗り場ドア101B)の体裁面の一部である乗り場側表面が傷つかないようにすることができる。
【0050】
以上、本発明の乗り場ドア安全柵の実施形態について、その作用効果も含めて説明した。しかしながら、本発明の乗り場ドア安全柵は、上述の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形実施が可能である。また、上述した実施形態は、本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
【0051】
例えば、上述した一実施形態では、支柱本体21が倒れ防止片5を回転可能に支持する構成にした。しかし、本発明に係る倒れ防止片は、上述の突出位置で支柱本体21に固定される構成であってもよい。また、一実施形態では、支柱部材2Bの支柱本体21が補強接続部材4を回転可能に支持する構成にした。しかし、本発明に係る補強接続部材は、2つの支柱部材に係合する構成にしてもよい。
【0052】
また、上述した一実施形態では、支柱部材2Bの支柱本体21における第1面21a(昇降路100側を向く面)に補強接続部材4を取り付けた。しかし、本発明に係る補強接続部材は、支柱本体21における第3面21cや第4面21dに取り付ける構成にしてもよい。
【0053】
また、上述した一実施形態では、2つの支柱部材2A,2Bに接続部材3を係合させる構成にした。しかし、本発明に係る接続部材は、2つの支柱部材2A,2Bにねじ等を用いて固定する構成にしてもよい。
【0054】
また、上述した一実施形態では、両開きの乗り場ドアにおける開口部に乗り場ドア安全柵1を設置する例について説明した。しかし、本発明に係る乗り場ドア安全柵としては、片開きの乗り場ドアにおける開口部に設置することもできる。
【符号の説明】
【0055】
1…乗り場ドア安全柵、 2A,2B…支柱部材、 3…接続部材、 4…補強接続部材、 5…倒れ防止片、 21…支柱本体、 21a…第1面、 21b…第2面、 21c…第3面、 21d…第4面、 22…支柱ベース、 23…補強、 31…係合突起、 32…接続側溝挿入突起、 41…係合凹部、 51…クッション材、 100…昇降路、 101A,101B…乗り場ドア、 102…乗り場側シル、 102a…シル溝、 211…フック用孔、 212…係合ピン、 213…クッション材、 214…係合溝、 221…ベース本体、 222…溝挿入突起
図1
図2
図3
図4