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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023090133
(43)【公開日】2023-06-29
(54)【発明の名称】ゴルフスイング練習具
(51)【国際特許分類】
   A63B 69/36 20060101AFI20230622BHJP
【FI】
A63B69/36 531A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021204931
(22)【出願日】2021-12-17
(71)【出願人】
【識別番号】521120377
【氏名又は名称】澤村 千尋
(74)【代理人】
【識別番号】110002435
【氏名又は名称】弁理士法人井上国際特許商標事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100077919
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 義雄
(74)【代理人】
【識別番号】100172638
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 隆治
(74)【代理人】
【識別番号】100153899
【弁理士】
【氏名又は名称】相原 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100159363
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 淳子
(72)【発明者】
【氏名】澤村 千尋
(57)【要約】
【課題】下半身主導の理想的なゴルフスイングを体得してスイングプレーンを改善することが可能なゴルフスイング練習具を提供する。
【解決手段】ゴルフスイング練習具1は、半円形状の小型板状部材3と、小型板状部材3を支持するベース2と、ベース2を使用者の腰部の前側部分に固定するためのベルト5と、を有し、小型板状部材3は前方へ突き出して下端部12aが上端部12bよりも内側に位置するように傾斜してベース2に支持される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半円形状の小型板状部材と、
前記小型板状部材を支持するベースと、
前記ベースを使用者の腰部の前側部分に固定するためのベルトと、を有し、
前記小型板状部材は前方へ突き出して下端部が上端部よりも内側に位置するように傾斜して前記ベースに支持されることを特徴とするゴルフスイング練習具。
【請求項2】
前記小型板状部材に重ねて着脱自在な扇形状の大型板状部材を有し、
前記大型板状部材の円弧部分には使用者が目視するための縁取部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のゴルフスイング練習具。
【請求項3】
前記ベースは前記小型板状部材を着脱自在かつ傾斜方向変更可能に支持することを特徴とする請求項1又は2に記載のゴルフスイング練習具。
【請求項4】
前記小型板状部材は面ファスナーにより前記ベースに対して着脱自在、傾斜方向変更かつ傾斜角度調整可能に取り付けられることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のゴルフスイング練習具。
【請求項5】
前記ベースは、使用者の腰骨の前側周辺に配置される矩形状の矩形状部と、使用者の腰部に沿って水平方向後ろ側へ回り込むように湾曲した細長い矩形状の湾曲部とからなり、
前記矩形状部及び前記湾曲部の裏面には緩衝材が備えられていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のゴルフスイング練習具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴルフスイング練習具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ゴルフスイングを矯正するための器具が提案されている(例えば、特許文献1を参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平2-124186号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら上述のような従来の器具は、下半身を回転させ、これに伴ってゴルフクラブを持った両腕を振るという下半身主導の理想的なゴルフスイングを体得することができないという問題があった。
【0005】
そこで本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、下半身主導の理想的なゴルフスイングを体得してスイングプレーンを改善することが可能なゴルフスイング練習具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために本発明は、
半円形状の小型板状部材と、
前記小型板状部材を支持するベースと、
前記ベースを使用者の腰部の前側部分に固定するためのベルトと、を有し、
前記小型板状部材は前方へ突き出して下端部が上端部よりも内側に位置するように傾斜して前記ベースに支持されることを特徴とするゴルフスイング練習具を提供する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、下半身主導の理想的なゴルフスイングを体得してスイングプレーンを改善することが可能なゴルフスイング練習具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は本発明の実施形態に係るゴルフスイング練習具の構成を示す斜視図である。
図2図2(a)はベースの展開図であり、図2(b)は大ウイングの大羽部の構成を示す図である。
図3図3(a)は小ウイングの小羽部の構成を示す図であり、図3(b)は小ウイングのウイングベース部の構成を示す図である。
図4図4は右打ちの使用者がゴルフスイング練習具を装着してゴルフスイングを練習する様子を示す図であり、詳細には図4(a)、図4(b)は小ウイングを用いた使用者の様子を順に示す側面図であり、図4(c)~図4(e)は大ウイングを用いた使用者の様子を順に示す正面図であり、図4(f)、図4(g)は大ウイングを用いた使用者の様子を順に示す側面図である。
図5図5(a)は右打ちの使用者がベースに小ウイングを取り付けた様子を示す図であり、図5(b)は左打ちの使用者がベースに小ウイングを取り付けた様子を示す図である。
図6図6(a)~図6(c)は小ウイングの小羽部の変形例を示す図であり、図6(d)、図6(e)は大ウイングの大羽部の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施形態に係るゴルフスイング練習具を添付図面に基づいて説明する。
図1に示す本実施形態に係るゴルフスイング練習具(スイングガイドベルト)1は、使用者が腰部に装着してゴルフスイングの練習を行うためのものである。ゴルフスイング練習具1は、ベース2と、小ウイング3と、大ウイング4と、ベルト5とからなる。
【0010】
ベース2は、小ウイング3及び大ウイング4を支持し、ベルト5によって使用者の腰部の前側部分、詳細には腰骨(腸骨)の前側周辺に固定されるものである(図4(a)~図4(g)を参照)。ベース2は、軟鉄で構成されており、プラスチック製やその他の金属製としてもよい。ベース2は、図2(a)に展開図を示すように、矩形状部6と、矩形状部6に一体的に設けられた湾曲部7とからなる。ここで、ベース2の使用者側の面を裏面、反対側の面を表面とし、この表裏の基準はベルト5等の他の要素についても同様とする。また、各図中に記載の寸法や角度は好ましい一例を示したものであり、これに限定されるものではない。
【0011】
矩形状部6の表面には、面ファスナーのループ(不図示)が全面にわたって備えられている。
湾曲部7は、矩形状部6の一方の長辺の中央位置から延びた細長い矩形状をしており、使用者の腰部に沿うように湾曲している。湾曲部7の表面には、ベルト5の一部が全面にわたって固定されている。
【0012】
矩形状部6及び湾曲部7の裏面には、緩衝材8が全面にわたって備えられている。緩衝材8には、柔軟性のあるウレタン、ゴム、ポリエチレン、スポンジ等を用いることができる。緩衝材8の厚みを大きくすることにより、様々な体型の使用者の腰部にベース2を取り付けることができるので好ましい。本実施形態では、緩衝材8として矩形状部6及び湾曲部7の裏面にスポンジシート8aが貼り付けられており、このスポンジシート8aにさらにウレタンシート8bが貼り付けられている。
【0013】
なお、矩形状部6の4つの角部と湾曲部7の先端の2つの角部は、丸みを帯びるようにそれぞれR加工が施されている(R=40φ)。これにより、使用者がゴルフスイング練習具1を装着した際にベース2の角部が使用者の腰部や腹部に食い込むことを防止できるとともに、持ち運びの際等にベース2の破損を防ぐこともできる(安全性、耐久性)。
【0014】
ベルト5は、ベース2を使用者の腰部に固定するためのものであり、ナイロン製で細長い帯状の所謂面ファスナーバンドである。詳細には、ベルト5の一端にはプラスチック製で矩形状のリング9が取り付けられており、他端の表面には面ファスナーのフック(不図示)が備えられている。ベルト5の表面には、フックの部分を除いて面ファスナーのループ(不図示)が全面にわたって備えられている。
【0015】
小ウイング3は、使用者が下半身主導の理想的なゴルフスイングを体得するためのものであり、ウイングベース部11と、ウイングベース部11に対して垂直にかつ一体的に備えられた小羽部12とからなる。
【0016】
ウイングベース部11は、細長い長軸部13と長軸部13よりも短く同幅の短軸部14とが直交してなる十字形の板状部材である。長軸部13と短軸部14のそれぞれの角部は、丸みを帯びるようにそれぞれR加工が施されている。
【0017】
ウイングベース部11の裏面には、面ファスナーのフック(不図示)が全面にわたって備えられている。ウイングベース部11裏面のフックを上述したベース2の矩形状部6表面のループに接触させることにより、ベース2の矩形状部6に対してウイングベース部11を着脱自在に貼り付けることができる。
なお、ウイングベース部11はベース2の矩形状部6に対して斜めに貼り付けた際に矩形状部6に収まる寸法であればよく、形状は十字形に限られず楕円形状や矩形状等としてもよい。
【0018】
小羽部12は、略半円形状の板部材であって、ウイングベース部11の長軸部13において短手方向の中央位置に配置されている。詳しくは、小羽部12は、半円形状の板部材に対して、半円の一方の角部をS字状に切り欠いたS字切欠部12a、他方の角部を半円の直線部分に対して垂直に切り欠いた垂直切欠部12b、及び半円の直線部分の中央位置を矩形状に切り欠いた矩形切欠部12cを形成してなる。
小羽部12の片面には、面ファスナーのループ(不図示)が部分的に備えられている。
【0019】
大ウイング4は、使用者が理想的な下半身主導のスイングを体得してスイング軌道を安定させるためのものであり、大羽部15からなる。
大羽部15は、小ウイング3の小羽部12よりも大型で略扇形状の板部材である。詳しくは、大羽部15は、中心角100度程度の扇形状の板部材に対して、扇形の一方の角部を小羽部12のS字状部分と重なるようにS字状に切り欠いたS字切欠部15aを形成し、中心角部分を緩やかにS字状に切り欠いたS字切欠部15bを形成してなる。なお、扇形の他方の角部には緩やかに丸みが付けられている。
【0020】
大羽部15の片面には、小羽部12のループに対向するように、面ファスナーのフック(不図示)が部分的に備えられている。大羽部15のフックを上述した小羽部12のループに接触させることにより、小羽部12に対して大羽部15を着脱自在に貼り付けることができる。
大羽部15の両面には、扇形の円弧部分に沿って黒色に塗られた縁取部16がそれぞれ設けられている。なお、縁取部16の色は黒色に限られない。
本実施形態において大ウイング4及び上述の小ウイング3は、プラスチック製であるが、これに限られず弾性変形可能なシリコン製等としてもよい。
【0021】
以上に述べた構成のゴルフスイング練習具1を右打ちの使用者が使用する際の装着手順と使用方法について説明する。
はじめに、使用者は図5(a)に示すようにベース2の矩形状部6表面に小ウイング3のウイングベース部11裏面を斜めに貼り付ける。詳しくは、ベース2を使用者の腰部の左前側部分に配置した際に、小羽部12のS字切欠部12aが垂直切欠部12bよりも下方に位置し、かつS字切欠部12aが垂直切欠部12bよりも内側、言い換えればアドレス時のボール側に位置するように、ベース2の矩形状部6に対して小ウイング3のウイングベース部11を傾けて貼り付ける(図4(a)及び図4(b)を参照)。詳細には、矩形状部6に対するウイングベース部11の傾きは、インパクトを想定して左手の甲が正面から見て左太ももの中央位置と左太ももの内側の輪郭線との間に位置するようにゴルフクラブを構えた時に(図4(c)を参照)、左腕が小ウイング3の小羽部12に接触しないように左腕に対して平行又は略平行となる角度にする。
【0022】
次いで使用者は、ベース2を湾曲部7が腰部に沿って水平方向後ろ側へ回り込むように腰部の左前側部分に配置する。詳しくは、使用者はベース2を矩形状部6の上辺が腰骨の上部の高さと同じぐらいの高さであって、矩形状部6が腰部の左前側部分において真正面ではなくやや斜め左前方へ向くように、即ち真正面から少し後ろ側へずらして腰部に配置する(図4(a)及び図4(b)を参照)。
最後に使用者は、ベルト5のリング9が備えられた端部を小ウイング3の小羽部12の矩形切欠部12cに通す。そして使用者は、ベルト5のフックが備えられた他端部を腰部に一回りさせ、当該リング9に通して折り返し、ベルト5表面のループに貼り付けることで固定する。
【0023】
以上の手順により右打ちの使用者は、ゴルフスイング練習具1を腰部に装着することができ、ゴルフクラブを持ってゴルフスイングの練習を行うことができる。なお、前述のようにベルト5のリング9を小ウイング3の小羽部12の矩形切欠部12cに通したことにより、小ウイング3をベース2に対してベルト5でしっかり押さえることができる。
【0024】
ここで、ゴルフスイングは、下半身主導で行うことが理想である。具体的には、下半身の力を利用して腰を身体の中心軸を中心に回転させ、これに伴ってゴルフクラブを持った両腕が振られることにより、最大限のパワーを発揮可能で再現性の高い理想的なスイングが実現される。
【0025】
ゴルフスイング練習具1を装着した右打ちの使用者は、ゴルフスイングの練習中に左腕が小羽部12に接触することにより、下半身を回転させずに両腕を振っていたこと、下半身の回転量が不足していたこと、下半身の回転と両腕を振るタイミングとが合っていなかったこと等を認識することができる。また、使用者は、小羽部12から腕が前方へ離れていくスイングをした場合、フォロースルーを飛球線方向に出そうとしたことにより、スイングが正しいスイングプレーンから外れていることも認識することができる。使用者が理想的なスイングをした場合、インパクト時及びフォロースルー時に左腕は小羽部12に対して近い位置であって小羽部12に対して平行又は略平行を保って振られることとなる(図4(b)を参照)。
【0026】
そして使用者は、左腕が小羽部12に接触しないように、かつ左腕が小羽部12から離れず小羽部12に対して平行に振るように意識しながらゴルフスイングを繰り返し練習することで、下半身主導の理想的なゴルフスイングを体得することができ、スイングプレーンを改善することができる。そしてこれにより、スイング軌道、フェースコントロールが安定し、飛距離、コントロール性が向上する。特に下半身、足を使って打つスイングを体得しやすいため、所謂手打ちのスイングを改善することができ、スライス、フック、ダフリ、トップ及びシャンク等のミスを大幅に抑えることができる。
【0027】
小ウイング3を用いたゴルフスイング練習具1によるスイング練習は、スイングスピードの大きなショットにも有効であるが、大きなスイングスピードを必要としないアプローチやコントロールショット等のようなグリップを短く持って行うショットに特に有効である。
また、上述のように、ベース2の矩形状部6に対する小ウイング3のウイングベース部11の傾きは、左手の甲が正面から見て左太ももの中央位置と左太ももの内側の輪郭線との間に位置するようにゴルフクラブを構えた時に、左腕が小ウイング3の小羽部12に接触しないように左腕に対して平行又は略平行となる角度に設定されている。このため、クラブを構える度にアドレス時の正しい手の位置を習慣化して体得することができる。アドレス時の手の位置は、ゴルフを上達する上で重要であるものの、一般的なスイング練習においてはズレてしまう場合が多いため、ゴルフスイング練習具1によるアドレス時の正しい手の位置の習慣化は非常に有効である。
【0028】
また、ゴルフスイング練習具1によるスイング練習は、使用者がクラブを持たずに行った場合でも、下半身主導の理想的なゴルフスイングの体得、スイングプレーンの改善に効果を奏することができる。
【0029】
使用者は、大ウイング4を用いてゴルフスイングの練習を行う場合には、小ウイング3の小羽部12に対して大ウイング4の大羽部15を互いのS字切欠部12a、15aが重なるように貼り付ける。
【0030】
使用者は、大ウイング4の大羽部15の縁取部16が視界に入りつつ縁取部16に沿ってゴルフクラブを振ることを意識しながらゴルフスイングを繰り返し練習することで、スイングプレーンをよりイメージしやすいため、上述した小ウイング3を用いたスイング練習による効果に加えて、スイングプレーンをより改善しつつ下半身主導の理想的なゴルフスイングの再現性を高めることができる。
【0031】
大ウイング4を用いたゴルフスイング練習具1によるスイング練習は、スイングスピードの大きなショットに特に有効である。この理由は、スイングスピードの大きなスイング時には、勢いの付いたクラブヘッドに手が引っ張られて、スイングスピードの小さなスイング時に比して、インパクト以降、クラブを握った手が外側を通る、言い換えれば腕が大ウイング4の大羽部15から前方へ少し離れて振られることとなるため、使用者はグリップを多少短く持っていてもグリップエンドが大羽部15に接触することがないからである。屋内等においてクラブを持たずにスイング練習する場合にも、大型の大羽部15によってスイングイメージがしやすく、正しいスイングイメージを身に着ける効果が高い。
【0032】
ゴルフスイング練習具1は、大ウイング4の大羽部15を小ウイング3の小羽部12よりも大きくしたことにより、使用者は見ようとせずとも大羽部15が視界に入ってくることで正しいスイングをしようとする意識が働く。また、使用者は下半身主導のスイングをせずに腕や手でクラブを振ると大羽部15に左腕が当たってしまうため、下半身の力を利用する習慣が身に付く。そして使用者は、正しく下半身主導のスイングをすると左腕が大羽部15に対して平行に振られていることを認識しやすく、左腕が大羽部15に当たってしまうことと左腕が大羽部15から離れていくことが誤りであることを認識しやすい。
【0033】
また、大ウイング4を用いたゴルフスイング練習具1によるスイング練習では、使用者は大羽部15の円弧部分に設けられた縁取部16とクラブを握った手の軌道とがリンクするため(図4(d)を参照)、スイングの様子をビデオで撮影して確認等することでさらにわかりやすく簡単に自己分析、チェックが可能となる。
【0034】
一般に、下半身主導のスイングが好ましいことは周知の事実であるものの実際に体得することは難しく、体得できる人は非常に少ない。この結果、多くの人のスイングは手打ち等となってしまい上達しにくい現状にある。また、手打ちは腰痛、肩痛、ひじ痛、首痛等の原因にもなりやすい。
これに対して、ゴルフスイング練習具1を用いた右打ちの使用者は、上述のように下半身主導のスイングと正しいスイング軌道を体得することができ、これに伴い最大限のパワーを発揮可能で再現性の高い理想的なスイングを実現することができる。また、理にかなった下半身主導のスイングは、身体にやさしく身体を痛めにくいため、健康維持に効果的である。
【0035】
また、下半身主導のスイングは、ショートゲーム全般、アップヒル、ダウンヒル、前上がり、つま先下がり、複合ライ、低い弾道と高い弾道の打ち分け、バンカーショット等、様々な状況において練習可能である。使用者は小ウイング3と大ウイング4を用いてゴルフスイング練習具1でスイング練習を繰り返すことにより、下半身主導のスイングの質及び再現性を向上することができる。また、ボールに対してクラブの入射角、クラブのフェースをスクエアにしやすくなるため、ミート率を格段に向上することができる。これに伴い、飛距離を伸ばしてコントロール性を向上することができる。
【0036】
次に、ゴルフスイング練習具1を左打ちの使用者が使用する際の装着手順と使用方法について説明する。
はじめに、使用者はベース2を腰部の右前側部分に配置した際に、小ウイング3の小羽部12のS字切欠部12aが垂直切欠部12bよりも下方に位置し、かつS字切欠部12aが垂直切欠部12bよりも内側に位置するように、ベース2の矩形状部6に対して小ウイング3のウイングベース部11を傾けて貼り付ける(図5(b)を参照)。詳細には、矩形状部6に対するウイングベース部11の傾きは、インパクトを想定して右手の甲が正面から見て右太ももの中央位置と右太ももの内側の輪郭線との間に位置するようにゴルフクラブを構えた時に、右腕が小ウイング3の小羽部12に接触しないように右腕に対して平行又は略平行となる角度にする。
【0037】
次いで使用者は、ベース2を腰部の右前側部分に配置し、上述した右打ちの使用者がゴルフスイング練習具1を装着する場合と同様の手順によってゴルフスイング練習具1を腰部に装着することができる。
【0038】
これにより左打ちの使用者は、右打ちの使用者と同様にゴルフスイングの練習を行うことができ、下半身主導の理想的なゴルフスイングを体得してスイングプレーンを改善することができる。
【0039】
左打ちの使用者は、大ウイング4を用いてゴルフスイングの練習を行う場合には、右打ちの使用者の場合と同様、小ウイング3の小羽部12に対して大ウイング4の大羽部15を互いのS字切欠部12a、15aが重なるように貼り付ける。
【0040】
左打ちの使用者は、大ウイング4の大羽部15の縁取部16、詳しくは右打ちの使用者の場合と反対側の面にある縁取部16が視界に入ることにより、縁取部16に沿ってゴルフクラブを振ることを意識しながらゴルフスイングを繰り返し練習することができる。これにより左打ちの使用者は、右打ちの使用者の場合と同様の効果を奏することができる。
【0041】
本実施形態に係るゴルフスイング練習具1は、上述のように面ファスナーによりベース2の矩形状部6に小ウイング3のウイングベース部11を貼り付ける構成である。このため、ベース2の矩形状部6に対して小ウイング3のウイングベース部11を傾けて貼り付ける際に傾斜角度を自在に調整することができる。したがって、使用者は体型や好みに応じて小ウイング3及び大ウイング4の傾斜角度を調整することができる。
【0042】
本実施形態に係るゴルフスイング練習具1では、上述のように小ウイング3の小羽部12及び大ウイング4の大羽部15の角部分が丸みを帯びるようにそれぞれR加工を施し、凡そ流線形としている。これにより、スイング練習時に使用者の体に食い込むことを防止しつつ視覚的に圧迫感がないようにしている。大羽部15に縁取部16を設けたことにより、使用者がスイング時に理想的なスイングプレーンを感じやすくなっている。また、小羽部12と大羽部15にS字切欠部12a、15aを設けたことにより、使用者が小羽部12に大羽部15を貼り付ける際にS字切欠部12a、15a同士を重ね合わせることにより、大羽部15の向きを間違えることなく位置合わせも容易にできるようになっている。なお、斯かる効果を実現できるものであればS字切欠部12a、15aの形状はS字形状に限られない。
【0043】
本実施形態に係るゴルフスイング練習具1は、ベース2の矩形状部6に小ウイング3のウイングベース部11を着脱自在かつ傾斜角度自在に貼り付ける構成により使用者が利き手に関わらず使用可能となっている。しかしながら、ベース2と小ウイング3とを一体的に構成して右打ちの使用者専用のゴルフスイング練習具又は左打ちの使用者専用のゴルフスイング練習具としてもよい。
【0044】
なお、本実施形態に係るゴルフスイング練習具1において、ベース2の矩形状部6と小ウイング3のウイングベース部11との貼り付け、小ウイング3の小羽部12と大ウイング4の大羽部15との貼り付け、及びベルト5の固定にはそれぞれ面ファスナーが用いられているが貼り付け手段、固定手段はこれに限られるものではない。
また、小ウイング3の小羽部12と大ウイング4の大羽部15の形状は上述のものに限られない。例えば、小羽部12を図6(a)~図6(c)に示す形状としたり、大羽部15を図6(d)、図6(e)に示す形状としてもよい。
【0045】
以上、本実施形態によれば、安価かつ簡単な構成で、下半身主導の理想的なゴルフスイングを体得してスイングプレーンを改善することが可能なゴルフスイング練習具を実現することができる。
【符号の説明】
【0046】
1 ゴルフスイング練習具
2 ベース
3 小ウイング
4 大ウイング
5 ベルト
6 矩形状部
7 湾曲部
11 ウイングベース部
13 長軸部
14 短軸部
12 小羽部
15 大羽部
16 縁取部
図1
図2
図3
図4
図5
図6