(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023009017
(43)【公開日】2023-01-19
(54)【発明の名称】ディスプレイ装置、コンピュータシステム、方法、及びコンピュータプログラム製品
(51)【国際特許分類】
G09G 5/00 20060101AFI20230112BHJP
G09G 5/10 20060101ALI20230112BHJP
【FI】
G09G5/00 550C
G09G5/00 510V
G09G5/00 550B
G09G5/10 Z
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022108169
(22)【出願日】2022-07-05
(31)【優先権主張番号】10 2021 117 438.4
(32)【優先日】2021-07-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】10 2021 125 249.0
(32)【優先日】2021-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.HDMI
(71)【出願人】
【識別番号】518133201
【氏名又は名称】富士通クライアントコンピューティング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】トビアス・バール
(72)【発明者】
【氏名】ダーヴィト・ヴァナー
【テーマコード(参考)】
5C182
【Fターム(参考)】
5C182AB02
5C182BA54
5C182BB01
5C182BB11
5C182BB23
5C182BB25
5C182BB26
5C182BC11
5C182BC22
5C182BC27
5C182CA01
5C182DA22
5C182DA42
5C182DA64
5C182DA65
5C182DA66
(57)【要約】
【課題】 ディスプレイ装置、コンピュータシステム、方法、及びコンピュータプログラム製品を提供する。
【解決手段】 検出エリア内のユーザの存在を検出するセンサと、少なくとも1つの外部装置の、詳細には別のディスプレイ装置又はコンピュータの処理装置の、制御情報を受信する少なくとも1つのインターフェースと、少なくとも1つのコントローラとを含むディスプレイ装置について開示する。コントローラは、センサから取得された第1のユーザ検出ステータスと、少なくとも1つのインターフェースを介して受信された少なくとも1つの補助制御情報と少なくともに基づいて、ディスプレイ装置の省電力状態を制御するように構成され、少なくとも1つの補助制御情報は、外部装置から取得された第2のユーザ検出ステータスを示す。さらに、処理装置と少なくとも2つのディスプレイ装置とを有するコンピュータシステム、方法、及びコンピュータプログラム製品について開示する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイ装置であって、
- 検出エリア内のユーザの存在を検出するセンサと、
- 少なくとも1つの外部装置、詳細には別のディスプレイ装置又はコンピュータの処理装置から、制御情報を受信する少なくとも1つのインターフェースと、
- 前記センサから取得された第1のユーザ検出ステータスと前記少なくとも1つのインターフェースを介して受信された少なくとも1つの補助制御情報とに少なくとも基づいて当該ディスプレイ装置の省電力状態を制御するように構成された少なくとも1つのコントローラであり、前記少なくとも1つの補助制御情報は、前記外部装置から取得された第2のユーザ検出ステータスを示す、少なくとも1つのコントローラと、
を含むディスプレイ装置。
【請求項2】
前記コントローラは、前記第1のユーザ検出ステータス及び前記第2のユーザ検出ステータスが、ユーザ存在が検出されなかったことを示す場合に、省電力モードに変更し、前記第1のユーザ検出ステータス又は前記第2のユーザ検出ステータスが、ユーザ存在が検出されたことを示す場合に、通常動作モードに変更するように構成される、請求項1に記載のディスプレイ装置。
【請求項3】
前記コントローラはさらに、当該ディスプレイ装置の省電力状態が変化した場合に、更新された補助制御情報を前記少なくとも1つの外部装置に送信するように構成される、請求項1に記載のディスプレイ装置。
【請求項4】
前記コントローラは、前記省電力状態を制御するための少なくとも3つのステータスビットを使用し、
- 第1のステータスビットは、ユーザ存在が所定の期間内に前記センサにより検出されたかどうかを示し、
- 第2のステータスビットは、ユーザ存在が別のディスプレイ装置により又は別のディスプレイ装置に対してシグナリングされるかどうかを示し、
- 第3のステータスビットは、当該ディスプレイ装置が現在省電力状態であるかどうかを示し、
- 前記第2のステータスビットの状態は、前記外部装置と同期される、
請求項1に記載のディスプレイ装置。
【請求項5】
- コンピュータの処理装置と、
- 請求項1乃至4のうちいずれか1項に記載の、少なくとも2つのディスプレイ装置であり、前記少なくとも1つのインターフェースを介して互いに、及び/又は前記処理装置に接続される、少なくとも2つのディスプレイ装置と、
を含むコンピュータシステム。
【請求項6】
前記少なくとも2つのディスプレイ装置は、直接接続、詳細にはDisplayPort接続を介して互いに接続され、第1のディスプレイ装置は第2のディスプレイ装置のための前記補助制御情報を生成し、あるいは逆もまた同様である、請求項5に記載のコンピュータシステム。
【請求項7】
前記少なくとも2つのディスプレイ装置は、前記処理装置を介して、詳細には2つのDisplayPort、HDMI、DVI、USB-C、又はVGA接続を介して互いに間接的に結合され、前記処理装置により実行されるソフトウェアコンポーネントは、前記の2つ以上のディスプレイ装置間で前記補助制御情報を同期させ、詳細には、第1のディスプレイからの前記情報を要求してそれを第2のディスプレイに供給し、あるいは逆もまた同様である、請求項5に記載のコンピュータシステム。
【請求項8】
前記処理装置及び/又は前記少なくとも2つのディスプレイ装置は、前記少なくとも2つのディスプレイ装置間で少なくとも1つのディスプレイ設定を同期させるように構成され、前記少なくとも1つの同期されるディスプレイ設定は、前記補助制御情報を含む、請求項5に記載のコンピュータシステム。
【請求項9】
前記処理装置は、前記少なくとも2つのディスプレイ装置が前記少なくとも1つのディスプレイ設定を互いに同期させるかどうかを識別し、前記少なくとも1つのディスプレイ設定を、前記少なくとも1つのディスプレイ設定を第1のディスプレイ装置と同期させない少なくとも1つのさらなるディスプレイ装置に転送するように構成される、請求項8に記載のコンピュータシステム。
【請求項10】
装置、詳細にはディスプレイ装置の動作状態を決定する方法であって、
- 装置内部の第1のセンサを使用して内部ユーザ検出ステータスを識別するステップと、
- 装置インターフェースを介して受信された制御情報を用いて外部ユーザ検出ステータスを識別するステップであり、前記制御情報は、別の装置の動作状態を示し、前記状態は、前記別の装置により少なくとも1つの第2のセンサに基づいて決定されている、ステップと、
- 第1のユーザ検出ステータス及び第2のユーザ検出ステータスの双方が、ユーザ存在が検出されなかったことを示す場合に、第1の所定の動作状態、詳細には省電力モードを選択するステップと、
- 前記内部ユーザ検出ステータス又は前記外部ユーザ検出ステータスが、ユーザ存在が検出されたことを示す場合に、第2の所定の動作状態、詳細には通常動作モードを選択するステップと、
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、ディスプレイ装置及びコンピュータシステムに関する。詳細には、ユーザの存在を検出する向上したシステムについて記載する。
【背景技術】
【0002】
数世代の間、富士通(登録商標)Pライン(P-Line)モデルなどの特定のディスプレイは、ユーザの不在中の消費電力を低減させるための統合型の赤外線ベースの存在又は近接センサ(PS)を装備してきた。これらの近接センサの検出角度は、
図1に示すように比較的狭い(垂直軸から±20°である)。
【0003】
ユーザがディスプレイの中心から遠く離れすぎた場合、ディスプレイは不用意に省電力モードに入る可能性がある。デュアル又はマルチディスプレイのシナリオにおいて、1つのPラインモデル(PSあり)が1つ以上の主流モデル(Bライン(B-Line)であり、PSなし)により拡張される場合、これはより頻繁に発生する可能性があり、なぜならば、ユーザが内蔵の近接センサを有するディスプレイの前で中央に座る可能性が低減されるためである。富士通のDisplayViewTMソフトウェアは、ユーザが不在のときにPライン近接センサがBラインモニタをスタンバイモードにさらに切り替えること保証する。
【0004】
対応する方法、制御ソフトウェア、及びシステムが、DE 10 2017 103 922 B3に開示されている。その中で開示されるように、内蔵の存在センサを有するディスプレイ装置は、1つ以上のスレーブディスプレイの状態を制御するマスタディスプレイ装置として機能し、このスレーブディスプレイは、内蔵の存在センサを有してもそうでなくてもよい。
【0005】
将来、近接センサは、富士通Bラインディスプレイモデルなどの他のモデルに導入されるであろう。これは、さらなる介入なしに、あらゆるディスプレイがユーザの存在に応じて、又は1つの予め定義されたメインディスプレイからのセンサに基づいて、個々に省電力モードに入ることを意味する。
【発明の概要】
【0006】
第1の態様によれば、検出エリア内のユーザの存在を検出するセンサと、少なくとも1つの外部装置、詳細には別のディスプレイ装置又はコンピュータの処理装置から、制御情報を受信する少なくとも1つのインターフェースと、少なくとも1つのコントローラと、を含むディスプレイ装置が開示される。コントローラは、センサから取得された第1のユーザ検出ステータスと少なくとも1つのインターフェースを介して受信された少なくとも1つの補助制御情報とに少なくとも基づいて当該ディスプレイ装置の省電力状態を制御するように構成され、少なくとも1つの補助制御情報は、外部装置から取得された第2のユーザ検出ステータスを示す。
【0007】
第2の態様によれば、コンピュータの処理装置と、少なくとも1つのインターフェースを介して互いに、及び/又は処理装置に接続される、第1の態様に記載の、少なくとも2つのディスプレイ装置と、を含むコンピュータシステムが開示される。
【0008】
他の態様によれば、装置、詳細にはディスプレイ装置の動作状態を決定する方法、及び少なくとも1つのディスプレイ設定を同期させるコンピュータプログラム製品が開示される。
【0009】
本発明者らは、さらなる存在又は近接センサの存在が、ユーザ存在検出をさらに向上させる機会を提供することを認識している。これは、複数のディスプレイの検出結果を考慮することにより達成することができる。外部装置、詳細には近接センサを有するさらなるディスプレイからの、さらなる制御情報を使用することは、望ましくないスタンバイ状況の数を低減させる。これは、各さらなるディスプレイにより、ユーザ存在検出がより良くなることを意味する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明は、異なる例示的な実施形態及びシナリオを参照することにより以下でさらに詳細に説明される。
【
図1】内蔵の近接センサを有するディスプレイ装置を示す。
【
図2】省電力状態を同期させる第1の方法のフローチャートを示す。
【
図3】省電力状態を同期させる第2の方法のフローチャートを示す。
【
図4】コンピュータシステムの第1の設計による異なるシナリオを示す。
【
図5】コンピュータシステムの第1の設計による異なるシナリオを示す。
【
図6】コンピュータシステムの第1の設計による異なるシナリオを示す。
【
図8】異なるシナリオ及びコンピュータシステムのGUI視覚化を示す。
【
図9】異なるシナリオ及びコンピュータシステムのGUI視覚化を示す。
【
図10】異なるシナリオ及びコンピュータシステムのGUI視覚化を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
マルチスクリーンシナリオにおいて特定のディスプレイ設定を同期させるソリューションは、従来技術から知られている。しかしながら、以下に詳述するように、これらだけでは、センサベースのエネルギー管理の選択肢を同期させ、制御するには不十分である。
【0012】
動作状態の成功裏の分散同期のために、装置が内部的に決定されたステータスと外部的に決定されたステータスとの間で区別する場合は、特に有利である。
【0013】
図2は、省電力(power saving)状態を、詳細には
図1に示すように内蔵の近接センサを有するディスプレイ装置を同期させる方法のフローチャートを示す。
【0014】
ステップS1において、内部ユーザ検出ステータスが、装置内部の第1のセンサを用いて識別される。詳細には、第1のユーザ検出ステータスは、ユーザが所定の時間スパン、例えば5秒以内に、内蔵の近接センサの検出エリア内で検出されたかどうかを示す。
【0015】
ステップS2において、外部的に決定されたユーザ検出ステータスが識別される。この目的のために、例示的な実施形態において、装置インターフェースを介して受信された制御情報が評価され、これは、別の装置により決定された対応する動作状態を示し、それは、この別の装置により少なくとも1つの第2のセンサに基づいて決定されたものである。
【0016】
ステップS3において、第1のユーザ検出ステータスと第2のユーザ検出ステータスの双方が、ユーザ存在(user presence)が検出されなかったことを示す場合に、第1の所定の動作状態、詳細には省電力モードが選択される。例えば、ユーザが全く存在しない場合、ディスプレイ装置はオフにされ、あるいは画面が暗くされる。
【0017】
代替的なステップS4において、内部ユーザ検出ステータス又は外部ユーザ検出ステータスが、ユーザ存在が検出されたことを示す場合、第2の所定の動作状態、詳細には通常動作モードが選択される。ユーザが、現在のディスプレイ装置にリンクされた少なくとも1つのディスプレイ装置の前で検出された場合、ディスプレイ装置は、オンに切り替えられたままになる。
【0018】
さらなる、任意のステップS5において、前の動作状態が選択された動作状態と異なる場合、更新された制御情報が、装置インターフェースを介して別の装置に送信される。これにより、他の装置、詳細には他のディスプレイ装置は、現在のディスプレイ装置により検出された動作状態の変化を通知され、必要に応じて、それら自身の動作状態を同期的に変更することができる。
【0019】
以下では、必要に応じて参加ディスプレイのコントローラにより自律的に実行できる、マルチモニタシンク(Multi-Monitor Sync、MMS)技術と、製造者特有の仮想制御パネル(virtual control panels、VCP)の使用に基づいて、上述の方法の特定の実装について説明する。
【0020】
ソリューション1:ハードウェアベースの同期(MMS)
【0021】
目的は、簡素な設定に追加で、さらに、PS挙動を同期させることである。PS挙動を同期させることは、通常の設定よりチャレンジングであり、なぜならば、それは特定のロジックを実装する必要があるためである。4つのディスプレイがサポートされる場合、結果として生じる行列は以下のとおりになり、ここで、0は「ユーザ存在」を表し、1は「ユーザ不在」を表す。
【0022】
【0023】
残念ながら、MMSなどの既知のハードウェアソリューションでは、全ての4つの近接センサから情報を収集し、全てのセンサデータの計算に基づいて挙動を管理する中央コントローラは存在しない。各ディスプレイは、それ自身のコントローラ、スケーラICを含み、該コントローラ、スケーラICとして機能し、これは、例えばDisplayPort接続を介して、デイジーチェーン構成においてそのすぐ前後のディスプレイとのみ通信することができる。
【0024】
この問題に対処するために、3つの個々のPSビットが確立される。
- ビットa:(VCPなし) 「内部PS検出」 (ユーザが5秒を超えて不在である場合、1に変化する)
- ビットb:(VCPが読み取り/書き込みをサポートする) 「外部PS検出」 (このビットはMMSに使用される)
- ビットc:(VCPが読み取り専用アクセスをサポートする) 「計算されたPS検出」
【0025】
ビットcは、常に、ディスプレイのPS挙動(例えば、省電力モードの開始)に関連する。
【0026】
ビットbは、MMSを介したステータス通信に使用される。
【0027】
ビットaの状態変化の場合、各ディスプレイは、ビットaの値をビットcに転送し(transfer)なければならない。
【0028】
ビットbの変化の場合、各ディスプレイは、以下を計算しなければならない。
ビットa∧ビットb=ビットc(ANDゲート)
【0029】
【0030】
双方の場合に、ビットcがビットbと等しくない場合、ビットbの値はビットcの値で上書きされる。
【0031】
この方法を、
図3によるフローチャートに示している。
【0032】
例示的なシナリオ:ユーザがコーヒーブレイクから戻ってくる。
図4に示すように、4つのディスプレイA~Dがデイジーチェーンを介して接続されている。
【0033】
ユーザが不在の間、初期状況は以下のとおりである。
【表3】
【0034】
その後、ユーザは戻ってディスプレイAの前に座る。ディスプレイAはビットaの状態変化を認識する。
【表4】
【0035】
ディスプレイAのビットaが今や0であり、それにより、ビットcは同じ値に変更される。
【表5】
【0036】
ディスプレイAのビットc(0)はビットb(1)と等しくなく、それにより、ビットbはビットc(0)の値をとる。
【表6】
【0037】
ディスプレイAのビットbが変化したため、MMSが、チェーン内の次のディスプレイ(ディスプレイB)と値を同期させるようにトリガされる。
【表7】
【0038】
ディスプレイBはビットbの状態変化を認識し、ビットa(1)∧ビットb(0)=ビットc(0)を計算する。
【0039】
MMSの原理に従い、ディスプレイBは、ビットbの値をディスプレイA及びディスプレイCに通知する。
【表8】
【0040】
ディスプレイBのビットc(0)はビットb(0)に等しく、ゆえにビットbは変化しない。ディスプレイAのビットb(0)はすでに0であるため、MMS信号もディスプレイAに対して何も変更しない。
【0041】
ディスプレイC及びディスプレイDは、ディスプレイBと同じ手順に従う。
【表9】
【0042】
今や、ディスプレイB、C、及びDのセンサが、ユーザが不在であることを報告しても、全てのディスプレイが、ユーザが存在することを認識している。全てのディスプレイがアクティブのままである。
【0043】
引き続いてのシナリオ:
図5に示すように、ユーザはディスプレイAからディスプレイBに移動する。
【0044】
ディスプレイAとディスプレイBは、ビットaの状態変化を認識する。
【表10】
【0045】
ディスプレイAは、ビットaの値をビットcに転送する。ディスプレイBは、ビットaの値をビットcに転送する。
【表11】
【0046】
ディスプレイAのビットc(1)はビットb(0)と等しくなく、それにより、ビットbはビットc(1)の値をとる。
【0047】
ディスプレイBのビットc(0)はビットb(0)に等しく、ゆえにビットbは変化しない。
【表12】
【0048】
ディスプレイAのビットbが変化したため、MMSが、値をチェーン内の次のディスプレイ(ディスプレイB)のものと同期させるようにトリガされる。
【表13】
【0049】
ディスプレイBはビットbの状態変化を認識し、ビットa(0)∧ビットb(1)=ビットc(0)を計算する。
【0050】
ディスプレイBのビットc(0)がビットb(1)と等しくなく、ゆえにビットbが0に変化する。
【表14】
【0051】
MMSの原理に従い、ディスプレイBは、ビットb(0)の値をディスプレイA及びディスプレイCに通知する。
【表15】
【0052】
ディスプレイAはビットbの状態変化を認識し、ビットa(1)∧ビットb(0)=ビットc(0)を計算する。
【表16】
【0053】
ディスプレイAのビットc(0)はビットb(0)に等しく、ゆえにビットbは変化しない。
【0054】
全てのディスプレイは、ユーザの存在を認識している。ディスプレイAの不在検出は、ディスプレイBの存在検出により訂正された。
【0055】
引き続いてのシナリオ:
図6に示すように、ユーザは昼食のためにワークステーションを去る。
【0056】
ディスプレイBはビットaの状態変化を認識する。
【表17】
【0057】
ディスプレイBのビットaが今や1であり、それにより、ビットcもこの値をとる。
【表18】
【0058】
ディスプレイBのビットc(1)はビットb(0)と等しくなく、それにより、ビットbはビットc(1)の値をとる。
【表19】
【0059】
MMSの原理に従い、ディスプレイBは、ビットbの値をディスプレイA及びディスプレイCに通知する。
【0060】
ディスプレイCは、ビットbの値についてディスプレイDに通知する。
【表20】
【0061】
ディスプレイA、C、及びDはビットbの状態変化を認識し、ビットa(1)∧ビットb(1)=ビットc(1)を計算する。
【表21】
【0062】
ユーザの不在は今や、全てのディスプレイにわたって同期されている。結果として、全てのディスプレイが同期的に省電力モードに切り替わる。例えば、ディスプレイの各々は、所定の最小輝度に達するまで、毎秒1%ずつの輝度の低減を開始する。
【0063】
ソリューション2:ソフトウェアベースの同期(DisplayView)
【0064】
さらに又は代わりに、非デイジーチェーン構成において又は混合シナリオにおいてPS挙動を同期させるためにディスプレイに接続されたコンピュータ上で動作する、富士通のDisplayViewソフトウェアなどのソフトウェアコンポーネントを使用することが有利であり得る。
【0065】
例示的なシナリオ:ユーザがコーヒーブレイクから戻ってくる。
図7に示すように、4つのディスプレイA~Dがシステムに個々に接続されている。
【0066】
ユーザが不在の間、初期状況は以下のとおりである。
【表22】
【0067】
その後、ユーザは戻ってディスプレイAの前に座る。ディスプレイAはビットaの状態変化を認識する。
【表23】
【0068】
ディスプレイAのビットaが今や0であり、それにより、ビットcもこの値をとる。
【表24】
【0069】
ディスプレイAのビットc(0)はビットb(1)と等しくなく、それにより、ビットbはビットc(0)の値をとる。
【0070】
DisplayViewはビットcの変化を認識し、上述のロジックを適用して、同期されるPSステータスを決定し、全てのディスプレイのビットbを変更する。
【表25】
【0071】
ディスプレイB、C、及びDはビットbの状態変化を認識し、ビットa(1)∧ビットb(0)=ビットc(0)を計算する。
【表26】
【0072】
DisplayViewの助けを借り、ユーザ存在は今や、MMSなしで全てのディスプレイにわたって同期されている。
【0073】
ソリューション3:組み合わせられたハードウェア(MMS)及びソフトウェア(DisplayView)ベースの同期
【0074】
2つの上記ソリューションが組み合わせられた場合、どのディスプレイがMMSを介して同期される必要があるか、及びどのディスプレイがDisplayViewを介して同期される必要があるかを知ることが、困難になる可能性がある。
【0075】
この目的のために、2つの新しいVCPコードを、VCPコードテーブルの製造者定義範囲内に確立することができる。
【0076】
例:
VCPコード:存在センサ同期(Presence Sensor Synchronization、PSS)
0x00:存在センサのMMSがオフに切り替えられる
0x01:存在センサのMMSがオンに切り替えられる
【0077】
VCPコード:シンクベリファイア値(Sync verifier value)
0x00~0xFFの2バイトの16進値を含むことができる。ディスプレイのデフォルト値は0x00である。値はMMSを介して同期されるが、ディスプレイ設定に影響を及ぼさない。目的は、DisplayViewがそれにランダム値(0x00を除く)を書き込んで、どのディスプレイが互いに同期されているかを確認することである。
【0078】
手順:
ディスプレイの初期化の間、コンピュータ上で実行されるDisplayViewソフトウェアは、各ディスプレイのPSSステータスをチェックすることができる。PSSステータス0x01を有する全てのディスプレイについて、0x01~0xFFのランダム値を1つのディスプレイのシンクベリファイアVCPコードに書き込み、全ての他のディスプレイから値を読み出す。同じシンクベリファイア値を有するディスプレイは、MMSにより同期されていることが確認される。
【0079】
DisplayViewは、MMSにより同期されているディスプレイを、それらの間に配置されたロックアイコンを介して視覚的に示す。
【0080】
以下のシナリオでは、DisplayViewは同期を処理する必要はなく、なぜならば、PSS機能を有する全てのディスプレイがすでに内部的に同期されているためである。
図8に、このシナリオの可能なGUI視覚化を示す。記載の例において、最も右のモニタ(B24-9 WE)は内蔵の存在センサを有さず、したがって、同期に関与する必要はない。
【0081】
選択肢として、モニタB24-9 WEは、DE 10 2017 103 922 B3に記載された方法に従ってDisplayViewにより制御される。左側の3つのディスプレイP2410 WE、P2110 WE CAM、及びB2410 WEの組み合わせは一緒にマスタの役割を果たし、右側のディスプレイB24-9 WEはスレーブの役割を果たす。
【0082】
以下のシナリオでは、DisplayViewは、ディスプレイ1及び2のデイジーチェーン連結とディスプレイ3及び4のデイジーチェーン連結との間の同期を処理する必要がある。同期を示す、
図9に示されるGUI視覚化における点線は、MMS機能を示すロックアイコンを有さない。
【0083】
以下のシナリオでは、DisplayViewは、全てのディスプレイ間の同期を処理する必要がある。
図10に示されるGUI視覚化における点線は、これらのディスプレイが同期される必要があり、同期できることを示しているが、ロックアイコンのないことは、MMS機能のないことを示している。
【0084】
本発明は、異なる例示的な実施形態、コンピュータシステム構成、及びシナリオを用いて例示された。当然ながら、請求項に示されるように、少なくとも2つの異なる装置の近接センサの検出結果が識別され、組み合わせられて装置の動作状態を決定する、他の例示的な実施形態、コンピュータシステム構成、及びシナリオも可能である。