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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023090175
(43)【公開日】2023-06-29
(54)【発明の名称】アシストトルク測定装置
(51)【国際特許分類】
   G01L 25/00 20060101AFI20230622BHJP
   A61H 1/02 20060101ALI20230622BHJP
   B25J 19/02 20060101ALI20230622BHJP
【FI】
G01L25/00 C
A61H1/02 G
B25J19/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021204995
(22)【出願日】2021-12-17
(71)【出願人】
【識別番号】515087972
【氏名又は名称】株式会社イノフィス
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100135356
【弁理士】
【氏名又は名称】若林 邦彦
(72)【発明者】
【氏名】小林 宏
【テーマコード(参考)】
3C707
4C046
【Fターム(参考)】
3C707AS38
3C707KS35
4C046AA42
4C046AA48
4C046BB03
4C046CC02
4C046DD04
4C046DD05
4C046DD37
4C046DD38
4C046DD39
4C046EE05
(57)【要約】
【課題】使用者が人体サポート装置を購入しようとするときに、使用者が希望する性能の製品を容易に判別可能とする規格の試験を行うことが可能なアシストトルク測定装置を提供すること。
【解決手段】下肢模擬部621と、肩模擬部623を有する上体模擬部622と、肩模擬部623にそれぞれ接続され、上体模擬部622の一端部と他端部とを結ぶ方向に対してそれぞれ直交し、且つ、肩模擬部623において互いに反対の方向に延びる位置関係で張られた第1の線部材631及び第2の線部材632と、第1の線部材631の一端部に対する他端部に接続された第1荷重測定器71と、第2の線部材632の一端部に対する他端部に接続された第2荷重測定器72と、を備えるアシストトルク測定装置60である。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者の背部において使用者の上体に沿って配置される上体装着部と、前記使用者の左右の脚部に装着され前記上体装着部に対して傾動可能な脚部装着部と、を有する人体サポート装置のアシストトルク測定装置であって、
前記脚部装着部が固定される下肢模擬部と、
前記下肢模擬部に対して揺動可能に前記下肢模擬部に支持され、前記下肢模擬部に支持される一端部に対する他端部に、前記上体装着部が固定される肩模擬部を有する上体模擬部と、
前記肩模擬部にそれぞれ接続され、前記上体模擬部の一端部と他端部とを結ぶ方向に対してそれぞれ直交し、且つ、前記肩模擬部において互いに反対の方向に延びる位置関係で張られた第1の線部材及び第2の線部材と、
前記肩模擬部に接続された前記第1の線部材の一端部に対する他端部に接続された第1荷重測定器と、
前記肩模擬部に接続された前記第2の線部材の一端部に対する他端部に接続された第2荷重測定器と、を備えるアシストトルク測定装置。
【請求項2】
前記上体模擬部を支持する前記下肢模擬部の一端部から前記下肢模擬部の他端部へと向かう方向と、前記上体模擬部の一端部から他端部へと向かう方向と、のなす角を変更可能に前記第1の線部材及び前記第2の線部材を支持する角度可変線部材支持部を有する請求項1に記載のアシストトルク測定装置。
【請求項3】
前記下肢模擬部の他端部、前記第1荷重測定器、及び、前記第2荷重測定器は、長方形状の筐体に固定されている請求項2に記載のアシストトルク測定装置。
【請求項4】
前記第1の線部材及び前記第2の線部材は、前記長方形状の筐体の辺の位置に配置されたガイドローラに支持されてガイドされ、
前記ガイドローラは、前記筐体の辺における異なる位置において前記第1の線部材及び前記第2の線部材を支持可能であることにより前記角度可変線部材支持部を構成する請求項3に記載のアシストトルク測定装置。
【請求項5】
前記肩模擬部は、前記上体装着部を固定可能なT字形状を有する請求項1~請求項4のいずれかに記載のアシストトルク測定装置。
【請求項6】
前記第1の線部材及び前記第2の線部材をそれぞれ張られた状態に維持するチェーンブロックを備える請求項1~請求項5のいずれかに記載のアシストトルク測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アシストトルク測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、人体サポート装置としての腰部補助装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。腰部補助装置は、使用者の腰部の側方側に配置される左右一対のサイド部に傾動可能に取付けられていると共に使用者の背部に装着される背中フレームを備えている。また、腰部補助装置は、左右一対のサイド部に傾動可能に取付けられていると共に使用者の大腿部に当接される大腿プレートが固定された下肢フレームを備えている。さらに、腰部補助装置は、一端部が背中フレームに係止されていると共に他端部がワイヤを介して下肢フレームに係止された人工筋肉を備えている。そして、コンプレッサやタンク内からチューブを介して人工筋肉内へ圧縮空気が供給されることで、人工筋肉が収縮する。これにより、使用者の上体に起立方向へサポートをするアシストトルク(人体を引き起こす方向へのトルク)が加わり、重量物を持ち上げる際の使用者の腰部の負荷を低減することを可能とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-75078号公報
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】「第35回日本ロボット学会学術講演会 JIS B 8456-1 世界初の腰補助ロボット製品規格」、2017年9月14日、 第1-16頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
人体サポート装置としては、左右一対のサイド部、背中フレーム、及び、下肢フレームにより外骨格を構成するタイプのものの他に、このような外骨格を構成する部材を有していないタイプのもの等、様々な構成のものが存在する。また、用いられる動力としても、空気圧式の人工筋肉、高圧ガス、ゴム等、様々なものが用いられている。
【0006】
しかしながら、上記非特許文献1に記載のように、人体サポート装置の性能表示の項目及び内容について、検討はなされているが、安価で簡易に人体サポート装置の性能を測定する装置および方法がなかった。このため、人体サポート装置を購入しようとする使用者が必要とする性能を有する製品を、的確に把握して購入することが困難であった。この結果、使用者が製品を選択する際に混乱し、人体サポート装置の導入をためらい、希望する人体サポート装置を購入できないという状況が存在していた。
【0007】
本発明は、使用者が人体サポート装置を購入しようとするときに、使用者が希望する性能の製品を容易に判別可能とする規格の試験を行うことが可能なアシストトルク測定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、使用者の背部において使用者の上体に沿って配置される上体装着部と、前記使用者の左右の脚部に装着され前記上体装着部に対して傾動可能な脚部装着部と、を有する人体サポート装置のアシストトルク測定装置であって、前記脚部装着部が固定される下肢模擬部と、前記下肢模擬部に対して揺動可能に前記下肢模擬部に支持され、前記下肢模擬部に支持される一端部に対する他端部に、前記上体装着部が固定される肩模擬部を有する上体模擬部と、前記肩模擬部にそれぞれ接続され、前記上体模擬部の一端部と他端部とを結ぶ方向に対してそれぞれ直交し、且つ、前記肩模擬部において互いに反対の方向に延びる位置関係で張られた第1の線部材及び第2の線部材と、前記肩模擬部に接続された前記第1の線部材の一端部に対する他端部に接続された第1荷重測定器と、前記肩模擬部に接続された前記第2の線部材の一端部に対する他端部に接続された第2荷重測定器と、を備えるアシストトルク測定装置に関する。
【0009】
ここで、前記上体模擬部を支持する前記下肢模擬部の一端部から前記下肢模擬部の他端部へと向かう方向と、前記上体模擬部の一端部から他端部へと向かう方向と、のなす角を変更可能に前記第1の線部材及び前記第2の線部材を支持する角度可変線部材支持部を有することが好ましい。
【0010】
また、前記下肢模擬部の他端部、前記第1荷重測定器、及び、前記第2荷重測定器は、長方形状の筐体に固定されていることが好ましい。
【0011】
また、前記第1の線部材及び前記第2の線部材は、前記長方形状の筐体の辺の位置に配置されたガイドローラに支持されてガイドされ、前記ガイドローラは、前記筐体の辺における異なる位置において前記第1の線部材及び前記第2の線部材を支持可能であることにより前記角度可変線部材支持部を構成することが好ましい。
【0012】
また、前記肩模擬部は、前記上体装着部を固定可能なT字形状を有することが好ましい。また、前記第1の線部材及び前記第2の線部材をそれぞれ張られた状態に維持するチェーンブロックを備えることが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、使用者が人体サポート装置を購入しようとするときに、使用者が希望する性能の製品を容易に判別可能とする規格の試験を行うことが可能なアシストトルク測定装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施形態によるアシストトルク測定装置により測定される人体サポート装置を示す側面図である。
図2】本発明の一実施形態によるアシストトルク測定装置により測定される人体サポート装置を示す背面図である。
図3】本発明の一実施形態によるアシストトルク測定装置により測定される人体サポート装置からカバー、腰部ベルト、上側腰部ベルトが取り外された様子を示す背面図である。
図4】本発明の一実施形態によるアシストトルク測定装置により測定される人体サポート装置からカバー、腰部ベルト、上側腰部ベルトが取り外された様子を示す正面図である。
図5】本発明の一実施形態によるアシストトルク測定装置により測定される人体サポート装置からカバー、腰部ベルト、上側腰部ベルトが取り外された様子を示す側面図である。
図6】本発明の一実施形態によるアシストトルク測定装置により測定される人体サポート装置を使用者が使用している様子を示す側面図である。
図7】本発明の一実施形態によるアシストトルク測定装置を示す斜視図である。
図8】本発明の一実施形態によるアシストトルク測定装置の下肢模擬部と上体模擬部とのなす角を30°とした状態を示す側面図である。
図9】本発明の一実施形態によるアシストトルク測定装置の下肢模擬部と上体模擬部とのなす角を60°とした状態を示す側面図である。
図10】本発明の一実施形態によるアシストトルク測定装置の下肢模擬部と上体模擬部とのなす角を90°とした状態を示す側面図である。
図11】本発明の一実施形態によるアシストトルク測定装置の下肢模擬部と上体模擬部とのなす角を120°とした状態を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の一実施形態に係るアシストトルク測定装置により測定される人体サポート装置について、先ず、図1図6を参照して説明する。
以下の説明においては、人体サポート装置を装着している状態であって直立した状態の使用者から見た前後方向前方側を矢印FRで示し、右側及び左側をそれぞれ矢印RH及び矢印LHで示し、上下方向上側を矢印UPで示す。また、以下の説明で、単に前後、左右、上下の方向を示す場合は、人体サポート装置を装着している状態でかつ直立した状態の使用者から見た前後、左右、上下を示すものとする。
【0016】
図2図3等に示すように、人体サポート装置10は、使用者の腰部の側方側に配置される左右一対のベース部12と、ベース部12に取付けられ、使用者の腰部(骨盤近傍)に装着される腰部ベルト14と、左右一対のベース部12を支持する上体装着部としての上体側フレーム18と、左右一対のベース部12に対して傾動可能に取付けられた脚部装着部としての大腿アーム16と、上体側フレーム18に格納された人工筋肉20と、を備えている。ベース部12及び上体側フレーム18は、カバー101により覆われている。ベース部12、上体側フレーム18、及び、大腿アーム16は、外骨格を構成する。
【0017】
ベース部12は、板状に形成された外側プレート22及び内側プレート24と、を備えている。外側プレート22と内側プレート24とは、側面視で(右側又は左側から見て)ほぼ同一の形状に形成されている。外側プレート22と内側プレート24とは、複数の接続ピン26(図5参照)等を介して接続されており、左右方向に所定の間隔で平行に配置されている。
【0018】
外側プレート22と内側プレート24との間には、ワイヤガイドとしての第1プーリ28及び第2プーリ30が回転可能に支持されている。第1プーリ28は、外側プレート22及び内側プレート24の下部に、左右方向に回転軸が指向する位置関係で取付けられている。第1プーリ28の回転軸は、使用者の脚軸としての股関節に対応する第1軸C1とされている。また、第1プーリ28には、後述するワイヤ48の一部が係止されるワイヤ係止部28Aと、後述する大腿アーム16とが取付けられ、第1軸C1を中心に回動可能な大腿アーム取付部28Bと、が設けられている。
【0019】
第2プーリ30は、外側プレート22及び内側プレート24の上部、且つ、第1プーリ28の後側の位置に、左右方向に回転軸が指向する位置関係で取付けられている。第2プーリ30の回転軸は、使用者の腰軸としての仙腸関節に対応する第2軸C2とされている。また、第2プーリ30の外周部には、後述するワイヤ48の長手方向の中間部をガイドするためのガイド溝30Aが形成されている。第2プーリ30を支持する外側プレート22及び内側プレート24の部分は、上体側フレーム18に取付けられる被接続部を構成する。
【0020】
腰部ベルト14は、被固定部としての基部パッド141と、上側腰部ベルト142と、下側腰部ベルト143と、を有している。基部パッド141は、ベース部12の内側プレート24に、内側プレート24に平行な位置関係で固定されている。上側腰部ベルト142の両端部は、それぞれ基部パッド141の上部に、長さ調整不能に固定されている。これにより、上側腰部ベルト142は、基部パッド141の上部同士を繋いでおり、上側腰部ベルト142の長さは一定である。このように長さが一定の上側腰部ベルト142は、図6に示すように、使用者Pの大殿筋の上部の上側に配置される。
【0021】
下側腰部ベルト143の両端部は、それぞれ基部パッド141の下部に、長さ調整可能に固定されている。これにより、下側腰部ベルト143は、基部パッド141の下部同士を繋いでいる。下側腰部ベルト143の両端部の近傍には、それぞれバックル144が設けられており、バックル144の部分において、下側腰部ベルト143の長さを調整可能である。下側腰部ベルト143の長さが調整されて、下側腰部ベルト143は、使用者Pの大殿筋の後部の下部に隣接して配置される。
【0022】
大腿アーム16は、図2図4等に示すように、使用者Pの大腿部に沿って延びるアーム本体32と、アーム本体32に取付けられカバー341で覆われた腿パッド34と、を有している。アーム本体32は、剛性を高めるためのリブ32Bが設けられた延在部32Aを有しており、延在部32Aの基部は、大腿アーム取付部28Bに対してほぼ前後方向に指向する軸を中心として回動可能とするヒンジ36を介して大腿アーム取付部28Bに取り付けられている。ヒンジ36が左右方向に回動可能に構成されていることにより、大腿アーム16がベース部12に対して左右方向にも傾動可能とされている。
【0023】
延在部32Aの先端部には、使用者Pの脚部に装着される腿パッド34が固定されている。腿パッド34は、使用者Pの大腿部の前方側の面に沿う湾曲形状に形成されている。また、腿パッド34は、左右方向に指向する軸を中心としてアーム本体32に対して所定の角度で回動可能に支持されている。これにより、腿パッド34と使用者Pの大腿部の前方側の面との接触状態を、適切な接触状態にすることを可能とする。
【0024】
図3等に示すように、上体側フレーム18は、人体サポート装置10の上部に位置しており、正面視で(使用者Pの正面側から見て)下方側が開放され中央に頂点部を有する逆V字状に形成されている。上体側フレーム18は、左右方向に所定の間隔で配置された、アクチュエータとしてのMcKibben型の人工筋肉20を収容する、アクチュエータ収容部としての人工筋肉収容部38Aを有する一対の人工筋肉取付部38と、一対の人工筋肉取付部38の上方側の部位を左右方向に繋ぐ接続部40と、を有しており、これらは、射出成形により一体成形された樹脂製の1つの部品により構成されている。
【0025】
上体側フレーム18の左右の下端部は、下方向へ開放されたコの字に形成されたベース部取付部382を有しており、ベース部取付部382の間には、第2プーリ30を支持する外側プレート22及び内側プレート24の部分により構成される被接続部が配置され、ベース部12はベース部取付部382に対して回動可能に支持されている。即ち、上体側フレーム18の左右の下端部は、左右一対のベース部12に直接接続されており、上体側フレーム18は、ベース部12に対して傾動可能に取り付けられている。
【0026】
一対の人工筋肉取付部38は、正面視で上方側から下方側に向かうにつれて使用者Pの右側及び左側にそれぞれ傾斜している。人工筋肉取付部38には、後側において開口する断面がコの字形状の図示しない溝が形成されており、この溝が形成された部分が人工筋肉収容部38Aを構成し、この溝に人工筋肉20が収容されている。後側の開口は蓋381により閉塞されている。接続部40は、十字形状のリブ401を有しており、高い剛性を有して一対の人工筋肉取付部38を接続している。
【0027】
人工筋肉20は、ゴム等の弾性材料を用いて管状に形成された図示しない弾性チューブと、図示しない弾性チューブを覆う筒状の図示しないメッシュスリーブと、を含んで構成されており、弾性チューブをメッシュスリーブで被覆して両端をかしめた構造となっている。
【0028】
図示しない弾性チューブは、内部にガス(空気)が供給される空間を有しており、図示しない弾性チューブの内部には、管部材を通して接続されたポンプ211を介して空気が供給されるように構成されている。管部材には、弾性チューブに供給された空気の量を調整可能な調整バルブ212が設けられており、調整バルブ212により適宜空気の量を調整して付勢力を調整することにより、全身の筋力が強くないシニアや女性等の使用者が使用する場合や、全身の筋力が強い男性等の使用者が使用する場合等、場合に応じて適切に、人工筋肉20による付勢力が調整可能である。
【0029】
図示しないメッシュスリーブは、例えば伸縮性の小さい高張力繊維等の線材が織り上げられること等により形成されている。そして、メッシュスリーブ内に配置された図示しない弾性チューブ内に空気が供給されて、弾性チューブが膨張すると、メッシュスリーブの長さ方向と直交する方向への寸法が増加すると共に、当該メッシュスリーブの長さ方向への寸法が減少する。これにより、人工筋肉20の長さが短くなって(人工筋肉20が収縮して)後述する腰及び腕をサポートする力が発生するように構成されている。
【0030】
人工筋肉20の一端部は、人工筋肉取付部38に対して固定されており、人工筋肉20の他端部には、ワイヤ48が係止されている。また、ワイヤ48は、上体側フレーム18下端側から導出されており、上体側フレーム18下端部に設けられたプーリ385の後側と、第2プーリ30の後側と、第1プーリ28の後側とにこの順でそれぞれ掛けられてこれらにガイドされ、ワイヤ48の他端部は、第1プーリ28のワイヤ係止部28Aに係止されている。人工筋肉20を駆動させることにより、大腿アーム16を人工筋肉20の方向へ引いて、上体側フレーム18をベース部12に対して傾動させ、大腿アーム16をベース部12に対して傾動させることで、使用者Pを引き起こす方向への付勢力を、上体側フレーム18及び大腿アーム16を介して使用者Pへ伝達する。
【0031】
逆V字状の上体側フレーム18の中央の頂点部の位置には、使用者Pの上体に装着される上体装着ベルト42の端部が取付けられる上体装着ベルト取付部38Bが、上体側フレーム18に固定されて設けられている。図6等に示すように、上体装着ベルト42は、使用者Pの右肩に装着される右側装着ベルト42Rと、使用者Pの左肩に装着される左側装着ベルト42Lと、を有しており、右側装着ベルト42R及び左側装着ベルト42Lの長さは、それぞれバックル421により調整可能とされている。上体側フレーム18は、右側装着ベルト42Rが使用者Pの右肩に装着され、左側装着ベルト42Lが使用者Pの左肩に装着されて、上体装着ベルト取付部38Bの部分が、使用者Pの背部から離れた位置関係とされて、使用者Pの背部において使用者Pの上体に沿って配置される。即ち、使用者Pが人体サポート装置10を装着した初期状態のときには、上体側フレーム18は、図6に示すように、使用者Pの腰の位置から、上方向に向かって使用者Pの背中から離れるように傾斜した状態とされるように、人工筋肉20は設定されている。この状態とされることにより、第1軸C1、第2軸C2が、使用者Pの脚軸、腰軸(股関節、仙腸関節)に完全に一致していないにも関わらず、人体サポート装置10が使用者Pの動作をアシストしているときに、使用者Pに対して位置ずれすることを抑えることが可能とされる。
【0032】
上述の人体サポート装置10による使用者Pのサポートについて説明する。
図6に示されるように、本実施形態では、腰部ベルト14、上体装着ベルト42及び大腿アーム16が、使用者Pの腰部P1、上体P2及び大腿部にそれぞれ装着されることで、人体サポート装置10が使用者Pに装着される。
【0033】
より具体的には、長さが一定の腰部ベルト14の上側腰部ベルト142が、図6に示すように、使用者Pの大殿筋の上部の上側、即ち、ズボンのベルトの位置に相当する位置に配置される。そしてこの位置を基準として、腰部ベルト14の下側腰部ベルト143の長さが調整されて、下側腰部ベルト143は、使用者Pの大殿筋の後部の下部に隣接して配置される。この結果、図6に示すように、上側腰部ベルト142と下側腰部ベルト143とによって、大殿筋が上下方向から挟まれたような状態となり、人体サポート装置10は、使用者Pが動いた場合であっても、使用者Pの人体に対してずれにくい状態となる。この状態で上体装着ベルト42及び大腿アーム16が使用者Pの腰部P1、上体P2及び大腿部にそれぞれ装着されて、人体サポート装置10が使用者Pに装着される。
【0034】
使用者Pが床面に置かれた重量物を持ち上げる際には、人工筋肉20の収縮によりワイヤ48が人工筋肉20に引き寄せられることにより、ベース部12に対して上体側フレーム18が回動して前傾した使用者Pの上体P2を引き起こす方向へのサポート力が生じる。また、大腿アーム16がベース部12に対して回動させられて、使用者Pの屈曲した状態の脚が、まっすぐとされる方向へのサポート力が生じる。これにより、使用者Pが床面に置かれた重量物を持ち上げる際に当該使用者Pの腰部P1に生じる負荷を低減することができる。
【0035】
次に、アシストトルク測定装置60について説明する。アシストトルク測定装置60は、筐体(矩形枠61)と、下肢模擬部621と、上体模擬部622と、第1の線部材631と、第2の線部材632と、第1荷重測定器71と、第2荷重測定器72と、を備えている。筐体は、図8等に示すように、対向して配置された状態で固定された同一形状の長方形状の一対の矩形枠61により構成されている。矩形枠61は、上枠部611と、下枠部612と、左枠部613と、右枠部614と、を有しており、これらが矩形に枠組みされて構成されている。
【0036】
一対の矩形枠61の下枠部612同士が、互いに連結されて固定されることにより、一対の矩形枠61は、対向して配置された状態で互いに固定されている。下枠部612の右側半分の部分には、下肢模擬部621の下端部を下枠部612とともに固定する補強下枠部6122が、下枠部612に平行に、一対の矩形枠61の外側に固定されて設けられている。
【0037】
上枠部611の左部と左枠部613の上部との間には、これらに跨るように補強枠部615が設けられている。補強枠部615の一端部は上枠部611の左部に固定され、補強枠部615の他端部は左枠部613の上部に固定されている。また、上枠部611の右部と右枠部614の上部との間には、これらに跨るように補強枠部615が設けられている。補強枠部615の一端部は上枠部611の右部に固定され、補強枠部615の他端部は右枠部614の上部に固定されている。また、下枠部612の右部と右枠部614の下部との間には、これらに跨るように補強枠部615が設けられている。補強枠部615の一端部は下枠部612の右部に固定され、補強枠部615の他端部は右枠部614の下部に固定されている。
【0038】
第1荷重測定器71は、測定可能な範囲が0N(ニュートン)~500N(ニュートン)のメカニカルフォースゲージにより構成されており、下枠部612に固定されている。第1荷重測定器71は、図8等に示すように、長手方向が左枠部613と右枠部614とを結ぶ方向、即ち、下枠部612の長手方向に沿った方向に指向して配置されており、張力が測定される第1の線部材631の端部を係止可能なフック部が最も左側に位置するように配置されている。
【0039】
第2荷重測定器72は、測定可能な範囲が0N(ニュートン)~500N(ニュートン)のメカニカルフォースゲージにより構成されており、左枠部613に固定されている。第2荷重測定器72は、図8等に示すように、長手方向が上枠部611と下枠部612とを結ぶ方向、即ち、左枠部613の長手方向に沿った方向に指向して配置されており、張力が測定されると、第2の線部材632の端部を係止可能なフック部が最も上側に位置するように配置されている。
【0040】
下肢模擬部621は、垂直の方向に長手方向が指向する一対の棒状部材、及び、当該一対の棒状部材の上端部に跨るように配置され上端部同士を連結する連結棒状部材、により構成されている。一対の棒状部材の下端部である下肢模擬部621の下端部は、それぞれ下肢模擬部621及び補強下枠部6122に固定されている。一対の棒状部材には、図8に示すように、それぞれ人体サポート装置10の左右の腿パッド34が当接して、図示しない固定部材により固定された状態とされる。
【0041】
下肢模擬部621の上端部である連結棒状部材には、棒状の上体模擬部622の一端部(図8における上体模擬部622の下端部)が、蝶番624により連結されている。これにより、上体模擬部622は、下肢模擬部621に対して揺動可能に支持されている。この連結されている部分には、人体サポート装置10の上側腰部ベルト142及び下側腰部ベルト143が巻回された状態とされる。
【0042】
上体模擬部622の一端部に対する他端部(図8における上体模擬部622の上端部)は、肩模擬部623を備えている。肩模擬部623は、上体模擬部622の長手方向に対して直交する棒状の部材により構成されており、―上体模擬部622の上部においてT字形状を形成する。
【0043】
肩模擬部623には、上体装着部としての上体側フレーム18に固定されている上体装着ベルト42が掛けられる。上体装着ベルト42を構成する左側装着ベルト42Lは、上体模擬部622よりも一方の側(図8における紙面の手前側)に掛けられ、上体装着ベルト42を構成する右側装着ベルト42Rは、上体模擬部622よりも他方の側(図8における紙面の奥側)に掛けられる。これにより、上体側フレーム18も、肩模擬部623に対して固定される。
【0044】
長方形状の矩形枠61の辺の位置に相当する上枠部611、下枠部612、及び、左枠部613には、複数のガイドローラ641が設けられている。ガイドローラ641は、図8等に示すように、上枠部611の両端部と、この両端部の間の上枠部611の部分と、左枠部613の下端部と、それよりも上側の左枠部613の部分と、左枠部613の下端部のガイドローラ641と第1荷重測定器71との間の部分とに設けられており、全てのガイドローラ641の回転軸は、一対の矩形枠61を結ぶ方向(図8の紙面の表面と裏面とを結ぶ方向)に指向して、一対の矩形枠61に回転可能に支持されている。
【0045】
ガイドローラ641は、例えば、図8に示すように、ワイヤにより構成される第1の線部材631を、肩模擬部623から、左枠部613と下枠部612とに沿うようにして支持してガイドし、第1荷重測定器71のフック部へと導く。また、ワイヤにより構成される第2の線部材632を、肩模擬部623から、上枠部611と右枠部614とに沿うようにして支持してガイドし、第2荷重測定器72のフック部へと導く。
【0046】
複数のガイドローラ641から適宜選択して、第1の線部材631、第2の線部材632を掛けて支持するようにしてガイドすることで、図8に示すように、上体模擬部622を支持する下肢模擬部621の一端部から下肢模擬部621の他端部へと向かう方向(垂直方向上方向)と、上体模擬部622の一端部から他端部へと向かう方向(蝶番624から肩模擬部623へ向かう方向)と、のなす角θを変更可能である。
【0047】
例えば、図8のようにガイドローラ641を選択することにより、なす角θを30°とすることが可能であり、図9のようにガイドローラ641を選択することにより、なす角θを60°とすることが可能であり、図10のようにガイドローラ641を選択することにより、なす角θを90°とすることが可能であり、図11のようにガイドローラ641を選択することにより、なす角θを120°とすることが可能である。複数のガイドローラ641は、長方形状の矩形枠61の辺における異なる位置において第1の線部材631及び第2の線部材632を支持可能であることにより、なす角θを変更可能に第1の線部材631及び第2の線部材632を支持する角度可変線部材支持部を構成する。
【0048】
第1の線部材631の一端部、第2の線部材632の一端部は、それぞれ肩模擬部623に設けられた環状部材に通された状態で、肩模擬部623に接続されて固定されている。第1の線部材631、第2の線部材632は、それぞれガイドローラ641に掛けられてガイドされた状態で支持されており、第1の線部材631の他端部は、第1荷重測定器71のフック部に係止されて接続され、第2の線部材632の他端部は、第2荷重測定器72のフック部に係止されて接続されている。
【0049】
肩模擬部623において、第1の線部材631は、下肢模擬部621に対する上体模擬部622の揺動方向の一方側(図8における反時計回り方向側)で、上体模擬部622の一端部と他端部とを結ぶ方向(上体模擬部622の長手方向)に対してそれぞれ直交する位置関係で張られた状態とされるように、ガイドローラ641に掛けられて支持されている。
【0050】
肩模擬部623において、第2の線部材632は、下肢模擬部621に対する上体模擬部622の揺動方向の他方側(図8における時計回り方向側)で、上体模擬部622の一端部と他端部とを結ぶ方向(上体模擬部622の長手方向)に対してそれぞれ直交する位置関係で張られた状態とされるように、ガイドローラ641に掛けられて支持されている。即ち、第1の線部材631、第2の線部材632は、肩模擬部623において互いに反対の方向に延びる位置関係で張られている。第1の線部材631、第2の線部材632は、図示しないチェーンブロックによって、弛んでいない張られた状態に維持される。
【0051】
次に、アシストトルクの測定について説明する。アシストトルクの測定は、図8図11に示すように、なす角θが30°、60°、90°、120°のそれぞれになるようにセットして行う。以下の説明においては、なす角θを30°にセットした場合について説明し、他の角度θの測定については、説明を省略する。
【0052】
先ず、図8に示すように、人体サポート装置10の左側装着ベルト42L、右側装着ベルト42Rを肩模擬部623に掛け、上体側フレーム18を、肩模擬部623に対して固定する。また、蝶番624により連結されている下肢模擬部621と上体模擬部622とが連結されている部分に対して、人体サポート装置10の上側腰部ベルト142及び下側腰部ベルト143を巻回して、ベース部12が下肢模擬部621と上体模擬部622との連結部分に対して拘束されている状態とする。また、下肢模擬部621に、図示しないスペーサを介して人体サポート装置10の左右の腿パッド34を当接させて、図示しない固定部材により固定された状態とし、アーム本体32の延在部32Aを、下肢模擬部621の長手方向に平行の位置関係として、図8に示す側方視において、下肢模擬部621に対して重なるように並列させる。これにより、ベース部12は、図8に示す側方視において、蝶番624と重なる位置に配置される。
【0053】
次に、図8に示す状態を維持しているときの、第2荷重測定器72の値W30を読み取る。なす角θが30°にセットされ、人体サポート装置10が下肢模擬部621及び上体模擬部622に固定されているときには、なす角θが30°であることによる傾斜において、上体模擬部622及び人体サポート装置10の自重により、図8において下向きの矢印で示すように、重力による力が、上体模擬部622及び人体サポート装置10に作用する。これにより、下肢模擬部621に対して上体模擬部622が反時計回り方向に回動する力により、第2の線部材632が引っ張られる。値W30は、このとき、即ち、人体サポート装置10によるアシストトルクが0のときに、第2の線部材632に作用している力の値である。
【0054】
次に、人工筋肉20を駆動させることにより、人体サポート装置10において補助力を発生させる。このとき、補助力がW30よりも大きい場合には、なす角θが30°よりも小さくなるように、下肢模擬部621に対して上体模擬部622が時計回り方向に回動しようとする。これに伴い、第2の線部材632は弛もうとするが、これについては、第1の線部材631の張力を図示しないチェーンブロックにより調整し、なす角θを30°に維持することで、弛んでいない張られた状態に維持される。またこの際、第1の線部材631がこの回動により引っ張られ、第1荷重測定器71において、図8において矢印で示す力F1が表示される。この場合、人体サポート装置10による補助力Fは、
F = W30 + F1
で求められる。
【0055】
補助力がW30よりも小さい場合には、補助力により上体模擬部622には、わずかに時計回り方向に回動しようとする力が加わる。この際、第1の線部材631がこの回動しようとする力により引っ張られ、第1荷重測定器71において力F1が表示される。この場合、人体サポート装置10による補助力Fは、
F = F1
で求められる。
もしくは、この回動しようとする力により第2の線部材632における引っ張る力が弱められ、第2荷重測定器72においてW30より小さな力F2が表示される。この場合、人体サポート装置10による補助力Fは、
F = W30 - F2
で求められる。このように補助力がW30よりも小さい場合においても、補助力がW30よりも大きい場合と同様に、第1の線部材631及び第2の線部材632は、図示しないチェーンブロックにより、弛んでいない張られた状態に維持され、なす角θは30°に維持される。
【0056】
そして、アシストトルクTは、上体模擬部622の長手方向における長さをL(図8参照)として、
T = F × L
で求められる。
【0057】
上述の実施形態によれば、以下のような効果を発揮することができる。
本実施形態においては、アシストトルク測定装置60は、脚部装着部としての腿パッド34が固定される下肢模擬部621と、下肢模擬部621に対して揺動可能に下肢模擬部621に支持され、下肢模擬部621に支持される一端部に対する他端部に、上体装着部としての上体側フレーム18が固定される肩模擬部623を有する上体模擬部622と、肩模擬部623にそれぞれ接続され、上体模擬部622の一端部と他端部とを結ぶ方向に対してそれぞれ直交し、且つ、肩模擬部623において互いに反対の方向に延びる位置関係で張られた第1の線部材631及び第2の線部材632と、肩模擬部623に接続された第1の線部材631の一端部に対する他端部に接続された第1荷重測定器71と、肩模擬部623に接続された第2の線部材632の一端部に対する他端部に接続された第2荷重測定器72と、を備える。
【0058】
この構成により、人体サポート装置10によるアシストトルクTを容易に測定することが可能となる。この結果、使用者が人体サポート装置を購入しようとするときに、使用者が希望するアシストトルクTが得られる製品を容易に判別可能とする規格の試験を行うことが可能となる。
【0059】
また、本実施形態においては、上体模擬部622を支持する下肢模擬部621の一端部から下肢模擬部621の他端部へと向かう方向と、上体模擬部622の一端部から他端部へと向かう方向と、のなす角θを変更可能に第1の線部材631及び第2の線部材632を支持する角度可変線部材支持部としてのガイドローラ641を有する。
【0060】
この構成により、なす角θを任意の角度に変更することができ、人体サポート装置10によるアシストトルクTの値において重要な、なす角θの角度、例えば、30°、60°、90°、120°の角度における、アシストトルクTの値を、容易に得ることが可能となる。
【0061】
また、本実施形態においては、下肢模擬部621の他端部、第1荷重測定器71、及び、第2荷重測定器72は、長方形状の筐体構成する矩形枠61に固定されている。この構成により、長方形状の矩形枠61において、下肢模擬部621、第1荷重測定器71、及び、第2荷重測定器72を一つにまとめた構成とすることが可能となる。
【0062】
また、本実施形態においては、第1の線部材631及び第2の線部材632は、長方形状の矩形枠61の辺の位置に配置されたガイドローラ641に支持されてガイドされ、ガイドローラ641は、矩形枠61の辺における異なる位置において第1の線部材631及び第2の線部材632を支持可能であることにより角度可変線部材支持部を構成する。
【0063】
この構成により、人体サポート装置10によるアシストトルクTの値において重要な、なす角θの角度、例えば、30°、60°、90°、120°の角度での人体サポート装置10の測定を容易に実現することが可能となる。
【0064】
また、本実施形態においては、肩模擬部623は、上体装着部としての上体側フレーム18の右側装着ベルト42Rと、左側装着ベルト42Lとを固定可能なT字形状を有する。この構成により、人体サポート装置10の右側装着ベルト42Rと、使用者Pの左肩に装着される左側装着ベルト42Lとを、それぞれ容易に肩模擬部623に掛けて、上体側フレーム18を固定することが可能となる。
【0065】
また、本実施形態においては、第1の線部材631及び第2の線部材632をそれぞれ張られた状態に維持するチェーンブロックを備える。この構成により、第1荷重測定器71、第2荷重測定器72において、より正確な値を測定することが可能となる。
【0066】
本発明は、上述した実施形態に制限されることなく、請求の範囲に記載した範囲において、様々な形態で実施することができる。例えば、人体サポート装置は、本実施形態における人体サポート装置10に限定されない。即ち、本実施形態では、人体サポート装置10は、ベース部12、上体側フレーム18、及び、大腿アーム16により構成される外骨格を有していたが、外骨格を有していない構成の人体サポート装置を測定することも可能である。
また、アシストトルク測定装置の各部の構成は、本実施形態におけるアシストトルク測定装置60の各部の構成に限定されない。
【符号の説明】
【0067】
10 人体サポート装置
16 大腿アーム(脚部装着部)
18 上体側フレーム(上体装着部)
34 腿パッド
60 アシストトルク測定装置
61 矩形枠
71 第1荷重測定器
72 第2荷重測定器
142 上側腰部ベルト
143 下側腰部ベルト
621 下肢模擬部
622 上体模擬部
623 肩模擬部
631 第1の線部材
632 第2の線部材
641 ガイドローラ
θ なす角
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11