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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023090220
(43)【公開日】2023-06-29
(54)【発明の名称】ベルトパーテーション
(51)【国際特許分類】
   B65H 75/48 20060101AFI20230622BHJP
【FI】
B65H75/48 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021205081
(22)【出願日】2021-12-17
(71)【出願人】
【識別番号】592159966
【氏名又は名称】中発販売株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】512141736
【氏名又は名称】株式会社リーレックス
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】檪原 政一
(72)【発明者】
【氏名】神谷 信邦
【テーマコード(参考)】
3F068
【Fターム(参考)】
3F068AA01
3F068DA03
3F068FA07
3F068JB06
(57)【要約】
【課題】 電力を供給するための具体的な構成の一例を開示する。
【解決手段】 ベルトパーテーションは、複数の導線が並列配置されたフレキシブルフラットケーブルにて構成されたベルト11と、ベルトを巻き取る巻取ドラムと、ベルトの長手方向一端側及び他端側に設けられた第1導電端子20A及び第2導電端子20Bを備える。これにより、当該ベルトパーテーションによれば、ベルトを介して他のベルトパーテーションに電力を供給することが可能となる。
【選択図】 図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベルトパーテーションにおいて、
帯状のベルトであって、複数の導線が並列配置されたフレキシブルフラットケーブルにて構成されたベルトと、
前記ベルトを巻き取る巻取ドラムと、
前記ベルトの長手方向一端側及び他端側に設けられ、前記複数の導線と導通した導電端子と
を備えるベルトパーテーション。
【請求項2】
前記複数の導線の長手方向一端側及び他端側には、環状に湾曲した環状部が設けられており、
前記導電端子は、当該導電端子の外周面が前記環状部の内周面に接触することにより、前記複数の導線と導通している請求項1に記載のベルトパーテーション。
【請求項3】
前記導電端子と外部とを導通させるための導通プラグを備え、
前記導通プラグは、前記導電端子の円周面に接触することにより、当該導電端子と導通する請求項2に記載のベルトパーテーション。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、空間を仕切るためのベルト、及び当該ベルトを巻き取る巻取ドラム等を備えるベルトパーテーションに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1に記載のベルトパーテーションスタンドは、カメラと、カメラが撮影した動画を管理用情報処理機器に送信するデータ送信部とを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-75789号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1には、「カメラやデータ送信部に電力を供給する電力入力部は、有線又は無線にて給電可能である」との記載があるのみであり、具体的な構成に関する記載が一切ない。本開示は、当該点に鑑み、電力を供給するための具体的な構成の一例を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
ベルトパーテーションは、例えば、以下の構成要件のうち少なくとも1つを備えることが望ましい。すなわち、当該構成要件は、帯状のベルト(11)であって、複数の導線(11A)が並列配置されたフレキシブルフラットケーブルにて構成されたベルト(11)と、ベルト(11)を巻き取る巻取ドラム(13)と、ベルト(11)の長手方向一端側及び他端側に設けられ、複数の導線(11A)と導通した導電端子(20A、20B)とである。
【0006】
これにより、当該ベルトパーテーションによれば、ベルト(11)を介して他のベルトパーテーションに電力を供給することが可能となる。
【0007】
因みに、上記各括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的構成等との対応関係を示す一例であり、本開示は上記括弧内の符号に示された具体的構成等に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1実施形態に係るベルトパーテーションを示す図である。
図2】第1実施形態に係るベルトパーテーションの使用例を示す図である。
図3】第1実施形態に係るベルトパーテーションの分解図である。
図4】第1実施形態に係るベルトを示す図である。
図5】第1実施形態に係るベルトパーテーションを示す図である。
図6】ハーネスの結線状態を示す図である。
図7】第2給電接続部の構成を示す図である。
図8】第1給電接続部の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下の「発明の実施形態」は、本開示の技術的範囲に属する実施形態の一例を示すものである。つまり、特許請求の範囲に記載された発明特定事項等は、下記の実施形態に示された具体的構成や構造等に限定されない。
【0010】
なお、各図に付された方向を示す矢印及び斜線等は、各図相互の関係及び各部材又は部位の形状を理解し易くするために記載されたものである。したがって、本開示に示された発明は、各図に付された方向に限定されない。斜線が付された図は、必ずしも断面図を示すものではない。
【0011】
少なくとも符号が付されて説明された部材又は部位は、「1つの」等の断りがされた場合を除き、少なくとも1つ設けられている。つまり、「1つの」等の断りがない場合には、当該部材は2以上設けられていてもよい。本開示に示されたベルトパーテーションは、少なくとも符号が付されて説明された部材又は部位等の構成要素、並びに図示された構造部位を備える。
【0012】
(第1実施形態)
<1.ベルトパーテーションの概要>
ベルトパーテーション10は、図1に示されるように、ベルト11及びベルトケース12等を有するものであって、「人の並び方向」や「縄張り」等を行う際に用いられるものである。
【0013】
例えば、図2は、本実施形態に係るベルトパーテーション10にて「縄張り」した例である。具体的には、当該「縄張り」では、複数のベルトパーテーション10それぞれのベルト11が隣り合うベルトパーテーション10のベルトケース12に連結されている。
【0014】
なお、本実施形態に係るベルトパーテーション10は、パーテーションスタンド1の上端に着脱自在である。そして、各パーテーションスタンド1には、音声又は光を発する電気式のデバイス(図示せず。)が組み込まれている。
【0015】
<1.1 ベルトパーテーションの構成>
ベルトパーテーション10は、図3に示されるように、ベルト11、ベルトケース12、巻取ドラム13、渦巻きバネ14、カバー15~17、接続プレート18、第1給電接続部20、複数の第2給電接続部21、及び第3給電接続部22等を備える。
【0016】
ベルト11は、可撓性を有する帯状の部材であって、図4に示されるように、多数の導線11Aが並列配置されたフレキシブルフラットケーブルにて構成されている。そして、ベルト11の長手方向一端側及び他端側に第1給電接続部20が設けられている。
【0017】
巻取ドラム13は、ベルト11を巻き取るための部材である。このため、図3に示されるように、ベルト11の長手方向他端側は、巻取ドラム13に連結されている。渦巻きバネ14は、ベルト11を巻き取る向きに巻取ドラム13を回転させる弾性力を発揮する。
【0018】
カバー16は、渦巻きバネ14を覆う部材である。カバー17は、カバー16、第3給電接続部22及び当該第3給電接続部22に接続されたハーネス22A(図5参照)を覆う部材である。
【0019】
ベルトケース12は、ベルト11及び巻取ドラム13等を収納する筒状の覆い部材である。当該ベルトケース12の筒壁には、引出し口12A(図1参照)が設けられている。引出し口12Aは、ベルト11が貫通したスリット状の貫通穴である。
【0020】
接続プレート18は、図6に示されるように、複数の第2給電接続部21それぞれを電気的に接続するための部材である。具体的には、接続プレート18は、リング状の第1バスバー18A及び第2バスバー18B、並びに円盤状の基板18C等を有して構成されている。
【0021】
第1バスバー18A及び第2バスバー18Bは、第2給電接続部21に接続された各ハーネス21Aを電気的に接続する導体である。基板18Cは、第1バスバー18A及び第2バスバー18Bが固定された電気絶縁プレートである。
【0022】
本実施形態では、4つの第2給電接続部21が設けられている。すなわち、第1の第2給電接続部21は、巻取ドラム13内に位置する第1給電接続部20、つまりベルト11の長手方向他端側に設けられた第1給電接続部20と電気的に接続した部位である。
【0023】
他の3つの第2給電接続部21は、ベルトケース12の周囲に配置されている(図1参照)。具体的には、他の3つの第2給電接続部21は、引出し口12Aを基準として、90℃間隔で配置されている。
【0024】
<1.2 第2給電接続部の構成>
第2給電接続部21は、図7に示されるように、円筒状に構成された樹脂製のプラグ21B、外周電極21C及び中心電極21D等を有して構成されている。そして、プラグ21Bの外周面に円筒面状の外周電極21Cが設けられている。プラグ21Bの内部に中心電極21Dが設けられている。
【0025】
2本のハーネス21Aのうち一方のハーネスは、外周電極21Cに電気的に接続されている。2本のハーネス21Aのうち他方のハーネスは、中心電極21Dに電気的に接続されている。なお、以下、第2給電接続部21を導通プラグ21ともいう。
【0026】
<1.3 第1給電接続部の構成>
ベルト11の長手方向一端側に設けられた第1給電接続部20は、図8に示されるように、他のベルトパーテーション10の第2給電接続部21と電気的に接続可能な構造を備える。換言すれば、第1給電接続部20は、導通プラグ21と電気的に接続可能なジャックを構成する。
【0027】
具体的には、第1給電接続部20は、第1導電端子20A、第2導電端子20B、絶縁部20C及び端子ホルダ20D等を有して構成されている。第1導電端子20A及び第2導電端子20Bは、金属等の導体で構成された部材であって、円周状の外周面を有する。
【0028】
具体的には、第1導電端子20Aは、円周部20E及び針状部20F等を有して構成されている。円周部20Eは、円筒状又は円柱状の部位である。針状部20Fは、円周部20Eの外径より小さい外径を有する柱状又は円筒状の部位であって、円周部20Eに一体化された部位である。
【0029】
第2導電端子20Bは、導通プラグ21が挿入可能な内径寸法を有する円筒状の部材である。絶縁部20Cは、電気絶縁材料(例えば、樹脂)製の部材であって、第1導電端子20Aと第2導電端子20Bとの間に配置された円筒状の部材である。なお、絶縁部20Cの内径寸法は、導通プラグ21が挿入可能な寸法である。
【0030】
多数の導線11Aの長手方向一端側には、第1環状部11B及び第2環状部11Cが設けられている。第1環状部11B及び第2環状部11Cは、それら導線11Aが環状に湾曲した部位である。
【0031】
そして、第1導電端子20Aは、円周部20Eの外周面にて第1環状部11Bの内周面に接触する。第2導電端子20Bは、当該第2導電端子20Bの外周面にて第2環状部11Cの内周面に接触する。
【0032】
したがって、多数の導線11Aのうち第1環状部11Bを構成する導線11Aと第1導電端子20Aとが導通状態となる。多数の導線11Aのうち第2環状部11Cを構成する導線11Aと第2導電端子20Bとが導通状態となる。
【0033】
なお、多数の導線11Aのうち絶縁部20Cに対応する部位には、環状部が設けられていない。つまり、本実施形態では、多数の導線11Aのうち絶縁部20Cに対応する部位に位置する導線11Aは、給電に関与していない。
【0034】
そして、導通プラグ21の外周電極21Cは、第2導電端子20Bの内周面に摺動可能に接触して第2導電端子20Bと導通する。導通プラグ21の中心電極21Dは、針状部20Fの外周面に摺動可能に接触して第1導電端子20Aと導通する。
【0035】
したがって、ベルトパーテーション10B(図2参照)に設けられた導通プラグ21が、ベルトパーテーション10A(図2参照)のベルト11に設けられた第1導電端子20A及び第2導電端子20Bそれぞれの円周面に接触すると、ベルトパーテーション10Bの導通プラグ21とベルトパーテーション10Aの第1給電接続部20とが導通状態となる。
【0036】
端子ホルダ20Dは、第1環状部11B及び第2環状部11Cを外側から覆うことにより、第1環状部11Bと第1導電端子20Aとの電気的接続、及び第2環状部11Cと第2導電端子20Bとの電気的接続を確保する部材である。
【0037】
当該端子ホルダ20Dは、樹脂等の電気絶縁材料に構成されている。そして、端子ホルダ20Dは、第1環状部11B及び第2環状部11Cから導線11Aの電気絶縁被覆部まで延びている(図4参照)。
【0038】
なお、ベルト11の長手方向一端側には、図1に示されるように、ホルダカバー20Gが設けられている。ホルダカバー20Gは、端子ホルダ20Dを覆う部材である。当該ホルダカバー20Gには被係止部20Hが設けられている。
【0039】
被係止部20Hは、ベルトケース12に設けられた係止部12Bと係止可能な部位である。具体的には、係止部12Bは断面形状がT字状の凸条である。被係止部20Hは、当該凸条(係止部12B)が嵌込み可能なスリット状の穴である。
【0040】
なお、ベルト11の長手方向他端側の第1給電接続部20、つまり巻取ドラム13側の第1給電接続部20は、上下が反転している点を除き、ベルト11の長手方向一端側に設けられた第1給電接続部20と同一の構造である。
【0041】
すなわち、長手方向他端側の第1給電接続部20では、第1導電端子20Aが第2導電端子20Bに対して接続プレート18と反対側に位置し、第1導電端子20Aと第2導電端子20Bとの間に絶縁部20Cが配置され、かつ、針状部20Fが円周部20Eから第2導電端子20B側に向けて突出している。
【0042】
そして、図6に示されるように、ベルト11の長手方向他端側に設けられた第1給電接続部20には、接続プレート18の下面側に設けられた導通プラグ21が常に挿入装着されている。
【0043】
<1.4 第3給電接続部>
第3給電接続部22は、導通プラグ21と同様な構造を有する市販型プラグが装着可能なジャックである。なお、市販型プラグと導通プラグ21との相違点は、プラグ21Bの長手方向寸法である。つまり、市販型プラグは、導通プラグ21より小さい通電プラグである。
【0044】
<2.本実施に係るベルトパーテーションの使用方法及び特徴>
例えば、図2において、右端に配置されたベルトパーテーション10を第1ベルトパーテーション10Aとし、中央に配置されたベルトパーテーション10を第2ベルトパーテーション10Bとする。
【0045】
さらに、第1給電接続部20とは、特段の断りをした場合を除き、ベルト11の長手方向一端側に設けられた第1給電接続部20、つまり、他のベルトパーテーション10の導通プラグ21に接続される第1給電接続部20を意味する。
【0046】
そして、2つのベルトパーテーション10がベルト11を介して接続された状態では、第1ベルトパーテーション10Aの第1給電接続部20に第2ベルトパーテーション10Bの導通プラグ21が挿入された状態となる。
【0047】
このため、当該状態では、第1ベルトパーテーション10Aに設けられた4つの導通プラグ21及び第3給電接続部22と、第2ベルトパーテーション10Bに設けられた4つの導通プラグ21及び第3給電接続部22とが互いに電気的に接続された構成となる。
【0048】
したがって、例えば、ベルトパーテーション10Aの第3給電接続部22が電源(図示せず。)に接続されると、第1ベルトパーテーション10A及び第2ベルトパーテーション10Bそれぞれの導通プラグ21、並び第2ベルトパーテーション10Bの第3給電接続部22に当該電源から電力を供給できる。
【0049】
延いては、本実施形態に係るベルトパーテーション10によれば、パーテーションスタンド1に設けられたデバイス、又はベルトパーテーション10に装着されたデバイス(図示せず。)等にベルト11を介して電力を供給することが可能となる。
【0050】
本実施形態では、第1ベルトパーテーション10Aの第1給電接続部20に第2ベルトパーテーション10Bの導通プラグ21が挿入された状態となると、ホルダカバー20Gの被係止部20Hが、ベルトケース12に設けられた係止部12Bに係止された状態となる。
【0051】
つまり、本実施形態に係るベルトパーテーション10では、ベルト11に作用する張力の多くは、導通プラグ21ではなく、係止部12Bにて受ける構成となる。したがって、導通プラグ21に過度な力が作用することが抑制される。
【0052】
(その他の実施形態)
上述の実施形態に係るベルトパーテーション10は、パーテーションスタンド1の上端に着脱自在であった。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、壁やその他のスタンドに着脱自在なベルトパーテーションにも適用可能である。
【0053】
上述の実施形態では、ベルト11が他のベルトパーテーション10に接続された状態では、ホルダカバー20Gの被係止部20Hが、ベルトケース12に設けられた係止部12Bに係止された状態となる構成であった。しかし、本開示はこれに限定されない。
【0054】
さらに、本開示は、上述の実施形態に記載された開示の趣旨に合致するものであればよく、上述の実施形態に限定されない。したがって、上述した複数の実施形態のうち少なくとも2つの実施形態が組み合わせられた構成、又は上述の実施形態において、図示された構成要件もしくは符号を付して説明された構成要件のうちいずれかが廃止された構成であってもよい。
【符号の説明】
【0055】
10… ベルトパーテーション 11…ベルト 11A… 導線
11B… 第1環状部 11C…第2環状部 12… ベルトケース
13… 巻取ドラム 14…バネ 16… カバー
18… 接続プレート 18A…第1バスバー 18B… 第2バスバー
18C… 基板 20…第1給電接続部 20A… 第1導電端子
20B… 第2導電端子 20C…絶縁部 20E… 円周部
20F… 針状部 20D…端子ホルダ 20G… ホルダカバー
20H… 被係止部 21…第2給電接続部(導通プラグ)
21A… ハーネス 21B…プラグ 21C… 外周電極
21D… 中心電極 22…第3給電接続部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8