(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023090270
(43)【公開日】2023-06-29
(54)【発明の名称】設備状態管理システム、設備状態管理方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G05B 23/02 20060101AFI20230622BHJP
【FI】
G05B23/02 R
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021205151
(22)【出願日】2021-12-17
(71)【出願人】
【識別番号】390003665
【氏名又は名称】株式会社日進製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100174388
【弁理士】
【氏名又は名称】龍竹 史朗
(72)【発明者】
【氏名】井崎 千尋
(72)【発明者】
【氏名】奥村 大
【テーマコード(参考)】
3C223
【Fターム(参考)】
3C223AA12
3C223BA03
3C223CC02
3C223DD03
3C223FF13
3C223FF16
3C223FF52
3C223GG01
3C223HH02
(57)【要約】
【課題】設備の稼働率或いは設備の要因別不稼働時間を正確に見積もるための設備の状態を示す情報を的確に取得できる設備状態管理システム、設備状態管理方法およびプログラムを提供する。
【解決手段】設備状態管理サーバ1の時間帯特定部112は、設備状態情報に基づいて、設備状態が継続する時間帯を特定する。状態選出部113は、時間帯特定部112が複数の時間帯を特定し且つ特定した複数の時間帯が時間的に重複する場合、互いに重複する時間帯それぞれに対応する設備状態の優先度情報が示す優先度が最も高い1つの設備状態を、重複時間帯における設備状態として選出する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
設備の状態を示す複数種類の設備状態情報それぞれの前記設備の状態の推移を示す状態推移情報として採用される優先度を設定するための優先度設定操作を受け付ける受付部と、
前記受付部が受け付けた設定操作の内容に基づいて、前記複数種類の設備状態情報それぞれの優先度を示す優先度情報を優先度記憶部に記憶させる優先度設定部と、
前記設備から前記設備状態情報を取得する状態取得部と、
前記設備状態情報に基づいて、予め設定された対象期間内における少なくとも1つの設備状態が継続する時間帯を特定する時間帯特定部と、
前記時間帯特定部が複数の時間帯を特定し且つ特定した複数の時間帯のうちの少なくとも2つが時間的に重複する場合、前記優先度記憶部が記憶する優先度情報を参照して、互いに重複する複数の時間帯それぞれに対応する設備状態情報の優先度情報が示す優先度が最も高い1つの設備状態情報を選出する状態選出部と、を備え、
前記時間帯特定部は、前記状態選出部により前記設備状態情報が選出された場合、選出された前記設備状態情報に基づいて、前記設備の状態が継続する時間帯を特定する、
設備状態管理システム。
【請求項2】
前記状態推移情報を変更するためのトリガ情報を取得するトリガ取得部と、
前記トリガ情報が生成されたトリガ発生時期が予め設定された状態変更期間内であるか否かを判定する状態変更判定部と、
前記状態変更判定部により前記トリガ発生時期が前記状態変更期間内であると判定されると、前記少なくとも1つの設備状態が継続する時間帯の中から予め設定された更新対象時間帯に対応する前記状態推移情報を更新する状態更新部と、を更に備える、
請求項1に記載の設備状態管理システム。
【請求項3】
前記状態変更期間は、前記更新対象時間帯を含む、
請求項2に記載の設備状態管理システム。
【請求項4】
前記状態変更期間は、前記更新対象時間帯の直前と直後との少なくとも一方における予め設定された長さの時間帯を含む、
請求項2または3に記載の設備状態管理システム。
【請求項5】
前記状態更新部は、前記トリガ発生時期が前記更新対象時間帯に含まれる場合、前記更新対象時間帯における前記トリガ発生時期よりも前のトリガ取得前時間帯または前記トリガ発生時期よりも後のトリガ取得後時間帯のいずれか一方の前記状態推移情報を更新する、
請求項2から4のいずれか1項に記載の設備状態管理システム。
【請求項6】
設備の予め設定された対象期間内における少なくとも1つの設備状態それぞれが継続する時間帯に対応する少なくとも1つの設備状態表示領域を含む状態通知画像を表示する表示部と、
前記時間帯特定部により特定された前記時間帯に基づいて、前記状態通知画像における前記設備状態表示領域の位置および表示態様を決定する領域決定部と、
前記領域決定部により決定された前記設備状態表示領域の位置および表示態様に基づいて、前記状態通知画像を形成する画像生成部と、を更に備える、
請求項1から5のいずれか1項に記載の設備状態管理システム。
【請求項7】
前記状態通知画像は、前記設備の前記対象期間内における前記少なくとも1つの設備状態それぞれが継続する継続時間帯に対応する少なくとも1つの設備状態表示領域が前記少なくとも1つの設備状態それぞれに対応づけられた色で着色されており、
前記領域決定部は、前記時間帯特定部により特定された前記時間帯と前記状態選出部により選出された前記設備状態とに基づいて、前記状態通知画像における前記少なくとも1つの設備状態それぞれに対応する設備状態表示領域の位置および色を決定し、
前記画像生成部は、前記設備状態表示領域の位置および色に基づいて、前記状態通知画像を形成する、
請求項6に記載の設備状態管理システム。
【請求項8】
設備の状態を示す複数種類の設備状態情報それぞれの前記設備の状態の推移を示す状態推移情報として採用される優先度を設定するための優先度設定操作を受け付けるステップと、
受け付けた設定操作の内容に基づいて、前記複数種類の設備状態情報それぞれの優先度を示す優先度情報を優先度記憶部に記憶させるステップと、
前記設備から前記設備状態情報を取得するステップと、
前記設備状態情報に基づいて、予め設定された対象期間内における少なくとも1つの設備状態が継続する時間帯を特定するステップと、
複数の時間帯が特定され且つ特定した複数の時間帯のうちの少なくとも2つが時間的に重複する場合、前記優先度記憶部が記憶する優先度情報を参照して、互いに重複する複数の時間帯それぞれに対応する設備状態情報の優先度情報が示す優先度が最も高い1つの設備状態情報を選出するステップと、
前記設備状態情報が選出された場合、選出された前記設備状態情報に基づいて、前記設備の状態が継続する時間帯を特定するステップと、を含む、
設備状態管理方法。
【請求項9】
コンピュータを、
設備の状態を示す複数種類の設備状態情報それぞれの前記設備の状態の推移を示す状態推移情報として採用される優先度を設定するための優先度設定操作を受け付ける受付部、
前記受付部が受け付けた設定操作の内容に基づいて、前記複数種類の設備状態情報それぞれの優先度を示す優先度情報を優先度記憶部に記憶させる優先度設定部、
前記設備から前記設備状態情報を取得する状態取得部、
前記設備状態情報に基づいて、予め設定された対象期間内における少なくとも1つの設備状態が継続する時間帯を特定する時間帯特定部、
前記時間帯特定部が複数の時間帯を特定し且つ特定した複数の時間帯のうちの少なくとも2つが時間的に重複する場合、前記優先度記憶部が記憶する優先度情報を参照して、互いに重複する複数の時間帯それぞれに対応する設備状態情報の優先度情報が示す優先度が最も高い1つの設備状態情報を選出する状態選出部、
として機能させるためのプログラムであって、
前記時間帯特定部は、前記状態選出部により前記設備状態情報が選出された場合、選出された前記設備状態情報に基づいて、前記設備の状態が継続する時間帯を特定する、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、設備状態管理システム、設備状態管理方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
バッチプロセスで実行される複数のサブ工程の実行時間帯を、複数のサブ工程の実行順序に従ってバー形式で表示するガントチャートを生成して表示画面に表示させる装置が提案されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、例えば金属加工を行う工場のような作業現場では、作業者が設備の運転状況に応じて行動することにより、設備の稼働率を最大にすることが求められる。このような作業現場では、設備の内部で発生する信号を利用して設備の状態を把握し、設備の稼働率或いは設備の要因別不稼働時間を自動的且つ正確に評価することが求められる。この評価には、設備総合効率という考え方が用いられる。設備総合効率の考え方に基づき、設備の稼働率或いは設備の要因別不稼働時間を正確に見積もるには、各時間帯における設備の状態を一意に特定する必要がある。ここで、設備の状態には、単なる設備の稼働中或いは停止中といった分類だけでなく、設備の計画停止、設備の異常による停止、段取り替えのための停止、設備に使用される消耗品の交換のための停止等の分類も含めることが要請される。このような各時間帯における設備の状態は、設備の内部で発生する設備の状態を表す複数種類の信号から決定される設備の状態と、予め設定された設備での生産計画を示す情報と、を組み合わせて一意に決定することが要請されている。
【0005】
本発明は、上記事由に鑑みてなされたものであり、設備の稼働率或いは設備の要因別不稼働時間を正確に見積もるための設備の状態を示す情報を的確に取得できる設備状態管理システム、設備状態管理方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係る設備状態管理システムは、
設備の状態を示す複数種類の設備状態情報それぞれの前記設備の状態の推移を示す状態推移情報として採用される優先度を設定するための優先度設定操作を受け付ける受付部と、
前記受付部が受け付けた設定操作の内容に基づいて、前記複数種類の設備状態情報それぞれの優先度を示す優先度情報を優先度記憶部に記憶させる優先度設定部と、
前記設備から前記設備状態情報を取得する状態取得部と、
前記設備状態情報に基づいて、予め設定された対象期間内における少なくとも1つの設備状態が継続する時間帯を特定する時間帯特定部と、
前記時間帯特定部が複数の時間帯を特定し且つ特定した複数の時間帯のうちの少なくとも2つが時間的に重複する場合、前記優先度記憶部が記憶する優先度情報を参照して、互いに重複する複数の時間帯それぞれに対応する設備状態情報の優先度情報が示す優先度が最も高い1つの設備状態情報を選出する状態選出部と、を備え、
前記時間帯特定部は、前記状態選出部により前記設備状態情報が選出された場合、選出された前記設備状態情報に基づいて、前記設備の状態が継続する時間帯を特定する。
【0007】
他の観点から見た本発明に係る設備状態管理方法は、
設備の状態を示す複数種類の設備状態情報それぞれの前記設備の状態の推移を示す状態推移情報として採用される優先度を設定するための優先度設定操作を受け付けるステップと、
受け付けた設定操作の内容に基づいて、前記複数種類の設備状態情報それぞれの優先度を示す優先度情報を優先度記憶部に記憶させるステップと、
前記設備から前記設備状態情報を取得するステップと、
前記設備状態情報に基づいて、予め設定された対象期間内における少なくとも1つの設備状態が継続する時間帯を特定するステップと、
複数の時間帯が特定され且つ特定した複数の時間帯のうちの少なくとも2つが時間的に重複する場合、前記優先度記憶部が記憶する優先度情報を参照して、互いに重複する複数の時間帯それぞれに対応する設備状態情報の優先度情報が示す優先度が最も高い1つの設備状態情報を選出するステップと、
前記設備状態情報が選出された場合、選出された前記設備状態情報に基づいて、前記設備の状態が継続する時間帯を特定するステップと、を含む。
【0008】
他の観点から見た本発明に係るプログラムは、
コンピュータを、
設備の状態を示す複数種類の設備状態情報それぞれの前記設備の状態の推移を示す状態推移情報として採用される優先度を設定するための優先度設定操作を受け付ける受付部、
前記受付部が受け付けた設定操作の内容に基づいて、前記複数種類の設備状態情報それぞれの優先度を示す優先度情報を優先度記憶部に記憶させる優先度設定部、
前記設備から前記設備状態情報を取得する状態取得部、
前記設備状態情報に基づいて、予め設定された対象期間内における少なくとも1つの設備状態が継続する時間帯を特定する時間帯特定部、
前記時間帯特定部が複数の時間帯を特定し且つ特定した複数の時間帯のうちの少なくとも2つが時間的に重複する場合、前記優先度記憶部が記憶する優先度情報を参照して、互いに重複する複数の時間帯それぞれに対応する設備状態情報の優先度情報が示す優先度が最も高い1つの設備状態情報を選出する状態選出部、
として機能させるためのプログラムであって、
前記時間帯特定部は、前記状態選出部により前記設備状態情報が選出された場合、選出された前記設備状態情報に基づいて、前記設備の状態が継続する時間帯を特定する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、状態選出部が、時間帯特定部が複数の時間帯を特定し且つ特定した複数の時間帯のうちの少なくとも2つが時間的に重複する場合、互いに重複する少なくとも2つの時間帯それぞれに対応する設備状態の優先度情報が示す優先度が最も高い1つの設備状態を、少なくとも2つの時間帯が重複する重複時間帯における設備状態として選出する。ここで、優先度設定部は、受付部が受け付けた設定操作の内容に基づいて、複数種類の設備状態それぞれの優先度情報を設定する。これにより、優先度設定部が利用者の設定操作の内容に基づいて設定した優先度に基づいて、各時間帯における優先度の最も高い設備状態が一意に特定されて状態推移情報として採用される。従って、利用者が所望する、設備の稼働率或いは設備の要因別不稼働時間を正確に見積もるための設備の状態を示す情報を的確に取得できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施の形態に係る設備状態管理システムの概略構成図である。
【
図2】実施の形態に係る設備状態管理システムのハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図3】実施の形態に係る設備状態管理システムの機能構成を示すブロック図である。
【
図4】(A)は実施の形態に係る優先度記憶部が記憶する情報の一例を示す図であり、(B)は実施の形態に係る状態推移記憶部が記憶する情報の一例を示す図である。
【
図5】実施の形態に係る設備状態管理システムの動作を説明するためのシーケンス図である。
【
図6】(A)は実施の形態に係る優先度設定画面画像の一例を示す図である、(B)は実施の形態に係る優先度設定画面画像の他の一例を示す図である。
【
図7】(A)は実施の形態に係る設備状態の推移の一例を示す図であり、(B)は設備状態の推移が(A)に示す場合の状態通知画像の一例を示す図であり、(C)は設備状態の推移が(A)に示す場合の状態通知画像の他の一例を示す図である。
【
図8】実施の形態に係る設備状態管理システムの動作を説明するためのシーケンス図である。
【
図9】(A)は対象トリガ識別情報および状態変更判定期間の設定画面画像の一例を示す図であり、(B)は実施の形態に係る設備状態の推移およびトリガ情報の入力状況の一例を示す図であり、(C)は設備状態の推移およびトリガ情報の入力状況が(B)に示す場合の通知画面画像の一例を示す図である。
【
図10】実施の形態に係る設備状態管理システムの動作を説明するためのシーケンス図である。
【
図11】実施の形態に係る設備状態管理サーバが実行する設備状態管理処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図12】実施の形態に係る設備状態管理サーバが実行する設備状態管理処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図13】実施の形態に係る端末装置が実行する設備状態表示処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図14】(A)はトリガ情報識別情報および状態変更判定期間の設定画面画像の一例を示す図であり、(B)は変形例に係る設備状態の推移およびトリガ情報の入力状況の一例を示す図であり、(C)は設備状態の推移およびトリガ情報の入力状況が(B)に示す場合の通知画面画像の一例を示す図である。
【
図15】(A)はトリガ情報識別情報および状態変更判定期間の設定画面画像の一例を示す図であり、(B)は変形例に係る設備状態の推移およびトリガ情報の入力状況の一例を示す図であり、(C)は設備状態の推移およびトリガ情報の入力状況が(B)に示す場合の通知画面画像の一例を示す図であり、(D)は設備状態の推移およびトリガ情報の入力状況が(B)に示す場合の通知画面画像の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態に係る設備状態管理システムについて、図面を参照しながら説明する。本実施の形態に係る設備状態通知システムは、端末装置と、設備状態管理サーバと、を備える、端末装置は、設備の状態を示す複数種類の設備状態情報それぞれの設備の状態の推移を示す状態推移情報として採用される優先度を設定するための優先度設定操作を受け付ける受付部と、を有する。また、設備状態管理サーバは、受付部が受け付けた設定操作の内容に基づいて、複数種類の設備状態情報それぞれの優先度を示す優先度情報を優先度記憶部に記憶させる優先度設定部と、設備から設備状態情報を取得する状態取得部と、設備状態情報に基づいて、予め設定された対象期間内における少なくとも1つの設備状態が継続する時間帯を特定する時間帯特定部と、を有する。また、設備状態管理サーバは、時間帯特定部が複数の時間帯を特定し且つ特定した複数の時間帯のうちの少なくとも2つが時間的に重複する場合、優先度記憶部が記憶する優先度情報を参照して、互いに重複する複数の時間帯それぞれに対応する設備状態情報の優先度情報が示す優先度が最も高い1つの設備状態情報を選出する状態選出部を有する。そして、時間帯特定部は、状態選出部により設備状態情報が選出された場合、選出された前記設備状態情報に基づいて、複数の設備状態が継続する時間帯を特定する。
【0012】
本実施の形態に係る設備状態管理システムは、例えば
図1に示すように、設備状態管理サーバ1と端末装置2とを備える。設備状態管理サーバ1と設備3とは、ネットワークNWに接続されている。また、端末装置2は、ネットワークNWに接続されたアクセスポイント4を介して設備状態管理サーバ1と通信可能となっている。ここで、ネットワークは、例えば設備3が設置される工場に敷設された優先LAN(Local Area Network)である。
【0013】
設備3は、例えば工具でワークを加工する工作機械であり、工作機械の動作を制御するためのプログラマブルロジックコントローラ(以下、「PLC」と称する。)31と、工具の交換時のように設備3を手動で動作させる際に操作される操作部32と、を有する。PLC31は、CPU(Central Processing Unit)ユニットと、入出力制御ユニットと、設備3の各種信号のオンオフ状態の履歴を記憶するストレージと、を有する。CPUユニットは、入出力制御ユニットを介して設備3に設けられた各種アクチュエータへ制御信号を出力することにより設備3の動作を制御する。入出力制御ユニットは、内部クロックに基づいて時刻情報を生成する計時ブロックを有する。また、CPUユニットは、各種アクチュエータへ出力する制御信号および設備3に設けられた各種センサから出力される検出信号に基づいて、設備3の自動運転中を示す設備状態情報、設備3の手動運転中を示す設備状態情報等の各種設備状態情報を生成する。ここで、CPUユニットは、設備3の状態を「0(偽)」、「1(真)」(または「0(真)」、「1(偽)」)のうちのいずれかで表す設備状態情報を生成する。CPUユニットは、例えば設備3が自動運転中であれば、「1(真)」(または、「0(真)」)を表す設備状態情報を生成する。そして、CPUユニットは、生成した各種設備状態情報を入出力制御ユニットの計時ブロックから出力される時刻情報に対応づけて時系列でストレージに記憶させていく。更に、CPUユニットは、設備状態管理サーバ1から送信される、設備3の状態を示す設備状態情報の送信を要求する設備状態要求情報を取得すると、これに応じて、ストレージに記憶されている各種設備情報と時刻情報とを含む設備状態履歴情報を生成する。そして、入出力制御ユニットは、生成された設備状態履歴情報を設備状態管理サーバ1へ送信する。
【0014】
また、PLC31のCPUユニットは、例えば設備3を使用する作業者により操作部32に対して予め設定された操作が行われると、それに応じて、例えば設備3での処理回数を記録するカウンタをリセットする。そして、PLC31は、カウンタがリセットされたことを示すトリガ情報を生成してストレージに記憶させる。ここで、予め設定された操作とは、例えば設備3の工具を交換するための準備をするために工具が装着されたユニットを予め設定された位置へ手動で移動させる操作である。また、トリガ情報は、カウンタのリセット等のPLC31で実行される処理を識別するトリガ識別情報と、トリガ情報を生成した時期を示すトリガ発生時期情報と、を含んでいる。また、CPUユニットは、設備状態管理サーバ1から送信される、トリガ情報が発生したか否かを確認するためのトリガ確認情報を取得すると、これに応じて、ストレージに記憶されているトリガ情報を設備状態管理サーバ1へ送信する。
【0015】
設備状態管理サーバ1は、例えばサーバ用のコンピュータであり、
図2に示すように、CPU101と、主記憶部102と、補助記憶部103と、通信部106と、計時部108と、各部を接続するバス109と、を有する。主記憶部102は、例えばRAM(Random Access Memory)のような揮発性メモリであり、CPU101の作業領域として使用される。補助記憶部103は、磁気ディスク、半導体メモリ等の不揮発性メモリであり、設備状態管理サーバ1の各種機能を実現するためのプログラムを記憶する。通信部106は、ネットワークNWに接続されている。計時部108は、例えばRTC(Real Time Clock)を有し、計時した時刻情報をCPU101へ通知する。
【0016】
CPU101は、補助記憶部103が記憶する前述のプログラムを主記憶部102に読み出して実行することにより、
図3に示すように、状態取得部111、時間帯特定部112、状態選出部113、推移通知部114、トリガ取得部115、状態変更判定部116、トリガ設定部117、優先度設定部118、状態更新部119、状態変更判定期間設定部120および状態情報発生部121として機能する。また、
図2に示す補助記憶部103は、
図3に示すように、状態記憶部131と、優先度記憶部132と、状態推移記憶部133と、対象トリガ記憶部134と、トリガ発生時期記憶部135と、状態変更判定期間記憶部136と、生産計画記憶部137と、を有する。状態記憶部131は、設備3から送信される前述の設備状態履歴情報に含まれる各種設備状態情報と時刻情報とを互いに対応づけて記憶する。
【0017】
優先度記憶部132は、例えば
図4(A)に示すように、設備3の状態を示す各種設備状態情報の中から状態通知画像に表示する優先度を示す優先度情報を、各種設備状態情報を識別する状態識別情報に対応づけて記憶する。
図4(A)に示す例では、優先度情報は、例えば値が小さいほど優先度が高くなる数値で表され、優先度P0、P1、P2の順に数値が大きくなるように設定されている。この場合、設備3の自動運転中を示す設備状態情報の優先度が最も高く、設備3の手動運転中を示す設備状態情報、設備3が待ち状態か否かを示す設備状態情報の順に優先度が低くなるように設定されていることになる。
【0018】
状態推移記憶部133は、例えば
図4(B)に示すように、予め設定された対象期間内における各時間帯を示す時間帯情報と各時間帯それぞれについて採用された1種類の設備3の状態を示す設備状態情報とから構成される状態推移情報を記憶する。
図4(B)に示す例では、時刻T[0]s~T[0]eの時間帯は、設備3が自動運転中であるとされていることを示している。また、時刻T[1]s~T[1]eの時間帯は、設備3が手動運転中であることを示している。更に、時刻T[2]s~T[2]eの時間帯は、設備3が処理を待っている待ち状態であるとされていることを示している。
【0019】
図3に戻って、対象トリガ記憶部134は、設備3から送信されるトリガ情報のうち、端末装置2の表示部204に表示される設備状態表示を変更するためのトリガ情報を識別するトリガ識別情報を記憶する。トリガ発生時期記憶部135は、設備状態管理サーバ1が設備3から送信されるトリガ情報を取得した時期を示すトリガ発生時期情報を、前述のトリガ識別情報に対応づけて記憶する。状態変更判定期間記憶部136は、トリガ発生時期に基づいて、状態推移情報を変更すると判定する状態変更判定期間を示す状態変更判定期間情報を、対応する設備状態情報に対応づけて記憶する。生産計画記憶部137は、設備3を使用した製品の生産の計画を示す生産計画情報を記憶する。ここで、生産計画情報は、例えば設備状態管理サーバ1を管理する管理者により定期的に生産計画記憶部137に記憶されるものであってもよい。
【0020】
状態取得部111は、予め設定された設備状態取得時期が到来する毎に、前述の設備状態要求情報を設備3へ送信することにより、設備3から送信される設備状態履歴情報を取得する。ここで、設備状態取得時期は、例えば1sec間隔で到来するように設定される。そして、状態取得部111は、設備状態履歴情報を取得すると、取得した設備状態履歴情報から、設備3が自動運転中であることを示す設備状態情報、設備3が手動運転中であることを示す設備状態情報等の各種設備状態情報とそれらに対応づけられた時刻情報とを抽出し、抽出した各種設備状態情報と時刻情報とを互いに対応づけて状態記憶部131に記憶させる。状態情報発生部121は、生産計画記憶部137が記憶する生産計画情報に基づいて、設備状態情報と対応する時刻情報とを生成し、これらを互いに対応づけて状態記憶部131に記憶させる。
【0021】
時間帯特定部112は、前述の設備状態情報と時刻情報とに基づいて、予め設定された対象期間内における、少なくとも1つの設備状態が継続する時間帯を特定する。ここで、対象期間は、例えば0時から24時までの24時間の期間に設定される。また、時間帯特定部112は、前述の各種設備状態情報について、その設備状態情報に対応する設備3の状態が継続する時間帯の始期と終期とを特定する。また、時間帯特定部112は、特定した時間帯が重複する場合、状態選出部113により設備状態情報が選出された設備状態情報に基づいて、複数の設備状態が継続する時間帯を特定する。具体的には、時間帯特定部112は、特定した時間帯が重複する場合、特定した時間帯が重複する重複時間帯に対応する複数の設備状態情報の状態識別情報を状態選出部113に通知する。そして、時間帯特定部112は、状態選出部113から重複時間帯に対応する状態識別情報が通知されると、重複時間帯について通知された状態識別情報で識別される設備状態情報に基づいて、その設備状態情報が示す設備状態が継続する時間帯を再度特定する。また、時間帯特定部112は、各種設備状態情報を、特定した時間帯の始期と終期とを示す時間帯情報と状態識別情報とに対応づけて状態推移記憶部133に記憶させる。ここで、時間帯特定部112は、状態選出部113から通知される設備状態情報を、前述の重複時間帯に対応づけて状態推移記憶部133に記憶させる。
【0022】
状態選出部113は、時間帯特定部112が複数の時間帯を特定し且つ特定した複数の時間帯のうちの少なくとも2つが時間的に重複する場合、互いに重複する少なくとも2つの時間帯それぞれに対応する設備状態の優先度情報が示す優先度が最も高い1つの設備状態を、少なくとも2つの時間帯が重複する重複時間帯における設備状態として選出する。具体的には、状態選出部113は、時間帯特定部112から前述の重複時間帯における複数の状態識別情報が通知されると、優先度記憶部132が記憶する優先度情報を参照して、通知された状態識別情報の中から最も優先度の高い状態識別情報を1つ選出する。そして、状態選出部113は、選出した状態識別情報を時間帯特定部112に通知する。
【0023】
推移通知部114は、予め設定された状態推移情報更新時期が到来する毎に、状態推移記憶部133が記憶する時間帯情報、状態識別情報および設備状態情報を含む状態推移情報を生成して端末装置2へ送信する。ここで、状態推移情報更新時期は、例えば1日間隔或いは1min間隔で到来するように設定されてもよい。トリガ取得部115は、予め設定されたトリガ確認時期が到来する毎に、前述のトリガ確認情報を設備3へ送信することにより、設備3から送信されるトリガ情報を取得する。また、トリガ取得部115は、トリガ情報を取得すると、対象トリガ記憶部134が記憶するトリガ識別情報の中に、取得したトリガ情報に含まれるトリガ識別情報と一致するトリガ識別情報が存在するか否かを判定する。そして、トリガ取得部115は、取得したトリガ情報に含まれるトリガ識別情報と一致するトリガ識別情報が存在すると判定すると、トリガ情報に含まれるトリガ情報が生成された時期を示すトリガ発生時期情報を抽出してトリガ識別情報に対応づけてトリガ発生時期記憶部135に記憶させる。
【0024】
状態変更判定部116は、状態変更判定期間記憶部136が記憶する状態変更判定期間情報を参照して、トリガ発生時期記憶部135が記憶するトリガ発生時期情報が示すトリガ発生時期が状態変更判定期間内であるか否かを判定する。そして、状態変更判定部116は、前述のトリガ発生時期が状態変更期間内であると判定すると、更新対象となる設備状態情報を特定する。そして、状態変更判定部116は、状態変更判定期間記憶部136が記憶する状態変更判定期間情報に対応する設備状態情報を、更新後の設備状態情報として、特定した更新対象となる設備状態情報とともに状態更新部119に通知する。なお、本実施の形態では、状態変更判定期間が、設備3の状態の推移を示す状態推移情報として採用される設備状態情報に対応する時間帯に相当する。例えば、トリガ情報が、設備3において「工具交換」を行うための操作が操作部32に対して行われた際に生成されるものであるとする。そして、状態変更判定期間が、設備3が停止状態にある時間帯に設定されているとする。この場合、設備3の停止中の時間帯にトリガ情報が生成されると、状態推移情報における設備3の「停止中」を表す設備状態情報が、「工具交換」を表す設備状態情報に更新される。
【0025】
状態更新部119は、状態変更判定部116により前述のトリガ発生時期が前述の状態変更期間内であると判定されると、更新対象時間帯に対応する設備状態情報に対応する時間帯の設備状態情報を更新する。具体的には、状態更新部119は、状態変更判定部116から前述の更新対象の設備状態情報と更新後の設備状態情報とを取得すると、更新対象の設備状態情報に対応する時間帯について、更新後の設備状態情報に基づいて状態推移情報を更新する。
【0026】
優先度設定部118は、端末装置2の後述する受付部215が受け付けた優先度設定操作の内容に基づいて、複数種類の設備状態情報それぞれの状態通知画像に表示する優先度を示す優先度情報を設定する。具体的には、優先度設定部118は、端末装置2から送信される優先度情報を取得すると、取得した優先度情報を、各種設備状態情報を識別する状態識別情報に対応づけて優先度記憶部132に記憶させる。また、状態変更判定期間設定部120は、端末装置2から送信される状態変更判定期間を示す情報が通知されると、通知された情報に基づいて状態変更判定期間情報を生成して対応する設備状態情報に対応づけて状態変更判定期間記憶部136に記憶させる。
【0027】
図2に戻って、端末装置2は、例えばタブレット型の携帯端末であり、CPU201と、主記憶部202と、補助記憶部203と、表示部204と、入力部205と、通信部206と、これらを互いに接続するバス209と、を備える。主記憶部202は、RAMのような揮発性メモリを有し、CPU201の作業領域として使用される。また、主記憶部202は、表示部204に表示させる画像情報を一時的に記憶する画像専用メモリ(図示せず)を有する。補助記憶部203は、半導体フラッシュメモリのような不揮発性メモリであり、CPU201が各種処理を実行するためのプログラムを記憶する。表示部204は、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等の表示装置である。入力部205は、例えば表示部204に重ねて配置される透明なタッチパッドである。通信部206は、無線モジュールを有し、ネットワークNWにアクセスポイント4を介して接続されており、CPU201から転送される情報を、ネットワークNWを介して設備状態管理サーバ1へ送信したり、設備状態管理サーバ1からネットワークNWを介して受信した情報をCPU201へ転送したりする。
【0028】
CPU201は、補助記憶部203が記憶するプログラムを主記憶部202に読み出して実行することにより、
図3に示すように、推移取得部211、領域決定部212、画像生成部213、表示制御部214、受付部215および設定通知部216として機能する。また、
図2に示す補助記憶部203は、
図3に示すように、状態推移記憶部231を有する。また、
図2に示す主記憶部202の画像専用メモリは、表示部204に表示させる画像を一時的に記憶する画像記憶部221を有する。状態推移記憶部231は、設備状態管理サーバ1から取得した状態推移情報を記憶する。
【0029】
推移取得部211は、前述の状態推移情報更新時期が到来する毎に、設備状態管理サーバ1から送信される状態推移情報を取得し、取得した状態推移情報に含まれる時間帯情報、状態識別情報および設備状態情報を抽出する。そして、推移取得部211は、抽出した時間帯情報、状態識別情報および設備状態情報を互いに対応づけて状態推移記憶部231に記憶させる。
【0030】
領域決定部212は、前述の時間帯特定部112により特定された時間帯に基づいて、表示部204に表示される状態通知画像における少なくとも1つの設備状態それぞれに対応する設備状態表示領域の位置および表示態様を決定する。具体的には、領域決定部212は、状態推移記憶部231が記憶する時間帯情報、状態識別情報および設備状態情報に基づいて、前述の状態通知画像における各設備状態情報に対応する設備状態表示領域の位置および表示態様を決定する。例えば状態通知画像が、設備3の対象期間内における少なくとも1つの設備状態それぞれが継続する継続時間帯に対応する少なくとも1つの設備状態表示領域が少なくとも1つの設備状態それぞれに対応づけられた色で着色された表示態様であるとする。具体的には、例えば長尺であり長手方向を時間軸として設備状態に応じて色分けされたガントチャートが挙げられる。この場合、領域決定部212は、状態通知画像における少なくとも1つの設備状態それぞれに対応する設備状態表示領域の位置および色を決定する。そして、領域決定部212は、決定した設備状態表示領域の位置および色を示す情報を画像生成部213に通知する。
【0031】
画像生成部213は、領域決定部212から通知される設備状態表示領域の位置に基づいて、前述の状態通知画像を生成する。ここで、状態通知画像が、前述のような設備3の設備状態が継続する継続時間帯に対応する着色領域がその設備状態に対応づけられた色で着色された画像である場合、画像生成部213は、領域決定部212により決定された着色領域の位置および色に基づいて、状態通知画像を形成する。画像生成部213は、生成した状態通知画像を含む画像情報を画像記憶部221に記憶させる。表示制御部214は、画像記憶部221が記憶する画像情報に基づいて、状態通知画像を表示部204に表示させる。
【0032】
受付部215は、端末装置2の利用者が入力部205を介して行った操作を受け付ける。そして、受付部215は、操作内容が優先度を設定する操作である場合、設定しようとする優先度を示す情報を含む操作情報を生成して設定通知部216に通知する。また、受付部215は、操作内容が設備状態表示を変更するためのトリガ情報および前述の表示変更期間を設定する対象トリガ・状態変更判定期間設定操作である場合、この操作により設定される対象となるトリガ情報を示す情報、状態変更判定期間を示す情報を含む操作情報を生成して設定通知部216に通知する。設定通知部216は、受付部215から通知される操作情報に基づいて、優先度情報または対象トリガ識別情報、状態変更判定期間情報を生成して設備状態管理サーバ1へ送信する。
【0033】
次に、本実施の形態に係る設備状態管理システムの動作について、
図5乃至
図10を参照しながら説明する。まず、
図5に示すように、端末装置2の利用者が、通知画面画像に表示する設備状態を示す設備状態情報として採用される優先度を設定する優先度設定操作を行ったとする。この場合、端末装置2は、優先度設定操作を受け付ける(ステップS1)。ここで、端末装置2は、例えば
図6(A)および(B)に示すような優先度を設定するための設定画面画像GA1を表示部204に表示させる。この設定画面画像GA1は、設備状態を表すメッセージ画像M111、M112、M113、M114と、各設備状態の優先順位を設定するための釦画像BU111、BU112、BU113と、設備状態の種類を追加するための釦画像BU12と、を含む。ここで、設備状態の表すメッセージ画像M111、M112、M113、M114の表示位置が
図6(A)および(B)における上側に位置する設備状態ほど優先度が高いことを表している。そして、利用者が、タッチパッドである入力部205における上矢印と下矢印を示す釦画像BU111、BU112、BU113に対応する部分をタッチすることにより、各設備状態の優先度を変更することができる。端末装置2の表示部204に例えば
図6(A)に示すような設定画面画像GA1が表示されている場合において、利用者が、入力部205における釦画像BU111の下矢印に対応する部分をタッチしたとする。この場合、
図6(B)に示すように、設定画面画像GA1おける釦画像BU111およびメッセージ画像M111の位置が、釦画像BU112およびメッセージ画像M112よりも下側に移動する。これに伴い、メッセージ画像M111に対応する「手動運転中」を示す設備状態の優先度が、メッセージ画像M112に対応する「自動運転中」を示す設備状態の優先度よりも低く設定される。
【0034】
図5に戻って、次に、端末装置2は、優先度設定操作の内容に基づいて、各設備状態の優先度を示す優先度情報を生成する(ステップS2)。続いて、生成された優先度情報が、端末装置2から設備状態管理サーバ1へ送信される(ステップS3)。一方、設備状態管理サーバ1は、端末装置2から送信される優先度情報を取得すると、取得した優先度情報を状態識別情報に対応づけて優先度記憶部132に記憶させる(ステップS4)。
【0035】
その後、予め設定された状態取得時期が到来すると、設備3に対して設備状態情報の送信を要求するためのポーリング情報である設備状態要求情報が、設備状態管理サーバ1から設備3へ送信される(ステップS5)。一方、設備3は、設備状態要求情報を取得すると、これに応じて、設備状態情報と時刻情報とを含む設備状態履歴情報を生成する(ステップS6)。次に、生成された設備状態履歴情報が、設備3から設備状態管理サーバ1へ送信される(ステップS7)。ここで、設備状態管理サーバ1は、設備状態履歴情報を取得すると、取得した設備状態履歴情報から各種設備状態情報とそれらに対応づけられた時刻情報とを抽出し、抽出した各種設備状態情報と時刻情報とを互いに対応づけて状態記憶部131に記憶させる。
【0036】
続いて、予め設定された状態推移情報更新時期が到来すると、設備状態管理サーバ1は、前述の設備状態情報と時刻情報とに基づいて、対象期間内における設備状態が継続する時間帯を特定する(ステップS8)。ここで、設備状態管理サーバ1が、特定した時間帯が重複すると判定したとする(ステップS9)。この場合、設備状態管理サーバ1は、優先度記憶部132が記憶する優先度情報を参照して、特定した時間帯が重複する重複時間帯に対応する複数の設備状態情報の状態識別情報の中から最も優先度の高い状態識別情報を1つ選出する。即ち、設備状態管理サーバ1は、最も優先度の高い設備状態情報が示す設備状態を、重複時間帯における設備状態として選出する(ステップS10)。その後、設備状態管理サーバ1は、選出した設備状態情報を、前述の重複時間帯に対応づけて状態推移記憶部133に記憶させることにより、状態推移記憶部133が記憶する状態推移情報を更新する(ステップS11)。
【0037】
次に、設備状態管理サーバ1は、状態推移記憶部133が記憶する時間帯情報、状態識別情報および設備状態情報を含む推移通知情報を生成する(ステップS12)。続いて、生成された推移通知情報が、設備状態管理サーバ1から端末装置2へ送信される(ステップS13)。一方、端末装置2は、設備状態管理サーバ1から推移通知情報を取得すると、推移通知情報に含まれる時間帯情報、状態識別情報および設備状態情報に基づいて、前述の状態通知画像における各設備状態情報に対応する設備状態表示領域の位置を決定する(ステップS14)。その後、端末装置2は、決定した設備状態表示領域の位置に基づいて、前述の状態通知画像を生成し(ステップS15)、
図8に示すように、生成した状態通知画像を表示部204に表示させる(ステップS16)。
【0038】
ここで、自動運転中を示す設備状態情報と手動運転中を示す設備状態情報が、例えば
図7(A)に示すような履歴を示しているとする。なお、
図7(A)において、「自動運転中」は、自動運転中の履歴を示し、「手動運転中」は、手動運転中の履歴を示している。ここで、例えば前述の
図6(B)に示すように、自動運転中の設備状態情報の優先度が、手動運転中の設備状態情報の優先度に比べて高く設定されているとする。この場合、
図7(B)に示すように、状態通知画像GA21における重複時間帯T0s乃至T1eに対応する表示領域は、「自動運転中」を表す表示となる。一方、例えば前述の
図6(A)に示すように、手動運転中の設備状態情報の優先度が、自動運転中の設備状態情報の優先度に比べて高く設定されているとする。この場合、
図7(C)に示すように、状態通知画像GA22における重複時間帯T0s乃至T1eに対応する表示領域は、「手動運転中」を表す表示となる。なお、自動運転中にも手動運転中にも該当しない期間は「停止」を表す表示となる。
【0039】
また、
図8に示すように、端末装置2の利用者が、前述の状態通知画像の表示変更の判定の対象となるトリガ情報の種類および前述の状態変更判定期間を設定する対象トリガ・状態変更判定期間設定操作を行ったとする。この場合、端末装置2は、対象トリガ・状態変更判定期間設定操作を受け付ける(ステップS17)。ここで、端末装置2は、例えば
図9(A)に示すような対象となるトリガ情報と状態変更判定期間とを設定するための設定画面画像GA3を表示部204に表示させる。この設定画面画像GA3は、トリガ情報に対応づけられた設備3の状態を表す名称を入力する入力欄B21と、状態変更判定期間に相当する状態変更対象となる時間帯の設備3の状態を表す名称を入力する入力欄B22と、入力欄B21、B22の組を追加するための釦画像BU23と、を含む。
図9(A)に示す例では、状態通知画像の状態変更の判定対象となるトリガ情報として、設備3において「工具交換」を行うための操作が操作部32に対して行われた場合に発生するトリガ情報を採用し、状態変更判定期間として、設備3が「停止中」の時間帯とすることを示している。
【0040】
図8に戻って、次に、端末装置2は、対象トリガ・状態変更判定期間設定操作の内容に基づいて、状態通知画像の表示変更の判定の対象となるトリガ情報を識別する対象トリガ識別情報を生成する(ステップS18)。続いて、生成された対象トリガ識別情報が、端末装置2から設備状態管理サーバ1へ送信される(ステップS19)。一方、設備状態管理サーバ1は、端末装置2から送信される対象トリガ識別情報を取得すると、取得した対象トリガ識別情報が示すトリガ識別情報を、対象トリガ記憶部134に記憶させる(ステップS20)。
【0041】
その後、予め設定されたトリガ発生時期が到来したとする。この場合、ポーリング情報である前述のトリガ確認情報が、設備状態管理サーバ1から設備3へ送信される(ステップS22)。一方、設備3は、トリガ確認情報を取得すると、これに応じて、PLC31において予め設定された処理が実行されていた場合にその処理の種類を示すトリガ識別情報とトリガ情報を生成した時期を示すトリガ発生時期情報とを含むトリガ情報を生成する(ステップS22)。次に、生成されたトリガ情報が、設備3から設備状態管理サーバ1へ送信される(ステップS23)。一方、設備状態管理サーバ1は、設備3から送信されるトリガ情報を取得すると、取得したトリガ情報のトリガ識別情報が、対象トリガ記憶部134が記憶するトリガ識別情報のいずれかと一致するか否かを判定する。ここで、設備状態管理サーバ1は、取得したトリガ情報のトリガ識別情報が、対象トリガ記憶部134が記憶するトリガ識別情報のいずれかと一致すると判定したとする(ステップS24)。この場合、設備状態管理サーバ1は、トリガ情報が生成された時期を示すトリガ生成時期情報を抽出してトリガ発生時期記憶部135に記憶させる(ステップS25)。
【0042】
続いて、前述の状態取得時期が到来すると、前述のステップS5乃至S7の一連の処理が実行される。そして、前述の状態推移情報更新時期が到来すると、
図10に示すように、前述のステップS8乃至S12までの一連の処理が実行される。その後、設備状態管理サーバ1は、状態変更判定期間記憶部136が記憶する状態変更判定期間を示す情報を参照して、トリガ発生時期記憶部135が記憶するトリガ情報時期情報が示すトリガ発生時期が状態変更判定期間内であるか否かを判定する。ここで、設備状態管理サーバ1は、前述のトリガ発生時期が状態変更判定期間内であると判定したとする(ステップS26)。この場合、設備状態管理サーバ1は、トリガ発生時期が属する状態変更判定期間に対応づけられた設備状態情報を、更新対象となる設備状態情報として特定する(ステップS27)。続いて、設備状態管理サーバ1は、更新対象となる設備状態情報とその時間帯並びに他の時間帯における設備状態情報に基づいて、状態推移情報を更新する(ステップS28)。その後、前述のステップS13乃至S16の処理が実行される。
【0043】
ここで、設備状態とトリガ情報の発生時期とが、例えば
図9(B)に示すような履歴を示しているとする。なお、
図9(B)において、「設備状態」は、設備3の設備状態の履歴を示し、「トリガ」は、トリガ情報のトリガ発生時期を示している。
図9(A)に示すように、表示変更の判定の対象となるトリガ情報が「工具交換」に伴うものであり、状態変更判定期間が設備3の「停止中」の期間に設定されているとする。そして、
図9(B)に示すように、「工具交換」に伴うトリガ情報のトリガ発生時期が、設備3が停止している期間内に含まれるとする。この場合、
図9(C)に示すように、状態通知画像GA31における「停止中」の時間帯T01e乃至T02sに対応する表示領域が、「工具交換」を表す表示となる。
【0044】
次に、本実施の形態に係る設備状態管理サーバ1が実行する設備状態管理処理について
図11および
図12を参照しながら説明する。この設備状態管理処理は、設備状態管理サーバ1へ電源が投入された後、設備状態管理サーバ1において設備状態管理処理を行うためのプログラムが起動されたことを契機として開始される。まず、優先度設定部118は、端末装置2から送信される優先度情報を取得したか否かを判定する(ステップS101)。優先度設定部118が、未だ優先度情報を取得していないと判定すると(ステップS101:No)、後述のステップS103の処理が実行される。一方、優先度設定部118は、端末装置2から送信される優先度情報を取得したと判定すると(ステップS101:Yes)、取得した優先度情報を、各種設備状態情報を識別する状態識別情報に対応づけて優先度記憶部132に記憶させる(ステップS102)。
【0045】
次に、トリガ設定部117は、端末装置2から送信されるトリガ識別情報を取得したか否かを判定する(ステップS103)。トリガ設定部117が、未だトリガ識別情報を取得していないと判定すると(ステップS103:No)、後述のステップS105の処理が実行される。一方、トリガ設定部117は、端末装置2から送信されるトリガ識別情報を取得したと判定すると(ステップS103:Yes)、取得したトリガ識別情報を対象トリガ記憶部134に記憶させる(ステップS104)。
【0046】
続いて、状態取得部111は、計時部108で計時される時刻情報に基づいて、前述の状態取得時期が到来したか否かを判定する(ステップS105)。状態取得部111により未だ状態取得時期が到来していないと判定すると(ステップS105:No)、後述のステップS108の処理が実行される。一方、状態取得部111は、状態取得時期が到来したと判定すると(ステップS105:Yes)、前述の設備状態要求情報を設備3へ送信することにより(ステップS106)、設備3から送信される設備状態履歴情報を取得する設備状態履歴情報を取得する。そして、状態取得部111は、取得した設備状態履歴報から、各種設備状態情報とそれらに対応づけられた時刻情報とを抽出し、抽出した各種設備状態情報と時刻情報とを互いに対応づけて状態記憶部131に記憶させる(ステップS107)。
【0047】
その後、トリガ取得部115は、予め設定されたトリガ確認時期が到来したか否かを判定する(ステップS108)。ここで、トリガ取得部115が、未だトリガ確認時期が到来していないと判定すると(ステップS108:No)、後述のステップS113の処理が実行される。一方、トリガ取得部115は、トリガ確認時期が到来したと判定すると(ステップS108:Yes)、トリガ確認情報を設備3へ送信する(ステップS109)。次に、トリガ取得部115は、設備3から送信されるトリガ情報を取得したか否かを判定する(ステップS110)。トリガ取得部115が、トリガ情報を取得しないと判定すると(ステップS110:No)、後述のステップS113の処理が実行される。一方、トリガ取得部115は、トリガ情報を取得したと判定すると(ステップS110:Yes)、取得したトリガ情報に含まれるトリガ識別情報が、対象トリガ記憶部134が記憶するトリガ識別情報の中のいずれかと一致するか否かを判定する(ステップS111)。ここで、トリガ取得部115により対象トリガ記憶部134が記憶するトリガ識別情報の全てが、取得したトリガ情報に含まれるトリガ識別情報と一致しないと判定されると(ステップS111:No)、後述のステップS113の処理が実行される。一方、トリガ取得部115により取得したトリガ情報に含まれるトリガ識別情報が、対象トリガ記憶部134が記憶するトリガ識別情報の中のいずれかと一致すると判定されたとする(ステップS111:Yes)。この場合、トリガ取得部115は、トリガ情報からトリガ状態が生成された時期示すトリガ発生時期情報を抽出してトリガ識別情報に対応づけてトリガ発生時期記憶部135に記憶させる(ステップS112)。
【0048】
続いて、時間帯特定部112は、前述の状態推移情報更新時期が到来したか否かを判定する(ステップS113)。ここで、時間帯特定部112により未だ状態推移情報更新時期が到来していないと判定されると(ステップS113:No)、再びステップS101の処理が実行される。一方、時間帯特定部112は、状態推移情報更新時期が到来したと判定すると(ステップS113:Yes)、前述の設備状態情報と時刻情報とに基づいて、前述の対象期間内における、少なくとも1つの設備状態が継続する時間帯を特定する(ステップS114)。ここで、時間帯特定部112は、前述の各種設備状態情報について、その設備状態情報に対応する設備3の状態が継続する時間帯の始期と終期とを特定する。
【0049】
その後、
図12に示すように、時間帯特定部112は、特定した時間帯が複数存在し、複数の時間帯のいずれかが互いに重複するか否かを判定する(ステップS115)。ここで、時間帯特定部112が、特定した時間帯が重複せずに時間的に離間していると判定すると(ステップS115:No)、後述のステップS117の処理が実行される。一方、時間帯特定部112は、特定した時間帯が複数存在し、複数の時間帯のいずれかが互いに重複すると判定したとする(ステップS115:Yes)。この場合、時間帯特定部112は、特定した時間帯が重複する重複時間帯に対応する複数の設備状態情報の状態識別情報を状態選出部113に通知する。そして、状態選出部113は、時間帯特定部112から前述の重複時間帯における複数の状態識別情報が通知されると、優先度記憶部132が記憶する優先度情報を参照して、通知された状態識別情報の中から最も優先度の高い状態識別情報を1つ選出し、選出した状態識別情報を時間帯特定部112に通知する。また、時間帯特定部112は、状態選出部113から重複時間帯に対応する状態識別情報が通知されると、重複時間帯について通知された状態識別情報で識別される設備状態情報が示す設備状態を、状態通知画像に表示する重複時間帯における設備状態として選出する(ステップS116)。次に、時間帯特定部112は、設備状態情報を、特定した時間帯を示す時間帯情報および状態識別情報に対応づけて状態推移記憶部133に記憶させることにより、状態推移記憶部133が記憶する状態推移情報を更新する(ステップS117)。
【0050】
続いて、状態変更判定部116は、対象トリガ記憶部134が記憶するトリガ識別情報のいずれかに対応するトリガ発生時期情報をトリガ発生時期記憶部135が記憶しているか否かを判定する(ステップS118)。ここで、状態変更判定部116により対象トリガ記憶部134が記憶するトリガ識別情報に対応するトリガ発生時期情報をトリガ発生時期記憶部135が記憶していないと判定されたとする(ステップS118:No)。この場合、後述のステップS122の処理が実行される。一方、状態変更判定部116により対象トリガ記憶部134が記憶するトリガ識別情報に対応するトリガ発生時期情報をトリガ発生時期記憶部135が記憶していると判定されたとする(ステップS118:Yes)。この場合、状態変更判定部116は、トリガ発生時期記憶部135が記憶するトリガ発生時期情報が示すトリガ発生時期が状態変更判定期間内であるか否かを判定する(ステップS119)。ここで、状態変更判定部116によりトリガ発生時期が状態変更判定期間外であると判定されると(ステップS119:No)、後述のステップS122の処理が実行される。
【0051】
一方、状態変更判定部116は、トリガ発生時期が状態変更判定期間内であると判定すると(ステップS119:Yes)、更新対象となる設備状態情報を特定する。そして、状態変更判定部116は、状態変更判定期間記憶部136が記憶する状態変更判定期間情報に対応する設備状態情報を、更新後の設備状態情報として、特定した更新対象となる設備状態情報とともに状態更新部119に通知する(ステップS120)。その後、状態更新部119は、通知された設備状態情報に基づいて、状態推移記憶部133が記憶する状態推移情報を更新する(ステップS121)。その後、推移通知部114は、状態推移記憶部133が記憶する状態推移情報を含む推移通知情報を生成して端末装置2へ送信する(ステップS122)。その後、再びステップS101の処理が実行される。
【0052】
次に、本実施の形態に係る端末装置2が実行する設備状態表示処理について
図13を参照しながら説明する。この設備状態表示処理は、端末装置2へ電源が投入された後、端末装置2において設備状態表示処理を行うためのプログラムが起動されたことを契機として開始される。まず、受付部215は、前述の優先度設定操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS201)。受付部215が優先度設定操作を受け付けていないと判定すると(ステップS201:No)、後述のステップS204の処理が実行される。一方、受付部215は、優先度設定操作を受け付けたと判定すると(ステップS201:Yes)、設定しようとする優先度を示す情報を含む操作情報を生成して設定通知部216に通知する。そして、設定通知部216は、受付部215から通知される操作情報に基づいて、優先度情報を生成し(ステップS202)、生成した優先度情報を設備状態管理サーバ1へ送信する(ステップS203)。
【0053】
次に、受付部215は、前述の対象トリガ・表示変更期間設定操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS204)。受付部215が対象トリガ・表示変更期間設定操作を受け付けていないと判定すると(ステップS204:No)、後述のステップS209の処理が実行される。一方、受付部215は、対象トリガ・表示変更期間設定操作を受け付けたと判定すると(ステップS204:Yes)、この操作により設定される対象となるトリガ情報を示す情報含む操作情報を生成して設定通知部216に通知する。そして、設定通知部216は、受付部215から通知される操作情報に基づいて、トリガ識別情報を生成し(ステップS205)、生成したトリガ識別情報を設備状態管理サーバ1へ送信する(ステップS206)。また、設定通知部216は、受付部215から通知される操作情報に基づいて、状態変更判定期間を示す状態変更判定期間情報を生成し(ステップS207)、生成した状態変更判定期間情報を設備状態管理サーバ1へ送信する(ステップS208)。
【0054】
続いて、推移取得部211は、設備状態管理サーバ1から送信される状態推移情報を取得したか否かを判定する(ステップS209)。推移取得部211が、未だ状態推移情報を取得していないと判定すると(ステップS209:No)、再びステップS201の処理が実行される。一方、推移取得部211が、状態推移情報を取得したと判定すると(ステップS209:Yes)、取得した状態推移情報に含まれる時間帯情報、状態識別情報および設備状態情報を抽出し、抽出した時間帯情報、状態識別情報および設備状態情報を互いに対応づけて状態推移記憶部231に記憶させる。
【0055】
その後、領域決定部212は、状態推移記憶部231が記憶する時間帯情報、状態識別情報および設備状態情報に基づいて、前述の状態通知画像における各設備状態情報に対応する設備状態表示領域の位置を決定する(ステップS210)。次に、画像生成部213は、領域決定部212が決定した設備状態表示領域の位置に基づいて、状態通知画像を生成する(ステップS211)。ここで、画像生成部213は、生成した状態通知画像を含む画像情報を画像記憶部221に記憶させる。続いて、表示制御部214は、画像記憶部221が記憶する画像情報に基づいて、状態通知画像を表示部204に表示させる(ステップS212)。ここで、表示制御部214は、例えば次に状態推移情報更新時期が到来するまで同一の状態通知画像を表示部204に表示した状態を継続する。その後、再びステップS201の処理が実行される。
【0056】
以上説明したように、本実施の形態に係る設備状態管理システムでは、状態選出部113が、時間帯特定部112が複数の時間帯を特定し且つ特定した複数の時間帯のうちの少なくとも2つが時間的に重複する場合、互いに重複する少なくとも2つの時間帯それぞれに対応する設備状態情報のうち優先度が最も高い1つの設備状態情報が示す設備状態を、少なくとも2つの時間帯が重複する重複時間帯における設備状態として選出する。ここで、優先度設定部118は、端末装置2の受付部215が受け付けた設定操作の内容に基づいて、複数種類の設備状態情報それぞれの優先度を設定する。これにより、優先度設定部118が利用者の設定操作の内容に基づいて設定した優先度に基づいて、各時間帯における優先度の最も高い設備状態が一意に特定されて状態推移情報として採用される。従って、利用者が所望する、設備3の稼働率或いは設備3の要因別不稼働時間を正確に見積もるための設備3の状態を示す状態推移情報を的確に取得できる。また、利用者は、採用する設備3の状態を分析する方法に応じて前述の優先度を変更することができるので、採用する設備3の状態を分析する方法の変更を容易に行うことができる。
【0057】
また、本実施の形態に係る設備状態管理サーバ1の状態更新部119は、状態変更判定部116によりトリガ発生時期が表示変更期間内であると判定されると、設備状態が継続する時間帯の中から予め設定された更新対象時間帯に対応する状態推移情報を更新する。これにより、設備3が非定常的な状態となった場合でも、その設備状態を的確に端末装置2の表示部204に表示させることができる。
【0058】
更に、本実施の形態に係る領域決定部212は、時間帯特定部112により特定された時間帯と状態選出部113により選出された設備状態とに基づいて、状態通知画像における設備状態それぞれに対応する設備状態表示領域の位置を決定する。そして、端末装置2の画像生成部213が、決定された設備状態表示領域の位置に基づいて、状態通知画像を形成する。これにより、優先度設定部118が利用者の設定操作の内容に基づいて設定した状態通知画像に表示する優先度に基づいて、優先度の高い設備状態が優先的に状態通知画像に表れるので、利用者が所望する設備状態の発生状況を的確に把握できる。
【0059】
また、本実施の形態に係る設備状態管理システムでは、設備3の各時間帯における設備状態を一意に決定することができる。これにより、例えば
図7(B)または
図7(C)に示すように、設備3の各時間帯における状態を1本のガントチャートで表すことが可能となるので、利用者が設備3の状態を把握し易くなるという利点がある。
【0060】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は前述の実施の形態の構成に限定されるものではない。例えば状態変更判定期間として、更新対象の設備状態情報に対応する時間帯以外の時間帯を含む期間を設定できるものであってもよい。例えば端末装置が、
図14(A)に示すような表示変更対象となる時間帯の直前、直後における状態変更判定期間に含める時間の長さを入力する入力欄B34を含む設定画面画像GA4を表示部204に表示させるものであってもよい。なお、
図14(A)において、実施の形態と同様の構成については
図9(A)と同一の符号を付している。
図14(A)に示す例では、状態変更判定期間である設備3が「停止中」の時間帯の直前、直後の5秒間も状態変更判定期間に含めることを示している。
【0061】
ここで、設備状態とトリガ情報の発生時期とが、例えば
図14(B)に示すような履歴を示しているとする。なお、
図14(B)において、
図9(B)と同様に、「設備状態」は、設備3の設備状態の履歴を示し、「トリガ」は、トリガ情報のトリガ発生時期を示している。そして、
図14(B)に示すように、「工具交換」に伴うトリガ情報のトリガ発生時期が、設備3が停止している時間帯の直前、直後の時間dTaの期間に含まれるとする。即ち、トリガ発生時期が、「停止中」の時間帯の始期T01eより時間dTaだけ前の時期T01e-dTaから始期T01eまでの期間、または、「停止中」の時間帯の終期T02sから終期T02sより時間dTaだけ後の時期T02s+dTaまでの期間のいずれに含まれるとする。この場合、
図14(C)に示すように、状態通知画像GA41における「停止中」の時間帯T01e乃至T02sに対応する表示領域が、「工具交換」を表す表示となる。
【0062】
本構成によれば、更新対象となる設備状態情報に対応する時間帯前後の操作部32の操作状況を加味して状態通知画像を生成することができる。即ち、更新対象となる設備状態情報に対応する時間帯前後の設備3の状態の違いに応じて状態通知画像が適宜更新されるので、設備状態表示の正確性を高めることができる。
【0063】
実施の形態では、状態通知画像における更新対象の設備状態情報に対応する設備状態表示領域全体を更新する例について説明した。但し、これに限らず、例えば状態通知画像における更新対象の設備状態情報に対応する設備状態表示領域のトリガ発生時期の前後の表示態様を異ならせるようにしてもよい。この場合、画像生成部213は、トリガ発生時期が更新対象時間帯に含まれる場合、更新対象時間帯におけるトリガ発生時期よりも前のトリガ取得前時間帯またはトリガ発生時期よりも後のトリガ取得後時間帯のいずれか一方の設備状態表示の表示態様を更新するようにすればよい。
【0064】
本変形例では、端末装置2が、例えば
図15(A)に示すような状態通知画像における更新対象の設備状態情報に対応する設備状態表示領域の表示態様を選択するための釦画像BU44を含む設定画面画像GA5を表示部204に表示させるものであってもよい。なお、
図15(A)において、実施の形態と同様の構成については
図9(A)と同一の符号を付している。
図15(A)に示す例では、トリガ発生時期が状態変更判定期間内である場合、更新対象の設備状態情報に対応する設備状態表示領域全体を更新する「全て塗り替え」、設備状態表示領域のうち前述のトリガ取得前時間帯に対応する領域のみを更新する「トリガ信号以前を塗り替え」および設備状態表示領域のうち前述のトリガ取得後時間帯に対応する領域のみを更新する「トリガ信号以後を塗り替え」のうちのいずれかを選択することができることを示している。
【0065】
ここで、設備状態とトリガ情報の発生時期とが、例えば
図15(B)に示すような履歴を示しているとする。なお、
図15(B)において、
図9(B)と同様に、「設備状態」は、設備3の設備状態の履歴を示し、「トリガ」は、トリガ情報のトリガ発生時期を示している。そして、更新対象の設備状態情報に対応する設備状態表示領域のうちトリガ発生時期よりも前のみを更新した表示態様とするように設定されている場合、例えば
図15(C)に示すように、トリガ発生時期Ttrよりも前の設備状態表示領域のみが「工具交換」を表す表示に更新される。一方、更新対象の設備状態情報に対応する設備状態表示領域のうちトリガ発生時期よりも後のみを更新した表示態様とするように設定されている場合、例えば
図15(D)に示すように、トリガ発生時期Ttrよりも後の設備状態表示領域のみが「工具交換」を表す表示に更新される。
【0066】
本構成によれば、更新対象となる設備状態情報に対応する時間帯とトリガ発生時期との関係を把握することができるので、利用者が設備状態をより的確に把握することができる。
【0067】
実施の形態において、設備状態管理サーバ1が、例えば状態推移記憶部133が記憶する状態推移情報に基づいて、設備3の稼働率を算出する稼働率算出部と、算出された稼働率を示す稼働率情報を端末装置2へ送信する稼働率送信部と、を備えるものであってもよい。この場合、端末装置2は、設備状態管理サーバ1から送信される稼働率情報を取得する稼働率取得部を有し、画像生成部213が、例えば設備3の稼働率を表す情報を含む状態通知画像を生成するようにすればよい。
【0068】
本構成によれば、稼働率算出部は、設備3における各時間帯の設備3の状態が一意に決定された状態推移情報に基づいて、設備3の稼働率を算出するので、稼働率算出部が実行する稼働率計算処理を簡素化することができ、ひいては設備状態管理サーバ1における処理負荷を軽減することができる。
【0069】
また、実施の形態において、設備状態管理サーバ1が、状態推移記憶部133が記憶する状態推移情報に基づいて、設備3の状態が異常である場合を識別する異常コードを集計する処理、或いは、予め設定された設備3の点検項目について異常有無を判定する処理を行う機能を有するものであってもよい。
【0070】
実施の形態では、状態取得部111が、設備3のPLC31のストレージに時系列で記憶されている設備状態情報を含む設備状態履歴情報を取得する例について説明した。但し、これに限らず、例えばPLC31から各種アクチュエータへ出力される制御信号または設備3に装着された各種センサからの検出信号をリアルタイムで取得するものであってもよい。この場合、設備状態管理サーバ1は、PLC31からの制御信号、センサから検出信号が各別に入力される複数の信号ポートが設けられた信号インタフェースを有し、状態取得部111が、制御信号または検出信号が入力される信号ポートの種類に基づいて、設備状態情報を生成して計時部108により計時される時刻情報と対応づけて状態記憶部131に記憶させるようにすればよい。
【0071】
実施の形態では、端末装置2が、状態通知画像を表示部204に表示するとともに、トリガ識別情報、状態変更判定期間情報を生成する例について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、端末装置2では、トリガ識別情報、状態変更判定期間情報の生成のみを行い、状態通知画像が、設備3が配置された工場内に設けられたいわゆるあんどんとして機能する表示装置に表示されるものであってもよい。
【0072】
実施の形態では、PLC31のCPUユニットが、設備3の状態を「0(偽)」、「1(真)」のうちのいずれかで表す設備状態情報を生成する例について説明した。但し、これに限らず、PLC31のCPUユニットが、設備3の状態を複数の値を取り得る数値パラメータで表す設備状態情報を生成するものであってもよい。この場合、PLC31は、当該数値パラメータを示す設備状態情報を含む設備状態履歴情報を生成して設備状態管理サーバ1へ送信すればよい。また、設備状態管理サーバ1の状態取得部が、例えば、PLC31から送信される設備状態履歴情報から数値パラメータを示す設備状態情報を抽出し、設備状態情報が示す数値パラメータと予め設定された閾値とを比較して、数値パラメータが閾値以上であれば「0(偽)」を示す設備状態情報を新たに生成し、数値パラメータが閾値未満であれば「1(真)」を示す設備状態情報を新たに生成すればよい。そして、状態取得部は、新たに生成した設備状態情報を状態記憶部131に記憶させるようにすればよい。
【0073】
実施の形態では、設備状態管理サーバ1と端末装置2とが協働して設備状態管理システムを構成する例について説明したが、これに限らず、例えば設備状態管理サーバ1の機能が端末装置2に集約され、端末装置2単体で設備状態管理システムと同様の機能を発揮するようにしてもよい。
【0074】
以上、本発明の実施の形態および変形例について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。本発明は、実施の形態および変形例が適宜組み合わされたもの、それに適宜変更が加えられたものを含む。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明は、設備の状態をリアルタイムで監視するために使用される設備状態管理システムとして好適である。
【符号の説明】
【0076】
1:設備状態管理サーバ、2:端末装置、3:設備、4:アクセスポイント、31:PLC、32:操作部、101,201:CPU、102,202:主記憶部、103,203:補助記憶部、106,206:通信部、108:計時部、109,209;バス、111:状態取得部、112:時間帯特定部、113:状態選出部、114:推移通知部、115:トリガ取得部、116:状態変更判定部、117:トリガ設定部、118:優先度設定部、119:状態更新部、120:状態変更判定期間設定部、121:状態情報発生部、131:状態記憶部、132:優先度記憶部、133,231:状態推移記憶部、134:対象トリガ記憶部、135:トリガ発生時期記憶部、136:状態変更判定期間記憶部、137:生産計画記憶部、204:表示部、205:入力部、211:推移取得部、212:領域決定部、213:画像生成部、214:表示制御部、215:受付部、216:設定通知部、221:画像記憶部、B21,B22,B34:入力欄、GA1,GA3,GA4:設定画面画像、GA21,GA22,GA31,GA32,GA33:状態通知画像、BU12、BU23,BU44,BU111,BU112,BU113:釦画像、M111,M112,M113,M114:メッセージ画像、NW:ネットワーク