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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023090342
(43)【公開日】2023-06-29
(54)【発明の名称】真空バルブ
(51)【国際特許分類】
   H01H 33/664 20060101AFI20230622BHJP
【FI】
H01H33/664 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021205267
(22)【出願日】2021-12-17
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森 義憲
(72)【発明者】
【氏名】吉田 剛
【テーマコード(参考)】
5G026
【Fターム(参考)】
5G026CB02
5G026CB09
(57)【要約】
【課題】低サージ性と接触抵抗特性の両立を維持しつつ、耐凝着摩耗性に優れた真空バルブを提供する。
【解決手段】電極対向面E1s,E2sを対向させて配置され、互いに離接可能な一対の電極E1,E2と、双方の電極対向面、或いは、一方の電極対向面に設けられた起伏構造12と、を具備し、起伏構造は、電極対向面が予め設定された方向に延在する規則的な凹凸形状となるように、電極対向面から突出させた1つ又は複数の凸部13aと、凸部に隣接させて設けられた凹部13bと、を有し、電極対向面を横断する方向において、凸部と凹部とは、交互に配置され、電極同士が接触する通電状態において、凸部は、対向する相手方の電極対向面に接触する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極対向面を対向させて配置され、互いに離接可能な一対の電極と、
双方の前記電極対向面、或いは、一方の前記電極対向面に設けられた起伏構造と、を具備し、
前記起伏構造は、
前記電極対向面が予め設定された方向に延在する規則的な凹凸形状となるように、前記電極対向面から突出させた1つ又は複数の凸部と、
前記凸部に隣接させて設けられた凹部と、を有し、
前記電極対向面を横断する方向で見て、前記凸部と前記凹部とは、交互に配置され、
前記電極同士が接触する通電状態において、前記凸部は、対向する相手方の前記電極対向面に接触する真空バルブ。
【請求項2】
前記電極対向面を横断する方向で見て、前記凸部は、等間隔に配置され、
隣り合う2つの前記凸部の相互間のピッチ幅をLとし、前記凸部と前記凹部との高低差で規定される前記凸部の高さをHとすると、L>Hなる関係を満足する請求項1に記載の真空バルブ。
【請求項3】
JIS B 0601で規定される前記電極対向面の表面粗さの算術平均粗さをRaとすると、前記凸部の高さHは、H≒4×Raなる関係を満足する請求項2に記載の真空バルブ。
【請求項4】
前記凸部及び前記凹部により規則的な凹凸形状となった前記電極対向面の表面粗さは、評価長さ5mmで計測される表面粗さの前記算術平均粗さRaで6.3μm以上である請求項3に記載の真空バルブ。
【請求項5】
前記凸部及び前記凹部により規則的な凹凸形状となった前記電極対向面の表面粗さは、評価長さ5mmで計測される表面粗さの最大高さRzで15μm以上である請求項4に記載の真空バルブ。
【請求項6】
評価長さ5mmで計測される前記電極対向面の表面粗さの前記算術平均粗さRaを6.3μm以上とし、
前記電極対向面を横断する方向で見て、前記凸部の配置された個数をNとすると、
前記N個の前記凸部の高さHの平均値は、30μm以上である請求項4に記載の真空バルブ。
【請求項7】
前記起伏構造は、前記電極対向面の全体、或いは、その一部に設けられている請求項1に記載の真空バルブ。
【請求項8】
前記起伏構造において、前記電極対向面は、前記凸部及び前記凹部が予め設定された方向に連続的に延在する規則的な凹凸形状となっている請求項1に記載の真空バルブ。
【請求項9】
前記起伏構造において、前記電極対向面は、前記凸部及び前記凹部が予め設定された方向に断続的に延在する規則的な凹凸形状となっている請求項1に記載の真空バルブ。
【請求項10】
前記電極対向面において、複数の前記凸部は、それぞれ円環状に延在し、かつ、互いに同心円状で等間隔に配置されている請求項8又は9に記載の真空バルブ。
【請求項11】
前記電極対向面において、複数の前記凸部は、それぞれ直線状に延在し、かつ、互いに平行で等間隔に配置されている請求項8又は9に記載の真空バルブ。
【請求項12】
前記電極対向面において、1つの前記凸部は、螺旋状に延在して配置されている請求項8又は9に記載の真空バルブ。
【請求項13】
前記凸部の形状には、少なくとも三角形、矩形、台形、円弧形の輪郭が含まれる請求項1に記載の真空バルブ。
【請求項14】
前記凸部が矩形の形状輪郭を有する前記起伏構造において、
前記電極対向面を横断する方向で見て、前記凸部の幅をW1とし、前記凹部の幅をW2とすると、W1≧W2なる関係を満足する請求項13に記載の真空バルブ。
【請求項15】
一対の前記電極は、それぞれ、前記電極対向面が設けられた接点を備え、
前記接点は、Ag及びWCを主成分とする材料で構成されている請求項1に記載の真空バルブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明の実施形態は、真空バルブに関する。
【背景技術】
【0002】
ビルや大型施設に設けられる受配電用の開閉装置として、例えば、遮断器や断路器などの開閉器を具備したスイッチギヤが知られている。スイッチギヤには、開閉器の構成要素として真空バルブが適用されている。真空バルブの内部は、絶縁容器によって一定の絶縁状態に維持され、この絶縁容器の内部に一対の電極が離接可能に収容されている。この場合、一対の電極を離接操作することで、事故電流の遮断や負荷電流の開閉が行われ、スイッチギヤから電力が安定して供給される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭54-65377号公報
【特許文献2】特開2009-289652号公報
【特許文献3】特開平10-40761号公報
【特許文献4】特開2020-27782号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、真空バルブには、低サージ性と接触抵抗特性の両立が求められている。低サージ性では、電極の接点(即ち、固定接点、可動接点)をAg(銀)及びWC(炭化タングステン)を主成分とする材料で構成することにより、異常電圧の発生防止が図られる。更に、接触抵抗特性では、電極の接点相互の対向する電極対向面を凹凸の無い軟質(柔軟)な平滑面で構成することにより、電極対向面同士の接触面積の増加が図られる。
【0005】
しかし、このような電極(固定接点、可動接点)で離接操作を繰り返すと、電極対向面同士が接触した際の微小な滑りによって、電極対向面に凝着摩耗が生じる場合がある。この場合、凝着摩耗の程度によっては、局所的に不規則な凹凸が形成され、これにより、電極対向面同士の接触面積が著しく減少し、その結果、接触抵抗値が急増する虞がある。
【0006】
本発明の目的は、低サージ性と接触抵抗特性の両立を維持しつつ、耐凝着摩耗性に優れた真空バルブを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態によれば、電極対向面を対向させて配置され、互いに離接可能な一対の電極と、双方の電極対向面、或いは、一方の電極対向面に設けられた起伏構造と、を具備し、起伏構造は、電極対向面が予め設定された方向に延在する規則的な凹凸形状となるように、電極対向面から突出させた1つ又は複数の凸部と、凸部に隣接させて設けられた凹部と、を有し、電極対向面を横断する方向において、凸部と凹部とは、交互に配置され、電極同士が接触する通電状態において、凸部は、対向する相手方の電極対向面に接触する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1実施形態に係る真空バルブの内部構成を示す図。
図2図1の電極(接点)の対向面の構成を示す平面図。
図3図2のF3-F3線に沿う断面図。
図4】対向面の接触抵抗値と表面粗さとの関係を示す図。
図5】第2実施形態に係る電極(接点)の対向面の構成を示す平面図。
図6図5のF6-F6線に沿う断面図。
図7】第3実施形態に係る電極(接点)の対向面の構成を示す平面図。
図8図7のF8-F8線に沿う断面図。
図9】第1変形例に係る電極(接点)の対向面の構成を示す断面図。
図10】第2変形例に係る電極(接点)の対向面の構成を示す断面図。
図11】第3変形例に係る電極(接点)の対向面の構成を示す断面図。
図12】第4変形例に係る電極(接点)の対向面の構成を示す平面図。
図13】第5変形例に係る電極(接点)の対向面の構成を示す平面図。
図14】第6変形例に係る電極(接点)の対向面の構成を示す平面図。
図15】第7変形例に係る電極(接点)の対向面の構成を示す平面図。
図16】第8変形例に係る電極(接点)の対向面の構成を示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
「第1実施形態」
図1は、第1実施形態に係る真空バルブPの内部構造図である。真空バルブPは、固定電極E1と、可動電極E2と、絶縁容器1(真空容器とも言う)と、固定側封着部材2と、可動側封着部材3と、気密維持機構4と、アークシールド5と、を有している。固定電極E1、可動電極E2、気密維持機構4、アークシールド5は、絶縁容器1に収容されている。
【0010】
図1の例において、絶縁容器1は、例えば、アルミナセラミックなどの絶縁材料で中空円筒形状に成形されている。固定側封着部材2及び可動側封着部材3は、例えば、ステンレス鋼を主成分とする金属材料で構成されている。
【0011】
図1に示すように、中空円筒形の絶縁容器1は、真空バルブPの中心を規定する仮想軸線Pxを中心とした同心円状を成している。絶縁容器1は、仮想軸線Px方向で見て、その両端が開口されている。双方の開口(固定側開口K1、可動側開口K2)は、固定側封着部材2、及び、可動側封着部材3によって覆われている。具体的には、固定側封着部材2は、固定側封着金具6を介して、絶縁容器1の一方の固定側開口K1を閉塞している。可動側封着部材3は、可動側封着金具7を介して、絶縁容器1の他方の可動側開口K2を閉塞している。
【0012】
アークシールド5は、例えば、銅やステンレス鋼などを主成分とする金属材料で構成されている。アークシールド5は、中空円筒形状を成し、絶縁容器1に固定されている。アークシールド5は、その内部(内側)に、固定電極E1の固定接点8、並びに、可動電極E2の可動接点10を収容するように配置されている。なお、アークシールド5の固定方法としては、絶縁容器1以外に、例えば、固定側封着部材2や可動側封着部材3に固定される場合も想定される。
【0013】
固定電極E1及び可動電極E2は、仮想軸線Pxを中心に同心状に構成されていると共に、仮想軸線Pxに沿って整列して延在されている。この状態において、固定電極E1と可動電極E2とは、それぞれの電極対向面(固定側電極対向面E1s、可動側電極対向面E2s)が平行に対向するように位置付けられている。
【0014】
固定電極E1は、固定接点8と、固定通電軸9と、を備えている。可動電極E2は、可動接点10と、可動通電軸11と、を備えている。上記した一方の電極対向面E1sは、固定接点8に設けられ、他方の電極対向面E2sは、可動接点10に設けられている。固定通電軸9及び可動通電軸11は、互いに同一の直径を有する円柱形状を成し、導電率の高い材料(例えば、Cu)で構成されている。
【0015】
固定接点8及び可動接点10は、双方の電極対向面E1s,E2sが平行に対向するように、互いに対向して配置されている。固定接点8は、固定通電軸9の一端に接続され、固定通電軸9の他端は、固定側封着部材2を介して、仮想軸線Pxに沿って移動不能に真空バルブPに固定されている。可動接点10は、可動通電軸11の一端に接続され、可動通電軸11の他端は、可動側封着部材3を介して、図示しない操作機構に連結されている。なお、固定接点8及び可動接点10の構造並びに材質については、後述する図2及び図3の説明において詳述する。
【0016】
ここで、図1に示すように、操作機構によって可動通電軸11を仮想軸線Pxに沿って移動させる。これにより、可動接点10を固定接点8に対して離接、具体的には、双方の電極対向面E1s,E2sを離接させることができる。この結果、真空バルブPを開閉操作(即ち、一対の電極E1,E2を離接操作)することができる。
【0017】
更に、可動通電軸11と可動側封着部材3との間には、気密維持機構4が配置されている。気密維持機構4は、伸縮性を有するベローズで構成され、ベローズ(気密維持機構)4は、例えば、ステンレスなどの薄い金属で構成されている。ベローズ4は、仮想軸線Px方向に伸縮可能な蛇腹状を成し、可動通電軸11の外側を隙間無く覆っている。
【0018】
ベローズ4は、その一端が可動側封着部材3に隙間無く接合され、その他端が可動通電軸11に隙間無く接合されている。これにより、絶縁容器1の内部は、常に気密状態(即ち、真空状態)に維持される。この結果、真空バルブPの開閉操作に際し、可動通電軸11を仮想軸線Pxに沿って移動させている間も、絶縁容器1の内部に大気(空気)が浸入することはない。
【0019】
図2は、起伏構造12の平面構成図で、図3は、起伏構造12の断面構成図である。本実施形態の真空バルブPは、上記した構成に加えて、起伏構造12を具備している。起伏構造12は、上記した接点8,10の電極対向面E1s,E2sを予め設定された方向に延在する規則的な凹凸形状となるようにする。起伏構造12は、双方の電極対向面E1s,E2s、或いは、一方の電極対向面E1s(又は、E2s)に設けられている。
【0020】
なお、固定接点8及び可動接点10は、Ag(銀)及びWC(炭化タングステン)を主成分とし、必要により補助成分を含有させた材料で構成されている。ここで、補助成分としては、例えば、Co、Cu、Niの少なくとも1種を適用し、これらの総量を5質量%以下とする。この場合、補助成分を含有させると加工性が向上するが、5質量%を超えると、旋盤加工特性が低下するため、1質量%以下に設定することが好ましい。
【0021】
図2及び図3の例において、電極対向面E1s,E2sは、起伏構造12が施される以前の状態で、上記した仮想軸線Pxを中心とした円形の平坦面(凹凸の無い平面)として構成されている。起伏構造12は、この平坦面状の双方の電極対向面E1s,E2sの全体に亘って設けられている。双方の電極対向面E1s,E2sに設けられた起伏構造12は、互いに同一の構成を有している。
【0022】
図2及び図3に示すように、起伏構造12は、複数の凸部13aと、複数の凹部13bと、を有している。
複数の凸部13aは、電極対向面E1s,E2sから突出させて構成されている。凸部13aは、電極対向面E1s,E2sを横断する方向(例えば、仮想軸線Pxから半径(放射)方向)の断面視において、三角形に突出した輪郭を有している。
【0023】
凸部13aは、仮想軸線Pxを中心として、周方向に連続して円環状に延在している。それぞれの凸部13aは、互いに大きさ(直径)の異なる円環状を成している。これらの凸部13aは、仮想軸線Pxを中心として、互いに同心円状に配置されていると共に、電極対向面E1s,E2sを横断する方向(例えば、仮想軸線Pxから半径(放射)方向)で見て、互いに等間隔に配置されている。
【0024】
複数の凹部13bは、電極対向面E1s,E2sを陥没させて構成されている。凹部13bは、電極対向面E1s,E2sを横断する方向(例えば、仮想軸線Pxから半径(放射)方向)の断面視において、三角形に陥没した輪郭を有している。
【0025】
凹部13bは、仮想軸線Pxを中心として、周方向に連続して円環状に延在している。それぞれの凹部13bは、互いに大きさ(直径)の異なる円環状を成している。これらの凹部13bは、仮想軸線Pxを中心として、互いに同心円状に配置されていると共に、電極対向面E1s,E2sを横断する方向(例えば、仮想軸線Pxから半径(放射)方向)で見て、互いに等間隔に配置されている。
【0026】
上記した構成において、複数の凸部13aは、複数の凹部13bの相互間に1つずつ介在して位置付けられている。即ち、1つの凸部13aは、1つの凹部13bに隣接させて設けられている。換言すると、電極対向面E1s,E2sを横断する方向(例えば、仮想軸線Pxから半径(放射)方向)で見て、凸部13aと凹部13bとは、1つずつ交互に配置されている。
【0027】
このような起伏構造12によれば、電極対向面E1s,E2sは、円環状の凸部13a及び凹部13bが予め設定された方向(即ち、仮想軸線Pxを中心に周方向)に連続的に延在しつつ、仮想軸線Pxから半径(放射)方向に沿って凸部13aと凹部13bとが1つずつ交互に繰り返される規則的な凹凸形状となっている。
【0028】
ここで、電極対向面E1s,E2sに対して、上記した規則的な凹凸形状の起伏構造12を施す方法としては、例えば、既存の旋盤によって、電極対向面E1s,E2sに起伏構造12を施す加工方法を適用することができる。即ち、旋盤加工では、先ず、電極対向面E1s,E2sが平坦な接点8,9を用意する。なお、真空バルブPの低サージ性を維持すべく、当該接点8,9は、Ag及びWCを主成分とし、必要により上記した補助成分を含有させた材料で成形されている。
【0029】
次に、仮想軸線Pxを回転中心として接点8,9を回転させた状態において、刃物(バイト)を電極対向面E1s,E2sに押し当ることで、当該電極対向面E1s,E2sを円環状に削り出す。このとき、削り取られた部分が、上記した断面三角形の凹部13bとなり、削り取られずに残留した部分が、上記した断面三角形の凸部13aとなる。
【0030】
この場合、上記した低サージ性と共に、電極対向面E1s,E2sの軟質(柔軟)性が求められる接触抵抗特性、並びに、電極対向面E1s,E2sの硬質性が求められる耐凝着摩耗性に優れた真空バルブPを実現するためには、電極対向面E1s,E2sの表面状態(即ち、表面粗さ)が、硬くて柔らかい規則的な凹凸形状となることが要求される。
【0031】
そして、この要求に応えるためには、凸部13aと凹部13bとの高低差で規定される凸部13aの高さは、後述する条件を満足することが要件となる。なお、凸部13aと凹部13bとの高低差は、仮想軸線Pxに沿った方向で見て、三角形の凸部13aの先細り突端と、三角形の凹部13bの先細り突端との間の直線状の距離(長さ)として規定される。
【0032】
このとき、上記した旋盤加工の精度としては、例えば、隣り合う2つの凸部13aの相互間のピッチ幅をLとし、凸部13aと凹部13bとの高低差で規定される凸部13aの高さをHとすると、ピッチ幅Lが高さHよりも大きいこと、即ち、L>Hなる関係を満足することが好ましい。より好ましくは、ピッチ幅Lが高さHの5倍以上となること、即ち、L>5Hなる関係を満足させればよい。この場合、ピッチ幅Lの上限を考慮すると、10H>L>5Hなる関係を満足することが好ましい。
【0033】
図4は、電極対向面E1s,E2sの表面粗さRaと、接触抵抗値の増加率との相関図である。図4の例において、表面粗さRaの異なる4つの測定値(図中黒丸で示す)がプロットされ、測定値毎の誤差範囲(最大値と最小値を示すエラーバー)が付け加えられている。それぞれの測定値は、9本のサンプル真空バルブを開閉操作して、電極対向面E1s,E2sを複数回離接させた際に得られた当該電極対向面E1s,E2sの接触抵抗値の平均値である。
【0034】
図4に示すように、上記した平均値(測定値)が接触抵抗値の初期値「1」の近傍Tを下回る表面粗さRaは、誤差範囲(エラーバー)を考慮すると、5μm<Ra<25μmなる関係を満足する。この関係を有する表面粗さRaによれば、接点8,9の離接操作が長期に亘って繰り返されても、接触抵抗値の変動が許容範囲内に抑えられる。
【0035】
一方、表面粗さRaが0μm≦Ra≦5μmなる範囲では、電極対向面E1s,E2sを複数回離接させた際に得られる接触抵抗値が、初期値「1」の近傍Tを上回る。この関係を有する表面粗さRaによれば、接点8,9の離接操作が長期に亘って繰り返されると、接触抵抗値の増加率が高くなる。即ち、接触抵抗値が急増する。
【0036】
この場合、電極対向面E1s,E2sに対して、表面粗さRaが5μm<Ra<25μmなる関係を満足する規則的な凹凸形状となるように起伏構造12を施すことが好ましい。より好ましくは、電極対向面E1s,E2sの表面粗さは、評価長さ5mmで計測される表面粗さの算術平均粗さRaで6.3μm≦Ra≦12μmなる関係を満足させる。別の捉え方をすると、電極対向面E1s,E2sの表面粗さは、評価長さ5mmで計測される表面粗さの最大高さRzで15μm≦Rz≦40μmなる関係を満足させることが好ましい。
【0037】
このような関係を満足する表面粗さRaにおいて、上記した凸部13aの高さHは、例えば、JIS B 0601で規定される電極対向面E1s,E2sの表面粗さの算術平均粗さをRaとすると、H≒4×Raなる関係を満足することが好ましい。なお、この関係における倍数値「4」は、経験則に基づいたもので、今後の使用により変動される。
【0038】
例えば、評価長さ5mmで計測される電極対向面E1s,E2sの表面粗さの算術平均粗さRaを6.3μm以上とし、電極対向面E1s,E2sを横断する方向で見て、凸部13aの配置された個数をNとすると、N個の凸部13aの高さHの平均値は、30μm以上となり、上記した「H≒4×Ra」なる関係を満足する。
【0039】
以上、第1実施形態によれば、電極対向面E1s,E2sに対して、凸部13aの高さHの平均値が30μm以上となる規則的な凹凸形状の起伏構造12が施されている。この場合、電極対向面E1s,E2sを横断する方向で見て、凸部13aは、上記した高さHを有しつつ規則的に等間隔に配置されている。これにより、真空バルブPの閉操作に際し、電極E1,E2同士が接触する通電状態において、凸部13aは、対向する相手方の電極対向面E1s,E2sに均等に接触する。このとき、電極対向面E1s,E2s相互の接触状態は、常に、硬くて柔らかい規則的な凹凸形状の表面同士の接触状態と同等になる。この結果、低サージ性と接触抵抗特性の両立を維持しつつ、耐凝着摩耗性に優れた真空バルブPを実現することができる。
【0040】
「第2実施形態」
図5は、第2実施形態に係る真空バルブPの起伏構造12の平面構成図で、図6は、起伏構造12の断面構成図である。本実施形態の起伏構造12は、双方の電極対向面E1s,E2sにおいて、互いに同一の構成を有している。
【0041】
図5及び図6に示すように、起伏構造12は、複数の凸部14aと、複数の凹部14bと、を有している。
複数の凸部14aは、電極対向面E1s,E2sから矩形に突出した輪郭を有し、互いに同心円状に配置されていると共に、電極対向面E1s,E2sを横断する方向(例えば、仮想軸線Pxから半径(放射)方向)で見て、互いに等間隔に配置されている。
【0042】
複数の凹部14bは、電極対向面E1s,E2sを矩形に陥没した輪郭を有し、互いに同心円状に配置されていると共に、電極対向面E1s,E2sを横断する方向(例えば、仮想軸線Pxから半径(放射)方向)で見て、互いに等間隔に配置されている。
【0043】
このような構成において、電極対向面E1s,E2sは、円環状の凸部14a及び凹部14bが予め設定された方向(即ち、仮想軸線Pxを中心に周方向)に連続的に延在しつつ、仮想軸線Pxから半径(放射)方向に沿って凸部14aと凹部14bとが1つずつ交互に繰り返される規則的な凹凸形状となっている。
【0044】
ここで、電極対向面E1s,E2sに対して、上記した規則的な凹凸形状の起伏構造12を施す方法としては、例えば、先ず、上記した第1実施形態と同様に、既存の旋盤によって、電極対向面E1s,E2sに、断面三角形の凸部14aと凹部14bを削り出す。続いて、三角形状に突出した部分を平坦化させる。これにより、断面矩形(正方形、長方形)や台形の凹凸形状を成す起伏構造12が電極対向面E1s,E2sに施される。
【0045】
この場合、電極対向面E1s,E2sを横断する方向(例えば、仮想軸線Pxから半径(放射)方向)で見て、凸部14aの幅をW1とし、凹部14bの幅をW2とすると、W1≧W2なる関係を満足する。図6では一例として、W1=W2なる関係を満足する凹凸形状の起伏構造12が示されている。
【0046】
以上、第2実施形態によれば、真空バルブPの閉操作に際し、電極E1,E2同士が接触する通電状態において、矩形の凸部14aは、対向する相手方の電極対向面E1s,E2sに均等かつ面状に接触する。これにより、電極対向面E1s,E2s相互の接触状態は、電流の流れ易さの維持向上を図りつつ、常に、硬くて柔らかい規則的な凹凸形状の表面同士の接触状態と同等になり、その結果、電気流動性の向上を図ることができる。なお、その他の構成並びに効果は、上記した第1実施形態と同様であるため、その説明は省略する。
【0047】
「第3実施形態」
図7は、第3実施形態に係る真空バルブPの起伏構造12の平面構成図で、図8は、起伏構造12の断面構成図である。本実施形態の起伏構造12は、双方の電極対向面E1s,E2sにおいて、互いに同一の構成を有している。
【0048】
図7及び図8に示すように、起伏構造12は、電極対向面E1s,E2sの一部に設けられ、上記した第1実施形態と同様の輪郭、即ち、電極対向面E1s,E2sから三角形に突出した複数の凸部13aと、三角形に陥没した複数の凹部13bとが1つずつ交互に等間隔で同心円状に構成されている。図7及び図8では一例として、電極対向面E1s,E2sは、上記した仮想軸線Pxに沿って円弧状に湾曲した表面輪郭を有し、起伏構造12は、仮想軸線Pxの近傍周りに同心円状に配置されている。
【0049】
以上、第3実施形態によれば、電極対向面E1s,E2sの一部にのみ旋盤加工を施すだけで、起伏構造12を構成することができる。これにより、加工時間の短縮や他の性能への影響を最小限に抑えることができる。なお、その他の構成並びに効果、及び、起伏構造12を施す方法は、上記した第1実施形態と同様であるため、その説明は省略する。
【0050】
「第1変形例」
図9は、第1変形例に係る真空バルブPの起伏構造12の断面構成図である。本実施形態の起伏構造12は、双方の電極対向面E1s,E2sにおいて、互いに同一の構成を有している。
【0051】
図9に示すように、起伏構造12は、電極対向面E1s,E2sから円弧形に突出した複数の凸部15aと、隣り合う2つの凸部15aの相互間に構成された複数の凹部15bとを備え、仮想軸線Pxから半径(放射)方向に沿って凸部15aと凹部15bとが1つずつ交互に繰り返される規則的な凹凸形状となっている。
【0052】
以上、第1変形例によれば、上記した第1実施形態と同様に、真空バルブPの閉操作に際し、電極対向面E1s,E2s相互の接触状態は、常に、硬くて柔らかい規則的な凹凸形状の表面同士の接触状態と同等になる。なお、その他の構成並びに効果は、上記した第1実施形態と同様であるため、その説明は省略する。
【0053】
「第2変形例」
図10は、第2変形例に係る真空バルブPの起伏構造12の断面構成図である。本実施形態の起伏構造12は、双方の電極対向面E1s,E2sにおいて、互いに異なる構成を有している。
【0054】
図10では一例として、固定電極E1の電極対向面E1sは、仮想軸線Pxから半径(放射)方向に沿って、矩形の凸部14aと凹部14bとが1つずつ交互に繰り返される規則的な凹凸形状となっている。一方、可動電極E2の電極対向面E2sは、仮想軸線Pxから半径(放射)方向に沿って、三角形の凸部13aと凹部13bとが1つずつ交互に繰り返される規則的な凹凸形状となっている。
【0055】
以上、第2変形例によれば、上記した第1実施形態と同様に、真空バルブPの閉操作に際し、電極対向面E1s,E2s相互の接触状態は、常に、硬くて柔らかい規則的な凹凸形状の表面同士の接触状態と同等になる。なお、その他の構成並びに効果は、上記した第1実施形態と同様であるため、その説明は省略する。
【0056】
「第3変形例」
図11は、第3変形例に係る真空バルブPの起伏構造12の断面構成図である。本実施形態の起伏構造12は、双方の電極対向面E1s,E2sのうち一方にのみ設けられている。図11では一例として、可動電極E2の電極対向面E2sが、仮想軸線Pxから半径(放射)方向に沿って、三角形の凸部13aと凹部13bとが1つずつ交互に繰り返される規則的な凹凸形状となっている。一方、固定電極E1の電極対向面E1sは、起伏構造12が施される以前の状態で、上記した仮想軸線Pxを中心とした円形の平坦面(凹凸の無い平面)として構成されている。
【0057】
以上、第3変形例によれば、上記した第1実施形態と同様に、真空バルブPの閉操作に際し、電極対向面E1s,E2s相互の接触状態は、常に、硬くて柔らかい接触状態と同等になる。なお、その他の構成並びに効果は、上記した第1実施形態と同様であるため、その説明は省略する。
【0058】
「第4変形例」
図12は、第4変形例に係る真空バルブPの起伏構造12の平面構成図である。本実施形態の起伏構造12は、電極対向面E1s,E2sにおいて、円環状の凸部13a及び凹部13bが予め設定された方向(即ち、仮想軸線Pxを中心に周方向)に断続的に延在しつつ、仮想軸線Pxから半径(放射)方向に沿って凸部13aと凹部13bとが1つずつ交互に繰り返される規則的な凹凸形状となっている。
【0059】
図12では一例として、上記した第1実施形態と同様に、双方の電極対向面E1s,E2sにおいて、三角形に突出した輪郭を有する複数の凸部13aと、三角形に陥没した輪郭を有する複数の凹部13bとが設けられている。
【0060】
そして、これらの凸部13a及び凹部13bは、それぞれ、周方向に沿って等間隔に四等分されている。この場合、二等分、三等分、或いは、五等分などに凸部13a及び凹部13bを断続化させてもよい。
【0061】
以上、第4変形例によれば、上記した第1実施形態と同様に、真空バルブPの閉操作に際し、電極対向面E1s,E2s相互の接触状態は、常に、硬くて柔らかい接触状態と同等になる。なお、その他の構成並びに効果は、上記した第1実施形態と同様であるため、その説明は省略する。
【0062】
「第5変形例」
図13は、第5変形例に係る真空バルブPの起伏構造12の平面構成図である。本実施形態の起伏構造12は、電極対向面E1s,E2sにおいて、1つの凸部13aが、螺旋状に連続的に延在させて配置されている。この場合、この凸部13aに隣接して螺旋状に連続した凹部13bが配置されている。
【0063】
図13では一例として、上記した第1実施形態と同様に、双方の電極対向面E1s,E2sにおいて、三角形に突出した輪郭を有する1つの凸部13aと、三角形に陥没した輪郭を有する1つの凹部13bとが設けられている。
【0064】
このような構成において、電極対向面E1s,E2sを横断する方向(例えば、仮想軸線Pxから半径(放射)方向)で見て、凸部13aと凹部13bとは、1つずつ交互に配置されている。
【0065】
以上、第5変形例によれば、上記した第1実施形態と同様に、真空バルブPの閉操作に際し、電極対向面E1s,E2s相互の接触状態は、常に、硬くて柔らかい接触状態と同等になる。なお、その他の構成並びに効果は、上記した第1実施形態と同様であるため、その説明は省略する。
【0066】
「第6変形例」
図14は、第6変形例に係る真空バルブPの起伏構造12の平面構成図である。本実施形態の起伏構造12は、電極対向面E1s,E2sにおいて、円環状の凸部13a及び凹部13bが予め設定された方向(即ち、仮想軸線Pxを中心に周方向)に断続的に延在しつつ、仮想軸線Pxから半径(放射)方向に沿って凸部13aと凹部13bとが1つずつ交互に繰り返される規則的な凹凸形状となっている。
【0067】
図14では一例として、上記した第1実施形態と同様に、双方の電極対向面E1s,E2sにおいて、三角形に突出した輪郭を有する複数の凸部13aと、三角形に陥没した輪郭を有する複数の凹部13bとが設けられている。
【0068】
そして、これらの凸部13a及び凹部13bは、それぞれ、周方向に沿って等間隔に四等分されている。この場合、二等分、三等分、或いは、五等分などに凸部13a及び凹部13bを断続化させてもよい。
【0069】
以上、第6変形例によれば、上記した第1実施形態と同様に、真空バルブPの閉操作に際し、電極対向面E1s,E2s相互の接触状態は、常に、硬くて柔らかい接触状態と同等になる。なお、その他の構成並びに効果は、上記した第1実施形態と同様であるため、その説明は省略する。
【0070】
「第7変形例」
図15は、第7変形例に係る真空バルブPの起伏構造12の平面構成図である。本実施形態の起伏構造12は、電極対向面E1s,E2sにおいて、複数の凸部13aが、それぞれ直線状に延在し、かつ、互いに平行で等間隔に配置されている。この場合、この凸部13aに隣接して直線状に連続した凹部13bが配置されている。
【0071】
図15では一例として、上記した第1実施形態と同様に、双方の電極対向面E1s,E2sにおいて、三角形に突出した輪郭を有する複数の凸部13aと、三角形に陥没した輪郭を有する複数の凹部13bとが設けられている。
【0072】
このような構成において、電極対向面E1s,E2sを横断する方向(例えば、仮想軸線Pxから半径(放射)方向)で見て、凸部13aと凹部13bとは、1つずつ交互に配置されている。
【0073】
以上、第7変形例によれば、上記した第1実施形態と同様に、真空バルブPの閉操作に際し、電極対向面E1s,E2s相互の接触状態は、常に、硬くて柔らかい接触状態と同等になる。なお、その他の構成並びに効果は、上記した第1実施形態と同様であるため、その説明は省略する。また、特に図示しないが、直線状に延出している凸部13a及び凹部13bを断続的に構成しても同様の効果が得られることは言うまでも無い。
【0074】
「第8変形例」
図16は、第8変形例に係る真空バルブPの起伏構造12の平面構成図である。本実施形態の起伏構造12は、電極対向面E1s,E2sにおいて、複数の凸部13aが、それぞれ直線状に延在し、かつ、互いに平行かつ直交しつつ等間隔に配置されている。この場合、これらの凸部13aで囲まれた複数領域に矩形状の凹部13bが配置されている。
【0075】
図15では一例として、上記した第1実施形態と同様に、双方の電極対向面E1s,E2sにおいて、三角形に突出した輪郭を有する複数の凸部13aと、三角形に陥没した輪郭を有する複数の凹部13bとが設けられている。
【0076】
このような構成において、電極対向面E1s,E2sを横断する方向(例えば、仮想軸線Pxから半径(放射)方向)で見て、凸部13aと凹部13bとは、1つずつ交互に配置されている。
【0077】
以上、第8変形例によれば、上記した第1実施形態と同様に、真空バルブPの閉操作に際し、電極対向面E1s,E2s相互の接触状態は、常に、硬くて柔らかい接触状態と同等になる。なお、その他の構成並びに効果は、上記した第1実施形態と同様であるため、その説明は省略する。また、特に図示しないが、直線状に延出している凸部13aを断続的に構成しても同様の効果が得られることは言うまでも無い。
【0078】
以上、本発明の複数の実施形態及び変形例を説明したが、これらの実施形態及び変形例は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態及び変形例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態及び変形例は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0079】
1…絶縁容器、2…固定側封着部材、3…可動側封着部材、4…気密維持機構、5…アークシールド、6…固定側封着金具、7…可動側封着金具、8…固定接点、9…固定通電軸、10…可動接点、11…可動通電軸、12…起伏構造、13a,14a,15a…凸部、13b,14b,15b…凹部、P…真空バルブ、Px…仮想軸線、E1s…固定側電極対向面、E2s…可動側電極対向面。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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