(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023090374
(43)【公開日】2023-06-29
(54)【発明の名称】水処理装置
(51)【国際特許分類】
C02F 1/44 20230101AFI20230622BHJP
C02F 1/42 20230101ALI20230622BHJP
【FI】
C02F1/44 A
C02F1/44 E
C02F1/42 A
C02F1/42 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021205305
(22)【出願日】2021-12-17
(71)【出願人】
【識別番号】000004400
【氏名又は名称】オルガノ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123788
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 昭夫
(74)【代理人】
【識別番号】100127454
【弁理士】
【氏名又は名称】緒方 雅昭
(72)【発明者】
【氏名】金井 修
(72)【発明者】
【氏名】大橋 伸一
(72)【発明者】
【氏名】中野 徹
(72)【発明者】
【氏名】中村 勇規
(72)【発明者】
【氏名】中円尾 淳
【テーマコード(参考)】
4D006
4D025
【Fターム(参考)】
4D006GA03
4D006GA06
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4D025DA05
(57)【要約】
【課題】所定の物質の除去が可能で、放水可能な処理水の水量を増やすことのできる水処理装置を提供する。
【解決手段】水処理装置1は、所定の物質を含む原水を貯留する原水タンク2と、原水タンク2から送水された原水を透過水と濃縮水とに分離する少なくとも一つの逆浸透膜装置6と、濃縮水を原水タンク2に戻す濃縮水循環ラインL5と、透過水を処理水として貯留する処理水タンク7と、処理水タンク7に貯留された処理水中の所定の物質の濃度を取得する濃度取得手段10と、を有している。そして、濃度取得手段10で取得された濃度が所定の値に達したときに、処理水タンク7に貯留された処理水の少なくとも一部が処理水タンク7から排出される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の物質を含む原水を貯留する原水タンクと、
前記原水タンクから送水された原水を透過水と濃縮水とに分離する少なくとも一つの逆浸透膜装置と、
前記濃縮水を前記原水タンクに戻す濃縮水循環ラインと、
前記透過水を処理水として貯留する処理水タンクと、
前記処理水タンクに貯留された処理水中の前記所定の物質の濃度を取得する濃度取得手段と、を有し、
前記濃度取得手段で取得された前記濃度が所定の値に達したときに、前記処理水タンクに貯留された前記処理水の少なくとも一部が前記処理水タンクから排出される、水処理装置。
【請求項2】
前記濃度取得手段で取得された前記濃度が前記所定の値に達したときに、前記原水タンクに貯留された水の少なくとも一部が前記原水タンクから排出される、請求項1に記載の水処理装置。
【請求項3】
前記処理水タンクに貯留された処理水中の前記所定の物質の濃度と相関する濃度相関パラメータの測定手段を有し、
前記濃度取得手段は、前記測定手段で測定された前記濃度相関パラメータに基づき、前記処理水タンクに貯留された前記処理水の前記所定の物質の濃度が前記所定の値に達したか否かを判定する、請求項1または2に記載の水処理装置。
【請求項4】
前記濃度相関パラメータは、前記原水タンクの水量、前記処理水タンクの水量、前記逆浸透膜装置での処理開始後の経過時間の、少なくともいずれかである、請求項3に記載の水処理装置。
【請求項5】
イオン交換装置と、
前記処理水タンクと前記イオン交換装置とを接続し、前記処理水タンクに貯留された前記処理水を前記イオン交換装置との間で循環させる処理水循環ラインと、
を有する、請求項1から4のいずれか1項に記載の水処理装置。
【請求項6】
前記少なくとも一つの逆浸透膜装置は直列に接続された複数の逆浸透膜装置を有する、請求項1から5のいずれか1項に記載の水処理装置。
【請求項7】
前記複数の逆浸透膜装置の間に中間貯蔵タンクを有し、前記中間貯蔵タンクは前記中間貯蔵タンクの上流側の前記逆浸透膜装置の透過水を貯留するとともに、前記中間貯蔵タンクの下流側の前記逆浸透膜装置に前記透過水を送水する、請求項6に記載の水処理装置。
【請求項8】
前記複数の逆浸透膜装置の間に直列に配置された2つの中間貯蔵タンクを有し、上流側の前記中間貯蔵タンクは前記上流側の中間貯蔵タンクの上流側の前記逆浸透膜装置の透過水を貯留し、下流側の前記中間貯蔵タンクは前記下流側の中間貯蔵タンクの下流側の前記逆浸透膜装置に前記透過水を送水する、請求項6に記載の水処理装置。
【請求項9】
前記原水の主供給ラインと、
前記原水タンクと、前記少なくとも一つの逆浸透膜装置と、前記濃縮水循環ラインと、前記処理水タンクと、前記原水タンクへの原水の供給ラインと、前記供給ラインに設けられた弁と、をそれぞれが有する複数のユニットと、を有し、
前記主供給ラインが前記複数のユニットの前記供給ラインに接続されている、請求項1から8のいずれか1項に記載の水処理装置。
【請求項10】
前記所定の物質はホウ素である、請求項1から9のいずれか1項に記載の水処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は水処理装置に関し、特にホウ素含有水からホウ素を除去する水処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
産業排水や発電所の排水に含まれるホウ素を逆浸透膜装置で除去する水処理装置が知られている。ホウ素は、飲料水基準(WHO、国内)が設けられ(1mg/L)、排水規制でも排出基準が設けられている(国内では海域230mg/L、陸域10mg/L)。ホウ素は海水中にも含まれている(4~5mg/L程度)。ホウ素はホウ酸とホウ酸イオンの平衡状態で水中に存在し、特にホウ酸の状態で存在しているホウ素(イオン化していないホウ素)は、逆浸透膜を透過しやすい特質がある。従って、ホウ素は排水中に多く含まれることがある物質であるが、除去しにくい物質でもある。そこで、ホウ素の除去率を高めるために、逆浸透膜装置の濃縮水を逆浸透膜装置に戻す再循環方式が採用されることがある(特許文献1,2)。濃縮水を逆浸透膜装置に戻すことで、濃縮水中のホウ素濃度が高められ、濃縮水の減容処理も容易となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-144997号公報
【特許文献2】特開2008-237986号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1,2に開示された水処理装置においては、逆浸透膜装置の入口水のホウ素濃度が時間ともに増加する。しかし、逆浸透膜装置のホウ素阻止率、すなわち、逆浸透膜装置の1次側(濃縮側)と2次側(透過側)におけるホウ素濃度の比率は、原水中のホウ素濃度によらずほぼ一定であるため、逆浸透膜の2次側のホウ素濃度も時間とともに増加する。上述の通り、処理水中のホウ素濃度が所定の放水基準値に達すると放水ができなくため、1次側の原水を抜き、ホウ素濃度の低い原水に入れ替えるといった作業が必要となる。従って、従来の技術では、放水可能な処理水の水量を増やすことは困難である。ホウ素以外の物質についても同様の課題が存在する。
【0005】
本発明は、所定の物質の除去が可能で、放水可能な処理水の水量を増やすことのできる水処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の水処理装置は、所定の物質を含む原水を貯留する原水タンクと、原水タンクから送水された原水を透過水と濃縮水とに分離する少なくとも一つの逆浸透膜装置と、濃縮水を原水タンクに戻す濃縮水循環ラインと、透過水を処理水として貯留する処理水タンクと、処理水タンクに貯留された処理水中の所定の物質の濃度を取得する濃度取得手段と、を有している。そして、濃度取得手段で取得された濃度が所定の値に達したときに、処理水タンクに貯留された処理水の少なくとも一部が処理水タンクから排出される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、所定の物質の除去が可能で、放水可能な処理水の水量を増やすことのできる水処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係る水処理装置の概略構成図である。
【
図2】処理時間と濃度相関パラメータとの関係の一例を示す図である。
【
図3】本発明の第2の実施形態に係る水処理装置の概略構成図である。
【
図4】本発明の第3の実施形態に係る水処理装置の概略構成図である。
【
図5】本発明の第3の実施形態の第1の変形例に係る水処理装置の概略構成図である。
【
図6】本発明の第3の実施形態の第2の変形例に係る水処理装置の概略構成図である。
【
図7】本発明の第4の実施形態に係る水処理装置の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の水処理装置のいくつかの実施形態について説明する。以下の実施形態において、逆浸透膜装置は原水中のホウ素を除去するために設けられているが、原水は逆浸透膜装置が除去可能な所定の物質を含んでいればよい。本実施形態では所定の物質はホウ素であるが、所定の物質はホウ素に限定されない。対象とする原水のホウ素濃度は限定されないが、例えば数十~数千ppmオーダーである。
【0010】
(第1の実施形態)
図1に、本発明の第1の実施形態に係る水処理装置1の概略構成を示す。水処理装置1は、ホウ素を含む原水を貯留する原水タンク2を有している。原水は、ホウ素を取り扱う工場、発電所、温泉施設、廃棄物の埋立場、鉱山などから排出されるホウ素含有排水である。原水タンク2には原水の供給ライン(以下、原水供給ラインL1という)が接続され、原水供給ラインL1には第1の弁V1が設けられている。水処理装置1は、原水タンク2から供給される原水を透過水と濃縮水とに分離する、少なくとも一つ(本実施形態では一つ)の逆浸透膜装置6を有している。逆浸透膜装置6は逆浸透膜61によって、原水が濃縮される濃縮側空間62と、透過水が透過する透過側空間63とに分けられる。逆浸透膜61は、膜に作用する圧力によって高圧用、中圧用、低圧用、超低圧用などに分類されるが、本実施形態ではどのタイプも利用可能である。しかし、ホウ素阻止率は高圧用の逆浸透膜の方が高いため、特に原水のホウ素濃度が高い場合は、高圧用の逆浸透膜を用いることがより好ましい。高圧用逆浸透膜とは、一般に、25℃条件下において、膜面有効圧力1.0MPaあたりの透過流束が0.3~0.65m
3/m
2/dayであり、NaCl除去率が99.5%以上のものである。原水タンク2と逆浸透膜装置6との間には、原水の供給方向に沿って上流から下流に向けて、原水を圧送するポンプ3と、原水中の夾雑物や塵埃を除去するフィルタ4と、原水のpHを調整するpH調整手段5とが、直列に設けられている。フィルタ4としては、メッシュストレーナ、限外濾過膜(UF膜)、精密ろ過膜(MF膜)、安全フィルタなどを使用することができる。ホウ素の除去効率はpHを高くすることで向上する。pHは5~9が好ましいが、これに限定されない。フィルタ4とpH調整手段5の設置は任意であり、いずれかまたは両方を省略することもできる。また、フィルタ4とpH調整手段5は、原水タンク2の前段に設置しても構わない。
【0011】
水処理装置1は、透過水を貯留する処理水タンク7を有している。逆浸透膜装置6の透過側空間63は透過水ラインL2によって、処理水タンク7に接続されている。透過水ラインL2には第2の弁V2が設けられている。後で詳しく説明するように、処理水タンク7は本実施形態における特徴的な設備であり、逆浸透膜装置6を透過した透過水はそのまま放水されずに、一旦処理水タンク7に貯留される。処理水タンク7は放水ラインL3に接続され、放水ラインL3には第3の弁V3が設けられている。原水タンク2には濃縮水排出ラインL4が接続され、濃縮水排出ラインL4には第4の弁V4が設けられている。逆浸透膜装置6の濃縮側空間62と原水タンク2は、濃縮水を原水タンク2に戻す濃縮水循環ラインL5で接続されている。原水タンク2が小さい場合、ポンプ3の吐出圧が高い場合、透過水量を少なく設定した場合などは、濃縮水の循環により原水の温度が高くなる可能性がある。このため、濃縮水循環ラインL5には、濃縮水を冷却するための熱交換器L13が設けられ、濃縮水の温度が高くなる場合は、温度を下げることができる。熱交換器L13は、シェル&チューブ型やプレート型などを使用することができる。熱交換器L13は、省略することもできる。
図1に示す弁V1~V4は、水処理装置1のバッチ運転中の状態を示している。なお、以下の説明において透過水は逆浸透膜装置6の透過側空間63内の水であり、逆浸透膜装置6の出口水と同義である。処理水は処理水タンク7に貯蔵されている水を意味する。後述するように、透過水と処理水は異なる。
【0012】
水処理装置1は、処理水タンク7に貯留された処理水中のホウ素濃度を取得する濃度取得手段10を有している。濃度取得手段10は処理水タンク7に設けたホウ素濃度計であってもよいが、本実施形態では他の測定値から間接的に処理水中のホウ素濃度を算定する方法を採用している。後述するように、処理水中のホウ素濃度は所定の濃度相関パラメータと相関関係にある。濃度相関パラメータは、原水タンク2の水量、処理水タンク7の水量、逆浸透膜装置6での処理を開始してからの経過時間(以下、処理時間という)の、少なくともいずれかである。濃度相関パラメータは、濃度相関パラメータの測定手段8,9によって測定することができる。濃度相関パラメータの測定手段8,9は、原水タンク2の水量を得るために原水タンク2の水位を測定する第1の水位計8、処理水タンク7の水量を得るために処理水タンク7の水位を測定する第2の水位計9を有している。また、逆浸透膜装置6での処理時間を測定するためのタイマー(図示せず)を有していてもよい。図中には、濃度相関パラメータの測定手段8,9の例として、第1の水位計8と第2の水位計9を示している。濃度取得手段10は、濃度相関パラメータの測定手段8,9の測定値を処理水タンク7の処理水中のホウ素濃度に換算する手段を有している。そして、濃度取得手段10は、濃度相関パラメータの測定手段8,9で測定された濃度相関パラメータに基づき、処理水タンク7に貯留された処理水中の平均ホウ素濃度を算出し、算出した平均ホウ素濃度が所定の値に達したか否かを判定する。濃度取得手段10は、例えば、水処理装置1の制御装置にプログラムとして組み込まれるが、運転員が濃度相関パラメータの測定値と換算表から処理水中の平均ホウ素濃度を求めることもできる。
【0013】
(水処理装置1の運転方法)
次に、水処理装置1の運転方法について説明する。まず、第1の弁V1、第2の弁V2を開き、第3の弁V3、第4の弁V4を閉じる。原水供給ラインL1から原水を原水タンク2に供給し、所定量の原水が原水タンク2に貯留されると第1の弁V1を閉じる。原水は、ホウ素含有水を多量に貯留している原水槽、排水槽などの塔槽類や、その他の水処理施設等(図示せず)から送水される。本実施形態において、水処理装置1はバッチ運転(回分式処理)で運転される。このため、バッチ運転中は第1の弁V1、第3の弁V3、第4の弁V4は閉じられており、水処理装置1の外部との水の出入りはない。
【0014】
次に、ポンプ3を起動し、逆浸透膜装置6に原水を送水し、原水を逆浸透膜装置6で処理する。送水流量と循環水流量(濃縮水循環ラインL5の流量)は、逆浸透膜装置6の膜種ごとに定められた最低必要流量が確保されるように選定する。透過水流量(透過水ラインL2の流量)は、膜の通水条件を逸脱しないように第2の弁V2の開度で調整する。第2の弁V2は定流量弁または調整弁でもよい。あるいは、ポンプ3の回転数で透過水流量を制御してもよい。原水に含まれるホウ素のうち、逆浸透膜61のホウ素阻止率に相当する量が除去され、残りが透過側空間63に透過する。ホウ素阻止率は、逆浸透膜装置6の入口水のホウ素濃度をA、逆浸透膜装置6の出口水のホウ素濃度をBとしたときに、(A-B)/Aで求められる。透過側空間63に透過した透過水は透過水ラインL2を通って、処理水として処理水タンク7に貯蔵される。濃縮側62に残った原水は、濃縮水として濃縮水循環ラインL5を通って原水タンク2に戻され、ポンプ3によって再び逆浸透膜装置6に送水される。
【0015】
以上のプロセスを繰り返すに従い、原水タンク2の原水が徐々に減少し、処理水タンク7の処理水が徐々に増えていく。また、濃縮水は原水タンク2に戻されるため、原水タンク2のホウ素濃度は、徐々に高くなる。すなわち、原水中に含まれるホウ素の総量は徐々に減っていくが、原水の量もそれ以上の割合で減っていくため、原水中のホウ素濃度は徐々に増加する。そのため、処理を継続していくに従い、透過水中のホウ素濃度も徐々に増加する。
【0016】
図2は、原水タンク2の水位、原水タンク2の原水中のホウ素濃度、逆浸透膜装置6の透過水中のホウ素濃度及び処理水タンク7の処理水中の平均ホウ素濃度と、処理時間との関係の計算例を示している。この計算は、ホウ素濃度500mg/L(ppm)の原水を原水タンク2に水位3.9m(容積10000L)まで供給し、一定の透過水量1.5m
3/hで原水を逆浸透膜装置6で処理した場合の計算例である。処理水タンク7の初期水位は0mである。逆浸透膜装置6のホウ素阻止率は80%とした。処理水タンク7の処理水中の平均ホウ素濃度が200mg/L(放水可能なホウ素濃度の基準値の例)に達したときの通水時間は約5.6h、原水タンク2の水位は約0.7m、原水タンク2の原水中のホウ素濃度は約2100mg/L(ppm)であった。
【0017】
この図からわかるように、処理が進むにつれ原水タンク2の水位(水量)が減少し、原水タンク2の原水中のホウ素濃度、逆浸透膜装置6の透過水中のホウ素濃度、処理水タンク7の処理水中の平均ホウ素濃度が増加していく。ホウ素濃度は原水タンク2で最も大きく、処理水タンク7で最も小さく、逆浸透膜装置6の透過水がその中間である。そして、重要なことは、原水タンク2の水位(水量)、原水タンク2の原水中のホウ素濃度、逆浸透膜装置6の透過水中のホウ素濃度、処理水タンク7の処理水中の平均ホウ素濃度、処理時間は相互に相関しており、いずれか一つが分かれば他の値が推定可能ということである。また、バッチ処理を行っているため、原水タンク2と処理水タンク7の貯蔵水の総量は一定である。従って、原水タンク2の水位(水量)の代わりに、または原水タンク2の水位(水量)とともに、処理水タンク7の水位(水量)を用いることも可能である。
【0018】
ホウ素濃度はホウ素濃度計で測定するのが最も確実である。しかし、ホウ素濃度計は非常に高価である。そこで、本実施形態では、ホウ素濃度計の代わりに原水タンク2の水位(水量)、処理水タンク7の水位(水量)、処理時間を濃度相関パラメータとして用いている。処理時間を濃度相関パラメータとして用いる場合、透過処理量が一定であることが必要である。
図2の例においては、濃度取得手段10は、通水時間約5.6h、原水タンク2の水位約0.7m、処理水タンク7の水位約3.2m(3.9m-0.7m)に達したときに、ホウ素濃度が放出可能濃度の上限(200mg/L(ppm))に達したと判定する。この時、濃度取得手段10がアラームを出し、運転員がそれに応じて水処理装置1を停止してもよいし、濃度取得手段10で取得したホウ素濃度をポンプ3の制御装置に送信し、制御装置がポンプ3を自動停止するようにしてもよい。いずれの場合も、放水基準値に対して余裕を見込み、放水基準値より多少低いホウ素濃度に達したときに水処理装置1のバッチ運転を停止することが好ましい。
【0019】
上述の制御を行うためには、原水のホウ素濃度をあらかじめ把握しておくことが望ましい。また、ホウ素阻止率に影響する原水の線速度LV、pH、温度等も事前に把握することが望ましい。具体的には、まず、原水のホウ素濃度、pH、温度を測定し、原水の水質を把握する。次に必要とする処理量から逆浸透膜61の膜面積を設定し、逆浸透膜装置6に供給される原水のLVを計算する。次に、これら水質やLVの条件から、使用する逆浸透膜61のホウ素阻止率を設定する。ホウ素阻止率はこれらの条件に対して予め求められている。ホウ素阻止率は、LVやpH、温度により異なるが、通常は50~95%程度である。これらの条件から、例えば1時間後の処理水の水量が計算でき、ホウ素阻止率から処理水中のホウ素濃度が計算でき、更に阻止されたホウ素の量から濃縮水中のホウ素濃度が計算できる。2,3,4時間後について同様の計算をすることで、処理水の水量及び処理水に含まれるホウ素の総量が算出でき、処理水中の平均ホウ素濃度が算出できる。この計算をより細かく行えば、より精度を高くすることができる。このようにして、
図2に相当する、濃度相関パラメータと処理水中の平均ホウ素濃度との関係を事前に把握し、水処理装置1の運転管理を行うことができる。複数の濃度相関パラメータを複合的に監視し、水処理装置1の運転管理を行ってもよい。
【0020】
なお、ホウ素濃度計を用いることも可能である。その場合は、濃度相関パラメータを使う必要はなく、ホウ素濃度計で測定されたホウ素濃度が放水基準値に達したとき、または達する前にバッチ運転を停止する。ホウ素濃度はホウ素濃度計によって常時監視することが好ましい。
【0021】
水処理装置1のバッチ運転が終了したら(すなわち、濃度取得手段10で取得されたホウ素濃度が所定の値に達したら)、第3の弁V3を開き、処理水タンク7に貯留された処理水の少なくとも一部(本実施形態では全量)を処理水タンク7から排出する。処理水タンク7の処理水は、別の処理水槽(図示せず)へ送水して、水質を確認後放出してもよいし、排水処理設備(図示せず)に送水してもよい。これと同時に、またはこれと前後して、第4の弁V4を開き、原水タンク2に貯留された水(濃縮水)の少なくとも一部(本実施形態では全量)を原水タンク2から排出する。濃縮水は濃縮水槽(図示せず)に送り、凝集沈殿処理を行う。ホウ素濃度が高められているため、効率よく処理ができる。または、濃縮水を蒸発濃縮装置を用いて濃縮して、処理水の更なる濃縮を行ってもよい。濃縮水が既に濃縮減容化されているため、凝集沈殿処理装置や蒸発濃縮装置の設備規模や運転コストを低減することができる。蒸発濃縮処理の後、固化処理を行ってもよい。
【0022】
次に本実施形態の効果について説明する。ホウ素を含む透過水を放水する場合、ホウ素濃度が放水基準値を上回ると放水が不可能となる。本実施形態の水処理装置1は再循環方式を用いているため、上述したように逆浸透膜61の透過水中のホウ素濃度は徐々に増加する。ここで、本実施形態から処理水タンク7を省略したものを比較例とする。比較例では、ホウ素濃度が放水基準値を超えていないことを確認しながら、逆浸透膜装置6の透過水を順次放水する。この場合、
図2において、4h程度の時間が経過すると、逆浸透膜装置6の透過水中のホウ素濃度が放水基準値(200ppm)に達し、放水ができなくなる。
【0023】
これに対して、本実施形態では、逆浸透膜装置6の透過水を一旦処理水タンク7に溜めている。処理水タンク7の処理水中のホウ素濃度は処理開始後の初期段階では低いため、後から処理水タンク7に流入した、ホウ素濃度の高い透過水が、先に処理水タンク7に流入した、ホウ素濃度の低い透過水によって、いわば「希釈」ないし「平均化」される。この結果、処理水タンク7の処理水中の平均ホウ素濃度は、平均ホウ素濃度算出時における逆浸透膜装置6の透過水中のホウ素濃度と比べて、低い値に抑えられる。それでも、逆浸透膜装置6の透過水中のホウ素濃度は徐々に増加するので、処理水タンク7の処理水中の平均ホウ素濃度も徐々に増加するが、放水基準値(200ppm)に達するのは、前述の通り5.6h後である。従って、比較例では約4h分の透過水しか放水できないのに対し、本実施形態では5.6h分、つまり約4割多い透過水を、規制を遵守しつつ、放水することが可能となる。換言すれば、ホウ素濃度が放水基準値を超えた透過水も、「希釈」ないし「平均化」することによって放水が可能となる。また、逆浸透膜装置6の透過水中のホウ素濃度が放水基準値を超えても水処理装置1の運転を継続することができ、比較例よりも長時間バッチ運転を行える結果、原水タンク2の水位が低下し、濃縮水のさらなる減容化が可能となる。原水中に含まれるホウ素以外の成分も、逆浸透膜装置6で阻止可能な成分であれば、濃縮水側に残すことができる。濃縮水が減容化されているため、当該成分の回収や後処理が必要である場合に、回収や後処理の負荷を低減できる。
【0024】
逆浸透膜装置でホウ素含有水を処理する際にホウ素が逆浸透膜を透過することは、これまでも知られており、従来はホウ素除去率の向上を課題として、装置や素材の開発が行われてきた。しかし、ホウ素が透過することを許容した上で、透過水中のホウ素濃度を調整するという発想はこれまでになかったものである。また、透過水中のホウ素濃度が放水基準値を超えた後に水処理装置1の運転継続を許容するという発想もなかった。本実施形態は、処理水タンク7を設置し、処理水タンク7の処理水中の平均ホウ素濃度を放水基準値に収めるという新規な発想に基づくものである。この結果、逆浸透膜装置6の透過水中のホウ素濃度が放水基準値を超えた後に、その透過水に含まれるホウ素を別処理で除去したり、透過水を純水等で希釈して目的の濃度に調整したりする必要がなくなる。本実施形態は、処理水タンク7を設けるだけでよいので、コストへの影響も限定的である。
【0025】
(第2の実施形態)
図3に、本発明の第2の実施形態に係る水処理装置1の概略構成を示す。水処理装置1は、処理水タンク7に接続されたイオン交換装置11を有している。処理水タンク7とイオン交換装置11は処理水循環ラインL6で接続され、処理水タンク7に貯留された処理水が処理水循環ラインL6に沿って、イオン交換装置11との間で循環する。これによって、処理水に含まれるホウ素をイオン交換樹脂に吸着させ、処理水中のホウ素濃度を低減することができる。処理水を放出する際は、ホウ素濃度が放出基準値を満たしていることを最終確認することが望ましいが、万が一ホウ素濃度が放出基準値を上回った場合は、イオン交換装置11で処理水中のホウ素濃度を放出基準値以下まで下げてから放出する。ホウ素濃度は連続的に監視する必要がないため、処理水タンク7の処理水をサンプリングして、市販のホウ素濃度測定キット等を用いて測定することができる(高価なホウ素濃度計は不要である)。イオン交換装置11に充填するイオン交換樹脂は、陰イオン交換樹脂であれば特に限定されないが、多価アルコールの官能基を持った塩基性陰イオン交換樹脂(例えば、Dupont社製IRA-743)等の、ホウ素を選択的に吸着するものが好ましい。イオン交換装置11は常時運転するものではなく、処理水中のホウ素濃度が放出基準値を上回った場合に一時的に運転するだけであるため、非再生型が好ましい。再生型を用いると再生設備が必要となり、水処理装置1が複雑となり、コストも高くなる。
【0026】
(第3の実施形態)
図4に、本発明の第3の実施形態に係る水処理装置1の概略構成を示す。本実施形態の水処理装置1は、直列に接続された複数の逆浸透膜装置6A,6Bを有する。以降の各実施形態において、逆浸透膜装置6A,6Bのそれぞれに対応するポンプ3、フィルタ4、pH調整手段5、熱交換器13、弁等がある場合、図面中の符号にA,Bを追加して説明を省略する場合がある。
【0027】
原水のホウ素濃度が高い場合、1段の逆浸透膜処理ではホウ素濃度を十分に下げることができない可能性がある。本実施形態では2段の逆浸透膜装置6A,6Bを設けているため、1段当たりのホウ素阻止率が80%の場合、2段の逆浸透膜装置6A,6B全体でのホウ素阻止率は96%となり、ホウ素阻止率の大幅な向上が可能である。逆浸透膜装置6A,6Bの段数は限定されない。逆浸透膜装置6Aと逆浸透膜装置6Bとの間に中間貯蔵タンク12が設けられている。中間貯蔵タンク12は上流側の逆浸透膜装置6Aの透過水を貯蔵し、下流側の逆浸透膜装置6Bに透過水を送水する。中間貯蔵タンク12は逆浸透膜装置6Aと逆浸透膜装置6Bの透過水量の差を吸収することができるため、水処理装置1の制御を容易にする。中間貯蔵タンク12は省略することもできる。2段の逆浸透膜装置6A,6Bの濃縮水はそれぞれの濃縮水循環ラインL5A,L5Bを通って原水タンク2に戻されるが、後段の逆浸透膜装置6Bの濃縮水の一部を中間貯蔵タンク12に戻し、残りを原水タンク2に戻すことも可能である。この目的で、濃縮水循環ラインL5Bから分岐して中間貯蔵タンク12に接続される濃縮水戻りラインL7が設けられている。濃縮水戻りラインL7は省略することもできる。
【0028】
図5に、第3の実施形態の第1の変形例に係る水処理装置1の概略構成を示す。本変形例の水処理装置1は、第1の実施形態の水処理装置1を一つのユニットとしたときに、複数のユニットUA,UBを直列に配置した構成となっている。ただし、1段目のユニットUAの処理水タンク7と2段目のユニットUBの原水タンク2は中間貯蔵タンク12に統合されている。すなわち、複数の逆浸透膜装置6A,6Bの間に中間貯蔵タンク12が配置されている。中間貯蔵タンク12は中間貯蔵タンク12の上流側の逆浸透膜装置6Aの透過水を貯留するとともに、中間貯蔵タンク12の下流側の逆浸透膜装置6Bに透過水を送水する。中間貯蔵タンク12の水位は、中間貯蔵タンク12に設けられた第3の水位計13(濃度相関パラメータの測定手段)で測定される。1段目のユニットUAは第3の弁V3を有しておらず、2段目のユニットUBは第1の弁V1を有していない。
【0029】
1段目のユニットUAと2段目のユニットUBは選択的に稼働する。
図5は1段目のユニットUAが稼働し、2段目のユニットUBが停止している状態を示している。1段目のユニットUAが稼働する場合は、第1の弁V1Aと第4の弁V4Aを閉め、第2の弁V2Aを開く。2段目のユニットUBの第2~第4の弁V2B,V3,V4Bは閉めておく(但し、第3の弁V3は開いていてもよい)。これによって、1段目のユニットUAは外部と水の出入りがない状態となる。1段目のユニットUAを運転することで、中間処理水が中間貯蔵タンク12に貯蔵される。中間貯蔵タンク12の中間処理水中の平均ホウ素濃度の目安値は、原水中のホウ素濃度、放出基準値、逆浸透膜装置6Aのホウ素阻止率等から予め求めておき、平均ホウ素濃度が目安値に達したときに1段目のユニットUAの運転を停止する。濃度取得手段10Aは、濃度相関パラメータの測定手段8,13の測定値を中間貯蔵タンク12の処理水中のホウ素濃度に換算する。
【0030】
次に、2段目のユニットUBの第2の弁V2Bを開く(第3の弁V3が開いている場合は閉める)。これによって、2段目のユニットUBは外部と水の出入りがない状態となる。そして、2段目のユニットUBを1段目のユニットUAと同様に運転する。処理水タンク7の処理水中の平均ホウ素濃度が目安値に達したとき、またはその前に2段目のユニットUBの運転を停止する。濃度取得手段10Bは、濃度相関パラメータの測定手段9,13の測定値を処理水タンク7の処理水中のホウ素濃度に換算する。その後、第3の弁V3を開き、処理水タンク7から処理水を放出する。
【0031】
本変形例も、直列に接続された複数の逆浸透膜装置6A,6Bを有しているので、第3の実施形態と同様の効果を奏する。本変形例では、2段目のユニットUBの運転中に1段目のユニットUAの原水タンク2に原水を供給することができるので、1段目のユニットUAへの切り替え後、速やかに1段目のユニットUAの運転を開始できる。また、1段目(2段目)のユニットUA(UB)からの濃縮水の取り出しは2段目(1段目)のユニットUB(UA)の運転中に可能であるので、濃縮水の取り出しが水処理装置1の稼働率を下げることもない。
【0032】
図6に、第3の実施形態の第2の変形例に係る水処理装置1の概略構成を示す。本変形例の水処理装置1は、複数の逆浸透膜装置6の間に直列に配置された2つの中間貯蔵タンク12A,12Bを有している。上流側の中間貯蔵タンク12Aは第1の実施形態の処理水タンク7に相当し、下流側の中間貯蔵タンク12Bは第1の実施形態の原水タンク2に相当する。上流側の中間貯蔵タンク12Aは、その上流側の逆浸透膜装置6Aの透過水を貯留し、下流側の中間貯蔵タンク12Bは、その下流側の逆浸透膜装置6Bに透過水を送水する。つまり、本変形例も、第1の実施形態の水処理装置1を一つのユニットとしたときに、複数のユニットUA,UBを直列に配置した構成となっている。
【0033】
本変形例の水処理装置1は第1の変形例の水処理装置1と同様に作動する。ただし、上流側の中間貯蔵タンク12Aと下流側の中間貯蔵タンク12Bとの間の第3の弁V3Aを閉じることで、1段目のユニットUAと2段目のユニットUBを同時に運転することができる。1段目のユニットUAの中間貯蔵タンク12Aの処理水中のホウ素濃度が所定の目安に達したら、1段目のユニットUAの運転を停止する。そして、第3の弁V3Aを開き、処理水を2段目のユニットUBの中間貯蔵タンク12Bに移送する。2段目のユニットUBは運転を開始し、1段目のユニットUAの中間貯蔵タンク12Aに貯蔵されていた処理水の処理を行う。2段目のユニットUBの処理水タンク7の処理水中のホウ素濃度が所定の目安に達したら、2段目のユニットUBの運転を停止する。この間、1段目のユニットUAは新たな原水を受け入れ、運転を開始し、新たな原水の処理を行う。この様にして、1段目のユニットUAと2段目のユニットUBを同時に運転することができるため、処理効率が大きく向上する。1段目のユニットUAと2段目のユニットUBは同じタイミングで運転を開始し、運転を停止することが好ましい。
【0034】
(第4の実施形態)
図7に、本発明の第4の実施形態に係る水処理装置1の概略構成を示す。本実施形態の水処理装置1は、第1の実施形態の水処理装置1を一つのユニットとしたときに、複数のユニットUA,UBを並列に配置した構成となっている。1段目のユニットUAと2段目のユニットUBはそれぞれ、原水タンク2A,2Bと、少なくとも一つの逆浸透膜装置6A,6Bと、濃縮水循環ラインL5A,L5Bと、処理水タンク7A,7Bと、原水供給ラインL1A,L1Bと、原水供給ラインL1A,L1Bに設けられた第1の弁V1A,V1Bと、を有している。水処理装置1は、原水の主供給ラインL8を有し、主供給ラインL8が1段目のユニットUAの供給ラインL1Aと、2段目のユニットUBの原水の供給ラインL1Bに接続されている。
【0035】
本実施形態の水処理装置1では、1段目のユニットUAと2段目のユニットUBは完全に独立して運転することができる。例えば、1段目のユニットUAの運転中は2段目のユニットUBが原水を受け入れ、2段目のユニットUBの運転中は1段目のユニットUAが原水を受け入れるようにすることができる。これによって、水処理装置1全体としては、常に原水を受け入れることができるので、実質的に連続処理が可能となる。この場合、複数のユニットUA,UBの第1の弁V1A,V1Bは同時に一つしか開かない。また、一時的に大量の原水が発生する場合は1段目のユニットUAと2段目のユニットUBが同時に原水を受け入れるようにすることができる。本実施形態は1段目のユニットUAと2段目のユニットUBが相互に影響しないため、原水の発生状況に合わせて様々な運転方法が可能である。
【0036】
以上本発明のいくつかの実施形態によって説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されない。例えば、濃縮水の戻し先を原水タンク2の上流側の原水槽とすることもできる。原水槽が十分に大きく、仮に濃縮水を原水槽に戻しても、原水タンク2に供給される原水中のホウ素濃度が大きく変動しない場合は、このような構成も可能である。また、第1~第4の実施形態(第1、第2の変形例も含む)は相互に組み合わせることが可能である。例えば、第2の実施形態のイオン交換装置11は他の任意の実施形態または変形例と組み合わせることができる。個々のユニットUA,UBを第3の実施形態またはその変形例(
図4~6)に示すように構成し、これらのユニットUA,UBを第4の実施形態(
図7)に示すように並列に組み合わせることができる。この場合、複数の逆浸透膜装置6A,6Bが各々直列接続された複数のユニットUA,UBが並列に接続されるため、ホウ素濃度の高い原水を高効率で処理することができる。
【符号の説明】
【0037】
1 水処理装置
2 原水タンク
6,6A,6B 逆浸透膜装置
7、7A,7B 処理水タンク
8,9,8A,8B,9A,9B,13 濃度相関パラメータの測定手段
10 濃度取得手段
11 イオン交換装置
12、12A,12B 中間貯蔵タンク
13、13A、13B 熱交換器
L5、L5A,L5B 濃縮水循環ライン
L6 処理水循環ライン
L7 濃縮水戻りライン
L8 原水の主供給ライン
V1~V4 弁