(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023090431
(43)【公開日】2023-06-29
(54)【発明の名称】シール座金およびこれを用いたシール構造
(51)【国際特許分類】
F16B 43/00 20060101AFI20230622BHJP
F16J 15/14 20060101ALI20230622BHJP
【FI】
F16B43/00 C
F16J15/14 C
F16J15/14 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021205390
(22)【出願日】2021-12-17
(71)【出願人】
【識別番号】000156813
【氏名又は名称】関西ガスメータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100138874
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 雅晴
(74)【代理人】
【識別番号】100103012
【弁理士】
【氏名又は名称】中嶋 隆宣
(72)【発明者】
【氏名】▲吉▼田 貴昭
(72)【発明者】
【氏名】岸場 秀悟
(72)【発明者】
【氏名】山下 浩司
(72)【発明者】
【氏名】山本 泰広
【テーマコード(参考)】
3J034
【Fターム(参考)】
3J034AA20
3J034BD05
3J034BD06
3J034CA03
(57)【要約】
【課題】簡便な補修作業でシール性能の維持期間を延ばすことができるシール座金およびこれを用いたシール構造を提供することにある。
【解決手段】ガスメータ10の上部ケース12と、前記上部ケース12に設けたネジ孔12aに外部から螺合一体化され、かつ、前記上部ケース12の内面から突出する復帰操作装置30とからなり、前記ネジ孔12aと前記復帰操作装置30との隙間をシールするシール構造であって、シール座金50の挿通孔51に前記上部ケース12の内面から突出する前記復帰操作装置30の基部を挿通して組み付け、シール材溜め部52に充填した第2シール材41を介し、前記上部ケース12の内面にシール座金50の接合面を接着してシールする。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
挿通孔を有する座金本体に、前記挿通孔の接合面側の開口縁部に沿ってシール材溜め部である環状段部を設けたことを特徴とするシール座金。
【請求項2】
座金本体の露出面および接合面のうち、少なくとも接合面側の外周縁部に面取り部を設けたことを特徴とする請求項1に記載のシール座金。
【請求項3】
挿通孔の露出面側の開口縁部に、シール材溜め部に連通する切り欠き溝を少なくとも一つ設けたことを特徴とする請求項1または2に記載のシール座金。
【請求項4】
機器のハウジングと、
前記ハウジングに設けたネジ孔に外部から螺合一体化され、かつ、前記ハウジングの内面から突出する被シール部材と、からなり、
前記ネジ孔と前記被シール部材との隙間をシールするシール構造であって、
請求項1ないし3のいずれか1項に記載のシール座金の挿通孔に前記ハウジングの内面から突出する前記被シール部材の基部を挿通して組み付け、
シール材溜め部に充填したシール材を介し、ハウジングの内面にシール座金の接合面を接着することにより、前記ハウジングのネジ孔と前記被シール部材との隙間をシールしたことを特徴とするシール構造。
【請求項5】
ハウジングに設けたネジ孔と被シール部材との間にシール材を注入・固化したことを特徴とする請求項4に記載のシール構造。
【請求項6】
シール座金に設けたシール材溜め部の内径が、ハウジングに設けたネジ孔の内径よりも大きいことを特徴とする請求項4または5に記載のシール構造。
【請求項7】
シール座金に設けたシール材溜め部の内面が、ハウジングのネジ孔からはみ出して固化したシール材に接触しない内部空間を有していることを特徴とする請求項4ないし6のいずれか1項に記載のシール構造。
【請求項8】
機器がガスメータであることを特徴とする請求項4ないし7のいずれか1項に記載のシール構造。
【請求項9】
機器の被シール部材が復帰操作装置であることを特徴とする請求項4ないし8のいずれか1項に記載のシール構造。
【請求項10】
ガスメータのハウジングと、前記ハウジングに設けたネジ孔に第1シール材を介して外部から螺合一体化し、かつ、前記ハウジングの内面から突出する復帰操作装置と、の隙間をシールするシール構造であって、
請求項1ないし3のいずれか1項に記載のシール座金の挿通孔に、前記ハウジングの内面から突出する前記復帰操作装置の基部を挿通し、前記シール座金のシール材溜まり部に充填した第2シール材を介し、前記ハウジングの内面に前記シール座金の接合面を接着することにより、前記ハウジングのネジ孔と前記復帰操作装置の基部との隙間をシールしたことを特徴とする請求項4ないし9のいずれか1項に記載のシール構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はシール座金およびシール構造、例えば、ガスメータとこれに取り付けた復帰操作装置との隙間をシールするためのシール座金およびこれを用いたシール構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、シール構造としては、例えば、ガスメータの遮断弁装置に適用したものがある(特許文献1参照)。より具体的には、例えば、
図17に示すガスメータ10に適用した場合がある。
すなわち、ガスメータ10は下部ケース11と、上部ケース12とで形成され、上部ケース12には、後述する遮断弁装置20を復帰させるための復帰操作装置30が取り付けられている。
【0003】
上部ケース12の内部には、
図18に図示するように、ガスの流入口13と、この流入口13に連通する連通口14とを区画する仕切壁15が設けられている。仕切壁15には環状の固定弁座16が取り付けられている。そして、前記固定弁座16を間にして内側に遮断弁装置20が配置されている一方、外側に復帰操作装置30が前記遮断弁装置20と同一直線上で対向するように配置されている。
【0004】
前記遮断弁装置20は、マグネット(図示せず)を内蔵する自己保持形ソレノイド21と、自己保持形ソレノイド21によって軸心方向に往復移動可能なプランジャ22と、前記固定弁座16に接離可能に対向し、かつ、前記プランジャ22に支持された可動弁体23と、自己保持形ソレノイド21と可動弁体23との間に配置され、可動弁体23を固定弁座16側に付勢するコイルバネ24とで構成されている。
【0005】
復帰操作装置30は、
図18および
図19に図示するように、外周面に雄ネジ31aおよび環状リブ31bを備えた外筒体31と、外筒体31の内部にスライド移動可能に装着された内筒体32と、内筒体32内に復帰バネ34を介して挿通され、かつ、一端部に復帰ボタン33aを設けた操作軸33と、操作軸33の他端部に取り付けられ、かつ、外周面が前記固定弁座16内を摺動可能に組み付けられた可動弁座35と、前記外筒体31の内周面と操作軸33の外周面とに摺接しているシールリング36と、前記外筒体31に脱着可能に螺合され、かつ、誤操作を防止するためのキャップカバー37とで構成されている。
【0006】
そして、復帰操作装置30は、外筒体31の雄ネジ31aと、上部ケース12のネジ孔12aとの間に注入した第1シール材40を介して螺合・固定することにより、高いシール性を確保している。
【0007】
前記遮断弁装置20は、通常の定常状態において、
図18に図示するように、コイルバネ24のバネ力に抗し、プランジャ22が自己保持形ソレノイド21内のマグネット(図示せず)に吸着・保持されている。このため、プランジャ22に支持された可動弁体23は固定弁座16から開離し、流入口13と連通口14とが連通してガスが流通している。
【0008】
そして、地震などの異常状態が発生した場合に、
図20に図示するように、制御装置(図示せず)の信号に基づいて自己保持形ソレノイド21内の電磁石(図示せず)に通電され、プランジャ22がマグネット(図示せず)から引き離される。このため、プランジャ22が自己保持形ソレノイド21内のマグネットから離脱し、さらに、コイルバネ24のバネ力によって可動弁体23が押圧され、可動弁体23が固定弁座16に圧接して閉弁状態となる。この結果、流入口13と連通口14とが遮断され、ガスの流通が停止する。
【0009】
ついで、異常状態が解消し、ガス器具を再び使用する場合には、
図21に図示するように、誤操作防止のキャップカバー37を取り外し、復帰ボタン33aを復帰バネ34のバネ力に抗して押し込む。この操作により、操作軸33に支持された可動弁座35が可動弁体23を押し戻し、可動弁体23が固定弁座16から開離する。さらに、可動弁体23がコイルバネ24のバネ力に抗して所定の位置まで押し戻されると、プランジャ22が自己保持形ソレノイド21内のマグネットに吸着されて保持される。このため、可動弁体23が固定弁座16から離間した状態が維持される。そして、復帰ボタン33aから手指を離すと、復帰バネ34のバネ力で操作軸33が元の状態に復帰する。
【0010】
なお、仮に、悪戯で復帰ボタン33aを押し続けても、可動弁座35が固定弁座16に接触し続ける。このため、操作軸33が後退して元の位置に復帰しない限り、流入口13と連通口14とは連通せず、ガスの流通を阻止できるので、より安全性の高い遮断弁装置20が得られる。
【0011】
前述したように、前記ガスメータ10は、上部ケース12のネジ孔12aと復帰操作装置30の外筒体31に設けた雄ネジ31aとの間に第1シール材40を注入し、螺合・固定することにより、信頼性の高いシール構造が採用されている。
【0012】
第1シール材40は使用条件に応じて適宜、選択できるが、一般には、例えば、UV硬化型のアクリレート系樹脂(スリーボンド社製 商品番号 TB3067B)が使用されている。
【0013】
前述のガスメータ10のシール構造では、第1シール材40の経時劣化のより、シール性能が低下するおそれがある。このため、一定期間経過後に、ガスメータ10から復帰操作装置30を取り外し、劣化した古い第1シール材40を除去した後、新たな第1シール材40を再度、注入してシール構造とすることが考えられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかしながら、前述のガスメータ10に第1シール材40を介して固着した復帰操作装置30を取り外すこと自体が容易でない。さらに、劣化した第1シール材40を完全に除去する作業は手間がかかり、補修作業に要するコストが高くなる。
特に、ガスメータ自体を交換する時期が、次回の第1シール材40の取り換える時期よりも早く、短期間だけシール性を確保できればよい場合に、第1シール材40を新たに取り換えなければならないとすると、不必要な補修コストが発生するという問題点がある。
本発明は、前記問題点に鑑み、安全性を十分に確保できることを前提としつつ、簡便な補修作業でシール性能の維持期間を延ばすことができるシール座金およびこれを用いたシール構造を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明に係るシール座金は、前記課題を解決すべく、挿通孔を有する座金本体に、前記挿通孔の接合面側の開口縁部に沿ってシール材溜め部である環状段部を設けた構成としてある。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、座金本体に設けた挿通孔を被シール部材の基部に挿通し、環状段部からなるシール材溜め部に充填したシール材を介して接着一体化することにより、シール作業を簡便に行うことができる。
【0018】
本発明の実施形態としては、座金本体の露出面および接合面のうち、少なくとも接合面側の外周縁部に面取り部を設けておいてもよい。
本実施形態によれば、いわゆる片当たりを防止して接合面積を確保でき、シール性が向上する。
【0019】
本発明の他の実施形態としては、挿通孔の露出面側の開口縁部に、シール材溜め部に連通する切り欠き溝を少なくとも一つ設けておいてもよい。
本実施形態によれば、装着後に切り欠き溝からしみ出したシール材を目視することにより、シール材がシール材溜め部内に充満していることを確認でき、シール構造に対する信頼性が向上する。
【0020】
本発明に係るシール構造は、前記課題を解決すべく、機器のハウジングと、前記ハウジングに設けたネジ孔に外部から螺合一体化され、かつ、前記ハウジングの内面から突出する被シール部材と、からなり、前記ネジ孔と前記被シール部材との隙間をシールするシール構造であって、前述に記載のシール座金の挿通孔に前記ハウジングの内面から突出する前記被シール部材の基部を挿通して組み付け、
シール材溜め部に充填したシール材を介し、ハウジングの内面にシール座金の接合面を接着することにより、前記ハウジングのネジ孔と前記被シール部材との隙間をシールした構成としてある。
【0021】
本発明によれば、ハウジングのネジ孔と前記被シール部材との隙間を、シール座金を利用して簡便な作業でシールできる。
【0022】
本発明の実施形態としては、ハウジングに設けたネジ孔と被シール部材との間にシール材を注入・固化した構成としてもよい。
本実施形態によれば、ハウジングに設けたネジ孔と被シール部材との間に注入したシール材が固化することにより、シール性能がより一層向上し、信頼性が高まる。
特に、ハウジングのネジ孔と被シール部材との間に注入したシール材が経時劣化でシール性能への信頼性が低下する場合であっても、シール座金を後付けすることにより、簡便な補修作業でシール性能の維持期間を延ばすことができる。
【0023】
本発明の別の実施形態としては、シール座金に設けたシール材溜め部の内径は、ハウジングに設けたネジ孔の内径よりも大きくしておいてもよい。
本実施形態によれば、シール座金のシール材溜め部に充填したシール材で、ハウジングのネジ孔と、前記ネジ孔に螺合一体化した被シール部材との隙間をシールできる。
【0024】
本発明の異なる実施形態としては、シール座金に設けたシール材溜め部の内面が、ハウジングのネジ孔からはみ出して固化したシール材に接触しない内部空間を有していてもよい。
本実施形態によれば、ハウジングのネジ孔からはみ出して固化したシール材を、後付けするシール座金に充填したシール材が被覆することにより、シール性能をより一層向上できる。
特に、最初のシール材が経時劣化している場合であっても、シール座金の後付けで使用されるシール材が最初のシール材を被覆することにより、シール性能の維持期間を延ばすことができる。
【0025】
本発明の異なる実施形態としては、機器がガスメータであってもよい。
本実施形態によれば、ガスメータのシール性能の維持期間を簡便な補修作業で延ばすことができる。
【0026】
本発明の異なる実施形態としては、機器の被シール部材が復帰操作装置であってもよい。
本実施形態によれば、復帰操作装置に対するシール性能の維持期間を簡便な補修作業で延ばすことができる。
【0027】
本発明の異なる実施形態としては、ガスメータのハウジングと、前記ハウジングに設けたネジ孔に第1シール材を介して外部から螺合一体化し、かつ、前記ハウジングの内面から突出する復帰操作装置と、の隙間をシールするシール構造であって、前述に記載のシール座金の挿通孔に、前記ハウジングの内面から突出する前記復帰操作装置の基部を挿通し、前記シール座金のシール材溜まり部に充填した第2シール材を介し、前記ハウジングの内面に前記シール座金の接合面を接着することにより、前記ハウジングのネジ孔と前記復帰操作装置の基部との隙間をシールした構成としてもよい。
【0028】
本実施形態によれば、第1シール材が経時劣化によってシール性の信頼性が低下する場合であっても、第2シール材を介してシール座金を後付けすることにより、シール性能の維持期間を簡便な補修作業で迅速、かつ、安価に行うことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】本発明に係るシール座金をガスメータに適用した場合の第1実施形態を示す断面図である。
【
図3】
図1において図示したシール座金を背面側から見た斜視図である。
【
図4】
図1において図示したシール座金を正面側から見た斜視図である。
【
図5】
図1において図示したシール座金の正面図である。
【
図6】
図1において図示したシール座金の背面図である。
【
図7】
図1において図示したシール座金の平面図である。
【
図8】
図1において図示したシール座金の右側面図である。
【
図10】ガスメータに適用したシール座金の第2実施形態を背面側から見た斜視図である。
【
図11】
図10に示したシール座金を正面側から見た斜視図である。
【
図14】ガスメータに適用したシール座金の第3実施形態を示す正面図である。
【
図17】従来例に係るシール構造を適用したガスメータである。
【
図20】従来例に係るガスメータの遮断弁装置の動作後を示す断面図である。
【
図21】従来例に係るガスメータの復帰操作装置の操作途中を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明に係るシール座金は、従来例と同様、ガスメータに適用した場合である。
本実施形態に係るガスメータは従来例において説明したガスメータとほぼ同様であり、異なる点はシール座金を用いた点である。このため、同一部分には同一番号を付して説明を省略する。
【0031】
第1実施形態に係るシール座金は、
図1ないし
図9に図示するように、平面正六角形の金属板からなるものである。シール座金50は、
図3ないし
図9に示すように、その中心に挿通孔51を備え、挿通孔51の背面側縁部に沿って形成した環状段部からなるシール材溜め部52を設けてある。
【0032】
挿通孔51の直径は、シール材溜め部52に充填した第2シール材41が、外筒体の31の外周面と挿通孔51の内周面との隙間から若干量、しみ出すように、外筒体31の外径と同等以上にしておくことが好ましい。充填した第2シール材41が適量であるか否かを確認できるからである。
例えば、外筒体31の直径が14mmである場合には、挿通孔51の直径は0.2ないし1.0mmだけ大きく形成しておいてもよい。0.2mm未満であると、シール座金50を装着しにくくなるからであり、1.0mmを超えると、第2シール材41が挿通孔51から溢れて出てしまうからである。
【0033】
シール材溜め部52は、ネジ孔12aからはみ出して固化した第1シール材40に接触しない内部空間を有していることが好ましい。
すなわち、シール材溜め部52の内径M(
図9)は、ネジ孔12aの直径よりも大きく、ネジ孔12aからしみ出して固化した第1シール材40に接触しない寸法であることが好ましい。
また、シール材溜め部の深さNは、ネジ孔12aからはみ出して固化した第1シール材40に接触しない寸法であることが好ましい。
なお、シール材溜め部52は前述の円環形状に限らず、例えば、平面正方形、平面六角形の凹部あってもよく、必要に応じて平面形状は適宜、選択できることは勿論である。
【0034】
したがって、シール座金50のシール材溜め部52に第2シール材41を注入し、挿通孔51に外筒体31を挿通することにより、第1シール材40を第2シール材41で被覆する。これにより、第1シール材40で生じていると考えられる微細なヒビ割れに第2シール材41が侵入・固化し、かつ、第1シール材40を第2シール材41が被覆して固化することにより、第1シール材40の経時劣化によるシール性の低下を防止できる。
【0035】
シール座金50は、前述の実施形態に限らず、平面正六角形である必要はなく、例えば、平面三角形、四角形、五角形、八角形のみならず、円形であってもよい。
【0036】
第2シール材41は、第1シール材40に親和性を有するものが好ましい。例えば、第1シール材40が前述の紫外線硬化型のアクリレート系樹脂(例えば、スリーボンド社製 商品番号 TB3067B)である場合には、以下の第2シール材41が挙げられる。
第2シール材41としては、例えば、溶剤揮散型の合成ゴム(スリーボンド社製 商品番号 TB1184)、湿気硬化型の脱オキシムタイプのシリコーン樹脂(スリーボンド社製 商品番号 TB1215)、湿気硬化型の脱アセントタイプのシリコーン樹脂(スリーボンド社製 商品番号 TB1207B)、湿気硬化型の脱アミドタイプのシリコーン樹脂(スリーボンド社製 商品番号 TB4332C)、不乾性のアルキッド樹脂(スリーボンド社製 商品番号 TB4320B)等が挙げられる。これらの第1,第2シール材40,41は必要に応じて適宜、組み合わせてもよいことは勿論である。
【0037】
第2実施形態に係るシール座金50は、
図10ないし
図13に示すように、いわゆる片当たりを防止するため、表裏面の角部に面取り加工を施して面取り部53を形成した場合である。適用されるガスメータは第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。
【0038】
本実施形態によれば、シール座金50の片面が上部ケース12の内面に確実に面接触することにより、密着性が向上してシール性が高まるという利点がある。
なお、シール座金50の接合面の角部だけに面取り部53を形成しておいても良いことは勿論である。
【0039】
第3実施形態に係るシール座金50は、
図14ないし
図16に示すように、挿通孔51の内周縁部に、シール材溜め部52に連通する切り欠き溝54を設けた場合である。
本実施形態によれば、シール座金50の挿通孔51と外筒体31の外周面との隙間が小さい場合であっても、切り欠き溝54から第2シール材41がしみ出すことにより、シール材溜め部52内に第2シール材41が充満していることを確認できる。
なお、切り欠き溝54は1ヶ所に限らず、必要に応じて複数個の切り欠き溝を適宜設けてもよいことは勿論である。
【0040】
本実施形態によれば、第2シール材41を充填して取り付けた場合に、シール材溜め部52内の第2シール材41が切り欠き溝54を介して外部にしみ出す。このため、第2シール材41がシール材溜め部52内に十分に満たされたことを確認でき、シール性の信頼性をより一層高めることができるという利点がある。
【実施例0041】
図10に示すようなガスメータ10の上部ケース12に設けたネジ孔12aに、第1シール材を注入せず、復帰操作装置30を直接、螺合・固定した。そして、上部ケース12の内面から突出する復帰操作装置30の外筒体31に第2シール材41を介してシール座金50を装着し、計4台のサンプルを得た。
シール座金50は、巾寸法22mm、厚さ3.5mmの正面正六角形状であり、14mmの挿通孔51を形成するとともに、内径18mm、深さ2.5mmのシール材溜め部52を形成してある。第2シール材41としては、溶剤揮散型の合成ゴム(スリーボンド社製 商品番号 TB1184)を使用した。
【0042】
サンプルを実験室に設置し、室内温度-25℃から70℃まで60分間で加温した後、70℃から-25℃まで60分間で冷却する熱衝撃を1サイクルとし、120サイクルの熱衝撃を加え、その後のシール性を調べた。
【0043】
実施例1の実験の結果、サンプル4台にガス漏れはなく、所望のシール性を確保できていることを確認できた。