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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023090465
(43)【公開日】2023-06-29
(54)【発明の名称】ランドリー機器
(51)【国際特許分類】
   D06F 33/52 20200101AFI20230622BHJP
   D06F 34/18 20200101ALI20230622BHJP
【FI】
D06F33/52
D06F34/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021205431
(22)【出願日】2021-12-17
(71)【出願人】
【識別番号】512128645
【氏名又は名称】青島海爾洗衣机有限公司
【氏名又は名称原語表記】QINGDAO HAIER WASHING MACHINE CO.,LTD.
(71)【出願人】
【識別番号】307036856
【氏名又は名称】アクア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137486
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 雅直
(72)【発明者】
【氏名】川邉 慶久
【テーマコード(参考)】
3B167
【Fターム(参考)】
3B167AA02
3B167AA05
3B167AA24
3B167AB24
3B167AB29
3B167AC21
3B167AD06
3B167AE04
3B167AE05
3B167AE07
3B167AE12
3B167AE13
3B167BA41
3B167BA55
3B167BA82
3B167HA10
3B167HA11
3B167HA31
3B167JA01
3B167JA11
3B167JA32
3B167JA36
3B167JA41
3B167JA52
3B167JA56
3B167JA57
3B167JB03
3B167JC22
3B167KA01
3B167KA02
3B167KA07
3B167KA18
3B167KA52
3B167KA71
3B167KA84
3B167KB01
3B167KB05
3B167KB16
3B167LA07
3B167LA08
3B167LA12
3B167LA23
3B167LA24
3B167LA38
3B167LB01
3B167LB03
3B167LB08
3B167LC02
3B167LC08
3B167LC09
3B167LC14
3B167LC20
3B167LD12
3B167LE02
3B167LE07
3B167LF06
3B167LF07
3B167LG03
3B167LG05
(57)【要約】
【課題】実際に投入された洗濯物の量に応じた適切な運転動作を行うことを可能とする技術の提供。
【解決手段】ランドリー機器100は、外槽2と、外槽内2において回転自在に配置されたドラム3と、ドラム3を回転させる駆動部36と、洗濯物とともにドラム3に投入されるモニタリングデバイス7と、ランドリー機器100を制御する制御部6と、を備え、モニタリングデバイス7が、基体部71と、基体部71に保持され、基体部の動きに伴って変化する値を計測するセンサ72と、センサ72が取得した計測値を制御部6に通知する通信部73と、を備え、制御部6が、ランドリー機器100の制御に用いる制御パラメータの値を、モニタリングデバイス7から取得した計測値に基づいて調整する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ランドリー機器であって、
外槽と、
前記外槽内において回転自在に配置されたドラムと、
前記ドラムを回転させる駆動部と、
洗濯物とともに前記ドラムに投入されるモニタリングデバイスと、
前記ランドリー機器を制御する制御部と、
を備え、
前記モニタリングデバイスが、
基体部と、
前記基体部に保持され、前記基体部の動きに伴って変化する値を計測するセンサと、
前記センサが取得した計測値を前記制御部に通知する通信部と、
を備え、
前記制御部が、
前記ランドリー機器の制御に用いる制御パラメータの値を、前記モニタリングデバイスから取得した前記計測値に基づいて調整する、
ことを特徴とする、ランドリー機器。
【請求項2】
請求項1に記載のランドリー機器であって、
前記制御部が、
前記計測値に基づいて、前記モニタリングデバイスが反復した動きを行う周期であるデバイス周期を特定するデバイス周期特定部と、
前記ドラムの回転周期と前記デバイス周期との乖離量を算出する乖離量算出部と、
前記乖離量に基づいて、前記ドラムの回転数が適正範囲にあるか否かを判定する判定部と、
前記判定部が行った判定結果に応じて、前記ドラムの回転数を調整する回転数調整部と、
を備えることを特徴とする、ランドリー機器。
【請求項3】
請求項2に記載のランドリー機器であって、
前記制御部が、
前記デバイス周期の変化量を表す安定指標値を算出する安定指標値算出部、
を備え、
前記判定部が、
前記ドラムの回転数が適正範囲にないと判定された場合に、前記安定指標値に基づいて、前記ドラムの回転数が前記適正範囲よりも大きいか小さいかを判定する、
ことを特徴とする、ランドリー機器。
【請求項4】
請求項3に記載のランドリー機器であって、
前記判定部が、
前記乖離量が第1閾値以下である場合に、前記ドラムの回転数が適正範囲にあると判定し、
前記乖離量が前記第1閾値よりも大きく、かつ、前記安定指標値が第2閾値以下である場合に、前記ドラムの回転数が前記適正範囲よりも大きいと判定し、
前記乖離量が前記第1閾値よりも大きく、かつ、前記安定指標値が前記第2閾値よりも大きい場合に、前記ドラムの回転数が前記適正範囲よりも小さいと判定する、
ことを特徴とする、ランドリー機器。
【請求項5】
請求項2に記載のランドリー機器であって、
前記制御部が、
前記乖離量と、前記ドラムの回転数が適正範囲にある、前記適正範囲よりも大きい、あるいは、前記適正範囲よりも小さい、のいずれであるかの判定結果とを、教師データとして用いて、機械学習により生成された、前記乖離量から前記判定結果を推定する推定モデルを記憶する記憶部、
を備え、
前記判定部が、前記推定モデルを用いて、前記乖離量算出部が算出した前記乖離量から、前記ドラムの回転数が前記適正範囲にある、前記適正範囲よりも大きい、あるいは、前記適正範囲よりも小さい、のいずれであるかを判定する、
ことを特徴とする、ランドリー機器。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかに記載のランドリー機器であって、
前記センサが、加速度センサである、
ことを特徴とする、ランドリー機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ランドリー機器に関する。
【背景技術】
【0002】
洗濯機、乾燥機、洗濯乾燥機(例えば、特許文献1参照)、などといった、洗濯および乾燥の一方あるいは両方を行うことができる機器(ここでは、このような機器を「ランドリー機器」と総称する)では、一度に洗濯や乾燥を行うことができる洗濯物の量(例えば、質量)が、「容量」として規定されており、容量通りの洗濯物が投入されることを想定して、運転動作に係る各種の制御パラメータが設定されていることが多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-282732号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、実際にランドリー機器が使用される場面では、規定された容量よりも少ない洗濯物しか投入されないことも多い。特に、コインランドリー店舗に設置される大型のランドリー機器は、容量が比較的大きい一方で、様々な使用者が様々な目的で使用するために、投入される洗濯物の量のばらつきも大きく、容量に対して大幅に少ない量の洗濯物が投入されるケースも多い。容量通りの洗濯物が投入されることを想定して制御パラメータが設定されている場合、容量よりも少ない洗濯物しか投入されないと、適切な運転動作が行われない可能性がある。
【0005】
図4には、容量通りの洗濯物が投入される場合と、容量よりも少ない洗濯物しか投入されない場合とで、制御パラメータと運転動作の効率との関係に違いがあるかを検証するために行われた試験の結果が、示されている。図4(a)には、容量が10kgのドラム式の乾燥機に、容量通りの10kgの洗濯物を投入して乾燥運転を行った場合の、ドラムの回転数と乾燥効率との関係が示されている。また、図4(b)には、同じ乾燥機に、3kgの洗濯物を投入して乾燥運転を行った場合の、ドラムの回転数と乾燥効率との関係が示されている。ただし、ここでいう「乾燥効率」とは、単位時間あたりの湿布の質量減少量(g/min)を、回転数が52rpmの場合を基準(100%)にして算出した値である。
【0006】
図4(a)からわかるように、容量通り10kgの洗濯物が投入された場合、75rpm、52rpm、および、35rpmの3個の回転数のうちで、最も高い乾燥効率を実現した回転数は、52rpmであった。一方、図4(b)からわかるように、容量よりも少ない3kgの洗濯物しか投入されなかった場合、該3個の回転数のうちで、最も高い乾燥効率を実現した回転数は、35rpmであった。このように、ドラムの回転数と乾燥効率との関係は、投入される洗濯物の量によって異なるものとなり、最も高い乾燥効率を実現する回転数は、投入される洗濯物の量によって異なる値になることが判明した。
【0007】
したがって、適切な運転動作(例えば、効率的な運転動作)が行われるようにするためには、実際にドラム内に投入された洗濯物の量に応じて制御パラメータの値を調整するべきである。そこで例えば、ランドリー機器に、その全体重量を計測する秤を搭載しておき、洗濯物が投入される前と後との全体重量の変化量から、投入された洗濯物の重さを特定して、これに応じて制御パラメータを調整することが考えられる。ところが、多くのランドリー機器は、それ自体の重量が大きい。特に、コインランドリー店舗などに設置される大型のランドリー機器は、機器自体の重量が数百~千kg程度と非常に大きい。このため、10kg程度の洗濯物の重量を正確に特定することは容易ではない。
【0008】
さらに別の方策として、ドラムを回転させるモータの出力に基づいて、ドラムに投入されている洗濯物の量(負荷量)を特定し、これに応じて制御パラメータを調整することも考えられる。具体的には例えば、ドラム単体を回転させるための基本的なモータの出力(例えば、電流量)と、洗濯物が投入されたドラムを実際に回転させる際のモータの出力との差分から、洗濯物によって与えられる負荷量を特定して、これに応じて制御パラメータを調整することも考えられる。ところが、多くのランドリー機器は、ドラム単体を回転させるためのモータ出力がそもそも大きい。特に、大型のランドリー機器は、モータ出力が数kW程度と非常に大きい。このため、洗濯物の負荷量を正確に特定することは容易ではない。
【0009】
また、適切な運転動作を実現する制御パラメータが、投入された洗濯物の量によって異なる値になる理由の一つは、投入される洗濯物の量によって、ドラム内での洗濯物の動きが違ってくることにある。したがって、洗濯物がドラム内でどのように動いているかを特定して、その動きに応じて制御パラメータを調整することが非常に有効である。そこで例えば、ドラムに加速度センサを取り付けて、その測定値から、洗濯物の動きを推定し、これに応じて制御パラメータを調整することが考えられる。ところが、この場合、加速度センサの測定値から、ドラムの偏心や振動を特定することは可能であるものの、ドラムの偏心や振動から、ここに投入されている洗濯物の動きを正しく推定することは非常に難しい。
【0010】
このように、実際に投入された洗濯物の量に応じて制御パラメータを個別に調整することは容易ではなかったため、容量通りの洗濯物が投入されると想定して、制御パラメータの値を固定的に設定せざるを得ないのが実情であった。
【0011】
そこで、本発明は、実際に投入された洗濯物の量に応じた適切な運転動作を行うことを可能とする技術を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係るランドリー機器は、外槽と、前記外槽内において回転自在に配置されたドラムと、前記ドラムを回転させる駆動部と、洗濯物とともに前記ドラムに投入されるモニタリングデバイスと、前記ランドリー機器を制御する制御部と、を備え、前記モニタリングデバイスが、基体部と、前記基体部に保持され、前記基体部の動きに伴って変化する値を計測するセンサと、前記センサが取得した計測値を前記制御部に通知する通信部と、を備え、前記制御部が、前記ランドリー機器の制御に用いる制御パラメータの値を、前記モニタリングデバイスから取得した前記計測値に基づいて調整する、ことを特徴とする。
【0013】
本発明に係るランドリー機器において、前記制御部が、前記計測値に基づいて、前記モニタリングデバイスが反復した動きを行う周期であるデバイス周期を特定するデバイス周期特定部と、前記ドラムの回転周期と前記デバイス周期との乖離量を算出する乖離量算出部と、前記乖離量に基づいて、前記ドラムの回転数が適正範囲にあるか否かを判定する判定部と、前記判定部が行った判定結果に応じて、前記ドラムの回転数を調整する回転数調整部と、を備えることが好適である。
【0014】
本発明に係るランドリー機器において、前記制御部が、前記デバイス周期の変化量を表す安定指標値を算出する安定指標値算出部、を備え、前記判定部が、前記ドラムの回転数が適正範囲にないと判定された場合に、前記安定指標値に基づいて、前記ドラムの回転数が前記適正範囲よりも大きいか小さいかを判定する、ことが好適である。
【0015】
本発明に係るランドリー機器において、前記判定部が、前記乖離量が第1閾値以下である場合に、前記ドラムの回転数が適正範囲にあると判定し、前記乖離量が前記第1閾値よりも大きく、かつ、前記安定指標値が第2閾値以下である場合に、前記ドラムの回転数が前記適正範囲よりも大きいと判定し、前記乖離量が前記第1閾値よりも大きく、かつ、前記安定指標値が前記第2閾値よりも大きい場合に、前記ドラムの回転数が前記適正範囲よりも小さいと判定する、ことが好適である。
【0016】
本発明に係るランドリー機器において、前記制御部が、前記乖離量と、前記ドラムの回転数が適正範囲にある、前記適正範囲よりも大きい、あるいは、前記適正範囲よりも小さい、のいずれであるかの判定結果とを、教師データとして用いて、機械学習により生成された、前記乖離量から前記判定結果を推定する推定モデルを記憶する記憶部、を備え、前記判定部が、前記推定モデルを用いて、前記乖離量算出部が算出した前記乖離量から、前記ドラムの回転数が前記適正範囲にある、前記適正範囲よりも大きい、あるいは、前記適正範囲よりも小さい、のいずれであるかを判定する、ことが好適である。
【0017】
本発明に係るランドリー機器において、前記センサが、加速度センサである、ことが好適である。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、洗濯物とともにドラムに投入されたモニタリングデバイスの動きに伴って変化する値がセンサによって計測され、その計測値に基づいて、制御パラメータの値が調整される。モニタリングデバイスは、ドラム内で洗濯物と一緒に動くので、モニタリングデバイスの動きは、ドラム内での洗濯物の動きとみなすことができる。つまり、モニタリングデバイスのセンサが取得した計測値は、ドラム内での洗濯物の動きを正しく表している。上記のとおり、適切な運転動作を実現する制御パラメータが、投入された洗濯物の量によって異なる値になる理由の一つは、投入される洗濯物の量によって、ドラム内での洗濯物の動きが違ってくるためであるところ、ドラム内の洗濯物の動きを表す計測値に基づいて制御パラメータの値が調整されることで、実際に投入されている洗濯物の量に応じた、適切な運転動作を行うことが可能となる。
【0019】
本発明によれば、ドラムの回転周期と、モニタリングデバイスが反復した動きを行う周期であるデバイス周期との乖離量に基づいて、ドラムの回転数が適正範囲にあるか否かを判定する。例えば、ドラム内の洗濯物が、ドラムが1回転するごとに1度自由落下しており、該自由落下の周期がドラムの回転周期と同期している場合、洗濯物が自由落下を反復して行う周期が、デバイス周期として検出されることとなり、検出されたデバイス周期はドラムの回転周期と同程度となる。つまり、乖離量が十分に小さな値となる。したがって、例えば、このような洗濯物の動きが形成されるドラムの回転数を、適正範囲と規定する場合、乖離量を指標として用いることで、ドラムの回転数が適正範囲にあるか否かを適切に判定することができる。
【0020】
本発明によれば、デバイス周期の変化量を表す安定指標値に基づいて、ドラムの回転数が適正範囲よりも大きいか小さいかを判定する。例えば、ドラムの回転数が比較的大きいために、洗濯物がドラムの内周面に張り付いて自由落下をしない場合、洗濯物はドラムの内周面に張り付いたままの安定した位置を保つため、デバイス周期は、ほとんど変化しない。つまり、安定指標値が比較的小さな値となる。一方、ドラムの回転数が比較的小さいために、洗濯物がドラムの下部に留まってここで転動する、あるいは、ドラムの上部に到達しない途中位置から自由落下する場合、デバイス周期は不規則に変化し、安定指標値が比較的大きな値となる。このように、ドラムの回転数が比較的大きい場合の洗濯物の動きと、回転数が比較的小さい場合の洗濯物の動きとは、安定指標値を用いて判別することができる。したがって、安定指標値を指標として用いることで、ドラムの回転数が適正範囲よりも大きいか小さいかを適切に判定することができる。
【0021】
本発明によれば、乖離量と安定指標値とをそれぞれ閾値と比較することによって、ドラムの回転数が適正範囲にある、適正範囲よりも大きい、あるいは、適正範囲よりも小さい、のいずれであるかを簡易に判定することができる。
【0022】
本発明によれば、ドラムの回転数が適正範囲にある、適正範囲よりも大きい、あるいは、適正範囲よりも小さい、のいずれであるかを、乖離量と判定結果とを教師データとした機械学習により生成された推定モデルを用いて、判定する。ドラム内での洗濯物の動きと乖離量とは、相関関係を有する。例えば、洗濯物が、ドラムが1回転するごとに1度自由落下しており、該自由落下の周期がドラムの回転周期と同期している場合、ドラムの内周面に張り付いて自由落下をしない場合、ドラムの下部に留まってここで転動する、あるいは、ドラムの上部に到達しない途中位置から自由落下する場合、のそれぞれにおいて、乖離量は異なる傾向を示す。また、ドラム内での洗濯物の動きとドラムの回転数の判定結果も、相関関係を有する。したがって、乖離量と判定結果とを教師データとした機械学習により生成された推定モデルを用いることで、ドラムの回転数の適正判定を適切に行うことができる。
【0023】
本発明によれば、モニタリングデバイスの動きに伴って変化する値を、簡易かつ十分な精度で計測することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の第1実施形態に係る洗濯乾燥機100を前方右斜め上から見た斜視図である。
図2】洗濯乾燥機100を前後方向に沿った鉛直面で切断したときの断面を、右側方から見た概略断面図である。
図3】制御部6の構成を示すブロック図である。
図4】投入される洗濯物の量が異なる各場合において、ドラム3の回転数と乾燥効率との関係を測定した試験結果である。
図5】ドラム3の回転数が異なる各場合について、デバイス周期Tmの推移Fmを測定した試験結果である。
図6】ドラム3の回転数の適正判定、および、これに基づく制御パラメータの調整を実現するための機能構成を示すブロック図である。
図7】ドラム3の回転数の適正判定、および、これに基づく制御パラメータの調整に係る一連の処理の流れを示す図である。
図8】ドラム3の回転数の適正判定に係る一連の処理の流れを示す図である。
図9】ドラム3の回転数の適正判定、および、これに基づく制御パラメータの調整を実現するための機能構成を示すブロック図である。
図10】ドラム3の回転数の適正判定に係る一連の処理の流れを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態に係るランドリー機器について、図面を参照しつつ説明する。なお、上記のとおり、ここでいう「ランドリー機器」とは、洗濯および乾燥の一方あるいは両方を行うことができる機器であり、洗濯機、乾燥機、洗濯乾燥機、などが含まれる。
【0026】
<1.第1実施形態>
<1-1.洗濯乾燥機の構成>
第1実施形態に係るランドリー機器(ここでは、洗濯乾燥機)の構成について、図1図2を参照しながら説明する。図1は、洗濯乾燥機100を前方右斜め上方から見た図である。図2は、洗濯乾燥機100を前後方向に沿った鉛直面で切断したときの断面を、右側方から見た概略断面図である。
【0027】
洗濯乾燥機100は、衣類や布製品等に対する洗濯および乾燥の一方あるいは両方を実行することができるドラム式の洗濯乾燥機であり、ランドリー機器の一態様である。洗濯乾燥機100は、例えば、コインランドリー店舗に設置されて利用される業務用のランドリー機器である。
【0028】
洗濯乾燥機100は、筐体1の内部に、外部の給水設備等から供給される水を溜めるための外槽2、洗濯物9等を収容するためのドラム3、外槽2に対する加熱空気の供給および排気を行う吸気部4および排気部5、各部を制御する制御部6、等が収容された構成を備える。また、洗濯乾燥機100は、洗濯物9とともにドラム3に投入されて洗濯物9の動きを検出するモニタリングデバイス7を備える。
【0029】
(筐体1)
筐体1は、外槽2およびドラム3などを収容する外殻である。筐体1の前面壁には、開口11が形成される。後述するように、外槽2およびドラム3には、洗濯物9を出し入れするための出入口21,31が、互いに重なる位置に設けられており、開口11は、これらの出入口21,31と重なる位置に設けられる。また、開口11は、各出入口21,31と略同一、あるいはこれらよりも僅かに大きいサイズとされる。開口11には、これと外槽2の出入口21とを液密に閉鎖する開閉自在の扉部12が設けられる。
【0030】
(外槽2)
外槽2は、外部の給水設備などから供給される水を貯める槽であり、円筒形状であって、その中心軸Qを略水平に延在させるような姿勢で配置される。外槽2は、後面に円板状の板部材が設けられることで、後端が閉鎖される。また、外槽2は、前面に円環状の板部材が設けられることで、前端に円形の出入口21が形成されている。
【0031】
外槽2の後面には、開口22が設けられており、ここに、外槽2に水を給水する給水管221の一端が接続される。給水管221の他端は、筐体1の背面に設けられた開口を挿通されて、外部の給水設備などと接続される。給水管221の途中部分には、給水バルブ222が設けられている。このような構成において、給水バルブ222が開状態とされると、外部の給水設備などから供給される水が、給水管221を介して外槽2に流入して、外槽2に溜められる。
【0032】
外槽2の最下部には、開口23が設けられており、ここに、外槽2に溜められた水を排水する排水管231の一端が接続される。排水管231の他端は、筐体1の背面に設けられた開口を挿通されて、外部の排水設備などと接続される。排水管231の途中部分には、排水バルブ232が設けられている。このような構成において、排水バルブ232が開状態とされると、外槽2に溜められている水が、排水管231を介して外槽2から流出して、筐体1の外部に排水される。
【0033】
(ドラム3)
ドラム3は、外槽2とともに洗濯槽を構成する要素であり、外槽2の内部に配置される。ドラム3は、外槽2と同様、円筒形状であって、その中心軸が外槽2の中心軸Qと同軸になるような姿勢で、配置される。また、ドラム3は、外槽2と同様、後面に円板状の板部材が設けられることで、後端が閉鎖される。さらに、ドラム3は、前面に円環状の板部材が設けられることで、前端に円形の出入口31が形成されている。
【0034】
ドラム3の周壁には、ほぼ全周にわたって多数の孔32が穿孔されており、ドラム3の内部はこれらの孔32を介して外槽2の内部と連通している。したがって、外槽2に供給された水は、孔32を通過してドラム3内にも流入する。また、ドラム3の内側面には、ドラム3に収容された洗濯物9を持ち上げるための突起であるバッフル33が、突設されている。
【0035】
ドラム3は、その中心軸の回りで回転自在に設けられており、ドラム3の後方にはこれを回転させるための機構が配置されている。すなわち、ドラム3の後面の中央部分には、後方へ突出する回転軸34が設けられており、この回転軸34は、外槽2の後面に設けられた軸受け35によって回転自在に保持されている。一方、外槽2の後方下寄りの箇所には、ドラム3を回転駆動するための駆動部であるモータ36が、配置されている。ドラム3に設けられた回転軸34にはドラムプーリ341が、モータ36の駆動軸にはモータプーリ361が、それぞれ取り付けられており、ドラムプーリ341とモータプーリ361との間にベルト37が掛け回されている。したがって、モータ36が駆動されると、その駆動力が、モータプーリ361、ベルト37、および、ドラムプーリ341を介して回転軸34に伝達され、ドラム3が回転する。
【0036】
(吸気部4)
吸気部4は、2個の吸気ダクト(第1吸気ダクト41および第2吸気ダクト42)と、両吸気ダクト41,42を接続するダクト連結管43と、を備える。第1吸気ダクト41は、外槽2の周面壁(例えば、周面壁の右斜め上側の部分)と接続されており、外槽2に設けられた流入口24を介して、外槽2の内部と連通している。上記のとおり、第1吸気ダクト41は、ダクト連結管43を介して、第2吸気ダクト42と接続されており、第2吸気ダクト42は、一端部を、筐体1に設けられた吸気口13と対向配置させるようにして、筐体1に対して固定される。
【0037】
第2吸気ダクト42の内部には、ヒータ44が設けられる。ヒータ44は、例えば外部のガス供給路(図示省略)から供給されるガスを燃焼させ、その燃焼熱により周囲の空気を加熱するガスヒータであり、制御部6からの制御に応じて、そのオンとオフとが切り替えられる。
【0038】
このような構成において、後述するファン54が駆動されるとともに、ヒータ44がオン状態とされると、第2吸気ダクト42内の空気が加熱され、該加熱された空気(加熱空気)が、ダクト連結管43および第1吸気ダクト41を通じて、外槽2内に供給される。すなわち、乾燥運転において、洗濯物9を乾燥させるための加熱空気が、外槽2内(ひいては、ドラム3内)に供給される。
【0039】
(排気部5)
排気部5は、2個の排気ダクト(第1排気ダクト51および第2排気ダクト52)と、両排気ダクト51,52を接続するダクト連結管53と、を備える。第1排気ダクト51は、外槽2の周面壁(例えば、周面壁の左斜め上側の部分)と接続されており、外槽2に設けられた流出口25を介して、外槽2の内部と連通している。上記のとおり、第1排気ダクト51は、ダクト連結管53を介して、第2排気ダクト52の一端部と連通している。第2排気ダクト52は、開口端521を、筐体1に設けられた連通口14を通じて筐体1の外部に露出させており、該露出した部分において、外部の排気設備に接続される。
【0040】
第2排気ダクト52の内部にはファン54が配置され、第2排気ダクト52の内部であってファン54よりも上流側(ダクト連結管53の側)の位置には、フィルタ55が設けられる。フィルタ55は、ファン54に近づくにつれて斜め上側に向かう方向に傾斜して、第2排気ダクト52の内部を区切るように設けられている。また、フィルタ55のメンテナンスなどを行うために、筐体1および第2排気ダクト52には、互いに重なる位置に、メンテナンス用の開口15,522がそれぞれ設けられており、筐体1には、これらの開口15,522を閉鎖する開閉自在の扉部16が設けられる。
【0041】
このような構成において、ファン54が駆動されると、筐体1に設けられた吸気口13からファン54に至るまでの経路(すなわち、第2吸気ダクト42、ダクト連結管43、第1吸気ダクト41、外槽2、第1排気ダクト51、ダクト連結管53、および、第2排気ダクト52、によって形成される経路)が、負圧となり、該経路に、吸気口13からファン54に向かう方向の空気の流れが形成される。第2排気ダクト52に流入した空気は、ここに含まれる埃、塵、リント(例えば、糸屑、毛羽)、などが、フィルタ55で捕獲されて清浄化された上で、開口端521を介して筐体1の外部に排出される。
【0042】
(制御部6)
制御部6は、洗濯乾燥機100を制御する。制御部6は、具体的には例えば、マイクロコンピュータなどで構成されており、図3に示されるように、中央演算処理装置であるCPU61、RAM等の揮発性記憶装置からなるメモリ62、ROM等の不揮発性記憶装置からなる記憶部63、無線通信などを介して外部機器(例えば、後述するモニタリングデバイス7)と通信を行うためのインターフェースである通信部64、時間のカウントを行うタイマ65、等を含んで構成される。
【0043】
制御部6は、洗濯乾燥機100が備える各部と接続されており、これら各部を制御することによって、洗濯乾燥機100において一連の運転動作を実行させる。具体的には、制御部6は、給水バルブ222、排水バルブ232、モータ36、ヒータ44、ファン54、等と接続されており、これら各部を制御する。また、洗濯乾燥機100には、利用者から各種の操作を受け付ける操作パネル、および、利用者に各種の情報を表示する表示パネルが設けられており(いずれも図示省略)、制御部6は、操作パネルおよび表示パネルとも接続されている。さらに、洗濯乾燥機100には、各種の検知部(例えば、外槽2内の水位を検知する水位検知部、扉部12の開閉状態を検出する開閉検知部、筐体1に設けられた図示しないコイン投入口からコインが投入されたことを検知するコイン検知部、等(いずれも図示省略))が設けられており、制御部6は、これらの検知部とも接続されている。
【0044】
(モニタリングデバイス7)
モニタリングデバイス7は、洗濯物9とともにドラム3に投入される機器であり、基体部71と、センサ72と、通信部73と、電源部74と、を備える。
【0045】
基体部71は、センサ72、通信部73、および、電源部74を保持する基体となる要素である。基体部71は、具体的には例えば、中空部を有する球状体により構成することができる。この場合、基体部71の中空部に、センサ72、通信部73、および、電源部74が収容される。ただし、中空部の容積が、ここに収容されるセンサ72などのサイズに対して大きい場合、中空部内でセンサ72が動かないように(すなわち、センサ72が基体部71に対して動かないように)、センサ72が、接着剤などを用いて、基体部71の内周壁などに対して固定されることが好ましい。また、基体部71は、洗濯物9と一体になってこれと同じ動きをするように、適度な柔らかさを有することが好ましい。また、外表面が、適度な滑りにくさを有することも好ましい。また、そのサイズは、洗濯物9に対して十分に小さい(球状体の場合、例えば、直径が十センチメートル以下である)ことが好ましい。
【0046】
センサ72は、基体部71に保持されて、基体部71の動きに伴って変化する値を計測する。センサ72は、具体的には例えば、加速度センサ(一例として、3軸加速度センサ)により構成することができる。
【0047】
通信部73は、センサ72が取得した計測値を、制御部6に通知する。通信部73は、具体的には例えば、無線通信を介して制御部6の通信部64と通信を行うインターフェースである。一例として、通信部73は、Bluetooth(登録商標)によって制御部6の通信部64と接続(ペアリング)されることによって、通信部64との間で相互に無線通信が可能とされている。もっとも、両通信部64,73の間の接続は、Bluetooth(登録商標)に限定されるものではなく、他の各種の無線通信規格を採用することができる。
【0048】
電源部74は、センサ72および通信部73に電力を供給するための電力供給部である。電源部74は、具体的には例えば、電池、センサ72および通信部73と電池とを接続する導線、などを含んで構成される。
【0049】
<1-2.運転動作の概要>
次に、洗濯乾燥機100の運転動作の一例について、引き続き図1図2を参照しながら、概略的に説明する。洗濯乾燥機100で行われる一連の運転動作は、制御部6が、洗濯乾燥機100が備える各部を制御することによって、進行する。
【0050】
まず、利用者が、筐体1の扉部12を開けて、ドラム3内に、洗濯物9とモニタリングデバイス7とを投入して、扉部12を閉じる。洗濯乾燥機100では、複数の運転コース(例えば、洗濯および乾燥を行う洗濯乾燥運転コース、洗濯のみを行う洗濯運転コース、乾燥のみを行う乾燥運転コース、など)を実行可能であり、利用者は、操作パネルなどを通じて希望する運転コースを選択する。利用者が、コイン投入口からコインを投入するとともに、操作パネルなどを通じて運転動作の開始指示を入力すると、運転動作が開始される。以下においては、洗濯乾燥運転コースが選択された場合を例にとって説明する。
【0051】
(洗い工程)
運転動作の開始指示が受け付けられると、給水バルブ222が開状態とされて、外槽2に水が供給される。外槽2に供給された水は、孔32を通過してドラム3内にも流入する。所定量の水が供給されると、給水バルブ222が閉状態とされる。そして、モータ36が駆動されることによって、ドラム3が所定の回転数で回転され、洗濯物9の洗いが進行する。具体的には例えば、ドラム3が1回転する毎に、水を含んだ洗濯物9がバッフル33によって持ち上げられて1度自由落下し、これによって洗濯物9の洗いが効率的に進行する(いわゆる、叩き洗い)。ドラム3に投入されている洗濯物9が動くと、洗濯物9とともにドラム3内に投入されているモニタリングデバイス7も、洗濯物9と一緒になって動く。以下の各工程においても同様である。
【0052】
(中間脱水工程)
洗い工程が終了すると、排水バルブ232が開状態とされ、外槽2に溜められていた水が、排水管231を介して排水される。排水が完了すると、モータ36が駆動されることによって、ドラム3が十分に大きい回転数で回転される。ドラム3が高速で回転されることによって、ドラム3内の洗濯物9に含まれる水が、孔32を通ってドラム3の外に放出される。すなわち、洗濯物9が脱水される。
【0053】
(すすぎ工程)
中間脱水工程が終了すると、排水バルブ232が閉状態とされるとともに、給水バルブ222が開状態とされて、外槽2に水が供給される。所定量の水が供給されると、給水バルブ222が閉状態とされる。そして、モータ36が駆動されることによって、ドラム3が所定の回転数で回転され、洗濯物9のすすぎが進行する。
【0054】
(最終脱水工程)
すすぎ工程が終了すると、排水バルブ232が開状態とされ、外槽2に溜められていた水が、排水管231を介して排水される。排水が完了すると、モータ36が駆動されることによって、ドラム3が十分に大きい回転数で回転される。ドラム3が高速で回転されることによって、ドラム3内の洗濯物9に含まれる水が、孔32を通ってドラム3の外に放出される。すなわち、洗濯物9が脱水される。
【0055】
(乾燥工程)
最終脱水工程が終了すると、ファン54が駆動されるとともに、ヒータ44がオン状態とされる。ファン54が駆動されることによって、筐体1に設けられた吸気口13からファン54に至るまでの経路が負圧となり、該経路に、吸気口13からファン54に向かう方向の空気の流れが形成される。
【0056】
具体的には、筐体1の外部から、吸気口13を通じて第2吸気ダクト42内に吸い込まれた空気が、ダクト連結管43および第1吸気ダクト41を順に流れ、流入口24を介して外槽2内に供給される。ここで、吸気口13を通じて第2吸気ダクト42内に吸い込まれた空気は、第2吸気ダクト42に配置されているヒータ44によって加熱されることによって、加熱空気とされている。つまり、外槽2には、加熱空気が供給されることになる。外槽2に供給された加熱空気は、ドラム3内に流入し、ドラム3内に投入されている洗濯物9と熱交換して、洗濯物9に含まれる水分を気化させる。
【0057】
洗濯物9の乾燥に用いられた空気は、流出口25を介して外槽2から流出して、第1排気ダクト51およびダクト連結管53を順に流れて、第2排気ダクト52に流入する。第2排気ダクト52に流入した空気は、フィルタ55で清浄化された上で、開口端521を介して筐体1の外部に排出される。
【0058】
一方、乾燥工程においては、モータ36が駆動されることによって、ドラム3が回転される。後に明らかになるように、ドラム3の回転数が適正である場合、洗濯物9は、ドラム3の回転に伴って持ち上げられて、ドラム3の上部に到達したときに自由落下する、という動きをしており、これによって洗濯物9の乾燥が効率的に進行する。ただし、このように乾燥を効率的に進めることができるドラム3の回転数の適正範囲は、実際に投入されている洗濯物9の量によって異なるものとなる(図4参照)。この洗濯乾燥機100では、投入される洗濯物9の量に応じた適正な回転数の下で効率的な乾燥が進むように、乾燥工程が行われる間、ドラム3の回転数の調整が行われる。この点について、以下に具体的に説明する。
【0059】
<1-3.ドラム3の回転数の調整>
上記のとおり、乾燥を効率的に進めることができるドラム3の回転数の適正範囲は、実際に投入されている洗濯物9の量によって異なるものとなるが、その理由は、回転数が同じであっても、投入される洗濯物9の量によって、ドラム3内での洗濯物9の動きが違ってくるためである。つまり、乾燥が効率的に進むような洗濯物9の動きを実現するためのドラム3の回転数が、投入されている洗濯物9の量によって異なるためである。
【0060】
そこで、この洗濯乾燥機100では、制御部6が、乾燥工程が行われる間、ドラム3内において洗濯物9と一緒になって動いているモニタリングデバイス7から、その動きに伴って変化する計測値(センサ72が加速度センサである場合、加速度値)を取得し、該取得した計測値に基づいて、ドラム3の回転数を調整する。具体的には、制御部6は、モニタリングデバイス7から取得した計測値を用いて、ドラム3の回転数の適正判定(具体的には、ドラム3の回転数が、適正範囲にある、適正範囲よりも大きい、適正範囲よりも小さい、のいずれであるかの判定)を行い、その判定結果に基づいて、乾燥が効率的に進むような洗濯物9の動きが実現されるように、ドラム3の回転数を調整する。
【0061】
<i.適正判定に用いるパラメータ>
ここでは、ドラム3の回転数の適正判定を行うために、「乖離量D」と「安定指標値S」の2種類のパラメータを導入する。
【0062】
乖離量Dは、以下の(式1)で与えられる値である。ただし、以下の(式1)において、「Td」は、ドラム3の回転周期である。また、「Tm」は、モニタリングデバイス7が反復した動きを行う周期である(以下「デバイス周期」という)。具体的には例えば、センサ72の計測値(例えば、センサ72が3軸加速度センサである場合、各軸方向の加速度ベクトルの合成ベクトル値)のピークを検出し、隣り合うピークの時間間隔を、デバイス周期Tmとする。例えば、モニタリングデバイス7が、自由落下を反復して行っている場合、自由落下の加速度がピークとして検出される。つまり、自由落下を反復する周期が、デバイス周期Tmとして検出されることになる。
D=|Td-Tm| ・・・(式1)
【0063】
上記の(式1)から規定される乖離量Dは、ドラム3の回転周期Tdとデバイス周期Tmとが、どれだけ乖離しているかを表している。モニタリングデバイス7は、ドラム3内で洗濯物9と一緒に動くので、モニタリングデバイス7の動きは、洗濯物9の動きとみなすことができる。したがって、乖離量Dは、ドラム3の回転周期Tdと、ここに投入されている洗濯物9が反復した動きを行う周期とが、どれだけ乖離しているかを表している。
【0064】
一方、「安定指標値S」は、以下の(式2)で与えられる値である。ただし、(式2)において、「Tm(i)(i=1,2,・・・)」は、i番目に取得された、デバイス周期である。
S=|Tm(n)-Tm(n-1)| ・・・(式2)
【0065】
上記の(式2)から規定される安定指標値Sは、あるタイミングにおけるデバイス周期Tm(n)と、その前のタイミングにおけるデバイス周期Tm(n-1)との差、すなわち、デバイス周期Tmの変化量を表している。安定指標値Sの値が小さいほど、モニタリングデバイス7の動きの変化が乏しく(つまり、動きが安定しており)、安定指標値Sが大きいほど、モニタリングデバイス7の動きの変化が大きい(つまり、動きが不安定である)。上記のとおり、モニタリングデバイス7の動きは、ドラム3に投入されている洗濯物9の動きとみなすことができるので、安定指標値Sは、洗濯物9の動きの安定性を表している。
【0066】
ここで、乖離量Dおよび安定指標値Sと、ドラム3の回転数との関係を把握するために行われた試験について説明する。この試験では、容量が10kgの洗濯乾燥機に、容量通りの10kgの洗濯物9を投入するという共通条件のもとで、ドラム3を、35rpm、52rpm、あるいは、75rpmでそれぞれ回転させて乾燥工程を行って、各場合における回転周期Tdの推移とデバイス周期Tmの推移とを測定した。
【0067】
図5には、この試験の結果が示されている。ここに示されるグラフは、縦軸が回転数(rpm)、横軸が時間(min)を表すものであり、ドラム3の回転数(回転周期Tdの逆数)の推移Fdと、モニタリングデバイス7の回転数(デバイス周期Tmの逆数)の推移Fmとが、それぞれ示されている。図5(a)のグラフは、ドラム3を52rpmで回転させた場合であり、図5(b)のグラフは、ドラム3を75rpmで回転させた場合であり、図5(c)のグラフは、ドラム3を35rpmで回転させた場合である。ただし、グラフの一端から他端までの全体時間は、図5(a)および図5(b)が25分であり、図5(c)が40分である。
【0068】
52rpmでドラム3を回転させた場合(図5(a))、デバイス周期Tmは、ドラム3の回転周期Tdとほぼ同じ値で、比較的安定して推移する。このとき、洗濯物9は、ドラム3の回転に伴って持ち上げられて、ドラム3の上部に到達したときに自由落下していると考えられる。つまり、洗濯物9は、ドラム3が1回転するごとに1度自由落下しており、該自由落下の周期がドラム3の回転周期Tdと同期していると考えられる。すなわち、このような状況では、洗濯物9が自由落下を反復して行う周期が、デバイス周期Tmとして検出されるところ、自由落下を反復して行う周期がドラム3の回転周期Tdと同期しているために、検出されたデバイス周期Tmはドラム3の回転周期Tdと同程度となる。つまり、乖離量Dが、十分に小さな値となる。また、このような状況では、洗濯物9はほぼ一定の周期で自由落下を繰り返すので、状態の変化が生じにくく、デバイス周期Tmは安定して推移する。このため、デバイス周期Tmの変化量である安定指標値Sは、比較的小さい値となる。
【0069】
一方、75rpmでドラム3を回転させた場合(図5(b))、デバイス周期Tmは、ドラム3の回転周期Tdから比較的大きく乖離した値で、安定して推移する。このとき、洗濯物9は、遠心力によってドラム3の内周面に張り付いており、ドラム3が回転しても、洗濯物9が自由落下をしていないと考えられる。すなわち、このような状況では、ドラム3の回転周期Tdと同期するような自由落下の周期がデバイス周期Tmとして検出されることがないので、乖離量Dが十分に小さな値とはならない。また、このような状況では、洗濯物9はドラム3の内周面に張り付いたままの安定した位置を保つため、状態の変化が生じにくく、デバイス周期Tmは安定して推移する。このため、安定指標値Sは、比較的小さい値となる。
【0070】
また、35rpmでドラム3を回転させた場合(図5(c))、デバイス周期Tmは、比較的大きな変動を示す。このとき、洗濯物9は、持ち上げられずにドラム3の下部に塊となって留まってここで転動している、あるいは、ドラム3の上部に到達しない途中位置から自由落下している、と考えられる。すなわち、このような状況では、洗濯物9の動きが不規則なものとなるため、デバイス周期Tmは不規則に変化する。したがって、乖離量Dも大きく変動し、乖離量Dが比較的大きな値となるタイミングが現れる。また、このような状況では、洗濯物9の位置や動きは安定しない。このため、安定指標値Sは、比較的大きい値となる。
【0071】
上記の試験に係る共通条件(すなわち、容量が10kgの洗濯乾燥機に、容量通りの10kgの洗濯物9を投入するという共通条件)の下では、ドラム3を52rpmで回転させた場合に、乾燥効率が高くなる(図4(a))。したがって、乾燥工程に関していえば、ドラム3が1回転するごとに洗濯物9が1度自由落下し、該自由落下の周期がドラム3の回転周期Tdと同期しているような動きが形成されるドラム3の回転数を、適正範囲と規定することが適切であることがわかる。上記のとおり、このような動きが形成されている場合、乖離量Dが十分に小さな値となる(図5(a))。したがって、乾燥工程に関していえば、乖離量Dが十分に小さな値となる場合に、ドラム3の回転数が適正範囲にあると判定することができる。
【0072】
また、乾燥工程に関していえば、洗濯物9がドラム3の内周面に張り付いて自由落下をしない動きが形成されるようなドラム3の回転数は、適正範囲よりも大きい(回転が速すぎる)と規定することが適切である。上記のとおり、このような動きが形成されている場合、乖離量Dが比較的大きな値となり、安定指標値Sが比較的小さな値となる(図5(b))。したがって、乖離量Dが比較的大きな値となり、かつ、安定指標値Sが比較的小さな値となる場合に、ドラム3の回転数が適正範囲よりも大きいと判定することができる。
【0073】
またさらに、乾燥工程に関していえば、洗濯物9がドラム3の下部に塊となって留まってここで転動する、あるいは、洗濯物9がドラム3の上部に到達しない途中位置から自由落下する、といった動きが形成されるようなドラム3の回転数は、適正範囲よりも小さい(回転が遅すぎる)と規定することが適切である。上記のとおり、このような動きが形成されている場合、乖離量Dが比較的大きな値となり、安定指標値Sが比較的大きな値となる(図5(c))。したがって、乖離量Dが比較的大きな値となり、かつ、安定指標値Sが比較的大きな値となる場合に、ドラム3の回転数が適正範囲よりも小さいと判定することができる。
【0074】
<ii.機能構成>
次に、ドラム3の回転数の適正判定、および、これに基づく制御パラメータの調整を実現するための機能構成について、図6を参照しながら説明する。図6は、該機能構成を示すブロック図である。
【0075】
ドラム3の回転数の適正判定およびこれに基づく制御パラメータの調整を実現するための機能構成として、制御部6は、送出指示部601と、デバイス周期特定部602と、乖離量算出部603と、安定指標値算出部604と、判定部605と、回転数調整部606と、を備える。これら各部601~606は、例えば、制御部6を構成するマイクロコンピュータが、メモリ62に格納されたプログラムを実行することによって実現される。
【0076】
送出指示部601は、通信部64を介して、モニタリングデバイス7に、センサ72が取得した計測値の送出を開始する旨の指示(送出開始指示)、および、該計測値の送出を停止する旨の指示(送出停止指示)を送信する。具体的には例えば、送出指示部601は、乾燥工程が開始された後、ドラム3の回転数が、予め規定された回転数に到達するのを待って、それ以後のタイミングで、モニタリングデバイス7に、送出開始指示を送信する。また、送出指示部601は、乾燥工程が終了されると、通信部64を介して、モニタリングデバイス7に、送出停止指示を送信する。モニタリングデバイス7は、送出開始指示を受信すると、これに応じて、センサ72が取得した計測値を、通信部73を通じて制御部6に送出する動作を、送出停止指示が受信されるまで継続して行う。
【0077】
デバイス周期特定部602は、モニタリングデバイス7から取得した計測値に基づいて、デバイス周期Tmを特定する。具体的には例えば、デバイス周期特定部602は、所定のサンプリング時間分(例えば、5秒間分)の計測値から、ピークを検出し、隣り合うピークの時間間隔を、デバイス周期Tmとして特定する。デバイス周期特定部602は、特定したデバイス周期Tmを、乖離量算出部603と安定指標値算出部604に通知する。
【0078】
乖離量算出部603は、ドラム3の回転周期Tdとデバイス周期Tmとの乖離量Dを算出する。具体的には、乖離量算出部603は、デバイス周期特定部602から通知されたデバイス周期Tmと、ドラム3の回転数(すなわち、計測値が取得された際のドラム3の回転数)との間の乖離量Dを、上記の(式1)を用いて算出する。そして、算出された乖離量Dを、判定部605に通知する。
【0079】
安定指標値算出部604は、デバイス周期Tmの変化量を表す安定指標値Sを算出する。具体的には、安定指標値算出部604は、デバイス周期特定部602から通知されたデバイス周期Tmを、最新のデバイス周期Tm(i)とし、これと、一つ前に通知されていたデバイス周期Tm(i-1)とを用いて、上記の(式2)から、安定指標値Sを算出する。そして、算出された安定指標値Sを、判定部605に通知する。
【0080】
判定部605は、乖離量算出部603から通知された乖離量Dと、安定指標値算出部604から通知された安定指標値Sとに基づいて、ドラム3の回転数に係る適正判定を行う。
【0081】
具体的には、判定部605は、通知された乖離量Dに基づいて、ドラム3の回転数が適正範囲にあるか否かを判定する。より具体的には、判定部605は、乖離量Dを所定の閾値(第1閾値)Wdと比較し、乖離量Dが第1閾値Wd以下である場合に、ドラム3の回転数が適正範囲にあると判定し、乖離量Dが第1閾値Wdよりも大きい場合に、ドラム3の回転数が適正範囲にないと判定する。第1閾値Wdの具体的な値は、任意に規定することが可能であり、例えば、洗濯乾燥機100の容量などに応じて、適宜に規定される。
【0082】
また、判定部605は、ドラム3の回転数が適正範囲にないと判定された場合に、通知された安定指標値Sに基づいて、ドラム3の回転数が適正範囲よりも大きいか小さいかを判定する。より具体的には、判定部605は、安定指標値Sを所定の閾値(第2閾値)Wsと比較し、安定指標値Sが第2閾値Ws以下である場合(すなわち、乖離量Dが第1閾値Wdよりも大きく、かつ、安定指標値Sが第2閾値Ws以下である場合)に、ドラム3の回転数が適正範囲よりも大きいと判定し、安定指標値Sが第2閾値Wsよりも大きい場合(すなわち、乖離量Dが第1閾値Wdよりも大きく、かつ、安定指標値Sが第2閾値Wsよりも大きい場合)に、ドラム3の回転数が適正範囲よりも小さいと判定する。第2閾値Wsの具体的な値は、任意に規定することが可能であり、例えば、洗濯乾燥機100の容量などに応じて、適宜に規定される。
【0083】
回転数調整部606は、判定部605が行った判定結果に応じて、ドラム3の回転数を調整する。具体的には例えば、回転数調整部606は、ドラム3の回転数が適正範囲よりも大きいと判定された場合に、モータ36を制御して、ドラム3の回転数を所定の変化幅だけ小さくする。また、回転数調整部606は、ドラム3の回転数が適正範囲よりも小さいと判定された場合に、モータ36を制御して、ドラム3の回転数を所定の変化幅だけ大きくする。いうまでもなく、ドラム3の回転数が適正範囲にあると判定された場合は、回転数調整部606は、ドラム3の回転数を変化させない。回転数の変化幅の具体的な値は、任意に規定することが可能である。また、回転数を減少させる場合の変化幅と、回転数を増大させる場合の変化幅とは、同じ値であってもよいし、異なる値であってもよい。
【0084】
<iii.処理の流れ>
次に、ドラム3の回転数の適正判定、および、これに基づく制御パラメータの調整に係る一連の処理の流れについて、図7を参照しながら説明する。図7は、該一連の処理の流れを示す図である。以下においては、乾燥工程におけるドラム3の回転数の適正判定を行って、これに基づいてドラム3の回転数を調整する場合を例にとって説明する。
【0085】
ステップS1
上記のとおり、乾燥工程が開始されると、外槽2への加熱空気の供給が開始されるとともに、ドラム3の回転が開始される。ドラム3の回転数は、予め規定された回転数(デフォルト回転数)まで上昇される。
【0086】
ステップS2
送出指示部601は、ドラム3の回転数が、デフォルト回転数に到達して、該デフォルト回転数で一定に回転される状態になったか否かを判断する。
【0087】
ステップS3
送出指示部601は、ドラム3がデフォルト回転数で一定に回転される状態になったと判断すると(ステップS2でYES)、通信部64を介して、モニタリングデバイス7に、センサ72が取得した計測値の送出を開始する旨の指示(送出開始指示)を送信する。モニタリングデバイス7は、送出開始指示を受信すると、これに応じて、センサ72が取得した計測値を、通信部73を通じて制御部6に送出する動作を開始する。
【0088】
ステップS4
送出開始指示を送出した後、送出指示部601は、乾燥工程が継続されているか否かを判断し、乾燥工程が終了していると判断した場合は、通信部64を介して、モニタリングデバイス7に、センサ72が取得した計測値の送出を停止する旨の指示(送出停止指示)を送信する。モニタリングデバイス7は、送出停止指示を受信するまで、センサ72が取得した計測値を制御部6に送出する動作を継続する。つまり、少なくとも乾燥工程が継続される間は、モニタリングデバイス7から制御部6に計測値が送出され続ける。
【0089】
ステップS5
続いて、所定のサンプリング時間分の計測値が取得(収集)されたか否かが判定される。サンプリング時間分の計測値が取得されると(ステップS5でYES)、ステップS6に進んで、該取得された計測値に基づいて、ドラム3の回転数の適正判定が行われる。つまり、サンプリング時間が経過する毎に、ドラム3の回転数の適正判定(ひいては、適正判定の結果に応じたドラム3の回転数の調整)が行われる。サンプリング時間は、適宜に規定することが可能であり、例えば、5秒間とすることができる。この場合、5秒に1回のペースで、ドラム3の回転数の適正判定(ひいては、ドラム3の回転数の調整)が行われることになる。
【0090】
ステップS6
ドラム3の回転数の適正判定に係る処理の流れについて、図8を参照しながら説明する。図8は、該処理の流れを示す図である。
【0091】
ステップS61
まず、デバイス周期特定部602が、サンプリング時間分の計測値に基づいて、デバイス周期Tmを特定する。具体的には例えば、デバイス周期特定部602は、サンプリング時間分の計測値から、ピークを検出し、隣り合うピークの時間間隔をデバイス周期Tmとして特定し、これを乖離量算出部603と安定指標値算出部604に通知する。
【0092】
ステップS62
乖離量算出部603は、ステップS61でデバイス周期特定部602から通知されたデバイス周期Tmと、ステップS5で計測値が取得された際のドラム3の回転数とに基づいて、乖離量Dを算出し(上記の(式1))、算出された乖離量Dを判定部605に通知する。
【0093】
ステップS63
安定指標値算出部604は、ステップS61でデバイス周期特定部602から通知されたデバイス周期Tmを最新のデバイス周期Tm(i)とし、これと、一つ前に通知されていたデバイス周期Tm(i-1)とを用いて、安定指標値Sを算出する(上記の(式2))。そして、算出された安定指標値Sを、判定部605に通知する。
【0094】
ステップS64
続いて、判定部605が、ステップS62で乖離量算出部603から通知された乖離量Dが、第1閾値Wd以下であるか否かを判定する。
【0095】
ステップS65
乖離量Dが第1閾値Wd以下であると判定された場合(ステップS64でYES)、判定部605は、ドラム3の回転数が適正範囲にあると判定する。
【0096】
ステップS66
乖離量Dが第1閾値Wdよりも大きいと判定された場合(ステップS64でNO)、判定部605は、ステップS63で安定指標値算出部604から通知された安定指標値Sが、第2閾値Ws以下であるか否かを判定する。
【0097】
ステップS67
安定指標値Sが第2閾値Ws以下であると判定された場合(ステップS66でYES)、判定部605は、ドラム3の回転数が適正範囲よりも大きいと判定する。
【0098】
ステップS68
安定指標値Sが第2閾値Wsよりも大きいと判定された場合(ステップS66でNO)、判定部605は、ドラム3の回転数が適正範囲よりも小さいと判定する。
【0099】
ステップS7~ステップS8
再び図7を参照する。ステップS6で、ドラム3の回転数が適正範囲にあると判定された場合(ステップS7でYES)、回転数調整部606は、ドラム3の回転数を変化させない。
【0100】
ステップS9~ステップS10
ステップS6で、ドラム3の回転数が適正範囲よりも大きいと判定された場合(ステップS9でYES)、回転数調整部606は、ドラム3の回転数を、所定の変化幅だけ小さくする。
【0101】
ステップS11
ステップS6で、ドラム3の回転数が適正範囲よりも小さいと判定された場合(ステップS9でNO)、回転数調整部606は、ドラム3の回転数を、所定の変化幅だけ大きくする。
【0102】
ステップS12
ステップS8、ステップS10、あるいは、ステップS11の処理の後、再びステップS4の処理が行われる。ステップS4において、乾燥工程が継続していると判断された場合(ステップS4でYES)、再びステップS5以降の処理が行われる。つまり、上記のとおり、乾燥工程が継続する間、サンプリング時間が経過する毎に、ドラム3の回転数の適正判定が行われ(ステップS6)、その判定結果に応じてドラム3の回転数の調整が行われる(ステップS7~ステップS11)。一方、ステップS4において、乾燥工程が終了したと判断された場合(ステップS4でYES)、送出指示部601がモニタリングデバイス7に送出停止指示を送信する(ステップS12)。モニタリングデバイス7は、送出停止指示を受信すると、計測値を送出する動作を停止する。
【0103】
<1-4.効果>
上記の実施形態に係る洗濯乾燥機(ランドリー機器)100は、外槽2と、外槽2内において回転自在に配置されたドラム3と、ドラム3を回転させるモータ(駆動部)36と、洗濯物9とともにドラム3に投入されるモニタリングデバイス7と、洗濯乾燥機100を制御する制御部6と、を備え、モニタリングデバイス7が、基体部71と、基体部71に保持され、基体部71の動きに伴って変化する値を計測するセンサ72と、センサ72が取得した計測値を制御部6に通知する通信部73と、を備え、制御部6が、洗濯乾燥機100の制御に用いる制御パラメータの値(上記の例では、ドラム3の回転数)を、モニタリングデバイス7から取得した計測値に基づいて調整する。
【0104】
この構成によると、洗濯物9とともにドラム3に投入されたモニタリングデバイス7の動きに伴って変化する値がセンサ72によって計測され、その計測値に基づいて、制御パラメータの値が調整される。モニタリングデバイス7は、ドラム3内で洗濯物9と一緒に動くので、モニタリングデバイス7の動きは、ドラム3内での洗濯物9の動きとみなすことができる。つまり、モニタリングデバイス7のセンサ72が取得した計測値は、ドラム3内での洗濯物9の動きを正しく表している。上記のとおり、適切な運転動作を実現する制御パラメータが、投入された洗濯物9の量によって異なる値になる理由の一つは、投入される洗濯物9の量によって、ドラム3内での洗濯物9の動きが違ってくるためであるところ、ドラム3内の洗濯物9の動きを表す計測値に基づいて制御パラメータの値が調整されることで、実際に投入されている洗濯物9の量に応じた、適切な運転動作を行うことが可能となる。
【0105】
例えば、上記の実施形態に係る洗濯乾燥機100では、乾燥工程において、モニタリングデバイス7から取得した計測値に基づいて、ドラム3の回転数の適正判定を行い、その判定結果に応じてドラム3の回転数を調整する。これによって、実際に投入されている洗濯物9の量に応じた、効率的な乾燥運転を行うことが可能となる。その結果、洗濯物9の仕上がりの質が向上し、利用者の満足度が高まることが期待できる。また、乾燥時間の短縮、ランニングコストの低減、洗濯乾燥機100の回転率の向上、などが可能となる。
【0106】
また、上記の実施形態に係る洗濯乾燥機100は、制御部6が、計測値に基づいて、モニタリングデバイス7が反復した動きを行う周期であるデバイス周期Tmを特定するデバイス周期特定部602と、ドラム3の回転周期Tdとデバイス周期Tmとの乖離量Dを算出する乖離量算出部603と、乖離量Dに基づいて、ドラム3の回転数が適正範囲にあるか否かを判定する判定部605と、判定部605が行った判定結果に応じて、ドラム3の回転数を調整する回転数調整部606と、を備える。
【0107】
この構成によると、ドラム3の回転周期Tdと、モニタリングデバイス7が反復した動きを行う周期であるデバイス周期Tmとの乖離量Dに基づいて、ドラム3の回転数が適正範囲にあるか否かを判定する。例えば、ドラム3内の洗濯物9が、ドラム3が1回転するごとに1度自由落下しており、該自由落下の周期がドラム3の回転周期Tdと同期している場合、洗濯物9が自由落下を反復して行う周期が、デバイス周期Tmとして検出されることとなり、検出されたデバイス周期Tmはドラム3の回転周期Tdと同程度となる。つまり、乖離量Dが十分に小さな値となる。したがって、例えば、このような洗濯物9の動きが形成されるドラム3の回転数を、適正範囲と規定する場合、乖離量Dを指標として用いることで、ドラム3の回転数が適正範囲にあるか否かを適切に判定することができる。
【0108】
また、上記の実施形態に係る洗濯乾燥機100は、制御部6が、デバイス周期Tmの変化量を表す安定指標値Sを算出する安定指標値算出部604、を備え、判定部605が、ドラム3の回転数が適正範囲にないと判定された場合に、安定指標値Sに基づいて、ドラム3の回転数が適正範囲よりも大きいか小さいかを判定する。
【0109】
この構成によると、デバイス周期Tmの変化量を表す安定指標値Sに基づいて、ドラム3の回転数が適正範囲よりも大きいか小さいかを判定する。例えば、ドラム3の回転数が比較的大きいために、洗濯物9がドラム3の内周面に張り付いて自由落下をしない場合、洗濯物9はドラム3の内周面に張り付いたままの安定した位置を保つため、デバイス周期Tmは、ほとんど変化しない。つまり、安定指標値Sが比較的小さな値となる。一方、ドラム3の回転数が比較的小さいために、洗濯物9がドラム3の下部に留まってここで転動する、あるいは、ドラム3の上部に到達しない途中位置から自由落下する場合、デバイス周期Tmは不規則に変化し、安定指標値Sが比較的大きな値となる。このように、ドラム3の回転数が比較的大きい場合の洗濯物9の動きと、回転数が比較的小さい場合の洗濯物9の動きとは、安定指標値Sを用いて判別することができる。したがって、安定指標値Sを指標として用いることで、ドラム3の回転数が適正範囲よりも大きいか小さいかを適切に判定することができる。
【0110】
また、上記の実施形態に係る洗濯乾燥機100は、判定部605が、乖離量Dが第1閾値Wd以下である場合に、ドラム3の回転数が適正範囲にあると判定し、乖離量Dが第1閾値Wdよりも大きく、かつ、安定指標値Sが第2閾値Ws以下である場合に、ドラム3の回転数が適正範囲よりも大きいと判定し、乖離量Dが第1閾値Wdよりも大きく、かつ、安定指標値Sが第2閾値Wsよりも大きい場合に、ドラム3の回転数が適正範囲よりも小さいと判定する。
【0111】
この構成によると、乖離量Dと安定指標値Sをそれぞれ閾値Wd,Wsと比較することによって、ドラム3の回転数が適正範囲にある、適正範囲よりも大きい、あるいは、適正範囲よりも小さい、のいずれであるかを簡易に判定することができる。
【0112】
また、上記の実施形態に係る洗濯乾燥機100は、センサ72が、加速度センサである。この構成によると、モニタリングデバイス7の動きに伴って変化する値を、簡易かつ十分な精度で計測することができる。
【0113】
また、上記の実施形態に係る洗濯乾燥機100は、所定のサンプリング時間が経過する毎に、ドラム3の回転数の適正判定(ひいては、適正判定の結果に応じたドラム3の回転数の調整)が行われる。この構成によると、乾燥工程が行われている途中に、洗濯物9の状態が変わるなどして、その動き方が変化した場合にも、これに応じてドラム3の回転数が調整される。したがって、適切な運転動作を継続させることが可能となる。
【0114】
<2.第2実施形態>
第1実施形態では、乖離量Dおよび安定指標値Sの各値を、それぞれについて設定された閾値Wd,Wsと比較することによって、ドラム3の回転数の適正判定を行うものとしたが、適正判定を行う態様はこれに限られるものではない。第2実施形態では、機械学習により生成された推定モデルを用いてドラム3の回転数の適正判定を行う。以下においては、第1実施形態と相違する点を説明する。また、第1実施形態と同じ要素については、同じ符号で示すとともに、その説明を省略する。
【0115】
<2-1.機能構成>
ドラム3の回転数の適正判定、および、これに基づく制御パラメータの調整を実現するための機能構成について、図9を参照しながら説明する。図9は、該機能構成を示すブロック図である。
【0116】
機械学習により生成された推定モデルを用いてドラム3の回転数の適正判定を行う場合、制御部6aの記憶部63には、機械学習により生成された推定モデルMが記憶される。また、この場合も、制御部6aは、例えば、制御部6aを構成するマイクロコンピュータがメモリ62に格納されたプログラムを実行することによって実現される機能部として、送出指示部601と、デバイス周期特定部602と、乖離量算出部603と、判定部605aと、回転数調整部606と、を備える。判定部601a以外の各部の機能は、第1実施形態において説明したとおりである。
【0117】
判定部605aは、記憶部63に記憶された推定モデルMを用いて、乖離量算出部603が算出した乖離量Dから、ドラム3の回転数に係る適正判定を行う。具体的には例えば、判定部605aは、乖離量算出部603から通知された乖離量Dを、推定モデルMに入力し、これに応じて出力された判定結果を取得する。すなわち、ドラム3の回転数が適正範囲にある、適正範囲よりも大きい、あるいは、適正範囲よりも小さい、のいずれであるかの判定結果を取得する。
【0118】
推定モデルMは、乖離量Dから判定結果を推定する推定モデルであり、乖離量Dと、適正判定の結果(すなわち、ドラム3の回転数が適正範囲にある、適正範囲よりも大きい、あるいは、適正範囲よりも小さい、のいずれであるかの判定結果)とを、教師データとして用いて、機械学習により生成される。なお、ここでは、予め生成された推定モデルMが記憶部63に格納されるものとしているが、推定モデルMを生成する推定モデル生成部が制御部6aにおいて実現されており、該推定モデル生成部によって生成された推定モデルMが記憶部63に格納されるものとしてもよい。
【0119】
上記のとおり、ドラム3内での洗濯物9の動きと乖離量Dとは、相関関係を有する。例えば、洗濯物9が、ドラム3が1回転するごとに1度自由落下しており、該自由落下の周期がドラム3の回転周期Tdと同期している場合、乖離量Dは、比較的小さな値で、比較的安定して推移する(図5(a))。また、洗濯物9が、ドラム3の内周面に張り付いて自由落下をしない場合、乖離量Dは、比較的大きな値で、比較的安定して推移する(図5(b))。また、洗濯物9が、ドラム3の下部に留まってここで転動する、あるいは、ドラム3の上部に到達しない途中位置から自由落下する場合、乖離量Dは、比較的大きく変動する(図5(c))。このように、洗濯物9の動きによって、乖離量Dは異なる傾向を示す。また、ドラム3内での洗濯物9の動きとドラム3の回転数の判定結果も、相関関係を有する。したがって、乖離量Dと判定結果の間には、一定の相関関係が存在する。
【0120】
したがって、乖離量Dと判定結果とを教師データとして、ニューラルネットワークなど公知の機械学習アルゴリズムを用いた機械学習によって、十分に高い精度の出力が可能な推定モデルMを生成することができる。そして、このような推定モデルMを用いることで、ドラム3の回転数の適正判定を適切に行うことができる。
【0121】
<2-2.処理の流れ>
ドラム3の回転数の適正判定、および、これに基づく制御パラメータの調整に係る一連の処理の全体の流れは、第1実施形態と同様である(図7参照)。ただし、この実施形態では、ドラム3の回転数の適正判定に係る処理(図7のステップS6)の具体的な流れが、第1実施形態と相違する。この処理の流れについて、図10を参照しながら説明する。図10は、該処理の流れを示す図である。
【0122】
ステップS61a
まず、デバイス周期特定部602が、サンプリング時間分の計測値に基づいて、デバイス周期Tmを特定する。具体的には例えば、デバイス周期特定部602は、サンプリング時間分の計測値から、ピークを検出し、隣り合うピークの時間間隔をデバイス周期Tmとして特定し、これを乖離量算出部603に通知する。
【0123】
ステップS62a
乖離量算出部603は、ステップS61aでデバイス周期特定部602から通知されたデバイス周期Tmと、ステップS5で計測値が取得された際のドラム3の回転数とに基づいて、乖離量Dを算出し(上記の(式1))、算出された乖離量Dを判定部605aに通知する。
【0124】
ステップS63a
続いて、判定部605aが、ステップS62aで乖離量算出部603から通知された乖離量Dを、記憶部63に記憶された推定モデルMに入力し、これに応じて出力された判定結果を取得する。すなわち、ドラム3の回転数が適正範囲にある、適正範囲よりも大きい、あるいは、適正範囲よりも小さい、のいずれであるかの判定結果を取得する。
【0125】
その後、ステップS63aで得られた判定結果に基づいて、ステップS7~ステップS11(図7参照)が行われることになる。
【0126】
<2-3.効果>
上記の実施形態に係る洗濯乾燥機100は、制御部6が、乖離量Dと、ドラム3の回転数が適正範囲にある、適正範囲よりも大きい、あるいは、適正範囲よりも小さい、のいずれであるかの判定結果とを、教師データとして用いて、機械学習により生成された、乖離量Dから判定結果を推定する推定モデルMを記憶する記憶部63、を備え、判定部605aが、推定モデルMを用いて、乖離量算出部603が算出した乖離量Dから、ドラム3の回転数が適正範囲にある、適正範囲よりも大きい、あるいは、適正範囲よりも小さい、のいずれであるかを判定する。
【0127】
この構成によると、ドラム3の回転数が適正範囲にある、適正範囲よりも大きい、あるいは、適正範囲よりも小さい、のいずれであるかを、乖離量Dと判定結果とを教師データとした機械学習により生成された推定モデルMを用いて、判定する。ドラム3内での洗濯物9の動きと乖離量Dとは、相関関係を有する。例えば、洗濯物9が、ドラム3が1回転するごとに1度自由落下しており、該自由落下の周期がドラム3の回転周期Tdと同期している場合、ドラム3の内周面に張り付いて自由落下をしない場合、ドラム3の下部に留まってここで転動する、あるいは、ドラム3の上部に到達しない途中位置から自由落下する場合、のそれぞれにおいて、乖離量Dは異なる傾向を示す。また、ドラム3内での洗濯物9の動きとドラム3の回転数の判定結果も、相関関係を有する。したがって、乖離量Dと判定結果とを教師データとした機械学習により生成された推定モデルMを用いることで、ドラム3の回転数の適正判定を適切に行うことができる。
【0128】
<3.変形例>
以上、本発明の実施形態について説明したが、本実施形態の構成は上記のものに限定されず、種々の変形が可能である。
【0129】
例えば、乾燥工程だけでなく、洗い工程、すすぎ工程、脱水工程、などにおいても、運転動作を適切に(例えば、効率的に)進めることができる制御パラメータの値は、実際に投入されている洗濯物9の量によって異なるものとなる可能性が高い。したがって、洗い工程、すすぎ工程、脱水工程、などが行われる間、ドラム3内において洗濯物9と一緒になって動いているモニタリングデバイス7から、その動きに伴って変化する計測値を取得し、該取得した計測値に基づいて、制御パラメータの値(例えば、ドラム3の回転数)を調整するものとしてもよい。ただし、洗濯物9がどのような動きをした場合に、適切な運転動作が実現されるかは、各工程で同じであるとは限らないため、乾燥工程を想定した上記の適正判定の態様を、そのまま別の工程に適用できるとは限らない。例えば、上記の実施形態において乾燥工程について行われたのと同様の試験(図4図5)を、別の工程についても行うことで、具体的な適正判定の態様を決定することができる。
【0130】
また、上記の実施形態においては、モニタリングデバイス7から取得した計測値に基づいて、ドラム3の回転数が調整されるものとしたが、計測値に基づいて調整される制御パラメータは、ドラム3の回転数に限らない。例えば、ドラム3の回転時間、ヒータ44の加熱温度、などが、モニタリングデバイス7から取得した計測値に基づいて調整されてもよい。
【0131】
また、上記の実施形態において、回転数調整部606は、ドラム3の回転数が適正範囲よりも大きい(あるいは、小さい)と判定された場合に、ドラム3の回転数を予め定められた変化幅だけ小さく(あるいは大きく)変化させるものとしたが、ドラム3の回転数の変化幅は、例えば、乖離量D、安定指標値Sの少なくとも一方に基づいて、決定されてもよい。
【0132】
また、上記の実施形態において、モニタリングデバイス7の基体部71は、必ずしも中空部を有する球状体でなくともよい。例えば、基体部71は、中空部を有する矩形の物体であってもよい。また例えば、基体部71は、布などによって形成されたシート状、袋状、などの物体であってもよい。いずれの場合においても、センサ72は、基体部71に対して動かないように、基体部71に対して固定して設けられる。
【0133】
また、上記の実施形態において、モニタリングデバイス7のセンサ72として、加速度センサを例示したが、センサ72は必ずしも加速度センサでなくともよく、例えば、振動センサ、角速度センサ、などであってもよい。また、センサ72として加速度センサが用いられる場合、該加速度センサは、互いに異なる3軸方向の加速度値を取得するもの(いわゆる、3軸加速度センサ)であってもよいし、1軸方向、あるいは、2軸方向の加速度値を取得するものであってもよい。
【0134】
また、第2の実施形態では、乖離量Dと判定結果とを教師データとして用いて機械学習により生成された推定モデルMが用いられていたが、推定モデルはこれに限られるものではない。例えば、安定指標値Sと判定結果とを教師データとして用いて機械学習により生成された推定モデルが用いられてもよい。この場合は、判定部605aは、モニタリングデバイス7から取得された計測値に基づいて算出される安定指標値Sを推定モデルに入力して、判定結果を得ることになる。また例えば、乖離量Dおよび安定指標値Sと判定結果とを教師データとして用いて機械学習により生成された推定モデルが用いられてもよい。この場合は、判定部605aは、モニタリングデバイス7から取得された計測値に基づいて算出される乖離量Dと安定指標値Sとを推定モデルに入力して、判定結果を得ることになる。
【0135】
また、上記の実施形態では、ランドリー機器の一態様として、洗濯および乾燥の両方を行うことができる洗濯乾燥機100を例にとって説明したが、本発明は、例えば、洗濯のみを行うことができる洗濯機、乾燥のみを行うことができる乾燥機、などに適用することができる。また、上記の実施形態に係る洗濯乾燥機100は、業務用のランドリー機器であるとしたが、本発明は、家庭用のランドリー機器にも適用することができる。
【0136】
その他の構成も、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【符号の説明】
【0137】
100 洗濯乾燥機
2 外槽
3 ドラム
6 制御部
601 送出指示部
602 デバイス周期特定部
603 乖離量算出部
604 安定指標値算出部
605,605a 判定部
606 回転数調整部
7 モニタリングデバイス
71 センサ
72 電源
73 通信部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10