(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023090487
(43)【公開日】2023-06-29
(54)【発明の名称】磁石素材の切断方法
(51)【国際特許分類】
B24B 27/06 20060101AFI20230622BHJP
B24B 41/06 20120101ALI20230622BHJP
B23D 47/04 20060101ALI20230622BHJP
【ＦＩ】
B24B27/06 J
B24B41/06 Z
B23D47/04 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】ＯＬ
(21)【出願番号】P 2021205456
(22)【出願日】2021-12-17
(71)【出願人】
【識別番号】000003713
【氏名又は名称】大同特殊鋼株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100076473
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 昭夫
(74)【代理人】
【識別番号】100112900
【弁理士】
【氏名又は名称】江間 路子
(74)【代理人】
【識別番号】100198247
【弁理士】
【氏名又は名称】並河 伊佐夫
(72)【発明者】
【氏名】吉岡 恭敬
【テーマコード（参考）】
3C034
3C040
3C158
【Ｆターム（参考）】
3C034AA19
3C034BB06
3C034BB56
3C034BB75
3C034BB76
3C034DD07
3C040AA03
3C040CC05
3C040HH15
3C040JJ00
3C158AA03
3C158AA18
3C158AB04
3C158AB06
3C158AB08
3C158CA01
3C158CA02
3C158CB02
3C158CB03
(57)【要約】
【課題】横断面が円弧形状の磁石素材に対する切断加工を効率良く行うことができる磁石素材の切断方法を提供する。
【解決手段】横断面形状が円弧形状を成し横断面と直交する方向に延在する磁石素材Ｓの切断方法は、固定状態で保持する素材保持部としての円柱状部１２を備えた磁石素材用固定具１０を用い、円柱状部１２の凸状の外周面１３に磁石素材Ｓの凹状の湾曲面２を沿わせる態様で、磁石素材Ｓを円柱状部１２の周方向に複数固定する。そして磁石素材用固定具１０と円板状の切断刃２６を共に回転させた状態で、切断刃２６を相対的に前記磁石素材Ｓの方向に移動させ磁石素材用固定具１０に固定された磁石素材Ｓを切断する。
【選択図】 図３
【解決手段】横断面形状が円弧形状を成し横断面と直交する方向に延在する磁石素材Ｓの切断方法は、固定状態で保持する素材保持部としての円柱状部１２を備えた磁石素材用固定具１０を用い、円柱状部１２の凸状の外周面１３に磁石素材Ｓの凹状の湾曲面２を沿わせる態様で、磁石素材Ｓを円柱状部１２の周方向に複数固定する。そして磁石素材用固定具１０と円板状の切断刃２６を共に回転させた状態で、切断刃２６を相対的に前記磁石素材Ｓの方向に移動させ磁石素材用固定具１０に固定された磁石素材Ｓを切断する。
【選択図】 図３
【特許請求の範囲】
【請求項1】
横断面形状が円弧形状を成し前記横断面と直交する方向に延在する磁石素材を切断する方法であって、
前記磁石素材を固定状態で保持する素材保持部としての円柱状部を備えた磁石素材用固定具を用い、
前記円柱状部の凸状の外周面に前記磁石素材の凹状の湾曲面を沿わせる態様で、前記磁石素材を前記円柱状部の周方向に複数固定し、
前記磁石素材を固定させた前記磁石素材用固定具と円板状の切断刃を共に回転させた状態で、前記切断刃を相対的に前記磁石素材の方向に移動させ前記磁石素材用固定具に固定された前記磁石素材を切断する磁石素材の切断方法。
前記磁石素材を固定状態で保持する素材保持部としての円柱状部を備えた磁石素材用固定具を用い、
前記円柱状部の凸状の外周面に前記磁石素材の凹状の湾曲面を沿わせる態様で、前記磁石素材を前記円柱状部の周方向に複数固定し、
前記磁石素材を固定させた前記磁石素材用固定具と円板状の切断刃を共に回転させた状態で、前記切断刃を相対的に前記磁石素材の方向に移動させ前記磁石素材用固定具に固定された前記磁石素材を切断する磁石素材の切断方法。
【請求項2】
前記磁石素材用固定具と前記切断刃を互いに逆方向に回転させた状態で前記磁石素材を切断する、請求項１に記載の磁石素材の切断方法。
【請求項3】
前記円柱状部と、前記円柱状部の外周面から径方向外側に突出する脚部と、前記外周面から離間した前記脚部の先端側において周方向に張り出し前記磁石素材と対向する対向片と、を含んで構成された前記素材保持部と、
前記磁石素材又は前記対向片を径方向に移動させる移動手段と、
を備えた前記磁石素材用固定具を用い、
前記磁石素材を前記円柱状部の外周面又は前記対向片に押し付けて固定する請求項１，２の何れかに記載の磁石素材の切断方法。
前記磁石素材又は前記対向片を径方向に移動させる移動手段と、
を備えた前記磁石素材用固定具を用い、
前記磁石素材を前記円柱状部の外周面又は前記対向片に押し付けて固定する請求項１，２の何れかに記載の磁石素材の切断方法。
【請求項4】
前記脚部および前記対向片を備え、前記円柱状部の径方向に移動可能な外接部材と、
前記外接部材の一端側と他端側にそれぞれ当接して前記外接部材の軸方向の移動を規制する一対の筒状部材と、
前記筒状部材と前記外接部材との当接部に形成され、前記円柱状部の径方向外側に向かうにつれて前記円柱状部の軸方向中心側に近づく方向に所定の傾斜角度で傾斜する傾斜面と、
を備えた前記磁石素材用固定具を用い、
前記一対の筒状部材における軸方向間距離が小さくなる方向への前記筒状部材の移動により前記外接部材の対向片を縮径方向に移動させ、前記磁石素材を前記円柱状部の外周面に押し付けて固定する、請求項３に記載の磁石素材の切断方法。
前記外接部材の一端側と他端側にそれぞれ当接して前記外接部材の軸方向の移動を規制する一対の筒状部材と、
前記筒状部材と前記外接部材との当接部に形成され、前記円柱状部の径方向外側に向かうにつれて前記円柱状部の軸方向中心側に近づく方向に所定の傾斜角度で傾斜する傾斜面と、
を備えた前記磁石素材用固定具を用い、
前記一対の筒状部材における軸方向間距離が小さくなる方向への前記筒状部材の移動により前記外接部材の対向片を縮径方向に移動させ、前記磁石素材を前記円柱状部の外周面に押し付けて固定する、請求項３に記載の磁石素材の切断方法。
【請求項5】
前記脚部および前記対向片を備えた外接部材とスペーサが軸方向に沿って交互に配置された前記素材保持部と、
軸方向の力が作用していない状態で隣り合う前記外接部材とスペーサとの間に隙間が形成されるように前記外接部材とスペーサとの間に介在させた弾性部材と、
前記素材保持部の軸方向両側にそれぞれ配置され、前記素材保持部の軸方向長さを規制する一対のストッパ部材と、
を備えた前記磁石素材用固定具を用い、
前記隙間が小さくなる方向への前記ストッパ部材の移動により前記弾性部材を径方向外側に膨出させて、これにより前記磁石素材を拡径方向に移動させ、前記磁石素材を前記対向片に押し付けて固定する、請求項３に記載の磁石素材の切断方法。
軸方向の力が作用していない状態で隣り合う前記外接部材とスペーサとの間に隙間が形成されるように前記外接部材とスペーサとの間に介在させた弾性部材と、
前記素材保持部の軸方向両側にそれぞれ配置され、前記素材保持部の軸方向長さを規制する一対のストッパ部材と、
を備えた前記磁石素材用固定具を用い、
前記隙間が小さくなる方向への前記ストッパ部材の移動により前記弾性部材を径方向外側に膨出させて、これにより前記磁石素材を拡径方向に移動させ、前記磁石素材を前記対向片に押し付けて固定する、請求項３に記載の磁石素材の切断方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は磁石素材の切断方法に関し、詳しくは円弧形状の磁石素材を効率的に切断する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
希土類磁石に代表される金属磁石を製造する際、熱間押出成形等の熱間加工を行うことで、金属磁石を所望の形状に成形するが、比較的小さなサイズの磁石を製造する場合は、製品よりも大きなサイズで磁石素材を成形した後、この磁石素材を切断して、一つの磁石素材から複数の磁石製品を切り出すことが行われている。
【0003】
このような場合の切断加工については、テーブル上に固定した磁石素材に向かって、回転させた円板状の切断刃を相対移動させることによって磁石素材を切断する方法（下記特許文献１参照）や、ワイヤー加工を用いてブロック状のインゴットから磁石製品を切り出す方法（下記特許文献２参照）を例示することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開２００１－１５０３４４号公報
【特許文献2】特開２００４－０５０３２９号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
切断の工程を経て所定寸法の磁石製品を製造する場合には、効率良く切断加工を行なうことが極めて重要である。効率良く切断加工を行うためには、複数の磁石素材を厚み方向に重ねて一度の切断動作で複数の素材を同時に切断することが考えられる。
ここで、図１４（Ａ）で示すような断面円弧形状の磁石素材Ｓを円板状の切断刃２６を用いて切断する場合を検討してみる。一度に切断する磁石素材Ｓは６個とする。
図１４（Ｂ）で示すように磁石素材Ｓを縦方向に重ねた場合、切断開始（実線で示した切断刃の位置）から切断終了（２点鎖線で示した切断刃の位置）までの切断刃２６の移動距離（以降、切断距離と称する）はＫ１、また図１４（Ｃ）で示すように磁石素材Ｓを横方向に重ねた場合の切断距離はＫ２となるが、切断距離が十分に短くされているとは言い難く、効率良く切断加工を行うためにはこの切断距離をより短くすることが望まれていた。
ここで、図１４（Ａ）で示すような断面円弧形状の磁石素材Ｓを円板状の切断刃２６を用いて切断する場合を検討してみる。一度に切断する磁石素材Ｓは６個とする。
図１４（Ｂ）で示すように磁石素材Ｓを縦方向に重ねた場合、切断開始（実線で示した切断刃の位置）から切断終了（２点鎖線で示した切断刃の位置）までの切断刃２６の移動距離（以降、切断距離と称する）はＫ１、また図１４（Ｃ）で示すように磁石素材Ｓを横方向に重ねた場合の切断距離はＫ２となるが、切断距離が十分に短くされているとは言い難く、効率良く切断加工を行うためにはこの切断距離をより短くすることが望まれていた。
【0006】
また、円弧形状の磁石素材を平面からなるテーブル面上に載置し切断加工を行う場合には、テーブル面と磁石素材との間に隙間が生じ易く、この隙間に起因した割れ等の発生が懸念される。
【0007】
本発明は以上のような事情を背景とし、横断面が円弧形状の磁石素材に対する切断加工を効率良く行うことができる磁石素材の切断方法を提供することを目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
而して本発明の磁石素材の切断方法は、
横断面形状が円弧形状を成し前記横断面と直交する方向に延在する磁石素材を切断する方法であって、
前記磁石素材を固定状態で保持する素材保持部としての円柱状部を備えた磁石素材用固定具を用い、
前記円柱状部の凸状の外周面に前記磁石素材の凹状の湾曲面を沿わせる態様で、前記磁石素材を前記円柱状部の周方向に複数固定し、
前記磁石素材を固定させた前記磁石素材用固定具と円板状の切断刃を共に回転させた状態で、前記切断刃を相対的に前記磁石素材の方向に移動させ前記磁石素材用固定具に固定された前記磁石素材を切断することを特徴とする。
横断面形状が円弧形状を成し前記横断面と直交する方向に延在する磁石素材を切断する方法であって、
前記磁石素材を固定状態で保持する素材保持部としての円柱状部を備えた磁石素材用固定具を用い、
前記円柱状部の凸状の外周面に前記磁石素材の凹状の湾曲面を沿わせる態様で、前記磁石素材を前記円柱状部の周方向に複数固定し、
前記磁石素材を固定させた前記磁石素材用固定具と円板状の切断刃を共に回転させた状態で、前記切断刃を相対的に前記磁石素材の方向に移動させ前記磁石素材用固定具に固定された前記磁石素材を切断することを特徴とする。
【0009】
このように規定された磁石素材の切断方法によれば、複数の磁石素材を厚み方向に重ねて切断する方法に比べて切断距離が短くなり、横断面が円弧形状の磁石素材に対する切断加工を効率良く行うことができる。
【0010】
ここで、前記磁石素材用固定具と前記切断刃を互いに逆方向に回転させた状態で前記磁石素材を切断することができる。
このようにすることで、切断時の割れ等の発生を抑制することができる。
このようにすることで、切断時の割れ等の発生を抑制することができる。
【0011】
また本発明では、前記円柱状部と、前記円柱状部の外周面から径方向外側に突出する脚部と、前記外周面から離間した前記脚部の先端側において周方向に張り出し前記磁石素材と対向する対向片と、を含んで構成された前記素材保持部と、
前記磁石素材又は前記対向片を径方向に移動させる移動手段と、
を備えた前記磁石素材用固定具を用い、
前記磁石素材を前記円柱状部の外周面又は前記対向片に押し付けて固定することができる。
このようにすることで、磁石素材を固定具に固定するための接着剤が不要となり、接着剤の塗布、硬化および除去に要する工程を省略することができる。
前記磁石素材又は前記対向片を径方向に移動させる移動手段と、
を備えた前記磁石素材用固定具を用い、
前記磁石素材を前記円柱状部の外周面又は前記対向片に押し付けて固定することができる。
このようにすることで、磁石素材を固定具に固定するための接着剤が不要となり、接着剤の塗布、硬化および除去に要する工程を省略することができる。
【0012】
この場合、前記脚部および前記対向片を備え、前記円柱状部の径方向に移動可能な外接部材と、
前記外接部材の一端側と他端側にそれぞれ当接して前記外接部材の軸方向の移動を規制する一対の筒状部材と、
前記筒状部材と前記外接部材との当接部に形成され、前記円柱状部の径方向外側に向かうにつれて前記円柱状部の軸方向中心側に近づく方向に所定の傾斜角度で傾斜する傾斜面と、
を備えた前記磁石素材用固定具を用い、
前記一対の筒状部材における軸方向間距離が小さくなる方向への前記筒状部材の移動により前記外接部材の対向片を縮径方向に移動させ、前記磁石素材を前記円柱状部の外周面に押し付けて固定することができる。
前記外接部材の一端側と他端側にそれぞれ当接して前記外接部材の軸方向の移動を規制する一対の筒状部材と、
前記筒状部材と前記外接部材との当接部に形成され、前記円柱状部の径方向外側に向かうにつれて前記円柱状部の軸方向中心側に近づく方向に所定の傾斜角度で傾斜する傾斜面と、
を備えた前記磁石素材用固定具を用い、
前記一対の筒状部材における軸方向間距離が小さくなる方向への前記筒状部材の移動により前記外接部材の対向片を縮径方向に移動させ、前記磁石素材を前記円柱状部の外周面に押し付けて固定することができる。
【0013】
また、前記脚部および前記対向片を備えた外接部材とスペーサが軸方向に沿って交互に配列された前記素材保持部と、
軸方向の力が作用していない状態で隣り合う前記外接部材とスペーサとの間に隙間が形成されるように前記外接部材とスペーサとの間に介在させた弾性部材と、
前記素材保持部の軸方向両側にそれぞれ配置され、前記素材保持部の軸方向長さを規制する一対のストッパ部材と、
を備えた前記磁石素材用固定具を用い、
前記隙間が小さくなる方向への前記ストッパ部材の移動により前記弾性部材を径方向外側に膨出させて、これにより前記磁石素材を拡径方向に移動させ、前記磁石素材を前記対向片に押し付けて固定することができる。
軸方向の力が作用していない状態で隣り合う前記外接部材とスペーサとの間に隙間が形成されるように前記外接部材とスペーサとの間に介在させた弾性部材と、
前記素材保持部の軸方向両側にそれぞれ配置され、前記素材保持部の軸方向長さを規制する一対のストッパ部材と、
を備えた前記磁石素材用固定具を用い、
前記隙間が小さくなる方向への前記ストッパ部材の移動により前記弾性部材を径方向外側に膨出させて、これにより前記磁石素材を拡径方向に移動させ、前記磁石素材を前記対向片に押し付けて固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】（Ａ）は本発明の切断方法が適用される磁石素材の斜視図、（Ｂ）は（Ａ）の磁石素材から切り出された円弧状磁石の斜視図である。
【図2】本発明の第１実施形態の切断方法で用いる磁石素材用固定具を示した図である。
【図4】同実施形態の切断方法における切断距離を示した図である。
【図5】本発明の第２実施形態の切断方法で用いる磁石素材用固定具を示した図である。
【図8】同実施形態の切断方法における手順を示した図である。
【図9】本発明の第３実施形態の切断方法で用いる磁石素材用固定具の斜視図である。
【図10】（Ａ）は素材保持部に軸方向の力が作用していない状態の磁石素材用固定具をその一部を切り欠いて示した側面図、（Ｂ）は同磁石素材用固定具の横断面図である。
【図13】同実施形態の切断方法における手順を示した図である。
【図14】本発明とは異なる比較例の切断方法における切断距離を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に本発明の実施形態を図面に基づいて詳しく説明する。
図１（Ａ）は、本発明の切断方法が適用される磁石素材の斜視図である。同図において、Ｓは希土類－鉄－ボロン系合金からなる磁石素材で、熱間押出成形等の熱間加工で板状に成形されている。
磁石素材Ｓは、横断面形状が幅寸法Ｗ、高さ寸法Ｈの円弧形状とされ、凹状の内側湾曲面２と凸状の外側湾曲面４を有している。そして、磁石素材Ｓは横断面形状を維持した状態で、横断面と直交する方向に長さ寸法Ｌだけ延びている。本例の切断方法では、磁石素材Ｓにおける図中点線で示した箇所を切断して、図１（Ｂ）で示す長さ寸法Ｌ１の複数（本例の場合２個）の円弧状磁石Ｓ１を磁石素材Ｓから切り出すものとする。
図１（Ａ）は、本発明の切断方法が適用される磁石素材の斜視図である。同図において、Ｓは希土類－鉄－ボロン系合金からなる磁石素材で、熱間押出成形等の熱間加工で板状に成形されている。
磁石素材Ｓは、横断面形状が幅寸法Ｗ、高さ寸法Ｈの円弧形状とされ、凹状の内側湾曲面２と凸状の外側湾曲面４を有している。そして、磁石素材Ｓは横断面形状を維持した状態で、横断面と直交する方向に長さ寸法Ｌだけ延びている。本例の切断方法では、磁石素材Ｓにおける図中点線で示した箇所を切断して、図１（Ｂ）で示す長さ寸法Ｌ１の複数（本例の場合２個）の円弧状磁石Ｓ１を磁石素材Ｓから切り出すものとする。
【0016】
図２は、本例の切断方法で用いる磁石素材用固定具１０を示した図である。図２では、磁石素材Ｓが固定された状態の磁石素材用固定具（以下、単に固定具と称する場合がある）１０を示している。
固定具１０は、磁石素材Ｓを固定状態で保持する素材保持部１１としての円柱状部１２と、円柱状部１２の両端からそれぞれ円柱状部１２と同軸状に延びる端軸１４、１５を備えている。
円柱状部１２は、その軸方向長さが磁石素材Ｓの長さＬよりも長く、円柱状部１２の外周面１３の曲率半径は磁石素材Ｓの内側湾曲面２の曲率半径と同じとされている。
固定具１０は、磁石素材Ｓを固定状態で保持する素材保持部１１としての円柱状部１２と、円柱状部１２の両端からそれぞれ円柱状部１２と同軸状に延びる端軸１４、１５を備えている。
円柱状部１２は、その軸方向長さが磁石素材Ｓの長さＬよりも長く、円柱状部１２の外周面１３の曲率半径は磁石素材Ｓの内側湾曲面２の曲率半径と同じとされている。
【0017】
本例の切断方法では、磁石素材Ｓの凹状の湾曲面２を円柱状部１２の凸状の外周面１３に沿わせ、磁石素材Ｓの長手方向が円柱状部１２の軸方向となるように、磁石素材Ｓを円柱状部１２の外周面１３に固定する。
【0018】
固定具１０に固定する磁石素材Ｓは６個で、周方向に６０度の間隔で一つずつ外周面１３に固定する。磁石素材Ｓの円柱状部１２への固定には、接着剤１７（例えば、日化精工製シフトワックス）を用いることができる。
【0019】
次に、磁石素材Ｓを固定した固定具１０を切断装置２０に取り付ける。図３は、固定具１０を切断装置２０に取り付けた状態を模式的に示した図である。同図で示すように、固定具１０の一方の端軸１４をチャック２１で支持し、他方の端軸１５を振れ止め２２で支持する態様で、固定具１０を回転可能に切断装置２０に取り付ける。
【0020】
固定具１０と対向する位置には、図３で示すように、切断刃ブロック体２５が取り付けられている。切断刃ブロック体２５には、複数（本例では３枚）の円板状の切断刃２６がスペーサ２７を介して回転軸２８周りに同軸状に取り付けられている。スペーサ２７により規定される隣り合う切断刃２６同士の間隔は、図１（Ｂ）に記載された円弧状磁石Ｓ１の寸法Ｌ１に対応している。
【0021】
切断刃２６は、薄板円板状の台板の外周縁部に砥粒を固着させたものである。台板の外径はφ８０～２５０ｍｍ、台板の厚みとしては０．１～１．４ｍｍを例示することができる。台板の外周縁部を覆う砥粒としては、ダイヤモンド砥粒やＣＢＮ砥粒を用いることができる。
【0022】
そして、対向する固定具１０と切断刃ブロック体２５を共に回転させた状態で、切断刃ブロック体２５を相対的に固定具１０の方向に移動させ、磁石素材Ｓの外周面側から内側に向かって切断刃２６を切り込ませ切断加工を実施する。なお、切断部近傍には図示を省略する切削液供給ノズルを設けておき、切削液を磁石素材Ｓにおける切断加工点に連続的に供給する。
【0023】
図３、図４で示すように、本例では磁石素材用固定具１０と切断刃２６を互いに逆方向に回転させた状態で切断を実施する。切断過程における磁石素材Ｓの割れを抑制するのに有効だからである。それぞれの回転数については適宜設定可能であるが、例えば切断装置２０に取り付けられた固定具１０の回転数として毎分６０～１２０回転、切断刃２６の回転数として毎分５０００～７０００回転を例示することができる。
【0024】
切断終了後は固定具１０を切断装置２０から取り外し、所定温度に加熱した加熱室内で接着剤を溶かして除去してやると所定サイズに切断された円弧状磁石Ｓ１を固定具１０から取り外すことができる。本例では一度の切断加工で１２個の円弧状磁石Ｓ１を得ることができる。
【0025】
以上のような本実施形態の切断方法において、図４（Ａ）で示すように、切断刃２６を固定具１０の上方に配置して、回転する磁石素材用固定具１０の頂部を切断加工点として磁石素材Ｓの切断を行った場合の切断距離はＫ３である。
【0026】
また、図４（Ｂ）で示すように、切断刃２６の回転中心Ｏ１が固定具１０の回転中心Ｏ２を通る水平線上となるように切断刃２６を配置し、切断刃２６を水平移動させた場合の切断距離はＫ４である。図４（Ａ）、図４（Ｂ）いずれの場合も、図１４で示した複数の磁石素材を厚み方向に重ねて切断を行う場合に比べて、切断距離を大幅に短くできる。
【0027】
また、本実施形態の切断方法によれば、円柱状部１２の凸状の外周面１３に磁石素材Ｓの凹状の湾曲面２を沿わせる態様で磁石素材Ｓを固定するため、平面からなる取付面上に円弧形状の磁石素材を固定する場合に比べて取付面（外周面１３）と磁石素材Ｓとの間に隙間が生じ難く、隙間に起因した割れを抑制することができる。
【0028】
次に、本発明の第２実施形態に係る切断方法について説明する。この切断方法は、接着剤を用いることなく磁石素材用固定具に磁石素材を固定し、切断加工を行なうことを可能としている。
図５～図８で示すように、本実施形態で用いる磁石素材用固定具１０Ｂは、素材保持部１１の構成要素として、円柱状部１２のほか、円柱状部１２の外周面１３から突出して磁石素材Ｓの外面４（図１（Ａ）参照）の側から磁石素材Ｓに当接可能な外接部材３１を備えている。
図５～図８で示すように、本実施形態で用いる磁石素材用固定具１０Ｂは、素材保持部１１の構成要素として、円柱状部１２のほか、円柱状部１２の外周面１３から突出して磁石素材Ｓの外面４（図１（Ａ）参照）の側から磁石素材Ｓに当接可能な外接部材３１を備えている。
【0029】
円柱状部１２には、図６で示すように、一端１２ａから他端１２ｂに向けて延び外周面１３にて開口する複数（本例では６箇所）の溝３９が周方向に所定間隔で放射状に形成されている。この溝３９内には円柱状部１２とは別体の外接部材３１の一部が挿入されており、外接部材３１は円柱状部１２の周方向に移動不能で、円柱状部１２の径方向に移動可能な状態で保持されている。
なお、円柱状部１２の外周面１３の他端１２ｂ側には、溝３９で区画された領域毎に外周面１３から突出する突片１８が形成されている。かかる突片１８は、磁石素材Ｓの端面と当接して磁石素材Ｓの軸方向の位置を規定する位置決め片である。
なお、円柱状部１２の外周面１３の他端１２ｂ側には、溝３９で区画された領域毎に外周面１３から突出する突片１８が形成されている。かかる突片１８は、磁石素材Ｓの端面と当接して磁石素材Ｓの軸方向の位置を規定する位置決め片である。
【0030】
外接部材３１は、図６で示すように、脚部４３と対向片４５を備えている。
脚部４３は、円柱状部１２と略同じ長さを有する板状の部材である。脚部４３は、その側面視において高さが低い両端部と４３ａ，４３ａと、高さが高い中央部４３ｂが形成されている。端部４３ａと中央部４３ｂとの間の部位では、その上面に傾斜面４４が形成されている。
脚部４３は、円柱状部１２と略同じ長さを有する板状の部材である。脚部４３は、その側面視において高さが低い両端部と４３ａ，４３ａと、高さが高い中央部４３ｂが形成されている。端部４３ａと中央部４３ｂとの間の部位では、その上面に傾斜面４４が形成されている。
【0031】
両端部４３ａ，４３ａを含む脚部４３の高さの低い部位は溝３９内に収容される一方、高さの高い中央部４３ｂにおける先端側は円柱状部１２の外周面１３から突出し、中央部４３ｂの先端側には周方向に張り出し磁石素材Ｓと対向する対向片４５が形成されている。外接部材３１における対向片４５を備えた部位の横断面形状は略Ｔ字状である。
【0032】
外接部材３１は、図７（Ａ）で示すように、円柱状部１２に形成された複数（本例では６本）の溝３９のそれぞれに挿入され、円柱状部１２の周りには外周面１３と外接部材３１とで区画された空間４０が形成され、かかる空間４０内に磁石素材Ｓが収容される。
【0033】
素材保持部１１の一端側と他端側にはそれぞれ筒状部材３４，３５およびナット部材３６，３７が設けられている。
筒状部材３４，３５は、段付きの円筒形状をなし大径部４８と小径部４９を有している。筒状部材３４，３５は、端軸１４，１５を挿通させた後、大径部４８が円柱状部１２および外接部材３１の端部にそれぞれ外嵌するように取り付けられている。大径部４８の端部４８ａは外接部材３１の脚部４３に当接して外接部材３１における軸方向の移動を規制する。
筒状部材３４，３５は、段付きの円筒形状をなし大径部４８と小径部４９を有している。筒状部材３４，３５は、端軸１４，１５を挿通させた後、大径部４８が円柱状部１２および外接部材３１の端部にそれぞれ外嵌するように取り付けられている。大径部４８の端部４８ａは外接部材３１の脚部４３に当接して外接部材３１における軸方向の移動を規制する。
【0034】
大径部４８の端部４８ａと外接部材３１の脚部４３との当接部においては、図７（Ｂ）の部分拡大図で示すように、脚部４３側の傾斜面４４と大径部４８側の傾斜面５０が形成されている。これら傾斜面４４，５０は、円柱状部１２の径方向外側に向かうにつれて円柱状部１２の軸方向中心側に近づく方向に所定の傾斜角度θで傾斜する。かかる傾斜面４４，５０は、部分拡大図における筒状部材３４の軸方向（図中右方向）の移動力を、外接部材３１の径方向（図中下方向）の移動力に変換する。即ち、本例においては、一対の筒状部材３４，３５と当接部に設けられた傾斜面４４，４５が、対向片４５を含む外接部材３１を径方向に移動させる移動手段を構成する。
【0035】
ナット部材３６，３７は、筒状部材３４，３５の素材保持部１１とは反対側に設けられ、端軸１４，１５に形成された雄ねじ部１６に螺合する。ナット部材３６，３７は、それぞれ筒状部材３４，３５の小径部４９と当接して、ねじ送り作用により筒状部材３４，３５を軸方向に移動させることが可能とされている。
なお本例では、筒状部材３４，３５を共に軸方向に移動可能としているが、例えば一方の筒状部材３５を軸方向に移動不能に構成し、筒状部材３４のみをナット部材３６のねじ送り作用に基づいて軸方向に移動させる構成を採用することも可能である。
なお本例では、筒状部材３４，３５を共に軸方向に移動可能としているが、例えば一方の筒状部材３５を軸方向に移動不能に構成し、筒状部材３４のみをナット部材３６のねじ送り作用に基づいて軸方向に移動させる構成を採用することも可能である。
【0036】
次に、磁石素材用固定具１０Ｂを用いた本例の切断方法について説明する。
先ず、図８（Ｉ）で示すように、一方の筒状部材３４を取り外した状態で、円柱状部１２の溝３９に外接部材３１を差し込むことで形成された空間４０に磁石素材Ｓを収容した後、筒状部材３４を円柱状部１２および外接部材３１の端部に外嵌させる。
次に、ナット部材３６，３７（図７参照）を締め付け、図８（II）で示すように、一対の筒状部材３４，３５の軸方向間距離が小さくなる方向へ筒状部材３４，３５を移動させると、外接部材３１の対向片４５が縮径方向（図中下向き）に移動し、磁石素材Ｓを円柱状部１２の外周面１３に押し付けて、磁石素材Ｓを固定する。図８（II）では一個の磁石素材Ｓが固定された状態を示しているが、筒状部材３４，３５は円柱状部１２に取り付けられた全て（６本）の外接部材３１と当接しており、全ての外接部材３１が同時に縮径方向に移動し、全て（６個）の磁石素材Ｓが固定される。
先ず、図８（Ｉ）で示すように、一方の筒状部材３４を取り外した状態で、円柱状部１２の溝３９に外接部材３１を差し込むことで形成された空間４０に磁石素材Ｓを収容した後、筒状部材３４を円柱状部１２および外接部材３１の端部に外嵌させる。
次に、ナット部材３６，３７（図７参照）を締め付け、図８（II）で示すように、一対の筒状部材３４，３５の軸方向間距離が小さくなる方向へ筒状部材３４，３５を移動させると、外接部材３１の対向片４５が縮径方向（図中下向き）に移動し、磁石素材Ｓを円柱状部１２の外周面１３に押し付けて、磁石素材Ｓを固定する。図８（II）では一個の磁石素材Ｓが固定された状態を示しているが、筒状部材３４，３５は円柱状部１２に取り付けられた全て（６本）の外接部材３１と当接しており、全ての外接部材３１が同時に縮径方向に移動し、全て（６個）の磁石素材Ｓが固定される。
【0037】
次に、磁石素材Ｓが固定された固定具１０Ｂを切断装置２０に取り付ける。そして固定具１０Ｂと切断刃ブロック体２５（図３参照）を共に回転させた状態で、切断刃ブロック体２５を相対的に固定具１０Ｂ（磁石素材Ｓ）の方向に移動させ、切断刃２６を磁石素材Ｓの外周面側から内側に向かって切り込ませる（図８（III）参照）。
図８（IV）は切断が完了した状態の固定具１０Ｂを示している。切断完了後は、ナット部材３６，３７を緩めることで、所定の寸法に切断された円弧状磁石Ｓ１を固定具１０Ｂから取り出すことができる。
図８（IV）は切断が完了した状態の固定具１０Ｂを示している。切断完了後は、ナット部材３６，３７を緩めることで、所定の寸法に切断された円弧状磁石Ｓ１を固定具１０Ｂから取り出すことができる。
【0038】
以上のように、本実施形態の切断方法によれば、切断距離を短くすることができるのに加えて、接着剤を使用することなく磁石素材Ｓを固定具１０Ｂに固定することができる。このため本実施形態の切断方法では、接着剤の使用に伴う接着剤を塗付する工程および接着剤を加熱硬化させる工程、更には切断後に接着剤を除去するための洗浄工程が不要となり、磁石素材の切断に要する工程を簡略化することができる。
【0039】
次に、図９～図１３を用いて本発明の第３実施形態に係る切断方法について説明する。この例においても、接着剤を用いることなく磁石素材用固定具に磁石素材を固定し切断加工を行なうことが可能である。
本例で用いられる磁石素材用固定具１０Ｃでは、図１０（Ａ）で示すように、複数の外接部材６１およびスペーサ７１を軸方向に沿って交互に配置して、磁石素材Ｓを固定状態で保持する素材保持部１１が構成されている。
本例で用いられる磁石素材用固定具１０Ｃでは、図１０（Ａ）で示すように、複数の外接部材６１およびスペーサ７１を軸方向に沿って交互に配置して、磁石素材Ｓを固定状態で保持する素材保持部１１が構成されている。
【0040】
外接部材６１は、図１１で示すように、リング状の部材で、径方向外側の外周面６４からは周方向に等間隔で脚部４３が突出し、脚部４３の先端側には周方向に張り出し磁石素材Ｓと対向する対向片４５が形成されている。外接部材６１の外周面６４、脚部４３、対向片４５で区画された空間６５（図１０（Ｂ）参照）内には磁石素材Ｓが収容される。
外接部材６１の中心部には、軸体５８を挿通させるための貫通穴６２が形成されている。ここで軸体５８は、図１０（Ａ）で示す端軸１４，１５およびフランジ５９を一体に備えた部材で、外接部材６１およびスペーサ７１と嵌合する部位にはキー５８ａを備えている。外接部材６１の貫通穴６２には、このキー５８ａと嵌合可能なキー溝６２ａが形成されて、軸方向に配置された複数の外接部材６１における周方向の位置が揃えられている。
外接部材６１の中心部には、軸体５８を挿通させるための貫通穴６２が形成されている。ここで軸体５８は、図１０（Ａ）で示す端軸１４，１５およびフランジ５９を一体に備えた部材で、外接部材６１およびスペーサ７１と嵌合する部位にはキー５８ａを備えている。外接部材６１の貫通穴６２には、このキー５８ａと嵌合可能なキー溝６２ａが形成されて、軸方向に配置された複数の外接部材６１における周方向の位置が揃えられている。
【0041】
スペーサ７１も、図１１で示すように、リング状の部材で、その中心部には軸体５８を挿通させるための貫通穴７２が形成されている。
一方、径方向外側の外周面６４と端面７５，７６とが交わる隅角部は周方向に亘って切り欠かれた切欠き部７７，７８が形成されている。切欠き部７７，７８には、それぞれ弾性部材としての断面円形状のＯリング８１が装着されている。
一方、径方向外側の外周面６４と端面７５，７６とが交わる隅角部は周方向に亘って切り欠かれた切欠き部７７，７８が形成されている。切欠き部７７，７８には、それぞれ弾性部材としての断面円形状のＯリング８１が装着されている。
【0042】
Ｏリング８１は、図１０（Ａ）の部分拡大図で示すように、素材保持部１１を構成する外接部材６１とスペーサ７１に軸方向の力が作用していない状態において、隣り合う前記外接部材６１とスペーサ７１との間に隙間δが形成されるように、そのサイズ（直径）が規定されている。
【0043】
素材保持部１１の軸方向両側には、軸体５８とは別体に構成され、軸体５８に沿って軸方向に移動可能な一対のストッパ部材８４，８５が配置されている。ストッパ部材８４，８５は素材保持部１１の端面と当接して素材保持部１１の軸方向長さを規制する。
本例では、隙間δが小さくなる方向へのストッパ部材８４，８５の移動により、Ｏリング８１を軸方向に圧縮させることで、図１２（Ａ）の部分拡大図で示すように、Ｏリング８１を径方向外側に膨出させて、これにより磁石素材Ｓを拡径方向（部分拡大図における図中上方向）に移動させることができる。即ち、本例においては、一対のストッパ部材８４，８５と、素材保持部１１内に配置されたＯリング８１が磁石素材Ｓを径方向に移動させる移動手段を構成する。
本例では、隙間δが小さくなる方向へのストッパ部材８４，８５の移動により、Ｏリング８１を軸方向に圧縮させることで、図１２（Ａ）の部分拡大図で示すように、Ｏリング８１を径方向外側に膨出させて、これにより磁石素材Ｓを拡径方向（部分拡大図における図中上方向）に移動させることができる。即ち、本例においては、一対のストッパ部材８４，８５と、素材保持部１１内に配置されたＯリング８１が磁石素材Ｓを径方向に移動させる移動手段を構成する。
【0044】
ナット部材８８は、ストッパ部材８４の素材保持部１１とは反対側に設けられ、軸体５８に形成された雄ねじ部１６に螺合する。ナット部材８８は、フランジ部８９を有し、ストッパ部材８４と当接した状態からの更なるねじ送り作用によりストッパ部材８４を軸方向（図中右方向）に移動させることが可能とされている。なお、もう一方のストッパ部材８５は、軸体５８と一体に形成されたフランジ５９と当接して軸方向（図中右方向）の移動が規制されている。
【0045】
次に磁石素材用固定具１０Ｃを用いた本例の切断方法について説明する。
先ず、図１３（Ｉ）で示すように、素材保持部１１に軸方向の力が作用しておらず隙間δが形成されている状態の磁石素材用固定具１０Ｃにおいて、素材保持部１１に形成された空間６５に磁石素材Ｓを収容する。
先ず、図１３（Ｉ）で示すように、素材保持部１１に軸方向の力が作用しておらず隙間δが形成されている状態の磁石素材用固定具１０Ｃにおいて、素材保持部１１に形成された空間６５に磁石素材Ｓを収容する。
【0046】
次に、ナット部材８８を締め付け方向に回転させ、図１３（II）で示すように、ストッパ部材８４を、隙間δが小さくなる方向（図中右方向）に移動させると、Ｏリング８１が軸方向に圧縮されＯリング８１は径方向外側に膨出し（図１２（Ａ）の部分拡大図参照）、これにより磁石素材Ｓが拡径方向に移動し、磁石素材Ｓは対向片４５に押し付けられて固定される。
【0047】
次に、磁石素材Ｓが固定された固定具１０Ｃを切断装置２０に取り付ける。そして固定具１０Ｃと切断刃ブロック体２５（図３参照）を共に回転させた状態で、切断刃ブロック体２５を相対的に固定具１０Ｃ（磁石素材Ｓ）の方向に移動させ、切断刃２６を磁石素材Ｓの外周面側から内側に向かって切り込ませる（図１３（III）参照）。
切断完了後は、ナット部材８８を緩めることで、所定の寸法に切断された円弧状磁石Ｓ１を固定具１０Ｃから取り出すことができる。
切断完了後は、ナット部材８８を緩めることで、所定の寸法に切断された円弧状磁石Ｓ１を固定具１０Ｃから取り出すことができる。
【0048】
以上のように、本実施形態の切断方法においても、切断距離を短くすることができるのに加えて、接着剤を使用することなく磁石素材Ｓを固定具１０Ｃに固定することができる。
【0049】
以上本発明の実施形態を詳述したがこれらはあくまでも一例示である。例えば本発明で用いる磁石素材用固定具の円柱状部の大きさや対向片の形状は、保持対象の磁石素材の大きさや形状に合わせて適宜変更可能である。また本発明は、希土類磁石以外の金属磁石からなる磁石素材の切断にも適用可能である等、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において様々変更を加えた形態で構成可能である。
【符号の説明】
【0050】
２ 内側湾曲面
１０，１０Ｂ，１０Ｃ 磁石素材用固定具
１１ 素材保持部
１２ 円柱状部
１３ 外周面
２６ 切断刃
３１ 外接部材
３４，３５ 筒状部材
４３ 脚部
４４，５０ 傾斜面
４５ 対向片
６１ 外接部材
７１ スペーサ
８１ Ｏリング（弾性部材）
８４，８５ ストッパ部材
Ｓ 磁石素材
１０，１０Ｂ，１０Ｃ 磁石素材用固定具
１１ 素材保持部
１２ 円柱状部
１３ 外周面
２６ 切断刃
３１ 外接部材
３４，３５ 筒状部材
４３ 脚部
４４，５０ 傾斜面
４５ 対向片
６１ 外接部材
７１ スペーサ
８１ Ｏリング（弾性部材）
８４，８５ ストッパ部材
Ｓ 磁石素材
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】