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  • 特開-流体圧アクチュエータ 図1
  • 特開-流体圧アクチュエータ 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023090524
(43)【公開日】2023-06-29
(54)【発明の名称】流体圧アクチュエータ
(51)【国際特許分類】
   F15B 15/10 20060101AFI20230622BHJP
【FI】
F15B15/10 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021205510
(22)【出願日】2021-12-17
(71)【出願人】
【識別番号】000005278
【氏名又は名称】株式会社ブリヂストン
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】大野 信吾
【テーマコード(参考)】
3H081
【Fターム(参考)】
3H081AA18
3H081CC29
(57)【要約】
【課題】湾曲(カール)時の捻れを防止し得る流体圧アクチュエータを提供する。
【解決手段】流体圧アクチュエータ10は、流体の圧力によって膨張及び収縮する円筒状のチューブ110と、所定方向に配向された繊維コードを編み込んだ伸縮性を有する構造体であり、チューブ110の外周面を覆うスリーブ120と、チューブ110の軸方向における端部を封止する封止部材210と、スリーブ120の内側において、チューブ110の軸方向における一端側から他端側に亘って設けられる拘束部材150を備える。拘束部材150は、軸方向に沿った圧縮に対して抵抗し、軸方向に直交する直交方向に変形可能であり、直線状の第1拘束部材と、第1拘束部材と軸方向において交差する直線状の第2拘束部材とを含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体の圧力によって膨張及び収縮する円筒状のチューブと、
所定方向に配向された繊維コードを編み込んだ伸縮性を有する構造体であり、前記チューブの外周面を覆うスリーブと、
前記チューブの軸方向における端部を封止する封止部材と
を備える流体圧アクチュエータであって、
前記スリーブの内側において、前記軸方向における一端側から他端側に亘って設けられる拘束部材を備え、
前記拘束部材は、
前記軸方向に沿った圧縮に対して抵抗し、前記軸方向に直交する直交方向に変形可能であり、
直線状の第1拘束部材と、
前記第1拘束部材と前記軸方向において交差する直線状の第2拘束部材と
を含む流体圧アクチュエータ。
【請求項2】
前記第1拘束部材及び前記第2拘束部材は、金属のモノフィラメントによって形成される請求項1に記載の流体圧アクチュエータ。
【請求項3】
前記第1拘束部材及び前記第2拘束部材は、板状である請求項1に記載の流体圧アクチュエータ。
【請求項4】
前記拘束部材は、前記チューブと前記スリーブとの間に設けられる請求項1乃至3の何れか一項に記載の流体圧アクチュエータ。
【請求項5】
前記第1拘束部材は、前記軸方向の中央部において前記第2拘束部材と交差する請求項1乃至4の何れか一項に記載の流体圧アクチュエータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、流体圧アクチュエータに関し、具体的には、いわゆるマッキベン型の流体圧アクチュエータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、気体または液体を用いてチューブを膨張及び収縮させる流体圧アクチュエータとして、空気圧によって膨張、収縮するゴム製のチューブと、チューブの外周面を覆うスリーブとを有する構造(いわゆるマッキベン型)が広く用いられている。
【0003】
このようなマッキベン型の流体圧アクチュエータには、収縮時に湾曲(カール)する構造も知られている(特許文献1参照)。具体的には、流体圧アクチュエータには、スリーブの内側に、チューブの軸方向における一端側から他端側に亘って設けられる拘束部材(板バネ)を備えられる。拘束部材は、チューブの軸方向に沿った圧縮に対して抵抗し、軸方向に直交する直交方向に変形可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-088999号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述したような湾曲可能な流体圧アクチュエータを繰り返し使用すると、拘束部材(板バネ)の癖付けによって、湾曲方向が捻れる場合がある。具体的には、流体圧アクチュエータを湾曲させると、チューブの軸方向に沿った直線上から外れ、捻れながら湾曲してしまう場合がある。
【0006】
そこで、以下の開示は、このような状況に鑑みてなされたものであり、湾曲(カール)時の捻れを防止し得る流体圧アクチュエータの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様は、流体の圧力によって膨張及び収縮する円筒状のチューブ(チューブ110)と、所定方向に配向された繊維コードを編み込んだ伸縮性を有する構造体であり、前記チューブの外周面を覆うスリーブ(スリーブ120)と、前記チューブの軸方向における端部を封止する封止部材とを備える流体圧アクチュエータ(流体圧アクチュエータ10)であって、前記スリーブの内側において、前記軸方向における一端側から他端側に亘って設けられる拘束部材(拘束部材150)を備え、前記拘束部材は、前記軸方向に沿った圧縮に対して抵抗し、前記軸方向に直交する直交方向に変形可能であり、直線状の第1拘束部材(第1拘束部材151)と、前記第1拘束部材と前記軸方向において交差する直線状の第2拘束部材(第2拘束部材152)とを含む。
【発明の効果】
【0008】
上述した流体圧アクチュエータによれば、湾曲(カール)時の捻れを防止し得る。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、流体圧アクチュエータ10の側面図である。
図2図2は、流体圧アクチュエータ10の一部分解斜視図である。
図3図3は、アクチュエータ本体部100の径方向DRに沿った断面図である。
図4図4(a)及び(b)は、流体圧アクチュエータ10の挙動の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施形態を図面に基づいて説明する。なお、同一の機能や構成には、同一または類似の符号を付して、その説明を適宜省略する。
【0011】
(1)流体圧アクチュエータの全体概略構成
図1は、本実施形態に係る流体圧アクチュエータ10の側面図である。図1に示すように、流体圧アクチュエータ10は、アクチュエータ本体部100、封止機構200及び封止機構300を備える。また、流体圧アクチュエータ10の両端には、連結部20がそれぞれ設けられる。
【0012】
アクチュエータ本体部100は、チューブ110とスリーブ120とによって構成される。アクチュエータ本体部100には、接続口211aを介して流体が流入する。
【0013】
アクチュエータ本体部100は、基本的な特性として、チューブ110内への流体の流入によって、アクチュエータ本体部100の軸方向DAXにおいて収縮し、径方向DRにおいて膨張する。また、アクチュエータ本体部100は、チューブ110から流体の流出によって、アクチュエータ本体部100の軸方向DAXにおいて膨張し、径方向DRにおいて収縮する。このようなアクチュエータ本体部100の形状変化によって、流体圧アクチュエータ10は、アクチュエータとしての機能を発揮する。
【0014】
このような流体圧アクチュエータ10は、いわゆるマッキベン型であり、人工筋肉用として適用できることは勿論のこと、より高い能力(収縮力)が要求されるロボットの体肢(上肢や下肢など)、ロボットハンド用としても好適に用い得る。連結部20には、当該体肢を構成する部材などが連結される。
【0015】
本実施形態では、このような基本的な特性を有するマッキベン型の流体圧アクチュエータを用いつつ、軸方向DAXの圧縮を拘束する(規制または制限すると呼んでもよい、以下同)拘束部材150(図1において不図示、図2,3など参照)を設けることによって、軸方向DAXに直交する直交方向、つまり、径方向DRに湾曲(カール)することができる。
【0016】
流体圧アクチュエータ10の駆動に用いられる流体は、空気などの気体、または水、鉱物油などの液体のどちらでもよいが、特に、流体圧アクチュエータ10は、アクチュエータ本体部100に高い圧力が掛かる油圧駆動にも耐え得る高い耐久性を有し得る。
【0017】
封止機構200及び封止機構300は、軸方向DAXにおけるアクチュエータ本体部100の両端部を封止する。具体的には、封止機構200は、封止部材210及びかしめ部材230を含む。封止部材210は、アクチュエータ本体部100の軸方向DAXの端部を封止する。また、かしめ部材230は、アクチュエータ本体部100を封止部材210とともにかしめる。かしめ部材230の外周面には、治具によってかしめ部材230がかしめられた痕である圧痕231が形成される。
【0018】
封止機構200と封止機構300との相違点は、接続口211aが設けられているか否かである。
【0019】
接続口211aは、流体圧アクチュエータ10の駆動圧力源、具体的には、気体や液体のコンプレッサと接続されたホース(管路)を取り付けられる。接続口211aを介して流入した流体は、通過孔(不図示)を通過してアクチュエータ本体部100の内部、具体的には、チューブ110の内部に流入する。
【0020】
図2は、流体圧アクチュエータ10の一部分解斜視図である。図2示すように、流体圧アクチュエータ10は、アクチュエータ本体部100及び封止機構200を備える。
【0021】
アクチュエータ本体部100は、上述したように、チューブ110とスリーブ120とによって構成される。
【0022】
チューブ110は、流体の圧力によって膨張及び収縮する円筒状の筒状体である。チューブ110は、流体による収縮及び膨張を繰り返すため、ブチルゴムなど弾性材料によって構成される。また、流体圧アクチュエータ10を油圧駆動とする場合には、耐油性が高いNBR(ニトリルゴム)、または水素化NBR、クロロプレンゴム、及びエピクロロヒドリンゴムからなる群より選択される少なくとも一種とすることが好ましい。
【0023】
スリーブ120は、円筒状であり、チューブ110の外周面を覆う。スリーブ120は、所定方向に配向された繊維コードを編み込んだ伸縮性を有する構造体であり、配向されたコードが交差することによって菱形の形状が繰り返されている。スリーブ120は、このような形状を有することによって、パンタグラフ変形し、チューブ110の収縮及び膨張を規制しつつ追従する。
【0024】
スリーブ120を構成するコードとしては、芳香族ポリアミド(アラミド繊維)やポリエチレンテレフタラート(PET)の繊維コードを用いることが好ましい。但し、このような種類の繊維コードに限定されるものではなく、例えば、PBO繊維(ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール)などの高強度繊維のコードでもよい。
【0025】
また、本実施形態では、チューブ110とスリーブ120との間には、拘束部材150が設けられる。
【0026】
拘束部材150は、軸方向DAXには圧縮せず、径方向DR(撓み方向と呼んでもよい)に沿ってのみ変形可能である。つまり、拘束部材150は、軸方向DAXに沿った圧縮に対して抵抗し、軸方向DAXに直交する直交方向(径方向DR)に変形可能である。
【0027】
換言すると、拘束部材150は、軸方向DAXに沿って変形し難く、径方向DRに沿って撓める特性を有している。なお、変形可能とは、湾曲、或いはカール可能と言い換えてもよい。
【0028】
また、拘束部材150は、拘束部材150が設けられているチューブ110の外周上の位置において、径方向DR外側へのチューブ110(及びスリーブ120)の膨張を拘束(規制)する機能も有している。
【0029】
本実施形態では、拘束部材150は、スリーブ120の内側、具体的には、スリーブ120の径方向内側の空間において、軸方向DAXの一端側から他端側に亘って設けられる。
【0030】
拘束部材150は、第1拘束部材151と第2拘束部材152とによって構成される。第1拘束部材151及び第2拘束部材152は、ともに直線状の部材であり、軸方向DAXにおいて交差するように設けられる。
【0031】
第1拘束部材151及び第2拘束部材152は、金属のモノフィラメントによって形成されてよい。具体的には、第1拘束部材151及び第2拘束部材152は、直径0.2mm程度のピアノ線によって形成される。ピアノ線は、炭素分が極めて多い炭素鋼でできた鋼線と解釈されてよい。
【0032】
ピアノ線によって形成される第1拘束部材151は、流体圧アクチュエータ10の非収縮時において概ね直線状である。第2拘束部材152も流体圧アクチュエータ10の非収縮時において概ね直線状であり、第1拘束部材151と、チューブ110(アクチュエータ本体部100)の軸方向DAXの中央部において交差するように設けられる。
【0033】
なお、第1拘束部材151と第2拘束部材152とが交差する位置は、厳密にチューブ110(アクチュエータ本体部100)の軸方向DAXの中央部でなくてもよいが、概ね中央部で交差するように設けることが、流体圧アクチュエータ10の収縮時の捻れ防止の観点から望ましい。
【0034】
また、第1拘束部材151と第2拘束部材152とが交差する部分は、流体圧アクチュエータ10の収縮によって変化するため、特に固定されずに軸方向DAXに移動できるようにしておくことが好ましい。
【0035】
封止機構200は、アクチュエータ本体部100の軸方向DAXにおける端部を封止する。封止機構200は、封止部材210、係止リング220及びかしめ部材230によって構成される。
【0036】
封止部材210は、管状のアクチュエータ本体部100に挿通される。具体的には、封止部材210は、頭部211と胴体部212とを有し、胴体部212は、チューブ110に挿通される。
【0037】
封止部材210としては、ステンレス鋼などの金属を好適に用い得るが、このような金属に限定されず、硬質プラスチック材料などを用いてもよい。
【0038】
係止リング220は、封止部材210にスリーブ120を係止する。具体的には、スリーブ120は、係止リング220を介して径方向DR外側に折り返される(図2において不図示、図3参照)。
【0039】
係止リング220には、封止部材210と係合できるように一部が切り欠かれた切欠き部221が形成されている。係止リング220としては、封止部材210と同様の金属、硬質プラスチック材料などの材料や、自然繊維(自然繊維の糸)、ゴム(例えばOリング)などの材料を用いることができる。
【0040】
かしめ部材230は、アクチュエータ本体部100を封止部材210とともにかしめる。具体的には、かしめ部材230は、アクチュエータ本体部100の封止部材210が挿通された部分の外周面に設けられ、アクチュエータ本体部100及び拘束部材150を封止部材210にかしめる。
【0041】
かしめ部材230としては、アルミニウム合金、真鍮、及び鉄などの金属を用いることができる。かしめ用の治具によってかしめ部材230がかしめられると、かしめ部材230には、図1に示したような圧痕231が形成される。
【0042】
なお、かしめられた後の封止機構200(及び封止機構300)の形状の図示いついては省略するが、特開2021-088999号公報に記載されている形状と概ね同様と解釈されてよい。
【0043】
(2)アクチュエータ本体部100の構成
図3は、アクチュエータ本体部100の径方向DRに沿った断面図である。具体的には、図3は、図1のF3-F3方向に沿ったアクチュエータ本体部100の断面図である。
【0044】
図3に示すように、拘束部材150は、チューブ110とスリーブ120との間に設けられる。拘束部材150、具体的には、第1拘束部材151及び第2拘束部材152は、チューブ110及びスリーブ120と密着していてもよいし、図3に示すようにチューブ110に多少めり込むに設けられてもよい。
【0045】
或いは、拘束部材150と、チューブ110及び/またはスリーブ120との間、及び拘束部材150の側方には、多少隙間が形成されても構わない。
【0046】
(3)流体圧アクチュエータ10の挙動
図4(a)及び(b)は、流体圧アクチュエータ10の挙動の説明図である。具体的には、図4(a)及び(b)は、アクチュエータ本体部100を構成するチューブ110と拘束部材150の非収縮時及び収縮時の形状をそれぞれ示す。
【0047】
上述したように、流体圧アクチュエータ10の内部に流体が流入すると、軸方向DAXに収縮しようとするが、クロス状に設けられた拘束部材150が設けられているため、軸方向DAXに沿った収縮が拘束(規制)される。
【0048】
つまり、ピアノ線などの硬質な部材によって形成された拘束部材150が、背骨のような役割を果たし、拘束部材150が設けられているチューブ110及びスリーブ120の外周上の位置と反対側(図4における下側)において、径方向DR外側に膨張することによって、軸方向DAXにおける流体圧アクチュエータ10の寸法が短くなり、流体圧アクチュエータ10(具体的には、アクチュエータ本体部100)が撓む(図4(b)の矢印参照)。
【0049】
拘束部材150は、ゴム製のチューブ110と、スリーブ120との間に設けられ、軸方向DAXにおける圧縮に対して抵抗し、に直交する直交方向(径方向DR)に沿って変形できる部材であり、アクチュエータ本体部100の周方向における一部に配置される。
【0050】
つまり、アクチュエータ本体部100への流体の流入(加圧)によって、アクチュエータ本体部100(マッキベン)が軸方向DAXに沿って収縮しようとすると、拘束部材150の部分は圧縮剛性が高いため、拘束部材150が配置された部分は収縮することができない。一方、その他のアクチュエータ本体部100の部分は収縮しようとするため、直交方向(径方向DR)に沿った曲げ方向の力が発生し、拘束部材150を背面として湾曲する。
【0051】
さらに、拘束部材150は、アクチュエータ本体部100の軸方向DAXの中央部で交差するようにクロス状に設けられるため、アクチュエータ本体部100の収縮時に、アクチュエータ本体部100が径方向DRに捻れることを効果的に抑制できる。
【0052】
(4)作用・効果
上述したように、流体圧アクチュエータ10によれば、拘束部材150は、アクチュエータ本体部100の軸方向DAXの中央部で交差する第1拘束部材151と第2拘束部材152とによって構成される。
【0053】
このため、流体圧アクチュエータ10が収縮して湾曲しても、第1拘束部材151と第2拘束部材152とが、径方向DRの捻れを互いに規制するため、チューブ110(アクチュエータ本体部100)の軸方向DAXに沿った直線上から外れ、径方向DRに捻れながら湾曲してしまう状態を防止できる。すなわち、流体圧アクチュエータ10によれば、湾曲(カール)時の捻れを防止し得る。
【0054】
本実施形態では、第1拘束部材151及び第2拘束部材152は、金属のモノフィラメントによって形成してよい。これにより、軽量で捻れ防止効果の高い流体圧アクチュエータ10を提供し得る。
【0055】
また、第1拘束部材151及び第2拘束部材152は、チューブ110とスリーブ120との間に設けられてよい。このため、チューブ110の軸方向DAXに沿った膨張を効果的に拘束(規制)できる。これにより、効率的に湾曲方向への力を発生させることができ、より大きな湾曲方向の力を発揮し得る。
【0056】
(5)その他の実施形態
以上、実施形態について説明したが、当該実施形態の記載に限定されるものではなく、種々の変形及び改良が可能であることは、当業者には自明である。
【0057】
例えば、上述した実施形態では、第1拘束部材151及び第2拘束部材152は、金属のモノフィラメントによって形成されていたが、第1拘束部材151及び第2拘束部材152は、板状の部材でもよい。また、第1拘束部材151及び第2拘束部材152は、複数設けられてもよい。この場合、第1拘束部材151及び第2拘束部材152の数は、同数であることが好ましい。
【0058】
例えば、幅が5mm程度、厚さ0.5mm程度の板バネによって形成してもよい。この場合、板バネの材料についても特に限定されないが、典型的には、ステンレス鋼などの金属など、曲げ易く、圧縮に強い材料であればよい。例えば、拘束部材は、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)の薄板などによって形成されてもよい。
【0059】
また、上述した実施形態では、拘束部材150は、アクチュエータ本体部100(つまり、チューブ110及びスリーブ120)の軸方向DAXにおける一端側から他端側に亘って設けられていたが、アクチュエータ本体部100の軸方向DAXにおける略全体の領域に亘って設けられていれば、必ずしも、アクチュエータ本体部100の軸方向DAXにおける一端から他端に亘って設けられていなくても構わない。
【0060】
さらに、上述した実施形態では、拘束部材150を用いて流体圧アクチュエータの可撓性が確保されていたが、流体圧アクチュエータは、別の構造によって可撓性が確保されてもよい。例えば、流体圧アクチュエータの周囲に一部をベローズ状にした可撓性の枠材を設けることによって、流体圧アクチュエータが収縮すると、ベローズ部分を内側にして流体圧アクチュエータが湾曲するようにしてもよい。
【0061】
以上、本開示について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示が本開示中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本開示は、請求の範囲の記載により定まる本開示の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本開示の記載は、例示説明を目的とするものであり、本開示に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【符号の説明】
【0062】
10 流体圧アクチュエータ
20 連結部
100 アクチュエータ本体部
110 チューブ
120 スリーブ
150 拘束部材
151 第1拘束部材
152 第2拘束部材
200 封止機構
210 封止部材
211a 接続口
211 頭部
212 胴体部
220 係止リング
221 切欠き部
230 かしめ部材
231 圧痕
300 封止機構
図1
図2
図3
図4