(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023090555
(43)【公開日】2023-06-29
(54)【発明の名称】波形測定器及び方法
(51)【国際特許分類】
G01R 13/28 20060101AFI20230622BHJP
G01R 13/34 20060101ALI20230622BHJP
【FI】
G01R13/28 A
G01R13/34 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021205575
(22)【出願日】2021-12-17
(71)【出願人】
【識別番号】000006507
【氏名又は名称】横河電機株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】596157780
【氏名又は名称】横河計測株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100169823
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 雄郎
(74)【代理人】
【識別番号】100224694
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 孝志
(72)【発明者】
【氏名】中山 悦郎
(57)【要約】
【課題】特徴量を示すデータを取得しつつ、波形データを利用したAI解析のための全体の処理時間を短縮しやすくする。
【解決手段】波形測定器11は、複数のチャネルのうち少なくとも1つのチャネルをトリガチャネルに設定し、ストレージ内の、トリガチャネルに対応する領域に書き込まれるデジタル信号データに含まれる各サンプル値と、閾値とを順次比較して、1つのサンプル値をトリガ点として検出する度に、ストレージ内の、複数のチャネルの各チャネルに対応する領域において、トリガ点の検出時点を含む一定期間中に書き込まれたデジタル信号データに含まれる少なくとも1つのサンプル値を読み出し、読み出されたサンプル値の特徴量を抽出する処理を実行し、抽出された特徴量を示すデータを出力する制御部110を備える。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のチャネルから入力されたアナログ信号の波形をデジタル信号データに変換して、各チャネルのデジタル信号データをストレージ内の対応する領域に書き込むデータ取り込みを行う波形測定器であって、
前記複数のチャネルのうち少なくとも1つのチャネルをトリガチャネルに設定し、前記ストレージ内の、前記トリガチャネルに対応する領域に書き込まれるデジタル信号データに含まれる各サンプル値と、閾値とを順次比較して、1つのサンプル値をトリガ点として検出する度に、前記ストレージ内の、前記複数のチャネルの各チャネルに対応する領域において、前記トリガ点の検出時点を含む一定期間中に書き込まれたデジタル信号データに含まれる少なくとも1つのサンプル値を読み出し、読み出されたサンプル値の特徴量を抽出する処理を実行し、抽出された特徴量を示すデータを出力する制御部を備える波形測定器。
【請求項2】
前記制御部は、前記データ取り込みと、前記特徴量を抽出する処理とを並行して実行する請求項1に記載の波形測定器。
【請求項3】
前記制御部は、前記複数のチャネルのうち2つ以上のチャネルに対応する領域から読み出されたサンプル値の特徴量を抽出する処理を実行して得られた2つ以上の特徴量を1つの特徴量に変換する処理を更に実行し、前記1つの特徴量を示すデータを、出力するデータに含める請求項1又は2に記載の波形測定器。
【請求項4】
複数のチャネルから入力されたアナログ信号の波形をデジタル信号データに変換して、各チャネルのデジタル信号データをストレージ内の対応する領域に書き込むデータ取り込みを行う際に、前記複数のチャネルのうち少なくとも1つのチャネルをトリガチャネルに設定することと、
前記ストレージ内の、前記トリガチャネルに対応する領域に書き込まれるデジタル信号データに含まれる各サンプル値と、閾値とを順次比較して、1つのサンプル値をトリガ点として検出する度に、前記ストレージ内の、前記複数のチャネルの各チャネルに対応する領域において、前記トリガ点の検出時点を含む一定期間中に書き込まれたデジタル信号データに含まれる少なくとも1つのサンプル値を読み出すことと、
読み出されたサンプル値の特徴量を抽出する処理を実行することと、
抽出された特徴量を示すデータを出力することと、
を含む方法。
【請求項5】
前記データ取り込みと、前記特徴量を抽出する処理とを並行して実行することを更に含む請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記複数のチャネルのうち2つ以上のチャネルに対応する領域から読み出されたサンプル値の特徴量を抽出する処理を実行して得られた2つ以上の特徴量を1つの特徴量に変換する処理を更に実行し、前記1つの特徴量を示すデータを、出力するデータに含めることを更に含む請求項4又は5に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、波形測定器及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
非特許文献1には、設備の故障を事前に検知する傾向監視に用いられる閾値の設定を効率化する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】佐藤正彦,「Sushi Sensorによる傾向監視への機械学習技術の応用」,横河技報,Vol.63,No.1(2020),pp.23~26
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
傾向監視では、トリガ機能を有する波形測定器が用いられる。トリガ機能とは、デジタル信号データに対して実行される所定の処理を開始するトリガとして、デジタル信号データの特徴的な信号を検出する機能のことである。デジタル信号データの特徴的な信号を検出することを、トリガ検出ともいう。トリガ機能を有する波形測定器を用いた測定のことを、トリガ測定ともいう。トリガ測定は、機械加工生産ラインにおいて、加工中の加工機械の挙動の監視等に有効である。例えば、加工機械の挙動を見るために、加工機械に設置された各種センサから信号を測定する場合、加工途中の特徴的な信号をトリガとして使用すれば、加工1回ごとに、加工機械の挙動を波形測定器に取り込むことができる。トリガ機能を利用することで、傾向監視対象の一連の動作の中で、同じ点を基準としてデータ取り込みを行うことが可能となる。トリガ機能を有する波形測定器は、トリガ検出に応じて取り込んだデジタル信号データを、デジタル信号データの取り込みごとにローカルPC又はサーバ等の外部装置に送信する。「PC」は、personal computerの略語である。外部装置側では、受信されたデジタル信号データを用いて、例えば、加工機械の故障予測の目的でAI解析が行われる。「AI」は、artificial intelligenceの略語である。ここで、波形測定器から送信されるデジタル信号データは、時間サンプリングデータである。サンプリング精度を高めるには、サンプリング周期を早くする必要があり、データ量が大きくなる。したがって、波形測定器に取り込んだ未加工のデジタル信号データ、すなわち「生データ」をそのまま外部装置に渡すと、データ通信量が膨大となる。また、外部装置側では、受信された生データをそのまま解析するとサンプル値の多さから解析時間が長くなる。したがって、生データの特定の一部分のサンプル値の特徴量を抽出し、特徴量に対してAI解析が実行されることが考えられる。「特徴量」とは、生データに含まれるサンプル値を特徴付ける代表値のことであり、例えば、生データの特定の一部分のサンプル値の平均値である。この場合、外部装置側で生データに対して特徴量の抽出を行うと、データ処理負荷及び処理時間が増大する。その結果、波形データを利用したAI解析のための全体の処理時間が長くなる。
【0005】
本開示の目的は、特徴量を示すデータを取得しつつ、波形データを利用したAI解析のための全体の処理時間を短縮しやすくすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
幾つかの実施形態に係る波形測定器は、複数のチャネルから入力されたアナログ信号の波形をデジタル信号データに変換して、各チャネルのデジタル信号データをストレージ内の対応する領域に書き込むデータ取り込みを行う波形測定器であって、複数のチャネルのうち少なくとも1つのチャネルをトリガチャネルに設定し、ストレージ内の、トリガチャネルに対応する領域に書き込まれるデジタル信号データに含まれる各サンプル値と、閾値とを順次比較して、1つのサンプル値をトリガ点として検出する度に、ストレージ内の、複数のチャネルの各チャネルに対応する領域において、トリガ点の検出時点を含む一定期間中に書き込まれたデジタル信号データに含まれる少なくとも1つのサンプル値を読み出し、読み出されたサンプル値の特徴量を抽出する処理を実行し、抽出された特徴量を示すデータを出力する制御部を備える。このような波形測定器においては、トリガ点が検出される度に、一定期間中に書き込まれたデジタル信号データに含まれる少なくとも1つのサンプル値の特徴量を抽出する処理が実行され、実行結果が特徴量を示すデータとして出力される。つまり、生データの特定の一部分から特徴量を示すデータを取得する処理を、波形測定器側で実行できる。取得された特徴量を示すデータを波形測定器から端末装置に送信することで、端末装置側では、AI解析に用いられる機械学習用のデータをすぐに利用できるようになる。したがって、生データをそのまま外部装置に送信する場合に比べて、波形測定器と外部装置との間のデータ通信量及び外部装置側のデータ処理負荷が低減される。よって、特徴量を示すデータを取得しつつ、波形データを利用したAI解析のための全体の処理時間を短縮しやすくなる。
【0007】
一実施形態に係る波形測定器において、制御部は、データ取り込みと、特徴量を抽出する処理とを並行して実行する。例えば、プレス機によるプレス加工の挙動の傾向監視を行うために、プレス機のデータ取り込みを行う場合に、データ取り込みと、特徴量を抽出する処理とを並行して実行しないときは、特徴量を抽出する処理を実行している間、データ取り込みが実行されないことになる。この場合に、データ取り込みを優先して、プレス加工中にデータ取り込みの時間を設け、データ取り込みが完了するまでプレス加工を中断することは、現実的でない。したがって、プレス加工ではなくデータ取り込みを中断することになる。そうすると、データ取り込みが不連続となり、データ欠落が起こり得る。一方、このような実施形態によれば、特徴量抽出中もデータ取り込みが行えるので、データ取り込み間のデッドタイムが生じなくなり、かつデータ取り込みの連続性が担保される。
【0008】
一実施形態に係る波形測定器において、制御部は、複数のチャネルのうち2つ以上のチャネルに対応する領域から読み出されたサンプル値の特徴量を抽出する処理を実行して得られた2つ以上の特徴量を1つの特徴量に変換する処理を更に実行し、前記1つの特徴量を示すデータを、出力するデータに含める。このような実施形態によれば、複数のチャネルの特徴量を抽出する処理の実行結果を組み合わせて別の特徴量を示すデータを取得することができる。
【0009】
幾つかの実施形態に係る方法は、複数のチャネルから入力されたアナログ信号の波形をデジタル信号データに変換して、各チャネルのデジタル信号データをストレージ内の対応する領域に書き込むデータ取り込みを行う際に、複数のチャネルのうち少なくとも1つのチャネルをトリガチャネルに設定することと、ストレージ内の、トリガチャネルに対応する領域に書き込まれるデジタル信号データに含まれる各サンプル値と、閾値とを順次比較して、1つのサンプル値をトリガ点として検出する度に、ストレージ内の、複数のチャネルの各チャネルに対応する領域において、トリガ点の検出時点を含む一定期間中に書き込まれたデジタル信号データに含まれる少なくとも1つのサンプル値を読み出すことと、読み出されたサンプル値の特徴量を抽出する処理を実行することと、抽出された特徴量を示すデータを出力することと、を含む。このような方法によれば、トリガ点が検出される度に、一定期間中に書き込まれたデジタル信号データに含まれる少なくとも1つのサンプル値の特徴量を抽出する処理が実行され、実行結果が特徴量を示すデータとして出力される。つまり、生データの特定の一部分から特徴量を示すデータを取得して、AI解析に用いられる機械学習用のデータを抽出することができる。
【0010】
一実施形態に係る方法は、データ取り込みと、特徴量を抽出する処理とを並行して実行することを更に含む。例えば、プレス機によるプレス加工の挙動の傾向監視を行うために、プレス機のデータ取り込みを行う場合に、データ取り込みと、特徴量を抽出する処理とを並行して実行しないときは、特徴量を抽出する処理を実行している間、データ取り込みが実行されないことになる。この場合に、データ取り込みを優先して、プレス加工中にデータ取り込みの時間を設け、データ取り込みが完了するまでプレス加工を中断することは、現実的でない。したがって、プレス加工ではなくデータ取り込みを中断することになる。そうすると、データ取り込みが不連続となり、データ欠落が起こり得る。一方、このような実施形態によれば、特徴量抽出中もデータ取り込みが行えるので、データ取り込み間のデッドタイムが生じなくなり、かつデータ取り込みの連続性が担保される。
【0011】
一実施形態に係る方法において、複数のチャネルのうち2つ以上のチャネルに対応する領域から読み出されたサンプル値の特徴量を抽出する処理を実行して得られた2つ以上の特徴量を1つの特徴量に変換する処理を更に実行し、1つの特徴量を示すデータを、出力するデータに含めることを更に含む。このような実施形態によれば、複数のチャネルの特徴量を抽出する処理の実行結果を組み合わせて別の特徴量を示すデータを取得することができる。
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、特徴量を示すデータを取得しつつ、波形データを利用したAI解析のための全体の処理時間を短縮しやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】比較例に係るシステムのデータフローを示す図である。
【
図2】比較例に係る波形測定器の詳細構成を示すブロック図である。
【
図3】トリガ検出時の、リングバッファにおけるデータ書き込み及びデータ読み出しを示す図である。
【
図4】本実施形態に係るシステムのデータフローを示す図である。
【
図5】本実施形態に係るシステムの構成を示すブロック図である。
【
図6】本実施形態に係る波形測定器の詳細構成を示すブロック図である。
【
図7】本実施形態に係るシステムの動作を示すフローチャートである。
【
図8】トリガ測定で取得されるサンプル値をプロットして生成される波形の一例を示す図である。
【
図9】4チャネルでデータ取り込みを行った場合の、各チャネルに対応する領域を示す図である。
【
図10】データ読み出し及び特徴量の抽出の具体例を示す図である。
【
図11】データ取り込み、データ読み出し、及び特徴量の抽出を時系列で示す図である。
【
図12】一変形例に係るデータ取り込み、データ読み出し、及び特徴量の抽出を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
最初に比較例について説明する。
【0015】
図1は、比較例に係るシステム20の構成を示す。システム20は、トリガ機能を有する波形測定器21と、インターネット等のネットワークを介して波形測定器21に接続されるローカルPC22とを備える。
【0016】
波形測定器21は、アナログ信号の波形をデジタル信号データに変換してローカルPC22に送信する。ローカルPC22は、デジタル信号データを蓄積して、蓄積されたデータから機械学習用のデータを取得する。ローカルPC22は、取得された機械学習用のデータから傾向監視のためのAI解析に用いるモデルを生成する。
【0017】
図2を参照して、波形測定器21の構成について説明する。
【0018】
波形測定器21では、
図2に示すように、観測されるアナログ入力チャネルCH1のアナログ信号が入力増幅器201で正規化され、A/D変換器202に入力される。「A/D」は、analog to digitalの略語である。アナログ入力チャネルCH1と同時に観測されるアナログ入力チャネルCH2のアナログ信号は、入力増幅器204で正規化され、A/D変換器205に入力される。データを取り込むタイミングは、サンプルタイミング発生回路211により制御される。A/D変換器202、205は、サンプルタイミング発生回路211により生成されるタイミング信号に応じてA/D変換を行う。変換されたデータは、インターフェース回路203、206を通じてメモリコントローラ212に送られ、波形メモリ221に順次格納される。波形メモリ221に格納されたデータは、表示波形作成回路231で波形表示データに変換され、波形表示器232に波形として表示される。波形メモリ221に格納されたデータは、一定量が溜まったところで、ネットワークを介してローカルPC22に送信され、ローカルPC22により適宜読み出され、波形又は数値データに変換されて、ローカルPC22上に表示され、観察される。
【0019】
図3に、変換されたデータを波形メモリ221に順次格納しながらトリガ検出を実行する際の、波形メモリ221におけるデータ書き込み及びデータ読み出しを示す。
図3に示す例では、波形メモリ221は、メモリコントローラ212によりリングバッファとして制御される。リングバッファにおけるデータ取り込みは、波形メモリ221のアドレスAから開始され、アドレスBにデータ取り込みが達すると、折り返してアドレスAに戻り、データが上書きされていく。トリガ検出回路213は、トリガ検出を実行する。具体的には、トリガ検出回路213は、該当するチャネルのデジタル信号データのサンプル値が予め設定されたトリガ条件を満たすかどうかを判定する。トリガ検出回路213は、判定結果に応じてトリガ点を検出し、検出されたトリガ点をメモリコントローラ212に通知する。メモリコントローラ212は、トリガ検出回路213からトリガ点が通知された時点でサンプル値の書き込みが行われたアドレスを、トリガ点アドレスnTとして記憶する。メモリコントローラ212は、トリガ点の検出後、予め設定された数だけサンプル値を取り込んだ後、すなわち最終アドレスnEのデータ書き込みが完了したときに、データ取り込みを終了する。データ読み出しの先頭アドレスとしては、トリガ点アドレスnTから、予め設定された数だけ遡ったアドレスn0が設定される。表示波形作成回路231は、波形メモリ221から、n0→nT→B→A→nEの順にデータを読み出し、表示波形を作成し、波形表示器232に表示させる。
【0020】
このようなシステム20では、波形測定器21は、トリガ検出に応じて取り込んだ波形データをデジタル信号データに変換して、データ取り込みごとにローカルPC22に送信する。上述のとおり、波形測定器21から生データをそのままローカルPC22に渡すと、データ通信量が膨大となる。また、ローカルPC22側で生データに対して特徴量の抽出を行うと、データ処理負荷及び処理時間が過大となる。その結果、波形データを利用したAI解析のための全体の処理時間が長くなる。
【0021】
よって、特徴量を示すデータを取得しつつ、波形データを利用したAI解析のための全体の処理時間を短縮しやすくする必要がある。
【0022】
以下、本開示の幾つかの実施形態について、図を参照して説明する。各図中、同一又は相当する部分には、同一符号を付している。各実施形態の説明において、同一又は相当する部分については、説明を適宜省略又は簡略化する。
【0023】
本開示の一実施形態である第1実施形態について説明する。
【0024】
図5を参照して、本実施形態に係るシステム10の構成を説明する。
【0025】
システム10は、
図5に示すように、波形測定器11と、端末装置12とを備える。
【0026】
波形測定器11は、入力されたアナログ信号の波形をデジタル信号データに変換する装置である。波形測定器11は、
図5に示すように、入力部100と、制御部110と、記憶部120と、表示部130と、通信部140とを備える。波形測定器11は、インターネット等のネットワーク15を介して端末装置12と通信することができる。
【0027】
端末装置12は、波形を表示する現場に設置されるデスクトップコンピュータ、又はラップトップコンピュータ等である。端末装置12は、
図5に示すように、入力部150と、制御部160と、記憶部170と、表示部180と、通信部190とを備える。
【0028】
波形測定器11の一部又は全ての機能は、制御部110に含まれるプログラマブル回路又は専用回路により実現される。すなわち、波形測定器11の一部又は全ての機能は、ハードウェアにより実現される。
【0029】
波形測定器11の一部の機能がハードウェアにより実現される場合、波形測定器11の残りの部分の機能は、本実施形態に係るプログラムを、制御部110に含まれるプロセッサで実行することにより実現されてもよい。すなわち、波形測定器11の残りの部分の機能は、ソフトウェアにより実現されてもよい。この場合、プログラムは、波形測定器11の動作に含まれるステップの処理をコンピュータに実行させることで、当該ステップの処理に対応する機能をコンピュータに実現させるためのプログラムである。すなわち、プログラムは、コンピュータを波形測定器11として機能させるためのプログラムである。
【0030】
プログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体は、例えば、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、又は半導体メモリである。プログラムの流通は、例えば、プログラムを記録したDVD又はCD-ROMなどの可搬型記録媒体を販売、譲渡、又は貸与することによって行う。「DVD」は、digital versatile discの略語である。「CD-ROM」は、compact disc read only memoryの略語である。プログラムをサーバのストレージに格納しておき、ネットワーク15を介して、サーバから他のコンピュータにプログラムを転送することにより、プログラムを流通させてもよい。プログラムをプログラムプロダクトとして提供してもよい。
【0031】
コンピュータは、例えば、可搬型記録媒体に記録されたプログラム又はサーバから転送されたプログラムを、一旦、メモリに格納する。そして、コンピュータは、メモリに格納されたプログラムをプロセッサで読み取り、読み取ったプログラムに従った処理をプロセッサで実行する。コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行してもよい。コンピュータは、コンピュータにサーバからプログラムが転送される度に、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行してもよい。サーバからコンピュータへのプログラムの転送は行わず、実行指示及び結果取得のみによって機能を実現する、いわゆるASP型のサービスによって処理を実行してもよい。プログラムには、電子計算機による処理の用に供する情報であってプログラムに準ずるものが含まれる。例えば、コンピュータに対する直接の指令ではないがコンピュータの処理を規定する性質を有するデータは、「プログラムに準ずるもの」に該当する。
【0032】
図4及び
図5を参照して、本実施形態の概要を説明する。
【0033】
波形測定器11は、複数のチャネルから入力されたアナログ信号の波形をデジタル信号データに変換して、各チャネルのデジタル信号データをストレージ内の対応する領域に書き込むデータ取り込みを行う波形測定器である。波形測定器11は、複数のチャネルのうち少なくとも1つのチャネルをトリガチャネルに設定する。「トリガチャネル」とは、特徴量を抽出する処理の実行を開始するトリガとなるサンプル値を検出するチャネルのことである。波形測定器11は、ストレージ内の、トリガチャネルに対応する領域に書き込まれるデジタル信号データに含まれる各サンプル値と、閾値とを順次比較して、1つのサンプル値をトリガ点TPとして検出する。「トリガ点TP」とは、特徴量を抽出する処理の実行を開始するトリガとなるサンプル値のことである。波形測定器11は、トリガ点TPを検出する度に、ストレージ内の、複数のチャネルの各チャネルに対応する領域において、トリガ点の検出時点を含む一定期間中に書き込まれたデジタル信号データに含まれる少なくとも1つのサンプル値を読み出し、読み出されたサンプル値の特徴量を抽出する処理を実行する。波形測定器11は、抽出された特徴量を示すデータを出力する。本実施形態において、ストレージは、リングバッファとして管理される。データ取り込みは、トリガ点TPが検出されるまでは、ストレージ内の、トリガチャネルに対応する領域の先頭アドレスから最終アドレスまでの区間を、リング状にデータを上書きすることで実行される。したがって、デジタル信号データに含まれるサンプル値の数をLとするとき、Lは、トリガ点TPが検出されるまでは固定値ではなく不定値である。例えば、トリガ点TPが検出されるまでの時間によっては、当該区間におけるリング状のデータ上書き処理が数100回繰り返されることもある。つまり、サンプル値の数Lは、その時々の測定条件により異なる。一方、サンプル値の書き込みが行われる領域のアドレス数は、固定値である。この固定値は、特徴量を抽出する処理が実行されるサンプル値、すなわち、トリガ測定の観察対象となるサンプル値の数よりも大きい。トリガ検出は、データ取り込みと同時に開始され、取り込んだデジタル信号データに含まれる全てのサンプル値に対してリアルタイムに実行される。波形測定器11は、抽出された特徴量を示すデータを端末装置12に出力する。
【0034】
本実施形態によれば、
図4に示すように、生データの特定の一部分から特徴量を示すデータを取得して、AI解析に用いられる機械学習用のデータを抽出する処理を、波形測定器11側で実行できる。つまり、波形測定器11側で特徴量を抽出する処理を実行して、取得された特徴量を示すデータを端末装置12に転送することができる。端末装置12側では、転送された特徴量を示すデータを蓄積して、蓄積されたデータから傾向監視のためのAI解析に用いるモデルを生成するだけでよい。したがって、生データをそのまま端末装置12に送信する場合に比べて、波形測定器11と端末装置12との間のデータ通信量及び端末装置12側のデータ処理負荷が低減される。よって、特徴量を示すデータを取得しつつ、波形データを利用したAI解析のための全体の処理時間を短縮しやすくなる。
【0035】
次に、
図5及び
図6を参照して、第1実施形態に係るシステム10の構成を詳細に説明する。
【0036】
システム10は、上述したとおり、波形測定器11と、端末装置12とを備える。
【0037】
波形測定器11は、上述したとおり、入力部100と、制御部110と、記憶部120と、表示部130と、通信部140とを備える。
【0038】
入力部100は、各チャネルのデータを波形測定器11に取り込むインターフェースである。入力部100は、
図6に示すように、入力増幅器101-1、101-2、・・・と、A/D変換器102-1、102-2、・・・と、インターフェース回路103-1、103-2、・・・とを含む。
【0039】
図6に示すように、観察されるチャネルCH1のアナログ信号は、入力増幅器101-1で正規化され、A/D変換器102-1に入力される。ここで正規化とは、アナログ入力信号の振幅を、A/D変換器の入力仕様に対し適切な範囲になるように調整することである。また、同時に観測されるチャネルCH2、CH3、CH4のアナログ信号は、それぞれ入力増幅器101-2、・・・で正規化され、A/D変換器102-2、・・・に入力される。
図6に示すように、チャネルが複数存在する場合は、チャネルの数だけ、入力増幅器、A/D変換器、及びインターフェース回路が設けられる。
【0040】
制御部110は、少なくとも1つのプロセッサ、少なくとも1つのプログラマブル回路、少なくとも1つの専用回路、又はこれらの任意の組み合わせを含む。プロセッサは、CPU若しくはGPU(graphics processing unit)などの汎用プロセッサ、又は特定の処理に特化した専用プロセッサである。プログラマブル回路は、例えば、FPGA(field-programmable gate array)である。専用回路は、例えば、ASIC(application specific integrated circuit)である。制御部110は、波形測定器11の各部を制御しながら、波形測定器11の動作に関わる処理を実行する。制御部110は、
図6に示すように、サンプルタイミング発生回路111と、メモリコントローラ112と、トリガ検出回路113と、メモリコントローラ114と、演算器115と、データ数計数回路116と、処理指示器117とを含む。サンプルタイミング発生回路111は、データを取り込むタイミングを制御する。サンプルタイミング発生回路111により生成されるタイミング信号に応じて、入力部100のA/D変換器102、105においてA/D変換が行われる。メモリコントローラ112は、A/D変換器102、105で変換されたデータを、入力部100のインターフェース回路103、106を通じて受け取る。トリガ検出回路113は、後述のトリガ検出を実行する。メモリコントローラ114は、メモリコントローラ112からトリガ検出後のデータ取り込みの終了を示す通知を受け取り、後述する記憶部120の波形メモリ121の該当するアドレスから順次データ読み込みを行う。データ数計数回路116は、波形メモリ121から順次読み出されるサンプル値の個数をカウンタで計数する。波形メモリ121から順次読み出されるサンプル値は、演算器115に入力される。演算器115は、入力されたデータに対して特徴量を抽出する処理を実行する。処理指示器117は、データ数計数回路116のカウンタのカウント値で示されるサンプル値の個数に応じて、演算器115に入力されたサンプル値に対して演算器115が実行すべき処理の種類、並びに、処理の開始及び停止を制御する。
【0041】
記憶部120は、少なくとも1つの半導体メモリ、少なくとも1つの磁気メモリ、少なくとも1つの光メモリ、又はこれらの任意の組み合わせを含む。半導体メモリは、例えば、RAM(random access memory)である。RAMは、例えば、SRAM(static random access memory)又はDRAM(dynamic random access memory)である。記憶部120は、EEPROM(electrically erasable programmable read only memory)であってもよい。記憶部120は、
図6に示すように、波形メモリ121と、演算結果メモリ122とを含む。
【0042】
波形メモリ121には、制御部110のメモリコントローラ112より、サンプルタイミング発生回路111で生成したタイミング信号に応じて、各サンプリング区間に取得されたデジタル信号データが書き込まれる。波形メモリ121は、メモリコントローラ112により、
図3を参照して上述したようなリングバッファとして制御される。
【0043】
演算結果メモリ122には、制御部110の演算器115によって実行される処理の実行結果が格納される。
【0044】
表示部130は、
図6に示すように、表示波形作成回路131と、波形表示器132とを含む。
【0045】
表示波形作成回路131は、GPU等の汎用プロセッサ、波形表示処理に特化した専用プロセッサ、FPGA等のプログラマブル回路、又はASIC等の専用回路である。表示波形作成回路131は、波形メモリ121に格納されたデジタル信号データを、必要に応じて演算器115から命令されて波形表示データに変換する。表示波形作成回路131は、必要に応じて、波形表示データを波形として波形表示器132に表示する。
【0046】
波形表示器132には、少なくとも1つの出力用インターフェースが含まれる。出力用インターフェースは、例えば、LCD(liquid crystal display)又は有機EL(electro luminescent)ディスプレイである。波形表示器132は、波形測定器11の動作によって得られるデータを出力する。波形表示器132は、ユーザからの入力を受付可能なタッチパネルと一体的に設けられてもよい。波形表示器132は、表示波形作成回路131の制御に基づき、波形表示データを表示する。
【0047】
通信部140は、通信回路を備える。通信回路は、1つ以上の通信ICである。「IC」は、integrated circuitの略語である。通信ICは、例えば、LAN通信ICである。「LAN」は、local area networkの略語である。通信部140は、PCIネットワークアダプタ、USBネットワークアダプタ、又はEthernet(登録商標)アダプタであってもよい。「PCI」は、Peripheral Component Interconnectの略語である。「USB」は、Universal Serial Busの略語である。通信部140は、波形測定器11の動作に用いられる情報をネットワーク15経由で受信し、また波形測定器11の動作によって得られる情報をネットワーク15経由で送信する。
【0048】
端末装置12は、上述したとおり、入力部150と、制御部160と、記憶部170と、表示部180と、通信部190とを備える。
【0049】
入力部150は、少なくとも1つの入力用インターフェースを含む。入力用インターフェースは、例えば、物理キー、静電容量キー、ポインティングデバイス、タッチスクリーン、又はマイクロフォンである。入力部150は、端末装置12の動作に用いられるデータを入力する操作を受け付ける。入力部150は、端末装置12に備えられる代わりに、外部の入力機器として端末装置12に接続されてもよい。
【0050】
制御部160は、少なくとも1つのプロセッサ、少なくとも1つのプログラマブル回路、少なくとも1つの専用回路、又はこれらの任意の組み合わせを含む。プロセッサは、CPU若しくはGPUなどの汎用プロセッサ、又は特定の処理に特化した専用プロセッサである。プログラマブル回路は、例えば、FPGAである。専用回路は、例えば、ASICである。制御部160は、端末装置12の各部を制御しながら、端末装置12の動作に関わる処理を実行する。
【0051】
記憶部170は、少なくとも1つの半導体メモリ、少なくとも1つの磁気メモリ、少なくとも1つの光メモリ、又はこれらの任意の組み合わせを含む。半導体メモリは、例えば、RAMである。RAMは、例えば、SRAM又はDRAMである。記憶部170は、EEPROMであってもよい。
【0052】
表示部180には、少なくとも1つの出力用インターフェースが含まれる。出力用インターフェースは、例えば、LCD又は有機ELディスプレイである。表示部180は、端末装置12の動作によって得られるデータを出力する。表示部180は、ユーザからの入力を受付可能なタッチパネルと一体的に設けられてもよい。表示部180は、制御部160の制御に基づき、波形表示データを表示する。
【0053】
通信部190は、1つ以上の通信ICである。通信ICは、例えば、LAN通信ICである。通信部190は、PCIネットワークアダプタ、USBネットワークアダプタ、又はEthernet(登録商標)アダプタであってもよい。通信部190は、端末装置12の動作に用いられる情報をネットワーク15経由で受信し、また端末装置12の動作によって得られる情報をネットワーク15経由で送信する。
【0054】
次に、
図7から
図11を参照して、本実施形態に係るシステム10の動作について説明する。
図7は、システム10の動作を示す。
図7の動作は、本実施形態に係る方法に相当する。
【0055】
ステップS101において、波形測定器11の制御部110は、複数のチャネルのうち少なくとも1つのチャネルをトリガチャネルに設定する。具体的には、制御部110は、複数のチャネルから入力されたアナログ信号の波形をデジタル信号データに変換する。制御部110は、各チャネルのデジタル信号データをストレージ内の対応する領域に書き込むデータ取り込みを行う際に、複数のチャネルのうち少なくとも1つのチャネルをトリガチャネルに設定する。ストレージは、本実施形態では波形測定器11の記憶部120であり、具体的には記憶部120の波形メモリ121であるが、波形測定器11の外部の記憶装置であってもよい。その場合、波形測定器11は、ネットワーク15を介して外部の記憶装置にデジタル信号データをアップロードしてもよい。
図8に示す例では、加工機械であるプレス機の挙動の傾向監視を行うために、チャネルCH1からチャネルCH4の4つのチャネルを用いてトリガ測定を行っている。チャネルCH1にはプレス機の駆動交流電圧、チャネルCH2には変位センサから得られるプレス機の変位量、チャネルCH3には振動センサから得られるプレス機の振動変位、チャネルCH4には圧力センサから取得されるプレス機の油圧変化量を示すアナログ信号が各々入力される。
図8に示す4つの波形は、横軸を時間、縦軸を信号強度として、各チャネルのデジタル信号データに含まれるサンプル値をプロットしたものである。これらの4チャネルのうち、1つのチャネルCH2がトリガチャネルとして設定されている。
【0056】
次に、制御部110は、ストレージ内の、トリガチャネルに対応する領域に書き込まれるデジタル信号データに含まれる各サンプル値と、閾値とを順次比較して、1つのサンプル値をトリガ点として検出する度に、ストレージ内の、複数のチャネルの各チャネルに対応する領域において、トリガ点の検出時点を含む一定期間中に書き込まれたデジタル信号データに含まれる少なくとも1つのサンプル値を読み出す。具体的には、以下のステップS102からS105の処理を実行する。
【0057】
ステップS102において、制御部110は、ステップS101で設定されたトリガチャネルにつき、トリガ点検出を実行する。トリガ点検出は、トリガチャネルにつき、複数のサンプル値を含むデジタル信号データを、ストレージに相当する記憶部120内の、トリガチャネルに対応する、所定数のアドレスを有する領域に順次リング状に書き込むデータ取り込み中に、実行される。所定数は、2以上の整数であり、記憶部120内のトリガチャネルを含む各チャネルにつき、サンプル値を格納可能なアドレスの数として予め設定される。制御部110は、複数のサンプル値の各サンプル値と、閾値とを比較して、複数のサンプル値の中から、1つのサンプル値をトリガ点TPとして検出することで、トリガ点検出を実行する。具体的には、制御部110のトリガ検出回路113は、トリガチャネルのデジタル信号データのサンプル値が、予め設定されたトリガ条件を満たすかどうかを判定する。トリガ条件とは、トリガチャネルについて取得されるデジタル信号データに含まれるサンプル値から、予め設定された閾値を上回る又は下回るサンプル値が検出されることである。
図8に示す例では、トリガ検出回路113は、チャネルCH2につき、プレス機の変位量を示す複数のサンプル値を含むデジタル信号データを、記憶部120内の、チャネルCH2に対応する領域に順次書き込むデータ取り込み中に、トリガ検出を実行する。トリガ検出回路113は、各サンプル値と、プレス機の変位量の閾値とを比較する。比較の結果、閾値を上回る1つのサンプル値が検出された場合は、トリガ検出回路113は、検出されたサンプル値をトリガ点TPとして検出する。例えば、閾値をプレス機の変位量が、プレス動作の中での最大値付近に設定することで、毎回の一連のプレス動作に関連した信号の変化を記録することができる。トリガ検出回路113は、検出されたトリガ点TPをメモリコントローラ112に通知する。このようにして、制御部110は、ストレージ内の、トリガチャネルに対応する領域に書き込まれるデジタル信号データに含まれる各サンプル値と、閾値とを順次比較して、1つのサンプル値をトリガ点として検出する。
【0058】
ステップS103において、制御部110は、複数のチャネルの各チャネルに対応する領域において、ステップS102におけるトリガ点TPの検出時点でサンプル値の書き込みが行われたアドレスを、トリガ点アドレスnTとして設定する。具体的には、制御部110のトリガ検出回路113は、トリガ点TPをメモリコントローラ112に通知する。トリガ点TPが通知されると、メモリコントローラ112は、トリガチャネルについて、トリガ点TPの検出時点でサンプル値の書き込みが行われたアドレスをトリガ点アドレスnTとして記憶する。
【0059】
ステップS104において、制御部110は、Kを1以上かつ上記所定数未満の整数としたとき、各チャネルに対応する領域において、ステップS103で設定されたトリガ点アドレスnTを含み、K個のサンプル値が書き込まれたアドレスを、ターゲットアドレスとして特定する。
図8に示す例では、制御部110は、チャネルCH1からチャネルCH4の各チャネルに対応する領域において、対応するトリガ点アドレスnTより1つ以上前のアドレスを、K個のサンプル値の1つ目のサンプル値が書き込まれた先頭アドレスn0として設定する。先頭アドレスn0は、トリガ点アドレスnTから、各チャネルにつき予め設定される数だけ遡ったアドレスとして定義される。以下では、トリガ点アドレスnTより前のアドレスに書き込まれたサンプル値のことを、プリトリガデータともいう。読み出しの最終アドレスnEは、各チャネルにつき予め設定される、先頭アドレスn0からのサンプル値数として定義される。以下では、サンプル値数のことを、データ点数ともいう。読み出しの先頭アドレスn0及び最終アドレスnEは、トリガ検出後のデータ取り込みが終了したときに、制御部110のメモリコントローラ112から、メモリコントローラ114に対して、データ取り込みの終了を示すデータとともに通知される。波形メモリ121から順次読み出されるサンプル値の数は、データ数計数回路116によって計数される。例えば、チャネルCH1について、トリガ点アドレスnTが、アドレス「n1T」に設定されたとする。また、先頭アドレスn0が、アドレス「n1T」から500だけ遡ったアドレス「n1T-500」に設定されたとする。Kで表されるサンプル値数が、1000個に設定されたとする。この場合、制御部110は、アドレス「n1T-500」から数えて1000番目のアドレス「n1T+500」を、読み出しの最終アドレスnEとして設定する。各チャネルの読み出しの先頭アドレスn0から最終アドレスnEまでのアドレスが、本実施形態のターゲットアドレスに相当する。
【0060】
このようにして、制御部110は、各チャネルに対応する領域において、対応するトリガ点アドレスより1つ以上前のアドレスを、K個のサンプル値の1つ目のサンプル値が書き込まれた先頭アドレスとして設定し、設定された先頭アドレスから数えてK番目のアドレスを、読み出しの最終アドレスとして設定することで、K個のサンプル値が書き込まれたアドレスを、ターゲットアドレスとして特定する。
【0061】
ステップS105において、制御部110は、各チャネルに対応する領域において、特定されたターゲットアドレスからK個のサンプル値を順次読み出す。具体的には、制御部110のメモリコントローラ112は、トリガ検出後のデータ取り込みが終了したことをメモリコントローラ114に通知する。同時に、メモリコントローラ112は、データ書き込みの先頭アドレスn0及び最終アドレスnEをメモリコントローラ114に通知する。これに応じて、メモリコントローラ114は、記憶部120の波形メモリ121内の、各チャネルに対応する領域において、先頭アドレスn0及び最終アドレスnEからターゲットアドレスを特定し、各チャネルのターゲットアドレスから順次サンプル値を読み出す。
【0062】
図9に、チャネルCH1からチャネルCH4の4チャネルでデータ取り込みを行ったときの、各チャネルに対応する記憶部120内の各領域を示す。各チャネルのサンプル値は、各チャネルに対応する記憶部120内の領域に格納される。
図9に示す例では、チャネルCH1からチャネルCH4に対応する第1領域から第4領域において、A1、A2、A3、A4は、リングバッファの先頭アドレスに対応し、B1、B2、B3、B4は、リングバッファの最終アドレスに対応する。各領域に対応するトリガ点アドレスとして、n1T、n2T、n3T、n4Tが設定されている。各チャネルのデータ取り込みは、サンプリング周期が同じで同期している。したがって、各チャネルにおける読み出しの先頭アドレス(n10、n20、n30、n40)及び最終アドレス(n1E、n2E、n3E、n4E)は、相対的に同じ位置になり、ターゲットアドレスに格納されるサンプル値の数も等しい。なお、上述の
図3では、リングバッファの先頭アドレスAから最終アドレスBまでの一次元に並んだ連続アドレスに対して2往復超、リング状にデータが上書きされる様子を示している。これに対して、
図9では、各チャネルのアドレスを二次元に並んだ連続アドレスとして示している。例えば、CH1では、リングバッファの先頭アドレスA1から最終アドレスB1まで、m+1個のアドレスが存在する。m+1個のアドレスは、上記所定数のアドレスに相当する。CH2からCH4についても同様である。
【0063】
ステップS106において、制御部110は、Jを1以上かつK以下の整数としたとき、各チャネルに対応する領域において、順次読み出されたK個のサンプル値のうちJ個のサンプル値に対して、特徴量を抽出する処理を実行する。制御部110は、実行結果を特徴量を示すデータとして取得する。これにより、生データの特定の一部分から特徴量を示すデータを取得して、AI解析に用いられる機械学習用のデータを抽出する処理が、波形測定器11側で実行される。具体的には、制御部110は、各チャネルに対応する領域において、順次読み出されたK個のサンプル値のうち、設定値で示される範囲のアドレスから読み出されたJ個のサンプル値を特定する。「設定値」とは、J個のサンプル値の先頭アドレス及び最終アドレスを指す1対の値のことであり、実行される処理に応じて、各チャネルにつき予め設定される。Jは、チャネル間で同じ数に設定されることも異なる数に設定されることもある。
図8に示す例では、チャネルCH1の設定値としてp11及びp12が設定されている。制御部110は、チャネルCH1に対応する領域において、p11からp12のアドレス範囲から読み出されたサンプル値を特定する。同様に、チャネルCH2の設定値としてp21及びp22並びにp23及びp24が、チャネルCH3の設定値としてp31及びp32が、チャネルCH4の設定値としてp41及びp42が、それぞれ設定されている。制御部110は、チャネルCH1と同様に、チャネルCH2からチャネルCH4の各チャネルに対応する領域において、それぞれの設定値で示される範囲のアドレスから読み出されたサンプル値を特定する。そして、制御部110は、特定されたJ個のサンプル値に対して、特徴量を抽出する処理を実行する。特徴量を抽出する処理は、各チャネルにおいて、1種類の処理であることも2種類以上の処理であることもある。
図8に示す例において、チャネルCH1では、p11からp12のアドレス範囲(破線)から読み出されたサンプル値に対して、二乗平均平方根(root mean square:RMS)を求める処理が実行される。これにより、プレス機の駆動交流電圧の特徴量が取得される。チャネルCH2では、p21からp22のアドレス範囲(破線)から順次読み出されたサンプル値に対して、傾きを求める処理が実行される。チャネルCH2では更に、p23からp24のアドレス範囲(破線)から順次読み出されたサンプル値に対して、最大値及び最小値を求める処理も実行される。これにより、プレス機の変位量の特徴量が取得される。チャネルCH3では、p31からp32のアドレス範囲(破線)から順次読み出されたサンプル値に対して、平均値を求める処理が実行される。これにより、プレス機の振動変位の特徴量が取得される。チャネルCH4では、p41からp42のアドレス範囲(破線)から順次読み出されたサンプル値に対して、最大値を求める処理が実行される。これにより、プレス機の油圧変化量の特徴量が取得される。また、制御部110は、複数のチャネルのうち2つ以上のチャネルに対応する領域から読み出されたサンプル値の特徴量を抽出する処理を実行して得られた2つ以上の特徴量を1つの特徴量に変換する処理を実行し、1つの特徴量を示すデータを、出力するデータに含めてもよい。例えば、制御部110は、チャネルCH2において、プレス機の変位量の傾きを求める処理を実行する。制御部110は、求められた変位量の傾きと、チャネルCH4で得られた油圧変化量の特徴量を示す最大値との組合せ(例えば、圧力最大値/変位量の傾き)から、プレス機の仕事効率の特徴量を取得する。そして、制御部110は、取得されたプレス機の仕事効率の特徴量を示すデータを、出力するデータに含めることができる。
【0064】
図10は、
図9に示した記憶部120の、チャネルCH1からチャネルCH4の各チャネルに対応する領域において、順次読み出された1000個のサンプル値のうちJ個のサンプル値に対して、チャネルごとに異なる処理を実行する具体例を示す。1000個のサンプル値は、本実施形態のK個のサンプル値に相当する。
図10に示す例では、データ読み出しは、チャネルCH1からチャネルCH4の各チャネルに対応する領域を巡回しながら、各領域のアドレスを1つずつ読み出すことで実行される。すなわち、データ読み出しは、n10→n20→n30→n40→n11→・・・→n41→n12→・・・n42→・・・の順に実行される。各チャネルにつき1000個のサンプル値が読み出され、n10からn4Eまで、4チャネル合計で4000個のサンプル値が読み出される。制御部110のデータ数計数回路116は、チャネルCH1のサンプル値が読み出されるたびに、カウンタのカウント値を1インクリメントする。
図10に示す例では、カウント値pEは、1000となる。
図10に示すように、特徴量を抽出する処理を実行するタイミングは、チャネル間でオーバーラップしてもよい。本実施形態では、1つのチャネルCH2内で2つの異なる処理を実行するタイミングがオーバーラップしないようにしているが、同一チャネル内で1つ以上の特徴量を抽出する処理を実行するタイミングがオーバーラップしてもよい。例えば、チャネルCH2における傾きを求める処理を実行するタイミングと、最大値及び最小値を求める処理を実行するタイミングとは、オーバーラップしてもよい。また、チャネルCH2において、p21からp22及びp23からp24の各アドレス範囲から順次読み出されたサンプル値に対して、特徴量を抽出する同一の処理、例えば傾きを求める処理を実行し、各々の実行タイミングがオーバーラップしてもよい。
【0065】
制御部110は、上述したとおり、各チャネルにつき予め設定される設定値で示される範囲のアドレスから読み出されたJ個のサンプル値を特定する。チャネルCH1に対する設定値は、p11及びp12の1対の値である。例えば、p11は、CH1の先頭アドレス「n10」から数えて1番目のアドレスを示し、p12は、「n10」から数えて1000番目のアドレスを示すとする。この場合、p11に対応するアドレスは「n10」、p12に対応するアドレスは「n1E」である。したがって、制御部110は、「n10」から「n1E」のアドレス範囲から読み出された1000個のサンプル値を特定する。次に、チャネルCH2に対する設定値は、p21及びp22の1対の値、並びに、p23及びp24の1対の値である。例えば、p21は、CH2の先頭アドレス「n20」から数えて451番目のアドレスを示し、p22は、「n20」から数えて550番目のアドレスを示すとする。この場合、制御部110は、「p21」に対応するアドレスから「p22」に対応するアドレスのアドレス範囲から読み出された100個のサンプル値を特定する。例えば、p23は、CH2の先頭アドレス「n20」から数えて601番目のアドレスを示し、p24は、「n20」から数えて800番目のアドレスを示すとする。この場合、制御部110は、p23に対応するアドレスからp24に対応するアドレスのアドレス範囲から読み出された200個のサンプル値を特定する。次に、チャネルCH3に対する設定値は、p31及びp32の1対の値である。例えば、p31は、CH3の先頭アドレス「n30」から数えて1番目のアドレスを示し、p32は、「n30」から数えて1000番目のアドレスを示すとする。この場合、制御部110は、「n30」から「n3E」のアドレス範囲から読み出された1000個のサンプル値を特定する。最後に、チャネルCH4に対する設定値は、p41及びp42の1対の値である。例えば、p41は、CH4の先頭アドレス「n40」から数えて651番目のアドレスを示し、p42は、「n40」から数えて850番目のアドレスを示すとする。この場合、制御部110は、p41に対応するアドレスからp42に対応するアドレスのアドレス範囲から読み出された200個のサンプル値を特定する。各チャネルにおけるJ個のサンプル値の特定後、制御部110の処理指示器117は、データ数計数回路116のカウント値が各チャネルに対する設定値と等しくなったかどうかを判定する。判定の結果、カウント値が設定値と等しくなったチャネルが特定された場合、処理指示器117は、そのチャネルについて特定されたJ個のサンプル値に対して実行すべき特徴量を抽出する処理の種類、並びに、処理の開始タイミング及び終了タイミングを、演算器115に対して指示する。演算器115は、処理指示器117からの指示に従って特徴量を抽出する処理を実行し、実行結果を取得する。
【0066】
このようにして、制御部110は、1つのサンプル値をトリガ点として検出する度に、ストレージ内の、複数のチャネルの各チャネルに対応する領域において、トリガ点の検出時点を含む一定期間中に書き込まれたデジタル信号データに含まれる少なくとも1つのサンプル値を読み出し、読み出されたサンプル値の特徴量を抽出する処理を実行する。
【0067】
本実施形態において、制御部110は、データ取り込みと、特徴量を抽出する処理とを並行して実行する。
図11は、上述したトリガ測定によるデータ取り込みを繰り返し行い、各回のトリガ測定で取得されたデジタル信号データのサンプル値に対して、特徴量の抽出を行った例を示す。
図11は、データ取り込みと、データ読み出し及び特徴量の抽出とを、紙面の左側から右側に時系列に示している。
図11に示すように、1回目のデータ取り込みにつき、トリガ点検出を経て特定されるn0からnEまでのターゲットアドレスに書き込まれたサンプル値に対して、データ読み出し及び特徴量の抽出が開始される。2回目のデータ取り込み及びトリガ点検出は、1回目のデータ読み出し及び特徴量の抽出の完了を待たずに開始される。3回目以降のデータ取り込み及びトリガ点検出も同様である。このように、本実施形態では、データ取り込みと、特徴量を抽出する処理とが並行して実行される。本実施形態では、波形メモリ121へのデータ取り込み及び波形メモリ121からのデータ読み出しは、メモリコントローラ112及びメモリコントローラ114によるパイプライン処理により、同時に並行して実行することができる。すなわち、データ取り込みと、データ読み出し及び特徴量の抽出とを、リアルタイムに同時に実行することができる。この場合、データ取り込みと次のデータ取り込みとの間に、特徴量の抽出のための演算時間を確保する必要がなくなる。したがって、トリガ測定を繰り返し行う際も、特徴量の抽出に起因するデットタイムを発生させずに、データ取り込みを継続しやすくなる。なお、演算器115の処理速度は、サンプリング周期と同じでよく、サンプリング周期より早くする必要はない。演算器115がサンプリング周期と同じ処理速度で、取り込んだデータを処理できれば、パイプライン処理が可能であるからである。
【0068】
ステップS107において、制御部110は、ステップS106で抽出された特徴量を示すデータを出力する。具体的には、波形測定器11の通信部140は、取得されたK個のサンプル値の特徴量を示すデータを、ネットワーク15を介して端末装置12に送信する。
図8に示す例では、通信部140は、チャネルCH1からチャネルCH4の各チャネルについて取得された特徴量を、K個のサンプル値の特徴量を示すデータとして端末装置12に送信する。端末装置12の通信部190は、波形測定器11から送信されたK個のサンプル値の特徴量を示すデータを、ネットワーク15を介して受信する。端末装置12の制御部160は、通信部190により受信されたK個のサンプル値の特徴量を示すデータを記憶部170に蓄積する。端末装置12の制御部160は、記憶部170に蓄積されたK個のサンプル値の特徴量を示すデータを読み出して、例えば加工機械の故障予測の目的でAI解析を実行する。本実施形態では、通信部140は、K個のサンプル値の特徴量を示すデータを端末装置12に送信するが、特徴量を示すデータと併せて、各チャネルについて読み出されたK個のサンプル値を端末装置12に送信してもよい。その場合、端末装置12は、各チャネルについてK個のサンプル値をプロットして得られる、
図8に示すような波形を表示部180に表示させる。
図8に示す例において、各表示波形の左端は、対応するチャネルにつき、先頭アドレスn0に格納されたサンプル値のプロット点、右端は、対応するチャネルにつき、最終アドレスnEに格納されたサンプル値のプロット点に相当する。
【0069】
本実施形態によれば、生データの特定の一部分から特徴量を示すデータを取得して、AI解析に用いられる機械学習用のデータを抽出する処理を、波形測定器11側で実行できる。特徴量の抽出は、ハードウェアにより実現され、データ取り込みと同じ速度で高速に処理できるので、データ取り込み間のデッドタイムが生じなくなる。したがって、生データをそのまま端末装置12に送信する場合に比べて、波形測定器11と端末装置12との間のデータ通信量及び端末装置12側のデータ処理負荷が低減される。よって、特徴量を示すデータを取得しつつ、波形データを利用したAI解析のための全体の処理時間を短縮しやすくなる。
【0070】
ただし、本開示は上述の実施形態に限定されるものではない。例えば、ブロック図に記載の複数のブロックを統合してもよいし、又は1つのブロックを分割してもよい。フローチャートに記載の複数のステップを記述に従って時系列に実行する代わりに、各ステップを実行する装置の処理能力に応じて、又は必要に応じて、並列的に又は異なる順序で実行してもよい。その他、本開示の趣旨を逸脱しない範囲での変更が可能である。
【0071】
例えば、上述の実施形態は、プリトリガデータも取得することを前提としているが、プリトリガデータを取得しない場合は、データ取り込み開始と同時に、データ読み出し及び特徴量の抽出を開始してもよい。その場合、データ取り込み間のデッドタイムは生じないので、メモリコントローラ112及びメモリコントローラ114による処理は、必ずしもパイプライン処理でなくてもよい。
図12に、本実施形態の一変形例として、プリトリガデータを取得しない場合のシステム10の動作を示す。
図12に示すように、データ取り込み開始と同時に、データ読み出し及び特徴量の抽出が開始される。すなわち、メモリコントローラ112及びメモリコントローラ114による処理は、パイプライン処理の代わりに逐次処理となる。この場合も、上述の方法と同様に、データ取り込み開始からのデータ点数を予め設定しておき、生データの特定の一部分から特徴量を抽出することができる。
【0072】
上述の実施形態では、
図8に示すように、サンプリング周期は各チャネルで同じであるが、サンプリング周期は、チャネルごとに異なっていてもよい。その場合、各チャネルのサンプリング周期に合わせて波形メモリ121からの読み出しを行い、演算器115の演算レートを各チャネルのサンプリング周期に合わせることにより、チャネル間でサンプリング周期が異なっていても処理を行うことができる。
【符号の説明】
【0073】
10 システム
11 波形測定器
12 端末装置
15 ネットワーク
20 システム
21 波形測定器
22 ローカルPC
100 入力部
101-1,101-2 入力増幅器
102-1,102-2 A/D変換器
103-1,103-2 インターフェース回路
110 制御部
111 サンプルタイミング発生回路
112 メモリコントローラ
113 トリガ検出回路
114 メモリコントローラ
115 演算器
116 データ数計数回路
117 処理指示器
120 記憶部
121 波形メモリ
122 演算結果メモリ
130 表示部
131 表示波形作成回路
132 波形表示器
140 通信部
150 入力部
160 制御部
170 記憶部
180 表示部
190 通信部
201,204 入力増幅器
202,205 A/D変換器
203,206 インターフェース回路
211 サンプルタイミング発生回路
212 メモリコントローラ
221 波形メモリ
231 表示波形作成回路
232 波形表示器