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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023090573
(43)【公開日】2023-06-29
(54)【発明の名称】流体圧アクチュエータ
(51)【国際特許分類】
   F15B 15/10 20060101AFI20230622BHJP
   B25J 19/00 20060101ALI20230622BHJP
【FI】
F15B15/10 H
B25J19/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021205601
(22)【出願日】2021-12-17
(71)【出願人】
【識別番号】000005278
【氏名又は名称】株式会社ブリヂストン
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100186015
【弁理士】
【氏名又は名称】小松 靖之
(72)【発明者】
【氏名】安井 仁
【テーマコード(参考)】
3C707
3H081
【Fターム(参考)】
3C707DS01
3C707ES05
3C707EU11
3C707EV12
3C707EV14
3C707HS21
3H081AA18
3H081BB02
3H081BB03
3H081CC29
3H081DD07
3H081HH10
(57)【要約】
【課題】流体圧アクチュエータの有用性を向上させる。
【解決手段】本開示に係る流体圧アクチュエータは、流体の圧力によって膨張及び収縮する流体圧アクチュエータにおいて、先端側に取り付けられているアタッチメントを備え、前記アタッチメントは、厚み方向の一方側に把持面を備えるへら状部であり、前記へら状部は、先端側の薄肉部と、前記薄肉部の基端側に位置し、前記把持面で隆起している又は隆起可能な隆起部により、前記薄肉部より肉厚となる隆起厚肉部と、を備える。
【選択図】図5A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体の圧力によって膨張及び収縮する流体圧アクチュエータにおいて、
先端側に取り付けられているアタッチメントを備え、
前記アタッチメントは、厚み方向の一方側に把持面を備えるへら状部であり、
前記へら状部は、
先端側の薄肉部と、
前記薄肉部の基端側に位置し、前記把持面で隆起している又は隆起可能な隆起部により、前記薄肉部より肉厚となる隆起厚肉部と、を備える、流体圧アクチュエータ。
【請求項2】
円筒状のチューブと、前記チューブの外周面を覆うスリーブと、を備えるアクチュエータ部を備え、
前記アタッチメントは、前記チューブの軸方向の先端側で、前記アクチュエータ部に連なる、請求項1に記載の流体圧アクチュエータ。
【請求項3】
前記へら状部の前記把持面は、前記薄肉部の位置から、前記隆起厚肉部の前記隆起部の頂部の位置まで、段差なく連続している、請求項1又は2に記載の流体圧アクチュエータ。
【請求項4】
前記隆起部は、前記厚み方向に弾性変形可能である、請求項1から3のいずれか1つに記載の流体圧アクチュエータ。
【請求項5】
前記隆起部は、流体により拡張可能な拡張膜部により形成されている、請求項4に記載の流体圧アクチュエータ。
【請求項6】
前記へら状部は、前記把持面の裏側に、前記把持面より摩擦が小さい滑り面を備える、請求項1から5のいずれか1つに記載の流体圧アクチュエータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、流体圧アクチュエータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、気体または液体を用いてチューブを膨張及び収縮させる流体圧アクチュエータが知られている。例えば、特許文献1には、空気圧によって膨張、収縮するゴム製のチューブと、チューブの外周面を覆うスリーブとを有する構造を有する流体圧アクチュエータ(いわゆるマッキベン型の流体圧アクチュエータ)が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-088999号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、流体圧アクチュエータのロボットアーム等への適用が進む中で、流体圧アクチュエータの有用性の更なる向上が求められている。
【0005】
かかる事情に鑑みてなされた本開示の目的は、流体圧アクチュエータの有用性を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る流体圧アクチュエータは、流体の圧力によって膨張及び収縮する流体圧アクチュエータにおいて、先端側に取り付けられているアタッチメントを備え、前記アタッチメントは、厚み方向の一方側に把持面を備えるへら状部であり、前記へら状部は、先端側の薄肉部と、前記薄肉部の基端側に位置し、前記把持面で隆起している又は隆起可能な隆起部により、前記薄肉部より肉厚となる隆起厚肉部と、を備える。
この構成により、へら状部について、隙間への挿入性と、把持する対象物に対するグリップ性と、を両立できる。
【0007】
本開示に係る流体圧アクチュエータでは、円筒状のチューブと、前記チューブの外周面を覆うスリーブと、を備えるアクチュエータ部を備え、前記アタッチメントは、前記チューブの軸方向の先端側で、前記アクチュエータ部に連なる。
この構成により、マッキンベン型の流体圧アクチュエータにおけるへら状部について、隙間への挿入性と、把持する対象物に対するグリップ性と、を両立できる。
【0008】
本開示に係る流体圧アクチュエータでは、前記へら状部の前記把持面は、前記薄肉部の位置から、前記隆起厚肉部の前記隆起部の頂部の位置まで、段差なく連続している。
この構成により、把持する対象物を、把持面により、所望の姿勢にて把持しやすくなる。
【0009】
本開示に係る流体圧アクチュエータでは、前記隆起部は、前記厚み方向に弾性変形可能である。
この構成により、へら状部について、把持する対象物に対するグリップ性を、より高めることができる。
【0010】
本開示に係る流体圧アクチュエータでは、前記隆起部は、流体により拡張可能な拡張膜部により形成されている。
この構成により、へら状部について、隙間への挿入性、及び、把持する対象物に対するグリップ性を、より高めることができる。
【0011】
本開示に係る流体圧アクチュエータでは、前記へら状部は、前記把持面の裏側に、前記把持面より摩擦が小さい滑り面を備える。
この構成により、へら状部について、隙間への挿入性を、より高めることができる。
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、流体圧アクチュエータの有用性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本開示の一実施形態に係る流体圧アクチュエータの側面図である。
図2図1に示される流体圧アクチュエータの一部分解斜視図である。
図3図1に示される基端側封止部を含む流体圧アクチュエータの軸方向に沿った一部断面図である。
図4図1におけるA-A’での流体圧アクチュエータの断面図である。
図5A図1に示されるアタッチメントを示す斜視図である。
図5B図5Aに示すアタッチメントの側面図である。
図5C図5BにおけるB-B’でのアタッチメントの断面図である。
図6A図1に示される流体圧アクチュエータの動作を示す概略図である。
図6B図1に示される流体圧アクチュエータの動作を示す概略図である。
図7A図5A図5Cに示すアタッチメントの一変形例を示す図である。
図7B図5A図5Cに示すアタッチメントの一変形例を示す図である。
図7C図5A図5Cに示すアタッチメントの一変形例を示す図である。
図8図1に示される流体圧アクチュエータを用いたシステムの一構成例を示す概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本開示に係る流体圧アクチュエータの実施形態について、図面を参照して説明する。各図において同一の構成には同一の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なる場合があることに留意されたい。
【0015】
(流体圧アクチュエータの概略構成)
はじめに、図1図2図3及び図4を参照して、本開示の第1の実施形態に係る流体圧アクチュエータ1の概略構成を説明する。本実施形態の流体圧アクチュエータ1は、マッキンベン型の流体圧アクチュエータであるが、この構成に限られず、他の流体圧アクチュエータであってもよい。図1は、本実施形態に係る流体圧アクチュエータ1の側面図である。図2は、流体圧アクチュエータ1の一部分解斜視図である。図3は、図1に示される第1封止部13Aを含む流体圧アクチュエータ1の軸方向に沿った一部断面図である。図4は、図1におけるA-A’での流体圧アクチュエータの径方向に沿った断面図である。
【0016】
図1に示されるように、流体圧アクチュエータ1は、アクチュエータ部10、アタッチメント20及び支持部40を備える。アクチュエータ部10は、チューブ11、スリーブ12、第1封止部13A、第2封止部13B、及び、拘束部材17、を備える。
【0017】
流体圧アクチュエータ1のチューブ11には、第1封止部13Aに設けられた接続口14Dを介して流体を流入させることができる。アクチュエータ部10は、チューブ11内への流体の流入によって、アクチュエータ部10の軸方向において収縮し、径方向において膨張する。一方で、アクチュエータ部10は、チューブ11からの流体の流出によって、アクチュエータ部10の軸方向において膨張し、径方向において収縮する。このようなアクチュエータ部10の形状変化によって、流体圧アクチュエータ1は、アクチュエータとしての機能を発揮することができる。
【0018】
このような流体圧アクチュエータ1は、いわゆるマッキベン型であり、人工筋肉として適用可能であるとともに、より高い能力(収縮力)が要求されるロボットの体肢、手又は指としても用いることができる。
【0019】
流体圧アクチュエータ1の駆動に用いられる流体は、空気などの気体、または水、鉱物油などの液体のどちらでもよいが、特に、流体圧アクチュエータ1は、アクチュエータ部10に高い圧力が掛かる油圧駆動にも耐え得る高い耐久性を有し得る。
【0020】
以下、流体圧アクチュエータ1の構成要素について、図面を参照して詳細に説明する。
【0021】
チューブ11は、流体の圧力によって膨張及び収縮する円筒状の筒状体である。チューブ11は、流体による収縮及び膨張を繰り返すため、ブチルゴムなどの弾性材料によって構成されている。ただし、チューブ11を構成する弾性部材は、流体圧アクチュエータ1を油圧駆動とする場合には、耐油性が高いNBR(ニトリルゴム)、または水素化NBR、クロロプレンゴム、及びエピクロロヒドリンゴムからなる群より選択される少なくとも一種とされてもよい。
【0022】
本開示において、チューブ11の延在する方向、即ち、チューブ11の中心軸と並行な方向を、チューブ11の軸方向という。チューブ11の軸方向と直交する方向を、チューブ11の径方向という。そして、チューブ11の中心軸の軸周り方向を、チューブ11の周方向という。以降において、チューブ11の軸方向、チューブ11の径方向及びチューブ11の周方向は、それぞれ単に「軸方向」、「径方向」及び「周方向」とも称される。また、図面において、「軸方向」は「DAX」と示され、「径方向」は「D」と示される。また、本開示では、流体圧アクチュエータ1において、チューブ11の軸方向に沿って、アタッチメント20が設けられている側を「先端側」と称し、先端側と反対側を「基端側」と称す。さらに、本開示では、チューブ11の径方向において、チューブ11の中心軸に近い側を「径方向内側」と称し、チューブ11の中心軸から遠い側を「径方向外側」と称する。
【0023】
スリーブ12は、円筒状であり、チューブ11の外周面を覆う。スリーブ12は、所定方向に配向された繊維コードを編み込んだ伸縮性を有する構造体であり、配向されたコードが交差することによって菱形の形状が繰り返されている。スリーブ12は、このような形状を有することによって、パンタグラフ変形し、チューブ11の収縮及び膨張を規制しつつ追従する。
【0024】
スリーブ12を構成する繊維コードとしては、芳香族ポリアミド(アラミド繊維)又はポリエチレンテレフタラート(PET)等の繊維コードを用いることが好ましい。ただし、スリーブ12を構成する繊維コードは、このような種類の繊維コードに限定されるものではなく、例えば、PBO繊維(ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール)などの高強度繊維コードであってもよい。
【0025】
第1封止部13A及び第2封止部13Bは、それぞれ軸方向におけるチューブ11の端部(先端及び基端)を封止している。本実施形態では、第1封止部13Aが、軸方向におけるチューブ11の基端を封止し、第2封止部13Bが、軸方向におけるチューブ11の先端を封止している。本開示において、第1封止部13A及び第2封止部13Bは、特に区別されない場合には、単に「封止部13」と総称される。
【0026】
図2に示されるように、封止部13(図示例は第1封止部13A)は、封止部材14、係止リング15及びかしめ部材16を含む。
【0027】
封止部材14は、チューブ11の軸方向の端部を封止する。封止部材14は、頭部14Aと、頭部14Aから軸方向に延びる胴部14Bとを有する。胴部14Bは、チューブ11の軸方向外側からチューブ11に挿入される。封止部材14は、頭部14A及び胴部14Bに加え、他の部材を連結させるための連結部14Cが設けられていてもよい。
【0028】
連結部14Cは、頭部14Aから軸方向において胴部14Bと反対側に突出している。連結部14Cには、他の部材を連結しやすくするために、径方向に延在する貫通孔が区画されていてもよい。図1を参照すると、本実施形態では、第1封止部13Aの連結部14Cに、アクチュエータ部10を支持する支持部40が取り付けられており、第2封止部13Bの連結部14Cに、アタッチメント20が取り付けられている。
【0029】
封止部材14は、ステンレス鋼などの金属を用いて構成されるが、このような金属に限定されず、硬質プラスチック材料などを用いて構成されてもよい。
【0030】
再び図2を参照すると、係止リング15は、封止部材14にスリーブ12を係止する、リング状の部材である。具体的には、図3に示されるように、スリーブ12は、係止リング15を介して径方向外側に折り返されている。
【0031】
再び図2を参照して、係止リング15には、封止部材14と係合できるように一部が切り欠かれた切欠き部15Aが形成されている。係止リング15は、封止部材14と同様の金属、硬質プラスチック材料などの材料、或いは、自然繊維(自然繊維の糸)、ゴム(例えばOリング)などの材料を用いて構成されてもよい。
【0032】
かしめ部材16は、チューブ11及びスリーブ12を封止部材14とともにかしめる。かしめ部材16は、封止部材14の胴部14Bの外径よりも大きい、筒状の部材である。かしめ部材16は、チューブ11及びスリーブ12の、封止部材14が挿入された部分の径方向外側を覆うように設けられ、治具によってかしめられることで、チューブ11及びスリーブ12を締め付け、封止部材14に密着固定させる。
【0033】
かしめ部材16は、アルミニウム合金、真鍮又は鉄などの金属を用いて構成されてもよい。図1に示されるように、かしめ部材16の外周面には、治具によってかしめられた痕である圧痕16Aが形成されていてもよい。
【0034】
第1封止部13Aと第2封止部13Bとの相違点は、封止部材14に接続口14D及び通過孔14Eが設けられているか否かである。図3に示されるように、本実施形態では、第1封止部13Aの封止部材14に、接続口14D及び通過孔14Eが設けられている。
【0035】
接続口14Dには、流体圧アクチュエータ1の駆動圧力源、具体的には、気体又は液体等のコンプレッサと接続されたホース(管路)が取り付けられる。接続口14Dを介して流入した流体は、封止部材14の内部に区画された通過孔14Eを通過して、チューブ11の内部に流入する。本実施形態では、接続口14Dは、封止部材14の頭部14Aの径方向外側に向けて開口するように設けられている。通過孔14Eは、頭部14A及び胴部14Bに亘って形成されている。接続口14Dとチューブ11内とは、通過孔14Eにより連通している。
【0036】
再び図2を参照して、スリーブ12の径方向内側には、拘束部材17が設けられる。拘束部材17は、スリーブ12の径方向内側において、軸方向の基端側から先端側に亘って設けられている。
【0037】
拘束部材17は、軸方向には圧縮せず、径方向(撓み方向とも称される)に沿ってのみ変形可能である。つまり、拘束部材17は、軸方向に沿った圧縮に対して抵抗し、軸方向に直交する直交方向(径方向)に曲げ変形可能である。
【0038】
拘束部材17は、拘束部材17が設けられているチューブ11の周方向の位置において、径方向外側へのチューブ11(及びスリーブ12)の膨張を拘束(規制)する。
【0039】
拘束部材17は、例えば、板バネ(leaf spring)を用いて形成されている。板バネの寸法は、アクチュエータ部10のサイズ、及び必要とされる発生力などに応じて選択されればよく、特に限定されない。また、板バネの材料についても特に限定されないが、典型的には、ステンレス鋼などの金属など、曲げ易く、圧縮に強い材料であればよい。例えば、拘束部材17は、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)の薄板などによって形成されてもよい。CFRPは、金属に比べて塑性変形をし難いため、アクチュエータ部10が湾曲後、元の真っ直ぐな状態に戻りやすい。
【0040】
図4に示されるように、拘束部材17は、チューブ11とスリーブ12との間に設けられる。図4は、図1におけるA-A’での流体圧アクチュエータ1の径方向に沿った断面図である。拘束部材17は、チューブ11及びスリーブ12と密着していてもよいし、拘束部材17と、チューブ11及び/またはスリーブ12との間、及び拘束部材17の側方には、多少隙間が形成されていてもよい。ただし、拘束部材17は、チューブ11内に埋設されていてもよく、或いは、チューブ11の径方向内側に設けられていてもよい。
【0041】
拘束部材17は、チューブ11(及びスリーブ12)の周方向における一部に設けられる。すなわち、チューブ11は、周方向において拘束部材17に覆われている部分と覆われていない部分を有している。チューブ11の幅は、特に限定されないが、チューブ11の外径を基準とすれば、例えば、この外径の半分程度とされてよい。
【0042】
なお、本実施形態では、拘束部材17は、平板状であるが、撓み方に影響がない範囲において、チューブ11及びスリーブ12の断面形状に沿って多少湾曲していてもよい。
【0043】
拘束部材17は、チューブ11及びスリーブ12の軸方向における基端側から先端側に亘って設けられている。具体的には、拘束部材17は、第1封止部13Aから第2封止部13Bに亘って設けられていてもよい。本実施形態では、拘束部材17は、チューブ11と略等しい長さとされている。
【0044】
ただし、拘束部材17は、必ずしも完全に第1封止部13Aから第2封止部13Bに亘って設けられていなくてもよく、第1封止部13A及び第2封止部13Bの何れか一方(特に、湾曲時に自由端となる可能性が高い第2封止部13B側)には、拘束部材17が延在していなくてもよい。
【0045】
再び図1を参照して、アタッチメント20は、チューブ11の軸方向の先端側で、アクチュエータ部10に連なっている。アタッチメント20は、流体圧アクチュエータ1が駆動して対象物を加圧、把持等する際に、対象物と接触するハンド部である。本実施形態では、アタッチメント20は、アクチュエータ部10の第2封止部13Bに含まれる封止部材14に軸方向先端側から取り付けられている。
【0046】
図5Aは、図1に示されるアタッチメント20を示す斜視図である。図5Bは、アタッチメント20の側面図である。図5Cは、図5BのB-B’でのアタッチメント20の断面図である。アタッチメント20は、厚み方向の一方側に把持面21aを備えるへら状部21である。図5A図5Cにおいて、「へら状部21の厚み方向」は「D」で示されている。アタッチメント20をへら状部21とすることで、例えば、段ボール箱等の容器の内部に収容されているワークなどの対象物を、取り出しやすい。アタッチメント20としてのへら状部21の詳細、及び、へら状部21による対象物を把持する動作の詳細(図6A図6B参照)、は後述する。
【0047】
アタッチメント20は、例えば、ゴム、プラスチック、金属等の材料を用いて構成されてよい。ただし、アタッチメント20は、これらの材料に限られず、流体圧アクチュエータ1の用途に応じて、任意の材料を用いて構成されていてもよい。後述するように、アタッチメント20としてのへら状部21は、例えば、流体により拡張可能な拡張膜部26を含んでもよい(図7A参照)。
【0048】
アタッチメント20は、アクチュエータ部10から着脱可能とされてもよい。本実施形態では、アタッチメント20は、第2封止部13Bに含まれる封止部材14の軸方向先端側に設けられた連結部14Cに着脱可能な接続部24を備える。つまり、本実施形態のアタッチメント20は、接続部24により、アクチュエータ部10の連結部14Cに対して着脱可能である。これにより、アタッチメント20に破損等が生じた場合に、容易に交換することができる。ただし、アタッチメント20は、アクチュエータ部10から着脱不可能とされてもよい。例えば、アタッチメント20は、第2封止部13Bに含まれる封止部材14と一体として形成されてもよい。
【0049】
(流体圧アクチュエータの動作)
次に、図6A図6Bを参照して、本開示の一実施形態に係る流体圧アクチュエータ1の動作を説明する。図6A図6Bは、図1に示される流体圧アクチュエータ1の動作を示す概略図である。図6A図6Bでは、2つの流体圧アクチュエータ1を用いて、段ボール等の容器Tの内部のワーク等の対象物Oを把持して取り出す動作を示している。図6A図6Bでは、2つの流体圧アクチュエータ1が、アクチュエータ部10の基端側で、1つの支持部40に固定されている。換言すれば、2つの流体圧アクチュエータ1は、先端側が自由に移動できる状態である。つまり、流体圧アクチュエータ1の基端側が固定端であり、先端側が自由端である。
【0050】
上述したように、流体圧アクチュエータ1のチューブ11の内部に流体が流入すると、チューブ11が軸方向に収縮しようとするが、チューブ11の周方向の一部に、軸方向に亘って拘束部材17が設けられているため、チューブ11の、拘束部材17が設けられている周方向の部分において、チューブ11の軸方向に沿った収縮が拘束(規制)される。一方で、チューブ11の、拘束部材17が設けられていない部分は収縮しようとするため、拘束部材17が背骨のような役割を果たし、拘束部材17が設けられているチューブ11の周方向の位置と反対側において、各流体圧アクチュエータ1(具体的には、各流体圧アクチュエータ1のチューブ11及びスリーブ12)が撓む。図6A図6Bでは、2つの流体圧アクチュエータ1の先端側の自由端が、相互に近づくように、2つの流体圧アクチュエータ1の対向方向に撓む。
【0051】
一方で、流体圧アクチュエータ1の内部から流体が流出すると、流体圧アクチュエータ1は元の直線状の姿勢に戻る。これにより、流体圧アクチュエータ1を、例えば、ロボットアーム、又は、或いはロボットハンドの指、として利用することができる。例えば、図6A図6Bに示されるように、2つの流体圧アクチュエータ1を駆動させて、容器Tの内部に収容された対象物Oを、側方から挟持して持ち上げる際に、2つの流体圧アクチュエータ1それぞれのアタッチメント20を、容器Tの内壁と対象物Oの側壁との隙間に挿入し(図6Aの白抜き矢印参照)、2つの流体圧アクチュエータ1を対向方向に撓ませることで(図6Bの白抜き矢印参照)、2つのアタッチメント20で対象物Oを挟み込んで持ち上げることができる。
【0052】
図6A図6Bでは、2つの流体圧アクチュエータ1により対象物Oを把持して持ち上げる動作を例示しているが、流体圧アクチュエータ1の数は2つに限られない。対象物Oを把持して持ち上げる流体圧アクチュエータ1の数は、3つ以上であってもよい。
【0053】
ここで、上述したように、アタッチメント20は、厚み方向の一方側に把持面21aを備えるへら状部21である。
【0054】
図5A図5Cに示すように、へら状部21は、薄肉部22と、隆起厚肉部23と、接続部24と、を備える。薄肉部22は、へら状部21の先端側の扁平板状の部位である。隆起厚肉部23は、薄肉部22の基端側に位置する。隆起厚肉部23は、把持面21aで隆起している隆起部25により、薄肉部22より肉厚となる部位である。接続部24は、へら状部21のうちアクチュエータ部10に接続される部位である。本実施形態のへら状部21は、接続部24を介してアクチュエータ部10に着脱可能であるが、へら状部21は、アクチュエータ部10に着脱不能に接続されていてもよい。
【0055】
へら状部21が、上述の薄肉部22を備えることで、容器Tの内壁と対象物Oの側壁との隙間に挿入されやすく、上述の隆起厚肉部23を備えることで、対象物Oを把持するためのグリップ力を高めることができる。薄肉部22のみの構成では、隙間への挿入性は向上するが、対象物Oに対するグリップ性が制限される。これに対して、隆起厚肉部23のみの構成では、対象物Oに対するグリップ性は向上するが、隙間への挿入性が制限される。つまり、へら状部21が、上述の薄肉部22及び隆起厚肉部23を備えることで、隙間への挿入性と、把持する対象物Оに対するグリップ性と、を両立できる。これにより、流体圧アクチュエータ1の有用性を向上させることができる。
【0056】
薄肉部22は、へら状部21の先端を含む。本実施形態の薄肉部22は、へら状部21の延在方向(チューブ11の軸方向と同じ方向)において、隆起厚肉部23の先端から、へら状部21の先端まで、延在している。本実施形態の薄肉部22の厚みは、基端側から先端側に向かって漸減する構成であるが、一様な厚みを有していてもよい。但し、薄肉部22は、本実施形態のように、基端側から先端側に向かって漸減することが好ましい。このようにすることで、流体圧アクチュエータ1を用いて容器T内の対象物Oを把持して持ち上げる際に(図6A図6B参照)、薄肉部22の先端で構成されるへら状部21の先端は、容器Tの内壁と対象物Oの側壁との間に、より入り込みやすくなる。
【0057】
本実施形態の隆起厚肉部23は、薄肉部22の基端側に連なっている。図5A図5Bに示すように、本実施形態の隆起厚肉部23は、へら状部21の幅方向の中央部のみに形成されているが、この構成に限られない。隆起厚肉部23の他の構成例は後述する(図7A図7C参照)。図5A図5Cにおいて、「へら状部21の幅方向」は「D」で示されている。
【0058】
図5Cに示すように、本実施形態のへら状部21の把持面21aは、へら状部21の厚み方向において薄肉部22の一方側(図5Cでは上側)に位置する先端側把持面21a1と、へら状部21の厚み方向において隆起厚肉部23の一方側(図5Cでは上側)に位置する基端側把持面21a2と、を備える。基端側把持面21a2は、隆起部25により形成される隆起面である。
【0059】
図5Cに示すように、把持面21aは、薄肉部22の位置から、隆起厚肉部23の隆起部25の頂部25aの位置まで、段差なく連続していることが好ましい。より具体的に、上述した薄肉部22の先端側把持面21a1と、隆起厚肉部23の基端側把持面21a2とは、段差なく連続していることが好ましい。更に、隆起厚肉部23の基端側把持面21a2は、先端側把持面21a1と連なる隆起部25の裾部25bの位置から、隆起部25の頂部25aまで、段差なく連続していることが好ましい。このようにすることで、把持面21aにより把持される対象物O(図6A図6B参照)が、把持面21aの段差に引っ掛かり、転倒、破損等することを抑制できる。そのため、対象物Oを、把持面21aにより、所望の姿勢にて把持しやすくなる。
【0060】
隆起部25の裾部25bから頂部25aまでは、段差なく連続していれば、その形状は特に限定されない。但し、図5Cに示すように、隆起厚肉部23の基端側把持面21a2は、先端側把持面21a1と連なる隆起部25の裾部25bの位置では凹状湾曲面であり、頂部25aの位置では凸状湾曲面である、ことが好ましい。そして、図5Cに示すように、これら凹状湾曲面及び凸状湾曲面が滑らかに連なることで、隆起厚肉部23の基端側把持面21a2が、裾部25bから頂部25aまで段差なく連続する面を形成していることが好ましい。このようにすることで、把持面21aの基端側把持面21a2の位置で、意図せずに対象物O(図6A図6B参照)が引っ掛かることを抑制できると共に、基端側把持面21a2の対象物Oに対する高いグリップ性を得やすくなる。
【0061】
また、隆起部25は、へら状部21の厚み方向に弾性変形可能であることが好ましい。このような隆起部25としては、例えば、ゴム製の隆起部25が挙げられる。隆起部25が対象物O(図6A図6B参照)を加圧して把持する際に、隆起部25が、へら状部21の厚み方向に圧縮変形することで、基端側把持面21a2の対象物Oに対するグリップ性を、より高めることができる。へら状部21の厚み方向に弾性変形可能な隆起部25は、本実施形態の構成に限られない。後述するように、流体により拡張可能な拡張膜部26により形成されている隆起部25であってもよい(図7A参照)。
【0062】
また、へら状部21は、厚み方向の把持面21aの裏側に、滑り面21bを備える。滑り面21bは、把持面21aより摩擦が小さい。より具体的に、滑り面21bは、把持面21aより摩擦抵抗が小さい面により構成されている。滑り面21bは、例えば、各種の滑り加工が施されていてよい。滑り面21bは、例えば、把持面21aより表面粗さが小さい面であってよい。表面粗さとしては、例えば、算術平均高さRa等により比較されてよい。また、滑り面21bは、例えば、摩擦係数の低い材料により構成されていてもよい。更に、滑り面21bは、微細な突起を設けて接触面積を減らして摩擦抵抗を小さくした構成であってもよい。このように、へら状部21の把持面21aの裏側の面を滑り面21bとすることで、容器Tの内壁と対象物Oの側壁との間にへら状部21を挿入する際(図6A図6B参照)に、滑り面21bと容器Tの内壁とが接触する場合でも、摺動しやすくなる。そのため、滑り面21bと容器Tの内壁との間の隙間へのへら状部21の挿入性を、より高めることができる。
【0063】
以下、図5A図5Cを参照して、本実施形態のへら状部21の更なる詳細について説明する。
【0064】
本実施形態のへら状部21は、本体部31と、この本体部31から隆起する隆起部25と、を備える。
【0065】
本体部31は、略直方体状の基部31aと、この基部31aの先端側に連なり、先端まで厚みが漸減する先細り板部31bと、基部31aの基端側に連なり、アクチュエータ部10と接続可能な接続筒部31cと、を備える。本実施形態の先細り板部31bにおいて、へら状部21の厚み方向の一方側(図5Cでは上側)の面が、へら状部21の延在方向(チューブ11の軸方向と同じ方向)に対して傾斜する傾斜面である。本実施形態の先細り板部31bの傾斜面は、凹状湾曲面であるが、この構成に限られない。但し、先細り板部31bの傾斜面を凹状湾曲面とすることで、隆起部25の裾部25bの凹状湾曲面と段差なく連続させやすくなる。また、本実施形態の先細り板部31bにおいて、へら状部21の厚み方向の他方側(図5Cでは下側)が、へら状部21の延在方向に平行な平面である。但し、先細り板部31bの両面が、先端側に向かうにしたがって近づくように、へら状部21の延在方向に対して傾斜する傾斜面であってもよい。
【0066】
接続筒部31cは、例えば、アクチュエータ部10の連結部14Cが内嵌されることで、アクチュエータ部10と接続される。
【0067】
隆起部25は、本体部31からへら状部21の厚み方向の一方側(図5Cでは上側)に向かって隆起している。より具体的に、本実施形態の隆起部25は、へら状部21の延在方向において、本体部31の基部31aと先細り板部31bとに跨る位置に設けられている。
【0068】
つまり、本実施形態のへら状部21では、へら状部21の延在方向において隆起部25より先端側に位置する、本体部31の先細り板部31bの一部により、上述の薄肉部22が構成されている。また、本実施形態のへら状部21では、隆起部25、及び、本体部31の基部31a及び先細り板部31bのうち隆起部25とへら状部21の厚み方向で重なる部分により、上述の隆起厚肉部23が構成されている。更に、本実施形態のへら状部21では、本体部31の接続筒部31cにより、上述の接続部24が構成されている。
【0069】
また、本実施形態のへら状部21の把持面21aは、本体部31の基部31a及び先細り板部31bの厚み方向の一方側(図5Cでは上側)の面、並びに、隆起部25の隆起面、により構成されている。更に、本実施形態のへら状部21の滑り面21bは、本体部31の基部31a及び先細り板部31bの厚み方向の他方側(図5Cでは下側)の面により構成されている。
【0070】
本実施形態の本体部31及び隆起部25は、ゴム、樹脂等の単一材料により形成されているが、この構成に限られない。本体部31及び隆起部25は、例えば、別々の材料により形成されていてもよい。一例として、隆起部25を構成する材料を、本体部31に対して弾性率の小さい材料としてよい。このようにすることで、対象物O(図6A図6B参照)を把持する際に弾性変形し易い隆起部25を容易に実現できる。
【0071】
また、本実施形態の本体部31は、滑り面21bを形成する滑り層を備えてもよい。滑り層は、例えばフッ素樹脂など、摩擦係数の小さい樹脂材料により構成される層であってよい。また、本体部31の隆起部25側の上面と、その反対側の下面と、で表面粗さを異ならせることにより、上述の滑り面21bが形成されていてもよい。このように、本体部31の滑り面21bは、各種の滑り加工により実現されてよい。
【0072】
本実施形態の本体部31は、上述した基部31a、先細り板部31b及び接続筒部31cを備えるが、この構成に限られない。本体部31は、例えば基部31aを備えない構成であってもよい。また、本体部31の接続筒部31cの形状についても、アクチュエータ部10の連結部14Cの構成に応じて、適宜設計されてよい。
【0073】
次に、図7A図7Cを参照して、アタッチメント20としてのへら状部21の変形例について説明する。図7Aでは、隆起部25が拡張膜部26により形成されている、へら状部21を示している。図7Aに示すへら状部21は、本体部31と、この本体部31に取り付けられている隆起部25としての拡張膜部26と、を備える。拡張膜部26は、空気などの流体により拡張可能である。具体的に、図7Aに示す拡張膜部26の周縁部は、本体部31に接着等により接合されている。図7Aに示す拡張膜部26の中央部は、本体部31に接合されておらず、本体部31との間に、流体を収容可能な収容空間26aを区画している。図7Aに示すように、空気等の流体が、チューブ27を通じて、収容空間26aに供給されると、拡張膜部26が拡張し、把持面21aで隆起する。
【0074】
このように、隆起部25は、把持面21aで隆起している構成に限られず、隆起可能な構成であってよい。隆起可能な隆起部25とすることで、例えば、へら状部21を容器Tの内壁と対象物Oの側壁との間に挿入する際(図6A図6B参照)に、隆起部25を、隆起しない収縮状態とすることができる。このようにすることで、へら状部21の挿入性を、より高めることができる。そして、へら状部21を容器Tの内壁と対象物Oの側壁との間の所望の位置まで挿入した後で、隆起部25を拡張させて拡張状態とする。このようにすることで、隆起部25による対象物Oの把持位置を安定化させることができる。つまり、隙間への挿入性、及び、把持する対象物Оに対するグリップ性を、より高めることができる。
【0075】
図7Aに示す隆起可能な隆起部25は、本体部31との間に収容空間26aを区画する拡張膜部26により形成されているが、この構成に限られない。隆起部25は、例えば、本体部31上に保持され、内部に収容空間を区画するバルーン部であってもよい。
【0076】
また、図7Bに示すように、隆起部25は、へら状部21の幅方向の全域に亘って配置されていてもよく、図7Cに示すように、へら状部21の幅方向に離間して複数配置されていてもよい。図7Cに示す各隆起部25は、図5Aに示す隆起部25の形状と同様である。但し、図7Cに示す各隆起部25の形状は、この形状に限られず、例えば、本体部31から突出するフィン状の板部であってよい。
【0077】
(流体圧アクチュエータを用いたシステム)
図8を参照して、流体圧アクチュエータ1を用いたシステムの一構成例を説明する。図8は、流体圧アクチュエータ1を用いたシステムの一構成例を示す概略側面図である。具体的には、図8に示されるシステムは、流体圧アクチュエータ1を駆動させることにより対象物を把持する把持システム50である。
【0078】
図8に示されるように、把持システム50は、台座部51、支柱部52、第1アクチュエータ接続部53、伸縮型アクチュエータ54、第2アクチュエータ接続部55、及び流体圧アクチュエータ1を備えている。
【0079】
台座部51の上面には、支柱部52が立設されている。支柱部52の上端部は、下方に向けて折り返されており、支柱部52の先端部分には、第1アクチュエータ接続部53が連結されている。
【0080】
第1アクチュエータ接続部53には、伸縮型アクチュエータ54が吊り下げられている。伸縮型アクチュエータ54は、流体圧アクチュエータ1の上下方向の位置を調整する。伸縮型アクチュエータ54は、上述した流体圧アクチュエータ1のような拘束部材17は備えられておらず、一般的なマッキベン型のアクチュエータであってよい。このため、伸縮型アクチュエータ54は、軸方向(図中の白抜き矢印方向)に沿って収縮及び膨張する。つまり、伸縮型アクチュエータ54は、単に軸方向の長さが変化するだけであり、上述した拘束部材17を有する流体圧アクチュエータ1のように湾曲することはできない。ただし、伸縮型アクチュエータ54は、拘束部材17を備え、湾曲することが可能であってもよい。また、伸縮型アクチュエータ54は、マッキベン型のアクチュエータに限られず、別の構成のアクチュエータであってもよい。
【0081】
伸縮型アクチュエータ54の下端には、第2アクチュエータ接続部55が連結されている。第2アクチュエータ接続部55には、流体圧アクチュエータ1が吊り下げられている。
【0082】
図示例では、流体圧アクチュエータ1は、4つのアクチュエータ部10と、4つのアクチュエータ部10を基端側で支持する1つの支持部40と、を備えている。4つのアクチュエータ部10のそれぞれには、チューブ11の軸方向に亘って拘束部材17が設けられている。また、4つのアクチュエータ部10のそれぞれには、チューブ11の先端側にアタッチメント20が連なっている。但し、支持部40に支持される流体圧アクチュエータ1の数は、4つに限られない。上述したように、支持部40には、2つの流体圧アクチュエータ1が支持される構成であってもよい(図6A図6B参照)
【0083】
本開示に係る流体圧アクチュエータは、上述した実施形態及び変形例に示す具体的な構成に限られず、特許請求の範囲の記載を逸脱しない限り、種々の変形、変更、組み合わせが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0084】
本開示は流体圧アクチュエータに関する。
【符号の説明】
【0085】
1:流体圧アクチュエータ、 10:アクチュエータ部、 11:チューブ、 12:スリーブ、 13:封止部(13A:第1封止部、 13B:第2封止部)、 14:封止部材、 14A:頭部、 14B:胴部、 14C:連結部、 14D:接続口、 14E:通過孔、 15:係止リング、 15A:切欠き部、 16:かしめ部材、 16A:圧痕、 17:拘束部材、 20:アタッチメント、 21:へら状部、 21a:把持面、 21a1:先端側把持面、 21a2:基端側把持面、 21b:滑り面、 22:薄肉部、 23:隆起厚肉部、 24:接続部、 25:隆起部、 25a:頂部、 25b:裾部、 26:拡張膜部、 26a:収容空間、 27:チューブ、 31:本体部、 31a:基部、 31b:先細り板部、 31c:接続筒部、 40:支持部、 50:把持システム、 51:台座部、 52:支柱部、 53:アクチュエータ接続部、 54:伸縮型アクチュエータ、 55:第2アクチュエータ接続部、 O:対象物、 T:作業台、 DAX:軸方向、 D:径方向、 D:へら状部の厚み方向、 D:へら状部の幅方向

図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図7A
図7B
図7C
図8