(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023090612
(43)【公開日】2023-06-29
(54)【発明の名称】船舶エンジン冷却水経路の清浄装置と清浄方法
(51)【国際特許分類】
B63H 21/38 20060101AFI20230622BHJP
B63B 13/00 20060101ALI20230622BHJP
F01P 11/14 20060101ALI20230622BHJP
F01P 11/06 20060101ALI20230622BHJP
F01P 11/04 20060101ALI20230622BHJP
【FI】
B63H21/38 A
B63B13/00 A
F01P11/14 E
F01P11/06 A
F01P11/04 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022090700
(22)【出願日】2022-06-03
(31)【優先権主張番号】P 2021205622
(32)【優先日】2021-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2021215485
(32)【優先日】2021-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】521554457
【氏名又は名称】貍塚 直行
(74)【代理人】
【識別番号】100192496
【弁理士】
【氏名又は名称】西平 守秀
(72)【発明者】
【氏名】貍塚 直行
(57)【要約】 (修正有)
【課題】海底火山の噴火で発生した軽石で船舶の冷却水路が目詰りし、エンジン故障や運転停止を来している。軽石による、冷却水経路の目詰まりを容易にかつ格安に実現する。
【解決手段】既存の船内フィルタa,bを吸込洗浄する吸引ポンプcと吸い込み水を濾過するろ過フィルタdは、軽石だけを残し海水は海に排出する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
既設の船内フィルタを吸引清浄する吸引ポンプと吸い込み水をろ過して海水は通過し軽石は残留するろ過フィルタとを有することを特徴とする船舶エンジン冷却水経路の清浄方法。
【請求項2】
既設の船内フィルタを吸引清浄する吸引ポンプと吸い込み水をろ過して海水は通過し軽石は残留するろ過フィルタとを有することを特徴とする船舶エンジン冷却水経路の清浄装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
海底火山の噴火で発生した軽石で船舶エンジンの冷却水路が目詰まりし、エンジン故障や運転停止を来している。本発明は軽石に起因する目詰まり防止に関する。
【背景技術】
【0002】
図1のような一般的な中小船舶のエンジン冷却経路は、船底一次フィルタa→船内二次フィルタb→エンジンのルートで海水を供給し、冷却後は最終的に海洋へ排水される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この先行技術は、簡単な構成で吸入口に付着した浮遊物を人手にたよらず容易に除去して、内燃機関のオーバーヒートを防止する。しかも、海水を船底部に設けられた吸入口を介して吸入ポンプにより吸入して内燃機関を冷却するようにした船舶用内燃機関の冷却装置において、吸入口に海水の吸入方向とは反対方向へ流体を噴射する噴射ノズルを設けた。又、噴射ノズルから海水を噴射させるための噴射ポンプを設けたことである。
しかしながら、先行技術のように噴射ノズルや噴射ポンプを設置すると構造が複雑になるので、本発明はこれらが無くても軽石の影響を除去できる。船舶に大掛かりな設備や動力を必要としないのが利点である。
本発明の技術的課題は、軽石による、冷却水経路の目詰まりを容易にかつ格安に実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の技術的課題は、次のような手段によって解決される。請請求項1は、既設の船内フィルタを吸引清浄する吸引ポンプと吸い込み水をろ過して海水は通過し軽石は残留するろ過フィルタとを有することを特徴とする船舶エンジン冷却水経路の清浄方法である。
【0006】
請求項2は、既設の船内フィルタを吸引清浄する吸引ポンプと吸い込み水をろ過して海水は通過し軽石は残留するろ過フィルタとを有することを特徴とする船舶エンジン冷却水経路の清浄装置である。
【発明の効果】
【0007】
請求項1のように、既設の船内フィルタを吸引清浄する吸引ポンプと吸い込み水をろ過して海水は通過し軽石は残留するろ過フィルタとを有するので、噴射ノズルや噴射ポンプが無くても軽石の影響を除去でき、しかも大掛かりな設備や動力を必要としない。
【0008】
請求項2のように、既設の船内フィルタを吸引清浄する吸引ポンプと吸い込み水をろ過して海水は通過し軽石は残留するろ過フィルタを有するので、噴射ノズルや噴射ポンプが無くても軽石の影響を除去でき、しかも大掛かりな設備や動力を必要としない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図2】本発明によるフィルタ洗浄装置及び方法を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に本発明による船舶エンジン冷却水経路の清浄装置と清浄方法が実際上どのように具体化されるか実施の形態を説明する。先ず、船内二次フィルタbの清浄装置について述べる。いま、船舶に既設の船内二次フィルタbに接続された吸引ポンプcにより、船内二次フィルタb内に目詰まりで滞留した軽石を含む海水を吸引し清浄する。この際の排水経路には、フィルタ機能を有するろ過タンクdを具備して、軽石とろ過水とを分別する。すなわち、軽石のみをろ過タンクd内に残して回収する。ろ過した海水は、海洋に廃水される。
【0011】
最後に.制御装置eを述べる。
各装置の運転制御を行う電気制御盤を有していて、以下の運転モードを選択出来る。
(1) 単独運転モード
それぞれ手動スイッチを押すことにより、装置を単独で運転する。
(2) 間欠運転モード
運転間隔や運転時間を任意に設定でき、自動で運転する。
【産業上の利用可能性】
【0012】
以上のように、フィルタ機能付きのろ過タンクを増設するのみで新造を要しないので、既存の設備のみで、軽石の漂流を無視して、無難に航行でき、また航行しながら各装置を制御できる。
【符号の説明】
【0013】
a 船底一次フィルタ
b 船内二次フィルタ
c 吸引ポンプ
d ろ過タンク
e 制御装置