(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023090624
(43)【公開日】2023-06-29
(54)【発明の名称】ウェーハティーチング装置及びこれを用いたウェーハティーチング方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/68 20060101AFI20230622BHJP
H01L 21/683 20060101ALI20230622BHJP
B25J 9/06 20060101ALI20230622BHJP
B25J 13/08 20060101ALI20230622BHJP
【FI】
H01L21/68 G
H01L21/68 R
B25J9/06 D
B25J13/08 A
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022161052
(22)【出願日】2022-10-05
(31)【優先権主張番号】10-2021-0181570
(32)【優先日】2021-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】520236767
【氏名又は名称】サムス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リ、チョン ウ
(72)【発明者】
【氏名】パク、テ トン
(72)【発明者】
【氏名】パク、チャン チョン
(72)【発明者】
【氏名】キム、チン ファン
【テーマコード(参考)】
3C707
5F131
【Fターム(参考)】
3C707AS05
3C707AS24
3C707BS15
3C707DS01
3C707ES17
3C707KS03
3C707KS04
3C707KS05
3C707KS36
3C707KV11
3C707KX19
3C707LT06
3C707LT12
5F131AA02
5F131AA03
5F131BA03
5F131BA04
5F131BA11
5F131BA19
5F131BA23
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5F131DB52
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5F131EB11
5F131FA12
5F131FA26
5F131FA32
5F131KA12
5F131KA47
5F131KA54
5F131KB05
5F131KB53
(57)【要約】
【課題】ウェーハ位置探知装置及びこれを用いたウェーハ位置探知及び補正方法を提供する。
【解決手段】本発明は、静電チャック上に配置されるウェーハの位置を調節するウェーハティーチング装置であって、前記静電チャックの上方に配置されるレーザー距離センサーと、前記ウェーハを移送するロボットを制御する制御部と、を含み、前記制御部によって、前記ウェーハが所定の位置に移送できるように前記レーザー距離センサーを用いて静電チャックと静電チャック上に配置されるウェーハの相対位置を確認し、確認された静電チャックとウェーハの相対位置を用いて前記ウェーハの位置をティーチングする、ウェーハティーチング装置を提供する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
静電チャック上に配置されるウェーハの位置を調節するウェーハティーチング装置であって、
前記静電チャックの上方に配置されるレーザー距離センサーと、
前記ウェーハを移送するロボットを制御する制御部と、を含み、
前記制御部によって、前記ウェーハが所定の位置に移送できるように前記レーザー距離センサーを用いて静電チャックと静電チャック上に配置されるウェーハの相対位置を確認し、確認された静電チャックとウェーハの相対位置を用いて前記ウェーハの位置をティーチングする、ウェーハティーチング装置。
【請求項2】
前記レーザー距離センサーは、3つ以上が設置され、
それぞれのレーザー距離センサーは、
前記静電チャックの中心を通り過ぎる仮想の直線である第1直線上の点のうち、前記静電チャックの内部に位置したいずれか一つの点である第1ポイントから第1直線上に位置した前記静電チャックの縁部までの距離と、
前記ウェーハが前記静電チャック上に配置された状態で前記第1直線上の第1ポイントから前記ウェーハの縁部までの距離をそれぞれ計測し、
第1ポイントから静電チャックの縁部までの距離と第1ポイントからウェーハの縁部までの距離との距離差を計算し、
それぞれのレーザー距離センサーで計測された距離差を比較して前記ウェーハをティーチングする、請求項1に記載のウェーハティーチング装置。
【請求項3】
前記第1直線上の前記第1ポイントから静電チャックの縁部までの距離は、
第1ポイントから第1直線上にある、静電チャックの外にあるいずれか一つの点である第2ポイントまで延びた線分の各点と、レーザー距離センサーとの距離を繰り返し計測して求める、請求項2に記載のウェーハティーチング装置。
【請求項4】
前記第1直線上の第1ポイントからウェーハの縁部までの距離は、
第1ポイントから第1直線上にある、ウェーハの外にあるいずれか一つの点である第3ポイントまで延びた線分の各点と、レーザー距離センサーとの距離を繰り返し求める、請求項2又は3に記載のウェーハティーチング装置。
【請求項5】
前記レーザー距離センサーは、複数の距離センサーを組み合わせたモジュール形態で構成される、請求項1~3のいずれか一項に記載のウェーハティーチング装置。
【請求項6】
前記レーザー距離センサーは、複数の距離センサーを組み合わせたモジュール形態で構成される、請求項4に記載のウェーハティーチング装置。
【請求項7】
前記レーザー距離センサーは、3つ以上が設置され、
前記静電チャックの中心を通り過ぎる仮想の直線である第1直線のうち、前記静電チャックの内部に位置したいずれか一つの点である第1ポイントから、第1直線上に位置した前記静電チャックの縁部までの距離を計測して静電チャックの縁部の座標を確認し、
前記第1直線上の第1ポイントから前記ウェーハの縁部までの距離を計測してウェーハの縁部の座標を確認し、
それぞれのレーザー距離センサーで確認された座標を用いて静電チャックとウェーハの中心の座標をそれぞれ計算し、比較して前記ウェーハをティーチングする、請求項1に記載のウェーハティーチング装置。
【請求項8】
前記第1直線上の第1ポイントから静電チャックの縁部までの距離は、
第1ポイントから第1直線上にある、静電チャックの外にあるいずれか一つの点である第2ポイントまで延びた線分の各点と、レーザー距離センサーとの距離を繰り返し計測して求める、請求項7に記載のウェーハティーチング装置。
【請求項9】
前記第1直線上の第1ポイントからウェーハの縁部までの距離は、
第1ポイントから第1直線上にある、ウェーハの外にあるいずれか一つの点である第3ポイントまで延びた線分の各点と、レーザー距離センサーとの距離を繰り返し計測して求める、請求項7又は8に記載のウェーハティーチング装置。
【請求項10】
前記距離センサーは、複数の距離センサーを組み合わせたモジュール形態で構成される、請求項7又は8に記載のウェーハティーチング装置。
【請求項11】
静電チャック上に配置されるウェーハの位置を調節するウェーハティーチング方法であって、
レーザー距離センサーを用いて静電チャックの位置を計測する第1計測段階と、
前記レーザー距離センサーを用いて、静電チャック上に配置されるウェーハの位置を計測する第2計測段階と、
前記第1計測段階で計測された静電チャックの位置、及び前記第2計測段階で計測された前記ウェーハの位置を用いて、前記ウェーハの位置をティーチングする、ウェーハティーチング方法。
【請求項12】
前記第1計測段階は、前記静電チャックの中心を通り過ぎる仮想の直線である第1直線のうち、前記静電チャックの内部に位置したいずれか一つの点である第1ポイントから、第1直線上に位置した前記静電チャックの縁部までの距離を計測し、
前記第2計測段階は、前記ウェーハが前記静電チャック上に配置された状態で前記第1直線上の第1ポイントから前記ウェーハの縁部までの距離をそれぞれ計測し、
第1ポイントから静電チャックの縁部までの距離と第1ポイントからウェーハの縁部までの距離との距離差を用いて前記ウェーハの位置をティーチングする、請求項11に記載のウェーハティーチング方法。
【請求項13】
前記第1計測段階は、
第1ポイントから第1直線上にある、静電チャックの外にあるいずれか一つの点である第2ポイントまで延びた線分の各点と、レーザー距離センサーとの距離を繰り返し計測する、請求項12に記載のウェーハティーチング方法。
【請求項14】
前記第2計測段階は、
第1ポイントから第1直線上にある、ウェーハの外にあるいずれか一つの点である第3ポイントまで延びた線分の各点と、レーザー距離センサーとの距離を繰り返し計測する、請求項12又は13に記載のウェーハティーチング方法。
【請求項15】
前記レーザー距離センサーは、複数の距離センサーを組み合わせたモジュール形態で構成される、請求項11~13のいずれか一項に記載のウェーハティーチング方法。
【請求項16】
前記レーザー距離センサーは、複数の距離センサーを組み合わせたモジュール形態で構成される、請求項14に記載のウェーハティーチング方法。
【請求項17】
前記レーザー距離センサーは、3つ以上が設置され、
前記第1計測段階は、前記静電チャックの中心を通り過ぎる仮想である第1直線のうち、前記静電チャックの内部に位置したいずれか一つである第1ポイントから、第1直線上に位置した前記静電チャックの縁部までの距離を計測し、
前記第2計測段階は、前記ウェーハが前記静電チャック上に配置された状態で前記第1直線上の第1ポイントから前記ウェーハの縁部までの距離をそれぞれ計測し、
前記それぞれのレーザー距離センサーで行われた第1計測段階と第2計測段階の計測結果を用いて、静電チャックとウェーハの中心の座標をそれぞれ計算し、比較してウェーハをティーチングする、請求項11に記載のウェーハティーチング方法。
【請求項18】
前記第1計測段階は、
第1ポイントから第1直線上にある、静電チャックの外にあるいずれか一つの点である第2ポイントまで延びた線分の各点と、レーザー距離センサーとの距離を繰り返し計測する、請求項17に記載のウェーハティーチング方法。
【請求項19】
前記第2計測段階は、
第1ポイントから第1直線上にある、ウェーハの外にあるいずれか一つの点である第3ポイントまで延びた線分の各点と、レーザー距離センサーとの距離を繰り返し計測する、請求項17又は18に記載のウェーハティーチング方法。
【請求項20】
静電チャック上に配置されるウェーハの位置を調節するウェーハティーチング装置であって、
前記静電チャックの上部に配置されるレーザー距離センサーと、
前記ウェーハを移送するロボットを制御する制御部と、を含み、
前記制御部によって、前記ウェーハが所定の位置に移送できるように前記レーザー距離センサーを用いて静電チャックと静電チャック上に配置されたウェーハの相対位置を確認し、確認された相対位置を用いて前記ウェーハの位置を定め、
前記レーザー距離センサーは、3つ以上が設置され、
それぞれのレーザー距離センサーは、
前記静電チャックの中心を通り過ぎる仮想である第1直線のうち、前記静電チャックの内部に位置したいずれか一つである第1ポイントから第1直線上に位置した前記静電チャックの縁部までの距離と、
前記ウェーハが前記静電チャック上に配置された状態で前記第1直線上の第1ポイントから前記ウェーハの縁部までの距離をそれぞれ計測してその距離差を計算し、
それぞれのレーザー距離センサーで計測された距離差を比較するか、或いは、
前記レーザー距離センサーは、3つ以上が設置され、
前記静電チャックの中心を通り過ぎる仮想である第1直線のうち、前記静電チャックの内部に位置したいずれか一つである第1ポイントから第1直線上に位置した前記静電チャックの縁部までの距離を計測して静電チャックの縁部の座標を確認し、
前記第1直線上の第1ポイントから前記ウェーハの縁部までの距離をそれぞれ計測してウェーハの縁部の座標を確認し、
それぞれのレーザー距離センサーで確認された座標を用いて静電チャックとウェーハの中心の座標をそれぞれ計算し、比較してウェーハの位置をティーチングし、
前記レーザー距離センサーは、複数の距離センサーを組み合わせたモジュール形態で構成される、ウェーハティーチング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェーハ位置探知装置とこれを用いたウェーハ位置探知及び補正方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体素子又は液晶ディスプレイを製造するためには、ウェーハにフォトリソグラフィ工程、エッチング工程、イオン注入工程、蒸着工程、洗浄工程などの様々な工程が行われる。
【0003】
これらの工程の中でも、エッチング工程は、エッチングチャンバー内に位置した静電チャック(ESC;Electrostatic Chuck)上で行われる。精密に前述の工程を行うためには、ウェーハが静電チャック上の所定の位置に正確に載置されることが要求されるが、静電チャック上の所定の位置にウェーハを配置する作業をティーチング作業という。
【0004】
精密なティーチング作業のための様々な方法が提示されている。例えば、韓国公開特許第10-2018-0109300号によって提示された方法は、静電チャック上に受光領域を設け、受光部材が受光領域から反射された光を受けてウェーハの位置をティーチングする方法が提示されている。
【0005】
また、ビジョンを用いてウェーハをティーチングする方法も提示されたことがある。
【0006】
ところが、これまで提示された大部分の方法は、静電チャックがウェーハに比べて大きい面積を持つ場合であり、ウェーハの面積が静電チャックの面積に比べて広いため、ウェーハが静電チャックを覆う場合には適用し難いという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、背景技術の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、ウェーハが静電チャックに比べて広い面積を持つ場合でも、ウェーハの位置を正確にティーチングすることができるウェーハティーチング装置及びこれを用いたウェーハティーチング方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するための本発明の第1の態様によれば、
静電チャック上に配置されるウェーハの位置を調節するウェーハティーチング装置であって、
前記静電チャックの上方に配置されるレーザー距離センサーと、
前記ウェーハを移送するロボットを制御する制御部と、を含み、
前記制御部によって、前記ウェーハが所定の位置に移送できるように前記レーザー距離センサーを用いて静電チャックと静電チャック上に配置されるウェーハの相対位置を確認し、確認された静電チャックとウェーハの相対位置を用いて前記ウェーハの位置をティーチングする、ウェーハティーチング装置を提供する。
【0009】
前記レーザー距離センサーは、3つ以上が設置され、
それぞれのレーザー距離センサーは、
前記静電チャックの中心を通り過ぎる仮想の直線である第1直線上の点のうち、前記静電チャックの内部に位置したいずれか一つの点である第1ポイントから、第1直線上に位置した前記静電チャックの縁部までの距離と、
前記ウェーハが前記静電チャック上に配置された状態で前記第1直線上の第1ポイントから前記ウェーハの縁部までの距離をそれぞれ計測し、
第1ポイントから静電チャックの縁部までの距離と第1ポイントからウェーハの縁部までの距離との距離差を計算し、
それぞれのレーザー距離センサーで計測された距離差を比較して前記ウェーハをティーチングすることが好ましい。
【0010】
前記第1直線上の第1ポイントから静電チャックの縁部までの距離は、
第1ポイントから第1直線上にある、静電チャックの外にあるいずれか一つの点である第2ポイントまで延びた線分の各点と、レーザー距離センサーとの距離を繰り返し計測して求めることが好ましい。
【0011】
前記第1直線上の第1ポイントからウェーハの縁部までの距離は、
第1ポイントから第1直線上にある、ウェーハの外にあるいずれか一つの点である第3ポイントまで延びた線分の各点と、レーザー距離センサーとの距離を繰り返し求めることが好ましい。
【0012】
前記レーザー距離センサーは、複数の距離センサーを組み合わせたモジュール形態で構成されることが好ましい。
【0013】
前記レーザー距離センサーは、3つ以上が設置され、
前記静電チャックの中心を通り過ぎる仮想の直線である第1直線のうち、前記静電チャックの内部に位置したいずれか一つの点である第1ポイントから第1直線上に位置した前記静電チャックの縁部までの距離を計測して静電チャックの縁部の座標を確認し、
前記第1直線上の第1ポイントから前記ウェーハの縁部までの距離を計測してウェーハの縁部の座標を確認し、
それぞれのレーザー距離センサーで確認された座標を用いて静電チャックとウェーハの中心の座標をそれぞれ計算し、比較して前記ウェーハをティーチングすることもできる。
【0014】
本発明の第2の態様によれば、
静電チャック上に配置されるウェーハの位置を調節するウェーハティーチング方法であって、
レーザー距離センサーを用いて静電チャックの位置を計測する第1計測段階と、
前記レーザー距離センサーを用いて、静電チャック上に配置されるウェーハの位置を計測する第2計測段階と、
前記第1計測段階で計測された静電チャックの位置、及び前記第2計測段階で計測された前記ウェーハの位置を用いて、前記ウェーハの位置をティーチングする、ウェーハティーチング方法を提供する。
【0015】
前記第1計測段階は、前記静電チャックの中心を通り過ぎる仮想の直線である第1直線のうち、前記静電チャックの内部に位置したいずれか一つの点である第1ポイントから第1直線上に位置した前記静電チャックの縁部までの距離を計測し、
前記第2計測段階は、前記ウェーハが前記静電チャック上に配置された状態で前記第1直線上の第1ポイントから前記ウェーハの縁部までの距離をそれぞれ計測し、
第1ポイントから静電チャックの縁部までの距離と第1ポイントからウェーハの縁部までの距離との距離差を用いて、前記ウェーハの位置をティーチングすることが好ましい。
【0016】
前記第1計測段階は、
第1ポイントから第1直線上にある、静電チャックの外にあるいずれか一つの点である第2ポイントまで延びた線分の各点と、レーザー距離センサーとの距離を繰り返し計測することが好ましい。
【0017】
前記第2計測段階は、
第1ポイントから第1直線上にある、ウェーハの外にあるいずれか一つの点である第3ポイントまで延びた線分の各点と、レーザー距離センサーとの距離を繰り返し計測することが好ましい。
【0018】
前記レーザー距離センサーは、複数の距離センサーを組み合わせたモジュール形態で構成されることが好ましい。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、ウェーハが静電チャックに比べて広い面積を持つ場合でも、ウェーハの位置を正確にティーチングすることができるウェーハティーチング装置及びこれを用いたウェーハティーチング方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の一つの実施例によるウェーハティーチング装置のブロック図である。
【
図2】静電チャックとレーザー距離センサーとの関係を説明するための図である。
【
図3】レーザー距離センサーを用いて第1ポイントから静電チャックの縁部までの距離を計測することを説明するための図である。
【
図4】レーザー距離センサーを用いて第1ポイントから静電チャックの縁部までの距離を計測することを説明するための図である。
【
図5】レーザー距離センサーを用いて第1ポイントからウェーハの縁部までの距離を計測することを説明するための図である。
【
図6】レーザー距離センサーを用いて第1ポイントからウェーハの縁部までの距離を計測することを説明するための図である。
【
図7】ウェーハを移送するロボットを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の好適な実施例について説明することにより、本発明を実施するための具体的な内容を提供する。本明細書及び特許請求の範囲で使用された用語や単語は、通常的且つは辞典的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者は自分の発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義することができるという原則に即して、本発明の技術的思想に合致する意味と概念で解釈されるべきである。
【0022】
本発明の実施例の構成要素を説明するにあたり、「第1」、「第2」、「A」、「B」、「(a)」、「(b)」等の用語を使用することができるが、これらの用語は、その構成要素を他の構成要素と区別するためのものに過ぎず、その用語によって該当構成要素の本質や順番、順序などに限定されない。
【0023】
まず、添付図面を参照して、本発明の第1の態様によるウェーハティーチング装置の一つの実施例について説明する。
【0024】
図1は、本発明の一つの実施例によるウェーハティーチング装置のブロック図、
図2は、静電チャックとレーザー距離センサーとの関係を説明するための図、
図3及び
図4は、レーザー距離センサーを用いて第1ポイントから静電チャックの縁部までの距離を計測することを説明するための図、
図5及び
図6は、レーザー距離センサーを用いて第1ポイントからウェーハの縁部までの距離を計測することを説明するための図、
図7は、ウェーハを移送するロボットを説明するための図である。
【0025】
本実施例によるウェーハティーチング装置は、静電チャック上に配置されるウェーハの位置を調節する装置であって、レーザー距離センサー10と制御部20を含んで構成される。
【0026】
前記レーザー距離センサー10は、レーザーを用いて二つの地点間の距離を測定するセンサーである。本実施例において、レーザー距離センサー10は、複数のレーザー距離センサーが合わせられたモジュール形態であって、同時に複数の地点間の距離を測定することができるように構成されている。
【0027】
前記レーザー距離センサー10は、3つ以上が設置されるが、本実施例では、
図2に示されているように3つが設置される。レーザー距離センサー10が3つ以上必要とされる理由は、少なくとも3つの点に対する座標についての情報があれば、その3つの点を通り過ぎる円が一つに決定されるためである。
【0028】
前記制御部20は、前記静電チャック30上に配置されるウェーハ40の位置を制御する構成であって、本実施例では、距離センサー制御部21とロボット制御部22を含んで構成される。
【0029】
前記距離センサー制御部21は、前記レーザー距離センサー10を用いて静電チャック30と静電チャック上に配置されるウェーハ40の相対位置を確認し、確認された相対位置を用いてウェーハ40が所定の位置に配置されているかを確認し、所定の位置ではない位置にウェーハ40が配置されると、ロボット制御部22を用いてウェーハ40の位置を所定の位置へ移動させる。
【0030】
前記ロボット制御部22は、
図7に示されているように、ウェーハ40を移送するロボットRを制御する。
【0031】
以下、前述した構成を用いてウェーハの位置をティーチングする方法の実施例について説明する。
【0032】
ウェーハティーチングの基本原理は、静電チャック30とウェーハ40が同心円になれる位置にウェーハ40を配置することである。このために二つの実施例が提示されるが、第1の実施例は、静電チャック上の特定点(第1ポイント)から静電チャックの縁部までの距離と、静電チャック上の特定点(第1ポイント)からウェーハの縁部までの距離を測定し、その距離差を比較して、静電チャック30とウェーハ40が同心円であるかを確認する方法であり、第2の実施例は、静電チャック上の特定点(第1ポイント)から静電チャックの縁部までの距離と、静電チャック上の特定点(第1ポイント)からウェーハの縁部までの距離を測定した値を用いてウェーハ40の中心の座標を求めて静電チャック30の中心と一致するかを確認する方法である。
【0033】
ウェーハをティーチングする方法を説明する前に、説明に使用される幾つかの用語について定義する。
【0034】
第1直線lは、静電チャック30の中心を通り過ぎる任意の直線である。
図3及び
図5に示されているように、ウェーハのティーチングのために3つの第1直線la、l
b、l
cが使用される。
【0035】
第1ポイントP1は、前記第1直線l上の点のうち、静電チャック30の内部に位置した点である。第1ポイントP1も、3つ(P1a、P1b、P1c)が定義される。3つの第1ポイントP1a、P1b、P1cと静電チャックの中心Oとの距離は、同じでも異なってもよい。
【0036】
第2ポイントP2は、前記第1直線l上の点のうち、静電チャック30の外部に位置した点である。第2ポイントP2も、3つ(P2a、P2b、P2c)が定義される。3つの第2ポイントP2a、P2b、P2cと静電チャックの中心Oとの距離も、同じでも異なってもよい。
【0037】
第3ポイントP3は、前記第1直線l上の点のうち、ウェーハ40の外部に位置した点である。第3ポイントP3も、3つ(P3a、P3b、P3c)が定義される。3つの第3ポイント(P3a、P3b、P3c)と静電チャックの中心Oとの距離も、同じでも異なってもよい。
【0038】
第1線分S1は、第1ポイントP1と第2ポイントP2とを連結する線分として定義されるが、第1ポイントP1と第2ポイントP2がそれぞれ3つずつ定義されるので、第1線分も3つ(S1a、S1b、S1c)が定義される。
【0039】
第2線分S2は、第1ポイントP1と第3ポイントP3とを連結する線分として定義されるが、第1ポイントP1と第3ポイントP3がそれぞれ3つずつ定義されるので、第1線分も3つ(S2a、S2b、S2c)が定義される。
【0040】
前述した第1直線、第1ポイント、第2ポイント、第3ポイント、第1線分、第2線分がそれぞれ3つずつ定義されることは、本実施例において、3つのレーザー距離センサーを使用するためである。レーザー距離センサーの数が増えると、同数で第1直線、第1ポイント、第2ポイント、第3ポイント、第1線分、第2線分が定義される個数も一緒に増えるべきである。
【0041】
ウェーハティーチング方法は、第1計測段階と第2計測段階を含み、第1計測段階と第2計測段階で計測された静電チャックとウェーハの相対位置を用いて、ウェーハが所定の位置にあるかを判断してウェーハをティーチングする。
【0042】
第1計測段階は、レーザー距離センサー10を用いて静電チャック30の位置を計測する段階であり、第2計測段階は、レーザー距離センサー10を用いて、静電チャック30上に配置されるウェーハ40の位置を計測する段階である。静電チャック30の位置が変わるのではないので、第1計測段階を1回行って静電チャック30の位置が計測されると、ウェーハ40が工程チャンバーに進入するたびに行う必要はない。ただし、定期的に静電チャック30の位置を点検する必要が認められる場合には、第1計測段階を行うことができる。
【0043】
前記第1計測段階は、
図3に示されているように、第1直線l上の第1ポイントP
1から静電チャックの縁部までの距離を計測する段階である。これは、レーザー距離センサー10を用いて、レーザー距離センサー10から第1線分S
1の各点までの距離を繰り返し計測する方法を利用する。
図4は、レーザー距離センサー10の測定結果を示す。x軸は、第1ポイントP
1から測定点までの距離であり、y軸は、レーザー距離センサー10と第1線分S
1上にある測定点との距離である。
図4のグラフに示されているように、静電チャック30の縁部を通り過ぎると、図示されているようにレーザー距離センサー10と第1線分S
1上の測定点との距離が増える。このグラフを用いて、第1ポイントP
1から静電チャックの縁部を探し、静電チャックの縁部までの距離dを計算することができる。
【0044】
前記第1計測段階は、3つのレーザー距離センサー10a、10b、10cを用いてそれぞれ行われるので、それぞれのレーザー距離センサーで測定された第1ポイントP1a、P1b、P1cと静電チャックの縁部との距離da、db、dcを計算することができる。
【0045】
前記第2計測段階は、
図5に示されているように第1直線l上の第1ポイントからウェーハ40の縁部までの距離を計測する段階である。
図6は、レーザー距離センサー10の測定結果を示したものであるが、参考のために、静電チャック30の測定結果を一緒に表示した。
【0046】
前記第2計測段階は、3つのレーザー距離センサー10a、10b、10cを用いてそれぞれ行われるので、それぞれのレーザー距離センサーで測定された第1ポイントP1a、P1b、P1cとウェーハの縁部との距離Da、Db、Dcを計算することができる。第2計測段階は、第1計測段階と同じメカニズムを利用するので、詳細な説明は省略する。
【0047】
前記レーザー距離センサー10は、複数のレーザー距離センサーを組み合わせたモジュール形態で構成されているので、レーザー距離センサー10と二つの線分S1、S2上の各点までの距離を同時に測定することができる。
【0048】
前記第1計測段階と第2計測段階を介して第1ポイントP1a、P1b、P1cから静電チャックの縁部までの距離da、db、dcと、第1ポイントP1a、P1b、P1cからウェーハの縁部までの距離Da、Db、Dcとが計測されると、それぞれの差(Da-da、Db-db、Dc-dc)を計算することができ、その差が全て同じであれば、静電チャック30とウェーハ40の中心が同じであることが確認される。この場合、もはやウェーハ40を移動させて位置を調節するティーチングが不要である。
【0049】
もしその差が全て同じでなければ、静電チャック30とウェーハ40の中心が同じではないので、ウェーハ40を移動させるティーチング作業を行わなければならないが、ロボットRを用いてウェーハ40を移動させ、第2計測段階を行うことにより、静電チャック30とウェーハ40が同心円であるかを確認し、同じである場合には、ティーチングを終了し、異なる場合には、ウェーハ40の移動と第2計測段階を繰り返し行う。
【0050】
次に、ウェーハティーチング方法の第1の実施例について説明する。
【0051】
本実施例のウェーハティーチング方法も、前述した実施例と同様に第1計測段階と第2計測段階を含み、第1計測段階と第2計測段階を行う方法は実質的に同一であり、3つのレーザー変位センサーを用いることも同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0052】
本実施例のティーチング方法は、第1計測段階と第2計測段階の計測結果を用いて静電チャック30とウェーハ40の中心の座標を求めて比較する方式で行われる。
【0053】
静電チャック30が載置された平面とウェーハ40が載置された平面をx、y座標系で表示し、特定の一つの点(例えば、静電チャック30の中心)を原点とすると、第1計測段階の計測結果を用いて、第1直線上にある静電チャック30の縁部の3つの座標を求めることができ、その3つの座標を用いて静電チャック30の中心の座標を求めることができる。
【0054】
同じ方法で第2計測段階の計測結果を用いて、第1直線上にあるウェーハ40の縁部の3つの座標を求めると、その3つの座標を用いてウェーハ40の中心の座標を求めることができる。
【0055】
円上にある3つの座標を用いて円の中心の座標を求めることは簡単な幾何なので、詳細な説明は省略する。
【0056】
このように求められた静電チャック30とウェーハ40の中心の座標が同じである場合には、それ以上のティーチングが不要であり、静電チャック30とウェーハ40の中心の座標が異なる場合には、ロボット制御部22によってロボットRを移動させてウェーハ40を移し、第2計測段階を行うことにより、ウェーハ40の中心の座標を求め、静電チャック30の中心と比較する手順を行うが、静電チャック30の中心とウェーハ40の中心とが同一になるまで繰り返し行う。
【0057】
以上から本発明の好適な実施例について説明することにより、本発明を実施するための具体的な内容を提供したが、本発明の技術的思想が説明された実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に含まれる範囲内で様々な形態で具体化されることができる。
【符号の説明】
【0058】
10 レーザー距離センサー
20 制御部
30 静電チャック
40 ウェーハ