(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023090635
(43)【公開日】2023-06-29
(54)【発明の名称】基板処理装置および方法
(51)【国際特許分類】
B65G 51/03 20060101AFI20230622BHJP
H01L 21/677 20060101ALI20230622BHJP
H01L 21/027 20060101ALI20230622BHJP
【FI】
B65G51/03 E
H01L21/68 A
H01L21/30 562
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022172263
(22)【出願日】2022-10-27
(31)【優先権主張番号】10-2021-0181800
(32)【優先日】2021-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】598123150
【氏名又は名称】セメス株式会社
【氏名又は名称原語表記】SEMES CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】77,4sandan 5-gil,Jiksan-eup,Seobuk-gu,Cheonan-si,Chungcheongnam-do,331-814 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】IBC一番町弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】オ,ヨン キュ
(72)【発明者】
【氏名】イ,ジュン ソ
(72)【発明者】
【氏名】ホン,チュン オ
(72)【発明者】
【氏名】ジョン,チャン ファ
【テーマコード(参考)】
5F131
5F146
【Fターム(参考)】
5F131BA11
5F131BA12
5F131BA13
5F131BA14
5F131BA37
5F131CA07
5F131CA24
5F131CA32
5F131CA53
5F131DC12
5F131DC14
5F131DC15
5F131DC22
5F131EA02
5F131EA06
5F131EA22
5F131EA23
5F131EB41
5F131EB55
5F146JA27
5F146KA07
5F146LA11
(57)【要約】 (修正有)
【課題】多様な種類の基板を安定的に搬送できる基板処理装置を提供する。
【解決手段】基板処理装置は基板を第1方向Xに搬送して、前記第1方向Xと異なる第2方向Yに配置された第1領域11a、11bと第2領域12a、12b、12cを含む浮上ステージと、前記第1領域11a、11bに設けられ、前記基板を搬送するための多数のローラ110と、前記第1領域11a、11bに設けられ、第1圧力で空気を吸い込む多数の第1真空孔131と、前記第2領域12a、12b、12cに設けられ、前記第1圧力と異なる第2圧力で空気を吸い込む多数の第2真空孔132を含む。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を第1方向に搬送して、前記第1方向と異なる第2方向に配置された第1領域と第2領域を含む浮上ステージと、
前記第1領域に設けられ、前記基板を搬送するための多数のローラと、
前記第1領域に設けられ、第1圧力で空気を吸い込む多数の第1真空孔と、
前記第2領域に設けられ、前記第1圧力と異なる第2圧力で空気を吸い込む多数の第2真空孔と、を含む、基板処理装置。
【請求項2】
前記第1圧力は、前記基板の厚さによって異なるように制御される、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記第2圧力は、前記基板上に形成された膜の種類によって制御される、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記第1領域は多数個であり、前記第2領域は多数個であり、前記多数の第1領域と前記多数の第2領域は前記第2方向に沿って交互に配置される、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記多数の第1領域に対応するように設けられた第1弁モジュールをさらに含み、
前記第1弁モジュールは互いに並列に配置される多数の第1弁ユニットを含み、
前記多数の第1弁ユニットのうちいずれか一つは前記基板が第1厚さであるとき使用され、他の一つは前記基板が第2厚さであるとき使用される、請求項4に記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記多数の第2領域それぞれに対応するように設けられた多数の第2弁モジュールをさらに含み、
前記第2弁モジュールは互いに並列に配置された多数の第2弁ユニットを含み、
前記多数の第2弁モジュールのうち少なくとも2個は、開閉量が互いに異なるように制御された、請求項4に記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記多数の第2弁モジュールに対応するように設けられた第3弁モジュールを含み、
前記第3弁モジュールは互いに並列に配置された多数の第3弁ユニットを含む、請求項6に記載の基板処理装置。
【請求項8】
前記第1領域に設けられ、圧縮空気を噴射する多数の第1噴射孔と、
前記第2領域に設けられ、圧縮空気を噴射する多数の第2噴射孔をさらに含む、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項9】
前記浮上ステージは、
前記基板に引込まれるインステージ(in-stage)と、
前記引込まれた基板の工程が行われる精密ステージを含み、
前記第1領域と前記第2領域は前記インステージに設けられる、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項10】
基板を第1方向に搬送して、前記第1方向と異なる第2方向に多数の第1領域と多数の第2領域が交互に配置された浮上ステージと、
前記第1領域に設けられ、前記基板を搬送するための多数のローラと、
前記第1領域に設けられ、第1圧力で空気を吸い込む多数の第1真空孔と、
前記第1領域に設けられ、圧縮空気を噴射する多数の第1噴射孔と、
前記第2領域に設けられ、第2圧力で空気を吸い込む多数の第2真空孔と、
前記第2領域に設けられ、圧縮空気を噴射する多数の第2噴射孔と、
前記基板の厚さによって前記第1圧力の大きさを制御し、前記基板上に形成された膜の種類によって前記第2圧力の大きさを制御する制御部と、を含む、基板処理装置。
【請求項11】
前記多数の第1領域に対応するように設けられた第1弁モジュールをさらに含み、前記第1弁モジュールは互いに並列に配置される多数の第1弁ユニットを含む、請求項10に記載の基板処理装置。
【請求項12】
前記多数の第2領域それぞれに対応するように設けられた多数の第2弁モジュールと、前記多数の第2弁モジュールに対応するように設けられた第3弁モジュールを含み、前記第2弁モジュールは互いに並列に配置された多数の第2弁ユニットを含み、前記第3弁モジュールは互いに並列に配置された多数の第3弁ユニットを含む、請求項10に記載の基板処理装置。
【請求項13】
前記基板のセンター領域がエッジ領域より上方向に反ると、
前記センター領域に対応する第2領域に設けられた多数の第2真空孔は、前記エッジ領域に対応する第2領域に設けられた多数の第2真空孔よりもより大きい圧力で空気を吸い込む、請求項10に記載の基板処理装置。
【請求項14】
前記基板のエッジ領域がセンター領域より上方向に反ると、
前記エッジ領域に対応する第2領域に設けられた多数の第2真空孔は、前記センター領域に対応する第2領域に設けられた多数の第2真空孔よりもより大きい圧力で空気を吸い込む、請求項10に記載の基板処理装置。
【請求項15】
前記浮上ステージは、
前記基板に引込まれるインステージ(in-stage)と、
前記引込まれた基板の工程が行われる精密ステージを含み、
前記多数の第1領域と前記多数の第2領域は前記インステージに設けられる、請求項10に記載の基板処理装置。
【請求項16】
前記制御部はインデクサ(indexer)から前記基板の固有番号の提供を受けて、前記固有番号と関連して保存された前記基板の情報をリードして、前記第1圧力および前記第2圧力を制御する、請求項10に記載の基板処理装置。
【請求項17】
前記浮上ステージはエアーフローティングコーター(Air Floating Coater)内に設けられる、請求項10に記載の基板処理装置。
【請求項18】
幅方向に配置される第1領域と第2領域を含む浮上ステージと、前記第1領域に設けられ、基板を搬送するための多数のローラと、前記第1領域に設けられ、第1圧力で空気を吸い込む多数の第1真空孔と、前記第2領域に設けられ、第2圧力で空気を吸い込む多数の第2真空孔と、前記第1圧力および第2圧力を制御する制御部を含む基板処理装置が提供され、
前記基板の固有番号の提供を受け、
前記浮上ステージに基板が引込まれ、
前記固有番号に基づいて、前記基板の厚さと、前記基板上に形成された膜の種類に係る情報を取得し、
前記基板の厚さによって前記第1圧力の大きさを制御し、前記基板上に形成された膜の種類によって前記第2圧力の大きさを制御することを含む、基板処理方法。
【請求項19】
前記第1領域は多数個であり、前記第2領域は多数個であり、前記多数の第1領域と前記多数の第2領域は前記幅方向に沿って交互に配置され、
前記多数の第1領域に対応するように設けられた第1弁モジュールをさらに含み、前記第1弁モジュールは互いに並列に配置される多数の第1弁ユニットを含み、
前記多数の第1弁ユニットのうちいずれか一つは前記基板が第1厚さであるとき使用され、他の一つは前記基板が第2厚さであるとき使用される、請求項18に記載の基板処理方法。
【請求項20】
前記多数の第2領域それぞれに対応するように設けられた多数の第2弁モジュールをさらに含み、前記第2弁モジュールは互いに並列に配置された多数の第2弁ユニットを含み、
前記多数の第2弁モジュールに対応するように設けられた第3弁モジュールを含み、前記第3弁モジュールは互いに並列に配置された多数の第3弁ユニットを含む、請求項19に記載の基板処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は基板処理装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ディスプレイ装置を製造する際には、写真、エッチング、アッシング、イオン注入、薄膜蒸着、洗浄など多様な工程が実施される。ここで、写真工程は塗布、露光、そして現像工程を含む。基板上に感光膜を形成し(すなわち、塗布工程)、感光膜が形成された基板上に回路パターンを露光して(すなわち、露光工程)、基板の露光処理された領域を選択的に現像する(すなわち、現像工程)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
一方、このような工程を行う際、浮上ステージを用いて基板を浮上させて搬送することができる。浮上ステージを用いて、多様な種類の基板(例えば、厚さが異なる基板、前段階の工程によって反り現象(warpage)が発生した基板など)を搬送することにより、搬送不良(例えば、基板スリップ(slip)、整列ずれなど)がしばしば発生する。
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、多様な種類の基板を安定的に搬送できる基板処理装置を提供することにある。
【0005】
本発明が解決しようとする他の課題は、多様な種類の基板を安定的に搬送できる基板処理方法を提供することにある。
【0006】
本発明の課題は以上で言及した課題に制限されず、言及されていないまた他の課題は以下の記載から当業者に明確に理解されるものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を達成するための本発明の基板処理装置の一面(aspect)は、基板を第1方向に搬送して、前記第1方向と異なる第2方向に配置された第1領域と第2領域を含む浮上ステージと、前記第1領域に設けられ、前記基板を搬送するための多数のローラと、前記第1領域に設けられ、第1圧力で空気を吸い込む多数の第1真空孔と、前記第2領域に設けられ、前記第1圧力と異なる第2圧力で空気を吸い込む多数の第2真空孔と、を含む。
【0008】
前記課題を達成するための本発明の基板処理装置の他の面は、基板を第1方向に搬送して、前記第1方向と異なる第2方向に多数の第1領域と多数の第2領域が交互に配置された浮上ステージと、前記第1領域に設けられ、前記基板を搬送するための多数のローラと、前記第1領域に設けられ、第1圧力で空気を吸い込む多数の第1真空孔と、前記第1領域に設けられ、圧縮空気を噴射する多数の第1噴射孔と、前記第2領域に設けられ、第2圧力で空気を吸い込む多数の第2真空孔と、前記第2領域に設けられ、圧縮空気を噴射する多数の第2噴射孔と、前記基板の厚さによって前記第1圧力の大きさを制御して、前記基板上に形成された膜の種類によって前記第2圧力の大きさを制御する制御部と、を含む。
【0009】
前記他の課題を達成するための本発明の基板処理方法の一面は、幅方向に配置される第1領域と第2領域を含む浮上ステージと、前記第1領域に設けられ、基板を搬送するための多数のローラと、前記第1領域に設けられ、第1圧力で空気を吸い込む多数の第1真空孔と、前記第2領域に設けられ、第2圧力で空気を吸い込む多数の第2真空孔と、前記第1圧力および第2圧力を制御する制御部を含む基板処理装置が提供され、前記基板の固有番号の提供を受け、前記浮上ステージに基板が引込まれ、前記固有番号に基づいて、前記基板の厚さと、前記基板上に形成された膜の種類に係る情報を取得し、前記基板の厚さによって前記第1圧力の大きさを制御し、前記基板上に形成された膜の種類によって前記第2圧力の大きさを制御することを含む。
【0010】
その他実施形態の具体的な内容は詳細な説明および図面に含まれている。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の第1実施形態による基板処理装置を説明するための斜視図である。
【
図2】
図1の第1領域および第2領域を説明するための平面図である。
【
図3】
図1のIII-IIIに沿って切断した断面図である。
【
図4】
図3に示す第1弁モジュールを具体的に示す図である。
【
図5】
図3に示す第2弁モジュールを具体的に示す図である。
【
図6】本発明の第1実施形態による基板処理装置の第1動作を説明するための図である。
【
図7】本発明の第1実施形態による基板処理装置の第1動作を説明するための図である。
【
図8】本発明の第1実施形態による基板処理装置の第2動作を説明するための概念図である。
【
図9】本発明の第2実施形態による基板処理装置を説明するための図である。
【
図10】本発明の第3実施形態による基板処理装置を説明するための平面図である。
【
図11】本発明の第4実施形態による基板処理装置を説明するための図である。
【
図12】本発明のいくつかの実施形態による基板処理方法を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付する図面を参照して本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。本発明の利点および特徴、並びにこれらを達成する方法は添付する図面と共に詳細に後述する実施形態を参照することで明確になる。しかし、本発明は以下に開示される実施形態に限定されるものではなく互いに異なる多様な形態で実現することができ、本実施形態は単に本発明の開示を完全にし、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供するものであり、本発明は請求項の範疇によってのみ定義される。明細書全体にわたって同一参照符号は同一構成要素を指すものとする。
【0013】
空間的に相対的な用語である「下(below)」、「下(beneath)」、「下部(lower)」、「上(above)」、「上部(upper)」などは図面に示されているように一つの素子または構成要素と他の素子または構成要素との相関関係を容易に記述するために使用される。空間的に相対的な用語は図面に示されている方向に加えて使用時または動作時の素子の互いに異なる方向を含む用語として理解しなければならない。例えば、図面に示されている素子をひっくり返す場合、他の素子の「下(below)」または「下(beneath)」と記述された素子は他の素子の「上(above)」に置かれ得る。したがって、例示的な用語の「下」は下と上の方向をすべて含むことができる。素子は他の方向に配向されてもよく、そのため空間的に相対的な用語は配向によって解釈されることができる。
【0014】
第1、第2などが多様な素子、構成要素および/またはセクションを叙述するために使われるが、これらの素子、構成要素および/またはセクションはこれらの用語によって制限されないのはもちろんである。これらの用語は単に一つの素子、構成要素またはセクションを他の素子、構成要素またはセクションと区別するために使用する。したがって、以下で言及する第1素子、第1構成要素または第1セクションは本発明の技術的思想内で第2素子、第2構成要素または第2セクションであり得るのはもちろんである。以下、「多数」には、例えば「複数」が含まれ得る。
【0015】
以下、添付する図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。、添付図面を参照して説明するにあたり図面符号に関係なく同一であるかまたは対応する構成要素は同じ参照番号を付与し、これに係る重複する説明は省略する。
【0016】
図1は本発明の第1実施形態による基板処理装置を説明するための斜視図である。
【0017】
図1を参照すると、本発明の第1実施形態による基板処理装置は第1方向(例えば、X方向)に延びた浮上ステージ1を含む。
【0018】
浮上ステージ1は基板が引込まれるインステージ(in-stage,10)、引込まれた基板の工程が行われる精密ステージ20、工程が完了した基板が退出するアウトステージ(out-stage,30)を含む。
【0019】
精密ステージ20で基板の工程が行われるので、基板の位置を正確に制御する必要がある。したがって、精密ステージ20には基板を浮上させるために圧縮空気を噴射するエアホールと、空気を吸い込んで基板を正確に位置させる真空孔が設けられることができる。ここで、工程は基板上に感光膜または光反射防止膜を塗布する工程であり得るが、これに限定されない。
【0020】
後述するが、インステージ10は多数の第1領域11と、多数の第2領域12を含む。多数の第1領域11と多数の第2領域12は、第1方向(例えば、X方向)と異なる第2方向(例えば、Y方向)に配置される。また、多数の第1領域11と多数の第2領域12は交互に配置される。
図1では2個の第1領域11と3個の第2領域12を示したが、これに限定されない。すなわち、第1領域11は3個以上であり得、隣接する第1領域11の間に第2領域12が配置される。
【0021】
図2は
図1の第1領域および第2領域を説明するための平面図である。
図3は
図1のIII-IIIに沿って切断した断面図である。
図4は
図3に示す第1弁モジュールを具体的に示す図である。
図5は
図3に示す第2弁モジュールを具体的に示す図である。
【0022】
図2および
図3を参照すると、多数の第1領域11a,11bと多数の第2領域12a,12b,12cは第2方向(例えば、Y方向)に配置される。第2方向に沿って、第2領域12b、第1領域11a、第2領域12a、第1領域11b、第2領域12c順に配置される。
【0023】
ベースプレート19には、多数の貫通孔118、多数の第1真空孔131、多数の第1噴射孔141、多数の第2真空孔132および多数の第2噴射孔142が形成されている。
【0024】
第1領域11a,11bには、基板を搬送するための多数のローラ110が配置される。多数のローラ110は第3方向に(すなわち、Z方向に)貫通孔118を貫通して、ベースプレート19の上面に露出する。多数のローラ110は駆動シャフト120と連結され、駆動シャフト120は駆動モータ121と連結される。したがって、駆動モータ121が提供する回転力によって駆動シャフト120は回転し、そのため多数のローラ110が回転する。
【0025】
また、第1領域11a,11bには、多数の第1噴射孔141と多数の第1真空孔131がさらに配置される。
【0026】
多数の第1噴射孔141で圧縮空気を噴射し、基板とベースプレート19の間の距離を制御する。
図3において、多数の第1噴射孔141と、多数の第1噴射孔141を制御するための弁モジュールは図示しない。
【0027】
多数の第1真空孔131は第1圧力で空気を吸い込むためのものである。第1圧力で空気を吸い込むことによって、基板がローラ110と接触することができるようにする。したがって、ローラ110の回転に伴い、基板Gが第1方向に容易に搬送されるようにする。特に、第1圧力の大きさは基板の厚さによって調節することができる。
【0028】
具体的に説明すると、第1弁モジュール150は多数の第1領域11a,11bに対応するように設けられる。すなわち、第1弁モジュール150は多数の第1領域11a,11bに設けられた多数の第1真空孔131と流体的に(fluidly)連結される。第1弁モジュール150は制御部190の制御に従って、多数の第1真空孔131に提供する第1圧力の大きさを調節することができる。
【0029】
メモリ192は、例えば、基板の厚さと対応する第1圧力の大きさを保存することができる。したがって、制御部190は基板の厚さに基づいて、メモリ192から対応する第1圧力の大きさを算出することができる。制御部190は算出された第1圧力の大きさを考慮して、第1弁モジュール150を制御する。
【0030】
ここで、
図4を参照すると、第1弁モジュール150は互いに並列に配置された多数の第1弁ユニット151,152を含む。
図4では例示的に2個の第1弁ユニット151,152を示したが、これに限定されない。
【0031】
第1弁ユニット151は例えば、ソレノイド弁1511と、流量調節弁1512を含む。第1弁ユニット152は例えば、ソレノイド弁1521と、流量調節弁1522を含む。2個の流量調節弁1512,1522は互いに異なる流量にあらかじめ設定されている。すなわち、2個の流量調節弁1512,1522は開閉量が互いに異なるようにあらかじめ設定されることができる。2個のソレノイド弁1511,1521は制御部190の制御に従ってオン/オフされる。
【0032】
このような構成において、基板の厚さが第1厚さであれば、制御部190はソレノイド弁1511をターンオンして、流量調節弁1512により設定された第1大きさの第1圧力が多数の第1真空孔131に提供される。
【0033】
また、基板Gの厚さが第2厚さであれば、制御部190はソレノイド弁1521をターンオンして、流量調節弁1522により設定された第2大きさの第1圧力が多数の第1真空孔131に提供される。
【0034】
再び
図2および
図3を参照すると、第2領域12a,12b,12cには、多数の第2噴射孔142と多数の第2真空孔132が配置される。
【0035】
多数の第2噴射孔142で圧縮空気を噴射して、基板とベースプレート19の間の距離を制御する。
図3において、多数の第2噴射孔142と、多数の第2噴射孔142を制御するための弁モジュールは図示しない。
【0036】
多数の第2真空孔132は第2圧力で空気を吸い込むためのものである。第2圧力は基板上に形成された膜の種類によって制御することができる。これについては
図8を用いて後述する。第2圧力は第1圧力とは別に、第1圧力と異なるように制御することができる。
【0037】
また、多数の第2領域12a,12b,12cそれぞれに提供される第2圧力の大きさは互いに異なってもよい。具体的に説明すると、多数の第2領域12a,12b,12cそれぞれに対応するように多数の第2弁モジュール160a,160b,160cが設けられる。例えば、第2弁モジュール160aは第2領域12aに設けられた多数の第2真空孔132と流体的に連結され、第2弁モジュール160bは第2領域12bに設けられた多数の第2真空孔132と流体的に連結され、第2弁モジュール160cは第2領域12cに設けられた多数の第2真空孔132と流体的に連結される。第2弁モジュール160a,160b,160cは制御部190の制御に従って、第2圧力の大きさを調節することができる。
【0038】
メモリ192は、例えば、基板上に形成された膜の種類と対応する第2圧力の大きさを保存することができる。したがって、制御部190は基板上に形成された膜の種類に基づいて、メモリ192から対応する第2圧力の大きさを算出することができる。制御部190は算出された第2圧力の大きさを考慮して、第2弁モジュール160a、160b,160cを制御する。例えば、第2弁モジュール160aを介して提供される第2圧力は第3大きさを有し、第2弁モジュール160b,160cを介して提供される第2圧力は第3大きさより大きい第4大きさを有することができる。逆に、第2弁モジュール160aを介して提供される第2圧力は第4大きさを有し、第2弁モジュール160b,160cを介して提供される第2圧力は第4大きさより小さい第3大きさを有することができる。
【0039】
ここで、
図5を参照すると、第2弁モジュール160aは互いに並列に配置された多数の第2弁ユニット161,162を含む。
図5では例示的に2個の第2弁ユニット161,162を示したが、これに限定されない。
【0040】
第2弁ユニット161は例えば、ソレノイド弁1611と流量調節弁1612を含む。第2弁ユニット162は例えば、ソレノイド弁1621と流量調節弁1622を含む。2個の流量調節弁1612,1622は互いに異なる流量にあらかじめ設定されている。すなわち、2個の流量調節弁1612,1622は開閉量が互いに異なるようにあらかじめ設定されることができる。2個のソレノイド弁1611,1621は制御部190の制御に従ってオン/オフされる。
【0041】
このような構成において、基板上に形成された膜の種類が第1種類である場合(例えば、非金属膜、絶縁膜)、制御部190はソレノイド弁1611をターンオンして、流量調節弁1612により設定された第4大きさの第2圧力が多数の第2真空孔132に提供される。
【0042】
また、基板上に形成された膜の種類が第2種類(例えば、金属膜)である場合、制御部190はソレノイド弁1621をターンオンして、流量調節弁1622により設定された第3大きさの第2圧力が多数の第2真空孔132に提供される。
【0043】
第2弁モジュール160b,160cの構成も、
図5に示す構成と実質的に同一である。
【0044】
図6および
図7は本発明の第1実施形態による基板処理装置の第1動作を説明するための図である。
【0045】
まず、
図6を参照すると、基板G1の厚さが第1厚さt1であると仮定する。
【0046】
多数の第1噴射孔141は圧縮空気を噴射して、基板G1を浮上させる。
【0047】
多数の第1真空孔131は第1大きさの第1圧力で空気を吸い込んで(図面符号1311を参照)、基板G1が多数のローラ110と接触するようにする(図面符号119を参照)。
【0048】
多数の第1真空孔131がないと、基板G0と多数のローラ110の間にギャップ(例えば、100~200μm)があり得る。したがって、ローラ110の回転力が基板G0に伝達されない。
【0049】
一方、本発明では、多数の第1真空孔131が第1大きさの第1圧力で空気を吸い込むので、ローラ110の回転力が基板G0に安定的に伝達されることができる。
【0050】
反面、多数の第1真空孔131が第1大きさより大きい第2大きさの第1圧力で空気を吸い込む場合、基板G1がベースプレート19方向に過度に強く引っ張られて基板G1がよく動かなくなる。
【0051】
次に、
図7を参照すると、基板G3の厚さが第1厚さt1より大きい第2厚さt2であると仮定する。
【0052】
多数の第1真空孔131は第1大きさより大きい第2大きさの第1圧力で空気を吸い込んで(図面符号1312を参照)、基板G3が多数のローラ110と接触するようにする。
【0053】
多数の第1真空孔131がないと、基板G2と多数のローラ110の間にギャップがあり得る。また、多数の第1真空孔131が第2大きさでない第1大きさの第1圧力で空気を吸い込む場合、基板G2はローラ110に接触できない。すなわち、基板G2が厚くなると、多数の第1真空孔131はより大きい圧力で空気を吸い込まなければならない。
【0054】
図6および
図7を参照してまとめると、基板G1,G3の厚さによって第1真空孔131から提供される圧力の大きさも変わる(図面符号1311,1312を参照)。すなわち、基板G1,G3の厚さが厚くなると、第1真空孔131から提供される圧力は大きくなる。このように制御することによって、安定的にローラ110を用いて基板Gを搬送することができる。
【0055】
図8は本発明の第1実施形態による基板処理装置の第2動作を説明するための概念図である。
【0056】
図8を参照すると、基板G上に膜Fが形成されている。膜Fの種類によって、基板Gの反りの方向は変わる。
【0057】
例えば、非金属膜F1が基板G上に形成されると、基板Gのセンター領域がエッジ領域より上方向に反る。非金属膜F1によって、基板に圧縮応力(compressive stress)が加えられるからである。
【0058】
逆に、金属膜F2が基板G上に形成されると、基板Gのエッジ領域がセンター領域より上方向に反る。金属膜F2によって、基板に引張応力(tensile stress)が加えられるからである。
【0059】
図3および
図8を参照すると、多数の第2領域12a,12b,12cそれぞれに提供される第2圧力の大きさは互いに異なってもよい。
【0060】
例えば、基板G上に形成された膜の種類が非金属膜F1である場合、基板Gのセンター領域に対応する第2領域12aから提供される第2圧力の大きさ(すなわち、第4大きさ)が、基板Gのエッジ領域に対応する第2領域12b,12cから提供される第2圧力の大きさ(すなわち、第3大きさ)より大きい。
【0061】
このようにすることで、多数の第2領域12a,12b,12cが基板Gのセンター領域をエッジ領域より強く引き寄せる。
【0062】
例えば、基板G上に形成された膜の種類が金属膜F2である場合、基板Gのエッジ領域に対応する第2領域12b,12cから提供される第2圧力の大きさ(すなわち、第4大きさ)が、基板Gのセンター領域に対応する第2領域12aから提供される第2圧力の大きさ(すなわち、第3大きさ)より大きい。
【0063】
このようにすることで、多数の第2領域12a,12b,12cが基板Gのエッジ領域をセンター領域より強く引き寄せる。
【0064】
まとめると、本発明の第1実施形態による基板処理装置で、基板Gの厚さによってローラ110に隣接する多数の第1真空孔131が提供する第1圧力の大きさを異なるように制御する。また、基板G上に形成された膜の種類によって多数の第2真空孔132が提供される第2圧力の大きさを異なるように制御する。このように制御することで、基板Gの吸着力を最適化することができる。したがって、浮上ステージ1上で基板Gの搬送不良を最小化することができる。
【0065】
図9は本発明の第2実施形態による基板処理装置を説明するための図である。説明の便宜上、
図1ないし
図8を用いて説明した内容は省略する。
【0066】
図9を参照すると、本発明の第2実施形態による基板処理装置は、多数の第2領域12a,12b,12cそれぞれに対応するように設けられた多数の第2弁モジュール160a,160b,160cと、多数の第2弁モジュール160a,160b,160cに対応するように第3弁モジュール160dを含む。すなわち、第2領域12a,12b,12cの多数の第2真空孔132を、2段階の弁モジュール160a~160dを用いて制御する。
【0067】
前述したように、多数の第2弁モジュール160a,160b,160cそれぞれは、互いに並列に配置された多数の第2弁ユニット(
図5の161,162を参照)を含むことができる。多数の第2弁ユニット(
図5の161,162を参照)の開閉量が互いに異なるように設定される。
【0068】
別に図示していないが、第3弁モジュール160dも、第2弁モジュール160a,160b,160cの構成と同様に、互いに並列に配置された多数の第3弁ユニットを含むことができる。多数の第3弁ユニットの開閉量が互いに異なるように設定される。
【0069】
このように2段階で弁モジュール160a~160dを構成すると、多数の第2領域12a,12b,12cの第2真空孔132に提供される圧力を多様に制御することができる。例えば、第2弁モジュール160aが2個の開閉量のうち一つを選択するように設定され、第3弁モジュール160dが2個の開閉量のうち一つを選択するように設定されていると、第2領域12aの第2真空孔132に提供される圧力は4個の開閉量のうち一つを選択することができる(∵2×2=4)。
【0070】
基板上に形成された膜の種類は非常に多様である。例えば、非金属膜(
図8のF1参照)も酸化物、窒化物、high-k物質などを含むことができる。基板上にいかなる非金属膜が形成されているかによって圧縮応力(compressive stress)の大きさが変わり、そのため基板の反りの程度も変わる。金属膜(
図8のF2を参照)も銅、アルミニウム、チタンなどを含むことができる。基板上にいかなる金属膜が形成されているかによって引張応力(tensile stress)の大きさが変わり、そのため基板の反りの程度も変わる。したがって、第2領域12a,12b,12cの第2真空孔132に3個以上の多様な圧力を提供する必要がある。
【0071】
本発明の第2実施形態による基板処理装置では、弁モジュール160a~160dを2段以上配置して、第2真空孔132に3個以上の多様な圧力を提供することができる。
【0072】
図10は本発明の第3実施形態による基板処理装置を説明するための平面図である。説明の便宜上、
図1ないし
図8を用いて説明した内容は省略する。
【0073】
図10を参照すると、本発明の第3実施形態による基板処理装置は、多数の第1領域11a,11bと多数の第2領域12a,12b,12cは第2方向(例えば、Y方向)に配置される。
【0074】
第1領域11a,11b内に、基板を搬送するための多数のローラ110と、第1圧力で空気を吸い込む多数の第1真空孔131が形成される。第1領域11a,11b内には多数の第1噴射孔は形成されない。
【0075】
第2領域12a,12b,12c内に、第2圧力で空気を吸い込む多数の第2真空孔132と、圧縮空気を噴射する多数の第2噴射孔142が形成される。
【0076】
図11は本発明の第4実施形態による基板処理装置を説明するための図である。
図11を参照すると、本発明の第4実施形態による基板処理装置で、インデクサ(indexer,91)、洗浄モジュール92、ベークモジュール93、コーティングモジュール94、ドライモジュール95などが順次配置される。搬送部材によって前記モジュール91~95に順次伝達され、各モジュール91~95で対応する工程が進行されることができる。
【0077】
基板がインデクサ91に引込まれると、インデクサ91は基板の固有番号GIDを認識する。認識された固有番号GIDは制御部190に提供される。
【0078】
次に、基板は洗浄モジュール92に伝達され、基板は洗浄液によって洗浄される。
【0079】
次に、基板はベークモジュール93に伝達され、基板をベークすることによって基板に残っている洗浄液を除去する。
【0080】
次に、基板はコーティングモジュール94に伝達される。コーティングモジュール94はエアーフローティングコーター(Air Floating Coater)であり得る。コーティングモジュール94は
図1ないし
図10を用いて説明した基板処理装置の少なくとも一つが適用されることができる。
【0081】
具体的には、基板が浮上ステージ(
図1の1参照)に引込まれる。制御部190は固有番号GIDに基づいて、メモリ192から基板の厚さと、基板上に形成された膜の種類に係る情報を取得する。制御部190は基板の厚さに基づいて第1領域(
図3の11a、11b)の第1真空孔(
図3の131)に提供する第1圧力の大きさを調節することができる。また、制御部190は基板上に形成された膜の種類に基づいて、第2領域(
図3の12a、12b、12c)の第2真空孔(
図3の132)に提供する第2圧力の大きさを調節することができる。
【0082】
次に、基板はドライモジュール95に伝達される。基板上にコートされた膜をドライする。
【0083】
図12は本発明のいくつかの実施形態による基板処理方法を説明するためのフローチャートである。説明の便宜上、
図1ないし
図8を用いて説明した内容は省略する。
【0084】
図1ないし
図3および
図12を参照すると、基板処理装置が提供される(S10)。具体的には、基板処理装置は幅方向に配置される第1領域11a,11bと第2領域12a,12b,12cを含む浮上ステージ1と、第1領域11a,11bに設けられ、基板を搬送するための多数のローラ110と、第1領域11a,11bに設けられ、第1圧力で空気を吸い込む多数の第1真空孔131と、第2領域12a,12b,12cに設けられ、第2圧力で空気を吸い込む多数の第2真空孔132と、第1圧力および第2圧力を制御する制御部190を含む。
【0085】
次に、基板の固有番号(
図11のGID参照)の提供を受ける(S20)。具体的には、制御部190はインデクサ(
図11の91参照)から基板の固有番号GIDの提供を受ける。
【0086】
次に、浮上ステージ1に基板が引込まれる(S30)。
次に、固有番号GIDに基づいて、基板の厚さと、基板上に形成された膜の種類に係る情報を取得する(S40)。すなわち、制御部190は固有番号GIDに基づいて、メモリ192から基板の厚さと、基板上に形成された膜の種類に係る情報を取得する。
次に、基板の厚さによって第1圧力の大きさを制御して、基板上に形成された膜の種類によって第2圧力の大きさを制御する(S50)。具体的には、制御部190は基板の厚さに基づいて第1領域11a,11bの第1真空孔131に提供する第1圧力の大きさを調節することができる。また、制御部190は基板上に形成された膜の種類に基づいて、第2領域12a,12b,12cの第2真空孔132に提供する第2圧力の大きさを調節することができる。
【0087】
以上と添付する図面を参照して本発明の実施形態について説明したが、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者は、本発明がその技術的思想や必須の特徴を変更せず他の具体的な形態で実施できることを理解することができる。したがって、上記一実施形態はすべての面で例示的なものであり、限定的なものではないと理解しなければならない。