(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023090664
(43)【公開日】2023-06-29
(54)【発明の名称】プラズマエッチング
(51)【国際特許分類】
H01L 21/3065 20060101AFI20230622BHJP
【FI】
H01L21/302 105A
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022194037
(22)【出願日】2022-12-05
(31)【優先権主張番号】2118372.8
(32)【優先日】2021-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(71)【出願人】
【識別番号】512221197
【氏名又は名称】エスピーティーエス テクノロジーズ リミティド
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウッド アレックス
(72)【発明者】
【氏名】リデル ケビン
(72)【発明者】
【氏名】アシュラフ ヒューマ
【テーマコード(参考)】
5F004
【Fターム(参考)】
5F004AA05
5F004AA09
5F004BA20
5F004BB13
5F004BB18
5F004BB22
5F004BC03
5F004CA02
5F004CA03
5F004CA06
5F004DA04
5F004DA23
5F004DA24
5F004DB12
5F004EA06
5F004EA37
(57)【要約】
【課題】添加物含有窒化アルミニウム膜をプラズマエッチングする方法を提供する。
【解決手段】方法は、Sc、Y又はErから選択される添加物元素を含有する添加物含有窒化アルミニウム膜を、マスクを通して時間tの間、関連するガス圧を有するガス雰囲気で形成されるプラズマを用いて、RFバイアス電力を添加物含有窒化アルミニウム膜に印加しながらプラズマエッチングすることを含み、ここで、時間tの大部分の間、ガス圧は低下され、及び/又はRFバイアス電力は増加され、その結果、プラズマエッチングは、時間tの大部分にわたってより化学的ではなくなり、より物理的となる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
添加物含有窒化アルミニウム膜をプラズマエッチングする方法であって、Sc、Y又はErから選択される添加物元素を含有する添加物含有窒化アルミニウム膜を、マスクを通して時間tの間、関連するガス圧を有するガス雰囲気で形成されるプラズマを用いて、RFバイアス電力を前記添加物含有窒化アルミニウム膜に印加しながらプラズマエッチングすることを含み、ここで、前記時間tの大部分の間、前記ガス圧は低下され、及び/又は前記RFバイアス電力は増加され、その結果、前記プラズマエッチングは、前記時間tの大部分にわたって、より化学的ではなくなり、より物理的となる、方法。
【請求項2】
前記時間tの大部分の間、一定の変化率で、前記ガス圧は低下され、及び/又は前記RFバイアス電力は増加される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記時間tの大部分にわたって低下する変化率で、前記ガス圧は低下され、及び/又は前記RFバイアス電力は増加される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記時間tの大部分にわたって増加する変化率で、前記ガス圧は低下され、及び/又は前記RFバイアス電力は増加される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記マスクはハードマスクであり、任意選択でシリコン酸化物ハードマスクである、請求項1~4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記マスクはフォトレジストマスクである、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記時間tの少なくとも75%、任意選択で前記時間tの少なくとも90%の間、前記ガス圧は低下され、及び/又は前記RFバイアス電力は増加される、請求項1~6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記ガス圧は、前記プラズマエッチング中、0.5~25mTorr、任意選択で1~15mTorrの範囲である、請求項1~7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
前記ガス圧は、前記時間tの大部分の間、少なくとも半分、任意選択で少なくとも4分の1低下される、請求項1~8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
前記RFバイアス電力は、前記プラズマエッチング中、0~1500W、任意選択で500~1000Wの範囲である、請求項1~9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
前記RFバイアス電力は、前記時間tの大部分の間、250~500Wの範囲の量だけ増加される、請求項1~10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
前記プラズマエッチングの最終部分の間、前記ガス圧は増大され、及び/又は前記RFバイアス電力は低下される、請求項1~11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
前記ガス雰囲気の組成は、前記プラズマエッチング中に調整され、任意選択で、前記プラズマエッチングはより化学的ではなくなり、より物理的になる、請求項1~12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
前記ガス組成は、塩素含有エッチング前駆体と希ガスを含む、請求項1~13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
前記塩素含有エッチング前駆体のsccm単位の流量と、前記塩素含有エッチング前駆体及び希ガスのsccm単位の合計流量との、ガス雰囲気における比は、40~100%の範囲の値の間で調整される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記塩素含有エッチング前駆物質はCl2である、請求項14又は15に記載の方法。
【請求項17】
前記希ガスはArである、請求項14~16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記添加物含有窒化アルミニウム膜は薄膜である、請求項1~17のいずれかに記載の方法。
【請求項19】
Sc、Y又はErから選択される添加元素を含む添加物含有窒化アルミニウム膜を、マスクを通してプラズマエッチングするための装置であって、
チャンバ、
前記チャンバ内に配置される基板支持体、
前記チャンバ内にガス雰囲気を供給するためのガス送達システム、
Sc、Y又はErから選択される添加元素を含む添加物含有窒化アルミニウム膜を、マスクを通してエッチングするため、前記チャンバ内でプラズマを維持するプラズマ発生デバイス、
RFバイアス電力を前記基板支持体に供給するためのRF電源、及び、
前記装置を制御して、前記添加物含有窒化アルミニウム膜の、前記マスクを通したプラズマエッチングを時間tの間、実行するように構成されたコントローラであって、ここで前記コントローラは、前記ガス送達システム及び前記RF電源を制御して、前記時間tの大部分にわたって前記ガス圧を低下させ、及び/又は前記RFバイアス電力を増加させ、前記プラズマエッチングが前記時間tの大部分にわたってより化学的ではなくなり、より物理的になるようにする、コントローラ、
を備える、装置。
【請求項20】
前記プラズマ発生デバイスは、ICP(誘導結合プラズマ)又はTCP(トランス結合プラズマ)デバイスである、請求項19に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラズマエッチングに関し、特に、Sc、Y又はErから選択される添加元素を含有する添加物含有窒化アルミニウム膜をプラズマエッチングする方法に関する。本発明はまた、添加剤含有窒化アルミニウム膜をプラズマエッチングするための関連装置に関する。
【背景技術】
【0002】
AlScN(窒化アルミニウムスカンジウム)は、幅広い用途において圧電材料としての使用が増加しており、それはAlNに比べて圧電特性が優れているためである。用途の範囲には、5G及びMEMSが含まれる。具体的な例としては、バルク弾性波(BAW)フィルタ及び圧電微小機械超音波トランスデューサ(PMUT)が含まれ、5G、物体検出、ジェスチャ認識、アシスト運転の用途で使用される。AlScNは、AlNよりもプラズマエッチングが困難であり、それはSc副生成物がエッチング側壁に付着するためである。この副生成物は、エッチフロントの局所マスクとして作用し、不要な多段の側壁プロファイルポストエッチングを生じるため、望ましくない。また、副生成物は、処理後、エッチングされた構造上に次の付着が生じる前に除去される必要がある。
【0003】
AlNは塩素化プラズマで容易にエッチングされ、ガス状のAlClx副生成物を形成し、この副生成物は、エッチングされた表面から脱離し、側壁に大量の再付着をもたらすことはない。しかし、AlScNは、僅かに異なる方法でエッチングされる。Alとは異なり、Scは揮発性副生成物がほとんどなく、このため再付着材料が形成されやすく、エッチングされたAlScN側壁に無視できない厚さで蓄積する。材料はトレンチベースからスパッタリングされ、エッチング側壁とマスク壁に着弾する。側壁のその後のスパッタリングでは、再付着材料の全部ではなく一部を除去する。正味の再付着厚さは、スパッタ付着速度からスパッタ除去速度を差し引いたものによって決定される。スパッタ除去率は、マスク厚さ、マスク角度、及びエッチング条件、例えば圧力及びDCバイアスに依存する。
【0004】
急峻な側壁角度を備える厚いマスクは、AlScNエッチングで使用されることが多い。エッチングされたトレンチのベースからスパッタされた副生成物は、このタイプのマスクに容易に再付着する場合がある。その結果、再付着がマスク上に急速に蓄積し、側壁をエッチングする。この再付着は、エッチフロント下側は阻止するが、側壁から更に離れたAlScNは自由にエッチングされ、一部のデバイスにとって望ましくない多段の側壁プロファイルを作成する。加えて、エッチングの終了時に再付着があることも望ましくなく、これは、エッチングされた構造上への後続する膜付着に影響を及ぼすため、エッチング後の洗浄を用いて除去を促す必要がある。これは不要な余分の処理ステップとなる。
【0005】
多段の側壁プロファイルは、AlScN膜をエッチングするときに規則的に観察され、回避するのが難しい場合がある。フォトレジストマスクを使用する場合、一般的な防止方法は、熱リフローを使用してマスク側壁のエッジを軟化させることであり、その結果、プレエッチングマスクの側壁角度が浅くなる。再付着除去の速度は、表面が垂直にならないほど大きく、つまり、側壁は、角度が浅くなるほど、プラズマのDCバイアスにより多く曝される。マスクの場合、傾斜角度は、より多くのスパッタ再付着が、マスクの側壁に着弾するよりもむしろ、トレンチから直接散逸することを可能にする。更に、マスクとエッチング側壁のより多くのスパッタリングが可能になり、再付着材料の蓄積もまた減らし得る。
【0006】
リフローは、シングルスロープのポストエッチングAlScN側壁プロファイルを提供し得る。しかし、この方法にはいくつか欠点があり得る。第1に、より浅いAlScNエッチングプロファイルが、より浅い角度のマスクの後退速度の増大により生成される。第2に、エッチングされるフィーチャサイズ、形状、及びCD(臨界寸法)のばらつきがある場合、フォトレジストのリフローは、フィーチャとダイ全体でフォトレジストの表面張力が変化するため、一貫性のないプレエッチングマスクの側壁角度をもたらす。ポストエッチングAlScN側壁プロファイルは、プレエッチングマスクの側壁プロファイルに大きく依存し、そのためリフローは、様々なポストエッチングAlScN側壁角をもたらし、これは望ましくない。第3に、多段プロファイルを形成するリスクが排除されない。これは、フォトレジストの傾きがリフロー後に一貫していない場合の、一貫性のない後退速度による。更なる問題は、このアプローチが、リフローしないマスク、例えばSiO2ハードマスク及び架橋ネガ型フォトレジストマスクには使用できないことである。これらの場合、浅い角度を、例えばリソグラフィ開始ステップで現像する必要があり、そうでなければ、再付着及び/又は多段のAlScN側壁角度が生じる。
【0007】
別の周知の解決策は、再付着材料の蓄積を、側壁からの再付着のスパッタ除去速度を増大する低圧、高DCバイアスプロセス方式を使用することにより、最小限に抑えることを試みている。これらのプロセス方式は、物理的エッチングに有利な方式として特徴付けられ得る。一般に、これらの方式は、フォトレジスト及びSiO
2マスクに対する選択性が低いため、マスクの後退が促進され、下にあるAlScNをプラズマに曝す。これにより、CDが失われ、マルチアングルのエッチング側壁を生じる。
図1は、基板102上のAlScN層100をプラズマエッチングしている間の、エッチング側壁の典型的な進行の半概略図であり、SiO
2マスク104を使用してエッチングされる領域を画定する。
図1(a)は、エッチング開始前の層100及びマスク104を示す。
図1(b)は、エッチング開始直後の層100及びマスク104を示す。
図1(c)は、エッチングプロセスの終了間際の層100及びマスク104を示す。
【0008】
通常、AlScNでは、フォトレジストマスクに対するエッチング選択性が、SiO
2に対するエッチング選択性の半分である。その結果、通常、フォトレジストマスクは、所定の目標エッチング深さを達成するために、SiO
2マスクの約2倍の厚さであることが必要とされる。20%のSc原子含有率と20%を超えるオープンエリアを有するAlScNエッチングの場合、フォトレジストマスクに対する選択比は~0.5:1、SiO
2に対する選択比は~1:1が一般的である。より厚いフォトレジストマスクは、不揮発性Sc副生成物のキャッチメントエリアを増大させ、物理的エッチングプロセス方式であっても再付着材料の蓄積を増加させ、マルチアングルの側壁プロファイルをもたらし、エッチングの終わりに再付着が側壁に残存する可能性がある。スカンジウムの割合が高くなると、AlScNのエッチング速度が低下し、フォトレジストマスクに対する選択性の低下を生じる。結果として、更に厚いマスクが、高濃度でScが存在する場合には必要となり、それによって上記の問題を悪化させる。
図2は、基板202上のAlScN層200をプラズマエッチングしている間の、エッチング側壁の典型的な進行の半概略図であり、フォトレジストマスク204を使用してエッチングされる領域を画定する。
図2(a)は、エッチング開始前の層200及びマスク204を示す。
図2(b)は、エッチング開始直後の層200及びマスク204を示す。再付着材料206は、マスク204及びAlScN層200の側壁に見ることができる。
図2(c)は、エッチングプロセスの終了間際の層200及びマスク204を示す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許出願公開第2015/0333727号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述の問題及び要望に対処するプラズマエッチング方法及び装置が必要とされる。特に、実質的に均一なシングルアングルの側壁を、Scベースの副生成物を効果的に管理しながら提供し得る、改善されたプラズマエッチング方法及び装置を提供することが非常に望ましい。更なる要望は、完成したエッチングされた構造上への再付着材料の実質的又は完全な回避、及びAlScNをエッチングするための従来の先行技術のプラズマエッチングプロセスを使用して達成できるよりも高い選択性の実現を含む。更なる要望は、再付着材料を除去するステップのような更なる処理ステップを排除することである。本発明は、その実施形態の少なくとも一部おいて、上述の問題、必要性、及び要望に対処する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第1の態様によれば、添加物含有窒化アルミニウム膜をプラズマエッチングする方法が提供され、方法は、Sc、Y又はErから選択される添加物元素を含有する添加物含有窒化アルミニウム膜を、マスクを通して時間tの間、関連するガス圧を有するガス雰囲気で形成されるプラズマを用いて、RFバイアス電力を添加物含有窒化アルミニウム膜に印加しながらプラズマエッチングすることを含み、ここで、時間tの大部分の間、ガス圧は低下され、及び/又はRFバイアス電力は増加され、その結果、プラズマエッチングは、時間tの大部分にわたって化学的ではなく、物理的となる。
【0012】
時間tの大部分の間、一定の変化率で、ガス圧は低下され、及び/又はRFバイアス電力は増加され得る。
【0013】
時間tの大部分にわたって低下する変化率で、ガス圧は低下され、及び/又はRFバイアス電力は増加され得る。
【0014】
時間tの大部分にわたって増加する変化率で、ガス圧は低下され、及び/又はRFバイアス電力は増加される。
【0015】
マスクはハードマスクであり得る。ハードマスクは、シリコン酸化物ハードマスクであり得る。
【0016】
マスクは、フォトレジストマスクであり得る。
【0017】
時間tの少なくとも75%、任意選択で時間tの少なくとも90%の間、ガス圧は低下され得て、及び/又はRFバイアス電力は増加され得る。
【0018】
ガス圧は、プラズマエッチング中、0.5~25mTorr、任意選択で1~15mTorrの範囲であり得る。
【0019】
ガス圧は、時間tの大部分の間、少なくとも半分、任意選択で少なくとも4分の1低下され得る。
【0020】
RFバイアス電力は、プラズマエッチング中、0~1500W、任意選択で500~1000Wの範囲であり得る。
【0021】
RFバイアス電力は、時間tの大部分の間、250~500Wの範囲の量だけ増加され得る。
【0022】
プラズマエッチングの最終部分の間、ガス圧は増大され得て、及び/又はRFバイアス電力は低下され得る。これにより、より化学的であり、より物理的ではない最終的なエッチング方式が生成される。これは、添加剤含有窒化アルミニウム膜が配置される下地層を、その下地層がエッチングプロセスの終わりに向かってエッチングに曝される場合に、エッチングによる損傷から保護するのに役立ち得る。
【0023】
当業者は、化学的及び物理的エッチング方式に精通しているであろう。純粋な化学的プラズマエッチングは、一般に中性種によるエッチングに関連しており、一般に等方性の選択的エッチングを生じる。純粋な物理的プラズマエッチングは、一般にイオンによるエッチングに関連しており、一般に異方性の低選択的エッチングを生じる。実際には、エッチング方式が化学的及び物理的エッチング成分の両方を有することが可能である。本発明者らは、エッチングの化学的及び物理的成分のバランスを変化させることで、様々な添加剤含有窒化アルミニウムのエッチングにおいて実質的な利点が得られることに気付いた。本発明者らは、このことが、圧力及び/又はRFバイアス電力を変化させることによって達成され得ることに気付いた。特に、より高い圧力とより低いRFバイアス電力を使用して、より化学的エッチング方式を提供することができ、一方、より低い圧力とより高いRFバイアス電力を使用して、より物理的エッチング方式を提供し得る。
【0024】
ガス雰囲気は、エッチング前駆体を、任意選択で不活性ガス及びH2のうちの1つ以上と組み合わせて含み得る。
【0025】
ガス雰囲気の組成は、プラズマエッチング中に調整され得る。これを行うことで、プラズマエッチングはより化学的ではなくなり、より物理的にし得る。ガス雰囲気の組成を調整して、エッチング速度、エッチング選択性、プロファイル、及び再付着形成のうちの1つ以上を調節し得る。エッチング前駆体の量は調整され得る。エッチング前駆体のsccm単位の流量は調整され得る。ガス雰囲気の組成は、ランピングによって、又は1つ以上の段階的な変化によって調整され得る。
【0026】
ガス組成は、塩素含有エッチング前駆体を含み得る。ガス組成は、塩素含有エッチング前駆体と希ガスを含み得る。塩素含有エッチング前駆体のsccm単位の流量と、塩素含有エッチング前駆体及び希ガスのsccm単位の合計流量との、ガス雰囲気における比は、40~100%の範囲の値の間で調整され得る。
【0027】
塩素含有エッチング前駆物質はCl2であり得る。
【0028】
希ガスはArであり得る。
【0029】
ランピングによって、ガス圧は低下され得て、及び/又はRFバイアス電力は増加され得る。これらのプロセスパラメータは、エッチングの実質的に全過程にわたってランピングされ得るが、ガス圧及び/又はRFバイアス電力を、エッチングプロセスの時間中、一定の値に保持することが可能である。プロセスパラメータを一定値に保持することは、ガス圧及び/又はRFバイアス電力が変化される前及び/又は後に実行され得る。原則として、ガス圧を下げること、及び/又はRFバイアス電力を増やすことを、1つ以上の段階的な変化によって可能にし得る。
【0030】
添加剤含有窒化アルミニウム膜は、基板上に配置され得る。基板は、モノリシック基板又は複合基板であり得る。複合基板は、その上に形成された上部層を有する下地層を含み得て、ここで添加剤含有窒化アルミニウム膜は上部層の上に配置される。基板は、シリコンなどの半導体材料を含み得る。基板は、金属材料を含み得る。金属材料は、下地層の上の金属上部層として存在し得る。金属材料は、モリブデン、プラチナ、又はタングステンであり得る。基板は、ガラスなどの誘電材料を含み得る。複合基板の下地層は、ガラスなどの誘電材料を含み得る。これらの例では、その上に形成される上部層は、Mo、W又はPtなどの金属上部層であり得る。一般に、基板は非圧電材料を含む。基板及び添加剤含有窒化アルミニウム膜を含む構造は、BAW又はPMUTデバイスとして使用するのに適したタイプ、あるいはBAW又はPMUTデバイスを製造するために、例えば、添加剤含有窒化アルミニウム膜の上部面に追加の金属層を作製することによる更なる処理を受けるのに適したタイプのものであり得る。
【0031】
添加物含有窒化アルミニウム膜は、薄膜であり得る。添加剤含有窒化アルミニウムの薄膜は、5ミクロン以下の厚さを有し得る。
【0032】
AlScNに加えて、本発明は、AlYN及びAlErNのエッチングにも及ぶ。塩化エルビウムと塩化イットリウムの沸点は、~1500℃であるが、塩化スカンジウムの沸点は~960℃である。したがって、AlYN及びAlErNのエッチング中のエッチフロントは、本明細書に開示されるような特別な方法を使用しない限り、スパッタリング又は他の物理的除去による後処理を要する残留物も含んでいる。Y及びErは、AlNベースの圧電共振器の添加剤として将来使用される候補であることが周知である。
【0033】
本発明の第2の態様によれば、Sc、Y又はErから選択される添加元素を含む添加物含有窒化アルミニウム膜を、マスクを通してプラズマエッチングするための装置が提供され、装置は、
チャンバ、
チャンバ内に配置される基板支持体、
チャンバ内にガス雰囲気を供給するためのガス送達システム、
Sc、Y又はErから選択される添加元素を含む添加物含有窒化アルミニウム膜を、マスクを通してエッチングするため、チャンバ内でプラズマを維持するプラズマ発生デバイス、
RFバイアス電力を基板支持体に供給するためのRF電源、及び、
装置を制御して、添加物含有窒化アルミニウム膜のマスクを通したプラズマエッチングを時間tの間、実行するように構成されたコントローラであって、ここでコントローラは、ガス送達システム及びRF電源を制御して、時間tの大部分にわたってガス圧を低下させ、及び/又はRFバイアス電力を増加させ、プラズマエッチングが時間tの大部分にわたって化学的ではなく物理的になるようにする、コントローラ、を含む。
【0034】
プラズマ発生デバイスは、ICP(誘導結合プラズマ)又はTCP(トランス結合プラズマ)デバイスであり得る。
【0035】
本発明を上述してきたが、本発明は、上記、又は以下の説明、図面、若しくは特許請求の範囲で記述される特徴の任意の創意的な組み合わせにまで及ぶ。例えば、本発明の第1の態様に関して開示された任意の特徴は、本発明の第2の態様に関して開示された任意の特徴と組み合わせることができ、その逆も可能である。
【0036】
ここで、本発明の実施形態を、添付の図面を参照して、単なる例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1】SiO
2マスクを有するAlScN層の、(a)従来技術のエッチングプロセス開始前、(b)エッチング開始直後、及び(c)エッチングプロセス終了間際を示す半概略図である。
【
図2】フォトレジストマスクを有するAlScN層の、(a)従来技術のエッチングプロセス開始前、(b)エッチング開始直後、及び(c)エッチングプロセス終了間際を示す半概略図である。
【
図3】本発明のエッチング装置の半概略断面図である。
【
図4】
図3のエッチング装置の上部の概略断面図である。
【
図5】SiO
2マスクを有するAlScN層の、(a)エッチング開始前、(b)エッチング開始直後、及び(c)エッチングプロセス終了間際を示す半概略図である。
【
図6】フォトレジストマスクを有するAlScN層の、(a)エッチング開始前、(b)エッチング開始直後、及び(c)エッチングプロセス終了間際を示す半概略図である。
【
図7】圧力及びプラテン電力の時間に対する線形変化を示すプロットである。
【
図8】圧力及びRFプラテン電力の時間に対する負の非線形変動を示すプロットである。
【
図9】圧力及びRFプラテン電力の時間に対する正の非線形変動を示すプロットである。
【発明を実施するための形態】
【0038】
本発明は、広範囲の適切に構成されたプラズマエッチング装置を用いて実施され得る。我々は、出願人によって製造された、改良型ICPプラズマエッチング装置モジュール(Omega Synapse(商標)システム、これは英国サウスウェールズ、ニューポートにあるSPTS Technologies Limitedから市販されている)を使用して実験を行った。研究は、様々なSc濃度のスパッタされたAlScN薄膜がその上に形成された、150mmシリコンウェハ上で、フォトレジストとSiO
2ハードマスクの両方を使用して行われた。
図3及び
図4は、適切に適合されたOmega Synapse装置の図である。装置は、チャンバ300、チャンバ内に配置される基板支持体320、チャンバ内にガス雰囲気を供給するためのガス送達システム310、312、プラズマ404をチャンバ内に維持して、マスクを通してAlScN膜402をエッチングするためのRFアンテナ314を具備するICPプラズマ発生デバイス、RFバイアス電力を基板支持体320に供給するためのRF電源(図示せず)、及び、装置を制御して、本明細書に記載の方法で様々なプロセスパラメータを調整することにより、AlScN膜402のプラズマエッチングを実行するように構成されるコントローラ400を含む。ガス雰囲気は、AlScNのエッチングに適した雰囲気である。通常、塩素含有腐食液は、任意選択で希ガスなどの不活性ガスと組み合わせて使用される。水素などの他の成分が、当技術分野で周知のように存在してもよい。基板支持体320は、RFバイアス電力をRF電源から受け取るように接続される任意の適切な要素であり得る。
図3において、示される基板支持体は、プラテンRF電極316を有する静電チャックであり、RF電力をRF電源から受け取る。周知の特徴、例えば、排気ガスポンプシステム及びRF電力をRFアンテナ314に供給するためのRF電源は、
図1には示されていないが、当業者にはよく理解されるであろう。RFアンテナ314及び基板支持体320に供給される周波数は、両方とも13.56MHzであった。しかし、2~13.56MHzの範囲にわたる周波数はRFアンテナ314に使用され得て、380kHz~13.56MHzの周波数は基板支持体に適用されるRFバイアスに使用され得る。
【0039】
チャンバ300は上部壁又は蓋を有する。セラミック環状ハウジング318は、チャンバ300内に浸漬され、上部壁から下向きに垂下する。環状ハウジング318は、RFアンテナ314が配置される上部壁の内側に円形領域を画定する。ガス送達システムは、第1のガス入口装置310及び第2のガス入口装置312を含む。
図1に示す実施形態では、第1のガス入口装置310は内側ガスプレナムであり、第2のガス入口装置312は外側ガスプレナムである。各ガス入口装置は、複数のガス入口を含み、各ガス入口は開口部で終端し、開口部を通ってプロセスガスがチャンバ300の内部に入る。内側プレナム310は、環状ハウジング318によって画定される円形領域内に位置する。内側ガスプレナム310のガス入口は、環状ハウジング318の内側に、円形パターンで配置された複数の開口部として配置される。外側プレナム312は、環状ハウジング318によって画定される円形領域の外側に配置される。外側ガスプレナム312のガス入口は、環状ハウジング318の外側に、円形パターンで配置された複数の開口部として配置される。内側ガスプレナムは、8つのガス入口を有し得るが、外側ガスプレナムは、約10倍のガス入口を有してもよい。しかし、第1及び第2のガス入口装置は、任意の適切な数のガス入口を有し得ることを理解されたい。
図3及び
図4に示される装置に関する更なる構造上の詳細は、出願人の欧州特許出願第EP3843126A1号で確認され得る。
【0040】
他のタイプのICPエッチング装置が、代わりに使用されてもよい。例えば、ガス送達システムが第1及び第2のガス入口装置を具備する必要はなく、ガス入口点の切り替え(第EP3843126A1号に記載されているような)が本発明に関連して使用される必要もない。更に、TCPデバイスなど、他のタイプのプラズマ発生デバイスが使用され得る。
【0041】
本発明は、AlScNのプラズマエッチング中の様々なプロセスパラメータの調整を含む。これにより、AlScNプラズマエッチングにおけるマスクに対する選択性が向上することが発見されている。これにより、マスク後退に関連するプルバックを、側壁の再付着の蓄積を制御しながら防止し得ることを実証する。このようにして、連続的で急峻なシングルアングルの側壁が、リフロー又は浅いプレエッチングマスクを必要とすることなく達成され得る。リフローが不要であるため、その欠点が回避され、つまり、プロファイルは、無理なく、様々なエッチングフィーチャのCD、形状、及びサイズにわたって一貫する。
【0042】
エッチングプロセスは、より化学的エッチング方式で始まり、その後、より物理的エッチング方式に移行する。これは、従来技術のAlScNエッチングプロセスで通常使用される物理的プロセス方式の限界として認識していたものを克服することが分かった。一般に、より化学的エッチング方式は、より高い圧力とより低いRFバイアスに関連付けられる。しかし、特定の理論又は推論に限定することを望むものではないが、プロセスの開始時に使用されるより化学的エッチング方式でさえも、物理的エッチング成分を有する可能性があり、同様に、続いて供給されるより物理的エッチング方式にも化学成分を有する可能性がある。それにもかかわらず、エッチングプロセスの一部分が本質的に化学的及び/又は本質的に物理的であることは原理的に可能である。
【0043】
本技術は、フォトレジストとハードマスクの両方に有効である。しかし、最適なエッチングに使用されるプロセス条件は、以下に詳述するように、マスクのタイプによって異なる。
【0044】
ハードマスク(SiO2)
【0045】
基本的に、このプロセスは、比較的高圧の低バイアス方式で開始され、AlScNのエッチング速度を上げつつ、SiO
2のエッチング速度を最小限に抑え、マスクに対する選択性の増大を生じる。これにより、最終的なエッチングプロファイルが、エッチングの最終段階の間に横方向のマスク後退によって損なわれないことを保証する。しかし、この化学的方式では、再付着の正味の蓄積がある。これを除去するために、次にプロセスは、ガス流量と圧力を下げつつ、プラテンのRF電力を増加させることにより、物理的方式に変更される。これらの変化により、再付着のスパッタ除去速度が上がるのと同時に、エッチングがより指向性の高い方式に進められ、より急峻な側壁角度を生じる。開始条件、移行期間、及び終了条件のバランスを修正することで、AlScN側壁プロファイルに有意な段が形成される前に、再付着が除去される。これにより、再付着のない急峻のシングルアングルの側壁プロファイルが得られる。
図5は、このメカニズムを用いたAlScN層500のプラズマエッチングにおけるステップを示す半概略図である。AlScN層500は、SiO
2ハードマスク504を使用して基板502上に形成され、エッチングされる領域を画定する。
図5(a)は、エッチング開始前の層500及びマスク504を示す。
図5(b)は、エッチング開始直後の層500及びマスク504を示す。再付着材料506は、マスク504及びAlScN層500の側壁に見られる。
図5(c)は、エッチングプロセスの終了間際の層500及びマスク504を示す。このプロセスは、SiO
2ハードマスクを用いて例示されるが、別のタイプのハードマスク、例えば高度に架橋されたフォトレジストマスクと組み合わせて使用され得る。
【0046】
フォトレジストマスク
【0047】
フォトレジストマスクの増大した厚さのため、マスク角度を小さくし、再付着キャッチメントエリアを縮小しながら、その除去速度を速める必要がある。SiO
2マスクと同様に、プロセスは高圧、低バイアス方式で開始する。しかし、PRマスクの選択性が低いため、これは指向性が低く、より多くの化学的方式が、PRマスクの横方向のエッチングを増大し、マスクとAlScN層の間の界面でより薄くて浅いマスクを効果的に生じる。これにより、再付着に対するキャッチメントエリアが最小限に抑えられ、イオンの視線を向上させる。その後、プロセスは、より高いバイアス、より低い圧力方式に変化し、再付着除去速度とエッチング側壁角度の両方を増加させる効果を有する。
図6は、このメカニズムを使用したAlScN層600のプラズマエッチングにおけるステップを示す半概略図である。AlScN層600は、SiO
2ハードマスク604を使用して基板602上に形成され、エッチングされる領域を画定する。
図6(a)は、エッチング開始前の層600及びマスク604を示す。
図6(b)は、エッチング開始直後の層600及びマスク604を示す。再付着材料606は、マスク604及びAlScN層600の側壁に見られる。
図6(c)は、エッチングプロセスの終了間際の層600及びマスク604を示す。
【0048】
ほんの一例として、典型的なエッチングプロセスを表1に示す。プロセスは、150mmのウェハとともに使用されたが、様々なウェハサイズに対して有効である。H
2と不活性ガスはまた、プロセスガスに追加されて、エッチング特性を変更し得る。sccm単位で表される流量に関連して、プロセスで使用されるArの割合は、通常0~60%であり、Cl
2の割合は、通常40~100%である。Cl
2:Ar流量(sccm)比率がこれらの範囲外であるものを使用することは可能である。しかし、40%Cl
2未満では、エッチング速度が大幅に降下すると予想され、ウェハ内のエッチングの不均一性が悪化することが予想される。Ar:Cl
2の比率は、エッチングの過程で調整することが可能である。調整は、エッチングの開始時及び/又は最中及び/又は終了時に行い、エッチング速度、エッチング選択性、プロファイル及び再付着形成の1つ以上を調節し得る。流量の制御は、質量流量コントローラを使用して流量を制御し、ポンプシステムを絞って圧力を制御することにより、チャンバ圧とは無関係に達成され得ることが理解されよう。
【表1】
【0049】
AlScNのスカンジウム含有量が増加するにつれて、エッチング中の不揮発性副生成物の生成が増加し、エッチング速度の低下を生じる。再付着の組成は、エッチングされているAlScNサンプルの組成を反映する可能性がある。したがって、高いSc含有量を有するAlScNサンプルでは、より物理的エッチングが、再付着材料を除去するために必要であることが予想される。加えて、化学的エッチングプロセス方式では、エッチングの不均一性はスカンジウム含有量が高くなると悪化する傾向があり、最終的には下地層の損失に影響を及ぼす場合がある。
【0050】
エッチングに関連する問題は、本発明のプロセスの適切な調節により克服し得る。例えば、プロセス開始時の条件は、比較的低いチャンバ圧を使用してエッチングの不均一性を改善し、比較的高いRFバイアスを使用して再付着材料の蓄積を減らすことによって適合させ得る。続いて、これらのプロセス条件を変えて、更に一層、物理的エッチング方式に変化させる一方で、高い選択性とエッチング速度を維持する。再付着除去が十分である場合、プロセスの最後に圧力を上げ、RFバイアスを下げて、選択性とエッチング速度を高めることができる。言い換えると、プロセス条件を変えて、エッチングプロセスの最後に、より化学的エッチング方式を生成することが可能である。エッチングプロセスの最後に、下地層がエッチングに曝され、それによって下地層が損傷する危険性がある。より化学的エッチング方式をエッチングプロセスの最後に使用する利点は、下地層の露出部分への損傷が最小限に抑制され得ることである。しかし、エッチングプロセスの最後に、より化学的エッチング方式を使用することは、再付着材料の正味の蓄積を避けるよう実施する必要がある。これらの調節メカニズムは、再付着の問題を克服するための動的な解決策を提供すると同時に、急峻なシングルアングル側壁プロファイルを実現することが可能である。本明細書に記載のプロセスは、EDAXにより測定した場合、最大40%のスカンジウム原子重量%でドープされたAlN、すなわちAl1-xScxNに対して有効であり、ここでxは0より大きく0.40以下である。
【0051】
圧力及びRFバイアス電力の持続時間と変化率は調整されて、プロセス特性を調節し得る。3つの実施例が提示されるが、当業者は、これらの例の多くの変形が可能であることを理解するであろう。
【0052】
実施例1
第1の例では、圧力及びRFバイアス電力の線形変化率は、時間の関数として利用される。
図7は、圧力700が0.4mTorr/秒の一定速度で低下する一方で、プラテンRFバイアス電力702が15W/秒の一定速度で増加する実施形態を示す。チャンバに流入するガスもまた、圧力とともに減少する。
【0053】
実施例2
第2の例では、圧力及びRFバイアス電力の負の非線形変化率は、時間の関数として利用される。言い換えると、圧力及びRFバイアス電力の変化率は、時間の関数として低下する。これにより、プロセスは、より物理的エッチング方式に、より高速に進められ、マスクに対する選択性を低下させるが、指向性を上げ、再付着の除去と、より急峻なプロファイルの維持を補助する。
図8は、このアプローチが使用される実施形態を示し、圧力800及びRFバイアス電力802を時間の関数として示す。
【0054】
実施例3
第3の例では、圧力及びRFバイアス電力の正の非線形変化率は、時間の関数として利用される。言い換えると、圧力及びRFバイアス電力の変化率は、時間の関数として増加する。これにより、より指向性が低く、より化学的方式で費やされるプロセス時間を増加するが、エッチング開始時のマスクに対する選択性もまた増加され、それによってマスク後退が最小限に抑えられる。このタイプのプロセスでは、より薄いマスクを使用することができる。
図9は、このアプローチが使用される実施形態を示し、圧力900及びRFバイアス電力902を時間の関数として示す。
【0055】
更なる変形と変更が可能である。例えば、本発明を利用して、AlYn及びAlErN膜をエッチングし得る。Sc、Y又はEr添加剤含有窒化アルミニウム膜は、薄膜などの様々な形態で、様々な基板上に提供され得る。一般に、化学的エッチングと物理的エッチングのバランスを、エッチングの過程でプロセスパラメータをランピングすることによって変更することが便利であるが、エッチングプロセスの間、プロセスパラメータを一定の値に保持することが可能である。プロセスパラメータを一定値に保持することは、プロセスパラメータが変更される前及び/又は後に実行され得る。