(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023090693
(43)【公開日】2023-06-29
(54)【発明の名称】スタッドレスタイヤのトレッドパターン
(51)【国際特許分類】
B60C 11/03 20060101AFI20230622BHJP
B60C 11/12 20060101ALI20230622BHJP
B60C 11/13 20060101ALI20230622BHJP
【FI】
B60C11/03 300E
B60C11/12 C
B60C11/03 C
B60C11/13 C
B60C11/03 300C
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022201191
(22)【出願日】2022-12-16
(31)【優先権主張番号】17/553895
(32)【優先日】2021-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】513158760
【氏名又は名称】ザ・グッドイヤー・タイヤ・アンド・ラバー・カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100123788
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 昭夫
(74)【代理人】
【識別番号】100127454
【弁理士】
【氏名又は名称】緒方 雅昭
(72)【発明者】
【氏名】マイケル ステファン スクリッチ
(72)【発明者】
【氏名】ザチャリー ウイリアム ジャーゲンス
(72)【発明者】
【氏名】マイケル リチャード クラノ
(72)【発明者】
【氏名】リチャード マーク ウィーランド
(72)【発明者】
【氏名】ベン バイチェン ウェン
(72)【発明者】
【氏名】ジョン ジョセフ カンツラ
【テーマコード(参考)】
3D131
【Fターム(参考)】
3D131BB01
3D131BB11
3D131BC12
3D131BC13
3D131BC18
3D131BC33
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3D131CB05
3D131EB03U
3D131EB11V
3D131EB11X
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3D131EB95X
3D131EC13V
3D131EC13X
3D131EC14V
3D131EC14X
(57)【要約】
【課題】満足できるタイヤ性能をユーザに提供することができるタイヤのトレッドパターンを提供する。
【手段】タイヤ用トレッドは、タイヤの赤道面の両側に対称パターンで配置された複数のブロック要素を含む周方向の中央トレッド領域と、タイヤも赤道面の両側に対称パターンで配置された複数のブロック要素をそれぞれが含む一対の周方向のショルダートレッド領域と、複数のブロック要素のうちの1つのブロック要素の前縁に配置された前縁の第1の鋸歯状構造体と、複数のブロック要素のうちの1つのブロック要素の後縁に配置された後縁の第2の鋸歯状構造体とを含む。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイヤのトレッドであって、
タイヤの赤道面の両側に対称パターンで配置された複数のブロック要素を含む周方向の中央トレッド領域と、
タイヤの赤道面の両側に対称パターンで配置された複数のブロック要素をそれぞれが備える一対の周方向のショルダートレッド領域と、
前記複数のブロック要素のうちの1つのブロック要素の前縁に配置された前縁の第1の鋸歯状構造体と、
前記複数のブロック要素のうちの1つのブロック要素の後縁に配置された後縁の第2の鋸歯状構造体と、を有するトレッド。
【請求項2】
前記前縁の第1の鋸歯状構造体は、前記中央トレッド領域を横切って延在する、請求項1に記載のトレッド。
【請求項3】
前記前縁の第1の鋸歯状構造体は、ショルダートレッド領域を横切って延在する、請求項2に記載のトレッド。
【請求項4】
前記前縁の第1の鋸歯状構造体は、前記中央トレッド領域および前記ショルダートレッド領域の両方を横切って延在する、請求項3に記載のトレッド。
【請求項5】
前記前縁の第1の鋸歯状構造体は、前記タイヤの回転方向に周方向に延在する平面傾斜部のアレイを含む、請求項4に記載のトレッド。
【請求項6】
前記後縁の第2の鋸歯状構造体は、前記中央トレッド領域を横切って延在する、請求項1に記載のトレッド。
【請求項7】
前記後縁の第2の鋸歯状構造体は、ショルダートレッド領域を横切って延在する、請求項6に記載のトレッド。
【請求項8】
前記後縁の第2の鋸歯状構造体は、前記中央トレッド領域および前記ショルダートレッド領域の両方を横切って延在する、請求項7に記載のトレッド。
【請求項9】
前記後縁の第2の鋸歯状構造体は、前記タイヤの回転方向に周方向に延びる湾曲した凸状ドームのアレイを含む、請求項8に記載のトレッド。
【請求項10】
前記後縁の第2の鋸歯状構造体は、前記タイヤの回転方向に周方向に延びる湾曲した凸状ドームを含む、請求項8に記載のトレッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、車両のタイヤに関し、より具体的には、オールシーズンタイヤ及びスタッドレスタイヤのためのトレッドパターンに関する。
【背景技術】
【0002】
オールシーズン及び冬季の運転条件に合わせて作ったタイヤは、雪で覆われた車道などのような、密集度が減少した表面の走行に向くようにすることを目的としている。そのようなタイヤには、乾燥道路性能、摩耗性能、および騒音レベル性能をそれぞれ良好に発揮しながら、トラクション(グリップ)特性、動力特性、制動特性、およびハンドリング特性をそれぞれ適切に発揮することが要求される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
スタッドレスタイヤのトレッドパターンは、満足できるタイヤ性能をユーザに提供するために、上述したような競合する目的を達成する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明によるタイヤの第1のトレッドは、タイヤの赤道面の両側に対称パターンで配置された複数のブロック要素を有する周方向の中央トレッド領域と、タイヤの赤道面の両側に対称パターンで配置された複数のブロック要素をそれぞれが備える一対の周方向のショルダートレッド領域と、複数のブロック要素のうちの1つのブロック要素の前縁に配置された前縁の第1の鋸歯状構造体と、複数のブロック要素のうちの1つのブロック要素の後縁に配置された後縁の第2の鋸歯状構造体とを含む。
【0005】
第1のトレッドの別の態様によれば、前縁の第1の鋸歯状構造体は、中央トレッド領域を横切って延在する。
【0006】
第1のトレッドのさらに別の態様によれば、前縁の第1の鋸歯状構造体は、ショルダートレッド領域を横切って延在する。
【0007】
第1のトレッドのさらに別の態様によれば、前縁の第1の鋸歯状構造体は、中央トレッド領域およびショルダートレッド領域の両方を横切って延在する。
【0008】
第1のトレッドのさらに別の態様によれば、前縁の第1の鋸歯状構造体は、タイヤの回転方向に周方向に延在する平面傾斜部のアレイを含む。
【0009】
第1のトレッドのさらに別の態様によれば、後縁の第2の鋸歯状構造体は、中央トレッド領域を横切って延在する。
【0010】
第1のトレッドのさらに別の態様によれば、後縁の第2の鋸歯状構造体は、ショルダートレッド領域を横切って延在する。
【0011】
第1のトレッドのさらに別の態様によれば、後縁の第2の鋸歯状構造体は、中央トレッド領域およびショルダートレッド領域の両方横切って延在する。
【0012】
第1のトレッドのさらに別の態様によれば、後縁の第2の鋸歯状構造体は、タイヤの回転方向に周方向に延在する湾曲した凸状ドームのアレイを含む。
【0013】
第1のトレッドのさらに別の態様によれば、後縁の第2の鋸歯状構造体は、タイヤの回転方向に周方向に延びる湾曲した凸状ドームを含む。
【0014】
本発明によるタイヤの第2のトレッドは、タイヤの赤道面の両側に対称パターンで配置された複数のブロック要素を有する周方向の中央トレッド領域と、タイヤの赤道面の両側に対称パターンで配置された複数のブロック要素をそれぞれが備える一対の周方向のショルダートレッド領域と、複数のブロック要素のうちの1つのブロック要素の前縁に配置された前縁の第1の構造体と、複数のブロック要素のうちの1つのブロック要素の後縁に配置された後縁の第2の構造体とを含む。
【0015】
第2のトレッドの別の態様によれば、前縁の第1の構造体は、中央トレッド領域を横切って延在する。
【0016】
第2のトレッドのさらに別の態様によれば、前縁の第1の構造体は、ショルダートレッド領域を横切って延在する。
【0017】
第2のトレッドのさらに別の態様によれば、前縁の第1の構造体は、中央トレッド領域およびショルダートレッド領域の両方を横切って延在する。
【0018】
第2のトレッドのさらに別の態様によれば、前縁の第1の構造体は、タイヤの回転方向に周方向に延在する平面傾斜部のアレイを含む。
【0019】
第2のトレッドのさらに別の態様によれば、後縁の第2の構造体は、中央トレッド領域を横切って延在する。
【0020】
第2のトレッドのさらに別の態様によれば、後縁の第2の構造体は、ショルダートレッド領域を横切って延在する。
【0021】
第2のトレッドのさらに別の態様によれば、後縁の第2の構造体は、中央トレッド領域およびショルダートレッド領域の両方を横切って延在する。
【0022】
第2のトレッドのさらに別の態様によれば、後縁の第2の構造体は、タイヤの回転方向に周方向に延在する湾曲した凸状ドームのアレイを含む。
【0023】
第2のトレッドのさらに別の態様によれば、後縁の第2の構造体は、タイヤの回転方向に周方向に延在する湾曲した凸状ドームを含む。
【0024】
定義
タイヤの「アスペクト比」は、タイヤの断面幅(SW)に対する断面高さ(SH)の比に100を乗じて百分率で表したものを意味する。
【0025】
「非対称トレッド」は、タイヤの中心面、すなわち赤道面EPに対して対称ではないトレッドパターンを有するトレッドを意味する。
【0026】
「軸方向の」および「軸方向に」は、タイヤの回転軸に平行な線または方向を意味する。
【0027】
「チェーファー」は、タイヤビードの外側の周囲に配置され、リムに対する摩耗および切断からコードプライを保護し、リムの上方に屈曲を分散させる幅の狭い材料ストリップである。
【0028】
「周方向」は、軸方向に垂直な環状トレッドの表面の周囲に沿って延びる線または方向を意味する。
【0029】
「赤道面(CP)」は、タイヤの回転軸に垂直で、トレッドの中心を通る平面を意味する。
【0030】
「フットプリント」は、速度が零で、標準荷重および標準圧において、平坦な面と接触するタイヤトレッドの接触部分または接触領域を意味する。
【0031】
「溝」は、トレッドに対して周方向または横方向に、直線状、曲線状、またはジグザグ状に延在し得る、トレッド内の細長い隙間領域を意味する。
【0032】
周方向および横方向に延在する溝は、共通の部分を有することがある。「溝の幅」は、その幅が問題となっている、溝または溝の部分によって占められたトレッドの表面積を、溝または溝の部分の長さで除したものに等しく、したがって、溝の幅は、その長さに対する平均の幅である。溝は、深さがタイヤ内で変化してもよい。溝の深さは、トレッドの円周にわたって変化してもよく、または、ある溝の深さは、一定であるが、タイヤの別の溝の深さと異なっていてもよい。そのような幅狭または幅広の溝は、相互接続部された幅広の円周方向の溝と比較して、その深さが実質的に低減される場合、トレッド領域においてリブのような特徴を保持する傾向がある「タイバー」を形成すると見なされる。
【0033】
「インボード側」は、タイヤがホイールに取り付けられ、ホイールが車両に取り付けられたときの、タイヤの車両に最も近い側を意味する。
【0034】
「横方向」は、軸方向を意味する。
【0035】
「横方向縁部」は、赤道面に平行な線であって、標準荷重および標準タイヤ圧のもとで測定された、軸方向の最も外側のトレッド接触面またはフットプリントの接線を意味する。
【0036】
「ネット接地面積」は、トレッドの全周にわたって横方向縁部間で接地するトレッド要素の全面積を、横方向縁部間の全トレッドの総面積で除したものを意味する。
【0037】
「非方向性トレッド」は、好適な前進方向を有していないトレッドパターンであって、特定のホイールポジション、またはトレッドパターンが好適な進行方向に揃うようにする複数のホイールポジションで車両に配置する必要がないトレッドを意味する。逆に、方向性トレッドパターンは、特定のホイール位置決めを必要とする好適な進行方向を有する。
【0038】
「アウトボード側」は、タイヤがホイールに取り付けられ、ホイールが車両に取り付けられたときの、タイヤの車両から最も遠い側を意味する。
【0039】
「蠕動」は、空気などの含有物を管状経路に沿って推進させる波状収縮による動作を意味する。
【0040】
「半径方向の」および「半径方向に」は、放射状にタイヤの回転軸に向かうか、タイヤの回転軸から離れる方向を意味する。
【0041】
「リブ」は、少なくとも1つの周方向溝と、同様な第2の溝または横方向縁部のいずれかとによって画定された、トレッド上の周方向に延在するゴムのストリップであって、完全な深さの溝によって横方向に分割されていないストリップを意味する。
【0042】
「サイプ」は、トレッド表面を細分化してトラクションを向上させるタイヤのトレッド要素に成形された小さなスロットを意味し、サイプは、一般に幅が狭く、タイヤのフットプリント内で開いたままである溝とは対照的に、タイヤのフットプリント内で閉じている。
【0043】
「トレッド要素」または「トラクション要素」は、隣接する溝の形状を有することによって画定されたリブまたはブロック要素を意味する。
【0044】
「トレッド円弧幅」は、トレッドの横方向縁部間で測定されたトレッドの円弧長を意味する。
本発明は、一例として、添付の図面を参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【
図1】本発明に用いられるタイヤの概略斜視図である。
【
図4】本発明によるトレッド部の概略拡大斜視図である。
【
図5】本発明によるトレッド部の別の概略拡大斜視図である。
【
図6】本発明によるトレッド部のさらに別の概略拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
本明細書および図面における参照符号の繰り返しの使用は、本発明の同一または類似の特徴または要素を表すことを意図している。
【0047】
図1から
図4を参照すると、本発明で使用する例示的なタイヤ10は、周方向のトレッド12を有することができる。トレッド12は、周方向の中央トレッド領域14と、中央トレッド領域14の軸方向の両側にある2つのショルダートレッド領域16、18とを含むことができる。タイヤの赤道面20は、トレッド12を対称な2つに分割することができる。一対の周方向溝22、24は、中央トレッド領域14を画定し、中央トレッド領域14を対向するショルダートレッド領域16、18から分離することができる。
【0048】
トレッド12の対称パターンでは、中央トレッド領域14は、赤道面20の両側に設けられた様々な幾何学的形状の偏心ブロック要素26を含むことができる。外側の偏心ブロック要素26は、それぞれの周方向溝22または24に隣接する、溝に面する側部27を有することができる。中心トレッド領域14は、ほぼ周方向の赤道面20上に配置され、様々な幾何学的構成を備えた内側の中心ブロック要素28をさらに含むことができる。選択された中心ブロック28と偏心ブロック26とを含む、中央トレッド領域のブロック要素26、28の一部または全部は、それぞれのブロック要素26、28を横方向に横切って相互に離間された平行な方向延びる複数の正弦波または波状のサイプ30を含むことができる。
【0049】
サイプ30は、一般に、以下に説明するように、波形状に、波打つように(undulating)、及び/又は正弦波形状に構成され、長さ方向で深さが可変であり、より深く凹んだサイプ部分から凹んでいないサイプ部分まで変化してもよい。説明のために一般にサイプ32、34と称される、横方向に延在する波形状サイプ32の隣接する対は、1つ以上の周方向に延在するノッチ36によって相互接続されてもよい。ノッチ36は、一般に、直線状の側部が真っ直ぐな一定の深さ(linear straight-side constant depth)を有し、周方向に延び、内側のサイプ交差位置で隣接する一対の波形状サイプを相互接続することができる。
【0050】
ショルダートレッド領域16、18は、それぞれの周方向トレッド溝22、24に隣接する軸方向内側を向いた側部40を有するブロック要素38によって形成することができる。ショルダーブロック要素38は、中央トレッド領域14のサイプ30と同様に構成された複数の正弦波状又は波形状サイプ42、44を含むことができる。ショルダーサイプ42、44は、同様に、それぞれのショルダーブロック要素を横方向に横切って、互いに離間した平行な向きに延びてもよく、長さ方向で深さが可変であり、より深く凹んだサイプ部分から凹んでないサイプ部分まで変化してもよい。隣接する波形状サイプ42、44は、周方向に延びる1つ以上のノッチ46によって相互接続することができる。ノッチ46は、一般に、直線状の側部が真っ直ぐな一定の深さを有し、周方向に延び、内側のサイプ交差位置で隣接する一対の波形状サイプを相互接続することができる。
【0051】
図4を参照すると、トレッド12は、トレッド赤道面20上に、周方向に間隔を置いて配置された第1のV溝をさらに含むことができる。第1のV溝の各々は、末広がりの第1の溝アーム50および第2の溝アーム52を含んでもよい。溝アーム50、52の各々は、頂点セグメント、中間セグメント、および末端セグメントを有することができる。溝アーム50、52は、頂点セグメントから中間セグメントに、そして末端セグメントにかけて、幅および深さが可変である。溝アーム50、52の深さは、頂点セグメントおよび末端セグメントで最も浅く、中間セグメントで最も深くてもよい。溝アーム50、52の幅は、頂点セグメントおよび末端セグメントで最も狭く、中間セグメントで最も広くてもよい。溝アーム50、52の端部は、収束してもよいが、各アームの頂点領域において交わってはいない。
【0052】
図5に示すように、本発明によるトレッド12は、摩耗を改善し、また、雪を捕捉/保持してせん断柱およびせん断摩擦力を高めて冬季のトラクションおよびハンドリングを補助するための前縁の第1の鋸歯状構造体502を含むことができる。前縁の第1の鋸歯状構造体502は、中央トレッド領域14およびショルダートレッド領域16、18の両方を横切って延在してもよい。前縁の第1の鋸歯状構造体502は、溝内に延在し、対向する雪の中に延在する平面傾斜部のアレイを備えることができる(
図5)。トレッド12は、摩耗を改善し、雪を捕捉/保持してせん断柱およびせん断摩擦力を高めて冬季のトラクションおよびハンドリングを補助するための後縁の第2の鋸歯状構造体501をさらに含むことができる。後縁の第2の鋸歯状構造体501は、中央トレッド領域14およびショルダートレッド領域16、18の両方を横切って延在してもよい。後縁の第2の鋸歯状構造体501は、ブロック内に延在し、対向する雪から離れる平面傾斜部のアレイを備えることができる(
図5)。
【0053】
前縁の第2の鋸歯状構造体502は、関連する溝内に角度を付けて設けられ、前縁を補強/支持し、かつ、強化し、それによって、前縁がフットプリントに入るときに前縁が増加した応力を受けるので、摩耗を最適化することができる。後縁の第2の鋸歯状構造体501は、構造体501が関連する溝内にゼロから最小の壁角度でトレッドブロックに切り込み(例えば、負の角度でトレッドブロックにアンダーカット)、フットプリントを滑る/引きずる/出る間にブロック縁部にかかる力を低減することができるように、後縁部をさらに軟化させることができる。
【0054】
図6に示すように、本発明によるトレッド12は、摩耗を改善し、また、より大きなせん断力トラクションのために雪を捕捉して保持するための後縁の第1の鋸歯状構造601を含むことができる。後縁の第1の鋸歯状構造体601は、中央トレッド領域14およびショルダートレッド領域16、18の両方を横切って延在してもよい。前縁の第1の鋸歯状構造体601は、半径方向外向きに延びる平面傾斜部のアレイを備えてもよい(
図6)。トレッド12は、雪を捕捉/保持するためのブロックの中間の第2の鋸歯状構造体602をさらに含むことができ、雪の引っ掻き/浸透はせん断柱およびせん断摩擦力を改善し、冬季のトラクションおよびハンドリングを高め、水の排出を促進する。ブロックの中間の第2の鋸歯状構造体602は、中央トレッド領域14およびショルダートレッド領域16、18の両方を横切って延在してもよい。ブロックの中間の第2の鋸歯状構造体602は、半径方向外側に面する湾曲した凹状の凹み(scoop)のアレイを備えてもよい(
図6)。
【0055】
ブロックの中間の第2の鋸歯状構造体602は、真っ直ぐな縁部に沿って、凹みの後縁部に完全な深さのサイプ/ブレードを含むことができる。凹みは、雪の保持を最適化し、ブレードに雪を打ち込むことによって後縁に沿ってブレードを開いた状態に保つことができ、それによって、サイプを作動させて雪のトラクションを可能にする。凹み形状は、複数の点が後縁でブレードにほぼ接触することで、凹み形状を維持し、タイヤが転動している間、撓み/変形下で凹みが閉じないようにすることができる。
【0056】
本明細書に記載された発明の説明に照らして、本発明の変形が可能である。対象となる発明を説明する目的で、特定の代表的な実施形態および詳細を示したが、当業者には、対象となる発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更および修正を行うことができることが明らかであろう。したがって、前述の特定の実施形態において、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の対象となる全範囲内で行う変更が可能であることを理解されたい。
【外国語明細書】