(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023090826
(43)【公開日】2023-06-29
(54)【発明の名称】ツールを装着して直接視覚化するために肺の末梢領域にアクセスする装置
(51)【国際特許分類】
A61B 8/12 20060101AFI20230622BHJP
【FI】
A61B8/12
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023072315
(22)【出願日】2023-04-26
(62)【分割の表示】P 2021557971の分割
【原出願日】2020-05-15
(31)【優先権主張番号】62/849,311
(32)【優先日】2019-05-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/849,649
(32)【優先日】2019-05-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/849,307
(32)【優先日】2019-05-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】506192652
【氏名又は名称】ボストン サイエンティフィック サイムド,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BOSTON SCIENTIFIC SCIMED,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ウォルシュ、ケビン
(72)【発明者】
【氏名】ディトゥッリオ、ジェレミー
(72)【発明者】
【氏名】ギャリティ、ダグラス ダブリュ.
(72)【発明者】
【氏名】ノイス、タイラー
(72)【発明者】
【氏名】オショーネシー、シェイマス エフ.
(72)【発明者】
【氏名】ジョンソン、オースティン ジー.
(72)【発明者】
【氏名】ハリス、コルビー
(57)【要約】
【課題】本発明は、一般に、医療装置の分野に関する。特に、本発明は、末梢肺結節を直接視覚化して生検するためのモジュラーアセンブリ、システム、及び方法を提供すること。
【解決手段】一例では、本発明のモジュラーアセンブリは、本体の遠位端に取り付けられたデュアルルーメンカテーテルを含み得る。第1のルーメンが、本体を通って延び得る。該第1のルーメンは、デュアルの第1のルーメンと連続している。第2のルーメンが本体を通って延びる。該第2のルーメンは、デュアルルーメンカテーテルの第2のルーメンと連続している。さらに、取付部材が、第2のルーメンの近位端において本体内に形成される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モジュラーアセンブリであって、
本体を備え、
前記本体の遠位端に取り付けられたデュアルルーメンカテーテルを備え、
前記本体を通って延びる第1のルーメンを備え、前記第1のルーメンは、前記デュアルルーメンカテーテルの第1のルーメンに連続し、
前記本体を通って延びる第2のルーメンを備え、前記第2のルーメンは、前記デュアルルーメンカテーテルの第2のルーメンに連続し、
取付部材を備え、前記取付部材は、前記第2のルーメンの近位端において前記本体内に形成され、
前記第1のルーメンの近位端において前記本体の近位端に取り付けられた第1の支持構造体を備え、
前記第1のルーメンの遠位端において前記本体の遠位端に取り付けられた第2の支持構造体を備え、前記第1及び第2の支持構造体が前記第1のルーメンに漏れ防止シールを提供する
モジュラーアセンブリ。
【請求項2】
前記本体と前記デュアルルーメンカテーテルの両第1のルーメンは、当該両第1のルーメンを通る第1の内視鏡器具を受け入れるように構成され、前記本体と前記デュアルルーメンカテーテルの両第2のルーメンは、当該両第2のルーメンを通る第2の内視鏡器具を受け入れるように構成される、請求項1に記載のモジュラーアセンブリ。
【請求項3】
前記取付部材は、スナップロック構成で第2の内視鏡器具のハンドルアセンブリを受け入れるように構成される、請求項2に記載のモジュラーアセンブリ。
【請求項4】
システムであって、
モジュラーアセンブリを備え、該モジュラーアセンブリは、
本体と、
前記本体の遠位端に取り付けられたデュアルルーメンカテーテルと、
前記本体を通って延び、前記デュアルルーメンカテーテルの第1のルーメンに連続する第1のルーメンと、
前記本体を通って延び、前記デュアルルーメンカテーテルの第2のルーメンに連続する第2のルーメンと、
前記第2のルーメンの近位端において前記本体内に形成された取付部材と、
前記第1のルーメンの近位端において前記本体の近位端に取り付けられた第1の支持構造体と、
前記第1のルーメンの遠位端において前記本体の遠位端に取り付けられた第2の支持構造体と
を備え、前記第1及び第2の支持構造体が前記第1のルーメンに漏れ防止シールを提供し、
第1の内視鏡器具を備え、前記第1の内視鏡器具は、前記本体と前記デュアルルーメンカテーテルの前記第1のルーメンを通って延び、
第2の内視鏡器具を備え、前記第2の内視鏡器具は、前記本体と前記デュアルルーメンカテーテルの前記第2のルーメンを通って延びる、システム。
【請求項5】
前記第1の内視鏡器具はラジアル超音波プローブであり、前記第2の内視鏡器具は生検針である、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記第2の内視鏡器具は、前記デュアルルーメンカテーテル内の第1の位置と第2の位置との間で横方向に移動するように構成される、請求項4に記載のシステム。
【請求項7】
前記取付部材は、スナップロック構成で前記第2の内視鏡器具のハンドルアセンブリを受け入れるように構成される、請求項4又は5に記載のシステム。
【請求項8】
前記ハンドルアセンブリは、前記モジュラーアセンブリの前記本体に沿って横方向に移動するように構成される、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記ハンドルアセンブリは、前記第2の内視鏡器具の遠位端が前記デュアルルーメンカテーテルの前記第2のルーメン内に配置される第1の位置と、前記第2の内視鏡器具の前記遠位端が前記デュアルルーメンカテーテルの遠位端を超えて延びる第2の位置とから移動するように構成される、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記ハンドルアセンブリは、前記第2の内視鏡器具を前記第1の位置と前記第2の位置との間で移動させるように構成されたプランジャを含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記デュアルルーメンカテーテルは、気管支鏡の作業チャネルを通って延びるように構成される、請求項4~10のいずれか一項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、医療装置の分野に関する。特に、本発明は、末梢肺結節を直接視覚化して生検するためのモジュラーアセンブリ、システム、及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
肺系の複雑な解剖学的構造により、肺の末梢領域にある肺結節から生検サンプルを正確かつ効率的に採取するための複雑な要因は、生検サンプルを採取している間、及び/又は生検器具が気管支鏡の作業チャネルを介して再配置又は交換されている間に、対象となる肺結節を直接視覚化することができないことである。
【0003】
従って、本発明のモジュラーアセンブリ、システム、及び使用方法によって、様々な有利な医学的成果が実現され得る。
【発明の概要】
【0004】
一態様において、本発明のモジュラーアセンブリは、本体の遠位端に取り付けられたデュアルルーメンカテーテルを含み得る。第1のルーメンが、本体を通って延び得る。第1のルーメンは、デュアルルーメンカテーテルの第1のルーメンと連続し得る。第2のルーメンが、本体を通って延び得る。第2のルーメンは、デュアルルーメンカテーテルの第2のルーメンと連続し得る。取付部材が、本体内の第2のルーメンの近位端に形成され得る。
【0005】
説明された実施形態及び他の実施形態において、本体とデュアルルーメンカテーテルの両第1のルーメンは、当該両第1のルーメンを通して第1の内視鏡器具を受け入れるように構成され得る。本体とデュアルルーメンカテーテルの両第2のルーメンは、当該両第2のルーメンを通して第2の内視鏡器具を受け入れるように構成され得る。第1の支持構造体が、第1のルーメンの近位端において本体の近位端に取り付けられ得る。第2の支持構造体が、第1のルーメンの遠位端において本体の遠位端に取り付けられ得る。取付部材は、スナップロック構成で第2の内視鏡器具のハンドルアセンブリを受け入れるように構成され得る。
【0006】
別の態様において、本発明は、モジュラーアセンブリを含むシステムに関する。モジュラーアセンブリは、本体の遠位端に取り付けられたデュアルルーメンカテーテルを含み得る。第1のルーメンが、本体を通って延び得る。第1のルーメンは、デュアルルーメンカテーテルの第1のルーメンと連続し得る。第2のルーメンが、本体を通って延び得る。第2のルーメンは、デュアルルーメンカテーテルの第2のルーメンと連続し得る。取付部材が、本体内の第2のルーメンの近位端に形成され得る。第1の内視鏡器具は、本体とデュアルルーメンカテーテルの第1のルーメンを通って延び得る。第2の内視鏡器具は、本体とデュアルルーメンカテーテルの第2のルーメンを通って延び得る。
【0007】
説明された実施形態及び他の実施形態において、第1の内視鏡器具はラジアル超音波プローブを含み得るとともに、第2の内視鏡器具は生検針を含み得る。第2の内視鏡器具は、デュアルルーメンカテーテル内の第1の位置と第2の位置との間で横方向に移動するように構成され得る。取付部材は、スナップロック構成で第2の内視鏡器具のハンドルアセンブリを受け入れるように構成され得る。ハンドルアセンブリは、モジュラーアセンブリの本体に沿って横方向に移動するように構成され得る。ハンドルアセンブリは、第2の内視鏡器具の遠位端がデュアルルーメンカテーテルの第2のルーメン内に配置され得る第1の位置と、第2の内視鏡器具の遠位端がデュアルルーメンカテーテルの遠位端を超えて延び得る第2の位置とから移動するように構成され得る。ハンドルアセンブリは、第2の内視鏡器具を第1の位置と第2の位置との間で移動させるように構成されたプランジャを含み得る。デュアルルーメンカテーテルは、気管支鏡の作業チャネルを通って延びるように構成され得る。第2の内視鏡器具は、デュアルルーメンカテーテルに柱状の支持を提供し得る。第1の支持構造体が、第1のルーメンの近位端において本体の近位端に取り付けられ得る。第2の支持構造体が、第1のルーメンの遠位端において本体の遠位端に取り付けられ得る。第1及び第2の支持構造体は、第1のルーメンに漏れ防止シールを提供し得る。
【0008】
さらに別の態様において、本発明は、気管支鏡を患者の肺通路に前進させることを備え得る方法に関する。デュアルルーメンカテーテルは、デュアルルーメンカテーテルの遠位端が気管支鏡の遠位端を超えて延び得るように、気管支鏡の作業チャネルを通って前進させ得る。第1の肺結節が、デュアルルーメンカテーテルの第1のルーメンを通って延び得る第1の内視鏡器具で視覚化され得る。第1の肺結節の生検サンプルが、デュアルルーメンカテーテルの第2のルーメンを通って延びる第2の内視鏡器具を用いて取得され得る。
【0009】
説明された実施形態及び他の実施形態において、第1の肺結節を視覚化すること、及び、第1の肺結節の生検サンプルを取得することは、第1の器具を別の器具と交換する必要なしに起こり得る。本方法は、肺通路内の第1の内視鏡器具の位置を変えることなく、デュアルルーメンカテーテルの第2のルーメン内から第2の内視鏡器具を取り外すことをさらに含み得る。本方法は、第2の内視鏡器具内から生検サンプルを排出することをさらに含み得る。本方法は、デュアルルーメンカテーテルの第2のルーメンを通して第2の内視鏡器具を前進させることをさらに含み得る。本方法は、第2の肺結節を視覚化するために、肺通路を通してデュアルルーメンカテーテルを前進させることをさらに含み得る。本方法は、第2の内視鏡器具を用いて第2の肺結節の生検サンプルを取得することをさらに含み得る。第1の肺結節は、偏心性肺結節を含み得る。
【0010】
本発明の非限定的な実施形態は、概略的であり、縮尺通りに描かれることを意図されていない添付の図を参照して例として説明されている。各図において、図示されている各同一又は同等の構成要素は、通常、単一の数字で表されている。明確にするために、すべての図にすべての構成要素がラベル付けされているわけではなく、また当業者が開示を理解できるようにするために図示が必要でない場合、各実施形態のすべての構成要素が示されているわけでもない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の一実施形態による、直接視覚化及び生検アセンブリの斜視図。
【
図2】本発明の一実施形態による、直接視覚化及び生検アセンブリの斜視図。
【
図3】本発明の一実施形態による、直接視覚化及び生検アセンブリの斜視図。
【
図4A】本発明の一実施形態による、直接視覚化及び生検アセンブリの遠位部分の斜視図。
【
図4B】本発明の一実施形態による、直接視覚化及び生検アセンブリの遠位部分の斜視図。
【
図4C】本発明の一実施形態による、直接視覚化及び生検アセンブリの遠位部分の斜視図。
【
図5】本発明の一実施形態による、生検サンプルを取得する直接視覚化及び生検アセンブリの概略図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、本明細書に記載された特定の実施形態に限定されない。本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的としており、添付の特許請求の範囲を逸脱して限定することを意図するものではない。別段の定義がない限り、本明細書で使用されるすべての専門用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。
【0013】
本発明の実施形態は、肺の末梢領域内の肺結節の二重機能の視覚化及び診断サンプリングを提供するように設計されたモジュラーアセンブリ、システム及び方法を具体的に参照して説明されるが、そのようなアセンブリ、システム及び方法は、様々な異なる体腔及び/又は身体通路内のさまざまな組織を視覚化及び操作するために使用することができることを理解すべきである。
【0014】
本明細書で使用されるように、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈が明らかに他のことを示さない限り、複数形をも含むことを意図している。本明細書で使用される場合、「備える/からなる」及び/又は「備えている/からなる」又は「含む」及び/又は「含んでいる」という用語は、記載された特徴、領域、ステップ要素及び/又は構成要素の存在を指定するが、1つ以上の他の特徴、領域、整数、ステップ、操作、要素、構成要素、及び/又はそれらのグループの存在又は追加を排除するものではない。
【0015】
本明細書で使用される場合、「遠位」という用語は、装置を患者に導入するときに医療専門家から最も遠い端を指し、「近位」という用語は、装置を患者に導入するときに医療専門家に最も近い端を指す。
【0016】
様々な実施形態において、本発明は、一般に、内視鏡検査手順中の二重機能で使用するために構成された人間工学的ハンドル及びカテーテルを含み得る直接視覚化及び生検モジュラーアセンブリ(例えば、モジュラーツールアタッチメント)に関する。非限定的な例として、モジュラーアセンブリは、気管支鏡の作業チャネル内で使用するように構成され、肺の末梢領域の孤立性肺結節のリアルタイムでの視覚化(例えば、放射状超音波画像化)及び操作(例えば、診断生検サンプリング)を提供し得る。本明細書に開示されているように、様々な実施形態において、モジュラーアセンブリは、(例えば、第1の内視鏡器具を用いて)肺結節の直接視覚化を維持しながら、肺の末梢領域内で内視鏡ツール/器具(例えば、第2内視鏡器具)を再配置及び/又は交換するように構成され得る。追加的に、又は代替的に、モジュラーアセンブリは、医療専門家が片手で、当該モジュラーアセンブリに取り付けられた内視鏡ツール/器具にアクセスし、ロックし、及び/又は操作することを可能にするように構成され得る。
【0017】
図1を参照すると、一実施形態において、本発明のモジュラーアセンブリ100は、本体110(例えば、ハウジング、人間工学的ハンドルなど)の近位端に取り付けられた、或いは近位端から延びる、可撓性デュアルルーメンカテーテル112(例えば、デュアルルーメン細長シャフトなど)を含み得る。第1及び第2のルーメン114、116は、当該第1のルーメン114がデュアルルーメンカテーテル112の第1のルーメン115と連続し(例えば、同一の拡がりを持ち)、当該第2のルーメン116がデュアルルーメンカテーテル112のルーメン117と連続するように、本体110を通って延び得る。様々な実施形態において、本体110及びデュアルルーメンカテーテル112の、連続する第1のルーメン114、115は、その中に第1の内視鏡器具140(例えば、ラジアル超音波プローブ)を、例えば、回転可能に受け入れるように構成され得るとともに、本体110及びデュアルルーメンカテーテル112の、連続する第2のルーメン116、117は、その中に第2の内視鏡器具150(例えば、生検針)を、スライド可能に及び/又は回転可能に受け入れるように構成され得る。取付部材118は、第2のルーメン116の近位端において、又は、第2のルーメン116の近位端に隣接して、本体110内に形成されるか、或いは取り付けられ得る。後述するように、様々な実施形態において、取付部材118は、スナップロック構成で第2の内視鏡器具150の対応する面(例えば、第2の内視鏡器具のハンドルアセンブリ154)を受容し/係合するように構成され得る。その態様では、当該第2の内視鏡器具150が本体110の長手方向軸に沿って/相対的に横方向(例えば、前後方向)に動き得る。
【0018】
一実施形態において、第1の支持構造体120は、第1のルーメン114の近位端又はその近傍で本体110に取り付けられるか、又は本体110と一体的に形成され得るとともに、第2の支持構造体122は、第1及び第2のルーメン114、116の遠位端又はその近傍で本体110に取り付けられるか、又は本体110と一体的に形成され得る。様々な実施形態において、第1及び第2の支持構造体120、122は、超音波画像の品質を損なうか、或いは悪影響を及ぼす可能性のある、連続する第1のルーメン114、115を通って延びる第1の内視鏡器具140(例えば、放射状超音波プローブ)の屈曲又はねじれを排除、最小化、又は低減するように構成され得る。例えば、第1及び第2の支持構造体120、122は、例えば、デュアルルーメンカテーテル112の全長にわたってラジアル超音波プローブの必要な高速回転を可能にするために、第1の内視鏡器具140が本体110及び/又はデュアルルーメンカテーテル112の近位部内で曲がり又は屈曲する程度を制限し得る。追加的に、又は代替的に、第1及び第2の支持構造体120、122は、例えば、他の医療装置及び/又はモジュラーアセンブリを操作する医療専門家の手に接触することによって、本体110に作用する外力が本体110を介して伝搬し、超音波信号を妨害するか、又はその他の方法で破損することを防止、最小化、又は排除するために、減衰又は絶縁機能を提供し得る。様々な追加の実施形態において、第1及び第2の支持構造体120、122は、本体110の第1のルーメン114の近位端及び遠位端で漏れ防止シールを提供し得る。それにより、本体110とデュアルルーメンカテーテル112の、連続する第1のルーメン114、115を介して(例えば、第1のルーメン114、115内から空気を除去するために、及び/又は肺通路での超音波信号の伝播を改善するために)フラッシュされた流体が、患者及び/又は本体110とデュアルルーメンカテーテル112の、連続する第2のルーメン116、117に漏れないようにする。
【0019】
図2を参照すると、一実施形態において、本発明のシステム200は、本体110及びデュアルルーメンカテーテル112の第1のルーメン114、115内に配置された第1の内視鏡器具140(例えば、放射状超音波プローブ)を含み得る。その態様においては、当該第1の内視鏡器具140の遠位端に配置された超音波トランスデューサ142がデュアルルーメンカテーテル112の遠位端を超えて延びる(
図4A)。様々な追加の実施形態において、第2の内視鏡器具150(例えば、細長い生検針)は、本体110及びデュアルルーメンカテーテル112の第2のルーメン116、117内に摺動可能に配置されて、第2の内視鏡器具150の鋭利な遠位端152を、例えば、第2のルーメン117内で近位に退避され、遮蔽され、すなわち保護された第1の位置(
図4A)と、例えば、第2の内腔117内を超えて遠位に伸張され、すなわち第2のルーメン117内から露出された第2の位置(
図4B)との間で移動させる。
【0020】
一実施形態において、第2の内視鏡器具150のハンドルアセンブリ154(
図3)は、スナップロック構成で本体110の取付部材118と係合し得る。様々な実施形態において、第2の内視鏡器具150の近位部分は、ハンドルアセンブリ154を通って延び得る。その態様では、当該第2の内視鏡器具150の近位端がハンドルアセンブリ154の近位端を超えて延びるプランジャ156に取り付けられる。ばね158が、第2の内視鏡器具150の一部の外周の周りに配置され得る。その態様では、プランジャ156が第1の位置(例えば、押し下げられていない、展開されていない)と第2の位置(例えば、押し下げられている、展開されている)との間を移動し得る。
【0021】
図4A~4Cを参照すると、様々な実施形態において、ハンドルアセンブリ154は、第2の内視鏡器具150の鋭利な遠位端152が第1の位置にある近位的に退避した位置(
図4A)と、第2の内視鏡器具の鋭利な遠位端152が第2の位置にある遠位的に伸長した位置(
図4B)との間で、モジュラーアセンブリ100の本体110の長手方向軸に沿って、横方向に移動(例えば、前後にスライド)し得る。様々な追加的な実施形態において、ハンドルアセンブリ154が遠位に伸張された位置にあり、第2の内視鏡器具150の鋭利な遠位端152が第2の位置にある状態で、プランジャ156を第1の位置から第2の位置に移動させて、第2の内視鏡器具150の鋭利な遠位端152を超音波トランスデューサ142(
図4C)に対して相対的にさらに遠位に前進させ得る。
【0022】
図5を参照すると、使用時に、例として、気管支鏡(図示せず)を患者の肺の通路に(例えば、食道を通って)前進させ得る。次いで、モジュラーアセンブリ100のデュアルルーメンカテーテル112は、気管支鏡の作業チャネルに導入され、さらに、例えば、モジュラーアセンブリ100の本体110を保持する医療専門家によって、当該作業チャネルを通って遠位方向に進められ得る。デュアルルーメンカテーテル112は、第1の肺結節160を識別するために、デュアルルーメンカテーテル112の遠位端を越えて伸張する超音波トランスデューサ器142によって提供されるラジアル超音波直接撮像ガイダンスの下で、気管支鏡の遠位端を越え、かつ、肺の末梢領域(例えば、初期の癌性肺結節が形成される傾向がある場所)内に遠位方向に前進させ得る。次いで、第2の内視鏡器具150のハンドルアセンブリ154は、デュアルルーメンカテーテル112の第2のルーメン117内から第2の内視鏡器具150の鋭利な遠位端152を露出するために、近位に退避した位置から遠位の伸張した位置に、モジュラーアセンブリ100の本体110の長手方向軸に沿って横方向に動かされ得る。様々な実施形態において、第2の内視鏡器具150の鋭利な遠位端152は、肺結節160及び鋭利な遠位端152を同時に撮像し得るように、超音波トランスデューサ142に概ね隣接するか、又はわずかに遠位に延び得る。様々な実施形態において、モジュラーアセンブリ100の本体110は、第2の内視鏡器具150の鋭利な遠位端152を肺結節160と位置合わせ/整合させるために、回転及び/又は遠位方向に前進し得る。次いで、プランジャ156を第1の位置と第2の位置との間で繰り返し動かして、第2の内視鏡器具150の鋭利な遠位端152を肺結節160内に伸張/前進させ得る。様々な実施形態において、プランジャ156は、診断分析のために第2の内視鏡器具150の鋭利な遠位端152のルーメン内に肺結節160の生検サンプルの十分な量及び位置を確実に取得するように、複数回(例えば、12~15回)押し下げられ得る。
【0023】
様々な実施形態において、次いで、デュアルルーメンカテーテル112が気管支鏡の作業チャネル内に配置されたままの状態で、ハンドルアセンブリ154が本体110の取付部材118から取り外され得るとともに、第2の内視鏡器具150が本体110及びデュアルルーメンカテーテル112の、連続する第2のルーメン116、117を通して引き抜かれ/引き込まれ得る。次いで、生検サンプルが診断分析のために第2の内視鏡器具150のルーメン内から排出され得るとともに、第2の内視鏡器具150(例えば、同じ第2の内視鏡器具又は異なる/第2の内視鏡器具)が連続する第2のルーメン116、117を通して再挿入/挿入され得る。その態様では、鋭利な遠位端152がデュアルルーメンカテーテル112内の第1の位置(
図4A)に戻るとともに、超音波トランスデューサ142は第1の肺結節160に隣接して視覚化したままである。様々な実施形態において、上述したステップを繰り返すことによって、第1の肺結節160から追加の生検サンプルを取得し得る。代替的に、デュアルルーメンカテーテル112は、第2の肺結節(図示せず)を視覚化するために、肺の末梢領域内に再配置され(例えば、より遠位の末梢領域又は異なる末梢枝に進められ)得る。次いで、第2の肺結節から生検サンプルを得るために、上述したようにハンドルアセンブリ154及びプランジャ156を作動させ、第2の内視鏡器具150の鋭利な遠位端152を再配置及び/又は回転させ得る。
【0024】
様々な実施形態において、上述したモジュラーアセンブリ100及びシステム200は、従来のアセンブリ及びシステムと比較して、様々な利点を提供し得る。非限定的な例として、第1の利点は、デュアルルーメンカテーテル112の第2のルーメン117を通って延びる第2の内視鏡器具150によって提供され得ることであり、これは、第1の内視鏡器具140を、狭く曲がりくねった肺通路内での過度の曲げ、ねじれ、又はキンクから保護するために、デュアルルーメンカテーテル112に柱状の支持を提供し得る。第2の利点は、第2の内視鏡器具150の鋭利な遠位端152によって提供され得る。該鋭利な遠位端152は、肺結節が撮像される際にデュアルルーメンカテーテル112内に維持されることにより、装置の交換を必要とせずに撮像時に生検サンプルを取得することを可能にする。第3の利点は、ハンドルアセンブリのプランジャとばねによって提供され得る。これにより、医療専門家が、例えば、肺結節から十分な生検サンプルを取得するために、片手で第2の内視鏡器具を作動させることが可能になり得る。第4の利点は、デュアルルーメンカテーテル112の第1及び第2のルーメン115、117の横並び構成によって提供され得る。これにより、医療専門家は、(例えば、第2の内視鏡器具150が第1の内視鏡器具140の軸を中心に/軸に対して相対的に回転するときに)肺結節の視覚化を維持しながら、第2の内視鏡器具150の鋭利な遠位端152を偏心性肺結節を整合させるために、モジュラーアセンブリ100の本体110を回転させることを可能にし得る。第4の利点は、シングルユーザ制御用又はマルチユーザ制御用に構成されたモジュラーアセンブリ100の本体110によって提供され得る。例えば、マルチユーザ制御は、第1の医療専門家(例えば、医師)が第1の内視鏡器具140を標的肺結節に隣接して配置するとともに第2の医療専門家(例えば、医療助手)が第1の医療専門家の指示で第2の内視鏡器具150を操作すること(例えば、生検サンプルを取得し、作業チャネルを介して第2の内視鏡器具を取り外す)を可能にし得る。代替的に、シングルユーザ制御は、医療専門家が、一方の手で第1の内視鏡器具140を操作し、他方の手で第2の内視鏡器具150を操作することを可能にし得る。
【0025】
様々な実施形態において、本発明の第2の内視鏡器具150は、生検針に限定されるものではなく、例えば、電気焼灼用ナイフ、クリップ、ブラシ、ハサミ、把持子、鉗子、レーザー切除要素などを含む、身体通路内の標的組織を操作するように構成された様々な医療器具を含み得る。本明細書で使用できる他の末梢肺結節の視覚化及び/又は生検技術、特徴、及び/又は構成要素は、本明細書と同日付で出願された「ラジアル超音波ポート及びフラッシュポートの調整可能なメカニズムを提供する装置」と題された米国非仮特許出願、弁護士ドケット番号8150.0600に開示されており、その全体は、参照により本明細書に組み込まれ、及び/又は本明細書に同日付で出願された「医用画像装置、システム、及び方法」と題された米国非仮特許出願、弁護士整理番号8150.0746に開示されており、その全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0026】
(付記)
好ましい実施形態として、上記実施形態から把握できる技術的思想について、以下記載する。
[項目1]
モジュラーアセンブリであって、
本体を備え、
前記本体の遠位端に取り付けられたデュアルルーメンカテーテルを備え、
前記本体を通って延びる第1のルーメンを備え、前記第1のルーメンは、前記デュアルルーメンカテーテルの第1のルーメンに連続し、
前記本体を通って延びる第2のルーメンを備え、前記第2のルーメンは、前記デュアルルーメンカテーテルの第2のルーメンに連続し、
取付部材を備え、前記取付部材は、前記第2のルーメンの近位端において前記本体内に形成され、
前記第1のルーメンの近位端において前記本体の近位端に取り付けられた第1の支持構造体を備え、
前記第1のルーメンの遠位端において前記本体の遠位端に取り付けられた第2の支持構造体を備え、前記第1及び第2の支持構造体が前記第1のルーメンに漏れ防止シールを提供する
モジュラーアセンブリ。
[項目2]
前記本体と前記デュアルルーメンカテーテルの両第1のルーメンは、当該両第1のルーメンを通る第1の内視鏡器具を受け入れるように構成され、前記本体と前記デュアルルーメンカテーテルの両第2のルーメンは、当該両第2のルーメンを通る第2の内視鏡器具を受け入れるように構成される、項目1に記載のモジュラーアセンブリ。
[項目3]
前記取付部材は、スナップロック構成で第2の内視鏡器具のハンドルアセンブリを受け入れるように構成される、項目2に記載のモジュラーアセンブリ。
[項目4]
システムであって、
モジュラーアセンブリを備え、該モジュラーアセンブリは、
本体と、
前記本体の遠位端に取り付けられたデュアルルーメンカテーテルと、
前記本体を通って延び、前記デュアルルーメンカテーテルの第1のルーメンに連続する第1のルーメンと、
前記本体を通って延び、前記デュアルルーメンカテーテルの第2のルーメンに連続する第2のルーメンと、
前記第2のルーメンの近位端において前記本体内に形成された取付部材と、
前記第1のルーメンの近位端において前記本体の近位端に取り付けられた第1の支持構造体と、
前記第1のルーメンの遠位端において前記本体の遠位端に取り付けられた第2の支持構造体と
を備え、前記第1及び第2の支持構造体が前記第1のルーメンに漏れ防止シールを提供し、
第1の内視鏡器具を備え、前記第1の内視鏡器具は、前記本体と前記デュアルルーメンカテーテルの前記第1のルーメンを通って延び、
第2の内視鏡器具を備え、前記第2の内視鏡器具は、前記本体と前記デュアルルーメンカテーテルの前記第2のルーメンを通って延びる、システム。
[項目5]
前記第1の内視鏡器具はラジアル超音波プローブであり、前記第2の内視鏡器具は生検針である、項目4に記載のシステム。
[項目6]
前記第2の内視鏡器具は、前記デュアルルーメンカテーテル内の第1の位置と第2の位置との間で横方向に移動するように構成される、項目4に記載のシステム。
[項目7]
前記取付部材は、スナップロック構成で前記第2の内視鏡器具のハンドルアセンブリを受け入れるように構成される、項目4又は5に記載のシステム。
[項目8]
前記ハンドルアセンブリは、前記モジュラーアセンブリの前記本体に沿って横方向に移動するように構成される、項目7に記載のシステム。
[項目9]
前記ハンドルアセンブリは、前記第2の内視鏡器具の遠位端が前記デュアルルーメンカテーテルの前記第2のルーメン内に配置される第1の位置と、前記第2の内視鏡器具の前記遠位端が前記デュアルルーメンカテーテルの遠位端を超えて延びる第2の位置とから移動するように構成される、項目8に記載のシステム。
[項目10]
前記ハンドルアセンブリは、前記第2の内視鏡器具を前記第1の位置と前記第2の位置との間で移動させるように構成されたプランジャを含む、項目9に記載のシステム。
[項目11]
前記デュアルルーメンカテーテルは、気管支鏡の作業チャネルを通って延びるように構成される、項目4~10のいずれか一項に記載のシステム。
本明細書に開示及び特許請求されるすべての装置及び/又は方法は、本発明に照らして、過度の実験なしに作成及び実行することができる。本発明の装置及び方法は、好ましい実施形態に関して説明されてきたが、本発明の概念、精神及び範囲から逸脱することなく、変形例を装置及び/又は方法に、並びに本明細書に記載した方法のステップ又はステップのシーケンスに適用可能であることは当業者には明らかであり得る。当業者に明らかなそのようなすべての同様の代替物及び修正は、添付の特許請求の範囲によって定義される開示の精神、範囲及び概念の範囲内であるとみなされる。
【手続補正書】
【提出日】2023-05-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モジュラーアセンブリであって、
本体を備え、
前記本体の遠位端に取り付けられたデュアルルーメンカテーテルを備え、
前記本体を通って延びる第1のルーメンを備え、前記第1のルーメンは、前記デュアルルーメンカテーテルの第1のルーメンに連続し、
前記本体を通って延びる第2のルーメンを備え、前記第2のルーメンは、前記デュアルルーメンカテーテルの第2のルーメンに連続し、
取付部材を備え、前記取付部材は、前記第2のルーメンの近位端において前記本体内に形成され、
前記第1のルーメンの近位端において前記本体の近位端に取り付けられた第1の支持構造体を備え、
前記第1のルーメンの遠位端において前記本体の遠位端に取り付けられた第2の支持構造体を備え、前記第1及び第2の支持構造体が前記第1のルーメンに漏れ防止シールを提供する
モジュラーアセンブリ。