(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023090888
(43)【公開日】2023-06-29
(54)【発明の名称】モジュール式除細動器アーキテクチャ
(51)【国際特許分類】
A61N 1/39 20060101AFI20230622BHJP
A61N 1/378 20060101ALI20230622BHJP
【FI】
A61N1/39
A61N1/378
【審査請求】有
【請求項の数】38
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023077152
(22)【出願日】2023-05-09
(62)【分割の表示】P 2020540240の分割
【原出願日】2018-09-28
(31)【優先権主張番号】62/566,896
(32)【優先日】2017-10-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/576,228
(32)【優先日】2017-10-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/615,533
(32)【優先日】2018-01-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/652,193
(32)【優先日】2018-04-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/674,711
(32)【優先日】2018-05-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】520114247
【氏名又は名称】アバイブ ソリューションズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】AVIVE SOLUTIONS,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100116322
【弁理士】
【氏名又は名称】桑垣 衛
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュース、ゴードン モーズリー ピー.
(72)【発明者】
【氏名】バイヤー、ローリー エム.
(72)【発明者】
【氏名】ピッコ、デイビッド
(57)【要約】
【課題】除細動器、除細動器アーキテクチャ、除細動器コンポーネント、および除細動器を動作させる方法を提供する。
【解決手段】一態様では、モジュール式除細動器アーキテクチャが記載される。ベースユニットは完全に機能する除細動器を提供する。ベースユニットの機能は、ベースユニットにインタフェースユニットを取り付けるか、スマートフォンをベースユニットに接続することにより補完され得る。このようなデバイスは、接続性を提供すると共に、緊急および保守と監視の両方のアクティビティをサポートするのに役立つ補助グラフィックおよび/またはビデオを表示するための画面を提供する。バッテリーパックは、同様にまたは代替としてベースユニットに結合されて、ユニットのバッテリーの再充電または交換が必要になる前にユニットの保管寿命を延ばし得る。ベースユニットはモバイル通信デバイスなどの接続された外部デバイスから電力を供給され得る。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース除細動器ユニットに取り付けられるように適合された除細動器インタフェースユニットであって、前記ベース除細動器ユニットは、(i)前記除細動器インタフェースユニットが取り付けられた状態、および(ii)前記除細動器インタフェースユニットが取り付けられていない状態の両方で、自動体外式除細動器(AED)として独立して動作することができ、前記除細動器インタフェースユニットは、
前記ベース除細動器ユニットに取り付けられて、前記ベース除細動器ユニットと前記除細動器インタフェースユニットとを組み合わせた単一の携帯型モジュール式除細動器システムの少なくとも一部を形成するように構成されたハウジングと、
前記除細動器インタフェースユニットと1つまたは複数の遠隔サーバとの間の無線通信を容易にするように構成された通信モジュールと、
少なくとも1つのプロセッサを含むとともに、前記ベース除細動器ユニットから通信を受信するように構成された処理ユニットと、
前記通信モジュールおよび前記処理ユニットを含む前記除細動器インタフェースユニットに電力を供給する蓄電ユニットと
を備える、除細動器インタフェースユニット。
【請求項2】
前記処理ユニットによって制御されるとともに、前記蓄電ユニットによって電力供給されるディスプレイ画面をさらに備える、請求項1に記載の除細動器インタフェースユニット。
【請求項3】
全地球測位衛星システム(GNSS)センサをさらに備え、前記除細動器インタフェースユニットは、前記GNSSセンサを使用して前記除細動器インタフェースユニットの位置を判定し、前記除細動器インタフェースユニットの位置を前記1つまたは複数の遠隔サーバのうちの少なくとも1つの選択された遠隔サーバに報告するように構成されている、請求項1または2に記載の除細動器インタフェースユニット。
【請求項4】
前記除細動器インタフェースユニットは、前記携帯型モジュール式除細動器システムの緊急使用中に前記GNSSセンサを使用して前記除細動器インタフェースユニットの位置を判定し、前記携帯型モジュール式除細動器システムの緊急使用中に前記除細動器インタフェースユニットの位置を前記選択された遠隔サーバに報告するように構成されている、請求項3に記載の除細動器インタフェースユニット。
【請求項5】
前記除細動器インタフェースユニットは、前記ベース除細動器ユニットからステータスメッセージを受信するとともに、受信された前記ステータスメッセージに含まれる少なくともいくつかのステータス情報を前記1つまたは複数の遠隔サーバのうちの選択された1つに送信するようにさらに構成されている、請求項1~4のいずれか一項に記載の除細動器インタフェースユニット。
【請求項6】
前記処理ユニットは、前記携帯型モジュール式除細動器システムの緊急使用中に前記ベース除細動器ユニットからステータスメッセージを受信するとともに、前記携帯型モジュール式除細動器システムの緊急使用中に、受信された前記ステータスメッセージに含まれる少なくともいくつかのステータス情報を前記1つまたは複数の遠隔サーバのうちの選択された1つに送信するようにさらに構成されている、請求項1~4のいずれか一項に記載の除細動器インタフェースユニット。
【請求項7】
前記処理ユニットは、
前記携帯型モジュール式除細動器システムの緊急使用中に、前記通信モジュールを介して前記1つまたは複数の遠隔サーバのうちの少なくとも選択された1つに第1の情報を送信させること、
前記携帯型モジュール式除細動器システムの緊急使用中に、ディスプレイ画面上でオペレータに第2の情報を提示させること
により、前記携帯型モジュール式除細動器システムの緊急使用中に、前記ベース除細動器ユニットから受信した前記通信の少なくとも一部に従って動作するように構成されている、請求項1~4のいずれか一項に記載の除細動器インタフェースユニット。
【請求項8】
前記通信モジュールは、セルラー通信およびWiFi通信のうちの少なくとも1つを容易にする、請求項1~7のいずれか一項に記載の除細動器インタフェースユニット。
【請求項9】
前記処理ユニットと、前記通信モジュールおよび前記蓄電ユニットの少なくとも一部とは、前記ハウジング内に収容されている、請求項1~8のいずれか一項に記載の除細動器インタフェースユニット。
【請求項10】
前記携帯型モジュール式除細動器システムの緊急使用中、前記プロセッサは、
(i)前記ベース除細動器ユニットによって生成された音声指示を示す指示状態識別子を除細動器コントローラから受信し、
(ii)前記指示状態識別子に対応する視覚的指示であって、オペレータ指示のうちの1つである視覚的指示を、前記除細動器インタフェースユニットのメモリから検索し、
(iii)検索された前記視覚的指示をディスプレイ画面上に表示させて、前記ディスプレイ画面上の前記視覚的指示の、前記ベース除細動器ユニットによって生成された前記音声指示との同期された表示を容易にし、
(iv)複数の異なる指示状態識別子に対して(i)~(iii)を繰り返す
ように構成されている、請求項1~9のいずれか一項に記載の除細動器インタフェースユニット。
【請求項11】
前記プロセッサは、(v)各除細動器指示状態識別子の受信に応答して、現在表示されているグラフィックが、受信された前記除細動器指示状態識別子に対応しているかどうかを判定し、(vi)前記受信された除細動器指示状態識別子が現在表示されているグラフィック指示に対応すると判定された場合、前記現在表示されているグラフィック指示を維持し、(vii)前記受信された除細動器指示状態識別子が新しい除細動器指示状態識別子であるように、前記受信された除細動器指示状態識別子が前記現在表示されているグラフィック指示に対応していないと判定された場合、前記新しい除細動器指示状態識別子に関してステップ(ii)および(iii)を実行するようにさらに構成されている、請求項10に記載の除細動器インタフェースユニット。
【請求項12】
前記視覚的指示のうちの少なくとも1つは、GIF、短いアニメーション、または画像シーケンスのうちの少なくとも1つであるか、またはGIF、短いアニメーション、または画像シーケンスのうちの少なくとも1つを含む、請求項10または11に記載の除細動器インタフェースユニット。
【請求項13】
前記除細動器インタフェースユニットは、前記処理ユニットが、前記携帯型モジュール式除細動器システムの緊急使用中に、前記ベース除細動器ユニットによって提供されるユーザ指示の態様、または前記ベース除細動器ユニットの
心停止検出ワークフロー、
放電キャパシタ充電ワークフロー、または
除細動ショック送出ワークフロー
の態様を制御する制御指示を前記ベース除細動器ユニットに送信できないように構成されている、請求項1~12のいずれか一項に記載の除細動器インタフェースユニット。
【請求項14】
前記除細動器インタフェースユニットの面に、外部に露出した第1のコネクタをさらに備え、前記第1のコネクタは、前記除細動器インタフェースユニットが前記ベース除細動器ユニットに搭載され、取り付けられた場合に、前記ベース除細動器ユニットの面に露出した相補的コネクタと係合して、前記除細動器インタフェースユニットを前記ベース除細動器ユニットに電気的に接続するように適合されている、請求項1~13のいずれか一項に記載の除細動器インタフェースユニット。
【請求項15】
前記蓄電ユニットは、再充電可能なインタフェースユニットバッテリーである、請求項1~14のいずれか一項に記載の除細動器インタフェースユニット。
【請求項16】
前記バッテリーは、前記除細動器インタフェースユニットが前記ベース除細動器ユニットに搭載され、取り付けられている間に、前記ベース除細動器ユニットの蓄電ユニットから電力を引き出すことなく、第1のコネクタを介して受信される電力によって、選択された時間に再充電されるように構成されている、請求項15に記載の除細動器インタフェースユニット。
【請求項17】
前記除細動器インタフェースユニットは、第1のコネクタを介して前記蓄電ユニットから前記ベース除細動器ユニットに電力を供給するように構成されている、請求項1~16のいずれか一項に記載の除細動器インタフェースユニット。
【請求項18】
前記除細動器インタフェースユニットは、前記除細動器インタフェースユニットが前記ベース除細動器ユニットに取り付けられている場合に、前記ベース除細動器ユニットの蓄電ユニットから電力を引き出さないように構成されている、請求項1~17のいずれか一項に記載の除細動器インタフェースユニット。
【請求項19】
前記除細動器インタフェースユニットは、ベース除細動器ユニットと組み合わせて使用される以外の実質的な機能を有しない、請求項1~18のいずれか一項に記載の除細動器インタフェースユニット。
【請求項20】
前記除細動器インタフェースユニットは、前記ベース除細動器ユニットがスタンバイモードにある場合に前記ベース除細動器ユニットからステータスメッセージを周期的に受信し、前記ベース除細動器ユニットが前記スタンバイモードにある場合に前記通信モジュールに除細動器ステータス情報を前記遠隔サーバのうちの1つまたは複数に周期的に送信させるようにさらに構成されている、請求項1~19のいずれか一項に記載の除細動器インタフェースユニット。
【請求項21】
前記除細動器インタフェースユニットは、前記遠隔サーバから除細動器ソフトウェア更新を受信し、前記ベース除細動器ユニットにインストールするために前記ソフトウェア更新を前記ベース除細動器ユニットに送信するように構成されている、請求項1~20のいずれか一項に記載の除細動器インタフェースユニット。
【請求項22】
前記ハウジングは、前記ベース除細動器ユニットに取り外し可能に取り付けられるように構成されている、請求項1~21のいずれか一項に記載の除細動器インタフェースユニット。
【請求項23】
請求項1~22のいずれか一項に記載の除細動器インタフェースユニットと、前記ベース除細動器ユニットとを備える携帯型モジュール式除細動器システム。
【請求項24】
前記ベース除細動器ユニットは、除細動ショックを送出するのに適したキャパシタユニットと、前記除細動ショックを送出するのに適したレベルまで前記キャパシタユニットを独立して充電を容易にするのに十分なエネルギーを蓄積することができるバッテリーとを含み、前記ベース除細動器ユニットは、除細動ショックがいつ推奨されるかを判定して前記除細動ショックを送出することが独立して可能である、請求項23に記載の携帯型モジュール式除細動器システム。
【請求項25】
前記ベース除細動器ユニットは、前記ベース除細動器ユニットの緊急使用中に前記除細動器インタフェースユニットに情報を送信するように構成されており、前記ベース除細動器ユニットは、前記ベース除細動器ユニットの緊急使用中に、取り付けられた前記除細動器インタフェースユニットからの制御指示を必要としないか、または利用せず、
前記除細動器インタフェースユニットは、前記ベース除細動器ユニットと関連して動作する以外に実質的な機能を有しないが、前記ベース除細動器ユニットの緊急使用中に前記ベース除細動器ユニットが適切に動作するために必要ではない、請求項23または24に記載の携帯型モジュール式除細動器システム。
【請求項26】
前記ベース除細動器ユニットは、前記ベース除細動器ユニットの緊急使用中に前記除細動器インタフェースユニットにインシデント情報を送信させるように構成された除細動器コントローラをさらに含み、
前記除細動器インタフェースユニットは、ディスプレイ画面を含み、(a)前記遠隔サーバに前記インシデント情報の少なくとも一部を送信すること、(b)ユーザ要求に応答して前記インシデント情報の少なくとも一部をユーザに表示することの両方を行うように構成されている、請求項23または24に記載の携帯型モジュール式除細動器システム。
【請求項27】
前記インシデント情報は、前記ベース除細動器ユニットの緊急使用中に送出される各除細動ショックについて、
(i)前記除細動ショックが送出された時刻を示すタイムスタンプと、
(ii)前記除細動ショックのために送出されるエネルギーレベルと、
(iii)前記除細動ショックに関連する波形と
を含む、請求項26に記載の携帯型モジュール式除細動器システム。
【請求項28】
前記ベース除細動器ユニットは、前記除細動器インタフェースユニットにセルフテスト情報を周期的に送信するように構成されており、前記除細動器インタフェースユニットは、前記1つまたは複数の遠隔サーバのうちの第1の遠隔サーバに前記セルフテスト情報を転送するように構成されている、請求項23~27のいずれか一項に記載の携帯型モジュール式除細動器システム。
【請求項29】
前記除細動器インタフェースユニットは、該インタフェースユニットがベース除細動器ユニットに接続されていない場合に機能することができない、請求項23~28のいずれか一項に記載の携帯型モジュール式除細動器システム。
【請求項30】
除細動器であって、
除細動器コントローラと、
除細動ショックを患者に送出するのに十分なエネルギーを蓄積および放電するように構成されたキャパシタユニットと、
前記除細動ショックの送出に適した電圧まで前記キャパシタユニットを充電するように構成された充電回路と、
前記キャパシタユニットを放電して前記除細動ショックを送出するのに適した放電回路と、
遠隔サーバとの無線通信を容易にする接続モジュールを含むインタフェースユニットに前記除細動器を電気的に結合するのに適した第1のコネクタであって、前記除細動器コントローラは、前記インタフェースユニットが前記第1のコネクタを介して前記除細動器に電気的に結合されている場合に、ステータスメッセージを前記第1のコネクタを介して前記インタフェースユニットへ送信させるように構成され、それによって、前記ステータスメッセージは、前記インタフェースユニットを経由して前記除細動器から前記遠隔サーバに伝達されることができる、第1のコネクタと、
外部デバイスを前記除細動器に電気的に結合するのに適した第2のコネクタと
を備え、前記外部デバイスは前記インタフェースユニットとは異なっており、前記第2のコネクタは、前記除細動器コントローラと前記外部デバイスとの間の通信を容易にするとともに、前記外部デバイスから電力を受け取るように構成されている、除細動器。
【請求項31】
前記除細動器に電力を供給するとともに、前記キャパシタユニットを充電するための電力を提供するように構成されたバッテリーと、
前記第2のコネクタに電気的に接続されるとともに、前記第2のコネクタを介して前記外部デバイスから引き出された電力を用いて前記バッテリーを充電するように構成されたバッテリー充電コントローラと、
前記キャパシタユニットの充電中に前記外部デバイスが前記第2のコネクタを介して前記除細動器に接続されている場合に、前記キャパシタユニットの充電を容易にするために、前記バッテリー充電コントローラを経由せずに前記外部デバイスから受け取った電力を前記充電回路に供給するように構成されたバイパス回路と
をさらに備える、請求項30に記載の除細動器。
【請求項32】
前記除細動器コントローラは、前記インタフェースユニットが前記第1のコネクタを介して前記除細動器に電気的に結合されている場合に、ステータスメッセージを前記第2のコネクタを介して前記外部デバイスへ送信させるようにさらに構成され、それによって、前記ステータスメッセージは、前記外部デバイスを経由して前記除細動器から前記遠隔サーバに伝達されることができる、請求項30または31に記載の除細動器。
【請求項33】
前記外部デバイスは、携帯電話または他のモバイル通信デバイスである、請求項30~32のいずれか一項に記載の除細動器。
【請求項34】
前記第2のコネクタは、
USBコネクタと、
ライトニングコネクタと
からなる群から選択されたものである、請求項30~33のいずれか一項に記載の除細動器。
【請求項35】
前記第1のコネクタまたは前記第2のコネクタは、USB-Cコネクタ、USB2.0コネクタ、USB3.0コネクタ、USB3.1コネクタ、USBミニコネクタ、およびマイクロUSBコネクタからなる群から選択されるUSBコネクタである、請求項30~34のいずれか一項に記載の除細動器。
【請求項36】
第2の外部デバイスを前記除細動器に電気的に結合するのに適した第3のコネクタをさらに備え、前記第3のコネクタは、前記第1のコネクタおよび前記第2のコネクタとは別個のものであり、前記キャパシタユニットを充電するのを助けるために使用できる前記第2の外部デバイスからの電力を受け取るように構成されている、請求項30~35のいずれか一項に記載の除細動器。
【請求項37】
請求項30~36のいずれか一項に記載の除細動器と、前記インタフェースユニットとを備えるモジュール式除細動器システムであって、前記インタフェースユニットは、前記除細動器と前記インタフェースユニットとが共に携帯型除細動器システムを形成するように、前記除細動器に搭載され、取り外し可能に取り付けられ、前記インタフェースユニットは、前記除細動器が適切に動作するために必要ではない、モジュール式除細動器システム。
【請求項38】
前記インタフェースユニットは、該インタフェースユニットが前記除細動器に物理的に取り付けられている場合に前記第1のコネクタと係合する相補的コネクタを含む、請求項37に記載のモジュール式除細動器システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概してモジュール式除細動器に関し、本明細書に記載される発明の多くは、特に自動体外式除細動器(AED)に適用可能である。
【背景技術】
【0002】
突然の心停止は、死亡の主な原因の1つである。米国だけでも、毎年約35万人が突然の心停止により死亡している。これは、40歳以上の人の主な死因であり、学生アスリートの死因の第1位である。突然の心停止の最も効果的な治療は、除細動と組み合わせたCPRの使用である。自動体外式除細動器(AED)は、突然の心停止に関連する生命にかかわる心調律(heartrhythm)を自動的にチェックし、ショック可能な心調律が検出された場合に心臓に電気ショックを送出して正常な調律を回復するべく設計された携帯機器である。AEDにより治療される2つの最も一般的な状態は、無脈性心室頻拍(別名VTまたはV-Tach)および心室細動(VFまたはV-Fib)である。AEDは、通常、専門の医療従事者がいない状況で、素人が使用できるように設計されている。
【0003】
生命を救う可能性を考慮して、自動体外式除細動器は、比較的広範囲の公共の場所や民間の場所に配備されており、近くの人が心停止に陥った場合に利用できるようになっている。例として、AEDは、企業および官公庁、ショッピングセンター、空港、飛行機、レストラン、カジノ、ホテル、スポーツスタジアム、学校、フィットネスセンター、および人々が集まるさまざまな他の場所において見出され得る。AEDの利用可能性は年々増加しているが、その比較的高いコストは配置を制限する傾向があり、学校、スポーツ場、および人々が集まる他の場所を含む多くの場所において、AEDを利用することができない。さらに、多くのAEDは、「携帯可能」であると考えられているが、ほとんどの市販の携帯型自動体外式除細動器は、かさばり、重く、訓練を受けた医療従事者以外の人により携帯されることはほとんどない。したがって、心停止インシデントが発生したときに、AEDが利用できない時間、場所、および事象が多数ある。突然の心停止インシデントが発生したときにAEDが近くにある場合でも、その存在が知られていないか、不慣れな医学的状況に対処するために不慣れな装置を使用したがらない傍観者にとって装置が威圧的にみえるため、AEDはしばしば使用されない。
【0004】
既存のAEDはうまく機能しているが、自動体外式除細動器の配備と利用可能性を広げる可能性が高い特性を有するAEDの開発に向けた努力が続けられている。
【発明の概要】
【0005】
いくつかのモジュール式除細動器アーキテクチャ、除細動器、ベース除細動器ユニット、除細動器インタフェースユニット、除細動器コンポーネント、除細動器の操作方法、および除細動器制御アプリケーションが説明される。一態様では、完全に機能するベース除細動器ユニットを含むモジュール式除細動器システムが説明される。インタフェースユニットは、任意選択で、ベース除細動器ユニットに取り付けられ、および/または取り外し可能に結合され得る。いくつかの実施形態では、インタフェースユニットは、除細動器と協働して動作すること以外の実質的な機能を有しないが、除細動器が適切に動作するために必要とされるものではない。
【0006】
別の態様では、遠隔サーバとの無線通信を容易にする接続モジュールを含むインタフェースユニットが提供される。インタフェースユニットは、ベース除細動器からステータス情報を受信し、関連情報を遠隔サーバに転送して、(a)緊急事態インシデントの間、緊急事態対応者または医療従事者に情報を伝達することを容易にし、および/またはデバイスの定期的な保守および監視を容易にする。いくつかの実施形態では、インタフェースユニットを使用して、ベース除細動器ユニットへのソフトウェアアップグレードの配信を容易にすることもできる。
【0007】
別の態様では、除細動器は、除細動器の使用中に音声指示をユーザに伝達し、インタフェースユニットおよび/または別の外部デバイス(携帯電話または他のモバイル通信デバイスなど)に情報を送信して、除細動器により提供される音声指示と同期されたインタフェースユニット/外部デバイス上のグラフィカルユーザ指示の表示を容易にするように構成され得る。このような機能は、緊急アプリケーションおよび非緊急アプリケーションの両方で使用され得る。
【0008】
いくつかの実施形態において、除細動器は、除細動器状態情報および指示のうちの少なくとも1つをインタフェースユニットおよび/または外部デバイスに提供して、そのようなデバイス上のグラフィック指示の同期された表示を容易にするように構成されている。いくつかの実施形態では、除細動器状態情報または指示は、周期的に更新されて、外部デバイス上のグラフィック指示が除細動器によって提供される音声指示と同期されることを確実にするのを支援する。いくつかの実施形態において、インタフェースユニットおよび/または外部デバイスは、指定されたタイムアウト閾値を超える期間にわたって除細動器から更新が受信されない場合、同期されたグラフィック指示の表示を停止するように構成されている。いくつかの実施形態では、除細動器状態情報または指示は、外部デバイス上のグラフィック指示が、除細動器により提供される音声指示と同期されることを確実にするのを支援するために、少なくとも毎秒3回の更新の頻度で更新される。
【0009】
いくつかの実施形態において、1つまたは複数の除細動器サポートアプリケーションは、モバイル通信デバイスおよび/またはインタフェースユニット上で実行されて、そのようなデバイスを制御し、ベース除細動器ユニットと協働して機能させるように構成されている。
【0010】
別の態様では、ベース除細動器ユニットは、除細動器の緊急使用中に、取り付けられたインタフェースユニットまたは他の接続された外部デバイスからの制御指示を利用しないように構成され得る。これを容易にするのを支援するために、インタフェースユニットおよび除細動器サポートアプリケーションは、除細動器の緊急使用中に指示または他の情報を除細動器に送信しないように構成され得る。逆に、除細動器は、除細動器の緊急使用中に、取り付けられたインタフェースユニットおよび/または接続された外部デバイスに情報を送信するように構成されてもよい。
【0011】
さらに別の態様では、除細動器は、一対のコネクタを含む。第1のコネクタは、インタフェースユニットが除細動器に物理的に取り付けられている場合に、インタフェースユニットを除細動器に電気的に結合するように配置されている。第2のコネクタは、別の外部デバイスを除細動器に電気的に結合するように配置されている。いくつかの実施形態において、除細動器コントローラは、インタフェースユニットが除細動器に物理的に取り付けられている場合にインタフェースユニットとの通信を容易にし、外部デバイスが除細動器に接続されている場合に外部デバイスとの通信を容易にするように構成されている。いくつかの実施形態では、コネクタの一方または両方は、電力を受け取り、および/またはそれらに対応して取り付けられたデバイスとの通信を容易にするのに適している。
【0012】
さらに別の態様では、除細動器は、バッテリー充電器(またはより一般的には充電管理モジュール)を含む。バッテリー充電器は、1つまたは複数の外部デバイスから引き出された電力を使用して除細動器の内部バッテリーを充電/再充電するように構成されている。いくつかの実施形態では、除細動器は、バイパス回路も含む。バイパス回路は、キャパシタユニットの充電中に外部デバイスが除細動器に接続されている場合に、外部デバイスから受け取った電力を、バッテリーからの電力と並行して、またはバッテリーからの電力の代わりにキャパシタ充電回路に供給して、除細動器ショック放電キャパシタユニットの充電を容易にするように構成されている。
【0013】
いくつかの実施形態では、除細動器バッテリー充電器、およびバイパス回路は、両方とも、除細動器を外部デバイスに結合するのに適したコネクタに電気的に結合されて、コネクタを介した外部デバイスからの電力の受け取りを容易にする。いくつかの実施形態では、誘導充電レセプタを使用して、外部デバイスから電力を受け取ることができる。
【0014】
いくつかの実施形態では、インタフェースユニットは、ベース除細動器ユニットからセルフテスト情報を受信し、遠隔位置にあるサーバにセルフテスト情報を報告するように構成されている。
【0015】
いくつかの実施形態において、インタフェースユニットは、GNSSセンサを含む。そのようなインタフェースユニットは、GNSSセンサを使用して除細動器システムの位置を判定し、その位置を遠隔位置にあるサーバに報告することができる。
【0016】
いくつかの実施形態では、インタフェースユニットは、再充電可能なバッテリーを含み、除細動器は、除細動器バッテリーから電力を引き出すことなく、除細動器が充電器に結合されている場合にインタフェースユニットバッテリーが選択された時間に再充電されることを可能にするように構成されている。いくつかの実施形態では、インタフェースユニットは、除細動器の動作中に除細動器から電力を引き出さない。
【0017】
さらに別の態様では、補助バッテリーパックは、ベース除細動器ユニットに取り付けられ、かつ取り外し可能に結合され得る。そのような実施形態では、除細動器のバッテリー充電器は、補助バッテリーパックからの電力を利用して除細動器のバッテリーを再充電するように構成されている。
【0018】
対応する方法も説明される。例えば、一方法態様では、自動体外式除細動器の緊急使用中に、除細動器が音声指示を生成する。音声指示を示す情報は、自動体外式除細動器から、ディスプレイ画面を有する外部デバイスに送信される。次いで、外部デバイスは、音声指示に関連する期間中に、音声指示に関連するグラフィック指示をディスプレイ画面上に表示する。これらのステップは、外部デバイスが、除細動器の緊急使用中に除細動器によって生成された音声指示と同期されたグラフィック指示を表示するように、複数の異なる音声指示について繰り返される。
【0019】
別の方法態様では、ベース除細動器ユニットに取り付けられたインタフェースユニットは、ベース除細動器ユニットからステータス情報を周期的に受信し、受信されたステータス情報を1つまたは複数の遠隔サーバに送信する。いくつかの実施形態では、そのようなステータスチェックは毎日1回繰り返される。ステータスチェックの一部として、さまざまな情報が送信され得る。例として、ステータスチェックは、バッテリー充電レベル、充電ステータス、インストールされているファームウェアのバージョン、最新のファームウェアのインストール日時、ハードウェアバージョン、シリアル番号、最近のセルフテスト結果のセット、ベースユニットの機能ステータス、および/または他の様々なステータス情報のうち1つまたは複数を示し得る。
【0020】
別の方法態様では、インタフェースユニットは、ベース除細動器ユニットの緊急使用中にベース除細動器ユニットからインシデント情報を受信し得る。インシデント情報の一部またはすべては、緊急事態対応者および/または医療従事者が使用するために、1つまたは複数の遠隔サーバに送信され得る。インシデント情報の一部は、対応者が必要に応じて使用するか、またはグラフィック指示を対応者に提供するために、インタフェースユニット自体に表示するために利用可能とすることもできる。例として、インシデント情報は、ベースユニットの動作状態、ベース除細動器ユニットが現在ユーザに発行している現在の指示の標示、ベース除細動器ユニットがいつ緊急モードになったかを示すタイムスタンプ、除細動ショックが送出されたかどうかを示すインジケータ、および除細動ショックが送出された場合には、各除細動ショックが送出された時刻を示すタイムスタンプ、各ショックについて送出されるエネルギーレベル、送出された各ショックに関連する波形、検出されたECG分析のショック/ショックなし分類、検出されたECG分析の心調律分類、検出されたECG分析に関連するタイムスタンプまたは同等物、1つまたは複数の記録されたECGサンプル、ベース除細動器ユニットの起動中に検出された不具合のレポート、および/または他の様々なインシデント情報を含み得る。
【0021】
さらに別の態様では、除細動器ユニットに電気的に接続されている1つまたは複数の外部デバイスから除細動器ユニットが受け取った電力を管理する方法が説明される。いくつかの実施形態では、除細動器のバッテリーは、接続された外部デバイスによって提供される電力を使用して日和見的に充電され得る。いくつかの実施形態では、除細動器ユニットがキャパシタ充電状態にあると判定される場合、外部デバイスから電力が引き出されて、キャパシタユニットを充電し、またはキャパシタユニットの充電を補助する。様々な実施形態において、接続された外部デバイスは、モバイル通信デバイス、除細動器に搭載され、取り付けられた補助バッテリーパック、または除細動器ユニットに搭載され、取り付けられたインタフェースユニットの形態をとり得る。
【0022】
いくつかの実施形態では、除細動器ユニットがキャパシタ充電状態になく、除細動器ユニットの再充電可能なバッテリーが再充電を必要としないと判定された場合、除細動器に取り付けられたインタフェースユニット上の再充電可能なバッテリーが再充電され得る。
【0023】
別の態様では、インタフェースユニットまたは携帯電話または他のモバイル通信デバイスなどの外部デバイスでの使用に適した除細動器サポートアプリケーションが説明される。除細動器サポートアプリケーションは、インタフェースユニットまたは他の外部デバイスを制御して、本明細書で説明する機能および方法を実行するように構成されたプログラムされた命令を有し得る。
【図面の簡単な説明】
【0024】
本発明およびその利点は、添付の図面と併せて以下の説明を参照することにより最もよく理解されるだろう。
【
図1A】本発明の一実施形態によるモジュール式自動体外式除細動器のコンポーネントの概略図である。
【
図1B】ベース除細動器ユニットに取り付けられたインタフェースユニットを示す斜視図である。
【
図1C】ベース除細動器ユニットに接続されたモバイル通信デバイスを示す斜視図である。
【
図2A】代表的なベース除細動器ユニットの斜視図である。
【
図2B】代表的なベース除細動器ユニットの上面図である。
【
図2C】代表的なベース除細動器ユニットの正面図である。
【
図2D】代表的なベース除細動器ユニットの背面図である。
【
図2E】代表的なベース除細動器ユニットの底面図である。
【
図2F】代表的なベース除細動器ユニットの右側面図である。
【
図2G】代表的なベース除細動器ユニットの左側面図である。
【
図3A】ベース除細動器ユニットの一実施形態の電気コンポーネントを示すブロック図である。
【
図3B】別の実施形態によるベース除細動器ユニットの電力充電アーキテクチャを示すブロック図である。
【
図4】代表的なインタフェースユニットのコンポーネントを示すブロック図である。
【
図5A】代表的なインタフェースユニットの斜視図である。
【
図5B】代表的なインタフェースユニットの上面図である。
【
図5C】代表的なインタフェースユニットの正面図である。
【
図5D】代表的なインタフェースユニットの側面図である。
【
図5E】代表的なインタフェースユニットの底面図である。
【
図5F】ベースユニットへの確実な形状フィッティング取り付けを提供するためにベースユニットの輪郭と適合するインタフェースユニットアームを強調する側面断面図である。
【
図6】代替インタフェースユニットハウジング設計の斜視図である。
【
図7A】別の実施形態による、インタフェースユニット、補助バッテリー(充電)パック、およびベースユニットを含む、積み重ねられた除細動器システムの分解斜視図である。
【
図7B】別の実施形態による、補助バッテリーパックおよびベースユニットを含む、積み重ねられた除細動器システムの分解斜視図である。
【
図7C】一実施形態による、充電ステーションおよびベースユニットの組み合わせの分解斜視図である。
【
図7D】別の実施形態による、充電ステーションおよびインタフェースユニットの組み合わせを有するベースユニットの分解斜視図である。
【
図8】一実施形態による、代表的なバッテリー充電レベルチェックおよび管理ルーチンを示すフローチャートである。
【
図9】一実施形態による、代表的なバッテリー充電制御フローを示すフローチャートである。
【
図10】ベース除細動器ユニットと、ベース除細動器ユニットに関連して使用され得る選択されたモジュールとの間の代表的な電力およびデータ通信経路を図式的に示すブロック図である。
【
図11】一実施形態による、接続された外部デバイス上に表示されたグラフィックを、ベースユニットにより発行された音声ユーザ指示と同期させるプロセスを示すフローチャートである。
【
図13A】別の実施形態による、ベースユニットに取り付けられたインタフェースユニットを有する除細動器の斜視図である。
【
図13B】別の実施形態による、ベースユニットに取り付けられたインタフェースユニットを有する除細動器の正面図である。
【
図13C】別の実施形態による、ベースユニットに取り付けられたインタフェースユニットを有する除細動器の上端図である。
【
図13D】別の実施形態による、ベースユニットに取り付けられたインタフェースユニットを有する除細動器の第2の斜視図である。
【
図14】パッドカートリッジが部分的に引き出された
図13Aの除細動器の斜視図である。
【
図15A】ベースユニットおよびインタフェースユニットを独立して示す
図13Aの除細動器の分解斜視図である。
【
図15B】ベースユニットおよびインタフェースユニットを独立して示す
図13Aの除細動器の分解斜視図である。
【
図15C】インタフェースユニットのみの背面斜視図である。
【
図16】
図13Aの除細動器のベースユニットと共に使用するのに適したプラカードの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図面において、同様の構造要素を指定するために、同様の参照番号が使用されている場合がある。また、図の描写は図式的なものであり、縮尺通りではないことも理解されたい。
【0026】
本開示は、一般にモジュール式除細動器に関する。最初に
図1A-
図1Cを参照して、一実施形態によるモジュール式除細動器アーキテクチャについて説明する。説明されるアーキテクチャは、自動体外式除細動器(半自動および完全自動除細動器の両方を含む)での使用に適しているが、手動除細動器および自動または手動モードのいずれかで使用され得るハイブリッド除細動器でも使用され得る。
【0027】
モジュール式除細動器システム100のコアは、ベース除細動ユニット(ベースユニット)110である。ベース除細動ユニット110は、除細動器制御アプリがインストールされたモバイル通信デバイス105(スマートフォン、タブレットコンピュータなど)にベースユニット110を接続することにより、または、インタフェースユニット200をベースユニット110に取り付けることにより、その機能が補完され得るように構成された完全に機能する除細動器である。いくつかの実施形態では、充電パック290または他の補助蓄電ユニットをベース除細動ユニットに取り付けて、必要に応じてベースユニット上のバッテリーを再充電することができ、それにより外部充電またはバッテリー交換なしでベースユニットの有効寿命を効果的に延ばすことができる。
【0028】
インタフェースユニット200は、無線通信機能(例えば、セルラー、Wi-Fi、Bluetooth(登録商標)など)および/または位置検知機能(例えば、GPS、GNSSなど)を有し、(a)緊急時の患者ケア、および(b)ユニットの追跡、保守、および更新の両方を改善できるため、エンタープライズアプリケーションには理想的である。いくつかの実施形態では、インタフェースユニットは、緊急並びに保守および監視活動の両方を支援することができるグラフィックおよび/またはビデオを表示するために使用され得るディスプレイ画面も有する。ベースユニットに恒久的に接続するインタフェースモジュールを必要としないユーザのために、除細動器アプリがインストールされたスマートフォンまたはタブレットコンピュータなどのパーソナル通信デバイスをベースユニットに接続することにより、ワイヤレス接続およびグラフィカルタッチスクリーン機能を利用可能にすることができる。除細動器アプリを実行するインタフェースユニットおよび接続された個人用デバイスの両方が、例えば、トレーニングビデオを表示し、よくある質問(FAQ)への回答を提供し、外部リソースにアクセスし、およびCPRをどのように実施するか、または電極パッドをどこに配置するかなど、緊急時に視覚的な指示でガイダンスを提供することによって、様々な形態をとり得るトレーニングを容易にするように構成され得る。
【0029】
図1Aにおいて、ベースユニット110、モバイル通信デバイス105、およびインタフェースユニット200は、それら別個のコンポーネントを強調するために別々に示されている。
図1Bにおいて、インタフェースユニット200は、ベースユニット110に取り付けられて示されており、インタフェースユニットが、ベース除細動器ユニットの補助インタフェースとして使用されている1つの特定の使用シナリオを示している。
図1Cにおいて、モバイル通信デバイス105は、ベースユニット110に取り付けられて示されており、モバイル通信デバイス105が、ベース除細動器ユニットの補助インタフェースおよび電源として利用されている第2の使用シナリオを示している。
【0030】
ベースユニット
図2Aは、代表的なベースユニット110の斜視図であり、
図2A~
図2Gは、それぞれ、その上面図、正面図、背面図、底面図、右側面図、および左側面図である。ベースユニット110は、完全に機能する除細動器である。そのため、除細動に必要なすべてのコンポーネントおよび機能を含んでいる。これは、例えば、除細動に必要なすべての電子機器、電極パッドのセット、およびユーザに指示を伝達し、必要なユーザ入力を受信するためのシンプルなユーザインタフェースを含む。そのため、ベースユニットは、ユニットの操作方法をユーザに指示し、患者の心調律を分析してショック可能な心調律であるかどうかを判定し、もしそうである場合にショックを患者へ送出するために必要なすべてのコンポーネントおよび機能を提供する。1つまたは複数のユーザ入力ボタン、音声指示用のスピーカ、および/またはその他のコンポーネントを含むユーザインタフェースは、ベース除細動器ユニットの使用中、例えば、心臓治療事象中に、ユーザアクションを指示し、ユーザから必要な入力を受信するために必要なすべての機能を提供する。ベースユニットは、患者に取り付ける電極パッド116を収容するカートリッジ117または他の適切な機構も含む。
【0031】
外面的に、ベースユニットハウジング120は、ステータスインジケータ175、電源オン(起動)ボタン183、ショックボタン186、および1つまたは複数の外部からアクセス可能な電気コネクタを含む。除細動器が除細動ショックを開始するためにユーザ入力が必要とされない完全に自動化されたモードでのみ機能する場合、ショックボタン186は、無効化または除去され得る。説明されている実施形態では、電気コネクタは、ベースユニットをインタフェースユニット200に電気的に結合するためのインタフェースコネクタ190と、ベースユニットをモバイル通信デバイス105および/または他の互換性のあるデバイスに電気的に結合するためのモバイルコネクタポート195(USB、マイクロUSB、ライトニングまたは他の適切なコネクタなど)とを含む。他の実施形態では、追加のコネクタを設けることができ、および/またはコネクタ190、195のうちの1つまたは複数を除去することができる。例えば、同じまたは異なるフォームファクタを有する複数のコネクタポート195が提供されて、異なるタイプのモバイル通信デバイスの結合を容易にし得る。同様に、インタフェースコネクタ190に類似したコネクタをベースユニットハウジング120の底面に設けて、ベースユニットを外部充電パック290(例えば、バッテリーパック)または充電ドックに電気的に結合することを容易にし得る。したがって、外部からアクセス可能なユーザインタフェースメカニズムおよび電気コネクタは、任意の特定の実装のニーズを満たすように大幅に変更できることを理解されたい。いくつかの実施形態では、ベースユニットは、外部デバイスとの無線通信を容易にするために、Bluetooth通信モジュールなどの無線通信モジュール134を任意選択で含むことができる。ベースユニットは、外部デバイスから無線で電力を受け取ることを容易にするために、誘導充電レセプタ274を任意選択で含んでもよい。
【0032】
図2Bの上面図では、電源オン/起動ボタン183は左側にあり、ショックボタン186は右側にある。インタフェースコネクタ190の電気コンタクトは中央に視認可能である。この上面図からボタンがはっきり見えることに注意されたい。ベースユニットの両端においてハウジングにスピーカ孔があるため、ベースユニットからの音声指示はどの方向からでも聞こえる。他の実施形態では、スピーカおよび必要な孔は、例えば、ベースユニットの上部、ベースユニットの一端など、他の適切な場所に配置され得る。いくつかの実施形態では、スピーカ孔は完全に除去されてもよい。
【0033】
説明されている実施形態では、電極パッド116は、
図2Cの正面図において最もよく分かるように、電極パッドカートリッジ117に配置されている。カートリッジ117は交換可能であり、
図2Bの上面図で最もよく見えるプルタブ(取り外しタブ)118を含む。ユーザが取り外しタブ118を引くと、カートリッジ117が開き、電極パッド116が露出する。他の実施形態では、取り外しタブを引くと、カートリッジなしでパッドがハウジングから引き出される。任意選択で、カートリッジを引いて開けるか、または単に取り外しタブを引くと、電極パッドパッケージが破れて開き、電極パッドが現れ、緊急心臓インシデントの間にユーザがパッドパッケージを開ける必要はなくなる。
【0034】
図2Dの背面図は、USBポートの形態をとる外部からアクセス可能なモバイルコネクタポート195を示している。コネクタポート195は、任意選択で、使用されていないときにポート上にフィットし、液体およびほこりからポートを保護するダストカバーインサート(図示せず)を有することができる。USBポートは、ベースユニットを再充電するために、ベースユニット110をUSB互換電源に接続するため、および/または除細動器アプリがインストールされたパーソナル計算デバイスにベースユニットを接続するために使用される。アプリは、緊急時のベースユニットの音声指示を補完する同期された(in-sync)指導グラフィックを提供すると共に、ベースユニットの診断および更新を提供する。アプリは、ベースユニットのステータス情報の遠隔管理サーバへの転送も容易にする。右側には、アイコンおよびライトを含むステータスインジケータ175があり、ベースユニットの機能ステータスをユーザに通知するために使用される。ステータスインジケータについては、以下でさらに詳しく説明する。
【0035】
ハウジング120の縁部は、一般にテーパー状であるか、または丸みを帯びている。しかしながら、底面は、
図2Fおよび
図2Gの端面図において最もよく分かるように、傾斜した面に置かれたときの転がりを防ぐ平らな縁部を有する。ハウジング120の端部にあるスピーカ孔181は、
図2Fおよび
図2Gの端面図でも最もよく分かる。
図2Fの右側面図では、ショックボタン186が上部に視認可能である。電源投入/起動ボタン183は、
図2Gの右側面図の上部に視認可能である。
【0036】
図2A~
図2Gの実施形態では、ベースユニットは、除細動器の電気コンポーネントを収容するハウジング120を含む。ベースユニットにより使用される特定の電気コンポーネントは、ベースユニットが完全に機能するスタンドアロンデバイスとして機能できる限りにおいて、大きく異なる場合がある。
【0037】
USBポートが示されているが、モバイルコネクタポート195は、現在存在する、および今後開発されるコネクタフォーマットを含む任意の適切な形態をとることができることを理解されたい。例として、コネクタポートは、任意のタイプのUSBコネクタ(例えば、USB-Cコネクタ、USB2.0コネクタ、USB3.0コネクタ、USB3.1コネクタ、USBミニコネクタ、マイクロUSBコネクタなどを含む)、ライトニングコネクタ、または任意の他の適切なコネクタフォーマットの形態をとることができる。
【0038】
図3Aは、ベース除細動器ユニット110での使用に適した1つの代表的な電子制御アーキテクチャおよび関連するコンポーネントを示すブロック図である。図示の実施形態では、電子コンポーネントは、除細動器コントローラ130、メモリ133、充電電力レギュレータ140、電圧ブースター145(複数の段を有し得る)、除細動ショックを提供するのに適した十分な電気エネルギーを一時的に蓄積するための高電圧キャパシタ150、放電制御回路160、パッド関連検知回路162およびリレー169、蓄電ユニット170、バッテリーレギュレータ193、ステータスインジケータ175(複数可)、スピーカ180(複数可)、および1つまたは複数の電気コネクタ(例えば、インタフェースコネクタ190、モバイルコネクタポート195、充電器コネクタ197など)を含む。ショック放電キャパシタ150の充電を制御するために協働する充電電力レギュレータ143および電圧ブースター145は、本明細書では充電回路と呼ばれることがある。
【0039】
除細動器コントローラ130は、ベース除細動器ユニットの動作を制御し、必要に応じて、外部デバイスとの通信を指示するように構成されている。いくつかの実施形態では、除細動器コントローラは、ベースユニットの動作を制御し、ユーザとのインタラクションおよび外部コンポーネントとの通信を指示するためのプログラムされた命令を有するソフトウェアまたはファームウェアを実行するように構成されたプロセッサを含む。
【0040】
以下で、
図3Bおよび
図8を参照してより詳細に説明するように、ベース除細動器ユニット110は、任意選択で、ショック放電キャパシタ150の充電を促進するために、蓄電ユニット170を越えて特定の他の利用可能な電源から電力を引き出すことができるように構成され得る。充電電力レギュレータ140は、その電力がどこから発生するかに関係なく、電圧ブースターを供給する電流の流れを管理するように構成されている。例えば、いくつかの実施形態では、補助電力は、モバイルコネクタポート195に結合されたモバイルデバイスから、または充電器コネクタ197に結合されたポータブル充電器/補助バッテリーパックから供給され得る。
【0041】
電圧ブースター145は、蓄電ユニット170の動作電圧から放電キャパシタ150の所望の動作電圧まで電圧を昇圧するように構成されており、これは、説明される実施形態では、約1400V~2000Vのオーダーであり得る(但し、除細動器は所望の電圧を達成するように設計されてもよい)。いくつかの実施形態では、昇圧は単一段で達成されるが、他の実施形態では、複数段の昇圧コンバータが使用される。いくつかの代表的な昇圧コンバータは、組み込まれる米国特許第10,029,109号に記載されている。例として、いくつかの実施形態では、フライバックコンバータ、例えばバレースイッチングフライバックコンバータを電圧ブースター145として使用することができるが、他の実施形態では、多種多様な他のタイプの電圧ブースターを使用し得ることを理解すべきである。
【0042】
電圧センサ151が、キャパシタ150の電圧を読み取るために設けられている。電圧センサ151は、分圧器の形態または任意の他の適切な形態を取り得る。このキャパシタ電圧の読み取り値は、ショック放電キャパシタ150がいつ使用に適切に充電されるかを判定するために利用される。感知された電圧は、コントローラ130に提供され、コントローラ130は、キャパシタ150がいつ除細動ショックを送出するのに十分に充電されたかを判定する。キャパシタ150は、任意の所望のレベルまで充電され得る。これは、異なる除細動プロトコルが、異なる条件に対して異なる電圧および/またはエネルギーレベルのショックを推奨するので有用であり得る。さらに、最初のショックが正常な心調律を再開するのに十分でない場合、いくつかの推奨される治療プロトコルは、その後に与えられるショックで徐々に高いエネルギーインパルスの使用を(ある程度まで)求める。
【0043】
放電回路160は、多種多様な異なる形態を取り得る。いくつかの実施形態では、放電回路160は、Hブリッジスイッチを駆動するドライバとともにHブリッジを含む。ドライバは、除細動器コントローラ130によって指示される。Hブリッジは、リレー169を介して患者電極パッド116に二相(または他の多相)ショックを出力する。リレー169は、患者電極パッド116がパッド関連感知回路162に結合されているECG検出モードと、患者電極パッド116がHブリッジに接続されて除細動ショックの患者への送出を容易にするショック送出モードとの間で切り替えるように構成されている。特定のコンポーネントが説明されているが、それらのそれぞれの機能は、さまざまな他の回路によって提供され得ることを理解されたい。
【0044】
パッド関連感知回路162は、さまざまな異なる機能を含むことができる。例として、これは、任意選択で、パッド接続センサ164、ECG感知/フィルタリング回路165、およびインピーダンス測定フィルタ166を含み得る。パッド接続センサは、パッドがベース除細動器ユニット110に実際に接続されている(差し込まれている)ことを検出するように構成されている。ECG感知/フィルタリング回路165は、パッドが患者に取り付けられたときに患者の心臓の電気的活動を感知する。次に、フィルタリングされた信号は、分析のために除細動器コントローラ130に渡され、検出された心調律が電気ショックの投与によって治療されるべき候補である状態を示すかどうか(すなわち、調律がショック可能な調律かどうか)および推奨されるショックの性質を判定する。ショック可能な調律が検出されると、コントローラ130は、ユーザを適切に指示し、Hブリッジドライバーを適切に指示することによりショック送出を制御する。
【0045】
いくつかの実施形態では、蓄電ユニット170は、リチウムイオンおよび他のリチウムベースの化学物質を含む再充電可能なリチウムベースのバッテリーなどの1つまたは複数のバッテリーの形態をとるが、1つまたは複数のスーパーキャパシタ、ウルトラキャパシタなどの他の蓄電デバイス、および/または他のバッテリー化学物質、および/またはその組み合わせが、任意の特定の用途に適切とみなされるように使用され得る。蓄電ユニット170は、好ましくは再充電可能であり、様々な充電メカニズムのうちの任意のものを介して再充電され得る。いくつかの実施形態において、蓄電ユニット170は、再充電可能なバッテリーの形態をとる。便宜上および単純化のために、以下の説明の多くでは、蓄電ユニット170を再充電可能バッテリーと呼ぶ。しかしながら、他のタイプの蓄電デバイスが容易にバッテリーの代わりになり得ることを理解されたい。また、単数の用語「バッテリー」がしばしば使用され、バッテリーは、単一のバッテリーまたは複数の個々のバッテリーからなるユニットであってよく、かつ/または1つまたは複数の他の蓄電コンポーネントおよび/または異なる蓄電ユニットの組み合わせを含み得ることを理解されたい。
【0046】
いくつかの実施形態では、ベース除細動器ユニット110は、(a)ショック放電キャパシタ150の充電を促進すること、および(b)蓄電ユニット170を再充電することの一方または両方の目的で、他の利用可能な電源から電力を引き出すことができる。いくつかの実施形態では、以下により詳細に説明されるように、バッテリーは、外部からアクセス可能なコネクタポート195、専用充電ステーション294、補助バッテリーパック(ポータブル充電器)290、インタフェースユニット200などのうちの1つまたは複数を使用して再充電され得る。無線充電がサポートされる場合、ベース除細動器ユニットは、(例えば、誘導充電ステーション294、または誘導充電バッテリーパック、誘導充電機能を備えた携帯電話などの誘導充電をサポートする他のデバイスを使用して)蓄電ユニット170の誘導充電を容易にするように構成された無線充電モジュール174を含み得る。
【0047】
上記で示唆したように、複数の異なるタイプのデバイスが、ベース除細動器ユニット110に結合され得る。これらのデバイスの多くは、
図3Bに示すように、ベースユニット110に電力を供給するために使用され得る。これらは、コネクタポート195を介して接続されたモバイルデバイス、充電器コネクタ197を介して結合された充電器、コネクタポート195または充電器コネクタ197を介して結合されたバッテリーパック、誘導充電レセプタ274を介して誘導的に電力を供給する誘導充電器、インタフェースコネクタ190を介して結合されたインタフェースユニット200、および/または、記載されたまたは他の適切な接続メカニズムのうちの任意のものを介して結合された他の適切なデバイスを含み得る。
【0048】
図3Bで説明される実施形態では、任意の接続されたデバイスからの電力は、バッテリー充電器/保守器173に利用可能にされる。バッテリー充電器/保守器173は、バッテリー170を充電するのに適したレベルで電力を出力するように構成されている。ほとんどのバッテリーの電圧レベルは、その充電レベルに基づいて変化し、リチウムベースのバッテリーなどの一部のバッテリーでは、充電されているバッテリーの電圧レベルに基づいてバッテリー充電器173の出力電圧を変化させることが望ましい。そのような用途では、バッテリー充電器173の出力電圧(V
bc)は、バッテリーのニーズを満たすように調整される。バッテリー充電器の出力は、充電電力レギュレータ143に、およびバッテリーレギュレータ172を介して他の除細動器電子機器にも利用可能になる。説明された実施形態では、バッテリーレギュレータ172は、バッテリーから受け取った電力の電圧(V
b)および/またはバッテリー充電器から受け取った電力の電圧(V
bc)を、除細動器コントローラ130および除細動器の他の電子機器による使用に適したレベルに調整するように構成され得る(例えば3.3ボルト)。
【0049】
補助デバイスが、除細動器の緊急使用時に接続され、かつ緊急時に使用可能な電力を有する場合、そのような電力を使用して、ショック放電キャパシタ150の充電中にバッテリー170からキャパシタ充電回路に供給される電力を補うこともできる。説明された実施形態では、これは、バッテリー充電器173の出力を充電電力レギュレータ143が利用できるようにすることにより達成される。このようにして、補助デバイスが接続され、供給可能であれば、バッテリー充電器173をオンにして、接続されたデバイスから電力を伝達することができる。バッテリー充電器173は、本質的に適切な電圧レベル(Vbc)で電力を出力する。放電キャパシタ充電回路がオンにされると、充電電力レギュレータ143は、バッテリー充電器173によって供給される電力を引き出す。放電キャパシタ充電回路がオフにされると、バッテリー充電器173からの電力出力は、主にバッテリー170を充電するために用いられる(但し、一部は他の除細動器電子機器に電力を供給するために使用されてもよい)。これは、利用可能な範囲で、電力が、キャパシタ充電および/またはバッテリー充電のために必要に応じて緊急インシデントの間中、接続された補助デバイスから引き出され得るため、注目に値する。これにより、AEDの保守担当者が適切なタイミングでバッテリーの交換または再充電を忘れた場合でも、必要な時に除細動器が動作不能であったり、動作不能になったりするリスクを軽減できる。
【0050】
実際問題として、緊急インシデントの間に接続される可能性が最も高い補助デバイスは、他の補助電源も可能であるが、モバイルコネクタポート195に接続されるモバイルデバイス105、補助バッテリーパック290、および/またはインタフェースユニットであると予想される。複数の補助デバイスが緊急時に結合される場合、除細動器コントローラ130および/またはバッテリー充電器173は、任意の所望の電力管理スキームに従って、接続されたデバイスのうちの1つまたは複数から電力を引き出し得る。
【0051】
いくつかの実施形態では、電圧ブースター145は、短いパルスで電力を引き出すように構成されてもよい(例えば、フライバックコンバータは、電流が一次コイルに引き出される短い電流ドロー期間を有し、その後、電流が一次コイルに引き出されない短い「オフ」期間が続く)。いくつかのそのような実施形態では、充電電力レギュレータ143は、電圧ブースターに電力を供給するために、対応するパルスでバッテリー170(および利用可能な場合にはバッテリー充電器173)から電力を引き出すように構成されている。バッテリー充電器173を介して接続された外部デバイスから電力が利用できる場合、接続された外部デバイスから引き出された電力は、除細動器電子機器に電力を供給し、および/またはそれらの周期的な電圧ブースター電流ドロー「オフ」間隔の間、バッテリー170を充電するために利用可能にされてもよい。
【0052】
上述の電力経路では、任意の接続された補助デバイスからの電力は、バッテリー充電器173を介して充電電力レギュレータ143に利用可能にされる。しかしながら、他の実施形態では、補助デバイスからの電力は、他の適切な接続方式を介して充電電力レギュレータ143に利用可能にされ得ることを理解されたい。
【0053】
1つの他の接続経路も
図3Bに示されている。具体的には、モバイルコネクタポート195を介して受け取った電力は、ドローレギュレータ141に直接供給され、ドローレギュレータ141から充電電力レギュレータ143に供給され、それによりバッテリー充電器173をバイパスする。この経路は、バッテリー170が完全に放電され、ショック放電キャパシタ150を充電するのに適した電力を供給できない場合に特に有用である。いくつかの実施形態では、この経路は、電力がバッテリーから利用できない状況でのみ使用される。そのような実施形態では、バッテリー充電が指定されたレベルを下回る場合に直接(充電器バイパス)接続経路を開くスイッチ(図示せず)が提供され得る。充電器バイパス接続経路は、バッテリー充電器173がモバイルコネクタポートから受け取った電力の電圧レベル(V
m)を降圧してバッテリー充電を容易にする実装形態において電力がバッテリーから利用できない場合に特に望ましい。充電器バイパスは、バッテリー充電173で発生する電圧降下と、電力レギュレータ143の充電により必要とされる対応する追加の電圧上昇とによる非効率性を排除する。これらの効率は、電力がバッテリーから得られず、すべての充電電力がコネクタポート195に接続されたモバイル(または他の適切な)デバイスによって供給される必要がある場合に特に重要である。いくつかの実施形態では(例えば、
図3Bに示す実施形態のように)、モバイルコネクタポート195は、USBプロトコルに準拠するUSBコネクタの形態を取り、これはしばしば約5ボルトでUSB電力(V
m)を供給する。
【0054】
モバイルデバイスのドロー電流レギュレータ141は、モバイル通信デバイスが提供できる以上の電流を、充電回路が引き出さないことを保証するように構成されている。多くの携帯電話およびタブレットコンピュータは、いつでも過剰な電流が流れた場合に電流の供給を遮断する安全回路を有するため、これは重要である。除細動器ユニット110が、接続されたデバイス(例えば、電話)で許可されているよりも多くの電流を引き出すことで安全回路をトリップさせた場合、デバイス(電話)の安全回路は、I/Oポートから電力が引き出されるのを遮断し、コネクタ電力が回復するまでにしばらく時間がかかる場合があり、これは望ましくない。同時に、充電時間は引き出された電流に反比例するため、放電キャパシタ150の充電中、電話機が提供する能力を有する電力にできるだけ近い電力を引き出すことが望ましい。そのため、充電電流ドローを電話機から引き出せる最大電流よりも著しく低いレベルに制限すると、充電が不必要に遅くなる。したがって、ドロー電流レギュレータ141の目標は、電話から引き出される電流を、電話から得られると知られている最大電流に非常に近いが、超えないことが保証されるレベルで維持することである。好ましくは、電流は、ほとんどの変圧器および他の昇圧回路で一般的なように昇圧回路によって決定される周期的なバーストではなく、電話から実質的に連続的に引き出される。
【0055】
例として、充電電流を500mA未満に制限することは、さまざまな古いブラックベリーからSamsungGalaxyS5/S6に至るまでの電話を含むほとんどの古いスマートフォンでうまく機能することがわかっている。これは、多くのそのような電話機がUSB2.0または同様のコネクタを利用しており、USB2.0仕様では5Vで500mAの供給を要求しているためである。これらの電流ドロー速度でさえ、最初のショックの除細動のための予想されるセットアップ時間、および推奨される可能性のある任意の後続のショックについてのショック間の推奨される間隔に基づいて、適切な期間内に150ジュールの除細動ショックを送出するのに十分なキャパシタ150の充電を容易にする(除細動ショックは、蘇生中に必要であれば、通常、2分ごとに推奨される)。最新の携帯電話のほとんどは、より高速な充電を可能にする大幅に速い電流ドロー速度をサポートしている。例として、USB3.0コネクタを使用する電話機は、通常、5Vで900mAを連続的に供給でき、多くの最新の電話機は、非常に大きな電流ドローをサポートする。
【0056】
ドロー電流レギュレータ141は、様々な形態を取り得る。すべての実施形態で必要とされるわけではないが、いくつかの実施形態では、ドロー電流レギュレータは、(1)入力電流を、電話機によって供給され得る最大電流に近いが、決して超えない一般的に安定したレベルに維持し、(2)寄生電力損失を低く抑えるように構成されている。いくつかの実施形態では、ドロー電流レギュレータ141によって引き出される電流レベルは、接続されたデバイスの電流供給能力または他の適切なファクタに基づいて使用時に動的に設定され得る。いくつかの実施形態では、デジタル的に制御された電流レギュレータが、ドロー電流レギュレータ141として使用され得る。一例として、ドロー電流レギュレータ141として使用するのに非常に適したデジタル的に制御された電流制限バックコンバータは、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第10,029,109号に記載されている。このタイプの電流レギュレータの特に望ましい特性は、放電キャパシタの充電プロセスの間に電流が電源(例えば、モバイルデバイスのバッテリー)から連続的に引き出されることである。これは、放電キャパシタを充電するための電力が周期的な間隔で電源から引き出される従来の除細動器の設計とは対照的である。さらに、キャパシタの充電が増加しても、電流は比較的一定の速度で電源から引き出されるが、これも従来の設計とはまったく異なる。
【0057】
ショック放電キャパシタ150が所望のレベルまで充電されると、コネクタポート195を介して受け取られた電力は、ショック放電キャパシタ150を充電(再充電)するために再度電力が必要でない限り、または必要になるまで、バッテリーの充電を容易にするためにバッテリー充電器173に向けられ得る。
【0058】
ベースユニットは、メモリ133にインストールされ、除細動器コントローラ上で実行可能な複数のソフトウェアまたはファームウェア制御アルゴリズムも含む。制御アルゴリズムは、ベースユニットの動作を制御し、ベースユニット110とインタフェースユニット200、接続されたデバイス105、および/または任意の他の取り付けられたまたは接続されたデバイスとの間の通信を調整するのに適したプログラムされた命令を有する。これらの制御ルーチンは、ショック可能な調律の識別に適した心調律分類アルゴリズム、放電キャパシタの充電を管理するためのキャパシタ充電管理アルゴリズム、必要に応じてショックの送出を管理するためのキャパシタ放電管理アルゴリズム、緊急時に除細動器および/または任意の接続されたユーザインタフェースデバイス(例えば、インタフェースユニット200、モバイル通信デバイス105)によって与えられるユーザ指示を管理するためのユーザインタフェース管理アルゴリズム、蓄電ユニット170の充電を管理し、充電電力を他の接続されたコンポーネント(例えば、インタフェースユニット200または補助バッテリーパック290)に送るためのバッテリー充電制御アルゴリズム、ベースユニットのセルフテストを管理および報告するためのテストおよび報告アルゴリズム、ソフトウェアの更新とその検証を容易にするソフトウェア更新制御アルゴリズムおよび検証ファイルを含む(ただし、これらに限定されない)。
【0059】
インタフェースユニット
インタフェースユニット200は、好ましくは、ベース除細動ユニット110に確実に、しかし取り外し可能に取り付けられるように設計されている。インタフェースユニット200は、(a)緊急使用中のユーザとのインタラクションを容易にし、緊急時の患者のケアをさらに容易にし、(b)トレーニング、ユニットトラッキング、保守、レポート機能などの非緊急の監視および/またはデバイスの使用を容易にすることの両方を行うように構成されている。記載された主要な実施形態では、インタフェースユニットは、使用中にベースユニットによって提供される音声指示と同期されたグラフィック指示を提供するためのデジタルスクリーンを含む。インタフェースユニットは、接続されたベースユニットの遠隔監視および保守を可能にする接続性およびGPSロケーションも提供する。インタフェースユニットは、緊急時の自動EMSコンタクトを容易にするように構成され、心停止ECGサンプルなどの重要なインシデント関連データをアップロードする。インタフェースユニットは、ベースユニットの遠隔ソフトウェア更新のルート(conduit)としても機能し、デバイスの改善および製品修正の両方を容易にすることができる。したがって、インタフェースユニットは、遠隔監視および保守が必要な商用ユーザにとって理想的である。他の実施形態において、インタフェースユニットは、ディスプレイ画面のみを有し、接続要素を有さず、またはディスプレイ画面または任意の他の所望の機能の組み合わせを有さずに、接続要素および/またはGPS機能のみを有してもよい。
【0060】
図5A~
図5Eを参照して以下でより詳細に説明するように、様々な取り付けメカニズムを使用して、インタフェースユニット200のベースユニットへの取り付けを容易にすることができる。いくつかの実装形態では、インタフェースユニット200は、プレスフィットまたは弾性形状フィットを介してベースユニットに取り付けられるインタフェースハウジング202を含む。好ましくは、ベースユニット110上のユーザインタフェース機能のすべては、インタフェースユニット200がそれに取り付けられている際にも機能的かつ使用可能なままである。
【0061】
図4は、代表的なインタフェースユニット200の電気コンポーネントのいくつかを示している。説明される実施形態では、インタフェースユニット200は、インタフェースコントローラ(プロセッサ)210、メモリ213、ディスプレイ画面220、通信モジュール230、電気コネクタ240、インタフェースユニット蓄電ユニット250、および位置検知モジュール260を含み、それらはすべて、インタフェースユニットハウジング202内に収容され得る。インタフェースユニットは、インタフェースユニットの動作を制御し、インタフェースユニット200とベース除細動ユニット110および/または遠隔デバイスとの間の通信を調整するのに適したプログラムされた命令を有するメモリ213にインストールされたまたはインストール可能なソフトウェアまたはファームウェア(アプリ270など)も有し得る。
【0062】
プロセッサ210は、インタフェースユニットの動作を制御し、ベースユニット110および中央サーバなどの遠隔デバイスの両方との通信を調整する(以下により詳細に説明する)。いくつかの実施形態では、プロセッサ210は、心停止インシデントの間の除細動器システム100の使用中、および除細動器システム100の非緊急時の監視または使用を容易にするための両方に使用され得る除細動器アプリ270を実行するように構成されている。
【0063】
ディスプレイ画面220は、プロセッサ210の指示の下でテキスト、グラフィック、および/またはビデオを表示して、緊急時および他の時の両方を支援するのに適している。いくつかの実施形態では、ディスプレイ画面220は、その上に表示されるグラフィカルユーザインタフェースに基づいて入力を受け取るのに適したタッチセンシティブ画面である。いくつかの実施形態では、インタフェース制御プロセッサ210とディスプレイ画面220との間の通信を容易にするために、オプションのグラフィックコントローラ222が提供されてもよい。
【0064】
通信モジュール230は、中央サーバなどの遠隔に位置するデバイスとの通信を容易にするために提供される。通信モジュール230は、セルラー通信、Wi-Fi、衛星通信、Bluetooth、NFC(近距離無線通信)、ジグビー通信、DSRC(専用短距離通信)、または任意の適切な通信プロトコルを使用する、現在存在する、または今後開発される任意の他の通信チャネルのうちの1つまたは複数を含む任意の適切な通信技術または通信技術の組み合わせを利用するように構成され得る。例として、説明されている実施形態では、通信モジュール230は、それぞれWi-Fi、セルラー、およびBluetooth通信を容易にするWi-Fiモジュール231、セルラーモジュール232、およびBluetoothモジュール232を含む。
【0065】
電気コネクタ240は、ベース除細動器ユニット110のインタフェースコネクタ190と接続するように構成されている。コネクタ190および240は、除細動器コントローラ130とインタフェースユニットのプロセッサ210との間の通信を容易にするように構成されている。コネクタ190および240は、以下により詳細に説明されるように、好ましくは、インタフェースユニット200からベースユニット110に電力を供給するようにも構成されている。いくつかの実施形態では、電力は、一方向にのみ、すなわち、インタフェースユニット200からベースユニット110に提供され、動作中、逆方向には提供されない。このアプローチの正当な理由は、除細動器が安全性の観点から最も重要なコンポーネントであり、緊急時に放電キャパシタを充電するために利用可能なエネルギーを減少させる可能性のある方法で、他のデバイス(インタフェースユニット200を含む)に電力を供給するためにベースユニットから電力を引き出すことは望ましくないことが多いからである。しかしながら、いくつかの実施形態では、電源は、(少なくとも特定の状況では)必要に応じて双方向であってもよく、例えば、ベースユニットが使用されていない場合、完全に充電され、外部充電電源にプラグ接続されている場合など、または、インタフェースユニットに渡される電力が、ベースユニットの内部バッテリーから来たものではない場合(例えば、充電器、モバイル通信デバイス、またはベースユニットに接続または取り付けられた他のデバイスから来たものである場合)などである。
【0066】
コネクタ190および240は、さまざまな形態をとることができる。これらは、プロセッサレベルの通信を処理するように構成された付属のトランシーバ(UART、SPI、I2Cトランシーバなど)を有するコネクタであってもよく、電力供給のための追加のピン(電源+GND)および接続検証のための追加のピン(すなわち、インタフェースユニットとベースAEDとの間の接続があることを検出し、ユニットが接続されていないことを示すベースAED上の割り込みをトリガするピン)を有する。これらは、USBコネクタなど、より標準化されたコネクタであってもよい。
【0067】
インタフェース蓄電ユニット250は、インタフェースユニット210を動作させるための電力を提供する。多くの実施形態では、蓄電ユニットは、関連する制御コンポーネントを備えたバッテリー252の形態をとるが、他の実施形態では、スーパーキャパシタ、ウルトラキャパシタなどの様々な他の蓄電技術が使用され得る。関連する制御コンポーネントは、さまざまな安全監視装置を含み得るバッテリー充電器および保守器254、およびバッテリーレギュレータ256などのコンポーネントを含み得る。好ましくは、蓄電ユニット250は、再充電可能であるが、それは要件ではない。いくつかの実施形態では、交換可能なバッテリー(充電式または非充電式)を利用して、蓄電ユニット250のバッテリーが耐用年数の終わりに近づいたときに交換できるようにすることが望ましい可能性がある。いくつかの実施形態では、蓄電ユニット250は、ベースユニット110に補助電力を供給するように構成されてもよい。ベースユニットの構造および/または状態に応じて、補助電力を使用して、使用中に放電キャパシタ150を充電するのを助けること、除細動器の電子機器に電力を供給するかまたは補助電力を供給すること、および/またはベース除細動器ユニットの蓄電ユニット170を充電することができる。他の実施形態では、インタフェースユニット内の補助バッテリー(図示せず)を使用して、蓄電ユニット250ではなく、ベースユニットに補助電力を供給することができる。
【0068】
インタフェースユニットは、任意選択で、様々な環境センサ263および他の周辺コンポーネント266も含み得る。所望の場合には、インタフェースユニットは、多種多様な異なるタイプのセンサおよび周辺コンポーネントのうちの任意のものを含んでもよい。例えば、選択された実施形態では、インタフェースユニットは、1つまたは複数の加速度計および/またはジャイロスコープ、温度センサ、湿度センサ、時刻または任意の他の所望のセンサまたはコンポーネントを含むことができる。
【0069】
インタフェースユニット200は、好ましくは、ベースユニット110にしっかりと機械的に取り付けられるように構成されている。通常、インタフェースユニットは、所望の場合にはベースユニットから分離できるように取り外し可能であるが、他の実施形態では、取り付けは、本質的により永続的なものであってもよい。利用される特定の機械的取り付けは、任意の特定の実施形態の必要性に応じて大きく変化し得る。いくつかの実施形態では、プレスまたは形状フィッティング取り付け構造が使用され、他では、ラッチおよびキャッチ機構、スナップフィット構造などが単独でまたは組み合わせて利用され、インタフェースユニットをベースに解放可能に取り付ける。しかしながら、他の実施形態では多種多様な他の構造を使用できることを理解されたい。いくつかの特定の機械的取り付け構造を以下に説明する。
【0070】
いくつかの実施形態では、インタフェースユニットは、インタフェースユニットがいつベースユニットに取り付けられたかを感知する取り付けセンサ(図示せず)を含む。
ベースユニット110は、
図1Cに見られるように、携帯電話、タブレットコンピュータ、携帯情報端末(PDA)または他のポータブルコンピューティングデバイスなどのモバイル通信デバイス105に結合されることも可能である。
図1Cに示される実施形態では、モバイル通信デバイスは、SamsungのGalaxyまたはAppleのiPhone(登録商標)などのスマートフォンの形態をとる。しかしながら、他の実施形態では、多種多様な他の携帯電話または他のモバイル通信デバイスが、スマートフォンの代わりに使用されてもよい。モバイル通信デバイス105は、コネクタポート195に差し込まれるコネクタケーブル113を介してベース除細動ユニット110に結合されている。他の実施形態では、コネクタポート195は、除細動ユニットに永久的に配線されたコネクタケーブルに置き換えることができる。さらに他の実施形態では、モバイル通信デバイスは、ベースユニットと無線で結合することができる。
【0071】
除細動器アプリ270をモバイル通信デバイス105にインストールして、除細動器に利用可能な除細動器インタフェース、制御、監視および報告機能のうちの多くまたはすべてを提供することができる。モバイル通信デバイス105は、ベース除細動ユニット110に電力を供給することもできる。いくつかの好ましい実施形態では、モバイル通信デバイスから引き出された電力は、ベースユニットの蓄電ユニット170が完全に消耗し、他の電力がベースユニットに利用できない状況であってもベースユニットの使用を容易にするために、ベースユニットの電子機器のすべてに電力を供給するのに十分であり、これは、放電キャパシタをショック送出に適したレベルに適時充電することを含む。すなわち、必要であれば、ベースユニット110は、参照により本明細書に組み込まれる出願人の特許第10,029,109号に記載されている構成と類似のモードで動作させることができる。
【0072】
上記で示唆したように、インタフェースユニット200の取り付け、または除細動器アプリがインストールされた個人電話または他のモバイル通信デバイス105の接続は、いくつかの方法でベースユニットの機能を補完する。例えば、緊急使用中に、システムは、9-1-1を自動的に呼び出して患者の位置を報告し、救急医療サービス(EMS)と現場のユーザとの間の通信回線を開く。これは、緊急通信を拡大して、ワイヤレスおよびボイスオーバーIPデバイス(次世代9-1-1)、テキストおよびビデオメッセージング、および位置情報を含むようにする米国連邦政府のイニシアチブとうまく適合する。
【0073】
さらに、最初のショックからの時間、検出された不整脈の種類、送出されたショックの回数などの重大なインシデント関連情報は、応答するEMS担当者に途中で中継され、救急隊員が到着すると、インタフェースユニットまたは個人の電話画面に表示される。このようなリアルタイム通信は、対応者間の患者の移行を迅速化し、通信エラーを低減させ、最終的に患者の転帰を改善する。
【0074】
インタフェースユニットまたは除細動器アプリを備えたスマートフォンに接続されたベースユニットは、SCAのリスク要因を推測するために使用され得る時間、場所、温度、湿度などの情報を記録するための多数の利用可能なセンサの恩恵を受ける。除細動器の使用時に利用可能なセンサデータを活用して、低リスクの個人のSCAパターンの確立を開始できる(例えば、朝対夕方、高温/湿度対低温/低湿度など)。
【0075】
緊急事態以外では、説明されているシステムは、保守プロセスを自動化できる。複数のAEDユニットを有するエンティティの場合、各ユニットのGPS位置、有効期限、バッテリーレベル、バージョンなどはすべて、例えば、参照により本明細書に組み込まれる出願人の仮特許出願番号第62/617,400号および第62/652,193号に記載されているように、バックエンド管理プラットフォーム上でアクセスされ得る。すべてのユーザについて、バッテリー残量低下、デバイスの有効期限、AEDユニットの問題を示すシステムセルフテストの失敗を含む任意の重要な通知は、電子メールおよびSMSを介して適切な担当者に自動的に送信され得る。AEDフリート管理者が各AEDを毎月手動で検査する必要がある代わりに、その情報はすぐに入手できる。これは、AEDが適切に保守されていることを確認するという現在の問題への対処に大いに役立ち得る。
【0076】
インタフェースユニット200の取り付け、またはモバイル通信デバイス105のベースユニットへの接続は、ベースユニット自体に対しソフトウェア更新を容易にするためのメカニズムも提供する。具体的には、セキュアなソフトウェアの更新は、インタフェースユニットまたはモバイル通信によって受信され、その後、ベースユニット110に転送され、インストールされ得る。このタイプの遠隔ソフトウェアアップデートにより、デバイスのパフォーマンスが向上するだけでなく、各ユニットを物理的に取得する必要なしに発生する任意のバグの重要な修正が可能になる。遭遇した任意のバグを更新する能力は、必要な際にAEDが準備できていることを確実にするのに役立つ。
【0077】
いくつかの実施形態では、インタフェースユニットは、除細動器と協働して動作すること以外の実質的な機能を有しないが、除細動器が適切に動作するために必要とされるものではない。実際、いくつかの実施形態では、インタフェースユニットは、除細動器に接続されていない場合は機能できない。
【0078】
いくつかの実施形態では、インタフェースユニット200は、スマートフォンまたは他のモバイルコンピューティングデバイスを機能コアとして利用してもよい。これは、今日のほとんどのスマートフォン(低コストのスマートフォンを含む)が、インタフェースユニット200で使用されるか、使用が望まれる電気コンポーネントおよび処理能力のほとんどすべてを含み、そのすべてが小さなパッケージフットプリントにパッケージ化されているため、うまく機能する。例えば、ほとんどのスマートフォンは、インタフェースユニットで必要とされるよりもかなり高い処理能力を備えている。これらは、高品質のタッチスクリーンディスプレイを有しており、これを活用して素人のオペレータや最小限の訓練を受けたオペレータをインシデントの間中、誘導することができる。また、これらは、潜在的なユーザが非常に馴染みのあるユーザインタフェースを提供し、これにより、緊急事態において特に馴染みのない救命医療機器を操作しようとする一般のユーザの抵抗感を減らすことができる。これらは、除細動器に電力を供給するのに十分な電力以上の電力を供給する内蔵バッテリーを含む。これらは、セルラー、Wi-Fi、Bluetoothなどの通信技術を組み込んでおり、さまざまな応答関連サービスを容易にするために使用できる。これらには、位置情報を提供するために使用され得るGNSSシステムが組み込まれている。また、これらには、医療インシデントの間、有利な方法で使用され得るオーディオマイク、カメラなどのセンサも組み込まれている。
【0079】
インタフェースユニットのベースユニットへの取り付け
上述のように、インタフェースユニット200は、好ましくは、ベース除細動ユニット110にしっかりと、しかし取り外し可能に取り付けられるように設計されている。さまざまな取り付けメカニズムを使用して、そのような取り付けを容易にすることができる。好ましくは、ベースユニット110上のユーザインタフェース機能のすべては、インタフェースユニット200がそれに取り付けられている際にも機能的かつ使用可能なままである。
【0080】
いくつかの実施形態では、ネジまたは他の適切な留め具が、インタフェースユニットをベースユニットに取り付けるために使用され得る。このようなアプローチは、インタフェースユニットがベースユニットと常に適切に整列することを確実にするのに役立つ。他の実施形態では、インタフェースユニットは、関連する部品の数およびアタッチメントの複雑さを低減するために、弾性形状フィット、スナップフィット、または締まり嵌合(interferencefit)を利用することができる。さらに他の実施形態では、インタフェースユニットは、ラッチ機構を含み得る。ラッチ機構により、ユーザはインタフェースユニットをベースユニット上の適切な位置にラッチすることができるが、ベースユニットからインタフェースユニットを取り外すには、ユーザによる引っ張り、押し、横方向の動き、または他のアクションを必要とする。取り付けのスタイルに関係なく、ベースユニットおよびインタフェースユニットは、表面コンタクト、スプリングピン、オス-メスアダプタ、NFC、他の無線通信、または他の適切なメカニズムを使用して電気的に接続できる。特に望ましい特徴の1つは、機械的な取り付けが、2つの間の電気的な取り付け(接続)を常にそろえることである。一実施形態では、ベースユニットは、その上に表面コンタクトを有し、インタフェースユニットは、電気接続を形成するためにベースユニット上の表面コンタクトと位置合わせされた圧縮可能なスプリングピンを有する。これらの電気ラインは、通信用のデータライン(例えば、受信/送信データライン)、電力ライン、接地ライン、および接続ラインを含み得る。接続ラインは、インタフェースユニットがベースユニットに取り付けられていることを制御システムが認識できるようにするために提供されている。通常、接続ラインは、接続されたデバイスの存在を示すために制御システムによって検知される電気回路を完成させる。
【0081】
いくつかの実装形態では、プレスフィットまたは弾性形状フィットが、インタフェースユニットのベースユニットへの取り付けを容易にするために使用される。
図5Aは、そのような一実施形態によるインタフェースユニットの斜視図である。
図5B~
図5Eは、それぞれ
図5Aのインタフェースユニットの上面図、正面図、側面図、および底面図である。
図5Fは、インタフェースユニットがベースユニットの輪郭にどのように適合して、ベースユニットへの確実な形状フィッティング取り付けを提供するかを強調する断面図である。
【0082】
図5A~
図5Eに示す実施形態では、インタフェースユニットは、インタフェースユニット200を所定の位置にしっかりと保持するためにベースユニットの側縁に巻き付くように設計された4つのアーム204を有するハウジング202を含む。アーム204は、インタフェースユニットが取り付けられたときに撓んでベースユニット110上をスライドすることができるようにある程度の弾性を有しているが、組み合わせられたユニットの粗雑なまたは不器用な取り扱いの間、および/または結合されたユニットが落下した場合でも、それらがベースハウジング120に押し付けられてインタフェースユニットを所定の位置にしっかりと保持するように十分な剛性を有している。
【0083】
いくつかの実施形態では、インタフェースハウジング202は、アームに所望の柔軟性を提供する比較的硬いゴム状材料から形成される。インタフェースユニット200をベースユニット110に固定するために、インタフェースユニットは、ベースユニットに押し付けられ得る。インタフェースユニットがベースユニットに押し付けられると、アーム204が変形し、それによりベースユニット上をスライドする。アーム204の遠位端は、取り付けられたときにベースユニット110のコーナーの周りを包むように設計され、それにより、インタフェースユニットをベースユニットに固定する。
【0084】
いくつかの好ましい実施形態では、アーム204の内面、およびベースユニットに面するインタフェースユニットの他の表面部分は、ベースユニットの輪郭に一致して、2つのデバイス間のぴったりとした嵌合の提供を助ける。図示された実施形態では、インタフェースユニットの側縁は、
図5Fにおいて最もよく分かるように(凸状に)幾分丸みを帯びるか、またはテーパー状であり、形状フィッティングアーム204は、一致する輪郭(それらの内面が凹んでいる)を有する。したがって、アーム204は、ベースユニットを効果的に把持する。
【0085】
プレスフィットまたは弾性形状フィットが使用されるため、所望の場合には、インタフェースユニットは、ベースユニットから取り外され得る。しかしながら、インタフェースユニットは、ベース除細動ユニットに取り付けられると、2つのユニットを切り離そうとする積極的な努力がない限り、所定の位置に留まる。一般に、インタフェースユニットは、比較的まれな状況を除いて、ベースユニットに取り付けられた後、ベースユニットから分離されることは想定されていない。そのため、インタフェースユニットは、通常、ベースユニットを定期的に着脱するように設計されておらず、形状フィットは、インタフェースユニットがベースユニットに取り付けられた後、簡単には取り外せないように調整され得る。特定の形状フィッティング構造が示されているが、他の実施形態では、インタフェースハウジング202は、多種多様な他の幾何学形状を利用できることを理解されたい。
【0086】
図1Bにおいて最もよく分かるように、図示の実施形態では、アーム204は、電源投入ボタン183、ショックボタン186、モバイルコネクタポート195、ステータスインジケータ175またはスピーカ180を覆わないように構成され、これらコンポーネントの各々は、インタフェースユニット200が適所にあるときでも、ユーザが容易にアクセスできるようになっている。したがって、ベースユニット110は、インタフェースユニット200がそこに取り付けられているかどうかに関係なく、同じ方法で使用され得る。インタフェースユニットが取り付けられているかどうかに関係なく、ベース除細動器を同じように使用できることは、安全上の大きな優位性を提供する。一部の管轄区域では、この能力は規制の観点からも有益である可能性がある。具体的には、ベースユニット110は厳しい規制レビューを受け得るが、インタフェースユニットがベースユニットのコア機能に影響を与えず、インタフェースユニットの潜在的な障害がベースユニットの操作性に影響を与えない場合、インタフェースユニット自体が受ける規制は、はるかに少ないものであり得る。これにより、ベース除細動器ユニットおよびベースユニット/インタフェースユニットの組み合わせを個別のフルスケールの承認プロセスの対象とする必要がないため、モジュール式除細動器の規制レビューに関連する費用を大幅に削減できる。同じことが補助バッテリーパック(ポータブル充電器)290にも当てはまり、これは(インタフェースユニットの有無にかかわらず)取り付けられたときに、ベースユニット110の機能のいずれとも干渉しない。
【0087】
インタフェースユニットをベースユニットのインタフェースコネクタ190に電気的に結合する電気コネクタ240は、
図5Eにおいて最もよく分かるように、インタフェースユニットの底部に露出している。
【0088】
図6は、別のアームベースの固定構成を有する代替のインタフェースユニットハウジング202(a)の斜視図である。この実施形態では、補強バー205が、インタフェースユニットの各端に設けられて、関連するハウジングアーム204(a)の遠位端を接続する。これらの補強バーは、ベースユニットのUIコンポーネントのいずれの機能をも妨げることなく、ベースユニットへの取り付けの安定性をさらに高める。
【0089】
補強バー205は、アームの剛性を高め、したがって、インタフェースユニットのベースユニットへのより安定した取り付けを形成する。補強バーは、インタフェースユニットとベースユニットとの間により多くのコンタクトも提供し、それにより取り付けの安定性をさらに高める。この実施形態では、補強バーは、インタフェースユニットの端部にのみ設けられている。インタフェースユニットがベースユニットに取り付けられると、ベースユニットの前面および背面に係合する脚部間の大きな間隔206により、ユーザは、電極パッドカートリッジ117、コネクタプラグ195、およびステータスインジケータ175に簡単にアクセスできる。補強バー205によって形成された開口スペース207は、インタフェースユニットがベースユニットに取り付けられたときに、ベースユニットボタン183、186、およびスピーカ孔へのアクセスを提供する。インタフェースユニットをベースユニットに電気的に接続するためのコネクタ240は、インタフェースユニットの底部に存在する。
【0090】
他の実施形態では、補強バーは、側部に沿って設けられてもよい(図示せず)。
図5および
図6を参照して説明した実施形態では、インタフェースユニットハウジング202の弾性は、ラッチ機構を使用することなくインタフェースユニットを適所にしっかりと保持するのに必要な力を提供する。しかしながら、他の実施形態では、インタフェースユニットおよび/またはベースユニットは、例えば、接続をさらに強固にする相補的なラッチおよびキャッチ機構(図示せず)のような他の構造を有してもよいことを理解されたい。例えば、1つの特定の実施形態では、アームは、それらの遠位先端に、ベースユニットの底面(または他の場所)上の相補的な凹部に適合するタブを有してもよい。
【0091】
インタフェースユニット200がベースユニット110に取り付けられると、電気接続も2つのユニット間で形成される。示された実施形態では、これは、インタフェースユニット200上の相補的コネクタ240によって係合されるベースユニット上のコネクタ190を通じて達成される。接続するコネクタ190および240の特定の形態は、それらがコンポーネント間に強固な電気的接続を提供する限り、大きく異なってもよい。一般に、コネクタは、好ましくは電力供給およびデバイス間の通信の両方をサポートする。
【0092】
1つの特定の実施形態では、ベースユニットコネクタ190は、インタフェースユニットコネクタ240上の相補的な弾性ピン241によって係合される複数の表面コンタクト191を有する。ベースユニット110の代表的な表面コンタクトは、ベースユニットの上面図である
図2Bで見ることができる。弾性ピン241を備えた代表的な適合するコネクタ240は、
図5Aのインタフェースユニットの底面図である
図5Eで見ることができる。提供されるコンタクト/ピンペアの特定の数は、任意の特定の実装のニーズによって異なり得る。例として、いくつかの実施形態では、データ受信およびデータ送信ラインである2つのコンタクト/ピンペア、電力を伝達する第3のペア、接地を接続する第4のペア、および接続を確認するように構成された第5のペアを備えた5つのコンタクト/ピンペアが提供される。当業者によく知られているように、これは、使用されるインタフェース構造のタイプであり、選択されたUSBコネクタであり、したがって、そのような実施形態ではUSBロジックを使用することができる。実際、いくつかの実施形態では、接続するコネクタ190および240は、USBコネクタの形態をとり得る。しかしながら、他の実施形態では、データ送信および受信ラインは、前述のように、UART、SPI、またはI2Cなどの他のプロトコルを使用してもよい。さらに他の実施形態では、電力ピンおよび接地ピン、および/または検知ピンが除去され得る。
【0093】
他の実施形態では、近距離無線通信(NFC)または他の無線プロトコルを使用して、ユニットを電気的に結合することができる。もちろん、他の実施形態では、多種多様な他のコネクタ構成およびピン割り当てを利用することができる。オス/メスコネクタを使用する場合、メスコネクタは、取り扱いを誤ったことにより破損する可能性が低くなるように、ベースユニット上にあることが好ましい(ただし、必須ではない)。
【0094】
バッテリーパックおよび充電ステーション
ベースユニットで使用するために提供され得る別のモジュールは、補助バッテリーパック290であり、これは、ベースユニットの蓄電ユニット170を再充電するために使用できるため、ポータブル充電器とも考えられる。インタフェースユニットと同様に、補助バッテリーパック290は、多種多様な異なる方法でベースユニットに取り付けることができる。
【0095】
いくつかの実施形態では、補助バッテリーパック290は、インタフェースユニットについて上述したのと実質的に同じ方法でベースユニットに固定することにより、ベースユニットに取り付けられ、電気的に接続される。この実施形態では、補助バッテリーパックは、同じ電気コンタクトおよび同じ接続メカニズムを使用して、インタフェースユニットと同じ場所に取り付けられる。任意選択で、インタフェースユニット200は、ユニット間で同じタイプの電気接続を形成しながら、同じ方法で補助バッテリーパックに固定され得る。そのような配置は、
図7Aに概略的に示されている。このアプローチでは、
図7Aの分解図に見られるように、上部にインタフェースユニット200、中央に補助バッテリーパック290、底部にベース除細動器ユニット110を備えた積み重ねられたシステムが提供される。このアプローチが使用される場合、補助バッテリーパックは、下面のインタフェースユニットのコネクタ240と同一のコネクタ形式を利用して、ベースユニットに電気的に接続できる。補助バッテリーパックは、インタフェースユニットをバッテリーパックに電気的に接続し、インタフェースユニットがその上に積み重ねられたときにインタフェースユニットをベースユニットに最終的に接続するために、ベースユニットコネクタ190の構成に一致する第2のコネクタも上面に含み得る。
【0096】
他の実施形態では、補助バッテリーパックは、
図7Bに示されるように、ベースユニットのインタフェースユニットとは反対側のベース除細動器ユニットの底部に取り付けられてもよい。この配置では、ベース除細動器ユニットは、補助バッテリーパック上にある。インタフェースユニットも積み重ねられる方法で取り付けられている場合、インタフェースユニット200が上にあり、ベースユニット110が中央にあり、バッテリーパック290が下にある。
【0097】
底部に取り付けられた補助バッテリーパックは、さまざまな異なるメカニズムを使用してベースユニットに取り付けられ得る。いくつかの実施形態では、補助バッテリーパックは、インタフェースユニットに関して上述したものと同様の弾性形状フィッティングアプローチを使用して取り付けられる。そのような構成の1つを
図7Bに示す。補助バッテリーパックで使用されるアームまたは他の取り付け構造は、インタフェースユニットが取り付けられたときにアーム204と干渉すること、またはベースユニットの露出したユーザインタフェースコンポーネントまたはコネクタ195と干渉することのないように構成されている。
【0098】
これらのタイプの積み重ねアーキテクチャは、他のモジュールにも対応できるように継続され得ることを理解されたい。さまざまなモジュールは、それらが積み重ねられる順序を定義することができ、または、特定の順序で任意の数のモジュールを互いに積み重ねることができる点で汎用性を有し得る。モジュールは、すべて同じ取り付けアーキテクチャを使用することができ、または、異なるモジュールが、異なる取り付けを使用することができる。
【0099】
いくつかの実施形態では、補助バッテリーパックは、バッテリーパックをベースユニット110にクリップ留めできるようにクリップ構造(図示せず)を有する。このようなクリップ構造は、ベースユニットの充電を容易にするために、壁または表面に取り付けられた充電ステーション/ドック上のクレードルに関連して使用することもできる。いくつかの実施形態では、充電ステーションは、長いバッテリー寿命を維持するのに適切な方法でベースユニットを充電するために使用されている充電器とともにベースユニットが格納されるドックとして機能し得る。充電ステーションが設けられている場合、それは好ましくは、インタフェースユニットが存在する場合にはインタフェースユニット(またはインタフェースユニットが存在しない場合にはベースユニットの上部)が露出して、インタフェースユニットが視認可能でアクセス可能なように、ベースユニットを収容するように構成されている。
【0100】
いくつかの実施形態では、専用の「ホームドック」、マウント、またはクレードルが、除細動器を格納するために提供され得る。そのようなドックは、壁に取り付けられるか、表面に取り付けられるか、他の適切な構成で配置され得る。ドックは、充電ステーション294としても機能し得る。充電は、ワイヤレス(例えば、誘導)またはコネクタ経由のいずれかであり得る。誘導充電を容易にする実施形態では、ベースユニットは、誘導充電ステーションと共に使用される誘導充電レセプタ274を含む。いくつかの実施形態では、ドック/充電ステーションは、例えばNFCプロトコルを使用して、誘導充電器を通じてデータを通信するように構成されてもよい。
【0101】
図7Cは、ベース除細動器ユニットを格納および充電するのに適した代表的な誘導充電ステーション/ドック294の分解斜視図である。充電ステーション294は、ベースユニット110およびそれに取り付けられた他のモジュールを保持するのに適したクレードル296を含む。いくつかの実施形態では、クレードルは、底部に取り付けられたバッテリーパック290のフォームファクタと実質的に類似した支持構造フォームファクタを有し得る。充電ステーション/ドックは、壁のコンセントに接続するためのコード/プラグを有してもよいし、または、大きな内部バッテリーを有していてもよく、これは、グリッドから離れて使用されるユニットにとって特に望ましい場合がある。いくつかの実施形態では、ドックは、ドックに配置されている間の除細動器の監視を容易にし、AEDがドックからいつ取り外されるかを知るための接続機能(例えば、WiFi、セルラーなど)を含むことができる。いくつかの実施形態において、ドックは、除細動器がドックから取り外された場合/除細動器がドックから取り外されたときにアラームを鳴らすか、または通知を送信するように構成されてもよい。そのような通知は、救急隊員、AEDの管理者(例えば、学校管理者、建物管理者など)に対して行うことができる。公共使用の除細動器に特に適したいくつかの実施形態では、ドックは、ホームドックにカメラおよび/またはマイクも含むことができるため、法執行機関/EMSは、誰かが単にデバイスで遊んでいるのか、または実際に緊急時に使用しているのかが分かる。
【0102】
図7Dは、代替の充電ステーション/ドック294(a)の分解斜視図である。この実施形態は、ベースユニットの充電を容易にするためにベースユニットの底部電気コネクタと係合するように構成された電気コネクタ297を含む。この実施形態では、クレードル296(a)は、インタフェースユニットのアーム204と重ならないように設計されたアーム298を有する。これは、インタフェースユニット200が取り付けられたベースユニットが、クレードルにしっかりとフィットすることを確実にするのに役立つ場合がある。しかしながら、
図7Cのクレードル296は、インタフェースユニットも含む除細動器を保持するように容易に構成され得ることを理解されたい。
【0103】
いくつかの実施形態において、補助バッテリーパック290は、充電ステーションで使用される電気コネクタ(例えば、297)と適合する上部コネクタを有する。このようにして、ベースユニットは、補助バッテリーパック、または電力を有するドック/充電ステーションのいずれかを使用して、再充電され得る。補助バッテリーパックには、任意選択で、充電ステーションの電気コネクタと接続する下部コネクタも有し得る。これにより、バッテリーパックを取り外すことなく、バッテリーパックを含む除細動器の充電が容易になる。
【0104】
バッテリー寿命および電源管理
バッテリー寿命は、ほとんどのバッテリー駆動AEDにとって重大な制約である。通常、従来のバッテリー駆動のAEDは、バッテリーが消耗すると使用できなくなる。さらに、規制またはその他の懸念により、一部のメーカーは、たとえ除細動器が動作可能であっても、バッテリーがその指定された保管期限を超えた場合/バッテリーがその指定された保管期限を超えた時に、AEDを無効にする。したがって、実際には、完全に放電されたバッテリー、またはその他の点で使用できないバッテリーは、現在のAEDの一般的な障害モードである。問題のスケールの例を示すために、いくつかの研究では、すべてのAED障害の25%から33%がバッテリーの放電に起因することが示唆されている。したがって、バッテリーの制約が既存のAEDにとって重要な問題であることは明らかである。
【0105】
記載されているモジュール式除細動器の設計は、これらの実際的な制約をさまざまな方法で緩和しようとしている。最初に、多くの好ましい実施形態では、蓄電ユニット170(例えば、バッテリー/バッテリーユニット)は、必要に応じて除細動器が再充電されるように再充電可能である。蓄電ユニット170は、様々な方法で充電および再充電され得る。
【0106】
いくつかの実施形態では、ベースユニット110は、バッテリーを充電するために誘導充電器から電力を受け取るように構成された誘導充電レセプタを有するオプションの誘導充電モジュール174を含む。この構成は、電力を有し、誘導充電器としても機能するドックにAEDを格納することが実用的な用途で特に有用である。除細動器コントローラ130は、(充電エネルギーがどこから来るかに関係なく)バッテリー寿命を延ばす方法でバッテリーの充電を管理する充電管理アルゴリズムを有する。
【0107】
ベースユニット110は、コネクタ195を介して充電されることも可能であり、これは、電力の供給をサポートするUSBコネクタまたは他の標準的なコネクタの形態をとることができる。USBコネクタを使用する場合、除細動器は、USBコネクタを介して電力を供給できる任意のUSB互換デバイスにユニットをプラグ接続することにより充電され得る。いくつかの状況では、接続されるデバイスは、スマートフォンまたはタブレットコンピュータなどのモバイル通信デバイス105であってよく、バッテリーを再充電するための電力は、電話またはタブレットによって供給され得る。モバイル通信デバイスを使用する利点は、そのようなデバイスを補助的なユーザインタフェースとしても容易に使用することができ、さまざまな通信、監視、保守、およびトレーニング機能を容易にすることができることである。しかしながら、バッテリー170を再充電するために使用され得る多種多様な他の既存のUSB互換デバイスがあることを理解されたい。これらは、ポータブル電源スティックまたはパワーバンク、ポータブル充電器、ラップトップコンピュータ、壁プラグ充電器、シガーライター充電器、および他のさまざまなデバイスを含み得る。
【0108】
ベース除細動器ユニットの有効なバッテリー充電寿命(再充電可能なバッテリーの有無にかかわらず)は、補助バッテリーパック290をベース除細動器ユニット110に取り付けることで大幅に延長できる。バッテリーパック290の使用は、ベース除細動器ユニットが充電ステーションとは離れた場所に保管されることが予想される状況、および/または所有者が、除細動器が定期的にチェックおよび充電されること、および/またはユニットに補助バッテリーパックが取り付けられていない場合に必要な頻度で保守されていることに自信がない状況において特に望ましい。いくつかの実施形態では、バッテリーパック290は、ベースユニットの蓄電ユニット170を再充電するために使用される。したがって、補助バッテリーパックは、ポータブル充電ユニットの形態を考慮するか、またはその形態をとることができる。
【0109】
さらに、有効なバッテリー充電寿命は、必要に応じて除細動器バッテリー170を充電するためにも使用され得る蓄電ユニット250を有するインタフェースユニット200の取り付けを介して延長され得る。
【0110】
いくつかの実施形態では、除細動器ベースユニット110は、複数の充電サイクルを通じてバッテリーの使用寿命を延長するように設計された方法で、ベースユニットバッテリー170の充電および保守を管理するバッテリー充電/保守コントローラをさらに含む。バッテリー充電/保守コントローラは、蓄電ユニット170の一部、別個のコンポーネントであってもよく、または除細動器コントローラ自体が蓄電ユニットの充電を管理するように除細動器コントローラ130上で実行するソフトウェアにおいてアルゴリズム的に実装されてもよい。
【0111】
前述したことから明らかなように、ベース除細動器ユニットで使用されるバッテリーを再充電するための電力は、ベースユニットと共に使用される可能性のあるさまざまなモジュール/コンポーネントから得ることができる。同様に、さまざまな異なるモジュール/コンポーネントを使用して、ベースユニットと遠隔サーバとの間の監視および保守タイプの通信を容易にすることができる。可能な電力およびデータ通信パスの一部が、
図10に図式的に示されている。
【0112】
図10に示す実施形態では、ベースユニット110は、インタフェースコネクタ190、コネクタポート195として機能するUSBポート、短距離通信(例えば、Bluetooth、NFCなど)を容易にするインタフェース199、および無線充電レシーバ174を含む。これらの4つの特定の電気接続メカニズムが
図10の実施形態に示されているが、他の実施形態では様々な他の接続メカニズムを使用できること、および/または図示の接続メカニズムの一部を排除または置換できることを理解されたい。示されている実施形態では、インタフェースユニット200またはポータブル充電器(補助バッテリーパック)290のいずれかが、ベースユニットに取り付けられ、インタフェースコネクタ190を介してベースユニットに電気的に結合され得る。存在する場合、インタフェースユニットは、ベースユニット110、および1つまたは複数の遠隔サーバ280の両方とのデータ通信を容易にし、これは、必要に応じて様々な緊急および医療リソースとの通信を容易にし得る。電力は、インタフェースユニット200またはポータブル充電器290のいずれかからインタフェースコネクタ190を介してベースユニットに供給され得る。適切な場合、外部ソースからの電力は、ベースユニット110およびインタフェースコネクタ190を介してインタフェースユニットに供給され得る。
【0113】
モバイル通信デバイス105または他のUSB電源は、コネクタポート195を介してベースユニットに電気的に結合され得る。存在する場合、モバイル通信デバイス105は、ベースユニット110および遠隔サーバ280の両方とのデータ通信を容易にする。電力は、モバイル通信デバイス105または任意の他のUSB電源のいずれかからコネクタ195を介してベースユニットに提供され得る。
【0114】
無線充電レシーバ174は、ホームドック294(b)または任意の他の適切な無線充電ステーション294(c)からの誘導充電電力の受信を容易にすることができる。いくつかの実施形態では、ホームドック294(c)は、短距離通信インタフェース199を介したベースユニット110との通信も容易にし、また、遠隔サーバ280と通信するようにも構成され得る。
【0115】
バッテリー充電管理
ベースユニットバッテリーの充電を管理するために用いられ得るさまざまな異なる電源管理戦略がある。一般に、目標は、ベース除細動器ユニット110が常に機能することを確実にすることであり、または、バッテリーが必要なときに再充電または交換されない場合に、除細動器が可能な限り機能したままであることを確実にすることである。除細動器ユニットは保管中にある程度の電力を消費するため、そのバッテリー寿命は無期限ではないことが理解されるべきである。例えば、ベース除細動器ユニットは、周期的に起動し、必要なルーチンステータスチェックを実行しなくてはならない。テストの頻度は大きく異なり得るが、いくつかの実施形態では、毎日または数日ごと、毎週、毎月、または他の適切な間隔でセルフチェックが実行される。いくつかの実装形態では、異なるレベルのセルフテストが、異なる頻度で実施され得る。例えば、一部のテストは毎日(1日1回)実施され、他のテストは毎週実行され、さらに他のテストは毎月または他の適切な間隔で実施される。状況によっては、一部のセルフテストは、放電キャパシタを、無視できない量の電力を消費する除細動ショックの送出に必要なレベルまで充電することさえ含み得る。
【0116】
いくつかの実施形態では、除細動器コントローラ130またはバッテリー充電/保守コントローラは、蓄電ユニット170の充電ステータスを監視する。この監視は、任意の特定のシステムのニーズに応じて定期的または継続的に行われ得る。例として、そのような監視は、除細動器が使用されていない場合、例えば定期的にスケジュールされたセルフテストの1つの一部とすることにより、定期的に行われ得る。いくつかの実施形態では、充電ステータスチェックは、除細動器が使用中である場合/使用中に、例えば、緊急インシデント、トレーニングセッション、または様々な監視活動中に、より頻繁にまたは連続的に実施される。
【0117】
上述のように、一般的な目標は、ベース除細動器ユニット110が常に機能すること、または少なくとも可能な限り機能したままでいることを保証することである。したがって、いくつかの実施形態では、電力は、適切な場合、取り付けられたデバイスまたは接続されたデバイスから引き出されて、蓄電ユニット170を充電する。このような電力ドローを管理するための適切なアプローチの1つが、
図8を参照して説明される。
【0118】
図8に示す実施形態では、ベースユニットのバッテリーチェック401が周期的に実行される。これらのチェックは、定期的なセルフテストの一部として、任意の所望の頻度(例えば、毎日、毎週、または任意の他の所望の頻度)および適切と思われる任意の他の時間(例えば、任意の目的で除細動器の電源が入っているとき、ショックが与えられるとき、デバイスがコネクタのうちの任意のものを介して除細動器に最初に接続されたときなど)に実施され得る。バッテリーチェックが実施されると、ブロック403に示されるように、蓄電ユニットの現在の充電レベルが検出される。例えば、蓄電ユニットを構成するバッテリーの電圧レベルを読み取るなど、任意の適切な充電レベル検出アプローチを使用して、現在の充電レベルを判定することができる。
【0119】
次に、検出された充電レベルは、充電閾値と比較され、充電閾値は、それ未満では蓄電ユニット170が充電されるべき充電レベルを表す。現在の充電レベルが充電閾値を超える場合、この時点では蓄電ユニット170を再充電する必要はない。そのような状況では、ブロック408に示されるように、現在の充電レベルがテストログに記録され、バッテリーチェックが完了する。逆に、チェック405において充電レベルが充電閾値未満であると判定された場合、ブロック410に示されるように、再充電電力が任意の取り付けられた(または接続された)デバイスから利用可能かどうかが判定される。
【0120】
例えば、インタフェースユニット200および/または補助バッテリーパック290のうちの1つまたは複数が取り付けられている場合、ステップ410は、そのようなデバイスが蓄電ユニット170を充電するために使用できる電力を有するかどうかを判定する。そうである場合、ブロック413に示されるように、電力は、取り付けられたデバイスから引き出されて、蓄電ユニットを充電する。インタフェースユニット200および補助バッテリーパック290の両方がベースユニット110に取り付けられている場合、充電電力は、通常、そのような電力が利用可能な範囲でまず初めに補助バッテリーパックから引き出される。しかしながら、他の実施形態では、取り付けられたどのユニットから最初に再充電電力を引き出すかの判定は、インタフェースユニット対補助バッテリーパックの相対充電レベルなどの他の基準を含み得る。もちろん、充電電力を供給できる他のコンポーネントがベースユニットに取り付けられている場合は、電力はそれらのコンポーネントからも供給され、複数の取り付けられたデバイスがある場合は、コンポーネントが充電電力を供給するために使用される順序が、任意の特定のシステムに対して適切に判定され得る。蓄電ユニットの充電が完了すると、ブロック408で示されるように、充電ステータスが記録される。ログに記録される情報、および使用されるログの性質および構造は、任意の特定のシステムの認識されたニーズに基づいて異なり得る。例として、充電ログを使用して、充電が発生した時間、充電期間の長さ、蓄電ユニットの充電前後のレベル、電力が引き出されたデバイス(例えば、補助バッテリーパック290、インタフェースユニット200など)、電力を供給したデバイスのバッテリーの充電前後のレベルなどのパラメータを識別し得る。充電ログがテストログとは別個のものである場合、充電が発生したという事実および他の所望のパラメータは、テストログにも記録され得る。
【0121】
(ブロック410からの「いいえ」分岐によって表されるように)再充電電力を供給することができる取り付けられたデバイスがない場合、判定ブロック415によって表されるように、充電レベルが、指定された最小動作充電レベルを下回るかどうかに関して判定が行われる。そうである場合、ブロック417で表されるように、バッテリー残量低下ステータスインジケータ(例えば、インジケータ176(b))が、バッテリー残量が少なく、再充電する必要があることを、デバイスを観察している人に知らせるためにアクティブ化され得る。インタフェースユニットが提供されている場合、インタフェースユニットは、低バッテリーステータスを通知され、除細動器を充電する必要があることを知らせる適切なメッセージが、デバイスの管理者に送信され得る。
【0122】
バッテリー充電レベルが低いと判定されるかどうかに関係なく、現在の充電レベルおよびステータスは、ブロック408により表されるように、バッテリー残量低下ステータスインジケータをアクティブ化するための任意の判定と同様にログに記録される。
【0123】
再充電判定405で利用される充電閾値は、それらが潜在的に異なる基準に基づいているので、バッテリー残量低下判定415で利用される最小動作充電レベルとは異なり得る(そうである必要はない)ことが理解されるべきである。充電判定は、潜在的心臓インシデントを処理するのに十分なエネルギーを有することに加えて、長いバッテリー寿命を促進する充電の考慮に部分的に基づき得る。対照的に、バッテリー残量低下チェックは、主に、潜在的心臓インシデントを処理するのに十分なエネルギーを有することに基づいている。
【0124】
通常、デバイスがコネクタポート195にプラグ接続されると、接続は本質的により一時的なものとなることが予想される。したがって、デバイスが最初にコネクタポート195にプラグ接続され、
図9に関して以下で説明されるものである場合、異なる充電スキームが使用されてもよい。しかしながら、そのようなデバイスが長時間接続されたままの場合、デバイスから引き出される電力は、例えば
図8に関して上記で説明したアプローチに従って、または別の適切な方法で、異なる方法で管理され得る。
【0125】
次に
図9のフローチャートを参照して、デバイス(モバイル通信デバイスなど)がコネクタポート195にプラグ接続された場合に使用するのに適した電力ドロー管理方式420について説明する。この説明の目的のために、接続されたデバイスは携帯電話であると仮定するが、プロセスは、そのようなデバイスの特定の機能を考慮して、他の接続されたデバイスについても一般に類似し得る。
【0126】
接続されたデバイスの存在が検出されると、除細動器コントローラ130(またはバッテリー充電/保守コントローラなどの他の充電管理構造)は、接続されたデバイスから電力が利用可能かどうかを判定する(ステップ424)。これは、接続されたデバイスへのクエリ、接続されたデバイスからの初期メッセージの受信、または単にコネクタの電力ラインに電力が存在することの検出、または他の適切な方法で達成され得る。電力が利用可能でない場合、接続されたデバイスに関して充電電力管理クエリが終了する。電力が利用可能である場合、除細動器コントローラ130は、もしあれば、ベースユニットが利用可能な電力で何をしたいかを判定する。利用可能な電力がどのように使用されるかは、緊急事態が存在するかどうか、ベースユニットバッテリー170の充電レベル、接続されたデバイス105の充電レベル、および除細動器システム100の任意の他の接続されたコンポーネント、例えば、インタフェースユニット200および/または補助バッテリーパック290(これらのコンポーネントの一方または両方が存在する場合)などのバッテリー充電レベルを含む複数の要因に依存する。
【0127】
接続されたデバイスから電力が利用可能であると判定された場合、判定ブロック427で表されるように、デバイスの現在の使用が緊急(または少なくとも潜在的な緊急)とみなされるかどうかに関して判定が行われる。現在の事象を緊急事態(または潜在的な緊急事態)として分類することは、除細動器の機能および所望の動作特性に応じて、複数の異なる方法で行うことができる。例えば、ユーザが電源オンボタン183を押圧することによりベース除細動器ユニットを作動させるときはいつでも、潜在的な緊急事態とみなすことができる。同様に、接続されたデバイス105またはインタフェースユニット200で実行される除細動器アプリによって表示されるグラフィカルユーザインタフェース上の緊急ボタンを選択することにより、ユーザが緊急であることを示した場合、それは緊急事態または潜在的な緊急事態とみなすことができる。さらに他の実施形態では、デバイスがコネクタ195を介してベースユニットに最初にプラグ接続されたときはいつでも、潜在的な緊急事態とみなすことができる。もちろん、緊急事態は、他の実施形態では他のさまざまな方法で識別され得る。
【0128】
(判定ブロック427からの「はい」分岐によって表されるように)現在の状況が潜在的な緊急事態であることが理解される場合、判定ブロック429によって表されるように、放電キャパシタ状態が充電に設定されるかどうかの判定が行われる。そうである場合、接続されたデバイス105からの利用可能な電力は、ブロック431によって表されるように、放電キャパシタ150の充電を補うために使用され得る。これは、緊急時には、ベースユニット110の動作および必要に応じて放電キャパシタを充電することが最優先事項であるため望ましい。一般に、デバイスの電力は、充電が完了するまで放電キャパシタの充電を補完するために使用することができ、充電が完了すると、放電キャパシタの状態は、「充電済み」に設定される。
【0129】
放電キャパシタをいつ充電するかの判定は、さまざまな方法で行うことができる。いくつかの実装形態では、潜在的な緊急事態が存在すると判定されるとすぐにキャパシタ状態が充電に設定されて(したがって充電を開始して)、ショック可能な調律が検出されるとすぐに除細動器がショックの準備ができるようにする(これは、ショック可能な調律が検出された後にのみ放電キャパシタの充電を開始することが多い従来のバッテリーベースの除細動器とは対照的であることに注意されたい)。他の実施形態では、例えばタブを引いてベースユニットハウジング120から電極パッドを引き出すことにより、ユーザが電極パッド116にアクセスするときはいつでも充電を開始することができる。他の実施形態では、ベースユニット110が最初にオンにされたとき、またはモバイル通信デバイス105が説明されたようにベース除細動器ユニット110に最初に接続されたとき、潜在的な緊急事態とみなされ、放電キャパシタの充電が開始され得る。これらのシナリオのいくつかは、参照により本明細書に組み込まれる出願人の米国特許第10,029,109号により詳細に記載されている。組み込まれた’109特許は、放電キャパシタの充電を開始するために使用できるさまざまな他のトリガについても説明している。前述の状況では、患者がショック可能な調律を有しているかどうかの判定が行われる前に充電が開始されることが注目に値する。さらに他の実施形態では、放電キャパシタは、ショック可能なリズムが検出された後にのみ(すなわち、より従来の放電キャパシタ充電タイミングを使用して)充電され得る。
【0130】
放電キャパシタの充電(再充電)は、放電が発生した後、および/または他の適切な時間(例えば、放電が発生した後のショック可能な調律の継続の検出時)に自動的に開始され得る。もちろん、充電は、他のさまざまな状況でも、例えば、テストプロトコルの一部として、または他の適切な状況において開始され得る。接続されたデバイスからの電力を使用して、所望の場合、これらの状況でも放電キャパシタの充電を補完できる。
【0131】
前述のように、接続されたモバイル通信デバイスからの電力を利用して放電キャパシタを充電できることは、バッテリー切れによって緊急時に除細動器が使用できなくなるリスクを劇的に減らすことができるという点で、大きな利点であり得る。除細動器のバッテリー170(および任意の他の取り付けられたユニットのバッテリー)が、放電キャパシタ150を充電するのに使用できないほど放電されている(望ましくは稀な)場合において、電力を供給できるスマートフォン、タブレットコンピュータ、または他のポータブルデバイスが、コネクタポート195を介してベースユニット110にプラグ接続されることが可能であり、電力は、(a)除細動器の電子機器(スピーカなどの任意のユーザインタフェースアイテムを含む)に給電すること、および(b)放電キャパシタ150を充電するために給電することの両方に必要に応じて、そのようなデバイスから引き出され得る。スマートフォンや他のモバイル通信デバイスは、この段階では、ほぼどこにでもあるため、この機能により、たとえそのバッテリーが想定されていたように保守および充電されていない場合であっても、緊急時に除細動器システムが使用できなくなるリスクを大幅に減らすことができる。これは、公共の除細動器がたとえ適切に管理されていなかったとしても(これは、実際には一部の設備で重大なリスク要因であることが示されている)、使用できなくなるリスクを軽減するのに役立ち得る。
【0132】
モバイル通信デバイス105から電力を引き出すとき、モバイル通信デバイスから引き出される電流が、接続されたデバイスの最大許容電源電流を超えないことが重要である。多くの携帯電話や他のデバイスはドロー電流が超過すると外部デバイスへの電力を遮断するため、これは重要である。電流レギュレータ143を使用して、電流ドローが、接続されたデバイスの能力を超えないようにすることができる。組み込まれた’109特許には、電流ドローを制御し、接続されたデバイスからの連続的な電流ドローを維持し、所望の場合、接続されたデバイスの能力に基づいて電流ドローを最大化するために使用され得るプログラム可能な回路を含む、複数の電流調整回路が記載されている。
【0133】
図9に戻ると、(判定ブロック427からの「いいえ」分岐によって表されるように)モバイルデバイスがコネクタポート195を介してベースユニットに接続されているときに緊急事態が認識されない場合、除細動器コントローラ130(または他の充電管理コンポーネント)は、ブロック435で表されるように、ベースユニットのバッテリーが充電を必要とするかどうかを判定する。判定ブロック429からの「いいえ」分岐によって表されるように、放電キャパシタの状態が「充電」に設定されていない場合、または放電キャパシタの充電が完了している場合、同じアクションが実行され得る。
【0134】
ベースユニットバッテリー170が充電を必要とする場合、ブロック437で表されるように、接続されたデバイスから電力が引き出されてベースユニットバッテリーを充電する。接続されたデバイス105から電力を引き出してベースユニットバッテリーを充電するかどうかを判定する際に使用される充電レベル閾値は、取り付けられたデバイスからベースユニットのバッテリーを充電するかどうかを判定する際に使用される充電レベル閾値とは異なり得る(しかし異なる必要があるわけではない)ことを理解されたい。これは、コネクタポート195を介したデバイスへの接続は、一般に、本質的により一時的なものであると予想されるため、除細動器システム全体を充電する機会として接続を使用する努力が為されるためである。もちろん、ベースユニットのバッテリーを充電するために接続されたデバイスから電流を引き出すかどうかを判定する際は、接続されたデバイスの充電レベルを含む他のさまざまな要因が考慮され得る。
【0135】
(判定ブロック435の「いいえ」分岐によって表されるように)ベースユニットのバッテリーが充電を必要としない場合、またはベースユニットのバッテリーが所望のレベルまで充電された後、ブロック440で表されるように、取り付けられたインタフェースユニット200が充電を必要とするかについての判定が行われる。取り付けられたインタフェースユニットが存在し、それが充電を必要としている場合、ブロック442で表されるように、接続されたデバイスから電力が引き出されてインタフェースユニットを充電する。
【0136】
(判定ブロック440からの「いいえ」分岐によって表されるように)インタフェースユニット200がベースユニット110に接続されていない場合、またはインタフェースユニットが充電される必要がないか、既に充電されている場合、ブロック444で示されるように、取り付けられた補助バッテリーパック290が充電を必要とするかについての判定が行われる。補助バッテリーパック290が存在し、それが充電を必要としている場合、ブロック446で表されるように、接続されたデバイスから電力が引き出されて補助バッテリーパックを充電する。ベースユニットに直接または間接的に取り付けられた、独立してバッテリー駆動されるコンポーネントがある限り、それらは同じ充電スキームを使用して充電され得る。説明される実施形態では、ベースユニットは最も高い充電優先度を有し、インタフェースユニットは2番目に高い優先度を有し、補助バッテリーパックはベースユニットまたはインタフェースユニットのいずれよりも低い優先度を有する。ベースユニットは、潜在的に人命を救うコンポーネントであるため、最も高い優先度を有する。インタフェースユニットは、非常事態において、および除細動器の非緊急時の管理、保守およびサポートを容易にするための両方で、非常に有用な通信およびレポート機能を提供するため、2番目に高い優先度を有している。
【0137】
いくつかの実施形態では、充電電力分配は、除細動器コントローラ130またはベースユニット上の他の充電管理ロジックによって管理される。したがって、状況によっては、ベースユニットは、常に充電セッションを中断することができる。そのような状況の1つは、例えば放電キャパシタの充電など、他の目的で外部電源が必要であると判定された場合である。別の例は、接続されたデバイス105の充電レベルが指定された閾値を下回り、除細動器が緊急事態で機能するための電力を絶対に必要としない場合である。そのような判定のトリガは、多種多様な異なる基準に基づき得る。
【0138】
モバイルデバイスが接続されたときにインタフェースユニットのバッテリーが完全に放電されるという状況が発生する可能性がある。そのような状況では、除細動器コントローラ130は、いつでもインタフェースユニット200に電力を送るために肯定的な判定を下すことができる。示された実施形態では、電力が放電キャパシタを充電するために使用されている場合、これは緊急事態では最初に行われない。その理由は、この場合もやはり、常にベースユニットが完全に機能することを確実にすることが最優先事項であるからである。しかしながら、他の実施形態では、他の優先スキームが使用され得る。接続されたデバイス105からの電力が他の目的で利用可能になると、除細動器は、インタフェースユニットに動作電力を付与でき、これにより、インタフェースユニットは、ブロック449で表されるように意図した方法で機能できる。
【0139】
上記のバッテリー充電管理は、フローチャートの構成を使用して説明されている。したがって、この説明の目的で、プロセスは主に特定の順序で説明されている。多くの場合、この特定の順序が重要ではないことは明らかである。一部の動作は結合され、他の動作は複数の動作に解析されてもよい。異なる動作を使用して同じ機能を得ることもできる。他の実施形態では、任意の特定の用途のニーズを満たすために、選択されたステップが削除または修正され得る。
【0140】
ステータスインジケータ
図2A~
図2Gに示す実施形態では、ベースユニットは、
図2Dにおいて最もよく分かるように、複数のインジケータライト176(a)~(d)を含むステータスインジケータインタフェース175を有する。提供される特定のインジケータおよび特定のインジケータによって伝えられる情報は、任意の特定の実施形態の認識されたニーズに応じて異なり得る。示される実施形態では、各インジケータ176は、関連するインジケータの関連性をグラフィカルに示す関連アイコン178を有する。示される実施形態では、インジケータライト176は、パッドステータスインジケータ176(a)、バッテリー充電レベルインジケータ176(b)、警告インジケータ176(c)、および機能インジケータ176(d)を含む。
【0141】
1つの特定の実装形態において、パッドステータスインジケータ176(a)は、電極パッド116が取り付けられていない場合/時に点灯して、パッドが欠落しているか取り付けられていないという視覚的フィードバックをユーザに与える。バッテリー残量低下インジケータ176(b)は、バッテリー残量が少なく再充電が必要な場合(または交換が必要な場合-これは、再充電可能なバッテリーを含まない実施形態では特に重要である)に点灯する。ベースユニットのセルフテストにより、デバイスが適切に機能していないと判定され、使用すべきでないと判定されると、警告インジケータ176(c)が点灯(例えば、赤色に点灯)する。機能インジケータ176(d)は、ベースユニットが正常に機能しており、注意または保守を必要としていない場合に緑色に点灯する。所望であれば、機能インジケータ176(d)は、別の色(例えば、黄色)で点灯され、および/または、そうでなければ、デバイスへの保守または他の注意が推奨される場合には、異なる信号(例えば、点滅信号)を表示することができる。説明のために、特定の種類のインジケータおよび特定のインジケータの色が与えられているが、使用される特定のインジケータの性質および/またはインジケータ照明が使用される場合のさまざまなステータスインジケータの照明の色と性質は、UIの設計目標によって異なり得ることが理解されるべきである。
【0142】
いくつかの実施形態では、電子インク(e-ink)またはその均等物を使用して、ステータスを示すことができる。具体的には、グラフィックは、最新の機能ステータスを表示するように構成され得る。e-inkタイプのテクノロジーを使用することの望ましい特徴は、その状態を変化させるためにエネルギーを必要とするだけであることである。したがって、任意の理由でデバイスが動作不能になった場合でも、デバイスのステータスの適切な表示が依然として存在する(例えば、低バッテリー、デバイスが機能していないなど)。
【0143】
除細動器制御
図2に示す実施形態では、ベースユニットは、完全に機能する除細動器である。そのため、ベースユニットは、患者の心調律を分析してショック可能な心調律であるかどうかを判定し、もしそうである場合にショックを患者へ送出するために必要なすべてのコンポーネントおよび機能を提供する。また、それは、ユニットの操作方法をユーザに指示し、任意の必要とされるユーザ入力(例えば、実際にショックを送出するためにユーザ入力が必要な場合は開始ショックコマンド)を受信するのに適したユーザインタフェースも有する。
【0144】
いくつかの実施形態では、緊急時に、インタフェースユニット200がベースユニットに取り付けられるか、またはモバイル通信デバイス105がベースユニットに接続されている場合、インタフェースユニットおよび/またはモバイルデバイスは、ベース除細動器ユニット110の動作を何ら制御しない。しかしながら、ベース除細動器は、必要に応じて取り付けられた、または接続されたデバイスに指示を送信するように構成され得る。このアプローチにはいくつかの潜在的な利点がある。最も注目すべきことは、インタフェースユニットまたはモバイルデバイス(該当する場合)がインシデント中に誤って切断された場合に発生する可能性のある誤動作または機能障害のリスクを実質的に排除することである。また、それは、インタフェースユニットまたはモバイルデバイスのいずれかが故障すると、それ自体で除細動器ユニットが使用不能になるか、またはその意図された目的に適さなくなるリスクを実質的に排除する。したがって、説明されたアーキテクチャは、安全性の観点から大きな利点を有し得る。このようなアーキテクチャは、規制レビューの観点からも潜在的な利点を有する。具体的には、上述のように、一部の管轄区域では、インタフェースユニットが取り付けられているかどうかに関係なく、ベース除細動器ユニットを実質的に同じように動作させることで、異なる構成の冗長なフルスケールの承認の必要性を削減または排除し得る。
【0145】
インタフェースユニット、または除細動器アプリを実行するモバイル通信デバイスが、緊急インシデント中に、ベースユニットに接続されると、ベースユニットは、さまざまな異なる情報および/またはコマンドをそのようなコンポーネントに送信できる。例えば、インタフェースユニットまたは接続されたデバイスは、ベースユニット自体によって提供される指示(ベースユニットによって提供される音声指示の形式をとり得る)と同期し、一般的にそれを補足するグラフィックおよび/またはテキスト指示を表示するように指示され得る。これにより、厳密に音声指示および/またはベースユニット上だけに存在するだろう基本的なグラフィックよりも、特定のタイプのユーザに対しより快適な指示を提供することができる。
【0146】
インシデント中および/またはインシデント後、ベースユニット110は、任意の利用可能な通信リンク(例えば、セルラー、WiFi、または他の利用可能な通信リンク)を介して緊急要員に適宜転送するために、インシデント情報をインタフェースユニット200またはモバイル通信デバイス105に渡すことができる。そのような情報は、心停止を経験した患者を評価する際に、第一対応者および医療スタッフにとって非常に役立ち得る。
【0147】
タッチセンシティブディスプレイ画面を組み込んだいくつかの代替実施形態では、ユーザは、スクリーン220に表示されたGUIボタンを押圧することにより、開始ショックコマンドなどのコマンドを使用中に除細動器に入力し得る。いくらか同様に、いくつかの実施形態では、ショック可能な心調律検出および/または除細動器制御機能の他の態様のような、除細動器コントローラ130の選択された機能は、存在する場合、インタフェースユニットにオフロードされ得る。
【0148】
指示の同期
上述のように、インタフェースユニット200、または除細動器アプリがインストールされたモバイル通信デバイス105が、緊急時にベース除細動器ユニット110に接続されると、接続されたデバイスは、ベースユニットから発行された指示(例えば、ベースユニットから発行された音声指示。ただし、ベースユニットは他の形式の指示も発行し得る)に一致するグラフィック指示をユーザに表示するように構成され得る。ベースユニットがユーザに異なる指示を与えると、モバイル通信デバイスまたはインタフェースユニット上に表示されるグラフィック指示は、ベースユニットからの指示に一致するように変化する。
【0149】
ベースユニットおよび接続されたインタフェースユニットまたはモバイル通信デバイスの間の同期は、さまざまな異なるアプローチを使用して達成され得る。例として、1つの適切なアプローチが
図11のフローチャートを参照して説明される。示された実施形態では、ベースユニットは、ベースユニットに接続された任意のディスプレイデバイス(例えば、インタフェースユニット200および/または接続されたモバイルデバイス105)にステータスメッセージを周期的に送信するように構成されている。いくつかの実施形態では、ステータスメッセージは、定期的に送信される。使用される特定の間隔は異なり得るが、好ましくはかなり頻繁である。例として、1秒あたり数個のステータスメッセージのオーダーの頻度が適切に機能する(例えば、3~20Hz)。特定の一例では、ステータスメッセージは、0.1秒ごとに(すなわち、10Hzの頻度で)送信される。ベースユニットが音声指示としてその指示を発行する場合、新しいグラフィックディスプレイは、好ましくは対応する音声指示と十分に同期し、グラフィック指示が、肯定的なユーザエクスペリエンスを提供するために与えられ得るいかなる音声指示よりも著しく遅れないように、ステータスメッセージ間隔が十分に短く選択されている。
【0150】
ステータスメッセージは、ベースユニットの現在の状態に関する情報を含む。送信される特定のステータス情報は、任意の特定のアプリケーションのニーズによって異なり得る。例として、いくつかの実施形態では、報告されるステータス情報は、以下のうちの1つまたは複数を含み得る。(i)ベースユニットの動作状態。動作状態は、例えば、ベースユニットが緊急モードで起動されているか、トレーニングモードであるか、アクティブな非緊急モードであるかなどを示し得る。いくつかの実施形態では、動作状態がベースユニットの現在の指示状態を示すように、動作状態をより狭く解析することができる。動作状態が指示状態を示さない他の実施形態では、ステータス情報は、(ii)ベースユニットがユーザに現在発行しているまたは最近発行した現在の指示の標示(もしあれば)を含み得る。
【0151】
除細動器が緊急モードで起動されると、報告される情報は、例えば、(iii)ベースユニットがいつ緊急モードになったかを示すタイムスタンプまたは同等物、(iv)除細動ショックが送出されたかどうかを示すインジケータ、およびもしそうであれば、各除細動ショックが送出された時刻を示すタイムスタンプまたは同等物、(v)送出された各ショックのエネルギーレベル、(vi)送出された各ショックに関連する波形、(vii)任意の/検出されたすべてのECG分析のショック/ショックなし分類(および/または、より詳細な分類が実行される場合は、関連する心調律分類)、(viii)各ECG分析に関連するタイムスタンプまたは同等物、(ix)記録されたECGサンプル、(x)電極パッドが患者に取り付けられていることをベースユニットが検知するかどうか、および(xi)AEDのアクティベーション中に検出された任意の不具合のレポートのうちの1つまたは複数としてのインシデント情報の形式をとり得る。
【0152】
除細動器が緊急モードでない場合、報告される情報は、さらに、(xii)バッテリー充電レベル、(xiii)充電ステータス(すなわち、ベースユニットが再充電されているか否か)、(xiv)インストールされているファームウェアのバージョン、(xv)最新のファームウェアのインストール日時、(xvi)ハードウェアバージョン、(xvii)シリアル番号、(xviii)最近のセルフテスト結果のセット(例えば、過去30日間)、および(xix)ベースユニットの機能ステータスのうちの1つまたは複数を含み得る。
【0153】
もちろん、ステータスメッセージの一部として伝えられる特定の情報は、より多い、より少ない、または異なる情報が、任意の特定の実装形態に応じて適切に伝達され、および/または送信される情報が、除細動器の動作状態に基づいて適切に変化することによって、大きく変化し得る。
【0154】
互換性のある外部デバイスは、このステータスメッセージを受信し、そのデータを使用して表示するグラフィックを判定する。記載された実施形態の1つの特徴は、外部デバイスが、ベースユニットから受信した指示(音声またはその他)と矛盾する指示をユーザに提供しないことである。
【0155】
いくつかの実施形態では、互換性のある外部デバイスは、ベースユニットから受信された指示状態を外部デバイスの特定のグラフィックまたはグラフィック状態と対にする格納されたライブラリ/辞書/データベースを有する。これにより、互換性のある外部デバイスが、正しいグラフィック指示を提供することが保証される。外部デバイスがベースユニットから(ベースユニットが現在どの指示を伝達しているかに関する情報を提供する)ステータスメッセージを受信すると、外部デバイスは、そのデータベースをチェックして、どのグラフィック指示が(存在する場合)除細動器の現在の状態に対応し、したがって表示されるべきかを判定する。対応するグラフィック指示が見つかると、外部デバイスのプロセッサは、その対応するグラフィックを表示するようにそのディスプレイ画面に指示する。これを念頭に置いて、いくつかの実施形態では、表示されたグラフィックのリフレッシュレートは、ベースユニットが接続された外部デバイスにステータス更新を送信する頻度に基づいて設定され得る。ステータスの更新が頻繁に送信されるほど、表示されるグラフィックのリフレッシュレートが高くなる。
【0156】
図12は、除細動器の指示状態を、インタフェースユニットおよびモバイルデバイス上に表示されるべき特定のグラフィックと対にする状態テーブルの一部を図式的に示している。グラフィックは、静止画像、短いアニメーション(例えば、GIF)、画像シーケンス、または他の適切なグラフィックであってよく、各特定の指示状態に応じて適切なテキストを伴っていてもいなくてもよい。多くの場合、インタフェースユニットに表示されるグラフィックは、モバイルデバイスに表示されるグラフィックと非常によく類似しているが、これは必須ではない。簡単にするために、
図12のテーブルは、いくつかの代表的な指示状態のみを示しており、さらに多くの状態が提供されることが予想される。もちろん、示されている特定の状態は代表的なものにすぎず、所望の指示フローに対応するために大幅に変更され得る。
【0157】
より複雑なアルゴリズム/方法が、データストリーム内の外れ値/偽信号に対処するために実装され得ることを理解されたい。例えば、接続されたデバイスが、ベースユニットからの送信中に破損した偽の/誤ったステータスメッセージを受信した場合、新しい対応する(誤った)グラフィックをすぐに表示する代わりに、ベースユニットから正しい破損していない情報を受信したことを再確認するために複数のステータスメッセージを受信することを必要とし得る。
【0158】
場合によっては、ベースユニットがユーザにどの指示を提供する予定であるかを、接続されたデバイスが事前に知ることが有益であり得る。これは、一部のディスプレイ画面では、新しいグラフィックの表示に関連する遅延が発生する可能性があるため、有用である。このような計画に対応するために、ステータスメッセージは、次の指示インジケータ、およびそのような指示が生成されるタイミングのインジケータも含み得る。現在の状態を送信する実施形態では、次の指示インジケータは、次の予想される状態の標示の形を取り得る。ベースユニットの次の指示の標示を受信することにより、外部デバイスは、次の対応するグラフィックを表示するための事前準備を行うことができる。
【0159】
補足的なグラフィック管理のもう1つの注目すべき機能は、緊急時の切断および/または接続不良の処理に関するものである。いくつかの実施形態では、接続された外部デバイスが、緊急時に同期グラフィックを表示している間にベースユニットから切断されると、バックアップモードに移行する。バックアップモードでは、外部デバイスは、ベースユニットの指示と競合しないグラフィック指示を表示する。
【0160】
バックアップモードで表示される特定のグラフィックおよび/または指示は、設計目標によって異なり得る。例えば、ディスプレイが比較的大きい一実施形態では、接続された外部デバイスは、除細動器を使用するためのすべての指示を、順序付けられたセットの指示として表示する単一の画面に戻る。そのような表示は、テキストおよび/またはグラフィック指示であり得る。別の実施形態では、バックアップモードは、ユーザが、例えば、前後の矢印を使用して、グラフィック指示を手動でナビゲートすることを可能とするように構成されていてもよい。別の実施形態では、画面は、接続不良を示し、ユーザがベースユニットの音声指示に従うべきであることを示すテキストまたはグラフィックを表示してもよい。当然、他のさまざまな特定のグラフィックおよび/または指示が、他の実装形態において提供され得る。
【0161】
次に
図11を参照して、代表的な同期グラフィック管理プロセス400について説明する。上記で提案したように、ベースユニットは、それに接続されている任意のディスプレイデバイスにステータスメッセージを周期的に送信するように構成されている。したがって、接続された外部デバイス(例えば、インタフェースユニット200および/または接続されたモバイルデバイス105)は、ベースユニットから周期的にステータスメッセージを受信する。(チェック402の「はい」分岐によって表されるように)ステータスメッセージが受信されると、ロジックは、チェック404によって表されるように、ステータスメッセージが指示状態を含んでいるかどうかを判定する。そうである場合、ロジックは、チェック406によって表されるように、現在表示されているグラフィックが指示状態に対応するかどうかを判定する。そうである場合、現在の表示が維持され、ロジックは、チェック406からの「はい」分岐によって表されるように、次のステータスメッセージを受信しようと試みる。あるいは、現在のグラフィックがチェック406の指示と一致しない場合、ロジックは、ブロック408で表されるように、データベースをチェックして対応するグラフィックを見つける。チェック410からの「はい」分岐によって表されるように、対応するグラフィックが見つかった場合、ブロック412によって表されるように、その「新しい」グラフィックが表示される。その後、ロジックは、次のステータスメッセージを受信しようと試みる。
【0162】
上記で提案したように、多くの実装形態では、ベースユニットは、定期的に更新されたステータスメッセージを送信することが期待されている。(チェック402の「いいえ」分岐で表されるように)ステータスメッセージが期待どおりに受信されない場合、チェック421は、最後の有効なメッセージが受信されてからの時間が指定された許容時間を超えるかどうかについて行われる。これは、最後のステータスメッセージがベースユニットから受信されてからの時間を調べることによって実現され得る。ベースユニットからステータスメッセージを受信せずに設定された時間(例えば、1秒、0.5秒、0.1秒など)が経過すると、外部デバイスは、ベースユニットとの接続が失われたか、接続状態が悪いと推測し、ブロック423で表されるように、バックアップモードを用いる。バックアップモードに入ると、前述のように適切なバックアップグラフィックが表示される。あるいは、許容期間を超えていない場合、ロジックは、チェック421からの「いいえ」分岐によって表されるように、次に着信するステータスメッセージを待つ。示される実施形態では、タイムアウト期間は、予想されるステータスメッセージ受信間隔よりも長い。これは厳密な要件ではないが、そのようなアプローチは、時折ドロップまたは破損したパケットを処理するのに十分堅牢なシステムを提供する。
【0163】
接続不良は、破損したステータスメッセージ、読み取り不可能なデータ、または無意味な一連の指示など、他のメトリックを使用しても推測され得ることを理解されたい。したがって、(チェック404の「いいえ」分岐により表されるように)受信されたステータスメッセージが読み取り可能な指示状態を含まない場合、または(チェック410の「いいえ」分岐により表されるように)受信された指示状態に対応するグラフィックが見つからない場合、タイムアウト同期ロジックは、タイムアウトチェック421において、それらの事象を新しい指示の非受信として扱い得る。したがって、いくつかの実施形態では、タイムアウトチェック421で使用される最後の有効なメッセージの受信時間は、ステータスメッセージで受信された指示状態の検証後にのみ更新され得る。例として、そのような検証は、チェック406または412からの確認に基づいて、または他の適切な方法で行われ得る。
【0164】
また、緊急時に接続されたデバイスにより受信されるすべてのメッセージが、必ずしもステータスメッセージであるとは限らないことも理解されたい。むしろ、遠隔地との通信、対応する救急隊員または医療従事者への検出されたEKG(心電図)の調律の表示または伝達、および/または、インシデントの管理および/または報告に役立ち得る他の情報との通信を容易にするために、ユニット間にさまざまな他の通信が存在し得る。
【0165】
マルチメディア使用シナリオ
背景のセクションで指摘したように、AEDは、さまざまな公共の場所や民間の場所に配備されており、近くの人が心停止に陥った場合に利用できるようになっている。残念ながら、AEDが近くで利用できる場合でも、心停止インシデントが発生した場合に使われないことが多いという研究結果がある。このようにAEDが十分に活用されていない要因は、いくつか存在する。1つの重要な使用上の障壁は、訓練を受けていない人々が、慣れておらず、訓練を受けていない高いプレッシャーを受け得る状況で、慣れていない機器を使いたがらないことにある。そのため、CPRおよびAEDの使用などの基本的な救命技術について一般の人々に啓蒙しようとする多くの組織がある。
【0166】
インタフェースユニット200上のディスプレイ画面は、例えば、モバイル通信デバイスで使用されるディスプレイ画面の解像度と同等の、比較的高い解像度を有することができる。インタフェースユニットのプロセッサ210は、かなりのコンピューティングリソースを有してもよく、メモリ213は、ビデオファイルのストレージをサポートするのに十分な大きさであってよい。これらの能力は、既存のトレーニングプログラムとはまったく異なるAEDトレーニングシナリオを支援する。具体的には、AEDは、公共の場所の交通量の多い場所のキャビネットに設置されることが多い。充電ドックおよびインタフェースユニット200が提供される場合、インタフェースユニットは、除細動器がスタンバイ(非緊急)モードで動作している間、AEDトレーニングビデオを表示するように構成され得る。いくつかの実施形態では、トレーニングビデオは、本質的にインタラクティブであり得る。これは、通行人が空いた時間を有する可能性があり、トレーニングビデオに参加して心停止インシデントへの対応およびAEDの使用について学習することができる公共の場所にインタフェースユニット200が設置されている場合に、強力なトレーニングツールとなり得る。
【0167】
他の実施形態では、関心のある通行人は、自身のモバイル通信デバイスを除細動器にプラグ接続するか、または無線リンク(例えば、Bluetooth)を介して除細動器と通信することができる可能性がある。これにより、強力な教育ツールになる可能性があると考えられている学習者自身の個人デバイスを使用した心停止反応のトレーニングが可能になる。
【0168】
誘導充電
上述の実施形態の多くでは、コネクタまたはコネクタケーブルを使用して、ベース除細動器ユニット110を、インタフェースユニット200、モバイルデバイス105、バッテリーパック290、および/または任意の他のコンポーネントなどの他のコンポーネントに電気的に結合する。しかしながら、他の実施形態では、そのような接続は、完全に無線であり得る。上述のように、ベースユニットが誘導充電レセプタを含む場合、ベースユニットを格納するのに適したドック上の誘導充電ステーションを使用して、ベースユニットに電力を供給し、充電し、および/または再充電することができる。同じレセプタを使用して、補助バッテリーパック、モバイルデバイス、インタフェースユニット、またはワイヤレス充電をサポートする他のコンポーネントから電力を受け取ることができる。
【0169】
ワイヤレス充電は、近い将来にスマートフォンや他のモバイル通信デバイスで一般的な機能になると予想される。モバイルデバイスがワイヤレス誘導充電をサポートするように構成されている場合、同じコイルおよび回路を使用して周辺デバイスにエネルギーを供給するように容易に適合させることが可能である。ベース除細動器ユニット上の誘導充電レセプタは、ワイヤレス充電インタフェースを介してスマートフォンおよび他の同様のデバイスから電力を受け取るように容易に適合させることが可能である。
【0170】
いくつかの実施形態では、ベースユニットと他のデバイスとの間の通信も無線で達成され得る。例えば、いくつかの実施形態では、ベースユニットおよび周辺デバイスは、各々、デバイス間のBluetoothまたは他の適切な通信をサポートするためのBluetooth(または他の短距離通信)機能を有し得る。さらに他の実施形態では、無線通信は、誘導充電システムを使用して達成され得る。
【0171】
別の実施形態
図13A~
図13Dは、前述の実施形態とは多少異なるフォームファクタを有するさらに別の実施形態によるモジュール式除細動器500の図のセットである。ここに示されているバージョンは、インタフェースユニット600がインストールされているベースユニット510を含む。示されている実施形態では、ベースユニット510は、丸みを帯びた角および丸みを帯びた縁部を有するほぼ正方形または矩形のフットプリントを有するベースユニットハウジング511を含む。電極パッドカートリッジ517は、ベースユニットハウジング511の上端部512に開口するカートリッジ凹部にスライド可能に収容されている。カートリッジ517は、ハウジング511からカートリッジを引き出すために引っ張ることができるプルタブ518を含む。
図14は、電極パッドへのアクセスを提供するために引き出された拡張位置にあるカートリッジを示している。
【0172】
ベースユニットハウジング511の下端部513は、電源ボタン183、充電コネクタ/コンタクト597、モバイルコネクタポート195、および(任意選択で)
図13Cにおいて最もよく分かるように、言語セレクタ598および/または小児セレクタ599を含む。示された実施形態は、完全に自動化されたAEDであり、したがって別個のショックボタンは提供されていないが、他の実施形態では、手動ショックボタンも提供され得る。示されている実施形態では、コネクタポート195は、USB-Cコネクタポートであるが、他の実施形態では多種多様な他のコネクタが使用され得る。充電コンタクト597は、表面コンタクトであるが、ここでも、他の実施形態では多種多様な他の充電コネクタインタフェースが使用され得る。
【0173】
言語セレクタ598は、ユーザが音声およびテキスト指示、プロンプトおよびメッセージの言語を選択できるメカニズムを提供する。示されている実施形態では、言語セレクタ598は、プッシュボタンの形をとるが、他の実施形態では、トグルスイッチ、2つ以上のプッシュボタン、または様々な他の機構が、言語セレクタ598として使用され得る。特定の言語が選択されると、除細動器コントローラは、選択された言語でユーザに提示されるべきすべての音声およびグラフィック指示を指示する。
【0174】
小児セレクタは、ユーザが患者を小児患者として識別することを可能にする。いくつかの実施形態では、小児モードが選択されると、より低いエネルギーショックが送出されるように、放電キャパシタ150は、より低い充電レベルまで充電される。他の実施形態では、代替の「小児」パス(図示せず)が放電回路に設けられ、直列に抵抗器を導入し、それによって患者に送達されるエネルギーを制限する。さらに他の実施形態では、別個の小児用パッドが提供されるか、または他のアプローチを使用して、小児患者について適切に放電を制限することができる。
【0175】
図14において最もよく分かるように、示されている実施形態では、電極パッドカートリッジ517は、プルタブ518を引っ張ることによりハウジング511の上端部512から引き出されることが可能な引き出しの形態をとる。カートリッジ517がハウジングから引き出されると、その内容物に容易にアクセスすることができる。電極パッド(図示せず)は、カートリッジ517内に格納されている。いくつかの実施形態では、ハサミ531、カミソリなど、インシデントの時に有用であり得る他のアイテムも、カートリッジ517内に格納され得る。ハサミおよび/または他の便利なアイテムを、容易にアクセス可能であり、容易に紛失したり置き忘れたり、または付属品バッグに誤って置き忘れたりしないように、カートリッジの内部に保管することは、それらが必要なときに利用可能であることを確実にするのに役立ち得る。
【0176】
いくつかの実施形態では、プルタブ518は、カートリッジのベース521に接着された剥離可能な可撓性カートリッジカバー519の延長部である。そのようなカバー519は、電極パッドを露出させ/電極パッドにアクセスするためにカートリッジベース521から容易に剥がすことができる。いくつかの実施形態において、可撓性カバー519は、カートリッジをシールする(または密封する)。もちろん、他の多種多様なカートリッジ形状が可能である。例として、いくつかの実施形態では(図示せず)、プルタブ518は、カートリッジベースに取り付けられるか、またはカートリッジベースと一体に形成され得る。いくつかの実施形態では、カバー519は、カートリッジベース521が開いた引き出しの形態をとるように除去され得る。除細動器は、電極パッドカートリッジ517がいつ確実に接続されたか、およびカートリッジがハウジングからいつ取り外されたか(引き出されたか)を感知する1つまたは複数のカートリッジセンサ(図示せず)も含み得る。電極パッドは、ベースユニットに電気的に接続されており、カートリッジがハウジングから引き出されても接続されたままである。
【0177】
代替のカートリッジ設計は、2018年9月26日に出願された米国仮出願第62/737,032号に示されており、これは参照により本明細書に組み込まれる。
ベースユニットハウジング511は、隣接するスピーカ180からの音が通過し得る開口部を提供するスピーカ孔181も含み得る。示されている実施形態では、スピーカは、除細動器ユニット500の上側に配置されているため、スピーカ孔は、ハウジング511の上端512にある。しかしながら、スピーカ(および関連するスピーカ孔)は、ベースユニット上の任意の適切な場所に配置され得ることを理解されたい。
【0178】
図15Aおよび
図15Bにおいて最もよく分かるように、ベースユニットハウジング511は、その前面にモジュールレセプタ508を含む。モジュールレセプタ508のフロア509は、インタフェースユニット600をベースユニット510に電気的に接続することを容易にするインタフェースコネクタ190を含む。インタフェースユニット600が使用されるとき、インタフェースユニットは、ラッチまたは他の適切な機構によってモジュールレセプタ508にしっかりと取り付けられ得る。インタフェースユニット600を使用しない場合、カードまたはプラカード505(
図16)または他の適切なアイテムが、モジュールレセプタに配置されて、例えば、デバイスがAEDであることを示す標識、操作指示、および/または有用と思われる他の情報のような、潜在的に有用な情報をユーザに提供できる。プラカードは、インタフェースユニット600をベースユニット510に固定するために使用されるのと同じラッチ機構によって所定の位置に保持され得る。
図13A~
図13Dは、ベースユニットのモジュールレセプタ508に設置されたインタフェースユニット600を有する除細動器500を示している。
図14は、モジュールレセプタ508に配置されたプラカード505を有する除細動器500を示している。
【0179】
インタフェースユニット600(またはプラカード505)をベースユニット510に取り外し可能に結合するのに適したラッチおよび位置合わせ構成が、
図15A~
図15Cに示されている。示されている実施形態では、ベースユニット510は、位置合わせ要素545、位置合わせ要素545の両側にある一対のノッチ凹部547、および位置合わせ要素と反対側の端部にある一対のキャッチ凹部549を含む。位置合わせ要素545およびノッチ凹部547は、
図15Aにおいて最もよく分かり、キャッチ凹部549は、
図15Bにおいて最もよく分かる。挿入されるデバイス(例えば、インタフェースユニット600またはプラカード505)は、位置合わせスロット645、一対の突起またはナブ647、および一対のラッチ649を含む。位置合わせスロット645およびラッチ649は、
図15Cにおいて最もよく分かる。突起/ナブ647は、
図15Bにおいて最もよく分かる。突起/ナブ647は、挿入されたデバイスの底縁部に配置され、位置合わせスロット645が位置合わせ要素545の上に延びて位置合わせ要素545を収容した状態で、モジュールレセプタ508の底端壁の凹みノッチに挿入されるように構成されている。示された実施形態では、位置合わせ要素545は、モジュールレセプタ508の下端のモジュールレセプタ508のフロア509から上方に延びるリッジ型の突起の形態をとる。位置合わせ要素/ノッチ構成は、挿入されたデバイスが正しい向きでモジュールレセプタに挿入されることを保証するのに役立つ。挿入されたデバイスの上端にあるラッチ649は、モジュールレセプタの上端にあるキャッチ凹部549にはめ込まれるように構成されている。図からわかるように、示されたラッチ構成は、挿入されたデバイス(例えば、インタフェースモジュール600、プラカード505)をモジュールレセプタ508にしっかりと結合し、結合されたデバイスが逆さまに保持されるか、押し付けられるか、落とされるか、または粗雑に扱われるかにかかわらず、挿入されたデバイスを適所に保持することができる。
【0180】
図15Aに最もよく見られるように、ベースユニットハウジング511の上端は、一対のピンホールを有してもよく、これを通じてピンを挿入してラッチのキャッチ部分をキャッチ凹部549から弾性的に押し出すことによってラッチ649を解放することができる。いくつかの実施形態では、専用の解放ツールが提供されて、デバイスの解放をより容易にすることができる。例えば、解放ツールは、バーの片側に延びるピンホール551と同じ距離だけ間隔を空けられた一対の平行ピンを有するバーの形をとる。そのようなツールを使用して、インタフェースユニットまたは他の挿入されたデバイスをベースユニット510から迅速に解放することができる。
【0181】
前述のように、モジュールレセプタ508のフロア509は、インタフェースコネクタ190として機能する一組の表面コンタクトを含み得る。インタフェースモジュール600は、前述のようにインタフェースユニットをベースユニットに電気的に結合するためにインタフェースコネクタ190と係合するように構成されたコネクタ240を含み得る。インタフェースユニットが(例えば、Bluetooth通信を使用して)ベースユニットと無線で通信する際、デバイス間で電力を転送できない場合にはコネクタ190および240を任意選択で削除でき、これらのコネクタを介して(データではなく)電力のみが送られる場合には単純な電源コネクタに減らすことができる。
【0182】
特定のラッチ、位置合わせ、および電気コネクタ構造が示されているが、これらの要素のうちの任意のものの形状、向き、および構成は、同じ意図された機能を達成しながら大幅に変更され得ることを理解されたい。
【0183】
様々な示された実施形態において、インタフェースユニット200および600は、すべて、グラフィックを表示するために使用することができるディスプレイ画面と、遠隔に位置するサーバなどの外部デバイスとの通信を容易にする接続機能との両方を含む。しかしながら、いくつかの代替実施形態では、インタフェースユニットは、より制限された、より広い、または単に異なる機能を有し得ることを理解されたい。例えば、いくつかの実施形態では、インタフェースユニットは、Wi-Fiまたはセルラー通信を容易にするように構成されてもよいが、ディスプレイ画面を含まないことがある。他の実施形態では、インタフェースユニットは、ディスプレイ画面を含み、緊急時に同期されたグラフィック指示を提供するように構成されてもよいが、遠隔通信を容易にしない場合がある。さらに他の実施形態では、ポータブル充電器(補助バッテリーパック)またはインタフェースユニット/ポータブル充電器の組み合わせが、モジュールレセプタ508に挿入され得る。もちろん、さまざまな他の機能が、追加的にまたは代替的に、モジュールレセプタ508に挿入されるか、またはそうでなければベース除細動器ユニットに取り付けられるインタフェースユニットまたは他のタイプのデバイスによって提供され得る。いくつかの実施形態では、除細動器は、インタフェースユニットまたはポータブル充電器の取り付けを検出するセンサを含み、除細動器コントローラは、取り付けられたデバイスと通信してその識別情報または機能を判定し得る。
【0184】
前述のいくつかの実施形態と同様に、ベースユニットは、除細動器のバッテリーの充電を容易にするために、充電ステーションのドックに固定され得る。充電ステーションは、壁に取り付けられた充電ステーション、デスクトップ充電ステーション、または任意の他の適切なフォームファクタであり得る。充電ステーションは、充電ステーションにドッキングされたときに除細動器ユニット500を所定の位置にしっかりと保持するためのクリップ、ポケット、コネクタ、または他の適切な取り付け機構を含み得る。いくつかの実施形態では、ベースユニットハウジングの側壁は、ベースユニットがベースステーションにドッキングされたときにベースユニットを固定するのを助けるために、充電ステーション上のスプリングクリップなどの相補的機構によって係合されることが可能な凹部、ナブ、または他の突起を含み得る。
【0185】
他の機能
上述の実施形態の多くにおいて、インタフェースユニット200またはスマートフォンまたは他のモバイル通信デバイスなどのインテリジェントデバイスは、ベースユニットに無線でまたは有線接続を介して接続されているか、または接続されることが可能である。指示は、ベースユニットから接続されたデバイスに送信され、接続されたデバイスは、例えば緊急サービス(例えば、米国の911)を呼び出すなどの補足機能を提供し得る。いくつかの実施形態では、接続されたデバイスがベースユニットの機能を決して変更しないことを保証するように注意が払われる。例えば、ベースユニットが外部デバイスに接続されていないときに音声指示を発行する場合、インテリジェントデバイスがベースユニットによって発行された指示と同期する補足グラフィックまたは他の題材を提示している場合でも、インテリジェントデバイスに接続されているときに同じ音声指示を発行する。このようなアプローチは、どのような他の電源または補助インタフェースデバイスが接続されているかかかわらず、ベースユニットが同じように機能するという点で、安全(および規制レビュー)の観点から大きな利点を有すると考えられる。
【0186】
上述の実施形態のほとんどでは、インタフェースユニットは、ベースユニット上のUIボタンを覆わない。他の実施形態では、インタフェースユニットは、ベースユニットのユーザ入力ボタン183、186の一方または両方を覆う1つまたは複数の適切にマークまたはラベル付けされたスキンを、そのようなスキンがボタンの機能性またはアクセシビリティを妨げない限り、含むことができる。他の実施形態では、ボタンが機能し、かつ簡単にアクティブ化される限り、スキン以外の構造を使用してユーザ入力ボタンを覆うこともできる。
【0187】
いくつかの実施形態では、ベースユニットは、除細動器の使用に関連して有用である可能性のある付属品を格納するために使用され得るポーチと互換性がある。そのような付属品は、ハサミ、カミソリ、USBコード、追加の電極パッドセット、および他の付属品などのアイテムを含み得る。さらに他の実施形態では、ポーチは、一次電極パッドを保持し得る。いくつかの実施形態では、ポーチは、ベースユニット自体の周りにぴったりとフィットするカバースリーブの形をとる。カバースリーブは、ユニット自体の側面、底部、または上部にあらかじめ縫い付けておくか、または、ベースユニットを完全に包むアドオンとして用意することができる。他のコンポーネントと同様に、ポーチが電源ボタン、ショックボタン、電極パッド、またはシステムの他の重要なコンポーネントをブロックしないことが重要である。さらに他の実施形態では、ベースユニット自体、またはインタフェースユニット、または任意の他の接続されたデバイスは、ハサミおよび/またはカミソリおよび/または任意の他の関心アイテムを収容し得る。
【0188】
さらに他の実施形態では、CPRフィードバック機構は、インタフェースユニットに組み込まれるか、または別個のモジュールとして提供され得る。CPRフィードバック機構は、例えば、CPR中に患者の心臓の上に置かれ、CPR中に圧迫の深さを検出するパッドを含み得る。このような情報は、インタフェースユニットまたはCPRモジュールで使用され、施されているCPRについてユーザフィードバック、例えば、より強く押す、強く押し過ぎる、遅くする、速くする、などを提供することができる。
【0189】
前述から、説明されたシステムは高度にモジュール化されており、インタフェースユニット、補助バッテリーパック、ワイヤレス充電ステーション、収納クレードル、壁掛け、デスクマウント、および/または他の付属品を含む様々なコンポーネントが、すべてベースユニットに直接または間接的に取り付けられ得ることは明らかである。スマートフォンおよび他のモバイル通信デバイスなどの他のデバイスが、ベースユニットに容易に接続されて、除細動器の能力をさらに拡張することもできる。
【0190】
本発明のいくつかの実施形態のみを詳細に説明したが、本発明は、本発明の技術思想または範囲から逸脱することなく他の多くの形態で実施され得ることを理解されたい。例えば、本発明の様々な態様の説明を容易にするために特定のロジックおよび電子回路が説明されたが、説明された機能を達成するために使用される実際の電子回路、アルゴリズムおよび/またはロジックは大きく異なる場合があり、添付のダイアグラム、図面、フローチャートに限定されることを意図したものでは全くないことを理解されたい。むしろ、さまざまなコンポーネント、ステップ、および機能は、設計者の好みおよび/または任意の特定の実装のニーズに従って、並べ替えられ、変更され、追加され、または削除され得る。
【0191】
ユーザインタフェースとしてスマートフォンベースのアプリを使用すると、ユーザにとって親しみやすいという重要な利点がある。つまり、ほとんどのユーザは毎日その電話上のアプリを操作するため、アプリにユーザインタフェースをパッケージ化することで、AEDの使用を必要とする緊急事態に対応する際に、人々をより快適に感じさせることができる。
【0192】
アプリは、除細動器の使用に関連するメトリックを提供するように構成することもできる。さらに、このデータを使用して、一般的なAEDのパフォーマンスを推測し、緊急事態に対する人々の反応に関する調査を実施し、最終的に製品の再設計を通知することができる。
【0193】
本明細書で説明される様々な制御方法は、除細動器コントローラのプロセッサまたは適切な制御アルゴリズムで適切にプログラムされた任意の他のプロセッサで実行されるソフトウェアまたはファームウェアを使用して実装され得る。あるいは、所望の場合は、機能は、プログラマブルロジック(例えば、プログラマブルロジックアレイ、FPGAなど)の形で、または特定用途向け集積回路(ASIC)または前述のいずれかの組み合わせを使用して実装され得る。
【0194】
ソフトウェアまたはファームウェアのアルゴリズムが使用される場合、そのようなアルゴリズムは、プロセッサがコンピュータコードを実行すると実施される動作とともに、実行可能なコンピュータコード(プログラムされた命令)の形で適切なコンピュータ可読媒体に格納される。除細動器または除細動器コントローラは、除細動器によって実行されるべきコードのすべてを格納するのに適したメモリを含み、インタフェースユニットおよびモバイルデバイスは、各々、そこで実行されるべき除細動器アプリおよび/または他のソフトウェアまたはファームウェアを格納するのに適したメモリを含む。
【0195】
より一般的には、説明された機械設計により、モジュール式コンポーネントを容易に追加し、主要な除細動器回路および機械設計と統合することができる。
記載されているモジュール式除細動器アーキテクチャは、一般のオペレータによる使用に適した自動化された除細動器での使用に特によく適合しているため、(a)電極パッドが貼り付けられた後、ユーザ入力なしに、適切な状況において除細動器によってショックが自動的に送出される完全に自動化された除細動器、および(b)除細動器がショック可能なリズムが存在するかどうか、およびショックを送出するタイミングを判定するが、実際にショックを開始するためにユーザ入力開始ショックコマンドが必要とされる半(部分)自動除細動器の両方での使用に非常に適している。本発明は主に自動除細動器の文脈で説明されたが、説明されたアプローチは、手動除細動器および2つ以上の異なる動作モード(例えば、手動、完全自動、半自動など)で使用されることが可能なハイブリッド除細動器でも使用され得ることを理解されたい。実際、除細動器インタフェースまたは個人用モバイル通信デバイスのいずれかで実行される手動除細動器アプリは、手動除細動器または手動除細動動作モードの優れたインタフェースプラットフォームであり得る。いくつかの実施形態では、除細動器の動作モードは、ソフトウェアの更新を介して変更され得る。そのような実施形態では、責任者は、特定の場所に配置された除細動器を選択して特定の方法、例えば、完全自動、半自動または手動で操作することができ、ベースユニット上のソフトウェアを更新して、所望の操作モードを容易にすることができる。
【0196】
本明細書で説明される様々な方法に関連するステップは異なり得る。本発明の技術思想または範囲から逸脱することなく、ステップは、変更、並べ替え、追加、および削除され得る。
【0197】
説明されたフォームファクタは、除細動器自体を非常に持ち運びやすく使いやすいものにするコンパクトな設計を提供するが、様々な異なるフォームファクタが代替実施形態で使用され得ることを理解されたい。同様に、特定の電子回路、除細動器制御ロジック、およびユーザインタフェースについて説明したが、これらの機能はすべて幅広く変更できることを理解されたい。したがって、本実施形態は、例示的であり、限定的ではないと考えるべきであり、本発明は、本明細書で与えられた詳細に限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲および均等物内で修正され得る。
【0198】
以下に、本開示に含まれる技術思想を付記として記載する。
(付記1)
除細動器システムであって、
除細動ショックがいつ推奨されるかを判定して前記除細動ショックを送出することが独立して可能な完全機能除細動器を構成するベース除細動器ユニットであって、前記除細動ショックを送出するのに適したキャパシタユニットと、前記除細動ショックを送出するのに適したレベルまで前記キャパシタユニットを独立して充電を容易にするのに十分なエネルギーを蓄積することができるバッテリーとを含む、ベース除細動器ユニットと、
前記ベース除細動器ユニットに取り付けられたインタフェースユニットであって、前記インタフェースユニットは、前記ベース除細動器ユニットおよび取り付けられたインタフェースユニットが、単一の携帯型ユニットの少なくとも一部を形成するように、前記ベース除細動器ユニットに取り付けられ、かつ前記ベース除細動器ユニットに取り外し可能に結合されており、前記インタフェースユニットは、遠隔サーバとの無線通信を容易にする通信モジュールを含み、前記インタフェースユニットは、前記除細動器と関連して動作する以外に実質的な機能を有しないが、前記除細動器が適切に動作するために必要ではない、インタフェースユニットと
を備える、除細動器システム。
【0199】
(付記2)
除細動器であって、
患者に除細動ショックを送出するのに十分なエネルギーを蓄積および放電するように構成されたキャパシタユニットと、
前記除細動ショックの送出に適した電圧まで前記キャパシタユニットを充電するように構成された充電回路と、
前記キャパシタユニットを放電して前記除細動ショックを送出するのに適した放電回路と、
前記除細動器の使用中にユーザに音声指示を伝達するためのスピーカと、
(i)前記スピーカに、前記除細動器の使用中、前記ユーザに音声指示を伝達させ、(ii)前記音声指示と同期する外部デバイス上のグラフィックユーザ指示の表示を容易にする情報を前記外部デバイスに送信するように構成された除細動器コントローラと
を備える、除細動器。
【0200】
(付記3)
除細動器であって、
患者に除細動ショックを送出するのに十分なエネルギーを蓄積および放電するように構成されたキャパシタユニットと、
前記除細動ショックの送出に適した電圧まで前記キャパシタユニットを充電するように構成された充電回路と、
前記キャパシタユニットを放電して前記除細動ショックを送出するのに適した放電回路と、
インタフェースユニットが前記除細動器に物理的に取り付けられている場合に、前記インタフェースユニットを前記除細動器に電気的に結合するのに適した第1のコネクタと、
前記インタフェースユニットとは異なる外部デバイスを前記除細動器に電気的に結合するのに適した第2のコネクタと、
前記インタフェースユニットが前記除細動器に物理的に取り付けられている場合に前記インタフェースユニットとの通信を容易にし、前記外部デバイスとの通信を容易にするように構成された除細動器コントローラと
を備える除細動器。
【0201】
(付記4)
除細動器であって、
除細動器コントローラと、
患者に除細動ショックを送出するのに十分なエネルギーを蓄積および放電するように構成されたキャパシタユニットと、
前記除細動ショックの送出に適した電圧まで前記キャパシタユニットを充電するように構成された充電回路と、
前記キャパシタユニットを放電して前記除細動ショックを送出するのに適した放電回路と、
前記除細動器に電力を供給し、前記キャパシタユニットを充電するための電力を供給するように構成されたバッテリーと、
外部デバイスから引き出された電力を使用して前記バッテリーを充電するように構成されたバッテリー充電器と、
前記キャパシタユニットの充電中に前記外部デバイスが前記除細動器に接続されている場合に、前記外部デバイスから受け取った電力を、前記バッテリーからの電力と並行して、または前記バッテリーからの電力の代わりに前記充電回路に供給して、前記キャパシタユニットの充電を容易にするように構成されたバイパス回路と
を備える、除細動器。
【0202】
(付記5)
前記ベース除細動器ユニットは、前記除細動器システムの緊急使用中に前記インタフェースユニットに情報を送信するように構成されており、前記ベース除細動器ユニットは、前記除細動器の緊急使用中に、前記取り付けられたインタフェースユニットまたは他の外部デバイスからの制御指示を必要としないか、または利用しない、付記1に記載の除細動器システム。
【0203】
(付記6)
前記除細動器は、前記インタフェースユニットまたは外部デバイスが存在しなくても完全に機能する、付記1乃至5のいずれか一項に記載の除細動器。
【0204】
(付記7)
前記除細動器は、前記除細動器の緊急使用中に、取り付けられたインタフェースユニットまたは他の外部デバイスからの制御指示を利用しないように構成されている、付記1乃至6のいずれか一項に記載の除細動器。
【0205】
(付記8)
スピーカをさらに備え、前記除細動器コントローラは、
前記スピーカに、前記除細動器の使用中、ユーザに音声指示を伝達させ、
前記音声指示と同期する外部デバイスおよびインタフェースユニットのうちの少なくとも1つ上のグラフィックユーザ指示の表示を容易にする情報を前記外部デバイスおよび前記インタフェースユニットのうちの少なくとも1つに送信する
ように構成されている、付記1乃至7のいずれか一項に記載の除細動器。
【0206】
(付記9)
前記外部デバイスは、携帯電話または他のモバイル通信デバイスである、付記1乃至8のいずれか一項に記載の除細動器。
【0207】
(付記10)
前記携帯電話または他のモバイル通信デバイスは、
それにインストールされた除細動器サポートアプリケーションと、
前記除細動器サポートアプリケーションを実行するためのプロセッサと、
ディスプレイ画面と
を含み、
前記除細動器サポートアプリケーションは、前記プロセッサを制御して、前記除細動器の緊急使用中に、前記除細動器によって提供される音声指示と同期するグラフィック指示を前記ディスプレイ画面に表示させるように構成されている、付記9に記載の除細動器。
【0208】
(付記11)
外部ユニットは、前記除細動器と協働して動作すること以外の実質的な機能を有しないが、前記除細動器が適切に動作するために必要とされるものではない専用インタフェースユニットである、付記2または4に記載の除細動器。
【0209】
(付記12)
前記インタフェースユニットは、前記除細動器に取り付けられ、かつ前記除細動器に取り外し可能に取り付けられている、付記1、3、および5乃至11のいずれか一項に記載の除細動器。
【0210】
(付記13)
除細動器システムであって、
除細動ショックがいつ推奨されるかを判定して前記除細動ショックを送出することが独立して可能な完全機能除細動器を構成するベース除細動器ユニットであって、前記除細動ショックを送出するのに適したキャパシタユニットと、前記除細動ショックを送出するのに適したレベルまで前記キャパシタユニットを独立して充電を容易にするのに十分なエネルギーを蓄積することができるバッテリーと、ベースユニットハウジングとを含む、ベース除細動器ユニットと、
前記ベース除細動器ユニットに取り付けられ、かつ取り外し可能に結合されたインタフェースユニットであって、前記ベース除細動器ユニットから受信された情報に基づいて前記除細動器システムの緊急使用中にユーザにグラフィック指示を表示するのに適したディスプレイ画面を含むが、前記除細動器システムの緊急使用中に前記ベース除細動器ユニットへの制御を提供せず、前記ベース除細動器ユニットが正しく動作するために必要ではない、インタフェースユニットと
を備える除細動器システム。
【0211】
(付記14)
前記インタフェースユニットは、遠隔サーバとの無線通信を容易にする通信モジュールをさらに備える、付記3および5乃至13のいずれか一項に記載の除細動器。
【0212】
(付記15)
前記インタフェースユニットは、前記インタフェースユニットが前記除細動器に取り付けられている場合に前記除細動器上の第1のコネクタに係合する相補的コネクタを含む、付記1、3、および5乃至14のいずれか一項に記載の除細動器。
【0213】
(付記16)
前記除細動器コントローラは、前記除細動器の緊急使用中に前記インタフェースユニットにインシデント情報を送信するようにさらに構成されており、前記インタフェースユニットは、(a)前記遠隔サーバに前記インシデント情報の少なくとも一部を送信すること、(b)前記インシデント情報の少なくとも一部を、そのような情報に対するユーザ要求に応答して、ユーザに表示することの両方を行うように構成されている、付記1、3、および5乃至15のいずれか一項に記載の除細動器。
【0214】
(付記17)
前記除細動器は、除細動器バッテリーを含み、前記インタフェースユニットまたは外部デバイスから電力を引き出すように構成されており、(a)前記キャパシタユニットの充電中に補助充電電力を選択的に供給すること、(b)前記除細動器バッテリーの再充電のために電力を選択的に供給することの両方のために引き出された電力を選択的に利用することができる、付記1乃至16のいずれか一項に記載の除細動器。
【0215】
(付記18)
前記除細動器は、除細動器バッテリーを含み、前記インタフェースユニットは、インタフェースユニットバッテリーを含み、前記除細動器は、前記除細動器バッテリーから電力を引き出すことなく、前記除細動器が充電器に結合されている場合に前記インタフェースユニットバッテリーが選択された時間に再充電されることを可能にするように構成されている、付記1乃至17のいずれか一項に記載の除細動器。
【0216】
(付記19)
前記除細動器は、除細動器状態情報および指示のうちの少なくとも1つを前記インタフェースユニットまたは外部デバイスに提供して、前記インタフェースユニットまたは外部デバイス上のグラフィック指示の同期された表示を容易にするように構成されている、付記1乃至18のいずれか一項に記載の除細動器。
【0217】
(付記20)
前記除細動器状態情報または指示は、周期的に更新されて、前記外部デバイス上のグラフィック指示が前記除細動器によって提供される音声指示と同期されることを確実にするのを支援する、付記19に記載の除細動器。
【0218】
(付記21)
前記外部デバイスは、指定されたタイムアウト閾値を超える期間にわたって前記除細動器から更新が受信されない場合、前記同期されたグラフィック指示の表示を停止するように構成されている、付記20に記載の除細動器。
【0219】
(付記22)
前記除細動器状態情報または指示は、前記外部デバイス上のグラフィック指示が、前記除細動器により提供される音声指示と同期されることを確実にするのを支援するために、少なくとも毎秒3回の更新の頻度で更新される、付記19乃至21のいずれか一項に記載の除細動器。
【0220】
(付記23)
前記除細動器状態情報または指示は、毎秒少なくとも10回の更新の頻度で更新される、付記22に記載の除細動器。
【0221】
(付記24)
外部デバイスを前記除細動器に電気的に結合するのに適したコネクタをさらに備え、前記コネクタは、前記除細動器コントローラと前記外部デバイスとの間の通信を容易にするように構成されている、付記1、2、および4乃至23のいずれか一項に記載の除細動器。
【0222】
(付記25)
前記コネクタは、(i)前記キャパシタユニットの充電を支援すること、または(ii)除細動器バッテリーを再充電することのために選択的に使用することができる電力を前記外部デバイスから受け取るようにさらに構成されている、付記3または24に記載の除細動器。
【0223】
(付記26)
前記コネクタまたは第2のコネクタは、
USBコネクタと、
ライトニングコネクタと
からなる群から選択されたものである、付記3、24、または25のいずれか一項に記載の除細動器。
【0224】
(付記27)
前記コネクタまたは前記第2のコネクタは、USB-Cコネクタ、USB2.0コネクタ、USB3.0コネクタ、USB3.1コネクタ、USBミニコネクタ、およびマイクロUSBコネクタからなる群から選択されたUSBコネクタである、付記26に記載の除細動器。
【0225】
(付記28)
第2の外部デバイスを前記除細動器に電気的に結合するのに適した追加のコネクタをさらに備え、前記追加のコネクタは、前記コネクタまたは第2のコネクタとは異なるものであり、前記キャパシタユニットの充電を支援するために使用できる前記第2の外部デバイスから電力を受け取るように構成されている、付記3または24乃至27のいずれか一項に記載の除細動器。
【0226】
(付記29)
再充電可能なバッテリーと、該再充電可能なバッテリーの再充電を制御するように構成された充電管理モジュールとをさらに備える、付記1乃至28のいずれか一項に記載の除細動器。
【0227】
(付記30)
無線充電器から電力を受け取って前記再充電可能なバッテリーの充電を容易にするように構成された無線充電レシーバをさらに備える、付記29に記載の除細動器。
【0228】
(付記31)
無線通信を使用して、前記インタフェースユニットまたは外部デバイスと通信するように構成された無線通信モジュールをさらに備える、付記1乃至30のいずれか一項に記載の除細動器。
【0229】
(付記32)
前記無線通信ユニットは、Bluetooth、近距離無線通信(NFC)、ジグビー通信、専用近距離通信(DSRC)、セルラー通信、Wi-Fi、および衛星通信からなる群から選択された通信プロトコルを使用して前記外部デバイスと通信するように構成されている、付記31に記載の除細動器。
【0230】
(付記33)
前記除細動器コントローラ、前記キャパシタユニット、充電回路、および放電回路を含む除細動器ハウジングをさらに備え、コネクタは、前記除細動器ハウジングの外部に露出している、付記1乃至32のいずれか一項に記載の除細動器。
【0231】
(付記34)
前記ハウジング内のカートリッジ容器に収容された電極パッドカートリッジをさらに備え、前記電極パッドカートリッジは、電極パッドおよびはさみを含む、付記33に記載の除細動器。
【0232】
(付記35)
前記バイパス回路は、前記外部デバイスから引き出された電力が前記外部デバイスに関連する指定された電流供給閾値を超えないように、前記外部デバイスから引き出される電力を調整する、付記4乃至34のいずれか一項に記載の除細動器。
【0233】
(付記36)
前記キャパシタユニットの充電中に前記外部デバイスが前記除細動器に接続され、前記バッテリーが完全に放電されている場合、前記バイパス回路のみが、前記キャパシタユニットを充電するために使用される、付記4または35に記載の除細動器。
【0234】
(付記37)
ショック可能調律検出器をさらに備え、前記除細動器は、前記外部デバイスが前記除細動器に電気的に接続されているかどうかにかかわらず、患者が前記外部デバイスからの入力なしにショック可能な調律を有するかどうかを判定するように構成されている、付記1乃至36のいずれか一項に記載の除細動器。
【0235】
(付記38)
除細動器インタフェースユニットなしで完全に機能するベース除細動器ユニットに取り付けられるように適合された除細動器インタフェースユニットであって、
前記ベース除細動器ユニットに取り付けられて、前記ベース除細動器ユニットと前記除細動器インタフェースユニットとを組み合わせた携帯型モジュール式除細動器を提供するように構成されたハウジングと、
前記除細動器インタフェースユニットが前記ベース除細動器ユニットに取り付けられている場合、前記ベース除細動器ユニット上の除細動器コントローラと通信するように構成されたプロセッサと、
通信プロトコルを使用して、前記除細動器インタフェースユニットと、1つまたは複数の遠隔サーバとの間の通信を容易にするように構成された通信モジュールと、
前記インタフェースユニットに電力を供給する蓄電ユニットと
を備える、除細動器インタフェースユニット。
【0236】
(付記39)
除細動器インタフェースユニットなしで完全に機能するベース除細動器ユニットに取り付けられるように適合された除細動器インタフェースユニットであって、
前記ベース除細動器ユニットに取り付けられて、前記ベース除細動器ユニットと前記除細動器インタフェースユニットとを組み合わせた携帯型モジュール式除細動器を提供するように構成されたハウジングと、
ディスプレイ画面と、
前記除細動器インタフェースユニットが前記ベース除細動器ユニットに取り付けられている場合、前記ベース除細動器ユニット上の除細動器コントローラと通信するように構成されたプロセッサと
を備え、前記プロセッサは、潜在的な心臓インシデントにおける前記除細動器インタフェースユニットの使用中に、前記ベース除細動器ユニットによって提供される音声指示と同期されたグラフィック指示を前記ディスプレイ画面に表示するようにさらに構成されている、除細動器インタフェースユニット。
【0237】
(付記40)
通信プロトコルを使用して、前記除細動器インタフェースユニットと、1つまたは複数の遠隔サーバとの間の通信を容易にするように構成された通信モジュールをさらに備える、付記39に記載の除細動器インタフェースユニット。
【0238】
(付記41)
前記除細動器インタフェースユニットは、汎用携帯電話、タブレットコンピュータ、またはパーソナルコンピュータではない、付記38乃至40のいずれか一項に記載の除細動器インタフェースユニット。
【0239】
(付記42)
ベース除細動器ユニットに取り付けられるように適合された除細動器インタフェースユニットであって、
前記ベース除細動器ユニットに取り付けられて、前記ベース除細動器ユニットと前記除細動器インタフェースユニットとを組み合わせた携帯型モジュール式除細動器を提供するように構成されたハウジングと、
ディスプレイ画面と、
通信プロトコルを使用して、前記除細動器インタフェースユニットと、1つまたは複数の遠隔サーバとの間の通信を容易にするように構成された通信モジュールと、
前記インタフェースユニットのハウジング上に外部に露出し、前記インタフェースユニットのハウジングが前記ベース除細動器ユニットに取り付けられている場合に前記ベース除細動器ユニット上の相補型コネクタと係合するように適合された第1のコネクタと、
前記ハウジング内に収容されたプロセッサと
を備え、前記プロセッサは、前記除細動器インタフェースユニットが前記ベース除細動器ユニットに取り付けられている場合、前記ベース除細動器ユニット上の除細動器コントローラと通信するように構成されており、
前記除細動器インタフェースユニットは、汎用携帯電話、タブレットコンピュータ、またはパーソナルコンピュータではない、除細動器インタフェースユニット。
【0240】
(付記43)
前記除細動器インタフェースユニットは、ベース除細動器ユニットと組み合わせて使用される以外の実質的な機能を有しない、付記38乃至42のいずれか一項に記載の除細動器インタフェースユニット。
【0241】
(付記44)
ディスプレイ画面をさらに備え、前記プロセッサは、潜在的な心臓インシデントにおける前記除細動器インタフェースユニットの使用中に、前記ベース除細動器ユニットによって提供される音声指示と同期されたグラフィック指示を前記ディスプレイ画面に表示させるようにさらに構成されている、付記38、42、または43のいずれか一項に記載の除細動器インタフェースユニット。
【0242】
(付記45)
前記ディスプレイ画面は、タッチセンシティブディスプレイ画面である、付記39、42、または44のいずれか一項に記載の除細動器インタフェースユニット。
【0243】
(付記46)
前記除細動器インタフェースユニットは、前記ベース除細動器ユニットからセルフテスト情報を受信し、遠隔位置にあるサーバに前記セルフテスト情報を報告するように構成されている、付記38乃至45のいずれか一項に記載の除細動器インタフェースユニット。
【0244】
(付記47)
GNSSセンサをさらに備え、前記除細動器インタフェースユニットは、前記GNSSセンサを使用して前記除細動器インタフェースユニットの位置を判定し、前記除細動器インタフェースユニットの位置を遠隔位置にあるサーバに報告するように構成されている、付記38乃至46のいずれか一項に記載の除細動器インタフェースユニット。
【0245】
(付記48)
前記通信モジュールは、セルラー通信およびWiFi通信のうちの少なくとも1つを容易にする、付記38および40乃至47のいずれか一項に記載の除細動器インタフェースユニット。
【0246】
(付記49)
前記インタフェースユニットのハウジング上に外部に露出し、前記インタフェースユニットのハウジングが前記ベース除細動器ユニットに取り付けられている場合に前記ベース除細動器ユニット上の相補型コネクタと係合するように適合された第1のコネクタをさらに備える、付記38乃至41および43乃至48のいずれか一項に記載の除細動器インタフェースユニット。
【0247】
(付記50)
前記第1のコネクタは、前記プロセッサと前記除細動器コントローラとの間の通信を容易にするように構成されている、付記42または49に記載の除細動器インタフェースユニット。
【0248】
(付記51)
前記第1のコネクタは、前記インタフェースユニットと前記ベースユニットとの間の電力の伝達を容易にする、付記42、49または50のいずれか一項に記載の除細動器インタフェースユニット。
【0249】
(付記52)
前記コネクタは、少なくとも2つの通信線コンタクト、電力線コンタクト、および接地線コンタクトを含む、付記42または49乃至51のいずれか一項に記載の除細動器インタフェースユニット。
【0250】
(付記53)
前記除細動器インタフェースユニットは、ベースユニットが取り付けられているかどうかを判定するようにさらに構成されている、付記38乃至52のいずれか一項に記載の除細動器インタフェースユニット。
【0251】
(付記54)
前記プロセッサ、通信ユニット、および蓄電ユニットは、すべて、少なくとも部分的に前記ハウジング内に含まれている、付記38乃至53のいずれか一項に記載の除細動器インタフェースユニット。
【0252】
(付記55)
前記除細動器インタフェースユニットは、前記ベース除細動器ユニットの緊急使用中に前記ベース除細動器ユニットに制御指示を送信せず、前記ベース除細動器ユニットの動作に必要ではない、付記38乃至54のいずれか一項に記載の除細動器インタフェースユニット。
【0253】
(付記56)
前記ハウジングは、前記ベース除細動器ユニットに取り外し可能に取り付けられるように構成されている、付記38乃至55のいずれか一項に記載の除細動器インタフェースユニット。
【0254】
(付記57)
前記プロセッサは、前記ベース除細動器ユニットから除細動器ステータス情報を周期的に受信し、前記除細動器ステータス情報を前記遠隔サーバのうちの1つまたは複数に周期的に送信するように構成されている、付記38乃至56のいずれか一項に記載の除細動器インタフェースユニット。
【0255】
(付記58)
前記除細動器ステータス情報は、前記ベース除細動器ユニットから受信され、前記遠隔サーバのうちの1つまたは複数に毎日1回送信される、付記57に記載の除細動器インタフェースユニット。
【0256】
(付記59)
前記蓄電ユニットは、前記ベース除細動器ユニット上のいかなる蓄電ユニットからも電力を引き出すことなく、前記ベース除細動器ユニットに結合されている間に再充電されるように構成されたインタフェースユニットバッテリーである、付記38乃至58のいずれか一項に記載の除細動器インタフェースユニット。
【0257】
(付記60)
前記インタフェースユニットは、モジュール式除細動器の動作中、前記ベース除細動器ユニットから電力を引き出さない、付記38乃至59のいずれか一項に記載の除細動器インタフェースユニット。
【0258】
(付記61)
前記蓄電ユニットを再充電するように構成されたバッテリー充電器をさらに備える、付記38乃至60のいずれか一項に記載の除細動器インタフェースユニット。
【0259】
(付記62)
前記除細動器ユニットが充電され、外部電源に接続された場合、前記ベース除細動器を介した電力受信を用いて前記蓄電ユニットを再充電するように構成されている、付記38乃至61のいずれか一項に記載の除細動器インタフェースユニット。
【0260】
(付記63)
前記除細動器インタフェースユニットは、前記ベース除細動器ユニットに電力を供給することができる、付記38乃至62のいずれか一項に記載の除細動器インタフェースユニット。
【0261】
(付記64)
メモリと、該メモリに格納された除細動器アプリとをさらに備え、前記除細動器アプリは、前記プロセッサ上で実行可能なプログラムされた命令を含む、付記38乃至63のいずれか一項に記載の除細動器インタフェースユニット。
【0262】
(付記65)
前記除細動器アプリは、前記ベース除細動器ユニットの使用中に、前記ベース除細動器ユニットによって提供される音声指示を補足するグラフィック指示をディスプレイ画面に表示させるように構成されている、付記64に記載の除細動器インタフェースユニット。
【0263】
(付記66)
前記プロセッサは、
前記除細動器コントローラから指示状態識別子を受信し、
前記インタフェースユニットのメモリから前記指示状態識別子に対応するグラフィック指示を検索し、
検索されたグラフィック指示を前記ディスプレイ画面に表示させて、前記除細動器インタフェースユニット上での前記グラフィック指示の同期された表示を容易にする
ように構成されている、付記65に記載の除細動器インタフェースユニット。
【0264】
(付記67)
前記プロセッサは、前記除細動器コントローラから、更新された指示状態識別子を周期的に受信し、前記更新された指示状態識別子に基づいて、表示されたグラフィック指示を更新するように構成されている、付記65または66に記載の除細動器インタフェースユニット。
【0265】
(付記68)
前記遠隔サーバから除細動器ソフトウェア更新を受信し、前記ベース除細動器ユニットにインストールするために前記ソフトウェア更新を前記ベース除細動器ユニットに送信するように構成されている、付記38乃至67のいずれか一項に記載の除細動器インタフェースユニット。
【0266】
(付記69)
前記インタフェースユニットまたは前記外部デバイスのうちの少なくとも1つのメモリに格納するのに適したプログラムされた命令を有する除細動器サポートアプリケーションをさらに備え、前記除細動器サポートアプリケーションは、前記プロセッサ上で実行されると、前記ベース除細動器ユニットの現在の音声指示状態に関する前記ベース除細動器ユニットからの指示情報の受信に応答して、前記インタフェースユニットに、前記除細動器の前記現在の音声指示状態に対応するグラフィック指示を前記ディスプレイ画面上に表示させるように構成されている、付記1乃至69のいずれか一項に記載の除細動器またはインタフェースユニット。
【0267】
(付記70)
除細動器システムであって、
除細動ショックがいつ推奨されるかを判定して前記除細動ショックを送出することが独立して可能な完全機能除細動器を構成するベース除細動器ユニットであって、前記除細動ショックを送出するのに適したキャパシタユニットと、前記除細動ショックを送出するのに適したレベルまで前記キャパシタユニットを独立して充電を容易にするのに十分なエネルギーを蓄積することができるバッテリーと、バッテリー充電器とを含む、ベース除細動器ユニットと、
前記ベース除細動器ユニットに取り付けられた補助バッテリーパックであって、前記ベース除細動器ユニットおよび取り付けられた補助バッテリーパックが、携帯ユニットとして一緒に持ち運べる単一ユニットを形成するように、前記ベース除細動器ユニットに取り付けられ、かつ取り外し可能に取り付けられた補助バッテリーパックと、
前記除細動器のバッテリー充電器は、前記補助バッテリーパックからの電力を利用して前記除細動器のバッテリーを再充電するように構成されている、除細動器システム。
【0268】
(付記71)
前記バッテリー充電器は、第1のバッテリーの充電レベルが指定の充電閾値を下回ったと判定された場合に、前記補助バッテリーパックから電力を引き出して前記除細動器のバッテリーを充電するように構成されている、付記70に記載の除細動器システム。
【0269】
(付記72)
前記ベース除細動器ユニットは、治療事象中に前記補助バッテリーパックから直接電力を引き出して前記キャパシタユニットの充電を支援するように構成された補助充電回路をさらに備える、付記70または71に記載の除細動器システム。
【0270】
(付記73)
ディスプレイ画面およびプログラムされた命令を実行するのに適したプロセッサを有するデバイスのメモリに格納するのに適したプログラムされた命令を有する除細動器サポートアプリケーションであって、前記プロセッサ上で実行されると、除細動器の現在の音声指示状態に関する前記除細動器からの指示情報の受信に応答して、前記デバイスに、前記除細動器の前記現在の音声指示状態に対応するグラフィック指示を前記ディスプレイ画面上に表示させるように構成されている、除細動器サポートアプリケーション。
【0271】
(付記74)
前記除細動器から受信された前記指示情報は、除細動器状態識別子を含み、
前記プログラムされた命令は、前記プロセッサに、前記デバイスのメモリから、受信された除細動器状態識別子に対応する前記グラフィック指示を検索させ、検索されたグラフィック指示を、前記現在の音声指示状態と同期して前記ディスプレイ画面に表示させるように構成されている、付記73に記載の除細動器サポートアプリケーション。
【0272】
(付記75)
前記プログラムされた命令は、前記デバイスが、指定されたタイムアウト閾値を超える期間、前記除細動器から有効な除細動器状態識別子を受信しなかった場合、前記現在の音声指示状態に対応する前記グラフィック指示の表示を停止するようにさらに構成されている、付記73または74に記載の除細動器サポートアプリケーション。
【0273】
(付記76)
前記デバイスは、携帯電話または他のモバイル通信デバイスであり、前記除細動器サポートアプリケーションは、前記携帯電話または他のモバイル通信デバイスにインストールされている、付記73乃至75のいずれか一項に記載の除細動器サポートアプリケーション。
【0274】
(付記77)
前記デバイスは、前記インタフェースユニットなしで完全に機能する除細動器に結合されるように構成されたインタフェースユニットであり、前記インタフェースユニットは、それにインストールされた前記除細動器サポートアプリケーションを有する、付記73乃至75のいずれか一項に記載の除細動器サポートアプリケーション。
【0275】
(付記78)
方法であって、
(a)ベース除細動器ユニットから該ベース除細動器ユニットに取り付けられたインタフェースユニットへステータス情報を送信するステップであって、前記インタフェースユニットは、前記ベース除細動器ユニットの動作に必要ではなく、前記ベース除細動器ユニットの緊急使用中に前記ベース除細動器ユニットへ制御指示を提供しない、送信するステップと、
(b)前記インタフェースユニットにより受信された前記ステータス情報のうちの少なくとも一部を1つまたは複数の遠隔サーバに送信するステップと、
(c)ステップ(a)および(b)を周期的に繰り返すことにより、前記ベース除細動器ユニットから前記1つまたは複数の遠隔サーバに、ステータス情報を周期的に送信するステップと
を含む、方法。
【0276】
(付記79)
前記ステータス情報を受信および送信するステップは、毎日1回繰り返される、付記78に記載の方法。
【0277】
(付記80)
前記ステータス情報は、
(i)ベース除細動器ユニットのバッテリー充電レベルと、
(ii)ベース除細動器ユニットの充電ステータスと、
(iii)前記ベース除細動器ユニットにインストールされているファームウェアのバージョンと、
(iv)最新のファームウェアのインストール日時と、
(v)前記ベース除細動器ユニットのハードウェアバージョンと、
(vi)前記ベース除細動器ユニットのシリアル番号と、
(vii)最近のベース除細動器ユニットのセルフテスト結果のセットと、
(viii)ベースユニットの機能ステータスと
のうちの1つまたは複数を含む、付記78または79に記載の方法。
【0278】
(付記81)
前記インタフェースユニットで、遠隔位置にあるソフトウェア更新サーバからソフトウェア更新を受信するステップと、
前記ソフトウェア更新を前記インタフェースユニットから前記ベース除細動器ユニットに送信するステップと、
前記ベース除細動器ユニットに前記ソフトウェア更新をインストールするステップと
をさらに含む、付記80に記載の方法。
【0279】
(付記82)
方法であって、
(a)ベース除細動器ユニットの緊急使用中に、前記ベース除細動器ユニットから該ベース除細動器ユニットに取り付けられたインタフェースユニットへインシデント情報を送信するステップであって、前記インタフェースユニットは、前記ベース除細動器ユニットの動作に必要ではなく、前記ベース除細動器ユニットの緊急使用中に前記ベース除細動器ユニットへ制御指示を提供しない、送信するステップと、
(b)受信されたインシデント情報の少なくとも一部を、前記インタフェースユニットから1つまたは複数の遠隔サーバに送信するステップと
を含む、方法。
【0280】
(付記83)
前記インシデント情報は、
(i)前記ベース除細動器ユニットの動作状態と、
(ii)前記ベース除細動器ユニットが現在ユーザに発行している現在の指示の標示と、
(iii)前記ベース除細動器ユニットがいつ緊急モードになったかを示すタイムスタンプと、
(iv)除細動ショックが送出されたかどうかを示すインジケータ、および除細動ショックが送出された場合には、各除細動ショックが送出された時刻を示すタイムスタンプと、
(v)各ショックについて送出されるエネルギーレベルと、
(vi)送出された各ショックに関連する波形と、
(vii)検出されたECG分析のショック/ショックなし分類と、
(viii)検出されたECG分析の心調律分類と、
(ix)検出されたECG分析に関連するタイムスタンプまたは同等物と、
(x)1つまたは複数の記録されたECGサンプルと、
(xi)前記ベース除細動器ユニットの起動中に検出された不具合のレポートと
のうちの1つまたは複数を含む、付記82に記載の方法。
【0281】
(付記84)
方法であって、
(i)自動体外式除細動器の緊急使用中に、前記自動体外式除細動器に音声指示を生成させるステップと、
(ii)前記音声指示を示す情報を、前記自動体外式除細動器から、ディスプレイ画面を有する外部デバイスに送信するステップと、
(iii)前記外部デバイスに、前記音声指示に関連するグラフィック指示をディスプレイ画面上に表示させるステップであって、表示されたグラフィック指示は、前記音声指示に関連する期間中に表示される、表示させるステップと、
(iv)前記外部デバイスが、前記自動体外式除細動器の緊急使用中に前記自動体外式除細動器によって生成された前記音声指示と同期されたグラフィック指示を表示するように、複数の異なる音声指示についてステップ(i)-(iii)を繰り返すステップと
を含む、方法。
【0282】
(付記85)
前記自動体外式除細動器は、現在の除細動器状態を示す情報を前記外部デバイスに周期的に送信し、前記現在の除細動器状態は、利用可能な除細動器状態のセットから選択されたものであり、
前記外部デバイスは、前記現在の除細動器状態を示す情報を使用して、前記現在の除細動器状態に関連するグラフィック指示があるかどうかを判定し、ある場合には、関連するグラフィック指示を表示する、付記84に記載の方法。
【0283】
(付記86)
前記外部デバイスが、指定されたタイムアウト閾値を超える期間、前記除細動器から前記現在の除細動器状態を示す有効な情報を受信しなかった場合、前記現在の除細動器状態を示す同期されたグラフィック指示情報の表示を停止するステップをさらに含む、付記84または85に記載の方法。
【0284】
(付記87)
前記現在の除細動器状態は、前記外部デバイス上に表示されるグラフィック指示が前記除細動器によって提供された音声指示と同期されることを確実にするのを支援するために少なくとも毎秒3回の更新の頻度で更新される、付記84乃至86のいずれか一項に記載の方法。
【0285】
(付記88)
前記外部デバイスは、除細動器サポートアプリケーションが格納された携帯電話または他のモバイル通信デバイスであり、前記除細動器サポートアプリケーションは、前記自動体外式除細動器から受信された音声指示を示す情報に基づいて前記ディスプレイ画面上に表示されるべき適切なグラフィック指示を判定するように構成されている、付記84乃至87のいずれか一項に記載の方法。
【0286】
(付記89)
前記外部デバイスは、前記自動体外式除細動器に結合されている特定目的のインタフェースユニットであり、
前記インタフェースユニットは、前記自動体外式除細動器から受信された音声指示を示す情報に基づいて、前記ディスプレイ画面上に表示されるべき適切なグラフィック指示を判定するように構成されており、
前記除細動器は、前記インタフェースユニットが結合されていない状態で完全に機能する、付記84乃至87のいずれか一項に記載の方法。
【0287】
(付記90)
除細動器ユニットに電気的に接続された外部デバイスから除細動器ユニットにより受け取られる電力を管理する方法であって、除細動器は、除細動ショックを送出するのに適したキャパシタユニット、および再充電可能なバッテリーを含み、前記除細動器ユニットは、前記バッテリーからの電力を選択的に供給して前記キャパシタユニットを充電するように構成されており、前記方法は、
前記除細動器ユニットがキャパシタ充電状態にない場合、前記再充電可能なバッテリーの再充電が必要かどうかを判定するステップと、前記再充電可能なバッテリーの再充電が必要であると判定された場合、前記外部デバイスから電力を引き出して前記再充電可能なバッテリーを再充電するステップとを含む、方法。
【0288】
(付記91)
前記除細動器ユニットがキャパシタ充電状態にある場合、前記外部デバイスから電力を引き出して、前記キャパシタユニットを充電する、または前記キャパシタユニットの充電を補助するステップをさらに含む、付記90に記載の方法。
【0289】
(付記92)
前記外部デバイスは、モバイル通信デバイスである、付記90または91に記載の方法。
【0290】
(付記93)
前記外部デバイスは、補助バッテリーパックである、付記90または91に記載の方法。
【0291】
(付記94)
前記外部デバイスは、前記除細動器ユニットに取り付けられ、かつ前記除細動器ユニットに取り外し可能に取り付けられたインタフェースユニットであり、前記除細動器ユニットは、前記インタフェースユニットがベース除細動器ユニットに取り付けられた場合に、前記インタフェースユニットの相補コネクタと係合する第1のコネクタを有する、付記90または91に記載の方法。
【0292】
(付記95)
前記外部デバイスは、USBコネクタを介して前記除細動器ユニットに電気的に接続されており、前記外部デバイスから引き出される電力は、前記USBコネクタを介して引き出される、付記90乃至94のいずれか一項に記載の方法。
【0293】
(付記96)
前記外部デバイスは、ディスプレイ画面を有し、前記方法は、潜在的心停止事象中の前記除細動器の使用中に、
前記除細動器ユニットの1つまたは複数のスピーカを介してユーザに音声指示を伝達するステップと、
前記ディスプレイ画面を介して前記ユーザにグラフィック指示を伝達するステップと
を含み、前記グラフィック指示は、前記音声指示と同期されている、付記90乃至95のいずれか一項に記載の方法。
【0294】
(付記97)
インタフェースユニットバッテリーを有するインタフェースユニットが、前記除細動器に取り付けられており、前記方法は、前記除細動器ユニットがキャパシタ充電状態になく、前記除細動器ユニットの再充電可能なバッテリーが再充電を必要としない場合のみ、前記外部デバイスから電力を引き出して、再充電可能なインタフェースユニットバッテリーを再充電するステップをさらに含む、付記90乃至96のいずれか一項に記載の方法。
【0295】
(付記98)
再充電可能なバッテリーパックが前記除細動器に取り付けられており、前記方法は、前記除細動器ユニットがキャパシタ充電状態になく、前記除細動器ユニットの再充電可能なバッテリーが充電を必要としない場合のみ、前記外部デバイスから電力を引き出して、前記再充電可能なバッテリーパックを再充電するステップをさらに含む、付記90乃至96のいずれか一項に記載の方法。
【0296】
(付記99)
前記除細動器は、前記インタフェースユニットまたは外部デバイスなしで完全に機能し、
緊急使用中、前記除細動器は、前記インタフェースユニットまたは外部デバイスからのコマンドを必要とせず、または前記インタフェースユニットまたは外部デバイスからのコマンドに依存しない、付記78乃至98のいずれか一項に記載の方法。
【0297】
(付記100)
付記78乃至99のいずれか一項に記載の方法を実行するように構成されたモジュール式除細動器システム。
【0298】
(付記101)
前記ベース除細動器ユニットは、前記インタフェースユニットまたは外部デバイスが存在しなくても完全に機能し、
前記ベース除細動器ユニットは、前記除細動器の緊急使用中に、取り付けられたインタフェースユニットまたは他の外部デバイスからの制御指示を利用しない、付記1に記載の除細動器システム。
【0299】
(付記102)
前記ベース除細動器ユニットは、スピーカを含み、前記除細動器コントローラは、(a)前記除細動器システムの使用中に前記スピーカに音声指示をユーザに伝達させ、(b)前記音声指示と同期されたグラフィックユーザ指示の前記インタフェースユニット上での表示を容易にする情報を前記インタフェースユニットに送信するように構成されており、
前記インタフェースユニットは、ディスプレイ画面を含み、前記ベース除細動器ユニットから受信された情報に基づいて、前記除細動システムの緊急使用中に、ユーザにグラフィック指示を表示するように構成されている、付記1に記載の除細動器システム。
【0300】
(付記103)
前記ベース除細動器ユニットは、前記インタフェースユニットによって利用される状態情報または指示を周期的に前記インタフェースユニットに送信して、前記除細動器によって提供される現在の音声指示に対応する、表示されるべきグラフィック指示を判定する、付記102に記載の除細動器システム。
【0301】
(付記104)
外部デバイスを前記ベース除細動器ユニットに電気的に結合するのに適したコネクタをさらに備え、該コネクタは、前記除細動器コントローラと前記外部デバイスとの間の通信を容易にし、前記外部デバイスから(i)前記キャパシタユニットの充電を支援し、または(ii)除細動器バッテリーを再充電するために選択的に使用され得る電力を受け取るように構成されている、付記1に記載の除細動器システム。
【0302】
(付記105)
前記ベース除細動器ユニットは、前記除細動器システムの緊急使用中に前記インタフェースユニットにインシデント情報を送信するように構成された除細動器コントローラを含み、前記インタフェースユニットは、(a)前記遠隔サーバに前記インシデント情報の少なくとも一部を送信すること、(b)前記インシデント情報の少なくとも一部を、そのような情報に対するユーザ要求に応答して、ユーザに表示することの両方を行うように構成されている、付記1に記載の除細動器システム。
【0303】
(付記106)
前記ベース除細動器ユニットは、除細動器バッテリーを含み、前記インタフェースユニットは、インタフェースユニットバッテリーを含み、前記ベース除細動器ユニットは、前記除細動器バッテリーから電力を引き出すことなく、前記ベース除細動器ユニットが充電器に結合されている場合に前記インタフェースユニットバッテリーが選択された時間に再充電されることを可能にするように構成されている、付記1に記載の除細動器システム。
【0304】
(付記107)
前記インタフェースユニットは、GNSSセンサをさらに含み、前記除細動器インタフェースユニットは、前記GNSSセンサを使用して前記除細動器インタフェースユニットの位置を判定し、前記除細動器インタフェースユニットの位置を遠隔位置にあるサーバに報告するように構成されている、付記1に記載の除細動器システム。
【0305】
(付記108)
前記ベース除細動器ユニットは、除細動器コントローラ、前記キャパシタユニット、充電回路、放電回路、および電極パッドカートリッジを含む除細動器ハウジングを含み、前記カートリッジは、電極パッドを含む、付記1に記載の除細動器システム。
【0306】
(付記109)
前記インタフェースユニットは、ベース除細動器ユニットに取り付けられるように適合されており、前記除細動器インタフェースユニットは、さらに、
前記ベース除細動器ユニットに取り付けられて、前記ベース除細動器ユニットと前記インタフェースユニットとを組み合わせた携帯型モジュール式除細動器を提供するように構成されたハウジングと、
ディスプレイ画面と、
前記インタフェースユニットのハウジング上に外部に露出し、前記インタフェースユニットのハウジングが前記ベース除細動器ユニットに取り付けられている場合に前記ベース除細動器ユニット上の相補型コネクタと係合するように適合された第1のコネクタと、
前記ハウジング内に収容されたプロセッサと
を備え、前記プロセッサは、前記除細動器インタフェースユニットが前記ベース除細動器ユニットに取り付けられている場合、前記ベース除細動器ユニット上の除細動器コントローラと通信するように構成されている、付記1に記載の除細動器システム。
【0307】
(付記110)
前記プロセッサは、
前記除細動器コントローラから指示状態識別子を受信し、
前記インタフェースユニットのメモリから前記指示状態識別子に対応するグラフィック指示を検索し、
検索されたグラフィック指示を前記ディスプレイ画面上に表示させて、前記インタフェースユニット上での同期された前記グラフィック指示の表示を容易にする
ように構成されている、付記109に記載の除細動器インタフェースユニット。
【0308】
(付記111)
前記インタフェースユニットは、前記除細動器システムの動作中、前記ベース除細動器ユニットから電力を引き出さない、付記1に記載の除細動器システム。
【0309】
(付記112)
前記除細動器ハウジングは、前記インタフェースユニットを収容し、かつ前記インタフェースユニットを前記除細動器ハウジングに確実に取り付けるように構成されたモジュールレセプタをさらに含み、前記モジュールレセプタは、フロアを有し、前記モジュールレセプタのフロア上に露出した第1のコネクタは、前記インタフェースユニットが前記モジュールレセプタに固定された場合、前記インタフェースユニットの相補コネクタに係合して、前記インタフェースユニットを前記ベース除細動器ユニットに電気的に接続するように構成されている、付記108に記載の除細動器。
【0310】
(付記A1)
除細動器システムであって、
除細動ショックがいつ推奨されるかを判定して前記除細動ショックを送出することが独立して可能な完全機能除細動器を構成するベース除細動器ユニットであって、前記除細動ショックを送出するのに適したキャパシタユニットと、前記除細動ショックを送出するのに適したレベルまで前記キャパシタユニットを独立して充電を容易にするのに十分なエネルギーを蓄積することができるバッテリーとを含み、前記除細動器システムの緊急使用中に音声指示を提供するようにさらに構成されている、ベース除細動器ユニットと、
前記ベース除細動器ユニットに取り付けられたインタフェースユニットであって、前記インタフェースユニットは、前記ベース除細動器ユニットおよび取り付けられたインタフェースユニットが、単一の携帯型ユニットの少なくとも一部を形成するように、前記ベース除細動器ユニットに取り付けられ、かつ前記ベース除細動器ユニットに取り外し可能に結合されており、前記インタフェースユニットは、ディスプレイ画面、および遠隔サーバとの無線通信を容易にする通信モジュールを含み、前記インタフェースユニットは、前記ベース除細動器ユニットの緊急使用中に前記ベース除細動器ユニットによって提供される前記音声指示と同期するグラフィック指示を前記ディスプレイ画面に表示させるように構成されており、前記インタフェースユニットは、前記ベース除細動器ユニットの緊急使用中に前記ベース除細動器ユニットが適切に動作するために必要ではない、インタフェースユニットと
を備える、除細動器システム。
【0311】
(付記A2)
前記ベース除細動器ユニットは、前記ベース除細動器ユニットの緊急使用中に前記インタフェースユニットに情報を送信するように構成されており、前記ベース除細動器ユニットは、前記ベース除細動器ユニットの緊急使用中に、前記取り付けられたインタフェースユニットからの制御指示を必要としないか、または利用せず、
前記インタフェースユニットは、前記ベース除細動器ユニットと関連して動作する以外に実質的な機能を有しない、
付記A1に記載の除細動器システム。
【0312】
(付記A3)
除細動器であって、
患者に除細動ショックを送出するのに十分なエネルギーを蓄積および放電するように構成されたキャパシタユニットと、
前記除細動ショックの送出に適した電圧まで前記キャパシタユニットを充電するように構成された充電回路と、
前記キャパシタユニットを放電して前記除細動ショックを送出するのに適した放電回路と、
除細動器コントローラと、
前記除細動器の緊急使用中にユーザに音声指示を伝達するためのスピーカと
を備え、
前記除細動器コントローラは、
(i)前記スピーカに、前記除細動器の緊急使用中、前記ユーザに音声指示を伝達させ、
(ii)前記除細動器に、前記除細動器の緊急使用中に前記音声指示と関連する除細動器指示状態識別子を、前記除細動器からの通信を受信するように構成された外部デバイスに繰り返し出力させるように構成され、前記除細動器指示状態識別子は、出力された除細動器指示状態識別子を受信して、前記音声指示と同期するグラフィックユーザ指示をディスプレイ画面上に表示させる、ディスプレイ画面を有する前記外部デバイスによる使用に適しており、
前記除細動器コントローラは、
(iii)前記除細動器の緊急使用中、一連の音声指示中の複数の異なる音声指示について(i)~(ii)を繰り返して、前記除細動器の緊急使用中に前記除細動器によって生成される音声指示と同期する、対応する一連のグラフィックユーザ指示を外部デバイスが表示することを容易にするように構成され、
前記除細動器は、前記除細動器の緊急使用中に前記外部デバイスからの制御指示を必要としないか、または利用せず、前記外部デバイスは、前記除細動器の緊急使用中の音声指示の伝達を含む、前記除細動器の緊急使用中の前記除細動器の動作のために必要ではなく、
前記除細動器は、前記除細動器の緊急使用中に前記外部デバイスへグラフィック指示を送信しない、除細動器。
【0313】
(付記A4)
前記外部デバイスは、携帯電話または他のモバイル通信デバイスである、付記A3に記載の除細動器。
【0314】
(付記A5)
前記携帯電話または他のモバイル通信デバイスは、
それにインストールされた除細動器サポートアプリケーションと、
前記除細動器サポートアプリケーションを実行するためのプロセッサと、
ディスプレイ画面と
を含み、
前記除細動器サポートアプリケーションは、前記プロセッサを制御して、前記除細動器の緊急使用中に、前記除細動器によって提供される音声指示と同期するグラフィック指示を前記ディスプレイ画面に表示させるように構成されている、付記A4に記載の除細動器。
【0315】
(付記A6)
前記インタフェースユニットは、前記インタフェースユニットが前記ベース除細動器ユニットに取り付けられている場合に前記ベース除細動器ユニット上の相補的コネクタに係合して、前記インタフェースユニットと前記ベース除細動器ユニットとの間の通信を容易にするコネクタを含む、付記A1またはA2に記載の除細動器システム。
【0316】
(付記A7)
除細動器コントローラは、前記ベース除細動器ユニットの緊急使用中に前記インタフェースユニットにインシデント情報を送信するように構成されており、前記インタフェースユニットは、(a)遠隔サーバに前記インシデント情報の少なくとも一部を送信すること、(b)前記インシデント情報の少なくとも一部を、そのような情報に対するユーザ要求に応答して、ユーザに表示することの両方を行うように構成されている、付記A1~A2またはA6のいずれか一項に記載の除細動器システム。
【0317】
(付記A8)
前記ベース除細動器ユニットは、前記インタフェースユニットから電力を引き出すように構成されており、(a)前記キャパシタユニットの充電中に補助充電電力を選択的に供給すること、(b)前記ベース除細動器ユニットのバッテリーの再充電のために電力を選択的に供給することの両方のために引き出された電力を選択的に利用することができる、付記A1~A2またはA6~A7のいずれか一項に記載の除細動器システム。
【0318】
(付記A9)
前記ベース除細動器ユニットは、除細動器バッテリーを含み、前記インタフェースユニットは、インタフェースユニットバッテリーを含み、前記ベース除細動器ユニットは、前記除細動器バッテリーから電力を引き出すことなく、前記ベース除細動器ユニットが充電器に結合されている場合に前記インタフェースユニットバッテリーが選択された時間に再充電されることを可能にするように構成されている、付記A1~A2またはA6~A8のいずれか一項に記載の除細動器システム。
【0319】
(付記A10)
前記ベース除細動器ユニットは、指示状態識別子、除細動器状態情報および指示のうちの少なくとも1つを前記インタフェースユニットまたは外部デバイスに提供して、前記インタフェースユニットまたは外部デバイス上のグラフィック指示の同期された表示を容易にするように構成されている、付記A1~A2またはA6~A9のいずれか一項に記載の除細動器システム。
【0320】
(付記A11)
前記指示状態識別子、除細動器状態情報または指示は、周期的に更新されて、前記インタフェースユニット上のグラフィック指示が前記ベース除細動器ユニットによって提供される音声指示と同期されることを確実にするのを支援する、付記A10に記載の除細動器システム。
【0321】
(付記A12)
前記インタフェースユニットは、指定されたタイムアウト閾値を超える期間にわたって前記ベース除細動器ユニットから更新が受信されない場合、前記同期されたグラフィック指示の表示を停止するように構成されている、付記A11に記載の除細動器システム。
【0322】
(付記A13)
前記指示状態識別子、除細動器状態情報または指示は、前記外部デバイス上のグラフィック指示が、前記ベース除細動器ユニットにより提供される音声指示と同期されることを確実にするのを支援するために、少なくとも毎秒3回の更新の頻度で更新される、付記A10~A12のいずれか一項に記載の除細動器システム。
【0323】
(付記A14)
外部デバイスを前記ベース除細動器ユニットに電気的に結合するのに適したコネクタをさらに備え、前記コネクタは、除細動器コントローラと前記外部デバイスとの間の通信を容易にするように構成されている、付記A1~A2またはA6~A13のいずれか一項に記載の除細動器システム。
【0324】
(付記A15)
前記コネクタは、(i)前記キャパシタユニットの充電を支援すること、または(ii)除細動器バッテリーを再充電することのために選択的に使用することができる電力を前記外部デバイスから受け取るようにさらに構成されている、付記A14に記載の除細動器システム。
【0325】
(付記A16)
前記コネクタは、
USBコネクタと、
ライトニングコネクタと
からなる群から選択されたものである、付記A14またはA15に記載の除細動器システム。
【0326】
(付記A17)
第2の外部デバイスを前記ベース除細動器ユニットに電気的に結合するのに適した追加のコネクタをさらに備え、前記追加のコネクタは、前記コネクタとは異なるものであり、前記キャパシタユニットの充電を支援するために使用することができる電力を前記第2の外部デバイスから受け取るように構成されている、付記A14~A16のいずれか一項に記載の除細動器システム。
【0327】
(付記A18)
再充電可能なバッテリーと、該再充電可能なバッテリーの再充電を制御するように構成された充電管理モジュールとをさらに備える、付記A1~A2またはA6~A17のいずれか一項に記載の除細動器システム。
【0328】
(付記A19)
無線充電器から電力を受け取って前記再充電可能なバッテリーの充電を容易にするように構成された無線充電レシーバをさらに備える、付記A18に記載の除細動器システム。
【0329】
(付記A20)
前記除細動器システムは、無線通信を使用して、前記インタフェースユニットと通信するように構成された無線通信モジュールをさらに含む、付記A1~A2またはA6~A19のいずれか一項に記載の除細動器システム。
【0330】
(付記A21)
前記ベース除細動器ユニットは、除細動器ハウジングを含み、前記除細動器ハウジングは、前記インタフェースユニットを収容するとともに前記インタフェースユニットを前記除細動器ハウジングに確実に取り付けるように構成されたモジュールレセプタを有し、前記モジュールレセプタは、フロアを有し、前記モジュールレセプタのフロア上に露出した第1のコネクタは、前記インタフェースユニットが前記モジュールレセプタに固定された場合、前記インタフェースユニットの相補的コネクタに係合して、前記インタフェースユニットを前記ベース除細動器ユニットに電気的に接続するように構成されている、付記A1~A2またはA6~A20のいずれか一項に記載の除細動器システム。
【0331】
(付記A22)
前記ベース除細動器ユニットに電力を供給し、前記キャパシタユニットを充電するための電力を提供するように構成されたバッテリーと、
バッテリー駆動の携帯型外部デバイスから電力を受け取り、前記バッテリー駆動の携帯型外部デバイスから受け取った電力を使用して前記バッテリーの充電を容易にするように構成されたバッテリー充電コントローラと、
前記ベース除細動器ユニットの緊急使用中に電力レシーバから引き出された電力を用いた放電キャパシタユニットの選択的な充電を容易にするために、前記バッテリー駆動の携帯型外部デバイスから受け取った電力を、前記バッテリー充電コントローラを経由せずに充電回路に選択的に供給するように構成されたバイパス回路と
をさらに備える、付記A1~A2またはA6~A21のいずれか一項に記載の除細動器システム。
【0332】
(付記A23)
前記バイパス回路は、前記バッテリー駆動の携帯型外部デバイスから引き出された電力が前記バッテリー駆動の携帯型外部デバイスに関連する指定された電流供給閾値を超えないように、前記バッテリー駆動の携帯型外部デバイスから引き出される電力を調整する、付記A22に記載の除細動器システム。
【0333】
(付記A24)
前記キャパシタユニットの充電中に前記バッテリー駆動の携帯型外部デバイスが前記ベース除細動器ユニットに接続され、前記バッテリーが完全に放電されている場合、前記バイパス回路のみが、前記キャパシタユニットを充電するために使用される、付記A22またはA23に記載の除細動器システム。
【0334】
(付記A25)
前記インタフェースユニットは、プロセッサをさらに含み、
前記プロセッサは、
前記ベース除細動器ユニット上の除細動器コントローラから指示状態識別子を受信し、
前記インタフェースユニットのメモリから前記指示状態識別子に対応するグラフィック指示を検索し、
検索されたグラフィック指示をディスプレイ画面上に表示させて、前記インタフェースユニット上での同期された前記グラフィック指示の表示を容易にする
ように構成されている、付記A1~A2またはA6~A24のいずれか一項に記載の除細動器システム。
【0335】
(付記A26)
前記インタフェースユニットは、さらに、
前記ベース除細動器ユニットに取り付けられるように構成されたハウジングと、
前記インタフェースユニットのハウジングの外部表面上で外部に露出し、前記インタフェースユニットのハウジングが前記ベース除細動器ユニットに取り付けられている場合に前記ベース除細動器ユニット上の相補的コネクタと係合するように適合された第1のコネクタと、
前記ハウジング内に収容されたプロセッサと
を備え、前記プロセッサは、前記インタフェースユニットが前記ベース除細動器ユニットに取り付けられている場合に、前記ベース除細動器ユニット上の除細動器コントローラと通信するように構成されている、付記A1~A2またはA6~A25のいずれか一項に記載の除細動器システム。
【0336】
(付記A27)
前記インタフェースユニットが、前記ベース除細動器ユニットの緊急使用中に前記ベース除細動器ユニットから受信した情報の少なくとも一部を前記遠隔サーバに転送するようにさらに構成されている、付記A1~A2またはA6~A25のいずれか一項に記載の除細動器システム。
【0337】
(付記A28)
除細動器インタフェースユニットなしで自動体外式除細動器(AED)として独立して動作することができるベース除細動器ユニットに取り付けられるように適合された除細動器インタフェースユニットであって、
前記ベース除細動器ユニットに取り付けられて、前記ベース除細動器ユニットと前記除細動器インタフェースユニットとを組み合わせた単一の携帯型モジュール式除細動器システムの少なくとも一部を形成するように構成されたハウジングと、
ディスプレイ画面と、
前記携帯型モジュール式除細動器システムの緊急使用中に前記除細動器インタフェースユニットが前記ベース除細動器ユニットに取り付けられている場合、前記ベース除細動器ユニットからの通信を受信し、前記携帯型モジュール式除細動器システムの緊急使用中に前記ベース除細動器ユニットから受信した通信に少なくとも部分的に基づいて、前記携帯型モジュール式除細動器システムの緊急使用中に前記ベース除細動器ユニットによって提供された音声指示と同期するオペレータ指示を前記ディスプレイ画面に表示させるように構成されたプロセッサと、
通信プロトコルを使用して、前記除細動器インタフェースユニットと、1つまたは複数の遠隔サーバとの間の通信を容易にするように構成された通信モジュールと、
前記除細動器インタフェースユニットに電力を供給する蓄電ユニットと
を備える、除細動器インタフェースユニット。
【0338】
(付記A29)
ベース除細動器ユニットおよび取り付けられた除細動器インタフェースユニットが単一の携帯型除細動器システムの少なくとも一部を形成するように、ベース除細動器ユニットに取り付けられ、かつ取り外し可能に結合されるように構成された除細動器インタフェースユニットであって、
1つまたは複数の遠隔サーバとの無線通信を容易にする通信モジュールと、
ディスプレイ画面と
を備え、前記除細動器インタフェースユニットは、前記ベース除細動器ユニットの緊急使用中に前記ベース除細動器ユニットによって提供された音声指示と同期するグラフィック指示を前記ディスプレイ画面に表示させるように構成されており、
前記除細動器インタフェースユニットは、前記単一の携帯型除細動器システムの緊急使用中に前記ベース除細動器ユニットから情報を受信するように構成されており、前記除細動器インタフェースユニットは、前記単一の携帯型除細動器システムの緊急使用中に前記ベース除細動器ユニットへ制御指示を提供せず、
前記除細動器インタフェースユニットは、前記ベース除細動器ユニットと関連して動作する以外に実質的な機能を有しないが、前記単一の携帯型除細動器システムの緊急使用中に前記ベース除細動器ユニットが適切に動作するために必要ではない、除細動器インタフェースユニット。
【0339】
(付記A30)
前記除細動器インタフェースユニットは、汎用携帯電話、タブレットコンピュータ、またはパーソナルコンピュータではない、付記A28またはA29に記載の除細動器インタフェースユニット。
【0340】
(付記A31)
前記除細動器インタフェースユニットは、前記ベース除細動器ユニットからセルフテスト情報を受信し、遠隔位置にあるサーバのうちの1つまたは複数に前記セルフテスト情報を報告するように構成されている、付記A28~A30のいずれか一項に記載の除細動器インタフェースユニット。
【0341】
(付記A32)
GNSSセンサをさらに備え、前記除細動器インタフェースユニットは、前記GNSSセンサを使用して前記除細動器インタフェースユニットの位置を判定し、前記除細動器インタフェースユニットの位置を遠隔位置にあるサーバのうちの1つまたは複数に報告するように構成されている、付記A28~A31のいずれか一項に記載の除細動器インタフェースユニット。
【0342】
(付記A33)
前記除細動器インタフェースユニットのハウジング上に外部に露出し、前記除細動器インタフェースユニットのハウジングが前記ベース除細動器ユニットに取り付けられている場合に前記ベース除細動器ユニット上の相補型コネクタと係合するように適合された第1のコネクタをさらに備え、
前記第1のコネクタは、(a)前記除細動器インタフェースユニットのプロセッサと除細動器コントローラとの間の通信を容易にし、(b)前記除細動器インタフェースユニットと前記ベース除細動器ユニットとの間の電力の伝達を容易にするように構成されている、付記A28~A32のいずれか一項に記載の除細動器インタフェースユニット。
【0343】
(付記A34)
前記除細動器インタフェースユニットは、前記ベース除細動器ユニットの緊急使用中に前記ベース除細動器ユニットに制御指示を送信せず、前記ベース除細動器ユニットの動作に必要ではない、付記A28またはA30~A33のいずれか一項に記載の除細動器インタフェースユニット。
【0344】
(付記A35)
前記除細動器インタフェースユニットのプロセッサは、前記ベース除細動器ユニットから除細動器ステータス情報を周期的に受信し、前記除細動器ステータス情報を前記遠隔サーバのうちの1つまたは複数に周期的に送信するように構成されている、付記A28~A34のいずれか一項に記載の除細動器インタフェースユニット。
【0345】
(付記A36)
蓄電ユニットは、前記ベース除細動器ユニット上のいかなる蓄電ユニットからも電力を引き出すことなく、前記ベース除細動器ユニットに結合されている間に再充電されるように構成されたインタフェースユニットバッテリーである、付記A28~A35のいずれか一項に記載の除細動器インタフェースユニット。
【0346】
(付記A37)
前記除細動器インタフェースユニットは、前記ベース除細動器ユニットの緊急動作中、前記ベース除細動器ユニットから電力を引き出さない、付記A28~A36のいずれか一項に記載の除細動器インタフェースユニット。
【0347】
(付記A38)
前記ベース除細動器ユニットが充電され、外部電源に接続された場合、前記ベース除細動器ユニットを介した電力受信を用いて蓄電ユニットを再充電するようにさらに構成されている、付記A28~A37のいずれか一項に記載の除細動器インタフェースユニット。
【0348】
(付記A39)
前記除細動器インタフェースユニットは、前記ベース除細動器ユニットに電力を供給することができる、付記A28~A38のいずれか一項に記載の除細動器インタフェースユニット。
【0349】
(付記A40)
前記除細動器インタフェースユニットは、前記ベース除細動器ユニットの使用中に、前記ベース除細動器ユニットによって提供される音声指示を補足するグラフィック指示をディスプレイ画面に表示させるようにさらに構成されている、付記A28~A39のいずれか一項に記載の除細動器インタフェースユニット。
【0350】
(付記A41)
プロセッサは、
前記ベース除細動器ユニット上の除細動器コントローラから指示状態識別子を受信し、
前記除細動器インタフェースユニットのメモリから前記指示状態識別子に対応するグラフィック指示を検索し、
検索されたグラフィック指示を前記ディスプレイ画面に表示させて、前記除細動器インタフェースユニット上での前記ベース除細動器ユニットにより生成される音声指示と、前記グラフィック指示の同期された表示を容易にする
ように構成されている、付記A28~A40のいずれか一項に記載の除細動器インタフェースユニット。
【0351】
(付記A42)
前記プロセッサは、前記除細動器コントローラから、更新された指示状態識別子を周期的に受信し、前記更新された指示状態識別子に基づいて、表示されたグラフィック指示を更新するように構成されている、付記A41に記載の除細動器インタフェースユニット。
【0352】
(付記A43)
前記遠隔サーバから除細動器ソフトウェア更新を受信し、前記ベース除細動器ユニットにインストールするために前記除細動器ソフトウェア更新を前記ベース除細動器ユニットに送信するように構成されている、付記A28~A42のいずれか一項に記載の除細動器インタフェースユニット。
【0353】
(付記A44)
ディスプレイ画面およびプログラムされた命令を実行するのに適したプロセッサを有するデバイスのメモリに格納するのに適したプログラムされた命令を有する除細動器サポートアプリケーションであって、前記デバイスは、除細動器からの通信を受信するように構成されており、前記除細動器サポートアプリケーションは、前記プロセッサ上で実行されると、前記除細動器の現在の音声指示状態に関する前記除細動器からの指示情報の受信に応答して、前記デバイスに、前記除細動器の前記現在の音声指示状態に対応するグラフィック指示を前記ディスプレイ画面上に表示させるように構成されており、
前記除細動器から受信された前記指示情報は、除細動器状態識別子を含み、
前記プログラムされた命令は、前記プロセッサに、前記デバイスのメモリから、受信された除細動器状態識別子に対応する前記グラフィック指示を検索させ、検索されたグラフィック指示を、前記現在の音声指示状態と同期して前記ディスプレイ画面に表示させるように構成されている、除細動器サポートアプリケーション。
【0354】
(付記A45)
前記プログラムされた命令は、前記デバイスが、指定されたタイムアウト閾値を超える期間、前記除細動器から有効な除細動器状態識別子を受信しなかった場合、前記現在の音声指示状態に対応する前記グラフィック指示の表示を停止するようにさらに構成されている、付記A44に記載の除細動器サポートアプリケーション。
【0355】
(付記A46)
前記デバイスは、携帯電話または他のモバイル通信デバイスであり、前記除細動器サポートアプリケーションは、前記携帯電話または他のモバイル通信デバイスにインストールされている、付記A44またはA45に記載の除細動器サポートアプリケーション。
【0356】
(付記A47)
前記デバイスは、インタフェースユニットなしで完全に機能する除細動器に結合されるように構成されたインタフェースユニットであり、前記インタフェースユニットは、それにインストールされた前記除細動器サポートアプリケーションを有する、付記A44~A46のいずれか一項に記載の除細動器サポートアプリケーション。
【0357】
(付記A48)
自動体外式除細動器の緊急使用中にユーザに自動体外式除細動器ユーザ指示を自動的に提供する方法であって、
(i)前記自動体外式除細動器の緊急使用中に、前記自動体外式除細動器が音声指示を生成するステップと、
(ii)前記自動体外式除細動器が前記音声指示に関連する除細動器状態識別子を繰り返し出力するステップであって、前記除細動器状態識別子は、ディスプレイ画面を有する外部デバイスによる受信に適しており、前記外部デバイスは、前記自動体外式除細動器からの通信を受信するように構成されており、前記外部デバイスは、前記自動体外式除細動器と一体化されておらず、前記自動体外式除細動器の緊急使用中の前記音声指示の伝達を含む、前記自動体外式除細動器の緊急使用中の前記自動体外式除細動器の動作に必要ではなく、前記除細動器状態識別子の受信は、前記外部デバイスに、送信された除細動器状態識別子の受信に応答して、前記音声指示に関連するグラフィック指示を前記ディスプレイ画面上に表示させ、表示されたグラフィック指示は、前記音声指示に関連する期間中に表示され、前記表示されたグラフィック指示は、前記自動体外式除細動器の緊急使用中に前記自動体外式除細動器から受信されない、出力するステップと、
(iii)前記外部デバイスが、前記自動体外式除細動器の緊急使用中に前記自動体外式除細動器によって生成された前記音声指示と同期された一連のグラフィック指示を表示するように、複数の異なる音声指示について、前記自動体外式除細動器がステップ(i)-(ii)を繰り返すステップと
を含む、方法。
【0358】
(付記A49)
前記自動体外式除細動器は、現在の除細動器状態を示す情報を前記外部デバイスに周期的に送信し、前記現在の除細動器状態は、利用可能な除細動器状態のセットから選択されたものであり、
前記外部デバイスは、前記現在の除細動器状態を示す情報を使用して、前記現在の除細動器状態に関連するグラフィック指示があるかどうかを判定し、ある場合には、関連するグラフィック指示を表示する、付記A48に記載の方法。
【0359】
(付記A50)
前記外部デバイスが、指定されたタイムアウト閾値を超える期間、前記自動体外式除細動器から現在の除細動器状態を示す有効な情報を受信しなかった場合、前記現在の除細動器状態を示す同期されたグラフィック指示情報の表示を前記外部デバイスが停止するステップをさらに含む、付記A48またはA49に記載の方法。
【0360】
(付記A51)
現在の除細動器状態は、前記外部デバイス上に表示されるグラフィック指示が前記自動体外式除細動器によって提供された音声指示と同期されることを確実にするのを支援するために少なくとも毎秒3回の更新の頻度で更新される、付記A48~A50のいずれか一項に記載の方法。
【0361】
(付記A52)
前記外部デバイスは、除細動器サポートアプリケーションが格納された携帯電話または他のモバイル通信デバイスであり、前記除細動器サポートアプリケーションは、前記自動体外式除細動器から受信された音声指示を示す情報に基づいて前記ディスプレイ画面上に表示されるべき適切なグラフィック指示を判定するように構成されている、付記A48~A51のいずれか一項に記載の方法。
【0362】
(付記A53)
前記外部デバイスは、前記自動体外式除細動器に結合されている特定目的のインタフェースユニットであり、
前記インタフェースユニットは、前記自動体外式除細動器から受信された音声指示を示す情報に基づいて、前記ディスプレイ画面上に表示されるべき適切なグラフィック指示を判定するように構成されており、
前記自動体外式除細動器は、前記インタフェースユニットが結合されていない状態で完全に機能する、付記A48~A51のいずれか一項に記載の方法。
【0363】
(付記A54)
前記除細動器コントローラは、前記除細動器の緊急使用中に前記外部デバイスにインシデント情報を送信するようにさらに構成されており、前記外部デバイスは、(a)遠隔サーバに前記インシデント情報の少なくとも一部を送信すること、(b)前記インシデント情報の少なくとも一部を、そのような情報に対するユーザ要求に応答して、ユーザに表示することの両方を行うように構成されている、付記A3~A5のいずれか一項に記載の除細動器。
【0364】
(付記A55)
前記除細動器は、前記外部デバイスから電力を引き出すように構成されており、(a)前記キャパシタユニットの充電中に補助充電電力を選択的に供給すること、(b)前記除細動器のバッテリーの再充電のために電力を選択的に供給することの両方のために引き出された電力を選択的に利用することができる、付記A3~A5またはA54のいずれか一項に記載の除細動器。
【0365】
(付記A56)
前記外部デバイスを前記除細動器に電気的に結合するのに適したコネクタをさらに備え、前記コネクタは、前記除細動器コントローラと前記外部デバイスとの間の通信を容易にするように構成されている、付記A3~A5またはA54~A55のいずれか一項に記載の除細動器。
【0366】
(付記A57)
前記コネクタは、(i)前記キャパシタユニットの充電を支援すること、または(ii)除細動器バッテリーを再充電することのために選択的に使用することができる電力を前記外部デバイスから受け取るようにさらに構成されている、付記A56に記載の除細動器。
【0367】
(付記A58)
前記コネクタは、
USBコネクタと、
ライトニングコネクタと
からなる群から選択されたものである、付記A56またはA57に記載の除細動器。
【0368】
(付記A59)
第2の外部デバイスを前記除細動器に電気的に結合するのに適した追加のコネクタをさらに備え、前記追加のコネクタは、前記コネクタとは異なるものであり、前記キャパシタユニットの充電を支援するために使用することができる電力を前記第2の外部デバイスから受け取るように構成されている、付記A56~A58のいずれか一項に記載の除細動器。
【0369】
(付記A60)
再充電可能なバッテリーと、該再充電可能なバッテリーの再充電を制御するように構成された充電管理モジュールとをさらに備える、付記A3~A5またはA54~A59のいずれか一項に記載の除細動器。
【0370】
(付記A61)
無線充電器から電力を受け取って前記再充電可能なバッテリーの充電を容易にするように構成された無線充電レシーバをさらに備える、付記A60に記載の除細動器。
【0371】
(付記A62)
前記除細動器は、無線通信を使用して、前記外部デバイスと通信するように構成された無線通信モジュールをさらに含む、付記A3~A5またはA54~A61のいずれか一項に記載の除細動器。
【0372】
(付記A63)
前記除細動器に電力を供給し、前記キャパシタユニットを充電するための電力を提供するように構成されたバッテリーと、
バッテリー駆動の携帯型外部デバイスから電力を受け取り、前記バッテリー駆動の携帯型外部デバイスから受け取った電力を使用して前記バッテリーの充電を容易にするように構成されたバッテリー充電コントローラと、
前記除細動器の緊急使用中に電力レシーバから引き出された電力を用いた放電キャパシタユニットの選択的な充電を容易にするために、前記バッテリー駆動の携帯型外部デバイスから受け取った電力を、前記バッテリー充電コントローラを経由せずに充電回路に選択的に供給するように構成されたバイパス回路と
をさらに備える、付記A3~A5またはA54~A62のいずれか一項に記載の除細動器。
【0373】
(付記A64)
前記バイパス回路は、前記バッテリー駆動の携帯型外部デバイスから引き出された電力が前記バッテリー駆動の携帯型外部デバイスに関連する指定された電流供給閾値を超えないように、前記バッテリー駆動の携帯型外部デバイスから引き出される電力を調整する、付記A63に記載の除細動器。
【0374】
(付記A65)
前記キャパシタユニットの充電中に前記バッテリー駆動の携帯型外部デバイスが前記除細動器に接続され、前記バッテリーが完全に放電されている場合、前記バイパス回路のみが、前記キャパシタユニットを充電するために使用される、付記A63またはA64に記載の除細動器。