(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023090935
(43)【公開日】2023-06-29
(54)【発明の名称】通信装置、通信方法および集積回路
(51)【国際特許分類】
H04L 27/26 20060101AFI20230622BHJP
【FI】
H04L27/26 113
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023077935
(22)【出願日】2023-05-10
(62)【分割の表示】P 2021198396の分割
【原出願日】2016-09-21
(31)【優先権主張番号】P 2015214244
(32)【優先日】2015-10-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ホァン レイ
(72)【発明者】
【氏名】シム マイケル ホン チェン
(72)【発明者】
【氏名】浦部 嘉夫
(57)【要約】
【課題】効率的にパケットを受信および復号する。
【解決手段】通信装置は、レガシーシグナルフィールドである1つの第1OFDMシンボルと第1OFDMシンボルの直後に配置された1つの第2OFDMシンボルと第2OFDMシンボルより後に配置された第1シグナルフィールドである1つ以上の第3OFDMシンボルとを含む第1PPDUを生成して送信する。第1シグナルフィールドはマルチユーザ送信のためのリソース割り当て情報を含み、第2OFDMシンボルは、第1PPDUのフォーマットをマルチユーザ送信のためのリソース割り当て情報を含まない第2PPDUのフォーマットと区別するためにレガシーシグナルフィールドから第1の方法により派生され、第1PPDUのフォーマットにおける第1OFDMシンボルに対するデータ副搬送波の位相回転量が第2PPDUのフォーマットにおける第1OFDMシンボルに対するデータ副搬送波のOFDMシンボルの位相回転量と異なる。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レガシーシグナルフィールドである1つの第1直交周波数分割多重(OFDM)シンボルと、前記第1OFDMシンボルの直後に配置された1つの第2OFDMシンボルと、前記第2OFDMシンボルより後に配置された第1シグナルフィールドである1つ以上の第3OFDMシンボルと、を含む第1フィジカルプロトコルデータユニット(PPDU)を生成し、前記第1シグナルフィールドはマルチユーザ送信のためのリソース割り当て情報を含む、制御回路と、
生成された前記第1PPDUを送信する、送信部と、を備える通信装置であって、
前記第2OFDMシンボルは、前記第1PPDUのフォーマットを、前記マルチユーザ送信のためのリソース割り当て情報を含まない第2PPDUのフォーマットと区別するために前記レガシーシグナルフィールドから第1の方法により派生され、
前記第1PPDUのフォーマットにおける前記第1OFDMシンボルに対するデータ副搬送波の位相回転量が、前記第2PPDUのフォーマットにおける前記第1OFDMシンボルに対するデータ副搬送波のOFDMシンボルの位相回転量と異なる、
通信装置。
【請求項2】
前記第1の方法は、前記第2OFDMシンボルのデータ副搬送波を変調する情報の少なくとも一部が前記第1OFDMシンボルのデータ副搬送波を変調する情報と同一である、
請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記第1の方法は、前記第2OFDMシンボルのデータ副搬送波の少なくとも一部が前記第1OFDMシンボルのデータ副搬送波から反転する、
請求項1に記載の通信装置。
【請求項4】
前記第1の方法は、前記第2OFDMシンボルのデータ副搬送波の少なくとも一部が前記第1OFDMシンボルのデータ副搬送波から反転する、
請求項2に記載の通信装置。
【請求項5】
レガシーシグナルフィールドである1つの第1直交周波数分割多重(OFDM)シンボルと、前記第1OFDMシンボルの直後に配置された1つの第2OFDMシンボルと、前記第2OFDMシンボルより後に配置された第1シグナルフィールドである1つ以上の第3OFDMシンボルと、を含む第1フィジカルプロトコルデータユニット(PPDU)を生成し、前記第1シグナルフィールドはマルチユーザ送信のためのリソース割り当て情報を含む、工程と、
生成された前記第1PPDUを送信する、工程と、を含む通信方法であって、
前記第2OFDMシンボルは、前記第1PPDUのフォーマットを、前記マルチユーザ送信のためのリソース割り当て情報を含まない第2PPDUのフォーマットと区別するために前記レガシーシグナルフィールドから第1の方法により派生され、
前記第1PPDUのフォーマットにおける前記第1OFDMシンボルに対するデータ副搬送波の位相回転量が、前記第2PPDUのフォーマットにおける前記第1OFDMシンボルに対するデータ副搬送波のOFDMシンボルの位相回転量と異なる、
通信方法。
【請求項6】
前記第1の方法は、前記第2OFDMシンボルのデータ副搬送波を変調する情報の少なくとも一部が前記第1OFDMシンボルのデータ副搬送波を変調する情報と同一である、
請求項5に記載の通信方法。
【請求項7】
前記第1の方法は、前記第2OFDMシンボルのデータ副搬送波の少なくとも一部が前記第1OFDMシンボルのデータ副搬送波から反転する、
請求項5に記載の通信方法。
【請求項8】
前記第1の方法は、前記第2OFDMシンボルのデータ副搬送波の少なくとも一部が前記第1OFDMシンボルのデータ副搬送波から反転する、
請求項6に記載の通信方法。
【請求項9】
レガシーシグナルフィールドである1つの第1直交周波数分割多重(OFDM)シンボルと、前記第1OFDMシンボルの直後に配置された1つの第2OFDMシンボルと、前記第2OFDMシンボルより後に配置された第1シグナルフィールドである1つ以上の第3OFDMシンボルと、を含む第1フィジカルプロトコルデータユニット(PPDU)を生成し、前記第1シグナルフィールドはマルチユーザ送信のためのリソース割り当て情報を含む、処理と、
生成された前記第1PPDUを送信する、処理と、を制御する集積回路であって、
前記第2OFDMシンボルは、前記第1PPDUのフォーマットを、前記マルチユーザ送信のためのリソース割り当て情報を含まない第2PPDUのフォーマットと区別するために前記レガシーシグナルフィールドから第1の方法により派生され、
前記第1PPDUのフォーマットにおける前記第1OFDMシンボルに対するデータ副搬送波の位相回転量が、前記第2PPDUのフォーマットにおける前記第1OFDMシンボルに対するデータ副搬送波のOFDMシンボルの位相回転量と異なる、
集積回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、無線通信システムに関し、より詳細には、パケットの異なるフォーマットの検出に関する。
【背景技術】
【0002】
IEEE(米国電気電子学会(Institute of Electrical and Electronics Engineers))802.11ワーキンググループは、レガシー802.11a/g/n/ac規格との後方互換性を保ちながら、高密度のシナリオにおいてユーザによって達成される実世界のスループットの非常に著しい増大を達成するために、802.11ax HE(高効率(High Efficiency))WLAN(無線ローカルエリアネットワーク(Wireless Local Area Network))エアインタフェースを開発している。OFDMA(直交周波数分割多元接続(Orthogonal Frequency Division Multiple Access))マルチユーザ伝送は、802.11axの最も重要な特徴の1つとして想定されている。
【0003】
OFDM(直交周波数分割多重化(Orthogonal Frequency Division Multiplexing))は、システム帯域幅を複数の直交周波数副搬送波に細分する多重化技法である。OFDMシステムでは、入力データストリームは、データレートがより低い(したがって、シンボル持続時間が増大した)いくつかの並列サブストリームに分割され、サブストリームは、それぞれの直交副搬送波で変調されて送信される。シンボル持続時間が増大することによって、チャネル遅延拡散に関するOFDMシステムのロバスト性が改善する。さらに、GI(ガードインターバル(Guard Interval))を導入することによって、GI持続時間がチャネル遅延拡散より長い限り、シンボル間干渉を完全に除去することができる。さらに、OFDM変調は、複数の副搬送波を低い複雑度で使用可能にする効率的なIFFT(逆高速フーリエ変換(Inverse Fast Fourier Transform))によって実現することができる。OFDMシステムでは、時間および周波数リソースは、時間領域のOFDMシンボルおよび周波数領域の副搬送波によって定義される。OFDMAは、OFDMシステムの時間および周波数リソースにわたって複数のユーザとの間でのデータストリームの複数の動作を実行する多元接続方式である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】IEEE 802.11-15/0132r9,Specification Framework for TGax,September 2015
【非特許文献2】IEEE 802.11-15/0579r4,802.11ax Preamble Design and Auto-detection,September 2015
【非特許文献3】IEEE 802.11-15/0826r3,HE-SIGA transmission for range extension,September 2015
【非特許文献4】IEEE Std 802.11ac-2013
【非特許文献5】IEEE Std 802.11-2012
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
802.11axパケットは、802.11無線ネットワーク内でレガシー802.11a/g/n/acパケットと共存することがある。したがって、受信部が異なるフォーマットのパケットを受信する可能性がある場合に、受信部が効率的にパケットを受信および復号することを可能にする送信方法および送信装置が所望される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の送信装置は、動作時に、レガシーショートトレーニングフィールド、レガシーロングトレーニングフィールド、レガシーシグナルフィールド(L-SIG)、繰り返しレガシーシグナルフィールド(RL-SIG)、第1の非レガシーシグナルフィールド、第2の非レガシーシグナルフィールド、非レガシーショートトレーニングフィールド、非レガシーロングトレーニングフィールド、およびデータフィールドを含むパケットを生成するパケット生成部であって、第2の非レガシーシグナルフィールドは、パケット内に任意選択的に存在し、パケット生成部は、パケット内の第2の非レガシーシグナルフィールドの有無に応じて異なる方法でRL-SIGを構成することによってパケットを生成する、パケット生成部と、動作時に、生成されたパケットを送信する送信部とを備える。
【0007】
一般的なまたは特定の開示は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム、記憶媒体、またはそれらの任意の選択的組み合わせとして実装され得ることに留意されたい。
【0008】
本開示のパケットフォーマット検出の送信方法および送信装置によって、受信部が異なるフォーマットのパケットを受信する可能性がある場合に、受信部が効率的にパケットを受信および復号することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1A】
図1Aは、IEEE 802.11a/g規格に準拠するパケットのフォーマットを示す図である。
【
図1B】
図1Bは、IEEE 802.11n規格に準拠するHTパケットのフォーマットを示す図である。
【
図1C】
図1Cは、IEEE 802.11ac規格に準拠するVHTパケットのフォーマットを示す図である。
【
図2A】
図2Aは、802.11a/gパケットにおけるL-SIGのフォーマットを示す図である。
【
図2B】
図2Bは、802.11a/gパケットにおけるL-SIGのL_Rateフィールドの詳細を示す図である。
【
図2C】
図2Cは、802.11a/gパケットにおけるL-SIGの送信部を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、IEEE 802.11ax仕様フレームワーク文書に準拠するHEパケットのフォーマットを示す図である。
【
図4】
図4は、従来技術に係るパケットフォーマットを検出する方法を示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、本開示の第1の実施形態に係る、HEパケットにおけるRL-SIGの送信部の一例を示すブロック図である。
【
図6】
図6は、本開示の第1の実施形態に係る、パケットフォーマットを検出する方法の一例を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、本開示の第2の実施形態に係る、HEパケットにおけるRL-SIGの送信部の一例を示すブロック図である。
【
図8】
図8は、本開示の第2の実施形態に係る、パケットフォーマットを検出する方法の一例を示すフローチャートである。
【
図9】
図9は、本開示の第3の実施形態に係る、パケットフォーマットを検出する方法の一例を示すフローチャートである。
【
図10】
図10は、本開示に係る無線通信装置の構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の様々な実施形態を、ここで添付の図面を参照して詳細に説明する。以下の説明において、既知の機能および構成の詳細な説明は、明瞭かつ簡潔にするために省略されている。
【0011】
<本開示の基礎を成す基礎知識>
図1A、
図1Bおよび
図1Cは、レガシー802.11a/g/n/acパケットの様々なフォーマットを示す。
図1Aは、IEEE 802.11a/g規格に準拠するパケット100Aのフォーマットを示す。
図1Bは、IEEE 802.11n規格に準拠するハイスループット(HT:high throughput)パケット100Bのフォーマットを示す。
図1Cは、IEEE 802.11ac規格に準拠する超高スループット(VHT:very high throughput)パケット100Cのフォーマットを示す。
【0012】
図1Aを参照すると、802.11a/gパケット100Aは、レガシーショートトレーニングフィールド(L-STF)102A、レガシーロングトレーニングフィールド(L-LTF)104Aおよびレガシーシグナルフィールド(L-SIG)106A、ならびにデータフィールド120Aを含むレガシープリアンブルを含む。L-STF 102AおよびL-LTF 104Aは、主に、パケット検出、自動利得制御(AGC:auto gain control)設定、周波数オフセット推定、時間同期およびチャネル推定に使用される。L-STF 102AとL-LTF 104Aの両方の長さは8マイクロ秒である。
【0013】
図2Aは、
図1Aの802.11a/gパケット100AにおけるL-SIG 106Aのフォーマットを示す。L-SIG 106Aは、4ビットのL_Rateフィールド202と、予約ビット204と、12ビットのL_Lengthフィールド206と、パリティビット208と、6つのテールビット210とを含む。L_Rateフィールド202は、データフィールド120Aで使用される変調タイプおよび符号化率に関する情報を搬送する。L_Rateフィールド202の詳細が
図2Bに示されている。L_Lengthフィールド206は、データフィールド120Aのデータ量をオクテットで示す。パリティビット208は、最初の17ビットにわたって偶数パリティを与える。L-SIG 106A内の単一のパリティビット208は、より低い信号対雑音比(SNR)条件において問題となる可能性があるため、予約ビット204は、いくつかの実装において追加のパリティとして追加的に使用されてもよい。L-SIG 106Aはデータフィールド120Aから別個に符号化されるため、テールビット210はゼロに設定され、符号化部および復号器をフラッシュするために使用される。パケット100Aの対象である受信部がL-SIG 106Aを正しく復号することが重要であるばかりでなく、近くの局もチャネルアクセスを適切に留保するためにL-SIG 106Aを正しく復号する必要があることに留意されたい。
【0014】
図2Cは、
図1Aの802.11a/gパケット100AにおけるL-SIG 106Aの送信部250を示すブロック図である。送信部250は、2進畳み込み符号(BCC:binary convolutional code)符号化部252、インターリーバ254、2値位相偏移変調(BPSK:binary phase shift keying)変調部256、パイロット挿入ブロック258、IFFTブロック260、およびGI付加ブロック262を含む。BCC符号化部252は、L-SIG 106Aの24個の情報ビットに対して符号化率1/2でBCC符号化を行い、48個の符号化ビットを生成する。インターリーバ254は、所定のインターリーブ規則に従って、48個の符号化ビットに対してインターリーブ動作を行う。BPSK変調部256は、48個の符号化されインターリーブされたビットを48個のBPSK情報シンボルに変換し、入力ビット「1」がシンボル「+1」にマッピングされ、一方で、入力ビット「0」がシンボル「-1」にマッピングされる。また、48個のBPSK情報シンボルは、パイロット副搬送波21、-7,7および21ならびに0に設定されたDC副搬送波0を除くOFDMシンボルの副搬送波-26~26に入れられる。パイロット挿入ブロック258は、周波数オフセットおよび位相ノイズに対してロバストなコヒーレント検出を行うために、OFDMシンボルのパイロット副搬送波-21、-7、7および21に4つのパイロット信号{+1、+1、+1、-1}を入れる。IFFTブロック260は、52個の情報およびパイロットシンボルに対してIFFT演算を実行し、3.2マイクロ秒の長さのOFDMシンボルを生成する。GI付加ブロック262は、0.8マイクロ秒のサイクリックプレフィックスをOFDMシンボルにプリペンドし、結果としてSIG 106Aは4マイクロ秒のOFDMシンボルとなる。
【0015】
L-STF 102A、L-LTF 104Aおよびデータフィールド120Aの送信処理の詳細は、IEEE 802.11a/g規格に見出すことができる。
【0016】
図1Bを参照すると、HTパケット100Bは、L-STF 102B、L-LTF 104BおよびL-SIG 106Bを含むレガシープリアンブル、HTシグナルフィールド(HT-SIG)110B、HTショートトレーニングフィールド(HT-STF)112Bおよび、HTロングトレーニングフィールド(HT-LTF)114Bを含むHEプリアンブル、ならびにHTデータフィールド120Bを含む。
【0017】
HTパケット100BのL-SIG 106Bは、
図1Aに示されている802.11a/gパケット100AのL-SIG 106Aと同様に定義され、送信される。ただし、複数のアンテナを介してマルチ空間ストリーム伝送を可能にするために、HTパケット100BのL-SIG 106Bに循環シフトが適用される点が異なっている。
【0018】
HT-SIG 110Bは、残りのHTパケット100Bを解釈するために使用される48個の情報ビットを含む。48個のHT-SIGビットは、1/2のレートでBCC符号化され、96ビットとなる。これらは2つのシンボル、すなわち、HT-SIG1 110B-1およびHT-SIG2 110B-2に分割される。各シンボルはインターリーブされ、BPSKマッピングされ、パイロット副搬送波が挿入される。パケットフォーマット検出を容易にするために、HT-SIG 110Bの2つのシンボルは、90度回転(すなわち、直交BPSK(QBPSK:quadrature BPSK))を伴ってBPSKによって変調される。換言すると、入力ビット「0」はシンボル「-j」にマッピングされ、一方で入力ビット「1」はシンボル「+j」にマッピングされる。そして、各シンボルについてIFFT演算が行われて、長さ3.2マイクロ秒のOFDM波形が生成される。巡回シフトが適用され、0.8マイクロ秒のサイクリックプレフィックスがOFDM波形にプリペンドされ、結果としてHE-SIG 110Bの各シンボルは4マイクロ秒の長さとなる。
【0019】
HT-STF 112Bは、AGCをリセットするために使用され、アナログ-デジタル変換器(ADC:analog-to-digital converter)のダイナミックレンジ要件を低減する。HT-LTF 114Bは、HTデータフィールド120Bを受信して等化するためのMIMO(多入力多出力(Multiple Input Multiple Output))チャネル推定のために設けられている。
【0020】
L-STF 102B,L-LTF 104B,HT-STF 112B,HT-LTF 114BおよびHTデータフィールド120Bの送信処理の詳細は、IEEE 802.11n規格に見出すことができる。
【0021】
図1Cを参照すると、VHTパケット100Cは、L-STF 102C、L-LTF 104CおよびL-SIG 106Cを含むレガシープリアンブル、第1のVHTシグナルフィールド(VHT-SIG-A)110C、VHTショートトレーニングフィールド(VHT-STF)112C、VHTロングトレーニングフィールド(VHT-LTF)114Cおよび第2のVHTシグナルフィールド(VHT-SIG-B)116Cを含むVHTプリアンブル、ならびにVHTデータフィールド120Cを含む。
【0022】
VHTパケット100CのL-SIG 106Cは、
図2Bに示すHTパケット100BのL-SIG 106Bと同様の方法で定義され、送信される。
【0023】
VHT-SIG-A 110Cは、残りのVHTパケット100Cを解釈するために使用される48個の情報ビットを含む。48個のVHT-SIG-Aビットはレート1/2でBCC符号化され、96ビットになる。これらは2つのシンボル(すなわち、VHT-SIG-A1 110C-1およびVHT-SIG-A2 110C-2)に分割され、各シンボルはインターリーブされる。VHT-SIG-A1 110C-1はBPSK変調され、VHT-SIG-A2 110C-2はQBPSK変調される。各シンボルには、パイロット副搬送波が挿入されている。そして、各シンボルについてIFFT演算が行われて、長さ3.2マイクロ秒のOFDM波形が生成される。巡回シフトが適用され、0.8マイクロ秒のサイクリックプレフィックスがOFDM波形にプリペンドされ、結果としてHE-SIG-A1 110C-1およびHE-SIG-A2 110C-2の各シンボルは4マイクロ秒のOFDMシンボルとなる。
【0024】
VHT-STF 112Cは、AGCをリセットするために使用され、ADCのダイナミックレンジ要件を低減する。VHT-LTF 114Cは、VHTデータフィールド120Cを受信して等化するためのMIMOチャネル推定のために設けられている。
【0025】
L-STF 102C、L-LTF 104C、VHT-STF 112C、VHT-LTF 114C、VHT-SIG-B 116CおよびVHTデータフィールド120Cの送信処理の詳細は、IEEE 802.11ac規格に見出すことができる。
【0026】
AGCをリセットすることは、HT-LTF 114BまたはVHT-LTF 114Cを受信する前の性能にとって重要であることに留意されたい。いくつかの理由により、HT-STF 112BまたはVHT-STF 112Cの始まりにおいて、大幅な利得変更が発生する可能性がある。例えば、巡回シフトの変化(送信された空間ストリーム上で200から600マイクロ秒まで)は、実効的な無線チャネルを大幅に変更する可能性がある。送信ビーム形成もまた、6~10dBの受信信号利得増加をもたらす可能性があり、HT-STF 112BまたはVHT-STF 112Cにおいて開始する送信アンテナダイバーシティ方式および(IEEE 802.11nまたは802.11ac規格による)空間拡張は、チャネルをさらに変更する可能性がある。これらの突然の変化は、ADC飽和(クリッピング)などの効果を防ぐためにAGCによって補償する必要がある。
【0027】
図1A~
図1Cに示されたレガシー802.11a/g/n/acパケットのフォーマットによれば、802.11n/ac受信部が、入来パケットのフォーマットを容易に検出することが可能である。
図1Aに示すように、BPSK変調L-SIGは、
図1BのHTパケット100B内のプリアンブルおよび
図1CのVHTパケット100C内のプリアンブルに到来するときに、802.11a/gパケット100Aのプリアンブル内に同時に到来する。時間領域においてL-SIGに後続する次のシンボルは、802.11a/gではデータフィールド120A、802.11nではQBPSK変調HT-SIG1 110B-1、および802.11acではBPSK変調VHT-SIG-A1 110C-1である。この点において、802.11n受信部がBPSK変調L-SIGの直後にQBPSK変調シンボルを検出する場合、802.11n受信部には、入来パケットが802.11nフォーマットであることが分かる。それ以外の場合、802.11n受信部は、入来パケットが802.11a/gフォーマットであると判断する。同じ点において、802.11ac受信部が、BPSK変調L-SIGの直後にQPSK(直交位相偏移変調(Quadrature Phase Shift Keying))変調シンボルまたはより高い変調方式による変調シンボルを検出する場合、802.11ac受信部には、入来パケットが802.11a/gフォーマットであることが分かる。シンボルの変調がQBPSKの場合、802.11ac受信部には、入来パケットが802.11nフォーマットであることが分かる。ただし、シンボルの変調方式がBPSKの場合、入来パケットは802.11a/gフォーマットまたは802.11acフォーマットのいずれかである可能性がある。これは、802.11ac受信部がフォーマットを区別できないことを意味する。次のシンボル(すなわち、時間領域においてL-SIGに後続する第2のシンボル)によって、VHT-SIG-A2 110C-2の変調がQBPSKであるため、802.11ac受信部は、802.11a/gフォーマットと802.11acフォーマットとを区別することができる。
【0028】
上述したように、802.11n/ac受信部は、時間領域においてL-SIGに後続する第1のシンボルを受信した後に入来パケットが802.11nフォーマットを有すると判断することができる。パケットフォーマットを検出するために802.11n/ac受信部が必要とする期間は約1シンボル時間(または約4マイクロ秒)であるため、HT-STF 112Bが802.11n/ac受信部によって受信される前に、HTパケットの検出を完了することができる。したがって、802.11n/ac受信部には、AGCを適切にリセットするのに十分な時間がある。しかしながら、802.11ac受信部は、時間領域においてL-SIGに後続する第2のシンボルを受信した後にしか、入来パケットが802.11acフォーマットを有すると判断することができない。これは、VHTパケットの検出が、VHT-STF 112Cが802.11ac受信部によって受信される前に完了することができず、結果として802.11ac受信部がAGCを適切にリセットするのに十分な時間をとることができないことを意味する。
【0029】
IEEE 802.11nまたは802.11ac規格によれば、HTパケット100BまたはVHTパケット100Cは、HTパケット100BまたはVHTパケット100Cを受信する802.11a/gデバイスが、L-SIG内のL_LengthおよびL_Rateフィールドによって示される持続時間にわたって留保する。HTパケット100BまたはVHTパケット100CにおけるL-SIGのL_Rateフィールドは、6メガビット/秒(Mbps)のレートを示すように設定される。HTパケット100BまたはVHTパケット100CにおけるL-SIGのL_Lengthフィールドは、以下のように設定される。
【0030】
【0031】
式中、TXTIMEはHTパケット100BまたはVHTパケット100Cの送信時間である。言い換えれば、HTパケット100BまたはVHTパケット100CにおけるL-SIGのL_Lengthフィールドの値は、常に3の倍数である。
【0032】
図3は、IEEE 802.11ax仕様フレームワーク文書に準拠するHEパケット300のフォーマットを示す。HEパケット300は、L-STF 302、L-LTF 304、およびL-SIG 306を含むレガシープリアンブルと、繰り返しL-SIGフィールド(RL-SIG)308、第1のHEシグナルフィールド(HE-SIG-A)310、第2のHEシグナルフィールド(HE-SIG-B)312、HEショートトレーニングフィールド(HE-STF)314およびHEロングトレーニングフィールド(HE-LTF)316を含むHEプリアンブルと、HEデータフィールド320とを含む。
【0033】
HEパケット300のL-SIG 306は、
図2A、
図2Bおよび
図2Cに示されている802.11a/gパケット100AのL-SIG 106Aと同様に定義され、送信される。ただし、複数のアンテナを介してマルチ空間ストリーム伝送を可能にするために、HEパケット300のL-SIG 306に循環シフトが適用される点が異なっている。
【0034】
RL-SIG 308は、HEパケット300のフォーマットの検出を支援するために使用される。従来技術によれば、RL-SIG 308はL-SIG 306の内容を繰り返し、L-SIG 306と同様に送信され、結果として、RL-SIG 308もまた4マイクロ秒のOFDMシンボルになる。
【0035】
HE-SIG-A 310は、残りのHEパケット300を解釈するために必要な共通制御情報、例えばチャネル帯域幅などを搬送する。HE-SIG-A 310には2つの異なるタイプがある。第1のタイプのHE-SIG-A 310は、2つのシンボル、すなわち、HE-SIG-A1 310-1AおよびHE-SIG-A2 310-2Aからなる。HE-SIG-A 310は、VHT-SIG-A 110Cと同様に送信される。より詳細には、HE-SIG-Aビットはレート1/2でBCC符号化される。これらは2つのシンボル(すなわち、HE-SIG-A1 310-1AおよびHE-SIG-A2 310-2A)に分割され、各シンボルはインターリーブされ、BPSK変調される。各シンボルには、パイロット副搬送波が挿入されている。そして、各シンボルについてIFFT演算が行われて、長さ3.2マイクロ秒のOFDM波形が生成される。巡回シフトが適用され、0.8マイクロ秒のサイクリックプレフィックスがOFDM波形にプリペンドされ、結果としてHE-SIG-A1 310-1AおよびHE-SIG-A2 310-2Aの各シンボルは4マイクロ秒のOFDMシンボルとなる。一方、第2のタイプのHE-SIG-A 310は、4つのシンボル、すなわち、HE-SIG-A1 310-1A、繰り返しHE-SIG-A1(RHE-SIG-A1)310-1B、HE -SIG-A2 310-2Aおよび繰り返しHE-SIG-A2(RHE-SIG-A2)310-2Bからなる。RHE-SIG-A1 310-1Bは、HE-SIG-A1 310-1Aの内容を繰り返し、HE-SIG-A1 310-1Aと同様に生成されるが、インターリーバがバイパスされる点が異なる。同様に、RHE-SIG-A2 310-2Bは、HE-SIG-A2 310-2Aの内容を繰り返し、HE-SIG-A2 310-2Aと同様に生成されるが、インターリーバがバイパスされる点が異なる。第2のタイプのHE-SIG-A 310は、屋外シナリオにおけるHE-SIG-A 310の送信のロバスト性を高めるために使用することができる。RL-SIG 308の直後のHE-SIG-A1 310-1AもまたBPSK変調され、したがってレガシー802.11a/g/n/acデバイスは、HEパケット300を802.11a/gパケットとして検出する。
【0036】
HEパケット300を802.11ax受信部によって適切に処理することができるように、HE-SIG-A 310の前にHE-SIG-A 310のタイプを示す必要がある。一実施形態では、HEパケット300内のL-SIG 306およびRL-SIG 308のL_Rateフィールドは、6Mbpsのレートを示すように設定され、HEパケット300内のL-SIG 306およびRL-SIG 308のL_Lengthフィールドは、以下のように設定される。
【0037】
【0038】
式中、m=1または2は、HE-SIG-A 310のタイプの早期の指示に使用される。
【0039】
HE-SIG-A 310のタイプの早期の指示のための代替的な方法は、2つの異なるスクランブルシーケンスによるものである。より詳細には、RL-SIG 308の情報ビットに適用されるBCC符号化の前に、第1のタイプのHE-SIG-A 310に対して、第1のスクランブルシーケンスがRL-SIG 308の情報ビットによってスクランブルされる。そうでない場合、第2のスクランブルシーケンスが、RL-SIG 308の情報ビットによってスクランブルされる。しかし、
図4を参照すると、パケットフォーマット検出の一部としての繰り返し検出は、L-SIG 306およびRL-SIG 308の復調および復号ならびにRL-SIG 308のブラインドデスクランブルの後に行われなければならない。その結果、パケットフォーマット検出に要する時間が大幅に増加する。
【0040】
HE-SIG-B 312は、特に、ダウンリンク(DL:downlink)マルチユーザ(MU:multiuser)送信のために、指定された受信デバイスに対するリソース割り当て情報およびユーザごとの配分情報を含む。HE-SIG-B 312は、単一ユーザ(SU:single user)送信またはアップリンク(UL:uplink)MU送信に使用されることを意図する場合、HEパケット300には存在しない。UL MU送信のためには、指定された送信デバイスのためのリソース割り当て情報およびユーザごとの配分情報がアクセスポイントにおいて予め設定され、トリガフレーム内でアクセスポイントによって、指定された送信デバイスに送信される。
【0041】
HE-STF 314は、AGCをリセットするために使用され、ADCのダイナミックレンジ要件を低減する。HEパケット300がSU送信またはDL MU送信に使用される予定の場合、HE-STF 314の長さは4マイクロ秒である。それ以外の場合、長さは8マイクロ秒である。HE-LTF 316は、HEデータフィールド320を受信して等化するためのMIMOチャネル推定のために提供される。
【0042】
HE-SIG-A 310内のシグナリングは、HEパケット300内のHE-SIG-B 312の存在を示すために(すなわち、HEパケット300がDL MU送信に使用されることを意図しているかどうかを示すために)使用することができる。この場合、HE-SIG-A 310の2つのシンボルがともに符号化されるため、802.11ax受信部は、HE-SIG-A 310全体を復号した後にしか、HE-SIG-B 312が存在するか否かが分からない。これは、HE-STF 314が802.11ax受信部によって受信される前に、HE-SIG-B 312なしのHEパケット300(すなわち、HE-SIG-A 310の直後にHE-STF 314が後続する)の検出が完了できず、結果として、802.11ax受信部がAGCを適切にリセットするのに十分な時間を有することができないことを意味する。したがって、HE-SIG-A 310の前にHEパケット300内にHE-SIG-B 312が存在することを示すことが重要である。
【0043】
上述したように、HEパケット300がHE-SIG-B 312を含む場合、それはDL MU送信のために使用されることを意図する。そうでなければ、HEパケット300は、SU送信またはUL MU送信のいずれかのために使用されることを意図しており、HE-SIG-A 310内のシグナリングは、HEパケット300がSU送信に、またはUL MU送信に使用されるかをさらに示すことを意図する。
【0044】
L-STF 302、L-LTF 304、HE-SIG-B 312、HE-STF 314、HE-LTF 316およびHEデータフィールド320の送信処理の詳細は、IEEE 802.11ax仕様フレームワーク文書に見出すことができる。
【0045】
図4は、従来技術に係る無線通信装置において使用されるパケットフォーマットを検出する方法400を示す。方法400は、ステップ402において開始する。ステップ404において、無線通信装置は、入来パケット内のL-SIGの直後のシンボルがL-SIGと同じ内容であるか否かを判定するために、繰り返し検出を実施する。繰り返し検出に関しては、FFT(高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform))処理後、L-SIGと、L-SIGの直後のシンボルとの間でデータ副搬送波にわたって相関を実施することが好ましい。ステップ406において、相関値が所定の閾値よりも大きい場合(すなわち、繰り返し検出にパスした場合)、方法400はステップ408に進む。そうでなければ、方法400はステップ412に進む。
【0046】
ステップ408において、無線通信装置は、L-SIGおよびL-SIGの直後のシンボルに対する最大比合成(MRC:maximal ratio combining)を実行し、その後、合成されたL-SIGシンボルが復調および復号される。ステップ410において、無線通信装置は、復号されたL-SIGの内容をチェックする。以下の条件、すなわち、
パリティチェックがOKである、
L_Rateフィールドの値が6Mbpsのレートを示す、かつ
L_Lengthフィールドの値が3の倍数である、
が満たされる場合、
L-SIG内容チェックにパスし、無線通信装置は、パケットが802.11axフォーマットであると判断し、方法400はステップ414において終了する。そうでない場合、無線通信装置は、ステップ412において、レガシー802.11a/g/n/acパケット検出を実行する。
【0047】
HEパケット300内のRL-SIG 308の送信処理およびコンテンツ設定は、802.11axパケットをレガシー802.11a/g/n/acパケットから区別するのに役立つが、HEパケット300におけるHE-SIG-B 312の存在を示すのに役立つことはできない。
【0048】
次に、HEパケット300におけるRL-SIG 308の送信処理および/またはコンテンツ設定のための様々な実施形態および本開示のパケットフォーマット検出のための対応する方法について、さらに詳細に説明する。
【0049】
<第1の実施形態>
本開示の第1の実施形態によれば、HEパケット300内のRL-SIG 308の送信処理は、HEパケット300内のHE-SIG-B 312の存在の指示を容易にするように変更される。しかしながら、HEパケット300内のL-STF 302、L-LTF 304、L-SIG 306、HE-SIG-A 310、HE-SIG-B 312、HE-STF 314、HE-LTF 316およびHEデータフィールド320は変更されないままである。
【0050】
図5は、本開示の第1の実施形態に係る
図3のHEパケット300内のRL-SIG 308の送信部500を示すブロック図である。送信部500は、BCC符号化部502、インターリーバ504、BPSK変調部506、マッピング規則選択部520、パイロット挿入ブロック508、IFFTブロック510、およびGI付加ブロック512を含む。BCC符号化部502、インターリーバ504、パイロット挿入ブロック508、IFFTブロック510、およびGI付加ブロック512は、
図2Cに示されている送信部200C内の対応するものと同じ機能を有する。BPSK変調部506によって使用される変調方式は、単一の変調方式を使用する送信部200C内のBPSK変調部256とは異なり、HEパケット300内のHE-SIG-B 312の存在に従って構成可能である。
【0051】
本開示の第1の実施形態によれば、BPSK変調部506は、2つの異なる変調方式(すなわち、BPSKマッピング規則)をサポートする。例えば、第1のBPSKマッピング規則は、
図2CのBPSK変調部256によって使用されるものと同じである。すなわち、IQ平面において、入力ビット「0」はシンボル「-1」にマッピングされ、一方で入力ビット「1」はシンボル「+1」にマッピングされる。他方、第2のBPSKマッピング規則によれば、IQ平面において、入力ビット「0」はシンボル「+1」にマッピングされ、一方で入力ビット「1」はシンボル「-1」にマッピングされる。BPSKマッピング規則選択部520は、HEパケット300内のHE-SIG-B 312の存在に従って、BPSK変調部506によって第1のBPSKマッピング規則および第2のBPSKマッピング規則のいずれが使用されるかを選択する。例えば、HE-SIG-B 312を含むHEパケット300において、第1のBPSKマッピング規則がBPSK変調部506によって使用される。そうでなければ、第2のBPSKマッピング規則がBPSK変調部506によって使用される。
【0052】
図6は、本開示の第1の実施形態に係る無線通信装置においてパケットフォーマットを検出する方法600を示す。方法600は、ステップ602において開始する。ステップ604において、無線通信装置は、入来パケット内のL-SIGの直後のシンボルがL-SIGと同じ内容であるか否かを判定するために、繰り返し検出を実施する。繰り返し検出に関しては、FFT処理後、L-SIGと、L-SIGの直後のシンボルとの間でデータ副搬送波にわたって相関を実施することが好ましい。ステップ606において、相関値の絶対値が所定の閾値よりも大きい場合(すなわち、繰り返し検出にパスした場合)、方法600はステップ607に進む。そうでなければ、方法600はステップ612に進む。
【0053】
ステップ607において、無線通信装置は、L-SIG直後のシンボルに適用されるBPSKマッピング規則を決定し、これは、ステップ606で使用された相関値の極性をチェックすることによって行うことができる。例えば、相関値が正の場合、第1のマッピング規則が使用される。それ以外の場合は、第2のマッピング規則が使用される。第2のマッピング規則が使用される場合、L-SIGの直後のシンボルのデータ副搬送波上のBPSKシンボルは反転されるべきである。ステップ608において、無線通信装置は、L-SIGおよびL-SIGの直後のシンボルに対するMRCを実行し、その後、合成されたL-SIGシンボルが復調および復号される。ステップ610において、無線通信装置は、復号されたL-SIGの内容をチェックする。以下の条件、すなわち、
パリティチェックがOKである、
L_Rateフィールドの値が6Mbpsのレートを示す、かつ
L_Lengthフィールドの値が3の倍数でない、
が満たされる場合、
L-SIG内容チェックにパスし、無線通信装置は、ステップ611に進む。そうでない場合、無線通信装置は、ステップ612において、レガシー802.11a/g/n/acパケット検出を実行する。
【0054】
ステップ611において、無線通信装置は、パケットが802.11axフォーマットであると判断し、ステップ607において決定されたBPSKマッピング規則に従って、パケット内のHE-SIG-Bの存在を判定する。例えば、第1のマッピング規則が使用される場合、HEパケットにはHE-SIG-Bが存在する。そうでなければ、HEパケットにはHE-SIG-Bは存在しない。方法600は、ステップ614において終了する。
【0055】
本開示の第1の実施形態では、上述のBPSKマッピング規則に基づくシグナリングは、802.11axパケットをレガシー802.11a/g/n/acパケットから区別するだけでなく、HEパケット300内のHE-SIG-B 312の存在を示すのも助けることができる。
【0056】
<第2の実施形態>
本開示の第2の実施形態によれば、HEパケット300内のRL-SIG 308の送信処理は、HEパケット300内のHE-SIG-B 312の存在の指示を容易にするように変更される。しかしながら、HEパケット300内のL-STF 302、L-LTF 304、L-SIG 306、HE-SIG-A 310、HE-SIG-B 312、HE-STF 314、HE-LTF 316およびHEデータフィールド320の各々の送信処理は変更されないままである。
【0057】
図7は、本開示の第2の実施形態に係るHEパケット300内のRL-SIG 308の送信部700を示すブロック図である。送信部700は、BCC符号化部702、インターリーバ704、BPSK変調部706、パイロットパターン選択部720、パイロット挿入ブロック708、IFFTブロック710、およびGI付加ブロック712からなる。BCC符号化部702、インターリーバ704、BPSK変調部706、IFFTブロック710、およびGI付加ブロック712は、
図2Cに示されている送信部200C内の対応するものと同じ機能を有する。単一のパイロットパターンを使用する
図2Cの送信部200C内のパイロット挿入ブロック258とは異なり、パイロット挿入ブロック708によって使用されるパイロットパターンは、HEパケット300内のHE-SIG-B 312の存在に従って構成可能である。
【0058】
本開示の第2の実施形態によれば、パイロット挿入ブロック708は、2つの異なるパイロットパターンをサポートする。例えば、第1のパイロットパターンは、パイロット挿入ブロック258によって使用されるものと同じであり、一方、第2のパイロットパターンは、第1のパイロットパターンの反転である。すなわち、第1のパイロットパターンは{+1、+1、+1、-1}であり、一方、第2のパイロットパターンは{-1、-1、-1、+1}である。これら2つのパイロットパターンは奇数パリティコードに相当し、これらの2つのパイロットパターン間のハミング距離は4である。パイロットパターン選択部720は、HEパケット300内のHE-SIG-B 312の存在に従って、パイロット挿入ブロック708によって第1のパイロットパターンおよび第2のパイロットパターンのいずれが使用されるかを選択する。例えば、HE-SIG-B 312を含むHEパケット300においては、第1のパイロットパターンが、パイロット挿入ブロック708によって使用される。そうでなければ、パイロット挿入ブロック708によって第2のパイロットパターンが使用される。
【0059】
RL-SIG 308は、L-SIG 306の直後に設けられているため、L-SIG 306に含まれるパイロット信号は、L-SIG 306とRL-SIG 308の両方について周波数および位相オフセットを追跡するために使用することができる。したがって、HEパケット300内にHE-SIG-B 312が存在することを示すために、RL-SIG 308に適用されるパイロットパターンを利用することが可能である。
【0060】
本開示の第2の実施形態によれば、パイロット挿入ブロック708は、4つの異なるパイロットパターンをサポートすることができる。例えば、第1のパイロットパターンは{+1、+1、+1、+1}であり、第2のパイロットパターンは{+1、-1、+1、-1}であり、第3のパイロットパターンは{+1、+1、-1、-1}であり、第4のパイロットパターンは{+1、-1、-1、+1}である。これら4つのパイロットパターンは、偶数パリティコードと等価であり、これら4つのパイロットパターン間のハミング距離は2である。一実施形態において、パイロットパターン選択部720は、HEパケット300内のHE-SIG-B 312の存在に従って、パイロット挿入ブロック708によってこれら4つのパイロットパターンのいずれが使用されるかを選択する。例えば、HE-SIG-B 312を含むHEパケット300においては、第1のパイロットパターンが、パイロット挿入ブロック708によって使用される。HE-SIG-B 312を含まないHEパケット300においては、第2のパイロットパターンが、パイロット挿入ブロック708によって使用される。第3のパイロットパターンおよび第4のパイロットパターンは、将来の拡張のために予約される。別の実施形態において、パイロットパターン選択部720は、HEパケット300内のHE-SIG-B 312の存在およびHEパケット300内のHE-SIG-A 310のタイプに従って、パイロット挿入ブロック708によってこれら4つのパイロットパターンのいずれが使用されるかを選択する。例えば、HE-SIG-B 312および第1のタイプのHE-SIG-A 310を有するHEパケット300においては、第1のパイロットパターンが、パイロット挿入ブロック708によって使用される。HE-SIG-B 312を有せず、第1のタイプのHE-SIG-A 310を有するHEパケット300においては、第2のパイロットパターンが、パイロット挿入ブロック708によって使用される。HE-SIG-B 312および第2のタイプのHE-SIG-A 310を有するHEパケット300においては、第3のパイロットパターンが、パイロット挿入ブロック708によって使用される。HE-SIG-B 312を有せず、第2のタイプのHE-SIG-A 310を有するHEパケット300においては、第4のパイロットパターンが、パイロット挿入ブロック708によって使用される。
【0061】
本開示の第2の実施形態によれば、パイロット挿入ブロック708は、8つの異なるパイロットパターンをサポートすることができる。例えば、第1のパイロットパターンは{+1、+1、+1、+1}であり、第2のパイロットパターンは{+1、-1、+1、-1}であり、第3のパイロットパターンは{+1,+1,-1,-1}であり、第4のパイロットパターンは{+1、-1、-1、+1}であり、第5のパイロットパターンは{-1、-1、-1、-1}であり、第6パイロットパターンは{-1、+1、-1、+1}であり、第7のパイロットパターンは{-1、-1、+1、+1}であり、第8のパイロットパターンは{-1、+1、+1、-1}である。これら8つのパイロットパターンは、偶数パリティコードと等価であり、これら8つのパイロットパターン間のハミング距離は2である。一実施形態において、パイロットパターン選択部720は、HEパケット300内のHE-SIG-B 312の存在に従って、パイロット挿入ブロック708によってこれら8つのパイロットパターンのいずれが使用されるかを選択する。例えば、HE-SIG-B 312を含むHEパケット300においては、第1のパイロットパターンが、パイロット挿入ブロック708によって使用される。HE-SIG-B 312を含まないHEパケット300においては、第2のパイロットパターンが、パイロット挿入ブロック708によって使用される。残りの6つのパイロットパターンは、将来の拡張のために予約されている。別の実施形態において、パイロットパターン選択部720は、HEパケット300内のHE-SIG-B 312の存在およびHEパケット300内のHE-SIG-A 310のタイプに従って、パイロット挿入ブロック708によってこれら8つのパイロットパターンのいずれが使用されるかを選択する。例えば、HE-SIG-B 312および第1のタイプのHE-SIG-A 310を有するHEパケット300においては、第1のパイロットパターンが、パイロット挿入ブロック708によって使用される。HE-SIG-B 312を有せず、第1のタイプのHE-SIG-A 310を有するHEパケット300においては、第2のパイロットパターンが、パイロット挿入ブロック708によって使用される。HE-SIG-B 312および第2のタイプのHE-SIG-A 310を有するHEパケット300においては、第3のパイロットパターンが、パイロット挿入ブロック708によって使用される。HE-SIG-B 312を有せず、第2のタイプのHE-SIG-A 310を有するHEパケット300においては、第4のパイロットパターンが、パイロット挿入ブロック708によって使用される。残りの4つのパイロットパターンは、将来の拡張のために予約されている。
【0062】
図8は、本開示の第2の実施形態に係る無線通信装置においてパケットフォーマットを検出する方法800を示す。方法800は、ステップ802において開始する。ステップ804において、無線通信装置は、入来パケット内のL-SIGの直後のシンボルがL-SIGと同じ内容であるか否かを判定するために、繰り返し検出を実施する。繰り返し検出に関しては、FFT処理後、L-SIGと、L-SIGの直後のシンボルとの間でデータ副搬送波にわたって相関を実施することが好ましい。ステップ806において、相関値が所定の閾値よりも大きい場合(すなわち、繰り返し検出にパスした場合)、方法800はステップ808に進む。そうでなければ、方法800はステップ812に進む。
【0063】
ステップ808において、無線通信装置は、L-SIGおよびL-SIGの直後のシンボルに対するMRCを実行し、その後、合成されたL-SIGシンボルが復調および復号される。ステップ810において、無線通信装置は、復号されたL-SIGの内容をチェックする。以下の条件、すなわち、
パリティチェックがOKである、
L_Rateフィールドの値が6Mbpsのレートを示す、かつ
L_Lengthフィールドの値が3の倍数でない、
が満たされる場合、
L-SIG内容チェックにパスし、無線通信装置は、ステップ811に進む。そうでない場合、無線通信装置は、ステップ812において、レガシー802.11a/g/n/acパケット検出を実行する。
【0064】
ステップ811において、無線通信装置は、L-SIG直後のシンボルに適用されるパイロットパターンを決定し、これは、L-SIG直後のシンボルのパイロット信号と所定のパイロットパターンとの間で相関をとることにより、行うことができる。最大の相関値を達成するパイロットパターンが決定される。ステップ813において、無線通信装置は、ステップ811において決定されたパイロットパターンに従って、パケットが802.11axフォーマットであると判断し、HEパケット内のHE-SIG-Bの存在を判定する。例えば、第1のパイロットパターンが使用される場合、HEパケットにはHE-SIG-Bが存在する。そうでなければ、HEパケットにはHE-SIG-Bは存在しない。方法800は、ステップ814において終了する。
【0065】
本開示の第2の実施形態では、上述のパイロットパターンに基づくシグナリングは、802.11axパケットをレガシー802.11a/g/n/acパケットから区別するだけでなく、HEパケット300内のHE-SIG-B 312の存在を示すのも助けることができる。
【0066】
<第3の実施形態>
本開示の第3の実施形態によれば、HEパケット300内のL-SIG 306およびRL-SIG 308の内容設定は、HEパケット300内のHE-SIG-B 312の存在の指示を容易にするように変更される。しかしながら、HEパケット300内のL-STF 302、L-LTF 304、L-SIG 306、RL-SIG 308、HE-SIG-A 310、HE-SIG-B 312、HE-STF 314、HE-LTF 316およびHEデータフィールド320の各々の送信処理は変更されないままである。
【0067】
本開示の第3の実施形態によれば、HEパケット300内のL-SIG 306およびRL-SIG 308のL_Rateフィールドは、HEパケット300内のHE-SIG-B 312の存在に従って異なるレートを示すように変更される。例えば、HE-SIG-B 312を含むHEパケット300において、L-SIG 306およびRL-SIG 308のL_Rateフィールドは、9Mbpsのレートを示すように設定される。そうでなければ、L-SIG 306およびRL-SIG 308のL_Rateフィールドは、12Mbpsのレートを示すように設定される。L-SIG 306およびRL-SIG 308のL_Lengthフィールドは、以下のように設定される。
【0068】
【0069】
式中、TXTIMEは、HEパケット300の送信時間である。
【0070】
図9は、本開示の第3の実施形態に係る無線通信装置においてパケットフォーマットを検出する方法900を示す。方法900は、ステップ902において開始する。ステップ904において、無線通信装置は、入来パケット内のL-SIGの直後のシンボルがL-SIGと同じ内容であるか否かを判定するために、繰り返し検出を実施する。繰り返し検出に関しては、FFT処理後、L-SIGと、L-SIGの直後のシンボルとの間でデータ副搬送波にわたって相関を実施することが好ましい。ステップ906において、相関値が所定の閾値よりも大きい場合(すなわち、繰り返し検出にパスした場合)、方法900はステップ908に進む。そうでなければ、方法900はステップ912に進む。
【0071】
ステップ908において、無線通信装置は、L-SIGおよびL-SIGの直後のシンボルに対するMRCを実行し、その後、合成されたL-SIGシンボルが復調および復号される。ステップ910において、無線通信装置は、復号されたL-SIGの内容をチェックする。パリティチェックがOKであれば、L-SIG内容チェックにパスし、無線通信装置はステップ913に進む。そうでない場合、無線通信装置は、ステップ912において、レガシー802.11a/g/n/acパケット検出を実行する。
【0072】
ステップ913において、無線通信装置は、ステップ910において使用されたL_Rateの値に従って、パケットが802.11axフォーマットであると判断し、HEパケット300内のHE-SIG-B 312の存在を判定する。例えば、L_Rateの値が9Mbpsのレートを示す場合、HEパケット300内にHE-SIG-B 312が存在する。そうでなければ、HEパケット300にはHE-SIG-B 312は存在しない。方法900は、ステップ914において終了する。
【0073】
本開示の第3の実施形態では、上述のL_Rateに基づくシグナリングは、802.11axパケットをレガシー802.11a/g/n/acパケットから区別するだけでなく、HEパケット300内のHE-SIG-B 312の存在を示すのも助けることができる。しかしながら、L_Rateフィールドは、6Mbpsより大きいレートを示すように設定することができるため、L_Lengthフィールドによって示されるHEパケット300の最大送信時間は、本開示の第1の実施形態および第2の実施形態と比較して損なわれる。
【0074】
本開示によれば、第1の実施形態に係るマッピング規則ベースのシグナリング、第2の実施形態に係るパイロットパターンベースのシグナリング、および第3の実施形態に係るL_Rateベースのシグナリングの各々は、HEパケット300の中のHE-SIG-B 312の存在を示すために使用されるのに限定されず、他のパケットフォーマット指示のために使用することができる。一例として、第1の実施形態に係るマッピング規則ベースのシグナリング、第2の実施形態に係るパイロットパターンベースのシグナリング、および第3の実施形態に係るL_Rateベースのシグナリングの各々は、HE-SIG-A 310のタイプを示すのに使用することができる。別の例として、第1の実施形態に係るマッピング規則ベースのシグナリング、第2の実施形態に係るパイロットパターンベースのシグナリング、および第3の実施形態に係るL_Rateベースのシグナリングの各々は、IEEE 802.11a/g/n/ac/ax規格との後方互換性を維持する必要がある将来のIEEE 802.11規格においてパケットフォーマットを示すために使用することができる。
【0075】
本開示によれば、第1の実施形態に係るBPSKマッピング規則ベースのシグナリングと、第2の実施形態に係るパイロットパターンベースのシグナリングとは、組み合わせて使用することができる。例えば、BPSKマッピング規則に基づくシグナリングが、HEパケット300内のHE-SIG-B 312の存在を示すために使用され、一方で、パイロットパターンベースのシグナリングが、HEパケット300内のHE-SIG-A 310のタイプを示すために使用される。
【0076】
本開示によれば、第1の実施形態に係るBPSKマッピング規則ベースのシグナリングと、第3の実施形態に係るL_Rateベースのシグナリングとは、組み合わせて使用することができる。例えば、BPSKマッピング規則に基づくシグナリングが、HEパケット300内のHE-SIG-B 312の存在を示すために使用され、一方で、L_Rateベースのシグナリングが、HEパケット300内のHE-SIG-A 310のタイプを示すために使用される。
【0077】
本開示によれば、第2の実施形態に係るパイロットパターンベースのシグナリングと、第3の実施形態に係るL_Rateベースのシグナリングとは、組み合わせて使用することができる。例えば、パイロットパターンに基づくシグナリングが、HEパケット300内のHE-SIG-B 312の存在を示すために使用され、一方で、L_Rateベースのシグナリングが、HEパケット300内のHE-SIG-A 310のタイプを示すために使用される。
【0078】
<無線通信装置の構成>
図10は、本開示に係る無線通信装置1000の構成例を示すブロック図である。無線通信装置1000は、集中型無線ネットワーク内のアクセスポイント、集中型無線ネットワーク内の局、またはピアツーピア無線ネットワーク内のノードとすることができる。無線通信装置1000は、コントローラ1010と、送信部1020と、受信部1030と、複数のアンテナ1040とを備える。コントローラ1010は、パケット生成部1012と、パケットフォーマット検出部1014とを備える。パケット生成部1012は、IEEE 802.11a/g/n/ac規格に係る802.11a/g/n/acパケットまたは本開示の様々な実施形態の1つに係る802.11axパケットを生成するように構成される。生成された802.11a/g/n/acパケットは、IEEE 802.11a/g/n/ac規格に係る送信部1020による送信処理の後、アンテナ1040を介して送信される。生成された802.11axパケットは、本開示の様々な実施形態の1つに係る送信部1020による送信処理の後、アンテナ1040を介して送信される。一方、コントローラ1010は、受信部1030による受信処理後にアンテナ1040を介して受信されたパケットを分析して処理するように構成される。特に、コントローラ1010内のパケットフォーマット検出部1014は、本開示の様々な実施形態の1つに従ってパケットフォーマットを検出するように構成される。
【0079】
上記実施形態では、本発明を例としてハードウェアによって構成したが、本発明はまた、ハードウェアと協働するソフトウェアによって提供されてもよい。
【0080】
また、本実施形態の説明に用いた機能ブロックは、一般的には集積回路であるLSIデバイスとして実現される。機能ブロックは、個々のチップとして形成されてもよいし、機能ブロックの一部もしくは全部が単一チップに集積されてもよい。ここでは「LSI」という用語を用いているが、集積度によっては、「IC」、「システムLSI」、「スーパーLSI」、「ウルトラLSI」という用語も使用することができる。
【0081】
また、回路集積は、LSIに限らず、LSI以外の専用回路または汎用プロセッサによって実現してもよい。LSIの製造後、プログラム可能であるフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA:field programmable gate array)、またはLSI内の回路セルの接続および設定の再構成を可能にするリコンフィギュラブルプロセッサを用いてもよい。
【0082】
LSIに置き換わる集積回路化技術が、半導体技術またはその技術に由来する他の技術の進歩の結果として現れた場合、そのような技術を用いて機能ブロックを統合することができる。別の可能性は、バイオテクノロジーなどの応用である。
【産業上の利用可能性】
【0083】
本開示は、無線通信システムにおいてパケットフォーマット検出を実行するための方法に適用することができる。
【符号の説明】
【0084】
1010 コントローラ
1012 パケット生成部
1014 パケットフォーマット検出部
1020 送信部
1030 受信部
1040 アンテナ