(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023090987
(43)【公開日】2023-06-29
(54)【発明の名称】プログラム、情報処理装置およびコンピュータシステム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/69 20140101AFI20230622BHJP
A63F 13/79 20140101ALI20230622BHJP
【FI】
A63F13/69
A63F13/79
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023078667
(22)【出願日】2023-05-11
(62)【分割の表示】P 2021143392の分割
【原出願日】2021-09-02
(71)【出願人】
【識別番号】000129149
【氏名又は名称】株式会社カプコン
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135677
【弁理士】
【氏名又は名称】澤井 光一
(72)【発明者】
【氏名】綾野 智章
(57)【要約】
【課題】ユーザに付与するゲームに関する画像を決定するにあたって興趣性を改善できるプログラム、情報処理装置およびコンピュータシステムを提供する。
【解決手段】プログラムは、サーバ装置2の制御部23(コンピュータ)を、特定のプレイヤによってプレイされたゲームの履歴に関するプレイ情報に基づいて、価値媒体に対応付ける媒体画像を決定する決定手段233、媒体画像を価値媒体に対応付ける対応付け手段234、ユーザから、価値媒体をユーザに付与するための指示を受け付ける受付手段235、指示に応じて、価値媒体をユーザに付与するための付与処理を実行する付与手段236、として機能させるものである。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
特定のプレイヤによってプレイされたゲームの履歴に関するプレイ情報に基づいて、価値媒体に対応付ける媒体画像を決定する決定手段、
前記媒体画像を前記価値媒体に対応付ける対応付け手段、
ユーザから、前記価値媒体を前記ユーザに付与するための指示を受け付ける受付手段、
前記指示に応じて、前記価値媒体を前記ユーザに付与するための付与処理を実行する付与手段、として機能させる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、情報処理装置およびコンピュータシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ゲームの動画像を構成する静止画像(フレーム画像)の中から特定のキャラクタが登場する静止画像を抽出する技術が知られている(特許文献1参照)。また、この技術では、特定のキャラクタが登場する複数の静止画像の中から、さらに、プレイヤが好きな静止画像を指定して、指定された静止画像をこのプレイヤに付与することもできる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで近年、デジタルトレーディングカードのように、ゲームに登場するキャラクタの画像やゲームのプレイ動画のワンシーンなど、ゲームに関する画像の需要が高まっている。しかしながら、上記従来技術では、ユーザに付与する画像を決定するにあたって、特定のキャラクタに対応する画像を抽出し、その中からユーザが指定した画像を付与する画像として決定するのみであり、興趣性の改善の余地がある。
【0005】
本開示は、ユーザに付与するゲームに関する画像を決定するにあたって興趣性を改善できるプログラム、情報処理装置およびコンピュータシステムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の側面は、コンピュータを、
特定のプレイヤによってプレイされたゲームの履歴に関するプレイ情報に基づいて、価値媒体に対応付ける媒体画像を決定する決定手段、
前記媒体画像を前記価値媒体に対応付ける対応付け手段、
ユーザから、前記価値媒体を前記ユーザに付与するための指示を受け付ける受付手段、
前記指示に応じて、前記価値媒体を前記ユーザに付与するための付与処理を実行する付与手段、として機能させる、
プログラムである。
【0007】
また、第1の側面において、前記ゲームは、複数のプレイヤの操作によって進行される対戦ゲームであり、
前記プレイ情報は、前記プレイヤの操作によって進行された前記対戦ゲームの少なくとも一部のシーンのリプレイデータを含むことができる。
【0008】
また、第1の側面において、前記ゲームの履歴は、前記ユーザとは異なる前記プレイヤによる前記対戦ゲームの履歴であることができる。
【0009】
また、第1の側面において、前記プレイ情報は、前記プレイヤによって前記ゲームが行われた現実のイベントを特定するイベント情報を含み、
前記媒体画像は、前記イベントを特定可能な情報を含むことができる。
【0010】
また、第1の側面において、前記イベント情報は、前記現実のイベントで前記プレイヤによって前記ゲームが行われた段階を特定する情報を含む、
前記媒体画像は、前記段階を特定可能な情報を含むことができる。
【0011】
また、第1の側面において、前記イベント情報は、前記現実のイベントの盛り上げ度を特定するための情報を含むことができる。
【0012】
また、第1の側面において、前記プレイ情報は、前記ゲームをプレイした前記プレイヤを特定するための情報を含み、
前記媒体画像は、前記プレイヤを特定可能な情報を含むことができる。
【0013】
また、第1の側面において、前記媒体画像は、前記プレイヤの操作によって進行された前記ゲームの少なくとも一部のシーンを示すゲーム画像と、前記プレイヤ、または前記プレイヤによって前記ゲームが行われた現実のイベントを特定可能な情報と、を含むことができる。
【0014】
また、第1の側面において、前記コンピュータを、
前記プレイヤの操作によって進行された前記ゲームの少なくとも一部のシーンのリプレイデータから静止画像である前記ゲーム画像を抽出する第1抽出手段、
前記プレイヤまたは前記イベントを示す静止画像である現実情報画像を生成する画像生成手段、として機能させ、
前記媒体画像は、前記ゲーム画像と、前記現実情報画像とを含み、
前記コンピュータを、前記ゲーム画像と前記現実情報画像とを並べて前記ユーザのユーザ装置に表示させる表示情報を生成する生成手段、として機能させることができる。
【0015】
また、第1の側面において、前記コンピュータを、前記媒体画像に関する前記プレイヤ、前記プレイヤによって前記ゲームが行われた現実のイベント、および前記イベントにおける段階、の少なくともいずれかに応じて、前記価値媒体の価値を特定する特定手段、として機能させることができる。
【0016】
また、第1の側面において、異なる前記媒体画像が対応付けられた前記価値媒体は互いに等価値であり、
前記付与手段は、前記指示に応じて、互いに等価値である複数の前記価値媒体の中から抽選によって選択された前記価値媒体を前記ユーザに付与することができる。
【0017】
また、第1の側面において、前記コンピュータを、組み合わせ手段としてさらに機能させ、
前記決定手段は、複数の前記プレイ情報それぞれに基づいて、複数の前記媒体画像を決定し、
前記組み合わせ手段は、決定された複数の前記媒体画像がそれぞれ対応付けられた複数の前記価値媒体を組み合わせることで複数の価値媒体の集合を生成し、
前記受付手段は、ユーザから、前記集合を前記ユーザに対応付ける指示を受け付け、
前記付与手段は、前記指示に応じて、前記集合に含まれる複数の前記価値媒体を前記ユーザに付与するための付与処理を実行することができる。
【0018】
また、第1の側面において、前記コンピュータを、第2抽出手段としてさらに機能させ、
前記プレイ情報は、前記プレイヤの操作によって進行された前記ゲームの少なくとも一部のシーンのリプレイするためのリプレイデータを含み、
前記第2抽出手段は、前記リプレイデータから静止画像である複数の前記ゲーム画像を抽出し、特定の前記プレイ情報に基づいて、前記抽出された複数のゲーム画像の中から、前記リプレイの異なるタイミングに対応する複数の前記ゲーム画像を抽出し、
前記決定手段は、複数の前記ゲーム画像のそれぞれを、複数の前記媒体画像として決定することができる。
【0019】
また、第1の側面において、前記集合は、前記プレイヤ、前記プレイヤによる前記ゲームが行われたイベント、および前記イベントにおける段階の少なくともいずれかを識別する識別情報を含み、
前記集合に含まれる複数の前記価値媒体は、前記識別情報に対応する前記媒体画像が対応付けられた前記価値媒体であることができる。
【0020】
第2の側面は、
特定のプレイヤによってプレイされたゲームの履歴に関するプレイ情報に基づいて、価値媒体に対応付ける媒体画像を決定する決定部と、
前記媒体画像を前記価値媒体に対応付ける対応付け部と、
ユーザから、前記価値媒体を前記ユーザに付与するための指示を受け付ける受付部と、
前記指示に応じて、前記価値媒体を前記ユーザに付与する付与部と、を備える、
サーバ装置である。
【0021】
第3の側面は、
特定のプレイヤによってプレイされたゲームの履歴に関するプレイ情報に基づいて、価値媒体に対応付ける媒体画像を決定する決定部と、
前記媒体画像を前記価値媒体に対応付ける対応付け部と、
ユーザから、前記価値媒体を前記ユーザに付与するための指示を受け付ける受付部と、
前記指示に応じて、前記価値媒体を前記ユーザに付与する付与部と、を備える、
コンピュータシステムである。
【0022】
本開示によれば、ユーザに付与するゲームに関する画像を決定するにあたって興趣性を改善できるプログラム、情報処理装置およびコンピュータシステムを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本実施形態におけるプラットフォームシステムの構成を示すブロック図である。
【
図2】本実施形態におけるプラットフォームシステムの概要を説明するための図である。
【
図3】本実施形態におけるプラットフォームシステムがディスプレイに表示する画面例である。
【
図4】本実施形態におけるプラットフォームシステムがディスプレイに表示する画面例である。
【
図5】本実施形態におけるプラットフォームシステムがディスプレイに表示する画面例である。
【
図6】本実施形態におけるプラットフォームシステムの一連の動作を表すフロー図である。
【
図7】本実施形態におけるプラットフォームシステムの価値媒体の集合の生成処理の一例を示す図である。
【
図8】本実施形態におけるプラットフォームシステムがディスプレイに表示する画面例である。
【
図9】本実施形態におけるプラットフォームシステムがディスプレイに表示する画面例である。
【
図10】本実施形態におけるプラットフォームシステムがディスプレイに表示する画面例である。
【
図11】本実施形態におけるプラットフォームシステムがディスプレイに表示する画面例である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本開示の実施形態(以下、「本実施形態」ともいう)にかかるプラットフォームシステム1について、図面を参照して説明する。
【0025】
<プラットフォームシステムの説明>
プラットフォームシステム1は、コンピュータシステムの一態様であり、ゲームに関する価値媒体を発行し、それを流通させるプラットフォームを提供するシステムである。ゲームに関する価値媒体とは、ゲームに関するデジタルデータであってもよく、例えば、ゲームに関する画像のNFT(Non-Fungible Token)であってもよい。本実施形態では、この価値媒体を、ゲームに関するデジタルカード(以下、単に「デジタルカード」または「カード」ともいう)とする例を説明するが、これに限る趣旨ではない。
【0026】
プラットフォームシステム1では、一次流通として、プラットフォームシステム1を運営する企業などの小売業者が、デジタルカードをオンライン上で販売することができる。またデジタルカードはトレーディングカードであってもよく、この場合、プラットフォームシステム1では、二次流通として、販売されたデジタルカードを、ユーザ間の取引で売買することができる。
【0027】
本実施形態にかかるゲームは、例えば、複数のプレイヤの操作によって進行される対戦ゲームであり、いわゆるeスポーツである。しかしながら、本実施形態にかかるゲームをこれに限定する趣旨ではない。また、本実施形態では、この対戦ゲームがeスポーツ大会などのゲームの大会でプレイされる例を説明するが、本実施形態にかかるゲームをこれに限定する趣旨ではない。
【0028】
図1に示すように、プラットフォームシステム1は、サーバ装置2および複数のユーザ装置5にて構成される。プラットフォームシステム1では、サーバ装置2および複数のユーザ装置5が通信ネットワーク6を介して互いに通信可能に接続されている。
【0029】
サーバ装置2は、プラットフォームシステム1の運営者が使用する情報処理装置である。サーバ装置2は、所定のプログラムを実行することにより、価値媒体をユーザに販売するためのECサーバやユーザ間の価値媒体の取引を管理する機能を実現する。
【0030】
ユーザ装置5は、ユーザが使用する情報処理装置である。ユーザ装置5は、スマートフォンやラップトップなどの汎用的な端末装置であってもよいし、プラットフォームシステム1専用の装置であってもよい。ユーザ装置5は、所定のプログラムを実行することにより、価値媒体の取引をするためのUIをユーザに提供する。所定のプログラムとは、例えば、プラットフォームシステム1専用のアプリケーションプログラム(以下、「トレカアプリ」ともいう)であってもよいし、情報処理装置に汎用的に備わっているWebブラウザであってもよい。ユーザ装置5は、例えば、通信ネットワーク6を介して、サーバ装置2やアプリケーションストアからトレカアプリを受信(具体的にはダウンロードおよびインストール)する。トレカアプリは、例えば、ユーザが所有する価値媒体を格納し、管理するウォレット機能を備えてもよい。
【0031】
プラットフォームシステム1では、ユーザのアカウント認証のために、ユーザ識別情報およびパスワードを含むアカウント情報が、ユーザごとに割り当てられている。このアカウント情報は、トレカアプリやWebブラウザからのログイン時、ユーザ装置5からサーバ装置2に送信され、サーバ装置2においてアカウント認証の処理が実行される。そして、アカウント認証を経て、サーバ装置2とユーザ装置5との相互通信が可能となる。ログイン後、ユーザ装置5は、サーバ装置2からデジタルカードの取引に必要なデータをサーバ装置2から受信すると、ユーザの操作に基づいてデジタルカードの画像や音声をディスプレイおよびスピーカに出力させる。
【0032】
ここで
図2を参照して、プラットフォームシステム1におけるデジタルカードの発行処理の一例を説明する。
【0033】
(1-1)
図2に示すように、プラットフォームシステム1では、サーバ装置2が、プロeスポーツ選手などの特定のプレイヤによってプレイされたゲームのプレイ情報に基づいて、複数のゲーム画像の中からデジタルカードC(価値媒体)に対応付ける画像を決定する。以下、このように価値媒体に対応付ける画像を「媒体画像」ともいう。また、「ゲーム画像」とは、プレイヤの操作によって進行されたゲームの少なくとも一部のシーンを示す画像をいう。媒体画像は、例えば、ゲーム画像と、後述する現実情報画像とを含んでもよい。
【0034】
「プレイ情報」とは、特定のプレイヤによってプレイされたゲームの履歴に関する情報である。プレイ情報は、例えば、ゲームがプレイされた日時、ゲームをプレイしたプレイヤを識別するためのプレイヤ識別情報、ゲームが行われた現実のイベントのイベント情報、プレイされたゲームのリプレイデータ、などを含む。
【0035】
プレイ情報は、例えば、ゲームの履歴として、プレイされたゲームの結果(例えば、ゲームの勝敗、ゲーム終了時の各プレイヤキャラクタのパラメータの値、ゲームで行われたプレイヤキャラクタによる各攻撃と各攻撃による相手プレイヤキャラクタのダメージ、ゲームの勝敗により付与されたゲームの効果(例えば、アイテムなど)など)を含んでもよい。
【0036】
プレイ情報は、例えば、各時点のゲームの進行状況(例えば、99秒のゲームの場合、10秒おきの各プレイヤキャラクタのパラメータの値など)を含んでもよい。
【0037】
リプレイデータとは、特定のプレイヤの操作によって進行されたゲームの少なくとも一部のシーンのリプレイするためのデータである。リプレイデータは、ゲームの少なくとも一部のシーンを動画として再生するためのデータであり、例えば動画データであってもよいし、ゲームプログラムにおいて動画を生成するためのゲームデータであってもよい。ゲームデータは、例えばゲームオブジェクトの配置位置や動作、パラメータなどを時系列的に特定するためのデータや、プレイヤの入力情報の時系列的に特定するためのデータを含む。
【0038】
ゲームの履歴は、例えば、ユーザとは異なるプレイヤによる対戦ゲームの履歴であってもよい。例えば、デジタルカードを購入するユーザはノンプレイヤやアマチュアプレイヤなどであり、ゲームの履歴は、このユーザとは異なるeスポーツ大会におけるプロeスポーツ選手による対戦ゲームの履歴であってもよい。このような構成によれば、憧れの選手や好きな選手などの自分とは異なるプレイヤが過去にプレイしたゲームの記録に基づいて媒体画像を決定させることができる。このため、例えば、ユーザは、自分が推しているeスポーツ選手(推しプレイヤ)が現実の対戦ゲームの試合で勝利したシーンのデジタルカードを収集することもできる。
【0039】
プレイ情報は、例えば、プレイされたゲームに対するコメントの履歴を含んでもよい。コメントの履歴は、例えば、各コメントの内容、各コメントの投稿日時、各コメントの投稿者(アカウント)、各コメントの投稿場所(例えば、ゲーム内のコメント機能に対するコメントかサードパーティシステムであるSNSに対するコメントかを示す情報など)などを含んでもよい。
【0040】
プレイ情報は、例えば、プレイ情報は、特定のプレイヤの操作によって進行された対戦ゲームの少なくとも一部のシーンのリプレイデータを含んでもよい。このような構成によれば、プロeスポーツ選手などの対戦ゲームのリプレイデータに基づいてデジタルカードに対応付ける媒体画像を決定させることができる。このため、例えば、リプレイデータに含まれる相手のプレイヤキャラクタに最後の一撃をヒットさせたシーンを特定し、その特定されたシーンの静止画像を媒体画像とすることができる。したがって、プレイされた対戦ゲームで実際に効果的に使われた技や当時の盛り上がりをふまえて媒体画像を決定することができ、興趣性を向上させることができる。
【0041】
プレイ情報は、例えば、ゲームをプレイしたプレイヤを特定するための情報を含んでもよい。プレイヤを特定するための情報とは、例えば、各プレイヤの氏名や通称、顔画像、所属する団体(チーム)、または活動拠点などを含む。この場合、媒体画像は、このプレイヤを特定可能な情報を含んでもよい。
【0042】
イベント情報は、プレイヤによってゲームが行われた現実のイベントを特定する情報である。イベント情報は、例えば、各イベントを識別するためのイベント識別情報、イベント名(イベントのタイトル)、各イベントの主催者、参加者、(参加プレイヤ)、開催日時または開催期間、各イベントで行われたゲームを識別するためのゲーム識別情報、各イベントで行われた各ゲームの履歴の少なくとも一部などを含む。
【0043】
イベント情報は、例えば、現実のイベントでプレイヤによってゲームが行われた段階を特定する情報を含んでもよい。「現実のイベントでゲームが行われた段階」とは、例えば、eスポーツ大会における決勝戦や予選などの何回戦目かを表す情報であってもよい。この場合、媒体画像は、例えば、この段階を特定可能な情報を含んでもよい。同じイベントでプレイされたゲームであっても予選のときのゲーム画像か決勝戦のときのゲーム画像かでそのデジタルカードの需要は変わってくることがある。このような構成によれば、デジタルカードの画像を見れば、イベントのどの段階に関するものであるかをユーザが特定することができる。また、このような構成によれば、媒体画像が、イベントの特定の段階で行われたゲームの画像であることを証明する証明書としての役割を担うことができる。
【0044】
サーバ装置2は、言い換えれば、ゲームの履歴に基づいてこのゲームに関するデジタルカードの画像を決定する。サーバ装置2は、例えば、(1)「プロツアー」の(2)「ツアーファイナル」のイベントで行われたゲームであって、(3)「伝説の一戦」とコメントされたゲームの(4)「決定的瞬間」のシーンの画像のデジタルカードを販売する場合、これら(1)~(4)それぞれの要素を含むゲーム画像P1を媒体画像の一つとして決定する。サーバ装置2は、例えば、デジタルカードに表示する画像として、(1)~(3)それぞれの要素を含むゲームそれぞれのリプレイデータから相手のプレイヤキャラクタの体力をゼロにさせたシーンのフレーム画像を抽出する。そして、サーバ装置2は、抽出したフレーム画像をゲーム画像P1として決定する。
【0045】
(2-1)サーバ装置2は、ゲーム画像P1をデジタルカードC(価値媒体)に対応付ける。
【0046】
(1-2)サーバ装置2は、媒体画像の一つとして、ゲームが行われた現実のイベントを示す画像(以下、「現実情報画像」ともいう)を生成し、デジタルカードに対応付けてもよい。言い換えれば、媒体画像は、現実のイベントを特定可能な情報(現実情報画像)を含む。このような構成によれば、デジタルカードの画像を見れば、どのイベントに関するものであるかをユーザが特定することができる。また、このような構成によれば、媒体画像が、特定のイベントで行われたゲームの画像であることを証明する証明書としての役割を担うことができる。
【0047】
サーバ装置2は、例えば、プレイ情報に基づいて、ゲームをプレイしたプレイヤのプロフィール情報を表示する現実情報画像P2aを生成する。また、サーバ装置2は、プレイ情報に基づいて、ゲームが行われたイベントを特定可能な情報およびゲームが行われた段階を特定可能な情報を表示する現実情報画像P2bを生成する。
【0048】
(2-2)サーバ装置2は、生成したプレイヤ画像P2aおよび生成したイベント画像P2bをデジタルカードCに対応付ける。
【0049】
(3)サーバ装置2は、媒体画像(ゲーム画像P1、現実情報画像P2a、P2b)を表示するデジタルカードを発行する。デジタルカードでは、ゲーム画像P1と、現実情報画像P2a、P2bと、が並べられて表示させる。また、サーバ装置2は、このデジタルカードをNFTとして発行してもよい。この場合、サーバ装置2は、デジタルカードそれぞれに総発行数を設定し、デジタルカードのデータそれぞれに総発行数に基づくシリアルナンバーを設定する。
【0050】
上記構成によれば、プラットフォームシステム1は、プレイされたゲームの履歴に基づいて、デジタルカードに対応付ける媒体画像を決定することができる。例えば、プラットフォームシステム1では、実際に行われたゲームの勝敗や衝撃のシーンだったか否かなどにより媒体画像が決定されるため、プレイされたゲームの臨場感や盛り上がりなどを感じられるような画像にすることができる。このため、プラットフォームシステム1は、ユーザに付与するゲームに関する画像を決定するにあたって興趣性を改善することができる。
【0051】
<サーバ装置の構成>
図1に戻って説明を続ける。以下、サーバ装置2のハードウェア構成および機能構成について説明する。
【0052】
サーバ装置2は、ネットワークインタフェース21、記憶部22および制御部23を有する。ネットワークインタフェース21および記憶部22は、バス29を介して制御部23と電気的に接続されている。
【0053】
ネットワークインタフェース21は、インターネットおよびLANなどの通信ネットワーク6を介して各ユーザ装置5と通信可能接続されている。
【0054】
記憶部22は、主記憶装置、補助記憶装置または外部記憶装置などのプログラムやデータを記憶する装置である。記憶部22は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)およびSSD(Solid State Drive)などで構成される。記憶部22には、本実施形態にかかるプログラムの一部を含む各種プログラムの他、ユーザDB221、トレカDB222などの各種データなどが記憶されている。
【0055】
本実施形態にかかるプログラムは、記憶媒体に格納することができる。当該プログラムを格納した記憶媒体は、非一時的な記憶媒体(Non-transitory computer readable medium)であってもよい。非一時的な記憶媒体は特に限定されないが、例えば、USBメモリ又はCD-ROM等の記憶媒体であってもよい。
【0056】
ユーザDB221には、ゲームをプレイするユーザのユーザ識別情報ごとに、ユーザが所有するデジタルカードを識別するカード識別情報(カード番号かつシリアル番号)、プラットフォームシステム1内にて使用可能な電子的価値の残高、ユーザの属性を示す属性情報などが、対応付けられて記憶されている。以降、これらの情報を総称して「ユーザ情報」ともいう。ここで「電子的価値」とは、例えば、デジタル通貨(電子マネーや暗号資産(仮想通貨))であってもよい。
【0057】
トレカDB222には、プラットフォームシステム1で流通するデジタルカードのカード番号かつシリアル番号ごとに、パラメータ、発売日時(発行日時)、販売元(発行元)、総発行数、現在の所有者、取引の履歴などが、対応付けられて記憶されている。ここで「カード番号」とは、カードの種類を示す番号である。また「シリアル番号」とは、同じ種類のカードにおいて発行されたデジタルカードそれぞれに割り振られた固有の番号である。デジタルカードには、その真正性を証明する電子証明書および現在の所有者を証明する電子証明書の少なくともいずれかの電子証明書が含まれていてもよい。また、デジタルカードがNFTかつ未販売のものの場合、トレカDB222には、デジタルカードそのものが対応付けられて記憶されていてもよい。そしてユーザに販売された際に、このデジタルカードがユーザ装置5に移動し(送信され)、トレカDB222から削除されてもよい。以降、これらの情報を総称して「価値媒体情報」ともいう。
【0058】
「パラメータ」とは、例えば、価値媒体がデジタルカードであれば、デジタルカードの戦力、攻撃力、防御力、体力(HP)、賢さ、スキルレベル、スキルの種類、ランク、またはレアリティなどである。
【0059】
制御部23は、CPUおよび半導体メモリを含むマイクロコンピュータで構成され、自装置2の動作を制御する、すなわちデータの演算、加工及び転送並びにプログラムの実行や他の装置の制御などを担う処理装置(例えば、プロセッサなど)である。制御部23は、記憶部22に格納されているプログラムを実行することにより、サーバ装置2における様々な機能を実現することができる。
【0060】
制御部23は、各種プログラムを実行することにより、情報処理手段231、照合手段232、決定手段233、対応付け手段234、受付手段235、および付与手段236として機能する。
【0061】
―情報処理手段―
情報処理手段231は、各ユーザ装置5との間で各種データを送受信する。情報処理手段231が受信する主なデータとしては、表示情報の要求、ユーザの操作に応じた各種要求(例えば、デジタルカードの指定要求やガチャの抽選要求、デジタルカードを購入する際の決済要求など)、ユーザ情報、価値媒体情報(デジタルカードのデータを含む)などが挙げられる。情報処理手段231が送信する主なデータとしては、トレカアプリ、価値媒体情報などが挙げられる。
【0062】
-照合手段―
照合手段232は、ユーザ装置5から受信したユーザの識別情報を用いて、ユーザアカウントの認証を行う。
【0063】
-決定手段―
決定手段233は、プレイ情報に基づいて、価値媒体に対応付ける媒体画像を決定する。
【0064】
-対応付け手段―
対応付け手段234は、決定手段233により決定された媒体画像を価値媒体に対応付ける。
【0065】
-受付手段―
受付手段235は、ユーザから、各種選択や指示、または要求などを受け付ける。受付手段235は、ユーザから、媒体画像が対応付けられた価値媒体をこのユーザに付与するための指示を受け付ける。
【0066】
―付与手段-
付与手段236は、価値媒体をユーザに付与するための付与処理を実行する。ここで「付与処理」とは、例えば、デジタルカードの購入指示などのユーザの指示に応じて購入された価値媒体をユーザに関連付けることであってもよい。
【0067】
上記構成によれば、付与手段236は、プレイされたゲームの履歴に基づいて決定されたデジタルカードに対応付ける媒体画像をユーザに付与することができる。例えば、プラットフォームシステム1では、実際に行われたゲームの勝敗や衝撃のシーンだったか否かなどにより媒体画像が決定されるため、プレイされたゲームの臨場感や盛り上がりなどを感じられるような画像にすることができる。このため、付与手段236は、興趣性の高い価値媒体をユーザに付与することができる。
【0068】
―生成手段-
生成手段237は、プラットフォームシステム1で処理される各種情報を生成する。生成手段237は、例えば、媒体画像が対応付けられたデジタルカード(価値媒体)を生成(発行)する。この生成されたデジタルカードには、対応付けられた媒体画像が表示される。また、生成手段237は、例えば、ユーザが使用するユーザ装置5のディスプレイに表示させるための情報(以下、「表示情報」ともいう)を生成する。生成手段237は、ネットワークインタフェース21を介して、生成した表示情報をユーザ装置5に送信する。
【0069】
生成手段237は、例えば、デジタルカードの表示情報として、ゲーム画像と現実情報画像とを並べてユーザのユーザ装置5に表示させる表示情報を生成してもよい。
【0070】
―画像生成手段-
生成手段237は、例えば、画像生成手段2371を備えてもよい。画像生成手段2371は、プレイ情報から特定されたプレイヤまたはイベントを示す現実情報画像であって静止画像である現実情報画像を生成する。
【0071】
―第1抽出手段-
生成手段237は、例えば、第1抽出手段2372を備えてもよい。第1抽出手段2372は、特定のプレイヤの操作によって進行されたゲームの少なくとも一部のシーンのリプレイデータから静止画像であるゲーム画像を抽出する。この特定のプレイヤは、例えば、プレイ情報から特定されたプレイヤであってもよい。
【0072】
第1抽出手段2372は、例えば、まず、eスポーツ大会でプレイされた各対戦の動画像を録画する。つぎに、第1抽出手段2372は、録画した各対戦の動画像をラウンドごとにクリップする。ここで「動画像をクリップする」とは、動画像の全再生範囲から所定の再生範囲(本例では、ラウンドごと)を抽出することをいう。そして、第1抽出手段2372は、クリップされた動画像(以下、「クリップ動画」ともいう)から1以上の静止画像をゲーム画像として抽出する。第1抽出手段2372は、この抽出した静止画像に加えて、静止画像の抽出元のクリップ動画もゲーム画像に含めてもよい。対応付け手段234は、例えば、デジタルカードにおいて、静止画像をトップに表示させ、トップに表示させた静止画像をユーザが指定するとクリップ動画が再生されるよう対応付けてもよい。
【0073】
―特定手段-
特定手段238は、(ア)媒体画像に関するプレイヤ、(イ)プレイヤによってゲームが行われた現実のイベント、および(ウ)イベントにおける段階、の少なくともいずれかに応じて、価値媒体の価値を特定する。
【0074】
特定手段238は、例えば上記(ア)の場合、プレイヤAがプレイしたゲームのゲーム画像が対応付けられたデジタルカードは100円と特定し、他方、プレイヤBがプレイしたゲームのゲーム画像が対応付けれたデジタルカードは120円と特定してもよい。
【0075】
特定手段238は、例えば上記(イ)の場合、現実のイベントが国内の大会でプレイされたゲームのゲーム画像が対応付けられたデジタルカードは70円と特定し、他方、世界大会でプレイされたゲームのゲーム画像が対応付けられたデジタルカードは110円と特定してもよい。
【0076】
特定手段238は、例えば上記(ウ)の場合、対戦ゲームのラウンドが3ラウンドの場合、1ラウンド目および2ラウンド目のゲーム画像が対応付けられたデジタルカードは50円と特定し、他方、ファイナルラウンドのゲーム画像が対応付けられたデジタルカードは70円と特定してもよい。
【0077】
上記構成によれば、特定手段238は、実際にゲームをプレイしたプレイヤやゲームが行われた現実のイベントなどに応じて価値を特定することができる。このため、特定手段238は、例えば、人気のプレイヤが活躍した試合や無名のプレイヤが大逆転した試合などのゲーム画像のカードの価値を高めるなどすることができ、ファクトベースでデジタルカードの価値を特定することができる。
【0078】
特定手段238は、例えば、価値媒体のパラメータに基づいて、価値媒体の価値を特定してもよい。特定手段238は、例えば、デジタルカードのレアリティに基づいて、デジタルカードの価値を特定してもよい。具体的には、特定手段238は、デジタルカードのレアリティがSレアの場合にはデジタルカードの価値を100円とし、他方、レアリティがレアの場合はデジタルカードの価値を10円としてもよい。
【0079】
特定手段238は、例えば、価値媒体のパラメータを特定してもよい。特定手段238は、例えば、同じ媒体画像が対応付けられた価値媒体であっても異なるパラメータ(例えば異なるレアリティなど)を特定してもよい。
【0080】
<生成手段および受付手段>
ここで
図3~5を参照して、デジタルカードをユーザに販売するために、生成手段237がユーザ装置5のディスプレイに表示させる画面例について説明する。
【0081】
図3に示すように、生成手段237は、ユーザ装置5のディスプレイに、ログイン後、トレカアプリまたはWebブラウザを介して、プラットフォームシステム1の公式ストアのトップ画面610を表示させる。トップ画面610は、デジタルカードの購入方法を指定するための購入方法指定領域611を含む。
【0082】
購入指定方法領域611は、ユーザがデジタルカードを購入する方法を指定するための領域である。購入指定方法領域611に表示された複数の購入方法の中から希望する購入方法(本例では、「カードショップ」とする)をユーザが指定すると、ユーザ装置5は、この指定の受付要求を、サーバ装置2の受付手段235に送信する。受付手段235がこの受付要求を受け付けると、生成手段237は、
図4に示すカードショップ画面620aを表示させるための表示情報を生成する。生成手段237は、ネットワークインタフェース21を介してこの生成した表示情報をユーザ装置5に送信して、カードショップ画面620aを表示させる。
【0083】
図4に示すように、生成手段237は、ユーザ装置5のディスプレイに、ユーザが購入を希望するカードを選択して購入するためのカードショップ画面620aを表示させる。カードショップ画面620aは、カード選択領域621aと、購入ボタン622aと、を含む。
【0084】
カード選択領域621は、購入したいカードをユーザが選択するための領域である。なお、カードC1~C4は、パラメータ(本例では、レアリティ)に基づいて価値が特定されているものとする。カードC1、C2はレアリティがSレアのため100円と特定され、他方、カードC3、C4は、レアリティがレアのため10円と特定されている。
【0085】
カード選択領域621に表示されたカードC1~C4の中からユーザが購入したいカード(本例では、カードC4)を指示し購入ボタン622を押下すると、ユーザ装置5は、このカードの購入指示を、サーバ装置2の受付手段235に送信する。受付手段235がこの購入指示を受け付けると、生成手段237は、選択したカードを購入するための支払い画面(不図示)を表示させるための表示情報を生成する。生成手段237は、この生成した表示情報を、ネットワークインタフェース21を介してユーザ装置5に送信する。生成手段237は、ネットワークインタフェース21を介してこの生成した表示情報をユーザ装置5に送信して、支払い画面を表示させる。受付手段235は、ユーザから、支払い画面を介してカード購入のための支払い決済指示を受け付けて、決済をするための処理を行う。付与手段236は、この決済が完了すると、購入されたカードC4をユーザに付与する。
【0086】
決済をするための処理とは、例えば、クレジットカード決済であれば、決済指示に含まれるクレジットカードのカード番号、有効期限、セキュリティコードに基づいて、該当するクレジットカードのシステムに決済指示を送信する。
【0087】
図5に示すように、カードショップ画面の他の例として、生成手段237は、ユーザ装置5のディスプレイに、カードショップ画面620bを表示させてもよい。カードショップ画面620aとの差異点として、カード選択領域621bでは、同じパラメータ(本例では、レアリティ(Sレア))のデジタルカードをまとめて表示されている。カードC5~C8は、同じパラメータを備えるが、ゲームが行われたイベントが異なったり同じゲームでも異なるタイミングのシーンだったりすることで価値が異なる。
【0088】
<プラットフォームシステムの動作の流れ>
図6を参照して、プレイ情報に基づいて媒体画像を生成してからユーザに価値媒体を付与するまでの処理の流れについて説明する。
【0089】
図6に示すように、まず、サーバ装置2の第1抽出手段2372は、特定のプレイヤの操作によって進行されたゲームの少なくとも一部のシーンのリプレイデータから静止画像であるゲーム画像を抽出する(ステップst1)。
【0090】
次いで、画像生成手段2371は、特定のプレイヤ、または特定のプレイヤによりプレイされたゲームが行われたイベントを示す静止画像である現実情報画像を生成する(ステップst2)。
【0091】
次いで、決定手段233は、特定のプレイヤによってプレイされたゲームの履歴に関するプレイ情報に基づいて、価値媒体に対応付ける媒体画像(抽出されたゲーム画像および生成された現実情報画像)を決定する(ステップst3)。
【0092】
次いで、対応付け手段234は、決定手段233により決定された媒体画像を価値媒体に対応付ける(ステップst4)。
【0093】
次いで、受付手段235は、ユーザから、媒体画像が対応付けられた価値媒体をユーザに付与するための指示を受け付ける(ステップst5)。
【0094】
次いで、付与手段236は、受付手段235が受け付けた指示に応じて、価値媒体をユーザに付与するための付与処理を実行する(ステップst6)。
【0095】
以上をまとめると、サーバ装置2の制御部23(コンピュータ)を、特定のプレイヤによってプレイされたゲームの履歴に関するプレイ情報に基づいて、価値媒体に対応付ける媒体画像を決定する決定手段233、媒体画像を価値媒体に対応付ける対応付け手段234、ユーザから、価値媒体をユーザに付与するための指示を受け付ける受付手段235、指示に応じて、価値媒体をユーザに付与するための付与処理を実行する付与手段236、として機能させるものである。
【0096】
<効果>
本実施形態によれば、プレイされたゲームの履歴に基づいて、価値媒体に対応付ける媒体画像を決定することができる。例えば、実際に行われたゲームの勝敗や衝撃のシーンだったか否かなどにより媒体画像が決定されるため、プレイされたゲームの臨場感や盛り上がりなどをユーザが感じられるような画像にすることができる。このため、ユーザに付与するゲームに関する画像を決定するにあたって興趣性を改善することができる。
【0097】
[変形例]
なお、本発明を上記実施形態に基づいて説明してきたが、本発明は、上記実施形態に限定されない。以下のような場合も本発明に含まれる。
【0098】
[第1変形例]
上記実施形態では、価値媒体がデジタルカードである例を説明したが、本発明にかかる価値媒体はこれに限定されない。価値媒体は、例えば、ゲームで使用するアイテムやキャラクタなどであってもよい。また、価値媒体は特定のゲームで使用されるものではない、単に収集やユーザ間における取引を目的としたデジタルカードなどであってもよい。この場合、価値媒体には媒体画像が対応付けられる一方、ゲームで使用するためのゲームパラメータなどは対応付けられない。
【0099】
[第2変形例]
上記実施形態では、価値媒体それぞれ個別にユーザに付与する例を説明したが、本発明にかかる価値媒体の付与形態はこれに限定されない。例えば、価値媒体を複数組み合わせて価値媒体の集合(いわゆる、セットやパックなど)を生成し、生成した価値媒体の集合ごとにユーザに付与してもよい。本例でも、価値媒体をデジタルカードとする例を説明する。
【0100】
価値媒体の集合は、例えば、特定のプレイヤ、特定のプレイヤによるゲームが行われたイベント、およびイベントにおける段階の少なくともいずれかを識別する識別情報を含んでもよい。例えば、価値媒体の集合がデジタルカードのパックで、かつ特定のプレイヤがプレイヤAの場合、デジタルカードのパックは、プレイヤAを識別する情報(プレイヤAの氏名やID)を含んでもよい。また、この場合、集合に含まれる複数の価値媒体は、識別情報に対応する媒体画像が対応付けられた価値媒体である。上記の例では、識別情報がプレイヤAを識別する情報の場合、複数のデジタルカードは、プレイヤAに対応する媒体画像(プレイヤAがプレイしたゲームのゲーム画像やプレイヤAがプレイしたゲームが行われた現実のイベントを特定する現実情報画像など)が対応付けられている。
【0101】
上記構成によれば、決勝戦でプレイされたゲームのデジタルカードのみ集めたパックやプレイヤAがプレイしたゲームのデジタルカードのみ集めたパックなどを生成することができる。このため、よりユーザのニーズに合ったパックやセットなどの価値媒体の集合を提供することができる。
【0102】
決定手段233は、例えば、プレイ情報に基づいて、複数の媒体画像を決定してもよい。また、決定手段233は、例えば、複数のプレイ情報、すなわち複数のプレイされたゲームの履歴に基づいて、複数の媒体画像を決定してもよい。
【0103】
決定手段233は、例えば、後述する第2抽出手段が抽出した複数のゲーム画像のそれぞれを複数の媒体画像として決定してもよい。
【0104】
制御部23は、組み合わせ手段(不図示)として機能してもよい。組み合わせ手段は、決定された複数の媒体画像がそれぞれ対応付けられた複数の価値媒体を組み合わせることで複数の価値媒体の集合を生成する。価値媒体の集合とは、例えば、デジタルカードのパックやセットなどである。組み合わせ手段は、例えば、eスポーツ大会の決勝リーグかつファイナルラウンドのパックとして、eスポーツ大会の決勝リーグが全部で10試合あった場合、この10試合それぞれでプレイされたゲームのファイナルラウンドそれぞれの媒体画像が対応付けられた10個のデジタルカードを集めたパックを生成してもよい。
【0105】
ここで
図7を参照して、デジタルカード(NFT)のパックを生成する処理の一例について説明する。
【0106】
図7に示すように、eスポーツ大会の第1試合や決勝などの各対戦において、第1抽出手段2372は、各対戦のリプレイである動画像からラウンドごとのクリップ動画を抽出する。第1抽出手段2372は、抽出したクリップ動画から特定のフレーム画像(例えば、プレイヤキャラクタに最後の一撃をヒットさせたフレーム)をゲーム画像として抽出する。対応付け手段234は、抽出したフレーム画像およびクリップ動画を媒体画像としてデジタルカードに対応付ける。生成手段237は、この媒体画像が対応付けられたデジタルカード(NFT)を100枚発行(生成)する。生成手段237は、例えば、決勝戦の1ラウンド目のデジタルカードを、1~100のシリアル番号を設定して100枚発行する。組み合わせ手段は、この発行されたデジタルカードをランダムで組み合わせてデジタルカードのパックを生成する。
【0107】
受付手段235は、例えば、ユーザから、組み合わせ手段により生成された価値媒体の集合をユーザに対応付ける指示を受け付けてもよい。
【0108】
付与手段236は、例えば、受付手段235が受け付けたユーザからの指示に応じて、価値媒体の集合に含まれる複数の価値媒体をユーザに付与するための付与処理を実行してもよい。
【0109】
生成手段237は、例えば、第2抽出手段(不図示)を含んでもよい。第2抽出手段は、リプレイデータから静止画像であるゲーム画像を抽出し、特定のプレイ情報に基づいて、この抽出されたゲーム画像の中から、リプレイの異なるタイミングに対応する複数のゲーム画像を抽出する。第2抽出手段は、例えば、対戦ゲームのリプレイデータから複数のゲーム画像を抽出し、この抽出された複数のゲーム画像の中から1ラウンド目の開始と2ラウンド目の開始といった異なるタイミングのゲーム画像を抽出してもよい。
【0110】
例えば、せっかくデジタルカードのパックを購入しても、パックの中身が同じタイミングのゲーム画像ばかりであると様々なゲーム画像のデジタルカードが欲しいというユーザの欲求を満たせない場合がある。上記構成によれば、第2抽出手段は、複数の価値媒体にバリエーションをもたせることができ、様々な媒体画像の価値媒体がほしいというユーザの欲求を満たすことができる。
【0111】
[第3変形例]
上記実施形態では、プラットフォームシステム1が販売する価値媒体を表示させて、ユーザがその中から価値媒体を指定して購入する例を説明したが、本実施形態にかかる価値媒体の販売方法はこれに限定されにない。価値媒体の販売方法は、例えば、複数の価値媒体の中から抽選テーブルなどの抽選条件に基づいて1以上の価値媒体を選択する抽選(いわゆる「ガチャ」)であってもよい。
【0112】
記憶部22には、例えば、後述する抽選手段が用いる抽選テーブル(不図示)が記憶されていてもよい。抽選テーブルは、一般にガチャと呼ばれる抽選を抽選手段(後述)が行う際に用いるものであって、選択対象となる価値媒体に関する情報を複数含む。抽選テーブルには、価値媒体に関する情報(例えば、名称、パラメータなど)と、抽選による選択割合(いわゆる、当選確率や提供割合)とが、対応付けられている。
【0113】
「ガチャ」とは、サーバ装置2にて、抽選テーブルの中から、所定の選択割合に基づき任意の価値媒体を抽選により選択する方法である。選択された任意の価値媒体は、ユーザに付与される。“ガチャで選択したゲーム媒体を、ユーザに付与する/ユーザが所有する”とは、「抽選処理で選択されたゲーム媒体を、ユーザを示す識別情報と関連付ける/関連付けられている」ことと同義である。
【0114】
異なる媒体画像が対応付けられた価値媒体は、互いに等価値であってもよい。この場合、付与手段236は、ユーザからの指示に応じて、互いに等価値である複数の価値媒体の中から抽選手段の抽選によって選択された価値媒体をこのユーザに付与してもよい。このような構成によれば、付与手段236は、抽選によって相対的に価値が高い価値媒体が当たったり価値が低い価値媒体が当たってしまったりというような得喪が発生せず、賭博に該当するリスクを回避することができる。
【0115】
付与手段236が実行する付与処理は、例えば、抽選手段により抽選を実行し、抽選の実行結果により価値媒体をユーザに対応付けることであってもよい。付与手段236は、例えば、抽選手段が選択した価値媒体に関する情報と、抽選要求の送信元となる操作を行ったユーザの識別情報とを、ユーザDB221にて関連付ける。これにより、このユーザには、この抽選した(ガチャを引いた)結果当選した価値媒体が付与される。また、付与手段236は、この関連付けの際に、ユーザが登録した決済方法(例えば、銀行の口座からの引き落としや電子マネー決済など)により、抽選により付与する価値媒体の対価の支払い決済をするための処理を行ってもよい。
【0116】
―抽選手段-
付与手段236は、例えば、抽選手段を含んでもよい。抽選手段は、ユーザの抽選の実行指示(以下、単に「抽選指示」ともいう)に応じて抽選を実行する。抽選手段は、例えば、ユーザの抽選指示に応じて、記憶部22に記憶されている抽選テーブル(不図示)の中から、価値媒体ごとの選択割合に基づいて1以上の価値媒体を抽選により選択する。
【0117】
ここで
図8~10を参照して、デジタルカードのガチャをユーザに提供するために、生成手段237がユーザ装置5のディスプレイに表示させる画面例について説明する。本例では、ガチャの対象をデジタルカードのパックとする、いわゆるパックガチャを提供するものとする。
【0118】
図8に示すように、生成手段237は、トップ画面610に表示されたデジタルカードの購入方法の中から「ガチャ」が指定された場合、ユーザ装置5のディスプレイに、ユーザがガチャをひくためのガチャ選択画面630aを表示させる。ガチャ選択画面630aは、ガチャ選択領域631aと、実行ボタン632aと、を含む。
【0119】
ガチャ選択領域631aは、ユーザが実行させたいガチャを選択するための領域である。ガチャ選択領域631aには、1以上のガチャを表示する。本例では、Sレアパック(レアリティがSレアおよびレアのデジタルカードのパック)のガチャとレアパック(レアリティがレアのみのデジタルカードのパック)がガチャ選択領域631aに表示されているものとする。ガチャ選択領域631aに表示されたガチャの中からユーザが実行したいガチャ(本例では、レアパックのガチャ)を選択し実行ボタン632aを押下すると、ユーザ装置5は、この選択されたガチャの抽選指示を、サーバ装置2の受付手段235に送信する。受付手段235がこの抽選指示を受け付けると、抽選手段は、抽選テーブルに含まれるレアリティがレアのデジタルカードの中から抽選で10枚のデジタルカードを選択する。付与手段は、抽選により選択された10枚のデジタルカードをユーザに付与する。
【0120】
図9に示すように、ガチャ選択画面の他の例として、生成手段237は、ユーザ装置5のディスプレイに、ガチャ選択画面630bを表示させてもよい。ガチャ選択画面630aとの差異点として、カード選択領域621bでは、同じパラメータ(本例では、レアリティ)のデジタルカードを含むパックのガチャがまとめて表示されている。具体的には、Sレアのデジタルカードを含むパックのガチャと、Sレアのデジタルカードの中でも伝説の一戦の媒体画像が対応付けられているデジタルカードを含むパックのガチャと、Sレアのデジタルカードの中でもプレイヤAがプレイしたゲームの媒体画像が対応付けられているデジタルカードを含むパックのガチャと、がまとめてカード選択領域621bで表示されている。
【0121】
図8に示すように、生成手段237は、トップ画面610に表示されたデジタルカードの購入方法の中から「対戦」が指定された場合、ユーザ装置5のディスプレイに、ユーザがガチャをひきたい対戦を選択するための対戦選択画面640を表示させる。対戦選択画面640は、対戦選択領域641と、実行ボタン642と、を含む。
【0122】
対戦選択領域641は、ガチャをひきたい対戦をユーザが選択するための領域である。対戦選択領域641は、決勝トーナメントの各対戦を含むトーナメント表を表示する。対戦選択領域641は、表示された複数の対戦の中からガチャをひきたい対戦(本例では、「決勝戦」とする)をユーザが選択し実行ボタン642を押下すると、ユーザ装置5は、この選択の受付要求を、サーバ装置2の受付手段235に送信する。受付手段235がこの受付要求を受け付けると、生成手段237は、
図11に示す対戦詳細画面650を表示させるための表示情報を生成する。生成手段237は、この生成した表示情報を、ネットワークインタフェース21を介してユーザ装置5に送信する。生成手段237は、この生成した表示情報をユーザ装置5に送信することで、対戦詳細画面650を表示させる。
【0123】
図11に示すように、生成手段237は、ユーザ装置5のディスプレイに、第2ユーザが選択した対戦(決勝戦)の詳細を提示するための対戦詳細画面650を表示させる。対戦詳細画面650は、詳細表示領域651と、ゲーム画像表示領域652と、実行ボタン653と、を含む。
【0124】
詳細表示領域651は、ユーザが選択した対戦の詳細を表示するための領域である。例えばこの対戦が決勝戦であれば、詳細表示領域651は、決勝戦で戦ったプレイヤ、決勝戦で使用されたキャラクタ、決勝戦の勝敗、決勝戦のプレイヤごとのスコアなどを表示する。
【0125】
ゲーム画像表示領域652は、ユーザが選択した対戦に関するゲーム画像(本例では、プレイされた対戦を録画した動画像と動画像のサムネイルである静止画像)を表示するための領域である。例えばこの対戦が決勝戦であれば、ゲーム画像表示領域652は、ゲーム画像として、決勝戦のリプレイ動画や決勝戦でクリティカルヒット(決定的な攻撃)した瞬間の静止画像などを表示する。
【0126】
実行ボタン653をユーザが押下すると、ユーザ装置5は、この抽選を実行するための指示を、サーバ装置2の受付手段235に送信する。受付手段239がこの抽選指示を受け付けると、抽選手段は、詳細表示領域651に表示されている決勝戦のゲーム画像が対応付けられたデジタルカードを含む抽選テーブルを用いて抽選を実行する。
【0127】
[第4変形例]
決定手段233は、例えば、特定のプレイヤがゲームをプレイした現実のイベントが盛り上がった度合い(以下、「盛り上げ度」ともいう)に基づいて媒体画像を決定してもよい。
【0128】
決定手段233は、例えば、盛り上げ度としてゲームの配信動画に対する視聴者のコメントの量に基づいて、媒体画像を決定してもよい。例えば、まず、決定手段233は、コメントの履歴に基づいて、ゲームに対するコメントの量を算出する。このコメントの量とは、例えば、プレイに対するコメント数、熱量の高いコメントの有無またはその数、プレイヤに対して与えられた消費媒体(投げ銭)の量などである。次いで、決定手段233は、算出したこれらの量が閾値より高い場合に盛り上げ度が高い対戦として特定する。そして、決定手段233は、特定した対戦のゲーム画像や現実情報画像をデジタルカードに対応付ける媒体画像として決定する。
【0129】
決定手段233は、盛り上げ度としてゲームの配信動画に対するコメントの量や熱量を時系列的に検出し、当該対戦における盛り上がったシーンを特定することによって媒体画像を決定してもよい。
【0130】
また、盛り上げ度は、ゲームの配信動画に対する視聴者のリアクション以外にも、ゲーム状況に基づいて判定されてもよい。例えば、対戦において大技がきまったシーン、キャラクタのパラメータ(HPなど)の変動が大きかったシーンが該当する。一方、対戦キャラが互いに距離をとって様子を見ているシーンなどは、盛り上げ度を減じるように参照されてもよい。さらに、盛り上げ度は、ゲームの配信動画に対する視聴者のリアクション以外にも、現実のイベントが実施された会場における観覧者のリアクションであってもよい。例えば、観覧者の歓声の大きさ、量、発話内容によって。盛り上げ度を検出し得る。
【0131】
この場合に、媒体画像には当該盛り上げ度を特定可能な情報が含まれていても良い。例えば、最も盛り上がったシーンであることを示す情報や、視聴者や観覧者のリアクション(コメントや発話)の内容を示す情報が、媒体画像に表示されてもよい。
【0132】
上記構成によれば、決定手段233は、現実のイベントの実際の盛り上がりによって媒体画像を決定することができる。このため、決定手段233は、実際に盛り上がったイベントで行われたゲームの画像を媒体画像として決定することができ、興趣性の高い価値媒体を提供することができる。
【0133】
[他の実施形態]
上記実施形態において説明した各種制御手段および処理手順は一例であり、本発明、その適用物、またはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。各種制御手段および処理手順は、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜設計変更が可能である。
【0134】
ゲームは、アクションゲーム、シューティングゲーム、ロールプレイングゲーム、シミュレーションゲーム、ボードゲーム、およびパズルゲームなどであってもよく、様々な種類のゲームに適用することができる。
【0135】
上記実施形態では、サーバ装置2および複数のユーザ装置5が一体となってプログラムを機能させる場合を例示したが、これに限定されない。プログラムのすべての手段、すなわち、決定手段、対応付け手段、受付手段、付与手段などが、サーバ装置2単体、ユーザ装置5単体、サーバ装置およびユーザ装置5とは別の通信端末単体、これらのうち組み合わせられる2つの装置(例えば、サーバ装置2とユーザ装置5での分散処理など)、に備えられていてもよい。また、サーバ装置、ユーザ装置、通信端末を一体となって機能させる場合、どの手段をどの装置にて機能させるかも、適宜変更が可能である。
【0136】
これらの他の実施形態を採用した場合においても、本実施形態の作用効果は発揮される。また、本実施形態と他の実施形態、および他の実施形態同士を適宜組み合わせることも可能である。
【符号の説明】
【0137】
1 プラットフォームシステム
2 サーバ装置
23 制御部
233 決定手段
234 対応付け手段
235 受付手段
236 付与手段
5 ユーザ装置