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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023000910
(43)【公開日】2023-01-04
(54)【発明の名称】携帯道具用ブラケット及び携帯道具
(51)【国際特許分類】
   B25H 3/00 20060101AFI20221222BHJP
【FI】
B25H3/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021101980
(22)【出願日】2021-06-18
(71)【出願人】
【識別番号】000156307
【氏名又は名称】株式会社TJMデザイン
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100154003
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 憲一郎
(72)【発明者】
【氏名】後藤 章夫
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 昭仁
(72)【発明者】
【氏名】田山 延子
【テーマコード(参考)】
3C012
【Fターム(参考)】
3C012BG01
(57)【要約】
【課題】携帯道具を落下の防止をしつつ携帯することができるとともに、専用のホルダがない場合でも携帯道具を腰ベルト等の被引掛け物に装着して携帯することを可能とする携帯道具用ブラケット及び当該携帯道具用ブラケットを備えた携帯道具を提供する。
【解決手段】携帯道具本体10に取り付けられる取付け部21と、使用者の体に保持されるホルダ30に設けられたガイドレール部31に差し込まれて当該ホルダ30に着脱可能に装着される差込み部22と、引掛け保持用の切込み部24と、を有していることを特徴とする携帯道具用ブラケット20及びこれが取り付けられたが取り付けられた携帯道具1。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯道具本体に取り付けられる取付け部と、
使用者の体に保持されるホルダに設けられたガイドレール部に差し込まれて当該ホルダに着脱可能に装着される差込み部と、
引掛け保持用の切込み部と、を有していることを特徴とする携帯道具用ブラケット。
【請求項2】
前記切込み部が、前記携帯道具本体の重心に対して一方側であって前記携帯道具本体の前記一方側の端部よりも前記重心の側に開口端を有するとともに、前記携帯道具本体の重心に対して他方側に最奥部を有している、請求項1に記載の携帯道具用ブラケット。
【請求項3】
前記切込み部が、前記取付け部と前記差込み部との間に設けられている、請求項1または2に記載の携帯道具用ブラケット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用者の体に保持されるホルダに携帯道具を保持させるための携帯道具用ブラケット及び携帯道具用ブラケットが取り付けられた携帯道具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば建設現場ないし工事現場等において作業者により携帯される、巻き尺、懐中電灯、水筒、小型電子機器(例えば携帯電話、スマートフォン、タブレット、電子ノギス)などの道具(以下、「携帯道具」という。)として、腰ベルト等に装着されて作業者の体に保持されたホルダに着脱可能な差込み部を備えた携帯道具用ブラケットが取り付けられたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このような携帯道具は、ホルダに設けられたガイドレール部に差込み部を差し込んで係止させることでホルダに保持され、落下が防止された状態で携帯することができる。また、ホルダによる差込み部の係止を解除することで、携帯道具をホルダから容易に取り外して使用することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許4172929号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記従来の携帯道具は、携帯道具用ブラケットの差込み部が専用のホルダにのみ装着可能な形状となっているので、作業者が携帯道具を腰ベルト等に装着して携帯するためには、腰ベルト等に専用のホルダを常に装着しておく必要があり、専用のホルダがない場合には携帯道具の携帯がし難いという問題点があった。
【0006】
本発明は、上記課題を鑑みて成されたものであり、その目的は、携帯道具を落下の防止をしつつ携帯することができるとともに、専用のホルダがない場合でも携帯道具を腰ベルト等の被引掛け物に装着して携帯することを可能とする携帯道具用ブラケット及び当該携帯道具用ブラケットを備えた携帯道具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の携帯道具用ブラケットは、携帯道具本体に取り付けられる取付け部と、使用者の体に保持されるホルダに設けられたガイドレール部に差し込まれて当該ホルダに着脱可能に装着される差込み部と、引掛け保持用の切込み部と、を有していることを特徴とする。
【0008】
本発明の携帯道具用ブラケットは、上記構成において、前記切込み部が、前記携帯道具本体の重心に対して一方側であって前記携帯道具本体の前記一方側の端部よりも前記重心の側に開口端を有するとともに、前記携帯道具本体の重心に対して他方側に最奥部を有しているのが好ましい。
【0009】
本発明の携帯道具用ブラケットは、上記構成において、前記切込み部が、前記取付け部と前記差込み部との間に設けられているのが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明では、差込み部を備えた携帯道具用ブラケットに、引掛け保持用の切込み部を設けるようにしたので、専用のホルダがある場合には、当該ホルダに差込み部を装着して、携帯道具を落下の防止をしつつ携帯することができるとともに、専用のホルダがない場合であっても、腰ベルトやポケットなどの被引掛け物に携帯道具用ブラケットを引っ掛けて携帯道具を携帯することができる。
【0011】
したがって、本発明によれば、携帯道具を落下の防止をしつつ携帯することができるとともに、専用のホルダがない場合でも携帯道具を腰ベルト等の被引掛け物に装着して携帯することを可能とする携帯道具用ブラケット及び当該携帯道具用ブラケットを備えた携帯道具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施の形態に係る携帯道具の正面図である。
図2図1に示す携帯道具のA-A線に沿う断面図(携帯道具本体の断面は省略して示す)である。
図3】携帯道具用ブラケットをホルダに装着して携帯道具を携帯した状態を示す説明図である。
図4】腰ベルトに装着されたホルダを示す斜視図である。
図5】携帯道具用ブラケットが装着された状態のホルダを示す説明図である。
図6】携帯道具用ブラケットの係止を解除した状態のホルダを示す説明図である。
図7】携帯道具用ブラケットを腰ベルトに引っ掛けて携帯道具を携帯した状態を示す説明図である。
図8図1に示す携帯道具用ブラケットの正面図である。
図9図8に示す携帯道具用ブラケットの側面図である。
図10図8に示す携帯道具用ブラケットの背面面図である。
図11図9に示す携帯道具用ブラケットの変形例の側面図である。
図12図9に示す携帯道具用ブラケットの他の変形例の側面図である。
図13】変形例の携帯道具用ブラケットが取り付けられた携帯道具の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、図面を参照しつつ、本発明の実施形態について例示説明する。
【0014】
図1図2に示すように、本発明の一実施の形態に係る携帯道具1は、携帯道具本体10と、携帯道具本体10に取り付けられた携帯道具用ブラケット20とを有している。
【0015】
携帯道具本体10は、例えば巻き尺、懐中電灯、水筒、小型電子機器(例えば携帯電話、スマートフォン)などの、建設現場ないし工事現場等において作業者により携帯される道具であってよい。本実施の形態では、携帯道具本体10は巻き尺である。
【0016】
巻き尺である携帯道具本体10は、物差しを構成するスチールテープ11を巻き取って収納するケース体12を有している。ケース体12は、スチールテープ11の巻き取り軸を中心とする略円形の一対の側壁12aと、これらの側壁12aを連ねる円筒状の周壁12bとを有し、その下端側部にスチールテープ11の引出し口12cを有している。
【0017】
携帯道具用ブラケット20は、取付け部21を有している。携帯道具用ブラケット20は、取付け部21において携帯道具本体10のケース体12の一方の側壁12aに取り付けられている。
【0018】
携帯道具用ブラケット20は、差込み部22を有している。差込み部22は、使用者の体に保持される専用のホルダ30(図4参照)に設けられたガイドレール部31に差し込まれて当該ホルダ30に着脱可能に装着される。
【0019】
携帯道具1の使用者(作業者)は、携帯道具用ブラケット20の差込み部22を専用のホルダ30に装着することで、図3に示すように、携帯道具1をホルダ30に保持させて、当該携帯道具1を落下の防止をしつつ携帯することができる。
【0020】
より具体的には、差込み部22は、図1に示す正面視で一定幅の略矩形形状であり、その両側部は板状に張り出している。差込み部22は、ホルダ30への差込み方向の先端側に、先細り形状の案内部23が一体に設けられた構成とすることもできる。
【0021】
図4に示すように、ホルダ30は、例えば腰ベルト2に装着されて使用者の体に保持される構成とすることができる。ホルダ30は、その前面側に、所定の間隔を空けて対向して配置された一対のガイドレール部31を備えている。一対のガイドレール部31とホルダ30の本体部分との間に差込み部22が挿通される上方開口の空間が区画形成されている。一対のガイドレール部31の上方には、斜め下方にスライド移動可能な係止ストッパー32が設けられている。
【0022】
図5に示すように、携帯道具用ブラケット20の差込み部22は、案内部23の側から一対のガイドレール部31の間に上方から差し込まれる。このとき、差込み部22の差込み方向の先端側に、先細り形状の案内部23を一体に設けた構成とすることで、一対のガイドレール部31の間に差込み部22を差し込む作業を容易に行うことができる。
【0023】
一対のガイドレール部31の間に差し込まれた差込み部22は、その両側部の板状の張り出し部分が一対のガイドレール部31に保持されるとともに、上端部分が係止ストッパー32により上方側から係止される。これにより、携帯道具用ブラケット20は、差込み部22において、ホルダ30に抜け止めされた状態で装着される。
【0024】
係止ストッパー32は、その内部にバネ等の付勢部材(不図示)を備え、差込み部22が差し込まれる際に付勢部材に抗して斜め下方に移動し、差込み部22が一対のガイドレール部31の間に差し込まれた後には自動的に差込み部22の上端を係止する位置にまで復元する構成とすることができる。
【0025】
また、携帯道具用ブラケット20は、案内部23の先端に凹部23aを備え、差込み部22が一対のガイドレール部31の間に差し込まれて係止ストッパー32に係止されたときに、ホルダ30に設けられたピン部材33が凹部23aに係合して差込み部22が所定位置に保持される構成とすることもできる。
【0026】
図6に示すように、差込み部22が一対のガイドレール部31の間に差し込まれた状態で、係止ストッパー32を斜め下方にスライド移動させることで、係止ストッパー32による差込み部22の係止を解除して、差込み部22ないし携帯道具用ブラケット20をホルダ30から離脱させて、携帯道具1をホルダ30から取り外すことができる。
【0027】
図2に示すように、携帯道具用ブラケット20は、上記した取付け部21と差込み部22とに加えて、引掛け保持用の切込み部24を有している。切込み部24は、図1において、携帯道具用ブラケット20の下方及び左右両側に開口するとともに下方側から上方側に向けて側壁12aに平行な方向に沿って延びる溝状となっており、腰ベルト2やポケット、帯状物、リング、紐などの被引掛け物に引っ掛けることができるようになっている。
【0028】
なお、切込み部24の、図1における、上下方向の長さ、左右方向の幅及びこれらに垂直な溝幅などは、被引掛け物に容易に引掛けることができるように、適宜の寸法に設定することができる。
【0029】
携帯道具用ブラケット20が切込み部24を有することで、携帯道具1の使用者は、図7に示すように、専用のホルダ30がない場合であっても、携帯道具用ブラケット20を切込み部24において腰ベルト2などの被引掛け物に引っ掛けることで、携帯道具1を被引掛け物に保持させて、当該携帯道具1を携帯することができる。
【0030】
このように、本実施の形態の携帯道具1ないし携帯道具用ブラケット20では、携帯道具用ブラケット20を、携帯道具本体10に取り付けられる取付け部21と、使用者の体に保持されるホルダ30に設けられたガイドレール部31に差し込まれて当該ホルダ30に着脱可能に装着される差込み部22とに加えて、引掛け保持用の切込み部24を有する構成としたので、専用のホルダ30がある場合には、当該ホルダ30に差込み部22を装着して、携帯道具1をホルダ30に保持させることで落下の防止をしつつ携帯することができるとともに、専用のホルダ30がない場合であっても、腰ベルト2などの被引掛け物に携帯道具用ブラケット20を引っ掛けて携帯道具1を携帯することができる。
【0031】
図2に示すように、切込み部24は、携帯道具本体10の重心G(図2における上下方向の重心)に対して一方側(図2においては下方側)であって携帯道具本体10の一方側の端部(図2においては下端)よりも重心Gの側に開口端24aを有するとともに、携帯道具本体10の重心Gに対して他方側(図2においては上方側)に最奥部24bを有する構成とするのが好ましい。
【0032】
これにより、腰ベルト2などの被引掛け物に携帯道具用ブラケット20を引っ掛けて携帯道具1を携帯する際に、携帯道具本体10の重心Gが切込み部24の最奥部24bよりも下方側に位置するようにして、腰ベルト2などの被引掛け物に携帯道具1をより安定的に保持させることができる。
【0033】
また、図2に示すように、切込み部24は、取付け部21と差込み部22との間に設けた構成とするのが好ましい。
【0034】
これにより、差込み部22のホルダ30への装着性を損なうことなく、腰ベルト2などの被引掛け物に携帯道具用ブラケット20を引っ掛けるための切込み部24を設けることができる。
【0035】
携帯道具用ブラケット20は、ステンレス鋼、合成樹脂材料、ガラス繊維強化プラスチック、炭素繊維強化プラスチック及びセルロースナノファイバー強化プラスチックの、少なくとも1つ以上の材料で形成された構成とすることができる。
【0036】
図8図9及び図10に示すように、本実施の形態では、携帯道具用ブラケット20は、ステンレス鋼により形成されたフック部材25に、合成樹脂材料により形成された差込み部22を固定した構成となっている。
【0037】
なお、差込み部22を形成する材料は、合成樹脂材料に限らず、ガラス繊維強化プラスチック、炭素繊維強化プラスチックまたはセルロースナノファイバー強化プラスチックであってもよい。
【0038】
フック部材25は、所定形状のステンレス鋼の板材を折曲げ加工して形成されており、その一部は板状の取付け部21を構成している。また、フック部材25は、取付け部21と略平行な板状のフック本体部26と、取付け部21とフック本体部26とを連ねる湾曲部27とを一体に有している。湾曲部27は、切込み部24の最奥部24bを構成する。取付け部21とフック本体部26との間には所定の隙間が設けられており、当該隙間が切込み部24を構成している。
【0039】
湾曲部27は、取付け部21に対してフック本体部26とは反対側に膨出する形状となっており、図2に示すように、携帯道具用ブラケット20が側壁12aに固定された状態において、側壁12aの凹みの形状に沿って配置されるようになっている。
【0040】
図8図10に示すように、取付け部21は、湾曲部27の側に偏った位置に、幅方向に並ぶ一対の貫通孔28を備えている。また、取付け部21は、湾曲部27とは反対側の端部に、ケース体12の側に向けて段差状に曲がる係止片29を一体に備えている。
【0041】
図1図2に示すように、携帯道具用ブラケット20は、取付け部21に設けられた係止片29がケース体12の一方の側壁12aに設けられた係止孔12dに挿通されて当該側壁12aに係止されるとともに、取付け部21に設けられた一対の貫通孔28に挿通されたネジ部材3がケース体12の一方の側壁12aにねじ止めされることにより、ケース体12の一方の側壁12aに固定されている。
【0042】
本実施の形態では、取付け部21の一端側を係止片29により側壁12aに係止させつつ、取付け部21の他端側をネジ部材3で側壁12aに固定する構成としたので、係止片29を設けることなく取付け部21の一端側をネジ部材3で側壁12aに固定する構成とした場合に比べて、取付け部21及び湾曲部27の破損を防止しつつ携帯道具用ブラケット20を強度に側壁12aに固定することができる。
【0043】
図2に示すように、差込み部22は、フック本体部26の開口端24aの側において取付け部21の側を向く内面に固定されている。より具体的には、差込み部22は、フック本体部26に設けられた爪部26aに係合するとともに、リベット4を用いてフック本体部26に固定されている。差込み部22は、フック本体部26の内面から取付け部21の側に向けて突出しており、切込み部24の開口端24aの側における隙間を狭めている。これにより、腰ベルト2などの被引掛け物に携帯道具用ブラケット20を引っ掛けたときに、被引掛け物がフック本体部26から突出する差込み部22により押さえられるようにして、被引掛け物に保持された携帯道具1のガタツキを抑制することができる。また、差込み部22の上端側(最奥部24bの側)には、最奥部24bの側に向けて徐々に厚みが薄くなるように傾斜する傾斜面22aが設けられており、切込み部24において携帯道具用ブラケット20を腰ベルト2などの被引掛け物に引っ掛けた後、これを被引掛け物から取り外す際に、被引掛け物が差込み部22に引っ掛かることを防止して、携帯道具1をより容易に被引掛け物から取り外すことができる。
【0044】
なお、差込み部22の取付け部21の側を向く表面に、溝や突起、シボ加工などの滑り止め形状を設けた構成とすることもできる。
【0045】
また、携帯道具用ブラケット20を、ステンレス鋼により形成されたフック部材25に、合成樹脂材料により形成された差込み部22を固定した構成としたことにより、携帯道具用ブラケット20の強度を高めつつ差込み部22が差し込まれるホルダ30の摩損を抑制することができる。
【0046】
さらに、フック本体部26は、携帯道具用ブラケット20が側壁12aに固定された状態において、当該側壁12aと平行となっている。これにより、差込み部22も側壁12aと平行に延びる姿勢となるので、携帯道具1をホルダ30に保持させる際に、携帯道具用ブラケット20の差込み部22をより容易にホルダ30のガイドレール部31に差し込むことができる。また、切込み部24も側壁12aと平行に延びる形状となるので、携帯道具用ブラケット20を腰ベルト2などの被引掛け物により容易に引っ掛けることができる。
【0047】
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0048】
例えば、前記実施形態では、図9に示すように、差込み部22と取付け部21との間に隙間を設けるようにしているが、例えば図11に示すように、図9に示す場合に比べて差込み部22の厚みを増やしたり、図12に示すように、フック本体部26を湾曲部27の側から開口端24aの側に向けて徐々に取付け部21に接近するように傾斜させたりすることで、差込み部22を取付け部21に接触させるように構成してもよい。このような構成とすることにより、腰ベルト2などの被引掛け物に携帯道具用ブラケット20を引っ掛けたときに、差込み部22と取付け部21との間に被引掛け物をしっかりと挟み込んで、携帯道具1が不意に落下することを防止することができる。
【0049】
また、前記実施の形態では、携帯道具用ブラケット20を、ステンレス鋼により形成されたフック部材25に、合成樹脂材料により形成された差込み部22を固定した構成としているが、これに限らず、全体が合成樹脂材料のみで形成された構成としてもよく、全体がステンレス鋼で形成された構成としてもよい。携帯道具用ブラケット20の全体を合成樹脂材料で形成する場合には、合成樹脂材料に替えて、ガラス繊維強化プラスチック、炭素繊維強化プラスチックまたはセルロースナノファイバー強化プラスチックで形成するようにしてもよい。
【0050】
さらに、前記実施の形態では、携帯道具用ブラケット20を、フック部材25と別に成形した差込み部22をフック部材25に固定した構成としているが、フック部材25をインサートとした合成樹脂材料の射出成形により、差込み部22がフック部材25と一体に成形された構成とすることもできる。
【0051】
さらに、携帯道具用ブラケット20は、差込み部22が、差込み方向の先端側に先細り形状の案内部23を一体に備えた構成のものに限らず、図13に示すように、差込み部22が正面視で円形となる円形形状のものとすることもできる。この場合、差込み部22は、フック本体部26の取付け部21とは反対側を向く外側面に固定される。このような構成により、携帯道具用ブラケット20をホルダ30に対して任意の角度で装着することができるようにして、携帯道具1をホルダ30に保持させる際に、ホルダ30に対する携帯道具1の向きを調整することを不要とし、より容易に携帯道具1をホルダ30に保持させることができる。
【0052】
さらに、前記実施の形態では、携帯道具用ブラケット20の取付け部21を携帯道具本体10のケース体12にネジ部材3を用いて取り付けるようにしているが、これに限らず、携帯道具用ブラケット20の取付け部21を携帯道具本体10のケース体12に接着材や両面テープなどの他の手段で固定する構成とすることもできる。
【0053】
さらに、前記実施の形態では、携帯道具用ブラケット20の取付け部21を、一対の貫通孔28を備えた構成とし、これらの貫通孔28に挿通した2本のネジ部材3を用いて取付け部21を携帯道具本体10のケース体12に取り付ける構成としているが、これに限らず、取付け部21を、1つまたは3つ以上の貫通孔28を備えた構成とし、これらの貫通孔28に挿通した1本または3本以上のネジ部材3を用いて取付け部21を携帯道具本体10のケース体12に取り付ける構成としてもよい。
【0054】
さらに、ホルダ30は、腰ベルト2に装着されるものに限らず、例えばショルダーベルトや、鞄、リュックサック、工具袋などに設けられたベルトに装着されるものであってもよい。
【符号の説明】
【0055】
1 携帯道具
2 腰ベルト
3 ネジ部材
4 リベット
10 携帯道具本体
11 スチールテープ
12 ケース体
12a 側壁
12b 周壁
12c 引出し口
12d 係止孔
20 携帯道具用ブラケット
21 取付け部
22 差込み部
23 案内部
23a 凹部
24 切込み部
24a 開口端
24b 最奥部
25 フック部材
26 フック本体部
27 湾曲部
28 貫通孔
29 係止片
30 ホルダ
31 ガイドレール部
32 係止ストッパー
33 ピン部材
G 重心
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13