(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023091020
(43)【公開日】2023-06-29
(54)【発明の名称】ヒートポンプ
(51)【国際特許分類】
F25B 13/00 20060101AFI20230622BHJP
F25B 1/00 20060101ALI20230622BHJP
【FI】
F25B13/00 341
F25B1/00 321B
F25B13/00 331Z
F25B1/00 331C
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023078992
(22)【出願日】2023-05-12
(62)【分割の表示】P 2020053961の分割
【原出願日】2020-03-25
(71)【出願人】
【識別番号】000006781
【氏名又は名称】ヤンマーパワーテクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000947
【氏名又は名称】弁理士法人あーく事務所
(72)【発明者】
【氏名】奥田 憲弘
(72)【発明者】
【氏名】相川 照規
(72)【発明者】
【氏名】岡田 秀志
(57)【要約】
【課題】室外熱交換器に過剰に冷媒が流入することを抑制できるヒートポンプを提供する。
【解決手段】ヒートポンプ1は、室内熱交換器6と、室内熱交換器6と接続された室外熱交換器5と、冷媒を圧縮する圧縮機2と、圧縮機2と接続された四方弁4とを備える。四方弁4と圧縮機2との間の吸入経路には、蒸発用熱交換器8が設けられている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
室内熱交換器と、前記室内熱交換器と接続された室外熱交換器とを備え、冷媒を循環させて冷却および加熱するヒートポンプであって、
冷媒を圧縮する圧縮機と、
前記圧縮機と接続された四方弁とを備え、
前記四方弁と前記圧縮機との間の吸入経路には、蒸発用熱交換器が設けられていること
を特徴とするヒートポンプ。
【請求項2】
請求項1に記載のヒートポンプであって、
前記室内熱交換器と前記室外熱交換器とを繋ぐ経路から分岐したバイパス回路が、前記四方弁と前記蒸発用熱交換器との接続経路に接続されていること
を特徴とするヒートポンプ。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のヒートポンプであって、
前記室外熱交換器と前記室内熱交換器とを繋ぐ接続経路に設けた冷却用熱交換器と、
前記接続経路から分岐した分岐経路とを備え、
前記分岐経路は、分岐膨張弁と前記冷却用熱交換器とを経て、前記蒸発用熱交換器と前記圧縮機との間の経路に接続されていること
を特徴とするヒートポンプ。
【請求項4】
請求項3に記載のヒートポンプであって、
前記蒸発用熱交換器と前記圧縮機との間の吸入経路に設けられたアキュムレータを備えること
を特徴とするヒートポンプ。
【請求項5】
請求項4に記載のヒートポンプであって、
前記冷却用熱交換器は、前記アキュムレータに固定されていること
を特徴とするヒートポンプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷媒を循環させて冷却および加熱するヒートポンプに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ヒートポンプにおいて、熱交換器で冷媒の熱交換を行い、冷房運転や暖房運転を行っている。一般的に、ヒートポンプでは、暖房運転時において、室内熱交換器で液化した冷媒を室外熱交換器でガス化して圧縮機に戻している(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のヒートポンプは、圧縮機と、オイルセパレータとを備え、オイルセパレータから圧縮機にオイルを戻すオイル戻し経路には、開閉弁が設けられている。上述したヒートポンプでは、全ての冷媒を室外熱交換器で熱交換しているため、室外熱交換器の能力以上に冷媒が流入する状況が発生することがあり、冷媒を蒸発しきれないという問題があった。
【0005】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、室外熱交換器に過剰に冷媒が流入することを抑制できるヒートポンプを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るヒートポンプは、室内熱交換器と、前記室内熱交換器と接続された室外熱交換器とを備え、冷媒を循環させて冷却および加熱するヒートポンプであって、冷媒を圧縮する圧縮機と、前記圧縮機と接続された四方弁とを備え、前記四方弁と前記圧縮機との間の吸入経路には、蒸発用熱交換器が設けられていることを特徴とする。
【0007】
本発明に係るヒートポンプは、前記室内熱交換器と前記室外熱交換器とを繋ぐ経路から分岐したバイパス回路が、前記四方弁と前記蒸発用熱交換器との接続経路に接続されている構成としてもよい。
【0008】
本発明に係るヒートポンプは、前記室外熱交換器と前記室内熱交換器とを繋ぐ接続経路に設けた冷却用熱交換器と、前記接続経路から分岐した分岐経路とを備え、前記分岐経路は、分岐膨張弁と前記冷却用熱交換器とを経て、前記蒸発用熱交換器と前記圧縮機との間の経路に接続されている構成としてもよい。
【0009】
本発明に係るヒートポンプは、前記蒸発用熱交換器と前記圧縮機との間の吸入経路に設けられたアキュムレータを備える構成としてもよい。
【0010】
本発明に係るヒートポンプでは、前記冷却用熱交換器は、前記アキュムレータに固定されている構成としてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によると、冷房・暖房時ともに低圧側の吸入経路に配置されるので、冷房・暖房時での経路切換に必要な弁や配管が不要となり、信頼性向上、コスト低減が図れる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の実施の形態に係るヒートポンプの簡略化した冷媒回路図である。
【
図2】蒸発用熱交換器および冷却用熱交換器近傍の構造を示す概略側面図である。
【
図3】バイパス制御を開始するかどうかを判定する開始判定の処理フローを示すフロー図である。
【
図4】バイパス制御での動作に関する処理フローを示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態に係るヒートポンプについて、図面を参照して説明する。
【0014】
図1は、本発明の実施の形態に係るヒートポンプの簡略化した冷媒回路図である。
【0015】
ヒートポンプ1は、外気と熱交換を行う室外機と、室内空気と熱交換を行う室内機とを有する。室外機は、圧縮機2、オイルセパレータ3、四方弁4、室外熱交換器5、アキュムレータ7、蒸発用熱交換器8、冷却用熱交換器9、および室外膨張弁11を有する。室内機は、室内熱交換器6および室内膨張弁12を有する。
【0016】
圧縮機2は、例えば、ガスエンジンなどの駆動源によって駆動される。圧縮機2については、複数が並列に接続された構成としてもよく、複数の圧縮機2は、ベルトやフライホイールを介して、1つのガスエンジンによって駆動させてもよく、さらに、クラッチを設けて選択的に駆動させてもよい。圧縮機2の吐出経路40は、オイルセパレータ3を介して、四方弁4に接続されている。
【0017】
圧縮機2から吐出された高温・高圧のガス状冷媒は、四方弁4によって、室外熱交換器5または室内熱交換器6に向けられる。四方弁4は、暖房運転(実線)の場合、ガス状冷媒を室内熱交換器6に送り、冷房運転(一点鎖線)の場合、ガス状冷媒を室外熱交換器5に送る。
【0018】
暖房運転の場合、室内熱交換器6を介して、冷媒から室内空気に熱が移動し、冷媒は、低温・高圧の液状態にされる。その後、冷媒は、室内膨張弁12および室外膨張弁11を介して、室外熱交換器5に送られる。室内膨張弁12および室外膨張弁11は、制御装置などによって、開度が適宜制御される。
【0019】
暖房運転の場合、液状態の冷媒は、室外膨張弁11によって膨張され、低温・低圧の液状態(霧状態)にされる。その後、室外熱交換器5を介して、外気から冷媒に熱が移動し、冷媒は、低温・低圧のガス状態にされる。室外熱交換器5を経た冷媒は、四方弁4を通り、圧縮機2の吸入経路50に送られる。
【0020】
四方弁4と圧縮機2との間の経路には、アキュムレータ7が設けられている。アキュムレータ7は、ガス状態の冷媒を一時的に蓄える。ガス状態の冷媒には、少量の液状態の冷媒が含まれており、アキュムレータ7内でこれらが分離し、液状態の冷媒がアキュムレータ7に貯められる。
【0021】
アキュムレータ7と圧縮機2とを接続する吸入経路50には、フィルタ52を収容するフィルタ収容部51が設けられている。フィルタ52は、冷媒に含まれる異物を吸着する。フィルタ52を設けることで、冷媒やオイルから汚れを取り除き、清浄に保つことができる。なお、圧縮機2を複数設けた際には、フィルタ収容部51で経路を分岐させてもよい。
【0022】
また、四方弁4とアキュムレータ7との間には、蒸発用熱交換器8(第1熱交換器の一例)が設けられている。蒸発用熱交換器8は、例えば、圧縮機2などの駆動源であるガスエンジンによって暖められる熱交換器とされている。蒸発用熱交換器8は、ガスエンジンの冷却水を流通させてもよく、通過する冷媒を暖める。
【0023】
ヒートポンプ1には、暖房運転時に、室内熱交換器6から流出し、室外熱交換器5に流入する冷媒を分配して、蒸発用熱交換器8に流入させるバイパス回路61が設けられている。具体的に、バイパス回路61は、室内熱交換器6(室内膨張弁12)と室外熱交換器5(室外膨張弁11)とを繋ぐ経路(接続経路60)から分岐し、冷媒の流通方向において、蒸発用熱交換器8の上流(四方弁4と蒸発用熱交換器8との間)に接続されている。バイパス回路61には、バイパス膨張弁62(弁の一例)が設けられており、バイパス膨張弁62の開度によって、バイパス回路61を通る冷媒の流量が制御される。
【0024】
ヒートポンプ1では、室外熱交換器5に能力以上の冷媒が流入する場合、バイパス回路61に冷媒を流入させることで、室外熱交換器5に過剰に冷媒が流入することを抑制でき、熱交換効率を向上させることができる。また、バイパス回路61を蒸発用熱交換器8の上流に接続することで、蒸発用熱交換器8に冷媒を確実に送ることができる。なお、バイパス回路61に冷媒を流入させる際のバイパス制御については、後述する
図3および
図4を参照して、詳細に説明する。
【0025】
一方、冷房運転の場合、圧縮機2から吐出された高温・高圧のガス状冷媒は、四方弁4を介して、室外熱交換器5に送られ、外気と熱交換することにより、冷媒は、低温・高圧の液状態にされる。室外熱交換器5を経た冷媒は、室内膨張弁12を通過することにより、低温・低圧の液状態(霧状態)にされる。
【0026】
その後、冷媒は、室内熱交換器6に送られ、室内空気と熱交換することにより、冷媒は、低温・低圧のガス状態にされる。そして、室内熱交換器6から送られた冷媒は、四方弁4およびアキュムレータ7を通過して、圧縮機2の吸入経路に送られる。
【0027】
圧縮機2と四方弁4との間には、オイルセパレータ3が設けられている。オイルセパレータ3は、冷媒に含まれるオイルを分離する。オイルセパレータ3には、分離したオイルを圧縮機2に供給するオイル戻し配管20が接続されている。オイル戻し配管20は、吸入経路50に接続されている。なお、オイル戻し配管20には、電磁弁などを設けて、オイルの供給を制御してもよい。
【0028】
ヒートポンプ1では、冷房効率を向上させるために、経路を流れる冷媒同士の間で熱交換を行う冷却用熱交換器9(第2熱交換器の一例)を備える。冷却用熱交換器9は、室外膨張弁11と室内膨張弁12との間の接続経路60に設けられている。また、接続経路60には、冷媒の流通方向において、冷却用熱交換器9の上流で分岐した分岐経路63が設けられている。分岐経路63は、分岐膨張弁64と冷却用熱交換器9とを経て、蒸発用熱交換器8とアキュムレータ7との間に接続されている。
【0029】
冷却用熱交換器9では、接続経路60を通じて室内膨張弁12に送られる低温・低圧の液状態の冷媒と、分岐経路63を通じ、分岐膨張弁64を経ることで低温・低圧の液状態(霧状態)にされた冷媒とで熱交換を行う。つまり、接続経路60を通じて室内膨張弁12に送られる冷媒は、そのまま接続経路60を辿る冷媒と、分岐して分岐経路63を辿る冷媒とに分配される。その結果、冷却用熱交換器9において、接続経路60を辿る液状冷媒が、分岐経路63を辿る霧状冷媒によって冷却される。霧状冷媒は、液状冷媒から熱を奪ってガス化し、アキュムレータ7に送られる。このように、冷却用熱交換器9を設けることで、冷媒の温度を適切に制御し、熱交換効率をさらに向上させることができる。
【0030】
なお、冷却用熱交換器9での冷却において、接続経路60と分岐経路63とに冷媒を分配する比率については、例えば、分岐膨張弁64の開度を制御することで調整してもよい。また、冷却用熱交換器9において、接続経路60と分岐経路63とは交錯するだけであって、それぞれを流れる冷媒同士が混ざり合うことはない。
【0031】
ヒートポンプ1では、冷媒回路の各所に適宜センサ等が設けられていてもよく、センサからの出力に基づいて、冷媒、外気、および冷却水の温度や流量や圧力などを検出する構成とされている。また、センサ等で取得した情報に基づいて、各種弁などを制御する制御装置が設けられていてもよい。
【0032】
図2は、蒸発用熱交換器および冷却用熱交換器近傍の構造を示す概略側面図である。
【0033】
図2は、室外機の内部に収容された一部の部品を抜き出して示している。具体的に、
図2では、アキュムレータ7、蒸発用熱交換器8、冷却用熱交換器9、およびバイパス膨張弁62と、これらに接続された配管とを示している。なお、室外機の内部には、
図2に示す一部の部品以外の部品も適宜収容してもよい。
【0034】
図2に示すように、バイパス膨張弁62は、高さ方向において、蒸発用熱交換器8および冷却用熱交換器9よりも上方に配置されている。熱交換器においては、結露などによって水滴が生じることがあるが、バイパス膨張弁62よりも下方に位置しているので、バイパス膨張弁62に水滴がかかることを避けられる。
【0035】
バイパス膨張弁62の近傍には、室外膨張弁11や分岐膨張弁64などの他の弁を配置してもよく、水滴がかからないように配置することが好ましい。また、複数の弁を同じ箇所に集約させることで、取り付けやメンテナンスなどでの作業性を向上させることができる。
【0036】
次に、バイパス回路61に冷媒を流入させる際のバイパス制御について、
図3および
図4を参照して説明する。
【0037】
図3は、バイパス制御を開始するかどうかを判定する開始判定の処理フローを示すフロー図である。
【0038】
本実施の形態において、バイパス制御は、暖房運転時に行われる。そのため、
図3の処理フローでは、初期状態において、暖房運転中とされている。
【0039】
ステップS01では、室外機条件を満たしているかどうかが判定される。室外機条件は、室外機の稼動状況に関して設定されている。具体的に、室外膨張弁11の開度が80%以上であり、蒸発用熱交換器8の下流での冷媒過熱度が、目標温度より25℃以上高い場合に、室外機条件を満たしていると判定される。なお、冷媒過熱度とは、冷媒の飽和温度から上昇した温度差を示し、冷媒過熱度に対する目標温度は、予め設定された値とされている。また、室外機能力が80%以上である場合にも、室外機条件を満たしていると判定してもよい。室外機能力は、圧縮機2の理論冷媒吐出量(圧縮機2の排除容積×コンプレッサ回転数)の定格比に基づいて算出される。冷媒については、圧力から温度に換算することができる。上述した室外機条件を満たしている場合(ステップS01:Yes)、ステップS02に進む。一方、室外機条件を満たしていない場合(ステップS01:No)、条件を満たすまで待機する。
【0040】
ステップS02では、外気温条件を満たしているかどうかが判定される。ここでは、外気温度が所定の温度範囲であるかどうかを判定している。具体的に、外気温度が5℃以上か、外気温度が-5℃以下である場合に、外気温条件を満たしていると判定される。その結果、外気温条件を満たしている場合(ステップS02:Yes)、ステップS03に進む。一方、外気温条件を満たしていない場合(ステップS02:No)、ステップS01に戻る。
【0041】
ステップS03では、冷却水条件を満たしているかどうかが判定される。ここでは、蒸発用熱交換器8を流れる冷却水の温度が59℃以上である場合に、冷却水条件を満たしていると判定される。その結果、冷却水条件を満たしている場合(ステップS03:Yes)、ステップS04に進む。一方、冷却水条件を満たしていない場合(ステップS03:No)、ステップS01に戻る。
【0042】
ステップS04では、バイパス制御を開始させる。なお、バイパス制御における詳しい動作については、
図4を参照して説明する。
【0043】
上述したように、開始判定では、ステップS01からステップS03までの3つの条件を全て満たす場合に、バイパス制御を開始させており、満たしていない条件が1つでも存在すると、開始判定をやり直す。開始判定をやり直す際には、所定の時間経過するまで待機してもよい。また、センサ等で検出するタイミングに合わせて開始判定を行ってもよく、センサ等では、所定の時間間隔で周期的に情報を取得するようにしてもよい。
【0044】
図4は、バイパス制御での動作に関する処理フローを示すフロー図である。
【0045】
図4では、
図3に示す開始判定の結果、バイパス制御を開始した直後を初期状態としている。
【0046】
ステップS11では、バイパス膨張弁62を初期開度にする。ここで、初期開度は、予め設定された値であって、例えば、ヒートポンプ1の機種別に、それぞれ定められていてもよい。
【0047】
ステップS12では、バイパス膨張弁62を徐々に開く。ここでは、バイパス膨張弁62の弁開度を開き方向に制御している。本実施の形態では、バイパス膨張弁62の弁開度を、60秒周期で所定量開くように制御している。
【0048】
ステップS13では、バイパス膨張弁62が上限開度になったかどうかが判定される。上限開度については、予め設定しておけばよい。その結果、バイパス膨張弁62が上限開度になった場合(ステップS13:Yes)、ステップS14に進む。一方、バイパス膨張弁62が上限開度になっていない場合(ステップS13:No)、ステップS12に戻る。
【0049】
ステップS14では、バイパス膨張弁62を室外膨張弁11に追従させる。具体的に、バイパス膨張弁62の上限開度を、室外膨張弁11の開度と同じ値に設定し、バイパス膨張弁62と室外膨張弁11とを同じ開度にする。
【0050】
バイパス制御を維持する場合は、ステップS14での動作を継続すればよい。なお、バイパス制御の最中に、開始判定を行ってもよく、室外機条件、外気温条件、および冷却水条件のうち、いずれか1つでも満たしていない場合には、バイパス制御を停止させてもよい。
【0051】
室外熱交換器5の能力は、外気温度に影響されるので、それに応じて蒸発用熱交換器8に送る冷媒を制御することで、最適な熱交換を行うことができる。また、室外機条件を設定することで、必要に応じてバイパス制御を行うことができる。さらに、冷却水条件を設定することで、蒸発用熱交換器8での熱交換が充分に実施できる場合に、バイパス制御を行うことができる。
【0052】
なお、今回開示した実施の形態は全ての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。従って、本発明の技術的範囲は、上記した実施の形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0053】
1 ヒートポンプ
2 圧縮機
3 オイルセパレータ
4 四方弁
5 室外熱交換器
6 室内熱交換器
7 アキュムレータ
8 蒸発用熱交換器(第1熱交換器の一例)
9 冷却用熱交換器(第2熱交換器の一例)
11 室外膨張弁
12 室内膨張弁
20 オイル戻し配管
40 吐出経路
50 吸入経路
51 フィルタ収容部
52 フィルタ
60 接続経路
61 バイパス回路
62 バイパス膨張弁(弁の一例)
63 分岐経路
64 分岐膨張弁