(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023091100
(43)【公開日】2023-06-30
(54)【発明の名称】ヒンジキャップ
(51)【国際特許分類】
B65D 47/08 20060101AFI20230623BHJP
B29C 33/42 20060101ALI20230623BHJP
B29C 45/37 20060101ALI20230623BHJP
【FI】
B65D47/08 100
B29C33/42
B29C45/37
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021205635
(22)【出願日】2021-12-20
(71)【出願人】
【識別番号】000175397
【氏名又は名称】三笠産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001298
【氏名又は名称】弁理士法人森本国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】村上 玲太
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 秀幸
【テーマコード(参考)】
3E084
4F202
【Fターム(参考)】
3E084AA12
3E084BA03
3E084CA01
3E084CC03
3E084DB12
3E084DC03
3E084FA02
3E084FB01
3E084GA01
3E084GA06
3E084GB01
3E084GB06
3E084LA18
3E084LB02
3E084LC01
3E084LD01
4F202AE10
4F202AG05
4F202AG06
4F202AG07
4F202AG26
4F202AG30
4F202AH57
4F202CA11
4F202CB01
4F202CK15
4F202CK17
4F202CK23
4F202CK83
(57)【要約】
【課題】射出成形時に生じるウエルドラインの発生位置を制御することでセンターヒンジの破損を抑制できるヒンジキャップを提供する。
【解決手段】充填ゲートに連通する本体キャビティ内で成形されるキャップ本体3と、上蓋キャビティ内で成形される上蓋部6と、本体キャビティと上蓋キャビティを連通する流路をなすセンターキャビティ内で成形されるセンターヒンジ4と、本体キャビティと上蓋キャビティを連通する流路をなすサイドキャビティ内で成形されるサイドヒンジ5を一体的に射出成形してなり、キャップ本体3と各サイドヒンジ5との接続部位に速度調整部17を有し、速度調整部17は、キャップ本体3に設けた凹部18を有し、射出成形時に凹部18に対応する金型部位の周囲において流路断面積が減少し、本体キャビティからサイドキャビティへ流れる溶融樹脂の流入が遅延する流速遅延構造をなす。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金型の充填ゲートに連通する本体キャビティ内で成形され、容器の口部に装着するキャップ本体と、金型の上蓋キャビティ内で成形され、キャップ本体に着脱する上蓋部と、本体キャビティと上蓋キャビティを連通する流路をなす金型のセンターキャビティ内で成形され、キャップ本体と上蓋部を接続するセンターヒンジと、本体キャビティと上蓋キャビティを連通する流路をなす金型のサイドキャビティ内で成形され、センターヒンジの両側に設ける体積がセンターヒンジの体積より小さいサイドヒンジを一体的に射出成形してなり、
キャップ本体と各サイドヒンジとの接続部位に速度調整部を有し、
速度調整部は、キャップ本体に設けた凹部を有し、射出成形時に凹部に対応する金型部位の周囲において流路断面積が減少し、本体キャビティからサイドキャビティへ流れる溶融樹脂の流入が遅延する流速遅延構造をなすことを特徴とするヒンジキャップ。
【請求項2】
金型の本体キャビティ内で成形され、容器の口部に装着するキャップ本体と、金型の充填ゲートに連通する上蓋キャビティ内で成形され、キャップ本体に着脱する上蓋部と、本体キャビティと上蓋キャビティを連通する流路をなす金型のセンターキャビティ内で成形され、キャップ本体と上蓋部を接続するセンターヒンジと、本体キャビティと上蓋キャビティを連通する流路をなす金型のサイドキャビティ内で成形され、センターヒンジの両側に設ける体積がセンターヒンジの体積より小さいサイドヒンジを一体的に射出成形してなり、
上蓋部と各サイドヒンジとの接続部位に速度調整部を有し、
速度調整部は、上蓋部に設けた凹部を有し、射出成形時に凹部に対応する金型部位の周囲において流路断面積が減少し、上蓋部からサイドキャビティへ流れる溶融樹脂の流入が遅延する流速遅延構造をなすことを特徴とするヒンジキャップ。
【請求項3】
凹部は、キャップ本体に接続するサイドヒンジの根本に対応し、かつサイドヒンジの根本と連続することのない位置に配置し、キャップ本体の周方向で相対向する凹部内側面間の幅を、キャップ本体の周方向で相対向するサイドヒンジの両側面間の幅より狭く形成することを特徴とする請求項1に記載のヒンジキャップ。
【請求項4】
凹部は、上蓋部に接続するサイドヒンジの根本に対応し、かつサイドヒンジの根本と連続することのない位置に配置し、上蓋部の周方向で相対向する凹部内側面間の幅を、上蓋部の周方向で相対向するサイドヒンジの両側面間の幅より狭く形成することを特徴とする請求項2に記載のヒンジキャップ。
【請求項5】
キャップ本体に接続するサイドヒンジの根本と、キャップ本体に接続するセンターヒンジの根本とは、キャップ本体の軸心方向において異なる位置にあり、
凹部は、キャップ本体の軸心方向においてサイドヒンジの根本の底面より深く形成することを特徴とする請求項1または3に記載のヒンジキャップ。
【請求項6】
上蓋部に接続するサイドヒンジの根本と、上蓋部に接続するセンターヒンジの根本とは、上蓋部の軸心方向において異なる位置にあり、
凹部は、上蓋部の軸心方向においてサイドヒンジの根本の底面より深く形成することを特徴とする請求項2または4に記載のヒンジキャップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器に装着するヒンジキャップに関し、射出成形時に生じるウエルドライン発生位置を制御し、ヒンジの破損の抑制に貢献する技術に係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のヒンジキャップには、例えば特許文献1に記載するものがある。このヒンジキャップは、上部金型部と下部金型部の成形金型により成形されるもので、キャップ本体と、ヒンジを介して接続される上蓋とからなる。キャップ本体は、容器口筒部に嵌着される外筒を具えた係合筒部と、外周上部にヒンジを接続する外周筒部を有し、外筒と外周筒部が破断可能な弱化片により接続されている。
【0003】
このヒンジキャップは、成形の際、キャップ本体の係合筒部の外筒と外周筒部の下端を連結する弱化片を破断可能に小さく形成するので、樹脂の流路としては狭くなり、溶融樹脂の流れが悪くなる。このため、キャップ本体の係合筒部の外周面から外周筒部の内周面まで連なる流路片を形成し、成型時に溶融樹脂が流れる補助流路としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ヒンジキャップには、例えば、上蓋部の開閉をスムーズに行えるように、ヒンジのバネ性を高めたものがあり、キャップ本体と上蓋部をセンターヒンジとセンターヒンジの両側に配置するサイドヒンジで連結している。そして、センターヒンジをサイドヒンジよりも長く形成することにより、ヒンジとしてのバネ性を高めている。
【0006】
このヒンジキャップは、キャップ本体と上蓋部とセンターヒンジとセンターヒンジの両側に配置するサイドヒンジを一体的に射出成形している。射出成形時に、金型のセンターヒンジキャビティを流れる溶融樹脂の流速に比べてサイドヒンジキャビティを流れる溶融樹脂の流速が速くなり、サイドヒンジキャビティを流れる溶融樹脂がセンターヒンジキャビティを流れる溶融樹脂よりも先に上蓋キャビティに到達する。このため、両側のサイドヒンジキャビティを流れる溶融樹脂が上蓋キャビティ内で合流する会合部位にウエルドラインが発生することがある。このウエルドラインが上蓋側のセンターヒンジの根本に形成されると上蓋の開封動作により、センターヒンジの破損が発生するなど、キャップの強度に問題が生じる。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するものであり、射出成形時に生じるウエルドラインの発生位置を制御することでセンターヒンジの破損を抑制できるヒンジキャップを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明に係るヒンジキャップは、金型の充填ゲートに連通する本体キャビティ内で成形され、容器の口部に装着するキャップ本体と、金型の上蓋キャビティ内で成形され、キャップ本体に着脱する上蓋部と、本体キャビティと上蓋キャビティを連通する流路をなす金型のセンターキャビティ内で成形され、キャップ本体と上蓋部を接続するセンターヒンジと、本体キャビティと上蓋キャビティを連通する流路をなす金型のサイドキャビティ内で成形され、センターヒンジの両側に設ける体積がセンターヒンジの体積より小さいサイドヒンジを一体的に射出成形してなり、キャップ本体と各サイドヒンジとの接続部位に速度調整部を有し、速度調整部は、キャップ本体に設けた凹部を有し、射出成形時に凹部に対応する金型部位の周囲において流路断面積が減少し、本体キャビティからサイドキャビティへ流れる溶融樹脂の流入が遅延する流速遅延構造をなすことを特徴とする。
【0009】
本発明に係るヒンジキャップは、金型の本体キャビティ内で成形され、容器の口部に装着するキャップ本体と、金型の充填ゲートに連通する上蓋キャビティ内で成形され、キャップ本体に着脱する上蓋部と、本体キャビティと上蓋キャビティを連通する流路をなす金型のセンターキャビティ内で成形され、キャップ本体と上蓋部を接続するセンターヒンジと、本体キャビティと上蓋キャビティを連通する流路をなす金型のサイドキャビティ内で成形され、センターヒンジの両側に設ける体積がセンターヒンジの体積より小さいサイドヒンジを一体的に射出成形してなり、上蓋部と各サイドヒンジとの接続部位に速度調整部を有し、速度調整部は、上蓋部に設けた凹部を有し、射出成形時に凹部に対応する金型部位の周囲において流路断面積が減少し、上蓋部からサイドキャビティへ流れる溶融樹脂の流入が遅延する流速遅延構造をなすことを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係るヒンジキャップにおいて、凹部は、キャップ本体に接続するサイドヒンジの根本に対応し、かつサイドヒンジの根本と連続することのない位置に配置し、キャップ本体の周方向で相対向する凹部内側面間の幅を、キャップ本体の周方向で相対向するサイドヒンジの両側面間の幅より狭く形成することを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係るヒンジキャップにおいて、凹部は、上蓋部に接続するサイドヒンジの根本に対応し、かつサイドヒンジの根本と連続することのない位置に配置し、上蓋部の周方向で相対向する凹部内側面間の幅を、上蓋部の周方向で相対向するサイドヒンジの両側面間の幅より狭く形成することを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係るヒンジキャップにおいて、キャップ本体に接続するサイドヒンジの根本と、キャップ本体に接続するセンターヒンジの根本とは、キャップ本体の軸心方向において異なる位置にあり、凹部は、キャップ本体の軸心方向においてサイドヒンジの根本の底面より深く形成することを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係るヒンジキャップにおいて、上蓋部に接続するサイドヒンジの根本と、上蓋部に接続するセンターヒンジの根本とは、上蓋部の軸心方向において異なる位置にあり、凹部は、上蓋部の軸心方向においてサイドヒンジの根本の底面より深く形成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
以上のように本発明に係るヒンジキャップによれば、速度調整部が流速遅延構造をなし、キャップ本体の凹部の周縁部に対応する金型のキャビティの流路断面積が減少することで、射出成形時に本体キャビティからサイドキャビティへ流れる溶融樹脂の流入が遅延する。この遅延時間は、凹部の形状によって変化し、凹部の周囲における流路の断面積を調整することで制御でき、センターヒンジおよびサイドヒンジの形状および体積に応じて調整する。
【0015】
射出成形時にサイドキャビティに流入する溶融樹脂の流入速度が遅延することで、サイドキャビティを流れる溶融樹脂が上蓋キャビティに到達する流入タイミングを調整することができる。
【0016】
この流入タイミングの調整により、サイドキャビティを流れる溶融樹脂の流入タイミングを、センターキャビティを流れる溶融樹脂の流入タイミングと同等もしくは遅く設定することが可能となり、サイドキャビティを流れる溶融樹脂がセンターキャビティを流れる溶融樹脂よりも先に上蓋キャビティに到達することを抑制できる。
【0017】
この結果、両側のサイドキャビティを流れる溶融樹脂が上蓋キャビティ内で合流する会合部位が上蓋側のセンターヒンジの根本になることを回避し、センターヒンジの根本にウエルドラインが発生することを回避できる。この結果、センターヒンジの破損を抑制でき、ヒンジ強度に問題のないヒンジキャップとなる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の実施の形態に係るヒンジキャップの上方斜視図
【
図2】同実施の形態に係るヒンジキャップを示す平面図
【
図3】同実施の形態に係るヒンジキャップの要部を示す断面図
【
図5】同実施の形態に係るヒンジキャップの下方斜視図
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明に係るヒンジキャップの実施の形態を
図1から
図6を参照して説明する。
図1から
図6において、ヒンジキャップ1は、容器の口部2に装着するキャップ本体3と、センターヒンジ4およびサイドヒンジ5を介してキャップ本体3と一体をなす上蓋部6を一体的に射出成形している。
【0020】
キャップ本体3は、容器の口部2を容器の軸心周りに囲む本体部7と、口部2の開口を覆う天面部8を有している。天面部8は筒状の吐出部9を有し、吐出部9はキャップ本体3の内外を連通する吐出孔10を有している。また、吐出部9は吐出孔10の開口縁にキャップ本体3の軸心周りに環状をなす水切り11を有している。
【0021】
上蓋部6は、外周面に上蓋部6の半径方向外側に延びる鍔部12を有し、鍔部12は上蓋部6の半径方向においてセンターヒンジ4に対向する部位にある。また、上蓋部6は、内側面に吐出部9の吐出孔10に挿し込む栓体13を有している。
【0022】
キャップ本体3は、上蓋部6の鍔部13に対応する位置の外周面に指掛け用の窪み部15を有している。
【0023】
容器の口部2に装着するキャップ本体3は、金型の充填ゲートに連通する本体キャビティ内で成形される。図中ではゲート痕16が充填ゲートに対応する。キャップ本体3に着脱する上蓋部6は、金型の上蓋キャビティ内で成形される。キャップ本体3と上蓋部6を接続するセンターヒンジ4は、本体キャビティと上蓋キャビティを連通する流路をなす金型のセンターキャビティ内で成形される。サイドヒンジ5は、本体キャビティと上蓋キャビティを連通する流路をなす金型のサイドキャビティ内で成形される。
【0024】
サイドヒンジ5はキャップ本体3の外周面から上蓋部6の外周面に至る形状をなし、センターヒンジ4はキャップ本体3の外周面から上蓋部6の中心側に至る形状をなす。センターヒンジ4はキャップ本体3から上蓋部6に至るまでの長さが、サイドヒンジ5がキャップ本体3から上蓋部6に至るまでの長さよりも長く形成されている。
【0025】
サイドヒンジ5は、キャップ本体3の周方向で相対向する両側面間の幅が、キャップ本体3の周方向で相対向するセンターヒンジ5の両側面間の幅より狭く、センターヒンジ4の体積より小さい体積を有する。
【0026】
キャップ本体3と各サイドヒンジ5との接続部位には速度調整部17を設けている。速度調整部17は、キャップ本体3に設けた凹部18を有している。凹部18は、キャップ本体3に接続するサイドヒンジ5の根本に対応し、かつサイドヒンジ5の根本と連続することのない位置に配置する。この構成により、速度調整部17は流速遅延構造をなし、射出成形時に凹部18に対応する金型部位の周囲において、すなわちキャップ本体3の凹部18の周縁部18a、18b、18cに対応する金型のキャビティにおいて流路断面積が減少し、本体キャビティからサイドキャビティへ流れる溶融樹脂の流入が遅延する。
【0027】
凹部18は、キャップ本体3の周方向で相対向する凹部内側面間の幅を、キャップ本体3の周方向で相対向するサイドヒンジ5の両側面間の幅より狭く形成される。また、凹部18はキャップ本体3の軸心方向における底面が、キャップ本体3の軸心方向におけるサイドヒンジ5の根本の底面より深く形成されている。さらに、キャップ本体3に接続するサイドヒンジ5の根本と、キャップ本体3に接続するセンターヒンジ4の根本とは、キャップ本体3の軸心方向において異なる位置にある。
【0028】
以上のように本実施の形態に係るヒンジキャップ1によれば、速度調整部17が流速遅延構造をなし、凹部18の周囲において溶融樹脂が流れる流路の断面積が減少することで、射出成形時に本体キャビティからサイドキャビティへ流入する溶融樹脂の流入が遅延する。
【0029】
速度調整部17の流速遅延構造による遅延時間は、凹部18の形状によって変化し、凹部18の周囲における流路の断面積を調整することで制御でき、センターヒンジ4よびサイドヒンジ5の形状および体積に応じて調整する。凹部18の形状は立方体や直方体に限らず多角柱や球体等の種々の形状を採用できる。
【0030】
流速遅延構造により射出成形時にサイドヒンジキャビティを流れる溶融樹脂の流入速度が遅延することで、サイドヒンジキャビティを流れる溶融樹脂が上蓋キャビティに到達する流入タイミングを調整することができる。
【0031】
この流入タイミングの調整により、サイドキャビティを流れる溶融樹脂の流入タイミングを、センターキャビティを流れる溶融樹脂の流入タイミングと同等もしくは遅く設定することが可能となり、サイドキャビティを流れる溶融樹脂がセンターキャビティを流れる溶融樹脂よりも先に上蓋キャビティに到達することを抑制できる。
【0032】
このため、両側のサイドキャビティを流れる溶融樹脂が上蓋キャビティ内で合流する会合部位が上蓋側のセンターヒンジの根本になることを回避し、センターヒンジの根本にウエルドラインが発生することを回避できる。この結果、センターヒンジの破損を抑制でき、ヒンジ強度に問題のないヒンジキャップとなる。
【0033】
上述した実施の形態では、キャップ本体3を成形する本体キャビティが金型の充填ゲートに連通する構成を例示したが、本発明は、金型の充填ゲートが上蓋部6を成形する金型の上蓋キャビティに連通する構成でも実現できる。
【0034】
この場合には、上蓋部6と各サイドヒンジ5との接続部位に流速遅延構造をなす速度調整部17を設ける。凹部18は、上蓋部6に接続するサイドヒンジ5の根本に対応し、かつサイドヒンジ5の根本と連続することのない位置に配置する。また、上蓋部6の周方向で相対向する凹部内側面間の幅を、上蓋部6の周方向で相対向するサイドヒンジ5の両側面間の幅より狭く形成する。さらに、上蓋部6に接続するサイドヒンジ5の根本と、上蓋部6に接続するセンターヒンジ4の根本とは、上蓋部6の軸心方向において異なる位置にある。また、凹部18は、上蓋部6の軸心方向においてサイドヒンジ5の根本の底面より深く形成する。他の作用効果は先の実施の形態と同様であり、説明を省略する。
【符号の説明】
【0035】
1 キャップ
2 容器の口部
3 キャップ本体
4 センターヒンジ
5 サイドヒンジ
6 上蓋部
7 本体部
8 天面部
9 吐出部
10 吐出孔
11 水切り
12 鍔部
13 栓体
15 窪み部
16 ゲート痕
17 速度調整部
18 凹部
18a、18b、18c 周縁部