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特開2023-91106ウェーハ、半導体装置、及び、ウェーハの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023091106
(43)【公開日】2023-06-30
(54)【発明の名称】ウェーハ、半導体装置、及び、ウェーハの製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/20 20060101AFI20230623BHJP
【FI】
H01L21/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021205644
(22)【出願日】2021-12-20
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】317011920
【氏名又は名称】東芝デバイス&ストレージ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108062
【弁理士】
【氏名又は名称】日向寺 雅彦
(74)【代理人】
【識別番号】100168332
【弁理士】
【氏名又は名称】小崎 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100146592
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 浩
(74)【代理人】
【氏名又は名称】白井 達哲
(74)【代理人】
【識別番号】100172188
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 敬人
(74)【代理人】
【識別番号】100197538
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 功
(72)【発明者】
【氏名】田島 純平
(72)【発明者】
【氏名】名古 肇
(72)【発明者】
【氏名】彦坂 年輝
(72)【発明者】
【氏名】布上 真也
【テーマコード(参考)】
5F152
【Fターム(参考)】
5F152LN02
5F152LN05
5F152LN21
5F152MM05
5F152NN03
5F152NN27
5F152NP09
5F152NP30
5F152NQ09
(57)【要約】
【課題】生産性を向上可能なウェーハ、半導体装置、及び、ウェーハの製造方法を提供する。
【解決手段】実施形態によれば、ウェーハは、第1面を含むシリコン基板と、第1面に設けられた窒化物半導体層と、を含む。前記シリコン基板は、ウェーハのX線像において互いに区別できる複数の第1領域を含む。前記複数の第1領域は、前記シリコン基板の外縁領域から離れる。前記複数の第1領域の1つは、第1線方向に沿う複数の第1線状体を含む。前記複数の第1領域の別の1つは、第2線方向に沿う複数の第2線状体を含む。前記第2線方向は、前記第1線方向と交差する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1面を含むシリコン基板と、
第1面に設けられた窒化物半導体層と、
を備えたウェーハであって、
前記シリコン基板は、前記ウェーハのX線像において互いに区別できる複数の第1領域を含み、
前記複数の第1領域は、前記シリコン基板の外縁領域から離れ、
前記複数の第1領域の1つは、第1線方向に沿う複数の第1線状体を含み、
前記複数の第1領域の別の1つは、第2線方向に沿う複数の第2線状体を含み、
前記第2線方向は、前記第1線方向と交差する、ウェーハ。
【請求項2】
前記複数の第1領域の1つの結晶格子のずれの方向は、前記複数の第1領域の別の1つの結晶格子のずれの方向と異なる、請求項1に記載のウェーハ。
【請求項3】
前記複数の第1領域の前記1つは、島状であり、
前記複数の第1領域の前記別の1つは、島状である、請求項1または2に記載のウェーハ。
【請求項4】
前記窒化物半導体層の厚さは、4μm以上であり、
25℃における前記ウェーハの反りの曲率の絶対値は0.04/m以下である、請求項1~3のいずれか1つに記載のウェーハ。
【請求項5】
前記窒化物半導体層の厚さは、4μm以上であり、
25℃における前記ウェーハの反りの曲率の絶対値は0.02/m以下である、請求項1~3のいずれか1つに記載のウェーハ。
【請求項6】
前記窒化物半導体層は、
Alx1Ga1-x1N(0<x1<1)を含む第1窒化物領域と、
Alx2Ga1-x2N(0≦x2<1)を含み炭素を含む第2窒化物領域と、
Alx3Ga1-x3N(0≦x3<1)を含む第3窒化物領域と、
を含み、
前記第1窒化物領域は、前記シリコン基板と前記第3窒化物領域との間にあり、
前記第2窒化物領域は、前記第1窒化物領域と前記第3窒化物領域との間にあり、
前記第3窒化物領域は、炭素を含まない、または、前記第3窒化物領域における炭素の濃度は、前記第2窒化物領域における炭素の濃度よりも低い、請求項1~5のいずれか1つに記載のウェーハ。
【請求項7】
前記窒化物半導体層は、Alx4Ga1-x4N(0<x4≦1)を含む第4窒化物領域をさらに含み、
前記第4窒化物領域は、前記シリコン基板と前記第1窒化物領域との間にある、請求項6に記載のウェーハ。
【請求項8】
前記窒化物半導体層は、Alx5Ga1-x5N(0<x5<1、x5<x4)を含む第5窒化物領域をさらに含み、
前記第5窒化物領域は、前記第4窒化物領域と前記第1窒化物領域との間にある、請求項7に記載のウェーハ。
【請求項9】
前記第1窒化物領域は、
Alz1Ga1-z1N(0≦z1<1)を含む複数の第1膜と、
Alz2Ga1-z2N(0<z2≦1、z1<z2)を含む複数の第2膜と、
を含み、
前記第1面に対して垂直な第1方向において、前記複数の第1膜の1つは、前記複数の第2膜の1つと、前記複数の第2膜の別の1つと、の間にあり、
前記第1方向において、前記複数の第2膜の前記1つは、前記複数の第1膜の前記1つと、前記複数の第1膜の別の1つと、の間にある、請求項6~8のいずれか1つに記載のウェーハ。
【請求項10】
前記窒化物半導体層は、Alx6Ga1-x6N(0<x6<1、x3<x6)を含む第6窒化物領域をさらに含み、
前記第3窒化物領域は、前記第2窒化物領域と前記第6窒化物領域との間にある、請求項6~9のいずれか1つに記載のウェーハ。
【請求項11】
前記X線像は、前記シリコン基板に含まれるシリコン結晶の方位に基づく透過回折像である、請求項1~10のいずれか1つに記載のウェーハ。
【請求項12】
前記X線像は、前記シリコン基板に含まれるシリコン結晶の(422)面における、前記ウェーハの透過回折像である、請求項1~10のいずれか1つに記載のウェーハ。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか1つに記載のウェーハから製造された半導体装置。
【請求項14】
第1面を含むシリコン基板の上にAlα1Ga1-α1N(0≦α1≦1)を含む第1窒化物層を形成し、
前記第1窒化物層の上にAlα2Ga1-α2N(0≦α2≦1)を含む第2窒化物層を形成し、
前記第2窒化物層の前記形成において、
前記第1面は、上に凸状に沿っており、
前記シリコン基板から前記第1窒化物層への第1方向における第1面の中心を含む内側領域の温度は、前記内側領域の周りの外縁領域の温度よりも高い、ウェーハの製造方法。
【請求項15】
前記第2窒化物層の前記形成における第2温度は、前記第1窒化物層の前記形成における第1温度よりも高い、請求項14に記載のウェーハの製造方法。
【請求項16】
前記第2窒化物層を形成した後において、前記シリコン基板は、X線像において互いに区別できる複数の第1領域を含み、
前記複数の第1領域は、前記シリコン基板の外縁領域から離れ、
前記複数の第1領域の1つは、第1線方向に沿う複数の第1線状体を含み、
前記複数の第1領域の別の1つは、第2線方向に沿う複数の第2線状体を含み、
前記第2線方向は、前記第1線方向と交差する、請求項14または15に記載のウェーハの製造方法。
【請求項17】
前記X線像は、前記シリコン基板に含まれるシリコン結晶の(422)面における、前記ウェーハの透過回折像である、請求項14~16のいずれか1つに記載のウェーハの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、ウェーハ、半導体装置、及び、ウェーハの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、窒化物半導体を含むウェーハを用いて半導体装置が製造される。高い生産性が可能なウェーハが望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6205497号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施形態は、生産性を向上可能なウェーハ、半導体装置、及び、ウェーハの製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施形態によれば、ウェーハは、第1面を含むシリコン基板と、第1面に設けられた窒化物半導体層と、を含む。前記シリコン基板は、前記ウェーハのX線像において互いに区別できる複数の第1領域を含む。前記複数の第1領域は、前記シリコン基板の外縁領域から離れる。前記複数の第1領域の1つは、第1線方向に沿う複数の第1線状体を含む。前記複数の第1領域の別の1つは、第2線方向に沿う複数の第2線状体を含む。前記第2線方向は、前記第1線方向と交差する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1(a)及び図1(b)は、第1実施形態に係るウェーハを例示する模式図である。
図2図2は、第1実施形態に係るウェーハを例示するX線像である。
図3図3は、第1実施形態に係るウェーハの一部を例示するX線像である。
図4図4は、参考例に係るウェーハを例示する模式的平面図である。
図5図5は、第1実施形態に係るウェーハを例示する模式的平面図である。
図6図6は、第1実施形態に係るウェーハを例示する模式的断面図である。
図7図7は、第1実施形態に係るウェーハの特性を例示するグラフである。
図8図8は、第1実施形態に係るウェーハを例示する模式的断面図である。
図9図9は、第2実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
図10図10は、第2実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
図11図11は、第3実施形態に係るウェーハの製造方法を例示するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に、本発明の各実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚さと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0008】
(第1実施形態)
図1(a)及び図1(b)は、第1実施形態に係るウェーハを例示する模式図である。 図1(a)は平面図である。図1(b)は、断面図である。
図1(b)に示すように、実施形態に係るウェーハ110は、シリコン基板10s及び窒化物半導体層20を含む。
【0009】
シリコン基板10sは、第1面10Fを含む。第1面10Fは、例えば、上面である。第1面10Fに対して垂直な方向を第1方向D1とする、第1方向D1をZ軸方向とする。Z軸方向に対して垂直な1つの方向をX軸方向とする。Z軸方向及びX軸方向に対して垂直な方向をY軸方向とする。
【0010】
窒化物半導体層20は、第1面10Fに設けられる。シリコン基板10s及び窒化物半導体層20は、X-Y平面に対して実質的に平行に広がる層状である。図1(a)に示すように、シリコン基板10sは、オリエンテーションフラット18Fを含んでも良い。
【0011】
図1(b)に示すように、シリコン基板10sは、外縁領域10rを含む。外縁領域10rは、シリコン基板10sの側面10sfと連続する領域である。外縁領域10fは、第1面10Fに対して傾斜した領域である。外縁領域10rは、例えば、傾斜研磨領域である。図1に示すように、外縁領域10rの内側に内側領域10iが設けられる。
【0012】
図1(a)に示すように、シリコン基板10sは、ウェーハ110のX線像において互いに区別できる複数の第1領域10Rを含む。複数の第1領域10Rは、シリコン基板10sの外縁領域10rから離れている。複数の第1領域10Rの1つ(領域10a)は、第1線方向DL1に沿う複数の第1線状体18aを含む。複数の第1領域10Rの別の1つ(領域10b)は、第2線方向DL2に沿う複数の第2線状体18bを含む。第2線方向DL2は、第1線方向DL1と交差する。このような複数の第1領域10Rは、内側領域10iに設けられる。
【0013】
図2は、第1実施形態に係るウェーハを例示するX線像である。
図3は、第1実施形態に係るウェーハの一部を例示するX線像である。
図3は、図2の一部の拡大像である。これらの図は、ウェーハ110をX線撮影した像を模式的に例示している。ウェーハ110のX線像において、異なる結晶状態が、像の明るさなどにより観測される。
【0014】
図2に示すように、複数の第1領域10Rが観察される。複数の第1領域10Rは、ウェーハ110のX線像において互いに区別できる。複数の第1領域10Rのそれぞれは、例えば島状で良い。図3に示すように、複数の第1領域10Rの1つ(領域10a)は、第1線方向DL1に沿う複数の第1線状体18aを含む。複数の第1領域10Rの別の1つ(領域10b)は、第2線方向DL2に沿う複数の第2線状体18bを含む。第2線方向DL2は、第1線方向DL1と交差する。
【0015】
このような構成により、例えば、ウェーハの割れを抑制できることが分かった。
【0016】
図3に示すように、第2線方向DL2は、第1線方向DL1と交差する。線方向が互いに交差することは、これらの領域において結晶格子のずれ方向が一致していないことに対応する。例えば、複数の第1領域10Rの1つ(領域10a)の結晶格子のずれ方向は、複数の第1領域10Rの別の1つ(領域10b)の結晶格子のずれ方向と異なる。
【0017】
例えば、複数の第1領域10Rの1つは、島状である。複数の第1領域10Rの別の1つは、島状である。
【0018】
このような構成は、シリコン基板10sの上に窒化物半導体層20を形成する過程で生じる。すなわち、窒化物半導体層20を形成する前のシリコン基板10sにおいては、上記のような複数の第1領域10Rが、実質的に観測されない。窒化物半導体層20を形成する前のシリコン基板10sにおいては、結晶格子のずれはない。
【0019】
これに対して、シリコン基板10sの上に窒化物半導体層20を形成すると、窒化物半導体層20とシリコン基板10sとの間に生じる応力により、シリコン基板10sの少なくとも一部において、塑性変形が生じると考えられる。シリコン基板10sに生じる塑性変形が、X線像において、結晶格子のずれが生じた領域として観測される。例えば、シリコン基板10sに生じる塑性変形が、X線像において、上記の複数の第1領域10Rとして観測される。シリコン基板10sに塑性変形が生じることで、シリコン基板10sと窒化物半導体層20との間に生じる応力が緩和される。これにより、高品質の窒化物半導体層20が安定して得られる。例えば、ウェーハの割れが抑制される。高い歩留まりが得られる。高い生産性が得られる。
【0020】
例えば、シリコン基板10sの上に窒化物半導体層20を厚く形成すると、生じる応力により反りが大きくなる。反りが過度に大きくなり弾性変形の限界を超えると、例えば、窒化物半導体層20にクラック生じる。さらに、クラックが生じていない場合においても、応力が過度に大きくなると、シリコン基板10sの側面10sf(及び外縁領域10r)が他の部材と接触することでその部分から割れが生じ易くなる。応力を緩和させることで、クラック及び割れなどが抑制できる。
【0021】
本願の発明者は、シリコン基板10sの上に窒化物半導体層20を形成する際の条件を変える実験の結果に基づいて、以下の知見を得た。すなわち、シリコン基板10sに上記の複数の第1領域10Rが生じる場合に、クラックが抑制できる。これは、複数の第1領域10Rにより、応力が適切に緩和されることに起因すると考えられる。さらに、シリコン基板10sに上記の複数の第1領域10Rが生じる場合に、割れが抑制できる。複数の第1領域10Rは塑性変形部であり、強度が低くなっている領域であると考えられる。複数の第1領域1Rが外縁領域10rと離れていることで、外縁領域10rにおいては、強い強度を維持できる。これにより、外縁領域10rが他の部材と接したときでも、割れが抑制できると考えられる。
【0022】
図4は、参考例に係るウェーハを例示する模式的平面図である。
図4に示すように、参考例のウェーハ119においては、複数の第1領域10Rは、外縁領域10rとつながっている。このようなウェーハ119において、割れば発生しやすい。複数の第1領域1Rが外縁領域10rから離れていることで、割れが抑制できると考えられる。
【0023】
図5は、第1実施形態に係るウェーハを例示する模式的平面図である。
図5に示すように、実施形態に係る別のウェーハ110aにおいては、複数の第1領域10Rは、環状である。この場合も、複数の第1領域1Rが外縁領域10rから離れている。ウェーハ110aにおいても、割れが抑制できる。
【0024】
上記のX線像は、ウェーハ110の透過回折像である、X線像は、例えば、シリコン基板10sに含まれるシリコン結晶の方位に基づく透過回折像である。X線像は、例えば、シリコン基板10sに含まれるシリコン結晶の(422)面における、ウェーハ110の透過回折像である。この場合、得られるX線像は、シリコン基板10sにおける結晶の状態を反映している。シリコン基板10sに含まれるシリコン結晶の(422)面の回折像は、窒化物半導体層20に関する結晶の状態に関する情報を実質的に含まない。
【0025】
シリコン基板10sの面方位は、例えば、(111)である。X線像は、X線回折装置により得られる。回折面は、(422)面で良い。X線は、Mo Kα線で良い。図2に例示したX線像の撮像条件は、以下である。X線回折装置は、Rigaku CorporationのX線回折装置XRT-300である。X線は、Mo Kα線である。回折面は、(422)面である。撮像時に、明瞭な像を得るための条件が調整され、以下の条件が採用された。管電圧は、50kVである。管電流は、280mAである。入側スリット幅は、1mmである。出側スリット幅は、1mmである。ビーム走査速度は、1mm/secである。ビーム走査回数は2回である。
【0026】
図6は、第1実施形態に係るウェーハを例示する模式的断面図である。
図6に示すように、窒化物半導体層20は、例えば、第1窒化物領域11、第2窒化物領域12及び第3窒化物領域13を含んで良い。第1窒化物領域11は、Alx1Ga1-x1N(0<x1<1)を含む。第2窒化物領域12は、Alx2Ga1-x2N(0≦x2<1)を含み炭素を含む。第3窒化物領域13は、Alx3Ga1-x3N(0≦x3<1)を含む。第1窒化物領域11は、シリコン基板10sと第3窒化物領域13との間にある。第2窒化物領域12は、第1窒化物領域11と第3窒化物領域13との間にある。第3窒化物領域13は、炭素を含まない。または、第3窒化物領域13における炭素の濃度は、第2窒化物領域12における炭素の濃度よりも低い。第2窒化物領域は、例えば炭素を含むGaN層である。第3窒化物領域13は、例えば、炭素を実質的に含まないGaN層である。組成比x2は、組成比x1よりも低くて良い。組成比x3は、組成比x1よりも低くて良い。組成比x3は、組成比x2と実質的に同じでも良い。
【0027】
シリコン基板10sの上に、第1窒化物領域11が形成される。第1窒化物領域11の上に、第2窒化物領域12が形成される。第2窒化物領域12の上に第3窒化物領域13が形成される。炭素を含む第2窒化物領域12が設けられることで、第3窒化物領域13において転位密度を減少させることができる。
【0028】
炭素を含む第2窒化物領域12は比較的低温で形成される。これにより、第2窒化物領域12は、炭素を安定して含むことができる。第1窒化物領域11も比較的低温で形成されて良い。一方、第3窒化物領域13は、比較的高温で形成される。これにより、第3窒化物領域13において、高い結晶品質が得られる。
【0029】
第1窒化物領域11及び第2窒化物領域12は、第1窒化物層20aに含まれる。第3窒化物領域13は、第2窒化物層20bに含まれる。第1窒化物層20aの形成温度は、第2窒化物層20bの形成温度よりも低い。第1窒化物層20aは低温形成層である。第2窒化物層20bは高温形成層である。
【0030】
例えば、第1窒化物領域11及び第2窒化物領域12を含む第1窒化物層20aの形成により、シリコン基板10sに加わる応力が増大する。その後、高温で第2窒化物層20bを形成し、その際に、面内に温度分布を生じさせる。これにより、内側領域10iに塑性変形を生じさせ、複数の第1領域10Rが形成される。これにより、割れが抑制できる。
【0031】
以下、ウェーハに生じる応力の例について説明する。
図7は、第1実施形態に係るウェーハの特性を例示するグラフである。
図7の横軸は、窒化物半導体層20の形成の時間tm0である。時間tm0が大きくなると、窒化物半導体層20の厚さt20(図6参照)が厚くなる。図3の縦軸は、ウェーハの反りの曲率C1である。曲率C1が正の場合に、ウェーハは凹状に反る。曲率C1が負の場合に、ウェーハは凸状に反る。凹状の反りにおいて、窒化物半導体層20の中央部は、シリコン基板10sの外縁の間にある。凸状の反りにおいて、シリコン基板10sの中央部は、窒化物半導体層20の外縁の間にある。
【0032】
時間tm0が0から時間tz1において、窒化物半導体層20が800℃以上の高温で形成される。時間tz1において、窒化物半導体層20の形成が終了し、温度が下降する。時間tz2において、温度は、例えば実質的に室温となる。時間tz2において、曲率C1が0の時、ウェーハはフラットである。時間tz2において、曲率C1が正の時に、ウェーハは凹状に反る。この場合、窒化物半導体層20に引っ張りの応力が生じる。応力が大きいと、ウェーハにクラックが生じる。一方、曲率が負の場合でも曲率C1の絶対値が大きいと、ウェーハの反りにより、その後の各種の工程を安定して実施することが困難である。従って、時間tz2において、曲率C1は、実質的に0であるか、絶対値の小さい負であることが好ましい。曲率C1は、ウェーハにクラックが生じない程度であれば、絶対値の小さい正でも良い。
【0033】
図7に示すように、この例において、時間tm0が大きくなると、曲率C1は負であり、曲率の絶対値が大きくなる。例えば、第1窒化物領域11及び第2窒化物領域12の形成により、圧縮応力が蓄積され、ウェーハは凸状に変形する。圧縮応力が蓄積され、シリコン基板10sに組成変形が生じ易くなる。
【0034】
実施形態においては、塑性変形が生じ易くなるタイミング(弾性変形の限界に近いタイミング)で、内側領域の温度を外縁領域10rの温度よりも高くする。これにより、シリコン基板10sの内側領域10iに塑性変形を局所的に生じさせる。この際、ウェーハの全体の温度を高くすることで、シリコン基板10sの内側領域10iに塑性変形を生じさせ易くなる。
【0035】
この例では、時間tm1において、第2窒化物層20bとして第3窒化物領域13を高温で形成する。この際に、内側領域10iの温度を外縁領域10rの温度よりも高くする。これにより、シリコン基板10sの内側領域10iに塑性変形を局所的に生じさせることができる。
【0036】
シリコン基板10sの内側領域10iに塑性変形を局所的に生じさせることで、第3窒化物領域13の形成中における曲率C1の変化が抑制される。実質的に室温の時間tz2において、実質的に0の曲率C1が得られる。
【0037】
実施形態において、窒化物半導体層20の厚さt20(図6参照)は、例えば、4μm以上である。これにより、ウェーハ110から製造される半導体装置において、目的とする特性(例えば高い耐圧)が得易い。
【0038】
厚さt20が4μm以上の場合にシリコン基板10sを塑性変形させる応力が効果的に得られる。厚さt20が4μm未満の場合は、蓄積する応力が小さい。このため、クラックまたは割れが生じにくい。厚さt20が4μm以上において、シリコン基板10sの内側領域10iに上記の複数の第1領域10Rが設けられ、塑性変形を生じさせる。これにより、割れが安定して抑制できる。塑性変形により、ウェーハの反りを縮小できる。実施形態において、室温(25℃)におけるウェーハ110の反りの曲率C1の絶対値は、例えば、0.04/m以下である。室温(25℃)におけるウェーハ110の反りの曲率C1の絶対値は、例えば、0.02/m以下が望ましい。
【0039】
図8は、第1実施形態に係るウェーハを例示する模式的断面図である。
図8に示すように、実施形態に係るウェーハ111において、窒化物半導体層20は、第4窒化物領域14をさらに含む。これ以外のウェーハ111の構成は、ウェーハ110の構成と同様で良い。
【0040】
第4窒化物領域14は、Alx4Ga1-x4N(0<x4≦1)を含む。第4窒化物領域14は、シリコン基板10sと第1窒化物領域11との間にある。第4窒化物領域14は、例えばAlN層である。第4窒化物領域14は、例えばバッファ層の少なくとも一部である。
【0041】
図8に示すように、窒化物半導体層20は、第5窒化物領域15をさらに含んでも良い。第5窒化物領域15は、Alx5Ga1-x5N(0<x5<1、x5<x4)を含む。第5窒化物領域15は、第4窒化物領域14と第1窒化物領域11との間にある。第5窒化物領域15は、例えば、AlGaN層である。第5窒化物領域15において、組成比x5は、例えば、0.05以上0.8以下である。第5窒化物領域15は、例えば、バッファ層の少なくとも一部である。
【0042】
図8に示すように、第1窒化物領域11は、複数の第1膜11aと、複数の第2膜11bと、を含んで良い。複数の第1膜11aは、Alz1Ga1-z1N(0≦z1<1)を含む。複数の第2膜11bは、Alz2Ga1-z2N(0<z2≦1、z1<z2)を含む。複数の第1膜11aは、例えば、GaN層またはAlGaN層である。複数の第2膜11bは、例えば、AlN層である。
【0043】
第1面10Fに対して垂直な第1方向D1において、複数の第1膜11aの1つは、複数の第2膜11bの1つと、複数の第2膜11bの別の1つと、の間にある。第1方向D1において、複数の第2膜11bの1つは、複数の第1膜11aの1つと、複数の第1膜11aの別の1つと、の間にある。
【0044】
例えば、第1膜11a及び第2膜11bが交互に設けられる。この例では、複数の第2膜11bの1つが第5窒化物領域15と接する。この例では、複数の第2膜11bの別の1つが、第2窒化物領域12と接する。複数の第1膜11aの1つ、及び、複数の第2膜11bの1つの一方が、第5窒化物領域15と接しても良い。複数の第1膜11aの1つ、及び、複数の第2膜11bの1つの一方が、第2窒化物領域12と接しても良い。複数の第1膜11aの1つの厚さt11aは、例えば、5nm以上100nm以下である。複数の第2膜11bの1つの厚さt11bは、例えば、0.5nm以上20nm以下である。
【0045】
図8に示すように、窒化物半導体層20は、第6窒化物領域16をさらに含んでも良い。第6窒化物領域16は、Alx6Ga1-x6N(0<x6<1、x3<x6)を含む。第3窒化物領域13は、第2窒化物領域12と第6窒化物領域16との間にある。第6窒化物領域16は例えばAlGaN層である。例えば、第3窒化物領域13は、第6窒化物領域16と対向する領域を含む。この領域に、例えばキャリア領域が形成される。キャリア領域は、例えば2次元電子ガスなどである。ウェーハ111を用いた半導体装置の動作において、キャリア領域が用いられる。
【0046】
(第2実施形態)
第2実施形態は、半導体装置に係る。実施形態に係る半導体装置は、第1実施形態に係るウェーハ(例えばウェーハ110またはウェーハ111)から製造される。
【0047】
図9は、第2実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
図9に示すように、第2実施形態に係る半導体装置121は、第1実施形態に係るウェーハ111の一部、第1~第3電極51~53及び絶縁部材61を含む。
【0048】
第1電極51から第2電極52への方向は、第2方向D2に沿う。第2方向D2は、第1方向D1と交差する。第2方向D2は例えばX軸方向である。
【0049】
第3電極53の第2方向D2における位置は、第1電極51の第2方向D2における位置と、第2電極52の第2方向D2における位置と、の間にある。
【0050】
第3窒化物領域13は、第1部分領域13a、第2部分領域13b、第3部分領域13c、第4部分領域13d、及び、第5部分領域13eを含む。第1部分領域13aから第1電極51への方向は、第1方向D1に沿う。第2部分領域13bから第2電極52への方向は、第1方向D1に沿う。第3部分領域13cの第2方向D2における位置は、第1部分領域13aの第2方向D2における位置と、第2部分領域13bの第2方向D2における位置との間にある。第3部分領域13cから第3電極53への方向は、第1方向D1に沿う。第4部分領域13dは、第2方向D2において第1部分領域13aと第3部分領域13cとの間にある。第5部分領域13eは、第2方向D2において第3部分領域13cと第2部分領域13bとの間にある。
【0051】
第6窒化物領域16は、第6部分領域16f及び第7部分領域16gを含む。第4部分領域13dから第6部分領域16fへの方向は、第1方向D1に沿う。第5部分領域13eから第7部分領域16gへの方向は、第1方向D1に沿う。絶縁部材61は、第1絶縁領域61pを含む。第1絶縁領域61pの少なくとも一部は、第1方向D1において、第3部分領域13cと第3電極53との間に設けられる。
【0052】
第1電極51と第2電極52との間に流れる電流は、第3電極53の電位により制御できる。第3電極53の電位は、例えば、第1電極51の電位を基準にした電位で良い。第1電極51は、例えば、ソース電極として機能する。第2電極52は、例えば、ドレイン電極として機能する。第3電極53は、例えば、ゲート電極として機能する。第1絶縁領域61pは、例えばゲート絶縁膜として機能する。半導体装置121は、例えば、トランジスタである。
【0053】
既に説明したように、第3窒化物領域13は、第6窒化物領域16と対向する領域を含む。この領域に、キャリア領域(例えば、2次元電子ガス)が形成される。半導体装置121は、例えば、HEMT(High Electron Mobility Transistor)である。
【0054】
この例では、第3電極53の少なくとも一部は、第6部分領域16fと第7部分領域16gとの間にある。半導体装置121は、例えば、ノーマリオフ型のトランジスタである。
【0055】
図10は、第2実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
図10に示すように、実施形態に係る半導体装置122において、第3電極53は、第2方向D2において、第6窒化物領域16と重ならない。これを除く半導体装置122の構成は、半導体装置121の構成と同様で良い。半導体装置122は、例えば、ノーマリオン型のトランジスタである。
【0056】
第1電極51は、例えば、アルミニウム、チタン、ニッケル、及び、金よりなる群から選択された少なくとも1つを含む。第2電極52は、例えば、アルミニウム、チタン、ニッケル、及び、金よりなる群から選択された少なくとも1つを含む。第3電極53は、例えば、TiN、WN、Ni、Au、Pt及びTiよりなる群から選択された少なくとも1つを含む。第3電極53、例えば、導電性のシリコン、または、ポリシリコンなど含んでも良い。絶縁部材61は、例えば、シリコン、アルミニウム及びハフニウムよりなる群から選択された少なくとも1つを含む元素と、酸素及び窒素よりなる群から選択された少なくとも1つを含む元素と、を含む。絶縁部材61は、例えば、酸化シリコンなどを含む。
【0057】
(第3実施形態)
図11は、第3実施形態に係るウェーハの製造方法を例示するフローチャートである。 図11に示すように、実施形態に係るウェーハの製造方法は、第1窒化物層20a(図6参照)を形成する(ステップS110)ことを含む。図6に関して説明したように、第1窒化物層20aは、第1面10Fを含むシリコン基板10sの上に形成される。第1窒化物層20aは、Alα1Ga1-α1N(0≦α1≦1)を含む。
【0058】
図11に示すように、製造方法は、第1窒化物層20aの上に第2窒化物層20bを形成する(ステップS120)ことを含む。第2窒化物層20aは、Alα2Ga1-α2N(0≦α2≦1)を含む。
【0059】
第2窒化物層20bの形成において、第1面10Fは、上に凸状に沿っている。第1面10Fの中央部分は、第1窒化物層20aの外縁の間にある。
【0060】
図6に示すように、シリコン基板10sから第1窒化物層20aへの方向は、第1方向D1に対応する。第2窒化物層20bの形成において、第1方向D1における第1面10Fの中心を含む内側領域10iの温度は、第1面10Fにおいて内側領域10iの周りの外縁領域10rの温度よりも高い。
【0061】
内側領域10iの温度と、外縁領域10rの温度と、の差は、例えば、3℃以上15℃以下である。このような温度の差により、内側領域10iにおいて塑性変形が生じ易くなる。外縁領域10rにおける塑性変形の程度は、内側領域10iにおける塑性変形の程度よりも小さい。このような塑性変形により、例えば、割れが抑制できる。
【0062】
実施形態において、第2窒化物層20bの形成における第2温度は、第1窒化物層20aの形成における第1温度よりも高い。第1温度と第2温度との差は、例えば、50℃以上200以下である。第1温度は、例えば、850℃以上1000℃未満である。第2温度は、例えば、1000℃以上1150℃以下である。
【0063】
元素の濃度、または、組成に関する情報は、例えば、SIMS(Secondary Ion Mass Spectrometry)またはEDX(Energy dispersive X-ray spectroscopy)などにより得られる。厚さに関する情報は、電子顕微鏡観察などにより得られる。
【0064】
実施形態によれば、生産性を向上可能なウェーハ、半導体装置、及び、ウェーハの製造方法を提供することができる。
【0065】
本願明細書において、「電気的に接続される状態」は、複数の導電体が物理的に接してこれら複数の導電体の間に電流が流れる状態を含む。「電気的に接続される状態」は、複数の導電体の間に、別の導電体が挿入されて、これらの複数の導電体の間に電流が流れる状態を含む。
【0066】
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、ウェーハに含まれる、基板、及び窒化物半導体層などの各要素の具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
【0067】
また、各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
【0068】
その他、本発明の実施の形態として上述したウェーハ、半導体装置、及び、ウェーハの製造方法を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全てのウェーハ、半導体装置、及び、ウェーハの製造方法も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
【0069】
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと解される。
【0070】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0071】
10F…第1面、 10R…第1領域、 10a、10b…領域、 10i…内側領域、 10r…外縁領域、 10s…シリコン基板、 10sf…側面、 11~16…第1~第6窒化物領域、 11a、11b…第1、第2膜、 13a~13e…第1~第5部分領域、 16f…第6部分領域、 16g…第7部分領域、 18F…オリエンテーションフラット、 18a、18b…第1、第2線状体、 20…窒化物半導体層、 20a、20b…第1、第2窒化物層、 51~53…第1~第3電極、 61…絶縁部材、 61p…第1絶縁領域、 110、110a、111、119…ウェーハ、 121、122…半導体装置、 C1…曲率、 D1、D2…第1、第2方向、 DL1、DL2…第1、第2線方向、 t11a、t11b、t20…厚さ、 tm0、tm1、tz1、tz2…時間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【手続補正書】
【提出日】2022-10-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項1】
第1面を含むシリコン基板と、
前記第1面に設けられた窒化物半導体層と、
を備えたウェーハであって、
前記シリコン基板は、前記ウェーハのX線像において互いに区別できる複数の第1領域を含み、
前記複数の第1領域は、前記シリコン基板の外縁領域から離れ、
前記複数の第1領域の1つは、第1線方向に沿う複数の第1線状体を含み、
前記複数の第1領域の別の1つは、第2線方向に沿う複数の第2線状体を含み、
前記第2線方向は、前記第1線方向と交差する、ウェーハ。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項16
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項16】
前記第2窒化物層を形成した後において、前記シリコン基板は、X線像において互いに区別できる複数の第1領域を含み、
前記複数の第1領域は、前記シリコン基板の前記外縁領域から離れ、
前記複数の第1領域の1つは、第1線方向に沿う複数の第1線状体を含み、
前記複数の第1領域の別の1つは、第2線方向に沿う複数の第2線状体を含み、
前記第2線方向は、前記第1線方向と交差する、請求項14または15に記載のウェーハの製造方法。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0033
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0033】
図7に示すように、この例において、時間tm0が大きくなると、曲率C1は負であり、曲率の絶対値が大きくなる。例えば、第1窒化物領域11及び第2窒化物領域12の形成により、圧縮応力が蓄積され、ウェーハは凸状に変形する。圧縮応力が蓄積され、シリコン基板10sに塑性変形が生じ易くなる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0058
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0058】
図11に示すように、製造方法は、第1窒化物層20aの上に第2窒化物層20bを形成する(ステップS120)ことを含む。第2窒化物層20は、Alα2Ga1-α2N(0≦α2≦1)を含む。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0062
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0062】
実施形態において、第2窒化物層20bの形成における第2温度は、第1窒化物層20aの形成における第1温度よりも高い。第1温度と第2温度との差は、例えば、50℃以上200以下である。第1温度は、例えば、850℃以上1000℃未満である。第2温度は、例えば、1000℃以上1150℃以下である。