IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ IDEC株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-押しボタンスイッチユニット 図1
  • 特開-押しボタンスイッチユニット 図2
  • 特開-押しボタンスイッチユニット 図3
  • 特開-押しボタンスイッチユニット 図4
  • 特開-押しボタンスイッチユニット 図5
  • 特開-押しボタンスイッチユニット 図6
  • 特開-押しボタンスイッチユニット 図7
  • 特開-押しボタンスイッチユニット 図8
  • 特開-押しボタンスイッチユニット 図9
  • 特開-押しボタンスイッチユニット 図10
  • 特開-押しボタンスイッチユニット 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023091120
(43)【公開日】2023-06-30
(54)【発明の名称】押しボタンスイッチユニット
(51)【国際特許分類】
   H01H 35/00 20060101AFI20230623BHJP
   G06F 3/02 20060101ALI20230623BHJP
   B66B 1/50 20060101ALI20230623BHJP
   B66B 1/46 20060101ALI20230623BHJP
【FI】
H01H35/00 C
G06F3/02 400
B66B1/50 A
B66B1/46 A
G06F3/02 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021205672
(22)【出願日】2021-12-20
(71)【出願人】
【識別番号】000000309
【氏名又は名称】IDEC株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110847
【弁理士】
【氏名又は名称】松阪 正弘
(74)【代理人】
【識別番号】100136526
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 勉
(74)【代理人】
【識別番号】100136755
【弁理士】
【氏名又は名称】井田 正道
(72)【発明者】
【氏名】錦 朋範
(72)【発明者】
【氏名】安川 謙一
【テーマコード(参考)】
3F502
5B020
5G055
【Fターム(参考)】
3F502MA31
5B020AA15
5B020BB10
5B020DD02
5B020DD22
5G055AB03
5G055AG08
(57)【要約】
【課題】対象物の移動操作を、接触式押しボタンスイッチおよび非接触式のジェスチャースイッチから選択して実行することができる。
【解決手段】押しボタンスイッチユニット10では、ジェスチャースイッチ8は、押込方向において第1押しボタンスイッチ1および第2押しボタンスイッチ1aに重なって配置される。ジェスチャースイッチ8の信号出力部80は、第1受光部82における第1反射光の検出後、所定の待機時間内に第2受光部82aにおいて第2反射光が検出された場合、第1制御信号を発信する。また、信号出力部80は、第2受光部82aにおける第2反射光の検出後、所定の待機時間内に第1受光部82において第1反射光が検出された場合、第2制御信号を発信する。これにより、対象物の移動操作を、接触式押しボタンスイッチおよび非接触式のジェスチャースイッチ8から選択して実行することができる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
押しボタンスイッチユニットであって、
押込方向に押し込まれることにより、操作対象を第1方向に移動させる第1制御信号を発信する第1押しボタンスイッチと、
前記第1押しボタンスイッチに隣接して配置され、前記押込方向に押し込まれることにより、前記操作対象を前記第1方向とは異なる第2方向に移動させる第2制御信号を発信する第2押しボタンスイッチと、
前記押込方向において前記第1押しボタンスイッチおよび前記第2押しボタンスイッチに重なって配置される非接触式のジェスチャースイッチと、
を備え、
前記第1押しボタンスイッチは、
操作者が触れる第1接触面を有し、前記第1接触面が押し込まれることにより前記押込方向の手前側の初期位置から奥側の押込位置へと移動する第1操作部と、
操作者による押し込みが解除された際に前記第1操作部を前記押込位置から前記初期位置へと戻す第1復帰部と、
を備え、
前記第2押しボタンスイッチは、
操作者が触れる第2接触面を有し、前記第2接触面が押し込まれることにより前記押込方向の手前側の初期位置から奥側の押込位置へと移動する第2操作部と、
操作者による押し込みが解除された際に前記第2操作部を前記押込位置から前記初期位置へと戻す第2復帰部と、
を備え、
前記ジェスチャースイッチは、
前記押込方向において前記第1接触面および前記第2接触面よりも前記押込方向の奥側に配置され、前記第1接触面および前記第2接触面よりも手前側に検出光を照射する投光部と、
前記押込方向において前記第1接触面よりも前記押込方向の奥側にて前記投光部から離間して配置され、前記第1接触面に近接した操作者にて反射した前記検出光の反射光である第1反射光を検出する第1受光部と、
前記押込方向において前記第2接触面よりも前記押込方向の奥側にて前記投光部から離間して配置され、前記第2接触面に近接した操作者にて反射した前記検出光の反射光である第2反射光を検出する第2受光部と、
前記第1受光部における前記第1反射光の検出後、所定の待機時間内に前記第2受光部において前記第2反射光が検出された場合、前記第1制御信号および前記第2制御信号のうち一方を発信し、前記第2受光部における前記第2反射光の検出後、所定の待機時間内に前記第1受光部において前記第1反射光が検出された場合、前記第1制御信号および前記第2制御信号のうち他方を発信する信号出力部と、
を備えることを特徴とする押しボタンスイッチユニット。
【請求項2】
請求項1に記載の押しボタンスイッチユニットであって、
前記投光部は、第1投光部および第2投光部を備え、
前記検出光は、
前記第1投光部から前記第1接触面よりも手前側に照射される第1検出光と、
前記第2投光部から前記第2接触面よりも手前側に照射される第2検出光と、
を含み、
前記第1投光部および前記第1受光部は、前記押込方向において前記第1操作部と重なる位置に配置され、
前記第2投光部および前記第2受光部は、前記押込方向において前記第2操作部と重なる位置に配置されることを特徴とする押しボタンスイッチユニット。
【請求項3】
請求項1に記載の押しボタンスイッチユニットであって、
前記投光部は、第1投光部および第2投光部を備え、
前記検出光は、
前記第1投光部から前記第1接触面よりも手前側に照射される第1検出光と、
前記第2投光部から前記第2接触面よりも手前側に照射される第2検出光と、
を含み、
前記第1投光部は、前記押込方向において前記第1操作部と重なる位置に配置され、
前記第2投光部は、前記押込方向において前記第2操作部と重なる位置に配置され、
前記第1受光部および前記第2受光部は、前記第1操作部と前記第2操作部との間に配置された1つの分割型フォトダイオードの2つの分割受光領域であることを特徴とする押しボタンスイッチユニット。
【請求項4】
請求項1に記載の押しボタンスイッチユニットであって、
前記第1受光部は、前記押込方向において前記第1操作部と重なる位置に配置され、
前記第2受光部は、前記押込方向において前記第2操作部と重なる位置に配置され、
前記投光部は、前記第1操作部と前記第2操作部との間に配置されることを特徴とする押しボタンスイッチユニット。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか1つに記載の押しボタンスイッチユニットであって、
前記第1押しボタンスイッチおよび前記第2押しボタンスイッチは、エレベータの操作盤に設けられる扉開閉用の開放ボタンスイッチおよび閉鎖ボタンスイッチ、または、かご昇降用の上昇ボタンスイッチおよび下降ボタンスイッチであることを特徴とする押しボタンスイッチユニット。
【請求項6】
請求項5に記載の押しボタンスイッチユニットであって、
既存のエレベータの操作盤において既存の接触式押しボタンスイッチが取り付けられている固定部に対して、前記既存の接触式押しボタンスイッチに代えて前記第1押しボタンスイッチおよび前記第2押しボタンスイッチを取り付け可能な取付部をさらに備えることを特徴とする押しボタンスイッチユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、押しボタンスイッチユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、衛生面等への配慮から、押しボタンスイッチに代えて非接触型スイッチを設けることが提案されている。例えば、特許文献1では、エレベータのかご操作盤において、行き先階を決定する押しボタンスイッチに代えて、反射型光電センサを有する非接触型の行き先階決定スイッチを設けることが提案されている。また、近年、スマートフォンの画面に近づけた指先の動きを、スマートフォンに内蔵されたジェスチャーセンサ(モーションセンサ等とも呼ばれる。)によって読み取ることにより、画面に接触することなくスマートフォンを操作する技術も開発されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-125213号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1のかご操作盤では、非接触型の行き先階決定スイッチに慣れていないエレベータの使用者は、エレベータを円滑に操作することができないおそれがある。また、エレベータのかご操作盤では、扉の開閉用スイッチに一般的に表示されている「開」および「閉」の文字等が判別しづらい場合があり、扉の開閉(すなわち、扉体の移動操作)を直感的に行うことが可能なスイッチが求められている。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、対象物の移動操作を、接触式押しボタンスイッチおよび非接触式のジェスチャースイッチから選択して実行することが可能な押しボタンスイッチユニットを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、押しボタンスイッチユニットであって、押込方向に押し込まれることにより、操作対象を第1方向に移動させる第1制御信号を発信する第1押しボタンスイッチと、前記第1押しボタンスイッチに隣接して配置され、前記押込方向に押し込まれることにより、前記操作対象を前記第1方向とは異なる第2方向に移動させる第2制御信号を発信する第2押しボタンスイッチと、前記押込方向において前記第1押しボタンスイッチおよび前記第2押しボタンスイッチに重なって配置される非接触式のジェスチャースイッチとを備え、前記第1押しボタンスイッチは、操作者が触れる第1接触面を有し、前記第1接触面が押し込まれることにより前記押込方向の手前側の初期位置から奥側の押込位置へと移動する第1操作部と、操作者による押し込みが解除された際に前記第1操作部を前記押込位置から前記初期位置へと戻す第1復帰部とを備え、前記第2押しボタンスイッチは、操作者が触れる第2接触面を有し、前記第2接触面が押し込まれることにより前記押込方向の手前側の初期位置から奥側の押込位置へと移動する第2操作部と、操作者による押し込みが解除された際に前記第2操作部を前記押込位置から前記初期位置へと戻す第2復帰部とを備え、前記ジェスチャースイッチは、前記押込方向において前記第1接触面および前記第2接触面よりも前記押込方向の奥側に配置され、前記第1接触面および前記第2接触面よりも手前側に検出光を照射する投光部と、前記押込方向において前記第1接触面よりも前記押込方向の奥側にて前記投光部から離間して配置され、前記第1接触面に近接した操作者にて反射した前記検出光の反射光である第1反射光を検出する第1受光部と、前記押込方向において前記第2接触面よりも前記押込方向の奥側にて前記投光部から離間して配置され、前記第2接触面に近接した操作者にて反射した前記検出光の反射光である第2反射光を検出する第2受光部と、前記第1受光部における前記第1反射光の検出後、所定の待機時間内に前記第2受光部において前記第2反射光が検出された場合、前記第1制御信号および前記第2制御信号のうち一方を発信し、前記第2受光部における前記第2反射光の検出後、所定の待機時間内に前記第1受光部において前記第1反射光が検出された場合、前記第1制御信号および前記第2制御信号のうち他方を発信する信号出力部とを備える。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の押しボタンスイッチユニットであって、前記投光部は、第1投光部および第2投光部を備え、前記検出光は、前記第1投光部から前記第1接触面よりも手前側に照射される第1検出光と、前記第2投光部から前記第2接触面よりも手前側に照射される第2検出光と、を含み、前記第1投光部および前記第1受光部は、前記押込方向において前記第1操作部と重なる位置に配置され、前記第2投光部および前記第2受光部は、前記押込方向において前記第2操作部と重なる位置に配置される。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の押しボタンスイッチユニットであって、前記投光部は、第1投光部および第2投光部を備え、前記検出光は、前記第1投光部から前記第1接触面よりも手前側に照射される第1検出光と、前記第2投光部から前記第2接触面よりも手前側に照射される第2検出光と、を含み、前記第1投光部は、前記押込方向において前記第1操作部と重なる位置に配置され、前記第2投光部は、前記押込方向において前記第2操作部と重なる位置に配置され、前記第1受光部および前記第2受光部は、前記第1操作部と前記第2操作部との間に配置された1つの分割型フォトダイオードの2つの分割受光領域である。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の押しボタンスイッチユニットであって、前記第1受光部は、前記押込方向において前記第1操作部と重なる位置に配置され、前記第2受光部は、前記押込方向において前記第2操作部と重なる位置に配置され、前記投光部は、前記第1操作部と前記第2操作部との間に配置される。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれか1つに記載の押しボタンスイッチユニットであって、前記第1押しボタンスイッチおよび前記第2押しボタンスイッチは、エレベータの操作盤に設けられる扉開閉用の開放ボタンスイッチおよび閉鎖ボタンスイッチ、または、かご昇降用の上昇ボタンスイッチおよび下降ボタンスイッチである。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の押しボタンスイッチユニットであって、既存のエレベータの操作盤において既存の接触式押しボタンスイッチが取り付けられている固定部に対して、前記既存の接触式押しボタンスイッチに代えて前記第1押しボタンスイッチおよび前記第2押しボタンスイッチを取り付け可能な取付部をさらに備える。
【発明の効果】
【0012】
本発明では、対象物の移動操作を、接触式押しボタンおよび非接触のジェスチャーから選択して行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】第1の実施の形態に係る押しボタンスイッチユニットが設けられたエレベータのかご操作盤近傍を示す正面図である。
図2】押しボタンスイッチユニットの正面図である。
図3】第1押しボタンスイッチの正面図である。
図4】第1押しボタンスイッチの一部を省略した正面図である。
図5】第1押しボタンスイッチの断面図である。
図6】第1押しボタンスイッチの断面図である。
図7】第1押しボタンスイッチの断面図である。
図8】第2押しボタンスイッチの正面図である。
図9】第1押しボタンスイッチ並びにジェスチャースイッチの第1投光部および第1受光部を拡大して示す断面図である。
図10】第2の実施の形態に係る押しボタンスイッチユニットの正面図である。
図11】第3の実施の形態に係る押しボタンスイッチユニットの正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る押しボタンスイッチユニット10が設けられたエレベータのかご操作盤101近傍を示す正面図である。かご操作盤101(以下、単に「操作盤101」とも呼ぶ。)は、エレベータのかご内の壁面102に設けられる。図1に示す例では、操作盤101は、扉体103の右側に隣接した壁面102に設けられる。扉体103は、エレベータのかごの出入り口を閉鎖可能な扉の一部であり、図1中の左右方向に移動可能である。図1に示す例では、当該扉が開かれる際には、扉体103は図1に示す位置から右方向(すなわち、操作盤101に向かう方向)へと移動する。当該扉が閉じられる際には、扉体103は、扉が開かれる際とは反対向きに、図1に示す位置まで図1中の左方向へと移動する。
【0015】
図1では、押しボタンスイッチユニット10を二点鎖線で囲って示す。押しボタンスイッチユニット10は、エレベータの操作盤101に設けられて、エレベータの使用者により操作されるスイッチ群である。図1に示す例では、押しボタンスイッチユニット10は、エレベータの扉の開閉用スイッチ群である。押しボタンスイッチユニット10の図1中の上側には、行き先階決定用の押しボタンスイッチが上下方向に配列されている。なお、押しボタンスイッチユニット10は、他の用途のスイッチであってもよい。
【0016】
以下の説明では、図1中における上下方向および左右方向を、単に「上下方向」および「左右方向」とも呼ぶ。また、図1中の紙面に垂直な方向を「押込方向」とも呼び、押込方向における手前側および奥側(すなわち、紙面に垂直な方向における手前側および奥側)を、単に「手前側」および「奥側」とも呼ぶ。
【0017】
図2は、押しボタンスイッチユニット10を拡大して示す正面図である。押しボタンスイッチユニット10は、接触式の第1押しボタンスイッチ1と、接触式の第2押しボタンスイッチ1aと、非接触式のジェスチャースイッチ8とを備える。第1押しボタンスイッチ1および第2押しボタンスイッチ1aは、左右方向に隣接して配置される。第1押しボタンスイッチ1と第2押しボタンスイッチ1aとの間には、間隙が設けられてもよく、設けられなくてもよい。図2に示す例では、第1押しボタンスイッチ1は上記扉を開くための開放ボタンスイッチであり、扉の開放を示すマークが表示されている。第2押しボタンスイッチ1aは当該扉を閉じるための閉鎖ボタンスイッチであり、扉の閉鎖を示すマークが表示されている。第1押しボタンスイッチ1は、左右方向において第2押しボタンスイッチ1aよりも扉体103(図1参照)に近い位置に配置される。
【0018】
ジェスチャースイッチ8は、第1投光部81と、第1受光部82と、第2投光部81aと、第2受光部82aと、信号出力部80とを備える。第1投光部81、第1受光部82、第2投光部81a、第2受光部82aおよび信号出力部80は、操作盤101の表面よりも奥側に位置している。ジェスチャースイッチ8の少なくとも一部は、正面視において(すなわち、押込方向において)、第1押しボタンスイッチ1および第2押しボタンスイッチ1aに重なって配置される。図2に示す例では、第1投光部81および第1受光部82は、正面視において第1押しボタンスイッチ1と重なる位置に配置される。第2投光部81aおよび第2受光部82aは、正面視において第2押しボタンスイッチ1aと重なる位置に配置される。以下の説明では、第1投光部81および第2投光部81aをまとめて、単に「投光部」とも呼ぶ。また、第1受光部82および第2受光部82aをまとめて、単に「受光部」とも呼ぶ。信号出力部80は、第1押しボタンスイッチ1と第2押しボタンスイッチ1aとの左右方向の間に位置する。なお、信号出力部80の位置は適宜変更されてよい。
【0019】
図3は、第1押しボタンスイッチ1の正面図である。図4は、第1押しボタンスイッチ1のうち、後述する操作部11、フィルタ15およびカバー部17を省略して示す正面図である。図5は、第1押しボタンスイッチ1を図3中のV-Vの位置にて切断した断面図である。図6は、第1押しボタンスイッチ1を図4中のVI-VIの位置にて切断した断面図である。図6では、後述する操作部11を二点鎖線にて併せて示す。
【0020】
第1押しボタンスイッチ1は、操作部11と、復帰部12と、作動部13と、表示光源141と、リフレクタ142と、拡散板143と、フィルタ15と、ベース部16と、カバー部17とを備える。
【0021】
ベース部16は、第1押しボタンスイッチ1の各構成を支持する略平板状の部材である。カバー部17は、ベース部16の図3中における手前側に取り付けられて第1押しボタンスイッチ1の各構成を覆う部材である。ベース部16の正面視における形状は、例えば略矩形である。カバー部17の正面視における形状は、例えば略矩形枠状である。ベース部16は、カバー部17よりも大きく、カバー部17から上側および下側に延在している。
【0022】
ベース部16の上端部および下端部には、第1押しボタンスイッチ1を操作盤101(図1参照)に取り付けるためのネジ穴が形成されている。すなわち、ベース部16の上端部および下端部は、第1押しボタンスイッチ1の取り付け用の取付部161である。取付部161は、既存のエレベータの操作盤において、既存の接触式押しボタンスイッチ(すなわち、従来の押しボタンスイッチ)が取り付けられている固定部に対して、当該既存の押しボタンスイッチに代えて取り付け可能である。したがって、第1押しボタンスイッチ1は、建物内に既に設置されている既存のエレベータに、後付けで適用可能である。
【0023】
復帰部12は、上端部がベース部16に固定された略矩形枠状の板バネである。復帰部12は、当該上端部である固定部121と、固定部121の下側に連続する略矩形枠状の可動部122と、を備える。固定部121は、例えば、ベース部16に設けられた溝部に挿入されて固定される。可動部122は、ベース部16から手前側に離間しており、奥側へと移動可能である。
【0024】
操作部11は、復帰部12の可動部122の手前側に配置される略矩形平板状の部材である。操作部11は、例えば、透明または半透明の樹脂やガラス等により形成される。操作部11の外周部は、復帰部12の可動部122とカバー部17の内面(すなわち、ベース部16と対向する側の面)との間に挟まれる。図5に示す状態では、操作部11の外周部は、復帰部12の可動部122およびカバー部17に接触している。また、復帰部12は僅かに撓んだ状態であり、操作部11は復帰部12によりカバー部17に向けて(すなわち、手前側に向けて)押圧されている。以下の説明では、操作部11の図5に示す位置を、「初期位置」とも呼ぶ。
【0025】
操作部11の中央部は、外周部よりも手前側に突出する略矩形状の凸部であり、カバー部17の中央部開口から手前側に突出している。操作部11の当該凸部は、正面視において、可動部122の内側の略矩形状の領域と略同形状であり、当該領域と押込方向においておよそ重なっている。操作部11のうち、カバー部17から露出している部位の手前側の面は、エレベータの操作盤101の操作者(すなわち、エレベータの使用者等)が指先や手に持っている物等にて直接的に触れることが可能な接触面111である。操作者により接触面111が奥側に押し込まれると、操作部11は、図5に示す初期位置から、図7に示すように、初期位置よりも押込方向の奥側の押込位置へと移動する。復帰部12は、操作部11の初期位置から押込位置への移動に伴って撓み、復帰部12の可動部122が押込方向の奥側へと移動する。また、操作者が接触面111から指先等を離して操作者による押し込みが解除されると、復帰部12の復元力により可動部122が操作部11を手前側へと押し、操作部11は図7に示す押込位置から図5に示す初期位置へと戻る。
【0026】
作動部13は、操作部11が押し込まれて初期位置から押込位置へと移動した際に、信号発信等の所定の動作を行う。図4に示す例では、作動部13は、タクトスイッチ131と、配線132と、端子部133とを備える。タクトスイッチ131は、復帰部12の可動部122よりも奥側にてベース部16に固定され、可動部122の下端部と押込方向にて対向する。端子部133は、ベース部16の下端の角部に固定され、配線132によりタクトスイッチ131等と電気的に接続される。
【0027】
操作部11が押し込まれると、図7に示すように、復帰部12の可動部122が奥側へと撓んでタクトスイッチ131を奥側へと押圧する。これにより、タクトスイッチ131が導通され、所定の信号が、配線132および端子部133を介して、図示省略のエレベータの制御部等へと発信される。第1押しボタンスイッチ1における当該信号は、扉体103を図1中の右方向(すなわち、扉を開く方向であり、以下、「第1方向」とも呼ぶ。)に移動させるための第1制御信号である。
【0028】
表示光源141は、操作部11よりも押込方向の奥側に配置され、ベース部16に固定される光源である。表示光源141は、例えば、正面視にて接触面111の中央部と重なる位置(すなわち、接触面111の中央部と押込方向において重なる位置)に配置される。換言すれば、表示光源141は、正面視において復帰部12の略矩形枠状の可動部122の内側に位置する。表示光源141は、操作部11の接触面111に向けて表示光を出射する。表示光源141としては、例えば、可視光を出射するLED(Light Emitting Diode)や他の光源が使用可能である。
【0029】
リフレクタ142は、表示光源141の周囲を囲む反射面であり、表示光源141から出射された表示光を接触面111に向けて反射する。これにより、接触面111に照射される表示光の光量を増大させることができる。リフレクタ142は、例えば、略四角錐台の4つの側面である。リフレクタ142の表面は、例えば、平滑面であってもよく、梨地状の粗面であってもよい。リフレクタ142は、例えば、樹脂や金属等により形成された薄板により構成される。リフレクタ142は、表示光源141等との絶縁を考慮すると、絶縁体により形成されることが好ましい。
【0030】
拡散板143は、押込方向において表示光源141と操作部11との間に配置されるフィルム状または薄板状の部材である。拡散板143は、リフレクタ142の手前側の端部に接触し、リフレクタ142および表示光源141の略全体を覆う。拡散板143は、例えば、正面視において略矩形状の半透明の部材である。拡散板143は、透光性を有し、表示光源141から出射された表示光を拡散させて均等化する。拡散板143は、例えば、すりガラス調に加工された樹脂部材である。拡散板143の図4中の右上および左下の角部には、後述する第1投光部81による光の照射、および、第1受光部82による受光を阻害しないように貫通孔または切り欠きが設けられる。図4に示す例では、リフレクタ142にも同様の貫通孔または切り欠きが設けられる。
【0031】
フィルタ15は、押込方向において操作部11と拡散板143との間に配置されるフィルム状または薄板状の部材である。フィルタ15は、ジェスチャースイッチ8にて使用される検出光の波長域の光を選択的に透過させ、他の波長域の光を透過させないフィルタである。本実施の形態では、当該検出光は赤外線であり、フィルタ15は、赤外線を選択的に透過させ、表示光等の可視光を透過させない赤外線透過フィルタである。フィルタ15として、例えば、スリットの向きが90°異なる2枚の可視光用偏光フィルタを重ねたものが利用可能である。可視光用偏光フィルタは、可視光の波長域では偏光特性を有し、赤外線の波長域では偏光特性を実質的に有しないフィルタである。なお、フィルタ15の種類や選択的に透過させる光の波長域(すなわち、検出光の波長域)は、様々に変更されてよい。
【0032】
フィルタ15には、表示光が通過可能な開口151が設けられている。開口151の正面視における形状は、第1押しボタンスイッチ1の機能を示す数字、文字および/または図形等のマークである。図3に示す例では、開口151の正面視における形状は、2つの三角形が組み合わされた扉の開放を示すマークである。開口151は、フィルタ15に設けられた物理的な貫通孔であってもよく、フィルタ15からフィルタ機能を喪失させた透光部であってもよい。
【0033】
第1押しボタンスイッチ1において操作部11が押し込まれると、上述のように、作動部13のタクトスイッチ131が導通され、扉体103(図1参照)を第1方向(すなわち、扉を開く方向)に移動させる第1制御信号が発信される。また、当該第1制御信号の発信と並行して、フィルタ15よりも押込方向の奥側に配置された表示光源141が点灯する。これにより、表示光源141から出射された表示光が、フィルタ15の開口151および操作部11を介して、第1押しボタンスイッチ1の手前側へと照射される。第1押しボタンスイッチ1の手前側に位置する操作者は、扉の開放マークが明るくなったことを視認することができる。なお、表示光源141の上記点灯は、継続的な点灯でもよく、断続的な点灯(すなわち、点滅)でもよい。あるいは、選択信号の発信と並行して、予め点灯されていた表示光源141が消灯されてもよい。換言すれば、作動部13による所定動作と並行して、表示光源141のON/OFFが切り替えられる。
【0034】
図8は、第2押しボタンスイッチ1aの正面図である。第2押しボタンスイッチ1aの構造は、表示されるマークの形状が異なる点を除き、第1押しボタンスイッチ1の構造と同じである。以下の説明では、第2押しボタンスイッチ1aの構成について、対応する第1押しボタンスイッチ1の構成の符号に添字aを加えた符号を付す。例えば、第2押しボタンスイッチ1aのベース部16aの上端部および下端部は、第2押しボタンスイッチ1aの取り付け用の取付部161aである。取付部161aは、既存のエレベータの操作盤において、既存の接触式押しボタンスイッチ(すなわち、従来の押しボタンスイッチ)が取り付けられている固定部に対して、当該既存の押しボタンスイッチに代えて取り付け可能である。
【0035】
第2押しボタンスイッチ1aでは、操作部11aは、操作者が触れる接触面111aを有する。操作部11aは、接触面111aが押し込まれることにより、押込方向の手前側の初期位置から奥側の押込位置へと移動する。操作部11aが押し込まれると、作動部13aのタクトスイッチ131aが導通され、扉体103を図1中の左方向(すなわち、扉を閉じる方向であり、以下、「第2方向」とも呼ぶ。)に移動させる第2制御信号が発信される。当該第2方向は、上記第1方向とは異なる方向であり、上記例では第1方向とは反対向きである。第2押しボタンスイッチ1aでは、例えば、表示光が接触面111aよりも手前側へと照射されることにより、第2押しボタンスイッチ1aの手前側に位置する操作者が、扉の閉鎖マーク(すなわち、扉の閉鎖を示す2つの三角形が組み合わされたマーク)が明るくなったことを視認することができる。
【0036】
復帰部12aは、上述の復帰部12と同様に、上端部がベース部16aに固定された略矩形枠状の板バネである。復帰部12aは、操作者による押込が解除された際に、操作部11aを押込位置から初期位置へと戻す。以下の説明では、第1押しボタンスイッチ1の操作部11、復帰部12および接触面111を「第1操作部11」、「第1復帰部12」および「第1接触面111」とも呼び、第2押しボタンスイッチ1aの操作部11a、復帰部12aおよび接触面111aを「第2操作部11a」、「第2復帰部12a」および「第2接触面111a」とも呼ぶ。
【0037】
図4および図6に示すように、ジェスチャースイッチ8の第1投光部81および第1受光部82はそれぞれ、押込方向において第1操作部11と重なるとともに、第1接触面111よりも奥側に位置する。図6に示す例では、第1投光部81および第1受光部82は、操作部11よりも奥側に位置し、ベース部16に固定される。第1受光部82は、第1投光部81から離間して配置される。好ましくは、第1投光部81と第1受光部82とは、正面視において(すなわち、押込方向に沿って見た状態において)、接触面111の中心に対して互いに反対側に配置される。より好ましくは、第1投光部81と第1受光部82とは、正面視において、第1接触面111の中心に対して略点対称の位置に配置される。図6に示す例では、第1投光部81および第1受光部82は、第1復帰部12の可動部122の略矩形状の内側領域において、当該内側領域の一方の対角線上の2つの角部に配置される。これにより、第1投光部81と第1受光部82とを大きく離間させることができる。
【0038】
第1投光部81は、第1操作部11に向けて所定の波長域の検出光(以下、「第1検出光」とも呼ぶ。)を出射する。第1検出光の波長域は、上述の表示光の波長域とは異なる。本実施の形態では、第1検出光は、上述のように赤外線である。第1検出光は、予め定められた固有の周波数を有するパルス光である。第1投光部81からの第1検出光は、第1操作部11の第1接触面111を透過して第1接触面111よりも手前側に照射される。
【0039】
第1受光部82は、第1接触面111に近接した操作者の指先等にて反射した第1検出光の反射光(以下、「第1反射光」とも呼ぶ。)を受光して検出する。第1受光部82は、当該第1反射光を検出すると、信号出力部80(図2参照)に対して所定の信号(以下、「第1受光信号」とも呼ぶ。)を送る。
【0040】
上述のフィルタ15は、押込方向において第1受光部82と第1接触面111との間に配置されている。このため、第1接触面111を透過した光のうち、第1反射光(すなわち、第1検出光の反射光)は選択的に透過されて第1受光部82へと到達する。一方、第1接触面111を透過した光のうち、第1検出光とは異なる波長域の光(例えば、可視光)は、フィルタ15の開口151以外の部位において遮られるため、第1受光部82への到達が抑制される。このため、第1受光部82において、第1検出光とは異なる波長域の光を、第1反射光として誤検出することが抑制または防止される。換言すれば、フィルタ15により、外乱光等の影響による第1受光部82の誤動作が抑制または防止される。
【0041】
図9は、第1押しボタンスイッチ1並びにジェスチャースイッチ8の第1投光部81および第1受光部82を拡大して示す断面図である。図9では、第1投光部81からの第1検出光の照射範囲である照射視野810、第1受光部82による受光可能範囲である受光視野820、および、操作者の指先91を併せて描いている。図9では、照射視野810と受光視野820との重複領域830に平行斜線を付す。照射視野810および受光視野820は、例えば、略円錐状または略楕円錐状の空間である。
【0042】
ジェスチャースイッチ8では、指先91の第1接触面111に対向する表面のうち、重複領域830に含まれる領域92(以下、「反射面92」とも呼ぶ。)にて反射された第1検出光の反射光(すなわち、第1反射光)が、第1受光部82により受光される。反射面92は、操作者の指先の表面には限定されず、例えば、操作者が手に持った物体の表面であってもよい。ジェスチャースイッチ8では、照射視野810の広がり角度(すなわち、視野角)、および/または、受光視野820の広がり角度を調節することにより、第1反射光を検出可能な指先91の位置の範囲(すなわち、検出可能範囲)を調節可能である。
【0043】
図9では、操作者の指先91が、第1受光部82における第1反射光検出の基準となる基準位置に配置されている状態を示す。基準位置とは、押込方向において第1接触面111から手前側に所定距離(例えば、4cm)離れた位置である。ジェスチャースイッチ8では、当該基準位置に位置する反射面92の面積が、所定の閾値面積以上である場合、第1受光部82にて受光する第1反射光の光量が所定光量(以下、「検出閾値光量」とも呼ぶ。)以上となり、第1反射光が第1受光部82により検出される。一方、基準位置に位置する反射面92の面積が上記閾値面積未満である場合、第1受光部82にて受光する第1反射光の光量が検出閾値光量未満となり、第1受光部82は反射光を検出しない。これにより、第1押しボタンスイッチ1の第1接触面111から比較的離れた位置に位置する物体や、第1接触面111に近接する微小な物体を、操作者の指先91等と間違えて検出することが抑制または防止される。
【0044】
第1投光部81は、検出光源811と、投光側遮光部812とを備える。検出光源811は、第1接触面111に向けて第1検出光を出射する光源である。検出光源811として、例えば、赤外線を出射するLEDまたは他の光源が利用可能である。検出光源811は、第1押しボタンスイッチ1のベース部16に固定される。
【0045】
投光側遮光部812は、検出光源811を手前側から覆って内部に収容する略箱状の部材である。投光側遮光部812は、第1押しボタンスイッチ1のベース部16に固定され、ベース部16と共に検出光源811の周囲を略全体に亘って囲む。投光側遮光部812は、検出光源811から出射される光を透過しない材料(例えば、赤外線を透過しない不透明の樹脂部材)で形成されている。投光側遮光部812の天蓋部(すなわち、検出光源811の手前側の面)には、検出光源811から出射される光が通過する開口813が設けられている。開口813は、投光側遮光部812に設けられた物理的な貫通孔であってもよく、投光側遮光部812の一部に設けられた透明または半透明の透光部であってもよい。第1投光部81では、開口813に、あるいは、開口813の手前側または奥側にレンズ等の光学素子が配置されてもよい。
【0046】
第1投光部81では、検出光源811から出射された光のうち一部の光が、投光側遮光部812の開口813を通過し、上述の第1検出光として第1操作部11の第1接触面111よりも手前側に照射される。検出光源811から出射された光のうち、当該一部の光を除く他の光は、投光側遮光部812により遮られる。換言すれば、投光側遮光部812は、押込方向において検出光源811と第1接触面111との間にて、検出光源811から出射された光の一部を上述の第1検出光として通過させて他の光を遮る。
【0047】
上述の照射視野810は、投光側遮光部812の開口813の形状や位置を変更することにより調節可能である。なお、投光側遮光部812の内面(すなわち、検出光源811に対向する面)には、検出光源811から出射される光を吸収する吸収材(例えば、黒色塗料の膜)が設けられてもよい。これにより、投光側遮光部812内における光の散乱等を抑制し、開口813を介して投光側遮光部812の外部へと導かれる第1検出光の光量を容易に調節することができる。
【0048】
第1受光部82は、受光センサ821と、受光側遮光部822とを備える。受光センサ821は、操作者の指先91等にて反射した第1反射光を受光して検出する。受光センサ821として、例えば、フォトダイオードまたは他の受光素子が利用可能である。受光センサ821は、第1押しボタンスイッチ1のベース部16に固定される。受光センサ821では、第1検出光に対応する周波数を有するパルス光(すなわち、第1反射光)のみを選択的に検出し、他の光を実質的に検出しないように設定されることが好ましい。受光センサ821では、受光した第1反射光の光量が上述の検出閾値光量以上である場合に電流が流れ、上述の第1受光信号が信号出力部80(図2参照)に対して送られる。
【0049】
受光側遮光部822は、受光センサ821を手前側から覆って内部に収容する略箱状の部材である。受光側遮光部822は、第1押しボタンスイッチ1のベース部16に固定され、ベース部16と共に受光センサ821の周囲を略全体に亘って囲む。受光側遮光部822は、第1反射光を透過しない材料(例えば、赤外線を透過しない不透明の樹脂部材)で形成されている。受光側遮光部822の天蓋部(すなわち、受光センサ821の手前側の面)には、第1反射光が通過する開口823が設けられている。開口823は、受光側遮光部822に設けられた物理的な貫通孔であってもよく、受光側遮光部822の一部に設けられた透明または半透明の透光部であってもよい。第1受光部82では、開口823に、あるいは、開口823の手前側または奥側にレンズ等の光学素子が配置されてもよい。
【0050】
第1受光部82では、操作者の指先91等にて反射された第1反射光のうち、受光側遮光部822の開口823を通過した一部の光が、受光センサ821により受光される。第1反射光のうち当該一部の光を除く他の光、および、様々な光源からの外乱光は、受光側遮光部822により遮られる。換言すれば、受光側遮光部822は、押込方向において受光センサ821と第1接触面111との間にて、上記第1反射光の一部を通過させて他の光を遮る。
【0051】
上述の受光視野820は、受光側遮光部822の開口823の形状や位置を変更することにより調節可能である。なお、受光側遮光部822の内面(すなわち、受光センサ821に対向する面)には、光を吸収する吸収材(例えば、黒色塗料の膜)が設けられてもよい。これにより、受光側遮光部822内における上記第1反射光や外乱光の散乱等を抑制し、受光センサ821にて受光される第1反射光を精度良く検出することができる。
【0052】
図8に示すように、ジェスチャースイッチ8の第2投光部81aおよび第2受光部82aは、第2押しボタンスイッチ1aの第2操作部11aと押込方向において重なる。第2投光部81aおよび第2受光部82aは、第2操作部11aよりも奥側に位置している。本実施の形態では、第2操作部11aの第2接触面111aは、押込方向において第1操作部11の第1接触面111と略同じ位置に位置する。したがって、第2投光部81aおよび第2受光部82aは、第1接触面111および第2接触面111aよりも奥側に位置している。同様に、上述の第1投光部81および第1受光部82も、第1接触面111および第2接触面111aよりも奥側に位置している。
【0053】
第2受光部82aは、第2投光部81aから離間して配置される。第2投光部81aは、第2操作部11aに向けて所定の波長域の検出光(以下、「第2検出光」とも呼ぶ。)を出射する。第2投光部81aからの第2検出光は、第2操作部11aの第2接触面111aを透過して第2接触面111aよりも手前側に照射される。上述のように、第2接触面111aと第1接触面111とは押込方向の略同じ位置に位置する。したがって、第2検出光および上述の第1検出光は、第2接触面111aおよび第1接触面111よりも手前側に照射される。第2受光部82aは、第2接触面111aに近接した操作者の指先等にて反射した第2検出光の反射光(以下、「第2反射光」とも呼ぶ。)を受光して検出する。第2受光部82aは、当該第2反射光を検出すると、信号出力部80(図2参照)に対して所定の信号(以下、「第2受光信号」とも呼ぶ。)を送る。
【0054】
第2投光部81aおよび第2受光部82aの構造は、上述の第1投光部81および第1受光部82の構造と略同じである。また、第2投光部81aおよび第2受光部82aの第2押しボタンスイッチ1aに対する相対位置は、第1投光部81および第1受光部82の第1押しボタンスイッチ1に対する相対位置と略同じである。第2検出光の波長域や光の種類は、第1検出光と同じであってもよく、異なっていてもよい。本実施の形態では、第2検出光は、第1検出光と同じ波長域(すなわち、赤外線)のパルス光である。第2検出光の固有の周波数は、第1検出光と同じであってもよく、異なっていてもよい。
【0055】
上述のように、第1投光部81および第2投光部81aをまとめて「投光部」と呼ぶと、当該投光部から第1接触面111および第2接触面111aよりも手前側に照射される「検出光」には、上述の第1検出光および第2検出光が含まれる。
【0056】
操作者がジェスチャースイッチ8を使用して扉を開く際には、図9に示すように指先91等を第1押しボタンスイッチ1(すなわち、開放ボタンスイッチ)の手前側にかざし、この状態から所定の待機時間内(例えば、2秒以内)に指先91を図1中の右側へと移動して第2押しボタンスイッチ1aの手前側に位置させる。これにより、ジェスチャースイッチ8の信号出力部80では、第1受光部82において第1反射光が検出されたことを示す第1受光信号を受けた後、所定の待機時間内に第2受光部82aにおいて第2反射光が検出されたことを示す第2受光信号を受ける。この場合、信号出力部80は、扉体103を図1中の右方向(すなわち、第1方向)に移動させるための第1制御信号を、図示省略のエレベータの制御部等へと発信する。すなわち、第1押しボタンスイッチ1の第1操作部11が押し込まれた場合と同じ制御信号が、エレベータの制御部等へと送信され、扉が開かれる。
【0057】
一方、操作者がジェスチャースイッチ8を使用して扉を閉じる際には、指先91等を第2押しボタンスイッチ1a(すなわち、閉鎖ボタンスイッチ)の手前側にかざし、この状態から所定の待機時間内(例えば、2秒以内)に指先91を図1中の左側へと移動して第1押しボタンスイッチ1の手前側に位置させる。これにより、ジェスチャースイッチ8の信号出力部80では、第2受光部82aにおいて第2反射光が検出されたことを示す第2受光信号を受けた後、所定の待機時間内に第1受光部82において第1反射光が検出されたことを示す第1受光信号を受ける。この場合、信号出力部80は、扉体103を図1中の左方向(すなわち、第2方向)に移動させるための第2制御信号を、図示省略のエレベータの制御部等へと発信する。すなわち、第2押しボタンスイッチ1aの第2操作部11aが押し込まれた場合と同じ制御信号が、エレベータの制御部等へと送信され、扉が閉じられる。なお、扉を開く際の待機時間と閉じる際の待機時間とは、同じであってもよく、異なっていてもよい。
【0058】
以上に説明したように、押しボタンスイッチユニット10は、第1押しボタンスイッチ1と、第2押しボタンスイッチ1aと、非接触式のジェスチャースイッチ8とを備える。第1押しボタンスイッチ1は、押込方向に押し込まれることにより、操作対象を第1方向に(上記例では、扉体103を右方向に)移動させる第1制御信号を発信する。第2押しボタンスイッチ1aは、第1押しボタンスイッチ1に隣接して配置される。第2押しボタンスイッチ1aは、押込方向に押し込まれることにより、当該操作対象を第1方向とは異なる第2方向(上記例では、左方向)に移動させる第2制御信号を発信する。ジェスチャースイッチ8は、押込方向において第1押しボタンスイッチ1および第2押しボタンスイッチ1aに重なって配置される。
【0059】
第1押しボタンスイッチ1は、第1操作部11と、第1復帰部12とを備える。第1操作部11は、操作者が触れる第1接触面111を有する。第1操作部11は、第1接触面111が押し込まれることにより押込方向の手前側の初期位置から奥側の押込位置へと移動する。第1復帰部12は、操作者による押し込みが解除された際に第1操作部11を押込位置から初期位置へと戻す。第2押しボタンスイッチ1aは、第2操作部11aと、第2復帰部12aとを備える。第2操作部11aは、操作者が触れる第2接触面111aを有する。第2操作部11aは、第2接触面111aが押し込まれることにより押込方向の手前側の初期位置から奥側の押込位置へと移動する。第2復帰部12aは、操作者による押し込みが解除された際に第2操作部11aを押込位置から初期位置へと戻す。
【0060】
ジェスチャースイッチ8は、投光部(上記例では、第1投光部81および第2投光部81a)と、第1受光部82と、第2受光部82aと、信号出力部80とを備える。投光部は、押込方向において第1接触面111および第2接触面111aよりも押込方向の奥側に配置され、第1接触面111および第2接触面111aよりも手前側に検出光(上記例では、第1検出光および第2検出光)を照射する。第1受光部82は、押込方向において第1接触面111よりも押込方向の奥側にて投光部から離間して配置される。第1受光部82は、第1接触面111に近接した操作者にて反射した検出光の反射光である第1反射光を検出する。
【0061】
第2受光部82aは、押込方向において第2接触面111aよりも押込方向の奥側にて投光部から離間して配置される。第2受光部82aは、第2接触面111aに近接した操作者にて反射した検出光の反射光である第2反射光を検出する。信号出力部80は、第1受光部82における第1反射光の検出後、所定の待機時間内に第2受光部82aにおいて第2反射光が検出された場合、第1制御信号を発信する。また、信号出力部80は、第2受光部82aにおける第2反射光の検出後、所定の待機時間内に第1受光部82において第1反射光が検出された場合、第2制御信号を発信する。
【0062】
これにより、操作者は、対象物の移動操作を、通常の接触式押しボタンスイッチ(すなわち、第1押しボタンスイッチ1および第2押しボタンスイッチ1a)、並びに、非接触式のジェスチャースイッチ8から選択して実行することができる。
【0063】
押しボタンスイッチユニット10では、第1押しボタンスイッチ1を押し込む場合と同様の移動操作をジェスチャースイッチ8にて行う場合、最初に指先91を第1押しボタンスイッチ1に近づけるという共通の動作が存在する。また、第2押しボタンスイッチ1aを押し込む場合と同様の移動操作をジェスチャースイッチ8にて行う場合、最初に指先91を第2押しボタンスイッチ1aに近づけるという共通の動作が存在する。このため、操作者は、ジェスチャースイッチ8による対象物の移動操作を直感的に容易に行うことができる。
【0064】
上述のように、ジェスチャースイッチ8は、押込方向において第1押しボタンスイッチ1および第2押しボタンスイッチ1aと重なる位置に配置される。また、投光部(上記例では、第1投光部81および第2投光部81a)は、第1接触面111および第2接触面111aよりも奥側に配置される。さらに、第1受光部82は第1接触面111よりも奥側に配置され、第2受光部82aは第2接触面111aよりも奥側に配置される。これにより、非接触式のジェスチャースイッチ8を、接触式の第1押しボタンスイッチ1および第2押しボタンスイッチ1aから独立して異なる位置に併設する場合に比べて、押しボタンスイッチユニット10を小型化することができる。
【0065】
なお、上述の操作者にて反射した第1反射光および第2反射光とは、既述のように、操作者の指先にて反射した光であってもよく、操作者の掌や操作者が手に持っている物体等にて反射した光であってもよい。
【0066】
上述のように、投光部は、第1投光部81および第2投光部81aを備えることが好ましい。検出光は、第1投光部81から第1接触面111よりも手前側に照射される第1検出光と、第2投光部81aから第2接触面111aよりも手前側に照射される第2検出光と、を含む。第1投光部81および第1受光部82は、押込方向において第1操作部11と重なる位置に配置されることが好ましい。また、第2投光部81aおよび第2受光部82aは、押込方向において第2操作部11aと重なる位置に配置されることが好ましい。これにより、押しボタンスイッチユニット10をさらに小型化することができる。
【0067】
上述のように、第1押しボタンスイッチ1および第2押しボタンスイッチ1aは、エレベータの操作盤101に設けられる扉開閉用の開放ボタンスイッチおよび閉鎖ボタンスイッチであることが好ましい。エレベータの操作盤101は、比較的狭いスペースに設けられるため、スイッチ配置に対して厳しい制約がある。したがって、小型の押しボタンスイッチユニット10は、エレベータの操作盤101用のスイッチユニットに特に適している。
【0068】
押しボタンスイッチユニット10は、必ずしもエレベータの扉開閉用のスイッチユニットとして利用される必要はなく、例えば、エレベータホール等に設けられる操作盤において、エレベータのかご昇降用のスイッチユニットとして利用されてもよい。この場合、第1押しボタンスイッチ1および第2押しボタンスイッチ1aは、操作盤に設けられるかご昇降用の上昇ボタンスイッチおよび下降ボタンスイッチである。上述のように、押しボタンスイッチユニット10は小型化が可能であるため、かご昇降用のスイッチユニットにも特に適している。
【0069】
上述のように、押しボタンスイッチユニット10は、既存のエレベータの操作盤において既存の接触式押しボタンスイッチが取り付けられている固定部に対して、当該既存の接触式押しボタンスイッチに代えて第1押しボタンスイッチ1および第2押しボタンスイッチ1aを取り付け可能な取付部161,161a(図3および図8参照)をさらに備えることが好ましい。これにより、押しボタンスイッチユニット10の第1押しボタンスイッチ1および第2押しボタンスイッチ1aを既存のエレベータの接触式押しボタンスイッチと容易に交換することができる。その結果、押しボタンスイッチユニット10を既存のエレベータに低コストにて後付けすることができる。
【0070】
次に、本発明の第2の実施の形態に係る押しボタンスイッチユニット10bについて説明する。図10は、押しボタンスイッチユニット10bの正面図である。押しボタンスイッチユニット10bでは、ジェスチャースイッチ8の第1投光部81、第1受光部82、第2投光部81aおよび第2受光部82aの配置が、図2に示す押しボタンスイッチユニット10と異なる。押しボタンスイッチユニット10bの他の構造は、上述の押しボタンスイッチユニット10の構造と略同じであり、対応する構成に同符号を付す。
【0071】
押しボタンスイッチユニット10bでは、押しボタンスイッチユニット10と同様に、ジェスチャースイッチ8の第1投光部81、第1受光部82、第2投光部81a、第2受光部82aおよび信号出力部80は、操作盤101(図1参照)の表面よりも奥側に位置している。第1投光部81および第1受光部82は、第1押しボタンスイッチ1の第1接触面111よりも押込方向の奥側に配置される。第2投光部81aおよび第2受光部82aは、第2押しボタンスイッチ1aの第2接触面111aよりも押込方向の奥側に配置される。
【0072】
図10に示すように、第1投光部81は、押込方向において第1押しボタンスイッチ1の第1操作部11と重なる位置に配置される。第2投光部81aは、押込方向において第2押しボタンスイッチ1aの第2操作部11aと重なる位置に配置される。第1受光部82および第2受光部82aは、第1操作部11と第2操作部11aとの間に配置された1つの分割型フォトダイオードの2つの2つの分割受光領域である。これにより、押しボタンスイッチユニット10bをさらに小型化することができる。
【0073】
図10に示す例では、第1投光部81と第1受光部82とは、正面視において、第1接触面111の中心に対して互いに反対側に配置される。また、第2投光部81aと第2受光部82aとは、正面視において、第2接触面111aの中心に対して互いに反対側に配置される。
【0074】
なお、図10に示す例では、上記2つの分割受光領域は左右方向に隣接して配置されているが、これには限定されず、例えば上下方向に隣接していてもよい。また、図10に示す例では、第1受光部82および第2受光部82aは、正面視において第1接触面111および第2接触面111aと重なっていないが、重なっていてもよい。
【0075】
次に、本発明の第3の実施の形態に係る押しボタンスイッチユニット10cについて説明する。図11は、押しボタンスイッチユニット10cの正面図である。押しボタンスイッチユニット10cでは、ジェスチャースイッチ8の第1受光部82および第2受光部82aの配置が、図2に示す押しボタンスイッチユニット10と異なる。また、第1投光部81および第2投光部81a(図2参照)に代えて、1つの投光部81c(以下、「共通投光部81c」とも呼ぶ。)が設けられる。押しボタンスイッチユニット10cの他の構造は、上述の押しボタンスイッチユニット10の構造と略同じであり、対応する構成に同符号を付す。
【0076】
押しボタンスイッチユニット10cでは、押しボタンスイッチユニット10と略同様に、ジェスチャースイッチ8の共通投光部81c、第1受光部82、第2受光部82aおよび信号出力部80は、操作盤101(図1参照)の表面よりも奥側に位置している。共通投光部81cは、第1操作部11と第2操作部11aとの間に配置され、第1押しボタンスイッチ1の第1接触面111、および、第2押しボタンスイッチ1aの第2接触面111aよりも押込方向の奥側に配置される。共通投光部81cは、第1接触面111および第2接触面111aよりも手前側に上述の検出光(以下、「共通検出光」とも呼ぶ。)を照射する。
【0077】
第1受光部82は、押込方向において第1押しボタンスイッチ1の第1操作部11と重なる位置に配置され、第1接触面111よりも押込方向の奥側に配置される。第1受光部82は、第1接触面111に近接した操作者の指先等にて反射した共通検出光の反射光である第1反射光を受光して検出する。第2受光部82aは、押込方向において第2押しボタンスイッチ1aの第2操作部11aと重なる位置に配置され、第2接触面111aよりも押込方向の奥側に配置される。第2受光部82aは、第2接触面111aに近接した操作者の指先等にて反射した共通検出光の反射光である第2反射光を受光して検出する。
【0078】
図11に示す例では、共通投光部81cと第1受光部82とは、正面視において、第1接触面111の中心に対して互いに反対側に配置される。また、共通投光部81cと第2受光部82aとは、正面視において、第2接触面111aの中心に対して互いに反対側に配置される。なお、図11に示す例では、共通投光部81cは、正面視において第1接触面111および第2接触面111aと重なっていないが、重なっていてもよい。
【0079】
以上に説明したように、押しボタンスイッチユニット10cのジェスチャースイッチ8は、投光部(上記例では、共通投光部81c)と、第1受光部82と、第2受光部82aと、信号出力部80とを備える。投光部は、押込方向において第1接触面111および第2接触面111aよりも押込方向の奥側に配置され、第1接触面111および第2接触面111aよりも手前側に検出光(上記例では、共通検出光)を照射する。第1受光部82は、押込方向において第1接触面111よりも押込方向の奥側にて投光部から離間して配置される。第1受光部82は、第1接触面111に近接した操作者にて反射した検出光の反射光である第1反射光を検出する。
【0080】
第2受光部82aは、押込方向において第2接触面111aよりも押込方向の奥側にて投光部から離間して配置される。第2受光部82aは、第2接触面111aに近接した操作者にて反射した検出光の反射光である第2反射光を検出する。信号出力部80は、第1受光部82における第1反射光の検出後、所定の待機時間内に第2受光部82aにおいて第2反射光が検出された場合、第1制御信号を発信する。また、信号出力部80は、第2受光部82aにおける第2反射光の検出後、所定の待機時間内に第1受光部82において第1反射光が検出された場合、第2制御信号を発信する。
【0081】
これにより、上記と略同様に、操作者は、対象物の移動操作を、通常の接触式押しボタンスイッチ(すなわち、第1押しボタンスイッチ1および第2押しボタンスイッチ1a)、並びに、非接触式のジェスチャースイッチ8から選択して実行することができる。また、操作者は、ジェスチャースイッチ8による対象物の移動操作を直感的に容易に行うことができる。さらに、押しボタンスイッチユニット10cを小型化することもできる。
【0082】
上述のように、押しボタンスイッチユニット10cでは、第1受光部82は、押込方向において第1操作部11と重なる位置に配置され、第2受光部82aは、押込方向において第2操作部11aと重なる位置に配置される。また、共通投光部81cは、第1操作部11と第2操作部11aとの間に配置される。これにより、押しボタンスイッチユニット10cをさらに小型化することができる。
【0083】
上述の押しボタンスイッチユニット10,10b,10cでは、様々な変更が可能である。
【0084】
例えば、押しボタンスイッチユニット10,10bでは、第1投光部81と第1受光部82とは、必ずしも、正面視において第1接触面111の中心に対して互いに反対側に配置される必要はなく、第1投光部81および第1受光部82の正面視における配置は様々に変更されてよい。例えば、第1投光部81は、正面視において第1操作部11と重なっていなくてもよい。
【0085】
同様に、第2投光部81aと第2受光部82aとは、必ずしも、正面視において第2接触面111aの中心に対して互いに反対側に配置される必要はなく、第2投光部81aおよび第2受光部82aの正面視における配置は様々に変更されてよい。例えば、第2投光部81aは、正面視において第2操作部11aと重なっていなくてもよい。
【0086】
また、上述の例では、第1投光部81および第1受光部82は、第1操作部11の奥側の端面よりも奥側に配置されているが、これには限定されない。第1投光部81および第1受光部82の押込方向における位置は、第1接触面111よりも奥側であれば様々に変更されてよい。例えば、第1操作部11の奥側の端面中央部に、手前側へと凹む略矩形の凹部が設けられ、第1投光部81および第1受光部82は、当該凹部内に配置されてもよい。第2投光部81aおよび第2受光部82aと第2操作部11aとの配置についても同様である。これにより、押しボタンスイッチユニット10,10bの押込方向における更なる小型化を実現することができる。
【0087】
第1投光部81から出射される第1検出光の波長域、第2投光部81aから出射される第2検出光の波長域、および、投光部81cから出射される共通検出光の波長域は、赤外線には限定されず様々に変更されてよい。例えば、第1検出光、第2検出光および/または共通検出光は可視光であってもよい。ただし、第1検出光、第2検出光および共通検出光の波長域は、表示光の波長域とは異なることが好ましい。これにより、第1受光部82および第2受光部82aの誤作動を好適に防止することができる。
【0088】
第1復帰部12は板バネには限定されず、様々な構造を有してよい。例えば、弦巻バネ等の弾性部材が、第1復帰部12として第1操作部11とベース部16との間に設けられてもよい。第1復帰部12が弦巻バネである場合、第1操作部11が奥側に押し込まれると弦巻バネが押込方向に圧縮され、押し込みが解除されると、弦巻バネの復元力により第1操作部11が初期位置へと戻される。第2復帰部12aについても同様である。
【0089】
第1接触面111の正面視における形状は、略矩形には限定されず、略円形や略多角形等、様々に変更されてよい。第2接触面111aについても同様である。
【0090】
押しボタンスイッチユニット10,10b,10cが既存のエレベータに後付けされない場合、上記取付部161,161aは、既存のエレベータの固定部に取り付け可能な構造である必要はない。
【0091】
押しボタンスイッチユニット10,10b,10cでは、第1受光部82における第1反射光の検出後、所定の待機時間内に第2受光部82aにおいて第2反射光が検出された場合、信号出力部80は第2制御信号を発信してもよい。この場合、信号出力部80は、第2受光部82aにおける第2反射光の検出後、所定の待機時間内に第1受光部82において第1反射光が検出された場合、第1制御信号を発信する。換言すれば、信号出力部80は、第1受光部82における第1反射光の検出後、所定の待機時間内に第2受光部82aにおいて第2反射光が検出された場合、第1制御信号および第2制御信号のうち一方を発信する。また、信号出力部80は、第2受光部82aにおける第2反射光の検出後、所定の待機時間内に第1受光部82において第1反射光が検出された場合、第1制御信号および第2制御信号のうち他方を発信する。この場合であっても、操作者は、対象物の移動操作を、通常の接触式押しボタンスイッチ(すなわち、第1押しボタンスイッチ1および第2押しボタンスイッチ1a)、並びに、非接触式のジェスチャースイッチ8から選択して実行することができる。また、押しボタンスイッチユニット10,10b,10cを小型化することができる。
【0092】
押しボタンスイッチユニット10,10b,10cは、エレベータの操作盤において、扉開閉用およびかご昇降用以外のスイッチユニットとして利用されてもよい。あるいは、押しボタンスイッチユニット10,10b,10cは、エレベータの操作以外の用途に利用されてもよい。例えば、押しボタンスイッチユニット10,10b,10cは、部屋や建物の入り口に設けられた自動ドアの開閉用スイッチユニットとして利用されてもよい。また、押しボタンスイッチユニット10,10b,10cは、工作機械等の操作用のスイッチユニットとして利用されてもよい。
【0093】
上記実施の形態および各変形例における構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わされてよい。
【符号の説明】
【0094】
1 第1押しボタンスイッチ
1a 第2押しボタンスイッチ
8 ジェスチャースイッチ
10,10b,10c 押しボタンスイッチユニット
101 操作盤
11 第1操作部
11a 第2操作部
12 第1復帰部
12a 第2復帰部
80 信号出力部
81 第1投光部
81a 第2投光部
81c 共通投光部
82 第1受光部
82a 第2受光部
103 扉体
111 第1接触面
111a 第2接触面
161,161a 取付部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11