(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023091193
(43)【公開日】2023-06-30
(54)【発明の名称】複数面画像調整プログラム及び複数面画像調整装置
(51)【国際特許分類】
G09G 5/00 20060101AFI20230623BHJP
H04N 5/74 20060101ALI20230623BHJP
G09G 5/36 20060101ALI20230623BHJP
【FI】
G09G5/00 510B
H04N5/74 Z
G09G5/00 510H
G09G5/36 520F
G09G5/36 520P
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021205807
(22)【出願日】2021-12-20
(71)【出願人】
【識別番号】519429174
【氏名又は名称】フォレストデジタル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】230122390
【弁護士】
【氏名又は名称】石原 一樹
(72)【発明者】
【氏名】原田 健一
(72)【発明者】
【氏名】辻木 勇二
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 洋一
(72)【発明者】
【氏名】斎藤 一海
【テーマコード(参考)】
5C058
5C182
【Fターム(参考)】
5C058BA21
5C058BA27
5C058BA35
5C058EA02
5C058EA03
5C058EA31
5C182AA04
5C182AA13
5C182AA14
5C182AC03
5C182BA02
5C182BB04
5C182BC01
5C182BC11
5C182CB13
5C182CB14
5C182CB44
(57)【要約】
【課題】天井面及び壁面に対して好適な態様で画像を投影可能とする。
【解決手段】複数面画像調整装置1は、複数面画像Gを取得する複数面画像取得部10と、壁面Wの高さ及び幅を含む壁面サイズの入力を受け付ける壁面サイズ受付部11と、トリム領域Tを壁面画像GWから除去するトリム処理を実行可能な壁面画像トリム部12と、トリム候補領域の指定の入力を受け付けるトリム候補領域受付部13と、トリム候補領域の指定に基づいて、天井面画像GCの第1拡大率を含む天井面画像パラメータを設定する天井面画像パラメータ設定部17と、壁面サイズにおける壁面Wの高さと幅との関係、及び、トリム候補領域の指定に基づいて、壁面画像トリム部12によりトリム処理が実行されるトリム領域Tの指定を含む壁面画像パラメータを設定する壁面画像パラメータ設定部18と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
天井面に投影される略正方形の天井面画像と前記天井面に隣接する壁面に投影される略正方形の壁面画像とを含む複数面画像について、前記天井面画像が前記天井面に投影される態様に関する天井面画像パラメータと前記壁面画像が前記壁面に投影される態様に関する壁面画像パラメータとを設定する複数面画像調整装置としてコンピュータを機能させる複数面画像調整プログラムであって、
前記コンピュータを、
前記複数面画像を取得する複数面画像取得部と、
前記壁面の高さ及び幅を含む壁面サイズの入力を受け付ける壁面サイズ受付部と、
前記壁面画像の一部であるトリム領域を前記壁面画像から除去するトリム処理を実行可能な壁面画像トリム部と、
前記壁面画像のうち前記トリム領域とすべき領域の候補であるトリム候補領域の指定の入力を受け付けるトリム候補領域受付部と、
前記トリム候補領域受付部により入力を受け付けられた前記トリム候補領域の指定に基づいて、前記天井面画像の第1拡大率を含む前記天井面画像パラメータを設定する天井面画像パラメータ設定部と、
前記壁面サイズ受付部により入力を受け付けられた前記壁面サイズにおける前記壁面の前記高さと前記幅との関係、及び、前記トリム候補領域受付部により入力を受け付けられた前記トリム候補領域の指定に基づいて、前記壁面画像トリム部により前記トリム処理が実行される前記トリム領域の指定を含む壁面画像パラメータを設定する壁面画像パラメータ設定部と、として機能させる、複数面画像調整プログラム。
【請求項2】
前記複数面画像は、立方体画像に基づく画像である、請求項1に記載の複数面画像調整プログラム。
【請求項3】
前記立方体画像は、360度画像に基づいて生成される画像である、請求項2に記載の複数面画像調整プログラム。
【請求項4】
前記コンピュータを、
前記壁面サイズ受付部により入力を受け付けられた前記壁面サイズにおける前記壁面の前記高さと前記幅との関係に基づいて、前記天井面画像のサイズである天井面画像サイズを設定する天井面画像サイズ設定部と、
前記壁面サイズ受付部により入力を受け付けられた前記壁面サイズにおける前記壁面の前記高さと前記幅との関係に基づいて、前記壁面画像のサイズである壁面画像サイズを設定する壁面画像サイズ設定部と、として機能させ、
前記天井面画像パラメータ設定部は、前記天井面画像サイズ設定部により設定された前記天井面画像サイズを含む前記天井面画像パラメータを設定し、
前記壁面画像パラメータ設定部は、前記壁面画像サイズ設定部により設定された前記壁面画像サイズを含む前記壁面画像パラメータを設定する、請求項1~3のいずれか一項に記載の複数面画像調整プログラム。
【請求項5】
前記複数面画像取得部は、複数の前記複数面画像を取得し、
前記天井面画像パラメータ設定部は、複数の前記複数面画像ごとに、前記天井面画像の前記第1拡大率を含む前記天井面画像パラメータを設定し、
前記壁面画像パラメータ設定部は、複数の前記複数面画像ごとに、前記壁面画像トリム部により前記トリム処理が実行される前記トリム領域の指定を含む前記壁面画像パラメータを設定する、請求項1~4のいずれか一項に記載の複数面画像調整プログラム。
【請求項6】
前記コンピュータを、
前記壁面サイズ受付部により入力を受け付けられた前記壁面サイズにおける前記壁面の前記高さと前記幅との関係、及び、前記トリム候補領域受付部により入力を受け付けられた前記トリム候補領域の指定に基づいて、当該トリム候補領域を補正したトリム補正領域の指定を取得するトリム補正領域取得部として機能させ、
前記天井面画像パラメータ設定部は、前記トリム補正領域取得部により取得された前記トリム補正領域の指定に基づいて、前記天井面画像の前記第1拡大率を含む前記天井面画像パラメータを設定し、
前記壁面画像パラメータ設定部は、前記トリム補正領域取得部により取得された前記トリム補正領域の指定を前記トリム領域の指定として、前記壁面画像トリム部により前記トリム処理が実行される当該トリム領域の指定を含む前記壁面画像パラメータを設定する、請求項1~5のいずれか一項に記載の複数面画像調整プログラム。
【請求項7】
前記コンピュータを、
前記トリム候補領域受付部により入力を受け付けられた前記トリム候補領域の指定、又は、前記天井面画像パラメータ設定部により設定された前記天井面画像の前記第1拡大率に基づいて、床面画像の第2拡大率を含む床面画像パラメータを設定する床面画像パラメータ設定部として機能させる、請求項1~6のいずれか一項に記載の複数面画像調整プログラム。
【請求項8】
天井面に投影される略正方形の天井面画像と前記天井面に隣接する壁面に投影される略正方形の壁面画像とを含む複数面画像について、前記天井面画像が前記天井面に投影される態様に関する天井面画像パラメータと前記壁面画像が前記壁面に投影される態様に関する壁面画像パラメータとを設定する複数面画像調整装置であって、
前記複数面画像を取得する複数面画像取得部と、
前記壁面の高さ及び幅を含む壁面サイズの入力を受け付ける壁面サイズ受付部と、
前記壁面画像の一部であるトリム領域を前記壁面画像から除去するトリム処理を実行可能な壁面画像トリム部と、
前記壁面画像のうち前記トリム領域とすべき領域の候補であるトリム候補領域の指定の入力を受け付けるトリム候補領域受付部と、
前記トリム候補領域受付部により入力を受け付けられた前記トリム候補領域の指定に基づいて、前記天井面画像の第1拡大率を含む前記天井面画像パラメータを設定する天井面画像パラメータ設定部と、
前記壁面サイズ受付部により入力を受け付けられた前記壁面サイズにおける前記壁面の前記高さと前記幅との関係、及び、前記トリム候補領域受付部により入力を受け付けられた前記トリム候補領域の指定に基づいて、前記壁面画像トリム部により前記トリム処理が実行される前記トリム領域の指定を含む壁面画像パラメータを設定する壁面画像パラメータ設定部と、を備える、複数面画像調整装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、複数面画像調整プログラム及び複数面画像調整装置に関する。
【背景技術】
【0002】
壁面等からなる複数面のそれぞれに画像を好適な態様で投影する技術が知られている。例えば特許文献1には、互いに並んで設けられた複数の壁面を備える多面上映館において、各壁面に表示される画像のサイズを適宜拡大又は縮小する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した技術では、画像が投影される複数面として、互いに並んで設けられた複数の壁面が前提とされている。一方で、壁面のみならず天井面にも画像を投影することが考えられる。特に、天井面にも画像を投影する場合に、天井面に投影される天井面画像と壁面に投影される壁面画像とを連続的な画像とすることによって、利用者等に与える臨場感及び没入感をより一層向上させることが可能となる。ここで、画像中の同一部分であっても天井面に投影された場合と壁面に投影された場合とで視覚的な印象が異なるため、画像全体のうち天井面及び壁面のそれぞれに表示される部分を好適に設定することが望まれる。
【0005】
そこで、本開示に係る複数面画像調整プログラム及び複数面画像調整装置は、天井面及び壁面に対して好適な態様で画像を投影可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る複数面画像調整プログラム(P)は、天井面(C,CA,CB,CC)に投影される略正方形の天井面画像(GC)と天井面(C,CA,CB,CC)に隣接する壁面(W,WA,WB,WC)に投影される略正方形の壁面画像(GW)とを含む複数面画像(G)について、天井面画像(GC)が天井面(C,CA,CB,CC)に投影される態様に関する天井面画像パラメータと壁面画像(GW)が壁面(W,WA,WB,WC)に投影される態様に関する壁面画像パラメータとを設定する複数面画像調整装置(1)としてコンピュータ(E)を機能させる複数面画像調整プログラム(P)であって、コンピュータ(E)を、複数面画像(G)を取得する複数面画像取得部(10)と、壁面(W,WA,WB,WC)の高さ及び幅を含む壁面サイズの入力を受け付ける壁面サイズ受付部(11)と、壁面画像(GW)の一部であるトリム領域(T)を壁面画像(GW)から除去するトリム処理を実行可能な壁面画像トリム部(12)と、壁面画像(GW)のうちトリム領域(T)とすべき領域の候補であるトリム候補領域の指定の入力を受け付けるトリム候補領域受付部(13)と、トリム候補領域受付部(13)により入力を受け付けられたトリム候補領域の指定に基づいて、天井面画像(GC)の第1拡大率を含む天井面画像パラメータを設定する天井面画像パラメータ設定部(17)と、壁面サイズ受付部(11)により入力を受け付けられた壁面サイズにおける壁面(W,WA,WB,WC)の高さと幅との関係、及び、トリム候補領域受付部(13)により入力を受け付けられたトリム候補領域の指定に基づいて、壁面画像トリム部(12)によりトリム処理が実行されるトリム領域(T)の指定を含む壁面画像パラメータを設定する壁面画像パラメータ設定部(18)と、として機能させる。
【0007】
本開示の一態様に係る複数面画像調整装置(1)は、天井面(C,CA,CB,CC)に投影される略正方形の天井面画像(GC)と天井面(C,CA,CB,CC)に隣接する壁面(W,WA,WB,WC)に投影される略正方形の壁面画像(GW)とを含む複数面画像(G)について、天井面画像(GC)が天井面(C,CA,CB,CC)に投影される態様に関する天井面画像パラメータと壁面画像(GW)が壁面(W,WA,WB,WC)に投影される態様に関する壁面画像パラメータとを設定する複数面画像調整装置(1)であって、複数面画像(G)を取得する複数面画像取得部(10)と、壁面(W,WA,WB,WC)の高さ及び幅を含む壁面サイズの入力を受け付ける壁面サイズ受付部(11)と、壁面画像(GW)の一部であるトリム領域(T)を壁面画像(GW)から除去するトリム処理を実行可能な壁面画像トリム部(12)と、壁面画像(GW)のうちトリム領域(T)とすべき領域の候補であるトリム候補領域の指定の入力を受け付けるトリム候補領域受付部(13)と、トリム候補領域受付部(13)により入力を受け付けられたトリム候補領域の指定に基づいて、天井面画像(GC)の第1拡大率を含む天井面画像パラメータを設定する天井面画像パラメータ設定部(17)と、壁面サイズ受付部(11)により入力を受け付けられた壁面サイズにおける壁面(W,WA,WB,WC)の高さと幅との関係、及び、トリム候補領域受付部(13)により入力を受け付けられたトリム候補領域の指定に基づいて、壁面画像トリム部(12)によりトリム処理が実行されるトリム領域(T)の指定を含む壁面画像パラメータを設定する壁面画像パラメータ設定部(18)と、を備える。
【0008】
この複数面画像調整プログラム(P)及び複数面画像調整装置(1)の少なくともいずれかによれば、天井面画像(GC)と壁面画像(GW)とを含む複数面画像(G)に対してトリム処理が実行されることにより、壁面画像(GW)の一部であるトリム領域(T)が壁面画像(GW)から除去される。このとき、トリム候補領域の指定に基づいて天井面画像(GC)の第1拡大率が設定されるため、天井面(C)に対して好適な態様で天井面画像(GC)を投影可能となる。また、これに伴い、トリム領域(T)は、入力されたトリム候補領域の指定、及び、壁面画像(GW)が投影される壁面(W)の壁面サイズに基づいて、その指定がされる。このため、壁面(W)に対して好適な態様で壁面画像(GW)を投影可能となる。しかも、天井面画像(GC)が投影される態様と壁面画像(GW)が投影される態様とを互いに連動させることができる。例えば、天井面画像(GC)と壁面画像(GW)とを連続的な画像とした複数面画像(G)であっても、その連続性を維持したままでトリム処理を実行可能となる。以上により、天井面(C)及び壁面(W)に対して好適な態様で画像を投影可能となる。
【0009】
本開示の一態様に係る複数面画像調整プログラム(P)では、複数面画像(G)は、立方体画像に基づく画像であってもよい。これによれば、天井面(C)及び壁面(W)に複数面画像(G)を投影するための天井面画像パラメータ及び壁面画像パラメータの設定が容易になる。
【0010】
本開示の一態様に係る複数面画像調整プログラム(P)では、立方体画像は、360度画像に基づいて生成される画像であってもよい。これによれば、視点位置を中心とした全方位の画像を取得可能且つ投影可能となるため、より現実空間に近い体験を利用者にさせることが可能となる。
【0011】
本開示の一態様に係る複数面画像調整プログラム(P)は、コンピュータ(E)を、壁面サイズ受付部(11)により入力を受け付けられた壁面サイズにおける壁面(W,WA,WB,WC)の高さと幅との関係に基づいて、天井面画像(GC)のサイズである天井面画像サイズを設定する天井面画像サイズ設定部(15)と、壁面サイズ受付部(11)により入力を受け付けられた壁面サイズにおける壁面(W,WA,WB,WC)の高さと幅との関係に基づいて、壁面画像(GW)のサイズである壁面画像サイズを設定する壁面画像サイズ設定部(16)と、として機能させ、天井面画像パラメータ設定部(17)は、天井面画像サイズ設定部(15)により設定された天井面画像サイズを含む天井面画像パラメータを設定し、壁面画像パラメータ設定部(18)は、壁面画像サイズ設定部(16)により設定された壁面画像サイズを含む壁面画像パラメータを設定してもよい。これによれば、天井面(C)及び壁面(W)に対して好適なサイズで画像を投影可能となる。
【0012】
本開示の一態様に係る複数面画像調整プログラム(P)では、複数面画像取得部(10)は、複数の複数面画像(G)を取得し、天井面画像パラメータ設定部(17)は、複数の複数面画像(G)ごとに、天井面画像(GC)の第1拡大率を含む天井面画像パラメータを設定し、壁面画像パラメータ設定部(18)は、複数の複数面画像(G)ごとに、壁面画像トリム部(12)によりトリム処理が実行されるトリム領域(T)の指定を含む壁面画像パラメータを設定してもよい。これによれば、例えばシーンの互いに異なる複数の複数面画像(G)を天井面(C)及び壁面(W)に投影可能となるとともに、複数面画像(G)ごとに好適な態様で画像を投影可能となる。
【0013】
本開示の一態様に係る複数面画像調整プログラム(P)は、コンピュータ(E)を、壁面サイズ受付部(11)により入力を受け付けられた壁面サイズにおける壁面(W,WA,WB,WC)の高さと幅との関係、及び、トリム候補領域受付部(13)により入力を受け付けられたトリム候補領域の指定に基づいて、当該トリム候補領域を補正したトリム補正領域の指定を取得するトリム補正領域取得部(14)として機能させ、天井面画像パラメータ設定部(17)は、トリム補正領域取得部(14)により取得されたトリム補正領域の指定に基づいて、天井面画像(GC)の第1拡大率を含む天井面画像パラメータを設定し、壁面画像パラメータ設定部(18)は、トリム補正領域取得部(14)により取得されたトリム補正領域の指定をトリム領域(T)の指定として、壁面画像トリム部(12)によりトリム処理が実行される当該トリム領域(T)の指定を含む壁面画像パラメータを設定してもよい。これによれば、利用者等から入力されるトリム候補領域の指定が適切なものではなくても、より好適な態様で画像を投影可能となる。したがって、利用者等の利便性を向上させることができる。
【0014】
本開示の一態様に係る複数面画像調整プログラム(P)は、コンピュータ(E)を、トリム候補領域受付部(13)により入力を受け付けられたトリム候補領域の指定、又は、天井面画像パラメータ設定部(17)により設定された天井面画像(GC)の第1拡大率に基づいて、床面画像(GF)の第2拡大率を含む床面画像パラメータを設定する床面画像パラメータ設定部(19)として機能させてもよい。これによれば、床面(F)に対しても好適な態様で画像を投影可能となる。
【0015】
なお、上記の括弧内の符号は、後述する実施形態における構成要素の符号を本開示の一例として示したものであって、本開示を実施形態の態様に限定するものではない。
【発明の効果】
【0016】
このように、本開示に係る複数面画像調整プログラム及び複数面画像調整装置は、天井面及び壁面に対して好適な態様で画像を投影可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は、本実施形態に係る複数面画像調整装置を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、余剰領域が除去された複数面画像を示す図である。
【
図5】
図5は、トリム領域の広さに応じた天井面画像及び壁面画像を示す図である。
【
図6】
図6は、複数面画像調整処理を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、複数面画像調整プログラムのモジュール構成を示すブロック図である。
【
図11】
図11は、天井面画像、壁面画像、及び床面画像の表示の態様について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して例示的な実施形態について説明する。なお、各図における同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0019】
[全体構成]
図1は、本実施形態に係る複数面画像調整装置1を示すブロック図である。
図2は、投影室Rの一例を示す図である。
図3は、複数面画像Gの一例を示す図である。
図1~
図3に示される複数面画像調整装置1は、複数の投影面(画像が投影される面)を備える投影室Rにおいて、各投影面に対して複数面画像Gに含まれる画像を好適な態様で投影可能とするための装置である。複数面画像調整装置1は、例えば各投影面に対して好適な態様で画像を投影させるための情報を画像投影装置4に送信する。複数面画像調整装置1は、コンピュータEによって複数面画像調整プログラムPが実行されて複数面画像調整処理が行われることにより実現される装置である。
【0020】
「投影室」とは、天井面C及び少なくとも1面の壁面Wを備える空間であり、例えば一般的な箱型の部屋であってもよい。ここでは、投影室Rは、床面F、天井面C、及び4面の壁面Wを備える部屋であるものとする。
図2においては、投影室Rの天井面Cの一部が仮想的に破断されて示されている。より詳細には、投影室Rは、偏平な直方体状を呈しており、長方形の床面F、床面Fと同形且つ床面Fと平行な天井面C、及び、床面F及び天井面Cの対応する各辺に接続された4面の長方形の壁面Wを備えている。つまり、各壁面Wは床面F及び天井面Cのそれぞれに隣接している(換言すると、1辺を共有している。)。また、対面する壁面Wどうしは互いに同形且つ互いに平行である。以下の説明においては、床面F及び天井面Cの長手方向を投影室Rの縦方向、床面F及び天井面Cの短手方向を投影室Rの横方向、壁面Wの上下方向を投影室Rの高さ方向ということとする。
【0021】
投影室Rが備える4面の壁面Wのうちの2面は、投影室Rの縦方向の両端面を構成する第1壁面W1及び第4壁面W4である。
図3において、第1壁面W1は投影室Rの縦方向における手前側の壁面Wであり、第4壁面W4は投影室Rの縦方向における奥側の壁面Wである。また、投影室Rが備える4面の壁面Wのうちの残りの2面は、投影室Rの横方向の両端面を構成する第2壁面W2及び第3壁面W3である。
図2において、第2壁面W2は投影室Rの横方向における右側の壁面Wであり、第3壁面W3は投影室Rの横方向における左側の壁面Wである。
【0022】
複数面画像調整装置1により画像が投影される複数の投影面は、床面F、天井面C、及び各壁面Wのうち、少なくとも天井面C及び1面の壁面Wを含んでいる。ここでは、投影面は、床面F、第1壁面W1、第2壁面W2、及び第3壁面W3である。投影室Rは、床面F及び天井面Cが長方形の直方体状を呈していることから、後述するように、第4壁面W4は投影面として採用されておらず、また、複数面画像調整装置1による各処理の基準となる壁面Wの壁面サイズ(壁面Wの高さ及び幅)は、第1壁面W1の壁面サイズ(第1壁面W1の高さ及び幅)に基づいて計算される。
【0023】
「複数面画像」とは、投影面に投影される画像である。複数面画像Gは、立方体画像から少なくとも天井面画像GC及び1の壁面画像GWを抽出した画像セットである。「立方体画像」とは、視点を立方体の内部(例えば中心)に置いた場合に、立方体の各面に含まれる視野範囲を表す6の画像の総称である。つまり、立方体画像には、立方体の各面のうち、床に該当する面に含まれる視野範囲を表す1の床面画像GF、天井に該当する面に含まれる視野範囲を表す1の天井面画像GC、及び壁に該当する面に含まれる視野範囲を表す4の壁面画像GW(第1壁面画像GW1、第2壁面画像GW2、第3壁面画像GW3、及び第4壁面画像GW4)が含まれている。
【0024】
立方体画像に含まれる各画像は投影室Rの各投影面に対応しており、床面画像GFは床面Fに、天井面画像GCは天井面Cに、第1壁面画像GW1は第1壁面W1に、第2壁面画像GW2は第2壁面W2に、第3壁面画像GW3は第3壁面W3に、第4壁面画像GW4は第4壁面W4に、それぞれ対応している。つまり、床面画像GFは床面Fに投影され、天井面画像GCは天井面Cに投影され、第1壁面画像GW1は第1壁面W1に投影され、第2壁面画像GW2は第2壁面W2に投影され、第3壁面画像GW3は第3壁面W3に投影され、第4壁面画像GW4は第4壁面W4に投影される(実際には、これら全ての画像が投影されるとは限らない。)。
【0025】
立方体画像を構成するこれらの画像から所定の画像を選択して抽出したものが複数面画像Gである。つまり、複数面画像Gは、立方体画像に基づく画像である。ここでは、複数面画像Gは、天井面画像GC、第1壁面画像GW1、第2壁面画像GW2、及び第3壁面画像GW3を含んでいる。
【0026】
複数面画像Gに含まれる各画像は、略正方形に構成されている。なお、「略正方形」とは、厳密な正方形に限定されず、厳密な正方形に近い四角形(例えば長手方向の辺と短手方向の辺との長さが5%以内の差異を有する長方形等)も含まれる。また、「略」との語は厳密な正方形に限定されないことを明示するものである一方で、単に「正方形」と言い換えた場合であっても、当該「正方形」とは、厳密な正方形に限定されず、厳密な正方形に近い四角形(例えば長手方向の辺と短手方向の辺との長さが5%以内の差異を有する長方形等)も含まれる。つまり、本開示において、「略正方形」と「正方形」とは互いに同義であり、いずれも厳密な正方形に限定されない。
【0027】
立方体画像は、360度画像に基づいて生成される画像であってもよい。「360度画像」とは、視点位置を中心とした全方位の画像である。360度画像は、例えば技術常識の範囲において、全方位のうち当該360度画像に含まれない方位範囲が存在していてもよい。なお、360度画像を立方体画像に変換する手法は特に限定されず、一般のソフトウェア等が用いられてもよい。なお、立方体画像は、360度画像に基づいて生成されなくてもよく、例えば矩形(具体的には正方形)の画像を立方体状に組み合わせて生成されてもよい。
【0028】
複数面画像調整装置1は、各パラメータを設定する。ここで、複数面画像Gは、投影面に投影される態様に関して各パラメータによって調整される。具体的には、複数面画像Gについて、天井面画像パラメータは天井面画像GCが天井面Cに投影される態様に関する指定を行い、壁面画像パラメータは壁面画像GWが壁面Wに投影される態様に関する指定を行う。また、ここでは用いられないが、複数面画像Gが床面画像GFを含む場合には、床面画像パラメータは床面画像GFが床面Fに投影される態様に関する指定を行う。
【0029】
複数面画像調整装置1の物理的な構成について説明する。複数面画像調整装置1は、物理的には、制御演算装置、記憶装置、及び入出力装置を備えるコンピュータE(サーバ)として構成されている。複数面画像調整装置1は、管理者端末2、利用者端末3、及び画像投影装置4の各端末と有線又は無線により通信可能である。制御演算装置は、例えばCPU(Central Processing Unit)等として構成されており、演算処理を実行するとともに記憶装置及び入出力装置の制御を行う。記憶装置は、例えば主記憶装置及び補助記憶装置を有している。主記憶装置は、例えばRAM(Random Access Memory)により構成されている。また、補助記憶装置は、例えばROM(Read Only Memory)により構成されている。入出力装置は、例えば外部からデータを入力されて記憶装置に送信する入力装置、及び、例えば制御演算装置により演算されて記憶装置に記憶された演算結果を外部に出力する出力装置を有している。
【0030】
複数面画像調整装置1は、例えば、ROMに記憶されているプログラムをRAMに読み込み、RAMに読み込まれたプログラムをCPUにより実行することにより、所定の処理を実行する。ここでは、複数面画像調整装置1は、ROMに記憶されている複数面画像調整プログラムPをRAMに読み込み、RAMに読み込まれた複数面画像調整プログラムPをCPUにより実行することにより、後述する複数面画像調整処理を実行する。なお、複数面画像調整装置1は、物理的に、上述した構成とは異なる構成を備えていてもよい。
【0031】
管理者端末2は、複数面画像調整装置1の管理者により使用される端末である。管理者端末2は、少なくとも複数面画像調整装置1と通信可能に構成されている。管理者端末2は、例えば、複数面画像調整処理において必要となる情報を複数面画像調整装置1に送信したり、複数面画像調整処理によって生成された情報を複数面画像調整装置1から受信したりする。管理者端末2は、スマートフォン、タブレット、ノートパソコン、デスクトップパソコン等であってもよく、ここでは管理者端末2としてノートパソコンが例示されている。
【0032】
利用者端末3は、複数面画像調整装置1の利用者により使用される端末である。利用者端末3は、管理者端末2と同様に、少なくとも複数面画像調整装置1と通信可能に構成されている。利用者端末3は、例えば、複数面画像調整処理において必要となる情報を複数面画像調整装置1に送信したり、複数面画像調整処理によって生成された情報を複数面画像調整装置1から受信したりする。利用者端末3は、スマートフォン、タブレット、ノートパソコン、デスクトップパソコン等であってもよく、ここでは利用者端末3としてスマートフォンが例示されている。
【0033】
画像投影装置4は、投影室Rに配置され、投影室Rの各投影面に複数面画像Gを投影する装置である。画像投影装置4は、少なくとも複数面画像調整装置1と通信可能に構成されており、複数面画像調整装置1から受信する情報(例えば、複数面画像G及び各パラメータに関する情報)に基づいて、各投影面に複数面画像Gを投影する。画像投影装置4は、例えばプロジェクタであってもよく、具体的には、投影面の数に応じた数のプロジェクタからなるプロジェクタ群であってもよい。
【0034】
次に、複数面画像調整装置1の機能的な構成について説明する。複数面画像調整装置1は、機能的には、複数面画像取得部10、壁面サイズ受付部11、壁面画像トリム部12、トリム候補領域受付部13、トリム補正領域取得部14、天井面画像サイズ設定部15、壁面画像サイズ設定部16、天井面画像パラメータ設定部17、及び壁面画像パラメータ設定部18を備えている。
【0035】
複数面画像取得部10は、複数面画像Gを取得する。複数面画像取得部10は、複数の複数面画像Gを取得してもよく、この場合、各複数面画像Gは互いに異なるシーンの画像であってもよい。ここでは、複数面画像Gの天井面画像GCは略正方形であるため、天井面Cが長方形であっても天井面Cに投影される天井面画像GCは略正方形となる。つまり、長方形の天井面Cにおける一部(ここでは長手方向の手前側)に略正方形の天井面画像GCが投影され、長方形の天井面Cにおける残部(ここでは長手方向の奥側)には天井面画像GCが投影されないこととなる。そして、天井面画像GCが投影された天井面Cの部分と隣接する壁面W(ここでは第1壁面W1、第2壁面W2、及び第3壁面W3)に壁面画像GWが投影されることとなる。このように第4壁面W4に壁面画像GW(第4壁面画像GW4)を投影しないことで、複数面画像Gの一部が分離した状態となることを避けることができる。複数面画像取得部10は、例えば管理者端末2又は利用者端末3から複数面画像Gを受信することにより、当該複数面画像Gを取得してもよい。
【0036】
壁面サイズ受付部11は、壁面Wの壁面サイズの入力を受け付ける。壁面サイズ受付部11は、例えば管理者端末2又は利用者端末3から壁面Wの壁面サイズの入力を受け付けてもよい。壁面Wの壁面サイズは、当該壁面Wの高さ及び幅を含んでいる。壁面サイズ受付部11は、複数の壁面Wのうちいずれか1面の壁面Wについて壁面サイズの入力を受け付けてもよく、複数の壁面Wについて壁面サイズの入力を受け受け付けてもよい。なお、壁面サイズ受付部11により入力を受け付けられる壁面Wの壁面サイズは、どのように把握された数値であってもよく、例えば既知の数値であってもよく、一般的な方法(例えば、メジャー等の計測器を用いた方法)により計測された数値であってもよい。
【0037】
壁面画像トリム部12は、複数面画像Gの加工を行う。
図4は、余剰領域Nが除去された複数面画像Gを示す図である。
図4に示されるように、壁面画像トリム部12は、複数面画像Gの加工として、複数面画像Gから余剰領域Nを除去する。「余剰領域」とは、壁面画像GWが壁面Wに投影される際に壁面Wの投影下限線よりも下側に位置する壁面画像GWの下部領域である。「投影下限線」とは、壁面Wにおいて壁面画像GWを投影すべき領域の最下部に相当する仮想的な線であり、水平に延在する線であってもよい。ここでは、投影下限線は壁面Wと床面Fとの境界線である。つまり、壁面画像トリム部12は、複数面画像Gのうち、壁面Wに投影されたときに壁面Wから下側(床面F側)にはみ出す領域を、余剰領域Nとして除去する。
【0038】
図5は、トリム領域Tの広さに応じた天井面画像GC及び壁面画像GWを示す図である。
図5においては、壁面画像GWとして第1壁面画像GW1のみが示されているが、第2壁面画像GW2及び第3壁面画像GW3についても同様である。
図5に示されるように、壁面画像トリム部12は、複数面画像Gの加工として、複数面画像Gに対してトリム処理を実行可能である。「トリム処理」とは、壁面画像GWの一部であるトリム領域Tを壁面画像GWから除去する処理である。そして、除去された分に応じて天井面画像GCが縮小される(天井面画像GCに広範囲の画像が含まれることとなる)。「トリム領域」とは、トリム処理の実行前においては壁面画像GWに含まれて壁面Wに投影され、トリム処理の実行後においては天井面画像GCに含まれて天井面Cに投影される複数面画像Gの上部領域である。
【0039】
トリム領域Tは、壁面画像GWと天井面画像GCとの境界部の周囲に位置している。つまり、トリム処理が実行されると、壁面画像GWの上部領域であるトリム領域Tが壁面Wと天井面Cとの境界線Hを越えて天井面画像GCに移動し(天井面画像GCに統合され)、当該トリム領域Tが除去された壁面W上部の空白部分を埋めるように壁面画像GWが全体的に上昇する。このとき、後述するように天井面画像GCの拡大率である第1拡大率が低下し(つまり、縮小され)、トリム処理の実行前の天井面画像GCに加えてトリム領域Tも含めた画像が新たな天井面画像GCとなる。ここで、トリム領域T(トリム領域Tの指定)と天井面画像GCの第1拡大率とは、予め互いに対応付けられて設定されていてもよい。「トリム領域の指定」とは、壁面画像GWのうちトリム領域Tとなる領域を指定する情報であり、例えば壁面画像GWの上部何%がトリム領域Tとなるかの数値を含む情報であってもよい。トリム領域Tの指定は、状況に応じて、後述するトリム候補領域の指定又はトリム補正領域の指定とされてもよい。具体的には、トリム領域Tの指定が「0(つまり、0%)」であるときに天井面画像GCの第1拡大率が200%と設定されていてもよく、トリム領域Tの指定が「30(つまり、30%)」であるときに天井面画像GCの第1拡大率が100%と設定されていてもよい。なお、壁面画像トリム部12は、複数面画像取得部10により複数の複数面画像Gが取得されている場合には、複数の複数面画像Gごとに設定されたトリム領域Tについてトリム処理を実行してもよい。
【0040】
トリム候補領域受付部13は、壁面画像GWのうちトリム領域Tとすべき領域の候補であるトリム候補領域の指定の入力を受け付ける。トリム候補領域受付部13は、例えば管理者端末2又は利用者端末3からトリム候補領域の指定の入力を受け付けてもよい。「トリム候補領域」とは、例えば管理者又は利用者がトリム領域Tとすることを所望する領域である。「トリム候補領域の指定」とは、壁面画像GWのうちトリム領域Tとすべき領域を指定する情報であり、例えば壁面画像GWの上部何%をトリム領域Tとすべきかの数値を含む情報であってもよい。この場合、トリム候補領域の指定が「10」である場合、壁面画像GWの上部10%をトリム領域Tとすることが所望されていることを意味する。
【0041】
トリム補正領域取得部14は、壁面サイズ受付部11により入力を受け付けられた壁面Wの壁面サイズにおける当該壁面Wの高さと幅との関係、及び、トリム候補領域受付部13により入力を受け付けられたトリム候補領域の指定に基づいて、トリム候補領域を補正したトリム補正領域の指定を取得する。「トリム補正領域」とは、トリム候補領域があくまで管理者又は利用者によりトリム領域Tとすることを所望される領域であるところ、当該トリム候補領域が現実的には好適な領域であるとは限らないため、当該トリム候補領域を推奨される領域に近づけるための補正が実行された領域である。「トリム補正領域の指定」とは、トリム候補領域の指定と同様に、壁面画像GWのうちトリム領域Tとすべき領域を指定する情報であり、例えば壁面画像GWの上部何%をトリム領域Tとすべきかの数値を含む情報であってもよい。「壁面の高さと幅との関係」とは、壁面Wの高さと幅とに基づいて所定の演算式により算出される数量関係であってもよく、具体的には、壁面Wの高さと幅との比率であってもよい。トリム補正領域取得部14によりトリム候補領域の指定が補正されてトリム補正領域とされる場合には、天井面画像パラメータ及び壁面画像パラメータは、壁面Wの高さと幅との関係にも基づいて設定されることとなってもよい。
【0042】
トリム補正領域取得部14は、以下の補正ロジックに従って、トリム候補領域の指定を補正してトリム補正領域の指定を取得してもよい。例えば、補正ロジックは、壁面Wの幅を壁面Wの高さで割った値をさらに3で割った補正係数を算出し、トリム候補領域の指定の数値に当該補正係数を掛けることによって、トリム補正係数を算出するものであってもよい。この場合、トリム候補領域の指定が「10」であるとき、壁面Wの幅が6m、高さが5mであれば、補正係数は0.4であるため、トリム補正領域の指定は「4」となる。このように、トリム候補領域の指定が大きすぎるような場合(あるいは、小さすぎるような場合)であっても好適なトリム補正領域の指定とすることが可能となる。なお、上記ロジックにおいて、補正係数の算出方法が変更されてもよく、例えば3で割る代わりに別の値(任意の数)で割ってもよい。また、補正係数は、壁面Wの高さと幅との比率が1:1である場合には補正がされない(つまり、トリム補正領域がトリム候補領域と等しくなる)ように設定されていてもよい。
【0043】
天井面画像サイズ設定部15は、天井面画像サイズを設定する。「天井面画像サイズ」とは、天井面画像GCが天井面Cに投影される際のサイズであり、天井面Cに映る天井面画像GCの実際のサイズである。天井面画像サイズ設定部15は、壁面サイズ受付部11により入力を受け付けられた壁面サイズにおける壁面Wの高さと幅との関係に基づいて、天井面画像サイズを設定する。なお、天井面画像サイズ設定部15は、壁面サイズ受付部11により入力を受け付けられた壁面サイズにおける壁面Wの幅に基づいて、天井面画像サイズを設定してもよい。天井面画像サイズ設定部15による天井面画像サイズの設定は、壁面画像トリム部12によるトリム処理及び余剰領域Nの除去の処理とは異なり、あくまで画像の表示サイズの調整である。
【0044】
天井面画像サイズは、天井面画像GCの幅が壁面Wの幅に対応している(一致している)ことが好ましい。これにより、壁面Wの高さ及び幅に基づいて天井面画像GCのサイズを設定することが可能となる。このとき、壁面Wが幅広である(高さよりも幅が大きい)場合、あるいは、壁面Wが略正方形である場合には、天井面画像GCは略正方形としてもよい。
【0045】
壁面画像サイズ設定部16は、壁面画像サイズを設定する。「壁面画像サイズ」とは、壁面画像GWが壁面Wに投影される際のサイズであり、壁面Wに映る壁面画像GWの実際のサイズである。壁面画像サイズ設定部16は、壁面サイズ受付部11により入力を受け付けられた壁面サイズにおける壁面Wの高さと幅との関係に基づいて、壁面画像サイズを設定する。なお、壁面画像サイズ設定部16は、壁面サイズ受付部11により入力を受け付けられた壁面サイズにおける壁面Wの高さ及び幅に基づいて、壁面画像サイズを設定してもよい。壁面画像サイズ設定部16による壁面画像サイズの設定は、壁面画像トリム部12によるトリム処理及び余剰領域Nの除去の処理とは異なり、あくまで画像の表示サイズの調整である。
【0046】
天井面画像パラメータ設定部17は、トリム候補領域受付部13により入力を受け付けられたトリム候補領域の指定に基づいて、天井面画像パラメータを設定する。上述したように、「天井面画像パラメータ」とは、天井面画像GCが天井面Cに投影される態様に関する指定を行うパラメータである。天井面画像パラメータは、少なくとも、天井面画像GCの第1拡大率を含んでいる。また、天井面画像パラメータは、天井面画像GCの視野角(FOV)、画像サイズ(縦及び横の長さ)、面積、及びトリム領域T(位置、割合、面積等)を含んでいてもよい。さらに、天井面画像パラメータは、天井面画像サイズ設定部15により設定された天井面画像サイズを含んでいてもよい。
【0047】
天井面画像パラメータ設定部17は、トリム補正領域取得部14により取得されたトリム補正領域の指定に基づいて、天井面画像パラメータを設定してもよい。なお、天井面画像パラメータ設定部17は、複数面画像取得部10により複数の複数面画像Gが取得されている場合には、天井面画像パラメータを複数の複数面画像Gごとに設定してもよく、共通の天井面画像パラメータを複数の複数面画像Gに設定してもよい。
【0048】
壁面画像パラメータ設定部18は、壁面サイズ受付部11により入力を受け付けられた壁面サイズにおける壁面Wの高さと幅との関係、及び、トリム候補領域受付部13により入力を受け付けられたトリム候補領域の指定に基づいて、壁面画像パラメータを設定する。上述したように、「壁面画像パラメータ」とは、壁面画像GWが壁面Wに投影される態様に関する指定を行うパラメータである。壁面画像パラメータは、少なくとも、壁面画像トリム部12によりトリム処理が実行されるトリム領域Tの指定を含んでいる。また、壁面画像GWパラメータは、壁面画像GWの視野角(FOV)、画像サイズ(縦及び横の長さ)、面積、及びトリム領域T(位置、割合、面積等)を含んでいてもよい。さらに、壁面画像パラメータは、壁面画像サイズ設定部16により設定された壁面画像サイズを含んでいてもよい。
【0049】
壁面画像パラメータ設定部18は、トリム補正領域取得部14により取得されたトリム補正領域の指定をトリム領域Tの指定として、壁面画像トリム部12によりトリム処理が実行されるトリム領域Tの指定を含む壁面画像パラメータを設定してもよい。この場合には、壁面画像パラメータ設定部18は、壁面Wの高さと幅との関係、及び、トリム補正領域の指定に基づいて、壁面画像パラメータを設定してもよい。なお、壁面画像パラメータ設定部18は、複数面画像取得部10により複数の複数面画像Gが取得されている場合には、壁面画像トリム部12によりトリム処理が実行されるトリム領域Tの指定を含む壁面画像パラメータを複数の複数面画像Gごとに設定してもよく、共通の当該天井面画像パラメータを複数の複数面画像Gに設定してもよい。
【0050】
したがって、予め壁面サイズ受付部11により壁面サイズの入力が受け付けられているときに、トリム候補領域受付部13によりトリム候補領域の指定の入力が受け付けられると、壁面画像パラメータ設定部18により壁面画像パラメータが設定される(つまり、トリム領域Tが設定される)とともに(同時に)、天井面画像パラメータ設定部17により天井面画像パラメータが設定される(つまり、天井面画像GCの第1拡大率が設定される)こととなる。
【0051】
なお、天井面画像パラメータにおける天井面画像GCの視野角(天井面画像視野角)、及び、壁面画像パラメータにおける壁面画像GWの視野角(壁面画像視野角)のそれぞれは限定されないものの、例えば以下の値としてもよい。すなわち、天井面画像視野角については、デフォルト値を135度とするとともに、第1拡大率に応じて135度から90度まで(135度が第1拡大率1倍、90度が第1拡大率2.4倍)の範囲で可変としてもよい。天井面画像視野角が変更されると、天井面画像GCに映っている風景等の範囲が拡縮する。なお、天井面画像視野角を可変とすることで、トリム処理が行われた際に天井面Cの四隅に天井面画像GCが投影されない領域が生じることを抑制することができる。また、壁面画像視野角については、90度に固定してもよく、これにより壁面画像GWの見栄えが向上する。特に、壁面画像GWが360度画像から変換された立方体画像に基づく画像である場合には、この見栄えの向上の効果が大きくなりやすい。
【0052】
[複数面画像調整処理]
まず、複数面画像調整処理の概要の一例を説明する。複数面画像調整処理において、初めに、壁面Wの高さ及び幅、並びに、複数面画像Gごとに設定された水平線位置(天井面画像GCと壁面画像GWとの境界線Hに相当する位置)が入力される。続いて、壁面Wの高さに合わせて壁面画像GWが投影される際の壁面画像サイズ、余剰領域N、トリム領域T、及び天井面画像GCの第1拡大率が同時に決定する。続いて、天井面画像GCの第1拡大率に合わせて壁面画像GWの上部領域に対してトリム処理が実行されて、最終的な水平線位置が決定する。続いて、壁面Wの上部領域に対してトリム処理を実行しても壁面画像GWの下部領域が壁面Wから下方にはみ出す場合には、壁面Wの高さに合うように壁面画像GWの下部領域が最終的な余剰領域Nとして除去される。
【0053】
次に、
図6を参照して複数面画像調整処理について説明する。
図6は、複数面画像調整処理を示すフローチャートである。
図6に示される複数面画像調整処理は、複数面画像調整装置1のコンピュータEにより複数面画像調整プログラムPが実行されることにより実現される。
【0054】
ステップS10において、複数面画像調整装置1の複数面画像取得部10は、複数面画像Gを取得する。複数面画像取得部10は、複数の複数面画像Gを取得してもよい。その後、複数面画像調整処理はステップS12に移行する。
【0055】
ステップS12において、複数面画像調整装置1の壁面サイズ受付部11は、壁面Wの壁面サイズの入力を受け付ける。壁面Wの壁面サイズは、当該壁面Wの高さ及び幅を含んでいる。その後、複数面画像調整処理はステップS14に移行する。
【0056】
ステップS14において、複数面画像調整装置1のトリム候補領域受付部13は、壁面画像GWのうちトリム領域Tとすべき領域の候補であるトリム候補領域の指定の入力を受け付ける。その後、複数面画像調整処理はステップS16に移行する。
【0057】
ステップS16において、複数面画像調整装置1のトリム補正領域取得部14は、トリム補正領域の指定を取得する。具体的には、トリム補正領域取得部14は、壁面サイズ受付部11により入力を受け付けられた壁面Wの壁面サイズにおける当該壁面Wの高さと幅との関係、及び、トリム候補領域受付部13により入力を受け付けられたトリム候補領域の指定に基づいて、トリム候補領域を補正したトリム補正領域の指定を取得する。トリム補正領域取得部14は、所定の補正ロジックに従って、トリム候補領域の指定を補正してトリム補正領域の指定を取得する。その後、複数面画像調整処理はステップS18に移行する。
【0058】
ステップS18において、複数面画像調整装置1の天井面画像サイズ設定部15は、天井面画像サイズを設定する。具体的には、天井面画像サイズ設定部15は、壁面サイズ受付部11により入力を受け付けられた壁面サイズにおける壁面Wの高さと幅との関係に基づいて、天井面画像サイズを設定する。その後、複数面画像調整処理はステップS20に移行する。
【0059】
ステップS20において、複数面画像調整装置1の壁面画像サイズ設定部16は、壁面画像サイズを設定する。具体的には、壁面画像サイズ設定部16は、壁面サイズ受付部11により入力を受け付けられた壁面サイズにおける壁面Wの高さと幅との関係に基づいて、壁面画像サイズを設定する。なお、壁面画像サイズ設定部16は、天井面画像サイズ設定部15により天井面画像サイズが設定されることと同時に、壁面画像サイズを設定してもよい。つまり、ステップS20はステップS18と同時に実行されてもよい。その後、複数面画像調整処理はステップS22に移行する。
【0060】
ステップS22において、複数面画像調整装置1の天井面画像パラメータ設定部17は、天井面画像パラメータを設定する。具体的には、天井面画像パラメータ設定部17は、トリム候補領域受付部13により入力を受け付けられたトリム候補領域の指定に基づいて、少なくとも天井面画像GCの第1拡大率を含む天井面画像パラメータを設定する。その後、複数面画像調整処理はステップS24に移行する。
【0061】
ステップS24において、複数面画像調整装置1の壁面画像パラメータ設定部18は、壁面画像パラメータを設定する。具体的には、壁面画像パラメータ設定部18は、壁面サイズ受付部11により入力を受け付けられた壁面サイズにおける壁面Wの高さと幅との関係、及び、トリム候補領域受付部13により入力を受け付けられたトリム候補領域の指定に基づいて、少なくともトリム領域Tの指定を含む壁面画像パラメータを設定する。なお、壁面画像パラメータ設定部18は、天井面画像パラメータ設定部17により天井面画像パラメータが設定されることと同時に、壁面画像パラメータを設定してもよい。つまり、ステップS24はステップS22と同時に実行されてもよい。その後、複数面画像調整処理はステップS26に移行する。
【0062】
ステップS26において、複数面画像調整装置1の壁面画像トリム部12は、複数面画像Gの加工として、複数面画像Gに対してトリム処理を実行する。具体的には、壁面画像トリム部12は、天井面画像パラメータ及び壁面画像パラメータの少なくともいずれかに基づいてトリム処理を実行する。このとき、壁面画像トリム部12は、トリム処理とともに、複数面画像Gの加工として、複数面画像Gから余剰領域Nを除去する。以上により、複数面画像調整処理は終了する。
【0063】
なお、ステップS26においてトリム処理が実行された複数面画像Gは、複数面画像調整装置1から画像投影装置4に送信されて、画像投影装置4により投影面に投影されることとなる。
【0064】
[複数面画像調整プログラム]
複数面画像調整装置1としてコンピュータEを機能させる複数面画像調整プログラムPについて説明する。
図7は、複数面画像調整プログラムPのモジュール構成を示すブロック図である。複数面画像調整プログラムPは、メインモジュールMM、複数面画像取得モジュールM10、壁面サイズ受付モジュールM11、壁面画像トリムモジュールM12、トリム候補領域受付モジュールM13、トリム補正領域取得モジュールM14、天井面画像サイズ設定モジュールM15、壁面画像サイズ設定モジュールM16、天井面画像パラメータ設定モジュールM17、及び壁面画像パラメータ設定モジュールM18を備えている。
【0065】
メインモジュールMMは、コンピュータEを統括的に制御する部分である。複数面画像取得モジュールM10、壁面サイズ受付モジュールM11、壁面画像トリムモジュールM12、トリム候補領域受付モジュールM13、トリム補正領域取得モジュールM14、天井面画像サイズ設定モジュールM15、壁面画像サイズ設定モジュールM16、天井面画像パラメータ設定モジュールM17、及び壁面画像パラメータ設定モジュールM18のそれぞれを実行させることにより実現される機能は、複数面画像取得部10、壁面サイズ受付部11、壁面画像トリム部12、トリム候補領域受付部13、トリム補正領域取得部14、天井面画像サイズ設定部15、壁面画像サイズ設定部16、天井面画像パラメータ設定部17、及び壁面画像パラメータ設定部18のそれぞれの機能と同様である。なお、複数面画像調整プログラムPは、上述した各モジュールのうち、メインモジュールMM、複数面画像取得部10、壁面サイズ受付部11、壁面画像トリム部12、トリム候補領域受付部13、天井面画像パラメータ設定部17、及び壁面画像パラメータ設定部18以外の一部又は全部のモジュールを備えていなくてもよい。
【0066】
[作用及び効果]
以上説明したように、複数面画像調整プログラムPは、天井面Cに投影される略正方形の天井面画像GCと天井面Cに隣接する壁面Wに投影される略正方形の壁面画像GWとを含む複数面画像Gについて、天井面画像GCが天井面Cに投影される態様に関する天井面画像パラメータと壁面画像GWが壁面Wに投影される態様に関する壁面画像パラメータとを設定する複数面画像調整装置1としてコンピュータEを機能させる複数面画像調整プログラムPであって、コンピュータEを、複数面画像Gを取得する複数面画像取得部10と、壁面Wの高さ及び幅を含む壁面サイズの入力を受け付ける壁面サイズ受付部11と、壁面画像GWの一部であるトリム領域Tを壁面画像GWから除去するトリム処理を実行可能な壁面画像トリム部12と、壁面画像GWのうちトリム領域Tとすべき領域の候補であるトリム候補領域の指定の入力を受け付けるトリム候補領域受付部13と、トリム候補領域受付部13により入力を受け付けられたトリム候補領域の指定に基づいて、天井面画像GCの第1拡大率を含む天井面画像パラメータを設定する天井面画像パラメータ設定部17と、壁面サイズ受付部11により入力を受け付けられた壁面サイズにおける壁面Wの高さと幅との関係、及び、トリム候補領域受付部13により入力を受け付けられたトリム候補領域の指定に基づいて、壁面画像トリム部12によりトリム処理が実行されるトリム領域Tの指定を含む壁面画像パラメータを設定する壁面画像パラメータ設定部18と、として機能させる。
【0067】
複数面画像調整装置1は、天井面Cに投影される略正方形の天井面画像GCと天井面Cに隣接する壁面Wに投影される略正方形の壁面画像GWとを含む複数面画像Gについて、天井面画像GCが天井面Cに投影される態様に関する天井面画像パラメータと壁面画像GWが壁面Wに投影される態様に関する壁面画像パラメータとを設定する複数面画像調整装置1であって、複数面画像Gを取得する複数面画像取得部10と、壁面Wの高さ及び幅を含む壁面サイズの入力を受け付ける壁面サイズ受付部11と、壁面画像GWの一部であるトリム領域Tを壁面画像GWから除去するトリム処理を実行可能な壁面画像トリム部12と、壁面画像GWのうちトリム領域Tとすべき領域の候補であるトリム候補領域の指定の入力を受け付けるトリム候補領域受付部13と、トリム候補領域受付部13により入力を受け付けられたトリム候補領域の指定に基づいて、天井面画像GCの第1拡大率を含む天井面画像パラメータを設定する天井面画像パラメータ設定部17と、壁面サイズ受付部11により入力を受け付けられた壁面サイズにおける壁面Wの高さと幅との関係、及び、トリム候補領域受付部13により入力を受け付けられたトリム候補領域の指定に基づいて、壁面画像トリム部12によりトリム処理が実行されるトリム領域Tの指定を含む壁面画像パラメータを設定する壁面画像パラメータ設定部18と、を備える。
【0068】
複数面画像調整プログラムP及び複数面画像調整装置1の少なくともいずれかによれば、天井面画像GCと壁面画像GWとを含む複数面画像Gに対してトリム処理が実行されることにより、壁面画像GWの一部であるトリム領域Tが壁面画像GWから除去されるとともに天井面画像GCに統合される。つまり、壁面Wに投影されるべき領域であるトリム領域Tが壁面Wに投影される代わりに天井面Cに投影されることとなる。このとき、トリム候補領域の指定に基づいて天井面画像GCの第1拡大率が設定されるため、天井面Cに対して好適な態様で天井面画像GCを投影可能となる。また、これに伴い、トリム領域Tは、入力されたトリム候補領域の指定、及び、壁面画像GWが投影される壁面Wの壁面サイズに基づいて、その指定がされる。このため、壁面Wに対して好適な態様で壁面画像GWを投影可能となる。しかも、天井面画像GCが投影される態様と壁面画像GWが投影される態様とを互いに連動させることができる。例えば、天井面画像GCと壁面画像GWとを連続的な画像とした複数面画像Gであっても、その連続性を維持したままでトリム処理を実行可能となる。以上により、天井面C及び壁面Wに対して好適な態様で画像を投影可能となる。
【0069】
複数面画像調整プログラムPでは、複数面画像Gは、立方体画像に基づく画像である。これによれば、天井面C及び壁面Wに複数面画像Gを投影するための天井面画像パラメータ及び壁面画像パラメータの設定が容易になる。
【0070】
複数面画像調整プログラムPでは、立方体画像は、360度画像に基づいて生成される画像である。これによれば、視点位置を中心とした全方位の画像を取得可能且つ投影可能となるため、より現実空間に近い体験を利用者にさせることが可能となる。
【0071】
複数面画像調整プログラムPは、コンピュータEを、壁面サイズ受付部11により入力を受け付けられた壁面サイズにおける壁面Wの高さと幅との関係に基づいて、天井面画像GCのサイズである天井面画像サイズを設定する天井面画像サイズ設定部15と、壁面サイズ受付部11により入力を受け付けられた壁面サイズにおける壁面Wの高さと幅との関係に基づいて、壁面画像GWのサイズである壁面画像サイズを設定する壁面画像サイズ設定部16と、として機能させ、天井面画像パラメータ設定部17は、天井面画像サイズ設定部15により設定された天井面画像サイズを含む天井面画像パラメータを設定し、壁面画像パラメータ設定部18は、壁面画像サイズ設定部16により設定された壁面画像サイズを含む壁面画像パラメータを設定する。これによれば、天井面C及び壁面Wに対して好適なサイズで画像を投影可能となる。
【0072】
複数面画像調整プログラムPでは、複数面画像取得部10は、複数の複数面画像Gを取得し、天井面画像パラメータ設定部17は、複数の複数面画像Gごとに、天井面画像GCの第1拡大率を含む天井面画像パラメータを設定し、壁面画像パラメータ設定部18は、複数の複数面画像Gごとに、壁面画像トリム部12によりトリム処理が実行されるトリム領域Tの指定を含む壁面画像パラメータを設定する。これによれば、例えばシーンの互いに異なる複数の複数面画像Gを天井面C及び壁面Wに投影可能となるとともに、複数面画像Gごとに好適な態様で画像を投影可能となる。
【0073】
複数面画像調整プログラムPは、コンピュータEを、壁面サイズ受付部11により入力を受け付けられた壁面サイズにおける壁面Wの高さと幅との関係、及び、トリム候補領域受付部13により入力を受け付けられたトリム候補領域の指定に基づいて、当該トリム候補領域を補正したトリム補正領域の指定を取得するトリム補正領域取得部14として機能させ、天井面画像パラメータ設定部17は、トリム補正領域取得部14により取得されたトリム補正領域の指定に基づいて、天井面画像GCの第1拡大率を含む天井面画像パラメータを設定し、壁面画像パラメータ設定部18は、トリム補正領域取得部14により取得されたトリム補正領域の指定をトリム領域Tの指定として、壁面画像トリム部12によりトリム処理が実行される当該トリム領域Tの指定を含む壁面画像パラメータを設定する。これによれば、利用者等から入力されるトリム候補領域の指定が適切なものではなくても、より好適な態様で画像を投影可能となる。したがって、利用者等の利便性を向上させることができる。
【0074】
[変形形態]
上述した実施形態は、当業者の知識に基づいて変更又は改良が施された様々な形態により実施可能である。
【0075】
例えば、天井面画像GCは、略正方形には分類されないほど長手方向の辺と短手方向の辺との長さの差異が大きい長方形であってもよい。
【0076】
また、床面F、天井面C、及び壁面Wのそれぞれは、必ずしも厳密な平面として構成されていなくてもよい。例えば、床面F、天井面C、及び壁面Wのそれぞれは、面上に凹凸を有していてもよく、窓又は扉等の開閉部又は開口部を有していてもよく、カーテン又は装飾等を有していてもよい。
【0077】
また、複数面画像Gが投影される投影面は、天井面C、第1壁面W1、第2壁面W2、及び第3壁面W3の4面に限定されない。複数面画像Gが投影される投影面は、少なくとも天井面C及び1面の壁面Wの2面を含んでいればよく、これら2面に加えて、床面F、別の各壁面W、及び第4壁面W4のうちの1面又は複数面を更に含んでもよい。
【0078】
また、トリム領域Tは、壁面画像GWの上部領域でなくてもよく、例えば壁面画像GWの下部領域、右部領域、又は左部領域であってもよく、これらのうちの複数の領域の組合せであってもよい。例えば、壁面画像GWが幅広である(高さよりも幅が大きい)場合において、壁面画像GWの上部領域に対するトリム処理のみでは壁面Wに壁面画像GWが収まらないときに、壁面画像GWの下部領域についてもトリム処理を実行することとしてもよい。
【0079】
また、上記実施形態においては、投影室Rは、偏平な直方体状を呈しており、長方形の床面F、床面Fと同形且つ床面Fと平行な天井面C、及び、床面F及び天井面Cの対応する各辺に接続された4面の長方形の壁面W(第1壁面W1、第2壁面W2、第3壁面W3、第4壁面W4)を備えている。しかし、複数面画像調整装置1は、このような投影室R以外に対しても適用可能である。
【0080】
例えば、
図8に示されるように、複数面画像調整装置1は、投影室Rに代えて投影室RAに対して適用されてもよい。投影室RAは、偏平な直方体状を呈しており、正方形の床面FA、床面FAと同形且つ床面FAと平行な天井面CA、及び、床面FA及び天井面CAの対応する各辺に接続された4面の長方形の壁面WA(第1壁面WA1、第2壁面WA2、第3壁面WA3、第4壁面WA4)を備えている。この場合、複数面画像Gの天井面画像GCが正方形の天井面CAの全面に投影される。そして、複数面画像Gの第1壁面画像GW1、第2壁面画像GW2、第3壁面画像GW3、及び第4壁面画像GW4のそれぞれが第1壁面WA1、第2壁面WA2、第3壁面WA3、及び第4壁面WA4のそれぞれに投影される。
【0081】
あるいは、
図9に示されるように、複数面画像調整装置1は、投影室Rに代えて投影室RBに対して適用されてもよい。投影室RBは、立方体状を呈しており、正方形の床面FB、床面FBと同形且つ床面FBと平行な天井面CB、及び、床面FB及び天井面CBの対応する各辺に接続された4面の正方形の壁面WB(第1壁面WB1、第2壁面WB2、第3壁面WB3、第4壁面WB4)を備えている。この場合、複数面画像Gの天井面画像GCが正方形の天井面CBの全面に投影される。そして、複数面画像Gの第1壁面画像GW1、第2壁面画像GW2、第3壁面画像GW3、及び第4壁面画像GW4のそれぞれが第1壁面WB1、第2壁面WB2、第3壁面WB3、及び第4壁面WB4のそれぞれに投影される。なお、この場合、トリム処理の実行前と実行後において、複数面画像Gは実質的には変化していなくてもよい(加工されていなくてもよい)。
【0082】
あるいは、
図10に示されるように、複数面画像調整装置1は、投影室Rに代えて投影室RCに対して適用されてもよい。投影室RCは、幅狭な直方体状を呈しており、長方形の床面FC、床面FCと同形且つ床面FCと平行な天井面CC、及び、床面FC及び天井面CCの対応する各辺に接続された4面の長方形の壁面WC(第1壁面WC1、第2壁面WC2、第3壁面WC3、第4壁面WC4)を備えている。ここで、少なくとも第1壁面W1は縦長である(高さの方が幅よりも大きい)。この場合、壁面画像GWに対するトリム処理は、壁面画像GWの上部領域ではなく側部領域(右部領域及び左部領域の少なくともいずれかの領域)に対して実行されてもよい。また、天井面画像GCに対するトリム処理は、側部領域(右部領域及び左部領域の少なくともいずれかの領域)に対して実行されるようにしてもよい。
【0083】
また、複数面画像調整装置1は、床面画像パラメータ設定部19を備えていてもよい。床面画像パラメータ設定部19は、トリム候補領域受付部13により入力を受け付けられたトリム候補領域の指定、又は、天井面画像パラメータ設定部17により設定された天井面画像GCの第1拡大率に基づいて、床面画像GFの第2拡大率を含む床面画像パラメータを設定する。つまり、複数面画像Gが床面画像GFを含む場合には、床面画像GFの拡大率である第2拡大率は、トリム候補領域の指定、又は、天井面画像パラメータ設定部17に設定された天井面画像GCの第1拡大率に基づいて、床面画像パラメータ設定部19により設定されてもよい。例えば、床面画像GFの第2拡大率は、天井面画像GCの第1拡大率に相反するように設定されてもよい。一例として、トリム領域Tの指定が「30(つまり、30%)」である場合において天井面画像GCの第1拡大率が100%と設定されるとき、床面画像GFの第2拡大率が200%と設定されてもよい。換言すると、天井面画像GCが拡大(縮小)される場合には、床面画像GFが縮小(拡大)されるように設定されてもよい。あるいは、トリム候補領域の指定に基づいて壁面画像GWの下部領域が余剰領域Nとして除去される場合には、余剰領域Nの割合等に応じて床面画像GFの第2拡大率が設定されてもよい。
【0084】
また、
図11は、天井面画像GC、壁面画像GW、及び床面画像GFの表示の態様について説明するための図である。ここでは、壁面画像GWとして第1壁面画像GW1が例示されているが、第2壁面画像GW2、第3壁面画像GW3、及び第4壁面画像GW4の場合においても同様である。
図11に示されるように、複数の複数面画像Gにおいて、水平線位置(トリム候補領域の指定)はそれぞれ同一であるが壁面Wの高さがそれぞれ異なる場合、天井面画像GC及び床面画像GFは、壁面Wの高さに合わせて第1拡大率及び第2拡大率をそれぞれ設定されてもよい。この場合、各複数面画像Gにおける壁面画像GWの上部の領域と下部の領域は、それぞれ等しい面積の領域がトリムされてもよい。なお、床面画像GFの第2拡大率は、天井面画像GCの第1拡大率に相反しないように設定されてもよく、例えば、床面画像GFの第2拡大率は、天井面画像GCの第1拡大率と同一の値に設定されてもよい。具体的に、
図11の左図においては、標準の水平線位置に対して壁面Wの高さが通常より高く、このときの天井面画像GCの視野角が90度、壁面画像GWの視野角が90度、床面画像GFの視野角が90度とされている。また、
図11の中央図においては、標準の水平線位置に対して壁面Wの高さが通常であり、このときの天井面画像GCの視野角が110度、壁面画像GWの視野角が90度、床面画像GFの視野角が110度とされている。また、
図11の右図においては、標準の水平線位置に対して壁面Wの高さが通常より低く、このときの天井面画像GCの視野角が135度、壁面画像GWの視野角が90度、床面画像GFの視野角が135度とされている。このように、
図11においては、水平線位置は変えずに壁面Wの高さを変えた場合に、天井面画像GC及び床面画像GFは壁面Wの高さに合わせて拡大又は縮小されており、より詳細には、壁面画像GWの上部及び下部が同一の面積分ずつトリムされている。水平線位置が上がると壁面画像GWの上部が下部よりも多くトリムされてもよく、逆に水平線位置が下がると壁面画像GWの下部が上部よりも多くトリムされてもよい。
【0085】
複数面画像調整プログラムPは、コンピュータEを、トリム候補領域受付部13により入力を受け付けられたトリム候補領域の指定、又は、天井面画像パラメータ設定部17により設定された天井面画像GCの第1拡大率に基づいて、床面画像GFの第2拡大率を含む床面画像パラメータを設定する床面画像パラメータ設定部19として機能させてもよい。これによれば、床面Fに対しても好適な態様で画像を投影可能となる。
【0086】
なお、複数面画像調整装置1は、画像投影装置4と協働して複数面画像調整システムを構成してもよい。つまり、複数面画像調整処理を実行可能な複数面画像調整システムは、複数面画像調整装置1及び画像投影装置4を具備しており、複数面画像調整装置1と同様の作用及び効果を奏することができる。
【符号の説明】
【0087】
1 複数面画像調整装置
2 管理者端末
3 利用者端末
4 画像投影装置
10 複数面画像取得部
11 壁面サイズ受付部
12 壁面画像トリム部
13 トリム候補領域受付部
14 トリム補正領域取得部
15 天井面画像サイズ設定部
16 壁面画像サイズ設定部
17 天井面画像パラメータ設定部
18 壁面画像パラメータ設定部
19 床面画像パラメータ設定部
C,CA,CB,CC 天井面
E コンピュータ
F,FA,FB,FC 床面
G 複数面画像
GC 天井面画像
GF 床面画像
GW 壁面画像
GW1 第1壁面画像
GW2 第2壁面画像
GW3 第3壁面画像
GW4 第4壁面画像
H 境界線
N 余剰領域
P 複数面画像調整プログラム
R,RA,RB,RC 投影室
T トリム領域
W,WA,WB,WC 壁面
W1,WA1,WB1,WC1 第1壁面
W2,WA2,WB2,WC2 第2壁面
W3,WA3,WB3,WC3 第3壁面
W4,WA4,WB4,WC4 第4壁面