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  • 特開-スマートメータ用保護カバー 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023091194
(43)【公開日】2023-06-30
(54)【発明の名称】スマートメータ用保護カバー
(51)【国際特許分類】
   G01F 1/00 20220101AFI20230623BHJP
   G01F 1/06 20060101ALI20230623BHJP
   G01F 15/14 20060101ALI20230623BHJP
【FI】
G01F1/00 G
G01F1/06 Z
G01F15/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021205809
(22)【出願日】2021-12-20
(71)【出願人】
【識別番号】000201593
【氏名又は名称】前澤給装工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100073623
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 幸吉
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100098246
【弁理士】
【氏名又は名称】砂場 哲郎
(72)【発明者】
【氏名】田嶋 竜一
【テーマコード(参考)】
2F030
【Fターム(参考)】
2F030CC02
2F030CE09
2F030CE13
2F030CF05
(57)【要約】
【課題】従来、水道使用量を発信する発信機の取付け箇所については、明確な基準がなく、発信機の設置箇所がスマートメータから離れる場合には、信号線の断線を招いたり、適当な設置箇所がないといった問題があった。
【解決手段】スマートメータ用保護カバーを、メーターユニットベースの長手方向に沿って両側から取付けられる覆着片11,12と、スマートメータの発信機をセットするスペース21を設けた蓋体2とによって構成するようにした。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
メーターユニットベースの長手方向に沿って両側から取付けられる覆着片と、スマートメータの発信機をセットする収容スペースを設けた蓋体とによって構成されることを特徴とするスマートメータ用保護カバー。
【請求項2】
スマートメータの信号線を保護カバー外周に導く通孔を設けると共に、カバー外周に余裕分の信号線を巻き回す段差フランジを設けるようにした請求項1記載のスマートメータ用保護カバー
【請求項3】
発信機の収容スペースに、発信機の形状に対応する調整部や、セットスペース内に溜まる埃やごみの掃出し口とする切欠き部を形成するようにした請求項1又は請求項2記載のスマートメータ用保護カバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用量等を電波で発信する発信機を備えた水道メータ、いわゆるスマートメータ用の保護カバーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
水道使用量等を発信する発信機は、水道メータと信号線で結線され、集合住宅ではパイプシャフト内に設置されることになるが、躯体壁に取付けたり、配管に取付けたり等、明確な取付け箇所は決まっておらず、設置現場に合わせた対応を取ることになる。
【0003】
従来技術として特許文献1記載発明は、複雑な形状の被着物に対する被着作業に対応して安定した被着状態を維持するため、メータの底部の覆着について、メータの底部とリリースベースの間隙部を挿通する底部覆着部を側当て盤に張出形成し、この側当て盤と対峙して対をなす側当て盤に底部覆着部先端に形成した嵌合凸部を嵌合凹部に嵌入して凹凸嵌合することによって底部覆着カバーがメータ底部への覆着と同時に構成されるようにした。
【0004】
また、特許文献2記載発明は、電子式水道メータ等、磁気センサーによる流量積算検出作用が行われるメータ機器に対する強力な永久磁石の近接等外部磁界によってメータ性能に発生する悪影響に対処するため、高透磁率材料による磁気遮蔽部材を断熱部材と一体に構成し、水道メータを覆う保温カバーに構成するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004-124371号公報
【特許文献2】特開2005-241541号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、水道使用量等を発信する発信機の取付け箇所については、明確な基準がなく、水道メータを交換した既設の配管に使用する場合には、パイプシャフト内に住人の荷物が置かれていることがあったりして、適切な取付け箇所が無い場合も想定される。そのため、発信機の設置箇所がスマートメータから離れる場合には、信号線の断線や適当な設置箇所がないといった問題も発生する。
【0007】
更に、保護カバーであることから、冬季の低温凍結からの複雑な形状の被着物に対する被着態様に対応して安定した被着状態の維持、スマートメータとして水道水の流量積算検出表示機構の磁気・凍結からの保護も確保されなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は上記した問題に対応しようとするものであり、メーターユニットベースの長手方向に沿って両側から取付けられる覆着片と、発信機の収容スペースを設けた蓋体とによって保護カバーを構成し、スマートメータの発信機設置位置を定位置化すると共に、発信機が常にスマートメータの直近でスマートメータの上方向に設定できるようにして信号線の処理を容易にし、断線や混線を回避できるようにした。
【0009】
また、発信機収容蓋体には必要に応じて切欠き部を設けて、収容発信機の形状に対する対応や、収容スペース内に溜まる埃やごみの掃出しを行えるようにする。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、上記のように、メーターユニットベースの長手方向に沿って両側から取付けられる覆着片と、発信機の収容スペースを設けた蓋体とによって保護カバーを構成したので、スマートメータの発信機設置位置を定位置化すると共に、発信機が常にスマートメータの直近に設定できるようにして信号線の処理を容易にし、断線や混線を大幅に回避することができた。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施例を示すもので、本発明による覆着片と、発信機の収容スペースを設けた蓋体とによってメーターユニットベースの長手方向に沿って両側から保護カバーが取付けられた状態を示すメーターユニットベースの全体側面図である。
図2】同じく、発信機の収容スペースを設けた蓋体の平面図である。
図3】同じく、メーターユニットベースの長手方向に沿って両側から取付けられる両覆着片の嵌着状況と、両覆着片と蓋体との嵌合状況を示す内部スペースと発信機の収容スペースを破線で示した保護カバーの全体正面図である。
図4】同じく、左覆着片と蓋体との嵌合状況を、蓋体の上半部発信機の収容スペース設定部を切欠縦断面、左覆着片の内部スペース設定状況を破線で示した保護カバーの全体左側面図である。
図5】同じく、右覆着片と蓋体との嵌合状況と、蓋体及び右覆着片の内部スペース設定状況を破線で示した保護カバーの全体右側面図である。
図6】同じく、蓋体に所要の切欠き部を設定した状態を示す保護カバーの全体右側面図である。
図7】同じく、蓋体に所要の切欠き部を設定した状態を示す蓋体の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明すると、1はメーターユニットベースAを長手方向に沿って両側から覆着する覆着片で、左覆着片11と、右覆着片12とからなり、上部からの蓋体2と嵌合して計測機器本体aを包摂して、冬季の低温凍結や近傍から発せられる磁気等からこれを保護するものである。
【0013】
保護カバーの素材は発泡ポリスチレン等、軽量で加工し易い材料が用いられ、必要に応じて磁気遮蔽部材や堅牢な芯材を一体として用いる。芯材を用いることで荷物等が置かれても破損を防ぐことができる。
メーターユニットベースAは、水道メータ等の計測機器本体a、その一次側に止水栓b、二次側に逆止弁を内蔵する胴部材cが接続され、複雑な形状を構成しているが、保護カバーは計測機器本体aを中心に包摂される。
【0014】
保護カバーは左右覆着片11,12と蓋体2によって構成され、蓋体2には上面に発信機の収容スペース21が形成され、スマートメータの発信機がそこに収容されるようになっている。発信機には様々な形態があり、必ずしも、そこにきっちりと収容される必要はなく、場合によっては発信機がスペースからはみ出ても良い。
【0015】
収容スペース21には、上記発信機の形態に対応して、必要に応じた切欠き22が形成され、発信機の形状に対応する調整部や、セットスペース内に溜まる埃やごみの掃出し口とする。また、保護カバーには信号線を通すための通孔23が設定される。信号線は通孔23を通じて保護カバーの外周部に導出され、余裕分がずれ落ちないように覆着片1に設けられた段差フランジ24に巻き回すように設置すると断線や混線の発生が抑制できる。
【0016】
保護カバーの左右覆着片11と12は、図3に示されるように接合面が段差をもって嵌合されるように構成され、嵌合締着度が高められるようになっている。また、覆着片1と蓋体2の接合面についても、覆着片1の上面に突起部13が形成され、蓋体2の底部凹陥部と嵌合される。
【0017】
本発明は以上のように構成されたので、スマートメータの発信機設置位置を定位置化すると共に、発信機が常にスマートメータの直近に設定できるようにして信号線の処理を容易にし、断線や混線を大幅に回避することができた。
【産業上の利用可能性】
【0018】
本願発明に係るスマートメータ用保護カバーは、スマートメータの発信機設置位置を定位置化すると共に、発信機が常にスマートメータの直近に設定できるようにして信号線の処理を容易にし、断線や混線を大幅に回避することができたので、水道施設産業上に高度の利用価値を有するものである。
【符号の説明】
【0019】
1 メーターユニットベースを両側から覆着する覆着片
11 左覆着片
12 右覆着片
13 覆着片上面の突起部
2 蓋体
21 発信機収容スペース
22 発信機収容スペースの切欠き
23 発信機収容スペースの通孔
A メーターユニットベース
a 計測機器本体
b 止水栓
c 胴部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7