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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023091222
(43)【公開日】2023-06-30
(54)【発明の名称】排熱利用システム
(51)【国際特許分類】
   F24H 1/00 20220101AFI20230623BHJP
   F24F 11/46 20180101ALI20230623BHJP
   F24H 15/196 20220101ALI20230623BHJP
【FI】
F24H1/00 631Z
F24F11/46
F24H1/00 602G
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021205854
(22)【出願日】2021-12-20
(71)【出願人】
【識別番号】000003621
【氏名又は名称】株式会社竹中工務店
(74)【代理人】
【識別番号】100154726
【弁理士】
【氏名又は名称】宮地 正浩
(72)【発明者】
【氏名】岩田 卓郎
【テーマコード(参考)】
3L024
3L122
3L260
【Fターム(参考)】
3L024CC05
3L024DD22
3L024DD28
3L024GG33
3L024HH22
3L024HH36
3L122AA03
3L122AA12
3L122AA34
3L122AA43
3L122AA46
3L122AA64
3L260AA02
3L260AB02
3L260BA42
3L260BA74
3L260CB62
3L260FA02
3L260FB08
3L260FB18
3L260FC36
(57)【要約】      (修正有)
【課題】構成の簡素化及びコストの低減を図りながら、追焚装置と空調装置との排熱をお互いに利用可能として、更なる省エネルギー化を図ること。
【解決手段】浴槽2の湯水を循環させて加熱する湯水循環加熱回路31を有する追焚装置3と、冷媒を循環させる冷媒回路43を有するヒートポンプ式の空調装置4と、湯水循環加熱回路31の湯水と冷媒回路43の冷媒との間で熱交換可能な熱交換部5と、運転制御部72とが備えられ、空調装置4が冷房モードである場合に、運転制御部72が、湯水循環加熱回路31にて湯水を循環させて熱交換部5に対して湯水を供給し、冷媒回路43の冷媒の温熱にて湯水を加熱する湯水加熱運転を実行可能であり、空調装置が暖房モードである場合に、運転制御部72が、湯水循環加熱回路31にて湯水を循環させて熱交換部5に対して湯水を供給し、その湯水の温熱にて冷媒回路43の冷媒を加熱する冷媒加熱運転を実行可能である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴槽の湯水を循環させて加熱する湯水循環加熱回路を有する追焚装置と、
冷媒を循環させる冷媒回路を有するヒートポンプ式の空調装置と、
前記湯水循環加熱回路の湯水と前記冷媒回路の冷媒との間で熱交換可能な熱交換部と、
運転制御部とが備えられ、
前記空調装置が冷房モードである場合に、前記運転制御部が、前記湯水循環加熱回路にて湯水を循環させて前記熱交換部に対して湯水を供給し、前記冷媒回路の冷媒の温熱にて湯水を加熱する湯水加熱運転を実行可能であり、
前記空調装置が暖房モードである場合に、前記運転制御部が、前記湯水循環加熱回路にて湯水を循環させて前記熱交換部に対して湯水を供給し、その湯水の温熱にて前記冷媒回路の冷媒を加熱する冷媒加熱運転を実行可能である排熱利用システム。
【請求項2】
前記湯水循環加熱回路には、前記熱交換部をバイパスさせて湯水を通流させるバイパス状態に切替自在な湯水バイパス部が備えられ、
前記冷媒回路には、前記熱交換部をバイパスさせて冷媒を通流させるバイパス状態に切替自在な冷媒バイパス部が備えられている請求項1に記載の排熱利用システム。
【請求項3】
前記湯水加熱運転中及び前記冷媒加熱運転中に、熱交換終了条件が満たされると、前記湯水バイパス部及び前記冷媒バイパス部をバイパス状態に切り替えて、前記熱交換部での熱交換を終了させるバイパス状態制御部が備えられている請求項2に記載の排熱利用システム。
【請求項4】
前記熱交換部と前記湯水バイパス部と前記冷媒バイパス部とを有する熱交換ユニットが備えられ、その熱交換ユニットは、前記追焚装置と前記空調装置とは独立して構成されて、前記湯水循環加熱回路の途中部位に配設されている請求項2又は3に記載の排熱利用システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空調装置等の排熱を利用する排熱利用システムに関する。
【背景技術】
【0002】
排熱利用システムとして、浴槽の湯水を循環させる湯水循環回路を有する追焚装置と、冷媒を循環させる冷媒回路を有するヒートポンプ式の空調装置とが備えられ、空調装置の排熱を追焚装置にて利用可能とする排熱利用システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この特許文献1のシステムでは、湯水循環回路の湯水と冷媒回路の冷媒との間で熱交換可能な熱交換部が備えられ、湯水循環回路の湯水及び冷媒回路の冷媒を熱交換部に供給することで、冷媒の温熱にて湯水を加熱して、空調装置の排熱を追焚装置の熱源として利用している。
【0004】
ヒートポンプ式の空調装置ではないが、追焚装置の排熱を空調に利用するシステムも知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
この特許文献2のシステムでは、追焚装置における湯水循環回路の湯水の温熱を放熱させる放熱ユニットが備えられ、湯水循環回路の湯水を放熱ユニットに供給することで、放熱ユニットにて湯水の温熱を利用して給気用の空気を加熱し、追焚装置の排熱を利用して空調対象空間の暖房を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特公昭62-032331号公報
【特許文献2】特開2018-136053号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1のシステムでは、空調装置の排熱を追焚装置の熱源として利用しているので、追焚装置単体では浴槽の湯水を追焚することができない。よって、浴槽の湯水を追焚する場合には、追焚装置に加えて、空調装置も作動させなければならず、構成の複雑化やコストの増大を招くことになる。また、特許文献1のシステムでは、空調装置の排熱を追焚装置にて利用できるものの、追焚装置の排熱を空調装置にて利用することができず、更なる省エネルギー化が望まれている。
【0008】
特許文献2のシステムでは、追焚装置の排熱を放熱させる放熱ユニットが備えられているだけであるので、空調対象空間の空調を行う際に排熱が生じることが想定されていない。よって、空調に伴う排熱を追焚装置にて利用することが想定されておらず、更なる省エネルギー化が望まれている。
【0009】
この実情に鑑み、本発明の主たる課題は、構成の簡素化及びコストの低減を図りながら、追焚装置と空調装置との排熱をお互いに利用可能として、更なる省エネルギー化を図ることができる排熱利用システムを提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1特徴構成は、浴槽の湯水を循環させて加熱する湯水循環加熱回路を有する追焚装置と、
冷媒を循環させる冷媒回路を有するヒートポンプ式の空調装置と、
前記湯水循環加熱回路の湯水と前記冷媒回路の冷媒との間で熱交換可能な熱交換部と、
運転制御部とが備えられ、
前記空調装置が冷房モードである場合に、前記運転制御部が、前記湯水循環加熱回路にて湯水を循環させて前記熱交換部に対して湯水を供給し、前記冷媒回路の冷媒の温熱にて湯水を加熱する湯水加熱運転を実行可能であり、
前記空調装置が暖房モードである場合に、前記運転制御部が、前記湯水循環加熱回路にて湯水を循環させて前記熱交換部に対して湯水を供給し、その湯水の温熱にて前記冷媒回路の冷媒を加熱する冷媒加熱運転を実行可能である点にある。
【0011】
本構成によれば、追焚装置は、浴槽の湯水を循環させて加熱する湯水循環加熱回路を有するので、その湯水循環加熱回路にて浴槽の湯水を循環させるだけで、浴槽の湯水を追焚することができる。よって、追焚装置は、追焚装置単体にて浴槽の湯水を追焚することができ、他の熱源を備えなくてもよく、構成の簡素化及びコストの低減を図ることができる。
【0012】
しかも、運転制御部が湯水加熱運転を行うことで、熱交換部において冷媒回路の冷媒の温熱にて湯水を加熱することができることから、空調装置の排熱を追焚装置にて利用することができる。一方、運転制御部が冷媒加熱運転を行うことで、熱交換部において湯水循環加熱回路の湯水の温熱にて冷媒を加熱することができることから、追焚装置の排熱を空調装置にて利用することができる。
【0013】
これにより、空調装置の排熱を追焚装置にて利用して浴槽の湯水を追焚することができるだけでなく、追焚装置の排熱を空調装置にて利用して空調対象空間を暖房することができるので、追焚装置と空調装置との排熱をお互いに利用可能として、更なる省エネルギー化を図ることができる。
【0014】
本発明の第2特徴構成は、前記湯水循環加熱回路には、前記熱交換部をバイパスさせて湯水を通流させるバイパス状態に切替自在な湯水バイパス部が備えられ、
前記冷媒回路には、前記熱交換部をバイパスさせて冷媒を通流させるバイパス状態に切替自在な冷媒バイパス部が備えられている点にある。
【0015】
湯水循環加熱回路において、熱交換部での熱交換を行わない場合等にも、熱交換部に対して湯水を供給すると、湯水の通流抵抗が増大したり、湯水の温熱が無駄に放熱されてしまう可能性がある。冷媒回路においても、熱交換部での熱交換を行わない場合等にも、熱交換部に対して冷媒を供給すると、同様に、不都合を生じる可能性がある。
【0016】
そこで、本構成によれば、湯水循環加熱回路には湯水バイパス部が備えられ、冷媒回路には冷媒バイパス部が備えられている。これにより、熱交換部での熱交換を行わない場合等には、湯水バイパス部及び冷媒バイパス部をバイパス状態に切り替えることで、熱交換部に対する湯水及び冷媒の供給を停止して、通流抵抗の増大や無駄な放熱等の不都合が生じるのを回避することができる。
【0017】
本発明の第3特徴構成は、前記湯水加熱運転中及び前記冷媒加熱運転中に、熱交換終了条件が満たされると、前記湯水バイパス部及び前記冷媒バイパス部をバイパス状態に切り替えて、前記熱交換部での熱交換を終了させるバイパス状態制御部が備えられている点にある。
【0018】
本構成によれば、湯水加熱運転中及び冷媒加熱運転中に、常時、熱交換部に対して湯水及び冷媒を供給するのではなく、熱交換終了条件が満たされると、バイパス状態制御部が、湯水バイパス部及び冷媒バイパス部をバイパス状態に切り替えて、熱交換部に対する湯水及び冷媒の供給を停止する。これにより、湯水加熱運転中及び冷媒加熱運転中であっても、熱交換部での熱交換を行うときだけ、熱交換部に対して湯水及び冷媒を供給することができ、熱交換部での熱交換を行わない場合等における通流抵抗の増大や無駄な放熱等の不都合が生じるのを適切に回避することができる。
【0019】
本発明の第4特徴構成は、前記熱交換部と前記湯水バイパス部と前記冷媒バイパス部とを有する熱交換ユニットが備えられ、その熱交換ユニットは、前記追焚装置と前記空調装置とは独立して構成されて、前記湯水循環加熱回路の途中部位に配設されている点にある。
【0020】
本構成によれば、熱交換ユニットが、追焚装置と空調装置とは独立して構成されて、湯水循環加熱回路の途中部位に配設されているので、追焚装置及び空調装置が既に設置されている場合であっても、追焚装置や空調装置の改良を行わずに、熱交換ユニットを新たに設置するだけで、追焚装置と空調装置との排熱をお互いに利用可能とする排熱利用システムを構築することができる。これにより、排熱利用システムの全体を新たに設置する場合だけでなく、追焚装置及び空調装置が既に設置されている状況下においても、構成の複雑化や作業手間の煩雑化を招くことなく、柔軟に対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】排熱利用システムにおいて湯水加熱運転の状態を示す全体概略構成図
図2】排熱利用システムにおいて冷媒加熱運転の状態を示す全体概略構成図
図3】排熱利用システムの動作を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明に係る排熱利用システムの実施形態について図面に基づいて説明する。
この排熱利用システム1は、図1及び図2に示すように、浴槽2の湯水の追焚を行う追焚装置3と、空調対象空間の空調を行うヒートポンプ式の空調装置4とが備えられている。図1図2は、空調装置4の冷媒の通流方向が異なるだけであり、いずれも、排熱利用システム1の全体概略構成を示しているので、以下、図1に基づいて説明する。ちなみに、図1及び図2において、冷媒や湯水が通流する部位を太線にて示し、冷媒や湯水が通流しない部位を細線にて示しており、各種の機器については、冷媒や湯水が通流する機器や作動している機器を太線にて示している。
【0023】
追焚装置3は、浴槽2の湯水を循環させて加熱する湯水循環加熱回路31を有する給湯装置37等にて構成されている。湯水循環加熱回路31は、浴槽2の湯水を加熱する加熱部32に供給する戻り路33と、加熱部32にて加熱された湯水を浴槽2に供給する往き路34とが備えられ、戻り路33には、浴槽2の湯水を湯水循環加熱回路31にて循環させる循環ポンプ35が備えられている。加熱部32は、ガスバーナ等の加熱源36が備えられ、加熱源36にて発生する熱と浴槽2の湯水とを熱交換させて、浴槽2の湯水を加熱している。加熱源36としては、ガスバーナ等を有するガス式のものに限らず、電気ヒータ等を有する電気式のものを適用することができる。
【0024】
追焚装置3には、リモートコントローラ(図示省略)が備えられ、ユーザがリモートコントローラを操作することで、追焚の開始指令等の各種の指令を与えることができるとともに、浴槽2の湯水の目標温度等も設定可能となっている。追焚装置3は、追焚の開始指令があると、循環ポンプ35及び加熱源36等を作動させて、浴槽2の湯水を循環させて加熱し、加熱後の湯水を浴槽2に戻して、浴槽2の湯水の追焚を行っている。追焚の終了については、例えば、浴槽2の湯水の温度が目標温度以上となることで、追焚装置3が、循環ポンプ35及び加熱源36等を停止させて、浴槽2の湯水の追焚を終了している。追焚の終了条件については、浴槽2の湯水の温度が目標温度以上となることに限らず、例えば、追焚の開始から設定時間が経過する、リモートコントローラにて追焚の終了指令が指令される等、各種の条件を設定することができる。
【0025】
ヒートポンプ式の空調装置4は、室外機41と室内機42とに接続されて、冷媒を循環させる冷媒回路43を有している。図示は省略するが、室外機41には、圧縮機、室外熱交換器及び室外ファン等が備えられ、室内機42には、膨張弁、室内熱交換器及び室内ファン等が備えられている。冷媒回路43は、室外機41の圧縮機、室外熱交換器、室内機42の膨張弁、室内熱交換器に冷媒を通流させる冷媒通流路にて構成されている。冷媒回路43には、圧縮機からの冷媒を、室外熱交換器、膨張弁、室内熱交換器の順に循環供給する冷房状態と、圧縮機からの冷媒を、室内熱交換器、膨張弁、室外熱交換器の順に循環供給する暖房状態とに切替自在な切替弁(例えば、四方弁)が備えられている。
【0026】
ヒートポンプ式の空調装置4が冷房モードを実行する場合には、冷媒回路43において、圧縮機や膨張弁等を作動させ、切替弁を冷房状態に切り替えることで、圧縮機、室外熱交換器、膨張弁、室内熱交換器の順に冷媒を循環供給させ、室外熱交換器を凝縮器として機能させるとともに、室内熱交換器を蒸発器として機能させて、空調対象空間の冷房を行うようにしている(図1の冷媒回路43における冷媒の通流方向を参照)。逆に、ヒートポンプ式の空調装置4が暖房モードを実行する場合には、冷媒回路43において、圧縮機や膨張弁等を作動させ、切替弁を暖房状態に切り替えることで、圧縮機、室内熱交換器、膨張弁、室外熱交換器の順に冷媒を循環供給させ、室内熱交換器を凝縮器として機能させるとともに、室外熱交換器を蒸発器として機能させて、空調対象空間の暖房を行うようにしている(図2の冷媒回路43における冷媒の通流方向を参照)。
【0027】
ヒートポンプ式の空調装置4には、リモートコントローラ(図示省略)が備えられ、ユーザがリモートコントローラを操作することで、冷房モード及び暖房モードの開始や停止等の各種の指令を与えることができるとともに、空調対象空間の目標温度等も設定可能となっている。
【0028】
排熱利用システム1には、追焚装置3と空調装置4との排熱をお互いに利用可能とするために、図1に示すように、追焚装置3における湯水循環加熱回路31の湯水と空調装置4における冷媒回路43の冷媒との間で熱交換可能な熱交換部5が備えられている。
【0029】
熱交換部5は、湯水循環加熱回路31の湯水と冷媒回路43の冷媒とを熱交換させる熱交換器にて構成されている。熱交換部5が、湯水循環加熱回路31において、戻り路33の途中部位に配設され、且つ、冷媒回路43において、室外機41と室内機42との間の部位に配設されている。
【0030】
熱交換部5での熱交換を行わない場合等に、熱交換部5に対して湯水や冷媒を供給すると、通流抵抗が増大したり、湯水や冷媒の温熱が無駄に放熱されてしまう可能性がある。そこで、湯水循環加熱回路31には、熱交換部5をバイパスさせて湯水を通流させるバイパス状態に切替自在な湯水バイパス部51が備えられ、冷媒回路43には、熱交換部5をバイパスさせて冷媒を通流させるバイパス状態に切替自在な冷媒バイパス部61が備えられている。
【0031】
湯水バイパス部51は、湯水循環加熱回路31における戻り路33の湯水を熱交換部5をバイパスさせて通流させる湯水バイパス路52と、戻り路33から湯水バイパス路52が分岐される部位に配設された第1湯水切替弁53(例えば、モータ駆動式の三方弁)と、戻り路33に湯水バイパス路52が合流する部位に配設された第2湯水切替弁54(例えば、モータ駆動式の三方弁)とが備えられている。
【0032】
冷媒バイパス部61は、冷媒回路43の冷媒を熱交換部5をバイパスさせて通流させる冷媒バイパス路62と、熱交換部5の一端側における冷媒回路43と冷媒バイパス路62との接続部位に配設された第1冷媒切替弁63(例えば、モータ駆動式の三方弁)と、熱交換部5の他端側における冷媒回路43と冷媒バイパス路62との接続部位に配設された第2冷媒切替弁64(例えば、モータ駆動式の三方弁)とが備えられている。
【0033】
第1湯水切替弁53及び第2湯水切替弁54の切替状態を制御することで、湯水循環加熱回路31における湯水バイパス部51の切替状態を制御し、第1冷媒切替弁63及び第2冷媒切替弁64の切替状態を制御することで、冷媒回路43における冷媒バイパス部61の切替状態を制御するバイパス状態制御部71が備えられている。
【0034】
バイパス状態制御部71は、湯水バイパス部51について、図1及び図2の太線にて示すように、熱交換部5に湯水を供給して熱交換を行う湯水熱交換状態と、図1及び図2の細線にて示すように、熱交換部5に湯水を供給せずにバイパスさせる湯水バイパス状態とに切替自在に構成されている。湯水熱交換状態では、バイパス状態制御部71が、第1湯水切替弁53及び第2湯水切替弁54を、戻り路33側を開状態(図1及び図2において黒塗りにて示す)に且つ湯水バイパス路52側を閉状態(図1及び図2において白抜きにて示す)に切り替えている。湯水バイパス状態では、バイパス状態制御部71が、第1湯水切替弁53及び第2湯水切替弁54を、湯水バイパス路52側を開状態に且つ戻り路33側を閉状態に切り替えている。
【0035】
バイパス状態制御部71は、冷媒バイパス部61について、図1及び図2の太線にて示すように、熱交換部5に冷媒を供給して熱交換を行う冷媒熱交換状態と、図1及び図2の細線にて示すように、熱交換部5に冷媒を供給せずにバイパスさせる冷媒バイパス状態とに切替自在に構成されている。冷媒熱交換状態では、バイパス状態制御部71が、第1冷媒切替弁63及び第2冷媒切替弁64を、冷媒回路43側を開状態(図1及び図2において黒塗りにて示す)に且つ冷媒バイパス路62側を閉状態(図1及び図2において白抜きにて示す)に切り替えている。冷媒バイパス状態では、バイパス状態制御部71が、第1冷媒切替弁63及び第2冷媒切替弁64を、冷媒バイパス路62側を開状態に且つ冷媒回路43側を閉状態に切り替えている。
【0036】
熱交換部5と湯水バイパス部51と冷媒バイパス部61の夫々は、単体として備えられているのではなく、熱交換部5と湯水バイパス部51と冷媒バイパス部61とを有する熱交換ユニット7として備えられている。熱交換ユニット7は、追焚装置3と空調装置4とは独立して構成されて、湯水循環加熱回路31の途中部位に配設されている。
【0037】
熱交換ユニット7には、冷媒回路43の冷媒の温度を検出する温度検出部として、第1冷媒温度検出部73及び第2冷媒温度検出部74が備えられている。第1冷媒温度検出部73は、冷媒回路43と冷媒バイパス路62との一端側の接続部位よりも室外機41側に配設され、基本的には、図1に示すように、室外機41から熱交換ユニット7に供給される冷媒の温度を検出している。第2冷媒温度検出部74は、冷媒回路43と冷媒バイパス路62との他端側の接続部位よりも室内機42側に配設され、基本的には、図2に示すように、室内機42から熱交換ユニット7に供給される冷媒の温度を検出している。
【0038】
熱交換ユニット7には、湯水循環加熱回路31の湯水の温度を検出する温度検出部として、第1湯水温度検出部76が備えられている。第1湯水温度検出部76は、戻り路33において湯水バイパス路52の分岐部位よりも浴槽2側に配設されており、浴槽2から熱交換ユニット7に供給される湯水の温度を検出している。
【0039】
熱交換ユニット7には、バイパス状態制御部71等を有する運転制御部72が備えられている。運転制御部72は、空調装置4が冷房モードである場合に、図1に示すように、湯水循環加熱回路31にて湯水を循環させて熱交換部5に対して湯水を供給し、冷媒回路43の冷媒の温熱にて湯水を加熱する湯水加熱運転を実行可能である。運転制御部72は、湯水加熱運転だけでなく、空調装置4が暖房モードである場合に、図2に示すように、湯水循環加熱回路31にて湯水を循環させて熱交換部5に対して湯水を供給し、その湯水の温熱にて冷媒回路43の冷媒を加熱する冷媒加熱運転を実行可能である。
【0040】
熱交換ユニット7には、湯水加熱運転や冷媒加熱運転の開始指令を行う熱回収スイッチ75が備えられ、ユーザが熱回収スイッチ75をON操作することで、湯水加熱運転や冷媒加熱運転の開始指令を行うことができる。例えば、空調装置4が冷房モード中に、追焚装置3にて追焚を行う場合に、追焚装置3を作動させることに加えて、ユーザが熱回収スイッチ75をON操作することで、湯水加熱運転の開始指令を行うことができる。また、空調装置4が暖房モード中に、入浴後の残り湯が浴槽2に存在する場合に、ユーザが熱回収スイッチ75をON操作することで、冷媒加熱運転の開始指令を行うことができる。
【0041】
この実施形態では、追焚装置3として、給湯装置37が備えられているので、例えば、図示しない給水路にて給水される水を加熱部32にて加熱し、その加熱部32にて加熱した湯水を、往き路34及び戻り路33を通して浴槽2に供給することで、浴槽2の湯張りを行うことができる。よって、湯水加熱運転については、追焚を行うときだけでなく、浴槽2の湯張りを行うときにも、給湯装置37にて湯張りを行うことに加えて、ユーザが熱回収スイッチ75をON操作することで、湯水加熱運転の開始指令を行うことができる。
【0042】
(湯水加熱運転)
湯水加熱運転では、図1に示すように、空調装置4が冷房モードであるので、圧縮機からの冷媒が冷媒回路43を通して室外機41から室内機42に供給されている。そこで、運転制御部72は、バイパス状態制御部71により、冷媒バイパス部61における第1冷媒切替弁63及び第2冷媒切替弁64を熱交換部5に冷媒を供給する冷媒熱交換状態に切り替えている。これにより、圧縮機からの高温の冷媒(例えば、60℃の冷媒)が熱交換部5に供給され、熱交換部5を通過した冷媒が室内機42に供給されている。
【0043】
追焚装置3では、循環ポンプ35や加熱源36が作動しており、湯水循環加熱回路31により加熱部32にて加熱された湯水が浴槽2に循環供給されている。そこで、運転制御部72は、バイパス状態制御部71により、湯水バイパス部51における第1湯水切替弁53及び第2湯水切替弁54を熱交換部5に湯水を供給する湯水熱交換状態に切り替えている。これにより、浴槽2からの湯水が戻り路33を通して熱交換部5に供給され、熱交換部5を通過した湯水が戻り路33を通して加熱部32に供給されている。
【0044】
熱交換部5には、高温の冷媒が供給されるとともに、浴槽2からの湯水が供給されているので、高温の冷媒の温熱(例えば、60℃)にて浴槽2からの湯水(例えば、35℃の湯水)を加熱して、加熱部32に供給される前の湯水を予熱(例えば、40℃まで予熱)することができる。このように、湯水加熱運転では、空調装置4の排熱を追焚装置3にて利用して浴槽2の湯水を加熱することができ、加熱部32での必要エネルギーの低減を図ることができる。
【0045】
(冷媒加熱運転)
冷媒加熱運転では、図2に示すように、空調装置4が暖房モードであるので、膨張弁を通過した冷媒が冷媒回路43を通して室内機42から室外機41に供給されている。そこで、運転制御部72は、バイパス状態制御部71により、冷媒バイパス部61における第1冷媒切替弁63及び第2冷媒切替弁64を熱交換部5に冷媒を供給する冷媒熱交換状態に切り替えている。これにより、膨張弁を通過した低温の冷媒(例えば、-5℃の冷媒)が熱交換部5に供給され、熱交換部5を通過した冷媒が室外機41に供給されている。
【0046】
入浴後等には、浴槽2内に残り湯が存在している。そこで、運転制御部72は、追焚装置3の循環ポンプ35を作動させるとともに、バイパス状態制御部71により、湯水バイパス部51における第1湯水切替弁53及び第2湯水切替弁54を熱交換部5に湯水を供給する湯水熱交換状態に切り替えている。これにより、浴槽2からの湯水が戻り路33を通して熱交換部5に供給され、熱交換部5を通過した湯水が戻り路33及び往き路34を通して浴槽2に戻されている。
【0047】
ちなみに、循環ポンプ35の作動については、運転制御部72が、追焚装置3との通信等により循環ポンプ35を作動させる指令を与えることで、追焚装置3を介して循環ポンプ35を作動させることができる。また、運転制御部72にて循環ポンプ35の作動状態を直接制御可能とすることもできる。
【0048】
熱交換部5には、低温の冷媒が供給されるとともに、浴槽2の残り湯が供給されているので、残り湯の温熱(例えば、30℃)にて低温の冷媒を加熱して、室外機41に供給される前の冷媒を予熱(例えば、-5℃から0℃まで予熱)することができる。このように、冷媒加熱運転では、追焚装置3の排熱を空調装置4にて利用して冷媒を予熱することができ、空調装置4での必要エネルギーの低減を図ることができる。
【0049】
以下、図3のフローチャートに基づいて、排熱利用システム1の動作について説明するが、熱交換ユニット7による湯水加熱運転及び冷媒加熱運転を中心に説明する。
【0050】
上述の如く、追焚装置3も空調装置4も、ユーザがリモートコントローラを操作することで、運転が行われるので、ユーザの要望等に応じて、追焚装置3と空調装置4とは独立して運転が行われている。熱交換ユニット7では、通常、運転制御部72が、バイパス状態制御部71により、湯水バイパス部51を熱交換部5に湯水を供給せずにバイパスさせる湯水バイパス状態(図1及び図2において細線の湯水バイパス路52に湯水を通流させる状態)に切り替え、冷媒バイパス部61を熱交換部5に冷媒を供給せずにバイパスさせる冷媒バイパス状態(図1及び図2において細線の冷媒バイパス路62に冷媒を通流させる状態)に切り替えている。
【0051】
これにより、空調装置4のリモートコントローラにて冷房モードや暖房モードの開始指令がされると、空調装置4が、圧縮機や膨張弁等を作動させ、切替弁を冷房状態又は暖房状態に切り替えて、熱交換部5に対して冷媒を供給せずに、冷房モードや暖房モードが実行されている。
【0052】
上述のような状況下において、図3に示すように、運転制御部72は、空調装置4が冷房モード中であるか暖房モード中であるかを判定するモード判定を行っている(ステップ#1)。
【0053】
空調装置4が冷房モード中である場合には、図1に示すように、室外機41から熱交換ユニット7(熱交換部5)に高温の冷媒が供給されるのに対して、空調装置4が暖房モード中である場合には、図2に示すように、室内機42から熱交換ユニット7(熱交換部5)に低温の冷媒が供給される。そこで、モード判定では、運転制御部72が、第1冷媒温度検出部73及び第2冷媒温度検出部74の検出温度に基づいて、空調装置4が冷房モードであるか暖房モードであるかを判定している。例えば、熱交換ユニット7(熱交換部5)に供給される冷媒の温度が高温領域であると、運転制御部72は、空調装置4が冷房モード中であると判定し、逆に、熱交換ユニット7(熱交換部5)に供給される冷媒の温度が低温領域であると、運転制御部72は、空調装置4が暖房モード中であると判定している。
【0054】
図3に戻り、運転制御部72は、モード判定にて空調装置4が冷房モード中であると判定した場合に、熱回収スイッチ75により湯水加熱運転の開始指令があると、湯水加熱運転を行う(ステップ#2のYesの場合、ステップ#3のYesの場合、ステップ#4)。追焚装置3にて追焚を行う際に、ユーザが熱回収スイッチ75をON操作することで、湯水加熱運転の開始指令を行うことができるので、ユーザの要望に応じて湯水加熱運転を行うことができる。ちなみに、熱回収スイッチ75により湯水加熱運転の開始指令があった場合に、追焚装置3が作動されていなければ、運転制御部72が、追焚装置3との通信等により追焚装置3を作動させることができる。
【0055】
湯水加熱運転では、図1に示すように、運転制御部72が、バイパス状態制御部71により、冷媒バイパス部61を冷媒熱交換状態に切り替え、湯水バイパス部51を湯水熱交換状態に切り替えている。これにより、図1において太線にて示すように、熱交換部5には、高温の冷媒が供給されるとともに、浴槽2からの湯水が供給され、高温の冷媒の温熱にて浴槽2からの湯水を加熱している。
【0056】
図3に戻り、湯水加熱運転中に、熱交換終了条件が満たされると、運転制御部72は、バイパス状態制御部71により、湯水バイパス部51を熱交換部5に湯水を供給せずにバイパスさせる湯水バイパス状態(図1において細線の湯水バイパス路52に湯水を通流させる状態)に切り替え、冷媒バイパス部61を熱交換部5に冷媒を供給せずにバイパスさせる冷媒バイパス状態(図1において細線の冷媒バイパス路62に冷媒を通流させる状態)に切り替えて、熱交換部5での熱交換を終了させている(ステップ#5のYesの場合、ステップ#6)。
【0057】
熱交換終了条件が満たされているか否かの判定については、運転制御部72が、湯水循環加熱回路31に備えられた第1湯水温度検出部76による湯水の温度と冷媒回路43に備えられた第1冷媒温度検出部73による冷媒の温度とを比較することで、熱交換終了条件が満たされているか否かを判定している。運転制御部72は、第1湯水温度検出部76による湯水の温度と第1冷媒温度検出部73による冷媒の温度とを比較することで、冷媒にて湯水を加熱できるか否かを判定しており、第1冷媒温度検出部73による冷媒の温度が第1湯水温度検出部76による湯水の温度を下回ると、熱交換終了条件が満たされていると判定している。
【0058】
また、追焚装置3による追焚と空調装置4の冷房モードとのどちらかが終了された場合にも、運転制御部72が、熱交換終了条件が満たされたとして、熱交換部5での熱交換を終了させている。
【0059】
このようにして、運転制御部72は、熱交換部5での熱交換を終了させると、熱交換ユニット7による湯水加熱運転を終了している。湯水加熱運転が終了されたときに、追焚装置3による追焚と空調装置4の冷房モードとが継続されていると、追焚装置3は、浴槽2の湯水の温度が目標温度以上となる等の追焚終了条件が満たされるまで、浴槽2の湯水の追焚が継続され、空調装置4についても、リモートコントローラにて冷房モードの停止が指令されるまで、冷房モードが継続される。
【0060】
図3に示すように、運転制御部72は、ステップ#1におけるモード判定にて空調装置4が暖房モード中であると判定した場合に、熱回収スイッチ75により冷媒加熱運転の開始指令があると、冷媒加熱運転を行う(ステップ#7のYesの場合、ステップ#8のYesの場合、ステップ#9)。空調装置4が暖房モードであり、浴槽2に残り湯が存在する場合に、ユーザが熱回収スイッチ75をON操作することで、冷媒加熱運転の開始指令を行うことができるので、ユーザの要望に応じて冷媒加熱運転を行うことができる。
【0061】
冷媒加熱運転では、図2に示すように、運転制御部72が、バイパス状態制御部71により、冷媒バイパス部61を冷媒熱交換状態に切り替え、湯水バイパス部51を湯水熱交換状態に切り替えている。これにより、図2において太線にて示すように、熱交換部5には、低温の冷媒が供給されるとともに、浴槽2からの残り湯が供給され、残り湯の温熱にて冷媒を加熱している。
【0062】
図3に戻り、冷媒加熱運転中に、熱交換終了条件が満たされると、運転制御部72は、バイパス状態制御部71により、湯水バイパス部51を熱交換部5に湯水を供給せずにバイパスさせる湯水バイパス状態(図2において細線の湯水バイパス路52に湯水を通流させる状態)に切り替え、冷媒バイパス部61を熱交換部5に冷媒を供給せずにバイパスさせる冷媒バイパス状態(図2において細線の冷媒バイパス路62に冷媒を通流させる状態)に切り替えて、熱交換部5での熱交換を終了させている(ステップ#10のYesの場合、ステップ#11)。
【0063】
熱交換終了条件が満たされているか否かの判定については、運転制御部72が、湯水循環加熱回路31に備えられた第1湯水温度検出部76による湯水の温度と冷媒回路43に備えられた第2冷媒温度検出部74による冷媒の温度とを比較することで、熱交換終了条件が満たされているか否かを判定している。運転制御部72は、第1湯水温度検出部76による湯水の温度と第2冷媒温度検出部74による冷媒の温度とを比較することで、残り湯(湯水)にて冷媒を加熱できるか否かを判定しており、第1湯水温度検出部76による湯水の温度が第2冷媒温度検出部74による冷媒の温度を下回ると、熱交換終了条件が満たされていると判定している。
【0064】
また、空調装置4の暖房モードが終了された場合にも、運転制御部72が、熱交換終了条件が満たされたとして、熱交換部5での熱交換を終了させている。
【0065】
このようにして、運転制御部72は、熱交換部5での熱交換を終了させると、熱交換ユニット7による冷媒加熱運転を終了している。冷媒加熱運転が終了されたときに、空調装置4の暖房モードが継続されていると、空調装置4は、リモートコントローラにて暖房モードの停止が指令されるまで、暖房モードが継続され、追焚装置3については、循環ポンプ35が作動停止され、湯水循環加熱回路31での湯水(残り湯)の循環が停止される。
【0066】
ちなみに、循環ポンプ35の作動停止については、運転制御部72が、追焚装置3との通信等により循環ポンプ35を作動させる指令を与えることで、追焚装置3を介して循環ポンプ35を作動停止させることができる。また、運転制御部72にて循環ポンプ35の作動状態を直接制御可能とすることもできる。
【0067】
〔別実施形態〕
本発明の他の実施形態について説明する。尚、以下に説明する各実施形態の構成は、夫々単独で適用することに限らず、他の実施形態の構成と組み合わせて適用することも可能である。
【0068】
(1)上記実施形態では、空調装置4が冷房モードである場合に、熱回収スイッチ75により湯水加熱運転の開始指令があると、運転制御部72が、湯水加熱運転を行っているが、湯水加熱運転を開始するための開始条件は、熱回収スイッチ75により湯水加熱運転の開始指令があるという条件に限らず、他の各種の条件を設定することができる。
【0069】
例えば、追焚装置3にて浴槽2の湯水を追焚する追焚中や、給湯装置37にて浴槽2の湯張りを行う湯張り中であるという条件を開始条件に設定することができる。これにより、運転制御部72が、追焚装置3(給湯装置37)との通信や第1湯水温度検出部76の検出温度によって、追焚装置3にて浴槽2の湯水を追焚する追焚中又は給湯装置37にて浴槽2の湯張りを行う湯張り中であるか否かを判定して、自動的に湯水加熱運転を開始することができる。ちなみに、追焚中や湯張り中であれば、第1湯水温度検出部76の検出温度が徐々に温度上昇したり、追焚していないときや湯張りしていないときの湯水の温度よりも高温となるので、第1湯水温度検出部76の検出温度を監視することで、追焚中又は湯張り中であるか否かを判定することができる。
【0070】
また、熱回収スイッチ75により湯水加熱運転の開始指令があるという条件と、追焚中又は湯張り中であるという条件とのどちらかが満たされることを開始条件に設定することもできる。
【0071】
(2)上記実施形態では、空調装置4が暖房モードである場合に、熱回収スイッチ75により冷媒加熱運転の開始指令があると、運転制御部72が、冷媒加熱運転を行っているが、冷媒加熱運転を開始するための開始条件は、熱回収スイッチ75により冷媒加熱運転の開始指令があるという条件に限らず、他の各種の条件を設定することができる。
【0072】
例えば、浴槽2に残り湯が存在するという条件を開始条件に設定することができる。これにより、運転制御部72が、追焚装置3との通信や浴槽2に備えられた温度検出部の検出温度によって、浴槽2に残り湯が存在するか否かを判定して、自動的に冷媒加熱運転を開始することができる。ちなみに、浴槽2に残り湯が存在する場合には、浴槽2に備えられた温度検出部の検出温度が高温領域となるので、その温度検出部の検出温度を監視することで、浴槽2に残り湯が存在するか否かを判定することができる。
【0073】
(3)上記実施形態では、モード判定において、運転制御部72が、第1冷媒温度検出部73及び第2冷媒温度検出部74の検出温度に基づいて、空調装置4が冷房モードであるか暖房モードであるかを判定しているが、例えば、運転制御部72と空調装置4との間での通信により空調装置4が冷房モードであるか暖房モードであるかを把握することができるので、第1冷媒温度検出部73及び第2冷媒温度検出部74の検出温度に関わらず、空調装置4が冷房モードであるか暖房モードであるかを判定することもできる。
【0074】
(4)上記実施形態では、熱交換部5と湯水バイパス部51と冷媒バイパス部61とを有する熱交換ユニット7として備えられているが、熱交換部5と湯水バイパス部51と冷媒バイパス部61との夫々を単体として備えることもでき、必ずしもユニット化する必要はない。
【符号の説明】
【0075】
1 排熱利用システム
2 浴槽
3 追焚装置
4 ヒートポンプ式の空調装置
5 熱交換部
7 熱交換ユニット
31 湯水循環加熱回路
43 冷媒回路
51 湯水バイパス部
61 冷媒バイパス部
71 バイパス状態制御部
72 運転制御部
図1
図2
図3