(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023091250
(43)【公開日】2023-06-30
(54)【発明の名称】仮想空間における移動を操作する家具型機器
(51)【国際特許分類】
G06F 3/01 20060101AFI20230623BHJP
G06F 3/04815 20220101ALI20230623BHJP
A63F 13/211 20140101ALI20230623BHJP
A63F 13/218 20140101ALI20230623BHJP
A63F 13/428 20140101ALI20230623BHJP
A63F 13/24 20140101ALI20230623BHJP
【FI】
G06F3/01 510
G06F3/0481 150
A63F13/211
A63F13/218
A63F13/428
A63F13/24
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021205898
(22)【出願日】2021-12-20
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-03-16
(71)【出願人】
【識別番号】521209672
【氏名又は名称】有限会社池谷製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100135068
【弁理士】
【氏名又は名称】早原 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】池谷 英悟
【テーマコード(参考)】
5E555
【Fターム(参考)】
5E555AA27
5E555AA64
5E555BA38
5E555BA87
5E555BB38
5E555BC08
5E555BE17
5E555CA31
5E555CA44
5E555CB19
5E555CB68
5E555CC22
5E555DA01
5E555DA08
5E555DB32
5E555DB57
5E555DC43
5E555DD08
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】現実空間内でユーザ自らの移動をできる限り制限する一方で、仮想空間内でユーザ自ら移動している感覚を与えることができる家具型機器等を提供する。
【解決手段】ユーザ自ら着座可能な家具型機器であって、ユーザの身体が近接する面に配置され、ユーザ自らの身体の左右それぞれの変位に基づく計測値を、仮想空間における当該ユーザの仮想移動量として出力するセンサを有する。センサは、仮想移動量の速度として、及び/又は、仮想移動量の加速度として出力する。センサは、ユーザの脚が近接する面に配置され、ユーザ自らの脚の左右それぞれの変位に基づく計測値を、仮想空間における当該ユーザの前進の仮想移動量として出力する。センサは、ユーザの片脚毎に左右それぞれに配置されており、左右のセンサにおける交互の計測値を、仮想空間における当該ユーザの歩行動作として模擬的に検出する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ自ら着座可能な家具型機器において、
ユーザの身体が近接する面に配置され、ユーザ自らの身体の左右それぞれの変位に基づく計測値を、仮想空間における当該ユーザの仮想移動量として出力するセンサを
有することを特徴とする家具型機器。
【請求項2】
センサにおける時間あたりの変位の速度を、仮想移動量の速度として出力し、
及び/又は、
センサにおける時間あたりの変位の加速度を、仮想移動量の加速度として出力する
ことを特徴とする請求項1に記載の家具型機器。
【請求項3】
センサは、ユーザの脚が近接する面に配置され、ユーザ自らの脚の左右それぞれの変位に基づく計測値を、仮想空間における当該ユーザの前進の仮想移動量として出力する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の家具型機器。
【請求項4】
センサは、ユーザの片脚毎に左右それぞれに配置されており、左右のセンサにおける交互の計測値を、仮想空間における当該ユーザの歩行動作として模擬的に検出する
ことを特徴とする請求項3に記載の家具型機器。
【請求項5】
センサは、ユーザの大腿が近接する面、及び/又は、ユーザの脚のふくらはぎが近接する面に配置される
ことを特徴とする請求項3又は4に記載の家具型機器。
【請求項6】
センサは、ユーザの背中に近接する部分に配置され、ユーザ自らの背中の変位を検出した際に、仮想空間における当該ユーザの後進と認識して出力する
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の家具型機器。
【請求項7】
センサは、家具としての脚部又は座面の回転部分に配置され、ユーザ自らの回転の変位に基づく計測値を、仮想空間における当該ユーザの左右への仮想回転量として出力する
ことを特徴とする請求項から1から6のいずれか1項に記載の家具型機器。
【請求項8】
当該家具型機器は、椅子状、車椅子状、マット状、又は、シート状である
ことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の家具型機器。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか1項に記載の家具型機器と通信可能な端末であって、
家具型機器から受信した仮想移動量を、ユーザが視認する仮想空間又はゲーム空間における当該ユーザに属する仮想オブジェクトの移動量として制御する
ことを特徴とする端末。
【請求項10】
家具型機器から受信した仮想移動量が、第1の所定閾値以上となった際に、又は、所定時間継続して第2の所定閾値以下となった際に、ユーザ又は監視者に対してアラームを通知する
ことを特徴とする請求項9に記載の端末。
【請求項11】
請求項1から8のいずれか1項に記載の家具型機器と通信可能な端末に搭載されたコンピュータを機能させるプログラムであって、
家具型機器から受信した仮想移動量を、ユーザが視認する仮想空間又はゲーム空間における当該ユーザに属する仮想オブジェクトの移動量として制御する
ようにコンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仮想空間のユーザインタフェースとなる機器の技術に関する。特に、仮想現実(Virtual Reality)やゲームの空間における仮想オブジェクト(アバターやキャラクタ)の移動を操作する用途に適する。
【背景技術】
【0002】
仮想現実とは、ユーザがHMD(Head Mount Display)端末を頭部に装着し、そのユーザに3次元の仮想空間を視認させる技術をいう。ユーザは、自らの操作によって仮想空間内を移動することができ、その没入感を得ることができる。この技術によれば、HMD端末は、ネットワークを介して仮想空間サーバへアクセスするものであってもよいし、自ら仮想空間サーバを搭載するものであってもよい。HMD端末は、ユーザの頭部の動きを姿勢センサによって検出し、その計測値に応じて、仮想空間内におけるそのユーザの視界や位置を制御する。
【0003】
図1は、従来技術における仮想空間に対するユーザ操作の説明図である。
【0004】
図1(a)によれば、ユーザは、HMD端末を頭部に装着している。また、
図1(b)によれば、ユーザは、パーソナルコンピュータ、タブレット又はスマートフォンのような端末のディスプレイを視認している。それら端末は、ネットワークを介して仮想空間サーバへアクセスし、ディスプレイに仮想空間を映し出す。また、ユーザは、仮想空間を視認しながら、スティック機器やゲームコントローラを把持して操作することによって、その仮想空間内を移動する。
【0005】
尚、仮想空間サーバは、インターネットに配置された仮想空間サーバ(Dedicated Server)であってもよいし、ローカルに配置された仮想空間サーバ(Dedicated Server)であってもよい。仮想空間を提供するサービスとしては、例えばVRChat(登録商標)やMetaverse(登録商標)、Second Life(登録商標)のようなソーシャルVRプラットフォームであってもよい。
【0006】
従来、ユーザの大腿部を、その前方のクッションに押し付けて、仮想空間における移動を操作する技術もある(例えば特許文献1及び非特許文献1参照)。この技術によれば、使用者の大腿部を進行方向に支持する大腿部支持部と、大腿部から受ける力を検出する第1のセンサと、大腿部支持部の回転角度を検出する第2のセンサと、使用者の姿勢を検出する第3のセンサとを有する。これらのセンサでの検出結果から使用者の歩行動作を推定し、それに応じた映像を使用者に呈示する。使用者の大腿部を進行方向に支えることで進行方向への重心変化を生じさせ、使用者の歩行動作に応じた映像を呈示することで歩行感覚を呈示する。足の動きに合わせて床を動かす大掛かりな装置や大腿部を昇降させる駆動部を必要とせず、コンパクトで軽量な装置を安価に実現する。
【0007】
また、仮想空間におけるユーザの移動とは異なる他の実施形態によれば、マウスに代わるユーザインタフェースとして、トランスデューサを搭載した椅子状機器の技術もある(例えば特許文献2参照)。この技術によれば、椅子の回転運動から水平方向の動きを検出するトランスデューサと、鉛直方向の動きを検出するトランスデューサとを有する。検出信号を表示装置へ出力し、その表示装置上のカーソルの位置を移動させることができる。例えば、ユーザが身体を回転させた際に、表示装置上のカーソルを水平方向に動かし、ユーザが前方又は後方へ動いたとき、表示装置上のカーソルを鉛直方向に動かす。また、座面センサを左右クリックとし、背中センサを中クリックとし、回転センサをスクロールホイールとして用いることもできる。
【0008】
尚、仮想空間を移動するための操作機器として、様々な機器がある。
例えば、ユーザの脚下に配置された歩行ボードを用いて、仮想空間におけるユーザの移動を操作する技術がある(例えば非特許文献2参照)。
また、例えば、椅子に着座したユーザの脚下にステップ装置を配置し、ユーザの脚踏みによって移動を操作する技術もある(例えば非特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特許第6795190号公報
【特許文献2】特表平10-502474号公報
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】MOVERE、[online]、[令和3年12月12日検索]、インターネット<URL:https://movere.co.jp/index.php/crus-3/>
【非特許文献2】KAT-VR、[online]、[令和3年12月12日検索]、インターネット<URL:https://www.kat-vr.com>
【非特許文献3】ROTOVR、[online]、[令和3年12月12日検索]、インターネット<URL:https://www.rotovr.com/>
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
前述した特許文献1及び非特許文献1~3のような技術によれば、仮想空間内で、ユーザ自身を模したアバターやキャラクタを移動させることができる。即ち、その仮想空間内における移動は、その没入感の中でユーザ自ら主導で操作するものである。
【0012】
ここで、仮想空間内では歩行しながら移動していても、現実空間内ではユーザ自身が歩行しながら移動することはできないという問題がある。ユーザは、HMD端末を頭に装着する場合、仮想空間内に没入しているために、現実空間で移動すると、周辺の障害物に衝突する恐れがある。例えば1人のユーザが室内にいる場合、盲目的に移動できるのは、現実的に3m四方程度である。
そのために、現実空間内でユーザ自らの移動をできる限り制限する一方で、仮想空間内でユーザ自ら自由に移動している感覚を与えて、仮想空間への没入感をユーザに体験させる必要がある。
【0013】
非特許文献1によれば、脚下の歩行ボードを滑ることによって歩行動作を模擬している。また、特許文献1及び非特許文献2によれば、大腿部前面のクッションに圧力をかけることによって歩行動作を模擬している。いずれの技術も、立脚して使用するために歩行動作のリアル感はある一方で、長時間の使用や、脚腰が弱い人の使用に適さないという問題もある。また、回転操作は、直感的には後方へ振り返る必要が生じ、現実空間における障害物への衝突も更なる問題となってくる。更に、後ずさりするような後進操作を検出することは更に難しい。
【0014】
尚、特許文献2によれば、椅子に配置された機器によってマウスの操作を模擬するものであって、仮想空間におけるユーザの移動を操作するものではない。
【0015】
そこで、本願発明は、現実空間内でユーザ自らの移動をできる限り制限する一方で、仮想空間内でユーザ自ら移動している感覚を与えることができる家具型機器、端末及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明によれば、ユーザ自ら着座可能な家具型機器において、
ユーザの身体が近接する面に配置され、ユーザ自らの身体の左右それぞれの変位に基づく計測値を、仮想空間における当該ユーザの仮想移動量として出力するセンサを
有することを特徴とする。
【0017】
本発明の家具型機器における他の実施形態によれば、
センサにおける時間あたりの変位の速度を、仮想移動量の速度として出力し、
及び/又は、
センサにおける時間あたりの変位の加速度を、仮想移動量の加速度として出力する
ことも好ましい。
【0018】
本発明の家具型機器における他の実施形態によれば、
センサは、ユーザの脚が近接する面に配置され、ユーザ自らの脚の左右それぞれの変位に基づく計測値を、仮想空間における当該ユーザの前進の仮想移動量として出力する
ことも好ましい。
【0019】
本発明の家具型機器における他の実施形態によれば、
センサは、ユーザの片脚毎に左右それぞれに配置されており、左右のセンサにおける交互の計測値を、仮想空間における当該ユーザの歩行動作として模擬的に検出する
ことも好ましい。
【0020】
本発明の家具型機器における他の実施形態によれば、
センサは、ユーザの大腿が近接する面、及び/又は、ユーザの脚のふくらはぎが近接する面に配置される
ことも好ましい。
【0021】
本発明の家具型機器における他の実施形態によれば、
センサは、ユーザの背中に近接する部分に配置され、ユーザ自らの背中の変位を検出した際に、仮想空間における当該ユーザの後進と認識して出力する
ことも好ましい。
【0022】
本発明の家具型機器における他の実施形態によれば、
センサは、家具としての脚部又は座面の回転部分に配置され、ユーザ自らの回転の変位に基づく計測値を、仮想空間における当該ユーザの左右への仮想回転量として出力する
ことも好ましい。
【0023】
本発明の家具型機器における他の実施形態によれば、
当該家具型機器は、椅子状、車椅子状、マット状、又は、シート状である
ことも好ましい。
【0024】
本発明によれば、前述した家具型機器と通信可能な端末であって、
家具型機器から受信した仮想移動量を、ユーザが視認する仮想空間又はゲーム空間における当該ユーザに属する仮想オブジェクトの移動量として制御する
ことを特徴とする。
【0025】
本発明の端末における他の実施形態によれば、
家具型機器から受信した仮想移動量が、第1の所定閾値以上となった際に、又は、所定時間継続して第2の所定閾値以下となった際に、ユーザ又は監視者に対してアラームを通知する
ことも好ましい。
【0026】
本発明によれば、前述した家具型機器と通信可能な端末に搭載されたコンピュータを機能させるプログラムであって、
家具型機器から受信した仮想移動量を、ユーザが視認する仮想空間又はゲーム空間における当該ユーザに属する仮想オブジェクトの移動量として制御する
ようにコンピュータを機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0027】
本発明における家具型機器、端末及びプログラムによれば、現実空間内でユーザ自らの移動をできる限り制限する一方で、仮想空間内でユーザ自ら移動している感覚を与えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】従来技術における仮想空間に対するユーザ操作の説明図である。
【
図3】他の実施形態における脚部センサの配置を表す椅子状の家具型機器である。
【
図4】本発明における仮想空間に対するユーザ操作の説明図である。
【
図5】本発明における仮想的な前進及び後進を表す操作図である。
【
図6】本発明における仮想的な回転を表す操作図である。
【
図7】本発明における車椅子状の家具型機器である。
【
図8】本発明におけるマット状及びシート状の家具型機器の外観図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下では、図面を用いて、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。
【0030】
【0031】
図2によれば、椅子状の家具型機器1が表されている。家具型機器1には、ユーザの身体が近接する面に、1つ以上のセンサが配置される。これらセンサは、ユーザ自らの身体の左右それぞれの変位に基づく計測値を、仮想空間における当該ユーザの「仮想移動量」として出力する。
身体の左右それぞれの変位としては、例えば脚の左右であってもよい。又は、脚を自由に動かせない場合、足首であってもよいし、腕や手であってもよい。
仮想移動量とは、仮想空間における「移動距離」を意味する。このとき、センサによって検出された変位に基づく計測値と、仮想空間における移動距離とは、比例関係にあるとする。
【0032】
図2によれば、椅子状の家具型機器1は、脚部センサ11と、背部センサ12と、回転センサ13とを配置している。勿論、いずれか1つのセンサのみが配置されるものであってもよい。
【0033】
<脚部センサ11>
脚部センサ11は、着座したユーザの「大腿部に近接する面」」に配置される。
図2によれば、大腿部の後裏側に近接する面に配置されている。即ち、ユーザが大腿部を上から下に落とす変位を検出する。
脚部センサ11は、ユーザ自らの脚の左右それぞれの変位に基づく計測値を、仮想空間における当該ユーザの「前進」の「仮想移動量」として出力する。
尚、検出すべき身体の左右それぞれの変位が、足首や腕等であれば、それぞれに近接する面に、センサ11が配置される。
【0034】
脚部センサ11は、デバイスとしては、圧力センサであってもよい。例えばMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)の場合、圧力を、隔膜(diaphragm)に加わる変形として検出する。変形として、静電容量の変化やゲージの歪みを検出するものであってもよい。
また、脚部センサ11は、ホール効果センサであってもよい。ホール効果センサは、永久磁石との組合せによって、圧力を検出することができる。
更に、脚部センサ11は、距離センサであってもよいし、速度センサや加速度センサであってもよい。
脚部センサ11のデバイスとしては、ユーザの身体における脚踏みの変位を検出するものであればよい。物理的接触がなく実質的に摩耗が生じないデバイスを用いることが好ましい。
【0035】
<背部センサ12>
背部センサ12は、着座したユーザの「背中に近接する面」に配置される。ユーザ自らの背中の変位を検出した際に、仮想空間における当該ユーザの「後進」と認識して出力する。
背部センサ12も、脚部センサ11と同様に、圧力センサやホール効果センサ、距離センサ等を用いることができる。
尚、背部センサ12は、背もたれの支柱に取り付けた曲げセンサや傾きセンサであってもよい。即ち、背反り具合を計測できればよい。
【0036】
<回転センサ13>
回転センサ13は、着座したユーザの「身体の回転を検出可能な部位」に配置される。例えば、家具としての脚部又は座面の回転部分に配置される。回転センサ13は、ユーザ自らの回転の変位に基づく計測値を、仮想空間における当該ユーザの左右への「仮想回転量」として出力する。
【0037】
回転センサ13は、回転物体と非回転物体との間の回転差分を検出するセンサ(例えばロータリーエンコーダ)である。このようなデバイスは、回転角や回転速度を出力することもできる。前述したホール効果センサも、回転角を検出することができる。
また、回転センサは、他の実施形態として、IMU(Inertial Measurement Unit、慣性計測ユニット)を用いたものであってもよい。IMUを用いることによって、シート状であっても、ジャイロセンサによって、回転を検出することができる。勿論、IMUは、センサユニットとして、ジャイロセンサとは別の複数の物理情報のセンサ(例えば加速度センサ・回転角加速度センサなど)を1つのパッケージに統合したものであってもよい。IMUを用いることによって、センサの調整や補正が不要となり、最適な自由度で高精度な計測値を出力することができる。本発明における椅子状の家具型機器1の場合、回転軸を持つ脚部に限らず、座面部に組み込むことによって、座面の回転角度を検出することができる。
【0038】
尚、回転センサ13によって検出された計測値は、仮想回転量として、仮想空間における仮想オブジェクト(アバターやキャラクタ)の身体全体の回転を意味する。即ち、頭部以外の身体の向きを意味する。頭部の向きは、例えばHMD端末に搭載された姿勢センサによって検出される。
【0039】
図3は、他の実施形態における脚部センサの配置を表す椅子状の家具型機器である。
【0040】
図3(a)によれば、家具型機器1は、座面に前幕面が設置されており、その前幕面に脚部センサ11が配置される。その脚部センサ11は、着座したユーザの「脚のふくらはぎ(後裏側)に近接する面」に配置される。即ち、ユーザがふくらはぎを後方に蹴る変位を検出する。
図3(b)によれば、家具型機器1は、着座したユーザの「大腿部(前表側)に近接する面」に、脚部センサ11が配置される。即ち、ユーザが大腿部を上に押し上げる変位を検出する。この脚部センサ11は、例えばユーザの大腿部を覆うカバーのような役目も持つ。ユーザは、仮想空間に没入しているために、そのカバーが椅子からの転倒防止としての効果を有する。
【0041】
図4は、本発明における仮想空間に対するユーザ操作の説明図である。
【0042】
ユーザは、本発明の椅子状の家具型機器1に着座して、仮想空間でユーザ自ら移動の操作をすることができる。
図4(a)によれば、
図1(a)と同様に、ユーザは、HMD端末2を頭部に装着し、HMD端末2は、無線通信を介して仮想空間サーバ3へアクセスする。
図4(a)における椅子状の家具型機器1は、
図2と同様に、ユーザの大腿部(後裏側)の左右それぞれの変位を検出するものである。
図4(b)も、
図1(b)と同様に、ユーザは、端末2のディスプレイを視認し、端末2は、ネットワークを介して仮想空間サーバ3へアクセスする。
図4(b)における椅子状の家具型機器1は、
図3(b)と同様に、ユーザの大腿部(前表側)の左右それぞれの変位を検出するものである。
【0043】
端末2は、家具型機器1と無線又は有線で通信し、家具型機器1から受信した「仮想移動量」を、ユーザが視認する仮想空間又はゲーム空間における当該ユーザに属する仮想オブジェクト(アバター又はキャラクタ)の移動量として制御する。
【0044】
図5は、本発明における仮想的な前進又は後進を表す操作図である。
【0045】
<
図5(a):仮想的な前進移動>
脚部センサ11は、ユーザの片脚毎に左右それぞれに配置されており、左右それぞれのセンサの変位に基づく計測値を、仮想空間における当該ユーザの歩行動作として模擬的に検出する。
ユーザは、現実空間で実際に歩行しているつもりで、大腿部やふくらはぎを左右交互に上下(バタバタ)させる。これによって、脚部センサ11がその変位を検出し、その計測値を、仮想空間における仮想移動量として歩行に反映する。
【0046】
尚、他の実施形態として、仮想空間における仮想オブジェクトが、脚腰の筋肉を鍛える運動をしなければならない状況があったとする。このとき、現実空間のユーザの脚の運動が、仮想空間の仮想オブジェクトの運動となる。
【0047】
脚部センサ11は、時間あたりの変位の速度を、「仮想移動量の速度」として出力するものであってもよい。即ち、現実空間におけるユーザの脚の左右交互の速度が速いほど、仮想空間における仮想オブジェクトの移動が速くなる。逆に、脚の左右交互の速度が遅いほど、仮想空間における仮想オブジェクトの移動も遅くなる。
【0048】
また、脚部センサ11は、センサにおける時間あたりの変位の加速度を、「仮想移動量の加速度」として出力するものであってもよい。即ち、現実空間におけるユーザの脚からの圧力の変化が大きいほど、仮想空間における仮想オブジェクトの移動の加速度も高くなる。逆に、脚からの圧力の変化が小さいほど、仮想空間における仮想オブジェクトの移動の加速度も低くなる。
【0049】
更に、脚部センサ11は、現実空間におけるユーザの両脚を同時に動かした際に、仮想空間における仮想オブジェクトが、瞬間的にジャンプするように操作することもできる。
【0050】
他の実施形態として、仮想空間が水中である場合、現実空間におけるユーザの脚を左右交互に動かすことによって、仮想オブジェクトが水中をバタ脚で泳いでいるように操作することもできる。また、現実空間におけるユーザの脚を同時に動かすことによって、仮想オブジェクトが水中をバタフライ脚で泳いでいるように操作することもできる。
【0051】
また、前述の実施形態によれば、仮想移動量を、アバターの「移動距離」として説明した。これに対し、他の実施形態として、仮想移動量を、仮想空間におけるアバター(仮想オブジェクト)の関節角度に反映させるものであってもよい。アバターは、移動する際に、移動速度及び移動加速度によって、その姿勢(関節角度)も変化する。即ち、仮想空間におけるアバターの仮想移動量は、アバター自体の単なる移動のみならず、それに応じて変化する様々な映像空間に影響を与えるものとする。
【0052】
<
図5(b):仮想的な後進認識>
背部センサ12は、ユーザ自らの背中の変位の計測値を、仮想空間における当該ユーザの後進として出力する。これは、仮想オブジェクトの移動方向を「後進」として決定するものである。
【0053】
<
図5(c):仮想的な後進移動>
図5(b)によって仮想オブジェクトの移動方向を「後進」と認識された後、ユーザは、現実空間で実際に歩行しているつもりで、大腿部やふくらはぎを左右交互に上下(バタバタ)させる。即ち、現実空間におけるユーザは、背中を押しつけて背反りして、脚を左右交互に動かす。このとき、仮想空間における仮想オブジェクトは、後ずさりするように移動するように操作される。
【0054】
図6は、本発明における仮想的な回転を表す操作図である。
【0055】
回転センサ13は、例えば家具としての脚部の回転部分に配置される。
図6によれば、回転センサ13は、椅子の回転軸に配置されており、その回転角及び回転速度を検出することができる。
【0056】
<端末2>
前述した
図4によれば、家具型機器1は、ユーザに対して仮想空間を提供する端末2と通信する。端末2は、例えばHMD端末や、パーソナルコンピュータ等の端末であって、仮想空間をユーザに視認させる装置である。
【0057】
特に、ユーザがHMD端末を頭部に装着している場合、ユーザは、仮想空間への没入感を体験している。そのために、ユーザの現実空間における行動によって、転倒などの危険に合う恐れがある。
そのために、端末2は、家具型機器1から受信した仮想移動量が、例えば以下の所定条件を満たした際に、ユーザに対してアラームを通知するようにする。
(1)所定の仮想移動量が、第1の所定閾値以上となった際
(2)所定の仮想移動量が、所定時間継続して第2の所定閾値以下となった際
【0058】
例えばユーザが背中を過度にのけぞらすことによって、椅子が転倒する恐れがある。そのために、背部センサ12からの仮想移動量が、所定閾値以上となった際に、ユーザ又は監視者にアラームを通知する。例えばリハビリのための介護施設の場合、ユーザが要介護者であり、監視者は介護士であってもよい。また、例えば病院の場合、ユーザが患者であり、監視者は看護師であってもよい。
また、ユーザが脚を長時間動かしていないことによって、逆にエコノミークラス症候群になる恐れがある。そのために、脚部センサ11からの仮想移動量が、所定時間継続して所定閾値以下となった際に、ユーザ又は監視者にアラームを通知する。例えば、家具型機器1が飛行機のシートである場合、ユーザが乗客であり、監視者はキャビンアテンダントであってもよい。
更に、ユーザが脚や背又は回転を異常に繰り返す場合にも、危険が生じる。そのような場合に、端末2は、家具型機器1からの仮想移動量に応じて、アラームを通知する。
【0059】
<家具型機器1の態様>
前述したように、家具型機器1は、椅子状のものであってもよいが、他の実施形態として、車椅子状、マット状、又は、シート状のものであってもよい。
【0060】
図7は、本発明における車椅子状の家具型機器である。
【0061】
図7によれば、家具型機器1は、車椅子状のものである。例えば、身体が不自由な要介護者(ユーザ)が、HMD端末2を装着し、仮想空間を体験していることを想定する。これによって、脚腰が弱いユーザであっても、着座した状態で、仮想空間に没入することができる。例えば、ユーザが歩行訓練のリハビリをする際に、HMD端末2のディスプレイには、仮想空間としてユーザ自ら歩行している映像を映し出す。これによって、現実空間では車椅子に着座していても、仮想空間では歩行状態を認識することができ、脳の歩行神経のリハビリとすることもできる。
【0062】
図8は、本発明におけるマット状及びシート状の家具型機器の外観図である。
【0063】
マット状の家具型機器として、例えばクッションのようなものである。クッションは、ユーザの身体に近接するものであって、その中にセンサを組み込んだものであってもよい。そのクッションは、椅子の座面及び/又は背面に載上可能なものである。
また、シート状の家具型機器であってもよい。シートは、それ自体がセンサであり、ユーザの身体に近接する。例えば組込み用圧力分布センサシートの場合、約0.1mm厚のフィルム状センサシートであり、リアルタイムに加圧力を検出することができる。また、脚部センサ11にシートを用いた場合、左右各1個(計2個)のシートを要さず、1枚のシートのみで左右の圧力を検出することができるものもある。
【0064】
以上、詳細に説明したように、本願発明における家具型機器、端末及びプログラムによれば、現実空間内でユーザ自らの移動をできる限り制限する一方で、仮想空間内でユーザ自ら移動している感覚を与えることができる。
【0065】
前述した本発明における種々の実施形態によれば、当業者は、本発明の技術思想及び見地の範囲における種々の変更、修正及び省略を容易に行うことができる。前述の説明はあくまで例であって、何ら制約しようとするものではない。本発明は、特許請求の範囲及びその均等物として限定するものにのみ制約される。
【符号の説明】
【0066】
1 家具型機器
11 脚部センサ
12 背部センサ
13 回転センサ
2 端末
3 仮想空間サーバ
【手続補正書】
【提出日】2021-12-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項7
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項7】
センサは、家具としての脚部の回転部分又はユーザが着座する座面部分に配置され、ユーザ自らの回転の変位に基づく計測値を、仮想空間における当該ユーザの左右への仮想回転量として出力する
ことを特徴とする請求項から1から6のいずれか1項に記載の家具型機器。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0022】
本発明の家具型機器における他の実施形態によれば、
センサは、家具としての脚部の回転部分又はユーザが着座する座面部分に配置され、ユーザ自らの回転の変位に基づく計測値を、仮想空間における当該ユーザの左右への仮想回転量として出力する
ことも好ましい。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0036】
<回転センサ13>
回転センサ13は、着座したユーザの「身体の回転を検出可能な部位」に配置される。例えば、家具としての脚部の回転部分又はユーザが着座する座面部分に配置される。回転センサ13は、ユーザ自らの回転の変位に基づく計測値を、仮想空間における当該ユーザの左右への「仮想回転量」として出力する。
【手続補正書】
【提出日】2022-02-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ自ら着座可能な家具型機器であって、
ユーザの脚が近接する面に配置され、ユーザ自らの脚の左右それぞれの変位に基づく計測値を、仮想空間における当該ユーザの仮想移動量とする脚部センサと、
ユーザの背中に近接する部分に配置され、ユーザ自らの背中の変位に応じて、仮想空間における当該ユーザの前進又は後進を認識する背部センサと
を有し、
仮想移動量及び前進又は後進の認識に応じて、前進の仮想移動量又は後進の仮想移動量として出力する
ことを特徴とする家具型機器。
【請求項2】
脚部センサによって、時間あたりの変位の速度を、仮想移動量の速度として検出し、
仮想移動量の速度及び前進又は後進の認識に応じて、前進の仮想移動量の速度又は後進の仮想移動量の速度として出力する、
及び/又は、
脚部センサによって、時間あたりの変位の加速度を、仮想移動量の加速度として検出し、
仮想移動量の加速度及び前進又は後進の認識に応じて、前進の仮想移動量の加速度又は後進の仮想移動量の加速度として出力する
ことを特徴とする請求項1に記載の家具型機器。
【請求項3】
背部センサは、ユーザの背反りによって後進と認識する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の家具型機器。
【請求項4】
脚部センサは、ユーザの片脚毎に左右それぞれに配置されており、左右のセンサにおける交互の計測値を、仮想空間における当該ユーザの歩行動作として模擬的に検出する
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の家具型機器。
【請求項5】
脚部センサは、ユーザの大腿が近接する面、及び/又は、ユーザの脚のふくらはぎが近接する面に配置される
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の家具型機器。
【請求項6】
家具としての脚部の回転部分又はユーザが着座する座面部分に配置され、ユーザ自らの身体の左右の回転の変位に基づく計測値を、左右の仮想移動量として出力する回転センサを更に有することを特徴とする請求項から1から5のいずれか1項に記載の家具型機器。
【請求項7】
当該家具型機器は、椅子状、車椅子状、マット状、又は、シート状である
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の家具型機器。
【請求項8】
端末に対して、仮想移動量が、第1の所定閾値以上となった際に、又は、所定時間継続して第2の所定閾値以下となった際に、ユーザ又は監視者に対してアラームを通知させる
ことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の家具型機器。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0015】
そこで、本願発明は、現実空間内でユーザ自らの移動をできる限り制限する一方で、仮想空間内でユーザ自ら移動している感覚を与えることができる家具型機器を提供することを目的とする。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0016】
本発明によれば、ユーザ自ら着座可能な家具型機器であって、
ユーザの脚が近接する面に配置され、ユーザ自らの脚の左右それぞれの変位に基づく計測値を、仮想空間における当該ユーザの仮想移動量とする脚部センサと、
ユーザの背中に近接する部分に配置され、ユーザ自らの背中の変位に応じて、仮想空間における当該ユーザの前進又は後進と認識する背部センサと
を有し、
仮想移動量及び前進又は後進の認識に応じて、前進の仮想移動量又は後進の仮想移動量として出力する
ことを特徴とする。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0017】
本発明の家具型機器における他の実施形態によれば、
脚部センサによって、時間あたりの変位の速度を、仮想移動量の速度として検出し、
仮想移動量の速度及び前進又は後進の認識に応じて、前進の仮想移動量の速度又は後進の仮想移動量の速度として出力する、
及び/又は、
脚部センサによって、時間あたりの変位の加速度を、仮想移動量の加速度として検出し、
仮想移動量の加速度及び前進又は後進の認識に応じて、前進の仮想移動量の加速度又は後進の仮想移動量の加速度として出力する
ことも好ましい。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0018】
本発明の家具型機器における他の実施形態によれば、
背部センサは、ユーザの背反りによって後進と認識する
ことも好ましい。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0019】
本発明の家具型機器における他の実施形態によれば、
脚部センサは、ユーザの片脚毎に左右それぞれに配置されており、左右のセンサにおける交互の計測値を、仮想空間における当該ユーザの歩行動作として模擬的に検出する
ことも好ましい。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0020】
本発明の家具型機器における他の実施形態によれば、
脚部センサは、ユーザの大腿が近接する面、及び/又は、ユーザの脚のふくらはぎが近接する面に配置される
ことも好ましい。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0022】
本発明の家具型機器における他の実施形態によれば、
家具としての脚部の回転部分又はユーザが着座する座面部分に配置され、ユーザ自らの身体の左右の回転の変位に基づく計測値を、左右の仮想移動量として出力する回転センサを更に有する
ことも好ましい。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0025】
本発明の家具型機器における他の実施形態によれば、
端末に対して、仮想移動量が、第1の所定閾値以上となった際に、又は、所定時間継続して第2の所定閾値以下となった際に、ユーザ又は監視者に対してアラームを通知させる
ことも好ましい。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0027】
本発明における家具型機器によれば、現実空間内でユーザ自らの移動をできる限り制限する一方で、仮想空間内でユーザ自ら移動している感覚を与えることができる。
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0031】
図2によれば、椅子状の家具型機器1が表されている。家具型機器1には、ユーザの身体が近接する面に、1つ以上のセンサが配置される。これらセンサは、ユーザ自らの身体の左右それぞれの変位に基づく計測値を、仮想空間における当該ユーザの「仮想移動量」として出力する
。
【手続補正16】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0064
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0064】
以上、詳細に説明したように、本願発明における家具型機器によれば、現実空間内でユーザ自らの移動をできる限り制限する一方で、仮想空間内でユーザ自ら移動している感覚を与えることができる。