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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023091274
(43)【公開日】2023-06-30
(54)【発明の名称】排気ガス温度制御装置
(51)【国際特許分類】
   F01N 3/20 20060101AFI20230623BHJP
【FI】
F01N3/20 Z
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021205935
(22)【出願日】2021-12-20
(71)【出願人】
【識別番号】000000170
【氏名又は名称】いすゞ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100124084
【弁理士】
【氏名又は名称】黒岩 久人
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【弁理士】
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【弁理士】
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】谷山 由和
(72)【発明者】
【氏名】池田 卓史
(72)【発明者】
【氏名】瀬戸 崇大
(72)【発明者】
【氏名】若林 禎人
(72)【発明者】
【氏名】石井 大貴
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 和洋
(72)【発明者】
【氏名】原田 英享
(72)【発明者】
【氏名】工藤 朗義
【テーマコード(参考)】
3G091
【Fターム(参考)】
3G091AB04
3G091AB13
3G091BA07
3G091BA08
3G091BA15
3G091CB01
3G091DA02
3G091EA17
3G091EA35
3G091FB02
3G091FB03
3G091FC00
3G091HA36
(57)【要約】
【課題】未燃焼炭化水素に起因して浄化装置が損傷することを抑制する。
【解決手段】排気ガス温度制御装置1は、内燃機関の排気ガスを排出する排気管において、内燃機関の排気ガスを浄化する浄化装置の上流側に設けられた温度センサ4が検出した排気ガスの温度を順次取得する排気ガス温度取得部121と、排気ガスの温度が、排気ガス中の未燃焼炭化水素の浄化装置への吸着量が浄化装置からの脱離量よりも多くなる第1温度未満になった時間を累積して低温累積時間を特定する累積時間特定部122と、低温累積時間が、未燃焼炭化水素の浄化装置への吸着を許容できる限度時間以上になった場合、第1温度よりも高く浄化装置の再生制御の目標温度である第2温度を超えないように排気ガスの温度を上昇させて第1温度よりも高くする排気ガス温度制御部123と、を有する。
【選択図】図2


【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関の排気ガスを排出する排気管において、前記内燃機関の排気ガスを浄化する浄化装置の上流側に設けられた温度センサが検出した前記排気ガスの温度を順次取得する排気ガス温度取得部と、
前記排気ガスの温度が、前記排気ガス中の未燃焼炭化水素の前記浄化装置への吸着量が前記浄化装置からの脱離量以上になる第1温度未満になった時間を累積して低温累積時間を特定する累積時間特定部と、
前記低温累積時間が、未燃焼炭化水素の前記浄化装置への吸着を許容できる限度時間以上になった場合、前記第1温度よりも高く前記浄化装置の再生制御の目標温度である第2温度を超えないように前記排気ガスの温度を上昇させて前記第1温度よりも高くする排気ガス温度制御部と、
を有する排気ガス温度制御装置。
【請求項2】
前記排気ガス温度制御部は、前記低温累積時間が前記限度時間以上になった場合、前記内燃機関のシリンダに燃料を噴射する噴射装置に、所定期間内の前記内燃機関の複数の燃焼サイクルの各々で複数回燃料を噴射させることにより前記排気ガスの温度を上昇させて前記第1温度よりも高くする、
請求項1に記載の排気ガス温度制御装置。
【請求項3】
前記累積時間特定部は、前記排気ガスの温度が前記第1温度よりも高くなった時間を累積して高温累積時間を特定し、
前記排気ガス温度制御部は、前記高温累積時間が前記浄化装置に吸着した未燃焼炭化水素が前記浄化装置から脱離する脱離時間以上になるまでの間の前記内燃機関の複数の燃焼サイクルの各々で前記噴射装置に複数回燃料を噴射させることにより、前記排気ガスの温度を前記第1温度よりも高くし続ける、
請求項2に記載の排気ガス温度制御装置。
【請求項4】
前記累積時間特定部は、前記高温累積時間が前記脱離時間以上になったら前記低温累積時間及び前記高温累積時間をゼロにする、
請求項3に記載の排気ガス温度制御装置。
【請求項5】
前記累積時間特定部は、前記低温累積時間が前記限度時間以上になる前に前記高温累積時間が前記脱離時間以上になったら、前記低温累積時間及び前記高温累積時間をゼロにする、
請求項4に記載の排気ガス温度制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関の排気ガスの温度を制御する排気ガス温度制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
内燃機関の排気ガス中の窒素酸化物や粒子状物質(Particulate matter;PM)を浄化するための触媒やフィルタを有する浄化装置が知られている。特許文献1には、フィルタに堆積したPMの量が所定量に達すると、排気ガスの温度をPMが燃焼する温度まで上昇させる再生制御を実行する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-122411号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
排気ガスの温度が低いと、内燃機関のシリンダ内で燃焼しなかった成分である未燃焼炭化水素が浄化装置の触媒やフィルタに吸着する。未燃焼炭化水素が吸着した状態で、排気ガスの温度をPMが燃焼する温度まで上昇させると、触媒やフィルタに吸着した未燃焼炭化水素が触媒やフィルタ上で過剰反応して、触媒やフィルタが損傷してしまうおそれがある。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、未燃焼炭化水素に起因する浄化装置損傷の抑制を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の態様においては、内燃機関の排気ガスを排出する排気管において、前記内燃機関の排気ガスを浄化する浄化装置の上流側に設けられた温度センサが検出した前記排気ガスの温度を順次取得する排気ガス温度取得部と、前記排気ガスの温度が、前記排気ガス中の未燃焼炭化水素の前記浄化装置への吸着量が前記浄化装置からの脱離量以上になる第1温度未満になった時間を累積して低温累積時間を特定する累積時間特定部と、前記低温累積時間が、未燃焼炭化水素の前記浄化装置への吸着を許容できる限度時間以上になった場合、前記第1温度よりも高く前記浄化装置の再生制御の目標温度である第2温度を超えないように前記排気ガスの温度を上昇させて前記第1温度よりも高くする排気ガス温度制御部とを有する排気ガス温度制御装置を提供する。
【0007】
前記排気ガス温度制御部は、前記低温累積時間が前記限度時間以上になった場合、前記内燃機関のシリンダに燃料を噴射する噴射装置に、所定期間内の前記内燃機関の複数の燃焼サイクルの各々で複数回燃料を噴射させることにより前記排気ガスの温度を上昇させて前記第1温度よりも高くしてもよい。
【0008】
前記累積時間特定部は、前記排気ガスの温度が前記第1温度よりも高くなった時間を累積して高温累積時間を特定し、前記排気ガス温度制御部は、前記高温累積時間が前記浄化装置に吸着した未燃焼炭化水素が前記浄化装置から脱離する脱離時間以上になるまでの間の前記内燃機関の複数の燃焼サイクルの各々で前記噴射装置に複数回燃料を噴射させることにより、前記排気ガスの温度を前記第1温度よりも高くし続けてもよい。
【0009】
前記累積時間特定部は、前記高温累積時間が前記脱離時間以上になったら前記低温累積時間及び前記高温累積時間をゼロにしてもよい。
【0010】
前記累積時間特定部は、前記低温累積時間が前記限度時間以上になる前に前記高温累積時間が前記脱離時間以上になったら、前記低温累積時間及び前記高温累積時間をゼロにしてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、未燃焼炭化水素に起因する浄化装置損傷を抑制できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】排気ガス浄化システムの構成図である。
図2】未燃焼炭化水素の吸着量と脱離量の温度変化を説明するための図である。
図3】排気ガス温度制御装置の構成を説明するための図である。
図4】排気ガス温度と累積時間を説明するための図である。
図5】浄化装置に吸着している未燃焼炭化水素の量の時間変化を説明するための図である。
図6】累積時間をリセットする処理を説明するための図である。
図7】排気ガス温度制御装置の制御部が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[排気ガス浄化システムSの概要]
図1は、排気ガス浄化システムSの構成図である。排気ガス浄化システムSは、内燃機関2の排気ガスを浄化するシステムである。排気ガス浄化システムSは、排気ガス温度制御装置1と、内燃機関2と、排気管3と、温度センサ4と、浄化装置5とを有する。内燃機関2は、例えば自動車や船舶に搭載されたディーゼルエンジンであるが、ガソリンエンジンでもよい。
【0014】
排気管3は、内燃機関2が搭載された自動車や船舶の外に排気ガスを排出する。排気管3には、温度センサ4及び浄化装置5が設けられている。
【0015】
温度センサ4は、排気ガスの温度(以下「排気ガス温度」という。)を検出する。温度センサ4は、排気管3において、浄化装置5の上流側に設けられている。温度センサ4は、浄化装置5に流入する排気ガス温度を順次検出し、検出した排気ガス温度を排気ガス温度制御装置1に出力する。
【0016】
浄化装置5は、内燃機関2の排気ガスを浄化する。浄化装置5は、例えばDPD(ディーゼル・パティキュレート・ディフューザー)や選択触媒還元脱硝装置(いわゆる尿素SCR(Selective Catalytic Reduction))であるが、これに限定するものではない。DPDは、排気ガス中の粒子状物質(例えば煤)を除去する浄化装置である。DPDは、粒子状物質を捕集するフィルタを有している。選択触媒還元脱硝装置は、排気ガス中のNOxを低減する浄化装置である。選択触媒還元脱硝装置は、アンモニアの前駆体である尿素水を、排気管3を流れる排気ガスに噴射することにより、NOxとアンモニアとを反応させて、窒素と水に還元させる。
【0017】
ところで、排気ガスには、内燃機関2のシリンダ内で燃焼しなかった成分である未燃焼炭化水素が含まれている。未燃焼炭化水素は、例えばメタン、エタン、プロピレン、高級炭化水素である。高級炭化水素は例えばノルマルパラフィンである。排気ガス中に含まれる未燃焼炭化水素の一部は、浄化装置5の触媒やフィルタの表面に吸着する。また、触媒やフィルタの表面に吸着している未燃焼炭化水素の一部は、触媒やフィルタの表面から脱離する。つまり、浄化装置5の触媒やフィルタの表面では、未燃焼炭化水素の吸着及び脱離が同時に起こっている。
【0018】
単位時間あたりに浄化装置5に吸着する未燃焼炭化水素の量(以下「吸着量」という。)と、単位時間あたりに浄化装置5から脱離する未燃焼炭化水素の量(以下「脱離量」という。)とは、排気ガス温度に応じて変化する。具体的には、未燃焼炭化水素の吸着量は排気ガス温度が低いほど多くなり、未燃焼炭化水素の脱離量は排気ガス温度が高いほど多くなる。
【0019】
図2は、未燃焼炭化水素の吸着量Aと脱離量Bの温度変化を説明するための図である。横軸は排気ガス温度Kを示し、縦軸は未燃焼炭化水素の量Vを示す。実線は、未燃焼炭化水素の吸着量Aを示すグラフである。破線は、未燃焼炭化水素の脱離量Bを示すグラフである。
【0020】
図2に示すとおり、排気ガス温度Kが第1温度K1よりも低いと、吸着量Aが脱離量Bよりも多いので、浄化装置5に吸着している未燃焼炭化水素の量は増加する。一方、排気ガス温度Kが第1温度K1よりも高いと、脱離量Bが吸着量Aよりも多いので、浄化装置5に吸着している未燃焼炭化水素の量は減少する。そして、排気ガス温度Kが第1温度K1である場合、未燃焼炭化水素の吸着量Aと脱離量Bが同じになるので、浄化装置5に吸着している未燃焼炭化水素の量は増加も減少もしないで一定になる。つまり、第1温度K1は、吸着量Aと脱離量Bが釣り合うバランス点である。言い換えると、第1温度K1は、排気ガス中の未燃焼炭化水素の浄化装置への吸着量Aが浄化装置からの脱離量B以上になる温度である。
【0021】
排気ガス温度Kが第1温度K1よりも低く、吸着量Aが脱離量Bよりも多い状態が続くと、浄化装置5に吸着している未燃焼炭化水素の量が増加して、吸着している未燃焼炭化水素の量として許容できる量(以下「許容量」という。)を超えてしまう。吸着している未燃焼炭化水素の量が許容量を超えてしまうと、浄化装置5の再生制御を行ったときに、浄化装置5に過剰に吸着している未燃焼炭化水素の燃焼により、浄化装置5の触媒やフィルタの温度が、触媒やフィルタの耐熱温度よりも高くなる。触媒やフィルタの温度が耐熱温度よりも高くなると、触媒やフィルタが損傷するおそれがある。
【0022】
そこで、排気ガス温度制御装置1は、浄化装置5に吸着している未燃焼炭化水素の量が許容量を超える前に、排気ガス温度Kを上昇させて第1温度K1よりも高くすることで、浄化装置5に吸着した未燃焼炭化水素を浄化装置5から脱離させる。このようにすることで、排気ガス温度制御装置1は、浄化装置5に吸着している未燃焼炭化水素の量が許容量を超える前に、未燃焼炭化水素を浄化装置5から脱離させることができる。その結果、排気ガス温度制御装置1は、浄化装置5に過剰に吸着している未燃焼炭化水素を、浄化装置5の再生制御・S被毒パージ・白色生成物除去等を行う前に脱離することで浄化装置5の触媒やフィルタの損傷を抑制できる。
以下、排気ガス温度制御装置1の構成を説明する。
【0023】
[排気ガス温度制御装置1の構成]
図3は、排気ガス温度制御装置1の構成を説明するための図である。排気ガス温度制御装置1は、記憶部11及び制御部12を有する。記憶部11は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及びハードディスク等を含む記憶媒体である。記憶部11は、制御部12が実行するプログラムを記憶する。
【0024】
制御部12は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサを含む計算リソースである。制御部12は、記憶部11に記憶されたプログラムを実行することにより、排気ガス温度取得部121、累積時間特定部122及び排気ガス温度制御部123としての機能を実現する。
【0025】
排気ガス温度取得部121は、温度センサ4が検出した排気ガス温度Kを順次取得する。具体的には、排気ガス温度取得部121は、所定時間毎に排気ガス温度Kを取得する。所定時間は、適宜設定すればよく、例えば制御部12の処理周期である。所定時間の具体的な値は、例えば100ミリ秒である。
【0026】
累積時間特定部122は、排気ガス温度Kに応じて2つの累積時間を特定する。具体的には、累積時間特定部122は、排気ガス温度Kが第1温度K1未満になった時間を低温累積時間として特定し、排気ガス温度Kが第1温度K1以上になった時間を高温累積時間として特定する。以下、累積時間特定部122が累積時間を特定する処理を説明する。
【0027】
まず、累積時間特定部122は、排気ガス温度Kが取得される毎に、取得された排気ガス温度Kが第1温度K1未満であるか否かを判定する。第1温度K1は、排気ガス中の未燃焼炭化水素の浄化装置への吸着量Aが浄化装置からの脱離量Bよりも多くなる温度である。第1温度K1は、内燃機関2の性能、浄化装置5のフィルタや触媒の性能等に基づき定まる。第1温度K1の具体的な値は、例えば摂氏250度である。
【0028】
累積時間特定部122は、排気ガス温度Kが第1温度K1未満である場合に所定時間(100ミリ秒)を低温累積時間に累積する。つまり、累積時間特定部122は、排気ガス温度Kが第1温度K1未満になった時間を累積して低温累積時間を特定する。また、累積時間特定部122は、排気ガス温度Kが第1温度K1よりも高い場合に所定時間を高温累積時間に累積する。つまり、累積時間特定部122は、排気ガス温度が第1温度K1よりも高くなった時間を累積して高温累積時間を特定する。なお、累積時間特定部122は、排気ガス温度Kが第1温度K1である場合、所定時間を低温累積時間及び高温累積時間に累積しない。
【0029】
排気ガス温度制御部123は、低温累積時間が限度時間以上になった場合に排気ガス温度を上昇させて第1温度よりも高くする。限度時間は、浄化装置5に吸着している未燃焼炭化水素の量Vが、未燃焼炭化水素の浄化装置への吸着を許容できる量(以下「許容量」という。)を超えるまでにかかる時間である。限度時間は、浄化装置5の触媒やフィルタの性能、内燃機関2の性能や仕様、実験などにより適宜定めればよい。なお、限度時間は、浄化装置5の再生制御の実行間隔よりも短い。一例を挙げると、限度時間は、例えば再生制御の実行間隔(8時間)のおよそ10分の1程度に設定されるが、これに限定するものではない。限度時間の具体的な値は例えば50分である。
【0030】
排気ガス温度制御部123は、内燃機関2のシリンダに燃料を噴射する噴射装置6に、所定期間内の内燃機関2の複数の燃焼サイクルの各々で噴射パターンを変えることにより排気ガス温度Kを上昇させる。例えば噴射回数、期間、タイミングである。言い換えると、排気ガス温度制御部123は、噴射装置6の噴射モードを、通常噴射モードからマルチ噴射モードに切り替えることにより、排気ガス温度Kを上昇させる。通常噴射モードは、1燃焼サイクルで噴射装置6に1回燃料を噴射させるモードである。マルチ燃料噴射モードは、1燃焼サイクルで複数回噴射装置6に燃料を噴射させるモードである。なお、排気ガス温度制御部123は、通常噴射モードからマルチ燃料噴射モードに切り替える際に、内燃機関2の出力を維持するように噴射させる燃料の量又は噴射するタイミングのうちの少なくとも一方を制御する。また、排気ガス温度制御部123は、排気ガス温度Kを上昇させるために、噴射装置6に噴射させる燃料の量を増やしてもよい。
【0031】
図4は、排気ガス温度と累積時間を説明するための図である。横軸は、時刻Tを示し、左の第1縦軸は、排気ガス温度Kを示し、右の第2縦軸は累積時間Rを示す。図4の実線は、排気ガス温度Kの時間変化を示すグラフである。一点鎖線は、低温累積時間LTの時間変化を示すグラフである。破線は、高温累積時間HTの時間変化を示すグラフである。
【0032】
排気ガス温度Kは、時刻T0から時刻T1まで第1温度K1未満である。累積時間特定部122は、時刻T0から時刻T1までの時間を低温累積時間LTに累積するので、低温累積時間LTは、時刻T0から時刻T1までの間増加している。
【0033】
時刻T1は、低温累積時間LTが限度時間G以上になった時刻である。排気ガス温度制御部123は、時刻T1で、排気ガス温度Kを上昇させる。具体的には、排気ガス温度制御部123は、時刻T1から、第1温度K1よりも高く浄化装置5の再生制御の目標温度である第2温度K2(例えば摂氏500度)を超えないように排気ガス温度Kを上昇させて第1温度K1よりも高くし続ける。より具体的には、排気ガス温度制御部123は、第1温度K1よりも高く第2温度K2よりも低い第3温度K3になるように排気ガス温度を制御する。第3温度K3は、第1温度K1よりも高く、第2温度K2よりも低い温度であれば任意の温度を設定できる。第3温度K3の具体的な値は例えば摂氏300度である。
【0034】
排気ガス温度Kは、排気ガス温度制御部123の制御により時刻T1から上昇している。時刻T2は、排気ガス温度Kが上昇して第1温度K1よりも高くなった時刻である。累積時間特定部122は、時刻T2以降の時間を高温累積時間HTに累積する。言い換えると、累積時間特定部122は、時刻T2で低温累積時間LTのカウントを停止して、高温累積時間HTのカウントをはじめる。図4に示すように、低温累積時間LTは、時刻T2から一定になり、高温累積時間HTは、時刻T2から増加している。
【0035】
排気ガス温度制御部123は、高温累積時間HTが脱離時間D以上になるまでの間マルチ噴射に切り替えることにより、排気ガス温度Kを第1温度K1よりも高くし続ける。脱離時間Dは、高温累積時間HTが浄化装置5に吸着した未燃焼炭化水素が浄化装置から脱離するまでにかかる時間である。脱離時間Dは、例えば浄化装置5に吸着している未燃焼炭化水素が脱離して、吸着している量がゼロ又は浄化装置5が損傷しない吸着量になるまでの時間である。脱離時間Dは、例えば限度時間G以上である。このようにすることで、排気ガス温度制御部123は、許容量と同量以上の未燃焼炭化水素を脱離させることができるので、浄化装置5に吸着している未燃焼炭化水素の量をゼロ又は浄化装置5が損傷しない吸着量まで低減することができる。
【0036】
時刻T3は、排気ガス温度Kが第3温度K3になった時刻である。累積時間特定部122は、排気ガス温度Kが第3温度K3になったら、排気ガス温度Kが第3温度K3で維持されるように排気ガス温度Kを制御する。例えば、排気ガス温度制御部123は、高温累積時間HTが脱離時間D以上になるまでの間、排気ガス温度Kが第3温度K3になるように、噴射装置6に噴射させる燃料の量を変更する。
【0037】
時刻T4は、高温累積時間HTが脱離時間D以上になった時刻である。累積時間特定部122は、高温累積時間HTが脱離時間D以上になったら、低温累積時間LT及び高温累積時間HTをゼロにする。低温累積時間LT及び高温累積時間HTは、時刻T4でゼロになっている(図4を参照)。時刻T4以降の排気ガス温度Kが第1温度K1以上であるので、時刻T4以降の高温累積時間HTは増加し、低温累積時間LTはゼロで一定である。
【0038】
図5は、浄化装置5に吸着している未燃焼炭化水素の量Vの時間変化を説明するための図である。図5の横軸は時刻Tを示し、左の第1縦軸は浄化装置5に吸着している未燃焼炭化水素の量Vを示し、右の第2縦軸は累積時間Rを示す。実線は、浄化装置5に吸着している未燃焼炭化水素の量Vの時間変化を示すグラフである。一点鎖線は、低温累積時間LTの時間変化を示すグラフである。破線は、高温累積時間HTの時間変化を示すグラフである。
【0039】
浄化装置5に吸着している未燃焼炭化水素の量Vは、排気ガス温度Kが第1温度K1よりも高くなった時刻T2まで増加し、時刻T2以降から減少する。時刻T0から時刻T1までの期間の排気ガス温度Kが第1温度K1よりも低い温度で一定なので、未燃焼炭化水素の量Vは、単位時間あたり一定量ずつ増加する。
【0040】
低温累積時間LTが限度時間Gを超えた時刻T1から、累積時間特定部122が排気ガス温度Kを上昇させ始めるので、浄化装置5に吸着する未燃焼炭化水素の量Vが減少する。言い換えると、浄化装置5に吸着している未燃焼炭化水素の量Vの増加量が減少する。
【0041】
浄化装置5に吸着している未燃焼炭化水素の量Vは、排気ガス温度Kが第1温度K1よりも高くなった時刻T2以降で減少する。そして、吸着している未燃焼炭化水素の量Vの減少量は、排気ガス温度Kが第3温度K3になる時刻T3まで増加し、排気ガス温度Kが第3温度K3で一定になる時刻T3以降の期間で一定になる。つまり、排気ガス温度Kが第3温度K3で一定になると減少量が一定になるので、浄化装置5に吸着している未燃焼炭化水素の量Vは単位時間あたり一定量ずつ減少する。
【0042】
累積時間特定部122は、高温累積時間HTが脱離時間Dになった時刻T4において、低温累積時間LT及び高温累積時間HTをゼロにする。本実施の形態においては、浄化装置5に吸着している未燃焼炭化水素の量Vがゼロまたは損傷なき付着レベルになるまでの時間を脱離時間Dとして設定しているので、時刻T4において、浄化装置5に吸着している未燃焼炭化水素の量Vはゼロになっている。また必要に応じて未燃焼炭化水素の量Vはゼロまでとせず、その後実施する浄化装置5の再生制御・S被毒パージ・白色生成物除去等を実施し温度上昇しても損傷が抑制できるならばそのHC吸着量として定めても良い。S被毒パージは、NOx触媒を還元雰囲気下で高温(例えば700℃程度)に一定時間保持することにより、NOx触媒からSOxを離脱させる処理である。白色生成物除去は、排気ガスの温度を所定温度まで上昇させることにより、SCR触媒に吸着した未燃燃料及び触媒を劣化させる被膜、アンモニアに由来する白色生成物を除去する処理である。
【0043】
このようにすることで、排気ガス温度制御部123は、浄化装置5の再生制御を行う前に、浄化装置5に吸着している未燃焼炭化水素の量Vを低減できる。そのため、排気ガス温度制御部123は、浄化装置5の再生制御を行う際に、排気ガス温度Kを第2温度K2(例えば摂氏500度)まで上昇させたとしても、浄化装置5の触媒やフィルタが損傷することを抑制できる。また、排気ガス温度制御部123は、第2温度K2を超えないように排気ガス温度Kを上昇させるので、浄化装置5から未燃焼炭化水素を脱離させるときに、浄化装置5に吸着している未燃焼炭化水素が燃焼することを抑制できる。このように、排気ガス温度制御部123は、浄化装置5に過剰に吸着した未燃焼炭化水素の燃焼に起因する浄化装置5の損傷を抑制できる。
【0044】
ところで、排気ガス温度Kは、燃料と空気の混合比や燃料噴射量などの変化に応じて変化する。混合比や燃料噴射量は、内燃機関2の出力軸に所望の値を出力させるために変化させるので、マルチ燃料噴射に切り替えなくても、排気ガス温度Kが第1温度K1よりも高くなることがある。排気ガス温度Kが第1温度K1よりも高くなれば、吸着している未燃焼炭化水素の量Vは減少する。したがって、低温累積時間LTが限度時間G以上になる前に、高温累積時間HTが脱離時間D以上になったら、浄化装置5に吸着している未燃焼炭化水素の量Vはゼロ又は浄化装置5が損傷しない吸着量になっていると考えられる。
【0045】
そこで、累積時間特定部122は、低温累積時間LTが限度時間G以上になる前に高温累積時間HTが脱離時間D以上になったら2つの累積時間をリセットする。具体的には、累積時間特定部122は、低温累積時間LTが限度時間G以上になる前に高温累積時間HTが脱離時間D以上になったら、排気ガス温度制御部123が排気ガス温度Kを上昇させなくても、低温累積時間LT及び高温累積時間HTをゼロにする。
【0046】
図6は、累積時間をリセットする処理を説明するための図である。横軸は、時刻Tを示し、縦軸は累積時間Rを示す。一点鎖線は、低温累積時間LTの時間変化を示すグラフである。破線は、高温累積時間HTの時間変化を示すグラフである。
【0047】
時刻T21及び時刻T23は、排気ガス温度Kが第1温度K1未満になった時刻である。時刻T22及び時刻T24は、排気ガス温度Kが第1温度K1よりも高くなった時刻である。
【0048】
時刻T21から時刻T22までの期間、及び時刻T23から時刻T24までの期間は、排気ガス温度Kが第1温度K1未満になった期間である。時刻T22から時刻T23までの期間、及び時刻T24から時刻T25までの期間は、排気ガス温度Kが第1温度K1よりも高くなった期間である。
【0049】
累積時間特定部122は、排気ガス温度Kが第1温度K1未満か否かに応じて、各期間を低温累積時間LT又は高温累積時間HTに累積する。時刻T25は、高温累積時間HTが脱離時間D以上になった時刻である。時刻T25において浄化装置5に吸着している未燃焼炭化水素がゼロになったと考えられるので、累積時間特定部122は、時刻T25において低温累積時間LTと高温累積時間HTをゼロにする。
【0050】
このようにすることで、累積時間特定部122は、浄化装置5に吸着している未燃焼炭化水素が無い状態で排気ガス温度制御部123が排気ガス温度Kを上昇させてしまうことを抑制できる。その結果、累積時間特定部122は、排気ガス温度制御部123が不必要な制御を実行することを抑制できる。
【0051】
[排気ガス温度制御装置1が実行する処理]
図7は、排気ガス温度制御装置1の制御部12が実行する処理の一例を示すフローチャートである。図7のフローチャートは、内燃機関2が始動している間、所定時間毎に実行される。所定時間は、例えば100ミリ秒である。
【0052】
排気ガス温度取得部121は、温度センサ4が検出した排気ガス温度Kを順次取得する(ステップS1)。具体的には、排気ガス温度取得部121は、浄化装置5の上流側に設けられている温度センサ4が検出した、浄化装置5に流入する排気ガス温度Kを取得する。
【0053】
累積時間特定部122は、排気ガス温度Kが第1温度K1未満か否かを判定する(ステップS2)。累積時間特定部122は、排気ガス温度Kが第1温度K1未満である場合(ステップS2でYes)、低温累積時間LTを累積する(ステップS3)。累積時間特定部122は、累積した低温累積時間LTを記憶部11に記憶させる。
【0054】
排気ガス温度制御部123は、低温累積時間LTが限度時間G以上になったか否かを判定する(ステップS4)。排気ガス温度制御部123は、低温累積時間LTが限度時間G以上になった場合、排気ガス温度Kを上昇させる(ステップS5)。具体的には、排気ガス温度制御部123は、噴射装置6の噴射モードを、通常噴射モードからマルチ燃料噴射モードに切り替えることにより、排気ガス温度Kを上昇させる。より具体的には、排気ガス温度制御部123は、排気ガス温度Kを、第1温度K1よりも高く第2温度K2よりも低い第3温度K3にする。排気ガス温度制御部123は、低温累積時間LTが限度時間G以上になっていない場合(ステップS4でNo)、排気ガス温度Kを制御せず、ステップS1に戻る。
【0055】
累積時間特定部122は、排気ガス温度Kが第1温度K1以上である場合(ステップS2でNo)、排気ガス温度Kが第1温度K1よりも高いか否かを判定する(ステップS6)。累積時間特定部122は、排気ガス温度Kが第1温度K1と等しい場合(ステップS6でNo)、所定時間を低温累積時間LT及び高温累積時間HTに累積しないで、ステップS1に戻る。
【0056】
累積時間特定部122は、排気ガス温度Kが第1温度K1よりも高い場合(ステップS6でYes)、高温累積時間HTを累積する(ステップS7)。累積時間特定部122は、累積した高温累積時間HTを記憶部11に記憶させる。
【0057】
累積時間特定部122は、高温累積時間HTが脱離時間D以上になったか否かを判定する(ステップS8)。累積時間特定部122は、高温累積時間HTが脱離時間D以上になった場合(ステップS8でYes)、低温累積時間LT及び高温累積時間HTをゼロにする(ステップS9)。具体的には、累積時間特定部122は、記憶部11に記憶されている低温累積時間LT及び高温累積時間HTをゼロにする。累積時間特定部122は、高温累積時間HTが脱離時間D以上になっていない場合(ステップS8でNo)、低温累積時間LT及び高温累積時間HTをゼロにしないで、ステップS1に戻る。
【0058】
記憶部11は、内燃機関2が停止した後も、記憶した低温累積時間LT及び高温累積時間HTを記憶し続ける。そして、累積時間特定部122は、内燃機関2が停止した後に再度始動した場合、記憶部11が記憶している低温累積時間LT又は高温累積時間HTを更新する。このようにすることで、累積時間特定部122は、内燃機関2が停止する直前の状態から、低温累積時間LT及び高温累積時間HTの累積を再開できる。
【0059】
(変形例)
上記の実施の形態だけでなく、排気ガス温度制御部123は、排気管3に設けられたヒータを作動させたり、排気管3に設けられた弁の開口率を小さくして排気ガスの圧を上昇させたり、油圧装置等を用いてエンジン負荷を増大することにより排気ガス温度を上昇させてもよい。
【0060】
[実施の形態に係る排気ガス温度制御装置1の効果]
以上説明したとおり、排気ガス温度制御装置1は、排気ガス温度Kが、排気ガス中の未燃焼炭化水素の浄化装置への吸着量Aが浄化装置からの脱離量B以上になる第1温度K1未満になった低温累積時間LTを特定する。そして、排気ガス温度制御装置1は、低温累積時間LTが、未燃焼炭化水素の浄化装置5への吸着量Aが未燃焼炭化水素の浄化装置への吸着を許容できる量(許容量)を超えるまでにかかる限度時間Gを超えたら、排気ガス温度Kを上昇させる。これにより、排気ガス温度制御装置1は、浄化装置5の再生制御を行う前に浄化装置5に吸着している未燃焼炭化水素の量Vを低減できる。その結果、排気ガス温度制御装置1は、浄化装置5の再生制御を行う際に、過剰に吸着した未燃焼炭化水素の燃焼に起因する浄化装置5の触媒やフィルタの損傷を抑制できる。
【0061】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0062】
S 排気ガス浄化システム
1 排気ガス温度制御装置
11 記憶部
12 制御部
121 排気ガス温度取得部
122 累積時間特定部
123 排気ガス温度制御部
2 内燃機関
3 排気管
4 温度センサ
5 浄化装置
6 噴射装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2023-05-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関の排気ガスを排出する排気管において、前記内燃機関の排気ガスを浄化する浄化装置の上流側に設けられた温度センサが検出した前記排気ガスの温度を順次取得する排気ガス温度取得部と、
前記排気ガスの温度が、前記排気ガス中の未燃焼炭化水素の前記浄化装置への吸着量前記浄化装置からの脱離量とが等しくなる第1温度未満になった時間を累積して低温累積時間を特定する累積時間特定部と、
前記低温累積時間が、未燃焼炭化水素の前記浄化装置への吸着を許容できる限度時間以上になった場合、前記第1温度よりも高く前記浄化装置の再生制御の目標温度であり、前記未燃焼炭化水素が燃焼する燃焼温度を超えないように前記排気ガスの温度を上昇させて前記第1温度よりも高くする排気ガス温度制御部と、
を有する排気ガス温度制御装置。
【請求項2】
前記排気ガス温度制御部は、前記低温累積時間が前記限度時間以上になった場合、前記内燃機関のシリンダに燃料を噴射する噴射装置に、所定期間内の前記内燃機関の複数の燃焼サイクルの各々で複数回燃料を噴射させることにより前記排気ガスの温度を上昇させて前記第1温度よりも高くする、
請求項1に記載の排気ガス温度制御装置。
【請求項3】
前記累積時間特定部は、前記排気ガスの温度が前記第1温度よりも高くなった時間を累積して高温累積時間を特定し、
前記排気ガス温度制御部は、前記高温累積時間が前記浄化装置に吸着した未燃焼炭化水素が前記浄化装置から脱離する脱離時間以上になるまでの間の前記内燃機関の複数の燃焼サイクルの各々で前記噴射装置に複数回燃料を噴射させることにより、前記排気ガスの温度を前記第1温度よりも高くし続ける、
請求項2に記載の排気ガス温度制御装置。
【請求項4】
前記累積時間特定部は、前記高温累積時間が前記脱離時間以上になったら前記低温累積時間及び前記高温累積時間をゼロにする、
請求項3に記載の排気ガス温度制御装置。
【請求項5】
前記累積時間特定部は、前記低温累積時間が前記限度時間以上になる前に前記高温累積時間が前記脱離時間以上になったら、前記低温累積時間及び前記高温累積時間をゼロにする、
請求項4に記載の排気ガス温度制御装置。