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特開2023-91308取付型電気機器用カバーおよび取付型電気機器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023091308
(43)【公開日】2023-06-30
(54)【発明の名称】取付型電気機器用カバーおよび取付型電気機器
(51)【国際特許分類】
   H02G 3/18 20060101AFI20230623BHJP
   H02G 3/02 20060101ALI20230623BHJP
【FI】
H02G3/18 050
H02G3/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021205983
(22)【出願日】2021-12-20
(71)【出願人】
【識別番号】000005821
【氏名又は名称】パナソニックホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 駿
(72)【発明者】
【氏名】三宅 清太
(72)【発明者】
【氏名】川本 隆司
(72)【発明者】
【氏名】荒木 菜摘
【テーマコード(参考)】
5G357
5G361
【Fターム(参考)】
5G357CB07
5G357CC01
5G357CE03
5G357CF03
5G361CA02
5G361CB01
(57)【要約】
【課題】防気効果および防塵効果を備えるとともに、取付型電気機器用カバーに収容された取付金具を操作することで造営材の様々な取付状態に対応することができる取付型電気機器用カバー等を提供する。
【解決手段】取付型電気機器用カバー30は、造営材に形成された第一の貫通孔11を介して取り付けられる電気機器20を取り付けるための取付金具50を収容するとともに、第一の貫通孔11を閉塞するように設置される取付型電気機器用カバー30であって、取付金具50は、造営材への取付時および取付後に造営材における露出面と反対側の面または第一の貫通孔11を形成する造営材の側壁面12と接触するような可動性を備えている。そして、取付型電気機器用カバー30は、取付金具50が造営材と接触する前後のいずれの状態においても、取付金具50を収容可能な可撓性を備えている。
【選択図】図5A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
造営材に形成された第一の貫通孔を介して取り付けられる電気機器を取り付けるための取付金具を収容するとともに、前記第一の貫通孔を閉塞するように設置される取付型電気機器用カバーであって、
前記取付金具は、前記造営材への取付時および取付後に前記造営材における露出面と反対側の面または前記第一の貫通孔を形成する前記造営材の側壁面と接触するような可動性を備え、
前記取付型電気機器用カバーは、前記取付金具が前記造営材と接触する前後のいずれの状態においても、前記取付金具を収容可能な可撓性を備えている、
取付型電気機器用カバー。
【請求項2】
前記電気機器である取付型床用コンセントを前記第一の貫通孔に取り付けるときに用いられる、
請求項1に記載の取付型電気機器用カバー。
【請求項3】
前記取付金具には、第二の貫通孔が形成され、
前記取付時および取付後に、前記第二の貫通孔に挿入された締付具で前記露出面側から締め付けることで、前記取付金具が前記造営材と接触する、
請求項1または2に記載の取付型電気機器用カバー。
【請求項4】
前記締付具は、前記取付金具を前記露出面と反対側の面から前記露出面側に締め付ける固定金具を備えている、
請求項3に記載の取付型電気機器用カバー。
【請求項5】
開口部と対向する底壁と、
前記開口部を形成し、前記底壁から前記開口部に向けて立設する側壁と、を備え、
前記側壁には、前記底壁から前記開口部に向かう方向に沿って複数の溝部が形成されており、
前記取付型電気機器用カバーは、前記開口部側から前記第一の貫通孔を閉塞するように前記造営材に設置される、
請求項1から4のいずれか一項に記載の取付型電気機器用カバー。
【請求項6】
前記側壁は、前記開口部側に形成された第一の側壁と、前記底壁側に形成された第二の側壁とを備え、
前記第二の側壁は、前記第一の側壁に対して中心軸からの距離が短く、
少なくとも前記第一の側壁には、前記複数の溝部が形成されている、
請求項5に記載の取付型電気機器用カバー。
【請求項7】
前記底壁は、前記側壁から前記底壁の中心部に向けて漸次縮径するように形成された複数の段差部を備えている、
請求項5または6に記載の取付型電気機器用カバー。
【請求項8】
前記開口部の周囲には、前記開口部から外側に広がる方向に延びたフランジ部が形成されている、
請求項5から7のいずれか一項に記載の取付型電気機器用カバー。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載の取付型電気機器用カバーと、
前記取付型電気機器用カバーで収容される取付金具と、を備えている、
取付型電気機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、取付型電気機器用カバーおよび取付型電気機器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、従来の取付型電気機器用カバーとして用いられる耐火カバーが開示されている。
【0003】
耐火カバーは、耐火材料により底壁および側壁を有する有底箱状に形成されたカバー本体を備えている。カバー本体は、底壁に対向する前面で開口する開口部と、配線器具固定具を収容するための収容部と、開口部の外周に沿って延在し、前面で壁裏面に当接する当接部と、配線器具が配線器具固定具に固定されるときに、配線器具および配線器具固定具が壁材の貫通孔に配置されることによって壁材とともに挟持される被挟持部と、を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-129850号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば、配線器具等を壁材に取り付ける場合、耐火カバーが壁材の貫通孔を封止することで外部からの有毒ガス、煙等の流入を抑制している。しかしながら、壁材の様々な取付状態に応じて、可動性を有する取付部の位置を調節して配線器具等を造営材に取り付けることがある。耐火カバーを用いて配線器具を壁材に取り付ける場合、耐火カバーと取付部とが接触してしまい、耐火カバーを介して取付部を操作し難くなり、造営材の様々な取付状態に対応し難くなるという課題がある。
【0006】
そこで、本開示は、防気効果および防塵効果を備えるとともに、取付型電気機器用カバーに収容された取付金具を操作することで造営材の様々な取付状態に対応することができる取付型電気機器用カバーおよび取付型電気機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係る取付型電気機器用カバーは、造営材に形成された第一の貫通孔を介して取り付けられる電気機器を取り付けるための取付金具を収容するとともに、前記第一の貫通孔を閉塞するように設置される取付型電気機器用カバーであって、前記取付金具は、前記造営材への取付時および取付後に前記造営材における露出面と反対側の面または前記第一の貫通孔を形成する前記造営材の側壁面と接触するような可動性を備え、前記取付型電気機器用カバーは、前記取付金具が前記造営材と接触する前後のいずれの状態においても、前記取付金具を収容可能な可撓性を備えている。
【0008】
また、本開示の一態様に係る取付型電気機器は、取付型電気機器用カバーと、前記取付型電気機器用カバーで収容される取付金具と、を備えている。
【発明の効果】
【0009】
本開示の取付型電気機器用カバー等によれば、防気効果および防塵効果を備えるとともに、取付型電気機器用カバーに収容された取付金具を操作することで造営材の様々な取付状態に対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、実施の形態に係る取付型電気機器用カバーの外観を示す斜視図である。
図2図2は、実施の形態に係る取付型電気機器用カバー、電気機器、機器収容部および取付金具の外観を示す斜視図である。
図3図3は、実施の形態に係る別の取付型電気機器用カバーの外観を示す斜視図である。
図4図4は、実施の形態に係る別の取付型電気機器用カバーの外観を示す斜視図である。
図5A図5Aは、図2のVA-VA線における取付型電気機器用カバー、機器収容部および取付金具を示す断面図である。
図5B図5Bは、実施の形態に係る取付型電気機器用カバーを上面視した場合を示す平面図である。
図5C図5Cは、図2のVC-VC線における実施の形態に係る取付型電気機器用カバー、機器収容部および取付金具を示す断面図である。
図6A図6Aは、造営材の第一の貫通孔に取付型電気機器用カバー、機器収容部および取付金具の取付状態を示す断面図である。
図6B図6Bは、別の造営材の第一の貫通孔に取付型電気機器用カバー、機器収容部および取付金具の取付状態を示す断面図である。
図6C図6Cは、さらに別の造営材の第一の貫通孔に取付型電気機器用カバー、機器収容部および取付金具の取付状態を示す断面図である。
図7図7は、さらに別の造営材の第一の貫通孔に取付型電気機器用カバー、機器収容部および取付金具の取付状態を示す断面図である。
図8図8は、実施の形態の変形例に係る取付型電気機器用カバー、電気機器、機器収容部および取付金具の外観を示す斜視図である。
図9図9は、実施の形態の変形例に係る別の取付型電気機器用カバーの外観を示す斜視図である。
図10図10は、実施の形態の変形例に係る取付型電気機器用カバーの外観を示す別の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置および接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0012】
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、同じ構成部材については同じ符号を付している。また、以下の実施の形態において、略垂直および円筒状の表現を用いている。例えば、略垂直および円筒状は、完全に垂直および完全に円筒であることを意味するだけでなく、実質的に垂直および実質的に円筒である、すなわち、例えば数%程度の誤差を含むことも意味する。また、略垂直および円筒状は、本開示による効果を奏し得る範囲において垂直および円筒という意味である。他の「略」および「状」を用いた表現についても同様である。
【0013】
また、以下の実施の形態では、取付型電気機器用カバーのフランジ部側をZ軸プラス方向と規定し、取付型電気機器用カバーの底壁側をZ軸マイナス方向と規定する。
【0014】
(実施の形態)
<構成>
まず、取付型電気機器1の構成について図1を用いて説明する。
【0015】
図1は、実施の形態に係る取付型電気機器用カバー30の外観を示す斜視図である。
【0016】
図1に示すように、取付型電気機器1は、造営材に形成された第一の貫通孔11を介して取り付けられる機器である。具体的には、取付型電気機器1は、一部分が造営材の表面から露出し、残りの部分が造営材に埋め込まれるように第一の貫通孔11に挿入されて、第一の貫通孔11に固定されている。ここで造営材とは、建物を構成する床材、天井材、壁材等の構造材である。また、造営材の表面とは、露出している造営材の面である。表面は、露出面の一例である。
【0017】
取付型電気機器1は、電気機器20を内部に収容している。電気機器20は、例えば、電力用コンセント、電力用スイッチ、通信用コネクタ、電話用モジュラジャックコンセント、LAN(Local Area Network)用コンセント、報知機、警報機、TVコンセント、据付型センサ(例えば人感センサ等)等の、造営面に取り付けられる電子機器である。図1では、電気機器20として電力用コンセントを例示している。
【0018】
電気機器20は、取付型電気機器1に対して蓋体開口部42aに収容される位置と蓋体開口部42aから飛び出る位置との間で回動する。
【0019】
次に、取付型電気機器1の構成について図2および図3を用いて説明する。
【0020】
図2は、実施の形態に係る取付型電気機器用カバー30、電気機器20、機器収容部40および取付金具50の外観を示す斜視図である。図3は、実施の形態に係る取付型電気機器用カバー30の外観を示す別の斜視図である。
【0021】
図2および図3に示すように、取付型電気機器1は、取付型電気機器用カバー30と、機器収容部40と、取付型電気機器用カバー30で収容される取付金具50とを備えている。
【0022】
[取付型電気機器用カバー30]
取付型電気機器用カバー30は、取付金具50を収容するとともに、第一の貫通孔11を閉塞するように設置される。つまり、取付型電気機器用カバー30は、造営材の裏面側から、電気機器20および取付金具50を覆った状態で第一の貫通孔11を閉塞している。取付型電気機器用カバー30は、電気機器20を覆うために用いられる。本実施の形態では、取付型電気機器用カバー30は、電気機器20である取付型床用コンセントを第一の貫通孔11に取り付けるときに用いられる。裏面は、露出面と反対側の面の一例である。
【0023】
取付型電気機器用カバー30は、透明または不透明のカバーである。なお、取付金具50が取付型電気機器用カバー30に収容された場合、取付型電気機器用カバー30は、取付型電気機器用カバー30を介して電力線と電気的に接続される電気機器20の接続部を視認できる程度の透明性を有していることが好ましい。
【0024】
また、取付型電気機器用カバー30は、取付金具50が造営材と接触する前後のいずれの状態においても、取付金具50を収容可能な可撓性を備えている。
【0025】
また、取付型電気機器用カバー30は、例えば、EVA(Ethylene-Vinyl Acetate)等の酢酸ビニル系の材料、ポリエチレン等の樹脂材料で構成されている。
【0026】
次に、取付型電気機器用カバー30の具体的な構成について説明する。
【0027】
また、取付型電気機器用カバー30は、電気機器20を内部に挿入するためのカバー開口部30aが形成された有底筒状の容器であり、一方が開口し、他方が閉鎖している。本実施の形態の取付型電気機器用カバー30は、円筒状の容器である。なお、取付型電気機器用カバー30は、角筒状の容器であってもよい。また、取付型電気機器用カバー30の形状は、円筒状、角筒状の容器に限定されない。カバー開口部30aは、開口部の一例である。
【0028】
具体的には、取付型電気機器用カバー30は、底壁31と、側壁32と、フランジ部33とを備える。
【0029】
底壁31は、カバー開口部30aと対向している取付型電気機器用カバー30の底部である。
【0030】
また、底壁31は、複数の段差部31aを有している。
【0031】
複数の段差部31aのそれぞれは、底壁31において側壁32側から底壁31の中心部に向けて漸次縮径するように形成され、溝部34の長手方向に沿って収縮可能である。本実施の形態では、複数の段差部31aは、底壁31において、カバー開口部30aから遠ざかる方向、つまりZ軸マイナス方向に沿って漸次突出するように形成されている。
【0032】
また、複数の段差部31aのそれぞれは、円形状をなし、底壁31の中心部に対して同心円状となるように配置されている。なお、段差部31aは、多角形状であってもよい。段差部31aの形状は、円形状、多角形状に限定されない。
【0033】
側壁32は、底壁31の外周縁に接続され、底壁31の外周縁からカバー開口部30aに向けて立設している。つまり、側壁32は、管状をなし、底壁31に対して略垂直に立ち上がっている。
【0034】
また、側壁32には、底壁31からカバー開口部30aに向かう方向に沿った複数の溝部34が形成されている。側壁32の全周に渡って複数の溝部34が形成されているため、側壁32の外周面および内周面には、凹部と凸部とが繰り返す凹凸面が形成されている。
【0035】
本実施の形態では、複数の溝部34のそれぞれは、側壁32における底壁31側の端縁からカバー開口部30a側の端縁に至るまで延びている。
【0036】
フランジ部33は、カバー開口部30aを形成する側壁32の端縁と接続された鍔部である。フランジ部33は、カバー開口部30aを形成する側壁32の端縁から外側の径方向に延びている。つまり、フランジ部33は、カバー開口部30aの周囲に配置され、カバー開口部30aから外側に広がる方向に延びた形成されている。
【0037】
また、フランジ部33は、機器収容部40を造営材に取付けた際に、造営材の表面と機器収容部40とに挟まれる。これにより、フランジ部33が造営材と機器収容部40との間を封止することで、取付型電気機器用カバー30は、カバー開口部30a側から第一の貫通孔11を閉塞するように設置することができる。
【0038】
次に、フランジ部33の形状について図3および図4を用いて説明する。
【0039】
図4は、実施の形態に係る別の取付型電気機器用カバー30の外観を示す斜視図である。
【0040】
取付型電気機器用カバー30のフランジ部33の形状は、図3に示すように、円形状である。また、フランジ部33aの形状は、図4に示すように、方形状であってもよい。なお、フランジ部33、33aの形状は、図3および図4に示すように、円形状または方形状に限定されない。例えば、フランジ部33、33aの形状は、方形状以外の多角形状であってもよい。
【0041】
次に、機器収容部40の構成について図2および図5Aを用いて説明する。図5Aは、図2のVA-VA線における取付型電気機器用カバー30、機器収容部40および取付金具50を示す断面図である。なお、図5Aでは、電気機器、取付型電気機器用カバー30の溝部および段差部の図示を省略している。
【0042】
[機器収容部40]
図2および図5Aに示すように、機器収容部40は、電気機器20を回動可能に支持する。また、機器収容部40は、造営材に形成された第一の貫通孔11に挿入された状態で第一の貫通孔11に設置される。
【0043】
機器収容部40は、筐体41と、蓋体42とを有する。
【0044】
筐体41は、電気機器20を保持する有底筒状の容器であり、一方が開口し、他方が閉鎖している。本実施の形態の筐体41は、円筒状の容器である。なお、筐体41は、角筒状の容器であってもよい。また、筐体41の形状は、円筒状、角筒状の容器に限定されない。
【0045】
筐体41は、造営材の第一の貫通孔11に挿入された状態で第一の貫通孔11に配置され、電気機器20および取付金具50を覆っている。
【0046】
筐体41は、底部41aと、周壁部41bとを有する。
【0047】
底部41aは、筐体開口部41cおよび蓋体42と対向する位置に配置され、取付型電気機器用カバー30の底壁31と対向している。
【0048】
周壁部41bは、底部41aの外周縁に接続され、底部41aの外周縁から筐体開口部41cに向けて立設している。つまり、周壁部41bは、底部41aに対して略垂直に立ち上がっている管状をなしている。
【0049】
また、周壁部41bには、取付金具50における一対の取付部60を配置する一対の取付開口部41b1が形成されている。取付開口部41b1は、一対の取付部60と一対一で対応している。一対の取付開口部41b1は、筐体41の中心軸を線対称として互いに対向する位置に配置されている。
【0050】
また、一対の取付開口部41b1には取付金具50における一対の取付部60が挿入され、一対の取付部60が取付開口部41b1から周壁部41bの外側に向けて突出するように配置されている。このため、一対の取付部60は、蓋体42と対向するように配置されている。
【0051】
蓋体42は、板状をなしている。蓋体42には、中央部分が開口した蓋体開口部42aが形成されている。蓋体開口部42aは、回動する電気機器20を配置するための開口部である。つまり、蓋体開口部42aは、この開口面から電気機器20が飛び出る位置と、電気機器20が筐体41の内部に収容される位置との間における電気機器20の変位を許容する。また、蓋体開口部42aは、電気機器20が筐体41の内部に収容されている状態では、電気機器20の上蓋21によって閉鎖される。上蓋21は、電気機器20に取り付けられており、蓋体開口部42aを開放する位置と、蓋体開口部42aを閉鎖する位置との間で回動する。
【0052】
蓋体42は、周壁部41bに対してZ軸プラス方向側に配置されている。つまり、蓋体42は、周壁部41bに接続されている底部41a側とは反対側の周壁部41bの端縁に接続されている。このため、蓋体42は、蓋体開口部42aを除いて、筐体開口部41cの一部を覆っている。
【0053】
蓋体42は、筐体41に取り付けられた状態では、周壁部41bの外径よりも大きく、筐体開口部41cから外側の径方向に延びている。つまり、蓋体42は、機器収容部40の鍔として機能することができる。このため、蓋体42は、取付金具50によって造営材とでフランジ部33を挟んで、機器収容部40を造営材に取り付けることができる。蓋体42が取付金具50とともに造営材およびフランジ部33を挟み込むため、フランジ部33によって蓋体42と造営材との間を封止することができる。つまり、取付型電気機器用カバー30が機器収容部40を覆い、造営材と蓋体42とでフランジ部33が挟まれて造営材と蓋体42との間が封止されるため、取付型電気機器用カバー30は第一の貫通孔11を閉塞することができる。
【0054】
また、蓋体42には、取付金具50の軸部材72を挿通するための挿通孔42cが形成されている。本実施の形態では、一対の軸部材72が用いられているため、蓋体42には、一対の挿通孔42cが形成されている。
【0055】
[取付金具50]
取付金具50は、造営材に形成された第一の貫通孔11を介して取り付けられる電気機器20を取り付けるための金具である。取付金具50は、機器収容部40を造営材への取付時および取付後に、造営材における表面と反対側の面である裏面または第一の貫通孔11を形成する造営材の側壁面12と接触するような可動性を備えている。
【0056】
具体的には、取付金具50は、基体51と、一対の取付部60と、一対の締付具70とを有する。
【0057】
基体51は、取付金具50の基礎となる部分であり、筐体41に収容されている。
【0058】
具体的には、基体51は、傾斜面部52と、一対の平面壁部53と、一対の保持部54とを有する。本実施の形態では、傾斜面部52と一対の平面壁部53と一対の保持部54とは、一枚の板金を曲げ加工することにより一体に形成されている。
【0059】
傾斜面部52について、図5Bお及び図5Cを用いて説明する。図5Bは、実施の形態に係る取付型電気機器用カバーを上面視した場合を示す平面図である。図5Cは、図2のVC-VC線における実施の形態に係る取付型電気機器用カバー、機器収容部および取付金具を示す断面図である。なお、図5Cでは筐体41を省略して図示している。
【0060】
傾斜面部52は、電気機器20が取り付けられる部分であり、機器収容部40が造営材に取り付けられた状態において、電気機器20の接続口の開口面が造営材の表面に対して傾斜するように、電気機器20を保持する。例えば、取付型電気機器1が床材に取り付けられた場合、電気機器20の接続口の開口面が斜め上方を向くように保持することができる。具体的には、図5Cでは、電気機器20が傾斜面部52に対して回動し、電気機器20の係止片20cが蓋体42に係止されることで、電気機器20の接続口の開口面が斜め上方を向くように保持される。なお、傾斜面部52の傾斜角度は、電気機器20に対してプラグ等の接続器具が着脱しやすい角度が好ましい。
【0061】
また、係止片20cと蓋体42との係止を解消すれば、電気機器20が回動軸心O周りで回動して、二点鎖線で示すように、電気機器20が傾斜面部52上に載置される。
【0062】
一対の平面壁部53は、電気機器20を挟むように傾斜面部52の両端縁からそれぞれ立ち上がった部分である。一対の平面壁部53のそれぞれには、取付部60が連結されている。
【0063】
一対の保持部54は、基体51の平面壁部53のZ軸プラス方向側の端縁から蓋体42の裏面(造営材側の面)と当接し、蓋体42の裏面に沿って外側の径方向に突出している。一対の保持部54は、一対の保持部54に形成された挿通孔54cと蓋体42の係合部42dとが係合することで、基体51の位置ズレが抑制されている。
【0064】
また、一対の保持部54のそれぞれの挿通孔54cは、一対の締付具70と一対一で対応している。一対の挿通孔54cには、一対の固定金具71が挿通されている。これにより、一対の保持部54は、筐体41の蓋体42に押し当てられる。
【0065】
一対の取付部60は、一対の取付開口部41b1と一対一で対応している。一対の取付部60は、一対の取付開口部41b1を挿通し、周壁部41bの外周面から突出した状態で配置されている。これにより、一対の取付部60は、造営材と接触することができる。具体的には、一対の取付部60は、機器収容部40を造営材への取付時および取付後に、造営材における表面と反対側の面である裏面または第一の貫通孔11を形成する造営材の側壁面12と接触することができる。造営材の側壁面12との接触については、後述する。
【0066】
一対の取付部60のそれぞれは、矩形の板所をなしている。一対の取付部60のそれぞれには、中央部分に挿通孔60aが形成されている。一対の取付部60は、蓋体42側(Z軸プラス方向側)の端縁が平面壁部53と当接し、筐体41の底部41a側(Z軸マイナス方向側)の端縁が筐体41の周壁部41bから離間している。つまり、一対の取付部60は、周壁部41bの外周面に対して傾斜した状態で配置されている。
【0067】
一対の締付具70のそれぞれは、固定金具71と、軸部材72とを備えている。
【0068】
固定金具71は、矩形の板所をなしている。固定金具71には、中央部分に軸部材72と螺合するねじ孔部71aが形成されている。ねじ孔部71aは、第二の貫通孔の一例である。
【0069】
固定金具71は、軸部材72の回転によりZ軸方向に沿って移動可能である。このとき、固定金具71は、平面壁部53の規制部53aに当接しているため、回転が規制される。
【0070】
また、固定金具71は、平面壁部53の規制部53aに当接している状態において、周壁部41bの外周面から外方に突出し、かつ取付部60に当接した状態となっている。このため、固定金具71は、軸部材72の回転によりZ軸方向に沿って移動することで取付部60を回動させることができる。そして、締付具70が露出面側から締め付けることで、固定金具71は、取付部60を介して造営材の裏面から締め付けることができる。
【0071】
例えば、軸部材72を所定方向に回転させた場合、固定金具71は、平面壁部53の規制部に当接して回転が規制され、Z軸プラス方向に沿って上昇する。このとき、固定金具71は、取付部60における蓋体42側の端縁が、周壁部41bの外周面を摺動して、押し上がる。
【0072】
また、例えば、軸部材72を所定方向と反対方向に回転させた場合、固定金具71は、平面壁部53の規制部に当接して回転が規制され、Z軸マイナス方向に沿って下降する。このときも、固定金具71は、取付部60における蓋体42側の端縁が、周壁部41bの外周面を摺動して、押し下がる。
【0073】
また、締付具70を所定方向に回転させた場合、固定金具71は、平面壁部53の規制部に当接して回転が規制され、Z軸プラス方向に沿って上昇する。このとき、取付部60は、取付部60における蓋体42側の端縁を支点として、周壁部41bの外周面から外方に向かって広がるように回動することもできる。
【0074】
また、締付具70を所定方向と反対方向に回転させた場合、固定金具71は、平面壁部53の規制部に当接して回転が規制され、Z軸マイナス方向に沿って下降する。このとき、取付部60は、取付部60における蓋体42側の端縁を支点として、周壁部41bの外周面から外方に近づくように回動することもできる。
【0075】
一対の軸部材72は、周壁部41bの外周面の近傍において、Z軸方向に沿って配置されたネジ部材である。一対の軸部材72は、筐体41の周壁部41bを挟み、かつ、蓋体42、一対の保持部54、一対の取付部60、および、一対の固定金具71のそれぞれに一対一で対応するように挿通されている。
【0076】
具体的には、軸部材72は、蓋体42に形成された挿通孔42cを挿通し、保持部54に形成された挿通孔54cを挿通し、取付部60に形成された挿通孔60aを挿通し、さらに、固定金具71に形成されたねじ孔部71aを挿通してねじ孔部71aと螺合している。
【0077】
取付金具50を造営材への取付時および取付後に、固定金具71のねじ孔部71aに挿入された軸部材72を造営材の露出面側から締め付けることで、取付金具50は、造営材と接触する。軸部材72の締め付けによって、軸部材72の頭部が蓋体42を造営材側に押圧するとともに、固定金具71が取付部60を造営材側に押圧することで、蓋体42と取付部60とで造営材および取付型電気機器用カバー30のフランジ部33を挟むことができる。つまり、軸部材72は、所定方向に回転させることにより、固定金具71を蓋体42に近付けるように取付部60を造営材に押圧することで、造営材を挟持する力を発生させることができる。
【0078】
<取付型電気機器1の取付状態の説明>
次に、取付型電気機器1を造営材に取り付けたときの取付状態について図6Aおよび図7を用いて説明する。
【0079】
図6Aは、造営材の第一の貫通孔11に取付型電気機器用カバー30、機器収容部40および取付金具50の取付状態を示す断面図である。図6Bは、別の造営材の第一の貫通孔11に取付型電気機器用カバー30、機器収容部40および取付金具50の取付状態を示す断面図である。図6Cは、さらに別の造営材の第一の貫通孔11に取付型電気機器用カバー30、機器収容部40および取付金具50の取付状態を示す断面図である。図7は、さらに別の造営材の第一の貫通孔11に取付型電気機器用カバー30、機器収容部40および取付金具50の取付状態を示す断面図である。
【0080】
まず、図6Aに示すように、取付型電気機器用カバー30で覆った機器収容部40および取付金具50を造営材の第一の貫通孔11に挿入し、蓋体42と造営材とで取付型電気機器用カバー30のフランジ部33を挟むように、取付型電気機器1を造営材に配置する。
【0081】
次に、軸部材72を所定方向に回転させることで、固定金具71は、Z軸プラス方向に沿って上昇する。このとき、固定金具71は、Z軸プラス方向に沿って上昇し、取付部60を押し上げる。これにより、取付部60は、取付部60における蓋体42側の端縁が周壁部41bの外周面を摺動して、押し上がる。そして、取付部60は、造営材の裏面と第一の貫通孔11の側壁面12との角部に接触する。なお、取付部60は、造営材との接触の次第によっては、造営材の裏面または/及び第一の貫通孔11の側壁面12と接触してもよい。
【0082】
軸部材72の締め付けによって、軸部材72の頭部が蓋体42を取付金具50の基体51に押し当てるとともに、固定金具71が取付部60に押し上げて取付部60を造営材に押し当てることで、蓋体42と取付部60とが造営材を挟持する力を発生させる。このとき、取付型電気機器用カバー30のフランジ部33は、蓋体42と造営材とで挟まれているため、蓋体42と造営材との隙間を封止することができる。
【0083】
図6Bに示すように、固定金具71のZ軸プラス方向側の端縁を機器収容部40に回動可能に支持した場合、軸部材72を所定方向に回転させることで、固定金具71のZ軸プラス方向側の端縁を軸として、固定金具71が機器収容部40に対して広がるように回動することができる。例えば、図6Bでは、図6Aに対して固定金具71が機器収容部40よりも広がるように回動することで、蓋体42が造営材の表面に接触し、かつ固定金具71が造営材の裏面と接触した状態となり、蓋体42と固定金具71とで造営材を挟むことができる。これにより、造営材が薄くても、この薄い造営材に取付型電気機器1を取り付けることができる。
【0084】
また、図6Cに示すように、図6A及び図6Bよりも造営材の厚みが厚くても、軸部材72を所定方向に回転させることで、固定金具71のZ軸プラス方向側の端縁を軸として、図6Aに対して固定金具71が機器収容部40に対して近づくように回動することができる。例えば、図6Cでは、固定金具71が機器収容部40に対して近づくように回動することで、蓋体42が造営材の表面に接触し、かつ固定金具71が第一の貫通孔11の側壁面12と接触した状態となり、蓋体42と固定金具71とで造営材を挟むことができる。これにより、造営材の厚みが厚くても、この厚い造営材に取付型電気機器1を取り付けることができる。
【0085】
図6A図6Cで示すように、取付金具50は、造営材への取付時および取付後に造営材における露出面と反対側の面または第一の貫通孔11を形成する造営材の側壁面12と接触することで、様々な厚みの造営材に取付型電気機器1を取り付けることができる。
【0086】
また、図7に示すように、造営材において、取付金具50における一方の取付部60に対応する造営材の厚みと、取付金具50における他方の取付部60に対応する造営材の厚みとが異なっている。この場合においても、このような造営材に取付型電気機器1を取り付けることができる。
【0087】
このように、取付型電気機器用カバー30においては、図6Aに示すように取付部60の位置が変位したり、図7に示すように一方の取付部60の位置と他方の取付部60の位置とが異なっていたりしても、取付型電気機器用カバー30が取付部60の位置に応じて変形できる。このため、造営材の裏面側の領域から造営材の表面側の領域への気体および塵等の流入を抑制することができる。
【0088】
<作用効果>
次に、本実施の形態における取付型電気機器用カバー30の作用効果について説明する。
【0089】
上述したように、本実施の形態の取付型電気機器用カバー30は、造営材に形成された第一の貫通孔11を介して取り付けられる電気機器20を取り付けるための取付金具50を収容するとともに、第一の貫通孔11を閉塞するように設置される取付型電気機器用カバー30であって、取付金具50は、造営材への取付時および取付後に造営材における露出面と反対側の面または第一の貫通孔11を形成する造営材の側壁面12と接触するような可動性を備えている。そして、取付型電気機器用カバー30は、取付金具50が造営材と接触する前後のいずれの状態においても、取付金具50を収容可能な可撓性を備えている。
【0090】
これによれば、取付型電気機器用カバー30は、第一の貫通孔11を閉塞するように設置されるため、造営材の裏面側の領域から造営材の表面側の領域への空気の流入、および、塵の流入を抑制することができる。
【0091】
また、取付金具50によって造営材の第一の貫通孔11に電気機器20を取り付ける場合、取付金具50が可動しても、可撓性を備える取付型電気機器用カバー30が取付金具50の可動に応じて変形することができる。つまり、造営材への電気機器20の取付の前後において、取付型電気機器用カバー30に収容された取付金具50を操作することができる。
【0092】
したがって、この取付型電気機器用カバー30では、防気効果および防塵効果を備えるとともに、取付型電気機器用カバー30に収容された取付金具50を操作することで造営材の様々な取付状態に対応することができる。その結果、取付型電気機器用カバー30を介して電気機器20を造営材に取り付けることができる。
【0093】
また、本実施の形態の取付型電気機器1は、取付型電気機器用カバー30と、取付型電気機器用カバー30で収容される取付金具50とを備えている。
【0094】
この取付型電気機器1においても、上述と同様の作用効果を奏する。
【0095】
また、本実施の形態の取付型電気機器用カバー30は、電気機器20である取付型床用コンセントを第一の貫通孔11に取り付けるときに用いられる。
【0096】
これによれば、造営材が床材である場合、床下からの空気の侵入を抑制することができる。このため、第一の貫通孔11における断熱性能を高めることで、床上の領域の空気環境を所定の状態に保つことができる。
【0097】
また、本実施の形態の取付型電気機器用カバー30において、取付金具50には、第二の貫通孔(ねじ孔部71a)が形成されている。そして、取付時および取付後に、第二の貫通孔に挿入された締付具70で露出面側から締め付けることで、取付金具50が造営材と接触する。
【0098】
これによれば、締付具70を締め付けるだけで、取付金具50を造営材に接触させて、取付金具50等を介して電気機器20を造営材に容易に取り付けることができる。その結果、電気機器20の取付工事を効率化することができる。
【0099】
また、本実施の形態の取付型電気機器用カバー30において、締付具70は、取付金具50を露出面と反対側の面から露出面側に締め付ける固定金具71を備えている。
【0100】
これによれば、固定金具71が締め付けられることで、締付具70によって造営材を挟持することができるため、電気機器20を造営材に容易に取り付けることができる。その結果、電気機器20の取付工事を効率化することができる。
【0101】
また、本実施の形態の取付型電気機器用カバー30は、開口部(カバー開口部30a)と対向する底壁31と、開口部を形成し、底壁31から開口部に向けて立設する側壁32と、を備えている。また、側壁32には、底壁31から開口部に向かう方向に沿って複数の溝部34が形成されている。そして、取付型電気機器用カバー30は、開口部側から第一の貫通孔11を閉塞するように造営材に設置される。
【0102】
これによれば、側壁32には複数の溝部34が形成されているため、取付型電気機器用カバー30は、取付金具50の可動に応じてより変形し易くなる。このため、取付型電気機器用カバー30における可撓性をより確保することができる。
【0103】
また、本実施の形態の取付型電気機器用カバー30において、底壁31は、側壁32から底壁31の中心部に向けて漸次縮径するように形成され、溝部34の長手方向に沿って収縮可能な複数の段差部31aを備えている。
【0104】
これによれば、底壁31には段差部31aが形成されているため、溝部34の長手方向に沿って収縮することができるため、取付型電気機器用カバー30は、取付金具50の可動に応じてより変形し易くなる。このため、取付型電気機器用カバー30における可撓性をより確保することができる。
【0105】
また、本実施の形態の取付型電気機器用カバー30において、開口部の周囲には、開口部から外側に広がる方向に延びたフランジ部33が形成されている。
【0106】
これによれば、造営材の第一の貫通孔11を強固に閉塞することができる。
【0107】
(実施の形態の変形例)
まず、取付型電気機器1の構成について図8および図9を用いて説明する。
【0108】
図8は、実施の形態の変形例に係る取付型電気機器用カバー30e、電気機器20、機器収容部40および取付金具50の外観を示す斜視図である。図9は、実施の形態の変形例に係る別の取付型電気機器用カバー30eの外観を示す斜視図である。
【0109】
以下では、図8および図9に示すように、本変形例における取付型電気機器用カバー30eの基本的な構成は、実施の形態の取付型電気機器用カバーと基本的な構成と同様であるため、本変形例における取付型電気機器用カバー30eの基本的な構成については同一の符号を付して適宜説明を省略する。本変形例では、取付型電気機器用カバー30eの側壁32に第一の側壁131および第二の側壁132が設けられている点で実施の形態と相違する。
【0110】
本変形例において、取付型電気機器用カバー30eの側壁32は、カバー開口部30a側に形成された第一の側壁131と、底壁31側に形成された第二の側壁132とを有している。
【0111】
第一の側壁131は、側壁32の一部であり、第二の側壁132よりもZ軸プラス方向側に位置している。側壁32の最外周を円で規定した場合において、第一の側壁131の曲率は、側壁32の曲率と同様である。
【0112】
第二の側壁132は、側壁32の一部であり、第一の側壁131よりもZ軸マイナス方向側に位置している。第二の側壁132は、側壁32の一部を切り欠くことで形成されている。つまり、第二の側壁132は、第一の側壁131に対して中心軸からの距離が短い。言い換えれば、側壁32の中心軸から第二の側壁132までの距離L2は、側壁32の中心軸から第一の側壁131までの距離L1よりも短い。第二の側壁132の形成によって側壁32の底壁31側が絞られている。
【0113】
このため、取付型電気機器用カバー30eに機器収容部40を収容する場合、機器収容部40に設けられている取付金具50が取付型電気機器用カバー30eの第二の側壁132が形成されていない部分の側壁32に対応するように機器収容部40および取付金具50を取付型電気機器用カバー30eに収容する。つまり、取付型電気機器用カバー30eに機器収容部40を収容するときの機器収容部40および取付金具50の位置決めをすることができる。
【0114】
また、少なくとも第一の側壁131には、複数の溝部34が形成されている。また、本実施の形態の第二の側壁132にも、複数の溝部34が形成されている。
【0115】
次に、フランジ部33の形状について図8および図10を用いて説明する。
【0116】
図10は、実施の形態の変形例に係る取付型電気機器用カバー30eの外観を示す別の斜視図である。
【0117】
また、取付型電気機器用カバー30eのフランジ部33の形状は、図8に示すように、円形状である。また、フランジ部33aの形状は、図10に示すように、方形状であってもよい。なお、フランジ部33、33aの形状は、図8および図10に示すように、円形状または方形状に限定されない。例えば、フランジ部33、33aの形状は、方形状以外の多角形状であってもよい。
【0118】
このような、本変形例の取付型電気機器用カバー30eにおいて、側壁32は、開口部側に形成された第一の側壁131と、底壁31側に形成された第二の側壁132とを備えている。また、第二の側壁132は、第一の側壁131に対して中心軸からの距離が短い。そして、少なくとも第一の側壁131には、複数の溝部34が形成されている。
【0119】
これによれば、第一の側壁131に複数の溝部34が形成されているため、取付型電気機器用カバー30eは、取付金具50の可動に応じて変形することができる。このため、取付型電気機器用カバー30eにおける可撓性をより確保することができる。
【0120】
(その他の変形例)
以上、本開示に係る配線機器について、上記実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、これらの実施の形態に限定されるものではない。本開示の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思い付く各種変形を実施の形態に施したものも、本開示の範囲内に含まれてもよい。
【0121】
なお、上記の実施の形態に対して当業者が思い付く各種変形を施して得られる形態や、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素および機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本開示に含まれる。
【符号の説明】
【0122】
1 取付型電気機器
11 第一の貫通孔
12 側壁面
20 電気機器
30、30e 取付型電気機器用カバー
30a カバー開口部(開口部)
31 底壁
31a 段差部
32 側壁
33、33a フランジ部
34 溝部
50 取付金具
71 固定金具
71a ねじ孔部(第二の貫通孔)
131 第一の側壁
132 第二の側壁
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図6C
図7
図8
図9
図10