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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023091349
(43)【公開日】2023-06-30
(54)【発明の名称】決定装置、決定方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20230623BHJP
   G06Q 50/06 20120101ALI20230623BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q50/06
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021206045
(22)【出願日】2021-12-20
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-08-22
(71)【出願人】
【識別番号】516140214
【氏名又は名称】booost technologies株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】青井 宏憲
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC06
5L049CC11
(57)【要約】      (修正有)
【課題】再生可能エネルギーにより発電する発電設備が設置された施設に入居する入居者に対して、その発電設備の発電により生じた環境価値の分配を決定する装置、方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】発電設備、パワーコンディショナ、主分電盤、分電盤、負荷、買取メータ、売電メータ及び環境価値決定装置を備えるシステムにおいて、環境価値決定装置は、施設に設置され、再生可能エネルギーにより発電する発電設備で発電された電力の発電量を取得する取得部と、上記発電量に基づいて第1環境価値を導出する導出部と、上記第1環境価値から、上記施設の所有者または運営者、及び上記施設に入居する入居者である複数の対象者のそれぞれに分配される環境価値の分配量を、上記複数の対象者のそれぞれに対して予め割り当てられた比率で決定する決定部とを備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設に設置され、再生可能エネルギーにより発電する発電設備で発電された電力の発電量を取得する取得部と、
前記発電量に基づいて第1環境価値を導出する導出部と、
前記第1環境価値から、前記施設の所有者または運営者、及び前記施設に入居する入居者である複数の対象者のそれぞれに分配される環境価値の分配量を、前記複数の対象者のそれぞれに対して予め割り当てられた比率で決定する決定部と
を備える決定装置。
【請求項2】
前記取得部は、前記発電量のうち、前記複数の対象者により消費された第1消費量と、前記発電設備の逆潮流により消費された第2消費量を取得し、
前記導出部は、前記第1消費量に基づいて第2環境価値を導出し、前記第2消費量に基づいて第3環境価値を導出し、前記第2環境価値及び前記第3環境価値に基づいて前記第1環境価値を導出する、請求項1に記載の決定装置。
【請求項3】
前記第1環境価値、前記第2環境価値、及び前記第3環境価値は、再生可能エネルギーが保有する環境価値を証書化した環境価値証書に準ずる価値である、請求項2に記載の決定装置。
【請求項4】
前記第2環境価値は、Jクレジット、グリーン電力証書、または海外クレジットに準ずる価値であり、
前記第3環境価値は、非化石証書に準ずる価値である、請求項3に記載の決定装置。
【請求項5】
契約者が契約する土地または建物に設置され、再生可能エネルギーにより発電する発電設備で発電された電力の発電量を取得する取得部と、
前記発電量に基づいて第1環境価値を導出する導出部と、
前記第1環境価値から、前記契約者、及び前記契約者が所有または運営する施設に入居する入居者である複数の対象者のそれぞれに分配される環境価値の分配量を、前記複数の対象者のそれぞれに対して予め割り当てられた比率で決定する決定部と
を備える決定装置。
【請求項6】
前記第1環境価値は、再生可能エネルギーが保有する環境価値を証書化した環境価値証書に準ずる価値である、請求項5に記載の決定装置。
【請求項7】
前記複数の対象者のそれぞれから環境価値の希望量を受け付ける受付部と、
前記複数の対象者のうち、前記決定部で決定された環境価値の分配量が環境価値の希望量より少ない対象者が存在する場合、前記対象者に向けて環境価値の分配量が希望量より少ないことを示すメッセージを通知する通知部と
をさらに備える、請求項1から6の何れか1つに記載の決定装置。
【請求項8】
前記予め割り当てられた比率は、前記複数の対象者のそれぞれの電力の消費量に比例する、請求項1から7の何れか1つに記載の決定装置。
【請求項9】
施設に設置され、再生可能エネルギーにより発電する発電設備で発電された電力の発電量を取得する段階と、
前記発電量に基づいて第1環境価値を導出する段階と、
前記第1環境価値から、前記施設の所有者または運営者、及び前記施設に入居する入居者である複数の対象者のそれぞれに分配される環境価値の分配量を、前記複数の対象者のそれぞれに対して予め割り当てられた比率で決定する段階と
を備える決定方法。
【請求項10】
契約者が契約する土地または建物に設置され、再生可能エネルギーにより発電する発電設備で発電された電力の発電量を取得する段階と、
前記発電量に基づいて第1環境価値を導出する段階と、
前記第1環境価値から、前記契約者、及び前記契約者が所有または運営する施設に入居する入居者である複数の対象者のそれぞれに分配される環境価値の分配量を、前記複数の対象者のそれぞれに対して予め割り当てられた比率で決定する段階と
を備える決定方法。
【請求項11】
請求項1から8の何れか1つに記載の決定装置としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、決定装置、決定方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、家庭の各々について、分散電源によって生じた第1のエネルギー量と、家庭の各々のユーティリティに係る第1係数と、分散電源に係る第2係数とに基づいて、環境価値を計算することが開示されている。
[先行技術文献]
[特許文献]
【0003】
[特許文献1] 特開2021-111294号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
再生可能エネルギーにより発電する発電設備が設置された施設に入居する入居者に対して、その発電設備の発電により生じた環境価値を分配することが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様に係る決定装置は、施設に設置され、再生可能エネルギーにより発電する発電設備で発電された電力の発電量を取得する取得部を備えてよい。決定装置は、発電量に基づいて第1環境価値を導出する導出部を備えてよい。決定装置は、第1環境価値から、施設の所有者または運営者、及び施設に入居する入居者である複数の対象者のそれぞれに分配される環境価値の分配量を、複数の対象者のそれぞれに対して予め割り当てられた比率で決定する決定部を備えてよい。
【0006】
取得部は、発電量のうち、複数の対象者により消費された第1消費量と、発電設備の逆潮流により消費された第2消費量を取得してよい。導出部は、第1消費量に基づいて第2環境価値を導出し、第2消費量に基づいて第3環境価値を導出し、第2環境価値及び第3環境価値に基づいて第1環境価値を導出してよい。
【0007】
第1環境価値、第2環境価値、及び第3環境価値は、再生可能エネルギーが保有する環境価値を証書化した環境価値証書に準ずる価値でよい。
【0008】
第2環境価値は、Jクレジット、グリーン電力証書、または海外クレジットに準ずる価値でよい。第3環境価値は、非化石証書に準ずる価値でよい。
【0009】
本発明の一態様に係る決定装置は、契約者が契約する土地または建物に設置され、再生可能エネルギーにより発電する発電設備で発電された電力の発電量を取得する取得部を備えてよい。決定装置は、発電量に基づいて第1環境価値を導出する導出部を備えてよい。決定装置は、第1環境価値から、契約者、及び契約者が所有または運営する施設に入居する入居者である複数の対象者のそれぞれに分配される環境価値の分配量を、複数の対象者のそれぞれに対して予め割り当てられた比率で決定する決定部を備えてよい。
【0010】
第1環境価値は、再生可能エネルギーが保有する環境価値を証書化した環境価値証書に準ずる価値でよい。
【0011】
決定装置は、複数の対象者のそれぞれから環境価値の希望量を受け付ける受付部を備えてよい。決定装置は、複数の対象者のうち、決定部で決定された環境価値の分配量が環境価値の希望量より少ない対象者が存在する場合、対象者に向けて環境価値の分配量が希望量より少ないことを示すメッセージを通知する通知部を備えてよい。
【0012】
予め割り当てられた比率は、複数の対象者のそれぞれの電力の消費量に比例してよい。
【0013】
本発明の一態様に係る決定方法は、施設に設置され、再生可能エネルギーにより発電する発電設備で発電された電力の発電量を取得する段階を備えてよい。決定方法は、発電量に基づいて第1環境価値を導出する段階を備えてよい。決定方法は、第1環境価値から、施設の所有者または運営者、及び施設に入居する入居者である複数の対象者のそれぞれに分配される環境価値の分配量を、複数の対象者のそれぞれに対して予め割り当てられた比率で決定する段階を備えてよい。
【0014】
本発明の一態様に係る決定方法は、契約者が契約する土地または建物に設置され、再生可能エネルギーにより発電する発電設備で発電された電力の発電量を取得する段階を備えてよい。決定方法は、発電量に基づいて第1環境価値を導出する段階を備えてよい。決定方法は、第1環境価値から、契約者、及び契約者が所有または運営する施設に入居する入居者である複数の対象者のそれぞれに分配される環境価値の分配量を、複数の対象者のそれぞれに対して予め割り当てられた比率で決定する段階を備えてよい。
【0015】
本発明の一態様に係るプログラムは、上記決定装置としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【0016】
なお、上記の発明の概要は、本発明の特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本実施形態に係る環境価値決定装置を適用するシステムの全体構成の一例を示す図である。
図2】環境価値決定装置の機能ブロックを示す図である。
図3】本実施形態による環境価値の分配量を決定する手順の一例を示すフローチャートである。
図4】環境価値の分配量が環境価値の希望量より少ないことを該当対象者に通知する手順の一例を示すフローチャートである。
図5】他の実施形態に係る環境価値決定装置を適用するシステムの全体構成の一例を示す図である。
図6】他の実施形態による環境価値の分配量を決定する手順の一例を示すフローチャートである。
図7】ハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0019】
近年、地球温暖化の抑制、低炭素、脱炭素化社会への実現に向けて、国家間のみならず、世界中の企業でCO等の温室効果ガス削減の取り組みが重要視されている。太陽光発電等のCOを発生させない再生可能エネルギーは「環境価値」があるとされ、この環境価値を証書化して市場取引の対象となっている。そのため、施設に設置された太陽光発電設備等による発電装置による再生可能エネルギーを環境価値として利用する需要が高まっている。
【0020】
現行では環境価値を証明するためには、FIT非化石証書及び非FIT非化石証書などの非化石証書、Jクレジット制度、グリーン電力証書等の管轄機関に申請して証書化することが行われている。しかしながら、施設に設置された太陽光発電設備等による発電装置による再生可能エネルギーに対して環境価値を予め算出し、建物の所有者および当該建物に入居する入居者の間で分配する方法は知られていない。
【0021】
そこで、本実施形態では、施設に設置された発電設備による再生可能エネルギーの環境価値を、建物の所有者および当該建物に入居する入居者の間で分配するシステムを提供する。
【0022】
図1は、本実施形態に係る環境価値決定装置100を適用するシステムの全体構成の一例を示す。システムは、発電設備10、パワーコンディショナ200、主分電盤300、分電盤62、負荷66、買取メータ82、売電メータ84、及び環境価値決定装置100を備える。環境価値決定装置100は、環境価値を取得および導出して、施設50の所有者または運営者、及び入居者60への環境価値の分配量を決定する。
【0023】
発電設備10は、施設50の所有者または運営者により屋上等に設置された太陽光発電設備である。発電設備10は、太陽光以外の風力、地熱などの再生可能エネルギーを利用した発電設備でもよい。施設50は、ビル、商業施設、集合住宅等など、契約した自然人または法人が利用できる構造物または建築物である。入居者60は、施設50を利用する契約をした自然人または法人である。
【0024】
パワーコンディショナ200は、発電設備10により発電された直流電力を交流電力に変換する。パワーコンディショナ200は、発電量計測器20を有する。発電量計測器20は、発電設備10による発電量を計測する。発電量計測器20は、スマートメータでよい。
【0025】
主分電盤300、及び複数の分電盤62は、施設50に設置される。分電盤62は、それぞれの入居者60の入居スペースに設置されてもよい。主分電盤300は、系統500からの電力、及び発電設備10からの電力をそれぞれの分電盤62に振り分ける。分電盤62には、負荷66が接続される。負荷66は、電力を消費する電気機器である。電気機器は、入居者60の入居スペース内に配置されてよい。電気機器は、空調機器、照明機器、及び電子機器を含む。分電盤62は、電力メータ64を有する。電力メータ64は、負荷66で消費される電力の電力量を計測する。
【0026】
買取メータ82および売電メータ84は、主分電盤300と系統500との間の引込線に接続される。買取メータ82は、系統500から供給される電力の電力量を計測する。すなわち、買取メータ82は、電力会社から購入した電力の電力量を計測する。売電メータ84は、発電設備10で発電された電力のうち、系統500に逆潮流される電力の電力量を計測する。すなわち、売電メータ84は、発電設備10により発電した電力のうち、電力会社に売却する余剰電力(逆潮流)量を計測する。買取メータ82および売電メータ84の代わりにスマートメータが設けられてもよい。買取メータ82、売電メータ84、発電量計測器20、及び電力メータ64は、環境価値決定装置100と通信可能に無線または有線で互いに接続されている。
【0027】
図2は、図1に示す環境価値決定装置100の機能ブロック図を示す。環境価値決定装置100は、取得部102、導出部104、決定部106、登録部108、受付部110、通知部112および記憶部120を備える。環境価値決定装置100がプロセッサを備えるコンピュータである場合、プロセッサが、取得部102、導出部104、決定部106、登録部108、受付部110、通知部112として機能してよい。
【0028】
取得部102は、発電設備10で発電された電力の発電量を取得する。取得部102は、パワーコンディショナ200に設けられた発電量計測器20で計測された計測値を発電量として取得してよい。なお、発電量計測器20は、パワーコンディショナ200と主分電盤300との間に設けられてもよい。発電量計測器20は、主分電盤300に設けられてもよい。この点において、本実施形態は特に限定はしない。
【0029】
導出部104は、発電量に基づいて第1環境価値を導出する。第1環境価値は、再生可能エネルギーが保有する環境価値を証書化した環境価値証書に準ずる価値であってよい。再生可能エネルギーが保有する環境価値を証書化した環境価値証書としては、例えばJクレジット、グリーン電力証書または非化石証書が挙げられる。
【0030】
Jクレジットとは、省エネ機器、再生可能エネルギーの導入、森林経営等の取り組みによる温室効果ガスの排出削減量または吸収量を「クレジット」として国が認証する制度である。グリーン電力証書とは、再生可能エネルギーによって発電された電気の環境価値を証書化したもので、第三者承認機関の承認を得て証書発行事業者が発行したものである。海外クレジットとしては、欧州のGO(Gurantee of Origin)、北米のREC(Renewable Energy Certificate)、その他の地域のI‐REC(International Renewable Energy Certificate)が挙げられる。
【0031】
非化石証書とは、石油または石炭等の化石燃料を使用していない非化石電源で発電された電気が持つ非化石価値を取り出し証明したものであり、非化石価値取引市場で売買される。非化石証書は、非FIT非化石証書、FIT非化石証書などがある。
【0032】
発電設備10で発電された電力を全て施設50で消費している場合、つまり、発電設備10で発電された電力を全て自家消費している場合、導出部104は、例えば、再生可能エネルギー電力量に対し付与されるJクレジットのクレジット認証量を第1環境価値として導出してよい。導出部104は、再生可能エネルギーの電力量(千kWh)に対し予め定められた係数(t‐CO/千kWh)を乗算して得られたCO排出量(t‐CO)を、第1環境価値として導出してよい。予め定められた係数は、施設50の所有者が契約する電力会社のCO排出係数に従って定められてよい。また、導出部104は、例えば、Jクレジットの過去の申請データのうち再生可能エネルギーにより発電する発電設備の導入条件(地域、太陽光パネルの設置面積など)と、その導入条件で付与された環境価値との組み合わせを教師データとして学習させた学習モデルに従って発電設備10で発電された電力に対応する第1環境価値を導出してもよい。また、導出部104は、各認証制度の方法論に合わせて提出した計測手段及び実行計画を含む申請企画書に基づいて取得される環境価値を第1環境価値として導出してもよい。当該環境価値は発電設備10の設置前または設置後に取得されるものでよい。
【0033】
発電設備10で発電された電力を全て逆潮流している場合、導出部104は、非化石証書に準ずる環境価値を第1環境価値として導出してよい。導出部104は、再生可能エネルギーの電力量(千kWh)に対して非化石証書に準ずる予め定められた係数(t‐CO/千kWh)を乗算して得られたCO排出量(t‐CO)を、第1環境価値として導出してよい。
【0034】
決定部106は、第1環境価値から、施設50の所有者または運営者、及び施設50に入居する入居者60である複数の対象者のそれぞれに分配される環境価値の分配量を、複数の対象者のそれぞれに対して予め割り当てられた比率で決定する。予め割り当てられた比率は、複数の対象者のそれぞれによる電力の消費量に比例してよい。登録部108は、複数の対象者のそれぞれに分配される環境価値の分配量を、複数の対象者のそれぞれに関連づけて、記憶部120に登録する。
【0035】
受付部110は、複数の対象者のそれぞれから環境価値の希望量を受け付ける。登録部108は、受付部110により受け付けられた複数の対象者のそれぞれの環境価値の希望量を、複数の対象者のそれぞれに関連づけて、記憶部120に登録する。通知部112は、複数の対象者のうち、決定部106で決定された環境価値の分配量が環境価値の希望量より少ない対象者が存在する場合、当該対象者に向けて環境価値の分配量が希望量より少ないことを示すメッセージを通知する。例えば、通知部112は、対象者に向けて電子メールメッセージを送信することにより対象者に通知してよい。または、対象者の所有するスマートフォンなどの携帯端末に本実施形態に係る環境価値分配用アプリケーションがインストールされている場合、通知部112は、アプリケーション内での通知メッセージの送信によりに対象者に通知してよい。
【0036】
また、取得部102は、発電量のうち、複数の対象者により消費された第1消費量と、発電設備10の逆潮流により消費された第2消費量も取得する。ここで、第1消費量は、発電設備10による発電量のうち、複数の対象者のそれぞれが消費した量の合計、すなわち各対象者の自家消費分の消費量の合計に当たる。第2消費量は、逆潮流分に当たる。取得部102は、例えば、売電メータ84で計測された売電量データを第2消費量として取得してよい。取得部102は、例えば、発電量から第2消費量を減算して得られる差分消費量を第1消費量として取得してよい。
【0037】
導出部104はさらに、第1消費量に基づいて第2環境価値を導出し、第2消費量に基づいて第3環境価値を導出する。第2環境価値、及び第3環境価値は、第1環境価値と同様に、再生可能エネルギーが保有する環境価値を証書化した環境価値証書に準ずる価値である。
【0038】
第2環境価値は、再生可能エネルギーを自家消費することで消費された電力量に相当する環境価値である。第2環境価値は、自家消費分の再生可能エネルギーの電力量を環境価値として証書化可能な価値であり、例えば、Jクレジット、グリーン電力証書、または海外クレジットに準ずる価値でよい。
【0039】
導出部104は、Jクレジット、グリーン電力証書、または海外クレジットに準ずる係数(t‐CO/千kWh)を第1消費量に乗算することで、第2環境価値を導出してよい。導出部104は、例えば、Jクレジットの過去の申請データのうち再生可能エネルギーにより発電する発電設備の導入条件(地域、太陽光パネルの設置面積など)と、その導入条件で付与された環境価値または係数との組み合わせを教師データとして学習させた学習モデルに従って発電設備10で発電された電力に対応する第2環境価値を導出してもよい。
【0040】
第3環境価値は、再生可能エネルギーにより発電する発電設備10で発電された電力のうち自家消費分以外の電力量、すなわち逆潮流された電力量に相当する環境価値である。第3環境価値は、自家消費分以外の再生可能エネルギーの電力量を環境価値として証書化可能な価値であり、例えば、非FIT非化石証書、FIT非化石証書などの非化石証書に準ずる価値でよい。なお、第3環境価値は、自家消費分以外の電力量であって、逆潮流せず、他の手段に用いられた電力量に相当する環境価値を含んでもよい。例えば、第3環境価値は、自家消費分以外の電力量を使用して水を電気分解し生成された水素の貯蔵、取り出し、およびその燃料電池等による発電に関して得られたJクレジット、グリーン電力証書、または海外クレジットに準ずる価値を含んでよい。
【0041】
導出部104は、非FIT非化石証書、FIT非化石証書などの非化石証書に準ずる係数(t‐CO/千kWh)を第2消費量に乗算することで、第3環境価値を導出してよい。また、導出部104は、発電設備10で発電された電力の逆潮流による環境価値を認証する他の手段によって取得された環境価値を第3環境価値として導出してもよい。
【0042】
また、決定部106は、第1環境価値に基づいて、複数の対象者のそれぞれに分配される環境価値の分配量を、複数の対象者のそれぞれに対して予め割り当てられた比率で決定する。決定部106は、第2環境価値と第3環境価値とを合算した第1環境価値が、複数の対象者のそれぞれに対して予め割り当てられた比率で各対象者に分配されるように、複数の対象者のそれぞれの環境価値の分配量を決定してよい。
【0043】
なお、本実施形態では、決定部106は、第1環境価値から、複数の対象者のそれぞれに分配される環境価値の分配量を、各対象者に対して予め割り当てられた比率で決定する例について説明した。これに対し、決定部106は、第1環境価値のうち、ある一定量をすべて施設50の所有者に割り当て、残りの第1環境価値を、入居者のそれぞれに対して予め割り当てられた比率で分配するように、複数の対象者のそれぞれに分配される環境価値の分配量を決定してよい。
【0044】
予め割り当てられた比率は、入居者のフロア面積に比例してもよい。予め割り当てられた比率は、太陽光発電が効率的に行える日中の予め定められた時間帯における各入居者の電力の消費量に比例してもよい。
【0045】
図3は、本実施形態による環境価値の分配量を決定する手順の一例を示すフローチャートである。
【0046】
取得部102が、発電設備10の発電量、すなわち発電量を取得する(S100)。取得部102は、発電設備10の電力のうち、テナントで消費された消費量W1と、テナント以外で消費された消費量W2を取得する(S102)。テナントとは、先述の複数の入居者60に相当する。テナントで消費された消費量W1とは、第1消費量、すなわち自己消費分に相当する。テナント以外で消費された消費量W2とは、第2消費量、すなわち逆潮流分に相当する。
【0047】
導出部104は、消費量W1に基づいて第2環境価値を導出し、消費量W2に基づいて第3環境価値を導出する(S104)。導出部104は、第2環境価値及び第3環境価値に基づいて発電設備10の第1環境価値を導出する(S106)。導出部104は、第2環境価値及び第3環境価値を合算することにより、第1環境価値を導出してよい。
【0048】
決定部106は、複数の対象者のそれぞれに分配される第1環境価値の分配量を決定する(S108)。決定部106は、複数の対象者のそれぞれに予め割り当てられた比率に基づき、複数の対象者のそれぞれに分配される第1環境価値の分配量を決定してよい。予め割り当てられた比率は、複数の対象者のそれぞれの発電設備10で発電された電力の消費量に比例してよい。
【0049】
登録部108は、複数の対象者のそれぞれに関連付けて各対象者の第1環境価値の分配量を、記憶部120に登録する(S110)。
【0050】
以上の処理により、施設50に設置された発電設備10による再生可能エネルギーの環境価値を、建物の所有者および当該建物に入居する入居者の間で分配できる。
【0051】
図4は、図3のフローに追加して実行されてよい、環境価値の分配量が環境価値の希望量より少ないことを該当対象者に通知する手順の一例を示すフローチャートである。
【0052】
受付部110は、各対象者から環境価値の希望量を受け付ける。通知部112は、環境価値の分配量が、受け付けた希望量より少ない対象者が存在するか否かを判定する。例えば、通知部112は、図3のS110において各対象者に関連付けて登録した第1環境価値の分配量と、S200で受け付けた希望量とを比較することにより、判定する。
【0053】
環境価値の分配量が希望量より少ない対象者が存在する場合、通知部112は、該当する対象者に、環境価値の分配量が希望量より少ないことを通知する。これにより、通知を受け取った対象者は、他の手段により、環境価値の不足分を補う等の契機とできる。
【0054】
上記の実施形態では、発電設備10が、所有者が所有または運営者が運営する施設に設置される例について説明した。しかし、発電設備10が、契約者が契約する土地または建物に設置される、いわゆるオフサイトPPAの形態でも、環境価値決定装置100を適用可能である。例えば、あるビルの所有者が、当該ビルから離れた遠隔地にある土地に太陽光パネルを設置している場合に、環境価値決定装置100は、太陽光パネルにより発電する電力による環境価値を、当該ビルの所有者と当該ビルに入居する入居者との間で分配すべく、所有者及び入居者のそれぞれに分配される環境価値の分配量を決定してよい。
【0055】
図5は、他の実施形態に係る環境価値決定装置100を適用するシステムの全体構成の一例を示す。図5に示すシステムは、発電設備管理装置400を備える点、及び発電設備10が施設50外に設置される点で、図1に示すシステムと異なる。
【0056】
発電設備管理装置400は、発電設備10を管理する。発電設備管理装置400は、発電設備10に設けられたスマートメータを介して、発電設備10で発電された電力の発電量を取得してよい。発電設備管理装置400は、発電設備10で発電された電力の発電量を環境価値決定装置100に提供する。発電設備10は、契約者が契約する土地または建物に設置され、再生可能エネルギーにより発電する。発電設備10は、太陽光パネルにより発電する太陽光発電設備でよい。
【0057】
取得部102は、発電設備10で発電された電力の発電量を発電設備管理装置400から取得する。取得部102は、発電設備10に設けられたスマートメータから直接、発電設備10で発電された電力の発電量を取得してもよい。導出部104は、発電量に基づいて第1環境価値を導出する。導出部104は、非FIT非化石証書、FIT非化石証書などの非化石証書に準ずる係数(t‐CO/千kWh)を発電量に乗算することで、第1環境価値を導出してよい。
【0058】
決定部106は、第1環境価値から、契約者、及び契約者が所有または運営する施設に入居する入居者である複数の対象者のそれぞれに分配される環境価値の分配量を、複数の対象者のそれぞれに対して予め割り当てられた比率で決定する。登録部108は、複数の対象者のそれぞれに分配される環境価値の分配量を、複数の対象者のそれぞれに関連づけて、記憶部120に登録する。予め割り当てられた比率は、複数の対象者のそれぞれの発電設備10で発電された電力の消費量に比例してよい。予め割り当てられた比率は、入居者のフロア面積に比例してもよい。予め割り当てられた比率は、太陽光発電が効率的に行える日中の予め定められた時間帯における各入居者の電力の消費量に比例してもよい。
【0059】
図6は、他の実施形態による環境価値の分配量を決定する手順の一例を示すフローチャートである。
【0060】
取得部102は、発電設備10で発電された電力の発電量を発電設備管理装置400から取得する(S300)。導出部104は、発電量に予め定められた係数を乗じることで第1環境価値を導出する(S302)。決定部106は、第1環境価値から、契約者、及び契約者が所有または運営する施設に入居する入居者である複数の対象者のそれぞれに分配される環境価値の分配量を、複数の対象者のそれぞれに対して予め割り当てられた比率で決定する(S304)。登録部108は、複数の対象者のそれぞれに分配される環境価値の分配量を、複数の対象者のそれぞれに関連づけて、記憶部120に登録する(S306)。
【0061】
以上の通り、他の実施形態に係る環境価値決定装置100によれば、オフサイトPPAの形態において、例えば、ビルの所有者が当該ビルから離れた遠隔地にある他者の土地に設置した太陽光パネルにより発電された電力による環境価値を、当該ビルの所有者と当該ビルに入居する入居者との間で分配できる。
【0062】
図7は、本発明の複数の態様が全体的または部分的に具現化してよいコンピュータ1200の一例を示す。コンピュータ1200にインストールされたプログラムは、コンピュータ1200に、本発明の実施形態に係る装置に関連付けられるオペレーションまたは当該装置の1または複数の「部」として機能させることができる。または、当該プログラムは、コンピュータ1200に当該オペレーションまたは当該1または複数の「部」を実行させることができる。当該プログラムは、コンピュータ1200に、本発明の実施形態に係るプロセスまたは当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ1200に、本明細書に記載のフローチャート及びブロック図のブロックのうちのいくつかまたは全てに関連付けられた特定のオペレーションを実行させるべく、CPU1212によって実行されてよい。
【0063】
本実施形態によるコンピュータ1200は、CPU1212、及びRAM1214を含み、それらはホストコントローラ1210によって相互に接続されている。コンピュータ1200はまた、通信インタフェース1222、入力/出力ユニットを含み、それらは入力/出力コントローラ1220を介してホストコントローラ1210に接続されている。コンピュータ1200はまた、ROM1230を含む。CPU1212は、ROM1230及びRAM1214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。
【0064】
通信インタフェース1222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。ハードディスクドライブが、コンピュータ1200内のCPU1212によって使用されるプログラム及びデータを格納してよい。ROM1230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ1200によって実行されるブートプログラム等、及び/またはコンピュータ1200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。プログラムが、CR-ROM、USBメモリまたはICカードのようなコンピュータ可読記録媒体またはネットワークを介して提供される。プログラムは、コンピュータ可読記録媒体の例でもあるRAM1214、またはROM1230にインストールされ、CPU1212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ1200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置または方法が、コンピュータ1200の使用に従い情報のオペレーションまたは処理を実現することによって構成されてよい。
【0065】
例えば、通信がコンピュータ1200及び外部デバイス間で実行される場合、CPU1212は、RAM1214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース1222に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース1222は、CPU1212の制御の下、RAM1214、またはUSBメモリのような記録媒体内に提供される送信バッファ領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、またはネットワークから受信した受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ領域等に書き込む。
【0066】
また、CPU1212は、USBメモリ等のような外部記録媒体に格納されたファイルまたはデータベースの全部または必要な部分がRAM1214に読み取られるようにし、RAM1214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU1212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックしてよい。
【0067】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、及びデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU1212は、RAM1214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプのオペレーション、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM1214に対しライトバックする。また、CPU1212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU1212は、第1の属性の属性値が指定される、条件に一致するエントリを当該複数のエントリの中から検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0068】
上で説明したプログラムまたはソフトウェアモジュールは、コンピュータ1200上またはコンピュータ1200近傍のコンピュータ可読記憶媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワークまたはインターネットに接続されたサーバーシステム内に提供されるハードディスクまたはRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読記憶媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ1200に提供する。
【0069】
コンピュータ可読媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよい。その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読媒体は、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM(登録商標))、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(RTM)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0070】
コンピュータ可読命令は、1または複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコードまたはオブジェクトコードの何れかを含んでよい。ソースコードまたはオブジェクトコードは、従来の手続型プログラミング言語を含む。従来の手続型プログラミング言語は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、またはSmalltalk(登録商標)、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、及び「C」プログラミング言語または同様のプログラミング言語でよい。コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサまたはプログラマブル回路に対し、ローカルにまたはローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して提供されてよい。プロセッサまたはプログラマブル回路は、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく、コンピュータ可読命令を実行してよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
【0071】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0072】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0073】
10 発電設備
20 発電量計測器
50 施設
60 入居者
62 分電盤
64 電力メータ
66 負荷
82 買取メータ
84 売電メータ
100 環境価値決定装置
102 取得部
104 導出部
106 決定部
108 登録部
110 受付部
112 通知部
120 記憶部
200 パワーコンディショナ
300 主分電盤
400 発電設備管理装置
500 系統
1210 ホストコントローラ
1212 CPU
1214 RAM
1220 入力/出力コントローラ
1222 通信インタフェース
1230 ROM
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2022-04-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設に設置され、再生可能エネルギーにより発電する発電設備で発電された電力の発電量を取得する取得部と、
前記発電量に基づいて第1環境価値を導出する導出部と、
前記第1環境価値から、前記施設の所有者または運営者、及び前記施設に入居する入居者である複数の対象者のそれぞれに分配される環境価値の分配量を、前記複数の対象者のそれぞれに対して予め割り当てられた比率で決定する決定部と
前記複数の対象者のそれぞれから環境価値の希望量を受け付ける受付部と、
前記複数の対象者のうち、前記決定部で決定された環境価値の分配量が環境価値の希望量より少ない対象者が存在する場合、前記対象者に向けて環境価値の分配量が希望量より少ないことを示すメッセージを通知する通知部と
を備える決定装置。
【請求項2】
前記取得部は、前記発電量のうち、前記複数の対象者により消費された第1消費量と、前記発電設備の逆潮流により消費された第2消費量を取得し、
前記導出部は、前記第1消費量に基づいて第2環境価値を導出し、前記第2消費量に基づいて第3環境価値を導出し、前記第2環境価値及び前記第3環境価値に基づいて前記第1環境価値を導出する、請求項1に記載の決定装置。
【請求項3】
前記第1環境価値、前記第2環境価値、及び前記第3環境価値は、再生可能エネルギーが保有する環境価値を証書化した環境価値証書に準ずる価値である、請求項2に記載の決定装置。
【請求項4】
前記第2環境価値は、Jクレジット、グリーン電力証書、または海外クレジットに準ずる価値であり、
前記第3環境価値は、非化石証書に準ずる価値である、請求項3に記載の決定装置。
【請求項5】
契約者が契約する土地または建物に設置され、再生可能エネルギーにより発電する発電設備で発電された電力の発電量を取得する取得部と、
前記発電量に基づいて第1環境価値を導出する導出部と、
前記第1環境価値から、前記契約者、及び前記契約者が所有または運営する施設に入居する入居者である複数の対象者のそれぞれに分配される環境価値の分配量を、前記複数の対象者のそれぞれに対して予め割り当てられた比率で決定する決定部と
前記複数の対象者のそれぞれから環境価値の希望量を受け付ける受付部と、
前記複数の対象者のうち、前記決定部で決定された環境価値の分配量が環境価値の希望量より少ない対象者が存在する場合、前記対象者に向けて環境価値の分配量が希望量より少ないことを示すメッセージを通知する通知部と
を備える決定装置。
【請求項6】
前記第1環境価値は、再生可能エネルギーが保有する環境価値を証書化した環境価値証書に準ずる価値である、請求項5に記載の決定装置。
【請求項7】
前記予め割り当てられた比率は、前記複数の対象者のそれぞれの電力の消費量に比例する、請求項1からの何れか1つに記載の決定装置。
【請求項8】
コンピュータが、施設に設置され、再生可能エネルギーにより発電する発電設備で発電された電力の発電量を取得する段階と、
前記コンピュータが、前記発電量に基づいて第1環境価値を導出する段階と、
前記コンピュータが、前記第1環境価値から、前記施設の所有者または運営者、及び前記施設に入居する入居者である複数の対象者のそれぞれに分配される環境価値の分配量を、前記複数の対象者のそれぞれに対して予め割り当てられた比率で決定する段階と
前記コンピュータが、前記複数の対象者のそれぞれから環境価値の希望量を受け付ける段階と、
前記複数の対象者のうち、前記決定する段階で決定された環境価値の分配量が環境価値の希望量より少ない対象者が存在する場合、前記コンピュータが、前記対象者に向けて環境価値の分配量が希望量より少ないことを示すメッセージを通知する段階と
を備える決定方法。
【請求項9】
コンピュータが、契約者が契約する土地または建物に設置され、再生可能エネルギーにより発電する発電設備で発電された電力の発電量を取得する段階と、
前記コンピュータが、前記発電量に基づいて第1環境価値を導出する段階と、
前記コンピュータが、前記第1環境価値から、前記契約者、及び前記契約者が所有または運営する施設に入居する入居者である複数の対象者のそれぞれに分配される環境価値の分配量を、前記複数の対象者のそれぞれに対して予め割り当てられた比率で決定する段階と
前記コンピュータが、前記複数の対象者のそれぞれから環境価値の希望量を受け付ける段階と、
前記複数の対象者のうち、前記決定する段階で決定された環境価値の分配量が環境価値の希望量より少ない対象者が存在する場合、前記コンピュータが、前記対象者に向けて環境価値の分配量が希望量より少ないことを示すメッセージを通知する段階と
を備える決定方法。
【請求項10】
請求項1からの何れか1つに記載の決定装置としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正の内容】
図3