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  • 特開-レーザ溶接装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023091354
(43)【公開日】2023-06-30
(54)【発明の名称】レーザ溶接装置
(51)【国際特許分類】
   B23K 26/70 20140101AFI20230623BHJP
【FI】
B23K26/70
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021206055
(22)【出願日】2021-12-20
(71)【出願人】
【識別番号】000000262
【氏名又は名称】株式会社ダイヘン
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】玉城 怜士
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 慎一
【テーマコード(参考)】
4E168
【Fターム(参考)】
4E168BA90
4E168KB05
(57)【要約】
【課題】レーザの熱による付勢部材の損傷の抑制と、接合不良の発生の抑制と、の双方を達成可能なレーザ溶接装置を提供すること。
【解決手段】レーザ照射装置1は、レーザ照射部110と、前方付勢部材200と、後方付勢部材300と、を備える。前方付勢部材200は、前方移動体210と、前方支持体220と、前方付勢部230と、を有する。後方付勢部材300は、後方移動体310と、後方支持体320と、後方付勢部330と、を有する。前方付勢部230は、前方先端部を有し、後方付勢部330は、後方先端部を有する。前方支持部220は、ワークWのうちレーザ照射部110によりレーザLが照射される部位と前方先端部との間に前方移動体210を支持しており、後方支持部320は、ワークWのうちレーザ照射部110によりレーザLが照射される部位と後方先端部との間に後方移動体310を支持している。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークに対してレーザを照射可能でかつ前記ワークに対して移動可能なレーザ照射部と、
前記ワークに対する前記レーザ照射部の移動方向における前記レーザ照射部の前方に設けられており、前記ワークに対して付勢力を付与可能な前方付勢部材と、
前記移動方向における前記レーザ照射部の後方に設けられており、前記ワークを付勢する後方付勢部材と、を備え、
前記前方付勢部材は、
前記ワークに当接しながら前記ワークに対して前記移動方向に移動可能な前方移動体と、
前記前方移動体を支持する前方支持体と、
前記前方支持体を介して前記前方移動体から前記ワークに前記付勢力が作用するように前記前方支持体を付勢する前方付勢部と、を有し、
前記後方付勢部材は、
前記ワークに当接しながら前記ワークに対して前記移動方向に移動可能な後方移動体と、
前記後方移動体を支持する後方支持体と、
前記後方支持体を介して前記後方移動体から前記ワークに前記付勢力が作用するように前記後方支持体を付勢する後方付勢部と、を有し、
前記前方付勢部は、当該前方付勢部による付勢方向の先端に形成された前方先端部を有し、
前記後方付勢部は、当該後方付勢部による付勢方向の先端に形成された後方先端部を有し、
前記前方支持体は、前記ワークのうち前記レーザ照射部によりレーザが照射される部位と前記前方先端部との間に前記前方移動体を支持しており、
前記後方支持体は、前記ワークのうち前記レーザ照射部によりレーザが照射される部位と前記後方先端部との間に前記後方移動体を支持している、レーザ溶接装置。
【請求項2】
前記前方支持体は、前記前方先端部と接続可能な前方接続部を有し、
前記後方支持体は、前記後方先端部と接続可能な後方接続部を有し、
前記前方接続部は、前記前方先端部が前記付勢方向と交差する方向に傾斜するのを規制するように前記前方先端部を拘束しており、
前記後方接続部は、前記後方先端部が前記付勢方向と交差する方向に傾斜するのを規制するように前記後方先端部を拘束している、請求項1に記載のレーザ溶接装置。
【請求項3】
前記前方付勢部による前記付勢方向を回転軸とする前記前方移動体の回転を規制する前方回転規制部材と、
前記後方付勢部による前記付勢方向を回転軸とする前記後方移動体の回転を規制する後方回転規制部材と、をさらに備える、請求項1又は2に記載のレーザ溶接装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、レーザ溶接装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特開平2-307693号公報には、ノズル本体と、ワーク押え装置と、を備えるレーザビームノズル装置が開示されている。ノズル本体は、その噴射孔からワークに向けてレーザビームを照射する。ワーク押え装置は、円筒状に形成されており、ノズル本体の周囲に配置されたワーク押え本体と、ワーク押え本体の下面に設けられたフリーベアリングと、ワーク押え本体を下方に押圧する弾機と、を有している。弾機の弾発力によってフリーベアリングがワークの上面を押圧する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平2-307693号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特開平2-307693号公報に記載されるようなレーザ溶接装置では、ワークのうち付勢部材によって付勢される部位がレーザによる照射点から遠い場合、接合不良が発生することがある。そこで、ワークを付勢する部材をレーザ照射部に近づけることが考えられる。
【0005】
しかしながら、そのような構造にすると、レーザの熱によって付勢部材が損傷する懸念がある。
【0006】
本開示の目的は、レーザの熱による付勢部材の損傷の抑制と、接合不良の発生の抑制と、の双方を達成可能なレーザ溶接装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一局面に従ったレーザ溶接装置は、ワークに対してレーザを照射可能でかつ前記ワークに対して移動可能なレーザ照射部と、前記ワークに対する前記レーザ照射部の移動方向における前記レーザ照射部の前方に設けられており、前記ワークに対して付勢力を付与可能な前方付勢部材と、前記移動方向における前記レーザ照射部の後方に設けられており、前記ワークを付勢する後方付勢部材と、を備え、前記前方付勢部材は、前記ワークに当接しながら前記ワークに対して前記移動方向に移動可能な前方移動体と、前記前方移動体を支持する前方支持体と、前記前方支持体を介して前記前方移動体から前記ワークに前記付勢力が作用するように前記前方支持体を付勢する前方付勢部と、を有し、前記後方付勢部材は、前記ワークに当接しながら前記ワークに対して前記移動方向に移動可能な後方移動体と、前記後方移動体を支持する後方支持体と、前記後方支持体を介して前記後方移動体から前記ワークに前記付勢力が作用するように前記後方支持体を付勢する後方付勢部と、を有し、前記前方付勢部は、当該前方付勢部による付勢方向の先端に形成された前方先端部を有し、前記後方付勢部は、当該後方付勢部による付勢方向の先端に形成された後方先端部を有し、前記前方支持体は、前記ワークのうち前記レーザ照射部により照射される部位と前記前方先端部との間に前記前方移動体を支持しており、前記後方支持体は、前記ワークのうち前記レーザ照射部により照射される部位と前記後方先端部との間に前記後方移動体を支持している。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、レーザの熱による付勢部材の損傷の抑制と、接合不良の発生の抑制と、の双方を達成可能なレーザ溶接装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の一実施形態におけるレーザ溶接装置の斜視図である。
図2図1に示されるレーザ溶接装置の断面図である。
図3図2の断面とは異なる面でのレーザ溶接装置の断面図である。
図4図1に示されるレーザ溶接装置の変形例を示す斜視図である。
図5図4とは異なる角度におけるレーザ溶接装置の変形例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下で参照する図面では、同一またはそれに相当する部材には、同じ番号が付されている。
【0011】
図1は、本開示の一実施形態におけるレーザ溶接装置の斜視図である。図2は、図1に示されるレーザ溶接装置の断面図である。図3は、図2の断面とは異なる面でのレーザ溶接装置の断面図である。本実施形態のレーザ溶接装置1は、樹脂部材と金属部材との溶接に特に好適である。ただし、レーザ溶接装置1での溶接対象は、特に限定されない。
【0012】
図1に示されるように、レーザ溶接装置1は、例えば、支持台2に載置されたワークWを溶接可能である。レーザ溶接装置1は、3次元的に移動可能なアクチュエータに保持された状態でワークWの溶接を行うことも可能である。レーザ溶接装置1は、レーザ照射部110と、前方付勢部材200と、後方付勢部材300と、前方保護カバー410と、後方保護カバー420と、を備えている。
【0013】
レーザ照射部110は、ワークWに向けてレーザLを照射可能である。本実施形態では、レーザ照射部110は、レーザLの照射方向がワークWと直交するようにワークWに対してレーザLを照射している。ただし、レーザLの照射方向は、ワークWと直交していなくてもよい。
【0014】
図2及び図3に示されるように、ワークWは、第1部材W1と、第1部材W1上に配置された第2部材W2と、を有している。本実施形態では、第1部材W1として、樹脂部材が用いられ、第2部材W2として金属部材が用いられている。ただし、各部材W1,W2は、これに限定されない。
【0015】
レーザ照射部110には、前方アーム120と後方アーム130とが接続されている。前方アーム120は、レーザ照射部110の移動方向におけるレーザ照射部110の前方に設けられている。後方アーム130は、レーザ照射部110の移動方向におけるレーザ照射部110の後方に設けられている。各アーム120,130は、レーザ照射部110からのレーザLの照射方向と平行な方向に延びる形状を有している。
【0016】
前方付勢部材200は、ワークWに対するレーザ照射部110の移動方向におけるレーザ照射部110の前方に設けられている。具体的に、前方付勢部材200は、前方アーム120に接続されている。前方付勢部材200は、ワークWに対して付勢力を付与可能である。前方付勢部材200は、前方移動体210と、前方支持体220と、前方付勢部230と、を有している。
【0017】
前方移動体210は、ワークWに当接しながらワークWに対して前記移動方向に移動可能である。本実施形態では、前方移動体210として、ローラが用いられている。前方移動体210は、例えば、金属からなる。
【0018】
前方支持体220は、前方移動体210を支持している。前方支持体220は、例えば、金属からなる。前方支持体220の詳細については後述する。
【0019】
前方付勢部230は、前方支持体220を介して前方移動体210からワークWに付勢力が作用するように前方支持体220を付勢している。前方付勢部230は、レーザ照射部110によるレーザLの照射方向と同方向に前方支持体220を付勢している。ただし、前方付勢部230による付勢方向は、レーザLの照射方向と交差していてもよい。
【0020】
本実施形態では、前方付勢部230は、ガスダンパーで構成されている。具体的に、前方付勢部230は、円筒状に形成されたシリンダ232と、シリンダ232に対して当該シリンダ232の軸方向に相対変位可能なロッド234と、を有している。ただし、前方付勢部230の構成は、これに限られない。前方付勢部230による付勢力は、変更可能に構成されてもよい。
【0021】
図2及び図3に示されるように、前方付勢部230は、当該前方付勢部230による付勢方向の先端に形成された前方先端部236と、前記付勢方向の後端に形成された後端部238と、を有している。前方先端部236は、ロッド234の先端(下端)で構成されている。後端部238は、シリンダ232の上端で構成されている。前方先端部236は、前方支持体220に固定されている。後端部238は、前方アーム120に固定されている。
【0022】
ここで、前方支持体220について説明する。前方支持体220は、前方接続部222と、前方支持部224と、前方連結部226と、を有している。
【0023】
前方接続部222は、前方先端部236と接続可能である。前方接続部222は、前方先端部236を受け入れ可能な内周面を有している。本実施形態では、前記内周面は、前方先端部236の外周面と面接触している。より詳細には、前方先端部236は、前方接続部222に圧入されている。すなわち、前方接続部222は、前方先端部236が付勢方向と交差する方向に傾斜するのを規制するように前方先端部236を拘束している。前記内周面が前方先端部236の外周面と面接触した状態において、ピン228によって前方先端部236が前方接続部222に接続されている。
【0024】
前方支持部224は、前方移動体210を支持している。前方支持部224は、前記移動方向及び前方付勢部230による付勢方向の双方と直交する方向における両側から前方移動体210を支持している。前方支持部224は、ワークWのうちレーザ照射部110によりレーザLが照射される部位(以下、「照射点P1」と表記する。)と前方先端部236との間に前方移動体210を支持している。より詳細には、図2に示されるように、前方支持部224は、ワークWの中間部P3に対して前方移動体210を介して前方付勢部230による付勢力が作用するように前方移動体210を支持している。中間部P3は、ワークWのうち、照射点P1と、前方付勢部230による付勢方向の延長線とワークWの表面との交点P2と、の間の部位である。すなわち、前方支持部224は、ワークWのうち前記交点P2よりも照射点P1に近い部位に前方付勢部230による付勢力が作用するように前方移動体210を支持している。このため、第1部材W1及び第2部材W2のうち照射点P1付近の部位同士の密着性が高まる。
【0025】
前方連結部226は、前方接続部222と前方支持部224とを連結している。前方連結部226は、前記移動方向と平行に延びる形状を有している。
【0026】
後方付勢部材300は、ワークWに対するレーザ照射部110の移動方向におけるレーザ照射部110の後方に設けられている。具体的に、後方付勢部材300は、後方アーム130に接続されている。後方付勢部材300は、レーザ照射部110の移動方向と直交しかつ照射点P1を通る面を基準面として前方付勢部材200と対称な構成を有している。このため、後方付勢部材300の説明を簡略化する。
【0027】
すなわち、後方付勢部材300は、後方移動体310と、後方支持体320と、後方付勢部330と、を有している。後方支持体320は、後方付勢部330におけるロッド334の先端で構成される後方先端部336と接続される後方接続部322と、後方移動体310を支持する後方支持部324と、後方連結部326と、を有している。後方付勢部330は、シリンダ332と、ロッド334と、を有している。
【0028】
前方保護カバー410は、レーザLから前方付勢部230を保護している。本実施形態では、前方保護カバー410は、レーザLからロッド234を保護する形状を有している。ただし、前方保護カバー410は、ロッド234及びシリンダ232の双方を保護する形状に形成されてもよい。前方保護カバー410は、金属等からなる。前方保護カバー410は、前方支持体220に固定されている。前方保護カバー410は、レーザLと対向する対向壁412と、対向壁412につながった一対の側壁414と、を有している。一対の側壁414は、ロッド234の軸方向及び前記移動方向の双方と直交する方向に互いに対向している。なお、図3では、前方保護カバー410の図示は省略されている。
【0029】
後方保護カバー420は、レーザLから後方付勢部330を保護している。後方保護カバー420は、前記基準面に対して前方保護カバー410と対称な構成を有している。このため、後方保護カバー420の説明を簡略化する。すなわち、後方保護カバー420は、対向壁422と、一対の側壁424と、を有している。
【0030】
以上に説明したように、本実施形態のレーザ溶接装置1では、前方支持体220がレーザ照射部110によりレーザLが照射される部位(照射点P1)と前方先端部236との間に前方移動体210を支持し、後方支持体320が照射点P1と後方先端部336との間に後方移動体310を支持しているため、各付勢部230,330とレーザLとの距離を確保しつつ、ワークWのうち照射点P1の近傍の部位を各移動体210,310によって付勢することが可能となる。よって、レーザLの熱による付勢部230,330の損傷の抑制と、接合不良の発生の抑制と、の双方が達成される。
【0031】
なお、前方連結部226は、前方付勢部230による付勢方向と直交する方向(前記移動方向と平行)でなく、その方向と交差する方向に延びる形状を有していてもよい。このことは、後方連結部326においても同様である。
【0032】
前方付勢部230におけるシリンダ232及びロッド234の配置は、逆であってもよい。このことは、後方付勢部330においても同様である。
【0033】
また、図4及び図5に示されるように、レーザ溶接装置1は、前方回転規制部材510と、後方回転規制部材520と、をさらに備えていてもよい。
【0034】
前方回転規制部材510は、前方付勢部230による付勢方向を回転軸とする前方移動体210の回転を規制している。具体的に、前方回転規制部材510は、前方板部512と、前方固定部514と、を有している。
【0035】
前方板部512は、前記移動方向における前方アーム120の前方に位置している。前方板部512は、前方アーム120に固定されている。前方板部512は、前方アーム120から前方支持体220に至るように延びる平板状に形成されている。
【0036】
前方固定部514は、前方支持体220に固定されている。前方固定部514は、前方板部512の下端部につながっている。前方固定部514は、前方付勢部230による付勢方向及び前記移動方向の双方と直交する方向における前方接続部222の一方側に位置している。前方固定部514は、前方接続部222に固定されている。例えば、前方板部512及び前方固定部514は、一枚の金属板を折り曲げることにより形成される。
【0037】
後方回転規制部材520は、レーザ照射部110の移動方向と直交しかつ照射点P1を通る面を基準面として前方回転規制部材510と対称な構成を有している。すなわち、後方回転規制部材520は、後方アーム130に固定された後方板部522と、後方板部522の下端部につながっており後方接続部322に固定された後方固定部524と、を有している。
【0038】
図4及び図5に示される形態では、前方付勢部230による付勢方向を回転軸とする前方移動体210の前方アーム120に対する相対回転、及び、後方付勢部330による付勢方向を回転軸とする後方移動体310の後方アーム130に対する相対回転が規制される。
【0039】
上述した複数の例示的な実施形態は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
【0040】
この開示の一局面に従ったレーザ溶接装置は、ワークに対してレーザを照射可能でかつ前記ワークに対して移動可能なレーザ照射部と、前記ワークに対する前記レーザ照射部の移動方向における前記レーザ照射部の前方に設けられており、前記ワークに対して付勢力を付与可能な前方付勢部材と、前記移動方向における前記レーザ照射部の後方に設けられており、前記ワークを付勢する後方付勢部材と、を備え、前記前方付勢部材は、前記ワークに当接しながら前記ワークに対して前記移動方向に移動可能な前方移動体と、前記前方移動体を支持する前方支持体と、前記前方支持体を介して前記前方移動体から前記ワークに前記付勢力が作用するように前記前方支持体を付勢する前方付勢部と、を有し、前記後方付勢部材は、前記ワークに当接しながら前記ワークに対して前記移動方向に移動可能な後方移動体と、前記後方移動体を支持する後方支持体と、前記後方支持体を介して前記後方移動体から前記ワークに前記付勢力が作用するように前記後方支持体を付勢する後方付勢部と、を有し、前記前方付勢部は、当該前方付勢部による付勢方向の先端に形成された前方先端部を有し、前記後方付勢部は、当該後方付勢部による付勢方向の先端に形成された後方先端部を有し、前記前方支持体は、前記ワークのうち前記レーザ照射部によりレーザが照射される部位と前記前方先端部との間に前記前方移動体を支持しており、前記後方支持体は、前記ワークのうち前記レーザ照射部によりレーザが照射される部位と前記後方先端部との間に前記後方移動体を支持している。
【0041】
このレーザ溶接装置では、前方支持体がレーザ照射部によりレーザが照射される部位と前方先端部との間に前方移動体を支持し、後方支持体がレーザ照射部によりレーザが照射される部位と後方先端部との間に後方移動体を支持しているため、各付勢部とレーザとの距離を確保しつつ、ワークのうち照射点の近傍の部位を各移動体によって付勢することが可能となる。よって、レーザの熱による付勢部材の損傷の抑制と、接合不良の発生の抑制と、の双方が達成される。
【0042】
さらに、前記前方支持体は、前記前方先端部と接続可能な前方接続部を有し、前記後方支持体は、前記後方先端部と接続可能な後方接続部を有し、前記前方接続部は、前記前方先端部が前記付勢方向と交差する方向に傾斜するのを規制するように前記前方先端部を拘束しており、前記後方接続部は、前記後方先端部が前記付勢方向と交差する方向に傾斜するのを規制するように前記後方先端部を拘束していることが好ましい。
【0043】
この態様では、各付勢部に対して各支持体が傾斜することが抑制される。よって、各付勢部による付勢力が有効に各移動体に伝達される。
【0044】
また、前記レーザ溶接装置は、前記前方付勢部による前記付勢方向を回転軸とする前記前方移動体の回転を規制する前方回転規制部材と、前記後方付勢部による前記付勢方向を回転軸とする前記後方移動体の回転を規制する後方回転規制部材と、をさらに備えることが好ましい。
【0045】
この態様では、前方付勢部による付勢方向を回転軸とする前方移動体の回転、及び、後方付勢部による付勢方向を回転軸とする後方移動体の回転が規制される。
【0046】
なお、今回開示された実施形態は全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく請求の範囲によって示され、さらに請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0047】
1 レーザ溶接装置、110 レーザ照射部、200 前方付勢部材、210 前方移動体、220 前方支持体、222 前方接続部、224 前方支持部、226 前方連結部、230 前方付勢部、232 シリンダ、234 ロッド、236 前方先端部、300 後方付勢部材、310 後方移動体、320 後方支持体、322 後方接続部、324 後方支持部、326 後方連結部、330 後方付勢部、332 シリンダ、334 ロッド、336 後方先端部、510 前方回転規制部材、520 後方回転規制部材、W ワーク、W1 第1部材、W2 第2部材。
図1
図2
図3
図4
図5