(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023091365
(43)【公開日】2023-06-30
(54)【発明の名称】料金管理装置、料金管理システム、及び料金管理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/30 20120101AFI20230623BHJP
G07B 13/00 20060101ALI20230623BHJP
G07B 15/00 20110101ALI20230623BHJP
【FI】
G06Q50/30
G07B13/00 G
G07B15/00 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021206071
(22)【出願日】2021-12-20
(71)【出願人】
【識別番号】501418498
【氏名又は名称】矢崎エナジーシステム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】杉山 敏彦
【テーマコード(参考)】
3E127
5L049
【Fターム(参考)】
3E127AA19
3E127BA06
3E127CA31
3E127DA03
3E127DA16
3E127DA20
3E127DA32
3E127DA33
3E127EA02
3E127EA17
3E127EA18
3E127EA25
3E127FA50
3E127FA52
3E127FA53
5L049CC42
(57)【要約】
【課題】回数券を用いて所定区間をタクシー車両で移動することができる回数券システムにおいて、利用者の負担を抑えて、当該回数券の購入を促進し得る料金管理装置、料金管理システム、及び料金管理プログラムを提供する。
【解決手段】料金管理装置100は、通信部101、料金算出部117、差額算出部119、及び生成部121を備える。料金算出部は、タクシー車両10が、回数券料金のうちの1回乗車分の利用料金で移動可能な利用区間を移動する場合、当該利用区間において、タクシー車両が実際に走行した距離と時間とのうちの少なくとも一方に基づいて、メータ料金を算出する。差額算出部は、メータ料金が1回乗車分の利用料金よりも安い場合、1回乗車分の利用料金とメータ料金との差額を算出する。生成部は、利用者の識別情報と、算出された差額と、当該差額が算出された時点の日時情報とを含む差額発生情報を生成する。通信部は、タクシー車両の外部に対して、差額発生情報を送信する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回数券を用いて所定区間を車両で移動することができる回数券システムに用いられる料金管理装置であって、
車両に乗車する利用者が所持する回数券から、前記回数券に保持された回数券情報を読み取る読取部と、
前記回数券情報から、前記利用者が前記回数券を購入するために事前に支払った金額のうち、1回乗車分の第1利用料金を抽出する抽出部と、
前記車両が、前記第1利用料金で移動可能な第1区間を移動する場合、前記第1区間において、前記車両が実際に走行した距離と時間とのうちの少なくとも一方に基づいて、第2利用料金を算出する料金算出部と、
前記第2利用料金が前記第1利用料金よりも安い場合、前記第1利用料金と前記第2利用料金との差額を算出する差額算出部と、
前記回数券情報に含まれる利用者の識別情報と、前記差額と、前記差額が算出された時点の日時情報とを含む差額発生情報を生成する生成部と、
前記車両の外部に対して、前記差額発生情報を送信する通信部と、
を備え、
前記車両の外部において、前記差額発生情報に含まれる前記差額及び前記日時情報は、前記利用者の識別情報に紐付けされた差額情報に記録される料金管理装置。
【請求項2】
前記利用者の降車時に、前記利用者が支払うべき支払金額を表示する表示部を更に備え、
前記通信部は、前記車両の外部に対して、前記回数券情報に含まれる前記利用者の識別情報を送信し、前記利用者の識別情報に紐付けられた前記差額情報を受信し、
前記抽出部は、前回乗車までに前記差額情報に記録された1つ以上の差額を抽出し、
前記車両が、前記第1区間を超えて移動する場合、前記料金算出部は、前記第1区間を超えた第2区間において、前記車両が実際に走行した距離と時間とのうちの少なくとも一方に基づいて、第3利用料金を算出し、
前記料金算出部は、前記1つ以上の差額を用いて算出した割引金額を、前記第3利用料金から差し引くことにより、前記支払金額を算出し、
前記表示部は、算出された前記支払金額を表示する請求項1に記載の料金管理装置。
【請求項3】
前記利用者の降車時に、前記利用者が支払うべき支払金額を表示する表示部を更に備え、
前記通信部は、前記車両の外部に対して、前記回数券情報に含まれる前記利用者の識別情報を送信し、前記利用者の識別情報に紐付けられた前記差額情報を受信し、
前記抽出部は、前回乗車までに前記差額情報に記録された1つ以上の差額を抽出し、
前記車両が、前記第1区間の途中で前記第1区間から逸脱して移動する場合、前記料金算出部は、前記第1区間から逸脱した第3区間において、前記車両が実際に走行した距離と時間とのうちの少なくとも一方に基づいて、第4利用料金を算出し、
前記料金算出部は、前記1つ以上の差額を用いて算出した割引金額を、前記第4利用料金から差し引くことにより、前記支払金額を算出し、
前記表示部は、算出された前記支払金額を表示する請求項1に記載の料金管理装置。
【請求項4】
前記第1区間の途中までの第4区間の距離を測定する測定部を、更に備え、
前記抽出部は、前記回数券情報から、前記第1区間の距離を抽出し、
前記料金算出部は、前記第1区間の距離と前記第4区間の距離との割合に基づいて、前記第1利用料金から第5利用料金を算出し、
前記料金算出部は、前記第4区間において、前記車両が実際に走行した距離と時間とのうちの少なくとも一方に基づいて、第6利用料金を算出し、
前記差額算出部は、前記第6利用料金が前記第5利用料金よりも安い場合、前記第5利用料金と前記第6利用料金との差額を算出し、
前記生成部は、前記回数券情報に含まれる前記利用者の識別情報と、前記差額と、前記差額が算出された時点の日時情報とを含む差額発生情報を生成する請求項3に記載の料金管理装置。
【請求項5】
前記抽出部は、前回乗車までに差額情報に記録された1つ以上の差額の各々が算出された時点の日時情報を抽出し、
前記料金算出部は、前記日時情報に基づいて、各差額が算出された時点からの経過日数を算出し、
前記料金算出部は、各差額の前記経過日数に応じて、各差額を割り引いて、前記割引金額を算出する請求項2~4のいずれか一項に記載の料金管理装置。
【請求項6】
前記表示部は、前記利用者の乗車時に、前記料金算出部によって算出された前記割引金額を表示する請求項5に記載の料金管理装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載の料金管理装置と、
無線通信を介して前記料金管理装置に接続された外部装置と、
を備え、
前記外部装置は、前記差額発生情報を、前記料金管理装置から受信し、
前記外部装置は、前記差額発生情報に含まれる前記差額及び前記日時情報を、前記差額発生情報に含まれる前記利用者の識別情報に紐付けられた前記差額情報に記録する料金管理システム。
【請求項8】
回数券発行装置を更に備え、
前記回数券発行装置は、前記利用者が前記回数券を購入するために前記金額を支払うと、前記利用者の識別情報、前記回数券の識別情報、前記1回乗車分の第1利用料金、前記第1区間の位置情報、及び前記第1区間の距離を含む前記回数券情報を生成して、生成した前記回数券情報を保持する前記回数券を発行し、
前記回数券発行装置は、生成した前記回数券情報を前記外部装置に送信し、
前記外部装置は、前記利用者の識別情報に対して、前記回数券の識別情報、前記1回乗車分の第1利用料金、前記第1区間の位置情報、及び前記第1区間の距離を紐付けて保持する請求項7に記載の料金管理システム。
【請求項9】
前記回数券発行装置は、前記利用者が前記回数券を再購入する場合、前記利用者から前記利用者の識別情報を受信し、
前記回数券発行装置は、前記外部装置に対して、前記利用者の識別情報を送信し、前記利用者の識別情報に紐付けられた前記差額情報を受信し、
前記回数券発行装置は、前回乗車までに前記差額情報に記録された1つ以上の差額を抽出し、
前記回数券発行装置は、前記1つ以上の差額を用いて算出した割引金額を、前記金額から差し引いて、割引適用金額を算出し、
前記回数券発行装置は、前記割引適用金額を表示する請求項8に記載の料金管理システム。
【請求項10】
回数券を用いて所定区間を車両で移動することができる回数券システムに用いられる料金管理プログラムであって、
車両に乗車する利用者が所持する回数券から、前記回数券に保持された回数券情報を読み取る読取ステップと、
前記回数券情報から、前記利用者が前記回数券を購入するために事前に支払った金額のうち、1回乗車分の第1利用料金を抽出する抽出ステップと、
前記車両が、前記第1利用料金で移動可能な第1区間を移動する場合、前記第1区間において、前記車両が実際に走行した距離と時間とのうちの少なくとも一方に基づいて、第2利用料金を算出する料金算出ステップと、
前記第2利用料金が前記第1利用料金よりも安い場合、前記第1利用料金と前記第2利用料金との差額を算出する差額算出ステップと、
前記回数券情報に含まれる利用者の識別情報と、前記差額と、前記差額が算出された時点の日時情報とを含む差額発生情報を生成する生成ステップと、
前記車両の外部に対して、前記差額発生情報を送信する通信ステップと、
を備え、
前記車両の外部において、前記差額発生情報に含まれる前記差額及び前記日時情報は、前記利用者の識別情報に紐付けされた差額情報に記録される料金管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、料金管理装置、料金管理システム、及び料金管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、タクシー車両を利用した所定区間の移動において、当該所定区間のタクシー運賃を事前に確定するシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に開示されたシステムは、所定区間のタクシー運賃を事前に確定して、確定運賃として利用者に提示する。利用者は、タクシー車両の乗車前に確定運賃を支払うことができるため、タクシー車両の降車時にタクシー運賃の支払いを行うことなく、タクシー車両を利用して、所定区間を移動することができる。
【0004】
また、最近では、利用者が、所定区間の回数券を購入し、当該回数券を用いて、当該所定区間をタクシー車両で移動することができる回数券システムの導入が検討されている。
【0005】
当該システムでは、所定区間のタクシー運賃を事前に確定した上で、当該所定区間における、複数回乗車分の利用料金が決定される。利用者は、複数回乗車分の利用料金を事前に支払って、所定区間の回数券を購入する。利用者は、タクシー車両の乗車時に、購入した回数券を提示することにより、タクシー車両を利用して、所定区間を移動することができる。なお、複数回乗車分の利用料金は、回数券料金とも呼称される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、利用者が、回数券を用いて、所定区間をタクシー車両で移動した場合に、交通状況などにより、実際にタクシーメータに表示されたメータ料金が、事前に支払った回数券料金のうちの1回乗車分の利用料金よりも安くなることが考えられる。
【0008】
この場合、利用者は、1回乗車分の利用料金と、実際にタクシーメータに表示されたメータ料金との差額だけ損することになる。
【0009】
このような損失を回避するためには、利用者は、例えば、タクシー車両に乗車する前に、所定区間の交通状況などを確認して、回数券を用いて、当該所定区間をタクシー車両で移動するか否かを判断する必要がある。
【0010】
このように、現在検討されている回数券システムでは、利用者の負担が増える可能性があり、利用者に不満が生じて、回数券の再購入に繋がらず、回数券システムの普及が進まないという不都合があった。
【0011】
本発明は、このような従来技術が有する課題に鑑みてなされたものである。そして本発明の目的は、回数券を用いて所定区間をタクシー車両で移動することができる回数券システムにおいて、利用者の負担を抑えて、当該回数券の購入を促進し得る料金管理装置、料金管理システム、及び料金管理プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一態様に係る料金管理装置は、回数券を用いて所定区間を車両で移動することができる回数券システムに用いられ、車両に乗車する利用者が所持する回数券から、前記回数券に保持された回数券情報を読み取る読取部と、前記回数券情報から、前記利用者が前記回数券を購入するために事前に支払った金額のうち、1回乗車分の第1利用料金を抽出する抽出部と、前記車両が、前記第1利用料金で移動可能な第1区間を移動する場合、前記第1区間において、前記車両が実際に走行した距離と時間とのうちの少なくとも一方に基づいて、第2利用料金を算出する料金算出部と、前記第2利用料金が前記第1利用料金よりも安い場合、前記第1利用料金と前記第2利用料金との差額を算出する差額算出部と、前記回数券情報に含まれる利用者の識別情報と、前記差額と、前記差額が算出された時点の日時情報とを含む差額発生情報を生成する生成部と、前記車両の外部に対して、前記差額発生情報を送信する通信部と、を備え、前記車両の外部において、前記差額発生情報に含まれる前記差額及び前記日時情報は、前記利用者の識別情報に紐付けされた差額情報に記録される。
【0013】
本発明の一態様に係る料金管理システムは、上述した料金管理装置と、無線通信を介して前記料金管理装置に接続された外部装置と、を備え、前記外部装置は、前記差額発生情報を、前記料金管理装置から受信し、前記外部装置は、前記差額発生情報に含まれる前記差額及び前記日時情報を、前記差額発生情報に含まれる前記利用者の識別情報に紐付けられた前記差額情報に記録する。
【0014】
本発明の一態様に係る料金管理プログラムは、回数券を用いて所定区間を車両で移動することができる回数券システムに用いられ、車両に乗車する利用者が所持する回数券から、前記回数券に保持された回数券情報を読み取る読取ステップと、前記回数券情報から、前記利用者が前記回数券を購入するために事前に支払った金額のうち、1回乗車分の第1利用料金を抽出する抽出ステップと、前記車両が、前記第1利用料金で移動可能な第1区間を移動する場合、前記第1区間において、前記車両が実際に走行した距離と時間とのうちの少なくとも一方に基づいて、第2利用料金を算出する料金算出ステップと、前記第2利用料金が前記第1利用料金よりも安い場合、前記第1利用料金と前記第2利用料金との差額を算出する差額算出ステップと、前記回数券情報に含まれる利用者の識別情報と、前記差額と、前記差額が算出された時点の日時情報とを含む差額発生情報を生成する生成ステップと、前記車両の外部に対して、前記差額発生情報を送信する通信ステップと、を備え、前記車両の外部において、前記差額発生情報に含まれる前記差額及び前記日時情報は、前記利用者の識別情報に紐付けされた差額情報に記録される。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、回数券を用いて所定区間をタクシー車両で移動することができる回数券システムにおいて、利用者の負担を抑えて、当該回数券の購入を促進し得る料金管理装置、料金管理システム、及び料金管理プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1は、本実施形態に係る料金管理システムの全体概略構成図である。
【
図2】
図2は、本実施形態に係る料金管理装置の機能ブロック構成図である。
【
図3】
図3は、本実施形態に係る料金管理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、本実施形態に係るタクシーメータの外相の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、本実施形態に係る外部サーバの機能ブロック構成図である。
【
図6】
図6は、本実施形態に係る回数券情報テーブルの一例を示す図である。
【
図7】
図7は、本実施形態に係る照合情報テーブルの一例を示す図である。
【
図8】
図8は、本実施形態に係る差額情報テーブルの一例を示す図である。
【
図9】
図9は、本実施形態に係る回数券発行装置の機能ブロック構成図である。
【
図10】
図10は、本実施形態に係る回数券情報の一例を示す図である。
【
図11】
図11は、本実施形態に係る料金管理手順のフローチャートの一例を示す図である。
【
図12】
図12は、本実施形態に係る乗車時処理のフローチャートの一例を示す図である。
【
図13】
図13は、本実施形態に係る差額判定処理のフローチャートの一例を示す図である。
【
図14】
図14は、本実施形態に係る割引判定処理のフローチャートの一例を示す図である。
【
図15A】
図15Aは、本実施形態に係る割引判定処理が適用される逸脱区間の第1例を示す図である。
【
図15B】
図15Bは、本実施形態に係る割引判定処理が適用される逸脱区間の第2例を示す図である。
【
図16】
図16は、本実施形態に係る回数券購入手順のフローチャートの一例を示す図である。
【
図17】
図17は、本実施形態に係る回数券再購入手順のフローチャートの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を用いて本実施形態に係る料金管理装置、料金管理システム、及び料金管理プログラムについて詳細に説明する。なお、同一の機能や構成には、同一又は類似の符号を付して、その説明を適宜省略する。
【0018】
[料金管理システムの全体概略構成]
最初に、本実施形態に係る料金管理システム1の構成を説明する。料金管理システム1は、利用者が回数券を用いて所定区間(以下、利用区間と呼称する)をタクシー車両で移動することができる回数券システムに用いられる。
【0019】
回数券システムでは、利用区間のタクシー運賃を事前に確定した上で、当該利用区間における、複数回乗車分の利用料金が決定される。利用者は、複数回乗車分の利用料金を事前に支払って、後述する回数券情報を保持した回数券を購入する。なお、複数回乗車分の利用料金は、回数券料金とも呼称される。
【0020】
図1は、料金管理システム1の全体概略構成図である。
図1に示すように、料金管理システム1は、タクシー車両10、外部サーバ20、及び回数券発行装置30を備える。なお、タクシー車両10は、車両とも呼称される。また、外部サーバ20は、外部装置とも呼称される。
【0021】
タクシー車両10には、料金管理装置100が搭載される。利用者は、回数券を用いて利用区間を移動する場合、タクシー車両10の乗車時に、回数券に保持された回数券情報を料金管理装置100に読み取らせる。
【0022】
料金管理装置100は、後述する料金管理手順を行う。具体的には、料金管理装置100は、利用者の乗車時に、利用者が所持する回数券から回数券情報を読み取ると、後述する乗車時処理を行う。乗車時処理は、利用者チェック、乗車地チェック、及び差額情報の取得などを含む。
【0023】
料金管理装置100は、利用者の乗車時に回数券情報を読み取った場合に、当該利用者の降車時に、後述する差額判定処理及び割引判定処理を行う。
【0024】
差額判定処理では、利用区間におけるメータ料金が、回数券料金のうちの1回乗車分の利用料金よりも安い場合に、メータ料金と1回乗車分の利用料金との差額が算出される。算出された差額は、外部サーバ20に送信されて、当該利用者の差額情報に記録される。
【0025】
割引判定処理では、当該利用者が利用区間を逸脱してタクシー車両10で移動している場合に、差額情報が存在するか否かが判定される。差額情報が存在する場合には、当該差額情報を用いて算出された割引金額が、逸脱区間におけるメータ料金から差し引かれる。
【0026】
料金管理装置100は、読取器161及びタクシーメータ200を備える。読取器161は、利用者の乗車時に、当該利用者が所持する回数券から回数券情報を読み取る。タクシーメータ200は、読取器161に通信可能に接続されて、かつ、上述した乗車時処理、差額判定処理、及び割引判定処理を行う。
【0027】
本実施形態では、回数券は、例えば、紙チケット70又は電子チケット80である。回数券情報は、1次元コード又は2次元コードとして紙チケット70又は電子チケット80に保持されている。回数券が電子チケット80である場合、電子チケット80は、利用者が所有するスマートフォンなどの端末機器にダウンロードされる。
【0028】
外部サーバ20は、ネットワーク(インターネット網)40を介して、回数券発行装置30及び料金管理装置100に通信可能に接続される。外部サーバ20は、回数券情報テーブル、照合情報テーブル及び差額情報テーブルを保持する。
【0029】
外部サーバ20は、回数券情報テーブルを用いて、利用者毎に、回数券情報に含まれるコンテンツ情報を管理する(
図6参照)。外部サーバ20は、照合情報テーブルを用いて、利用者毎に、利用者のパスワードを管理する(
図7参照)。外部サーバ20は、差額情報テーブルを用いて、利用者毎に、差額情報を管理する(
図8参照)。
【0030】
外部サーバ20は、後述するように、回数券発行装置30から回数券情報を受信する。外部サーバ20は、回数券情報に含まれる利用者の識別情報に対して、回数券情報に含まれるコンテンツ情報を紐付けて、当該利用者の回数券情報として、回数券情報テーブルに追加する。なお、コンテンツ情報は、回数券の識別情報、1回乗車分の利用料金、利用区間の位置情報、及び利用区間の距離を含む(
図6参照)。
【0031】
外部サーバ20は、後述するように、回数券発行装置30から、利用者の識別情報と、当該利用者のパスワードとを含む登録要求を受信する。外部サーバ20は、登録要求に含まれる利用者の識別情報に対して、登録要求に含まれる利用者のパスワードを紐付けて、利用者の照合情報として、照合情報テーブルに追加する(
図7参照)。
【0032】
外部サーバ20は、後述するように、料金管理装置100から、利用者の識別情報と、算出された差額と、当該差額が算出された時点の日時情報とを含む差額発生情報を受信する。外部サーバ20は、差額発生情報を受信すると、差額発生情報に含まれる利用者の識別情報に紐付けられた差額情報が存在するか否かを判定する。
【0033】
外部サーバ20は、利用者の識別情報に紐付けられた差額情報が存在しない場合、当該利用者の識別情報に対して、差額発生情報に含まれる差額及び日時情報を紐付けて、当該利用者の差額情報として、差額情報テーブルに追加する。外部サーバ20は、利用者の識別情報に紐付けられた差額情報が存在する場合、当該利用者の識別情報に紐付けられた差額情報に、差額発生情報に含まれる差額及び日時情報を記録する(
図8参照)。
【0034】
利用者は、回数券発行装置30を用いて、回数券料金の支払い及び回数券の購入を行う。回数券料金の支払いは、現金、クレジットカード、電子マネーなどで行われる。なお、利用者は、ネットワーク40を介して、回数券発行装置30にアクセスして、回数券料金の支払い及び回数券の購入を行ってもよい。
【0035】
回数券発行装置30は、利用者が回数券料金を支払うと、利用者の識別情報を生成し、更に、回数券情報を生成する。回数券発行装置30は、回数券情報を生成すると、生成された回数券情報を保持した回数券を発行する。この際、回数券発行装置30は、生成された回数券情報を外部サーバ20に送信する。
【0036】
回数券が紙チケット70である場合、回数券発行装置30は、複数枚の紙チケット70を発行する。各紙チケット70には、1次元コード又は2次元コードとして回数券情報が保持されている。
【0037】
回数券が電子チケット80である場合、回数券発行装置30は、複数枚の電子チケット80を発行する。各電子チケット80には、1次元コード又は2次元コードとして回数券情報が保持されている。
【0038】
回数券発行装置30は、利用者が回数券を再購入する場合、外部サーバ20から、当該利用者の識別情報に紐付けられた利用者の差額情報を取得して、当該差額情報を用いて算出された割引金額が、回数券料金から差し引かれる。
【0039】
なお、利用者は、回数券料金を支払う際に、回数券発行装置30にパスワードを設定する。回数券発行装置30は、利用者のパスワードが設定されると、生成した利用者の識別情報と、設定された利用者のパスワードとを含む登録要求を、外部サーバ20に送信する。
【0040】
[料金管理装置の機能ブロック構成]
次に、料金管理装置100の機能ブロック構成について説明する。
図2は、料金管理装置100の機能ブロック構成図である。
図2に示すように、料金管理装置100は、通信部101、制御部103、記憶部105、読取部107、測定部109、決済部111、抽出部113、照合部115、料金算出部117、差額算出部119、生成部121、表示部123、及びタリフ検出部125を備える。
【0041】
通信部101は、料金管理装置100と外部サーバ20との間で通信を実行する。通信部101は、乗車時処理において、外部サーバ20に認証指示を送信する。認証指示は、回数券に保持された回数券情報に含まれる利用者の識別情報と、入力部(図示略)を介して、利用者から入力された利用者のパスワードとを含む。通信部101は、外部サーバ20から照合結果を受信する。
【0042】
通信部101は、乗車時処理において、GPS(Global Positioning System)衛星(図示略)から、利用者の乗車地の位置情報を受信する。
【0043】
通信部101は、外部サーバ20において、利用者を認証し、かつ、認証指示に含まれる利用者の識別情報に紐付けられた差額情報が保持されている場合、当該差額情報を受信する。差額情報は、回数券を用いた前回乗車までに発生した差額の全てと、各差額が算出された時点の日時情報とを含む(
図8参照)。
【0044】
通信部101は、差額判定処理において、外部サーバ20に差額発生情報を送信する。差額発生情報は、回数券を用いた今回乗車で発生した差額と、当該差額が算出された時点の日時情報とを含む。
【0045】
制御部103は、料金管理装置100における処理全体を制御する。具体的には、制御部103は、通信部101、記憶部105、読取部107、測定部109、決済部111、抽出部113、照合部115、料金算出部117、差額算出部119、生成部121、表示部123、及びタリフ検出部125の各々の動作を制御する。
【0046】
制御部103は、タクシー車両10が利用区間を逸脱したか否かを判定する。制御部103は、読取部107が回数券に保持された回数券情報を読み取ったか否かを判定する。制御部103は、タクシー車両10が逸脱区間を移動した場合、差額情報が記憶部105に記憶されているか否かを判定する。
【0047】
記憶部105は、回数券から読み取られた回数券情報を記憶する。記憶部105は、利用者から入力されたパスワードを記憶する。記憶部105は、GPS衛星から受信した、利用者の乗車地の位置情報を記憶する。記憶部105は、料金算出部117により算出されたメータ料金を記憶する。記憶部105は、差額算出部119により算出された差額を記憶する。記憶部105は、外部サーバ20から受信した差額情報を記憶する。
【0048】
読取部107は、乗車時処理において、利用者が所持する回数券から、当該回数券に保持された回数券情報を読み取る。
【0049】
測定部109は、実車時に、メータ料金に含まれるタクシー運賃の算出に用いられる、タクシー車両10の走行距離及び走行時間を測定する。なお、走行距離は、タクシー車両10が実際に走行した距離に対応する。走行時間は、タクシー車両10が実際に走行した時間に対応する。なお、走行時間は、実車時に、渋滞又は赤信号によりタクシー車両10が停止する場合に経過する時間、利用者の都合でタクシー車両10を待機させる場合などに経過する時間も含んでもよい。
【0050】
測定部109は、タクシー車両10が1回乗車分の利用料金で移動可能な利用区間の途中で当該利用区間を逸脱して移動する場合、逸脱区間の距離を測定する。測定部109は、例えば、通信部101を介して、逸脱区間の両端点(例えば、
図15Bの点D及び点E)の位置情報を、GPS衛星から受信する。測定部109は、GPS衛星から受信した逸脱区間の両端点の位置情報から、逸脱区間の両端点の間の距離を算出して、当該逸脱区間の距離を取得する。なお、測定部109は、記憶部105に記憶された地図情報を用いて、逸脱区間の両端点の間の距離を算出して、当該逸脱区間の距離を取得してもよい。
【0051】
測定部109は、タクシー車両10が1回乗車分の利用料金で移動可能な利用区間の途中で当該利用区間を逸脱して移動する場合、利用者の乗車地から利用区間の途中までの中間利用区間の距離を測定する。測定部109は、例えば、通信部101を介して、中間利用区間の両端点(例えば、
図15Bの点A及び点D)の位置情報を、GPS衛星から受信する。測定部109は、GPS衛星から受信した中間利用区間の両端点の位置情報から、中間利用区間の両端点の間の距離を算出して、当該中間利用区間の距離を取得する。なお、測定部109は、記憶部105に記憶された地図情報を用いて、中間利用区間の両端点の間の距離を算出して、当該中間利用区間の距離を取得してもよい。
【0052】
決済部111は、支払時に、利用者から、当該利用者が支払うべきメータ料金の支払いを受け付ける。メータ料金の支払いは、現金、クレジットカード、電子マネーなどで行われる。なお、利用者が支払うべきメータ料金は、支払料金とも呼称される。
【0053】
抽出部113は、乗車時処理において、回数券から読み取られた回数券情報から、利用者の識別情報、1回乗車分の利用料金、利用区間の位置情報、及び利用区間の距離を抽出する。抽出部113は、乗車時処理において、外部サーバ20から受信した差額情報から、回数券を用いた前回乗車までに発生した差額の全てと、各差額が算出された時点の日時情報とを抽出する。
【0054】
照合部115は、乗車時処理において、利用者の乗車地を照合する。具体的には、照合部115は、抽出部113により回数券情報から抽出された利用区間の位置情報から、利用区間の両端点(例えば、
図15A又は
図15Bの点A及び点B)の位置情報を抽出する。照合部115は、抽出した利用区間の両端点の位置情報と、GPS衛星から受信した利用者の乗車地の位置情報とを比較する。
【0055】
照合部115は、利用区間の両端点の位置情報のいずれかの位置情報が、利用者の乗車地の位置情報に一致すると、回数券の利用を許可する。なお、利用者の乗車地が、利用区間の両端点のいずれかの位置から一定範囲内に含まれる場合に、照合部115は、回数券の利用を許可してもよい。
【0056】
料金算出部117は、実車時に、タクシー車両10の走行距離及び走行時間のうちの少なくとも一方に基づいて、メータ料金を算出する。具体的には、料金算出部117は、タクシー車両10の走行距離及び走行時間のうちの少なくとも一方に基づいて、メータ料金に含まれるタクシー運賃を算出する。
【0057】
料金算出部117は、タクシー運賃を算出する際に、迎車料金、予約料金などの付加料金が設定されているか否かを判定する。料金算出部117は、付加料金が設定されている場合、算出したタクシー運賃に対して、付加料金を加算することにより、メータ料金を算出する。料金算出部117は、付加料金が設定されていない場合には、算出したタクシー運賃をメータ料金とする。
【0058】
料金算出部117は、タクシー運賃を算出する際に、深夜早朝割増、障がい者割引などの割増・割引が設定されているか否かを判定してもよい。料金算出部117は、割増・割引が設定されている場合、算出したタクシー運賃に対して、割増又は割引を行うことにより、メータ料金を算出する。料金算出部117は、割増・割引が設定されていない場合には、算出したタクシー運賃をメータ料金とする。
【0059】
本実施形態では、料金算出部117は、タクシー車両10が1回乗車分の利用料金で移動可能な利用区間を移動する場合、当該利用区間における、タクシー車両10の走行距離及び走行時間のうちの少なくとも一方に基づいて、メータ料金を算出する。
【0060】
料金算出部117は、タクシー車両10が1回乗車分の利用料金で移動可能な利用区間を超えて移動する場合、逸脱区間における、タクシー車両10の走行距離及び走行時間のうちの少なくとも一方に基づいて、メータ料金を算出する。
【0061】
料金算出部117は、タクシー車両10が1回乗車分の利用料金で移動可能な利用区間の途中で当該利用区間を逸脱して移動する場合、逸脱区間における、タクシー車両10の走行距離及び走行時間のうちの少なくとも一方に基づいて、メータ料金を算出する。
【0062】
料金算出部117は、差額情報が記憶部105に記憶されている場合、抽出部113によって抽出された、回数券を用いた前回乗車までに発生した差額の全てを用いて、割引金額を算出する。具体的には、料金算出部117は、抽出部113によって抽出された、回数券を用いた前回乗車までに発生した差額の各々について、各差額が算出された時点の日時情報に基づいて、各差額が算出された時点から現在までの経過日数を算出する。料金算出部117は、各差額の経過日数に応じて、各差額を割り引いて、割引後の差額を合計することにより、割引金額を算出する。
【0063】
例えば、料金算出部117は、経過日数が1週間(7日)以内である場合、差額を割り引かず、当該差額の100パーセントの金額を割引金額とする。この場合、利用者に対して、差額の100パーセントが還元される。料金算出部117は、経過日数が1カ月(例えば、30日)以内である場合、差額を50パーセントの金額を割り引いて、当該差額の50パーセントの金額を割引金額とする。この場合、利用者に対して、差額の50パーセントが還元される。料金算出部117は、経過日数が1カ月を超えた場合、差額の80パーセントの金額を割り引いて、当該差額の20パーセントの金額を割引金額とする。この場合、利用者に対して、差額の20パーセントが還元される。
【0064】
料金算出部117は、割引判定処理において、上述した逸脱区間のメータ料金から、算出した割引金額を差し引くことにより、利用者が支払うべきメータ料金を算出する。なお、差額情報が記憶部105に記憶されていない場合には、上述した逸脱区間のメータ料金を、利用者が支払うべきメータ料金とする。
【0065】
料金算出部117は、タクシー車両10が1回乗車分の利用料金で移動可能な利用区間の途中で当該利用区間を逸脱して移動する場合、中間利用区間における、タクシー車両10の走行距離及び走行時間のうちの少なくとも一方に基づいて、メータ料金を算出する。
【0066】
この場合、料金算出部117は、差額判定処理において、抽出部113により抽出された利用区間の距離と、測定部109により測定された中間利用区間の距離との割合に基づいて、1回乗車分の利用料金から、中間利用料金を算出する。具体的には、料金算出部117は、利用区間の距離に対する中間利用区間の距離の割合を算出して、1回乗車分の利用料金に対して、算出された割合を掛けることにより、中間利用料金を算出する。
【0067】
差額算出部119は、差額判定処理において、料金算出部117によって算出されたメータ料金と、1回乗車分の利用料金とを比較する。差額算出部119は、メータ料金が1回乗車分の利用料金よりも安い場合、メータ料金と1回乗車分の利用料金との差額を算出する。
【0068】
差額算出部119は、タクシー車両10が1回乗車分の利用料金で移動可能な利用区間の途中で当該利用区間を逸脱して移動する場合、差額判定処理において、以下の処理を行う。具体的には、料金算出部117によって算出された中間利用区間のメータ料金と、中間利用料金とを比較する。差額算出部119は、中間利用区間のメータ料金が中間利用料金よりも安い場合、中間利用区間のメータ料金と中間利用料金との差額を算出する。
【0069】
生成部121は、差額判定処理において、抽出部113により、回数券情報から抽出された利用者の識別情報と、差額算出部119により算出された差額と、当該差額が算出された時点の日時情報とを含む差額発生情報を生成する。
【0070】
表示部123は、乗車時処理において、外部サーバ20から受信した差額情報を表示する。なお、料金算出部117は、乗車時処理において、上述した割引金額を算出してもよい。この場合、表示部123は、乗車時処理において、料金算出部117により算出された割引金額を表示する。なお、料金算出部117は、利用者からの表示要求に応じて、上述した割引金額を算出してもよい。
【0071】
表示部123は、割引判定処理において、利用者が支払うべきメータ料金を表示する。
【0072】
表示部123は、タクシー車両10の状態を示す、「空車」、「実車」、「支払」、「割増」、「迎車」などのタリフを表示する。表示部123は、例えば、タクシー車両10の運転者からの操作によりタリフが指定されると、指定されたタリフの表示を点灯する。
【0073】
「空車」は、利用者がタクシー車両10に乗車していない状態を示している。「実車」は、利用者がタクシー車両10に乗車して、タクシー車両10がタクシー運賃を算出している状態を示している。「支払」は、利用者がタクシー車両10を降車する際に、タクシー車両10がタクシー運賃を確定する状態を示している。「割増」は、タクシー車両10がタクシー運賃を割り増して算出する状態を示している。「迎車」は、タクシー車両10が利用者に呼ばれて、当該利用者を迎えに行っている状態を示している。例えば、タクシー車両10が配車タブレットを搭載している場合には、配車アプリからの呼び出しに応じて、利用者を迎えに行く。
【0074】
タリフ検出部125は、表示部123を介して、タクシー車両10の運転者により指定されたタリフを検出する。
【0075】
[料金管理装置のハードウェア構成]
次に、料金管理装置100のハードウェア構成について説明する。
図3は、料金管理装置100のハードウェア構成の一例を示す図である。なお、
図1に示したように料金管理装置100は、読取器161及びタクシーメータ200を備えるが、タクシーメータ200は、
図3に示した料金管理装置100のハードウェア構成のうち、読取器161を除いたハードウェア構成をとる。
【0076】
図3に示すように、料金管理装置100は、CPU(Central Processing Unit)151、不揮発性メモリ153、揮発性メモリ155、及びハードディスク157を備える。
【0077】
CPU151は、不揮発性メモリ153に記憶されたプログラムを実行する。CPU151は、当該プログラムに従って、揮発性メモリ155にロードされたデータを演算処理して、料金管理装置100の各部を統括的に制御する。
【0078】
不揮発性メモリ153は、CPU151が実行するプログラム等を記憶する。揮発性メモリ155は、CPU151が不揮発性メモリ153に記憶されたプログラムを実行する際に、演算データを一時的に保持する。
【0079】
ハードディスク157は、OS(Operating System)などの基本ソフトウェア、アプリケーションプログラム、及びこれらに関連したデータを記憶する。ハードディスク157は、回数券から読み取られた回数券情報、利用者から入力されたパスワード、及びGPS衛星から受信した利用者の乗車地の位置情報を記憶する。また、ハードディスク157は、料金算出部117により算出されたメータ料金、及び差額算出部119により算出された差額などを記憶する。更に、ハードディスク157は、外部サーバ20から受信した差額情報を記憶する。
【0080】
図3に示すように、料金管理装置100は、通信器159、読取器161、RTC(REAL-TIME CLOCK)163、及びタッチパネル171を備える。
【0081】
通信器159は、料金管理装置100と外部サーバ20との間において、ネットワーク40を介した無線通信を実行する。通信器159は、料金管理装置100とGPS衛星との間において、無線通信を実行する。
【0082】
読取器161は、リーダなどで構成され、かつ、利用者が所持する回数券から、当該回数券に保持された回数券情報を読み取る。RTC163は、時刻情報を生成する。
【0083】
タッチパネル171は、上述した差額情報、割引金額、利用者が支払うべきメータ料金などを表示する。タッチパネル171は、タクシー車両10の状態を示す、「空車」、「実車」、「支払」、「割増」、「迎車」などのタリフを表示する。例えば、タクシー車両10の運転者は、タッチパネル171上の「実車」という文字が表示された領域を押すことにより、タクシー車両10の状態として、「実車」を指定することができる。
【0084】
図4は、タクシーメータ200の外相の一例を示す図である。
図4に示すように、タッチパネル171は、タクシーメータ200の前面に設けられている。
図4に示した例では、タッチパネル171の中央上側に、利用者が支払うべきメータ料金である「1160円」が表示されている。タッチパネル171の右側には、タクシー車両10の状態を示す、「空車」、「実車」、「支払」、「割増」及び「迎車」のタリフが表示されている。
【0085】
図3に示すように、料金管理装置100は、インタフェースとして、センサI/F165、決済器I/F167、及びカードI/F169を備える。
【0086】
センサI/F165には、車速センサ210が接続される。センサI/F165には、車速センサ210からの速度パルスが入力される。
【0087】
CPU151は、例えば、センサI/F165から入力された速度パルス、及びRTC163から入力された時刻情報を用いて、不揮発性メモリ153又はハードディスク157に記憶された、対応するプログラムを実行する。これにより、料金管理装置100は、タクシー車両10の走行距離及び走行時間を測定することができる。
【0088】
決済器I/F167には、決済器220が接続される。料金管理装置100は、決済器220を介して、利用者が支払うべきメータ料金の支払いを受け付ける。
【0089】
カードI/F169には、メモリカード230が挿抜自在に装着される。メモリカード230には、例えば、タクシー車両10の運行情報が記録される。
【0090】
なお、
図2に示した通信部101は、通信器159によって実現される。
図2示した制御部103は、CPU151、不揮発性メモリ153、及び揮発性メモリ155によって実現される。
図2に示した記憶部105は、ハードディスク157によって実現される。
図2に示した読取部107は、読取器161によって実現される。
【0091】
図2に示した測定部109、決済部111、抽出部113、照合部115、料金算出部117、差額算出部119、生成部121、及びタリフ検出部125の各々は、CPU151が、不揮発性メモリ153又はハードディスク157に記憶された、対応するプログラムを実行することにより実現される。
図2に示した表示部123は、タッチパネル171によって実現される。
【0092】
[外部サーバの機能ブロック構成]
次に、外部サーバ20の機能ブロック構成について説明する。
図5は、外部サーバ20の機能ブロック構成図である。
図5に示すように、外部サーバ20は、通信部301、制御部303、記憶部305、照合部307、回数券情報保持部309、照合情報保持部311、及び差額情報保持部313を備える。
【0093】
通信部301は、外部サーバ20と料金管理装置100との間、及び外部サーバ20と回数券発行装置30との間で通信を実行する。
【0094】
通信部301は、料金管理装置100から、認証指示及び差額発生情報を受信する。通信部301は、照合結果及び差額情報を料金管理装置100に送信する。
【0095】
通信部301は、回数券発行装置30から、登録要求、回数券情報、及び回数券再購入情報を受信する。なお、回数券再購入情報は、利用者の識別情報と、当該利用者のパスワードとを含む。通信部301は、照合結果及び差額情報を回数券発行装置30に送信する。
【0096】
制御部303は、外部サーバ20における処理全体を制御する。具体的には、制御部303は、通信部301、記憶部305、照合部307、回数券情報保持部309、照合情報保持部311、及び差額情報保持部313の各々の動作を制御する。
【0097】
記憶部305は、外部サーバ20の動作に必要なプログラム及びデータを記憶する。
【0098】
照合部307は、通信部301が、料金管理装置100から認証指示を受信すると、認証指示に含まれる利用者の識別情報を抽出して、照合情報テーブルから、抽出した利用者の識別情報に紐付けられた、当該利用者のパスワードを取得する。照合部307は、認証指示に含まれる利用者のパスワードと、照合情報テーブルから取得した利用者のパスワードとを照合して、通信部301を介して、照合結果を料金管理装置100に送信する。
【0099】
照合部307は、認証指示に含まれる利用者のパスワードが、照合情報テーブルから取得した利用者のパスワードに一致する場合、照合結果として、利用者の認証を料金管理装置100に送信する。
【0100】
照合部307は、認証指示に含まれる利用者のパスワードが、照合情報テーブルから取得した利用者のパスワードに一致しない場合、照合結果として、利用者の非認証を料金管理装置100に送信する。
【0101】
照合部307は、利用者の認証を行い、かつ、差額情報保持部313が、認証指示に含まれる利用者の識別情報に紐付けられた差額情報を保持している場合、通信部301を介して、当該差額情報を料金管理装置100に送信する。
【0102】
照合部307は、通信部301が、回数券発行装置30から回数券再購入情報を受信すると、回数券再購入情報に含まれる利用者の識別情報を抽出して、照合情報テーブルから、抽出した利用者の識別情報に紐付けられた、当該利用者のパスワードを取得する。照合部307は、回数券再購入情報に含まれる利用者のパスワードと、照合情報テーブルから取得した利用者のパスワードとを照合して、通信部301を介して、照合結果を回数券発行装置30に送信する。
【0103】
照合部307は、認証指示に含まれる利用者のパスワードが、照合情報テーブルから取得した利用者のパスワードに一致する場合、照合結果として、利用者の認証を回数券発行装置30に送信する。
【0104】
照合部307は、認証指示に含まれる利用者のパスワードが、照合情報テーブルから取得した利用者のパスワードに一致しない場合、照合結果として、利用者の非認証を回数券発行装置30に送信する。
【0105】
照合部307は、利用者の認証を行い、かつ、差額情報保持部313が、認証指示に含まれる利用者の識別情報に紐付けられた差額情報を保持している場合、通信部301を介して、当該差額情報を回数券発行装置30に送信する。
【0106】
回数券情報保持部309は、回数券情報テーブルを保持する。
図6は、回数券情報テーブルの一例を示す図である。
図6に示すように、利用者の識別情報ID1は、回数券の識別情報N1、1回乗車分の利用料金の値1600、利用区間の位置情報A1‐B1、及び利用区間の距離の値5000からなるコンテンツ情報に紐付けられている。同様に、利用者の識別情報ID1は、回数券の識別情報N2、1回乗車分の利用料金の値1600、利用区間の位置情報A1‐B1、及び利用区間の距離の値5000からなるコンテンツ情報に紐付けられている。このように、
図6の例では、回数券情報保持部309は、利用者の識別情報ID1について、複数枚の回数券の回数券情報を保持している。
【0107】
回数券情報保持部309は、通信部301が、回数券発行装置30から回数券情報を受信すると、次の処理を行う。具体的には、回数券情報保持部309は、回数券情報に含まれる利用者の識別情報に対して、回数券情報に含まれるコンテンツ情報を紐付けて、当該利用者の回数券情報として、回数券情報テーブルに追加する。
【0108】
照合情報保持部311は、照合情報テーブルを保持する。
図7は、照合情報テーブルの一例を示す図である。
図7に示すように、利用者の識別情報ID1は、パスワードaaabbに紐付けられている。
【0109】
照合情報保持部311は、通信部301が、回数券発行装置30から登録要求を受信すると、次の処理を行う。具体的には、照合情報保持部311は、登録要求に含まれる利用者の識別情報に対して、登録要求に含まれる利用者のパスワードを紐付けて、利用者の照合情報として、照合情報テーブルに追加する。
【0110】
差額情報保持部313は、差額情報テーブルを保持する。
図8は、差額情報テーブルの一例を示す図である。
図8に示すように、利用者の識別情報ID1は、差額の値100、及び日時情報2021/9/1に紐付けられている。同様に、利用者の識別情報ID1は、差額の値30、及び日時情報2021/9/15に紐付けられている。このように、
図8の例では、差額情報保持部313は、利用者の識別情報ID1について、複数の差額と複数の日時情報を保持している。
【0111】
差額情報保持部313は、通信部301が、料金管理装置100から差額発生情報を受信すると、差額発生情報に含まれる利用者の識別情報に紐付けられた差額情報が存在するか否かを判定する。差額情報保持部313は、利用者の識別情報に紐付けられた差額情報が存在しない場合、当該利用者の識別情報に対して、差額発生情報に含まれる差額及び日時情報を紐付けて、当該利用者の差額情報として、差額情報テーブルに追加する。差額情報保持部313は、利用者の識別情報に紐付けられた差額情報が存在する場合、当該利用者の識別情報に紐付けられた差額情報に、差額発生情報に含まれる差額及び日時情報を記録する。
【0112】
[回数券発行装置]
次に、回数券発行装置30の機能ブロック構成について説明する。
図9は、回数券発行装置30の機能ブロック構成図である。
図9に示すように、回数券発行装置30は、通信部401、制御部403、記憶部405、決済部407、入力部409、識別情報生成部411、回数券情報生成部413、回数券発行部415、再購入処理部417、及び算出部419を備える。
【0113】
通信部401は、登録要求、回数券情報、及び回数券再購入情報を、外部サーバ20に送信する。通信部401は、外部サーバ20から、照合結果及び差額情報を受信する。
【0114】
制御部403は、回数券発行装置30における処理全体を制御する。具体的には、制御部403は、通信部401、記憶部405、決済部407、入力部409、識別情報生成部411、回数券情報生成部413、回数券発行部415、再購入処理部417、及び算出部419の各々の動作を制御する。
【0115】
記憶部405は、外部サーバ20の動作に必要なプログラム及びデータを記憶する。
【0116】
決済部407は、利用者から、回数券料金の支払いを受け付ける。回数券料金の支払いは、現金、クレジットカード、電子マネーなどで行われる。
【0117】
入力部409は、回数券の購入時に、利用者が回数券料金を支払う際に、利用者からパスワードの設定を受け付ける。入力部409は、設定された利用者のパスワードを識別情報生成部411に出力する。
【0118】
入力部409は、回数券の再購入時に、利用者から、利用者の識別情報、及び当該利用者のパスワード受け付ける。入力部409は、利用者の識別情報、及び当該利用者のパスワードを再購入処理部417に出力する。
【0119】
識別情報生成部411は、利用者のパスワードが入力部409から入力されると、当該利用者の識別情報を生成する。識別情報生成部411は、利用者の識別情報を生成すると、生成した利用者の識別情報と、入力された利用者のパスワードとを含む登録要求を、通信部401を介して外部サーバ20に送信する。
【0120】
識別情報生成部411は、利用者の識別情報を生成すると、生成した利用者の識別情報を回数券情報生成部413に出力する。
【0121】
なお、識別情報生成部411は、出力部(図示略)を介して、生成した利用者の識別情報を、利用者に提示する。利用者は、当該識別情報を用いて、回数券の再購入を行う。
【0122】
回数券情報生成部413は、利用者の識別情報が識別情報生成部411から入力されると、当該利用者の識別情報に対して、回数券の識別情報、1回乗車分の利用料金、利用区間の位置情報、及び利用区間の距離を紐付けて、回数券情報を生成する。なお、回数券情報生成部413は、回数券の再購入時にも、回数券情報を生成する。
【0123】
図10は、回数券情報の一例を示す図である。
図10に示すように、利用者の識別情報ID1は、回数券の識別情報N1、1回乗車分の利用料金の値1600、利用区間の位置情報A1‐B1、及び利用区間の距離の値5000に紐付けられている。
【0124】
回数券情報生成部413は、回数券情報を生成すると、生成した回数券情報を、通信部401を介して外部サーバ20に送信する。
【0125】
回数券発行部415は、回数券情報生成部413により生成された回数券情報を回数券に保持して、当該回数券を発行する。
【0126】
再購入処理部417は、回数券の再購入時に、入力部409から入力された、利用者の識別情報と、当該利用者のパスワードとを含む回数券再購入情報を、通信部401を介して外部サーバ20に送信する。
【0127】
算出部419は、通信部401を介して、照合結果及び差額情報を外部サーバ20から受信すると、当該差額情報を用いて、割引金額を算出する。算出部419は、回数券料金から、算出した割引金額を差し引くことにより、利用者が支払うべき回数券料金を算出する。算出された回数券料金は、表示部(図示略)に表示される。なお、算出部419が、差額情報を外部サーバ20から受信しない場合には、回数券料金の割引を行わない。また、回数券料金から算出した割引金額を差し引くことより算出された、利用者が支払うべき回数券料金は、割引適用金額とも呼称される。
【0128】
[料金管理システムの動作]
次に、料金管理システム1の動作を説明する。具体的には、料金管理装置100による料金管理手順、外部サーバ20及び回数券発行装置30による回数券購入手順、及び外部サーバ20及び回数券発行装置30による回数券購入手順を、順に説明する。
【0129】
[料金管理手順]
最初に、料金管理装置100による料金管理手順を説明する。
図11は、料金管理手順のフローチャートの一例を示す図である。
図11に示すように、料金管理装置100は、利用者がタクシー車両10に乗車すると、乗車時処理(
図12参照)を実行する(S1)。なお、本実施形態では、利用者は、回数券を用いて、タクシー車両10で移動を行う。
【0130】
乗車時処理の実行後に、タクシー車両10の運転手が、表示部123に表示された「実車」のタリフを指定すると、料金管理装置100において、タリフ検出部125は、「実車」のタリフが指定されたことを検出する。これにより、タクシー車両10の状態が「実車」に設定される(S3)。料金管理装置100において、タクシー車両10の状態が「実車」に設定されると、料金算出部117は、タクシー車両10の走行距離及び走行時間のうちの少なくとも一方に基づいて、タクシー運賃を算出する。
【0131】
タクシー車両10の運転手は、タクシー車両10が利用者の目的地に到着すると、表示部123に表示された「支払」のタリフを指定する。
【0132】
料金管理装置100において、タリフ検出部125は、「支払」のタリフが指定されたか否かを判定する(S5)。タリフ検出部125が、「支払」のタリフが指定されていないと判定すると、料金算出部117は、タクシー車両10の走行距離及び走行時間のうちの少なくとも一方に基づいて、メータ料金を算出し続ける。
【0133】
タリフ検出部125が、「支払」のタリフが指定されたと判定されると、料金算出部117は、メータ料金の算出を停止する。料金算出部117が、タクシー運賃の算出を停止すると、料金管理装置100は、差額判定処理(
図13参照)を実行する(S7)。
【0134】
差額判定処理の実行後に、料金管理装置100において、制御部103は、タクシー車両10が利用区間を逸脱したか否かを判定する(S9)。具体的には、制御部103は、利用区間の両端点の位置情報、及び利用者の降車地の位置情報を、通信部101を介してGPS衛星から受信する。
【0135】
制御部103は、利用者の降車地の位置情報が、利用区間の両端点の位置情報のいずれかの位置情報に一致する場合、利用区間を逸脱していないと判定する。制御部103は、利用者の降車地の位置情報が、利用区間の両端点の位置情報のいずれかの位置情報にも一致しない場合、利用区間を逸脱したと判定する。なお、制御部103は、利用者の降車地が、利用区間の両端点のいずれかの位置から一定範囲内に含まれるか否かを判定してもよい。
【0136】
制御部103が、タクシー車両10が利用区間を逸脱したと判定する場合、料金管理装置100は、割引判定処理(
図14参照)を実行する(S11)。
【0137】
タクシー車両10の運転手は、利用者が、利用者が支払うべきメータ料金(支払金額)を支払って降車すると、表示部123に表示された「空車」のタリフを指定する。
【0138】
割引判定処理の実行後に、料金管理装置100において、タリフ検出部125が、「空車」のタリフが指定されたことを検出する(S13)と、制御部103は、乗車時処理、差額判定処理、及び割引判定処理にて、記憶部105に記憶した各種情報を削除する。料金管理装置100は、制御部103が各種情報を削除すると、料金管理手順を終了する。なお、制御部103は、情報の保存を外部から指示されると、乗車時処理、差額判定処理、及び割引判定処理にて、記憶部105に記憶した各種情報を維持してもよい。
【0139】
[乗車時処理]
次に、料金管理手順における乗車時処理を説明する。
図12は、乗車時処理のフローチャートの一例を示す図である。
図12に示すように、利用者がタクシー車両10に乗車する(S21)と、利用者は、回数券に保持された回数券情報を、料金管理装置100の読取部107に読み取らせ、かつ、パスワードを入力部(図示略)に入力する。
【0140】
料金管理装置100において、制御部103は、読取部107が、回数券に保持された回数券情報を読み取ったか否かを判定する(S23)。制御部103は、読取部107が回数券情報を読み取っていないと判定する場合、乗車時処理を終了する。
【0141】
制御部103は、読取部107が回数券情報を読み取ったと判定する場合、当該回数券情報から、利用者の識別情報を抽出するように、抽出部113に指示する。抽出部113は、当該指示により、回数券情報から、利用者の識別情報を抽出する。なお、読取部107は、回数券情報を読み取ると、当該回数券情報を記憶部105に記憶させる。また、抽出部113は、利用者の識別情報を抽出すると、当該利用者の識別情報を記憶部105に記憶させる。
【0142】
制御部103は、抽出された利用者の識別情報と、入力された利用者のパスワードとを含む認証指示を、外部サーバ20に送信するように、通信部101に指示する。通信部101は、当該指示により、外部サーバ20に認証指示を送信する(S25)。
【0143】
外部サーバ20において、照合部307は、通信部301が、料金管理装置100から認証指示を受信すると、認証指示に含まれる利用者の識別情報を抽出する。照合部307は、照合情報保持部311に保持された照合情報テーブルから、抽出した利用者の識別情報に紐付けられた、当該利用者のパスワードを取得する。照合部307は、認証指示に含まれる利用者のパスワードと、照合情報テーブルから取得した利用者のパスワードとを照合する(S27)。照合部307は、通信部301を介して、照合結果を料金管理装置100に送信する(S29)。
【0144】
照合部307は、利用者が認証され、かつ、差額情報保持部313が、認証指示に含まれる利用者の識別情報に紐付けられた差額情報を保持している場合、通信部301を介して、当該差額情報を料金管理装置100に送信する(S31)。照合部307は、利用者が認証されない場合、又は差額情報保持部313が、認証指示に含まれる利用者の識別情報に紐付けられた差額情報を保持していない場合には、差額情報を料金管理装置100には送信しない。
【0145】
料金管理装置100において、制御部103は、通信部101が、照合結果として利用者の認証を外部サーバ20から受信すると、利用者の乗車地を照合するように、照合部115に指示する。照合部115は、当該指示により、利用者の乗車地を照合する(S33)。
【0146】
なお、制御部103は、通信部101が、照合結果として利用者の非認証を外部サーバ20から受信すると、乗車時処理を終了する。この場合、利用者は、回数券を利用して、利用区間をタクシー車両10で移動することはできない。
【0147】
料金管理装置100において、制御部103は、照合部115が、利用者の乗車地の照合を行い、回数券の利用を許可すると、記憶部105に記憶された回数券情報から、1回乗車分の利用料金を抽出するように、抽出部113に指示する。抽出部113は、当該指示により、記憶部105に記憶された回数券情報から、1回乗車分の利用料金を抽出する(S35)。抽出部113は、1回乗車分の利用料金を抽出すると、当該1回乗車分の利用料金を記憶部105に記憶させる。
【0148】
なお、制御部103は、照合部115が、利用者の乗車地の照合を行い、回数券の利用を許可しない場合、乗車時処理を終了する。この場合、利用者は、回数券を利用して、利用区間をタクシー車両10で移動することはできない。
【0149】
料金管理装置100において、通信部101は、差額情報を受信すると、当該差額情報を記憶部105に記憶させる。制御部103は、通信部101が、差額情報を受信すると、記憶部105に記憶された差額情報から、回数券を用いた前回乗車までに発生した差額の全てと、各差額が算出された時点の日時情報とを抽出するように、抽出部113に指示する。抽出部113は、当該指示により、記憶部105に記憶された差額情報から、回数券を用いた前回乗車までに発生した差額の全てと、各差額が算出された時点の日時情報とを抽出する(S37)。なお、抽出部113は、回数券を用いた前回乗車までに発生した差額の全てと、各差額が算出された時点の日時情報とを抽出すると、当該差額及び当該日時情報を記憶部105に記憶させる。
【0150】
料金管理装置100において、制御部103は、記憶部105に記憶された回数券情報を表示部123に表示させる(S39)。
【0151】
[差額判定処理]
次に、料金管理手順における差額判定処理を説明する。
図13は、差額判定処理のフローチャートの一例を示す図である。
図13に示すように、料金管理装置100において、制御部103は、料金算出部117によって算出されたメータ料金が、記憶部105に記憶された1回乗車分の利用料金より安いか否かを判定するように、差額算出部119に指示する。差額算出部119は、当該指示により、料金算出部117によって算出されたメータ料金が、記憶部105に記憶された1回乗車分の利用料金より安いか否かを判定する(S51)。
【0152】
料金管理装置100において、制御部103は、差額算出部119が、メータ料金が1回乗車分の利用料金より安くないと判定すると、差額判定処理を終了する。
【0153】
料金管理装置100において、制御部103は、差額算出部119が、メータ料金が1回乗車分の利用料金より安いと判定すると、メータ料金と1回乗車分の利用料金との差額を算出するように、差額算出部119に指示する。差額算出部119は、当該指示により、メータ料金と1回乗車分の利用料金との差額を算出する(S53)。なお、差額算出部119は、差額を算出すると、当該差額を記憶部105に記憶させる。
【0154】
料金管理装置100において、制御部103は、差額算出部119が、メータ料金と1回乗車分の利用料金との差額を算出すると、差額発生情報を生成するように、生成部121に指示する。生成部121は、当該指示により、差額発生情報を生成する。なお、差額発生情報は、記憶部105に記憶された利用者の識別情報と、差額算出部119に算出された差額と、当該差額が算出された時点の日時情報とを含む。
【0155】
料金管理装置100において、制御部103は、生成部121が差額発生情報を生成すると、当該差額発生情報を外部サーバ20に送信するように、通信部101に指示する。通信部101は、当該指示により、差額発生情報を外部サーバ20に送信する(S55)。
【0156】
外部サーバ20において、差額情報保持部313は、通信部301が、差額発生情報を受信すると、当該差額発生情報に含まれる利用者の識別情報に紐付けられた差額情報が存在するか否かを判定する。差額情報保持部313は、利用者の識別情報に紐付けられた差額情報が存在しない場合、当該利用者の識別情報に対して、差額発生情報に含まれる差額及び日時情報を紐付けて、当該利用者の差額情報として、差額情報テーブルに追加する。差額情報保持部313は、利用者の識別情報に紐付けられた差額情報が存在する場合、当該利用者の識別情報に紐付けられた差額情報に、差額発生情報に含まれる差額及び日時情報を記録する(S57)。
【0157】
なお、1回乗車分の利用料金は、第1利用料金とも呼称される。料金算出部117によって算出されたメータ料金は、第2利用料金とも呼称される。1回乗車分の利用料金で移動可能な利用区間は、第1区間とも呼称される。
【0158】
また、S53において、差額算出部119は、タクシー車両10が1回乗車分の利用料金で移動可能な利用区間の途中で当該利用区間を逸脱して移動する場合、次の処理を行う。具体的には、差額算出部119は、料金算出部117によって算出された中間利用区間のメータ料金と、料金算出部117によって算出された中間利用料金とを比較する。差額算出部119は、中間利用区間のメータ料金が中間利用料金よりも安い場合、中間利用区間のメータ料金と中間利用料金との差額を算出する。
【0159】
上述したように、中間利用区間は、1回乗車分の利用料金で移動可能な利用区間の途中までの区間である(例えば、
図15Bの点Aと点Dとの間の区間)。また、上述したように、中間利用料金は、利用区間の距離と中間利用区間の距離との割合に基づいて、1回乗車分の利用料金から算出された料金である。
【0160】
この場合、1回乗車分の利用料金で移動可能な利用区間の途中までの区間(中間利用区間)は、第4区間とも呼称される。利用区間の距離と中間利用区間の距離との割合に基づいて、1回乗車分の利用料金から算出された料金(中間利用料金)は、第5利用料金とも呼称される。1回乗車分の利用料金で移動可能な利用区間の途中までの区間(中間利用区間)における、料金算出部117によって算出されたメータ料金は、第6利用料金とも呼称される。
【0161】
[割引判定処理]
次に、料金管理手順における割引判定処理を説明する。
図14は、割引判定処理のフローチャートの一例を示す図である。
図14に示すように、料金管理装置100において、制御部103は、逸脱区間におけるメータ料金を算出するように、料金算出部117に指示する。料金算出部117は、当該指示により、逸脱区間におけるメータ料金を算出する(S71)。なお、料金算出部117は、逸脱区間におけるメータ料金を算出すると、当該メータ料金を記憶部105に記憶させる。
【0162】
図15Aは、割引判定処理が適用される逸脱区間の第1例を示す図である。
図15Aの点A及び点Bは、回数券を用いてタクシー車両10で移動可能な利用区間の両端点を表している。このように、利用区間は、点Aと点Bとの間の区間である。
【0163】
図15Aの点Cは、タクシー車両10が利用区間を超えて移動して、利用者が降車した地点を表している。このように、逸脱区間の第1例は、タクシー車両10が1回乗車分の利用料金で移動可能な利用区間を超えて移動する場合を示している。この場合、逸脱区間は、点Bと点Cとの間の区間である。
【0164】
逸脱区間の第1例では、料金算出部117は、点Bと点Cとの間の区間における、タクシー車両10の走行距離及び走行時間のうちの少なくとも一方に基づいて、メータ料金を算出する。
【0165】
図15Bは、割引判定処理が適用される逸脱区間の第2例を示す図である。
図15Bの点A及び点Bは、回数券を用いてタクシー車両10で移動可能な利用区間の両端点を表している。このように、利用区間は、点Aと点Bとの間の区間である。
【0166】
図15Bの点Dは、タクシー車両10が利用区間の途中で、当該利用区間を逸脱した地点を表している。
図15Bの点Eは、タクシー車両10が利用区間の途中で、当該利用区間を逸脱して移動して、利用者が降車した地点を表している。このように、逸脱区間の第2例は、タクシー車両10が1回乗車分の利用料金で移動可能な利用区間の途中で当該利用区間を逸脱して移動する場合を示している。この場合、逸脱区間は、点Dと点Eとの間の区間である。また、中間利用区間は、点Aと点Dとの間の区間である。
【0167】
逸脱区間の第2例では、料金算出部117は、点Dと点Eとの間の区間における、タクシー車両10の走行距離及び走行時間のうちの少なくとも一方に基づいて、メータ料金を算出する。
【0168】
制御部103は、料金算出部117が、逸脱区間におけるメータ料金を算出すると、差額情報が記憶部105に記憶されているか否かを判定する(S73)。制御部103は、差額情報が記憶部105に記憶されている場合、割引金額を算出するように、料金算出部117に指示する。料金算出部117は、当該指示により、割引金額の算出を行う(S75)。
【0169】
具体的には、料金算出部117は、記憶部105に記憶された、回数券を用いた前回乗車までに発生した差額の全てを用いて、割引金額を算出する。なお、回数券を用いた前回乗車までに発生した差額が1つのみ記憶部105に記憶されている場合には、料金算出部117は、当該1つの差額を用いて、割引金額を算出する。
【0170】
制御部103は、料金算出部117が割引金額を算出すると、記憶部105に記憶された逸脱区間におけるメータ料金から、算出した割引金額を差し引くことにより、利用者が支払うべきメータ料金を算出するように、料金算出部117に指示する。料金算出部117は、当該指示により、逸脱区間におけるメータ料金から割引金額を差し引くことにより、利用者が支払うべきメータ料金(支払金額)を算出する(S77)。なお、料金算出部117は、算出した支払金額を記憶部105に記憶させる。
【0171】
制御部103は、差額情報が記憶部105に記憶されていない場合、記憶部105に記憶された逸脱区間におけるメータ料金を、利用者が支払うべきメータ料金(支払金額)とするように、料金算出部117に指示する。
【0172】
制御部103は、記憶部105に記憶された支払料金を表示部123に表示させる(S79)。
【0173】
なお、1回乗車分の利用料金で移動可能な利用区間を超えた区間(例えば、
図15Aの点Bと点Cと間の区間)は、第2区間とも呼称される。1回乗車分の利用料金で移動可能な利用区間を超えた区間(例えば、
図15Aの点Bと点Cと間の区間)における、料金算出部117によって算出されたメータ料金は、第3利用料金とも呼称される。
【0174】
また、1回乗車分の利用料金で移動可能な利用区間の途中で当該利用区間から逸脱した区間(例えば、
図15Bの点Dと点Eとの間の区間)は、第3区間とも呼称される。1回乗車分の利用料金で移動可能な利用区間の途中で当該利用期間から逸脱した区間(例えば、
図15Bの点Dと点Eと間の区間)における、料金算出部117によって算出されたメータ料金は、第4利用料金とも呼称される。
【0175】
[回数券購入手順]
次に、外部サーバ20及び回数券発行装置30による回数券購入手順を説明する。
図16は、回数券購入手順のフローチャートの一例を示す図である。
図16に示すように、回数券発行装置30において、回数券発行処理が行われる(S91)。
【0176】
具体的には、決済部407は、利用者から、回数券料金の支払いを受け付ける。入力部409は、利用者から、パスワードの設定を受け付ける。
【0177】
識別情報生成部411は、利用者のパスワードが入力部409から入力されると、当該利用者の識別情報を生成する。識別情報生成部411は、出力部(図示略)を介して、生成した利用者の識別情報を、利用者に提示する。
【0178】
回数券情報生成部413は、利用者の識別情報が識別情報生成部411から入力されると、当該利用者の識別情報に対して、回数券の識別情報、1回乗車分の利用料金、利用区間の位置情報、及び利用区間の距離を紐付けて、回数券情報を生成する。なお、回数券の識別情報、1回乗車分の利用料金、利用区間の位置情報、及び利用区間の距離は、コンテンツ情報と呼称される。
【0179】
回数券発行部415は、回数券情報生成部413により生成された回数券情報を回数券に保持して、当該回数券を発行する。
【0180】
回数券発行装置30において、識別情報生成部411は、利用者の識別情報を生成すると、生成した利用者の識別情報と、入力された利用者のパスワードとを含む登録要求を、通信部401を介して外部サーバ20に送信する(S93)。
【0181】
外部サーバ20において、照合情報保持部311は、通信部301が、回数券発行装置30から登録要求を受信すると、次の処理を行う。具体的には、照合情報保持部311は、登録要求に含まれる利用者の識別情報に対して、登録要求に含まれる利用者のパスワードを紐付けて、利用者の照合情報として、照合情報テーブルに追加する(S95)。
【0182】
回数券発行装置30において、回数券情報生成部413は、回数券情報を生成すると、生成した回数券情報を、通信部401を介して外部サーバ20に送信する(S97)。
【0183】
外部サーバ20において、回数券情報保持部309は、通信部301が、回数券発行装置30から回数券情報を受信すると、次の処理を行う。具体的には、回数券情報保持部309は、回数券情報に含まれる利用者の識別情報に対して、回数券情報に含まれるコンテンツ情報を紐付けて、当該利用者の回数券情報として、回数券情報テーブルに追加する(S99)。
【0184】
[回数券再購入手順]
次に、外部サーバ20及び回数券発行装置30による回数券再購入手順を説明する。
図17は、回数券再購入手順のフローチャートの一例を示す図である。
図17に示すように、回数券発行装置30において、利用者の入力が行われる(S111)。具体的には、入力部409は、利用者から、利用者の識別情報、及び当該利用者のパスワードを受け付ける。
【0185】
回数券発行装置30において、再購入処理部417は、入力部409に入力された、利用者の識別情報と、当該利用者のパスワードとを含む回数券再購入情報を、通信部401を介して外部サーバ20に送信する(S113)。
【0186】
外部サーバ20において、照合部307は、通信部301が、回数券発行装置30から回数券再購入情報を受信すると、回数券再購入情報に含まれる利用者の識別情報を抽出する。照合部307は、照合情報保持部311に保持された照合情報テーブルから、抽出した利用者の識別情報に紐付けられた、当該利用者のパスワードを取得する。照合部307は、認証指示に含まれる利用者のパスワードと、照合情報テーブルから取得した利用者のパスワードとを照合する(S115)。照合部307は、通信部301を介して、照合結果を回数券発行装置30に送信する(S117)。
【0187】
照合部307は、利用者が認証され、かつ、差額情報保持部313が、回数券再購入情報に含まれる利用者の識別情報に紐付けられた差額情報を保持している場合、通信部301を介して、当該差額情報を回数券発行装置30に送信する(S119)。照合部307は、利用者が認証されない場合、又は差額情報保持部313が、回数券再発行情報に含まれる利用者の識別情報に紐付けられた差額情報を保持していない場合には、差額情報を回数券発行装置30には送信しない。
【0188】
回数券発行装置30において、算出部419は、通信部401が、照合結果として利用者の認証を外部サーバ20から受信し、かつ、差額情報を外部サーバ20から受信すると、当該差額情報を用いて、割引金額を算出する(S121)。なお、差額の割引率は、回数券購入から回数券再購入までの期間に応じて異なる。
【0189】
回数券発行装置30において、算出部419は、更に、回数券料金から、算出した割引金額を差し引くことにより、利用者が支払うべき回数券料金(割引適用金額)を算出する(S123)。算出された回数券料金(割引適用金額)は、表示部(図示略)に表示される(S125)。
【0190】
[作用・効果]
本実施形態によれば、料金管理装置100は、回数券を用いて利用区間をタクシー車両10で移動することができる回数券システムに用いられ、かつ、通信部101、読取部107、抽出部113、料金算出部117、差額算出部119、及び生成部121を備える。
【0191】
読取部107は、タクシー車両10に乗車する利用者が所持する回数券から、当該回数券に保持された回数券情報を読み取る。抽出部113は、回数券情報から、利用者が回数券を購入するために事前に支払った金額(回数券料金)のうち、1回乗車分の第1利用料金を抽出する。料金算出部117は、タクシー車両10が、第1利用料金で移動可能な第1区間を移動する場合、第1区間において、タクシー車両10が実際に走行した距離と時間とのうちの少なくとも一方に基づいて、第2利用料金を算出する。差額算出部119は、第2利用料金が第1利用料金よりも安い場合、第1利用料金と第2利用料金との差額を算出する。
【0192】
生成部121は、回数券情報に含まれる利用者の識別情報と、差額と、差額が算出された時点の日時情報とを含む差額発生情報を生成する。通信部101は、タクシー車両10の外部に対して、差額発生情報を送信する。タクシー車両10の外部において、差額発生情報に含まれる差額及び日時情報は、利用者の識別情報に紐付けされた差額情報に記録される。
【0193】
このような構成により、第2利用料金が第1利用料金よりも安い場合には、第1利用料金と第2利用料金との差額を、利用者に還元することができる。このため、利用者は、車両に乗車する前に、第1区間の交通状況などを確認して、回数券を用いて、第1区間を車両で移動するか否かを判断する必要がないため、利用者の負担を抑えることができる。
【0194】
また、今回乗車時の第1利用料金と第2利用料金との差額を、タクシー車両10の外部にて、利用者の識別情報に紐付けされた差額情報に記憶することにより、当該差額は、次回乗車時の支払い、又は次回の回数券の購入に利用され得る。このため、利用者による回数券の購入を促進することができる。
【0195】
したがって、回数券を用いて利用区間をタクシー車両10で移動することができる回数券システムにおいて、利用者の負担を抑えて、回数券の購入を促進し得る。
【0196】
本実施形態によれば、料金管理装置100は、利用者の降車時に、当該利用者が支払うべき支払金額を表示する表示部123を更に備える。通信部101は、タクシー車両10の外部に対して、回数券情報に含まれる利用者の識別情報を送信し、当該利用者の識別情報に紐付けられた差額情報を受信する。抽出部113は、前回乗車までに当該差額情報に記録された1つ以上の差額を抽出する。
【0197】
タクシー車両10が、第1区間を超えて移動する場合、料金算出部117は、第1区間を超えた第2区間において、タクシー車両10が実際に走行した距離と時間とのうちの少なくとも一方に基づいて、第3利用料金を算出する。料金算出部117は、1つ以上の差額を用いて算出した割引金額を、第3利用料金から差し引くことにより、支払金額を算出する。表示部123は、算出された支払金額を表示する。
【0198】
現在の回数券システムでは、利用者は、利用区間の両端点のうちの一方の地点で、タクシー車両10に乗車し、かつ、利用区間の両端点のうちの他方の地点で、タクシー車両10を降車する場合のみ、回数券を用いて、タクシー車両10で移動することができる。このため、利用者が、利用区間の両端点のうちの一方の地点にて、タクシー車両10に乗車した後、利用者の都合で、利用区間の両端点のうちの他方の地点とは異なる地点で降車した場合には、回数券を用いて、タクシー車両10で移動することができない。この場合、利用者は、一方の地点と、他方の地点とは異なる地点との間の区間におけるメータ料金を、現金、クレジット、電子マネーなどで支払う必要がある。
【0199】
これに対して、本実施形態では、上述した構成により、利用者が、利用区間の両端点のうちの一方の地点にて、タクシー車両10に乗車した後、利用者の都合で、利用区間の両端点のうちの他方の地点とは異なる地点で降車した場合でも、回数券を用いることできる。具体的には、利用者は、利用区間(第1区間)では、回数券料金のうちの1回乗車分の第1利用料金で精算を行う。利用者は、利用区間を超えた区間(第2区間)では、前回乗車までに差額情報に記録された差額を用いて算出した割引金額で、第2区間におけるメータ料金の少なくとも一部を精算することができる。
【0200】
したがって、回数券を用いて利用区間をタクシー車両10で移動することができる回数券システムにおいて、利用者の回数券利用に対する利便性を向上させることができる。
【0201】
なお、利用者が、利用区間の両端点のうちの一方の地点にて、タクシー車両10に乗車した後、利用者の都合により、利用区間内の地点で降車した場合には、回数券料金のうちの1回乗車分の第1利用料金で精算となるため、上述した割引金額は適用されない。
【0202】
本実施形態によれば、タクシー車両10が、第1区間を逸脱して移動する場合、料金算出部117は、第1区間から逸脱した第3区間において、タクシー車両10が実際に走行した距離と時間とのうちの少なくとも一方に基づいて、第4利用料金を算出する。料金算出部117は、1つ以上の差額を用いて算出した割引金額を、第4利用料金から差し引くことにより、支払金額を算出する。表示部123は、算出された支払金額を表示する。
【0203】
このような構成により、利用者が、利用区間の両端点のうちの一方の地点にて、タクシー車両10に乗車した後、利用者の都合で、利用区間の途中で逸脱して移動し、両端点のうちの他方の地点とは異なる地点で降車した場合でも、回数券を用いることできる。具体的には、利用者は、利用区間の途中までは、回数券料金のうちの1回乗車分の第1利用料金の一部で精算を行う。利用者は、利用区間を逸脱した区間(第3区間)では、前回乗車までに差額情報に記録された差額を用いて算出した割引金額で、第3区間におけるメータ料金の少なくとも一部を精算することができる。
【0204】
したがって、回数券を用いて利用区間をタクシー車両10で移動することができる回数券システムにおいて、利用者の回数券利用に対する利便性を更に向上させることができる。
【0205】
本実施形態によれば、料金管理装置100は、第1区間の途中までの第4区間の距離を測定する測定部109を、更に備える。抽出部113は、回数券情報から、前記第1区間の距離を抽出する。料金算出部117は、第1区間の距離と第4区間の距離との割合に基づいて、第1利用料金から第5利用料金を算出する。料金算出部117は、第4区間において、車両が実際に走行した距離と時間とのうちの少なくとも一方に基づいて、第6利用料金を算出する。
【0206】
差額算出部119は、第6利用料金が第5利用料金よりも安い場合、第5利用料金と第6利用料金との差額を算出する。生成部121は、回数券情報に含まれる利用者の識別情報と、差額と、差額が算出された時点の日時情報とを含む差額発生情報を生成する。
【0207】
このような構成により、利用者が、利用区間の両端点のうちの一方の地点にて、タクシー車両10に乗車した後、利用者の都合で、利用区間の途中で逸脱して移動し、両端点のうちの他方の地点とは異なる地点で降車した場合でも、差額を還元することができる。具体的には、第6利用料金が第5利用料金よりも安い場合には、第6利用料金と第5利用料金との差額を、利用者に還元することができる。
【0208】
本実施形態によれば、抽出部113は、前回乗車までに差額情報に記録された1つ以上の差額の各々が算出された時点の日時情報を抽出する。料金算出部117は、日時情報に基づいて、各差額が算出された時点からの経過日数を算出する。料金算出部117は、各差額の経過日数に応じて、各差額を割り引いて、前記割引金額を算出する。
【0209】
このような構成により、各差額が算出された時点からの経過日数が少ないと、差額の還元量を多くすることができる。このため、回数券の早期利用を利用者に促すことができ、回数券の再購入を促進し得る。
【0210】
本実施形態によれば、料金管理システム1は、上述した料金管理装置100と、外部サーバ20とを備える。外部サーバ20は、無線通信を介して料金管理装置100に接続される。外部サーバ20は、差額発生情報を、料金管理装置100から受信する。外部サーバ20は、差額発生情報に含まれる差額及び日時情報を、差額発生情報に含まれる利用者の識別情報に紐付けられた差額情報に記録する。
【0211】
このような構成により、今回乗車時の第1利用料金と第2利用料金との差額を、外部サーバ20にて、利用者の識別情報に紐付けされた差額情報に記憶する。これにより、当該差額は、次回乗車時の支払い、又は次回の回数券の購入に利用され得るため、利用者による回数券の購入を促進することができる。
【0212】
本実施形態によれば、料金管理システム1は、回数券発行装置30を更に備える。回数券発行装置30は、利用者が回数券を購入するために金額を支払うと、利用者の識別情報、回数券の識別情報、1回乗車分の第1利用料金、第1区間の位置情報、及び第1区間の距離含む回数券情報を生成する。回数券発行装置30は、生成した回数券情報を保持する回数券を発行する。
【0213】
回数券発行装置30は、生成した回数券情報を外部サーバ20に送信する。外部サーバ20は、利用者の識別情報に対して、回数券の識別情報、1回乗車分の第1利用料金、第1区間の位置情報、及び第1区間の距離を紐付けて保持する。
【0214】
このような構成により、外部サーバ20は、利用者毎に、回数券情報のコンテンツ情報を管理することができる。このため、料金管理装置100は、回数券から読み出した回数券情報から、利用者の識別情報を抽出し、抽出した利用者の識別情報を外部サーバ20に送信することにより、回数券から読み出した回数券情報のコンテンツ情報の確認を行うことができる。
【0215】
本実施形態によれば、回数券発行装置30は、利用者が回数券を再購入する場合、当該利用者から、当該利用者の識別情報を受信する。回数券発行装置30は、外部サーバ20に対して、利用者の識別情報を送信し、当該利用者の識別情報に紐付けられた差額情報を受信する。回数券発行装置30は、前回乗車までに差額情報に記録された1つ以上の差額を抽出する。回数券発行装置30は、1つ以上の差額を用いて算出した割引金額を、金額から差し引いて、割引適用金額を算出する。回数券発行装置30は、割引適用金額を表示する。
【0216】
このような構成により、今回乗車時の第1利用料金と第2利用料金との差額は、次回の回数券の購入に利用され得るため、利用者による回数券の購入を促進することができる。
【0217】
本実施形態によれば、料金管理プログラムは、回数券を用いて利用区間をタクシー車両10で移動することができる回数券システムに用いられ、かつ、読取ステップ、抽出ステップ、料金算出ステップ、差額算出ステップ、生成ステップ、及び通信ステップを備える。
【0218】
読取ステップは、タクシー車両10に乗車する利用者が所持する回数券から、回数券に保持された回数券情報を読み取る。抽出ステップは、回数券情報から、利用者が回数券を購入するために事前に支払った金額のうち、1回乗車分の第1利用料金を抽出する。料金算出ステップは、タクシー車両10が、第1利用料金で移動可能な第1区間を移動する場合、第1区間において、タクシー車両10が実際に走行した距離と時間とのうちの少なくとも一方に基づいて、第2利用料金を算出する。差額算出ステップは、第2利用料金が第1利用料金よりも安い場合、第1利用料金と第2利用料金との差額を算出する。
【0219】
生成ステップは、回数券情報に含まれる利用者の識別情報と、差額と、当該差額が算出された時点の日時情報とを含む差額発生情報を生成する。通信ステップは、タクシー車両10の外部に対して、差額発生情報を送信する。タクシー車両10の外部において、差額発生情報に含まれる差額及び日時情報は、利用者の識別情報に紐付けされた差額情報に記録される。
【0220】
このような構成により、上述した料金管理装置100の構成を、ソフトウェアとして、メモリにロードされたプログラムによって実現することができる。したがって、本実施形態によれば、当該料金管理プログラムをコンピュータに実行させることにより、回数券を用いて利用区間をタクシー車両10で移動することができる回数券システムにおいて、利用者の負担を抑えて、回数券の購入を促進し得る。
【0221】
[変形例]
【0222】
上述した実施形態では、割引判定処理のS75にて、料金管理装置100は、割引金額の算出を行ったが、これに限定されない。料金管理装置100は、乗車時処理において、割引金額の算出を行ってもよい。この場合、料金管理装置100は、割引金額を用いて、逸脱区間を移動可能な目安の距離を表示してもよい。また、料金管理装置100は、利用者の要求に応じて、割引金額、還元期間などの割引明細を表示してもよい。
【0223】
具体的には、料金算出部117は、利用者の乗車時に、割引金額を算出し、表示部123は、利用者の乗車時に、算出された割引金額を表示する。このような構成により、利用者は、タクシー車両10に乗車した際に、割引金額を確認することができるため、割引金額の適用に関する利用者とのトラブルを事前に防止することができる。
【0224】
上述した実施形態では、乗車時処理のS27にて、外部サーバ20が、利用者の照合を行ったが、これに限定されない。料金管理装置100が、利用者の照合を行ってもよい。この場合、料金管理装置100は、外部サーバ20から、認証指示に含まれる利用者の識別情報に紐付けられた利用者のパスワードを受信する。
【0225】
上述した実施形態では、割引判定処理のS75にて、料金管理装置100は、割引金額を算出し、かつ、回数券再購入手順のS121にて、回数券発行装置30は、割引金額を算出する。この場合、S75で適用される差額の割引率は、S121で適用される差額の割引率と異なっていてもよい。
【0226】
上述した実施形態では、回数券再購入手順のS123にて、回数券発行装置30は、回数券料金から割引金額を差し引くことにより、利用者が支払うべき回数券料金を算出する。この場合、割引金額が回数券料金以上となると、利用者が、割引金額を用いて、回数券を再購入できるように構成してもよい。
【0227】
上述した実施形態では、回数券利用による差額は、同一の利用区間における回数券利用にて、他の差額と合算されたが、これに限定されない。例えば、回数券利用による差額は、同一のサービスエリア内であれば、他の利用区間における回数券利用による差額と合算されてもよい。
【0228】
上述した実施形態では、乗車時処理において、外部サーバ20は、回数券が未使用であるか否かを照合してもよい。この場合、外部サーバ20は、利用者毎に、回数券照合情報を管理する。回数券照合情報は、利用者の識別情報に紐付けられており、回数券の識別情報と、回数券の使用の有無を示した情報とを含む。料金管理装置100は、回数券から読み取った回数券情報から、回数券の識別情報を抽出して、認証指示に含めて、外部サーバ20に送信する。外部サーバ20は、認証指示に含まれる回数券の識別情報に紐付けられた回数券照合情報を用いて、当該回数券の使用の有無を照合する。
【0229】
上述した実施形態では、回数券情報は、利用区間の距離を含んでいるが、これに限定されない。例えば、割引金額が反映される逸脱区間が利用区間を超えた区間のみである場合、回数券情報は、利用区間の距離を含まなくてもよい。また、料金管理装置100が、乗車時処理において、別途、利用区間の距離を取得できる場合には、回数券情報は、利用区間の距離を含まなくてもよい。
【0230】
上述した実施形態では、外部サーバ20は、回数券情報テーブル、照合情報テーブル及び差額情報テーブルを個別に保持したが、これに限定されない。例えば、外部サーバ20は、回数券情報内のコンテンツ情報、照合情報内の利用者のパスワード、及び差額情報を、利用者の識別情報に紐付けて、1つのテーブルで保持してもよい。
【0231】
以上、本実施形態を説明したが、本実施形態はこれらに限定されるものではなく、本実施形態の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。
【符号の説明】
【0232】
1 料金管理システム1
10 タクシー車両
20 外部サーバ
30 回数券発行装置
100 料金管理装置
101 通信部
107 読取部
109 測定部
113 抽出部
117 料金算出部
119 差額算出部
121 生成部
123 表示部