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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023091432
(43)【公開日】2023-06-30
(54)【発明の名称】収納容器
(51)【国際特許分類】
   F25D 25/00 20060101AFI20230623BHJP
【FI】
F25D25/00 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021206174
(22)【出願日】2021-12-20
(71)【出願人】
【識別番号】307036856
【氏名又は名称】アクア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147913
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 義敬
(74)【代理人】
【識別番号】100165423
【弁理士】
【氏名又は名称】大竹 雅久
(74)【代理人】
【識別番号】100091605
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 敬
(74)【代理人】
【識別番号】100197284
【弁理士】
【氏名又は名称】下茂 力
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 英彦
(72)【発明者】
【氏名】中泉 雄太
(72)【発明者】
【氏名】星野 仁
(72)【発明者】
【氏名】設楽 真輔
(57)【要約】
【課題】収納された野菜の鮮度を良好に保つことができる収納容器を提供する。
【解決手段】収納容器30の容器部31は、底面部32と、側面部33と、開口部と、を有し、その内部に収納空間34が形成される。シール部38は、容器部31と蓋部36との間隙をシールする。連通部39は、フィルタ部37を経由して収納空間34と外部とを連通させる。蓋部36は、略板状の蓋本体361と、蓋本体361から容器部31の側に向かって立設された壁部362と、壁部362から周囲に向かって形成されてシール部38を支持するシール支持部363と、を有する。連通部39の一部は容器部31と蓋部36との間に形成される。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器部と、蓋部と、フィルタ部と、シール部と、連通部と、を具備し、
前記容器部は、底面部と、側面部と、開口部と、を有し、その内部に収納空間が形成され、
前記蓋部は、前記容器部の前記開口部を塞ぎ、
前記フィルタ部は、前記蓋部に配設され、
前記シール部は、前記容器部と前記蓋部との間隙をシールし、
前記連通部は、前記フィルタ部を経由して前記収納空間と外部とを連通させ、且つ、前記連通部の一部は前記容器部と前記蓋部との間に形成されることを特徴とする収納容器。
【請求項2】
前記蓋部は、略板状の蓋本体と、前記蓋本体から前記容器部の側に向かって立設された壁部と、前記壁部から周囲に向かって形成されて前記シール部を支持するシール支持部と、を有し、
前記連通部の一部は、前記シール支持部よりも前記蓋本体の側の前記壁部に形成されることを特徴とする請求項1に記載の収納容器。
【請求項3】
前記連通部の一部は、前記容器部の前記側面部の上端と、前記蓋部との間から、側方に臨むように形成されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の収納容器。
【請求項4】
前記フィルタ部は、フィルタと、前記フィルタを支持するフィルタ支持部と、前記フィルタ支持部の内部に形成され且つ前記フィルタにより前記収納空間と区画されるフィルタ内部空間と、を有し、
前記連通部は、前記フィルタ内部空間を経由して、前記収納空間と前記外部とを連通させることを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載の収納容器。
【請求項5】
前記容器部の前記底面部の下面には、第1アライメント部が形成され、
前記蓋部の上面には、第2アライメント部が形成され、
上方から見た場合、前記容器部の前記第1アライメント部と、前記蓋部の前記第2アライメント部とは、略重畳するように配置されることを特徴とする請求項1から請求項4の何れかに記載の収納容器。
【請求項6】
前記容器部は、前記側面部の上端から側方に向かって突出する把手部を有することを特徴とする請求項1から請求項5の何れかに記載の収納容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収納容器に関し、特に、食品等を貯蔵する収納容器に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な冷蔵庫は、貯蔵室として、冷蔵室、冷凍室および野菜室を有している。近年、冷凍食品の浸透に伴い、冷凍室の大型化が進行しており、これにより野菜室の容積を充分に確保できない場合がある。係る事項に対する対処方法として、収納容器に野菜等の食品を収納し、係る収納容器を冷蔵室に貯蔵することが考えられる。
【0003】
特許文献1には、収納容器の一例が記載されている。かかる収納容器は、略直方体形状を呈しており、下部をスリット状に開口することで冷気通風口が形成されている。冷気通風口を経由して、冷気が収納容器の内部に進入し、これにより収納容器に貯蔵された野菜等の食品を、所定の冷蔵温度帯域に冷却できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8-170873号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前述した背景技術に係る収納容器では、収納された食品の保存性の観点から、改善の余地があった。
【0006】
具体的には、背景技術に係る収納容器にはスリットが形成されていることから、このスリットを介して、収納された野菜等に含まれる水分が、容器の外部に放出されてしまう。そのようになると、野菜の鮮度が早期に落ちてしまう課題があった。
【0007】
また、スリットが容器の下面および側面に形成されるため、スリットを経由して収納容器の内部に粉塵が侵入してしまう課題もあった。
【0008】
本発明は、前述の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、収納された野菜の鮮度を良好に保つことができる収納容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の収納容器は、容器部と、蓋部と、フィルタ部と、シール部と、連通部と、を具備し、前記容器部は、底面部と、側面部と、開口部と、を有し、その内部に収納空間が形成され、前記蓋部は、前記容器部の前記開口部を塞ぎ、前記フィルタ部は、前記蓋部に配設され、前記シール部は、前記容器部と前記蓋部との間隙をシールし、前記連通部は、前記フィルタ部を経由して前記収納空間と外部とを連通させ、且つ、前記連通部の一部は前記容器部と前記蓋部との間に形成されることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の収納容器では、前記蓋部は、略板状の蓋本体と、前記蓋本体から前記容器部の側に向かって立設された壁部と、前記壁部から周囲に向かって形成されて前記シール部を支持するシール支持部と、を有し、前記連通部の一部は、前記シール支持部よりも前記蓋本体の側の前記壁部に形成されることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の収納容器では、前記連通部の一部は、前記容器部の前記側面部の上端と、前記蓋部との間から、側方に臨むように形成されることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の収納容器では、前記フィルタ部は、フィルタと、前記フィルタを支持するフィルタ支持部と、前記フィルタ支持部の内部に形成され且つ前記フィルタにより前記収納空間と区画されるフィルタ内部空間と、を有し、前記連通部は、前記フィルタ内部空間を経由して、前記収納空間と前記外部とを連通させることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の収納容器では、前記容器部の前記底面部の下面には、第1アライメント部が形成され、前記蓋部の上面には、第2アライメント部が形成され、上方から見た場合、前記容器部の前記第1アライメント部と、前記蓋部の前記第2アライメント部とは、略重畳するように配置されることを特徴とする。
【0014】
また、本発明の収納容器では、前記容器部は、前記側面部の上端から側方に向かって突出する把手部と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明の収納容器は、容器部と、蓋部と、フィルタ部と、シール部と、連通部と、を具備し、前記容器部は、底面部と、側面部と、開口部と、を有し、その内部に収納空間が形成され、前記蓋部は、前記容器部の前記開口部を塞ぎ、前記フィルタ部は、前記蓋部に配設され、前記シール部は、前記容器部と前記蓋部との間隙をシールし、前記連通部は、前記フィルタ部を経由して前記収納空間と外部とを連通させ、且つ、前記連通部の一部は前記容器部と前記蓋部との間に形成されることを特徴とする。本発明の収納容器によれば、収納された野菜の鮮度を良好に保つことができる。具体的には、連通部の一部を容器部と蓋部との間に形成することにより、収納された収納物の鮮度を保つための連通部を形成するため、容器自体に開口を形成する必要が無い。よって、収納容器の全体構成を簡素化できる。
【0016】
また、本発明の収納容器では、前記蓋部は、略板状の蓋本体と、前記蓋本体から前記容器部の側に向かって立設された壁部と、前記壁部から周囲に向かって形成されて前記シール部を支持するシール支持部と、を有し、前記連通部の一部は、前記シール支持部よりも前記蓋本体の側の前記壁部に形成されることを特徴とする。本発明の収納容器によれば、連通部の一部を、シール支持部よりも蓋本体の側の壁部に形成することで、シール部による気密を一定以上に確保しつつ、連通部による通気を行うことができる。
【0017】
また、本発明の収納容器では、前記連通部の一部は、前記容器部の前記側面部の上端と、前記蓋部との間から、側方に臨むように形成されることを特徴とする。本発明の収納容器によれば、連通部の端部が容器側方から外部に臨むことで、連通部を経由して外部から粉塵が収納容器の内部に進入することを抑制できる。
【0018】
また、本発明の収納容器では、前記フィルタ部は、フィルタと、前記フィルタを支持するフィルタ支持部と、前記フィルタ支持部の内部に形成され且つ前記フィルタにより前記収納空間と区画されるフィルタ内部空間と、を有し、前記連通部は、前記フィルタ内部空間を経由して、前記収納空間と前記外部とを連通させることを特徴とする。本発明の収納容器によれば、フィルタ内部空間およびフィルタを経由して連通部が収納空間と連通することで、連通部を経由してより積極的に収納空間と外部とを通気することができる。
【0019】
また、本発明の収納容器では、前記容器部の前記底面部の下面には、第1アライメント部が形成され、前記蓋部の上面には、第2アライメント部が形成され、上方から見た場合、前記容器部の前記第1アライメント部と、前記蓋部の前記第2アライメント部とは、略重畳するように配置されることを特徴とする。本発明の収納容器によれば、第1アライメント部と第2アライメント部とを位置合わせすることで、複数の収納容器を縦方向に安定的に積み上げることができる。
【0020】
また、本発明の収納容器では、前記容器部は、前記側面部の上端から側方に向かって突出する把手部を有することを特徴とする。本発明の収納容器によれば、収納容器が冷蔵室の内部において高所に収納された場合でも、ユーザが把手部に手を掛けることで、収納容器を容易に取り出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の実施形態に係る収納容器が収納される冷蔵庫を示す側方断面図である。
図2A】本発明の実施形態に係る収納容器を上方から見た斜視図である。
図2B】本発明の実施形態に係る収納容器を下方から見た斜視図である。
図3】本発明の実施形態に係る収納容器の容器部を上方から見た斜視図である。
図4A】本発明の実施形態に係る収納容器の蓋部を上方から見た斜視図である。
図4B】本発明の実施形態に係る収納容器の蓋部を下方から見た斜視図である。
図5A】本発明の実施形態に係る収納容器の蓋部を示す側方断面図である。
図5B】本発明の実施形態に係る収納容器の蓋部を部分的に示す側方断面図である。
図5C】本発明の実施形態に係る収納容器の蓋部を部分的に示す側方断面図である。
図6】本発明の実施形態に係る収納容器の蓋部を示す分解斜視図である。
図7】本発明の実施形態に係る収納容器を示す切開斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態に係る収納容器30および冷蔵庫10を、図面に基づき詳細に説明する。以下の説明では、同一の部材には原則的に同一の符号を付し、繰り返しの説明は省略する。更に、以下の説明では、上下前後左右の各方向を適宜用いるが、左右とは冷蔵庫10を前方から見た場合の左右を示している。
【0023】
図1は、冷蔵庫10の概略構成を示す側面断面図である。図1に示すように、冷蔵庫10は本体としての断熱箱体11を備え、断熱箱体11の内部には、食品等を貯蔵する貯蔵室が形成されている。
【0024】
断熱箱体11は、冷蔵庫10の本体である。断熱箱体11は、前面に開口部を有する鋼板製の外箱111と、外箱111の内側に間隙を持たせて配設される合成樹脂製の内箱112と、外箱111と内箱112との間隙に充填発泡される発泡ポリウレタン製の断熱材113と、から構成されている。
【0025】
貯蔵室の内部は、冷蔵室12と、冷凍室13と、野菜室14と、に区画されている。最上段の冷蔵室12と、その下段に位置する冷凍室13とは、区画壁20によって仕切られている。冷凍室13と、その下段に位置する野菜室14は、区画壁21で仕切られている。区画壁20および区画壁21は、断熱箱体11と同様の断熱構造を有している。野菜室14は、野菜や果物等を冷蔵するのに適した冷蔵温度帯域に冷却される。
【0026】
断熱箱体11の前面は開口しており、冷蔵室12、冷凍室13及び野菜室14に夫々対応する前記開口には、各々断熱箱体11と略同等の断熱構造を有する断熱扉15、断熱扉16、断熱扉17が開閉自在に設けられている。断熱扉15は、側辺近傍の上下部が断熱箱体11に回動自在に支持されている。断熱扉16および断熱扉17は、冷蔵庫10の前方に引出自在に、断熱箱体11に支持されている。
【0027】
冷凍室13の後方側には、冷凍室13につながり冷気を供給するための供給風路22が形成されている。供給風路22は、合成樹脂製の仕切体によって、冷凍室13と仕切られている。
【0028】
供給風路22の後方には、合成樹脂製の仕切体によって冷却室18が形成されている。冷却室18の内部には、貯蔵室内を循環する空気を冷却するための冷却器19が配設されている。
【0029】
冷却器19は、フィンチューブ式の蒸発器等である。冷却器19は、圧縮機25、図示しない放熱器、及び図示しないキャピラリーチューブ等に冷媒配管を介して接続される。これにより、蒸気圧縮式の冷凍サイクル回路が構成される。なお、圧縮機25、放熱器の一部、及び放熱器に送風する図示しない放熱ファン等は、冷蔵庫10の下部後方に形成される機械室に配設される。
【0030】
冷却室18の上部には、供給風路22につながる開口である送り口が形成され、その送り口には、冷気を循環させるための送風機24が取り付けられている。送風機24は、冷却器19で冷却された空気を冷却室18から各貯蔵室へと流すものであり、例えば、軸流送風機等である。また、冷却室18の下部には、冷凍室13から冷却室18に空気を戻す開口である戻り口が形成されている。
【0031】
冷蔵室12の後方には、合成樹脂製の仕切体で区画され、冷蔵室12に冷気を供給するための供給風路23が形成されている。供給風路23は、供給風路22につながると共に吹出口を介して冷蔵室12につながっている。
【0032】
冷蔵庫10は、冷蔵室12と野菜室14をつなぎ、野菜室14に冷気を供給するための図示しない供給風路や、冷蔵室12や野菜室14と冷却室18をつなぎ、冷蔵室12や野菜室14から冷却室18に冷気を戻すための図示しない帰還風路等を有する。また、供給風路22や供給風路23等には、貯蔵室に供給される冷気の流量を制御して、貯蔵室の内部の温度を適切に維持するため図示しないダンパ等が設けられても良い。
【0033】
上記構成を有する冷蔵庫10により、冷蔵室12および野菜室14は所定の冷蔵温度帯域に冷却され、冷凍室13は所定の冷凍温度帯域に冷却される。
【0034】
また、冷蔵室12には収納容器30が配設されている。収納容器30は、例えば野菜、果物、カット済み野菜などの食品が収納される合成樹脂から成る容器である。収納容器30が冷蔵室12に配置されることにより、冷蔵室12を冷却する空気により、収納容器30の内部も冷蔵温度帯域に冷却され、収納容器30の内部の野菜等の鮮度を良好に保つことができる。
【0035】
また、収納容器30を有することにより、冷凍室13の容積を大きくすることで野菜室14の容積が小さい場合であっても、冷蔵室12に格納される収納容器30の内部に野菜等を貯蔵することができる。
【0036】
図2Aは、収納容器30を上方から見た斜視図であり、図2Bは、収納容器30を下方から見た斜視図である。
【0037】
図2Aおよび図2Bを参照して、収納容器30は、容器部31と、容器部31の上方開口を塞ぐ蓋部36と、を主要に有する。収納容器30は、更に、図6に示すフィルタ部37と、図5Bに示すシール部38と、図5Cに示す連通部39と、を具備する。
【0038】
収納容器30に野菜等を収納する際には、ユーザは、図1に示した断熱扉15を開き、冷蔵室12から収納容器30を取りだす。更に、ユーザは、容器部31から蓋部36を取り外し、容器部31の内部に野菜等を収納し、容器部31の上部開口を蓋部36で塞ぐ。その後、ユーザは、収納容器30を冷蔵室12に戻し、断熱扉15を閉じる。
【0039】
収納容器30から野菜等を取り出す際には、ユーザは、容器部31から蓋部36を取り外し、容器部31の内部から野菜等を取り出し、その後、容器部31の上部開口を蓋部36で塞ぐ。その後、ユーザは、収納容器30を冷蔵室12に戻し、断熱扉15を閉じる。
【0040】
容器部31は、上端部が開口する略箱状の部材であり、例えば、透明な合成樹脂から一体的に成形されている。容器部31が透明樹脂から成ることで、ユーザは、蓋部36を容器部31から外さずとも、収納容器30に収納された野菜等を、容器部31を透過して視認することができる。容器部31の具体的な構成は、図3等を参照して後述する。
【0041】
蓋部36は、容器部31の開口部を塞ぐ略板状の合成樹脂から成る部材である。蓋部36の構成は、図4A等を参照して後述する。蓋部36は、ユーザの取り扱いにより容易に湾曲できる様に、柔軟性に優れる合成樹脂から成る。
【0042】
図2Bを参照して、容器部31の底面部32の下面には、4つの第1アライメント部40が形成される。また、図2Aを参照して、蓋部36の上面には、4つの第2アライメント部41が形成される。そして、容器部31の第1アライメント部40と、蓋部36の第2アライメント部41とは、上方から見た場合、略重畳するように配置される。ここで、図2Aに示すように、第2アライメント部41は、蓋部36の上面を部分的に凹状とした部位である。また、図2Bに示すように、第1アライメント部40は、容器部31の底面を部分的に凸状とした部位である。
【0043】
このようにすることで、図1に示した冷蔵室12の内部において、複数の収納容器30を上下方向に積み上げた場合、下方に配置された収納容器30の第2アライメント部41に、上方に配置された収納容器30の第1アライメント部40を挿入することができる。これにより、複数の収納容器30をバランス良く積み上げることができる。
【0044】
図3は、容器部31を上方から見た斜視図である。容器部31は、底面部32と、側面部33とを有し、上端に略矩形状の開口部が形成されている。容器部31は、一体成型された透明な合成樹脂から成る。
【0045】
底面部32は、略矩形状の部位である。側面部33は、底面部32の4つの側辺から、夫々が上方に向かって立設された部位である。収納空間34は、底面部32および4つの側面部33により囲まれる略直方体形状の空間である。
【0046】
把手部351は、前面を構成する側面部33の上端から前方に向かって突出した板状部いである。把手部351は、側面部33の上端から前方に向かって略平行に伸びる把手上部352と、把手上部352の前端から下方に向かって伸びる把手下部353を有する。把手部351には、下方を向く開口が形成され、この開口にユーザが下方から指を掛けることができる。よって、収納容器30が冷蔵室12の内部において高所に収納された場合でも、ユーザは、指を下方から把手部351の開口に挿入し、収納容器30を外部に容易に取り出すことができる。
【0047】
図4Aは、蓋部36を上方から見た斜視図である。図4Bは、蓋部36を下方から見た斜視図である。
【0048】
図4Aおよび図4Bを参照して、蓋部36は、蓋本体361と、壁部362とを有する。また、壁部362の周囲には、図5A等に示すシール支持部363が形成されている。
【0049】
図4Aを参照して、蓋本体361は、略矩形形状を呈する略板状の部材である。また蓋本体361の周辺部から上方に周縁壁部364が立設されている。
【0050】
蓋本体361の周縁部には、当接部366および切欠部365が形成されている。
【0051】
当接部366は、蓋本体361の隅部に形成される。更に、当接部366は、蓋本体361の各側辺において中間部にも形成されている。当接部366は、蓋本体361の周縁部を肉厚にした部位であり、その下面は平坦とされている。図1に示したように、蓋部36により容器部31を塞ぐと、蓋部36の当接部366の下面が、容器部31の上端部に当接する。
【0052】
切欠部365は、蓋部36の周縁部において、当接部366どうしの間に形成されている。切欠部365は、周縁壁部364を側方からから切り欠いた部位であり、下方に向かって内側に傾斜する傾斜面を形成している。ユーザが、前述した容器部31から蓋部36を取り外す際には、ユーザはその指を切欠部365の傾斜面に引っ掛け、蓋部36を剥がすように容器部31から分離させることができる。
【0053】
図4Bを参照して、壁部362は、蓋本体361の周辺部から、下方に向かって立設された壁状の部位である。壁部362は、蓋部36の周縁部に沿って連続的に形成される。壁部362には、シール部38を支持するシール支持部363が形成されるが、シール支持部363の構成は図5B等を参照して後述する。
【0054】
シール部38は、容器部31と蓋部36との間隙をシールする略環状の部位である。シール部38は、ゴムやシリコン樹脂などの柔軟性に優れる合成樹脂から成る。シール部38は、シール支持部363により支持されている。シール部38が支持される構成等は、図5Bを参照して後述する。
【0055】
フィルタ部37は、蓋部36の下面に配設され、前述した収納容器30の収納空間34と外部とを連通させる経路に配設される。フィルタ部37は、通気機能を確保しつつ、水分が外部に移動することを抑制するフィルタ機能を有している。これにより、収納容器30に格納された野菜に含まれる水分が失われることを抑止できる。フィルタ部37の構造等は、図6等を参照して後述する。
【0056】
図5Aは、蓋部36を示す側方断面図であり、図5Bは、左方側に配設される壁部362等を示す側方断面図であり、図5Cは、フィルタ支持部372等を示す側方断面図である。これらの断面図は、図4AのA-A切断面線に対応している。
【0057】
図5Aを参照して、蓋本体361の左右方向における両端部上面から、周縁壁部364が上方に向かって立設されている。また、蓋本体361の左右方向における両端部下面から、壁部362が、下方に向かって立設されている。フィルタ部37は、蓋本体361の下面において右方側に配設されている。
【0058】
図5Bを参照して、蓋本体361の左方側端部から下方に壁部362が立設される。壁部362の下方部分を、外側である左方に向かって突出させることでシール支持部363が形成されている。シール支持部363は、所定間隔を置いて2つが形成されている。
【0059】
シール部38の断面形状は、左右方向に沿って細長い略矩形とされている。シール部38は、外側である左方側から、シール支持部363同士の間に挿入される。係る構成により、輪状に形成されるシール部38自体の弾性により、シール部38をシール支持部363に嵌め込むことができる。
【0060】
図5Cを参照して、フィルタ部37は、前述した収納容器30の収納空間34と外部との間に介装される。フィルタ部37は、収納空間34と外部とを通気させ、且つ、収納空間34から外部への水分の流出を抑制する。
【0061】
フィルタ部37は、フィルタ371と、フィルタ支持部372と、フィルタ内部空間373と、を有する。
【0062】
フィルタ371は、例えば紙状フィルタである。フィルタ支持部372は、フィルタ371を所定位置で支持する。フィルタ内部空間373は、フィルタ支持部372の内部に形成される略円筒状の空間であり、フィルタ371により収納空間34と区画される。フィルタ371およびフィルタ支持部372の構成は、図6を参照して後述する。
【0063】
フィルタ部37の右端部側において、蓋本体361の下面から壁部362が下方に立設される。壁部362の下部から右方に向かって2つのシール支持部363が立設されている。シール支持部363どうし間にシール部38が挿入されている。
【0064】
壁部362の上方部分には、貫通部42が形成されている。貫通部42は、壁部362を左右方向に沿って貫通する孔部である。貫通部42の左方端部は、フィルタ内部空間373と連通している。貫通部42の右方端部は、外側である右方に向かって解放されている。
【0065】
連通部39は、フィルタ部37を経由して収納空間34と外部とを連通される経路である。図5Cでは、連通部39を一点鎖線で示している。連通部39は、収納空間34から、フィルタ371、フィルタ内部空間373、貫通部42および外部に至るまで形成される経路である。
【0066】
このように、連通部39は、壁部362の貫通部42を経路の一部とする。即ち、連通部39の一部は、シール支持部363およびシール支持部363よりも、上方側である蓋本体361の側の壁部362に形成される。このようにすることで、シール部38により収納空間34の内部の密閉性を確保しつつ、貫通部42を経由して収納空間34の内部と外部とを通気することができる。
【0067】
図6は、フィルタ支持部372を示す分解斜視図である。
【0068】
図6を参照して、フィルタ支持部372は、下方側から、フィルタ支持蓋部374、フィルタ371、フィルタ支持板部375およびフィルタ支持筒部376を有している。
【0069】
フィルタ支持蓋部374は、上部が開口した扁平な円筒状容器の如き形状を呈している。フィルタ支持蓋部374の右方側面は、図6に示した貫通部42を通すための切り欠きが形成される。また、フィルタ支持蓋部374の下面には、通気のための多数の通気孔が形成される。
【0070】
フィルタ371は、略紙状のフィルタであり、空気を通過させる一方、水分の通過を制限する機能を有する。
【0071】
フィルタ支持板部375は、略円板状を呈する板状部材であり、通気のための多数の通気孔が形成されている。
【0072】
フィルタ支持筒部376は、蓋本体361の下面から、略筒状または円環状に下方に向かって立設された部位である。
【0073】
フィルタ371は、フィルタ支持蓋部374の底面とフィルタ支持部372との間に挟み込まれる。フィルタ支持板部375およびフィルタ371が組み込まれたフィルタ支持蓋部374を、フィルタ支持筒部376に下方から組み込むことで、フィルタ支持部372が構成される。また、フィルタ支持蓋部374の底部に形成されている孔部と、フィルタ支持板部375に形成されている孔部とは、重畳するように配置される。このようにすることで、通気が可能となる。
【0074】
図7は、収納容器30の収納空間34と外部とを連通する連通部39を具体的に示す切開斜視図である。
【0075】
容器部31の上面開口は、蓋部36により塞がれている。容器部31の上面開口と、蓋部36との間隙は、全周に渡ってシール部38により塞がれている。即ち、容器部31の上面開口を、蓋部36により塞ぐと、シール部38の外側端部が上方に湾曲した状態で、側面部33の内面に当接する。これにより、容器部31の収納空間34は、略密閉される。
【0076】
かかる状態においても、連通部39により、収納空間34と外部とは通気される。即ち、連通部39を経由して、収納容器30の収納空間34と外部との間で僅かに空気が出入りする。具体的には、連通部39は、収納空間34と外部とを、フィルタ支持蓋部374の孔部、フィルタ371、フィルタ支持板部375の孔部、フィルタ内部空間373、貫通部42を経由して通気する。
【0077】
更に、連通部39の一部は、容器部31の側面部33の上端35と、蓋部36との間から、側方に臨むように形成される。具体的には、容器部31の側面部33の上端35と、蓋部36の切欠部365との間に、間隙が形成される。連通部39は、この間隙を経由して収納容器30の側方側に臨んでいる。よって、連通部39を経由して収納空間34に進入する空気は、側方に向かって流動するので、連通部39を経由して収納空間34に粉塵等が進入することを抑制できる。
【0078】
本実施形態によれば、以下に記載する主要な効果を奏することができる。
【0079】
図7を参照して、連通部39の一部を容器部31と蓋部36との間に形成することにより、収納された収納物の鮮度を保つための連通部39を形成するために、容器自体開口を形成する必要が無い。
【0080】
図5Cを参照して、連通部39の一部を、シール支持部363よりも蓋本体361の側の壁部362に形成することで、シール部38による気密を一定以上に確保しつつ、連通部39による通気を行うことができる。
【0081】
更に、図7を参照して、連通部39の端部が容器側方から外部に臨むことで、連通部39を経由して外部から粉塵が収納容器30の内部に進入することを抑制できる。
【0082】
図5Cを参照して、フィルタ内部空間373およびフィルタ371を経由して連通部39が収納空間34と連通することで、水分の流通を抑制しつつ、外部とを通気することができる。
【0083】
更に、図2を参照して、第1アライメント部40と第2アライメント部41とを位置合わせすることで、複数の収納容器30を縦方向に安定的に積み上げることができる。
【0084】
本発明は、前述実施形態に限定されるものではなく、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の変更実施が可能である。また、前述した各形態は相互に組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0085】
10 冷蔵庫
11 断熱箱体
111 外箱
112 内箱
113 断熱材
12 冷蔵室
13 冷凍室
14 野菜室
15 断熱扉
16 断熱扉
17 断熱扉
18 冷却室
19 冷却器
20 区画壁
21 区画壁
22 供給風路
23 供給風路
24 送風機
25 圧縮機
30 収納容器
31 容器部
32 底面部
33 側面部
34 収納空間
35 上端
351 把手部
36 蓋部
361 蓋本体
362 壁部
363 シール支持部
364 周縁壁部
365 切欠部
366 当接部
37 フィルタ部
371 フィルタ
372 フィルタ支持部
373 フィルタ内部空間
374 フィルタ支持蓋部
375 フィルタ支持板部
376 フィルタ支持筒部
38 シール部
39 連通部
40 第1アライメント部
41 第2アライメント部
42 貫通部



図1
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図6
図7