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特開2023-91433ワイヤレス伝送システムおよびワイヤレス伝送方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023091433
(43)【公開日】2023-06-30
(54)【発明の名称】ワイヤレス伝送システムおよびワイヤレス伝送方法
(51)【国際特許分類】
   H04L 9/32 20060101AFI20230623BHJP
   G06F 21/44 20130101ALI20230623BHJP
   H04W 84/18 20090101ALI20230623BHJP
   H04W 12/069 20210101ALI20230623BHJP
   H04W 12/75 20210101ALI20230623BHJP
【FI】
H04L9/32 200A
H04L9/32 200F
G06F21/44
H04W84/18
H04W12/069
H04W12/75
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021206178
(22)【出願日】2021-12-20
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】317015294
【氏名又は名称】東芝エネルギーシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001380
【氏名又は名称】弁理士法人東京国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】黒田 英彦
(72)【発明者】
【氏名】小田 直敬
(72)【発明者】
【氏名】浅野 直樹
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA21
5K067DD11
5K067EE06
5K067EE16
5K067FF02
5K067HH36
(57)【要約】
【課題】中継装置の保守または更新を行うときのセキュリティを向上させることができるワイヤレス伝送技術を提供する。
【解決手段】ワイヤレス伝送システム1は、更新装置6が、生成した第1乱数を暗号化した状態で中継装置3に送信し、中継装置3が、生成した第2乱数を更新装置6に送信し、第2乱数を受信した更新装置6が、第1乱数と第2乱数と予め中継装置3と共有されている秘匿化された秘匿情報から認証情報を生成して中継装置3に送信し、暗号化された第1乱数および認証情報を受信した中継装置3が、暗号化された第1乱数および認証情報を予め設定された検証式に当てはめて計算を行い、中継装置3は、検証式が成立した場合に更新装置6からのアクセスを許可する、ように構成されている。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤレスデバイスから送信される通信データを中継する中継装置と、
前記中継装置に遠隔地からアクセスして前記中継装置の保守または更新を行う更新装置と、
を備え、
前記更新装置が、生成した第1乱数を暗号化した状態で前記中継装置に送信し、
前記中継装置が、生成した第2乱数を前記更新装置に送信し、
前記第2乱数を受信した前記更新装置が、前記第1乱数と前記第2乱数と予め前記中継装置と共有されている秘匿化された秘匿情報から認証情報を生成して前記中継装置に送信し、
暗号化された前記第1乱数および前記認証情報を受信した前記中継装置が、暗号化された前記第1乱数および前記認証情報を予め設定された検証式に当てはめて計算を行い、
前記中継装置は、前記検証式が成立した場合に前記更新装置からのアクセスを許可する、
ように構成されている、
ワイヤレス伝送システム。
【請求項2】
前記中継装置と前記更新装置が、前記秘匿情報とともに前記検証式に追加で設定される秘匿化された追加秘匿情報を予め共有し、
前記更新装置は、前記第1乱数と前記第2乱数と前記秘匿情報と前記追加秘匿情報から前記認証情報を生成する、
請求項1に記載のワイヤレス伝送システム。
【請求項3】
前記中継装置および前記更新装置には、可搬性を有する記憶媒体が着脱可能であり、前記追加秘匿情報が記憶された前記記憶媒体を前記中継装置および前記更新装置の少なくとも一方に取り付けることで、前記追加秘匿情報を共有する、
請求項2に記載のワイヤレス伝送システム。
【請求項4】
前記追加秘匿情報の少なくとも一部は、保守または更新を行う作業者の生体情報で構成されている、
請求項2または請求項3に記載のワイヤレス伝送システム。
【請求項5】
前記中継装置は、前記通信データに対して暗号処理または認証処理を行って前記通信データを中継するものであり、
前記更新装置は、前記中継装置における前記暗号処理または前記認証処理に用いるパラメータを更新するものである、
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のワイヤレス伝送システム。
【請求項6】
前記秘匿情報の少なくとも一部は、保守または更新を行う作業者の生体情報で構成されている、
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のワイヤレス伝送システム。
【請求項7】
1つの前記更新装置が複数の前記中継装置にアクセスして前記中継装置の保守または更新を行う、
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のワイヤレス伝送システム。
【請求項8】
1つの前記更新装置が1つの前記中継装置にアクセスして前記中継装置の保守または更新を行う、
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のワイヤレス伝送システム。
【請求項9】
ワイヤレスデバイスから送信される通信データを中継する中継装置を用いるワイヤレス伝送方法であって、
前記中継装置に遠隔地からアクセスして前記中継装置の保守または更新を行う更新装置が設けられており、
前記更新装置が、生成した第1乱数を暗号化した状態で前記中継装置に送信し、
前記中継装置が、生成した第2乱数を前記更新装置に送信し、
前記第2乱数を受信した前記更新装置が、前記第1乱数と前記第2乱数と予め前記中継装置と共有されている秘匿化された秘匿情報から認証情報を生成して前記中継装置に送信し、
暗号化された前記第1乱数および前記認証情報を受信した前記中継装置が、暗号化された前記第1乱数および前記認証情報を予め設定された検証式に当てはめて計算を行い、
前記中継装置は、前記検証式が成立した場合に前記更新装置からのアクセスを許可する、
ワイヤレス伝送方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、ワイヤレス伝送技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ワイヤレス通信では、マルチホップ伝送技術が普及し、通信エリアとネットワーク網の広域化が進んでいる。マルチホップ伝送技術を用いることで山間部、離島、へき地などの遠隔地に対しても、無線通信のネットワークを広げることができる。そのため、無線センサ、携帯電話、モバイル端末などが遠隔地で使用することができる。このような広域通信が可能なワイヤレス通信では、通信時の情報の漏洩、改ざん、詐称などに関するセキュリティ対策が重要である。特に、マルチホップ伝送では、通信電波をマルチホップする中継装置のセキュリティ対策が重要である。
【0003】
従来、保守またはメンテナンスの作業を行うために、中継装置へアクセスする方法について、IDおよびパスワードによる認証のセキュリティを高める技術が知られている。例えば、位置情報を用いる方法が知られている。この手法では、入力装置の位置情報および接続要求と、無線通信機が受信した位置情報および接続要求の電波強度に基づいて、認証サーバが入力装置を認証する。ここで、暗号化された入力装置の位置情報は、認証サーバで復号され、電波強度から計算した距離と比較される。位置情報と距離が合致する場合に認証され、不一致の場合に否認される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008-276603号公報
【特許文献2】特開2010-193118号公報
【特許文献3】特開2009-17516号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の技術では、中継装置が詐称されている場合、入力装置が中継装置へアクセスすることで、IDおよびパスワードが漏洩する可能性がある。また、暗号化された位置情報が漏洩して流用される可能性がある。また、暗号化された位置情報が解読されて使用される可能性がある。そこで、入力装置と中継装置との間における認証のセキュリティを高めることが重要である。
【0006】
本発明の実施形態は、このような事情を考慮してなされたもので、中継装置の保守または更新を行うときのセキュリティを向上させることができるワイヤレス伝送技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施形態に係るワイヤレス伝送システムは、ワイヤレスデバイスから送信される通信データを中継する中継装置と、前記中継装置に遠隔地からアクセスして前記中継装置の保守または更新を行う更新装置と、を備え、前記更新装置が、生成した第1乱数を暗号化した状態で前記中継装置に送信し、前記中継装置が、生成した第2乱数を前記更新装置に送信し、前記第2乱数を受信した前記更新装置が、前記第1乱数と前記第2乱数と予め前記中継装置と共有されている秘匿化された秘匿情報から認証情報を生成して前記中継装置に送信し、暗号化された前記第1乱数および前記認証情報を受信した前記中継装置が、暗号化された前記第1乱数および前記認証情報を予め設定された検証式に当てはめて計算を行い、前記中継装置は、前記検証式が成立した場合に前記更新装置からのアクセスを許可する、ように構成されている。
【発明の効果】
【0008】
本発明の実施形態により、中継装置の保守または更新を行うときのセキュリティを向上させることができるワイヤレス伝送技術が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1実施形態のワイヤレス伝送システムの通信経路を示す構成図。
図2】第1実施形態の中継装置と更新装置を示す構成図。
図3】第1実施形態の中継装置を示すブロック図。
図4】第1実施形態の更新装置を示すブロック図。
図5】第1実施形態のパラメータの更新方法を示すやり取り図。
図6】第2実施形態の中継装置と更新装置を示す構成図。
図7】第3実施形態の中継装置と更新装置を示す構成図。
図8】第3実施形態のパラメータの更新方法を示すやり取り図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(第1実施形態)
以下、図面を参照しながら、ワイヤレス伝送システムおよびワイヤレス伝送方法の実施形態について詳細に説明する。まず、第1実施形態について図1から図5を用いて説明する。
【0011】
図1の符号1は、本実施形態のワイヤレス伝送システムである。このワイヤレス伝送システム1は、ワイヤレスデバイス2と中継装置3と送受信装置4と照合復号装置5とを備える。ここで、ワイヤレスデバイス2と中継装置3と送受信装置4は、無線で接続されている。また、送受信装置4と照合復号装置5は、有線で接続されている。
【0012】
ワイヤレス伝送システム1は、例えば、地方、山間部、離島などの遠隔地からワイヤレスで通信データを伝送し、この情報を都市部などの本拠地で受信するために用いられる。ワイヤレス伝送システム1には、長距離のワイヤレス通信(無線通信)を行うため、通信を中継する中継点が設けられる。そして、正当な中継点を経由した通信が行われたか否かを確認することができる。
【0013】
ワイヤレスデバイス2は、遠隔地にある所定の装置の監視を行うワイヤレスIoTまたはモバイル端末などである。例えば、プラントに設けられた機器などの所定の装置に取り付けられて各種データの検出を行う。例えば、振動、温度、気圧、圧力、距離、速度、水位、または厚さなどを検出する。そして、検出して得られた情報を含む通信データを本拠地に向けて送信する。また、複数のワイヤレスデバイス2が遠隔地に設けられており、それぞれがワイヤレス通信により通信データの送信を行う。このワイヤレスデバイス2は、送信する通信データに対して暗号化を施す処理を行っても良い。
【0014】
また、ワイヤレスデバイス2は、演算処理の機能およびワイヤレス通信の機能を電子回路またはICチップなどを内蔵した機器で構成される。例えば、タブレット端末、PDA(Personal Digital Assistant)、パソコン(Personal Computer)、ノートパソコン、小型パソコン、スマートフォン、携帯電話、携帯型またはウエアラブル型の電子機器などの各種の通信機器で構成される。
【0015】
これら通信機器の通信データは、セキュリティ処理が行われ、通信機器に備えられたアンテナから無線により伝送される。このようなワイヤレス通信の方式には、各種規格の通信方式が適用可能である。例えば、IEEE.802.11、IEEE.802.15.1、IEEE.802.15.4などの免許取得が不要な通信、または、LTE、4G、5Gなどの移動体通信事業者の通信が適用可能である。また、免許を取得して自営で通信網を構築するローカル5Gも適用できる。
【0016】
中継装置3は、所謂アクセスポイントであって、遠隔地に設けられたワイヤレスデバイス2から送信された通信データを中継し、予め設定された次の中継装置3へ通信データを転送する。例えば、複数の中継装置3A,3B,3Cを経由して転送される。この転送された通信データは、最終的に本拠地に設けられた送受信装置4で受信される。
【0017】
本実施形態では、通信データが伝送されるルートとして、複数の中継装置3A,3B,3Cを経由する所定のルートと、他の複数の中継装置3Dを経由する別のルートとが設けられる。このような複数のルートのうち、いずれか1つのルートが適宜選択され、通信データが伝送される。通信データの伝送において、中継装置3の経路順を指定すること、または特定の中継装置3を経由することをセキュリティの条件にできる。状況に応じて、ルートを変更できるため、セキュリティを高めることができる。なお、ルートの選択は、照合復号装置5が自動的に選択したり、管理者が任意に選択したりする。
【0018】
中継装置3は、通信の中継機能を持つ電子回路またはICチップなどを内蔵した機器で構成される。例えば、中継装置3は、アンテナでワイヤレスデバイス2の電波を受信し、通信データに必要なセキュリティ処理を行った後、次の送信先へ通信データを無線伝送する。そして、通信データは最終的に送受信装置4に伝送される。
【0019】
ここで、通信データを送受信するアンテナは、目的に合わせて選定される。例えば、無指向性が必要な場合には、ダイポールアンテナまたはモノポールアンテナなどが用いられる。指向性が必要な場合には、パラボラアンテナまたはホーンアンテナなどが用いられる。なお、中継装置3では、保守または更新が必要に応じて行われる。保守には、各種メンテナンス、動作確認、修復などが含まれる。更新には、セキュリティ処理のパラメータ更新などが含まれる。セキュリティ処理には、通信データに対して行われる暗号処理または認証処理の少なくとも一方が含まれる。
【0020】
送受信装置4は、通信の送受信機能を持つ電子回路またはICチップなどを内蔵した機器で構成される。例えば、中継装置3を経由して伝送されるワイヤレスデバイス2の通信データを受信する。アンテナは、中継装置3と同様に目的に合わせて選定される。そして、送受信装置4は、受信した通信データを照合復号装置5に伝送する。
【0021】
照合復号装置5は、演算処理の機能およびワイヤレス通信の機能を持つ電子回路またICチップなどを内蔵した機器で構成される。この照合復号装置5は、例えば、汎用のPCなどで構成される。照合復号装置5は、例えば、通信データに対して暗号の復号化を行ったり、改ざんを検知したり、ワイヤレスデバイス2または中継装置3の認証などのセキュリティ処理を行って健全性を検証する。そして、健全性な通信データを取得し、この通信データを保存する。
【0022】
なお、本実施形態では、理解を助けるために、ワイヤレスデバイス2と中継装置3と送受信装置4が互いに異なる種類の装置として説明しているが、これらの装置が同一構成であっても良い。例えば、ワイヤレスデバイス2と中継装置3と送受信装置4の全てが、タブレット端末またはスマートフォンなどで構成されても良い。そして、これらの装置でマルチホップ伝送が可能なネットワークが構築されても良い。
【0023】
また、本実施形態では、送受信装置4と照合復号装置5とが別個の装置として説明しているが、送受信装置4と照合復号装置5とが一体化された機器でも良い。
【0024】
図2に示すように、ワイヤレス伝送システム1は、中継装置3に遠隔地からアクセスして中継装置3の保守または更新を行う更新装置6を備える。この更新装置6は、中継装置3の保守または更新を行う作業者が取り扱うものである。作業者は、例えば、更新装置6を用いて、中継装置3における暗号処理または認証処理に用いるパラメータを更新する作業を行う。
【0025】
更新装置6は、情報を入出力する機器であり、演算処理の機能およびワイヤレス通信の機能を電子回路またはICチップなどを内蔵した機器で構成される。例えば、タブレット端末、PDA、パソコン、ノートパソコン、小型パソコン、スマートフォン、携帯電話、携帯型またはウエアラブル型の電子機器などの各種の通信機器で構成される。
【0026】
この更新装置6は、中継装置3に対して、無線または有線で接続される。例えば、無線で接続する場合は、IEEE.802.11、IEEE.802.15.1、IEEE.802.15.4などの免許取得が不要な通信、または、LTE、4G、5Gなどの移動体通信事業者の通信が適用可能である。さらに、免許を取得して自営で通信網を構築するローカル5Gも適用できる。また、有線で接続する場合は、メタルケーブルまたは光ファイバが適用可能である。なお、複数の中継装置3A,3B,3Cを経由するルートを用いて、更新装置6を所定の中継装置3に接続しても良い。
【0027】
本実施形態の中継装置3と更新装置6は、プロセッサおよびメモリなどのハードウェア資源を有し、CPUが各種プログラムを実行することで、ソフトウェアによる情報処理がハードウェア資源を用いて実現されるコンピュータで構成される。さらに、本実施形態のワイヤレス伝送方法は、各種プログラムをコンピュータに実行させることで実現される。
【0028】
本実施形態では、作業者は、更新装置6を用いて中継装置3の保守または更新に関する所定の作業を行う。ここで、中継装置3は、アクセスしてきた更新装置6が正当であるか否かの認証を行う。認証されればアクセスを許可し、認証されなければアクセスを拒否する。この認証には、以下で説明する通り、第1乱数と第2乱数と秘匿情報と認証情報と検証式とを用いる。このようにすれば、中継装置3のセキュリティを高めることができる。さらに、中継装置3と更新装置6との間における認証のセキュリティを向上させることができる。
【0029】
図3に示すように、中継装置3は、通信部10と記憶部11と制御部12とを備える。ここで、通信部10は、無線または有線により他の装置と通信を行うものである。記憶部11は、処理に必要な各種の情報を記憶するものである。なお、記憶部11には、中継装置3に対して着脱可能で可搬性を有する記憶媒体が含まれる。制御部12は、中継装置3を統括的に制御するものである。
【0030】
制御部12は、第2乱数生成部13と検証部14とを備える。これらは、メモリまたはHDDに記憶されたプログラムがCPUによって実行されることで実現される。ここで、第2乱数生成部13は、第2乱数を生成するものである。検証部14は、アクセスしてきた更新装置6が正当であるか否かの検証を行うものである。
【0031】
図4に示すように、更新装置6は、通信部20と記憶部21と入力部22と出力部23と生体認証部24と制御部25とを備える。ここで、通信部20は、無線または有線により他の装置と通信を行うものである。記憶部21は、処理に必要な各種の情報を記憶するものである。なお、記憶部21には、更新装置6に対して着脱可能で可搬性を有する記憶媒体が含まれる。入力部22は、作業者の操作に応じて所定の情報が入力されるものである。出力部23は、作業者に対して所定の情報の出力を行うものである。生体認証部24は、作業者の生体認証を行うものである。制御部25は、更新装置6を統括的に制御するものである。
【0032】
入力部22には、マウスまたはキーボードなどの入力装置が含まれる。つまり、これら入力装置の操作に応じて所定の情報が入力部22に入力される。
【0033】
出力部23は、所定の情報の出力を行う。更新装置6には、情報の出力を行うディスプレイなどの画像の表示を行う装置が含まれる。つまり、出力部23は、ディスプレイに表示される画像の制御を行う。なお、ディスプレイはコンピュータ本体と別体であっても良いし、一体であっても良い。
【0034】
生体認証部24は、作業者の生体情報(バイタル情報)を用いた生体認証を行う。なお、生体認証としては、指紋認証、虹彩認証、静脈認証、顔認証、声紋認証、筆跡認証などが挙げられる。なお、パスワードを用いた認証と生体認証を併用しても良い。
【0035】
制御部25は、第1乱数生成部26と認証情報生成部27とを備える。これらは、メモリまたはHDDに記憶されたプログラムがCPUによって実行されることで実現される。ここで、第1乱数生成部26は、第1乱数を生成するものである。認証情報生成部27は、認証情報を生成するものである。
【0036】
次に、更新装置6の認証態様について、図5に示すやり取り図を参照して説明する。ここでは、作業者が行う所定の作業として、中継装置3のパラメータの更新を例示する。なお、その他の保守または更新に関する作業にも適用可能である。
【0037】
ここで、秘匿化された秘匿情報が、中継装置3と更新装置6とで予め共有されているものとする。秘匿情報は、外部に公開されていない秘密な情報であり、中継装置3と更新装置6のそれぞれの記憶部11,21に予め記憶されている。
【0038】
まず、更新装置6は、第1乱数を生成する。そして、更新装置6は、生成した第1乱数を暗号化する。さらに、更新装置6は、第1乱数を暗号化した状態で中継装置3に送信する。
【0039】
次に、暗号化された第1乱数を受信した中継装置3は、第2乱数を生成する。そして、中継装置3は、生成した第2乱数を更新装置6に送信する。
【0040】
次に、中継装置3から第2乱数を受信した更新装置6は、第1乱数と第2乱数と秘匿情報から認証情報を生成する。そして、更新装置6は、生成した認証情報を中継装置3に送信する。
【0041】
次に、認証情報を受信した中継装置3が、暗号化された第1乱数および認証情報を予め設定された検証式(1)に当てはめて計算を行う。ここで、中継装置3は、検証式(1)が成立した場合には、更新装置6からのアクセスを許可する。一方、検証式(1)が成立しない場合には、不当な装置からのアクセスであるとして、そのアクセスを拒否する。
【0042】
次に、中継装置3は、アクセスを許可する場合に、その旨の通知を更新装置6に送信する。ここで、作業者は、更新装置6を用いて、更新を行うことができる。例えば、更新装置6から更新パラメータが中継装置3に送信される。そして、中継装置3は、パラメータの更新を行う。このパラメータは、例えば、通信データの暗号処理または認証処理に用いる秘匿情報などを含む秘密にする情報である。このようにすれば、通信データが中継されるときのセキュリティを高めつつ、中継装置3が処理に用いるパラメータを更新するができる。なお、中継装置3のパラメータの更新には、秘匿情報の更新が含まれる。
【0043】
なお、アクセスが許可された後の中継装置3と更新装置6の間の通信では、パケット単位でデータの暗号化、認証、および改ざん検知が行われる。また、パケットのデータには、番号が付与され、パケットの追加または喪失が判定できる。
【0044】
第1実施形態の検証式(1)は、以下のものである。
(g-s=gr+sd(g-s=g …(1)
【0045】
ここで、gは、素数qを法としたときの原始根であり、このgとqは、中継装置3と更新装置6で予め共有されている。rは、第1乱数であり、このrは、q-1未満でqと互いに素である。gは、原始根gで暗号化された第1乱数である。dは、第2乱数であり、このdは、q-1未満でqと互いに素である。sは、秘匿情報である。uは、認証情報である。
【0046】
また、第1実施形態の認証情報uは、以下の式で表される。
u=(r+sd) mod q
【0047】
更新装置6は、この式に、第1乱数rと第2乱数dと秘匿情報sとを当てはめて計算を行い、認証情報uを生成する。この計算は、第1乱数rおよび秘匿情報sを知る場合にのみ、正しく計算できる。また、第1乱数rおよび第2乱数dで構成されることから、認証情報uも乱数となる。
【0048】
そして、更新装置6は、この認証情報uを中継装置3に送信する。検証式(1)が成立する場合、更新装置6は、中継装置3と共有する秘匿情報sを有することから、正当であることが分かる。一方、検証式(1)が不成立の場合、その更新装置6は、詐称されたものであると判定される。
【0049】
なお、原始根gと素数qは、中継装置3と更新装置6とで予め共有されている。例えば、原始根gと素数qは、中継装置3と更新装置6のそれぞれの記憶部11,21に予め記憶されている。なお、原始根gと素数qは、一般に公開されている情報でも良い。
【0050】
秘匿情報sは、秘匿化された情報であれば如何なるものでも良い。例えば、作業者が用いているパスワード、所定の乱数などを秘匿情報sとして用いても良い。
【0051】
なお、秘匿情報sの少なくとも一部を作業者の生体情報で構成しても良い。例えば、作業者の指紋、虹彩、静脈、顔、声紋、筆跡などを、秘匿情報sとして、中継装置3の記憶部11に記憶させておく。作業者は、作業を行うときに更新装置6の生体認証部24に自分の生体情報を読み取らせる。更新装置6は、この生体情報を秘匿情報sとして認証情報uの生成を行うようにする。このようにすれば、予め生体情報を中継装置3に登録した特定の作業者しか保守または更新を行うことができないため、中継装置3の保守または更新を行うときのセキュリティを高めることができる。また、秘匿情報sに生体情報を用いることで、秘匿情報sの偽造が困難になる。
【0052】
また、中継装置3と更新装置6の間で、暗号化された第1乱数gと第2乱数dと認証情報uがやり取りされるが、仮に、通信が盗聴され、これらの情報を盗聴者が入手できたとしても、更新装置6の詐称などを行うことはできない。
【0053】
また、第1実施形態において、検証式(1)で照合しているのは、暗号化された第1乱数gと認証情報uであるから、一連の認証作業で秘匿情報sが漏洩することがない。例えば、中継装置3と更新装置6のいずれも相手側に秘匿情報sを送信することがなく、無線通信または有線通信のいずれの場合でも通信線上に秘匿情報sが流れることがないので、この秘匿情報sが漏洩してしまうおそれがない。
【0054】
なお、中継装置3と更新装置6の作用を入れ替えても良い。例えば、中継装置3から更新装置6にアクセスしたときに、更新装置6において、中継装置3が正当であるか否かの認証を行っても良い。その場合でも、検証式(1)で照合しているのは、暗号化された第1乱数gと認証情報uであるから、一連の認証作業で秘匿情報sが漏洩することがない。
【0055】
第1実施形態では、中継装置3と更新装置6は、1対1で通信をしている。ここで、ケーブルを用いて中継装置3と更新装置6を接続し、有線通信とすることで、暗号化された第1乱数gと第2乱数dと認証情報uが、空間的に漏洩することを防止しても良い。また、無線通信を用いる場合は、電波強度を調整するなどをして、通信範囲を限定しても良い。
【0056】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について図6を用いて説明する。なお、前述した図面を適宜参照する。前述した実施形態に示される構成部分と同一構成部分については同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0057】
図6に示すように、第2実施形態では、1つの更新装置6が複数の中継装置3A,3B,3Cにアクセスして、これら中継装置3A,3B,3Cの保守または更新を行う。このようにすれば、複数の中継装置3A,3B,3Cの保守または更新が行い易くなる。また、複数の中継装置3A,3B,3Cの保守または更新を一度に行うこともできる。例えば、複数の中継装置3A,3B,3Cに対して、更新装置6から同一の更新パラメータを送信し、更新を行うことができる。なお、無線伝送方式としては、広範囲に無線通信が可能なLPWA(Low Power Wide Area)などが有効である。
【0058】
また、第2実施形態では、第1乱数rと第2乱数dと秘匿情報sに加えて、追加秘匿情報s’を用いる。これらの情報を用いて、更新装置6は、認証情報u’を生成する。ここで、中継装置3と更新装置6が、秘匿情報sとともに検証式(2)に追加で設定される秘匿化された追加秘匿情報s’を予め共有する。そして、更新装置6は、第1乱数rと第2乱数dと秘匿情報sと追加秘匿情報s’から認証情報u’を生成する。このようにすれば、追加秘匿情報s’を追加することで、よりセキュリティを向上させることができる。
【0059】
追加秘匿情報s’は、可搬性を有する記憶媒体により共有される。例えば、フラッシュメモリ、磁気式、光学式の各種のストレージなどの不揮発性の記憶媒体を用いることができる。なお、記憶媒体には、例えば、HDD、SSD、CD、DVD、フレキシブルディスク、SDカード、マイクロSDカードなどが含まれる。なお、記憶媒体を揮発性のものにすると盗難対策としても有効になる。第2実施形態では、記憶媒体としてUSBメモリ7を例示する。
【0060】
例えば、中継装置3および更新装置6は、USBメモリ7が着脱可能となっている。作業者は、追加秘匿情報s’が記憶されたUSBメモリ7を中継装置3と更新装置6にそれぞれ取り付けることで、追加秘匿情報s’を互いに共有する。このようにすれば、追加秘匿情報s’を更新するときに、物理的な記憶媒体を用いることで、この追加秘匿情報s’が盗聴されずに済む。なお、秘匿情報sについても、物理的な記憶媒体を用いて共有しても良い。
【0061】
なお、追加秘匿情報s’が記憶されたUSBメモリ7が取り付けられる装置は、中継装置3および更新装置6の一方であっても良い。例えば、追加秘匿情報s’が、中継装置3および更新装置6の一方に予め記憶されている場合には、他方の装置にUSBメモリ7を取り付ければ良い。
【0062】
作業者は、複数の中継装置3A,3B,3Cに同一の追加秘匿情報s’が記憶されたUSBメモリ7を接続することで、全ての中継装置3A,3B,3Cと更新装置6で追加秘匿情報を共有することができる。また、USBメモリ7に追加秘匿情報s’を記憶することで、秘匿情報sが記憶されている部品(例えば、HDDなど)と、追加秘匿情報s’が記憶されている部品とを分散して保管することができる。
【0063】
第2実施形態の検証式(2)は、以下のものである。
u’(g-s-s’=gr+sd+s’d(g-s-s’=g …(2)
【0064】
ここで、gは、素数qを法としたときの原始根であり、このgとqは、中継装置3と更新装置6で予め共有されている。rは、第1乱数であり、このrは、q-1未満でqと互いに素である。gは、原始根gで暗号化された第1乱数である。dは、第2乱数であり、このdは、q-1未満でqと互いに素である。sは、秘匿情報である。s’は、追加秘匿情報である。u’は、認証情報である。
【0065】
また、第2実施形態の認証情報u’は、以下の式で表される。
u’=(r+sd+s’d) mod q
【0066】
更新装置6は、この式に、第1乱数rと第2乱数dと秘匿情報sと追加秘匿情報s’とを当てはめて計算を行い、認証情報u’を生成する。この計算は、第1乱数rと秘匿情報sと追加秘匿情報s’を知る場合にのみ、正しく計算できる。また第1乱数rおよび第2乱数dで構成されることから、認証情報u’も乱数となる。
【0067】
そして、更新装置6は、この認証情報u’を中継装置3に送信する。検証式(2)が成立する場合、更新装置6は、中継装置3と共有する秘匿情報sと追加秘匿情報s’を有することから、正当であることが分かる。一方、検証式(2)が不成立の場合、その更新装置6は、詐称されたものであると判定される。
【0068】
なお、第2乱数dは、複数の中継装置3A,3B,3Cで同一のものを生成する。また、更新装置6は、第2乱数dを受信したときに、受信に用いた無線通信の回線によって、それぞれの中継装置3A,3B,3Cを識別することができる。
【0069】
第2実施形態では、暗号化された第1乱数gと認証情報u’を更新装置6から、中継装置3に一斉に一回だけ送信することで、暗号化された第1乱数gと認証情報u’を複数回送信することと比較して、漏洩のリスクを低減させることができる。
【0070】
また、第1乱数rと第2乱数dと秘匿情報sに加えて、追加秘匿情報s’を用いて、認証情報u’を生成することで、セキュリティを高めることができる。なお、第2実施形態の中継装置3のパラメータの更新には、追加秘匿情報の更新を含む。
【0071】
なお、追加秘匿情報s’の少なくとも一部を作業者の生体情報で構成しても良い。例えば、作業者の指紋、虹彩、静脈、顔、声紋、筆跡などを、追加秘匿情報s’として、USBメモリ7に記憶させておく。作業者は、作業を行うときに更新装置6の生体認証部24に自分の生体情報を読み取らせる。更新装置6は、この生体情報を追加秘匿情報s’として認証情報u’の生成を行うようにする。このようにすれば、予め生体情報を中継装置3に登録した特定の作業者しか保守または更新を行うことができないため、中継装置3の保守または更新を行うときのセキュリティを高めることができる。また、追加秘匿情報s’に生体情報を用いることで、追加秘匿情報s’の偽造が困難になる。
【0072】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について図7から図8を用いて説明する。なお、前述した図面を適宜参照する。前述した実施形態に示される構成部分と同一構成部分については同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0073】
図7に示すように、第3実施形態では、1つの更新装置6が1つの中継装置3にアクセスして、この中継装置3の保守または更新を行う。このようにすれば、所定の中継装置3だけを個別に保守または更新することができる。
【0074】
次に、第3実施形態の更新装置6の認証態様について、図8に示すやり取り図を参照して説明する。ここで、秘匿化された秘匿情報sが、中継装置3と更新装置6とで予め共有されているものとする。
【0075】
まず、更新装置6は、第1乱数rを生成する。そして、更新装置6は、生成した第1乱数rを暗号化する。さらに、更新装置6は、第1乱数rを暗号化した状態で中継装置3に送信する。
【0076】
次に、暗号化された第1乱数gを受信した中継装置3は、第2乱数dを生成する。そして、中継装置3は、生成した第2乱数dを更新装置6に送信する。
【0077】
次に、中継装置3から第2乱数dを受信した更新装置6は、第1乱数rと第2乱数dと秘匿情報sから認証情報uを生成する。
【0078】
次に、更新装置6は、第2乱数dと秘匿情報sを用いて、ハッシュ関数の計算を行い、そのハッシュ値hを算出する。そして、更新装置6は、生成した認証情報uとハッシュ値hを中継装置3に送信する。なお、ハッシュ値hは、秘匿情報sと第2乱数dを知る場合にのみ、正しく計算できる。また、ハッシュ値hから、秘匿情報sまたは第2乱数dを求めることが困難な関数である。
【0079】
次に、認証情報uとハッシュ値hを受信した中継装置3が、暗号化された第1乱数gおよび認証情報uを予め設定された検証式(1)に当てはめて計算を行う。さらに、中継装置3は、第2乱数dと秘匿情報sを用いて、自らハッシュ関数の計算を行い、そのハッシュ値h’を算出する。そして、ここで求めたハッシュ値h’と更新装置6から受信したハッシュ値hとを照合する。ここで、中継装置3は、検証式(1)が成立し、かつ双方のハッシュ値h,h’が一致した場合には、更新装置6からのアクセスを許可する。一方、検証式(1)が成立しない場合、または、双方のハッシュ値h,h’が一致しない場合には、不当な装置からのアクセスであるとして、そのアクセスを拒否する。
【0080】
次に、中継装置3は、アクセスを許可する場合に、その旨の通知を更新装置6に送信する。ここで、作業者は、更新装置6を用いて、更新を行うことができる。例えば、更新装置6から更新パラメータが中継装置3に送信される。そして、中継装置3は、パラメータの更新を行う。
【0081】
第3実施形態では、認証情報uの検証に加えて、ハッシュ値h,h’の照合が行われるため、更新装置6が正当であることを確認することができる。そのため、更新装置6に対する認証のための処理におけるセキュリティを向上させることができる。
【0082】
なお、第3実施形態では、中継装置3と更新装置6を有線により1対1で接続しても良い。このようにすれば、中継装置3と更新装置6とでやり取りされる情報が、盗聴されることがなく、安全に保守または更新を行える。
【0083】
ワイヤレス伝送システムおよびワイヤレス伝送方法を第1実施形態から第3実施形態に基づいて説明したが、いずれか1の実施形態において適用された構成を他の実施形態に適用しても良いし、各実施形態において適用された構成を組み合わせても良い。
【0084】
前述の実施形態のシステムは、専用のチップ、FPGA(Field Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)、またはCPU(Central Processing Unit)などのプロセッサを高集積化させた制御装置と、ROM(Read Only Memory)またはRAM(Random Access Memory)などの記憶装置と、HDD(Hard Disk Drive)またはSSD(Solid State Drive)などの外部記憶装置と、ディスプレイなどの表示装置と、マウスまたはキーボードなどの入力装置と、通信インターフェースとを備える。このシステムは、通常のコンピュータを利用したハードウェア構成で実現できる。
【0085】
なお、前述の実施形態のシステムで実行されるプログラムは、ROMなどに予め組み込んで提供される。もしくは、このプログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD-ROM、CD-R、メモリカード、DVD、フレキシブルディスク(FD)などのコンピュータで読み取り可能な非一過性の記憶媒体に記憶されて提供するようにしても良い。
【0086】
また、このシステムで実行されるプログラムは、インターネットなどのネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせて提供するようにしても良い。また、このシステムは、構成要素の各機能を独立して発揮する別々のモジュールを、ネットワークまたは専用線で相互に接続し、組み合わせて構成することもできる。
【0087】
なお、前述の実施形態では、最初に更新装置6が暗号化された第1乱数を中継装置3に送信し、次に中継装置3が第2乱数を更新装置6に送信し、その後に更新装置6が認証情報を中継装置3に送信しているが、その他の態様であっても良い。例えば、最初に中継装置3が第2乱数を更新装置6に送信し、その後に更新装置6が暗号化された第1乱数と認証情報を同時に中継装置3に送信しても良い。
【0088】
なお、前述の実施形態の第1乱数と第2乱数は、ソフトウェアで生成しても良いし、ハードウェアで生成しても良い。ここで、第1乱数と第2乱数は、異なる値でも良いし、同一の値でも良い。
【0089】
また、前述の実施形態では、更新装置6が中継装置3にアクセスする度に、第1乱数と第2乱数が新たに生成されるため、IDおよびパスワードを使い回すシステムと比較して、総当たり攻撃(Brute-force attack)に対する耐久性を向上させることができる。
【0090】
以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、中継装置は、検証式が成立した場合に更新装置からのアクセスを許可することにより、中継装置の保守または更新を行うときのセキュリティを向上させることができる。
【0091】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、組み合わせを行うことができる。これら実施形態またはその変形は、発明の範囲と要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0092】
1…ワイヤレス伝送システム、2…ワイヤレスデバイス、3(3A,3B,3C,3D)…中継装置、4…送受信装置、5…照合復号装置、6…更新装置、7…USBメモリ、10…通信部、11…記憶部、12…制御部、13…第2乱数生成部、14…検証部、20…通信部、21…記憶部、22…入力部、23…出力部、24…生体認証部、25…制御部、26…第1乱数生成部、27…認証情報生成部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8