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特開2023-91464止水開閉体装置の制御装置及び制御方法
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  • 特開-止水開閉体装置の制御装置及び制御方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023091464
(43)【公開日】2023-06-30
(54)【発明の名称】止水開閉体装置の制御装置及び制御方法
(51)【国際特許分類】
   E06B 5/00 20060101AFI20230623BHJP
   E06B 9/68 20060101ALI20230623BHJP
   E04H 9/14 20060101ALI20230623BHJP
   E06B 7/22 20060101ALN20230623BHJP
【FI】
E06B5/00 Z
E06B9/68 A
E04H9/14 Z
E06B7/22 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021206224
(22)【出願日】2021-12-20
(71)【出願人】
【識別番号】000239714
【氏名又は名称】文化シヤッター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114166
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 浩三
(72)【発明者】
【氏名】廣瀬 誠
(72)【発明者】
【氏名】角 和博
(72)【発明者】
【氏名】高橋 大助
(72)【発明者】
【氏名】小林 諒平
(72)【発明者】
【氏名】宮本 顕
【テーマコード(参考)】
2E036
2E042
2E139
2E239
【Fターム(参考)】
2E036AA01
2E036BA01
2E036CA01
2E036DA02
2E036EB02
2E036EB07
2E036HB08
2E042AA01
2E042CB06
2E042CC06
2E042DA01
2E139AA08
2E139AC19
2E239AC04
(57)【要約】
【課題】複数の止水パネルを垂直方向及び水平方向に圧迫する際に、止水パネル同士及び止水パネルとガイドレールとの間の水密性を向上させる。
【解決手段】制御装置は、時刻t10に第1水平圧迫処理を実行し、その後の時刻t14に第1垂直圧迫処理を実行し、時刻t13に第1水平圧迫処理を停止し、その後の時刻t18に第2水平圧迫処理を実行し、時刻t17に第1垂直圧迫処理を停止し、その後の時刻t1aに第2垂直圧迫処理を実行する。制御装置は、時刻t20に第1水平圧迫処理を実行し、その後の時刻t22に第1垂直圧迫処理を実行し、時刻t24に第1水平圧迫処理を停止し、その後の時刻T27に第2水平圧迫処理を実行し、時刻t26に第1垂直圧迫処理を停止し、その後の時刻t28に第2垂直圧迫処理を実行する。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部の周縁部から複数のパネル手段をガイド手段に沿って移動させることによって前記開口部を開閉する止水開閉手段と、前記止水開閉手段によって前記開口部が閉鎖された後に前記複数のパネル手段に対して水平移動方向へ圧迫力を加える第1水平圧迫処理を実行する水平圧迫手段と、前記複数のパネル手段に対して垂直移動方向へ圧迫力を加える第1垂直圧迫処理を実行する垂直圧迫手段とを備え、前記複数のパネル手段と前記ガイド手段との間の水密性及び垂直方向でそれぞれ接触する前記複数のパネル手段間の水密性を高めるように、前記水平圧迫手段及び前記垂直圧迫手段を制御する止水開閉体装置の制御装置において、
前記第1水平圧迫処理を実行後に前記第1垂直圧迫処理を実行し、前記第1水平圧迫処理停止後に第2水平圧迫処理を実行する
ことを特徴とする止水開閉体装置の制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の止水開閉体装置の制御装置において、
前記第1水平圧迫処理を実行後に前記第1垂直圧迫処理を実行し、
前記第1水平圧迫処理停止後に第2水平圧迫処理を実行し、
前記第1垂直圧迫処理停止後に第2垂直圧迫処理を実行する
ことを特徴とする止水開閉体装置の制御装置。
【請求項3】
請求項2に記載の止水開閉体装置の制御装置において、
前記第1水平圧迫処理実行後の所定条件達成時に前記第1水平圧迫処理を停止し、
前記第1水平圧迫処理実行後の所定条件達成時に前記第1垂直圧迫処理を実行し、
前記第1垂直圧迫処理実行後の所定条件達成時に前記第1垂直圧迫処理を停止し、
前記第1水平圧迫処理停止後の所定条件達成時に前記第2水平圧迫処理を実行し、
前記第1垂直圧迫処理停止後の所定条件達成時に前記第2垂直圧迫処理を実行し、
前記第2水平圧迫処理実行後の所定条件達成時に前記第2水平圧迫処理を停止し、
前記第2垂直圧迫処理実行後の所定条件達成時に前記第2垂直圧迫処理を停止する
ことを特徴とする止水開閉体装置の制御装置。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の止水開閉体装置の制御装置において、
前記第1水平圧迫処理を実行後に、前記第1水平圧迫処理のフィードバック信号が所定値に達した時に、又は所定時間経過時に前記第1水平圧迫処理を停止し、
前記第1水平圧迫処理実行後に、前記第1水平圧迫処理のフィードバック信号が所定値に達した時に、又は所定時間経過時に前記第1垂直圧迫処理を実行し、
前記第1垂直圧迫処理実行後に、前記第1垂直圧迫処理のフィードバック信号が所定値に達した時に、又は所定時間経過時に前記第1垂直圧迫処理を停止し、
前記第1水平圧迫処理停止後に、前記第1垂直圧迫処理のフィードバック信号が所定値に達した時に、又は所定時間経過時に前記第2水平圧迫処理を実行し、
前記第1垂直圧迫処理停止後に、前記第2水平圧迫処理のフィードバック信号が所定値に達した時に、又は所定時間経過時に前記第2垂直圧迫処理を実行し、
前記第2水平圧迫処理実行後に前記第2水平圧迫処理のフィードバック信号が所定値に達した時に、前記第2水平圧迫処理実行後に前記第2水平圧迫処理のフィードバック信号が所定値に達してから所定時間が経過した時に、又は前記第2水平圧迫処理実行後に所定時間が経過した時に前記第2水平圧迫処理を停止し、
前記第2垂直圧迫処理実行後に前記第2垂直圧迫処理のフィードバック信号が所定値に達した時に前記第2水平垂直圧迫処理実行後に前記第2垂直圧迫処理のフィードバック信号が所定値に達してから所定時間が経過した時に、又は前記第2水平垂直圧迫処理実行後に所定時間が経過した時に前記第2垂直圧迫処理を停止する
ことを特徴とする止水開閉体装置の制御装置。
【請求項5】
請求項2、3又は4に記載の止水開閉体装置の制御装置において、
前記第1水平圧迫処理実行後に、前記第1水平圧迫処理のフィードバック信号が第1所定値に達した時に、又は前記第1水平圧迫処理のフィードバック信号が前記第1所定値に達する時間を経過した時に、前記第1水平圧迫処理を停止し、
前記第1水平圧迫処理停止後の所定時間経過時に前記第1垂直圧迫処理を実行し、
前記第1垂直圧迫処理実行後に、前記第1垂直圧迫処理のフィードバック信号が第2所定値に達した時に、又は前記第1垂直圧迫処理のフィードバック信号が前記第2所定値に達する時間を経過した時に、前記第1垂直圧迫処理を停止し、
前記第1垂直圧迫処理停止後の所定時間経過時に前記第2水平圧迫処理を実行し、
前記第2水平圧迫処理実行後に前記第2水平圧迫処理のフィードバック信号が第3所定値に達した時に、前記第2水平圧迫処理実行後に前記第2水平圧迫処理のフィードバック信号が前記第3所定値よりも小さな第4所定値に達してから所定時間が経過した時に、又は前記第2水平圧迫処理実行後に前記第2水平圧迫処理のフィードバック信号が前記第3所定値に達する時間を経過した時に前記第2水平圧迫処理を停止し、
前記第2水平圧迫処理停止後の所定時間経過時に前記第2垂直圧迫処理を実行し、
前記第2垂直圧迫処理実行後に前記第2垂直圧迫処理のフィードバック信号が第5所定値に達した時に、前記第2垂直圧迫処理実行後に前記第2垂直圧迫処理のフィードバック信号が前記第5所定値よりも小さな第6所定値に達してから所定時間が経過した時に、又は前記第2垂直圧迫処理実行後に前記第2垂直圧迫処理のフィードバック信号が前記第6所定値に達する時間を経過した時に前記第2垂直圧迫処理を停止する
ことを特徴とする止水開閉体装置の制御装置。
【請求項6】
請求項2、3又は4に記載の止水開閉体装置の制御装置において、
前記第1水平圧迫処理実行後に、前記第1水平圧迫処理のフィードバック信号が第1所定値に達した時に、又は前記第1水平圧迫処理のフィードバック信号が前記第1所定値に達する時間を経過した時に、前記第1水平圧迫処理を停止し、
前記第1水平圧迫処理実行後に、前記第1水平圧迫処理のフィードバック信号が第2所定値に達した時に、又は前記第1水平圧迫処理のフィードバック信号が前記第2所定値に達する時間を経過した時に、前記第1垂直圧迫処理を実行し、
前記第1垂直圧迫処理実行後に、前記第2垂直圧迫処理のフィードバック信号が第3所定値に達した時に、又は前記第2水平圧迫処理のフィードバック信号が前記第3所定値に達する時間を経過した時に、前記第1垂直圧迫処理を停止し、
前記第1垂直圧迫処理停止後に所定時間が経過した時に前記第2水平圧迫処理を実行し、
前記第2水平圧迫処理実行後に、前記第2水平圧迫処理のフィードバック信号が第4所定値に達した時に、又は前記第2水平圧迫処理のフィードバック信号が前記第4所定値に達する時間を経過した時に前記第2垂直圧迫処理を実行し、
前記第2水平圧迫処理実行後に前記第2水平圧迫処理のフィードバック信号が第5所定値に達した時に、前記第2水平圧迫処理実行後に前記第2水平圧迫処理のフィードバック信号が前記第5所定値よりも小さな第6所定値に達してから所定時間が経過した時に、又は前記第2水平圧迫処理実行後に前記第2水平圧迫処理のフィードバック信号が前記第5所定値に達する時間を経過した時に前記第2水平圧迫処理を停止し、
前記第2垂直圧迫処理実行後に前記第2垂直圧迫処理のフィードバック信号が第7所定値に達した時に、前記第2垂直圧迫処理実行後に前記第2垂直圧迫処理のフィードバック信号が前記第7所定値よりも小さな第8所定値に達してから所定時間が経過した時に、又は前記第2垂直圧迫処理実行後に前記第2垂直圧迫処理のフィードバック信号が前記第7所定値に達する時間を経過した時に前記第2垂直圧迫処理を停止する
ことを特徴とする止水開閉体装置の制御装置。
【請求項7】
開口部の周縁部から複数のパネル手段をガイド手段に沿って移動させることによって前記開口部を閉鎖し、閉鎖後に前記複数のパネル手段に対して水平移動方向及び垂直移動方向へ圧迫力を加えることによって前記複数のパネル手段を水平方向及び垂直方向に圧迫する第1水平圧迫処理及び第1垂直圧迫処理をそれぞれ実行し、前記複数のパネル手段と前記ガイド手段との間の水密性及び垂直方向でそれぞれ接触する前記複数のパネル手段間の水密性を高める止水開閉体装置の制御方法において、
前記第1水平圧迫処理を実行後に前記第1垂直圧迫処理を実行し、前記第1水平圧迫処理停止後に第2水平圧迫処理を実行することを特徴とする止水開閉体装置の制御方法。
【請求項8】
請求項7に記載の止水開閉体装置の制御方法において、
前記第1水平圧迫処理を実行後に前記第1垂直圧迫処理を実行し、
前記第1水平圧迫処理停止後に第2水平圧迫処理を実行し、
前記第1垂直圧迫処理停止後に第2垂直圧迫処理を実行する
ことを特徴とする止水開閉体装置の制御方法。
【請求項9】
請求項8に記載の止水開閉体装置の制御方法において、
前記第1水平圧迫処理実行後の所定条件達成時に前記第1水平圧迫処理を停止し、
前記第1水平圧迫処理実行後の所定条件達成時に前記第1垂直圧迫処理を実行し、
前記第1垂直圧迫処理実行後の所定条件達成時に前記第1垂直圧迫処理を停止し、
前記第1水平圧迫処理停止後の所定条件達成時に前記第2水平圧迫処理を実行し、
前記第1垂直圧迫処理停止後の所定条件達成時に前記第2垂直圧迫処理を実行し、
前記第2水平圧迫処理実行後の所定条件達成時に前記第2水平圧迫処理を停止し、
前記第2垂直圧迫処理実行後の所定条件達成時に前記第2垂直圧迫処理を停止する
ことを特徴とする止水開閉体装置の制御方法。
【請求項10】
請求項8又は9に記載の止水開閉体装置の制御方法において、
前記第1水平圧迫処理を実行後に、前記第1水平圧迫処理のフィードバック信号が所定値に達した時に、又は所定時間経過時に前記第1水平圧迫処理を停止し、
前記第1水平圧迫処理実行後に、前記第1水平圧迫処理のフィードバック信号が所定値に達した時に、又は所定時間経過時に前記第1垂直圧迫処理を実行し、
前記第1垂直圧迫処理実行後に、前記第1垂直圧迫処理のフィードバック信号が所定値に達した時に、又は所定時間経過時に前記第1垂直圧迫処理を停止し、
前記第1水平圧迫処理停止後に、前記第1垂直圧迫処理のフィードバック信号が所定値に達した時に、又は所定時間経過時に前記第2水平圧迫処理を実行し、
前記第1垂直圧迫処理停止後に、前記第2水平圧迫処理のフィードバック信号が所定値に達した時に、又は所定時間経過時に前記第2垂直圧迫処理を実行し、
前記第2水平圧迫処理実行後に前記第2水平圧迫処理のフィードバック信号が所定値に達した時に、前記第2水平圧迫処理実行後に前記第2水平圧迫処理のフィードバック信号が所定値に達してから所定時間が経過した時に、又は前記第2水平圧迫処理実行後に所定時間が経過した時に前記第2水平圧迫処理を停止し、
前記第2垂直圧迫処理実行後に前記第2垂直圧迫処理のフィードバック信号が所定値に達した時に、前記第2水平垂直圧迫処理実行後に前記第2垂直圧迫処理のフィードバック信号が所定値に達してから所定時間が経過した時に、又は前記第2水平垂直圧迫処理実行後に所定時間が経過した時に前記第2垂直圧迫処理を停止する
ことを特徴とする止水開閉体装置の制御方法。
【請求項11】
請求項8、9又は10に記載の止水開閉体装置の制御方法において、
前記第1水平圧迫処理実行後に、前記第1水平圧迫処理のフィードバック信号が第1所定値に達した時に、又は前記第1水平圧迫処理のフィードバック信号が前記第1所定値に達する時間を経過した時に、前記第1水平圧迫処理を停止し、
前記第1水平圧迫処理停止後の所定時間経過時に前記第1垂直圧迫処理を実行し、
前記第1垂直圧迫処理実行後に、前記第1垂直圧迫処理のフィードバック信号が第2所定値に達した時に、又は前記第1垂直圧迫処理のフィードバック信号が前記第2所定値に達する時間を経過した時に、前記第1垂直圧迫処理を停止し、
前記第1垂直圧迫処理停止後の所定時間経過時に前記第2水平圧迫処理を実行し、
前記第2水平圧迫処理実行後に前記第2水平圧迫処理のフィードバック信号が第3所定値に達した時に、前記第2水平圧迫処理実行後に前記第2水平圧迫処理のフィードバック信号が前記第3所定値よりも小さな第4所定値に達してから所定時間が経過した時に、又は前記第2水平圧迫処理実行後に前記第2水平圧迫処理のフィードバック信号が前記第3所定値に達する時間を経過した時に前記第2水平圧迫処理を停止し、
前記第2水平圧迫処理停止後の所定時間経過時に前記第2垂直圧迫処理を実行し、
前記第2垂直圧迫処理実行後に前記第2垂直圧迫処理のフィードバック信号が第5所定値に達した時に、前記第2垂直圧迫処理実行後に前記第2垂直圧迫処理のフィードバック信号が前記第5所定値よりも小さな第6所定値に達してから所定時間が経過した時に、又は前記第2垂直圧迫処理実行後に前記第2垂直圧迫処理のフィードバック信号が前記第6所定値に達する時間を経過した時に前記第2垂直圧迫処理を停止する
【請求項12】
請求項8、9又は10に記載の止水開閉体装置の制御方法において、
前記第1水平圧迫処理実行後に、前記第1水平圧迫処理のフィードバック信号が第1所定値に達した時に、又は前記第1水平圧迫処理のフィードバック信号が前記第1所定値に達する時間を経過した時に、前記第1水平圧迫処理を停止し、
前記第1水平圧迫処理実行後に、前記第1水平圧迫処理のフィードバック信号が第2所定値に達した時に、又は前記第1水平圧迫処理のフィードバック信号が前記第2所定値に達する時間を経過した時に、前記第1垂直圧迫処理を実行し、
前記第1垂直圧迫処理実行後に、前記第2垂直圧迫処理のフィードバック信号が第3所定値に達した時に、又は前記第2水平圧迫処理のフィードバック信号が前記第3所定値に達する時間を経過した時に、前記第1垂直圧迫処理を停止し、
前記第1垂直圧迫処理停止後に所定時間が経過した時に前記第2水平圧迫処理を実行し、
前記第2水平圧迫処理実行後に、前記第2水平圧迫処理のフィードバック信号が第4所定値に達した時に、又は前記第2水平圧迫処理のフィードバック信号が前記第4所定値に達する時間を経過した時に前記第2垂直圧迫処理を実行し、
前記第2水平圧迫処理実行後に前記第2水平圧迫処理のフィードバック信号が第5所定値に達した時に、前記第2水平圧迫処理実行後に前記第2水平圧迫処理のフィードバック信号が前記第5所定値よりも小さな第6所定値に達してから所定時間が経過した時に、又は前記第2水平圧迫処理実行後に前記第2水平圧迫処理のフィードバック信号が前記第5所定値に達する時間を経過した時に前記第2水平圧迫処理を停止し、
前記第2垂直圧迫処理実行後に前記第2垂直圧迫処理のフィードバック信号が第7所定値に達した時に、前記第2垂直圧迫処理実行後に前記第2垂直圧迫処理のフィードバック信号が前記第7所定値よりも小さな第8所定値に達してから所定時間が経過した時に、又は前記第2垂直圧迫処理実行後に前記第2垂直圧迫処理のフィードバック信号が前記第7所定値に達する時間を経過した時に前記第2垂直圧迫処理を停止する
ことを特徴とする止水開閉体装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、大雨時などにおいて、ビル、工場、倉庫、車庫等の建物の出入口などの開口部、または地下鉄の駅や地下街の出入口などの開口部を水密状態に閉鎖する止水装置の制御装置及び制御方法に係り、特に、複数の止水パネルを用いて構成された止水開閉体装置の制御に好適な止水開閉体装置の制御装置及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
地下鉄の駅や地下街などの地下施設へ通じる地上の出入口や、建物の出入口などには、大雨などによる水が地下施設または建物内部へ流入することを防止するための止水装置が設けられる。
このような止水装置として、特許文献1に記載の防水扉が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許6355356号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の防水扉は、扉体を垂直方向に圧迫する第1の圧迫手段と、水平方向に圧迫する第2の圧迫手段とを備え、第1の圧迫手段の圧迫動作後に第2の圧迫手段の圧迫動作を行うものである。
【0005】
特許文献1に記載のものは、扉体を垂直方向に圧迫し、その後に水平方向に圧迫しているので、複数の扉体を垂直方向に圧迫した場合、各扉体の水平方向に存在する間隙によって複数の扉体が個々に傾きを生じ扉体の接触個所で屈折したように接触する可能性があり、その後に水平方向に圧迫することによって屈折した接触部に不測の応力を架けることとなり好ましくない場合がある。
【0006】
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、複数の止水パネルを垂直方向及び水平方向に圧迫する際に、止水パネル同士及び止水パネルとガイドレールとの間の水密性を向上させることのできる止水開閉体装置の制御装置及び制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の止水開閉体装置の制御装置の第1の特徴は、開口部の周縁部から複数のパネル手段をガイド手段に沿って移動させることによって前記開口部を開閉する止水開閉手段と、前記止水開閉手段によって前記開口部が閉鎖された後に前記複数のパネル手段に対して水平移動方向へ圧迫力を加える第1水平圧迫処理を実行する水平圧迫手段と、前記複数のパネル手段に対して垂直移動方向へ圧迫力を加える第1垂直圧迫処理を実行する垂直圧迫手段とを備え、前記複数のパネル手段と前記ガイド手段との間の水密性及び垂直方向でそれぞれ接触する前記複数のパネル手段間の水密性を高めるように、前記水平圧迫手段及び前記垂直圧迫手段を制御する止水開閉体装置の制御装置において、前記第1水平圧迫処理を実行後に前記第1垂直圧迫処理を実行し、前記第1水平圧迫処理停止後に第2水平圧迫処理を実行することにある。
【0008】
止水開閉手段は、ビル、工場、倉庫、車庫などの建物などの構造物における、出入口や窓部、あるいは内部の通路や空間などの開口部を電動で開閉移動する複数のパネル手段で構成される。複数のパネル手段は、建物などの開口部の周縁部の一つである上部に収納され、まぐさなどを通過してガイド手段に沿って開口部を移動(下降)し、開口部を電動で開閉する。これ以外にも、止水開閉手段が開口部の下部に収納されて、上昇方式にて電動で開閉移動したり、止水開閉手段が側部に収納されて、スライド方式にて電動で移動したりすることもある。また、止水開閉手段には、閉鎖によって開口部を全閉できるものも全閉できないものも含む。
【0009】
水平圧迫手段は、止水開閉手段によって開口部が閉鎖された後又はこの閉鎖後に止水開始ボタンが操作された後に複数のパネル手段に対して水平移動方向へ圧迫力を加える。水平圧迫手段が水平移動方向へ圧迫力を加える処理を水平圧迫処理という。この水平圧迫処理によって複数のパネル手段はガイド手段の内壁面に圧迫されて接触するようになり水密性が高まるようになっている。一方、垂直圧迫手段は、止水開閉手段によって開口部が閉鎖された後に複数のパネル手段に対して垂直移動方向へ圧迫力を加える。垂直圧迫手段が垂直移動方向へ圧迫力を加える処理を垂直圧迫処理という。この垂直圧迫処理によってそれぞれ垂直方向で圧迫されて接触する複数のパネル手段間の水密性が高まるようになっている。
【0010】
この発明は、水平圧迫手段による第1水平圧迫処理を実行し、その後に第1垂直圧迫処理を実行し、第1水平圧迫処理を停止した後にさらに第2水平圧迫処理を実行するようにしたものである。複数のパネル手段に対して第1水平圧迫処理を実行することによって、複数のパネル手段はガイド手段の内壁面に圧迫されて接触するようになり、複数のパネル手段とガイド手段との間に存在していた間隙は消滅し、複数のパネル手段が個々に傾きを生じることもなくなり、複数のパネル手段はガイド手段の内壁面に沿って一直線を維持することになる。この第1水平圧迫処理の後に第1垂直圧迫処理を実行することによって一直線を維持している複数のパネル手段に対して垂直圧迫手段から垂直移動方向への圧迫力が加わるようになるので、垂直方向で効率的に圧迫されて接触するようになり複数のパネル手段間の水密性を高めることができるようになる。この発明では、第1垂直圧迫処理によって複数のパネル手段が垂直移動方向へ移動するようになるので、第1垂直圧迫処理の後に第2水平圧迫処理を実行するようにしている。第2水平圧迫処理によって垂直方向に移動した複数のパネル手段はガイド手段の内壁面に効率的に圧迫されて接触するようになり水密性が格段に高まる。
【0011】
例えば、図2及び図4に示す制御では、時刻t10に第1水平圧迫処理を実行し、その後の時刻t14に第1垂直圧迫処理を実行し、時刻t13に第1水平圧迫処理を停止し、その後の時刻T18に第2水平圧迫処理を実行している。
図3に示す制御では、時刻t20に第1水平圧迫処理を実行し、その後の時刻t22に第1垂直圧迫処理を実行し、時刻t24に第1水平圧迫処理を停止し、その後の時刻T27に第2水平圧迫処理を実行している。
【0012】
本発明の止水開閉体装置の制御装置の第2の特徴は、前記第1の特徴に記載の止水開閉体装置の制御装置において、前記第1水平圧迫処理を実行後に前記第1垂直圧迫処理を実行し、前記第1水平圧迫処理停止後に第2水平圧迫処理を実行し、前記第1垂直圧迫処理停止後に第2垂直圧迫処理を実行することにある。
これは、水平圧迫手段による第1水平圧迫処理を実行し、その後に垂直圧迫手段による第1垂直圧迫処理を実行するという動作と、水平圧迫手段による第1水平圧迫処理を停止した後に第2水平圧迫処理を実行するという動作と、垂直圧迫手段による第1垂直圧迫処理を停止した後に第2垂直圧迫処理を実行するという動作を、止水開閉体装置に行わせるようにしたものである。
【0013】
すなわち、水平圧迫手段による第1水平圧迫処理を実行し、その後に第1垂直圧迫処理を実行する。第1水平圧迫処理を停止する時刻と、第1垂直圧迫処理の実行を開始する時刻は任意である。第1水平圧迫処理を停止した後に第2水平圧迫処理を実行する。第2水平圧迫処理の実行を開始する時刻は任意である。第1垂直圧迫処理を停止した後に第2垂直圧迫処理を実行する。第1垂直圧迫処理を停止する時刻と、第2垂直圧迫処理の実行を開始する時刻は任意である。
図2及び図4に示すように、水平圧迫手段による第1水平圧迫処理を実行し、その後に第1垂直圧迫処理を実行するが、第1水平圧迫処理を停止後に第1垂直圧迫処理を実行する。また、第1水平圧迫処理を停止した後に第2水平圧迫処理を実行するが、第1垂直圧迫処理停止後、所定時間が経過した時点でに第2水平圧迫処理の実行を開始する。さらに、第1垂直圧迫処理を停止した後に第2垂直圧迫処理を実行するが、第2水平圧迫処理停止後に第2垂直圧迫処理の実行を開始する。
【0014】
また、図3に示すように、水平圧迫手段による第1水平圧迫処理を実行し、その後に第1垂直圧迫処理を実行するが、パネル手段はガイド手段の内壁面に圧迫されて接触した時点で第1垂直圧迫処理を実行する。また、第1水平圧迫処理を停止した後に第2水平圧迫処理を実行するが、第1垂直圧迫処理停止後、所定時間が経過した時点で第2水平圧迫処理の実行を開始する。さらに、第1垂直圧迫処理を停止した後に第2垂直圧迫処理を実行するが、第2水平圧迫処理開始から所定時間が経過した時点又はフィードバック信号が所定値に達した時点で第2垂直圧迫処理の実行を開始する。
すなわち、第2の特徴に記載の止水開閉体手段の制御装置は、図2~び図4に示す制御及びその変形例を含むものである。
【0015】
例えば、図2及び図4に示す制御では、時刻t10に第1水平圧迫処理を実行し、その後の時刻t14に第1垂直圧迫処理を実行し、時刻t13に第1水平圧迫処理を停止し、その後の時刻t18に第2水平圧迫処理を実行し、時刻t17に第1垂直圧迫処理を停止し、その後の時刻t1aに第2垂直圧迫処理を実行している。
図3に示す制御では、時刻t20に第1水平圧迫処理を実行し、その後の時刻t22に第1垂直圧迫処理を実行し、時刻t24に第1水平圧迫処理を停止し、その後の時刻T27に第2水平圧迫処理を実行し、時刻t26に第1垂直圧迫処理を停止し、その後の時刻t28に第2垂直圧迫処理を実行している。
【0016】
本発明の止水開閉体装置の制御装置の第3の特徴は、前記第2の特徴に記載の止水開閉体装置の制御装置において、前記第1水平圧迫処理実行後の所定条件達成時に前記第1水平圧迫処理を停止し、前記第1水平圧迫処理実行後の所定条件達成時に前記第1垂直圧迫処理を実行し、前記第1垂直圧迫処理実行後の所定条件達成時に前記第1垂直圧迫処理を停止し、前記第1水平圧迫処理停止後の所定条件達成時に前記第2水平圧迫処理を実行し、前記第1垂直圧迫処理停止後の所定条件達成時に前記第2垂直圧迫処理を実行し、前記第2水平圧迫処理実行後の所定条件達成時に前記第2水平圧迫処理を停止し、前記第2垂直圧迫処理実行後の所定条件達成時に前記第2垂直圧迫処理を停止することにある。
【0017】
これは、各処理の実行開始時刻及び停止時刻をそれぞれの条件に応じて制御するようにしたものである。すなわち、第1水平圧迫処理は止水開閉手段によって開口部が閉鎖された後又はこの閉鎖後に止水開始ボタンが操作された後に実行を開始し、これ以降の各処理の開始及び停止は所定条件達成時点で実行される。
【0018】
図2又は図4に示すように、第1水平圧迫処理実行後の所定条件達成後(フィードバック信号H1,H2が所定値1.0〔A〕に達した時点で)に第1水平圧迫処理を停止し、第1水平圧迫処理実行後の所定条件達成後(第1水平圧迫処理停止後に所定時間(5秒)経過後)に第1垂直圧迫処理を実行し、第1垂直圧迫処理実行後の所定条件達成後(フィードバック信号V1~V4が所定値1.0〔A〕に達した時点で)に第1垂直圧迫処理を停止し、第1水平圧迫処理停止後の所定条件達成後(第1垂直圧迫処理停止後に所定時間(8秒)経過後)さらに第2水平圧迫処理を実行し、第1垂直圧迫処理停止後の所定条件達成後(第2水平圧迫処理停止後に所定時間(5秒)経過後)さらに第2垂直圧迫処理を実行し、第2水平圧迫処理実行後の所定条件達成後(図2ではフィードバック信号H1,H2が所定値4.0〔A〕に達した時点、図4ではフィードバック信号H1,H2が所定値3.0〔A〕に達した時刻から所定時間(約1秒)経過した時点)に第2水平圧迫処理を停止し、第2垂直圧迫処理実行後の所定条件達成後(図2ではフィードバック信号V1~V4が所定値4.0〔A〕に達した時点、図4ではフィードバック信号H1,H2が所定値3.0〔A〕に達した時刻から所定時間(約1秒)経過した時点)に第2垂直圧迫処理を停止する。
【0019】
また、図3に示すように、第1水平圧迫処理実行後の所定条件達成後(フィードバック信号H1,H2が所定値1.0〔A〕に達した時点で)に第1水平圧迫処理を停止し、第1水平圧迫処理実行後の所定条件達成後(フィードバック信号H1,H2が所定値0.5〔A〕より大きくなった後)に第1垂直圧迫処理を実行し、第1垂直圧迫処理実行後の所定条件達成後(フィードバック信号V1~V4が所定値1.0〔A〕に達した時点で)に第1垂直圧迫処理を停止し、第1水平圧迫処理停止後の所定条件達成後(第1垂直圧迫処理停止後に所定時間(8秒)経過後)さらに第2水平圧迫処理を実行し、第1垂直圧迫処理停止後の所定条件達成後(フィードバック信号H1,H2が所定値1.0〔A〕に達した時点で)さらに第2垂直圧迫処理を実行し、第2水平圧迫処理実行後の所定条件達成後(フィードバック信号H1,H2が所定値4.0〔A〕に達した時点で)に第2水平圧迫処理を停止し、第2垂直圧迫処理実行後の所定条件達成後(フィードバック信号V1~V4が所定値4.0〔A〕に達した時点で)に第2垂直圧迫処理を停止する。なお、第2水平圧迫処理及び第2垂直圧迫処理の停止時点は、図4のようにフィードバック信号が所定値に達した時刻から所定時間経過後でもよい。
【0020】
第3の特徴に記載の止水開閉体手段の制御装置は、図2図4に示す制御を含むものである。例えば、図2及び図4に示す制御では、時刻t10に第1水平圧迫処理を実行し、その後の所定条件達成時t13に第1水平圧迫処理を停止し、第1水平圧迫処理実行後の所定条件達成時t14に第1垂直圧迫処理を実行し、第1垂直圧迫処理実行後の所定条件達成時t17に第1垂直圧迫処理を停止し、第1水平圧迫処理停止後の所定条件達成時t18に第2水平圧迫処理を実行し、第1垂直圧迫処理停止後の所定条件達成時t1aに第2垂直圧迫処理を実行し、第2水平圧迫処理実行後の所定条件達成時t19に第2水平圧迫処理を停止し、第2垂直圧迫処理実行後の所定条件達成時t1bに第2垂直圧迫処理を停止している。
【0021】
図3に示す制御では、時刻t20に第1水平圧迫処理を実行し、その後の所定条件達成時t24に第1水平圧迫処理を停止し、第1水平圧迫処理実行後の所定条件達成時t22に第1垂直圧迫処理を実行し、第1垂直圧迫処理実行後の所定条件達成時t26に第1垂直圧迫処理を停止し、第1水平圧迫処理停止後の所定条件達成時t27に第2水平圧迫処理を実行し、第1垂直圧迫処理停止後の所定条件達成時t28に第2垂直圧迫処理を実行し、第2水平圧迫処理実行後の所定条件達成時t29に第2水平圧迫処理を停止し、第2垂直圧迫処理実行後の所定条件達成時t2aに第2垂直圧迫処理を停止している。
【0022】
なお、第3の特徴に記載の所定条件を種々変更することによってさまざまな制御の変形例に対応可能となる。この実施の形態では、所定条件として、所定時間が経過したか否か、フィードバック信号が所定値に達したか否か、又はフィードバック信号が所定値に達した後に所定時間が経過したか否かに基づいて判定しているが、止水開閉体装置の複数のパネル手段が水平圧迫処理及び垂直圧迫処理時に実際に水平方向及び垂直方向にどの程度移動するのかその移動量を測定しておき、その移動量に到達したか否かを制御時の所定条件としてもよい。
【0023】
本発明の止水開閉体装置の制御装置の第4の特徴は、前記第2又は第3の特徴に記載の止水開閉体装置の制御装置において、前記第1水平圧迫処理を実行後に、前記第1水平圧迫処理のフィードバック信号が所定値に達した時に、又は所定時間経過時に前記第1水平圧迫処理を停止し、前記第1水平圧迫処理実行後に、前記第1水平圧迫処理のフィードバック信号が所定値に達した時に、又は所定時間経過時に前記第1垂直圧迫処理を実行し、前記第1垂直圧迫処理実行後に、前記第1垂直圧迫処理のフィードバック信号が所定値に達した時に、又は所定時間経過時に前記第1垂直圧迫処理を停止し、前記第1水平圧迫処理停止後に、前記第1垂直圧迫処理のフィードバック信号が所定値に達した時に、又は所定時間経過時に前記第2水平圧迫処理を実行し、前記第1垂直圧迫処理停止後に、前記第2水平圧迫処理のフィードバック信号が所定値に達した時に、又は所定時間経過時に前記第2垂直圧迫処理を実行し、前記第2水平圧迫処理実行後に前記第2水平圧迫処理のフィードバック信号が所定値に達した時に、前記第2水平圧迫処理実行後に前記第2水平圧迫処理のフィードバック信号が所定値に達してから所定時間が経過した時に、又は前記第2水平圧迫処理実行後に所定時間が経過した時に前記第2水平圧迫処理を停止し、前記第2垂直圧迫処理実行後に前記第2垂直圧迫処理のフィードバック信号が所定値に達した時に前記第2水平垂直圧迫処理実行後に前記第2垂直圧迫処理のフィードバック信号が所定値に達してから所定時間が経過した時に、又は前記第2水平垂直圧迫処理実行後に所定時間が経過した時に前記第2垂直圧迫処理を停止することにある。
【0024】
これは、各処理の実行開始時刻及び停止時刻を所定時間経過したか又はフィードバック信号が所定値に達したかに応じて制御するようにしたものである。すなわち、第1水平圧迫処理は止水開閉手段によって開口部が閉鎖された後又はこの閉鎖後に止水開始ボタンが操作された後に実行を開始し、これ以降の各処理の開始及び停止は所定時間が経過したか否かの判定又はフィードバック信号が所定値に達したか否かの判断に応じてそれぞれ実行される。ここで、フィードバック信号が所定値に達した時の時間を予め記録しておくことによって、フィードバック信号が所定値に達したか否かを判定しなくても、記録しておいた時間に対応した時間が経過した時点で各処理の開始及び停止を行うようにすることができる。なお、全ての処理の実行開始時刻及び停止時刻を予め設定した時間で制御することも可能である。この場合は、予め止水開閉体装置の開閉動作及び圧迫動作を実行し、その時間を計測記録しておくことで対応可能である。また、第2水平圧迫処理及び第2垂直圧迫処理の停止時点については、図4のようにフィードバック信号が所定値に達した時刻から所定時間経過後とすることも可能である。
【0025】
本発明の止水開閉体装置の制御装置の第5の特徴は、前記第2、第3又は第4の特徴に記載の止水開閉体装置の制御装置において、前記第1水平圧迫処理実行後に、前記第1水平圧迫処理のフィードバック信号が第1所定値に達した時に、又は前記第1水平圧迫処理のフィードバック信号が前記第1所定値に達する時間を経過した時に、前記第1水平圧迫処理を停止し、前記第1水平圧迫処理停止後の所定時間経過時に前記第1垂直圧迫処理を実行し、前記第1垂直圧迫処理実行後に、前記第1垂直圧迫処理のフィードバック信号が第2所定値に達した時に、又は前記第1垂直圧迫処理のフィードバック信号が前記第2所定値に達する時間を経過した時に、前記第1垂直圧迫処理を停止し、前記第1垂直圧迫処理停止後の所定時間経過時に前記第2水平圧迫処理を実行し、前記第2水平圧迫処理実行後に前記第2水平圧迫処理のフィードバック信号が第3所定値に達した時に、前記第2水平圧迫処理実行後に前記第2水平圧迫処理のフィードバック信号が前記第3所定値よりも小さな第4所定値に達してから所定時間が経過した時に、又は前記第2水平圧迫処理実行後に前記第2水平圧迫処理のフィードバック信号が前記第3所定値に達する時間を経過した時に前記第2水平圧迫処理を停止し、前記第2水平圧迫処理停止後の所定時間経過時に前記第2垂直圧迫処理を実行し、前記第2垂直圧迫処理実行後に前記第2垂直圧迫処理のフィードバック信号が第5所定値に達した時に、前記第2垂直圧迫処理実行後に前記第2垂直圧迫処理のフィードバック信号が前記第5所定値よりも小さな第6所定値に達してから所定時間が経過した時に、又は前記第2垂直圧迫処理実行後に前記第2垂直圧迫処理のフィードバック信号が前記第6所定値に達する時間を経過した時に前記第2垂直圧迫処理を停止することにある。
これは、図2又は図4の制御処理に対応したものである。
【0026】
本発明の止水開閉体装置の制御装置の第6の特徴は、前記第2、第3又は第4の特徴に記載の止水開閉体装置の制御装置において、前記第1水平圧迫処理実行後に、前記第1水平圧迫処理のフィードバック信号が第1所定値に達した時に、又は前記第1水平圧迫処理のフィードバック信号が前記第1所定値に達する時間を経過した時に、前記第1水平圧迫処理を停止し、前記第1水平圧迫処理実行後に、前記第1水平圧迫処理のフィードバック信号が第2所定値に達した時に、又は前記第1水平圧迫処理のフィードバック信号が前記第2所定値に達する時間を経過した時に、前記第1垂直圧迫処理を実行し、前記第1垂直圧迫処理実行後に、前記第2垂直圧迫処理のフィードバック信号が第3所定値に達した時に、又は前記第2水平圧迫処理のフィードバック信号が前記第3所定値に達する時間を経過した時に、前記第1垂直圧迫処理を停止し、前記第1垂直圧迫処理停止後に所定時間が経過した時に前記第2水平圧迫処理を実行し、前記第2水平圧迫処理実行後に、前記第2水平圧迫処理のフィードバック信号が第4所定値に達した時に、又は前記第2水平圧迫処理のフィードバック信号が前記第4所定値に達する時間を経過した時に前記第2垂直圧迫処理を実行し、前記第2水平圧迫処理実行後に前記第2水平圧迫処理のフィードバック信号が第5所定値に達した時に、前記第2水平圧迫処理実行後に前記第2水平圧迫処理のフィードバック信号が前記第5所定値よりも小さな第6所定値に達してから所定時間が経過した時に、又は前記第2水平圧迫処理実行後に前記第2水平圧迫処理のフィードバック信号が前記第5所定値に達する時間を経過した時に前記第2水平圧迫処理を停止し、前記第2垂直圧迫処理実行後に前記第2垂直圧迫処理のフィードバック信号が第7所定値に達した時に、前記第2垂直圧迫処理実行後に前記第2垂直圧迫処理のフィードバック信号が前記第7所定値よりも小さな第8所定値に達してから所定時間が経過した時に、又は前記第2垂直圧迫処理実行後に前記第2垂直圧迫処理のフィードバック信号が前記第7所定値に達する時間を経過した時に前記第2垂直圧迫処理を停止することにある。
これは、図3の制御処理に対応したものである。なお、第2水平圧迫処理及び第2垂直圧迫処理の停止時点については、図4のようにフィードバック信号が所定値に達した時刻から所定時間経過後とすることも可能である。
【0027】
本発明の止水開閉体装置の制御方法の第1の特徴は、開口部の周縁部から複数のパネル手段をガイド手段に沿って移動させることによって前記開口部を閉鎖し、閉鎖後に前記複数のパネル手段に対して水平移動方向及び垂直移動方向へ圧迫力を加えることによって前記複数のパネル手段を水平方向及び垂直方向に圧迫する第1水平圧迫処理及び第1垂直圧迫処理をそれぞれ実行し、前記複数のパネル手段と前記ガイド手段との間の水密性及び垂直方向でそれぞれ接触する前記複数のパネル手段間の水密性を高める止水開閉体装置の制御方法において、前記第1水平圧迫処理を実行後に前記第1垂直圧迫処理を実行し、前記第1水平圧迫処理停止後に第2水平圧迫処理を実行することにある。
これは、前記止水開閉体装置の制御装置の第1の特徴に対応した制御方法の発明である。
【0028】
本発明の止水開閉体装置の制御方法の第2の特徴は、前記第1の特徴に記載の止水開閉体装置の制御方法において、前記第1水平圧迫処理を実行後に前記第1垂直圧迫処理を実行し、前記第1水平圧迫処理停止後に第2水平圧迫処理を実行し、前記第1垂直圧迫処理停止後に第2垂直圧迫処理を実行することにある。
これは、前記止水開閉体装置の制御装置の第2の特徴に対応した制御方法の発明である。
【0029】
本発明の止水開閉体装置の制御方法の第3の特徴は、前記第2の特徴に記載の止水開閉体装置の制御方法において、 前記第1水平圧迫処理実行後の所定条件達成時に前記第1水平圧迫処理を停止し、前記第1水平圧迫処理実行後の所定条件達成時に前記第1垂直圧迫処理を実行し、前記第1垂直圧迫処理実行後の所定条件達成時に前記第1垂直圧迫処理を停止し、前記第1水平圧迫処理停止後の所定条件達成時に前記第2水平圧迫処理を実行し、前記第1垂直圧迫処理停止後の所定条件達成時に前記第2垂直圧迫処理を実行し、前記第2水平圧迫処理実行後の所定条件達成時に前記第2水平圧迫処理を停止し、前記第2垂直圧迫処理実行後の所定条件達成時に前記第2垂直圧迫処理を停止することにある。
これは、前記止水開閉体装置の制御装置の第3の特徴に対応した制御方法の発明である。
【0030】
本発明の止水開閉体装置の制御方法の第4の特徴は、前記第2又は第3の特徴に記載の止水開閉体装置の制御方法において、前記第1水平圧迫処理を実行後に、前記第1水平圧迫処理のフィードバック信号が所定値に達した時に、又は所定時間経過時に前記第1水平圧迫処理を停止し、前記第1水平圧迫処理実行後に、前記第1水平圧迫処理のフィードバック信号が所定値に達した時に、又は所定時間経過時に前記第1垂直圧迫処理を実行し、前記第1垂直圧迫処理実行後に、前記第1垂直圧迫処理のフィードバック信号が所定値に達した時に、又は所定時間経過時に前記第1垂直圧迫処理を停止し、前記第1水平圧迫処理停止後に、前記第1垂直圧迫処理のフィードバック信号が所定値に達した時に、又は所定時間経過時に前記第2水平圧迫処理を実行し、前記第1垂直圧迫処理停止後に、前記第2水平圧迫処理のフィードバック信号が所定値に達した時に、又は所定時間経過時に前記第2垂直圧迫処理を実行し、前記第2水平圧迫処理実行後に前記第2水平圧迫処理のフィードバック信号が所定値に達した時に、前記第2水平圧迫処理実行後に前記第2水平圧迫処理のフィードバック信号が所定値に達してから所定時間が経過した時に、又は前記第2水平圧迫処理実行後に所定時間が経過した時に前記第2水平圧迫処理を停止し、前記第2垂直圧迫処理実行後に前記第2垂直圧迫処理のフィードバック信号が所定値に達した時に、前記第2水平垂直圧迫処理実行後に前記第2垂直圧迫処理のフィードバック信号が所定値に達してから所定時間が経過した時に、又は前記第2水平垂直圧迫処理実行後に所定時間が経過した時に前記第2垂直圧迫処理を停止することにある。
これは、前記止水開閉体装置の制御装置の第4の特徴に対応した制御方法の発明である。
【0031】
本発明の止水開閉体装置の制御方法の第5の特徴は、前記第2、第3又は第4の特徴に記載の止水開閉体装置の制御方法において、前記第1水平圧迫処理実行後に、前記第1水平圧迫処理のフィードバック信号が第1所定値に達した時に、又は前記第1水平圧迫処理のフィードバック信号が前記第1所定値に達する時間を経過した時に、前記第1水平圧迫処理を停止し、前記第1水平圧迫処理停止後の所定時間経過時に前記第1垂直圧迫処理を実行し、前記第1垂直圧迫処理実行後に、前記第1垂直圧迫処理のフィードバック信号が第2所定値に達した時に、又は前記第1垂直圧迫処理のフィードバック信号が前記第2所定値に達する時間を経過した時に、前記第1垂直圧迫処理を停止し、前記第1垂直圧迫処理停止後の所定時間経過時に前記第2水平圧迫処理を実行し、前記第2水平圧迫処理実行後に前記第2水平圧迫処理のフィードバック信号が第3所定値に達した時に、前記第2水平圧迫処理実行後に前記第2水平圧迫処理のフィードバック信号が前記第3所定値よりも小さな第4所定値に達してから所定時間が経過した時に、又は前記第2水平圧迫処理実行後に前記第2水平圧迫処理のフィードバック信号が前記第3所定値に達する時間を経過した時に前記第2水平圧迫処理を停止し、前記第2水平圧迫処理停止後の所定時間経過時に前記第2垂直圧迫処理を実行し、前記第2垂直圧迫処理実行後に前記第2垂直圧迫処理のフィードバック信号が第5所定値に達した時に、前記第2垂直圧迫処理実行後に前記第2垂直圧迫処理のフィードバック信号が前記第5所定値よりも小さな第6所定値に達してから所定時間が経過した時に、又は前記第2垂直圧迫処理実行後に前記第2垂直圧迫処理のフィードバック信号が前記第6所定値に達する時間を経過した時に前記第2垂直圧迫処理を停止することにある。
これは、前記止水開閉体装置の制御装置の第5の特徴に対応した制御方法の発明である。
【0032】
本発明の止水開閉体装置の制御方法の第6の特徴は、前記第2、第3又は第4の特徴に記載の止水開閉体装置の制御方法において、前記第1水平圧迫処理実行後に、前記第1水平圧迫処理のフィードバック信号が第1所定値に達した時に、又は前記第1水平圧迫処理のフィードバック信号が前記第1所定値に達する時間を経過した時に、前記第1水平圧迫処理を停止し、前記第1水平圧迫処理実行後に、前記第1水平圧迫処理のフィードバック信号が第2所定値に達した時に、又は前記第1水平圧迫処理のフィードバック信号が前記第2所定値に達する時間を経過した時に、前記第1垂直圧迫処理を実行し、前記第1垂直圧迫処理実行後に、前記第2垂直圧迫処理のフィードバック信号が第3所定値に達した時に、又は前記第2水平圧迫処理のフィードバック信号が前記第3所定値に達する時間を経過した時に、前記第1垂直圧迫処理を停止し、前記第1垂直圧迫処理停止後に所定時間が経過した時に前記第2水平圧迫処理を実行し、前記第2水平圧迫処理実行後に、前記第2水平圧迫処理のフィードバック信号が第4所定値に達した時に、又は前記第2水平圧迫処理のフィードバック信号が前記第4所定値に達する時間を経過した時に前記第2垂直圧迫処理を実行し、前記第2水平圧迫処理実行後に前記第2水平圧迫処理のフィードバック信号が第5所定値に達した時に、前記第2水平圧迫処理実行後に前記第2水平圧迫処理のフィードバック信号が前記第5所定値よりも小さな第6所定値に達してから所定時間が経過した時に、又は前記第2水平圧迫処理実行後に前記第2水平圧迫処理のフィードバック信号が前記第5所定値に達する時間を経過した時に前記第2水平圧迫処理を停止し、前記第2垂直圧迫処理実行後に前記第2垂直圧迫処理のフィードバック信号が第7所定値に達した時に、前記第2垂直圧迫処理実行後に前記第2垂直圧迫処理のフィードバック信号が前記第7所定値よりも小さな第8所定値に達してから所定時間が経過した時に、又は前記第2垂直圧迫処理実行後に前記第2垂直圧迫処理のフィードバック信号が前記第7所定値に達する時間を経過した時に前記第2垂直圧迫処理を停止することにある。
これは、前記止水開閉体装置の制御装置の第6の特徴に対応した制御方法の発明である。
【発明の効果】
【0033】
本発明の止水開閉体装置の制御装置及び制御方法によれば、複数の止水パネルを垂直方向及び水平方向に圧迫する際に、止水パネル同士及び止水パネルとガイドレールとの間の水密性を向上させることのできるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】本発明の一実施の形態による止水開閉体装置の概略構成を示す図である。
図2】止水開閉体装置の制御時における水平圧迫装置及び垂直圧迫装置の内蔵モータから得られる電流フィードバック信号の波形を示す図である。
図3】止水開閉体装置の制御時における水平圧迫装置及び垂直圧迫装置の内蔵モータから得られる電流フィードバック信号の波形の別の一例を示す図である。
図4】止水開閉体装置の制御時における水平圧迫装置及び垂直圧迫装置の内蔵モータから得られる電流フィードバック信号の波形のさらに別の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、添付図面に従って、本発明に係る止水開閉体装置の制御装置及び制御方法の好ましい実施の形態について説明する。この実施の形態では、止水開閉体装置として、開口部の周縁部から複数の止水パネルをガイドレールに沿って順次移動させることによって開口部を閉鎖する従来から知られている止水開閉体装置を例に説明する。
図1は、本発明の一実施の形態による止水開閉体装置の概略構成を示す図である。図1において、止水開閉体装置10は、複数の止水パネルを開口部の上下に移動させることによって開口部を開閉すると共に水密性を飛躍的に向上させている。
【0036】
止水開閉体装置10は、建物等の構造物などの開口部や、地下鉄の駅や地下街の出入口などの開口部に設けられている。止水開閉体装置10は、制御装置20、パネル収納部30、止水パネル21~24、ガイドレール31,32、水平圧迫装置41,42、垂直圧迫装置51~54を含んで構成されている。この止水開閉体装置10の基本的な構造及び動作は特許文献1などに記載されており公知なので説明は省略する。
【0037】
水平圧迫装置41,42及び垂直圧迫装置51~54は、モータを動力源とする伸縮アクチュエータで構成される。伸縮アクチュエータはモータの回転駆動力を伸縮ロッドの伸縮力に変換するものである。止水開閉体装置10では、水平圧迫装置41,42を構成する伸縮アクチュエータの伸縮力を利用して、止水パネル21~24をガイドレール31,32の内壁面に圧迫させる水平圧迫機構を内蔵している。この水平圧迫機構は、水平圧迫装置41,42を構成する伸縮アクチュエータのロッドが垂直方向(下方向)に伸縮移動した場合に、その伸縮移動を利用して止水パネル21~24をガイドレール31,32の内壁面に向かう方向(水平方向)に移動させるように構成されている。この水平圧迫機構についても既に公知なので説明は省略する。なお、止水パネルまたはガイドレールの内壁面には、ゴム製の水密材(水密性ゴム)が設けられていて、止水パネルとガイドレールはこの水密材を介して接触する。
【0038】
垂直圧迫装置51~54は、伸縮アクチュエータの伸縮力を利用して、止水パネル24の上端部を垂直方向(下方向)に圧迫させる垂直圧迫機構を内蔵している。この水平圧迫機構は、垂直圧迫装置51~54を構成する伸縮アクチュエータのロッドが伸縮移動した場合に、その伸縮移動を利用して止水パネル24を垂直方向(下方向)に移動させるように構成されている。この垂直圧迫機構についても既に公知なので説明は省略する。なお、止水パネルと止水パネルとの間、止水パネルと床との間にもそれぞれ水密材(水密性ゴム)が設けられている。
【0039】
この実施の形態に係る止水開閉体装置10は、4個の垂直圧迫装置51~54で構成されている。垂直圧迫装置51,52は止水パネル24の左側上端部に接触し、垂直圧迫装置51,52の圧迫力を接触部材61を介して止水パネル24に伝達し、止水パネル24を垂直方向(下方向)に圧迫するように構成されている。垂直圧迫装置53,54は、止水パネル24の右側上端部に接触し、垂直圧迫装置53,54の圧迫力を接触部材63を介して止水パネル24に伝達し、止水パネル24を垂直方向(下方向)に圧迫するように構成されている。この実施の形態において、垂直圧迫装置の個数は一例であり、右側左側中央のそれぞれ3個所に垂直圧迫装置を設けてもよいし、止水パネル24の横方向の長尺が短い場合には、1~2個の垂直圧迫装置を設けてもよい。逆に、止水パネル24の横方向の長尺が長い場合には、4個以上の垂直圧迫装置を設けてもよい。
【0040】
なお、この実施の形態では、2個の垂直圧迫装置51,52で一つの接触部材61を圧迫し、2個の垂直圧迫装置53,54で一つの接触部材63を圧迫する場合を示しているが、3個以上の垂直圧迫装置で一つの接触部材を圧迫するように構成してもよいし、1個乃至複数個の垂直圧迫装置を組み合わせて、それぞれ一つの接触部材を圧迫するように構成してもよい。例えば、左側及び右側の接触部材は2個の垂直圧迫装置で圧迫し、中央の接触部材は1又は3個の垂直圧迫装置で圧迫してもよい。
【0041】
図2は、止水開閉体装置の制御時における水平圧迫装置及び垂直圧迫装置の内蔵モータから得られる電流フィードバック信号の波形を示す図である。図2の信号波形は、止水開閉体装置10の複数の止水パネル21~24によって開口部が閉鎖された後に、止水パネル21~24の水密性を向上させるために水平圧迫装置41,42及び垂直圧迫装置51~54の制御時に得られる電流フィードバック信号の波形の一例である。止水開閉体装置10は、図2の電流フィードバック信号に基づいて制御される。従って、この電流フィードバック信号を見ることによって止水開閉体装置10はどのように制御されているかを知ることができる。また、電流フィードバック信号は駆動トルク、圧迫時には圧迫力が反映される。
【0042】
上側の波形H1,H2が水平圧迫装置41,42の電流フィードバック信号を示し、下側の波形V1~V4が垂直圧迫装置51~54の電流フィードバック信号を示す。水平圧迫装置41,42及び垂直圧迫装置51~54の各モータから得られる電流フィードバック信号H1,H2,V1~V4は実際はそれぞれ異なっているが、ここでは説明の便宜上、水平圧迫装置41,42と垂直圧迫装置51~54からは同じものが得られるものとして説明とする。
【0043】
止水開閉体装置10の複数の止水パネル21~24によって開口部が閉鎖された後の止水開始(止水ON)ボタンが操作される。止水開始ボタンの操作によって時刻t10で止水ONとなる。この止水ONによって水平圧迫装置41,42の電流フィードバック信号H1,H2は図に示すように線形的に上昇する。これは、モータが駆動を開始し水平圧迫装置41,42によって止水パネル21~24が水平方向への移動を開始したことを示す。
【0044】
第1垂直圧迫処理開始後の時刻t11で電流フィードバック信号H1,H2の値は0.5〔A〕となり、時刻t11から時刻t12までの間で0.5〔A〕の定常状態を示す。これは、モータが時刻t11から時刻t12までの間、定速度で回転していること、すなわち、水平圧迫装置41,42によって止水パネル21~24が定速度で水平方向に移動していることを示す。
【0045】
時刻t12で電流フィードバック信号H1,H2の値は再び線形的に上昇する。これは、水平圧迫装置41,42によって水平方向に移動していた止水パネル21~24がガイドレール31,32の内壁面に接触し、止水パネル21~24の水平方向の移動がパネルとガイドレールとの間の圧縮性のある水密性ゴムへの圧接によって抑止されることによって、モータの電流値が線形的に上昇したことを示す。
【0046】
電流フィードバック信号H1,H2の値が1.0〔A〕となった時刻t13で水平圧迫装置41,42のモータへの電力供給を停止する。これによって、止水パネル21~24に対する水平圧迫装置41,42による水平方向への圧迫制御は一時的に停止する。これによって止水パネル21~24には電流値1.0〔A〕のトルクに応じた水平方向の圧迫力が印可された状態が維持されることになる。水平圧迫装置41,42が時刻t10から時刻t13までの間に止水パネル21~24に対して水平方向へ圧迫力を加える処理を第1水平圧迫処理とする。
【0047】
水平圧迫装置41,42のモータへの電力供給を停止してから約5秒後の時刻t14で、垂直圧迫装置51~54への電力供給が開始する。これによって、電流フィードバック信号V1~V4は図に示すように線形的に上昇する。これは、モータが駆動を開始し垂直圧迫装置51~54によって止水パネル21~24が垂直方向への移動を開始したことを示す。
【0048】
時刻t15で電流フィードバック信号V1~V4の値は0.5〔A〕となり、時刻t15から時刻t16までの間で0.5〔A〕の定常状態を示す。これは、モータが時刻t15から時刻t16までの間、定速度で回転していること、すなわち、垂直圧迫装置51~54によって止水パネル21~24が定速度で垂直方向に移動していることを示す。
【0049】
時刻t16で電流フィードバック信号V1~V4の値は再び線形的に上昇する。これは、垂直圧迫装置51~54によって垂直方向に移動していた止水パネル21~24の垂直方向の移動がパネル間の圧縮性のある水密性ゴムへの圧接によって抑止されることによって、モータの電流値が線形的に上昇したことを示す。
【0050】
電流フィードバック信号V1~V4の値が1.0〔A〕となった時刻t17で垂直圧迫装置51~54のモータへの電力供給を停止する。これによって、止水パネル21~24に対する垂直圧迫装置51~54による垂直方向への圧迫制御は一時的に停止する。これによって伸縮アクチュエータのロッドの位置が保持されることで止水パネル21~24には電流値1.0〔A〕のトルクに応じた垂直方向の圧迫力が印可された状態が維持されることになる。すなわち、弾性の反発力を有する水密材の介在によって、この状態が維持されることを意味する。垂直圧迫装置51~54が時刻t14から時刻t17までの間に止水パネル21~24に対して垂直方向へ圧迫力を加える処理を第1垂直圧迫処理とする。
【0051】
垂直圧迫装置51~54のモータへの電力供給を停止してから約8秒後の時刻t18で、再び水平圧迫装置41,42のモータへ電力供給を開始する。この時点で水平圧迫装置41,42は、水平方向の移動がパネルとガイドレールとの間の圧縮性のある水密性ゴムへの圧接によって抑止される状態にあるので、電流フィードバック信号H1,H2は時刻t12から時刻t13と同様に電流値のみが線形的に増加する。この電流値の増加と共に水平圧迫装置41,42の水平方向の圧迫力(トルク)も徐々に増加する。そして、電流フィードバック信号H1,H2が4.0[A]に達した時刻t19で水平圧迫装置41,42のモータへの電力供給を停止する。これによって伸縮アクチュエータのロッドの位置が保持されることで止水パネル21~24には電流値4.0〔A〕のトルクに応じた水平方向の圧迫力が印可された状態が維持されることになる。水平圧迫装置41,42が時刻t18から時刻t19までの間に止水パネル21~24に対して水平方向へ圧迫力を加える処理を第2水平圧迫処理とする。
【0052】
水平圧迫装置41,42のモータへの電力供給停止してから約5秒後の時刻t1aで、垂直圧迫装置51~54への電力供給が開始する。この時点で垂直圧迫装置51~54は、垂直方向の移動がパネル間の圧縮性のある水密性ゴムへの圧接によって抑止される状態にあるので、電流フィードバック信号V1~V4は電流値のみが線形的に増加する。この電流値の増加と共に垂直圧迫装置51~54の垂直方向の圧迫力(トルク)も徐々に増加する。そして、電流フィードバック信号V1~V4が4.0[A]に達した時刻t1bで垂直圧迫装置51~54のモータへの電力供給を停止する。これによって止水パネル21~24には電流値4.0〔A〕のトルクに応じた垂直方向の圧迫力が印可された状態が維持されることになる。垂直圧迫装置51~54が時刻t1aから時刻t1bまでの間に止水パネル21~24に対して垂直方向へ圧迫力を加える処理を第2垂直圧迫処理とする。
【0053】
上述の一連の処理によって、止水開閉体装置10の複数の止水パネル21~24による水密性を向上させることが可能となる。なお、時刻t13から時刻t14までの時間(5秒)、時刻t17から時刻t18までの時間(8秒)及び時刻t19から時刻t1aまでの時間(5秒)は一例であり、開口部の大きさや止水パネルの枚数や大きさ等によって0~十数秒の範囲で適宜変更可能な値である。また、水平圧迫装置41,42、垂直圧迫装置51~54への電力供給を停止する際の電流フィードバック信号H1,H2,V1~V4の電流値0.5〔A〕,1.0〔A〕,4.0〔A〕も一例であり、開口部の大きさや止水パネルの枚数や大きさ、水密材のやわらかさ(弾力性)等によって0~十数秒の範囲で適宜変更可能な値である。
【0054】
また、図2の制御方法では、時刻t10から時刻t13までの第1水平圧迫処理と、時刻t14から時刻t17までの第1垂直圧迫処理をそれぞれ1回行う場合について説明したが、第1水平圧迫処理と第1垂直圧迫処理をそれぞれ複数回実行し、その後に時刻t18から時刻t19までの第1垂直圧迫処理、及び時刻t1aから時刻t1bまでの第2垂直圧迫処理を1又は複数回実行してもよい。
【0055】
図3は、止水開閉体装置の制御時における水平圧迫装置及び垂直圧迫装置の内蔵モータから得られる電流フィードバック信号の波形の別の一例を示す図である。図3の信号波形が図2のものと異なる点は、水平圧迫装置41,42の水平圧迫動作と垂直圧迫装置51~54の垂直圧迫動作とが重複するようにした点である。すなわち、図3では、水平圧迫装置41,42による水平圧迫動作と垂直圧迫装置51~54による垂直圧迫動作とが同時に実行される時間が存在する。以下、図3の波形に基づいて水平圧迫装置41,42と垂直圧迫装置51~54の制御方法を説明する。
【0056】
止水開閉体装置10の複数の止水パネル21~24によって開口部が閉鎖された後に止水開始(止水ON)ボタン操作での止水ONによって時刻t20で水平圧迫装置41,42の電流フィードバック信号H1,H2は図に示すように線形的に上昇し、時刻t21から時刻t22まで0.5〔A〕の定常状態を示し、1.0〔A〕となった時刻t24で水平圧迫装置41,42のモータへの電力供給が停止され、止水パネル21~24に電流値1.0〔A〕のトルクに応じた水平方向の圧迫力が印可された状態が維持される。水平圧迫装置41,42が時刻t20から時刻t24までの間に止水パネル21~24に対して水平方向へ圧迫力を加える処理を第1水平圧迫処理とする。
【0057】
一方、電流フィードバック信号H1,H2が0.5〔A〕の定常状態から時刻t22で再び線形的に上昇を開始する時刻t22で、垂直圧迫装置51~54への電力供給が開始する。これによって、電流フィードバック信号V1~V4は図2に示すように線形的に上昇し、時刻t23から時刻t25まで0.5〔A〕の定常状態を示し、1.0〔A〕となった時刻t26で垂直圧迫装置51~54のモータへの電力供給が停止され、止水パネル21~24に電流値1.0〔A〕のトルクに応じた垂直方向の圧迫力が印可された状態が維持される。垂直圧迫装置51~54が時刻t22から時刻t26までの間に止水パネル21~24に対して垂直方向へ圧迫力を加える処理を第1垂直圧迫処理とする。
【0058】
垂直圧迫装置51~54のモータへの電力供給停止してから約8秒後の時刻t27で、再び水平圧迫装置41,42のモータへ電力供給を開始する。この時点で水平圧迫装置41,42は、水平方向の移動がパネルとガイドレールとの間の圧縮性のある水密性ゴムへの圧接によって抑止される状態にあるので、電流フィードバック信号H1,H2は時刻t22から時刻t24までと同様に電流値のみが線形的に増加する。そして、電流フィードバック信号H1,H2が4.0[A]に達した時刻t29で水平圧迫装置41,42のモータへの電力供給を停止する。これによって止水パネル21~24には電流値4.0〔A〕のトルクに応じた水平方向の圧迫力が印可された状態が維持されることになる。水平圧迫装置41,42が時刻t27から時刻t29までの間に止水パネル21~24に対して水平方向へ圧迫力を加える処理を第2水平圧迫処理とする。
【0059】
一方、水平圧迫装置41,42のモータへの電力供給停止してから時刻t28で、垂直圧迫装置51~54への電力供給が開始する。この時刻t28は、電流フィードバック信号H1,H2が1.0[A]に達した時刻である。この時刻t28で垂直圧迫装置51~54は、垂直方向の移動がパネル間の圧縮性のある水密性ゴムへの圧接によって抑止される状態にあるので、電流フィードバック信号V1~V4は電流値のみが線形的に増加する。この電流値の増加と共に垂直圧迫装置51~54の垂直方向の圧迫力(トルク)も徐々に増加する。そして、電流フィードバック信号V1~V4が4.0[A]に達した時刻t2aで垂直圧迫装置51~54のモータへの電力供給を停止する。これによって止水パネル21~24には電流値4.0〔A〕のトルクに応じた垂直方向の圧迫力が印可された状態が維持されることになる。垂直圧迫装置51~54が時刻t28から時刻t2aまでの間に止水パネル21~24に対して垂直方向へ圧迫力を加える処理を第2垂直圧迫処理とする。
【0060】
上述の一連の処理によって、止水開閉体装置10の複数の止水パネル21~24による水密性を向上させることが可能となる。なお、時刻t26から時刻t27までの時間(8秒)は一例であり、開口部の大きさや止水パネルの枚数や大きさ等によって0~十数秒の範囲で適宜変更可能な値である。また、水平圧迫装置41,42、垂直圧迫装置51~54への電力供給を停止する際の電流フィードバック信号H1,H2,V1~V4の電流値0.5〔A〕,1.0〔A〕,4.0〔A〕も一例であり、開口部の大きさや止水パネルの枚数や大きさ等によって0~十数秒の範囲で適宜変更可能な値である。
【0061】
さらに、時刻t22は開口部の大きさや止水パネルの枚数や大きさ等に応じてだいたい特定の値となることが分かっているので、垂直圧迫装置51~54への電力供給の開始時刻を時刻t22よりも早い時刻に設定しても良い。例えば、時刻20経過後、時刻t22以内の所定の時間で垂直圧迫装置51~54への電力供給を開始しても良い。
時刻t27よりも時刻t28を遅らせる場合について説明したが、時刻t27と同じ時刻又は時刻t27よりも早い時刻に垂直圧迫装置51~54への電力供給を開始して良い。
【0062】
図3の制御方法では、時刻t20から時刻t24までの第1水平圧迫処理と、時刻t22から時刻t26までの第1垂直圧迫処理をそれぞれ1回行う場合について説明したが、第1水平圧迫処理と第1垂直圧迫処理をそれぞれ複数回実行し、その後に時刻t27から時刻t29までの第2水平圧迫処理、及び時刻t28から時刻t2aまでの第2垂直圧迫処理を1又は複数回実行してもよい。
【0063】
図4は、止水開閉体装置の制御時における水平圧迫装置及び垂直圧迫装置の内蔵モータから得られる電流フィードバック信号の波形のさらに別の一例を示す図である。図4の信号波形が図2のものと異なる点は、第2水平圧迫処理及び第2垂直圧迫処理における電流供給を停止するタイミングを、電流フィードバック信号が所定に達した時点から所定時間(遅延時間)経過後とした点である。
すなわち、図3では、水平圧迫装置41,42による第2水平圧迫動作の停止時点を電流フィードバック信号H1,H2が約3.0[A]に達した時刻t191から所定時間(遅延時間)約1秒経過後の時刻t19とし、垂直圧迫装置51~54による第2垂直圧迫動作の停止時点を電流フィードバック信号V1~V4が約3.0[A]に達した時刻t1b1から所定時間(遅延時間)約1秒経過後の時刻t1bとする。
【0064】
このように第2水平圧迫処理及び第2垂直圧迫処理における電流供給を停止するタイミングをについて、電流フィードバック信号が所定値に達した時刻から所定時間(遅延時間)経過したことを条件にモータへの電力供給を停止するようにした。ここでの電流フィードバック信号の所定値は、所望の圧迫力(トルク)に達する時点から所定時間遡った時点での想定電流値(図3では3.0〔A〕)を設定する。これによって、電流フィードバック信号の所定値は低い値とすることができ、電流フィードバック信号の検出部の検出可能電流範囲のスペックが狭いものを使うことが可能となる。また、電流フィードバック信号の上昇の経過も実行のたびにばらつきがあるため、電流供給停止のタイミング判定に所定の遅延時間として時間の要素を含めることにより、圧迫装置のストロークのばらつきも低減し、好適な遅延時間を設けることで必要なストローク量と必要な圧迫力の両立を図ることができる。なお、図3の第2水平圧迫処理及び第2垂直圧迫処理においても図4と同様の処理を行ってよい。
【0065】
なお、図2図4に示す制御では、第1水平圧迫処理停止後の所定時間経過後であって第1垂直圧迫処理停止後に所定時間(8秒)経過後に第2水平圧迫処理を実行する場合を示しているが、第1垂直圧迫処理のフィードバック信号が所定値に達した時点で(フィードバック信号V1~V4が所定値0.5〔A〕より大きくなった時点又はフィードバック信号V1~V4が所定値1.0〔A〕に達した時点(第1垂直圧迫処理の停止時点))で第2水平圧迫処理を実行するようにしてもよい。
【0066】
水平圧迫装置41,42及び垂直圧迫装置51~54の各モータから得られる電流フィードバック信号H1,H2,V1~V4は実際はそれぞれモータ毎に異なっているので、所定条件達成時が水平圧迫装置41,42、及び垂直圧迫装置51~54でそれぞれ異なる場合には、達成時点の遅いもの又は早いものに合わせて制御してもよい。また、制御装置20は、個々の水平圧迫装置41,42及び垂直圧迫装置51~54のモータをそれぞれ制御するようにしてもよい。
【0067】
以上説明した実施の形態では、上下昇降方式で繰り出される止水開閉体装置を例に説明したが、止水パネルなどの止水用の開閉体が横引き方式又は水平方式で繰り出されたりするものであっても、同様に適応することができる。また、垂直圧迫の圧迫方向を、開閉体の繰り出し方向に置き換えてもよい。
【符号の説明】
【0068】
10…止水開閉体装置
20…止水開閉体装置の制御装置
21~24…止水パネル
30…シャッターケース
31,32…ガイドレール
41,42…水平圧迫装置
51~54…垂直圧迫装置
61,63…接触部材
図1
図2
図3
図4