(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023091618
(43)【公開日】2023-06-30
(54)【発明の名称】糸パッケージの結び目解除装置、糸継処理装置及び給糸装置
(51)【国際特許分類】
D01D 11/00 20060101AFI20230623BHJP
B65H 69/00 20060101ALI20230623BHJP
D01D 7/00 20060101ALI20230623BHJP
【FI】
D01D11/00 Z
B65H69/00
D01D11/00 C
D01D7/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021206442
(22)【出願日】2021-12-20
(71)【出願人】
【識別番号】502455511
【氏名又は名称】TMTマシナリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100156395
【弁理士】
【氏名又は名称】荒井 寿王
(72)【発明者】
【氏名】山本 真人
【テーマコード(参考)】
4L045
【Fターム(参考)】
4L045AA05
4L045DC23
4L045DC28
4L045DC36
(57)【要約】
【課題】糸を強く引っ張るための負圧を生じさせる大量の圧縮流体を糸捕捉部に供給する必要がなく、且つ、糸を挟むための糸挟持機構を糸捕捉部に設けることなく、糸パッケージのスリップノットを含む結び目を解除する。
【解決手段】結び目解除装置70は、給糸パッケージP1のスリップノットを含む結び目KNを解く。結び目解除装置70は、サクションガン71と、サクションガン71で吸引捕捉した第一糸端Y1を挟むようにサクションガン71と接触する受け部72と、受け部72を給糸パッケージP1から離れる方向に第1位置PAから第2位置PBまで案内するエアシリンダ73と、サクションガン71を受け部72に第1位置で接触させた状態で、エアシリンダ73により受け部72を案内させながらサクションガン71を第2位置まで移動させる糸掛けロボット74と、を備える。
【選択図】
図17
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボビンに糸が巻回されて形成された糸層の巻き終わりの糸部分が、スリップノットを含む結び目で前記糸層の外周面上に結び止められた糸パッケージに対して当該結び目を解く装置であって、
前記巻き終わりの糸部分の端を吸引することで捕捉する糸捕捉部と、
前記糸捕捉部で捕捉した前記巻き終わりの糸部分の端を前記糸捕捉部との間で挟むように、前記糸捕捉部と接触する受け部と、
前記受け部を前記糸パッケージから離れる方向に第1位置から第2位置まで案内する案内部と、
前記糸捕捉部を前記受け部に前記第1位置で接触させるとともに、前記糸捕捉部と前記受け部とを接触させた状態で、前記案内部により前記受け部を案内させながら、前記糸捕捉部を前記糸パッケージから離れる方向に前記第2位置まで移動させる糸捕捉部移動部とを備える、糸パッケージの結び目解除装置。
【請求項2】
前記第1位置は、前記結び目からの距離が、前記結び目から前記巻き終わりの糸部分の端までの長さ以下となる範囲内の位置である、請求項1に記載の糸パッケージの結び目解除装置。
【請求項3】
前記第2位置は、前記糸パッケージの幅方向において、前記糸パッケージの一端と他端との間の範囲の位置である、請求項1又は2に記載の糸パッケージの結び目解除装置。
【請求項4】
前記案内部は、前記受け部を前記第2位置から前記第1位置に向かって付勢し、前記第1位置で保持する付勢保持手段を有する、請求項1~3の何れか一項に記載の糸パッケージの結び目解除装置。
【請求項5】
前記受け部は、凹部が形成された弾性部材を有し、
前記凹部の内面は、底側に行くに連れて内側に傾斜するテーパ面を含む、請求項1~4の何れか一項に記載の糸パッケージの結び目解除装置。
【請求項6】
前記糸捕捉部は、前記糸捕捉部移動部の先端に設けられる、請求項1~5の何れか一項に記載の糸パッケージの結び目解除装置。
【請求項7】
前記結び目は、前記糸パッケージの軸方向に直交する方向において、前記糸パッケージの中心に対して一方側に位置し、
前記受け部は、前記糸パッケージの中心に対して、前記結び目と同じ当該一方側に位置する、請求項1~6の何れか一項に記載の糸パッケージの結び目解除装置。
【請求項8】
前記糸パッケージは、第一糸パッケージと第二糸パッケージとを含み、
前記受け部は、
前記第一糸パッケージの前記巻き終わりの糸部分の端を前記糸捕捉部との間で挟むように、前記糸捕捉部と接触する第一受け部と、
前記第二糸パッケージの前記巻き終わりの糸部分の端を前記糸捕捉部との間で挟むように前記糸捕捉部と接触する第二受け部と、を含み、
前記案内部は、
前記第一受け部を前記糸パッケージから離れる方向に案内する第一案内部と、
前記第二受け部を前記糸パッケージから離れる方向に案内する第二案内部と、を含み、
前記糸捕捉部移動部は、
前記糸捕捉部を前記第一受け部に前記第一受け部に対応する前記第1位置で接触させるとともに、前記糸捕捉部と前記第一受け部とを接触させた状態で、前記第一案内部により前記第一受け部を案内させながら、前記糸捕捉部を前記糸パッケージから離れる方向に前記第一受け部に対応する前記第2位置まで移動させ、
前記糸捕捉部を前記第二受け部に前記第二受け部に対応する前記第1位置で接触させるとともに、前記糸捕捉部と前記第二受け部とを接触させた状態で、前記第二案内部により前記第二受け部を案内させながら、前記糸捕捉部を前記糸パッケージから離れる方向に前記第二受け部に対応する前記第2位置まで移動させる、請求項1~7の何れか一項に記載の糸パッケージの結び目解除装置。
【請求項9】
請求項8に記載の糸パッケージの結び目解除装置と、
前記第一糸パッケージの外層側の糸端と前記第二糸パッケージの内層側の糸端とを接続する、又は、前記第一糸パッケージの内層側の糸端と前記第二糸パッケージの外層側の糸端とを接続するための糸継部と、を備える、糸継処理装置。
【請求項10】
前記第一糸パッケージが装着される第一装着部と、前記第二糸パッケージが装着される第二装着部と、を有する給糸スタンドと、
請求項8に記載の糸パッケージの結び目解除装置と、
前記第一糸パッケージの外層側の糸端と前記第二糸パッケージの内層側の糸端とを接続する、又は、前記第一糸パッケージの内層側の糸端と前記第二糸パッケージの外層側の糸端とを接続するための糸継部と、を備える、給糸装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一側面は、糸パッケージの結び目解除装置、糸継処理装置及び給糸装置に関する。
【背景技術】
【0002】
繊維機械に使用する糸パッケージでは、例えばボビンに糸が巻回されて形成された糸層の巻き終わりの糸部分が解けないようにするために、当該巻き終わりの糸部分を糸層の外周面上に結び止めることによって、糸を結び止める場合がある。このとき、スリップノット(「引き解け結び」とも称される)を含む結び目によって、糸が結び止められていれば、糸の巻き終わりの糸部分を引っ張ることで容易に結び目を解くことができる。この場合、作業者の代わりにロボットが糸の結び目を容易に解くことが可能となる。そして、ロボットが糸の結び目を解くためには、巻き終わりの糸部分の端を吸引し、捕捉する糸捕捉部がロボットに必要となる。糸捕捉部は、巻き終わりの糸部分の端を吸引して捕捉する機構のみを含んで構成される場合と、巻き終わりの糸部分の端を吸引して捕捉する機構だけでなく巻き終わりの糸部分の端を挟持する機構を含んで構成される場合と、がある。
【0003】
例えば、特許文献1に記載された糸条ハンドリング装置は、圧縮流体が供給された際に生じる負圧によって糸(糸条)を吸引して捕捉可能な糸捕捉部(第2捕捉機構)を備える。この糸捕捉部は、圧縮流体が供給されていないときに糸を挟んで捕捉可能な捕捉状態となり、圧縮流体が供給されることで、捕捉状態から糸を挟まない解除状態となる。この糸条ハンドリング装置は、巻き終わりの糸部分の端を吸引して捕捉する機構だけでなく、巻き終わりの糸部分の端を挟持する機構を含んで構成される場合に該当する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、巻き終わりの糸部分の端がスリップノットを含む結び目で糸パッケージの糸層の外周面上に結び止められた糸パッケージに対して、巻き終わりの糸部分の端を捕捉した際、当該結び目を解くためには、巻き終わりの糸部分の端を強く糸パッケージから離れる方向に引っ張る必要がある。上述したような従来技術において、巻き終わりの糸部分の端を吸引して捕捉する機構のみを含んで構成される場合、当該結び目を解くには、巻き終わりの糸部分の端を強く糸パッケージから離れる方向に引っ張るために、大量の圧縮流体が供給された際に生じる負圧によって巻き終わりの糸部分の端を吸引する必要がある。
【0006】
また、上述したような従来技術において、巻き終わりの糸部分の端を吸引して捕捉する機構だけでなく巻き終わりの糸部分の端を挟持する機構を含んで構成される場合には、糸を挟んで捕捉した糸捕捉部により、巻き終わりの糸部分の端を強く糸パッケージから離れる方向に引っ張ることは可能である。しかしこの場合、糸を挟むための糸挟持機構(クランプ機構及びチャック機構等)が糸捕捉部に設けられることになるため、糸捕捉部のサイズが大きくなり、狭いスペースを糸捕捉部が通過できないおそれがあり、現実的ではない。またこの場合、巻き終わりの糸部分の端を強く糸パッケージから離れる方向に引っ張るに際して、糸挟持機構に糸が絡まる可能性があり、この点においても現実的ではない。
【0007】
そこで、本発明の一側面の目的は、糸を強く引っ張るための負圧を生じさせる大量の圧縮流体を糸捕捉部に供給する必要がなく、且つ、糸を挟むための糸挟持機構を糸捕捉部に設けることなく、糸パッケージのスリップノットを含む結び目を解除することが可能な、糸パッケージの結び目解除装置、糸継処理装置及び給糸装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一側面に係る糸パッケージの結び目解除装置は、ボビンに糸が巻回されて形成された糸層の巻き終わりの糸部分が、スリップノットを含む結び目で糸層の外周面上に結び止められた糸パッケージに対して当該結び目を解く装置であって、巻き終わりの糸部分の端を吸引することで捕捉する糸捕捉部と、糸捕捉部で捕捉した巻き終わりの糸部分の端を糸捕捉部との間で挟むように、糸捕捉部と接触する受け部と、受け部を糸パッケージから離れる方向に第1位置から第2位置まで案内する案内部と、糸捕捉部を受け部に第1位置で接触させるとともに、糸捕捉部と受け部とを接触させた状態で、案内部により受け部を案内させながら、糸捕捉部を糸パッケージから離れる方向に第2位置まで移動させる糸捕捉部移動部とを備える、糸パッケージの結び目解除装置。
【0009】
この糸パッケージの結び目解除装置では、巻き終わりの糸部分の端を捕捉した糸捕捉部を受け部に接触させることで、これらの間で糸を挟むことができる。そして、この状態で案内部により受け部を案内することにより、巻き終わりの糸部分の端を強く糸パッケージから離れる方向に引っ張り、スリップノットを含む結び目を解くことができる。したがって、本発明の一側面に係る糸パッケージの結び目解除装置によれば、糸を強く引っ張るための負圧を生じさせる大量の圧縮流体を糸捕捉部に供給する必要がなく、且つ、糸を挟むための糸挟持機構を糸捕捉部に設けることなく、糸パッケージのスリップノットを含む結び目を解除することが可能となる。
【0010】
本発明の一側面に係る糸パッケージの結び目解除装置では、第1位置は、結び目からの距離が、結び目から巻き終わりの糸部分の端までの長さ以下となる範囲内の位置であってもよい。この場合、巻き終わりの糸部分を捕捉した状態の糸捕捉部を受け部と確実に接触させることが可能となる。また、第2位置は、糸パッケージの幅方向において、糸パッケージの一端と他端との間の範囲の位置であってもよい。この場合、案内部により受け部を案内して、巻き終わりの糸部分の端を強く糸パッケージから離れる方向に引っ張った際、ボビンに巻回されている巻き終わりの糸部分が、ボビンから外れるまで糸パッケージの幅方向に動いてしまうことを抑制することが可能となる。
【0011】
本発明の一側面に係る糸パッケージの結び目解除装置では、案内部は、受け部を第2位置から第1位置に向かって付勢し、第1位置で保持する付勢保持手段を有していてもよい。この場合、付勢保持手段を利用して案内部を構成することにより、糸捕捉部と受け部とが密着することとなり、糸を確実に挟むことができる。
【0012】
本発明の一側面に係る糸パッケージの結び目解除装置では、受け部は、凹部が形成された弾性部材を有し、凹部の内面は、底側に行くに連れて内側に傾斜するテーパ面を含んでいてもよい。これにより、巻き終わりの糸部分の端を捕捉した糸捕捉部を受け部に接触させた場合に、これらの間で糸を確実に挟むことが可能となる。
【0013】
本発明の一側面に係る糸パッケージの結び目解除装置では、糸捕捉部は、糸捕捉部移動部の先端に設けられていてもよい。これにより、糸捕捉部移動部は、糸捕捉部を操作することが容易にできる。
【0014】
本発明の一側面に係る糸パッケージの結び目解除装置では、結び目は、糸パッケージの軸方向に直交する方向において、糸パッケージの中心に対して一方側に位置し、受け部は、糸パッケージの中心に対して、結び目と同じ当該一方側に位置してもよい。この場合、糸の糸端を効率よく糸パッケージから離れる方向に案内することができる。
【0015】
本発明の一側面に係る糸パッケージの結び目解除装置では、糸パッケージは、第一糸パッケージと第二糸パッケージとを含み、受け部は、第一糸パッケージの巻き終わりの糸部分の端を糸捕捉部との間で挟むように、糸捕捉部と接触する第一受け部と、第二糸パッケージの巻き終わりの糸部分の端を糸捕捉部との間で挟むように糸捕捉部と接触する第二受け部と、を含み、案内部は、第一受け部を糸パッケージから離れる方向に案内する第一案内部と、第二受け部を糸パッケージから離れる方向に案内する第二案内部と、を含み、糸捕捉部移動部は、糸捕捉部を第一受け部に第一受け部に対応する第1位置で接触させるとともに、糸捕捉部と第一受け部とを接触させた状態で、第一案内部により第一受け部を案内させながら、糸捕捉部を糸パッケージから離れる方向に第一受け部に対応する第2位置まで移動させ、糸捕捉部を第二受け部に第二受け部に対応する第1位置で接触させるとともに、糸捕捉部と第二受け部とを接触させた状態で、第二案内部により第二受け部を案内させながら、糸捕捉部を糸パッケージから離れる方向に第二受け部に対応する第2位置まで移動させてもよい。このような構成によれば、2つの糸パッケージのそれぞれに対応した結び目の解除に対応することができる。
【0016】
本発明の一側面に係る糸継処理装置は、上記糸パッケージの結び目解除装置と、第一糸パッケージの外層側の糸端と第二糸パッケージの内層側の糸端とを接続する、又は、第一糸パッケージの内層側の糸端と第二糸パッケージの外層側の糸端とを接続するための糸継部と、を備える。
【0017】
この糸継処理装置は、上記結び目解除装置を備えることから、上記と同様に、糸を強く引っ張るための負圧を生じさせる大量の圧縮流体を糸捕捉部に供給する必要がなく、且つ、糸を挟むための糸挟持機構を糸捕捉部に設けることなく、糸パッケージのスリップノットを含む結び目を解除することが可能となる。
【0018】
本発明の一側面に係る給糸装置は、第一糸パッケージが装着される第一装着部と、第二糸パッケージが装着される第二装着部と、を有する給糸スタンドと、上記糸パッケージの結び目解除装置と、第一糸パッケージの外層側の糸端と第二糸パッケージの内層側の糸端とを接続する、又は、第一糸パッケージの内層側の糸端と第二糸パッケージの外層側の糸端とを接続するための糸継部と、を備える。
【0019】
この給糸装置は、上記結び目解除装置を備えることから、上記と同様に、糸を強く引っ張るための負圧を生じさせる大量の圧縮流体を糸捕捉部に供給する必要がなく、且つ、糸を挟むための糸挟持機構を糸捕捉部に設けることなく、糸パッケージのスリップノットを含む結び目を解除することが可能となる。
【発明の効果】
【0020】
本発明の一側面によれば、糸を強く引っ張るための負圧を生じさせる大量の圧縮流体を糸捕捉部に供給する必要がなく、且つ、糸を挟むための糸挟持機構を糸捕捉部に設けることなく、糸パッケージのスリップノットを含む結び目を解除することが可能な、糸パッケージの結び目解除装置、糸継処理装置及び給糸装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】
図1は、一実施形態に係る給糸装置を示す図である。
【
図2】
図2は、アダプタが取り付けられた給糸パッケージを示す斜視図である。
【
図3】
図3は、クリールスタンドを示す斜視図である。
【
図4】
図4は、パッケージ交換装置を示す斜視図である。
【
図5】
図5は、交換ユニットの概略構成を示す図である。
【
図6】
図6は、パッケージ交換装置の機能構成を示すブロック図である。
【
図7】
図7は、結び目解除装置を示す平面図である。
【
図8】
図8は、結び目解除装置を示す斜視図である。
【
図9】
図9は、結び目解除装置を示す正面図である。
【
図10】
図10は、サクションガン及び糸掛けロボットを示す斜視図である。
【
図11】
図11は、受け部及びエアシリンダを示す斜視図である。
【
図12】
図12は、結び目解除処理を説明するための結び目解除装置の平面図である。
【
図15】
図15(a)は、
図14の続きを示す受け部及びエアシリンダの斜視図である。
図15(b)は、
図15(a)の続きを示す受け部及びエアシリンダの斜視図である。
図15(c)は、
図15(b)の続きを示す受け部及びエアシリンダの斜視図である。
【
図16】
図16は、第一給糸パッケージに結び目解除処理が施される場合を説明するための概略図である。
【
図17】
図17は、第二給糸パッケージに結び目解除処理が施される場合を説明するための概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付図面を参照して、実施形態について詳細に説明する。図面の説明において同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0023】
図1に示されるように、一実施形態の給糸装置100は、クリールスタンド(給糸スタンド)20と糸継処理装置9Aとを備えている。クリールスタンド20は、仮撚加工機1に設けられている。一実施形態の糸継処理装置9Aは、パッケージ交換装置9に搭載されている。糸継処理装置9Aは、糸継装置(糸継部)60と制御部94と結び目解除装置(糸パッケージの結び目解除装置)70を含んで構成されている(
図6参照)。以下の説明において、図中に示す「Z方向」は鉛直方向(上下方向)であり、「X方向」は水平方向であり、「Y方向」は「X方向」に直交する水平方向である。
【0024】
図1に示される仮撚加工機1は、複数の給糸パッケージ(糸パッケージ)P1から供給される糸Yに加工を施し、巻取パッケージP2を製造する。糸Yは、例えば、ポリエステル、ポリアミド等の熱可塑性の合成繊維からなる合繊糸である。給糸パッケージP1は、給糸ボビンB1に半延伸糸(POY:Partially Oriented Yarn)が巻き取られて形成される。巻取パッケージP2は、巻取ボビンB2に延伸加工糸(DTY:Draw Textured Yarn)が巻き取られて形成される。すなわち、仮撚加工機1は、半延伸糸である糸Yに加工を施して延伸加工糸を生成する。
【0025】
図2に示されるように、給糸パッケージP1には、アダプタ8が取り付けられている。アダプタ8は、給糸パッケージP1の給糸ボビンB1の端部に、同期回転可能に装着されている。アダプタ8は、円筒状に形成されている。アダプタ8には、給糸パッケージP1の外層側(口糸側)の糸Yの糸端(以下、外層側の糸Yの糸端を「第一糸端Y1」とも称する)を進入させて保持する保持孔部81が形成されている。第一糸端Y1は、給糸ボビンB1に糸Yが巻回されて形成された糸層YLの巻き終わりの糸部分の端である。
【0026】
保持孔部81は、アダプタ8の内部に設けられ屈曲して延びる細管状のパイプにより構成される。保持孔部81は、アダプタ8の軸方向に開口する。保持孔部81の開口部分には、後述するサクションマウス712と当接する吸出口が形成されている。吸出口は、その中心に行くに連れてテーパ状に窪む凹部とされている。アダプタ8は、例えば作業者によって、給糸パッケージP1に装着される。
【0027】
給糸パッケージP1において糸層YLの巻き終わりの糸部分は、スリップノットを含む結び目KNで糸層YLの外周面上に結び止められている。換言すると、給糸パッケージP1において糸層YLの巻き終わりの糸部分が、解けないように結び目KNで結んである。スリップノットは、引き解け結びとも称される。このような結び目KNは、糸層YLの巻き終わりの糸部分を糸層YLの外周面上に固定するとともに、第一糸端Y1を引っ張ることで解けて当該固定を解除する。結び目KNは、給糸パッケージP1の中心に対して鉛直方向の下側(給糸パッケージP1の軸方向に直交する方向の一方側)に位置している(
図16及び
図17参照)。
【0028】
図1に示されるように、仮撚加工機1は、給糸部2と、加工部3と、巻取部4と、を備えている。給糸部2、加工部3及び巻取部4が有する各構成は、給糸部2から加工部3を通って巻取部4に至る糸道が配置される糸Yの走行面(
図1の紙面)と直交するY方向(機台長手方向)において、複数配列されている。
【0029】
給糸部2は、加工部3に糸Yを供給する。給糸部2は、複数の給糸パッケージP1を保持するクリールスタンド20を備えている。
図1及び
図3に示されるように、クリールスタンド20は、クリール基台部21と、第一支柱22と、第二支柱23と、仕切板24と、ペッグ25と、クリップ29と、を備えている。クリール基台部21は、床面等に設置され、第一支柱22及び第二支柱23を支持する。第一支柱22及び第二支柱23は、クリール基台部21に立設されている。
【0030】
第一支柱22は、Z方向に沿って延在している。第一支柱22は、Y方向に等間隔に配列されている。第一支柱22は、クリールスタンド20におけるX方向の一方側F1に配置されている。X方向の一方側F1は、後段にて詳述する加工部3が配置される側であり、仮撚加工を施す加工部3に糸Yを送り出す側である。
【0031】
第二支柱23は、Z方向に沿って延在している。第二支柱23は、Y方向に二本一組で配置されており、複数の組の第二支柱23,23が、Y方向に配列されている。第二支柱23は、クリールスタンド20におけるX方向の他方側F2に配置されている。X方向の他方側F2は、後段にて詳述するパッケージ交換装置9が走行する側であり、糸継作業を実施する作業者が作業する側である。複数の第一支柱22からなる第一支柱22群と複数の第二支柱23からなる第二支柱23群とは、X方向に対向して配列されている。
【0032】
仕切板24は、第一支柱22と第二支柱23とに跨がるように設けられている。仕切板24は、板状部材であり、Z方向において、所定の間隔をあけて配置されている。仕切板24は、ペッグ25からの給糸パッケージP1の落下を防止する。
【0033】
ペッグ25は、給糸パッケージP1を支持する。ペッグ25は、第二支柱23に設けられている。ペッグ25は、第二支柱23のZ方向において、所定の間隔をあけて複数(例えば、4個)配置されている。ペッグ25は、Z方向において二枚の仕切板24の間に配置されている。また、ペッグ25は、二本一組で配置される第二支柱23,23に対応して二個一組で配置されており、複数の組(一対)のペッグ25,25が、Y方向に配列されている。
【0034】
この構成のペッグ25では、一対の一方のペッグ25に支持される給糸パッケージP1の糸Yと、一対の他方のペッグ25に支持されている給糸パッケージP1の糸Yとを繋ぐことができる。具体的には、一対の一方のペッグ25に支持されている給糸パッケージP1の第一糸端Y1と、一対の他方のペッグ25に支持されている給糸パッケージP1の内層側(尻糸側)の糸Yの糸端(以下、内層側の糸Yの糸端を「第二糸端」とも称する)とを繋ぐか、又は、一対の一方のペッグ25に支持されている給糸パッケージP1の第二糸端と、一対の他方のペッグ25に支持されている給糸パッケージP1の第一糸端Y1とを繋ぐことができる。これにより、一対のペッグ25,25にそれぞれ支持される二個の給糸パッケージP1,P1から加工部3に一本の糸Yが供給(連続的に糸Yが供給)される。
【0035】
クリップ29は、Y方向において上記一対のペッグ25,25の間に配置されている。本実施形態では、上記一対のペッグ25,25の中央部に配置されている。糸Yは、クリップ29に挟持されて係止される。具体的には、クリップ29は、一対のペッグ25,25にそれぞれ支持される二個の給糸パッケージP1,P1の第一糸端Y1と第二糸端とを繋いだ糸を、挟持して係止する。
【0036】
加工部3は、給糸部2から供給された糸Yに対して仮撚加工を施す。加工部3は、撚止ガイド31と、第一加熱装置32と、冷却装置33と、仮撚装置34と、第二加熱装置35と、フィードローラ36(フィードローラ361~363)と、を備えている。撚止ガイド31、第一加熱装置32、冷却装置33、仮撚装置34、第二加熱装置35及びフィードローラ36(フィードローラ361~363)のそれぞれは、給糸部2から供給されるそれぞれの糸Yに対して個別に設けられており、Y方向に一列に配列されている。
【0037】
撚止ガイド31は、後述する仮撚装置34で糸Yに付与された撚りが、撚止ガイド31よりも糸走行方向上流側に伝播することを防止する。第一加熱装置32は、給糸部2からフィードローラ361を介して送られてきた糸Yを加熱する。冷却装置33は、第一加熱装置32で加熱された糸Yを冷却する。仮撚装置34は、糸Yを撚る。第二加熱装置35は、仮撚装置34からフィードローラ362を介して送られてきた糸Yを加熱する。
【0038】
クリールスタンド20と撚止ガイド31との間にはフィードローラ361が設けられ、仮撚装置34と第二加熱装置35との間にはフィードローラ362が設けられ、第二加熱装置35と巻取装置41との間にはフィードローラ363が設けられている。各フィードローラ36(フィードローラ361~363)は、駆動ローラ及び従動ローラを含んで構成されている。各フィードローラ36のそれぞれも、Y方向に一列に配列されている。
【0039】
フィードローラ362による糸Yの搬送速度は、フィードローラ361よる糸Yの搬送速度よりも速く、糸Yは、フィードローラ361とフィードローラ362との間で延伸される。フィードローラ363による糸Yの搬送速度は、フィードローラ362による糸Yの搬送速度よりも遅く、糸Yは、フィードローラ362とフィードローラ363との間で弛緩される。
【0040】
以上のように構成された加工部3では、フィードローラ361とフィードローラ362との間で延伸された糸Yが、仮撚装置34で撚られる。仮撚装置34により形成される撚りは、撚止ガイド31までは伝播するが、撚止ガイド31よりも糸走行方向上流側には伝播しない。延伸されつつ撚りが付与された糸Yは、第一加熱装置32で加熱されて熱固定された後、冷却装置33で冷却される。仮撚装置34から下流では糸Yは解撚されるが、上記の熱固定によって各フィラメントが仮撚りされた状態で維持される。糸Yは、フィードローラ362とフィードローラ363との間で弛緩されながら、第二加熱装置35で熱固定される。最後に、フィードローラ363から送られた糸Yは、巻取部4の巻取装置41によって巻き取られ、巻取パッケージP2が形成される。
【0041】
巻取部4は、巻取装置41、パッケージストッカ42及び玉揚装置(図示省略)等を備えている。巻取装置41は、加工部3で仮撚加工が施された糸Yを巻き取って巻取パッケージP2を形成する。パッケージストッカ42は、巻取装置41によって形成された巻取パッケージP2を貯留する。玉揚装置は、巻取装置41によって形成された巻取パッケージP2を取り外し、その巻取パッケージP2をパッケージストッカ42に移すとともに、巻取装置41に空の巻取ボビンB2の取り付け等を行う。
【0042】
パッケージ交換装置9は、ペッグ25から給糸ボビンB1を回収するとともに、ペッグ25に給糸パッケージP1を取り付ける。
図4に示されるように、パッケージ交換装置9は、レール98に沿って走行する。レール98は、床に敷設されており、Y方向に沿って延在している。すなわち、パッケージ交換装置9は、Y方向に沿って走行可能に設けられている。パッケージ交換装置9は、走行ユニット90と、昇降ユニット91と、保持ユニット92と、交換ユニット93と、糸継装置60と、これらの動作を制御する制御部94(
図6参照)と、を備えている。
【0043】
走行ユニット90は、レール98を走行する車輪及び駆動機構等が設けられている。走行ユニット90は、昇降ユニット91、保持ユニット92及び交換ユニット93を支持する。昇降ユニット91は、作業者を搭乗させて昇降する。昇降ユニット91は、メンテナンス等の際に使用される。昇降ユニット91は、作業者が搭乗する作業台911と、作業台911をZ方向に移動可能に支持するガイド部912と、作業台を駆動する駆動機構(図示省略)と、を備える。
【0044】
保持ユニット92は、複数(例えば、4個)の給糸パッケージP1を保持する。保持ユニット92は、パッケージ補給装置(図示省略)から給糸パッケージP1の供給を受けて給糸パッケージP1を一時的に保管するとともに、交換ユニット93に給糸パッケージP1を供給する。保持ユニット92は、略90°の範囲で回動可能に設けられている。より詳細には、保持ユニット92は、パッケージ補給装置から給糸パッケージP1の供給を受ける補給位置と、交換ユニット93に給糸パッケージP1を供給する供給位置(
図4に示す位置)との間で回動可能に設けられている。
【0045】
交換ユニット93は、ペッグ25において給糸ボビンB1と給糸パッケージP1との交換を行う。具体的には、交換ユニット93は、ペッグ25から給糸ボビンB1(
図1参照)を回収するとともに、ペッグ25に給糸パッケージP1を取り付ける。交換ユニット93は、保持ユニット92と隣接して設けられている。
図5に示されるように、交換ユニット93は、基台931と、回動装置932と、回収装置933と、供給装置934と、回転台936と、を備えている。なお、
図4では、回動装置932、回収装置933、供給装置934、回転台936、糸継装置60及び結び目解除装置70の記載は省略する。
【0046】
基台931は、回動装置932と、回収装置933、供給装置934及び糸継装置60を支持する回転台936と、を支持している。基台931は、Z方向に沿って昇降自在に設けられている。回動装置932は、基台931に固定されている。回動装置932は、クリールスタンド20のペッグ25を回動させる。回動装置932は、回動ドライバ932Aと、回動アーム932Bと、を有している。
【0047】
回動ドライバ932Aは、ゼネバ機構を構成するゼネバドライバである。回動ドライバ932Aは、モータ(図示省略)の回転駆動によって回転する。回動アーム932Bは、回動ドライバ932Aを支持している。回動アーム932Bは、水平方向において揺動可能に設けられている。回動アーム932Bは、例えば、モータ又はエアシリンダ(図示省略)によって駆動される。回動装置932は、クリールスタンド20において二個一組で設けられる一方のペッグ25及び他方のペッグ25にそれぞれ対応するように設けられている。
【0048】
回動装置932は、ペッグ25に給糸パッケージP1を取り付けるときに、ペッグ25を回動させてペッグ25の向きを変更する。より詳細には、回動装置932は、回動アーム932Bを揺動させて、回動ドライバ932Aをペッグ25に係合させる。回動装置932は、回動ドライバ932Aとペッグ25とが係合すると、回動ドライバ932Aを一方向に回転させる。これにより、ペッグ25が回動する。
【0049】
回収装置933は、基台931に回転可能に支持された回転台936に設けられている。回収装置933は、ペッグ25から給糸ボビンB1を回収する。回収装置933は、給糸ボビンB1を支持する給糸ボビン支持部933Aを有している。回収装置933は、ペッグ25に対して給糸ボビンB1を支持しない状態で給糸ボビン支持部933Aを進出させることにより給糸ボビンB1を支持し、ペッグ25に対して給糸ボビンB1を支持した状態で給糸ボビン支持部933Aを後退させることにより、給糸ボビンB1をペッグ25から回収する。
【0050】
供給装置934は、基台931に回転可能に支持された回転台936に設けられている。供給装置934は、ペッグ25に給糸パッケージP1を供給する。供給装置934は、給糸パッケージP1を支持する給糸パッケージ供給部934Aを有している。供給装置934は、ペッグ25に対して給糸パッケージP1を支持した状態で給糸パッケージ供給部934Aを進出することにより給糸パッケージP1をペッグ25に取り付け、ペッグ25に対して給糸パッケージP1を支持しない状態で給糸パッケージ供給部934Aを後退させることにより、給糸パッケージP1をペッグ25に供給する。
【0051】
パッケージ交換装置9は、上述したペッグ25からの給糸ボビンB1の回収及びペッグ25への給糸パッケージP1の取付けを行う他に、給糸パッケージP1の結び目KNを解く(結び目解除処理)とともに、クリールスタンド20の一対のペッグ25,25に装着された一対の給糸パッケージP1,P1の糸端同士を接続する(糸継処理)。結び目解除処理及び糸継処理は、糸継処理装置9Aによって実行される。糸継処理装置9Aは、糸継装置60、結び目解除装置70及び制御部94を含んで構成される。
【0052】
糸継装置60は、基台931に回転可能に支持された回転台936に設けられている。糸継装置60は、一方のペッグ25に支持されている給糸パッケージP1の第一糸端Y1と、他方のペッグ25に支持されている給糸パッケージP1の第二糸端との糸継ぎを行うか、又は、一方のペッグ25に支持されている給糸パッケージP1の第二糸端と、他方のペッグ25に支持されている給糸パッケージP1の第一糸端Y1との糸継ぎを行う。以下、一方のペッグ25に支持(装着)されている給糸パッケージP1を第一給糸パッケージ(第一糸パッケージ)P11とも称し、他方のペッグ25に支持(装着)されている給糸パッケージP1を第二給糸パッケージ(第二糸パッケージ)P12とも称する。
【0053】
なお、第一給糸パッケージP11が装着されるペッグ25は第一装着部を構成し、第二給糸パッケージP12が装着されるペッグ25は第二装着部を構成する。糸継装置60は、第一給糸パッケージP11の第一糸端Y1と第二給糸パッケージP12の第二糸端とを接続する、又は、第一給糸パッケージP11の第二糸端と第二給糸パッケージP12の第一糸端Y1とを接続するための糸継部を構成する。
【0054】
回転台936は、給糸ボビンB1を回収するときに、給糸ボビン支持部933Aが対象となるペッグ25の正面に位置するように回転される。また、回転台936は、給糸パッケージP1を供給するときに、給糸パッケージ供給部934Aが対象となるペッグ25の正面に位置するように回転される。また、回転台936は、糸継装置60による糸Yの糸継処理を行うときに、対象となるペッグ25の正面に位置するように回転される。
【0055】
図7~
図10に示されるように、結び目解除装置70は、サクションガン(糸捕捉部)71と、受け部72と、エアシリンダ(案内部)73と、糸掛けロボット(糸捕捉部移動部)74と、を備える。サクションガン71は、巻き終わりの糸部分の端である第一糸端Y1を吸引することで捕捉(以下、単に「吸引捕捉」ともいう)する。サクションガン71は、糸掛けロボット74の先端に設けられる。サクションガン71は、サクションアーム711と、サクションマウス712と、を有している。
【0056】
サクションアーム711には、負圧源に通じるサクション用のホース713が接続されており、これにより、サクションガン71において吸引流が発生する。サクションアーム711の基端側は、糸掛けロボット74に接続されている。サクションマウス712は、サクションアーム711の先端に設けられている。サクションマウス712は、糸Yを吸引する。サクションマウス712は、その先端側の面が半球面状に形成されている。サクションマウス712は、軸部を介してサクションアーム711に連結されるとともに、その軸方向においてサクションアーム711に対してスプリング等により弾性的に可動する。サクションガン71は、制御部94(
図6参照)に接続されており、吸引捕捉の実行及び停止が制御部94により制御される。
【0057】
図7~
図9及び
図11に示されるように、受け部72は、サクションガン71で捕捉した第一糸端Y1をサクションガン71との間で挟むように、サクションガン71と接触する。具体的には、受け部72は、サクションマウス712で吸引捕捉している第一糸端Y1をサクションマウス712の先端側との間で挟むように、サクションマウス712の先端側と接触する。
【0058】
受け部72は、凹部721hが形成された弾性部材721を有する。凹部721hの内面は、底側に行くに連れて内側に傾斜するテーパ面を含む。ここでの凹部721hは、サクションマウス712の先端側に対応する半球面状に窪む凹状を呈する。弾性部材721は、例えばウレタンゴム等により形成されている。受け部72は、給糸パッケージP1の中心に対して鉛直方向の下側(給糸パッケージP1の軸方向に直交する方向の一方側)に位置している。受け部72は、第一給糸パッケージP11の第一糸端Y1をサクションガン71との間で挟むようにサクションガン71と接触する第一受け部72Aと、第二給糸パッケージP12の第一糸端Y1をサクションガン71との間で挟むようにサクションガン71と接触する第二受け部72Bと、を含む。例えば第一受け部72Aは、交換ユニット93におけるY方向の一端側に配置され、第二受け部72Bは、交換ユニット93におけるY方向の他端側に配置される。
【0059】
エアシリンダ73は、受け部72を給糸パッケージP1から離れる方向に第1位置から第2位置まで案内する。エアシリンダ73は、先端側に受け部72が設けられたピストンロッド731と、ピストンロッド731が挿入されるシリンダチューブ732と、を有する。エアシリンダ73は、エアの排気を絞る絞り(図示省略)を有する。エアシリンダ73は、制御部94に接続されており、エアシリンダ73へのエアの供給が制御部94により制御される。エアシリンダ73の絞りは、例えば絞り弁を排気側に設けることにより実現することができる。
【0060】
ピストンロッド731は、例えば断面円形の棒状を呈する。ピストンロッド731の先端は、受け部72における凹部721hとは反対側の端部に固定されている。ピストンロッド731は、その軸方向の先端側が基端側よりも高くなるように水平方向に対して傾斜して配置されている。ピストンロッド731は、先端側に行くに連れてY方向の内側に位置するように傾斜して配置されている。ピストンロッド731の軸上には、受け部72の凹部721hの中心が位置する。シリンダチューブ732は、例えば円筒状を呈する。シリンダチューブ732は、交換ユニット93のフレーム93FにブラケットBR1を介して支持されている。
【0061】
このようなエアシリンダ73は、例えばエアが供給されることでピストンロッド731が伸長し、受け部72が第1位置に位置する(
図15(a)参照)。この状態においては、絞りが抵抗となってエアシリンダ73からのエアの排気が妨げられる。これにより、受け部72を第2位置から第1位置に向かって付勢する付勢力が生じ、受け部72が第1位置で保持される。そして、受け部72がシリンダチューブ732側に当該付勢力に抗うように押されると、ピストンロッド731が縮小し、受け部72がピストンロッド731の軸方向に沿って給糸パッケージP1から離れる方向に第2位置まで移動する(
図15(c)参照)。なお、エアシリンダ73においてエアの排気を絞る絞りは、受け部72を第2位置から第1位置に向かって付勢し、第1位置で保持する付勢保持手段を構成する。
【0062】
第1位置は、結び目KNからの距離が、結び目KNから第一糸端Y1までの長さ以下となる範囲内の位置である。第1位置は、エアシリンダ73のピストンロッド731が最も伸長した状態のときの受け部72の位置である。第2位置は、第1位置よりも給糸パッケージP1から離れた位置である。例えば第2位置は、第1位置に対して例えば100mm以上離れている。第2位置は、エアシリンダ73のピストンロッド731が最も縮小した状態のときの受け部72の位置である。また、第2位置は、ペッグ25が操作されてアダプタ8の端面がサクションガン71側を向いた状態の給糸パッケージP1の幅方向において、給糸パッケージP1の一端と他端との間の範囲の位置である。
【0063】
エアシリンダ73は、第一受け部72Aを第一給糸パッケージP11から離れる方向に案内する第一エアシリンダ(第一案内部)73Aと、第二受け部72Bを第二給糸パッケージP12から離れる方向に案内する第二エアシリンダ(第二案内部)73Bと、を含む。第二受け部72Bの第1位置は、第一受け部72Aの第1位置よりも低い。第二受け部72Bの第2位置は、第一受け部72Aの第2位置よりも低い。第一エアシリンダ73Aは、交換ユニット93におけるY方向の一端側に配置され、第二エアシリンダ73Bは、交換ユニット93におけるY方向の他端側に配置される。
【0064】
図7~
図10に示されるように、糸掛けロボット74は、サクションガン71を移動させる。糸掛けロボット74は、サクションガン71の基端側に連結されている。糸掛けロボット74は、リンク機構と複数のモータとを含んで構成されている。糸掛けロボット74は、交換ユニット93のフレーム93FにブラケットBR2を介して支持されている。糸掛けロボット74は、Y方向において交換ユニット93の中央部分に配置されている。糸掛けロボット74は、Y方向において第一受け部72Aと第二受け部72Bとの間に位置する。糸掛けロボット74としては特に限定されず、種々の公知のロボットアームを用いることができる。
【0065】
糸掛けロボット74は、制御部94に接続されている。糸掛けロボット74は、制御部94の制御の下、結び目解除処理を実行する。すなわち、糸掛けロボット74は、サクションガン71のサクションマウス712を受け部72に第1位置で接触させるとともに、サクションマウス712と受け部72とを接触させた状態で、エアシリンダ73により受け部72を案内させながら、サクションマウス712を給糸パッケージP1から離れる方向に第2位置まで移動させる。
【0066】
具体的には、糸掛けロボット74は、サクションマウス712を第一受け部72Aに第一受け部72Aに対応する第1位置で接触させるとともに、サクションマウス712と第一受け部72Aとを接触させた状態で、第一エアシリンダ73Aにより第一受け部72Aを案内させながら、サクションマウス712を第一給糸パッケージP11から離れる方向に第一受け部72Aに対応する第2位置まで移動させる。糸掛けロボット74は、サクションマウス712を第二受け部72Bに第二受け部72Bに対応する第1位置で接触させるとともに、サクションマウス712と第二受け部72Bとを接触させた状態で、第二エアシリンダ73Bにより第二受け部72Bを案内させながら、サクションマウス712を第二給糸パッケージP12から離れる方向に第二受け部72Bに対応する第2位置まで移動させる。
【0067】
図6に示されるように、制御部94は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、I/Oポート及び通信ポート等からなる電子制御ユニットである。ROMには、走行ユニット90、昇降ユニット91、保持ユニット92及び交換ユニット93の各部を制御するためのプログラムが記録されている。制御部94における各機能は、CPU及び主記憶部等のハードウェア上に所定のコンピュータソフトウェアを読み込ませることにより、CPUの制御のもと実行される。制御部94は、少なくともサクションガン71、エアシリンダ73及び糸掛けロボット74を制御して、結び目解除処理を実行する。制御部94は、少なくともサクションガン71、糸掛けロボット74及び糸継装置60を制御して、糸継処理を実行する。
【0068】
次に、糸継処理装置9Aにおける結び目解除処理を含む一連の動作を詳細に説明する。
【0069】
以下の説明では、第一給糸パッケージP11の第一糸端Y1と第二給糸パッケージP12の第二糸端との糸継ぎを行う場合において、第一給糸パッケージP11の糸層YLの外周面上に設けられている結び目KNを解除する一例を、
図12~
図16を用いて説明する。ここでは、第一給糸パッケージP11が新規に投入されたフルパッケージであり、第二給糸パッケージP12が糸解舒中のパッケージである。
【0070】
図12に示されるように、初期状態では、例えば糸継装置60のペッグ回転装置(図示省略)によるペッグ25の操作がなされておらず、第一給糸パッケージP11が未だ回転しておらず、アダプタ8の端面がサクションガン71側と反対側を向いている。第一エアシリンダ73Aにはエアが供給されておらず、ピストンロッド731が縮小しており、第一受け部72Aが第2位置に位置している。
【0071】
このような初期状態において、
図13に示されるように、まず、ペッグ25を操作し、アダプタ8の端面がサクションガン71側を向くように第一給糸パッケージP11を回転させる。制御部94により糸掛けロボット74を制御し、サクションガン71のサクションマウス712を移動させ、アダプタ8において第一糸端Y1が保持されている保持孔部81の吸出口に対してサクションマウス712を接触させる。これとともに、制御部94によりサクションガン71の吸引を開始し、サクションマウス712にて第一糸端Y1を吸引捕捉する。また、制御部94によりエアを第一エアシリンダ73Aに供給させ、ピストンロッド731を伸長させ、第一受け部72Aを第1位置に位置させる。
【0072】
続いて、
図14に示されるように、制御部94により糸掛けロボット74を制御し、第一糸端Y1を吸引捕捉したサクションマウス712を移動させ、第一受け部72Aの凹部721hに当該サクションマウス712を接触させ、これらの間で第一糸端Y1を挟む。この状態において、
図15(a)に示されるように、制御部94により糸掛けロボット74を制御し、第一受け部72Aの凹部721hに対して当該サクションマウス712を、ピストンロッド731の軸方向に沿って第一エアシリンダ73Aの付勢力に抗うように押し込む。これにより、
図15(b)に示されるように、ピストンロッド731が縮小し、当該サクションマウス712と第一受け部72Aとは、互いに接触した状態で第一エアシリンダ73Aにより案内されながら、ピストンロッド731の軸方向に沿って第一給糸パッケージP11から離れる方向に移動する。
【0073】
そして、制御部94により糸掛けロボット74を制御し、第一受け部72Aに対して当該サクションマウス712を引き続き押し込む。これにより、
図15(c)に示されるように、ピストンロッド731が更に縮小し、当該サクションマウス712と第一受け部72Aとは、互いに接触した状態で第一エアシリンダ73Aにより案内されながら、ピストンロッド731の軸方向に沿って第一給糸パッケージP11から離れる方向に第2位置まで移動する。以上の結果、
図16に示されるように、第一糸端Y1を、第一受け部72Aの第1位置PAの位置から第2位置PBまで第一給糸パッケージP11から離れる方向に強く引っ張ることができる。その結果、第一給糸パッケージP11のスリップノットを含む結び目KNが解かれることとなる。
【0074】
その後、制御部94は、糸掛けロボット74を制御し、第一糸端Y1を吸引捕捉したサクションマウス712を糸継装置60まで移動させた後、サクションマウス712の吸引を停止して当該吸引捕捉を解除し、第一糸端Y1を糸継装置60にセット(案内)する。また、制御部94は、サクションガン71及び糸掛けロボット74を制御し、サクションマウス712に第二給糸パッケージP12の第二糸端を吸引捕捉させ、当該サクションマウス712を糸継装置60まで移動させた後、サクションマウス712の吸引を停止して当該吸引捕捉を解除し、第二給糸パッケージP12の第二糸端を糸継装置60にセットする。そして、制御部94は、糸継装置60を制御し、第一給糸パッケージP11の第一糸端Y1と第二給糸パッケージP12の第二糸端とを糸継ぎ(接続)させる。
【0075】
ちなみに、新規に投入された第二給糸パッケージP12の第一糸端Y1と糸解舒中の第一給糸パッケージP11の第二糸端との糸継ぎを行う際に、第二給糸パッケージP12の糸層YLの外周面上に設けられている結び目KNを解除する場合においても、上述した
図12~
図15に示される例と同様である。この場合には、
図17に示されるように、第一糸端Y1を、第二受け部72Bの第1位置PAの位置から第2位置PBまで第二給糸パッケージP12から離れる方向に強く引っ張ることができ、第二給糸パッケージP12のスリップノットを含む結び目KNを解くことが可能となる。
【0076】
以上、結び目解除装置70では、第一糸端Y1を捕捉したサクションガン71を受け部72に接触させることで、これらの間で糸Yを挟むことができる。そして、この状態でエアシリンダ73により受け部72を案内することにより、第一糸端Y1を強く給糸パッケージP1から離れる方向に引っ張り(第一糸端Y1をクランプ状態で引っ張り)、スリップノットを含む結び目KNを解くことができる。したがって、結び目解除装置70によれば、糸Yを強く引っ張るための負圧を生じさせる大量の圧縮流体をサクションガン71に供給する必要がなく、且つ、糸Yを挟むための糸挟持機構をサクションガン71に設けることなく、給糸パッケージP1のスリップノットを含む結び目KNを解除することが可能となる。
【0077】
結び目解除装置70では、第1位置は、結び目KNからの距離が、結び目KNから第一糸端Y1までの長さ以下となる範囲内の位置である。この場合、給糸パッケージP1における糸層YLの巻き終わりの糸部分を捕捉した状態のサクションガン71を、受け部72と確実に接触させることが可能となる。また、第2位置は、給糸パッケージP1の幅方向において、給糸パッケージP1の一端と他端との間の範囲の位置である。この場合、エアシリンダ73により受け部72を案内して、第一糸端Y1を強く給糸パッケージP1から離れる方向に引っ張った際、給糸ボビンB1に巻回されている糸層YLの巻き終わりの糸部分が、給糸ボビンB1から外れるまで給糸パッケージP1の幅方向に動いてしまうことを抑制することが可能となる。
【0078】
結び目解除装置70では、エアシリンダ73は、受け部72を第2位置から第1位置に向かって付勢して第1位置で保持する。この場合、サクションガン71と受け部72とが密着することとなり、糸Yを確実に挟むことができる。
【0079】
結び目解除装置70では、受け部72は、凹部721hが形成された弾性部材721を有し、凹部721hの内面は、底側に行くに連れて内側に傾斜するテーパ面を含んでいる。これにより、第一糸端Y1を捕捉したサクションガン71を受け部72に接触させた場合に、これらの間で糸Yを確実に挟むことが可能となる。
【0080】
結び目解除装置70では、サクションガン71は、糸掛けロボット74の先端に設けられている。これにより、糸掛けロボット74は、サクションガン71を操作することが容易に可能となる。
【0081】
結び目解除装置70では、結び目KNは、給糸パッケージP1の軸方向に直交する方向において、給糸パッケージP1の中心に対して一方側に位置する。受け部72は、給糸パッケージP1の中心に対して、結び目KNと同じ当該一方側に位置する。この場合、第一糸端Y1を効率よく給糸パッケージP1から離れる方向に案内することができる。
【0082】
結び目解除装置70では、給糸パッケージP1は、第一給糸パッケージP11と第二給糸パッケージP12とを含み、受け部72は、第一受け部72Aと第二受け部72Bとを含み、エアシリンダ73は、第一エアシリンダ73Aと第二エアシリンダ73Bとを含む。糸掛けロボット74は、サクションガン71を第一受け部72Aに第一受け部72Aに対応する第1位置で接触させるとともに、サクションガン71と第一受け部72Aとを接触させた状態で、第一エアシリンダ73Aにより第一受け部72Aを案内させながら、サクションガン71を給糸パッケージP1から離れる方向に第一受け部72Aに対応する第2位置まで移動させる。また、糸掛けロボット74は、サクションガン71を第二受け部72Bに第二受け部72Bに対応する第1位置で接触させるとともに、サクションガン71と第二受け部72Bとを接触させた状態で、第二エアシリンダ73Bにより第二受け部72Bを案内させながら、サクションガン71を給糸パッケージP1から離れる方向に第二受け部72Bに対応する第2位置まで移動させる。このような構成によれば、2つの給糸パッケージP1のそれぞれに対応した結び目KNの解除に対応することができる。
【0083】
糸継処理装置9A及び給糸装置100は、結び目解除装置70を備えることから、上記と同様に、糸Yを強く引っ張るための負圧を生じさせる大量の圧縮流体をサクションガン71に供給する必要がなく、且つ、糸Yを挟むための糸挟持機構をサクションガン71に設けることなく、給糸パッケージP1のスリップノットを含む結び目KNを解除することが可能となる。
【0084】
本実施形態では、第一糸端Y1を捕捉したサクションガン71を受け部72に接触させて糸Yを挟んでいる間、給糸パッケージP1の糸層YLの巻き終わりの糸部分に張力が働くように給糸パッケージP1を回転させてもよいし、給糸パッケージP1を回転させなくてもよい。給糸パッケージP1を回転させない場合、消費エネルギの省力化が可能となる。また本実施形態では、第一糸端Y1を捕捉したサクションガン71を受け部72に接触させて糸Yを挟んでいる間、サクションガン71による吸引を続けてもよいし、当該吸引を停止してもよい。サクションガン71による吸引を停止する場合、消費エネルギの省力化が可能となる。
【0085】
以上、本発明の一側面の実施形態について説明してきたが、本発明の一側面は必ずしも上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
【0086】
上記実施形態では、パッケージ交換装置9の走行ユニット90、昇降ユニット91、保持ユニット92、交換ユニット93及び糸継装置60を統括的に制御する制御部94が、結び目解除装置70を制御する例を挙げて説明したが、これに限定されない。制御部94は、結び目解除装置70の制御するために専用に設けられてもよい。また、制御部94は、パッケージ交換装置9に設けられなくても、パッケージ交換装置9から離れた位置に、有線又は無線によって通信可能に設けられてもよい。
【0087】
上記実施形態及び上記変形例では、サクションガン71のサクションマウス712を受け部72との接触に、マグネットによる磁力を利用してもよい。上記実施形態及び上記変形例では、エアシリンダ73の排気の絞りによって受け部72を第2位置から第1位置に向かって付勢したが、これに限定されず、スプリングによる弾性力及びマグネットによる磁力を利用して受け部72を第2位置から第1位置に向かって付勢してもよい。上記実施形態及び上記変形例においては、糸加工装置の一例として仮撚加工機1を例に挙げて説明したが、これに限定されない。すなわち、加工部3の一例として撚糸加工(仮撚加工)を施す装置を例に挙げて説明したが、無撚糸加工(エアージェット加工)を施す装置に適用してもよい。
【0088】
上記実施形態及び上記変形例のエアシリンダ73では、ピストンロッド731を伸長させて受け部72を給糸パッケージP1に近づく方向に移動(前進)させる際の当該移動をスムーズにするために、排気の絞りが一方通行になるように構成されていてもよい。上記実施形態及び上記変形例のエアシリンダ73において、受け部72が給糸パッケージP1から離れる方向に移動して第2位置に位置した状態では、エアシリンダ73からエアが抜けていることから、抵抗(付勢力)は維持されていなくてもよい。上記実施形態及び上記変形例のエアシリンダ73では、受け部72に対してサクションマウス712を押し込んで受け部72が移動している間のみ、付勢力を利用して受け部72とサクションガン71との間で第一糸端Y1を挟んでいてもよい。
【符号の説明】
【0089】
9A…糸継処理装置、20…クリールスタンド(給糸スタンド)、25…ペッグ(第一装着部,第二装着部)、60…糸継装置(糸継部)、70…結び目解除装置(糸パッケージの結び目解除装置)、71…サクションガン(糸捕捉部)、72…受け部、72A…第一受け部、72B…第二受け部、73…エアシリンダ(案内部)、73A…第一エアシリンダ(第一案内部)、73B…第二エアシリンダ(第二案内部)、74…糸掛けロボット(糸捕捉部移動部)、100…給糸装置、721…弾性部材、721h…凹部、B1…給糸ボビン(ボビン)、KN…結び目、PA…第1位置、PB…第2位置、P1…給糸パッケージ(糸パッケージ)、P11…第一給糸パッケージ(第一糸パッケージ)、P12…第二給糸パッケージ(第二糸パッケージ)、Y…糸、YL…糸層、Y1…第一糸端(巻き終わりの糸部分の端,外層側の糸端)。