IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社コーエーテクモゲームスの特許一覧

特開2023-91626ゲームプログラム、記録媒体、ゲーム処理方法
<>
  • 特開-ゲームプログラム、記録媒体、ゲーム処理方法 図1
  • 特開-ゲームプログラム、記録媒体、ゲーム処理方法 図2
  • 特開-ゲームプログラム、記録媒体、ゲーム処理方法 図3
  • 特開-ゲームプログラム、記録媒体、ゲーム処理方法 図4
  • 特開-ゲームプログラム、記録媒体、ゲーム処理方法 図5
  • 特開-ゲームプログラム、記録媒体、ゲーム処理方法 図6
  • 特開-ゲームプログラム、記録媒体、ゲーム処理方法 図7
  • 特開-ゲームプログラム、記録媒体、ゲーム処理方法 図8
  • 特開-ゲームプログラム、記録媒体、ゲーム処理方法 図9
  • 特開-ゲームプログラム、記録媒体、ゲーム処理方法 図10
  • 特開-ゲームプログラム、記録媒体、ゲーム処理方法 図11
  • 特開-ゲームプログラム、記録媒体、ゲーム処理方法 図12
  • 特開-ゲームプログラム、記録媒体、ゲーム処理方法 図13
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023091626
(43)【公開日】2023-06-30
(54)【発明の名称】ゲームプログラム、記録媒体、ゲーム処理方法
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/5378 20140101AFI20230623BHJP
   A63F 13/822 20140101ALI20230623BHJP
   A63F 13/58 20140101ALI20230623BHJP
   A63F 13/537 20140101ALI20230623BHJP
【FI】
A63F13/5378
A63F13/822
A63F13/58
A63F13/537
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021206451
(22)【出願日】2021-12-20
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和3年3月24日に、ウェブサイトにて動画「『戦国無双5』第二回公式番組」を配信。 令和3年4月23日に、ウェブサイトにて動画「『戦国無双5』第三回公式番組」を配信。 令和3年4月28日に、ウェブサイトにてゲーム「戦国無双5」の紹介記事を掲載。 令和3年4月30日に、ウェブサイトにて動画「コーエーテクモ新作4タイトル 超ゲーム紹介特番@ニコニコネット超会議2021〔4/30〕」を配信。 令和3年5月27日に、ウェブサイトにて動画「〔EXILE SHOKICHI/世界/関口メンディー出演〕ゲーム『戦国無双5』第四回公式番組」を配信。 令和3年6月3日に、ウェブサイトにてゲーム「戦国無双5」の紹介記事を掲載。 令和3年6月17日に、ウェブサイトにてゲーム「戦国無双5」の体験版を配信 令和3年6月24日に、週刊ファミ通 No.1699,10-37頁にてゲーム「戦国無双5」の紹介記事を掲載。 令和3年6月24日に、ゲーム「戦国無双5」(プレイステーション4、Nintendo Switch、Xbox One用)を販売。 令和3年7月27日に、ウェブサイトにて動画「『戦国無双5』Steam▲R▼版発売記念トレーラー」を配信。 令和3年7月27日に、ゲーム「戦国無双5」(PC用)を販売。
(71)【出願人】
【識別番号】595000427
【氏名又は名称】株式会社コーエーテクモゲームス
(74)【代理人】
【識別番号】110003096
【氏名又は名称】弁理士法人第一テクニカル国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 大貴
(72)【発明者】
【氏名】須田 亮
(72)【発明者】
【氏名】米田 春菜
(72)【発明者】
【氏名】永山 拓哉
(57)【要約】
【課題】プレイヤが戦況をリアルタイムに把握することが可能なゲームプログラム、記録媒体、及びゲーム処理方法を提供する。
【解決手段】ゲームプログラムは、情報処理装置3を、ゲームフィールドGFに設定された所定の区画GRごとに、ゲームフィールドGFで戦闘を行う複数のキャラクタに関わる情報を集計する第1情報集計処理部29、情報の集計結果に基づいて、区画GRごとに戦況を判定する戦況判定処理部31、戦況の判定結果を区画GRごとに識別可能に表示する戦況表示処理部33、として機能させる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置を、
ゲームフィールドに設定された所定の区画ごとに、前記ゲームフィールドで戦闘を行う複数のオブジェクトに関わる情報を集計する第1情報集計処理部、
前記情報の集計結果に基づいて、前記区画ごとに戦況を判定する戦況判定処理部、
前記戦況の判定結果を前記区画ごとに識別可能に表示する戦況表示処理部、
として機能させるためのゲームプログラム。
【請求項2】
前記情報処理装置を、
前記オブジェクトの周囲に、前記情報の集計に影響する所定の広さのエリアを設定するエリア設定処理部、
としてさらに機能させ、
前記第1情報集計処理部は、
集計対象となる前記区画に前記エリアの少なくとも一部が存在する前記オブジェクトに関わる前記情報を集計する、
請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項3】
前記情報処理装置を、
前記区画において前記戦況が優勢と判定された勢力に属する前記オブジェクトの戦闘に関わる能力を強化する第1能力強化処理部、
としてさらに機能させるための請求項1又は2に記載のゲームプログラム。
【請求項4】
前記戦況判定処理部は、
前記情報の集計結果に基づいて、前記区画ごとに前記戦況の度合いを複数の段階で判定し、
前記第1能力強化処理部は、
前記戦況が優勢と判定された前記勢力に属する前記オブジェクトの戦闘に関わる能力を、前記優勢の度合いに基づいて段階的に強化する、
請求項3に記載のゲームプログラム。
【請求項5】
前記情報処理装置を、
前記オブジェクトごとにポイントを設定するポイント設定処理部、
としてさらに機能させ、
前記第1情報集計処理部は、
集計対象となる前記区画に関わる前記オブジェクトの前記ポイントの合計を、前記オブジェクトが属する勢力ごとに集計し、
前記戦況判定処理部は、
前記ポイントの合計が大きい方の前記勢力を優勢、小さい方の前記勢力を劣勢と判定する、
請求項1乃至4のいずれか1項に記載のゲームプログラム。
【請求項6】
前記情報処理装置を、
前記ゲームフィールドに配置された特殊オブジェクトが所定の行動を行った場合に、前記特殊オブジェクトの周囲に存在する、前記特殊オブジェクトと同じ勢力に属する前記オブジェクトの前記ポイントを増大させるポイント増大処理部、
としてさらに機能させるための請求項5に記載のゲームプログラム。
【請求項7】
前記ポイント増大処理部は、
前記特殊オブジェクトが前記所定の行動を行う度に、前記ポイントを所定の割合ずつ増大させる、
請求項6に記載のゲームプログラム。
【請求項8】
前記情報処理装置を、
前記特殊オブジェクトが所定の行動を行った場合に、前記特殊オブジェクトの周囲に存在する、前記特殊オブジェクトと同じ勢力に属する前記オブジェクトの戦闘に関わる能力を強化する第2能力強化処理部、
としてさらに機能させるための請求項6又は7に記載のゲームプログラム。
【請求項9】
前記第2能力強化処理部は、
前記特殊オブジェクトが前記所定の行動を行う度に、前記戦闘に関わる能力を所定の割合ずつ増大させる、
請求項8に記載のゲームプログラム。
【請求項10】
前記戦況表示処理部は、
前記戦況が拮抗している状態から一方の勢力が優勢な状態に変化する場合に、予告表示を行う、
請求項1乃至9のいずれか1項に記載のゲームプログラム。
【請求項11】
前記情報処理装置を、
前記ゲームフィールドで戦闘を行う前記複数のオブジェクトに関わる前記情報を前記ゲームフィールド全体で集計する第2情報集計処理部、
前記情報の集計結果に基づいて、前記ゲームフィールド全体の前記戦況を表すゲージを表示するゲージ表示処理部、
としてさらに機能させるための請求項1乃至10のいずれか1項に記載のゲームプログラム。
【請求項12】
前記戦況表示処理部は、
前記ゲームフィールドの地形を表すマップ画面において、前記戦況の判定結果を前記区画ごとに識別可能に表示する、
請求項1乃至11のいずれか1項に記載のゲームプログラム。
【請求項13】
請求項1乃至12のいずれか1項に記載のゲームプログラムを記録した、情報処理装置が読み取り可能な記録媒体。
【請求項14】
情報処理装置によって実行されるゲーム処理方法であって、
ゲームフィールドに設定された所定の区画ごとに、前記ゲームフィールドで戦闘を行う複数のオブジェクトに関わる情報を集計するステップと、
前記情報の集計結果に基づいて、前記区画ごとに戦況を判定するステップと、
前記戦況の判定結果を前記区画ごとに識別可能に表示するステップと、
を有する、ゲーム処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームプログラム、当該ゲームプログラムが記録された記録媒体、及びゲーム処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プレイヤがリアルタイムにプレイヤキャラクタを操作し、敵キャラクタと戦闘を行いつつストーリーを進めていく、いわゆるアクションロールプレイングゲームが知られている。このようなゲームの一例として、例えば特許文献1には、ゲーム画面に設定された区画ごとに、当該区画に存在する敵キャラクタの情報の集計結果を表す集計アイコンが表示されるゲームが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-103596号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来技術のようなゲームにおいて、時々刻々と変動する戦況をリアルタイムに把握したいという要望があった。
【0005】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、プレイヤが戦況をリアルタイムに把握することが可能なゲームプログラム、記録媒体、及びゲーム処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明のゲームプログラムは、情報処理装置を、ゲームフィールドに設定された所定の区画ごとに、前記ゲームフィールドで戦闘を行う複数のオブジェクトに関わる情報を集計する第1情報集計処理部、前記情報の集計結果に基づいて、前記区画ごとに戦況を判定する戦況判定処理部、前記戦況の判定結果を前記区画ごとに識別可能に表示する戦況表示処理部、として機能させる。
【0007】
また、上記目的を達成するために、本発明の記録媒体は、上記ゲームプログラムを記録した、情報処理装置が読み取り可能な記録媒体である。
【0008】
また、上記目的を達成するために、本発明のゲーム処理方法は、情報処理装置によって実行されるゲーム処理方法であって、ゲームフィールドに設定された所定の区画ごとに、前記ゲームフィールドで戦闘を行う複数のオブジェクトに関わる情報を集計するステップと、前記情報の集計結果に基づいて、前記区画ごとに戦況を判定するステップと、前記戦況の判定結果を前記区画ごとに識別可能に表示するステップと、を有する。
【発明の効果】
【0009】
本発明のゲームプログラム等によれば、プレイヤが戦況をリアルタイムに把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態に係るゲームシステムの全体構成の一例を表す図である。
図2】ゲームの戦闘画面の一例を表す図である。
図3】情報処理装置の機能的構成の一例を表すブロック図である。
図4】ポイント設定処理部によるポイント設定の一例を表す図である。
図5】エリア設定処理部による影響エリアの設定の一例を表す図である。
図6】第1情報集計処理部による情報の集計の一例を表す図である。
図7】戦況判定処理部による戦況の判定手法の一例を表す図である。
図8】戦況表示処理部によるマップ画面の戦況識別表示の一例を表す図である。
図9】戦況表示処理部による予告表示の一例を表す図である。
図10】特殊キャラクタの一例を表す図である。
図11】特殊キャラクタの影響エリアの一例を表す図である。
図12】情報処理装置が実行する処理手順の一例を表すフローチャートである。
図13】情報処理装置のハードウェア構成の一例を表すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
【0012】
<1.ゲームシステムの全体構成>
図1を用いて、実施形態に係るゲームシステム1の全体構成の一例について説明する。図1に示すように、ゲームシステム1は、情報処理装置3と、ゲームコントローラ5と、表示装置7とを有する。ゲームコントローラ5及び表示装置7は、情報処理装置3と有線又は無線により通信可能に接続されている。
【0013】
情報処理装置3は、例えば据え置き型のゲーム機である。但しこれに限定されるものではなく、例えば入力部や表示部等を一体に備えた携帯型のゲーム機でもよい。また、ゲーム機以外にも、例えば、サーバコンピュータ、デスクトップ型コンピュータ、ノート型コンピュータ、タブレット型コンピュータ等のコンピュータ機器や、スマートフォン、携帯電話、ファブレット等の電話機能を有する機器でもよい。
【0014】
プレイヤは、ゲームコントローラ5を用いて各種の操作入力を行う。図1に示す例では、ゲームコントローラ5は、例えば十字キー9、複数の操作ボタン11、ジョイスティック13、タッチパッド15等を有する。
【0015】
<2.ゲームの概略内容>
次に、本実施形態に係るゲーム、すなわち、本発明のゲームプログラム及びゲーム処理方法が情報処理装置3によって実行されることにより提供されるゲームの概略内容の一例について説明する。
【0016】
本実施形態に係るゲームは、味方キャラクタと敵キャラクタが戦闘を行いつつストーリーを進めていき、戦闘中はプレイヤがプレイヤキャラクタをリアルタイムに操作してアクションを行わせる、いわゆるアクションロールプレイングゲームである。ゲームに登場するキャラクタ(オブジェクトの一例)の種類は特に限定されるものではないが、典型的には人間の男性キャラクタ又は女性キャラクタである。なお、ゲームキャラクタは、動物キャラクタ、仮想的な生物キャラクタ、ロボットや物体等のキャラクタでもよい。
【0017】
図2に、ゲームの戦闘画面の一例を示す。図2に示すように、ゲームフィールドGF上で、味方キャラクタ(白色で図示)と敵キャラクタ(ハッチングで図示)とが戦闘を実行する。味方キャラクタは、プレイヤにより操作されるプレイヤキャラクタ17(オブジェクトの一例)を含む。敵キャラクタは、例えば武将19(オブジェクトの一例)や兵士21(オブジェクトの一例)を含む。戦闘は、プレイヤキャラクタ17が敵キャラクタと遭遇するとゲームフィールドGF上で直接行われる。プレイヤキャラクタ17は、プレイヤの操作に連動してリアルタイムに動作し、ゲームフィールドGF上を移動して敵キャラクタへの攻撃等を行う。敵キャラクタは、ゲームプログラムにより規定される所定のアルゴリズム(いわゆるゲームAI)により自動制御され、ゲームフィールドGF上を移動して味方キャラクタへの攻撃等を行う。
【0018】
なお、味方キャラクタに、ゲームプログラムにより規定される所定のアルゴリズムにより自動制御されるノンプレイヤキャラクタを含めてもよい。その場合、プレイヤが操作可能なプレイヤキャラクタを複数の味方キャラクタの中で切り替え可能としてもよい。
【0019】
戦闘画面の周辺部には、ゲームフィールドGFの地形を表すマップ画面23が表示される。プレイヤはマップ画面23を参照し、味方キャラクタや敵キャラクタの現在位置を確認しながら戦闘を進めることができる。なお、マップ画面23は、常にゲームフィールドGFに重ねて表示してもよいし、通常はゲームフィールドGFのみを表示しておき、プレイヤによる所定の操作入力があった場合に表示してもよい。また、プレイヤによる所定の操作入力があった場合に、ゲームフィールドGFをマップ画面23の全画面表示に切り替えてもよい。
【0020】
本実施形態に係るゲームでは、戦闘中にゲームフィールドGFに設定された所定の区画ごとにキャラクタに関連する情報が集計され、集計結果に基づいて区画ごとに戦況が判定され、マップ画面23において戦況の判定結果が識別可能に表示される。以下、この内容について詳細に説明する。
【0021】
<3.情報処理装置の機能的構成>
次に、図3及び図4図10を用いて、情報処理装置3の機能的構成の一例について説明する。
【0022】
図3に示すように、情報処理装置3は、ポイント設定処理部25と、エリア設定処理部27と、第1情報集計処理部29と、戦況判定処理部31と、戦況表示処理部33と、第1能力強化処理部35と、ポイント増大処理部37と、第2能力強化処理部39と、第2情報集計処理部41と、ゲージ表示処理部43とを有する。
【0023】
ポイント設定処理部25は、ゲームキャラクタごとにポイントを設定する。ポイント(オブジェクトに関わる情報の一例)は、戦況を判定するための集計に使用される数値である。ポイント設定処理部25は、ゲームキャラクタの種類に応じてポイントの大小を異ならせて設定する。
【0024】
図4に、ポイント設定処理部25によるポイント設定の一例を示す。図4に示す例では、味方の武将(プレイヤキャラクタを含む)には100ポイント、味方の兵士には5ポイント、敵の武将には50ポイント、敵の兵士には5ポイントが設定される。なお、図4ではゲームキャラクタの属する勢力(味方、敵)や種類(武将、兵士)に応じてポイント数を異ならせたが、これに限定されるものではない。例えば、ゲームキャラクタの戦闘に関わるステータス(例えばレベル、体力値、攻撃力、防御力、装備、スキル、属性、特殊効果などのパラメータ)等に応じてポイント数を異ならせてもよい。また、本実施形態において「兵士」という場合、所定の数の兵士により構成される一群(グループ)を指すものとするが、一人一人の兵士に対してポイントを設定してもよい。
【0025】
図3に戻り、エリア設定処理部27は、各ゲームキャラクタの周囲に、ポイントの集計に影響する所定の広さの影響エリアAR1を設定する。エリア設定処理部27は、ゲームキャラクタの種類に応じて影響エリアAR1の広さを異ならせて設定する。
【0026】
図5に、エリア設定処理部27による影響エリアAR1の設定の一例を示す。図5に示すように、例えば武将には広い影響エリアAR1、兵士には狭い影響エリアAR1が設定される。味方及び敵のいずれの勢力に属する武将及び兵士に対しても同様に設定される。なお、図5ではゲームキャラクタの種類(武将、兵士)に応じて影響エリアAR1の広さを異ならせたが、これ以外にも、例えば属する勢力(味方、敵)や、ゲームキャラクタの戦闘に関わるステータス(例えばレベル、体力値、攻撃力、防御力、装備、スキル、属性、特殊効果などのパラメータ)等に応じて影響エリアAR1の広さを異ならせてもよい。
【0027】
図3に戻り、第1情報集計処理部29は、ゲームフィールドGFに設定された所定の区画ごとに、ゲームフィールドGFで戦闘を行う複数のゲームキャラクタに関わる情報を集計する。「ゲームフィールド」とは、仮想空間内に戦場として設定されたフィールドである。「所定の区画」とは、ゲームキャラクタに関わる情報の集計を行うための単位領域であり、例えばゲームフィールドGFを格子状に所定の数(例えば縦30×横30)で分割した区画である。なお、所定の寸法及び形状を備えた区画(例えば30m四方のマス)としてもよい。「ゲームキャラクタに関わる情報」は、前述のポイント設定処理部25により設定されるポイントである。なお、例えばゲームキャラクタの戦闘に関わるステータス(例えばレベル、体力値、攻撃力、防御力、装備、スキル、属性、特殊効果などのパラメータ)等、ポイント以外の情報を集計に使用してもよい。
【0028】
具体的には、第1情報集計処理部29は、集計対象となる区画に影響エリアAR1の少なくとも一部が存在するゲームキャラクタに関わる情報を集計する。また、第1情報集計処理部29は、集計対象となる区画に関わるゲームキャラクタのポイントの合計を、ゲームキャラクタが属する勢力(敵、味方)ごとに集計する。
【0029】
図6に、第1情報集計処理部29による情報の集計の一例を示す。図6に示す例では、例えば区画Aに武将が1人、区画Bに兵士が2人、区画C及びDに兵士が1人ずつ存在している。区画Aの武将の影響エリアAR1は区画B,C,Dのそれぞれに及んでいる。また、区画Cの兵士の影響エリアAR1は区画Dに及んでいる。この場合、区画Aのポイントの合計は武将の50ポイント、区画Bのポイントの合計は武将と2人の兵士を合計した70ポイント、区画Cのポイントの合計は武将と兵士を合計した60ポイント、区画Dのポイントの合計は武将と2人の兵士を合計した70ポイントとなる。味方及び敵のいずれの勢力に属する武将及び兵士に対しても、上記と同様の手法で各区画ごとに集計される。なお、区画内にゲームキャラクタが存在しない場合には0ポイントとなる。
【0030】
図3に戻り、戦況判定処理部31は、上記第1情報集計処理部29による情報の集計結果に基づいて、区画ごとに戦況を判定する。具体的には、戦況判定処理部31は、ポイントの合計が大きい方の勢力を優勢、小さい方の勢力を劣勢と判定する。また、戦況判定処理部31は、上記第1情報集計処理部29による情報の集計結果に基づいて、区画ごとに戦況の度合いを複数の段階(例えば2段階)で判定する。
【0031】
図7に、戦況判定処理部31による戦況の判定手法の一例を示す。図7に示す例では、例えば集計対象の区画における敵ポイントの合計から味方ポイントの合計を減算した値である区画ポイントPが、200ポイント以上である場合は敵優勢(強)、100ポイント以上199ポイント以下である場合は敵優勢(弱)、-99ポイント以上99ポイント以下である場合は拮抗、-100ポイント以下である場合は味方優勢、と判定する。
【0032】
なお、図7に示す例では敵の優勢の度合いを2段階(強、弱)で判定したが、1段階の判定としてもよいし、3段階以上に細かく分けて判定してもよい。また、味方の優勢の度合いについても複数段階に分けて判定してもよい。また、図7に示す区画ポイントPの判定基準となるしきい値は一例であり、異なる値としてもよい。
【0033】
図3に戻り、戦況表示処理部33は、戦況判定処理部31による戦況の判定結果を区画ごとに識別可能に表示する。具体的には、戦況表示処理部33は、ゲームフィールドGFの地形を表すマップ画面23において、戦況の判定結果を区画ごとに識別可能に表示する。
【0034】
図8に、戦況表示処理部33によるマップ画面23の戦況識別表示の一例を示す。図8に示す例では、ゲームフィールドGFに対して例えば縦20×横20の格子状に分割した区画GRが設定されている。なお、図8では説明の便宜上、マップ画面23に区画GRを形成するグリッド線45を図示しているが、区画GRは処理上の設定であり、マップ画面23には表示されない。図8に示すように、マップ画面23には、味方の武将(プレイヤキャラクタ17を含む)の現在位置を示すアイコン47、味方の兵士の現在位置を示すアイコン49、敵の武将の現在位置を示すアイコン51、及び、敵の兵士の現在位置を示すアイコン53が表示されている。なお、プレイヤキャラクタ17のアイコン47に対しては、例えば矢印55が表示されることにより、プレイヤキャラクタであることが識別可能となっている。
【0035】
マップ画面23には、戦況判定処理部31による戦況の判定結果が区画GRごとに識別可能に表示される。図8に示す例では、敵優勢(強)の区画GRは例えば濃い赤色領域57(小さい格子ハッチングで示す)、敵優勢(弱)の区画GRは例えば薄い赤色領域59(大きい格子ハッチングで示す)、拮抗状態の区画GRは例えば紫色領域61(ドットハッチングで示す)、味方優勢の区画GRは例えば青色領域63(白色で示す)として表示される。なお、ゲームキャラクタが存在しない区画GR(ポイントが0)は、例えば色無し(白色)として表示される。マップ画面23における上記戦況の識別表示は、時々刻々と変化する戦況に応じてリアルタイムに変化する。なお、上記の各戦況に対応する色は一例であり、異なる色としてもよい。
【0036】
また戦況表示処理部33は、戦況が拮抗している状態から一方の勢力が優勢な状態に変化する場合に、予告表示を行う。具体的には、戦況表示処理部33は、前述した区画ポイントPが-99ポイント以上99ポイント以下である拮抗状態から、敵が優勢な状態となる100ポイントを超えるタイミングの前後において、所定の時間だけ予告表示を行う。
【0037】
図9に、戦況表示処理部33による予告表示の一例を示す。図9に示す例では、拮抗状態である紫色領域61(ドットハッチングで示す)の区画GRにおいて、戦況が変化する区画GRが例えば白色に所定時間(所定回数でもよい)点滅し、その後当該区画GRが敵優勢(弱)の状態である薄い赤色領域59(大きい格子ハッチングで示す)に変化する。このように予告表示を行うことで、プレイヤに対して警告を行うことができる。なお、予告表示を白色以外の色の点滅で行ってもよいし、プレイヤの注意を引くことが可能であれば点滅以外の表示態様としてもよい。
【0038】
図3に戻り、第1能力強化処理部35は、区画GRにおいて戦況が優勢と判定された勢力に属するゲームキャラクタの戦闘に関わる能力を強化する。すなわち、第1能力強化処理部35は、敵が優勢である区画GRでは敵キャラクタの戦闘に関わる能力を強化し、味方が優勢である区画GRでは味方キャラクタの戦闘に関わる能力を強化する。また、第1能力強化処理部35は、敵が優勢である区画GRでは、敵キャラクタの戦闘に関わる能力を優勢の度合いに基づいて段階的に強化する。例えば第1能力強化処理部35は、敵優勢(強)の区画GRでは敵キャラクタの戦闘に関わる能力を大きく強化し、敵優勢(弱)の区画GRでは敵キャラクタの戦闘に関わる能力を小さく強化する。
【0039】
「戦闘に関わる能力を強化する」とは、例えば攻撃力や防御力等の戦闘能力に関わるパラメータ値を、所定の割合(例えば10%ポイント)だけ増加させることを含む。また、攻撃を強い種類の攻撃に変化させたり、攻撃の頻度を増加するようにアルゴリズムを変化させてもよい。段階的に強化する場合には、例えば敵優勢(強)の区画GRでは敵キャラクタの戦闘能力に関わるパラメータ値を大きな割合(例えば20%ポイント)だけ増加させ、敵優勢(弱)の区画GRでは小さな割合(例えば10%ポイント)だけ増加させてもよい。
【0040】
なお、味方の優勢の度合いを複数段階で判定する場合には、上記と同様に、味方優勢(強)の区画GRでは味方キャラクタの戦闘に関わる能力を大きく強化し、味方優勢(弱)の区画GRでは味方キャラクタの戦闘に関わる能力を小さく強化してもよい。
【0041】
ポイント増大処理部37は、ゲームフィールドGFに配置された特殊キャラクタ(特殊オブジェクトの一例)が所定の行動を行った場合に、特殊キャラクタの周囲に存在する、特殊キャラクタと同じ勢力に属するキャラクタのポイントを増大させる。例えば、敵の特殊キャラクタが所定の行動を行った場合、ポイント増大処理部37は、特殊キャラクタの周囲に存在する敵キャラクタのポイントを増大させる。また、ポイント増大処理部37は、特殊キャラクタが所定の行動を行う度に、ポイントを所定の割合ずつ増大させてもよい。
【0042】
図10及び図11に、特殊キャラクタの一例を示す。図10に示す例では、敵キャラクタに陣太鼓兵65(特殊オブジェクトの一例)が含まれる。図11に示すように、陣太鼓兵65には所定の広さ(例えば半径100m)の影響エリアAR2が設定されている。陣太鼓兵65が陣太鼓を叩く(所定の行動の一例)と、影響エリアAR2内に存在する敵キャラクタのポイントが増大する。ポイントの増大の仕方は、特に限定されるものではないが、例えば陣太鼓兵65が陣太鼓を叩く度に、10%ポイントずつ増加させてもよい。また、ポイントが増加可能な上限値(例えば200%ポイント)を設定してもよい。この場合、敵キャラクタのポイントは、陣太鼓兵65が陣太鼓を叩く度に100%から110%、120%、・・・というように増加し、最大で200%まで増加可能となる。
【0043】
なお、上記のポイントの増大の仕方は一例であり、異なる増大の仕方としてもよい。また、特殊キャラクタは陣太鼓兵に限らず、周囲のキャラクタを鼓舞したり士気を高めることが可能であれば、他の種類のキャラクタ(例えば、応援団やチアガール等)としてもよい。
【0044】
第2能力強化処理部39は、特殊キャラクタ(特殊オブジェクトの一例)が所定の行動を行った場合に、特殊キャラクタの周囲に存在する、特殊キャラクタと同じ勢力に属するキャラクタの戦闘に関わる能力を強化する。例えば、敵の特殊キャラクタが所定の行動を行った場合、第2能力強化処理部39は、特殊キャラクタの周囲に存在する敵キャラクタの戦闘に関わる能力を強化する。また、第2能力強化処理部39は、特殊キャラクタが所定の行動を行う度に、戦闘に関わる能力を所定の割合ずつ増大させてもよい。「戦闘に関わる能力」とは、例えば攻撃力や防御力等の戦闘能力に関わるパラメータ値を含む。
【0045】
前述と同様、特殊キャラクタの一例である陣太鼓兵65が陣太鼓を叩く(所定の行動の一例)と、影響エリアAR2内に存在する敵キャラクタの戦闘に関わる能力が増大する。戦闘能力の増大の仕方は、特に限定されるものではないが、例えば陣太鼓兵65が陣太鼓を叩く度に、戦闘能力に関わるパラメータ値を10%ポイントずつ増加させてもよい。また、パラメータ値が増加可能な上限値(例えば200%ポイント)を設定してもよい。この場合、敵キャラクタの戦闘能力に関わるパラメータ値は、陣太鼓兵65が陣太鼓を叩く度に100%から110%、120%、・・・というように増加し、最大で200%まで増加可能となる。
【0046】
なお、上記のパラメータ値の増大の仕方は一例であり、異なる増大の仕方としてもよい。また、以上では特殊キャラクタが敵勢力にのみ存在する場合について説明したが、特殊キャラクタを味方の勢力に加えてもよい。その場合、ポイント増大処理部37は、味方の特殊キャラクタが所定の行動を行った場合、特殊キャラクタの周囲に存在する味方キャラクタのポイントを増大させる。また、第2能力強化処理部39は、味方の特殊キャラクタが所定の行動を行った場合、特殊キャラクタの周囲に存在する味方キャラクタの戦闘に関わる能力を強化する。
【0047】
なお、特殊キャラクタが倒された場合には、上記ポイントの増加や戦闘能力の強化はリセットされるのに加えて、所定の時間の間、ポイント又は戦闘能力をリセット後の値から所定の割合だけ減少させてもよい。例えば、プレイヤが敵勢力の特殊キャラクタを倒した時点から所定の時間の間(例えば30秒)、周囲の敵キャラクタのポイント又は戦闘能力を所定の割合だけ減少(例えば75%ポイントにする)させてもよい。このようないわゆるデバフ効果を与えることにより、特殊キャラクタが倒されることで敵キャラクタの士気が低下したことを表現できると共に、プレイヤに特殊キャラクタを討伐したことに対する褒美を付与することができる。
【0048】
第2情報集計処理部41は、ゲームフィールドGFで戦闘を行う複数のゲームキャラクタに関わる情報をゲームフィールドGF全体で集計する。具体的には、ゲームフィールドGF上に存在する全ての敵キャラクタのポイントの合計を集計すると共に、全ての味方キャラクタのポイントの合計を集計する。
【0049】
ゲージ表示処理部43は、第2情報集計処理部41による情報の集計結果に基づいて、ゲームフィールドGF全体の戦況を表す戦況ゲージ(ゲージの一例)を表示する。具体的には、ゲージ表示処理部43は、第2情報集計処理部41により集計された全敵キャラクタの合計ポイントと全味方キャラクタの合計ポイントとを足した総計ポイントに対する、全味方キャラクタの合計ポイントの割合、又は、全敵キャラクタの合計ポイントの割合をゲージに表示する。
【0050】
前述の図2及び図10に、ゲージ表示処理部43により表示される戦況ゲージ67の一例を示す。戦況ゲージ67には、上記総計ポイントを100%とした場合の、味方キャラクタの合計ポイントの割合(%)を例えば青色領域69(白色で示す)、敵キャラクタの合計ポイントの割合(%)を例えば濃い赤色領域71(小さい格子ハッチングで示す)として、表示している。
【0051】
なお、以上説明した各処理部における処理等は、これらの処理の分担の例に限定されるものではなく、例えば、更に少ない数の処理部(例えば1つの処理部)で処理されてもよく、また、更に細分化された処理部により処理されてもよい。また、上述した各処理部の機能は、後述するCPU101(後述の図13参照)が実行するゲームプログラムにより実装されるものであるが、例えばその一部がASICやFPGA等の専用集積回路、その他の電気回路等の実際の装置により実装されてもよい。
【0052】
<4.情報処理装置が実行する処理手順>
次に、図12を用いて、情報処理装置3によって実行される処理手順の一例について説明する。
【0053】
ステップS5では、情報処理装置3は、ポイント設定処理部25により、敵キャラクタ及び味方キャラクタの各キャラクタにポイントを設定する。
【0054】
ステップS10では、情報処理装置3は、エリア設定処理部27により、敵キャラクタ及び味方キャラクタの各キャラクタの周囲に影響エリアAR1を設定する。
【0055】
ステップS15では、情報処理装置3は、ゲームフィールドGF、マップ画面23、敵キャラクタ及び味方キャラクタ等をゲーム画面に表示する。
【0056】
ステップS20では、情報処理装置3は、味方キャラクタと敵キャラクタの戦闘を実行する。プレイヤキャラクタ17はプレイヤの操作によってリアルタイムに行動し、ゲームフィールドGF上を移動して敵キャラクタへの攻撃等を行う。プレイヤキャラクタ17以外の味方キャラクタ及び敵キャラクタは、ゲームプログラムにより規定される所定のアルゴリズムにより自動制御され、ゲームフィールドGF上を移動して相手キャラクタへの攻撃等を行う。
【0057】
ステップS25では、情報処理装置3は、第1情報集計処理部29により、ゲームフィールドGFに設定された所定の区画GRごとに、敵キャラクタのポイントの合計と味方キャラクタのポイントの合計をそれぞれ集計する。
【0058】
ステップS30では、情報処理装置3は、戦況判定処理部31により、上記ステップS25による集計結果に基づいて、区画GRごとに戦況を判定する。
【0059】
ステップS35では、情報処理装置3は、戦況表示処理部33により、上記ステップS30による戦況の判定結果を区画GRごとに識別可能にマップ画面23に表示する。
【0060】
ステップS40では、情報処理装置3は、第1能力強化処理部35により、敵が優勢である区画GRでは敵キャラクタの戦闘に関わる能力を強化し、味方が優勢である区画GRでは味方キャラクタの戦闘に関わる能力を強化する。このとき、第1能力強化処理部35は、敵優勢(強)の区画GRでは敵キャラクタの戦闘に関わる能力を大きめに強化し、敵優勢(弱)の区画GRでは敵キャラクタの戦闘に関わる能力を小さめに強化する。
【0061】
ステップS45では、第2情報集計処理部41により、ゲームフィールドGF上に存在する全ての敵キャラクタのポイントの合計を集計すると共に、全ての味方キャラクタのポイントの合計を集計する。
【0062】
ステップS50では、情報処理装置3は、ゲージ表示処理部43により、上記ステップS45による集計結果に基づいて、ゲームフィールドGF全体の戦況を表す戦況ゲージ67を表示する。
【0063】
ステップS55では、情報処理装置3は、特殊キャラクタ(例えば陣太鼓兵65)が所定の行動(例えば陣太鼓を叩く)を実行したか否かを判定する。所定の行動を実行した場合には(ステップS55:YES)、次のステップS60に移る。一方、所定の行動を実行していない場合には(ステップS55:NO)、後述のステップS65に移る。
【0064】
ステップS60では、情報処理装置3は、ポイント増大処理部37により、特殊キャラクタの周囲に存在する敵キャラクタに対し、特殊キャラクタが実行した所定の行動の回数に応じてポイントを増大させる。また、情報処理装置3は、第2能力強化処理部39により、特殊キャラクタの周囲に存在する敵キャラクタに対し、特殊キャラクタが実行した所定の行動の回数に応じて戦闘能力を強化する。
【0065】
ステップS65では、情報処理装置3は、味方キャラクタ(プレイヤキャラクタ17を含む)が敵勢力の特殊キャラクタを倒したか否かを判定する。特殊キャラクタを倒した場合には(ステップS65:YES)、次のステップS70に移る。一方、特殊キャラクタを倒していない場合には(ステップS65:NO)、後述のステップS75に移る。
【0066】
ステップS70では、情報処理装置3は、上記ステップS60による敵キャラクタのポイントの増加及び戦闘能力の強化をリセットし、特殊キャラクタの周囲に存在する敵キャラクタに対し、所定時間の間、ポイント及び戦闘能力を所定の割合だけ低下させる。
【0067】
ステップS75では、情報処理装置3は、戦闘を終了するか否かを判定する。例えば、勝利条件又は敗北条件のいずれかが満たされた場合には戦闘を終了し、満たされていない場合には戦闘を継続する。戦闘を継続する場合には(ステップS75:NO)、前述のステップS20に戻り、同様のステップを繰り返す。一方、戦闘を終了する場合には(ステップS75:YES)、本フローを終了する。
【0068】
なお、上述した処理手順は一例であって、上記手順の少なくとも一部を削除又は変更してもよいし、上記以外の手順を追加してもよい。また、上記手順の少なくとも一部の順番を変更してもよいし、複数の手順が単一の手順にまとめられたり、並行して実行されてもよい。
【0069】
<5.実施形態の効果>
以上説明したように、本実施形態のゲームプログラムは、情報処理装置3を、ゲームフィールドGFに設定された所定の区画GRごとに、ゲームフィールドGFで戦闘を行う複数のキャラクタに関わる情報を集計する第1情報集計処理部29、情報の集計結果に基づいて、区画GRごとに戦況を判定する戦況判定処理部31、戦況の判定結果を区画GRごとに識別可能に表示する戦況表示処理部33、として機能させる。
【0070】
本実施形態のゲームプログラムによれば、ゲームフィールドGFに設定された区画GRごとにゲームフィールドGFで戦闘を行う複数のキャラクタに関わる情報が集計され、集計結果に基づいて区画GRごとに戦況が判定され、戦況の判定結果が区画GRごとに識別可能に表示される。これにより、プレイヤはゲームフィールドGFの戦況を区画GRごとにリアルタイムに把握することができるので、時々刻々と変化する戦況に応じた行動や戦術をとることが可能となり、戦術性を向上できる。また、プレイヤが区画GRごとの戦況を把握できることで、敵勢力と味方勢力がゲームフィールドGFのいたるところで衝突していることをゲームプレイ中に肌で感じることができるので、戦闘の白熱さや臨場感を向上できる。
【0071】
また本実施形態において、ゲームプログラムは、情報処理装置3を、ゲームキャラクタの周囲に、情報の集計に影響する所定の広さの影響エリアAR1を設定するエリア設定処理部27、としてさらに機能させてもよく、その場合には、第1情報集計処理部29は、集計対象となる区画GRに影響エリアAR1の少なくとも一部が存在するゲームキャラクタに関わる情報を集計してもよい。
【0072】
この場合、集計対象となる区画GRの内部に存在するゲームキャラクタの情報だけでなく、その周囲に存在するゲームキャラクタの情報についても集計に加えることができる。これにより、ゲームキャラクタが周囲に及ぼす影響を考慮して戦況を判定することが可能となるので、例えば強力なゲームキャラクタ(武将等)が存在することで周囲のゲームキャラクタ(兵士等)の士気が上がるといった状況を表現できる。
【0073】
また、例えばゲームキャラクタの種類に応じて影響エリアAR1の広さに差を設けることで、強力なゲームキャラクタを投入することによって周囲の戦況が一気に変化する等、ゲームキャラクタの種類によって戦況に与える影響を変化させることができる。したがって、バトルデザインの自由度や戦術性を向上できる。
【0074】
また本実施形態において、ゲームプログラムは、情報処理装置3を、区画GRにおいて戦況が優勢と判定された勢力に属するゲームキャラクタに関わる能力を強化する第1能力強化処理部35、としてさらに機能させてもよい。
【0075】
この場合、戦況が優勢となった区画GRではゲームキャラクタの戦闘能力が強化されて戦闘を有利に進めることができるため、どの区画GRの戦況を優勢にすると効果的かといった戦術性を持たせることができる。例えば、敵が優勢な区画GRでは敵キャラクタの戦闘能力が強化されて戦闘が不利となるため、味方キャラクタの中で比較的強いキャラクタを敵が優勢な区画GRに突入させる等、戦術性を向上できる。また、プレイヤが敵キャラクタを倒して戦線を押し上げ、味方勢力が優勢な区画GRを広げていくにつれて、ますます戦闘を有利に進めることが可能となっていくので、プレイヤに達成感を感じさせることができる。
【0076】
また本実施形態において、戦況判定処理部31は、情報の集計結果に基づいて、区画GRごとに戦況の度合いを複数の段階で判定してもよく、その場合には、第1能力強化処理部35は、戦況が優勢と判定された勢力に属するゲームキャラクタの戦闘に関わる能力を、優勢の度合いに基づいて段階的に強化してもよい。
【0077】
この場合、例えば敵優勢(強)の区画GRで戦闘する際には、敵キャラクタの戦闘能力が大きく強化されているため最初は不利な戦闘となるが、プレイヤが敵キャラクタを倒していくことにより、段階的に敵の強化が解除され、戦闘を次第に有利に進めていくことが可能となる。したがって、プレイヤの達成感をさらに高めることができる。
【0078】
また本実施形態において、ゲームプログラムは、情報処理装置3を、ゲームキャラクタごとにポイントを設定するポイント設定処理部25、としてさらに機能させてもよく、その場合には、第1情報集計処理部29は、集計対象となる区画GRに関わるゲームキャラクタのポイントの合計を、ゲームキャラクタが属する勢力ごとに集計してもよく、戦況判定処理部31は、ポイントの合計が大きい方の勢力を優勢、小さい方の勢力を劣勢と判定してもよい。
【0079】
この場合、ポイントという戦況を判定するための新たなパラメータを導入することにより、他のパラメータとは独立して戦況識別表示に関する設定を行うことが可能となり、ゲームデザインの自由度を向上できる。また、例えばゲームキャラクタの種類に応じてポイントの大小を異ならせることで、強力なゲームキャラクタを投入すると周囲の戦況が一気に変化する等、ゲームキャラクタの種類によって戦況に与える影響を変化させることができる。したがって、バトルデザインの自由度や戦術性を向上できる。
【0080】
また本実施形態において、ゲームプログラムは、情報処理装置3を、ゲームフィールドGFに配置された特殊キャラクタが所定の行動を行った場合に、特殊キャラクタの周囲に存在する、特殊キャラクタと同じ勢力に属するゲームキャラクタのポイントを増大させるポイント増大処理部37、としてさらに機能させてもよい。
【0081】
例えば、単純に敵キャラクタの頭数を減らして味方の優勢区画を増やすだけでは、駆け引きや戦術性に乏しい上に、バトルシナリオと戦況との連動感が薄いという課題がある。具体的には、「優勢区画の奪取の鍵を握る特定の要素」がないため、素早く優勢区画を奪還する方法がなく、且つ、優勢区画奪還に特化した戦い方がないので、結局敵をただ減らすだけのゲームプレイになってしまう、という課題がある。また、バトルシナリオの展開上、例えば敵の優勢区画を一気に増やしたい場合、敵キャラクタの頭数をただ増やすしかなく、その場合にはプレイヤの戦闘時間が伸びてしまい、ゲームが冗長となってしまう、という課題もある。
【0082】
本実施形態では、周囲に存在するゲームキャラクタのポイントを増大させることが可能な特殊キャラクタを実装する。これにより、「敵の特殊キャラクタを倒す」ことによって優勢区画の奪還に特化した戦い方ができるので、駆け引きや戦術性を向上でき、ゲームの興趣性を増すことができる。また、敵の特殊キャラクタを適宜配置することで、バトルシナリオの展開に応じて敵の優勢区画を一気に増やすことが可能となり、バトルシナリオと戦況との連動感を高めることができると共に、ゲームが冗長となることを防止できる。
【0083】
また本実施形態において、ポイント増大処理部37は、特殊キャラクタが所定の行動を行う度に、ポイントを所定の割合ずつ増大させてもよい。
【0084】
この場合、敵勢力の特殊キャラクタが所定の行動を行う度に戦況が悪化していくことになる。したがって、例えば敵キャラクタを倒して頭数を減らすよりも敵の特殊キャラクタを倒すことを優先する等、駆け引きや戦術性を向上できる。
【0085】
また本実施形態において、ゲームプログラムは、情報処理装置3を、特殊キャラクタが所定の行動を行った場合に、特殊キャラクタの周囲に存在する、特殊キャラクタと同じ勢力に属するゲームキャラクタの戦闘に関わる能力を強化する第2能力強化処理部39、としてさらに機能させてもよい。
【0086】
本実施形態では、特殊キャラクタが所定の行動をとると、周囲に存在するゲームキャラクタの戦闘能力が増大する。したがって、例えば敵キャラクタを倒して頭数を減らすよりも敵の特殊キャラクタを倒すことを優先することによって、敵キャラクタの戦闘能力が高まることを回避でき、戦闘が不利になることを防止できる。このようにして、駆け引きや戦術性を向上できる。
【0087】
また本実施形態において、第2能力強化処理部39は、特殊キャラクタが所定の行動を行う度に、戦闘に関わる能力を所定の割合ずつ増大させてもよい。
【0088】
この場合、敵勢力の特殊キャラクタが所定の行動を行う度に敵キャラクタの戦闘能力が高まり、戦況が悪化していくことになる。したがって、例えば敵キャラクタを倒して頭数を減らすよりも敵の特殊キャラクタを倒すことを優先する等、駆け引きや戦術性を向上できる。
【0089】
また本実施形態において、戦況表示処理部33は、戦況が拮抗している状態から一方の勢力が優勢な状態に変化する場合に、予告表示を行ってもよい。
【0090】
この場合、例えば味方の勢力と敵の勢力が拮抗している状態から敵の勢力が優勢な状態に変化する場合に、プレイヤに対して予告表示による警告を行うことができる。これにより、プレイヤに戦術の見直し等を促すことが可能となり、戦術性をさらに向上できると共に利便性を向上できる。
【0091】
また本実施形態において、ゲームプログラムは、情報処理装置3を、ゲームフィールドGFで戦闘を行う複数のゲームキャラクタに関わる情報をゲームフィールド全体で集計する第2情報集計処理部41、情報の集計結果に基づいて、ゲームフィールド全体の戦況を表す戦況ゲージ67を表示するゲージ表示処理部43、としてさらに機能させてもよい。
【0092】
この場合、プレイヤは区画GRごとの細かな戦況に加えて、戦況ゲージ67によりゲームフィールド全体の戦況を一見して把握することができるので、戦術性をさらに向上できると共に利便性を向上できる。
【0093】
また本実施形態において、戦況表示処理部33は、ゲームフィールドGFの地形を表すマップ画面23において、戦況の判定結果を区画GRごとに識別可能に表示してもよい。
【0094】
この場合、プレイヤがゲームキャラクタを行動させるゲームフィールドGFの表示自体は変化させずに、マップ画面23の表示のみを戦況に応じて変化させることができるので、時々刻々と変化する戦況をゲームプレイの邪魔にならないように表示できる。
【0095】
<6.変形例等>
なお、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。
【0096】
例えば、以上では、マップ画面23で戦況を識別可能に表示する場合を一例として説明したが、マップ画面23以外のゲーム画面において戦況を識別可能に表示してもよい。例えば、ゲームフィールドGFの表示態様を戦況に応じて変化させたり、ゲームキャラクタの表示態様を戦況に応じて変化させてもよい。
【0097】
また以上では、影響エリアAR1の範囲が及ぶ各区画GRに対して、ゲームキャラクタのポイントの100%をそのまま各区画GRに集計するようにしたが、例えばゲームキャラクタのポイントを各区画GRに配分してもよい。この場合、各区画GRに配分されたポイントの合計は100%となる。例えば、影響エリアAR1の範囲が重なった面積に比例するようにポイントの配分を変化させてもよい。
【0098】
また以上では、本発明をアクションロールプレイングゲームに適用した場合について説明したが、本発明を適用可能なゲームのジャンルは上記に限定されるものではない。例えばシミュレーションゲーム、ロールプレイングゲーム、アドベンチャーゲーム、アクションゲーム、格闘ゲーム等、多種多様なジャンルのゲームに適用可能である。
【0099】
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。その他、一々例示はしないが、上記実施形態や各変形例は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【0100】
以上説明した実施形態や変形例等が解決しようとする課題や効果は、上述した内容に限定されるものではない。実施形態や変形例等によって、上述されていない課題を解決したり、上述されていない効果を奏することもでき、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。
【0101】
<7.情報処理装置のハードウェア構成>
次に、図13を用いて、上記で説明したCPU101等が実行するプログラムにより実装された各処理部を実現する情報処理装置3のハードウェア構成の一例について説明する。
【0102】
図13に示すように、情報処理装置3は、例えば、CPU101と、ROM103と、RAM105と、GPU106と、例えばASIC又はFPGA等の特定の用途向けに構築された専用集積回路107と、入力装置113と、出力装置115と、記録装置117と、ドライブ119と、接続ポート121と、通信装置123を有する。これらの構成は、バス109や入出力インターフェース111等を介し相互に信号を伝達可能に接続されている。
【0103】
ゲームプログラムは、例えば、ROM103やRAM105、ハードディスク等の記録装置117等に記録しておくことができる。
【0104】
また、ゲームプログラムは、例えば、フレキシブルディスクなどの磁気ディスク、各種のCD、MOディスク、DVD等の光ディスク、半導体メモリ等のリムーバブルな記録媒体125に、一時的又は永続的(非一時的)に記録しておくこともできる。このような記録媒体125は、いわゆるパッケージソフトウエアとして提供することもできる。この場合、これらの記録媒体125に記録されたゲームプログラムは、ドライブ119により読み出されて、入出力インターフェース111やバス109等を介し上記記録装置117に記録されてもよい。
【0105】
また、ゲームプログラムは、例えば、ダウンロードサイト、他のコンピュータ、他の記録装置等(図示せず)に記録しておくこともできる。この場合、ゲームプログラムは、LANやインターネット等のネットワークNWを介し転送され、通信装置123がこのプログラムを受信する。そして、通信装置123が受信したプログラムは、入出力インターフェース111やバス109等を介し上記記録装置117に記録されてもよい。
【0106】
また、ゲームプログラムは、例えば、適宜の外部接続機器127に記録しておくこともできる。この場合、ゲームプログラムは、適宜の接続ポート121を介し転送され、入出力インターフェース111やバス109等を介し上記記録装置117に記録されてもよい。
【0107】
そして、CPU101が、上記記録装置117に記録されたプログラムに従い各種の処理を実行することにより、前述のポイント設定処理部25、エリア設定処理部27、第1情報集計処理部29、戦況判定処理部31、戦況表示処理部33、第1能力強化処理部35、ポイント増大処理部37、第2能力強化処理部39、第2情報集計処理部41、ゲージ表示処理部43等による処理が実現される。この際、CPU101は、例えば、上記記録装置117からプログラムを、直接読み出して実行してもよく、RAM105に一旦ロードした上で実行してもよい。更にCPU101は、例えば、プログラムを通信装置123やドライブ119、接続ポート121を介し受信する場合、受信したプログラムを記録装置117に記録せずに直接実行してもよい。
【0108】
また、CPU101は、必要に応じて、前述のゲームコントローラ5を含む、例えばマイク、マウス、キーボード等(図示せず)の入力装置113から入力する信号や情報に基づいて各種の処理を行ってもよい。
【0109】
GPU106は、CPU101からの指示に応じて例えばレンダリング処理などの画像表示のための処理を行う。
【0110】
そして、CPU101及びGPU106は、上記の処理を実行した結果を、例えば前述の表示装置7を含む、出力装置115から出力する。さらにCPU101及びGPU106は、必要に応じてこの処理結果を通信装置123や接続ポート121を介し送信してもよく、上記記録装置117や記録媒体125に記録させてもよい。
【符号の説明】
【0111】
1 ゲームシステム
3 情報処理装置
5 ゲームコントローラ
7 表示装置
17 プレイヤキャラクタ(オブジェクト)
19 武将(オブジェクト)
21 兵士(オブジェクト)
23 マップ画面
25 ポイント設定処理部
27 エリア設定処理部
29 第1情報集計処理部
31 戦況判定処理部
33 戦況表示処理部
35 第1能力強化処理部
37 ポイント増大処理部
39 第2能力強化処理部
41 第2情報集計処理部
43 ゲージ表示処理部
65 陣太鼓兵(特殊オブジェクト)
67 戦況ゲージ(ゲージ)
AR1 影響エリア
AR2 影響エリア
GF ゲームフィールド
GR 区画
125 記録媒体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13